JP2005012853A - 空転滑走補正処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大空転滑走から微小空転滑走まで確実に検知することにある。
【解決手段】列車在線検索範囲毎の勾配値、トンネル有無に応じた空気抵抗及び列車速度に応じたノッチ値を記憶する手段17と、現在列車位置から在線検索範囲を決定する在線範囲算出処理部12aと、この列車在線検索範囲内の勾配値、空気抵抗及びノッチ値に応じた加減速度を算出する処理部14a,15a,13aと、これら処理部14a,15a,13aの加減速度に基づいて空転滑走検知レベル及び速度補正レベルの基準となる補正速度・加減速度を求める処理部18a,19aと、自列車速度と空転滑走検知レベルとから空転滑走を検知すると、速度補正レベルから補正速度を求め、この補正速度のもとに空転滑走時の列車速度を決定する手段21a,22a,32とを設けた空転滑走補正処理装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】列車在線検索範囲毎の勾配値、トンネル有無に応じた空気抵抗及び列車速度に応じたノッチ値を記憶する手段17と、現在列車位置から在線検索範囲を決定する在線範囲算出処理部12aと、この列車在線検索範囲内の勾配値、空気抵抗及びノッチ値に応じた加減速度を算出する処理部14a,15a,13aと、これら処理部14a,15a,13aの加減速度に基づいて空転滑走検知レベル及び速度補正レベルの基準となる補正速度・加減速度を求める処理部18a,19aと、自列車速度と空転滑走検知レベルとから空転滑走を検知すると、速度補正レベルから補正速度を求め、この補正速度のもとに空転滑走時の列車速度を決定する手段21a,22a,32とを設けた空転滑走補正処理装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車の空転滑走に伴って生ずる速度・位置等の誤差を補正する列車制御装置等に用いられる空転滑走補正処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、列車制御装置においては、列車が所定時刻に所定の駅に確実に到着させる必要から、当該列車の速度及び位置を正確に求めることが必須要件となる。
【0003】
通常、列車の速度・位置を検出する場合、定常的に発生する誤差は、余裕分の中で見込むことが可能であるが、非定常的に発生する速度・位置誤差の場合には補正が必要となる。この非定常的な誤差要因は、主に空転滑走であることから、当該空転滑走を高精度に検出することが重要となる。
【0004】
そこで、従来の空転滑走補正処理装置は、図5に示すように車両の任意の2軸に取り付けられた速度発電機51a,51bから所定の移動距離ごとに発生するパルスのパルス数から自列車の速度(サンプリング速度)を算出する速度算出処理部52a,52bと、この速度算出処理部52a,52bで算出される自列車速度を微分処理して自列車の加減速度を算出する加減速度算出処理部53a,53bと、空転滑走検知レベル及び空転滑走時の速度補正レベルを算出する検知・補正値算出処理部54a,54bと、空転滑走検知補正処理部55a,55bとによって構成されている。
【0005】
この検知・補正値算出処理部54a,54bは、予め所要とする各種のデータ(線形データ等)が登録されているデータベース56と、速度算出処理部52a,52bで算出される自列車速度に基づき、データベース56に登録されている線形データである空転滑走検知の基準検出レベル(最悪の固定値)を検索し、この基準検出レベルに相当する検出速度及び加減速度などを出力する検出レベル算出処理部57a,57bと、同じくデータベース56に登録される速度補正の基準補正レベル(最悪の固定値)を検索し、この検索された基準補正レベルに相当する補正速度、加減速度を出力する補正レベル算出処理部58a,58bとが設けられている。
【0006】
前記空転滑走検知補正処理部55a,55bは、加減速度算出処理部53a,53bからの自列車加減速度と検出レベル算出処理部57a,57bから出力される検出速度、加減速度とを比較し、自列車加減速度が検出速度、加減速度を越えているか否かに応じて空転・滑走を検知し、空転・滑走の検知フラグを出力する空転滑走検知処理部59a,59b及びこの検知フラグを受けたとき、補正レベル算出処理部58a,58bから出力される補正速度、加減速度から空転・滑走の補正速度を求めて検知フラグとともに出力する空転滑走補正処理部60a,60bが設けられている。
【0007】
速度決定処理部61は、空転・滑走検知フラグと空転・滑走補正速度とから列車速度を算出する機能をもつている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような空転滑走補正処理装置では、速度発電機51a,51bから発生するパルス数を速度に変換していることから、どうしても大きなサンプリング誤差が生じてしまう。一般に、列車の走行時に発生する空転滑走には大空転滑走と微小空転滑走が存在するが、大空転滑走の場合、例えば加減速度に対して約±10km/h/sの空転滑走が発生した場合には前述する空転滑走検出処理により空転滑走を検知し補正することが可能である。
【0009】
しかし、現在の速度発電機51a,51bから発生するパルス数を速度に変換する速度位置検出方式では、微小空転・滑走を検出することが難しい。その結果、次のような問題が指摘されている。
【0010】
▲1▼ 微小空転が発生した場合、その発生状態を検知できないので、検出速度が実速度よりも高めに出てくる。一方、微小滑走が発生した場合、その微小滑走状態を検知できないので、検出速度が実速度よりも低めにでてくる。
【0011】
▲2▼ 微小滑走が発生した場合、実際の列車位置よりも後方位置と認識してしまう問題がある。
【0012】
▲3▼ また、力行ノッチ、ブレーキ力や線路条件に関係する勾配抵抗・空気抵抗等に対する補正は、予めデータベース56に登録される一律の最悪値である固定値から基準となる空転滑走検出用及び速度補正用のレベルを取り出しているので、列車の走行状態によって検出状況にばらつきが生じ、適正な空転滑走検出レベル及び列車速度の補正レベルが取得できない問題がある。
【0013】
本発明は上記事情にかんがみてなされたもので、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能とし、かつ、誤差要因を少なくして精度の高い誤差補正処理を行う空転滑走補正処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、列車の車軸に取り付けられた速度発電機より発生するパルスから空転滑走を検知し、この空転滑走に伴なう補正処理用信号を取り出す空転滑走補正処理装置において、
