JP2000198175A - 自動車窓貼り用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

自動車窓貼り用積層ポリエステルフィルム

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JP2000198175A
JP2000198175A JP11001656A JP165699A JP2000198175A JP 2000198175 A JP2000198175 A JP 2000198175A JP 11001656 A JP11001656 A JP 11001656A JP 165699 A JP165699 A JP 165699A JP 2000198175 A JP2000198175 A JP 2000198175A
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polyester
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polyester film
laminated polyester
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Kazuo Endo
一夫 遠藤
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Mitsubishi Polyester Film Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時、加工時および使用時に染料による汚
染がなく、また使用時にシワが発生することのない、施
行性の優れた自動車窓貼り用フィルムを提供する。 【解決手段】 3層以上の層からなる積層ポリエステル
フィルムであって、下記式〜を同時に満足すること
を特徴とする自動車窓貼り用積層ポリエステルフィル
ム。 【数1】CA/CB≦0.5 ……… 0.02≦DA/DZ≦0.8 ……… 1.0≦SMD≦2.5 ……… −1.0≦STD≦1.0 ……… (上記式中、CAは最外層中の染料濃度(%)、CBは
中間層中の染料濃度(%)、DAは最外層厚みの和(μ
m)、DZは全層の厚み(μm)、SMDは140℃で5
分間熱処理時のフィルム縦方向の熱収縮率(%)、STD
140℃で5分間熱処理時のフィルム横方向の熱収縮率
(%)を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車窓貼り用積
層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本
発明は、遮光性を有する染料を含有する中間層と透明性
に優れた最外層を有し、自動車の曲面ガラス貼る際の施
工性に優れた自動車窓貼り用積層ポリエステルフィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、耐熱性、耐水
性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性などに優れ、従
来種々の工業用途に利用されており、その用途はますま
す拡大、多様化している。このような多様化に際し、そ
の要求特性もますます厳しくなってきたが、これを十分
満足させるに至っていないのが現状である。
【0003】例えば、自動車窓貼り用フィルム、X線青
味付けフィルム、ディスプレー用途等、フィルム中に染
料を含有する用途において、色の調合、耐熱性および分
散性等の良好な染料を選択しても、その染料の昇華性の
ため、フィルムの製造時にキャスティングロール、縦延
伸ロール、テンター内が汚染されてしまい、他の銘柄は
製造不可能となってしまう。そのため、実際には上記し
た着色フィルムは製造できないか、製造したとしてもコ
ストが極めて高くなってしまう。
【0004】また、染料を含有するために、加工時に染
料が滲み出てしまい、使用時においても汚染の問題があ
る。さらに着色フィルムを自動車の曲面ガラスに貼る方
法も、短冊状に切った数枚のフィルムを貼り合せる従来
方法から、コストダウンおよび見栄えの点で1枚貼りの
方法が主流になりつつある。しかしながら、施工時にシ
ワが発生しやすい等の問題点を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、製造時、
加工時および使用時に染料による汚染がなく、また使用
時にシワが発生することのない、施行性の優れた自動車
窓貼り用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、例え昇華しやすい染料を含
有するフィルムであっても、ある特定のフィルム構成と
することにより、フィルムから染料の昇華を防ぐととも
