JP2005011996A - 塗布処理方法及び塗布処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジスト膜の十分な平坦性を確保する。
【解決手段】レジスト液の塗布工程時には,循環管路83内の高濃度の溶剤気体がケーシング17a内に供給され,ケーシング17a内の雰囲気は,カップ62の下方の排気口64から排気される。このようにケーシング17a内を溶剤気体の雰囲気に維持した状態で,ウェハWにレジスト液が吐出され,ウェハWが回転されてウェハW上にレジスト膜が形成される。塗布工程が終了すると,ケーシング17a内には,高濃度の溶剤気体が供給され続け,ケーシング17a内の溶剤気体は,上方排気口81から排気される。こうして,ウェハWは,塗布工程後に所定時間溶剤気体内に維持される。所定時間の間,ウェハW上のレジスト膜から溶剤が揮発することなくレジスト膜が低粘度に維持されるので,レジスト膜がウェハW上で流動してレジスト膜の平坦化が図られる。
【選択図】 図4
【解決手段】レジスト液の塗布工程時には,循環管路83内の高濃度の溶剤気体がケーシング17a内に供給され,ケーシング17a内の雰囲気は,カップ62の下方の排気口64から排気される。このようにケーシング17a内を溶剤気体の雰囲気に維持した状態で,ウェハWにレジスト液が吐出され,ウェハWが回転されてウェハW上にレジスト膜が形成される。塗布工程が終了すると,ケーシング17a内には,高濃度の溶剤気体が供給され続け,ケーシング17a内の溶剤気体は,上方排気口81から排気される。こうして,ウェハWは,塗布工程後に所定時間溶剤気体内に維持される。所定時間の間,ウェハW上のレジスト膜から溶剤が揮発することなくレジスト膜が低粘度に維持されるので,レジスト膜がウェハW上で流動してレジスト膜の平坦化が図られる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の塗布処理方法及び基板の塗布処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,半導体ウェハ(以下「ウェハ」とする)上にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理が行われる。
【0003】
このレジスト塗布処理では,通常,回転されたウェハの中心部に所定量のレジスト液を塗布し,遠心力によって当該レジスト液をウェハ全面に拡散することによって所定膜厚のレジスト膜が形成されている。
【0004】
ところで,レジスト液が塗布されるウェハの下地膜の表面には,通常所定の回路パターンを形成するための凹凸が形成されている。したがって,ウェハ上にレジスト液を塗布すると,当該下地膜の凹部にレジスト液が入り込むので,巨視的には,図12に示すように凹部の比較的多いところのレジスト膜Rが全体的に薄くなり,凹部の少ないところのレジスト膜Rが厚くなる。また,微視的には,図13に示すように凹部のあるところのレジスト膜Rが他の部分よりも局所的に薄くなる。このように,ウェハ上のレジスト膜の膜厚は,厳密には均一になっていない。このようなレジスト膜の不均一性をそのまま放置すると,その後の露光処理などの処理がウェハ面内において均一に行われず,高精度の回路パターンが得られなくなる。
【0005】
そこで,レジスト膜を平坦化するために,ウェハ上にレジスト液を塗布する際に,ウェハ周辺の雰囲気をレジスト液の溶剤気体の雰囲気に維持する塗布処理方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。このように,レジスト液の塗布時にウェハ周辺を溶剤気体の雰囲気に維持すると,レジスト液からの溶剤の揮発が抑制されレジスト液の粘性が低く保たれるので,レジスト液が流動してレジスト膜の平坦性が向上する。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−68632号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,近年回路パターンの線幅の微細化が進み,レジスト膜も薄膜化している。レジスト膜が薄膜化すると,膜厚の僅かな変動であっても,後になってデバイス性能に大きな影響を与えることになる。近年では,例えばレジスト膜の膜厚の高低差が50nm以下の高精度の膜厚制御が求められている。上述の塗布処理方法では,未だにこのような基準を満たす十分な結果が得られておらず,さらなる改良が望まれている。
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,レジスト膜などの塗布膜の十分な平坦性を確保できるウェハなどの基板の塗布処理方法及び塗布処理装置を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,基板の塗布処理方法であって,塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板に塗布液を塗布する第1の工程と,その後,塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板を所定時間維持する第2の工程と,を有することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば,溶剤気体の雰囲気内で基板に塗布液を塗布した後,引き続き溶剤気体の雰囲気内において基板を所定時間維持するので,基板上の塗布液の溶剤が所定時間蒸発することなく,塗布液の粘性が低い状態に保たれる。この結果,基板上の塗布液が基板表面上で流動する時間が十分に確保され,基板上に形成される塗布膜が十分に平坦化される。