前記列車の速度発電機より発生するパルスから列車速度を算出する速度算出処理手段と、予め列車在線検索範囲毎の勾配値及び当該検索範囲毎のトンネル有無に応じた空気抵抗を記憶する記憶手段と、前記列車の現在位置から在線検索範囲を決定する手段と、前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲に応じた前記記憶手段に記憶される勾配値とから加減速度を算出する第1の路線条件算出処理手段と、前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲内のトンネル有無に応じた前記記憶手段に記憶されている空気抵抗とから加減速度を算出する第2の路線条件算出処理手段と、これら第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第1の検知・補正値算出手段とを設けた構成である。
【0015】
本発明は、以上のような構成とすることにより、自列車が在線する範囲の路線条件を考慮することにより、誤検知しない範囲で空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げることが可能となり、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能となる。
【0016】
また、本発明は、列車の速度発電機より発生するパルスから得られる列車速度と当該列車から出力されるノッチの値と予め記憶手段に記憶されるブレーキ力特性データとに基づき、列車の現在の想定加減速度を算出し、この想定加減速度及び前記第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第2の検知・補正値算出手段とを設けることにより、実際の列車のノッチ値を考慮した空転滑走検知レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正レベルに相当する補正速度・加減速度を求めることが可能である。
【0017】
さらに、予め記憶手段に低速域を加味した検知レベルから加減速度を取り出し可能にし、路線条件も含めて総合的に判断し、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求めれば、走行状態によって検出状況にばらつきがなくなり、低速域であっても検出レベルを下げて空転滑走を検知することが可能となる。
【0018】
なお、前述する列車在線検索範囲を決定に際し、列車の実先頭位置より所要距離前方を先頭認識位置とし、また列車の実後尾位置より所要距離後方を後尾認識位置とし、これら先頭認識位置と先頭認識位置とにより列車長を決定し、この列車長に基づいて列車在線検索範囲を決定すれば、実列車の認識位置と実際の位置とのずれを考慮しつつ、適切な列車在線検索範囲を決定でき、ひいては記憶手段から路線条件に見合った検出レベル及び補正レベルを検索可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明に係る空転滑走補正処理装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0021】
この空転滑走補正処理装置は、車両の任意の複数軸,例えば2軸に速度発電機1a,1bが取り付けられ、これら速度発電機1a,1bから所定の移動距離ごとに発生するパルスのパルス数から自列車の速度(サンプリング速度)を算出する速度算出処理部2a,2b及びこの自列車速度を例えば微分処理によって自列車加減速度を算出する加減速度算出処理部3a,3bが設けられている。
【0022】
また、空転滑走補正処理装置は、速度算出処理部2a,2bから出力される自列車速度及び加減速度算出処理部3a,3bの自列車加減速度の他、新たに外部から入力されるノッチの値及び列車の現在位置の路線条件を考慮し、空転・滑走検知用及び速度補正用の基準レベルに相当する信号を算出する検知・補正値算出処理部10a,10b、空転滑走検知補正処理部20a,20b、各軸距離算出処理部31a,31b、速度決定処理部32及び位置決定処理部33が設けられている。
【0023】
前記検知・補正値算出処理部10aは、外部から入力される例えばブレーキ力・カ行ノッチの値を判断するノッチ判断処理部11a及び列車の現在位置に基づいて在線検索範囲,つまり列車想定位置先端・尾端データを算出する在線範囲算出処理部12a、想定加減速度算出処理部13a、路線勾配に係る線路条件算出処理部14a、トンネルに係る線路条件算出処理部15a、低速域加味算出処理部16aが設けられている。
【0024】
この想定加減速度算出処理部13aは、ノッチ判断処理部11aで判断される実際のノッチ値と速度算出処理部2aで算出される自列車の現在速度と予めデータベース17に登録されるブレーキ力特性データ(このデータは、全点検索データ又は計算式に基づく計算結果データ)から現在想定加減速度を算出する。なお、データベース17には基準となる各種の線形データが格納されている。
【0025】
前記勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17から勾配値を検索し、速度算出処理部2aから出力される自列車速度とこの検索された線路の勾配値とから加減速度を算出する機能をもっている。トンネルに係る線路条件算出処理部15aは、同様に列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17からトンネル有無に応じた空気抵抗を検索し、速度算出処理部2aから出力される自列車速度とこの検索されたトンネルの空気抵抗とに基づいて加減速度を算出する機能をもっている。低速域加味算出処理部16aは、車両の特性,つまり現在の自列車速度が低速域の場合にデータベース17から低速域に係る基準検知レベルを取り出し、この検知レベルに相当する加減速度を算出し出力する機能をもっている。
【0026】
さらに、検知・補正値算出処理部10aは、各算出処理部13a〜16aから出力される加減速度を総合的に判断し、空転滑走検知の基準検知レベルに相当する検出速度・加減速度を算出する検知レベル算出処理部18a及び同じく各算出処理部13a〜16aで算出される加減速度を総合的に判断し、速度補正の基準検知レベルに相当する補正速度・加減速度を算出する補正レベル算出処理部19aが設けられている。ここで、総合的に判断するとは、例えば勾配有りの場合には線路の勾配値に応じた加減速度を考慮し、トンネル有りの場合にはトンネルの空気抵抗に応じた加減速度を考慮して判断することを意味する。
【0027】
なお、検知・補正値算出処理部10bは、検知・補正値算出処理部10aとその構成及び機能を同じくするので、ここでは、当該検知・補正値算出処理部10aの説明に譲る。
【0028】
前記空転滑走検知補正処理部20aは、図5と同様な構成及び機能を有する空転滑走を検知する空転滑走検知処理部21a及び空転滑走時の速度補正値を算出する空転滑走補正処理部22aが設けられている。空転滑走検知補正処理部20bについても同様な構成となっている。軸距離算出処理部31aは、空転・滑走の検知フラグに基づき、補正レベル算出処理部19aから出力される速度補正値から各軸が進んだ距離を求める機能をもっている。
