JP2005012700A - 原稿読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止する。
【解決手段】原稿読取部にセットされた原稿の画像種別を判定する(ステップS3)。その判定結果をユーザが予め入力(選択)した画像種別と比較し(ステップS4)、一致しない場合(すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合)には、操作表示部に画像種別選択画面を表示させることにより、その旨を報知する(ステップS5)。
【効果】ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】原稿読取部にセットされた原稿の画像種別を判定する(ステップS3)。その判定結果をユーザが予め入力(選択)した画像種別と比較し(ステップS4)、一致しない場合(すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合)には、操作表示部に画像種別選択画面を表示させることにより、その旨を報知する(ステップS5)。
【効果】ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機などの画像形成装置に適用され、原稿の画像を読み取るための原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機などの画像形成装置の中には、原稿読取部で読み取った原稿の画像データに対して所定の画像処理(たとえば、エッジ強調処理や平滑化処理などの適応処理)を施すようになっているものがある。この種の画像形成装置の中には、原稿の画像種別(文字原稿、文字写真原稿、写真原稿など)をユーザが入力(選択)できるようになっていて、その選択された画像種別として原稿の画像を読み取り、読み取った画像データに対して画像種別に適した画像処理が行われるようになっているものがある。
【0003】
しかしながら、上記のような画像形成装置では、ユーザが実際の画像種別とは異なる画像種別を選択した場合に、実際の画像種別に適した画像処理とは異なる画像処理が画像データに対して施され、画質が劣化してしまうおそれがある。
そこで、原稿の画像種別を自動的に判定できるような構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−232709号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のような構成であっても、原稿の画像種別を常に正確に判定できるとは限らない。したがって、自動的に判定した原稿の画像種別が実際の画像種別と異なる場合には、画像種別に適した画像処理を行うことができず、画質が劣化してしまうおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、原稿の画像を読み取るための原稿読取部(2)と、上記原稿読取部で読み取らせる原稿の画像種別を入力するための画像種別入力手段(4)と、上記原稿読取部で読み取った原稿の画像種別を判定する画像種別判定手段(5,S3)と、上記画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、その旨の報知を行う報知手段(4,5,S5)とを含むことを特徴とする原稿読取装置である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合、すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合に、その旨が報知手段により報知されるので、ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
【0008】
したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる。これにより、原稿画像の種別に適した画像処理を画像データに施すことができるので、画質の劣化を抑制できる。
請求項2記載の発明は、上記画像種別入力手段(4)により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段(5,S3)により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、どちらかの画像種別を選択するための画像種別選択手段(41,42)と、上記画像種別選択手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行う画像処理手段(5)とを含むことを特徴とする請求項1記載の原稿読取装置である。
【0009】
この構成によれば、画像種別選択手段により、画像種別入力手段で入力した原稿の画像種別と、画像種別判定手段で判定された原稿の画像種別のいずれかを選択し、その選択した画像種別に応じた画像処理を画像データに施すことができる。
したがって、報知手段による報知が行われた場合には、ユーザは、原稿読取部にセットされている原稿の画像種別を確認した上で、自分の画像種別の選択が誤っていない場合には画像種別入力手段で入力した原稿の画像種別を選択し、自分の画像種別の選択が誤っている場合には画像種別判定手段で判定された原稿の画像種別を選択することにより、適当な画像種別を容易に選択することができる。
【0010】
請求項3記載の発明のように、上記画像種別入力手段(4)により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段(5,S3)により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、いずれの画像種別を選択するかを予め設定しておくための初期設定手段(45,46)を含み、上記画像処理手段(5)は、所定時間内に上記画像種別選択手段による選択操作が行われない場合に、上記初期設定手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行うものであってもよい。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記画像種別判定手段(5,S3)は、上記原稿読取部(2)で読み取った原稿画像の各画素の濃度に基づくヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段(5,T1)と、上記ヒストグラム作成手段により作成されたヒストグラムの濃度分布態様に応じて、空間フィルタを用いたフィルタ処理を実行可能な空間フィルタ処理手段(5,T5,T9)とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の原稿読取装置である。