に、施工性に優れることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、3層以上の層
からなる積層ポリエステルフィルムであって、下記式
〜を同時に満足することを特徴とする自動車窓貼り用
積層ポリエステルフィルムに存する。
【0008】
【数2】CA/CB≦0.5 ……… 0.02≦DA/DZ≦0.8 ……… 1.0≦SMD≦2.5 ……… −1.0≦STD≦1.0 ……… (上記式中、CAは最外層中の染料濃度(%)(ただ
し、最外層中の染料濃度が異なる場合は染料濃度の高い
方の最外層中の染料濃度)、CBは中間層中の染料濃度
(%)(ただし、両側の最外層を除いた各層の平均
値)、DAは最外層厚みの和(μm)、DZは全層の厚
み(μm)、SMDは140℃で5分間熱処理時のフィル
ム縦方向の熱収縮率(%)、STDは140℃で5分間熱処
理時のフィルム横方向の熱収縮率(%)を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう積層ポリエステルとは、全ての層が口金か
ら共溶融押出される共押出法により押し出されたものを
延伸後、必要に応じて熱固定したものを指す。以下、積
層ポリエステルフィルムとして3層構造のフィルムにつ
いて説明するが、本発明において積層ポリエステルフィ
ルムは、その目的を満たす限り、3層ポリエステルフィ
ルムに限定されるものではなく、3層以上の多層であっ
てもよい。
【0010】本発明において、多層フィルムの各層を構
成する重合体は芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
とグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエ
ステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレ
ンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタ
レート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記
の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含有してい
てもよい。
【0011】芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフ
タル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、
例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ
安息香酸等)等を用いることができる。またグリコール
成分としては、エチレングリコール以外に、例えば、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペ
ンチルグリコール等の一種または二種以上を用いること
ができる。
【0012】本発明のフィルムの最外層とは、露出する
2面を構成する層であり、それ以外の層を中間層と呼
ぶ。最外層と中間層とを構成するポリエステル組成物の
極限粘度(IV)は通常0.52〜0.75、好ましく
は0.55〜0.70、さらに好ましくは0.58〜
0.67である。当該極限粘度が0.52未満では、フ
ィルムとした際のポリエステルフィルムが持つ優れた特
徴である耐熱性、機械的強度等が劣るようになる傾向が
ある。また、極限粘度が0.75を超えると、ポリエス
テルフィルム製造時の押出工程で負化が大きくなりすぎ
て生産性が低下する傾向がある。
【0013】本発明の積層ポリエステルフィルムの全層
のフィルム厚みは、通常10〜50μm、一般的には2
5μm程度である。本発明のフィルムにおいて、最外層
中の染料濃度(CA)と中間層の染料濃度(CB)との
比(CA/CB)は0.5以下、好ましくは0.3以
下、さらに好ましくは0.1以下である。CA/CBが
0.5を超えるとフィルムの製造工程で染料が昇華しや
すくなり、製膜ラインや加工ライン、さらには使用時に
おいて染料により汚染されるようになるので好ましくな
い。
【0014】本発明における最外層厚みの和(DA)と
全層の厚み(DZ)との比(DA/DZ)は0.02〜
0.8、好ましくは0.08〜0.6、さらに好ましく
は0.15〜0.5である。DA/DZが0.02未満
では、製膜ラインにおいて染料の昇華を十分に防ぐこと
ができなくなるので好ましくない。また、DA/DZが
0.8を超えると、中間層が薄くなり、高遮光性のフィ
ルムを得ようとすると染料の含有量が多くなり過ぎ、ポ
リエステルの極限粘度が低下し、ポリエステル自体の特
性が失われたり、中間層厚みが不均一となり、その結
果、色斑が生じるようになるので好ましくない。
【0015】本発明におけるフィルム縦方向の熱収縮率
(SMD)は1.0〜2.0%、好ましくは1.0〜2.