【0029】
前記速度決定処理部32は、空転・滑走検知フラグに基づき、2つの軸系の空転滑走補正処理部22a、22bから得られる空転・滑走の補正速度と列車の実計測速度とから空転滑走時の列車速度を決定する。また、位置決定処理部33は、2つの軸系の軸距離算出処理部31a,31bにより求めた距離から列車の先頭・尾端位置を算出し、前記在線範囲算出処理部12aにフィードバックする機能をもっている。そして、速度決定処理部32及び位置決定処理部33で決定された列車速度及び列車位置先端・尾端データは実際に列車を制御する列車制御装置に用いられる。
【0030】
次に、以上のような構成の空転滑走補正処理装置の動作について説明する。
【0031】
外部からブレーキ力・力行ノッチがノッチ判断処理部11aに入力されている。ノッチ判断処理部11aは、現在入力されているブレーキ力・力行ノッチから自列車のノッチ値を判断し、速度算出処理部2aで算出される自列車速度とともに想定加減速度算出処理部13aに送出する。この想定加減速度算出処理部13aは、ノッチ値と現在の自列車速度と予めデータベース17に登録される牽引力・ブレーキ力特性データとに基づいて現在想定加減速度を算出する。この想定加減速度データは、線形化されたブレーキ力特性データの中から全点検索のもとに検索されたデータ、あるいは予め定められる計算式のもとに算出する加減速度データのどちらを用いてもよい。
【0032】
因みに、ノッチの値を考慮する場合、次のような方法により現在想定加減速度を算出する。すなわち、想定加減速度算出処理部13aは、実際に入力されるノッチ値及び自列車速度とデータベース17に登録される牽引力・ブレーキ力特性の値に応じた加減速度あるいは予め定められる計算式から加減速度を求め、現在想定加減速度とする。
【0033】
この現在想定加減速度を求めるには幾つかの方法が挙げられる。
【0034】
▲1▼ 列車の種々の走行状態を考慮し、データベース17に予め登録される一律最悪値の中から自列車速度に応じた所要の最悪値である加減速度を検索し、現在想定加減速度とする。
【0035】
▲2▼ 実際に出力されるノッチ値に基づき、データベース17に登録される加減速度の中から所要とする加減速度を検索し、現在想定加減速度とする。
【0036】
▲3▼ 用途に応じて、前記▲1▼、▲2▼を選択的に使用する。
【0037】
また、列車の走行時、在線範囲算出処理部12aは、位置決定処理部33から実際の列車先端位置・尾端位置,実際の列車位置が供給されているので、ここで列車想定位置先端・尾端を算出し、各線路条件算出処理部14a、15aに供給する。ここで、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車想定位置先端・尾端に基づき、データベース17に登録されている勾配値(勾配データ)のうち、先に算出された在線範囲内の勾配値を抽出し、この抽出された勾配値から用途に応じて現在の勾配による加減速度を算出する。
【0038】
ところで、勾配抵抗を一律最急勾配とした場合、空転滑走検知レベルをぎりぎりまで下げられない。補正値が列車速度からかけ離れてしまう弊害があるためである。
【0039】
そこで、在線範囲算出処理部12aでは、常時、位置決定処理部33の出力に基づき、図2に示すように列車が何れの在線検索範囲である勾配検索範囲内に在線すると仮定している位置である列車位置先端・尾端を算出する。一方、データベース17には、列車位置に予め定めるある任意の余裕距離分を加算した勾配検索範囲(イ)内の勾配値(ロ)が設定されている。従って、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17から勾配検索範囲内の勾配値を検索する。
【0040】
よって、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、前述する該当勾配検索範囲内の勾配値に基づき、以下の方法による演算により取り扱う勾配値を求める。
【0041】
▲1▼ 最大勾配(加速と減速とによってその傾きが異なる)を検出し、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0042】
▲2▼ 該当勾配検索範囲内の勾配値の平均値に基づき、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0043】
▲3▼ 勾配の長さに応じて按分した勾配値を用い、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0044】
▲4▼ 用途に応じて、前記▲1▼〜▲3▼の中から何れか1つを選択する。
【0045】
一方、トンネルによる空気抵抗について検討する。
【0046】
空気抵抗を一律最急勾配とした場合、空転滑走検知レベルをぎりぎりまで下げられない。補正値が列車速度からかけ離れてしまう弊害があるためである。
【0047】
そこで、前述で説明したように、在線範囲算出処理部12aとしては、常時、位置決定処理部33の出力に基づき、列車が何れの在線範囲である勾配検索範囲内に在線すると仮定している位置である列車位置先端・尾端を算出している。一方、データベース17には、列車位置に予め定めるある任意の余裕距離分を加算したトンネル検索範囲内の空気抵抗が設定されている。従って、トンネルに係わる線路条件算出処理部15aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17からトンネル検索範囲内の空気抵抗を検索する。図3はトンネル検索範囲とトンネルとの関係を説明する図である。
【0048】
先ず、トンネル検索範囲内のトンネルの有無から、以下の方法による演算によって取り扱う空気抵抗を求める。なお、図4は加速度時と減速度時とにおけるトンネル検索範囲を示す図である。
【0049】
▲1▼ 列車の一部でもトンネル内に入った場合、当該トンネルの空気抵抗を使用し、この空気抵抗に基づいてデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0050】
▲2▼ 列車全体がトンネルに入った場合、トンネルの空気抵抗を使用し、この空気抵抗のもとにデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0051】
▲3▼ トンネル部分の長さに応じて空気抵抗を算出しし、この空気抵抗のもとにデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0052】
▲4▼ 用途に応じて、前記▲1▼〜▲3▼の中から何れか1つを選択する。
【0053】
さらに、低速域加味算出処理部16aは、列車の低速域を考慮しつつ加減速度を算出する。