【0012】
この構成によれば、濃度ヒストグラムに対して空間フィルタ処理を行った結果を用いて画像種別判定処理を行うことができるので、原稿の画像種別をより正確に判定することができる。したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのをより効果的に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図1を参照して、画像形成装置1は、たとえばデジタル複写機であって、原稿の画像を読み取るための原稿読取部2と、この原稿読取部2で読み取った原稿の画像を記録用紙に転写するための画像形成部3と、当該画像形成装置1の動作内容の設定や動作状態の表示のための操作表示部4とを備えている。原稿読取部2、画像形成部3および操作表示部4は、マイクロコンピュータを含む制御部5に対して入出力可能に接続されていて、それらの動作が制御部5により制御されるようになっている。
【0014】
原稿読取部2は、コンタクトガラス(図示せず)上にセットされた原稿に対して光を照射し、原稿で反射した光を検出して電気信号(画像データ)に変換するためのスキャナ21を備えている。原稿読取部2(スキャナ21)で読み取られた原稿の画像データは、制御部5に入力されて所定の画像処理(たとえば、エッジ強調処理や平滑化処理などの適応処理)が施された後、画像形成部3に与えられる。
【0015】
原稿読取部2には、原稿がセットされたか否かを検知するための原稿セットセンサ22が備えられていて、この原稿セットセンサ22からの出力信号が制御部5に入力されるようになっている。画像形成装置1には、たとえば、コンタクトガラスに対向して開閉可能に配置され、原稿を1枚ずつスキャナ21側へと自動的に供給するための自動原稿供給装置(図示せず)が備えられている。自動原稿供給装置は、コンタクトガラス上に原稿をセットする際に開閉される。原稿セットセンサ22は、自動原稿供給装置の開閉状態に基づいて、コンタクトガラス上に原稿がセットされたか否かを検知するものであってもよい。
【0016】
画像形成部3の構成は、たとえば、感光体、メインチャージャ、現像装置および転写装置などを含む周知の構成である。すなわち、画像形成時には、略円筒状の感光体の表面がメインチャージャによって一様に帯電され、この感光体の表面に画像データに基づいて光が照射されることにより、感光体の表面にいわゆる静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体の表面には、現像装置によりトナーが選択的に付着され、トナー像が形成される。そして、感光体の表面に形成されたトナー像は、転写装置の働きによって記録用紙に転写される。
【0017】
操作表示部4は、タッチパネル付きの表示画面を有する構成となっている。ユーザは、操作表示部4の表示画面に触れることで、各種設定操作を行うことができるようになっている。
図2は、原稿読取部2に原稿がセットされた場合の制御部5による制御の流れを示すフローチャートである。
制御部5は、原稿セットセンサ22からの検知信号に基づいて原稿がセットされたと判断すると(ステップS1でYES)、コンタクトガラス上にセットされている原稿をプレスキャンする(ステップS2)。このプレスキャンは、画像形成に用いる原稿の画像データを取得するために行う原稿画像の読み取り(本スキャン)の前段階として行われるものであって、プレスキャンにより得られた画像データは、原稿のサイズや原稿画像の特性などを検知するために用いられる。
【0018】
その後、制御部5は、プレスキャンで読み取った原稿の画像データに基づいて、原稿の画像種別(文字原稿、文字写真印画紙原稿、文字写真印刷原稿、写真印画紙原稿、写真印刷原稿など)を判定するための画像種別判定処理を行う(ステップS3)。ここで、文字原稿とは、文字の画像のみを含む原稿のことである。写真印画紙原稿とは、写真の画像のみを含む印画紙の原稿のことである。写真印刷原稿とは、写真の画像のみを含む印刷された原稿のことである。文字写真印画紙原稿とは、文字の画像と写真の画像とを含む印画紙の原稿のことである。文字写真印刷原稿とは、文字の画像と写真の画像とを含む印刷された原稿のことである。写真の画像は、印刷されるといわゆる網点画像となる。画像種別判定処理の具体的な内容については後述する。
【0019】
この実施形態では、操作表示部4を操作することにより、ユーザが原稿読取部2にセットする原稿の画像種別を予め入力(選択)することができるようになっている。画像種別判定処理が終了すると(ステップS3)、制御部5は、画像種別判定処理の判定結果が、ユーザにより選択された原稿の画像種別と一致するか否かを判定する(ステップS4)。その結果、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致する場合には(ステップS4でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して、ユーザにより選択された画像種別に応じた画像処理を施すモード(ユーザ選択モード)を実行するよう決定する(ステップS9)。
【0020】
一方、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合には(ステップS4でNO)、制御部5は、操作表示部4の表示画面に、ユーザ選択モードを実行するよう決定するか、または、画像種別判定処理により判定された画像種別に応じた画像処理を施すモード(自動判定モード)を実行するよう決定するかを選択するための画面(画像種別選択画面)を表示させる(ステップS5)。
【0021】
図3は、画像種別選択画面の一例を示す図である。
画像種別選択画面には、「画像種別が異なる場合があります」というメッセージが表示されて、原稿の画像種別が、ユーザにより予め選択された画像種別と異なる可能性がある旨が報知される。
また、画像種別選択画面には、ユーザ選択モードを選択するためのユーザ選択モードキー41と、自動判定モードを選択するための自動判定モードキー42とが表示される。画像種別選択画面には、さらに、「どちらのモードでコピーしますか?」というメッセージが表示されて、ユーザ選択モードキー41および自動判別モードキー42のいずれかの操作がユーザに促されるようになっている。
【0022】