【0011】
前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の圧力を前記第1の工程時よりも上げるようにしてもよい。かかる場合,処理室内の圧力上昇によって,基板上の塗布膜の粘性が低い状態に維持されて塗布膜の流動性が向上し,また塗布膜を押しつける力が増大するので,塗布膜の平坦化が,より十分かつ迅速に行われる。また,前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の温度を前記第1の工程時よりも上げるようにしてもよい。かかる場合,基板上の塗布膜の粘性が低下するので,その分塗布膜の流動が促進され,塗布膜を短時間で平坦化できる。
【0012】
前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気するようにしてもよい。かかる場合,第1の工程時と第2の工程時に,基板の側方から溶剤気体を導入するので,基板の周辺雰囲気を好適に溶剤気体の雰囲気に維持できる。また,溶剤気体の導入部付近で仮に溶剤気体の一部が液化してもその液体が基板上に落下することがなく基板の汚染を防止できる。さらに第1の工程時には,基板の下方から排気するので,例えば塗布時に基板から飛散した塗布液を基板の表面に付着しないように排気できる。第2の工程時には,基板の上方から排気するので,側方から基板の表面付近に供給された溶剤気体を好適に排気することができる。なお,基板の側方には,基板と同程度の高さの側方だけでなく,基板よりも高い位置の側方も含まれる。
【0013】
前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の上方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気するようにしてもよい。この場合,第1の工程の塗布時に,基板の上方から溶剤気体が導入され,基板の下方から排気するので,処理室内には,ダウンフローが形成され,基板から飛散する塗布液を基板の表面に付着させることなく適正に排出できる。
【0014】
前記第2の工程時には,前記基板の上方から排気された溶剤気体を所定の溶剤濃度に回復させ,再度前記基板の側方から導入するようにしてもよい。こうすることにより,基板の側方から導入される溶剤気体の溶剤濃度を長時間高濃度に維持することができ,また溶剤気体の消費量も低減できる。
【0015】
前記第2の工程時には,基板を振動させるようにしてもよく,この場合,基板上の塗布膜の平坦化をさらに促進できる。
【0016】
本発明は,基板の塗布処理装置であって,塗布処理装置内の雰囲気を維持できる処理容器内には,基板に塗布液を吐出する塗布液吐出部材と,基板を保持し回転させる回転保持部材と,前記回転保持部材に保持された基板の周囲を覆う内容器と,が設けられ,前記処理容器の側面には,塗布液の溶剤を含む溶剤気体を導入する溶剤気体導入部が設けられ,前記処理容器の上面と前記内容器には,相互に別系統の排気部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば,処理容器の側面から溶剤気体を導入し,処理容器内の雰囲気を内容器から排気することによって処理容器内を溶剤気体の雰囲気に維持することができる。そして,当該溶剤気体の雰囲気内において,塗布液吐出部材から基板に塗布液を吐出し,当該基板を回転させて基板上に塗布液を塗布することができる。また,処理容器の側面から溶剤気体を導入し,処理容器の上面から排気することによって,塗布液が塗布された基板を溶剤気体内で所定時間維持することができる。この時,基板上に塗布された塗布液は,所定時間粘性の低い状態が維持されるので,基板上の塗布液の流動が促進され,塗布膜の平坦化が図られる。また,排気部が処理容器の上面と内容器にそれぞれ別系統で設けられ,前記塗布時とその後の前記溶剤気体内での維持時に処理容器内の雰囲気を別の排気部から排気できる。塗布時には,内容器から排気して,基板から飛散する塗布液を確実に回収することができる。塗布後の溶剤気体内での維持時には,処理容器の上面から排気し,例えばその排気された溶剤気体を再度導入溶剤気体として利用することができる。
【0018】
前記溶剤気体導入部は,循環管路に接続されており,前記循環管路には,当該循環管路内の気体を循環させるためのファンと,循環管路内に溶剤ミストを供給するための溶剤ミスト供給装置が設けられていてもよい。かかる発明によれば,循環管路において気体を循環させならが,その気体内に溶剤ミストを供給できるので,循環管路内に高濃度の溶剤気体を創出することができる。そして,その高濃度の溶剤気体を溶剤気体導入部から処理容器内に導入し,基板を高濃度の溶剤気体内に維持することができる。この結果,基板上の塗布液の粘性が低く抑えられ,塗布膜の平坦化を図ることができる。
【0019】
前記処理容器の上面に設けられた排気部は,前記循環管路に接続されていてもよい。かかる場合,処理容器の排気部から循環管路に送られ,循環管路から処理容器の溶剤気体導入部へ送られる,循環する流路を形成できる。この流路によって,処理容器から排気された溶剤気体を,循環管路において濃度回復させ,再度処理容器内に供給することができる。したがって,高い溶剤気体濃度を維持しつつ溶剤気体の消費量を低減することができる。
【0020】