【0054】
列車速度が30km/h以下となった場合、電気制御・空気制御の切替えがある。その結果、設定ブレーキ力よりも強いブレーキ力を出力することになる。そこで、この切替時、誤検知しないように、空転滑走検知レベルを上げる必要がある。
【0055】
そこで、低速域加味算出処理部16は、自列車の速度が誤差の生じ易い低速域に入ったとき、データベース17から空転滑走を検知する検知レベルを上げるような加減速度を検索し、想定加減速度算出処理部13a、勾配に係わる路線条件算出処理部14a、トンネルに係る路線条件算出処理部15aでそれぞれ算出した現在推定加減速度、勾配による加減速度、空気抵抗による加減速度を後続の検知レベル算出処理部18a及び補正レベル算出処理部19aに送出する。
【0056】
この検知レベル算出処理部18aは、各算出処理部13a〜16aによって算出される加減速度を総合的に判断し、空転滑走検知の基準となる検出速度・加減速度を算出して空転滑走検知処理部21aに送出し、一方、補正レベル算出処理部19aは、各算出処理部13a〜16aで算出される加減速度を総合的に判断し、補正の基準となる補正速度・加減速度を算出して空転滑走補正処理部22aに送出する。
【0057】
ここで、空転滑走検知処理部21aは、加減速度算出処理部3aからの自列車加減速度と検知レベル算出処理部18aで算出される検出速度、加減速度とを比較し、自列車加減速度が検出速度、加減速度を越えているか否かに応じて空転・滑走を検知し、空転・滑走の検知フラグを空転滑走補正処理部22aに送出する。この空転滑走補正処理部22aは、検知フラグを受けたとき、補正レベル算出処理部19aから出力される補正速度、加減速度から空転・滑走の補正速度を求めて検知フラグとともに軸距離算出処理部31a及び速度決定処理部32に送出する。この軸距離算出処理部31aは、空転・滑走の検知フラグを受けると、空転滑走検知処理部21aから出力される補正値から各軸が進んだ距離を求めて位置決定処理部33に送出する。
【0058】
この速度決定処理部32は、空転・滑走検知フラグに基づき、2つの軸系の空転滑走補正処理部22a、22bから得られる空転・滑走の補正速度から列車速度を決定する。また、位置決定処理部33は、2つの軸系の軸距離算出処理部31aにより求めた距離から列車の先頭・尾端位置を算出し、前記在線範囲算出処理部12aにフィードバックする。そして、速度決定処理部32及び位置決定処理部33で決定された列車速度及び列車位置先端・尾端データは実際に列車を制御する列車制御装置に利用される。
【0059】
従って、以上のような実施の形態によれば、自列車の在線範囲の路線条件である勾配やトンネルの有無に応じた加減速度から空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準補正レベルに相当する補正速度・加減速度を取得するようにしたので、誤検知しない範囲で空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げることができ、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能となる。
【0060】
また、自列車の路線条件に応じた加減速度だけでなく、外部から入力される列車のノッチ値と予めデータベース17に登録されるブレーキ力特性データとに基づき、列車の現在の推定加減速度を算出し、この列車の現在の推定加減速度を含めて空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準補正レベルに相当する補正速度・加減速度を取得すれば、実際に列車が出力している力行ノッチ、ブレーキ力を考慮した空転滑走検知レベル及び速度補正の基準補正レベルとすることができ、さらに空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げつつ、微小空転滑走検知が可能となり、かつ、誤差要因も少なくできる。
【0061】
さらに、列車が低速域の場合、高速域と異なる検知レベルのもとに加減速度を求めれば、走行状態による検知状況のばらつきがなくなるので、より精度の高い速度補正等が可能となる。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0063】
さらに、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も同様に検知でき、よって、誤差要因を少なくして精度の高い補正処理を行うことができる空転滑走補正処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空転滑走補正処理装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】線路条件の1つである列車位置と勾配検索範囲と勾配値との関係を説明する図。
【図3】線路条件の他の1つであるトンネル検索範囲とトンネルとの関係を説明する図。
【図4】加速度時と減速度時とにおけるトンネル検索範囲を示す図。
【図5】従来の空転滑走補正処理装置を示す構成図。
【符号の説明】
1a,1b…速度発電機、2a,2b…速度算出処理部、3a,3b…加減速度算出処理部、10a,10b…検知・補正値算出処理部、11a…ノッチ判断処理部、12a…在線範囲算出処理部、13a…想定加減速度算出処理部、14a,15a…線路条件算出処理部、16a…低速域加味算出処理部、17…データベース、18a…検出レベル算出処理部、19a…補正レベル算出処理部、20a,20b…空転滑走検知補正処理部、21a…空転滑走検知処理部、22a…空転滑走補正処理部、31a,31b…軸距離算出処理部、32…速度決定処理部、33…位置決定処理部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、列車の空転滑走に伴って生ずる速度・位置等の誤差を補正する列車制御装置等に用いられる空転滑走補正処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、列車制御装置においては、列車が所定時刻に所定の駅に確実に到着させる必要から、当該列車の速度及び位置を正確に求めることが必須要件となる。
【0003】
通常、列車の速度・位置を検出する場合、定常的に発生する誤差は、余裕分の中で見込むことが可能であるが、非定常的に発生する速度・位置誤差の場合には補正が必要となる。この非定常的な誤差要因は、主に空転滑走であることから、当該空転滑走を高精度に検出することが重要となる。
【0004】
そこで、従来の空転滑走補正処理装置は、図5に示すように車両の任意の2軸に取り付けられた速度発電機51a,51bから所定の移動距離ごとに発生するパルスのパルス数から自列車の速度(サンプリング速度)を算出する速度算出処理部52a,52bと、この速度算出処理部52a,52bで算出される自列車速度を微分処理して自列車の加減速度を算出する加減速度算出処理部53a,53bと、空転滑走検知レベル及び空転滑走時の速度補正レベルを算出する検知・補正値算出処理部54a,54bと、空転滑走検知補正処理部55a,55bとによって構成されている。