0%である。SMDが1.0%未満であったり、2.5%
を超えると自動車の曲面ガラスに着色フィルムを貼る際
にシワが入りやすくなるので好ましくない。また、フィ
ルム横方向の熱収縮率(STD)は−1.0〜1.0%、
好ましくは−0.5〜0.5%である。STDが−1.0
%未満であったり、0.5%を超えると自動車の曲面ガ
ラスに着色フィルムを貼る際に寸法安定性が悪くなり、
隙間ができるようになるので好ましくない。
【0016】本発明の中間層に含有される染料として
は、ポリエステル製造時の耐熱性、ポリエステル中での
分散性の点で化学構造的には、アントラキノン系染料、
フタロシアニン系染料等が好ましく挙げられ、染色的に
は分散染料、油溶性染料が好適である。これらの染料は
適宜選択し数種混合して使用されるのが一般的で、ポリ
エステル中の含有量は0.01〜10重量%が好まし
い。
【0017】本発明の積層フィルムの最外層には、フィ
ルム製造時の巻上げ工程および自動車窓貼り用フィルム
製造時のコーティング、貼合せ工程等の作業性を向上さ
せるため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性を
付与させることが好ましく、そのために微細な不活性粒
子を添加することが行われる。本発明で用いる微細な不
活性粒子としては、平均粒径が0.5〜3.0μm、さ
らには0.8〜2.0μmのものが好ましい。平均粒径
が0.5μm未満の粒子では、作業性が劣る傾向があ
る。また、平均粒径が3.0μmを超える粒子では、フ
ィルム表面の平面性が損なわれたり、透明性が損なわれ
たりすることがある。さらに不活性粒子の添加量は、通
常0.005〜1.0重量%、好ましくは0.01〜
0.7重量%である。粒子の添加量が0.005重量%
未満では、フィルムの巻き特性が劣る傾向がある。ま
た、粒子の添加量が1.0重量%を超えると、フィルム
表面の粗面化の度合いが大きくなり、フィルムの透明性
が損なわれることがある。
【0018】本発明で用いる不活性粒子の例としては、
酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒化ケイ素、窒
化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マ
グネシム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化ケ
イ素、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボンブラッ
ク、窒化ケイ素、窒化ホウ素および特公昭59−521
6号公報に記載されているような架橋高分子微粉体を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。この際、配合する不活性粒子は単成分でもよく、ま
た2成分以上を同時に用いてもよい。
【0019】また、本発明においてポリエステルに不活
性粒子および染料を含有させる方法は特に限定されない
が、重合工程に添加する方法、押出機を用い粒子および
染料を練込みマスターバッチとする方法等が採用され
る。本発明のフィルムを自動車窓貼り用として用いるた
めには、ハードコート層との接着性が良好な薄膜層を設
けることが好ましい。薄膜形成剤としては特に限定され
るものではなく、水溶性または水分散性のポリエステル
系組成物、ポリウレタン系組成物、ポリアクリル系組成
物、スチレン−ブタジエン共重合体およびアクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等が好ましく挙げられる。
【0020】本発明のフィルムに塗布層を設ける場合、
フィルム同士の貼り付き、いわゆるブロッキングが少な
いことが好ましい。ブロッキングがあると、フィルム製
膜後に巻き取り、スリットする際にフィルムが貼り付
き、極端な場合にはフィルムが破れることもある。上記
の塗布層のブロッキング性や耐水性、耐溶剤性および機
械的強度改良のために架橋剤を含有してもよい。架橋剤
としてはメチロール化あるいはアルキロール化した尿素
系、メラミン、グアナミン系、アルキルアミド系、ポリ
アミド系の化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合
物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合
物、シランカップリング剤、ジアルコールアルミネート
系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング
剤、過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感光
性樹脂等が挙げられる。
【0021】フィルムに塗布層を設けるために使用する
塗布液は、塗布層の滑り性改良のために粒子を含有して
いてもよい。粒子としてはコロイダルシリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、ニ酸化チタン等の不活性無機粒子
やポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニ
ル系樹脂から得られる微粒子あるいはこれらの架橋粒子
に代表される有機粒子が例示される。
【0022】また、本発明で用いる塗布液は、必要に応
じ、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、低分子帯電防止
剤、有機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡
剤、染料、顔料等を含有していてもよい。さらに、本発
明で用いる塗布液は、水を主たる媒体とする限りにおい
て、水への分散を改良する目的あるいは造膜性能を改良
する目的で少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機
