JP2005014440A - ポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

ポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ベルト全体の平均的な機械的特性は変化させずに、膜厚や平面度などのベルト寸法に対し高精度を保ったまま、ベルト周方向の引張弾性率を大きくし、更に熱膨張係数、吸水膨張率を小さくすることによって、長期間のランニングや保管によっても変形しない、ポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに長期間安定して高品質の転写画像を得ることができる電子写真方式の画像形成装置を提供する。
【解決手段】周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105〜200%の範囲にあり、かつ、ベルト内に2本の平行な軸を4kgの荷重で張架したときの平面度が5mm以下であることを特徴とするポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに画像形成装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等電子写真方式を用いる画像形成装置における中間転写部材、転写搬送部材、転写定着部材等に用いられるポリイミド製無端ベルト及びその製造方法、並びに該ポリイミド製無端ベルトを備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を応用した画像形成装置では、先ず無機又は有機光導電性感光体からなる潜像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザーや発光ダイオード光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像とする。そして、前記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙やOHP等の転写材に静電的に転写して、さらにこれを加熱や加圧することによって転写材に定着させることによって、所要の再生画像を得る。
【0003】
前記画像形成装置に用いられる中間転写部材や転写搬送部材の材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等の熱可塑性樹脂からなる半導電性の無端ベルト等が提案されている。
また、機械的特性及び熱特性等に優れたポリイミド樹脂を主成分とし、カーボンブラックを導電性微粉末として分散させた中間転写体が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
さらに、近年、この中間転写体を直接または間接的に加熱することで転写材への転写と同時に定着をおこなわせる転写定着方式が提案されているが、このような方式にとっては、高い機械的強度と耐熱性を併せ持つポリイミド樹脂が非常に適しているといえる(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
一方、このような転写ベルトや転写定着ベルトを前記画像形成装置において使用する場合、主としてベルトの軸と垂直な方向(周方向)に応力がかかることが多い。このベルト周方向への応力に対しベルトの周長が伸びてしまうと転写像が歪み、また正常な駆動を得られなくなる。また、一般のオフィスなどにおいて、夜間、複写機やプリンターなど画像形成装置の停止時に空調が切られることはごく一般的であるが、ベルトが駆動していない状態で周方向に張力がかかったまま温度や湿度が変化すると、ベルト周方向の熱線膨張係数や吸湿膨張係数が大きい場合には、ベルトが部分的に変形してしまい(ベルトにうねりが生じる)、画質欠陥を引き起こしてしまう。このことから、転写部材や転写定着部材においては、ベルト周方向への引張引張弾性率が大きく、伸び率が小さいことが望まれている。
【0006】
また、画像形成装置において使用される転写ベルトや転写定着ベルトにおいては、使用中の伸びだけでなく、画像形成装置に組み込まれた初期状態でベルト全体にうねりのないもの(平面度のよいもの)が望まれている。すなわち、実際に中間転写ベルトや転写搬送ベルト、あるいは転写定着ベルトを画像形成装置において使用する場合、ベルトは駆動ロールや支持ロールなどにより、強い張力が掛けられた状態で架張される。このとき、ベルトの転写面が平坦であることが必要であり、ベルトにうねりがあると転写像を歪めたり、ベルト周速差による色ずれを発生させたり、用紙と転写搬送ベルトとの密着性を弱めたりして画質を劣化させてしまう。
【0007】
一般的に、引張弾性率が大きいあるいは膨張率が小さいポリイミドは表面硬度が大きく、全体的な引張引張弾性率を小さくしようとすると、表面が硬すぎて接触する感光体表面を傷つけたり、スムースな駆動ができなくなる。このため、ベルト全体の平均的な引張弾性率や膨張率を変化させずに、ベルト周方向の引張弾性率や膨張率のみを特異的に制御することが求められていた。
【0008】
ベルトの機械的な特性値の異方性について、ポリイミド分子の分子鎖の分子配向を利用した例として、ポリイミドベルトをイミド化・成形して得た後、周方向への延伸処理をおこなうことで、ベルトの軸と平行な方向への破断を抑制しようとする発明が提案されている。しかしながら、このようにいったん成形されたポリイミドベルトを後工程によって延伸する手法は、延伸処理後のベルト樹脂の応力緩和現象によって延伸処理の効果が緩和されてしまう点、さらにこの後工程に要するコストが余分に発生する点で好ましくない(例えば、特許文献4参照。)。
【0009】
また、成形・乾燥後のポリイミド前駆体をイミド転化用成形型に載せ換えた後、イミド化に伴う体積収縮率を周方向より軸方向を大きくさせることによって軸方向の引裂伝播強度を周方向より大きくしようとする発明が提案されている。しかしながら、このようにイミド化時に軸方向の収縮率を大きくしたベルトは、周方向への収縮が規制されていることから、軸方向の収縮率を均等にしにくい欠点がある。すなわち、軸方向の両端部は収縮が大きく、中央付近は収縮が小さくなりやすい。その結果、軸方向での膜厚および抵抗が不均一で、具体的には中央部分が薄く両端部が厚い、また中央部の表面抵抗が両端部より高いベルトになりやすい。
更に、塗布・乾燥用の成形型とイミド転化用の成形型を必ず用意し、ベルト製造中にポリイミド前駆体皮膜を載せ替えなければならない。このポリイミド前駆体皮膜のイミド転化用成形型への載せ替えによって、ベルト全体にうねりが生じやすくなる。そして、そのうねりはベルトが大径化するほど発生しやすくなってしまう。
【0010】
近年、画像形成装置の高速化に伴い、各色毎の現像器を備えた複数の感光体を備えたタンデム式カラー画像形成装置が多く開発されているが、イミド化時に軸方向の収縮率を大きくしたベルトは、タンデム式カラー画像形成装置においては、中間転写方式あるいは転写搬送方式のどちらの方式を用いても、転写ベルトは大径化する必要があり、大径化してもうねりの少ないベルトが望まれている。この点において、イミド化時に軸方向の収縮率を大きくしたベルトは、タンデム式カラー画像形成装置の転写ベルトに用いることが可能な大きさで、かつ、高画質を得るために必要なうねりを抑えたベルトは作製できない。さらに、ポリイミド前駆体皮膜のイミド転化用成形型への載せ替えを必須としている点は、ベルト製造コストが余分に発生する点で好ましくない(例えば、特許文献5参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特許2560727号明細書