【0005】
この検知・補正値算出処理部54a,54bは、予め所要とする各種のデータ(線形データ等)が登録されているデータベース56と、速度算出処理部52a,52bで算出される自列車速度に基づき、データベース56に登録されている線形データである空転滑走検知の基準検出レベル(最悪の固定値)を検索し、この基準検出レベルに相当する検出速度及び加減速度などを出力する検出レベル算出処理部57a,57bと、同じくデータベース56に登録される速度補正の基準補正レベル(最悪の固定値)を検索し、この検索された基準補正レベルに相当する補正速度、加減速度を出力する補正レベル算出処理部58a,58bとが設けられている。
【0006】
前記空転滑走検知補正処理部55a,55bは、加減速度算出処理部53a,53bからの自列車加減速度と検出レベル算出処理部57a,57bから出力される検出速度、加減速度とを比較し、自列車加減速度が検出速度、加減速度を越えているか否かに応じて空転・滑走を検知し、空転・滑走の検知フラグを出力する空転滑走検知処理部59a,59b及びこの検知フラグを受けたとき、補正レベル算出処理部58a,58bから出力される補正速度、加減速度から空転・滑走の補正速度を求めて検知フラグとともに出力する空転滑走補正処理部60a,60bが設けられている。
【0007】
速度決定処理部61は、空転・滑走検知フラグと空転・滑走補正速度とから列車速度を算出する機能をもつている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような空転滑走補正処理装置では、速度発電機51a,51bから発生するパルス数を速度に変換していることから、どうしても大きなサンプリング誤差が生じてしまう。一般に、列車の走行時に発生する空転滑走には大空転滑走と微小空転滑走が存在するが、大空転滑走の場合、例えば加減速度に対して約±10km/h/sの空転滑走が発生した場合には前述する空転滑走検出処理により空転滑走を検知し補正することが可能である。
【0009】
しかし、現在の速度発電機51a,51bから発生するパルス数を速度に変換する速度位置検出方式では、微小空転・滑走を検出することが難しい。その結果、次のような問題が指摘されている。
【0010】
▲1▼ 微小空転が発生した場合、その発生状態を検知できないので、検出速度が実速度よりも高めに出てくる。一方、微小滑走が発生した場合、その微小滑走状態を検知できないので、検出速度が実速度よりも低めにでてくる。
【0011】
▲2▼ 微小滑走が発生した場合、実際の列車位置よりも後方位置と認識してしまう問題がある。
【0012】
▲3▼ また、力行ノッチ、ブレーキ力や線路条件に関係する勾配抵抗・空気抵抗等に対する補正は、予めデータベース56に登録される一律の最悪値である固定値から基準となる空転滑走検出用及び速度補正用のレベルを取り出しているので、列車の走行状態によって検出状況にばらつきが生じ、適正な空転滑走検出レベル及び列車速度の補正レベルが取得できない問題がある。
【0013】
本発明は上記事情にかんがみてなされたもので、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能とし、かつ、誤差要因を少なくして精度の高い誤差補正処理を行う空転滑走補正処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、列車の車軸に取り付けられた速度発電機より発生するパルスから空転滑走を検知し、この空転滑走に伴なう補正処理用信号を取り出す空転滑走補正処理装置において、
前記列車の速度発電機より発生するパルスから列車速度を算出する速度算出処理手段と、予め列車在線検索範囲毎の勾配値及び当該検索範囲毎のトンネル有無に応じた空気抵抗を記憶する記憶手段と、前記列車の現在位置から在線検索範囲を決定する手段と、前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲に応じた前記記憶手段に記憶される勾配値とから加減速度を算出する第1の路線条件算出処理手段と、前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲内のトンネル有無に応じた前記記憶手段に記憶されている空気抵抗とから加減速度を算出する第2の路線条件算出処理手段と、これら第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第1の検知・補正値算出手段とを設けた構成である。
【0015】
本発明は、以上のような構成とすることにより、自列車が在線する範囲の路線条件を考慮することにより、誤検知しない範囲で空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げることが可能となり、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能となる。
【0016】
また、本発明は、列車の速度発電機より発生するパルスから得られる列車速度と当該列車から出力されるノッチの値と予め記憶手段に記憶されるブレーキ力特性データとに基づき、列車の現在の想定加減速度を算出し、この想定加減速度及び前記第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第2の検知・補正値算出手段とを設けることにより、実際の列車のノッチ値を考慮した空転滑走検知レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正レベルに相当する補正速度・加減速度を求めることが可能である。
【0017】
さらに、予め記憶手段に低速域を加味した検知レベルから加減速度を取り出し可能にし、路線条件も含めて総合的に判断し、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求めれば、走行状態によって検出状況にばらつきがなくなり、低速域であっても検出レベルを下げて空転滑走を検知することが可能となる。
【0018】
なお、前述する列車在線検索範囲を決定に際し、列車の実先頭位置より所要距離前方を先頭認識位置とし、また列車の実後尾位置より所要距離後方を後尾認識位置とし、これら先頭認識位置と先頭認識位置とにより列車長を決定し、この列車長に基づいて列車在線検索範囲を決定すれば、実列車の認識位置と実際の位置とのずれを考慮しつつ、適切な列車在線検索範囲を決定でき、ひいては記憶手段から路線条件に見合った検出レベル及び補正レベルを検索可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明に係る空転滑走補正処理装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0021】
