JP2005012914A - 電動機のドライバ - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子の巻線3u,3v,3wに誘起される逆起電力Eの大きさから回転子の永久磁石の温度を推定し、この温度が所定値以上になった場合に駆動電流を制限することにより、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止することができる電動機のドライバを提供する。
【解決手段】回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線3u,3v,3wを備えた三相センサレスモータの電動機3の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線3u,3v,3wに供給する駆動電流を制御して回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の回転速度を検出する回転子位置検出回路5と、回転子の永久磁石によって固定子の巻線3u,3v,3wに誘起される逆起電力Eの大きさを検出する逆起電力検出回路8と、この回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下すると、固定子の巻線3u,3v,3wに供給する駆動電流を制限する制御回路6とが設けられた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線3u,3v,3wを備えた三相センサレスモータの電動機3の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線3u,3v,3wに供給する駆動電流を制御して回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の回転速度を検出する回転子位置検出回路5と、回転子の永久磁石によって固定子の巻線3u,3v,3wに誘起される逆起電力Eの大きさを検出する逆起電力検出回路8と、この回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下すると、固定子の巻線3u,3v,3wに供給する駆動電流を制限する制御回路6とが設けられた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレス・センサレスモータ等のように、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機のドライバに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、回転子に永久磁石を設けると共に固定子に巻線を設けた電動機であり、このドライバは、回転子の回転位置をホール素子等のセンサによって検出することにより、固定子の巻線にインバータから駆動電流を供給して交番磁界や回転磁界を発生させるようになっている。また、センサレスモータは、このブラシレスモータの回転子の回転位置を、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力に基づいて検出するものであり、ドライバの構成は複雑になるが、電動機にセンサを取り付ける必要がなくなるという利点を有する。
【0003】
従来の三相センサレスモータのドライバの構成を図4に示す。バッテリ1の直流電源は、三相インバータ回路2によって三相U,V,Wの交流に変換されて電動機3の固定子の巻線3u,3v,3wに供給される。三相インバータ回路2は、三相ブリッジ形に接続された6個のトランジスタQ1 〜Q6 のON/OFFを順次切り替えることにより、三相の巻線3u,3v,3wに120°位相がずれた交流の駆動電流を供給し回転磁界を発生させる回路である。また、これら6個のトランジスタQ1 〜Q6 には、それぞれ還流ダイオードD1 〜D6 が接続されている。
【0004】
上記電動機3の固定子の各巻線3u,3v,3wの電圧は、加算回路4で加算されて回転子位置検出回路5に送られるようになっている。各巻線3u,3v,3wには、バッテリ1の電源電圧が三相インバータ回路2の各トランジスタQ1 〜Q6 を介して適宜のタイミングで印加されるだけでなく、これらのトランジスタQ1 〜Q6 がOFFに切り替わった際の自己誘導による電圧や、回転する回転子の永久磁石によって誘起される逆起電力による電圧が発生する。そして、回転子位置検出回路5は、この回転子の永久磁石によって誘起された逆起電力の周期や位相を調べることにより、この回転子の回転位置を検出するようになっている。また、このようにして回転子位置検出回路5が検出した回転子の回転位置の情報は、制御回路6に送られ、この情報に基づき制御回路6からゲートドライブ回路7にタイミング信号が送られるようになっている。制御回路6は、回転子の回転位置の情報に基づいてタイミングを制御する際に、設定された回転速度と回転子の回転速度とを比較して速度制御も行うようになっている。そして、この制御回路6からのタイミング信号により三相インバータ回路2から適宜の周波数とデューティ比の三相駆動電流が巻線3u,3v,3wに供給されることになり、これによってセンサレスモータの駆動制御が行われる。
【0005】
ここで、回転子に用いられる永久磁石は、キュリー点温度以上になると磁性を失うだけでなく、このキュリー点よりも低い温度の場合にも、それぞれの磁性体の温度係数に応じて温度が上昇するほど磁力が減少し(可逆減磁)、しかも、この温度が磁性体の種類に応じたある温度以上に上昇すると、その後常温に戻った場合にも元の磁力に回復しなくなる不可逆減磁を生じることになる。また、固定子の巻線に駆動電流を流したときの逆方向の磁界を永久磁石が受けると、この逆磁界が大きくなるほど不可逆減磁を生じる温度が低くなったり減磁の程度が大きくなる。そして、回転子の永久磁石にこのような不可逆減磁が生じると、巻線に大きな駆動電流を供給しても十分なトルクが得られなくなり、電動機の特性が劣化する。特に、高トルクの電動機3を得るために永久磁石に保持力の強い希土類磁石、例えばネオジム磁石(Nd−Fe−B磁石)を用いた場合には、100°C未満の比較的低温で不可逆減磁を起こすおそれがある。また、自動車のエンジンルームやその周辺で用いられる電動機3の場合には、周囲が高温になる場合があるため、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じ易くなる。