前記塗布処理装置は,前記処理容器内の溶剤気体の溶剤濃度を測定する濃度センサと,前記濃度センサの測定結果に基づいて前記溶剤ミスト供給装置から循環管路への溶剤ミストの供給量を制御する制御部と,をさらに備えていてもよい。かかる場合,例えば処理容器内の溶剤気体を所定の溶剤濃度に調整し,基板を所定の濃度の溶剤気体内に維持することができる。
【0021】
前記溶剤気体導入部は,前記処理容器における対向する両側面に設けられていてもよく,この場合,処理容器内に保持された基板に対し均等に溶剤気体が供給され,基板上の塗布膜の平坦化が基板面内で均等に行われる。
【0022】
また,前記溶剤気体導入部に通じる導入管には,当該導入管内を通過する気体中に含まれる不純物を除去するフィルタが設けられていてもよく,処理容器内に導入される溶剤気体に含まれる塵埃などの不純物を除去し,清浄な溶剤気体内で基板を平坦化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる塗布処理方法が実施される塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0024】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0025】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0026】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0027】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。この塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5内に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,処理装置群の数は,任意に選択可能である。
【0028】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,塗布処理装置としてのレジスト塗布装置17と,露光後にウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に例えば2段に配置されている。第2の処理装置群G2にも同様に,レジスト塗布装置19と現像処理装置20とが下から順に例えば2段に配置されている。
【0029】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を蒸発させるための減圧乾燥装置33及びプリベーキング装置34,現像処理後の加熱処理を行うポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に積み重ねられている。
【0030】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45,ポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0031】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0032】
次に,上述したレジスト塗布装置17の構成について説明する。図4は,レジスト塗布装置17の構成を模式的に示した説明図である。
【0033】
レジスト塗布装置17は,例えば図4に示すように外部と雰囲気を遮断できる処理容器としてのケーシング17aを有し,ケーシング17a内には,処理室Sが形成されている。ケーシング17a内の中央部には,ウェハWを保持し,回転させる回転保持部材としてのスピンチャック60が設けられている。スピンチャック60の上面は,水平に形成されており,当該上面には,例えばウェハWを吸着するための図示しない吸引口が設けられている。これにより,スピンチャック60は,ウェハWを水平に吸着保持することができる。
【0034】
スピンチャック60は,当該スピンチャック60を所定の回転速度で回転させるモータなどの回転駆動部61を備えている。回転駆動部61は,例えばスピンチャッ60の下方に配置されている。
【0035】
スピンチャック60の外方には,ウェハWから飛散したレジスト液,洗浄液等を受け止め,回収するための内容器としてのカップ62が設けられている。カップ62は,上面が開口した略円筒形状を有し,スピンチャック60上のウェハWの外方と下方とを囲むように形成されている。例えばカップ62の下面には,回収したレジスト液等を排液する排液口63と,カップ62内の雰囲気を排気する排気部としての排気口64が設けられている。排液口63は,ケーシング17aの下面に接続された排液管65に通じており,排気口64は,ケーシング17a下面に接続された排気管66に通じている。排気管66は,例えばこの塗布現像処理システム1が設置された工場の排気系に連通している。排気管66には,排気バルブ67が設けられており,この排気バルブ67によって排気管66からの排気量を適宜調整できる。
【0036】
カップ62の内側であって,スピンチャック60に保持されたウェハWの裏面側には,ウェハWの裏面に純水等の洗浄液を供給してウェハWの裏面を洗浄する洗浄液供給ノズル68が設けられている。カップ62の外方であって,カップ62とケーシング17aの側面との隙間には,遮蔽板69が設けられており,カップ62の上方からカップ62の下方に排気される気体は全てカップ62内を通過する。
【0037】