この空転滑走補正処理装置は、車両の任意の複数軸,例えば2軸に速度発電機1a,1bが取り付けられ、これら速度発電機1a,1bから所定の移動距離ごとに発生するパルスのパルス数から自列車の速度(サンプリング速度)を算出する速度算出処理部2a,2b及びこの自列車速度を例えば微分処理によって自列車加減速度を算出する加減速度算出処理部3a,3bが設けられている。
【0022】
また、空転滑走補正処理装置は、速度算出処理部2a,2bから出力される自列車速度及び加減速度算出処理部3a,3bの自列車加減速度の他、新たに外部から入力されるノッチの値及び列車の現在位置の路線条件を考慮し、空転・滑走検知用及び速度補正用の基準レベルに相当する信号を算出する検知・補正値算出処理部10a,10b、空転滑走検知補正処理部20a,20b、各軸距離算出処理部31a,31b、速度決定処理部32及び位置決定処理部33が設けられている。
【0023】
前記検知・補正値算出処理部10aは、外部から入力される例えばブレーキ力・カ行ノッチの値を判断するノッチ判断処理部11a及び列車の現在位置に基づいて在線検索範囲,つまり列車想定位置先端・尾端データを算出する在線範囲算出処理部12a、想定加減速度算出処理部13a、路線勾配に係る線路条件算出処理部14a、トンネルに係る線路条件算出処理部15a、低速域加味算出処理部16aが設けられている。
【0024】
この想定加減速度算出処理部13aは、ノッチ判断処理部11aで判断される実際のノッチ値と速度算出処理部2aで算出される自列車の現在速度と予めデータベース17に登録されるブレーキ力特性データ(このデータは、全点検索データ又は計算式に基づく計算結果データ)から現在想定加減速度を算出する。なお、データベース17には基準となる各種の線形データが格納されている。
【0025】
前記勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17から勾配値を検索し、速度算出処理部2aから出力される自列車速度とこの検索された線路の勾配値とから加減速度を算出する機能をもっている。トンネルに係る線路条件算出処理部15aは、同様に列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17からトンネル有無に応じた空気抵抗を検索し、速度算出処理部2aから出力される自列車速度とこの検索されたトンネルの空気抵抗とに基づいて加減速度を算出する機能をもっている。低速域加味算出処理部16aは、車両の特性,つまり現在の自列車速度が低速域の場合にデータベース17から低速域に係る基準検知レベルを取り出し、この検知レベルに相当する加減速度を算出し出力する機能をもっている。
【0026】
さらに、検知・補正値算出処理部10aは、各算出処理部13a〜16aから出力される加減速度を総合的に判断し、空転滑走検知の基準検知レベルに相当する検出速度・加減速度を算出する検知レベル算出処理部18a及び同じく各算出処理部13a〜16aで算出される加減速度を総合的に判断し、速度補正の基準検知レベルに相当する補正速度・加減速度を算出する補正レベル算出処理部19aが設けられている。ここで、総合的に判断するとは、例えば勾配有りの場合には線路の勾配値に応じた加減速度を考慮し、トンネル有りの場合にはトンネルの空気抵抗に応じた加減速度を考慮して判断することを意味する。
【0027】
なお、検知・補正値算出処理部10bは、検知・補正値算出処理部10aとその構成及び機能を同じくするので、ここでは、当該検知・補正値算出処理部10aの説明に譲る。
【0028】
前記空転滑走検知補正処理部20aは、図5と同様な構成及び機能を有する空転滑走を検知する空転滑走検知処理部21a及び空転滑走時の速度補正値を算出する空転滑走補正処理部22aが設けられている。空転滑走検知補正処理部20bについても同様な構成となっている。軸距離算出処理部31aは、空転・滑走の検知フラグに基づき、補正レベル算出処理部19aから出力される速度補正値から各軸が進んだ距離を求める機能をもっている。
【0029】
前記速度決定処理部32は、空転・滑走検知フラグに基づき、2つの軸系の空転滑走補正処理部22a、22bから得られる空転・滑走の補正速度と列車の実計測速度とから空転滑走時の列車速度を決定する。また、位置決定処理部33は、2つの軸系の軸距離算出処理部31a,31bにより求めた距離から列車の先頭・尾端位置を算出し、前記在線範囲算出処理部12aにフィードバックする機能をもっている。そして、速度決定処理部32及び位置決定処理部33で決定された列車速度及び列車位置先端・尾端データは実際に列車を制御する列車制御装置に用いられる。
【0030】
次に、以上のような構成の空転滑走補正処理装置の動作について説明する。
【0031】
外部からブレーキ力・力行ノッチがノッチ判断処理部11aに入力されている。ノッチ判断処理部11aは、現在入力されているブレーキ力・力行ノッチから自列車のノッチ値を判断し、速度算出処理部2aで算出される自列車速度とともに想定加減速度算出処理部13aに送出する。この想定加減速度算出処理部13aは、ノッチ値と現在の自列車速度と予めデータベース17に登録される牽引力・ブレーキ力特性データとに基づいて現在想定加減速度を算出する。この想定加減速度データは、線形化されたブレーキ力特性データの中から全点検索のもとに検索されたデータ、あるいは予め定められる計算式のもとに算出する加減速度データのどちらを用いてもよい。
【0032】
因みに、ノッチの値を考慮する場合、次のような方法により現在想定加減速度を算出する。すなわち、想定加減速度算出処理部13aは、実際に入力されるノッチ値及び自列車速度とデータベース17に登録される牽引力・ブレーキ力特性の値に応じた加減速度あるいは予め定められる計算式から加減速度を求め、現在想定加減速度とする。
【0033】
この現在想定加減速度を求めるには幾つかの方法が挙げられる。
【0034】
▲1▼ 列車の種々の走行状態を考慮し、データベース17に予め登録される一律最悪値の中から自列車速度に応じた所要の最悪値である加減速度を検索し、現在想定加減速度とする。
【0035】
▲2▼ 実際に出力されるノッチ値に基づき、データベース17に登録される加減速度の中から所要とする加減速度を検索し、現在想定加減速度とする。
【0036】
▲3▼ 用途に応じて、前記▲1▼、▲2▼を選択的に使用する。
【0037】
また、列車の走行時、在線範囲算出処理部12aは、位置決定処理部33から実際の列車先端位置・尾端位置,実際の列車位置が供給されているので、ここで列車想定位置先端・尾端を算出し、各線路条件算出処理部14a、15aに供給する。ここで、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車想定位置先端・尾端に基づき、データベース17に登録されている勾配値(勾配データ)のうち、先に算出された在線範囲内の勾配値を抽出し、この抽出された勾配値から用途に応じて現在の勾配による加減速度を算出する。