再び図2を参照して、画像種別選択画面が操作表示部4の表示画面に表示されると(ステップS5)、制御部5は、所定時間が経過するまで(ステップS6でYESとなるまで)、ユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかが操作(選択)されるか否かを監視する(ステップS7)。そして、上記所定時間内にユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかが操作された場合には(ステップS7でYES)、制御部5は、操作されたキーがユーザ選択モードキー41であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0023】
操作されたキーがユーザ選択モードキー41である場合には(ステップS8でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対してユーザ選択モードを実行するよう決定する(ステップS9)。一方、操作されたキーが自動判定モードキー42である場合には(ステップS8でNO)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して自動判定モードを実行するよう決定する(ステップS10)。
【0024】
この実施形態では、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合に、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれを実行するかを予め設定(初期設定)しておくことができるようになっている。上記所定時間内にユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれも操作されない場合には(ステップS6でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して初期設定されたモードを実行するよう決定する(ステップS11)。
【0025】
図4は、初期設定画面の一例を示す図である。
初期設定画面には、画像種別判定処理を行うか否かを決定するためのキー43,44が表示される。「行う」と表示されたキー43を操作した場合には、画像種別判定を行うよう決定される一方、「行わない」と表示されたキー44を操作した場合には、画像種別判定を行わないよう決定される。
「行う」と表示されたキー43を操作した場合には、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれを優先するかを決定するためのユーザ選択モード優先キー45と自動判定モード優先キー46とが表示される。ユーザ選択モード優先キー45を操作してユーザ選択モードを優先モードとして選択した場合には、図2のステップS11において、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対してユーザ選択モードを実行するよう決定される。一方、自動判定モード優先キー46を操作して自動判定モードを優先モードとして選択した場合には、図2のステップS11において、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して自動判定モードを実行するよう決定される。
【0026】
この実施形態では、上述のように、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合、すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合に、その旨が画像種別選択画面で報知されるので、ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる。これにより、原稿画像の種別に適した画像処理を画像データに施すことができるので、画質の劣化を抑制できる。
【0027】
また、この実施形態では、画像種別選択画面に表示されたユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかを操作することにより、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれかを選択し、その選択したモードに基づく画像種別に応じた画像処理を画像データに施すことができる。
したがって、操作表示部4に画像種別選択画面が表示された場合には、ユーザは、原稿読取部2にセットされている原稿の画像種別を確認した上で、自分の画像種別の選択が誤っていない場合にはユーザ選択モードを選択し、自分の画像種別の選択が誤っている場合には自動判定モードを選択することにより、適当なモード(画像種別)を容易に選択することができる。
【0028】
図5は、画像種別判定処理時の制御部5による制御の流れを示すフローチャートである。
原稿の画像データを構成する各画素データには、その画素の濃度を複数段階(たとえば、「0」〜「255」の256段階)で表現した濃度値データが含まれる。画像種別判定処理では、まず、制御部5は、濃度値を複数の区分に分割し、各区分に属する画素の割合(%)を算出することにより、濃度ヒストグラムを作成する(ステップT1)。ただし、濃度ヒストグラムは、各区分に属する画素の割合を表すものに限らず、たとえば、各区分に属する画素の数を表すものであってもよい。
【0029】
図6は、濃度ヒストグラムの一例を示す図である。この濃度ヒストグラムでは、256段階の濃度値が10分割された場合を示している。
図5および図6を参照して、制御部5は、濃度ヒストグラムを作成した後(ステップT1)、濃度ヒストグラム中に閾値V1(たとえば、45%)以上の区分が存在するか否かを判定する(ステップT2)。
図6に示す例のように、閾値V1以上の区分が存在する場合には(ステップT2でYES)、その比較的多数の画素が集中している区分を文字に対応する区分と判定することができるので、原稿の画像種別は文字を含むもの(文字原稿、文字写真印画紙原稿または文字写真印刷原稿)であると判定することができる。この場合、制御部5は、濃度ヒストグラム中に閾値V2(たとえば、2%)以上の区分が規定数(たとえば、50%)以上あるか否かを判定する(ステップT3)。
【0030】
閾値V2以上の区分が規定数未満の場合(ステップT3でNO)、すなわち比較的狭い範囲の区分に画素が集中している場合には、制御部5は、原稿の画像種別を文字原稿と判定する(ステップT4)。