【0006】
そこで、従来は、上記回転子の永久磁石が減磁した場合に、無理に大きなトルクを得ようとしてドライバが過大な駆動電流を供給するのを防止するために、回転子の回転速度と駆動電流のデューティ比との比が所定値を下回った場合に、電動機3の最高回転速度を下げるように制御する発明が従来からなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平05−292789号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の発明は、永久磁石が不可逆減磁を生じた場合にドライバを保護するためのものにすぎず、この永久磁石の不可逆減磁を防止するものではないため、電動機の特性が早期に劣化するのを防止することができないという問題があった。即ち、この従来の発明は、永久磁石が減磁すると、調整可能となる最高回転速度を引き下げるように制御するものであるため、温度上昇により永久磁石に大きな可逆減磁が生じても、現在の回転速度が最高回転速度よりも十分に遅ければ、そのまま運転が続行され、さらなる温度の上昇により不可逆減磁を生じるおそれを防止することができない。しかも、回転速度と駆動電流のデューティ比、即ち実質的なトルクの減少率に基づいて永久磁石の減磁の程度を検出するので、負荷が変動する使用条件では正確な検出が行えないという問題もある。
【0009】
また、永久磁石の温度を温度センサを用いて直接検出することができれば、不可逆減磁を生じるような温度に上昇する前に電動機の運転を制限することも可能であるが、この永久磁石は回転子と共に常に高速で回転しているために、正確な温度を安価に検出することは極めて困難である。
【0010】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさから回転子の永久磁石の温度を推定し、この温度が所定値以上になった場合に駆動電流を制限することにより、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止することができる電動機のドライバを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の回転速度を検出する回転速度検出手段と、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、この回転速度検出手段が検出した回転子の回転速度に対する、逆起電力検出手段が検出した逆起電力の比が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、回転子の回転速度に対する、この回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の比が演算される。ここで巻線に誘起される逆起電力は、この巻線と鎖交する永久磁石の磁束の経時的な変化の大きさ(時間微分)に比例するので、永久磁石の磁力の大きさと回転子の回転速度にほぼ比例することになる。従って、回転速度に対する逆起電力の比は、永久磁石の磁力の大きさにほぼ比例した値となり、この永久磁石の磁力は、可逆減磁の温度範囲内では、その磁性体の温度計数に従って、永久磁石の温度が高くなるほど小さくなる。この結果、回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができる。そこで、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じるおそれのあるしきい値温度に対応する、回転速度に対する逆起電力の比を予め所定値として設定しておけば、この回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下したときに、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限することができる。
【0013】
このように駆動電流を制限する制御を行うと、回転速度を減速させることができるので、電動機の運転時の発熱によって永久磁石の温度がさらに上昇し不可逆減磁が生じるのを防止することができる。また、電動機の周囲の温度が高くなったために永久磁石の温度が上昇した場合にも、駆動電流を制限すると、固定子の巻線による逆磁界を減少させることができるので、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。なお、駆動電流の制限には、駆動電流を遮断して電動機の運転を停止する場合も含む。
【0014】
駆動電流の制限により電動機の運転を停止する場合には、例えば一定時間後に自動的に運転を再開させたり、再起動操作により運転を再開させることができる。回転速度が減速するように駆動電流を制限する場合にも、同様に例えば一定時間後に自動的に制限を解除したり、解除操作により制限を解除することができる。また、減速した回転速度に対する逆起電力の比が所定値を超えるまで、この減速を繰り返すように制限を行うこともできる。
【0015】
請求項2の発明は、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して一定周期の交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、この逆起電力検出手段が検出した逆起電力が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によれば、一定速度で回転する回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさが検出される。請求項1で説明したように、回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができるので、回転子がある特定の速度で回転している場合には、逆起電力が所定値以下に低下することにより、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができる。そこで、当該回転速度において、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じるおそれのあるしきい値温度に対応する逆起電力の大きさを予め所定値として設定しておけば、この逆起電力が所定値以下に低下したときに、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限することができる。駆動電流を制限すると、請求項1の場合と同様に、不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。また、駆動電流の制限方法やこの制限の解除方法も、請求項1の場合と同様である。ただし、駆動電流を制限することにより電動機を減速して運転を続行する場合には、第2の一定の回転速度で速度制御を行い、逆起電力がこの第2の一定回転速度に対応する第2の所定値以下に低下した場合に、さらに駆動電流を制限するように制御することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜図3は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図、図2は三相センサレスモータの固定子の巻線の電圧と加算回路の加算出力の変化を示す波形図、図3は回転子の角速度と逆起電力と永久磁石の温度との関係を示すグラフである。なお、図4に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0019】
本実施形態は、図4に示した従来例と同様の三相センサレスモータのドライバについて説明する。この三相センサレスモータのドライバは、従来例と同様に、バッテリ1の直流電源を三相インバータ回路2によって三相U,V,Wの交流に変換し、電動機3の固定子の巻線3u,3v,3wに駆動電流として供給する。また、電動機3の固定子の各巻線3u,3v,3wの電圧を加算回路4で加算し、回転子位置検出回路5で回転子の回転位置を検出することにより、制御回路6でタイミングを制御してゲートドライブ回路7により三相インバータ回路2を駆動する動作も従来例と同じである。しかしながら、本実施形態のドライバは、図1に示すように、上記加算回路4の出力を逆起電力検出回路8にも送り、この逆起電力検出回路8で検出された逆起電力Eを磁石温度推定回路9に送るようになっている。
【0020】
上記加算回路4が入力する巻線3u,3v,3wの各電圧の波形は、図2に示すように、120°位相がずれたものとなる。ここで、巻線3uの電圧波形を説明する。まず時刻t1 に三相インバータ回路2のトランジスタQ1 がONになると、バッテリ1の電源電圧VCCが印加され駆動電流が流れる。次に、時刻t2 にトランジスタQ1 がOFFに戻ると、駆動電流が遮断されるので、巻線3uの自己誘導により還流ダイオードD2 がONとなり、GND電圧に引き下げられる。しかし、還流ダイオードD2 に還流電流が流れて時刻t3 にOFFに戻ると、巻線3uには、回転する回転子の永久磁石によって誘起された逆起電力の波形が現れる。そして、時刻t4 にトランジスタQ2 がONになると、再びGND電圧に引き下げられ、逆方向の駆動電流が流れる。次に、時刻t5 にトランジスタQ2 がOFFに戻ると、逆方向の駆動電流が遮断されるので、巻線3uの自己誘導により還流ダイオードD1 がONとなり、電源電圧VCCに引き上げられる。しかし、還流ダイオードD1 に還流電流が流れて時刻t6 にOFFに戻ると、次に時刻t7 にトランジスタQ1 が再度ONになるまでの間、巻線3uに再び永久磁石による逆起電力の波形が現れる。
【0021】
加算回路4は、図2の加算出力に示すように、上記のような三相の巻線3u,3v,3wの電圧のレベルを加算するので、バッテリ1の電源電圧VCCに、自己誘導による電圧と、永久磁石による逆起電力とを加算したデータを出力することになる。そして、回転子位置検出回路5では、従来例の場合も本実施形態の場合にも、この加算出力から逆起電力の周期や位相に基づいて回転子の回転位置を検出する。また、本実施形態の場合には、この加算回路4の加算出力に基づいて逆起電力検出回路8が逆起電力Eを検出する。
【0022】
逆起電力検出回路8が検出する逆起電力Eは、例えば巻線3uの近傍を回転子の回転により永久磁石が通過したときに、この永久磁石の磁束が巻線3uと鎖交することにより誘起されるものであり、この鎖交する磁束の変化の時間微分(速度)に比例することから、回転子の角速度をωとすると、
E=Ke ・ω
で表される。ここで、Ke は、逆起電力定数であり、通常は電動機3に固有の定数であるが、実際には、回転子の永久磁石による磁束密度の関数となるので、図3に示すように、この永久磁石が温度T1 から温度T2 、温度T3 というように高温になって減磁すると、この逆起電力定数Ke も減少する。即ち、回転子の角速度がω1 で一定となる場合、低温の温度T1 では、逆起電力Eが電圧V1 のレベルであったものが、温度上昇により温度T2 になると、逆起電力Eが電圧V2 のレベルに低下し、さらに高温の温度T3 になると、逆起電力Eが電圧V3 のレベルまで低下する。
【0023】
ただし、特定の温度Tでの逆起電力定数Ke は、予め測定によって知ることができるので、逆起電力検出回路8が検出する逆起電力Eは、巻線3uに誘起される実際の逆起電力の大きさ(最大値や実効値)である必要はなく相対的な値でよい。そこで、本実施形態では、制御回路6から三相インバータ回路2のトランジスタQ1 ,Q3 ,Q5 がONとなるタイミングを得て、この直前の逆起電力の波形上での加算出力の値を採用している。この逆起電力の波形は、永久磁石の温度変化に応じて上下方向(加算出力の大小方向)に推移するので、常に同じタイミングで検出すれば、実際の大きさにほぼ比例した逆起電力Eを検出することができる。
【0024】