【0038】
ところで、勾配抵抗を一律最急勾配とした場合、空転滑走検知レベルをぎりぎりまで下げられない。補正値が列車速度からかけ離れてしまう弊害があるためである。
【0039】
そこで、在線範囲算出処理部12aでは、常時、位置決定処理部33の出力に基づき、図2に示すように列車が何れの在線検索範囲である勾配検索範囲内に在線すると仮定している位置である列車位置先端・尾端を算出する。一方、データベース17には、列車位置に予め定めるある任意の余裕距離分を加算した勾配検索範囲(イ)内の勾配値(ロ)が設定されている。従って、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17から勾配検索範囲内の勾配値を検索する。
【0040】
よって、勾配に係る線路条件算出処理部14aは、前述する該当勾配検索範囲内の勾配値に基づき、以下の方法による演算により取り扱う勾配値を求める。
【0041】
▲1▼ 最大勾配(加速と減速とによってその傾きが異なる)を検出し、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0042】
▲2▼ 該当勾配検索範囲内の勾配値の平均値に基づき、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0043】
▲3▼ 勾配の長さに応じて按分した勾配値を用い、データベース17から当該勾配による加減速度を検索する。
【0044】
▲4▼ 用途に応じて、前記▲1▼〜▲3▼の中から何れか1つを選択する。
【0045】
一方、トンネルによる空気抵抗について検討する。
【0046】
空気抵抗を一律最急勾配とした場合、空転滑走検知レベルをぎりぎりまで下げられない。補正値が列車速度からかけ離れてしまう弊害があるためである。
【0047】
そこで、前述で説明したように、在線範囲算出処理部12aとしては、常時、位置決定処理部33の出力に基づき、列車が何れの在線範囲である勾配検索範囲内に在線すると仮定している位置である列車位置先端・尾端を算出している。一方、データベース17には、列車位置に予め定めるある任意の余裕距離分を加算したトンネル検索範囲内の空気抵抗が設定されている。従って、トンネルに係わる線路条件算出処理部15aは、列車の想定位置先端・尾端に基づき、データベース17からトンネル検索範囲内の空気抵抗を検索する。図3はトンネル検索範囲とトンネルとの関係を説明する図である。
【0048】
先ず、トンネル検索範囲内のトンネルの有無から、以下の方法による演算によって取り扱う空気抵抗を求める。なお、図4は加速度時と減速度時とにおけるトンネル検索範囲を示す図である。
【0049】
▲1▼ 列車の一部でもトンネル内に入った場合、当該トンネルの空気抵抗を使用し、この空気抵抗に基づいてデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0050】
▲2▼ 列車全体がトンネルに入った場合、トンネルの空気抵抗を使用し、この空気抵抗のもとにデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0051】
▲3▼ トンネル部分の長さに応じて空気抵抗を算出しし、この空気抵抗のもとにデータベース17からトンネルによる加減速度を検索する。
【0052】
▲4▼ 用途に応じて、前記▲1▼〜▲3▼の中から何れか1つを選択する。
【0053】
さらに、低速域加味算出処理部16aは、列車の低速域を考慮しつつ加減速度を算出する。
【0054】
列車速度が30km/h以下となった場合、電気制御・空気制御の切替えがある。その結果、設定ブレーキ力よりも強いブレーキ力を出力することになる。そこで、この切替時、誤検知しないように、空転滑走検知レベルを上げる必要がある。
【0055】
そこで、低速域加味算出処理部16は、自列車の速度が誤差の生じ易い低速域に入ったとき、データベース17から空転滑走を検知する検知レベルを上げるような加減速度を検索し、想定加減速度算出処理部13a、勾配に係わる路線条件算出処理部14a、トンネルに係る路線条件算出処理部15aでそれぞれ算出した現在推定加減速度、勾配による加減速度、空気抵抗による加減速度を後続の検知レベル算出処理部18a及び補正レベル算出処理部19aに送出する。
【0056】
この検知レベル算出処理部18aは、各算出処理部13a〜16aによって算出される加減速度を総合的に判断し、空転滑走検知の基準となる検出速度・加減速度を算出して空転滑走検知処理部21aに送出し、一方、補正レベル算出処理部19aは、各算出処理部13a〜16aで算出される加減速度を総合的に判断し、補正の基準となる補正速度・加減速度を算出して空転滑走補正処理部22aに送出する。
【0057】
ここで、空転滑走検知処理部21aは、加減速度算出処理部3aからの自列車加減速度と検知レベル算出処理部18aで算出される検出速度、加減速度とを比較し、自列車加減速度が検出速度、加減速度を越えているか否かに応じて空転・滑走を検知し、空転・滑走の検知フラグを空転滑走補正処理部22aに送出する。この空転滑走補正処理部22aは、検知フラグを受けたとき、補正レベル算出処理部19aから出力される補正速度、加減速度から空転・滑走の補正速度を求めて検知フラグとともに軸距離算出処理部31a及び速度決定処理部32に送出する。この軸距離算出処理部31aは、空転・滑走の検知フラグを受けると、空転滑走検知処理部21aから出力される補正値から各軸が進んだ距離を求めて位置決定処理部33に送出する。
【0058】
この速度決定処理部32は、空転・滑走検知フラグに基づき、2つの軸系の空転滑走補正処理部22a、22bから得られる空転・滑走の補正速度から列車速度を決定する。また、位置決定処理部33は、2つの軸系の軸距離算出処理部31aにより求めた距離から列車の先頭・尾端位置を算出し、前記在線範囲算出処理部12aにフィードバックする。そして、速度決定処理部32及び位置決定処理部33で決定された列車速度及び列車位置先端・尾端データは実際に列車を制御する列車制御装置に利用される。
【0059】
従って、以上のような実施の形態によれば、自列車の在線範囲の路線条件である勾配やトンネルの有無に応じた加減速度から空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準補正レベルに相当する補正速度・加減速度を取得するようにしたので、誤検知しない範囲で空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げることができ、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も検知可能となる。
【0060】