一方、閾値V2以上の区分が規定数以上ある場合には(ステップT3でYES)、比較的広い範囲の区分に画素が分散しているので、原稿の画像種別を文字写真印画紙原稿または文字写真印刷原稿のいずれかと判定することができる。この場合、制御部5は、原稿の画像種別が文字写真印画紙原稿および文字写真印刷原稿のいずれであるかを判定するために、空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を行う(ステップT5)。
【0031】
図7は、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタの一例を示す図である。
この空間フィルタは、9行×9列のいわゆるガウスフィルタであって、周波数特性がガウス分布(正規分布)を呈している。空間フィルタ処理は、原稿の画像データを構成する各画素データを順次注目画素として、その注目画素を中心とする周辺画素を抽出し、これらの注目画素および周辺画素の各濃度値に対して空間フィルタの各要素を掛け合わせることにより行われる。この空間フィルタ処理によって、網点領域の画素の濃度値を良好に平滑化することができる。
【0032】
ただし、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタは、ガウスフィルタに限らず、積分フィルタなどの他の平滑化フィルタであってもよい。また、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタは、X行×Y列(X,Yはそれぞれ自然数)のフィルタであれば、9行×9列のフィルタに限られるものではない。
再び図5を参照して、制御部5は、空間フィルタ処理を行った後(ステップT5)、空間フィルタ処理前の各区分の画素の割合と、空間フィルタ処理後の各区分の画素の割合との差分値(変化割合)を算出し、その変化割合が所定値(たとえば、0.7%)以上の区分が所定数(たとえば、2つ)以上あるか否かを判定する(ステップT6)。
【0033】
変化割合が0.7%以上の区分が2つ未満の場合には(ステップT6でNO)、制御部5は、原稿の画像種別を文字写真印画紙原稿と判定する(ステップT7)。一方、変化割合が0.7%以上の区分が2つ以上ある場合には(ステップT6でYES)、制御部5は、原稿の画像種別を文字写真印刷原稿と判定する(ステップT8)。
ステップT1で作成した濃度ヒストグラム中に閾値V1以上の区分が存在しない場合には(ステップT2でNO)、原稿の画像種別は文字を含まないもの(写真印画紙原稿または写真印刷原稿)であると判定することができる。この場合、制御部5は、図7に示したような空間フィルタを用いて空間フィルタ処理を行った後(ステップT9)、空間フィルタ処理前の各区分の画素の割合と、空間フィルタ処理後の各区分の画素の割合との差分値(変化割合)を算出し、その変化割合が所定値(たとえば、0.7%)以上の区分が所定数(たとえば、2つ)以上あるか否かを判定する(ステップT10)。
【0034】
変化割合が0.7%以上の区分が2つ未満の場合には(ステップT10でNO)、制御部5は、原稿の画像種別を写真印画紙原稿と判定する(ステップT11)。一方、変化割合が0.7%以上の区分が2つ以上ある場合には(ステップT10でYES)、制御部5は、原稿の画像種別を写真印刷原稿と判定する(ステップT12)。
この実施形態では、濃度ヒストグラムに対して空間フィルタ処理を行った結果を用いて画像種別判定処理を行うことができるので、原稿の画像種別をより正確に判定することができる。したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのをより効果的に防止できる。
【0035】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、画像種別判定処理は、原稿の画像種別が、文字原稿、文字写真印画紙原稿、文字写真印刷原稿、写真印画紙原稿および写真印刷原稿のいずれであるかを判定するものに限らず、他の画像種別について判定を行うものであってもよい。
【0036】
操作表示部4は、タッチパネル付きの表示画面を有する構成に限らず、たとえば、操作部と表示部とが別個に設けられた構成であってもよい。
この場合、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合の画像種別(モード)の選択および初期設定は、図3および図4に示すように操作表示部4の表示画面上で行う構成に限らず、表示部とは別個に設けられた操作部を操作することにより行うような構成であってもよい。
【0037】
画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない旨の報知は、操作表示部4の表示(画像種別選択画面)により行う構成に限らず、たとえば、音声などにより行うような構成であってもよい。
上記実施形態では、デジタル複写機1を例にとって説明したが、この発明は、スキャナやファクシミリなどの他の画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】原稿読取部に原稿がセットされた場合の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】画像種別選択画面の一例を示す図である。
【図4】初期設定画面の一例を示す図である。
【図5】画像種別判定処理時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】濃度ヒストグラムの一例を示す図である。
【図7】空間フィルタ処理に用いる空間フィルタの一例を示す図である。
【符号の説明】
2 原稿読取部
4 操作表示部
5 制御部
41 ユーザ選択モードキー
42 自動判定モードキー
45 ユーザ選択モード優先キー
46 自動判定モード優先キー
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機などの画像形成装置に適用され、原稿の画像を読み取るための原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機などの画像形成装置の中には、原稿読取部で読み取った原稿の画像データに対して所定の画像処理(たとえば、エッジ強調処理や平滑化処理などの適応処理)を施すようになっているものがある。この種の画像形成装置の中には、原稿の画像種別(文字原稿、文字写真原稿、写真原稿など)をユーザが入力(選択)できるようになっていて、その選択された画像種別として原稿の画像を読み取り、読み取った画像データに対して画像種別に適した画像処理が行われるようになっているものがある。