ウェハWに塗布液としてのレジスト液を供給する塗布液吐出部材であるレジスト液供給ノズル70は,ノズルアーム71によって保持されている。ノズルアーム71は,例えばカップ62の外方からカップ62の内側まで進退可能であり,レジスト液供給ノズル70は,ウェハWの中心部上方まで移動できる。これによりレジスト液供給ノズル70は,ウェハWの中心部に対しレジスト液を吐出することができる。
【0038】
例えばカップ62の上面の開口部付近には,濃度センサ72が設けられており,この濃度センサ72によって,ケーシング17a内の溶剤気体の溶剤濃度を測定できる。濃度センサ72の測定結果は,例えば後述する気化器91から噴霧される溶剤ミストの供給量を制御する制御部96に出力できる。
【0039】
ケーシング17aの側面には,2つの溶剤気体導入部としての溶剤気体導入口80が形成されている。溶剤気体導入口80は,例えばカップ62を挟んだ両側に対向するように形成され,例えばカップ62の上面よりも僅かに高い位置に配置されている。したがって,カップ62内のスピンチャック60に保持されたウェハWの側方から,例えばレジスト液の溶剤を含む溶剤気体を導入することができる。
【0040】
ケーシング17aの上面の中央部には,前記カップ62の排気口64と別系統の排気部としての上方排気口81が形成されている。上方排気口81は,カップ62の真上に開口し,スピンチャック60に保持されたウェハWの上方からケーシング17a内の雰囲気を排気できる。
【0041】
上述の各溶剤気体導入口80は,導入管82によって環状の循環管路83に接続されている。導入管82と循環管路83との接続部には,例えば切り替えバルブ84が設けられており,この切り替えバルブ84により循環管路83から導入管82への溶剤気体の供給を動停止させることができる。
【0042】
循環管路83は,循環管路83内の気体を循環させるためのファン90と,循環管路83内に溶剤ミストを供給する溶剤ミスト供給装置としての気化器91が設けられている。気化器91は,例えば図5に示すように液体溶剤供給装置92からのレジスト液の液体溶剤と窒素ガス供給装置93からの窒素ガスとを混合し,この混合により生成された溶剤ミストをノズル94から循環管路83の溶剤ミスト供給部Aに噴霧できるようになっている。これにより,循環管路83内において気体を循環させながら,当該気体に所定量の溶剤ミストを噴出して,循環管路83内に溶剤気体を創出することができる。
【0043】
循環管路83内には,循環管路83内の溶剤気体の溶剤濃度を測定する管内濃度センサ95が設けられている。管内濃度センサ95の測定結果は,例えば制御部96に出力できる。制御部96は,例えば管内濃度センサ95の測定結果に基づいて,液体溶剤供給装置92からの液体溶剤の供給量と,窒素ガス供給装置93からの窒素ガスの供給量を調節し,ノズル94から噴霧される溶剤ミストの供給量を制御できる。したがって,制御部96による溶剤ミストの供給量の制御により,循環管路83内の溶剤気体の濃度を設定できる。
【0044】
上述したケーシング17aの上方排気口81は,図4に示すように排気管100によって循環管路83に接続されている。この排気管100により,ケーシング17a,排気管100,循環管路83(溶剤ミスト供給部A),導入管82,溶剤気体導入口80及びケーシング17aを順に流れる還路が形成され,ケーシング17a内から排気された溶剤気体を循環管路83内で濃度を回復し,再度ケーシング17a内に供給することができる。上述の気化器91の制御部96は,例えばケーシング17a内の上記濃度センサ72の測定結果に基づいても,気化器91からの溶剤ミストの供給量を制御できる。この結果,排気管100から循環管路83を通ってケーシング17aに戻される溶剤気体に所定量の溶剤ミストを補充して,ケーシング17a内の溶剤気体中の溶剤濃度を所定の溶剤濃度に維持できる。
【0045】
排気管100には,バルブ101が設けられており,このバルブ101によって,循環管路83への排気量を調整することができる。
【0046】
導入管82には,図示しない工場の給気系に接続された例えばエア供給管110が接続されており,このエア供給管110から導入管82を通じてケーシング17a内にエアを供給することができる。エア供給管110と導入管82との接続部には,切り替えバルブ111が設けられており,エア供給管110からのエアと循環管路83からの溶剤気体を選択的にケーシング17a内に供給できる。さらに,導入管82には,ケーシング17a内に供給される気体に含まれる塵埃等の不純物を除去するフィルタ112が設けられている。
【0047】
なお,排気バルブ67,バルブ101の開閉度や切り替えバルブ84,111の切り替えは,例えばレジスト塗布装置17全体を制御する主制御部120により制御されている。
【0048】
次に,以上のように構成されているレジスト塗布装置17で行われるレジスト塗布処理について,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0049】
先ず,ウェハ搬送体7によりカセットCから未処理のウェハWが1枚取り出され,第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に搬送される。次いでウェハWは,主搬送装置13によってアドヒージョン装置31に搬入され,ウェハW上にレジスト液の密着性を向上させる,例えばHMDSが塗布される。次にウェハWは,クーリング装置30に搬送され,所定の温度に冷却される。所定温度に冷却されたウェハWは,主搬送装置13によって,例えばレジスト塗布装置17に搬送される。
【0050】