また、自列車の路線条件に応じた加減速度だけでなく、外部から入力される列車のノッチ値と予めデータベース17に登録されるブレーキ力特性データとに基づき、列車の現在の推定加減速度を算出し、この列車の現在の推定加減速度を含めて空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準補正レベルに相当する補正速度・加減速度を取得すれば、実際に列車が出力している力行ノッチ、ブレーキ力を考慮した空転滑走検知レベル及び速度補正の基準補正レベルとすることができ、さらに空転滑走検知の基準レベル及び補正レベルを可能な限り下げつつ、微小空転滑走検知が可能となり、かつ、誤差要因も少なくできる。
【0061】
さらに、列車が低速域の場合、高速域と異なる検知レベルのもとに加減速度を求めれば、走行状態による検知状況のばらつきがなくなるので、より精度の高い速度補正等が可能となる。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0063】
さらに、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大空転滑走だけでなく、微小空転滑走も同様に検知でき、よって、誤差要因を少なくして精度の高い補正処理を行うことができる空転滑走補正処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空転滑走補正処理装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】線路条件の1つである列車位置と勾配検索範囲と勾配値との関係を説明する図。
【図3】線路条件の他の1つであるトンネル検索範囲とトンネルとの関係を説明する図。
【図4】加速度時と減速度時とにおけるトンネル検索範囲を示す図。
【図5】従来の空転滑走補正処理装置を示す構成図。
【符号の説明】
1a,1b…速度発電機、2a,2b…速度算出処理部、3a,3b…加減速度算出処理部、10a,10b…検知・補正値算出処理部、11a…ノッチ判断処理部、12a…在線範囲算出処理部、13a…想定加減速度算出処理部、14a,15a…線路条件算出処理部、16a…低速域加味算出処理部、17…データベース、18a…検出レベル算出処理部、19a…補正レベル算出処理部、20a,20b…空転滑走検知補正処理部、21a…空転滑走検知処理部、22a…空転滑走補正処理部、31a,31b…軸距離算出処理部、32…速度決定処理部、33…位置決定処理部。
Claims (5)
- 列車の車軸に取り付けられた速度発電機より発生するパルスから空転滑走を検知し、この空転滑走に伴なう補正処理用信号を取り出す空転滑走補正処理装置において、
前記列車の速度発電機より発生するパルスから列車速度を算出する速度算出処理手段と、
予め列車在線検索範囲毎の勾配値及び当該検索範囲毎のトンネル有無に応じた空気抵抗を記憶する記憶手段と、
前記列車の現在位置から在線検索範囲を決定する手段と、
前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲に応じた前記記憶手段に記憶される勾配値とから加減速度を算出する第1の路線条件算出処理手段と、
前記速度算出処理手段から出力される列車速度と前記決定された列車在線検索範囲内のトンネル有無に応じた前記記憶手段に記憶されている空気抵抗とから加減速度を算出する第2の路線条件算出処理手段と、
これら第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第1の検知・補正値算出手段と
を備えたことを特徴とする空転滑走補正処理装置。 - 請求項1に記載の空転滑走補正処理装置において、
前記記憶手段にブレーキ力特性データが記憶され、前記列車の速度発電機より発生するパルスから取得される列車速度と当該列車から出力されるノッチ値に応じた前記記憶手段に記憶されるブレーキ力特性データとに基づき、前記列車の現在想定加減速度を算出する想定加減速度算出処理手段と、
この想定加減速度算出処理手段で算出される想定加減速度及び前記第1及び第2の線路条件算出処理手段から出力される加減速度を用いて、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第2の検知・補正値算出手段とを設けたことを特徴とする空転滑走補正処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の空転滑走補正処理装置において、
予め前記記憶手段に列車の低速域に応じた検知レベルが記憶され、前記列車の速度発電機より発生するパルスから取得される列車速度が低速域の場合、前記記憶手段に記憶される低速域に応じた検知レベルを取り出し、当該検知レベルに相当する加減速度を算出する低速域加味算出処理手段と、
この低速域加味算出処理手段から出力される加減速度、前記想定加減速度算出処理手段で算出される想定加減速度及び前記第1及び第2の線路条件算出処理手段で算出される加減速度を総合的に判断し、空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度及び補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度を求める第3の検知・補正値算出手段とを設けたことを特徴とする空転滑走補正処理装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の空転滑走補正処理装置において、
前記列車の速度発電機より発生するパルスから取得される列車速度から自列車の加減速度を求める加減速度算出処理手段と、
この処理手段により求められる自列車の加減速度と前記検知・補正値算出手段で算出される空転滑走検知の基準レベルに相当する検出速度・加減速度とを用いて、空転滑走を検知する空転滑走検知処理手段と、
この空転滑走検知処理手段から空転滑走検知信号を受けたとき、前記検知・補正値算出手段で算出される速度補正の基準レベルに相当する補正速度・加減速度から空転滑走時の補正速度を求め、この補正速度のもとに空転滑走時の列車の速度を決定する手段と、
この手段により求められる空転滑走補正速度から各車軸が進んだ距離を求め、列車の実先頭位置及び実後尾位置を決定する手段とを設けたことを特徴とする空転滑走補正処理装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の空転滑走補正処理装置において、
前記在線範囲算出処理手段は、前記決定された列車の実先頭位置より所要距離前方を先頭認識位置とし、また前記決定された列車の実後尾位置より所要距離後方を後尾認識位置とし、これら先頭認識位置と先頭認識位置とにより列車長を決定し、この列車長に基づいて列車在線検索範囲を決定することを特徴とする空転滑走補正処理装置。
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