上記磁石温度推定回路9は、制御回路6が検出した回転子の回転速度に対する、逆起電力検出回路8が検出した逆起電力Eの比を演算し、この演算結果を永久磁石の推定温度として制御回路6に送るようになっている。回転速度に対する逆起電力Eの比は、図3に示すように、永久磁石の各温度Tにおける特性直線の傾斜を示すことになるので、この永久磁石の実際の温度にほぼ逆比例した値となる。そして、制御回路6は、この永久磁石の推定温度の情報を得て、この推定温度が所定温度以上になったと判断した場合に、タイミング信号の出力を遮断して電動機3を停止させるように制御する。この際、制御回路6は、実際には回転速度に対する逆起電力Eの比を所定値と比較して、この比が所定値以下に低下したときに電動機3を停止させる。例えば電動機3の回転子に使用している永久磁石が図3に示す温度T3 以上になると不可逆減磁を起こすおそれがあるとすると、検出した回転子の角速度ωと逆起電力Eとで示される座標点が温度T3 の特性直線よりも下方のドットハッチングの領域にある場合に、電動機3を停止させるように制御することになる。このしきい値温度T3 は、実際に使用される永久磁石の磁性体や形状等から予め推測することもできるし、測定によって予め調べておくこともできる。また、永久磁石がこのしきい値温度T3 になったときの角速度ωに対する逆起電力Eの比、即ち所定値も、電動機3の構造から予め推測することができるし、測定によって予め調べておくことができる。そして、この所定値が制御回路6に予め設定される。このようにして一旦運転が停止された電動機3は、用途に応じて例えば一定時間後に自動的に運転を再開させたり、再起動操作により運転を再開させることができる。
【0025】
この結果、本実施形態の三相センサレスモータのドライバは、回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度(図3の例ではしきい値温度T3 )以上に上昇したと判断して、駆動電流を遮断し電動機3の運転を停止させる。従って、電動機3の運転による発熱によって永久磁石の温度が上昇していた場合には、この発熱が停止するので、永久磁石の温度が下がり、不可逆減磁が生じるのを防止することができる。また、電動機3の周囲の温度が高くなったために永久磁石の温度が上昇した場合にも、駆動電流が遮断されるので、固定子の巻線による逆磁界がなくなり、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下したときに、電動機3の駆動電流を遮断して運転を停止させる制御を行う場合を示したが、駆動電流を減少させる(例えばデューティ比を小さくする)ような制御を行ってもよい。駆動電流を減少させれば、電動機3の運転による発熱を抑制することができ、巻線による逆磁界も小さくすることができる。駆動電流をこのように減少させて制限する場合には、回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値を超えるまで、この回転速度を減少させる制御を続けることができる。また、一旦制御が行われた後は、一定時間後に自動的に制限を解除したり、解除操作により制限を解除することもできる。
【0027】
また、上記実施形態では、電動機3の回転速度が任意に調整可能な場合を示したが、一定の回転速度で速度制御される場合にも同様に実施可能である。この場合には、図3に示す角速度ωが一定であるため、逆起電力検出回路8が検出した逆起電力Eをそのまま制御回路6に送り、この逆起電力Eが所定値以下に低下すると、駆動電流を制限するように制御すればよい。また、駆動電流が減少するように制限する場合には、第2の一定の回転速度で速度制御を行い、このときの逆起電力Eが第2の所定値以下に低下すると、駆動電流をさらに制限するように制御することもでき、この制御を回転が停止するまで繰り返すこともできる。
【0028】
また、上記実施形態では、ドライバの制御部の構成を、加算回路4〜ゲートドライブ回路7や逆起電力検出回路8と磁石温度推定回路9の組み合わせで示したが、同等の制御機能を有するものであれば、三相インバータ回路2も含めて、具体的な構成は任意である。例えば、加算回路4は用いずに、巻線3uの電圧波形のみから同様の制御を行うことも可能である。また、回転子位置検出回路5と制御回路6による駆動制御の方法も、従来からの適宜の公知技術を用いることができ、その他の任意の技術を用いることもできる。さらに、逆起電力検出回路8による逆起電力Eの検出も、上記実施形態のようにトランジスタQ1 ,Q3 ,Q5 のONのタイミングによる検出に限定されない。さらに、磁石温度推定回路9では、逆起電力Eに対する回転速度の比を演算して、制御回路6でこの比が所定値以上となった場合に駆動電流を制限するような制御を行うこともできる。さらに、このような制御は、例えばマイクロコンピュータのプログラムによって実行することも可能である。特に、ドライバがマイクロコンピュータによって構成されている従来の三相センサレスモータの場合には、このマイクロコンピュータのプログラムを変更するだけで、ハードウエアを一切追加することなく本発明を実施することができるようになる。
【0029】
また、上記実施形態では、三相センサレスモータのドライバについて説明したが、単相や多相のセンサレスモータのドライバにも同様に実施可能である。さらに、回転子の回転位置の検出をホール素子等のセンサによって検出するブラシレスモータのドライバにも同様に実施可能であり、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を何らかの方法で検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して交番又は回転磁界を発生させるドライバであれば、どのようなものにも実施可能である。例えばブラシレスモータのドライバに実施する場合、回転子の回転位置はセンサによって検出するので、回転子位置検出回路5は不要となる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電動機のドライバによれば、固定子の巻線に誘起される逆起電力を検出することにより永久磁石の温度を推定し、この温度が所定値を超えると駆動電流を制限するので、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができ、電動機の特性の劣化を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、三相センサレスモータの固定子の巻線の電圧と加算回路の加算出力の変化を示す波形図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、回転子の角速度と逆起電力と永久磁石の温度との関係を示すグラフである。