【特許文献2】
特開平5−77252号公報
【特許文献3】
特開平6−258960号公報
【特許文献4】
特開平10−278109号公報
【特許文献5】
特開2002−240063号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、ベルト全体の平均的な機械的特性は変化させずに、膜厚や平面度などのベルト寸法に対し高精度を保ったまま、ベルト周方向の引張弾性率を大きくし、更に熱膨張係数、吸水膨張率を小さくすることによって、長期間のランニングや保管によっても変形しない、ポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに長期間安定して高品質の転写画像を得ることができる電子写真方式の画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の本発明により達成される。
即ち、本発明は、
<1> 周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105〜200%の範囲にあり、かつ、ベルト内に2本の平行な軸を4kgの荷重で張架したときの平面度が5mm以下であることを特徴とするポリイミド製無端ベルトである。
【0014】
<2> 少なくとも、ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する回転塗布工程を経ることにより得られることを特徴とする<1>に記載のポリイミド製無端ベルトである。
<3> 前記平面度が2mm以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリイミド製無端ベルトである。
【0015】
<4> 周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の110〜150%の範囲にあることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
<5> 幅方向における膜厚の変位が、平均膜厚に対し、10%以下であることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
【0016】
<6> 周方向の熱線膨張率が、幅方向の熱線膨張率の90%以下であることを特徴とする<1>〜<5>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
<7> 周方向の吸水膨張率が、幅方向の吸水膨張率の90%以下であることを特徴とする<1>〜<6>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
【0017】
<8> 電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであることを特徴とする<1>〜<7>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
<9> 電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写搬送ベルトであることを特徴とする<1>〜<8>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
【0018】
<10> 電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写定着ベルトであることを特徴とする<1>〜<9>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトである。
<11> <8>〜<10>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトを、少なくとも1種類以上備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置である。
【0019】
<12> 円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、該ポリイミド前駆体塗膜をイミド転化してポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程と、を有するポリイミド製無端ベルトの製造方法であって、前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、ポリイミド前駆体溶液を、ノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する回転塗布工程を少なくとも有することを特徴とするポリイミド製無端ベルトの製造方法である。
【0020】
<13> 前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、前記ポリイミド前駆体溶液の円筒成形管の内周面又は外周面への塗布と同時又は塗布終了後に、前記円筒成形管の内周面または外周面に塗布されたポリイミド前駆体溶液の表面をブレードで擦りながら前記円筒成形管を回転させることにより、前記ポリイミド前駆体溶液の表面に周方向のせん断力をかける工程を、更に有することを特徴とする<12>に記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法である。
【0021】
<14> 前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させるときの圧力が、0.3MPa〜3MPaであることを特徴とする<12>又は<13>に記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法である。
<15> ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させるときの圧力が、0.5MPa〜1MPaであることを特徴とする<12>〜<14>の何れか1つに記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105〜200%の範囲にあり、かつ、ベルト内に2本の平行な軸を4kgの荷重で張架したときの平面度(以下、単に「平面度」という。)が5mm以下であることを特徴とする。
ここで、前記JIS K7161に規定される引張弾性率の測定は、ダンベル3号の打ち抜き試験片(幅5mm)を作製し、引張速度20mm/minで行うもので、例えば、最大500N(50kgf)が測定可能なロードセルを装着したアイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて測定することができる。
【0023】
一方、本発明における平面度の測定方法については、図1を用いて説明する。図1は平面度の測定方法を説明するための説明図である。図1に示すように本発明における平面度の測定は、無端ベルト2を2本の平行な軸4(Φ28mm)で4kgの荷重で張架し、そのときの無端ベルト表面をレーザー変位計6(キーエンス社製LK−030)で、幅方向の端部から端部までの全幅に亘って計測したものである。このとき、張架している軸と対になっている軸の中心から200mmの位置を、軸に平行に、前記レーザー変位計6で計測する。そして、変位量の最大値と最小値の差分を平面度とする。
