JP2005012130A - 電子部品の電極切断装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極切断時に生じる切屑の装置への混入、飛散を防止して、容易にかつ確実に除去、回収可能な電子部品の電極切断装置及び方法を提供する。
【解決手段】パンチ3、固定治具4、ダイ5、切屑回収路6、クランプ7を備える。パンチ3の上面に、切断後の切屑8が載置される平坦面である載置部3aを構成する。ダイ5における半導体装置1側に突出部9を形成する。突出部9の下端の角とパンチ3の傾斜面3bの内側の角によって、切断部10を構成する。突出部9における傾斜面5a側の側面に、ダイ5の移動により、切屑8を切屑回収路6側に付勢して排出する付勢部9aを設ける。切断直後の切屑8は、パンチ3上の載置部3aに一次的に載置される。ダイ5の移動に従って、切屑8は付勢部9aによって強制的に付勢され、載置部3aから切屑回収路6へ排出され回収される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の電極を切断する技術に関し、特に、切断時に生じる切屑の回収能力に改良を施した電極切断装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置のパッケージ技術として、大量生産を意図して、樹脂で半導体素子を封入するレジンモールドパッケージが採用されている。この種の半導体装置は、パッケージ本体から外方に延出した複数のリード電極を備えている。このような半導体装置は、その製造過程で、半導体素子を樹脂で封入した後に、パッケージ本体から外方に向けて延出するリード電極の曲げ加工を行い、さらに、リード電極を所定長さに切断するようになっている。このリード電極切断では、ダイとパンチによる切断金型を利用するのが一般的である。
【0003】
ところで、上記のようにリード電極を切断する際には、切屑が発生する。この切屑が切断金型に付着すると、切断金型が破損したり、リード電極が所定の寸法、形状で切断できないなどの問題が発生する。このため、通常のリード電極切断装置においては、リード電極切断後に、吸引や気体吹付による吹き飛ばしなどの方法で切屑を除去、回収している。
【0004】
ところが、実際には、切断金型に切屑が強く付着し、吸引やガス吹付によっても切屑の除去、回収できないことが多い。これに対処するため、切屑の除去や回収の際に吸引力や吹き飛ばし力を強くすると、切屑が飛散してリード電極切断装置各部に付着して残存することが多い。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1には、外力付加手段を設け、リード電極切断時に切屑に対し切屑落下方向に外力を加え、切屑の除去、回収を確実化させようとする技術が開示されている。また、特許文献2には、切断金型を、切屑が1点のみで接触する形状とし、かつ、切屑がその接触点を支点としてそのまわりに回転して、エア吹付などによる切屑除去を容易化する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−40782号公報
【特許文献2】
特開2001−210772号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような切断装置は、リード電極切断時に生じる切屑が、切断直後に即座に落下するため、装置内に混入する等の可能性がある。特に、半導体装置は、長尺のリードフレームに多数搭載されたものから一括して製造されるのが一般的であるが、最近では、より多数の半導体装置を効率よく製造するため、搭載された半導体装置間の間隔が短くなってきている。このような場合、切断時に生じる切屑の寸法が小さくなるので、上記の従来技術のように、即座に切屑が落下すると、飛散して確実に回収できない場合がある。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、電極切断時に生じる切屑の装置への混入、飛散を防止して、容易にかつ確実に除去、回収ができる電子部品の電極切断装置及び方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、電子部品の電極を切断する切断部が構成されたダイ及びパンチを有する電子部品の電極切断装置において、前記パンチには、切断直後の切屑が載置される載置部が設けられ、前記ダイは、水平方向にスライド移動可能に構成され、前記ダイには、そのスライド移動に従って切屑を前記載置部上から排出する方向へ付勢する付勢部が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、ダイ及びパンチによって電子部品の電極を切断する電子部品の電極切断方法において、前記パンチ上に切断直後の切屑を載置し、前記ダイをスライド移動させることにより、前記パンチ上の切屑を排出する方向へ付勢することを特徴とする。