【図4】従来例を示すものであって、三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 三相インバータ回路
3 電動機
3u,3v,3w 巻線
4 加算回路
5 回転子位置検出回路
6 制御回路
7 ゲートドライブ回路
8 逆起電力検出回路
9 磁石温度推定回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレス・センサレスモータ等のように、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機のドライバに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、回転子に永久磁石を設けると共に固定子に巻線を設けた電動機であり、このドライバは、回転子の回転位置をホール素子等のセンサによって検出することにより、固定子の巻線にインバータから駆動電流を供給して交番磁界や回転磁界を発生させるようになっている。また、センサレスモータは、このブラシレスモータの回転子の回転位置を、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力に基づいて検出するものであり、ドライバの構成は複雑になるが、電動機にセンサを取り付ける必要がなくなるという利点を有する。
【0003】
従来の三相センサレスモータのドライバの構成を図4に示す。バッテリ1の直流電源は、三相インバータ回路2によって三相U,V,Wの交流に変換されて電動機3の固定子の巻線3u,3v,3wに供給される。三相インバータ回路2は、三相ブリッジ形に接続された6個のトランジスタQ1 〜Q6 のON/OFFを順次切り替えることにより、三相の巻線3u,3v,3wに120°位相がずれた交流の駆動電流を供給し回転磁界を発生させる回路である。また、これら6個のトランジスタQ1 〜Q6 には、それぞれ還流ダイオードD1 〜D6 が接続されている。
【0004】
上記電動機3の固定子の各巻線3u,3v,3wの電圧は、加算回路4で加算されて回転子位置検出回路5に送られるようになっている。各巻線3u,3v,3wには、バッテリ1の電源電圧が三相インバータ回路2の各トランジスタQ1 〜Q6 を介して適宜のタイミングで印加されるだけでなく、これらのトランジスタQ1 〜Q6 がOFFに切り替わった際の自己誘導による電圧や、回転する回転子の永久磁石によって誘起される逆起電力による電圧が発生する。そして、回転子位置検出回路5は、この回転子の永久磁石によって誘起された逆起電力の周期や位相を調べることにより、この回転子の回転位置を検出するようになっている。また、このようにして回転子位置検出回路5が検出した回転子の回転位置の情報は、制御回路6に送られ、この情報に基づき制御回路6からゲートドライブ回路7にタイミング信号が送られるようになっている。制御回路6は、回転子の回転位置の情報に基づいてタイミングを制御する際に、設定された回転速度と回転子の回転速度とを比較して速度制御も行うようになっている。そして、この制御回路6からのタイミング信号により三相インバータ回路2から適宜の周波数とデューティ比の三相駆動電流が巻線3u,3v,3wに供給されることになり、これによってセンサレスモータの駆動制御が行われる。
【0005】
ここで、回転子に用いられる永久磁石は、キュリー点温度以上になると磁性を失うだけでなく、このキュリー点よりも低い温度の場合にも、それぞれの磁性体の温度係数に応じて温度が上昇するほど磁力が減少し(可逆減磁)、しかも、この温度が磁性体の種類に応じたある温度以上に上昇すると、その後常温に戻った場合にも元の磁力に回復しなくなる不可逆減磁を生じることになる。また、固定子の巻線に駆動電流を流したときの逆方向の磁界を永久磁石が受けると、この逆磁界が大きくなるほど不可逆減磁を生じる温度が低くなったり減磁の程度が大きくなる。そして、回転子の永久磁石にこのような不可逆減磁が生じると、巻線に大きな駆動電流を供給しても十分なトルクが得られなくなり、電動機の特性が劣化する。特に、高トルクの電動機3を得るために永久磁石に保持力の強い希土類磁石、例えばネオジム磁石(Nd−Fe−B磁石)を用いた場合には、100°C未満の比較的低温で不可逆減磁を起こすおそれがある。また、自動車のエンジンルームやその周辺で用いられる電動機3の場合には、周囲が高温になる場合があるため、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じ易くなる。
【0006】
そこで、従来は、上記回転子の永久磁石が減磁した場合に、無理に大きなトルクを得ようとしてドライバが過大な駆動電流を供給するのを防止するために、回転子の回転速度と駆動電流のデューティ比との比が所定値を下回った場合に、電動機3の最高回転速度を下げるように制御する発明が従来からなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平05−292789号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の発明は、永久磁石が不可逆減磁を生じた場合にドライバを保護するためのものにすぎず、この永久磁石の不可逆減磁を防止するものではないため、電動機の特性が早期に劣化するのを防止することができないという問題があった。即ち、この従来の発明は、永久磁石が減磁すると、調整可能となる最高回転速度を引き下げるように制御するものであるため、温度上昇により永久磁石に大きな可逆減磁が生じても、現在の回転速度が最高回転速度よりも十分に遅ければ、そのまま運転が続行され、さらなる温度の上昇により不可逆減磁を生じるおそれを防止することができない。しかも、回転速度と駆動電流のデューティ比、即ち実質的なトルクの減少率に基づいて永久磁石の減磁の程度を検出するので、負荷が変動する使用条件では正確な検出が行えないという問題もある。
【0009】