溶剤は主たる媒体である水と混合して使用する場合、水
に溶解する範囲で使用することが必要である。有機溶剤
としては、例えばn−ブチルアルコール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、エチルアルコー
ル、メチルアルコール等の脂肪族または脂環族アルコー
ル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール等のグリコール類、n−ブチルセル
ソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブ、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導
体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルエチル
ケトン、アセトン等のケトン類、N−メチルピロリドン
等のアミド類が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの有機溶剤は単独で用いてもよいが、
必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0023】本発明において、フィルムの塗布層の厚み
は、最終的な乾燥後の厚さで通常0.02〜0.5μ
m、好ましくは0.01〜0.3μm、さらに好ましく
は0.03〜0.2μmである。塗布層の厚さが0.5
μmを超えるとフィルムが相互にブロッキングしやすく
なったり、特にフィルムの高強度化を目的として塗布延
伸フィルムを再延伸する場合には、工程中でロールに粘
着しやすくなる傾向がある。塗布層の厚さが0.02μ
m未満では、接着性の改良効果が小さくなる傾向があ
る。
【0024】なお、塗布剤のフィルムへの塗布性および
接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や
放電処理を施してもよい。また、本発明の二軸延伸フィ
ルムの塗布層の表面特性を改良するため、塗布層形成後
に塗布層面に放電処理を施してもよい。塗布層を形成す
る方法としては、二軸延伸フィルムの製造時に形成する
方法と、二軸延伸後に形成する方法とがあるが、前者の
方が好ましい。前者の具体例としては、例えば、未延伸
フィルム表面に薄膜形成液を塗布した後、二軸方法に延
伸する。または一軸延伸フィルム表面に薄膜形成液を塗
布した後、直角方向にさらに延伸する方法等が挙げられ
るが、これらを併用する方法も好適である。
【0025】塗布後延伸処理をしない場合、形成される
塗布層とベースフィルムとの密着性が弱くなる傾向があ
り、実用に適した接着性が得られないことがある。これ
らを工業的に有利に達成するためには、二軸延伸フィル
ムの製造工程内で塗布するのが好ましいが、これらに限
定されるわけではない。上述した塗布液をポリエステル
フィルムに塗布する方法としては原崎勇次著、槇書店、
1979年発行、『コーティング方式』に示されるリバ
ースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコータ
ー、エアードクターコーター等を用いることができる。
【0026】本発明の積層フィルムの製造方法を具体的
に説明するが、本発明の構成要件を満足する限り、以下
の例示に特に限定されるものではない。染料を所定量含
有したポリエステル(中間層用)と不活性粒子を所定量
含有したポリエステル(最外層用)を、各々別の溶融押
出装置に供給し、それぞれポリマーの融点以上の温度に
加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーを押出口金
内において層流状で接合積層させてスリット状のダイか
ら押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温
度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向
シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させる
ため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めること
が好ましく、本発明においては静電印加密着法および/
または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0027】本発明においては、このようにして得られ
たシートを二軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条
件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ま
しくは縦方向に通常70〜145℃で2〜6倍に延伸
し、縦一軸延伸フィルムとした後、フィルムの両面に順
次塗布液を塗布し、適度な乾燥を施すか、あるいは未乾
燥で、横方向に通常90〜160℃で2〜6倍延伸を行
い、通常150〜250℃で1〜600秒間熱処理を行
うことが好ましい。この際、熱処理の最高温度ゾーン後
の熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、横方向に通
常1〜20%、さらには2〜10%弛緩する方法が好ま
しい。さらに熱処理時のフィルム搬送速度に対し5〜1
5%速い速度で巻き取る方法が好ましい。また、必要に
応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能であ
る。
【0028】本発明の積層フィルムを自動車窓貼り用フ
ィルムに加工する際、その要求特性に応じて必要な特
性、例えば接着性、帯電防止性、耐候性および表面硬度
の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸のテ
ンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥するいわ
ゆるインラインコートを行ってもよい。また、積層フィ
ルムの製造後にオフラインコートで各種のコートを行っ
てもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでも
よい。コーティングの材料としては、オフラインコーテ
ィングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでも
よいが、インラインコーティングの場合は水系または水
分散系が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)粘度(IV) ポリマー1gをフェノール/テトラクロルエタン=1/
1(重量比)の混合溶媒100mlに溶解し、30℃で
測定した。 (2)フィルムの積層厚さ フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミク
ロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡
写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ
平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本
の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測
定し、平均値を積層厚さとした。 (3)平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。 (4)熱収縮率(SMD、STD) 田葉井製作所製の熱風循環炉を用い、厚み25μmのフ
ィルム縦方向(SMD)、横方向(STD)に各5本無張力状
態で140℃の雰囲気中で5分間熱処理し、その前後の
サンプルの長さを測定し、フィルム縦方向(SMD)、横
方向(SMD)を下記式にて計算し、各5本の平均値で表
した。
【0030】
【数3】 熱収縮率(%)=(l0 −l1 )/l0 ×100 (上記式中、l0 は熱処理前のサンプル長さ(mm)、
1 は熱処理後のサンプル長さ(mm)) ただし、l0 <l1 (膨張の場合)は−(マイナス)で
表した。 (5)色斑 フィルムの巾方向の可視光線透過率をJIS−A575
9に準じて10cm間隔で10点測定し、可視光線透過
率をフィルムの巾方向に10cm間隔で10点測定した
時、可視光線透過率の最小値をTv(min) 、最大値をT
v(max) とし、下記の基準に従って色斑を判定した。
【0031】 ○:Tv(min) /Tv(max) ≦2% ×:Tv(min) /Tv(max) >2% (6)施工性 自動車の曲面ガラスにフィルムを貼った際のシワおよび
周囲の隙間の状態を観察し、下記の基準で施工性を評価
した。
【0032】 ○:シワがなく、周囲の隙間も均一 ×:シワが入ったり、周囲の隙間も不均一 (7)ハードコート層との接着性 ポリエステルフィルム表面に下記の組成のハードコート
剤を#20バーを用い塗布し、90℃で1分間乾燥し溶
剤を除去した後、高圧水銀灯で120w/cm、照射距
離15cm、10m/分の条件下で9μmのハードコー
ト層を形成した。次いで、ハードコート層に1インチ幅
で碁盤目が100個になるようクロスカットを入れ、9
0度引き出し法でピールテストを行い(引張り速度:2
インチ/分)、接着性を測定した。
【0033】 ○:碁盤目の剥離≦5個 △:5<碁盤目の剥離<20個 ×:碁盤目の剥離≦20個 [ハードコート剤組成] セイカビーム EXY−26(S)(大日精化工業(株)製) 30部 メチルエチルケトン 35部 トルエン 35部 ポリエステル−Aの製造 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウ
ム・4水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温
度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反
応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間
後実質的にエステル交換反応を終了した。この反応混合
物にエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化
アンチモン0.04部、平均粒径が1.85μmのシリ
カ粒子0.05重量部を加えて、4時間重縮合反応を行
った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し28
0℃とした。一方、圧力を常圧より徐々に減じ、最終的
には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た
時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ
た。得られたポリエステルの粘度は0.65であった。
【0034】ポリエステル−Bおよびポリエステル−B
1の製造 ポリエステル−Aの製造において、平均粒径が1.85
μmのシリカ粒子0.05重量部を加えず、重縮合反応
を3時間15分とする以外はポリエステル−Aと同様の
方法でポリエステル−Bを得た。得られたポリエステル
の粘度は0.53であった。ポリエステル−Bを225
℃−0.3mmHgの条件下で15時間固相重合を行っ
た。得られたポリエステル−B1の粘度は0.78であ
った。
【0035】ポリエステル−Cの製造 ポリエステル−B1 100重量部を乾燥した後、三菱
化学社製ダイアレジンレッドHS 0.4重量部、同ブ
ルーH3G 0.8重量部および同イエローF0.3重
量部をベント式二軸押出機にて溶融混練りしポリエステ
ル−Cを得た。得られたポリエステルの粘度は0.61
であった。