【0003】
しかしながら、上記のような画像形成装置では、ユーザが実際の画像種別とは異なる画像種別を選択した場合に、実際の画像種別に適した画像処理とは異なる画像処理が画像データに対して施され、画質が劣化してしまうおそれがある。
そこで、原稿の画像種別を自動的に判定できるような構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−232709号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のような構成であっても、原稿の画像種別を常に正確に判定できるとは限らない。したがって、自動的に判定した原稿の画像種別が実際の画像種別と異なる場合には、画像種別に適した画像処理を行うことができず、画質が劣化してしまうおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、原稿の画像を読み取るための原稿読取部(2)と、上記原稿読取部で読み取らせる原稿の画像種別を入力するための画像種別入力手段(4)と、上記原稿読取部で読み取った原稿の画像種別を判定する画像種別判定手段(5,S3)と、上記画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、その旨の報知を行う報知手段(4,5,S5)とを含むことを特徴とする原稿読取装置である。
【0007】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合、すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合に、その旨が報知手段により報知されるので、ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
【0008】
したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる。これにより、原稿画像の種別に適した画像処理を画像データに施すことができるので、画質の劣化を抑制できる。
請求項2記載の発明は、上記画像種別入力手段(4)により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段(5,S3)により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、どちらかの画像種別を選択するための画像種別選択手段(41,42)と、上記画像種別選択手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行う画像処理手段(5)とを含むことを特徴とする請求項1記載の原稿読取装置である。
【0009】
この構成によれば、画像種別選択手段により、画像種別入力手段で入力した原稿の画像種別と、画像種別判定手段で判定された原稿の画像種別のいずれかを選択し、その選択した画像種別に応じた画像処理を画像データに施すことができる。
したがって、報知手段による報知が行われた場合には、ユーザは、原稿読取部にセットされている原稿の画像種別を確認した上で、自分の画像種別の選択が誤っていない場合には画像種別入力手段で入力した原稿の画像種別を選択し、自分の画像種別の選択が誤っている場合には画像種別判定手段で判定された原稿の画像種別を選択することにより、適当な画像種別を容易に選択することができる。
【0010】
請求項3記載の発明のように、上記画像種別入力手段(4)により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段(5,S3)により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、いずれの画像種別を選択するかを予め設定しておくための初期設定手段(45,46)を含み、上記画像処理手段(5)は、所定時間内に上記画像種別選択手段による選択操作が行われない場合に、上記初期設定手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行うものであってもよい。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記画像種別判定手段(5,S3)は、上記原稿読取部(2)で読み取った原稿画像の各画素の濃度に基づくヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段(5,T1)と、上記ヒストグラム作成手段により作成されたヒストグラムの濃度分布態様に応じて、空間フィルタを用いたフィルタ処理を実行可能な空間フィルタ処理手段(5,T5,T9)とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の原稿読取装置である。
【0012】
この構成によれば、濃度ヒストグラムに対して空間フィルタ処理を行った結果を用いて画像種別判定処理を行うことができるので、原稿の画像種別をより正確に判定することができる。したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのをより効果的に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図1を参照して、画像形成装置1は、たとえばデジタル複写機であって、原稿の画像を読み取るための原稿読取部2と、この原稿読取部2で読み取った原稿の画像を記録用紙に転写するための画像形成部3と、当該画像形成装置1の動作内容の設定や動作状態の表示のための操作表示部4とを備えている。原稿読取部2、画像形成部3および操作表示部4は、マイクロコンピュータを含む制御部5に対して入出力可能に接続されていて、それらの動作が制御部5により制御されるようになっている。
【0014】
原稿読取部2は、コンタクトガラス(図示せず)上にセットされた原稿に対して光を照射し、原稿で反射した光を検出して電気信号(画像データ)に変換するためのスキャナ21を備えている。原稿読取部2(スキャナ21)で読み取られた原稿の画像データは、制御部5に入力されて所定の画像処理(たとえば、エッジ強調処理や平滑化処理などの適応処理)が施された後、画像形成部3に与えられる。
【0015】