また、永久磁石の温度を温度センサを用いて直接検出することができれば、不可逆減磁を生じるような温度に上昇する前に電動機の運転を制限することも可能であるが、この永久磁石は回転子と共に常に高速で回転しているために、正確な温度を安価に検出することは極めて困難である。
【0010】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさから回転子の永久磁石の温度を推定し、この温度が所定値以上になった場合に駆動電流を制限することにより、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止することができる電動機のドライバを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の回転速度を検出する回転速度検出手段と、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、この回転速度検出手段が検出した回転子の回転速度に対する、逆起電力検出手段が検出した逆起電力の比が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明によれば、回転子の回転速度に対する、この回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の比が演算される。ここで巻線に誘起される逆起電力は、この巻線と鎖交する永久磁石の磁束の経時的な変化の大きさ(時間微分)に比例するので、永久磁石の磁力の大きさと回転子の回転速度にほぼ比例することになる。従って、回転速度に対する逆起電力の比は、永久磁石の磁力の大きさにほぼ比例した値となり、この永久磁石の磁力は、可逆減磁の温度範囲内では、その磁性体の温度計数に従って、永久磁石の温度が高くなるほど小さくなる。この結果、回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができる。そこで、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じるおそれのあるしきい値温度に対応する、回転速度に対する逆起電力の比を予め所定値として設定しておけば、この回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下したときに、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限することができる。
【0013】
このように駆動電流を制限する制御を行うと、回転速度を減速させることができるので、電動機の運転時の発熱によって永久磁石の温度がさらに上昇し不可逆減磁が生じるのを防止することができる。また、電動機の周囲の温度が高くなったために永久磁石の温度が上昇した場合にも、駆動電流を制限すると、固定子の巻線による逆磁界を減少させることができるので、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。なお、駆動電流の制限には、駆動電流を遮断して電動機の運転を停止する場合も含む。
【0014】
駆動電流の制限により電動機の運転を停止する場合には、例えば一定時間後に自動的に運転を再開させたり、再起動操作により運転を再開させることができる。回転速度が減速するように駆動電流を制限する場合にも、同様に例えば一定時間後に自動的に制限を解除したり、解除操作により制限を解除することができる。また、減速した回転速度に対する逆起電力の比が所定値を超えるまで、この減速を繰り返すように制限を行うこともできる。
【0015】
請求項2の発明は、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して一定周期の交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、この逆起電力検出手段が検出した逆起電力が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明によれば、一定速度で回転する回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさが検出される。請求項1で説明したように、回転速度に対する逆起電力の比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができるので、回転子がある特定の速度で回転している場合には、逆起電力が所定値以下に低下することにより、永久磁石の温度も所定温度以上に上昇したと判断することができる。そこで、当該回転速度において、回転子の永久磁石が不可逆減磁を生じるおそれのあるしきい値温度に対応する逆起電力の大きさを予め所定値として設定しておけば、この逆起電力が所定値以下に低下したときに、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限することができる。駆動電流を制限すると、請求項1の場合と同様に、不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。また、駆動電流の制限方法やこの制限の解除方法も、請求項1の場合と同様である。ただし、駆動電流を制限することにより電動機を減速して運転を続行する場合には、第2の一定の回転速度で速度制御を行い、逆起電力がこの第2の一定回転速度に対応する第2の所定値以下に低下した場合に、さらに駆動電流を制限するように制御することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜図3は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図、図2は三相センサレスモータの固定子の巻線の電圧と加算回路の加算出力の変化を示す波形図、図3は回転子の角速度と逆起電力と永久磁石の温度との関係を示すグラフである。なお、図4に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0019】