【0024】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105〜200%の範囲にあることを必須とし、110〜150%の範囲にあることが好ましく、110〜120の範囲にあることがより好ましい。前記、周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105%未満であると、ベルト全体の平均的な引張弾性率や膨張率を変化させずに、ベルト周方向の引張弾性率を高め、歪みのない転写像を得るという目的を達成することができなくなってしまう。一方、200%を超えると、ベルト幅方向の強度を失ってしまい、長期間の使用でベルトが破断するなど、実使用に耐えられないものとなってしまう。
【0025】
また、本発明における平面度は、5mm以下であることを必須とし、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。前記平面度が5mmを超えると、転写像に歪みを生じたり、画像形成装置稼動中に装置内の他の部品に接触してしまいベルト破損の原因となってしまう。
【0026】
本発明のポリイミド製無端ベルトの厚さは、その使用目的に応じて適宜決定しうるが、一般的には強度や柔軟性等の機械的特性より、20〜200μm程度が好ましく、特に好ましくは50〜100μmである。
前記ポリイミド製無端ベルトの膜厚の測定は、渦電流方式のフィルム膜厚測定器((株)フィッシャー・インストルメンツ製イソスコープMP30、プローブ:EAT3.3)を用いておこなった。ベルトの軸方向・円周方向ともに30mm毎に測定ポイントを置き、全点の平均値をベルトの平均膜厚とした。また、ベルト軸方向の1測定ポイント列において膜厚の最大値と最小値の差を軸方向の変位とし、全ての軸方向の変位の中で最大のものを、該ベルトを代表する軸方向の膜厚変位とした。
【0027】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、幅方向における膜厚の変位が平均膜厚に対し、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることが更に好ましい。前記幅方向における膜厚の変位が、平均膜厚に対し10%を超えると、転写像に濃度ムラが生じたり、タンデム式画像形成装置の場合には色ズレを生じさせてしまう場合がある。
【0028】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、周方向の熱線膨張率が幅方向の熱線膨張率の90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。前記周方向の熱線膨張率が幅方向の熱線膨張率の90%を超えると、気温の変化などによりベルトに部分的な変形が生じてしまい、画像欠陥を生じさせてしまう場合がある。
【0029】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、周方向の吸水膨張率が幅方向の吸水膨張率の90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。前記周方向の吸水膨張率が幅方向の吸水膨張率の90%を超えると、湿度の変化などによりベルトに部分的な変形が生じてしまい、画像欠陥を生じさせてしまう場合がある。
【0030】
前記周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJISK7161に規定される引張弾性率を105〜200%の範囲にしたまま、ベルト内に2本の平行な軸を4kgの荷重で張架したときの平面度を5mm以下にする手段としては、本発明のポリイミド製無端ベルト製造工程において、ポリイミド前駆体溶液のイミド転化反応時の変形をできるだけ小さくするとともに、本発明のポリイミド製無端ベルト内のポリイミド分子鎖を周方向に配向させることにより達成される。また、幅方向における膜厚の変位、周方向の熱線膨張率、及び周方向の吸水膨張率も本発明のポリイミド製無端ベルト製造工程において、ポリイミド前駆体溶液のイミド転化反応時の変形(特に軸方向)をできるだけ小さくするとともに、本発明のポリイミド製無端ベルト内のポリイミド分子鎖を周方向に配向させることにより達成される。
上述の本発明のポリイミド製無端ベルトの周方向への配向させる方法としては、後述するポリイミド製無端ベルトの製造方法における、ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する塗布工程を経る方法が挙げられる。
【0031】
以下、ポリイミド製無端ベルトの製造方法について説明する。
ポリイミド製無端ベルトの製造方法は、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、該ポリイミド前駆体塗膜イミド転化してポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程とを有し、前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、ポリイミド前駆体溶液を、ノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する回転塗布工程を少なくとも有することを特徴とする。
【0032】
本発明の無端ベルトはポリイミド樹脂を主成分とするポリイミド製無端ベルトである。ポリイミド樹脂は、高引張弾性率材料であることから、駆動時に、支持ロール、クリーニングブレード等の応力による変形が少ないので、色ズレ等の画像欠陥が生じにくい。ポリイミド樹脂は、ポリイミド前駆体を加熱によるイミド化反応させることによって得られる。
前記ポリイミド前駆体は、通常、略等モルのテトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、ジアミンとを溶媒中で重合反応させてポリアミド酸溶液として得られる。
【0033】
前記テトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2‘−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0034】
一方、前記ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CH)3O(CHO(CH2)NH、HN(CH)3S(CH)3NH、HN(CH)3N(CH3)(CH)3NH等が挙げられる。
【0035】
前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒が好適に挙げられる。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、具体的には、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単数または複数併用することができる。
【0036】
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトは、ポリイミド樹脂中に無機あるいは有機の導電性フィラーを含有することができる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO−In複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。これらはポリイミド前駆体溶液に直接分散させてもよいし、ポリイミド前駆体の重合時に予め溶剤中に分散させておく方法を用いてもよい。また、分散の方法としては特に制限されることはなく、例えば、ボールミルや超音波等で分散させる方法がある。