原稿読取部2には、原稿がセットされたか否かを検知するための原稿セットセンサ22が備えられていて、この原稿セットセンサ22からの出力信号が制御部5に入力されるようになっている。画像形成装置1には、たとえば、コンタクトガラスに対向して開閉可能に配置され、原稿を1枚ずつスキャナ21側へと自動的に供給するための自動原稿供給装置(図示せず)が備えられている。自動原稿供給装置は、コンタクトガラス上に原稿をセットする際に開閉される。原稿セットセンサ22は、自動原稿供給装置の開閉状態に基づいて、コンタクトガラス上に原稿がセットされたか否かを検知するものであってもよい。
【0016】
画像形成部3の構成は、たとえば、感光体、メインチャージャ、現像装置および転写装置などを含む周知の構成である。すなわち、画像形成時には、略円筒状の感光体の表面がメインチャージャによって一様に帯電され、この感光体の表面に画像データに基づいて光が照射されることにより、感光体の表面にいわゆる静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体の表面には、現像装置によりトナーが選択的に付着され、トナー像が形成される。そして、感光体の表面に形成されたトナー像は、転写装置の働きによって記録用紙に転写される。
【0017】
操作表示部4は、タッチパネル付きの表示画面を有する構成となっている。ユーザは、操作表示部4の表示画面に触れることで、各種設定操作を行うことができるようになっている。
図2は、原稿読取部2に原稿がセットされた場合の制御部5による制御の流れを示すフローチャートである。
制御部5は、原稿セットセンサ22からの検知信号に基づいて原稿がセットされたと判断すると(ステップS1でYES)、コンタクトガラス上にセットされている原稿をプレスキャンする(ステップS2)。このプレスキャンは、画像形成に用いる原稿の画像データを取得するために行う原稿画像の読み取り(本スキャン)の前段階として行われるものであって、プレスキャンにより得られた画像データは、原稿のサイズや原稿画像の特性などを検知するために用いられる。
【0018】
その後、制御部5は、プレスキャンで読み取った原稿の画像データに基づいて、原稿の画像種別(文字原稿、文字写真印画紙原稿、文字写真印刷原稿、写真印画紙原稿、写真印刷原稿など)を判定するための画像種別判定処理を行う(ステップS3)。ここで、文字原稿とは、文字の画像のみを含む原稿のことである。写真印画紙原稿とは、写真の画像のみを含む印画紙の原稿のことである。写真印刷原稿とは、写真の画像のみを含む印刷された原稿のことである。文字写真印画紙原稿とは、文字の画像と写真の画像とを含む印画紙の原稿のことである。文字写真印刷原稿とは、文字の画像と写真の画像とを含む印刷された原稿のことである。写真の画像は、印刷されるといわゆる網点画像となる。画像種別判定処理の具体的な内容については後述する。
【0019】
この実施形態では、操作表示部4を操作することにより、ユーザが原稿読取部2にセットする原稿の画像種別を予め入力(選択)することができるようになっている。画像種別判定処理が終了すると(ステップS3)、制御部5は、画像種別判定処理の判定結果が、ユーザにより選択された原稿の画像種別と一致するか否かを判定する(ステップS4)。その結果、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致する場合には(ステップS4でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して、ユーザにより選択された画像種別に応じた画像処理を施すモード(ユーザ選択モード)を実行するよう決定する(ステップS9)。
【0020】
一方、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合には(ステップS4でNO)、制御部5は、操作表示部4の表示画面に、ユーザ選択モードを実行するよう決定するか、または、画像種別判定処理により判定された画像種別に応じた画像処理を施すモード(自動判定モード)を実行するよう決定するかを選択するための画面(画像種別選択画面)を表示させる(ステップS5)。
【0021】
図3は、画像種別選択画面の一例を示す図である。
画像種別選択画面には、「画像種別が異なる場合があります」というメッセージが表示されて、原稿の画像種別が、ユーザにより予め選択された画像種別と異なる可能性がある旨が報知される。
また、画像種別選択画面には、ユーザ選択モードを選択するためのユーザ選択モードキー41と、自動判定モードを選択するための自動判定モードキー42とが表示される。画像種別選択画面には、さらに、「どちらのモードでコピーしますか?」というメッセージが表示されて、ユーザ選択モードキー41および自動判別モードキー42のいずれかの操作がユーザに促されるようになっている。
【0022】
再び図2を参照して、画像種別選択画面が操作表示部4の表示画面に表示されると(ステップS5)、制御部5は、所定時間が経過するまで(ステップS6でYESとなるまで)、ユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかが操作(選択)されるか否かを監視する(ステップS7)。そして、上記所定時間内にユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかが操作された場合には(ステップS7でYES)、制御部5は、操作されたキーがユーザ選択モードキー41であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0023】
操作されたキーがユーザ選択モードキー41である場合には(ステップS8でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対してユーザ選択モードを実行するよう決定する(ステップS9)。一方、操作されたキーが自動判定モードキー42である場合には(ステップS8でNO)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して自動判定モードを実行するよう決定する(ステップS10)。
【0024】
この実施形態では、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合に、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれを実行するかを予め設定(初期設定)しておくことができるようになっている。上記所定時間内にユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれも操作されない場合には(ステップS6でYES)、制御部5は、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して初期設定されたモードを実行するよう決定する(ステップS11)。