本実施形態は、図4に示した従来例と同様の三相センサレスモータのドライバについて説明する。この三相センサレスモータのドライバは、従来例と同様に、バッテリ1の直流電源を三相インバータ回路2によって三相U,V,Wの交流に変換し、電動機3の固定子の巻線3u,3v,3wに駆動電流として供給する。また、電動機3の固定子の各巻線3u,3v,3wの電圧を加算回路4で加算し、回転子位置検出回路5で回転子の回転位置を検出することにより、制御回路6でタイミングを制御してゲートドライブ回路7により三相インバータ回路2を駆動する動作も従来例と同じである。しかしながら、本実施形態のドライバは、図1に示すように、上記加算回路4の出力を逆起電力検出回路8にも送り、この逆起電力検出回路8で検出された逆起電力Eを磁石温度推定回路9に送るようになっている。
【0020】
上記加算回路4が入力する巻線3u,3v,3wの各電圧の波形は、図2に示すように、120°位相がずれたものとなる。ここで、巻線3uの電圧波形を説明する。まず時刻t1 に三相インバータ回路2のトランジスタQ1 がONになると、バッテリ1の電源電圧VCCが印加され駆動電流が流れる。次に、時刻t2 にトランジスタQ1 がOFFに戻ると、駆動電流が遮断されるので、巻線3uの自己誘導により還流ダイオードD2 がONとなり、GND電圧に引き下げられる。しかし、還流ダイオードD2 に還流電流が流れて時刻t3 にOFFに戻ると、巻線3uには、回転する回転子の永久磁石によって誘起された逆起電力の波形が現れる。そして、時刻t4 にトランジスタQ2 がONになると、再びGND電圧に引き下げられ、逆方向の駆動電流が流れる。次に、時刻t5 にトランジスタQ2 がOFFに戻ると、逆方向の駆動電流が遮断されるので、巻線3uの自己誘導により還流ダイオードD1 がONとなり、電源電圧VCCに引き上げられる。しかし、還流ダイオードD1 に還流電流が流れて時刻t6 にOFFに戻ると、次に時刻t7 にトランジスタQ1 が再度ONになるまでの間、巻線3uに再び永久磁石による逆起電力の波形が現れる。
【0021】
加算回路4は、図2の加算出力に示すように、上記のような三相の巻線3u,3v,3wの電圧のレベルを加算するので、バッテリ1の電源電圧VCCに、自己誘導による電圧と、永久磁石による逆起電力とを加算したデータを出力することになる。そして、回転子位置検出回路5では、従来例の場合も本実施形態の場合にも、この加算出力から逆起電力の周期や位相に基づいて回転子の回転位置を検出する。また、本実施形態の場合には、この加算回路4の加算出力に基づいて逆起電力検出回路8が逆起電力Eを検出する。
【0022】
逆起電力検出回路8が検出する逆起電力Eは、例えば巻線3uの近傍を回転子の回転により永久磁石が通過したときに、この永久磁石の磁束が巻線3uと鎖交することにより誘起されるものであり、この鎖交する磁束の変化の時間微分(速度)に比例することから、回転子の角速度をωとすると、
E=Ke ・ω
で表される。ここで、Ke は、逆起電力定数であり、通常は電動機3に固有の定数であるが、実際には、回転子の永久磁石による磁束密度の関数となるので、図3に示すように、この永久磁石が温度T1 から温度T2 、温度T3 というように高温になって減磁すると、この逆起電力定数Ke も減少する。即ち、回転子の角速度がω1 で一定となる場合、低温の温度T1 では、逆起電力Eが電圧V1 のレベルであったものが、温度上昇により温度T2 になると、逆起電力Eが電圧V2 のレベルに低下し、さらに高温の温度T3 になると、逆起電力Eが電圧V3 のレベルまで低下する。
【0023】
ただし、特定の温度Tでの逆起電力定数Ke は、予め測定によって知ることができるので、逆起電力検出回路8が検出する逆起電力Eは、巻線3uに誘起される実際の逆起電力の大きさ(最大値や実効値)である必要はなく相対的な値でよい。そこで、本実施形態では、制御回路6から三相インバータ回路2のトランジスタQ1 ,Q3 ,Q5 がONとなるタイミングを得て、この直前の逆起電力の波形上での加算出力の値を採用している。この逆起電力の波形は、永久磁石の温度変化に応じて上下方向(加算出力の大小方向)に推移するので、常に同じタイミングで検出すれば、実際の大きさにほぼ比例した逆起電力Eを検出することができる。
【0024】
上記磁石温度推定回路9は、制御回路6が検出した回転子の回転速度に対する、逆起電力検出回路8が検出した逆起電力Eの比を演算し、この演算結果を永久磁石の推定温度として制御回路6に送るようになっている。回転速度に対する逆起電力Eの比は、図3に示すように、永久磁石の各温度Tにおける特性直線の傾斜を示すことになるので、この永久磁石の実際の温度にほぼ逆比例した値となる。そして、制御回路6は、この永久磁石の推定温度の情報を得て、この推定温度が所定温度以上になったと判断した場合に、タイミング信号の出力を遮断して電動機3を停止させるように制御する。この際、制御回路6は、実際には回転速度に対する逆起電力Eの比を所定値と比較して、この比が所定値以下に低下したときに電動機3を停止させる。例えば電動機3の回転子に使用している永久磁石が図3に示す温度T3 以上になると不可逆減磁を起こすおそれがあるとすると、検出した回転子の角速度ωと逆起電力Eとで示される座標点が温度T3 の特性直線よりも下方のドットハッチングの領域にある場合に、電動機3を停止させるように制御することになる。このしきい値温度T3 は、実際に使用される永久磁石の磁性体や形状等から予め推測することもできるし、測定によって予め調べておくこともできる。また、永久磁石がこのしきい値温度T3 になったときの角速度ωに対する逆起電力Eの比、即ち所定値も、電動機3の構造から予め推測することができるし、測定によって予め調べておくことができる。そして、この所定値が制御回路6に予め設定される。このようにして一旦運転が停止された電動機3は、用途に応じて例えば一定時間後に自動的に運転を再開させたり、再起動操作により運転を再開させることができる。
【0025】