【0037】
上述のように作製したポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体の濃度が10〜35質量%であることが好ましい。また、前記ポリイミド前駆体溶液の粘度は、10〜1000Pa・sであることが好ましく、30〜500Pa・sであることがより好ましい。前記前記ポリイミド前駆体溶液の粘度が、10Pa・s未満、或いは1000Pa・sを超えると、後述する前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出されるときの圧力が、好ましい範囲とならず、結果として周方向への配向がなされない場合がある。
【0038】
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法は、ポリイミド前駆体塗膜形成工程において、前記ポリイミド前駆体溶液を、ノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面または外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する。ポリイミド前駆体溶液がノズルから吐出されるときに受ける圧力が、ポリイミド前駆体分子を配向させ、そのまま円筒成形管の円周方向に塗布することで、結果的に、ポリイミド分子が周方向に配向したベルトとなり、本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトが得られる。
前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出されるときの圧力は、0.3MPa〜3MPaであることが好ましく、0.5MPa〜1MPaであることがより好ましい。前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出されるときの圧力が、0.3MPa未満であると、得られるポリイミド製無端ベルトの分子配向を十分に得ることができない場合がある。
一方、前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出されるときの圧力が、3MPaを超えると、ノズルからポリイミド前駆体溶液を安定した速度で吐出できない場合がある。
更に、ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出されるときの圧力が0.5MPa〜1MPaであると、気泡等の巻き込みがより一層少なくなり、膜厚もより均一となり、得られるベルトの周方向の強度と伸び難さがより一層増す。
【0039】
前記ノズルの形状は、特に制約はなく、円形や矩形など適時使用できる。また、その大きさも特に制約はなく、吐出されるポリイミド前駆体溶液の粘度との組み合わせによって、適正な吐出圧力となるように設計することが可能である。
【0040】
前記円筒成形管の内周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を図2を用いて説明する。図2は円筒成形管の内周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を説明するための概略図である。
図2において、円筒成形管11を矢印方向12に回転させながら、ポリイミド前駆体溶液16を容器14から、ノズル15を通して流下させる。このとき加圧装置17によってポリイミド前駆体溶液に吐出圧力が掛けられる。加圧装置17の方式には特に制限はないが、本発明の意図する目的を達成するために、所定粘度のポリイミド前駆体溶液に対し、所望の吐出圧力を設定できるものが必要である。具体的には、圧縮空気や高粘度液対応のモーノポンプ等が用いられる。
【0041】
ノズル15は、容器14に取り付けてもよいが、両者を離して管で連結し、容器14を別置きに固定してもよい。また、ノズル15の吐出口の大きさ・形状にも制限はなく、所定粘度のポリイミド前駆体溶液16を所定圧力のもとで、所定速度で吐出できるものとする。ノズル15はポリイミド前駆体溶液16を吐出しながら矢印13の方向に進み、らせん状の塗布をおこなう。ノズル15と円筒成形管11の距離は任意でよく、0.5mm〜100mm程度が好ましい。
【0042】
このように円筒成形管の内周面にポリイミド前駆体溶液を塗布した場合は、円筒成形管11を高速回転させる遠心成形法によって塗膜の膜厚を平坦化させることが可能である。
また、高速回転させなくても、ポリイミド分子をさらに円周方向に配向させる目的を兼ねて、ブレード18で、塗布されたポリイミド前駆体溶液16の表面を円周方向に擦りながらせん断力を与え、膜厚を平坦化させる方法も好ましく用いられる。ブレード18を通過した直後は筋が残ることがあるが、円筒成形管11を回転させ続けると、液の流動性により、筋は時間と共に消滅する。ノズル15とブレード18は連動させて塗布することもできる。
ブレード18は、ポリイミド前駆体溶液に侵されない材料、ポリエチレンやフッソ樹脂等のプラスチック、または、真鍮やステンレス等の金属の薄い板から成り、弾力性を有するもので形成されることが好ましい。更に好ましくは、これを幅10〜50mmに成形し、軽く円筒成形管11内周に押し当てる。
【0043】
また、前記円筒成形管の外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を図3を用いて説明する。図3は円筒成形管の外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を説明するための概略図である。図3において、円筒成形管29を矢印方向21に回転させながら、ポリイミド前駆体溶液26を容器22から、ノズル23を通して、流下させる。このとき加圧装置24によってポリイミド前駆体溶液に吐出圧力が掛けられる点は、前記円筒成形管の内周面に塗布する方法と同様である。流下したポリイミド前駆体溶液26は、ブレード25により平坦化されることが好ましい。ブレード25は、ポリイミド前駆体溶液に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッソ樹脂等のプラスチック、または、真鍮やステンレス等の金属の薄い板から成り、弾力性を有するもので形成されることがこのましい。更に好ましくは、これを幅10〜50mmに成形し、軽く円筒成形管29外周に押し当てる。ポリイミド前駆体溶液が通過すれば、ブレード25は円筒成形管29からある隙間をもって離れ、その際にポリイミド前駆体溶液を押し広げるのである。このとき、ポリイミド前駆体溶液に円周方向へせん断力が掛かり、ポリイミド前駆体分子を円周方向にさらに配向させることを助ける。
【0044】
円筒成形管11又は29の材質は、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましい。円筒成形管の表面(内周面または外周面)は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。