レジスト塗布装置17においてレジスト塗布処理が終了したウェハWは,主搬送装置13によって減圧乾燥装置33に搬送され,レジスト膜中の溶剤が蒸発された後,プリベーキング装置34,エクステンション・クーリング装置41に順次搬送されて各装置において所定の処理が施される。さらにウェハWは,ウェハ搬送体50によって周辺露光装置51,露光装置(図示せず)に順次搬送され,露光処理が施される。そして露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体50によりエクステンション装置42に搬送され,その後,主搬送装置13によってポストエクスポージャーベーキング装置44,クーリング装置43,現像処理装置18,ポストベーキング装置46及びクーリング装置30に順次搬送され,各装置において所定の処理が施される。その後,ウェハWは,エクステンション装置32を介してカセットCに戻され,一連の塗布現像処理が終了する。
【0051】
次に,上述のレジスト塗布処理のプロセスについて詳しく説明する。先ず,循環管路83では,ファン90が稼動し,循環管路83内に気体,例えば窒素ガスの循環気流が形成される。そして,この循環気流中に気化器91から所定量の溶剤ミストが供給される。このときの溶剤ミストの供給量は,管内濃度センサ95の測定結果に基づいて制御部96により調整される。こうして循環管路83内には,高濃度,例えば95〜100%程度の溶剤濃度の溶剤気体が創出される。
【0052】
ケーシング17aでは,前記冷却処理の終了したウェハWが処理室S内に搬送され,スピンチャック60に吸着保持される。そして,排気バルブ67が開放された状態で,切り替えバルブ84が切り替えられて,図6に示すように循環管路83内の高濃度の溶剤気体が導入管82,溶剤気体導入口80を通じてケーシング17a内に供給される。導入管82を通る雰囲気は,フィルタ112によって不純物が除去されてからケーシング17a内に供給される。総てウェハWの側方から供給された溶剤気体は,カップ62の上面からカップ62内を通り,排気口64を通じて排気管66から排気される。こうしてウェハWの周辺には,溶剤気体のダウンフローが形成され,ウェハWの周辺が高濃度の溶剤気体の雰囲気に置換される。
【0053】
ケーシング17a内が溶剤気体の雰囲気に置換されると,レジスト液の塗布工程(第1の工程)が行われる。レジスト液の塗布工程では,先ずレジスト液供給ノズル70がウェハWの中央部の上方に移動し,ウェハWの中心部に所定量のレジスト液が吐出される。続いてウェハWは,スピンチャック60により所定の速度で回転され,このウェハWの回転により,レジスト液がウェハWの表面の全面に拡散される。このとき,ケーシング17a内の雰囲気が高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持されているので,レジスト液中の溶剤の蒸発が防止される。また,ウェハWから飛散するレジスト液のミストは,気流に従ってカップ62内に収容され,下方から排出される。
【0054】
ウェハWの全面にレジスト液が拡散すると,ウェハWは,さらに高速度で回転され,ウェハWの表面に形成されるレジスト膜の膜厚が調整される。この膜厚の調整が終了すると,ウェハWの回転が停止され,レジスト液の塗布工程が終了する。
【0055】
レジスト液の塗布工程が終了すると,排気バルブ67が閉鎖され,バルブ101が開放され,図7に示すようにケーシング17a内にウェハWの周辺から上方に向かう上昇気流が形成される。ケーシング17a内の溶剤気体は,排気管100,循環管路83(溶剤ミスト供給部A),導入管82,溶剤気体導入口80,ケーシング17aの順に流れて循環する。一旦ケーシング17a内を通過した溶剤気体は,溶剤濃度が低下しており,循環する溶剤気体は,循環管路83の溶剤ミスト供給部Aにおいて溶剤ミストが補充され,濃度が回復されて,再びケーシング17a内に戻される。この際の溶剤ミストの補充量は,ケーシング17a内の濃度センサ72の測定結果により制御部96が調整し,ケーシング17a内の溶剤濃度が所定の高濃度に維持される。また,排気管100におけるバルブ101の開閉度は,ケーシング17a内の圧力がレジスト塗布工程時よりも例えば1.33×102Pa〜2.67×102Pa(1〜2torr)程度上昇するように調整される。
【0056】
ケーシング17a内が高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持され,圧力が上昇されると,この雰囲気下でウェハWが所定時間,例えば1〜60min程度維持される,維持工程(第2の工程)が行われる。この維持工程では,所定時間レジスト膜からの溶剤の揮発が抑制され粘性が低い状態が保たれる。この結果,図8に示すようにウェハ表面の凹凸に対応してレジスト膜Rの厚くなっている部分がより薄い部分に流動し均されて,レジスト膜Rが平坦化される。なお,この維持工程の時間は,スループットの観点から5min以下が好ましい。
【0057】
レジスト膜が平坦化され,維持工程が終了すると,例えばバルブ101が閉鎖され,排気バルブ67が開放され,さらに切り替えバルブ84と111が切り替えられて,エア供給管110からのエアがケーシング17a内に供給される。そして,ケーシング17a内がエア雰囲気に置換されると,ウェハWが回転され,洗浄液供給ノズル68からウェハWの裏面に純水等の洗浄液が供給されて,ウェハWの裏面が洗浄される。その後洗浄液の供給が停止され,ウェハWが引き続き回転されて,ウェハWが乾燥される。
【0058】
ウェハWが乾燥すると,ウェハWの回転が停止され,ウェハWがスピンチャック60から主搬送装置13に受け渡され,ケーシング17a外に搬出される。こうして一連のレジスト塗布処理が終了する。
【0059】