【0036】ポリエステル−Dの製造 ポリエステル−Aの製造において、平均粒径が1.85
μmのシリカ粒子0.05重量部の代わりに平均粒径が
3.24μmのシリカ粒子0.05重量部とする以外は
ポリエステル−Aと同様の方法でポリエステル−Dを得
た。 ポリエステル−Eの製造 ポリエステル−Aの製造において、平均粒径が1.85
μmのシリカ粒子0.05重量部の代わりに平均粒径が
1.85μmのシリカ粒子0.2重量部とする以外はポ
リエステル−Aと同様の方法でポリエステル−Eを得
た。
【0037】実施例1 ポリエステル−Cを180℃で4時間乾燥し、285℃
に設定したメインの押出機に、ポリエステル−Aを28
5℃に設定したサブの押出機に送り込んだ。サブ押出機
のポリマーをフィルムの表裏2層(最外層)に分岐した
後、ギヤポンプ、フィルターを介して、サブ押出機から
のポリマーとフィードブロックで合流させシート状に押
出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静
電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み342μm
の実質的に非晶質のシートを得た。
【0038】得られた非晶質シートを縦方向に83℃で
3.6倍、横方向に90℃で3.8倍延伸した後、23
0℃で3秒間熱処理した後、185℃で2秒間5%の弛
緩処理を施し、熱処理時のフィルム搬送速度25.0m
/分に対しワインダーでの巻き取り速度を26.75m
/分とし、3μm/19μm/3μmの厚み構成で全層
厚み25μmの二軸配向フィルムを製造した。
【0039】実施例2 実施例1において、縦方向に83℃で3.6倍延伸した
後、その片面にポリウレタン系樹脂(大日本インク製
[ハイドランAP−40])65重量部、ポリエステル
系樹脂(大日本インク製[ファインテックスES−67
0])20重量部、メラミン系架橋剤(大日本インキ製
[ベッカミンJ−101]10重量部、コロイダルシリ
カ(日産化学工業製[スノーテックスYL])5重量部
からなる水性塗料を乾燥後の塗布厚みが0.1μmにな
るよう塗布し、横方向に93℃で3.8倍延伸する以外
は実施例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを製造し
た。
【0040】比較例1 実施例1において、ポリエステル−Aの代わりにポリエ
ステル−A 33重量部とポリエステル−C 67重量
部とを285℃に設定したサブの押出機に送り込んだ以
外は実施例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを製造し
た。 比較例2 実施例1において、積層ポリエステルフィルムの厚み構
成比を0.1μm/24.8μm/0.1μmとする以
外は実施例1と同様の方法で二軸延伸フィルムを製造し
た。
【0041】比較例3 実施例1において、積層ポリエステルフィルムの厚み構
成比を11μm/3μm/11μmとする以外は実施例
1と同様の方法で二軸延伸フィルムを製造した。 比較例4 実施例1において熱処理時のフィルム搬送速度とワイン
ダーでの巻き取り速度を同じとした以外は実施例1と同
様の方法で二軸延伸フィルムを製造した。
【0042】比較例5 実施例1において、熱処理時のフィルム搬送速度25.
0m/分に対しワインダーでの巻き取り速度を28.7
5m/分とした以外は実施例1と同様の方法で二軸延伸
フィルムを製造した。 比較例6 実施例1において、熱処理を施した後の弛緩処理を10
%とする以外は実施例1と同様の方法で二軸延伸フィル
ムを製造した。
【0043】以上、得られた結果をまとめて下記表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、製造時および使用時に
染料による汚染がなく、また使用時にシワが発生するこ
とのない、施行性の優れた自動車窓貼り用フィルムを提
供することができ、本発明の工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20H AA29H AK41A AK41B AK41C AR00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D BA15 BA25 BA27 CA13A CA13B CA13C CC00D DE01H EH202 EH46D EJ373 GB33 JA03 JK15 JL13D YY00 YY00A YY00B YY00C 4J002 CF061 CF081 EE056 EZ006 FD096 GF00 GN00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層以上の層からなる積層ポリエステル
    フィルムであって、下記式〜を同時に満足すること
    を特徴とする自動車窓貼り用積層ポリエステルフィル
    ム。 【数1】CA/CB≦0.5 ……… 0.02≦DA/DZ≦0.8 ……… 1.0≦SMD≦2.5 ……… −1.0≦STD≦1.0 ……… (上記式中、CAは最外層中の染料濃度(%)(ただ
    し、最外層中の染料濃度が異なる場合は染料濃度の高い
    方の最外層中の染料濃度)、CBは中間層中の染料濃度
    (%)(ただし、両側の最外層を除いた各層の平均
    値)、DAは最外層厚みの和(μm)、DZは全層の厚
    み(μm)、SMDは140℃で5分間熱処理時のフィル
    ム縦方向の熱収縮率(%)、STDは140℃で5分間熱処
    理時のフィルム横方向の熱収縮率(%)を表す)
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の最外層表面に易接着性
    塗布層を有することを特徴とする請求項1記載の自動車
    窓貼り用積層ポリエステルフィルム。
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