円筒成形管11又は29の表面(内周面または外周面)は、後述するポリイミド樹脂皮膜形成工程において、溶剤あるいは加熱反応時に樹脂から発生する水の蒸気が、円筒成形管とポリイミド樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出やすいように、ブラストにより粗面化させてやることができる。
更に、ブラスト処理後の芯体表面には、ポリイミド樹脂が接着しないよう、離型剤を塗布することが好ましい。離型剤の種類に制限はないが、ポリイミド前駆体溶液に侵されないものである必要がある。
【0045】
前記ポリイミド樹脂皮膜形成工程においては、ポリイミド樹脂の種類によって異なるものの好ましくは300℃から450℃で、20〜60分間、ポリイミド前駆体塗膜を加熱反応させることでポリイミド樹脂皮膜を形成することができる。加熱反応の際、溶剤が残留したままイミド化反応を進めると、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあるため、急激な加熱は避けることが好ましく、具体的には、最終温度に達する前に、一旦150〜200℃の温度で30〜60分間加熱乾燥して残留溶剤を除去し、続けて、温度を段階的、又は一定速度で上昇させて、加熱してポリイミド樹脂皮膜を形成することが好ましい。
【0046】
このように製造したポリイミド製無端ベルトは、膜厚や平面度などの寸法精度に優れ、ポリイミド分子が周方向に配向することによって、周方向への応力に対して伸びにくい性質を有するポリイミド樹脂無端ベルトとなる。
【0047】
本発明のポリイミド製無端ベルトは、膜厚精度および平面度が良好で、かつ変形しにくいため、後述するように電子写真方式の画像形成装置、特にタンデム式の画像形成装置に好適に用いることができる。前記タンデム式画像形成装置は、従来から知られている転写ドラム方式や4サイクル転写方式のように、各色毎に潜像形成・現像・転写・除電・クリーニングを繰り返すことがなく、複数の像担持体が配置したものであるため、格段に画像形成速度が向上するというメリットがある。このとき、本発明の無端ベルトを中間転写ベルトあるいは転写搬送ベルトとして用いると、その平面度及び厚み精度が良好であるため、良好な画像を得ることができる。
【0048】
また、本発明における無端ベルトを定着体として使用する場合には、表面に付着するトナーの剥離性向上のため、ベルト表面に非粘着性の樹脂皮膜を形成することが有効である。その非粘着性の樹脂皮膜の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂が好ましい。また、非粘着性の樹脂皮膜には、耐久性や静電オフセットの向上、オイルとの親和性、などのために、カーボン粉末や、硫酸バリウム等の無機化合物粉体が分散されていてもよい。
【0049】
フッ素系樹脂皮膜を形成するには、その水分散液を無端ベルトの表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。ベルト表面にフッ素系樹脂皮膜を形成するには、加熱してポリイミド皮膜を円筒芯体の表面に形成してから、塗布してもよいが、PI前駆体溶液を塗布して溶剤を乾燥させてから、フッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に加熱してイミド転化完結反応とフッ素系樹脂皮膜の焼成処理を同時に行ってもよい。この場合、フッ素系樹脂皮膜の密着性が強固になることもある。
無端ベルトを定着体として使用する場合、その厚さとしては20〜250μmの範囲であることが好ましく、フッ素系樹脂皮膜の厚さは10〜50μmの範囲が好ましい。
【0050】
本発明の画像形成装置は、本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを少なくとも1種類以上備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置である。
前記本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを中間転写ベルト、転写搬送ベルトあるいは転写定着ベルトとして備えることで、高画質の転写画像を得ることができる。
前記本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを中間転写ベルトとして備える画像形成装置の1例(タンデム式)を図4を用いて説明する。図4は本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを備える画像形成装置の1例を説明するための概略図である。
【0051】
図4に示す画像形成装置は、前記本発明の中間転写ベルトを備え、例えば、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)の現像器45を備えた各色毎の感光体3が中間転写ベルト46に配置したタンデム式カラー画像形成装置に適用できる。前記本発明のポリイミド樹脂製無端ベルト中間転写ベルトとして備えることで、高画質の転写画像を得ることができる。具体的には、感光体39表面を均一に帯電する帯電ロール43(帯電装置)、感光体39表面を露光し静電潜像を形成するレーザー発生装置38(露光装置)、感光体39表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像器45(現像装置)、感光体に付着したトナーやゴミ等を除去する感光体クリナー44(クリーニング装置)、被転写材上のトナー像を定着する定着する定着ロール32等必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0052】
像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前期像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0053】
帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0054】
露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
【0055】
現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0056】
第一転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0057】
転写方式として中間転写方式を採用した場合、第二転写手段としては、前記第一転写手段として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等が挙げられる。これらの中でも、前記第一転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写体から被転写体に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
【0058】
光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LED等が挙げられ、該光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるよう出力設定される。
【0059】
クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置等を用いればよい。