以上の実施の形態によれば,レジスト液の塗布工程を溶剤気体内で行った後,ウェハWを所定時間溶剤気体内で維持する維持工程を行ったので,レジスト膜が所定時間低粘度に維持され,レジスト膜が流動する時間が確保される。この結果,レジスト膜の盛り上がった部分が低い部分に流れ,平坦で所定膜厚のレジスト膜が形成される。
【0060】
また,ウェハWを所定時間溶剤気体内に維持する工程を,塗布工程時よりも高い圧力内で行ったので,レジスト膜の流動性が増大し,レジスト膜の平坦化をより短時間で十分に行うことができる。
【0061】
塗布工程時と維持工程時には,ウェハWの側方から溶剤気体を供給するようにしたので,ウェハWの周辺雰囲気を効率的かつ確実に溶剤気体の雰囲気にすることができる。また,ケーシング17a内に供給される高濃度の溶剤気体の一部が仮に溶剤気体導入口80付近で凝縮しても,その液体がウェハWに落下することがなく,ウェハWの汚染を防止できる。塗布工程時には,ケーシング17a内の雰囲気をウェハWの下方から排気したので,ウェハWから飛散したレジスト液のミストをウェハ表面に再付着しないように排気することができる。また,維持工程時には,ケーシング17a内の雰囲気を,塗布工程時の排気と別系統のウェハWの上方から排気するようにしたので,維持工程時の汚染のない溶剤気体を循環管路83に戻すことができる。そして,その溶剤気体を循環管路83において濃度回復させ,ケーシング17aに導入したので,ケーシング17a内を高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持し易く,また溶剤気体の消費量も低減できる。
【0062】
レジスト塗布装置17は,溶剤気体導入口80に連通する循環管路83を備えたので,循環管路83内で気体を循環させながら,循環管路83内に溶剤ミストを供給することにより高濃度の溶剤気体を得ることができる。また,ケーシング17aの上方排気口81と循環管路83を接続したので,ケーシング17a内から排気された溶剤気体を循環管路83に戻して,濃度回復させて,再度ケーシング17aに送ることができる。
【0063】
また,溶剤気体導入口80をケーシング17aの両側に対向するように設けたので,ウェハWの表面に偏りなく溶剤気体を供給し,ウェハ表面の全体のレジスト膜の平坦化を行うことができる。さらに,導入管82にフィルタ112を取り付けたので,ケーシング17a内に供給される気体から不純物が除去され,ウェハWの汚染を防止できる。特にケーシング17a内の溶剤気体を再利用する場合には,導入管82を通過する度に不純物が除去されるので,その効果は大きい。
【0064】
以上の実施の形態では,塗布工程後の維持工程時に,ケーシング17a内の圧力を上昇させたが,ケーシング17a内に供給される溶剤気体の温度を上げてケーシング17a内の温度を上昇させるようにしてもよい。かかる場合,例えば図9に示すように気化器91の液体溶剤供給装置92に,ヒータなどを備えた温度調節部130を設けて,気化器91から噴出される溶剤ミストの温度を調節できるようにしてもよい。維持工程時には,ケーシング17a内から循環管路83に戻された溶剤気体内に,温度調節部130により昇温された溶剤ミストが噴霧される。こうすることにより,再びケーシング17a内に戻される溶剤気体の温度が上昇し,この結果ケーシング17a内の温度が上昇する。この維持工程時のケーシング17a内の温度は,例えば塗布工程時の温度が23℃の場合,例えば24〜100℃程度に昇温される。かかる場合,ケーシング17a内のウェハWが昇温された溶剤気体内に曝されるので,レジスト膜の温度が上昇し,レジスト膜の粘性がさらに低下する。この結果,レジスト膜の流動性が増大し,より短時間でレジスト膜の平坦化が図られる。
【0065】
以上の実施の形態では,レジスト液の塗布工程時にケーシング17aの側面から溶剤気体を導入し,ケーシング17aの下面から排気していたが,ケーシング17aの上面から溶剤気体を導入し,下面から排気してもよい。かかる場合,例えば図10に示すように循環管路83に,ファン90と逆方向に向けて送風するファン140を設けるようにしてもよい。塗布工程時には,ファン90を停止し,ファン140を稼働して,循環管路83内の溶剤気体は,排気管100側に送られて,上方排気口81からケーシング17a内に供給される。ケーシング17a内に供給された溶剤気体は,カップ62,排気口64を通ってケーシング17aの下方の排気管66から排気される。維持工程時には,ファン140を停止し,ファン90を稼働して,前記実施の形態と同様に溶剤気体は,導入管82を通じて溶剤気体導入口80からケーシング17a内に供給される。ケーシング17a内に供給された溶剤気体は,上方排気口81から排気される。こうした場合,塗布工程時に,上方から下方に向かう滑らかなダウンフローが形成されるので,ウェハWの周辺に飛散するレジスト液のミストが重力に従って好適に排出される。したがって,レジスト液のミストによりウェハWの汚染がより確実に防止される。
【0066】
以上の実施の形態において,塗布後の維持工程時に,ウェハWを振動させてもよい。この場合,例えば図11に示すようにスピンチャック60内にピエゾ素子などの振動部材150を設けるようにしてもよい。かかる場合,ウェハW上のレジスト膜に振動が付加され,レジスト膜の流動が促されるので,レジスト膜の平坦化がより短時間で行われる。
【0067】
以上の実施の形態において,レジスト液の塗布工程と維持工程は,同じ装置内で行っていたが,処理室内を溶剤気体の雰囲気に維持できる別の装置で行ってもよい。また,塗布工程時に処理室内に供給される溶剤気体の溶剤種類と,維持工程時に供給される溶剤気体の溶剤種類を変えてもよい。