【0025】
図4は、初期設定画面の一例を示す図である。
初期設定画面には、画像種別判定処理を行うか否かを決定するためのキー43,44が表示される。「行う」と表示されたキー43を操作した場合には、画像種別判定を行うよう決定される一方、「行わない」と表示されたキー44を操作した場合には、画像種別判定を行わないよう決定される。
「行う」と表示されたキー43を操作した場合には、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれを優先するかを決定するためのユーザ選択モード優先キー45と自動判定モード優先キー46とが表示される。ユーザ選択モード優先キー45を操作してユーザ選択モードを優先モードとして選択した場合には、図2のステップS11において、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対してユーザ選択モードを実行するよう決定される。一方、自動判定モード優先キー46を操作して自動判定モードを優先モードとして選択した場合には、図2のステップS11において、本スキャンで読み取った原稿の画像データに対して自動判定モードを実行するよう決定される。
【0026】
この実施形態では、上述のように、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合、すなわち、ユーザにより選択された画像種別が間違っている可能性がある場合に、その旨が画像種別選択画面で報知されるので、ユーザに画像種別の確認の機会を与えることができる。
したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのを防止できる。これにより、原稿画像の種別に適した画像処理を画像データに施すことができるので、画質の劣化を抑制できる。
【0027】
また、この実施形態では、画像種別選択画面に表示されたユーザ選択モードキー41および自動判定モードキー42のいずれかを操作することにより、ユーザ選択モードおよび自動判定モードのいずれかを選択し、その選択したモードに基づく画像種別に応じた画像処理を画像データに施すことができる。
したがって、操作表示部4に画像種別選択画面が表示された場合には、ユーザは、原稿読取部2にセットされている原稿の画像種別を確認した上で、自分の画像種別の選択が誤っていない場合にはユーザ選択モードを選択し、自分の画像種別の選択が誤っている場合には自動判定モードを選択することにより、適当なモード(画像種別)を容易に選択することができる。
【0028】
図5は、画像種別判定処理時の制御部5による制御の流れを示すフローチャートである。
原稿の画像データを構成する各画素データには、その画素の濃度を複数段階(たとえば、「0」〜「255」の256段階)で表現した濃度値データが含まれる。画像種別判定処理では、まず、制御部5は、濃度値を複数の区分に分割し、各区分に属する画素の割合(%)を算出することにより、濃度ヒストグラムを作成する(ステップT1)。ただし、濃度ヒストグラムは、各区分に属する画素の割合を表すものに限らず、たとえば、各区分に属する画素の数を表すものであってもよい。
【0029】
図6は、濃度ヒストグラムの一例を示す図である。この濃度ヒストグラムでは、256段階の濃度値が10分割された場合を示している。
図5および図6を参照して、制御部5は、濃度ヒストグラムを作成した後(ステップT1)、濃度ヒストグラム中に閾値V1(たとえば、45%)以上の区分が存在するか否かを判定する(ステップT2)。
図6に示す例のように、閾値V1以上の区分が存在する場合には(ステップT2でYES)、その比較的多数の画素が集中している区分を文字に対応する区分と判定することができるので、原稿の画像種別は文字を含むもの(文字原稿、文字写真印画紙原稿または文字写真印刷原稿)であると判定することができる。この場合、制御部5は、濃度ヒストグラム中に閾値V2(たとえば、2%)以上の区分が規定数(たとえば、50%)以上あるか否かを判定する(ステップT3)。
【0030】
閾値V2以上の区分が規定数未満の場合(ステップT3でNO)、すなわち比較的狭い範囲の区分に画素が集中している場合には、制御部5は、原稿の画像種別を文字原稿と判定する(ステップT4)。
一方、閾値V2以上の区分が規定数以上ある場合には(ステップT3でYES)、比較的広い範囲の区分に画素が分散しているので、原稿の画像種別を文字写真印画紙原稿または文字写真印刷原稿のいずれかと判定することができる。この場合、制御部5は、原稿の画像種別が文字写真印画紙原稿および文字写真印刷原稿のいずれであるかを判定するために、空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を行う(ステップT5)。
【0031】
図7は、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタの一例を示す図である。
この空間フィルタは、9行×9列のいわゆるガウスフィルタであって、周波数特性がガウス分布(正規分布)を呈している。空間フィルタ処理は、原稿の画像データを構成する各画素データを順次注目画素として、その注目画素を中心とする周辺画素を抽出し、これらの注目画素および周辺画素の各濃度値に対して空間フィルタの各要素を掛け合わせることにより行われる。この空間フィルタ処理によって、網点領域の画素の濃度値を良好に平滑化することができる。
【0032】
ただし、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタは、ガウスフィルタに限らず、積分フィルタなどの他の平滑化フィルタであってもよい。また、空間フィルタ処理に用いる空間フィルタは、X行×Y列(X,Yはそれぞれ自然数)のフィルタであれば、9行×9列のフィルタに限られるものではない。
再び図5を参照して、制御部5は、空間フィルタ処理を行った後(ステップT5)、空間フィルタ処理前の各区分の画素の割合と、空間フィルタ処理後の各区分の画素の割合との差分値(変化割合)を算出し、その変化割合が所定値(たとえば、0.7%)以上の区分が所定数(たとえば、2つ)以上あるか否かを判定する(ステップT6)。
【0033】
変化割合が0.7%以上の区分が2つ未満の場合には(ステップT6でNO)、制御部5は、原稿の画像種別を文字写真印画紙原稿と判定する(ステップT7)。一方、変化割合が0.7%以上の区分が2つ以上ある場合には(ステップT6でYES)、制御部5は、原稿の画像種別を文字写真印刷原稿と判定する(ステップT8)。