定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
【0060】
前記本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを転写搬送ベルトとして備える画像形成装置の1例(タンデム式)を図5を用いて説明する。図5は本発明のポリイミド製無端ベルトを備える画像形成装置の他の1例の要部を説明するための概略図である。
図5に示す画像形成装置は、複写機、レーザービームプリンター等として使用できるものである。図5に示す画像形成装置は、ユニットY、M、C、Bkと、記録紙(被転写体)搬送用ベルト56と、転写ロール57Y、57M、57C、57Bkと、記録紙搬送ロール58と、定着器59とを備えている。転写搬送ベルト56として、前記本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを備える。転写搬送ベルト56として、本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを備えることにより、高画質の転写画像を得ることができる。
【0061】
ユニットY、M、C、Bkは、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転可能にそれぞれ電子写真感光体51Y、51M、51C、51Bk(図示ないが、電子写真感光体にはフランジが固定されている。)が備えらる。電子写真感光体51Y、51M、51C、51Bkの周囲には、コロトロン帯電器52Y、52M、52C、52Bkと、露光器53Y、53M、53C、53Bkと、各色現像器(イエロー現像器54Y、マゼンタ現像器54M、シアン現像器54C、ブラック現像器54Bk)と、電子写真感光体クリーナー55Y、55M、55C、55Bkとがそれぞれ配置されている。
【0062】
ユニットY、M、C、Bkは、転写搬送ベルト56に対して4つ並列に、ユニットY、M、C、Bkの順に配置されているが、ユニットBk、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
【0063】
転写搬送ベルト56は、支持ロール60、61、62、63によって、矢印の反時計方向に電子写真感光体51Y、51M、51C、51Bkと同じ周速度をもって回転可能になっており、支持ロール62、63の中間に位置するその一部が電子写真感光体51Y、51M、51C、51Bkとそれぞれ接するように配置されている。転写搬送ベルト56は、ベルト用クリーニング装置64が備えられている。
【0064】
以上、本発明のポリイミド製無端ベルトを中間転写ベルトあるいは転写搬送ベルトとして用いた場合について説明したが、本発明のポリイミド製無端ベルトを転写定着ベルトとして用いても、同様の効果が得られる。
【0065】
【実施例】
(実施例1)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを、N−メチル−2−ピロリドン中で合成したポリイミド前駆体の20質量%濃度の溶液を用意し、その中にカーボンブラック(SPECIAL BLACK 4(Degussa社製)を所定量添加し、サンドミルで6時間室温で分散させた。このカーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液の粘度は、室温で45Pa・sであった。
一方、外径200mm、長さ400mm、ブラスト処理によりRa0.8μmに粗面化したアルミニウム製円筒成形管を用意し、外表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理をした。
【0066】
更に、回転塗布工程として、図3に示すように、円筒成形管29の軸方向を水平にして、40rpmで回転させた。ブレード25は幅20mm、厚さ1mmのポリエチレンからなり、弾力性を有している。これを円筒成形管29に押し付け、ポリイミド前駆体溶液26は、容器12から口径3mmのノズル23を通して、エア圧0.8MPaにて、12ml/分の流量で押し出した。ポリイミド前駆体溶液がブレード25を通過する際、ブレード25が押し広げられ、ブレード25と円筒成形管29の間には隙間ができた。次いで、ノズル23とブレード25を60mm/分の速度で、矢印21の方向に移動させて塗布した。この条件で、円筒成形管21 1回転あたり、ノズル23とブレード25は1.5mmずつ移動する。なお、塗布の際には、円筒成形管29の両端に5mmずつの不塗布部分を設けた。
【0067】
次に、ポリイミド前駆体溶液26が塗布された円筒成形管29を水平のまま、6rpmで回転させながら、170℃で60分間加熱乾燥させた。その後、360℃で30分間加熱して、カーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を形成した。(ポリイミド前駆体溶液の軸方向塗布長と、出来上がったポリイミド樹脂皮膜の軸方向長から求められる収縮率は1.5%だった。)
円筒成形管29から外したカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに切り揃え、図4に示すタンデム型画像形成装置の中間転写ベルトとして用いた。
この中間転写ベルトの膜厚を測定し、また、図1に示す方法により平面度を測定した。
【0068】
また、この中間転写ベルトを図4に示す画像形成装置にセットし、張力を掛けた状態のまま、10℃、15RH%の環境に48時間放置し、その後、28℃、85%の環境に48時間放置した後、画像形成装置を動かし、画像を出力した。さらに、その後、再び、平面度を測定した。
更に、同様にして作製した別のカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜から試料片を切り出し、引張弾性率、熱線膨張率、吸湿(吸水)膨張率を測定した。
引張弾性率の測定は、アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605Nを用いて、JISK7161に準じておこない、軸方向、周方向それぞれ5回測定した平均値を測定値とした。
【0069】
熱線膨張率の測定は、JIS K7197に準じておこない、軸方向、周方向それぞれ3回測定した平均値を測定値とした。
【0070】
吸湿膨張率の測定は、試料片を幅25.4mmに切り出し、基準長さ149mmに対し、230gの錘を取り付け、35℃で、相対湿度20RH%と85RH%に、それぞれ24時間づつ保持させたときの試料長さをマイクロメーターで測定し、これを3回繰り返しておこなった。吸湿膨張率の計算方法を下記式1に示す。
以上の測定値を表1に示す。
(式1)
吸湿膨張率 = LH − LL / Lref × (H2−H1)
ここで、
LH:35℃85RH%での試料片の長さ
LL:35℃20RH%での試料片の長さ
Lref:22℃55%での試料片の長さ
H1:吸湿膨張率を求める低湿度側相対湿度(RH%)
H2:吸湿膨張率を求める高湿度側相対湿度(RH%)
である。
【0071】
(実施例2)
アルミニウム製円筒成形管の外径を285mmとし、回転塗布工程での成形管の回転数を26rpm、ノズル23とブレード25の移動速度を39mm/分の速度にした以外は、実施例1と同様にカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を作製した。