【0068】
以上の実施の形態は,回転されたウェハWにレジスト液を塗布して,レジスト液を拡散させることによりレジスト膜を形成する,いわゆるスピンコーティング法による塗布処理であったが,本発明は,レジスト液を吐出している状態のレジスト液供給ノズルをウェハ表面上で移動させ,ウェハ表面に満遍なくレジスト液を塗布する,いわゆる一筆書きの要領の塗布方法にも適用できる。
【0069】
また,以上の実施の形態は,本発明をレジスト膜を形成する塗布処理装置に適用したものであったが,本発明は,他の種の膜,例えば絶縁膜であるSOD,SOG膜等の塗布処理装置にも適用できる。また,本発明は,ウェハW以外の基板例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)基板,マスク基板,レクチル基板等の塗布処理装置にも適用できる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば,基板上の塗布膜が十分に平坦化されるので,塗布後に塗布膜に対する高精度の処理が可能になり,基板製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるレジスト塗布処理が行われる塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】レジスト塗布装置の構成の概略を模式的に示す説明図である。
【図5】循環管路への溶剤ミストの供給機構を示す説明図である。
【図6】塗布工程時のレジスト塗布装置内の溶剤気体の流れの様子を示す説明図である。
【図7】維持工程時のレジスト塗布装置内の溶剤気体の流れの様子を示す説明図である。
【図8】レジスト膜が平坦化される様子を示すウェハの縦断面図である。
【図9】液体溶剤供給装置に温度調節部を設けた場合の循環管路への溶剤ミストの供給機構を示す説明図である。
【図10】循環管路に別のファンを設けた場合のレジスト塗布装置の構成の概略を示す説明図である。
【図11】スピンチャックに振動部材を設けた場合のカップ内の構成を示す説明図である。
【図12】従来の塗布方法で形成されたレジスト膜の様子を巨視的に見たときのウェハの縦断面図である。
【図13】従来の塗布方法で形成されたレジスト膜の様子を微視的に見たときのウェハの縦断面図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
17 レジスト塗布装置
17a ケーシング
62 カップ
64 排気口
80 溶剤気体導入口
81 上方排気口
83 循環管路
S 処理室
W ウェハ
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の塗布処理方法及び基板の塗布処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,半導体ウェハ(以下「ウェハ」とする)上にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理が行われる。
【0003】
このレジスト塗布処理では,通常,回転されたウェハの中心部に所定量のレジスト液を塗布し,遠心力によって当該レジスト液をウェハ全面に拡散することによって所定膜厚のレジスト膜が形成されている。
【0004】
ところで,レジスト液が塗布されるウェハの下地膜の表面には,通常所定の回路パターンを形成するための凹凸が形成されている。したがって,ウェハ上にレジスト液を塗布すると,当該下地膜の凹部にレジスト液が入り込むので,巨視的には,図12に示すように凹部の比較的多いところのレジスト膜Rが全体的に薄くなり,凹部の少ないところのレジスト膜Rが厚くなる。また,微視的には,図13に示すように凹部のあるところのレジスト膜Rが他の部分よりも局所的に薄くなる。このように,ウェハ上のレジスト膜の膜厚は,厳密には均一になっていない。このようなレジスト膜の不均一性をそのまま放置すると,その後の露光処理などの処理がウェハ面内において均一に行われず,高精度の回路パターンが得られなくなる。
【0005】
そこで,レジスト膜を平坦化するために,ウェハ上にレジスト液を塗布する際に,ウェハ周辺の雰囲気をレジスト液の溶剤気体の雰囲気に維持する塗布処理方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。このように,レジスト液の塗布時にウェハ周辺を溶剤気体の雰囲気に維持すると,レジスト液からの溶剤の揮発が抑制されレジスト液の粘性が低く保たれるので,レジスト液が流動してレジスト膜の平坦性が向上する。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−68632号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,近年回路パターンの線幅の微細化が進み,レジスト膜も薄膜化している。レジスト膜が薄膜化すると,膜厚の僅かな変動であっても,後になってデバイス性能に大きな影響を与えることになる。近年では,例えばレジスト膜の膜厚の高低差が50nm以下の高精度の膜厚制御が求められている。上述の塗布処理方法では,未だにこのような基準を満たす十分な結果が得られておらず,さらなる改良が望まれている。