以上のような請求項1記載の発明では、切断直後の切屑は、パンチ上に一次的に載置されるので、落下や飛散のおそれがない。そして、ダイのスライド移動に従って、切屑は付勢部によって強制的に排出方向に付勢され、載置部から排出されるので、容易にかつ確実に切屑の除去、回収ができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子部品の電極切断装置において、前記切断部が前記電極の切断端を、基板への取付面と反対側に付勢するように、前記ダイ若しくは前記パンチが移動可能に設けられていることを特徴とする。
以上のような請求項2記載の発明では、電極の切断端に生じるバリが、基板への取付面と反対側に向かう。従って、電極の基板への取付面側には、バリが生じることはなく平坦となり、取付不良が発生しない。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の電子部品の電極切断装置において、前記付勢部によって付勢された切屑を、吸引により回収する吸引機構を有することを特徴とする。
以上のような請求項3記載の発明では、付勢部に付勢されて載置部から排出された切屑は、吸引機構に吸引されて、確実に回収される。
【0012】
【発明の実施の形態】
[実施形態の構成]
本発明の代表的な実施形態を、図1〜4の模式図を参照して以下に説明する。なお、図中、1は半導体装置(IC)、2は半導体装置1のリード電極、3はパンチ、4は固定治具、5はダイ、6は切屑回収路、7はクランプ、8は切屑である。
【0013】
すなわち、パンチ3及び固定治具4は、図示しない上下動機構により上下動可能になっている。そして、パンチ3の上面には、切断後の切屑8が一次的に載置される平坦面である載置部3aが構成されている。パンチ3における図中左右の側面には、傾斜面3bが形成されている。
【0014】
また、一対のダイ5は、処理対象となる半導体装置1に対して、図示しないスライド機構により水平面内にて前後(図中、左右)にスライド可能に設けられており、半導体装置1の位置合わせを行うガイドの役割を兼用している。ダイ5には、パンチ3の傾斜面3bとの間で、切屑回収路6を構成するように、傾斜面5aが形成されている。切屑回収路6内は、図示しない吸引機構により吸引されるように構成されている。この吸引により、切屑回収路6内に入った切屑8は除去され確実に回収される。この吸引は常時行ってもよいし、回収時のみ行ってもよい。
【0015】
また、ダイ5における半導体装置1側には、上記の傾斜面5aから連続した突出部9が形成されている。この突出部9の下端の角とパンチ3の傾斜面3bの内側の角によって、切断部10が構成されている。切断部10は、リード電極2を挟んで固定し、その状態でパンチ3を上昇させることにより、リード電極2を所定長さに切断するようになっている。突出部9における傾斜面5a側の側面は、切断後の切屑8に当接し、ダイ5の移動により、切屑8を切屑回収路6側に付勢して排出する付勢部9aとなっている。さらに、クランプ7は、その上部が、処理対象となる半導体装置1が保持される受け台となっている。
【0016】
[実施形態の作用]
以上のような本実施形態の作用を説明する。すなわち、図示しない搬入手段(真空吸着ノズル等)によって、図1に示すように切断装置における半導体装置1を搬入し、クランプ7の上に載置した後、搬入手段を別の位置に移動させる。次に、図2に示すように、ダイ5を半導体装置1側に前進させ、半導体装置1の水平方向での位置決めを行った後、固定治具4により半導体装置1を固定する。
【0017】
そして、図3に示すように、パンチ3を上昇させると、切断部10によってリード電極2が所定の長さに切断される。このとき、切屑8は、パンチ3の上部の載置部3a上に載置された状態となっている。切断後は、図4に示すように、パンチ3を下降させるとともに固定治具4を上昇させ、別の位置に移動させる。その後、図示しない搬出手段(上記搬入手段と同じでも異なっていてもよい)により、半導体装置1を次の処理位置に搬出する。