更に、円筒成形管から外したカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を370mmに切り揃え、図5に示すタンデム型画像形成装置の転写搬送ベルトとして用い、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0072】
(実施例3)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとをN−メチル−2−ピロリドン中で合成したポリイミド前駆体の20質量%濃度の溶液を用意し、その中にカーボンブラック(SPECIAL BLACK 4(Degussa社製)を所定量サンドミルで6時間室温で分散させて、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液を調製した。このときの粘度は、室温で38Pa・sであった。
【0073】
得られたポリイミド前駆体溶液を用いて、吐出圧力を0.5MPaとした以外は実施例1と同様に回転塗布をおこなった。ただし、ここでは、図6に示すように、円筒成形管の両端部に、軸方向15mm×周方向20mmのパッチ69を8箇所、#600のサンドペーパーで研磨して作製した円筒成形管68を用いた。
得られたポリイミド前駆体塗膜は、実施例1と同様に乾燥・加熱イミド化をおこなったが、ポリイミド樹脂皮膜をオーブンから120℃で取り出したとき、成形管端部のパッチにイミド樹脂膜が貼り付き、軸方向の収縮が抑制されていた(このとき塗布長に対する収縮率は2.2%だった)。この貼り付き部を厚み50μmのポリイミドフィルムを差し込んで剥がした後、室温まで冷却し、ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに揃えた。
作製したポリイミド樹脂ベルトは、実施例1と同様に中間転写ベルトとして用い評価した。その結果を表1に示す。
【0074】
(実施例4)
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液の吐出圧力を0.3MPa、ノズル13の口径を4mm、流量を10ml/分、ノズル13とへら15の移動速度を55mm/分にする以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0075】
(実施例5)
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液の吐出圧力を1.5MPa、ノズル13の口径を2mm、流量を19ml/分、円筒成形管1の回転数を60rpm、ノズル13とへら15の移動速度を90mm/分にする以外、実施例1と同様にして中間転写ベルトを作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0076】
(実施例6)
実施例1と同様にポリイミド前駆体溶液を調製した。
一方、内径230mm、長さ400mm、のステンレス製円筒成形管を用意し、内表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理をした。
回転塗布工程として、図2に示すように、円筒成形管11の軸方向を水平にして、40rpmで回転させた。円筒成形管の内部に、ポリイミド前駆体溶液を、容器14から口径3mmのノズル15を通して、エア圧0.8MPaにて、12ml/分の流量で押し出した。次いで、ノズル15とブレード18を60mm/分の速度で、矢印13の方向に移動させて塗布した。なお、塗布の際には、円筒成形管11の両端に5mmずつの不塗布部分を設けた。
【0077】
次に、円筒成形管11の両端部に蓋をし、水平のまま、600rpmで20分間遠心成形をおこなった。
さらに水平のままオーブンに入れ、6rpmで回転させながら250℃まで1℃/分の速度で加熱し、250℃に達したところで30分間保持して、カーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を形成した。
円筒成形管から外したカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに切り揃え、図4に示すタンデム型画像形成装置の中間転写ベルトとし、実施例1と同様に評価した。
【0078】
(比較例1)
実施例1で得られたポリイミド前駆体溶液を図7に示す装置により円筒成形管に浸漬塗布した。図7は、ポリイミド前駆体溶液の浸漬塗布に用いる装置の一例を示す概略図である。
前記浸漬塗布法は、塗布槽74に満たされたポリイミド前駆体溶液73に、円筒成形管71の外径よりも大きな孔を設けた環状体76を浮かべ、該孔を通して円筒成形管71をポリイミド前駆体溶液73に浸漬し、次いで、引き上げる塗布法である。
円筒成形管71として、外径200mm、長さ400mmのアルミニウム製円筒体を用意した。かかるアルミニウム製円筒体は、外径220mm、長さ500mmのアルミニウム製素管を350℃で10分間加熱し、自然に冷却させた後、表面を切削して、外径を364.5mにし、更に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面をRa:1.5μmに粗面化したものである。その円筒成形管71の表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、300℃で1時間焼き付け処理を施した。
また、環状体76として、外径280mm、最小部の内径201.2mm、高さ50mmのアルミニウム製のものを作製した。内壁は傾斜状である。
【0079】
円筒成形管71を内径350mm、高さ500mmの環状の塗布槽74に通した。そして、その環状の塗布槽74にカーボンブラック分散ポリイミド前駆体溶液73を入れ、環状体76を配置して、円筒成形管71を1.0m/分で上昇させ、塗布を行った。これにより、円筒成形管71の表面には濡れ膜厚が約380μmのポリイミド前駆体塗膜が形成された。
次に、円筒成形管71を水平にして、6rpmで回転させながら、170℃で60分間加熱乾燥させた。その後、360℃で30分間加熱して、カーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を形成した。カーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに揃え、図4に示すタンデム型画像形成装置の中間転写ベルトとし、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0080】
(比較例2)
比較例1において得られたカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜を、外径196mm、長さ500mm、ブラスト処理によりRa1.6μmに粗面化したアルミニウム製(イミド化用)円筒成形管に載せ替え、縦置きにして、360℃で30分間加熱することによって、ポリイミド樹脂皮膜を得た。得られたカーボンブラック分散ポリイミド樹脂皮膜の幅を350mmに揃え、図4に示すタンデム型画像形成装置の中間転写ベルトとし、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 2005014440
【0082】
表1より、本発明のポリイミド無端ベルトを用いた実施例は、高画質であることがわかる。
【0083】
【発明の効果】