ステップT1で作成した濃度ヒストグラム中に閾値V1以上の区分が存在しない場合には(ステップT2でNO)、原稿の画像種別は文字を含まないもの(写真印画紙原稿または写真印刷原稿)であると判定することができる。この場合、制御部5は、図7に示したような空間フィルタを用いて空間フィルタ処理を行った後(ステップT9)、空間フィルタ処理前の各区分の画素の割合と、空間フィルタ処理後の各区分の画素の割合との差分値(変化割合)を算出し、その変化割合が所定値(たとえば、0.7%)以上の区分が所定数(たとえば、2つ)以上あるか否かを判定する(ステップT10)。
【0034】
変化割合が0.7%以上の区分が2つ未満の場合には(ステップT10でNO)、制御部5は、原稿の画像種別を写真印画紙原稿と判定する(ステップT11)。一方、変化割合が0.7%以上の区分が2つ以上ある場合には(ステップT10でYES)、制御部5は、原稿の画像種別を写真印刷原稿と判定する(ステップT12)。
この実施形態では、濃度ヒストグラムに対して空間フィルタ処理を行った結果を用いて画像種別判定処理を行うことができるので、原稿の画像種別をより正確に判定することができる。したがって、実際の画像種別とは異なる種別として原稿画像を読み取ってしまうのをより効果的に防止できる。
【0035】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、画像種別判定処理は、原稿の画像種別が、文字原稿、文字写真印画紙原稿、文字写真印刷原稿、写真印画紙原稿および写真印刷原稿のいずれであるかを判定するものに限らず、他の画像種別について判定を行うものであってもよい。
【0036】
操作表示部4は、タッチパネル付きの表示画面を有する構成に限らず、たとえば、操作部と表示部とが別個に設けられた構成であってもよい。
この場合、画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない場合の画像種別(モード)の選択および初期設定は、図3および図4に示すように操作表示部4の表示画面上で行う構成に限らず、表示部とは別個に設けられた操作部を操作することにより行うような構成であってもよい。
【0037】
画像種別判定処理の判定結果とユーザにより選択された画像種別とが一致しない旨の報知は、操作表示部4の表示(画像種別選択画面)により行う構成に限らず、たとえば、音声などにより行うような構成であってもよい。
上記実施形態では、デジタル複写機1を例にとって説明したが、この発明は、スキャナやファクシミリなどの他の画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】原稿読取部に原稿がセットされた場合の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】画像種別選択画面の一例を示す図である。
【図4】初期設定画面の一例を示す図である。
【図5】画像種別判定処理時の制御部による制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】濃度ヒストグラムの一例を示す図である。
【図7】空間フィルタ処理に用いる空間フィルタの一例を示す図である。
【符号の説明】
2 原稿読取部
4 操作表示部
5 制御部
41 ユーザ選択モードキー
42 自動判定モードキー
45 ユーザ選択モード優先キー
46 自動判定モード優先キー
Claims (4)
- 原稿の画像を読み取るための原稿読取部と、
上記原稿読取部で読み取らせる原稿の画像種別を入力するための画像種別入力手段と、
上記原稿読取部で読み取った原稿の画像種別を判定する画像種別判定手段と、
上記画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、その旨の報知を行う報知手段とを含むことを特徴とする原稿読取装置。 - 上記画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、どちらかの画像種別を選択するための画像種別選択手段と、
上記画像種別選択手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行う画像処理手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の原稿読取装置。 - 上記画像種別入力手段により入力された原稿の画像種別と、上記画像種別判定手段により判定された原稿の画像種別とが異なる場合に、いずれの画像種別を選択するかを予め設定しておくための初期設定手段を含み、
上記画像処理手段は、所定時間内に上記画像種別選択手段による選択操作が行われない場合に、上記初期設定手段により選択された画像種別に応じた画像処理を行うものであることを特徴とする請求項2記載の原稿読取装置。 - 上記画像種別判定手段は、
上記原稿読取部で読み取った原稿画像の各画素の濃度に基づくヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
上記ヒストグラム作成手段により作成されたヒストグラムの濃度分布態様に応じて、空間フィルタを用いたフィルタ処理を実行可能な空間フィルタ処理手段とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の原稿読取装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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JP2012105171A (ja) * | 2010-11-12 | 2012-05-31 | Sharp Corp | 画像処理装置 |
JP2021040181A (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-11 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置及び画像形成装置 |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003177088A patent/JP2005012700A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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