【0018】
上記の搬出と同時に、ダイ5を水平面内で所定位置まで後退させると、付勢部9aが切屑8を付勢するので、切屑8が載置部3aから離脱する。そして、切屑8は、切屑回収路9内に作用している吸引機構の吸引によって移動して、回収される。
【0019】
[実施形態の効果]
以上のような本実施形態の効果は、以下の通りである。すなわち、切断直後の切屑8は、パンチ3上の載置部3aに一次的に載置されるので、即座に落下したり飛散したりして装置に混入するおそれがない。そして、ダイ5のスライド移動に従って、切屑8は付勢部9aによって付勢されて載置部3aから離脱するので、吸引機構による吸引回収が確実に行われる。特に、切屑8が短い場合等であっても、容易にかつ確実に切屑の除去、回収ができる。
【0020】
さらに、上記のようなパンチ3の動作によって、切断部10は、リード電極2の切断端を上方(基板への取付面と反対方向)に付勢するように切断するので、切断端に生じるバリが上側に向かう。従って、リード電極2の基板への取付面である下方に、バリが突出することが防止され、取付面が平坦となるので、取付不良が発生しない。
【0021】
[他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、各部材の配置、大きさ、形状、数、材質、種類等は適宜変更可能である。例えば、パンチ、ダイ、固定治具、切屑回収路等の形状、配置は、上記の実施形態で例示したものに限定されず、上下逆等とした配置でも構わない。また、最終的な切屑の回収方法は、吸引には限定されず、切屑回収路の反対側からの気体又は液体の吹付、回収方向への外力、振動の付加、ブラシ等による掃引などでもよい。
【0022】
また、上記の実施形態においては、ダイが位置決めのためのガイドを兼ねていたが、別々のものとしてもよい。さらに、本発明の対象となる部品は、主として、ミニモールドトランジスタ、IC等の半導体素子などの、リード電極を有し、リードフレームを用いて一括して製造される各種部品を意味するが、一対の電極を有する部品であれば、どのような部品であっても広く適用可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、電極切断時に、切屑が載置される載置部を備えることにより、電極切断時に生じる切屑の装置への混入、飛散を防止して、容易にかつ確実に除去、回収可能な電子部品の電極切断装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品の電極切断装置の一実施形態における半導体装置導入時を示す模式図である。
【図2】図1の実施形態における半導体装置セット時を示す模式図である。
【図3】図1の実施形態における電極切断時を示す模式図である。
【図4】図1の実施形態における半導体装置退避時を示す模式図である。
【符号の説明】
1…半導体装置(IC)
2…リード電極
3…パンチ
3a…載置部
3b,5a…傾斜面
4…固定治具
5…ダイ
6…切屑回収路
7…クランプ
8…切屑
9…突出部
9a…付勢部
10…切断部

Claims (4)

  1. 電子部品の電極を切断する切断部が構成されたダイ及びパンチを有する電子部品の電極切断装置において、
    前記パンチには、切断直後の切屑が載置される載置部が設けられ、
    前記ダイは、水平方向にスライド移動可能に構成され、
    前記ダイには、そのスライド移動に従って切屑を前記載置部上から排出する方向へ付勢する付勢部が設けられていることを特徴とする電子部品の電極切断装置。
  2. 前記切断部が前記電極の切断端を、基板への取付面と反対側に付勢するように、前記ダイ若しくは前記パンチが移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の電極切断装置。
  3. 前記付勢部によって付勢された切屑を、吸引により回収する吸引機構を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電子部品の電極切断装置。
  4. ダイ及びパンチによって電子部品の電極を切断する電子部品の電極切断方法において、
    前記パンチ上に切断直後の切屑を載置し、
    前記ダイをスライド移動させることにより、前記パンチ上の切屑を排出する方向へ付勢することを特徴とする電子部品の電極切断方法。
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