この結果、本実施形態の三相センサレスモータのドライバは、回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下すると、永久磁石の温度も所定温度(図3の例ではしきい値温度T3 )以上に上昇したと判断して、駆動電流を遮断し電動機3の運転を停止させる。従って、電動機3の運転による発熱によって永久磁石の温度が上昇していた場合には、この発熱が停止するので、永久磁石の温度が下がり、不可逆減磁が生じるのを防止することができる。また、電動機3の周囲の温度が高くなったために永久磁石の温度が上昇した場合にも、駆動電流が遮断されるので、固定子の巻線による逆磁界がなくなり、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、回転子の回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値以下に低下したときに、電動機3の駆動電流を遮断して運転を停止させる制御を行う場合を示したが、駆動電流を減少させる(例えばデューティ比を小さくする)ような制御を行ってもよい。駆動電流を減少させれば、電動機3の運転による発熱を抑制することができ、巻線による逆磁界も小さくすることができる。駆動電流をこのように減少させて制限する場合には、回転速度に対する逆起電力Eの比が所定値を超えるまで、この回転速度を減少させる制御を続けることができる。また、一旦制御が行われた後は、一定時間後に自動的に制限を解除したり、解除操作により制限を解除することもできる。
【0027】
また、上記実施形態では、電動機3の回転速度が任意に調整可能な場合を示したが、一定の回転速度で速度制御される場合にも同様に実施可能である。この場合には、図3に示す角速度ωが一定であるため、逆起電力検出回路8が検出した逆起電力Eをそのまま制御回路6に送り、この逆起電力Eが所定値以下に低下すると、駆動電流を制限するように制御すればよい。また、駆動電流が減少するように制限する場合には、第2の一定の回転速度で速度制御を行い、このときの逆起電力Eが第2の所定値以下に低下すると、駆動電流をさらに制限するように制御することもでき、この制御を回転が停止するまで繰り返すこともできる。
【0028】
また、上記実施形態では、ドライバの制御部の構成を、加算回路4〜ゲートドライブ回路7や逆起電力検出回路8と磁石温度推定回路9の組み合わせで示したが、同等の制御機能を有するものであれば、三相インバータ回路2も含めて、具体的な構成は任意である。例えば、加算回路4は用いずに、巻線3uの電圧波形のみから同様の制御を行うことも可能である。また、回転子位置検出回路5と制御回路6による駆動制御の方法も、従来からの適宜の公知技術を用いることができ、その他の任意の技術を用いることもできる。さらに、逆起電力検出回路8による逆起電力Eの検出も、上記実施形態のようにトランジスタQ1 ,Q3 ,Q5 のONのタイミングによる検出に限定されない。さらに、磁石温度推定回路9では、逆起電力Eに対する回転速度の比を演算して、制御回路6でこの比が所定値以上となった場合に駆動電流を制限するような制御を行うこともできる。さらに、このような制御は、例えばマイクロコンピュータのプログラムによって実行することも可能である。特に、ドライバがマイクロコンピュータによって構成されている従来の三相センサレスモータの場合には、このマイクロコンピュータのプログラムを変更するだけで、ハードウエアを一切追加することなく本発明を実施することができるようになる。
【0029】
また、上記実施形態では、三相センサレスモータのドライバについて説明したが、単相や多相のセンサレスモータのドライバにも同様に実施可能である。さらに、回転子の回転位置の検出をホール素子等のセンサによって検出するブラシレスモータのドライバにも同様に実施可能であり、回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を何らかの方法で検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して交番又は回転磁界を発生させるドライバであれば、どのようなものにも実施可能である。例えばブラシレスモータのドライバに実施する場合、回転子の回転位置はセンサによって検出するので、回転子位置検出回路5は不要となる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電動機のドライバによれば、固定子の巻線に誘起される逆起電力を検出することにより永久磁石の温度を推定し、この温度が所定値を超えると駆動電流を制限するので、永久磁石に不可逆減磁が生じるのを防止したり減磁の程度を少なくすることができ、電動機の特性の劣化を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、三相センサレスモータの固定子の巻線の電圧と加算回路の加算出力の変化を示す波形図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、回転子の角速度と逆起電力と永久磁石の温度との関係を示すグラフである。
【図4】従来例を示すものであって、三相センサレスモータのドライバの構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 三相インバータ回路
3 電動機
3u,3v,3w 巻線
4 加算回路
5 回転子位置検出回路
6 制御回路
7 ゲートドライブ回路
8 逆起電力検出回路
9 磁石温度推定回路
Claims (2)
- 回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、
回転子の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、
この回転速度検出手段が検出した回転子の回転速度に対する、逆起電力検出手段が検出した逆起電力の比が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする電動機のドライバ。 - 回転子に永久磁石を備えると共に固定子に巻線を備えた電動機の回転子の回転位置を検出することにより固定子の巻線に供給する駆動電流を制御して一定周期の交番磁界又は回転磁界を発生させるドライバにおいて、
回転子の永久磁石によって固定子の巻線に誘起される逆起電力の大きさを検出する逆起電力検出手段と、
この逆起電力検出手段が検出した逆起電力が所定値以下に低下すると、固定子の巻線に供給する駆動電流を制限する不可逆減磁防止手段とが設けられたことを特徴とする電動機のドライバ。
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