本発明は、ベルト全体の平均的な機械的特性は変化させずに、膜厚や平面度などのベルト寸法に対し高精度を保ったまま、ベルト周方向の引張弾性率を大きくし、更に熱膨張係数、吸水膨張率を小さくすることによって、長期間のランニングや保管によっても変形しない、ポリイミド製無端ベルト、及びその製造方法、並びに長期間安定して高品質の転写画像を得ることができる電子写真方式の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面度の測定方法を説明するための説明図である。
【図2】円筒成形管の内周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を説明するための概略図である。
【図3】円筒成形管の外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法の1例を説明するための概略図である。
【図4】本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを備える画像形成装置の1例を説明するための概略図である。
【図5】本発明のポリイミド製無端ベルトを備える画像形成装置の他の1例の要部を説明するための概略図である。
【図6】両端部にパッチを8箇所設けてある円筒成形管の要部を説明するための概略図である。
【図7】ポリイミド前駆体溶液の浸漬塗布に用いる装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
2 無端ベルト
4 平行な軸
6 レーザー変位計
11 円筒成形管
12 矢印方向
14 容器
15 ノズル
16 ポリイミド前駆体溶液
17 加圧装置
18 ブレード
21 矢印方向
22 容器
23 ノズル
24 加圧装置
25 ブレード
26 ポリイミド前駆体溶液
29 円筒成形管
31 トナーカートリッジ
32 定着ロール
33 バックアップロール
34 テンションロール
35 2次転写ロール
36 用紙経路
37 用紙トレイ
38 レーザー発生装置
39 感光体
40 1次転写ロール
41 駆動ロール
42 転写クリナー
43 帯電ロール
44 感光体クリナー
45 現像器
46 中間転写ベルト
51Y、51M、51C、51Bk 電子写真感光体
52Y、52M、52C、52Bk コロトロン帯電器
53Y、53M、53C、53Bk 露光器
54Y イエロー現像器
54M マゼンタ現像器
54C シアン現像器
54Bk ブラック現像器
55Y、55M、55C、55Bk 電子写真感光体クリーナ
56 転写搬送ベルト
57Y、57M、57C、57Bk 転写ロール
58 記録紙搬送ロール
59 定着器
60、61.62、63 支持ロール
64 ベルト用クリーニング装置
68 円筒成形管
69 パッチ
71 円筒成形管
73 ポリイミド前駆体溶液
74 塗布槽
76 環状体

Claims (15)

  1. 周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の105〜200%の範囲にあり、かつ、ベルト内に2本の平行な軸を4kgの荷重で張架したときの平面度が5mm以下であることを特徴とするポリイミド製無端ベルト。
  2. 少なくとも、ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する回転塗布工程を経ることにより得られることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド製無端ベルト。
  3. 前記平面度が2mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド製無端ベルト。
  4. 周方向のJIS K7161に規定される引張弾性率が、幅方向のJIS K7161に規定される引張弾性率の110〜150%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  5. 幅方向における膜厚の変位が、平均膜厚に対し、10%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  6. 周方向の熱線膨張率が、幅方向の熱線膨張率の90%以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  7. 周方向の吸水膨張率が、幅方向の吸水膨張率の90%以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  8. 電子写真方式の画像形成装置に用いられる中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  9. 電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写搬送ベルトであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  10. 電子写真方式の画像形成装置に用いられる転写定着ベルトであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルト。
  11. 請求項8〜10の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルトを、少なくとも1種類以上備えることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
  12. 円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成するポリイミド前駆体塗膜形成工程と、該ポリイミド前駆体塗膜をイミド転化してポリイミド皮膜を形成するポリイミド皮膜形成工程と、を有するポリイミド製無端ベルトの製造方法であって、
    前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させながら、回転する円筒成形管の回転軸方向に移動させることによって、円筒成形管の内周面又は外周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する回転塗布工程を少なくとも有することを特徴とするポリイミド製無端ベルトの製造方法。
  13. 前記ポリイミド前駆体塗膜形成工程が、前記ポリイミド前駆体溶液の円筒成形管の内周面又は外周面への塗布と同時又は塗布終了後に、前記円筒成形管の内周面または外周面に塗布されたポリイミド前駆体溶液の表面をブレードで擦りながら前記円筒成形管を回転させることにより、前記ポリイミド前駆体溶液の表面に周方向のせん断力をかける工程を、更に有することを特徴とする請求項12に記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法。
  14. 前記ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させるときの圧力が、0.3MPa〜3MPaであることを特徴とする請求項12又は13に記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法。
  15. ポリイミド前駆体溶液をノズルから吐出させるときの圧力が、0.5MPa〜1MPaであることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載のポリイミド製無端ベルトの製造方法。
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