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,レジスト膜などの塗布膜の十分な平坦性を確保できるウェハなどの基板の塗布処理方法及び塗布処理装置を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,基板の塗布処理方法であって,塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板に塗布液を塗布する第1の工程と,その後,塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板を所定時間維持する第2の工程と,を有することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば,溶剤気体の雰囲気内で基板に塗布液を塗布した後,引き続き溶剤気体の雰囲気内において基板を所定時間維持するので,基板上の塗布液の溶剤が所定時間蒸発することなく,塗布液の粘性が低い状態に保たれる。この結果,基板上の塗布液が基板表面上で流動する時間が十分に確保され,基板上に形成される塗布膜が十分に平坦化される。
【0011】
前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の圧力を前記第1の工程時よりも上げるようにしてもよい。かかる場合,処理室内の圧力上昇によって,基板上の塗布膜の粘性が低い状態に維持されて塗布膜の流動性が向上し,また塗布膜を押しつける力が増大するので,塗布膜の平坦化が,より十分かつ迅速に行われる。また,前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の温度を前記第1の工程時よりも上げるようにしてもよい。かかる場合,基板上の塗布膜の粘性が低下するので,その分塗布膜の流動が促進され,塗布膜を短時間で平坦化できる。
【0012】
前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気するようにしてもよい。かかる場合,第1の工程時と第2の工程時に,基板の側方から溶剤気体を導入するので,基板の周辺雰囲気を好適に溶剤気体の雰囲気に維持できる。また,溶剤気体の導入部付近で仮に溶剤気体の一部が液化してもその液体が基板上に落下することがなく基板の汚染を防止できる。さらに第1の工程時には,基板の下方から排気するので,例えば塗布時に基板から飛散した塗布液を基板の表面に付着しないように排気できる。第2の工程時には,基板の上方から排気するので,側方から基板の表面付近に供給された溶剤気体を好適に排気することができる。なお,基板の側方には,基板と同程度の高さの側方だけでなく,基板よりも高い位置の側方も含まれる。
【0013】
前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の上方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気するようにしてもよい。この場合,第1の工程の塗布時に,基板の上方から溶剤気体が導入され,基板の下方から排気するので,処理室内には,ダウンフローが形成され,基板から飛散する塗布液を基板の表面に付着させることなく適正に排出できる。
【0014】
前記第2の工程時には,前記基板の上方から排気された溶剤気体を所定の溶剤濃度に回復させ,再度前記基板の側方から導入するようにしてもよい。こうすることにより,基板の側方から導入される溶剤気体の溶剤濃度を長時間高濃度に維持することができ,また溶剤気体の消費量も低減できる。
【0015】
前記第2の工程時には,基板を振動させるようにしてもよく,この場合,基板上の塗布膜の平坦化をさらに促進できる。
【0016】
本発明は,基板の塗布処理装置であって,塗布処理装置内の雰囲気を維持できる処理容器内には,基板に塗布液を吐出する塗布液吐出部材と,基板を保持し回転させる回転保持部材と,前記回転保持部材に保持された基板の周囲を覆う内容器と,が設けられ,前記処理容器の側面には,塗布液の溶剤を含む溶剤気体を導入する溶剤気体導入部が設けられ,前記処理容器の上面と前記内容器には,相互に別系統の排気部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば,処理容器の側面から溶剤気体を導入し,処理容器内の雰囲気を内容器から排気することによって処理容器内を溶剤気体の雰囲気に維持することができる。そして,当該溶剤気体の雰囲気内において,塗布液吐出部材から基板に塗布液を吐出し,当該基板を回転させて基板上に塗布液を塗布することができる。また,処理容器の側面から溶剤気体を導入し,処理容器の上面から排気することによって,塗布液が塗布された基板を溶剤気体内で所定時間維持することができる。この時,基板上に塗布された塗布液は,所定時間粘性の低い状態が維持されるので,基板上の塗布液の流動が促進され,塗布膜の平坦化が図られる。また,排気部が処理容器の上面と内容器にそれぞれ別系統で設けられ,前記塗布時とその後の前記溶剤気体内での維持時に処理容器内の雰囲気を別の排気部から排気できる。塗布時には,内容器から排気して,基板から飛散する塗布液を確実に回収することができる。塗布後の溶剤気体内での維持時には,処理容器の上面から排気し,例えばその排気された溶剤気体を再度導入溶剤気体として利用することができる。
【0018】
前記溶剤気体導入部は,循環管路に接続されており,前記循環管路には,当該循環管路内の気体を循環させるためのファンと,循環管路内に溶剤ミストを供給するための溶剤ミスト供給装置が設けられていてもよい。かかる発明によれば,循環管路において気体を循環させならが,その気体内に溶剤ミストを供給できるので,循環管路内に高濃度の溶剤気体を創出することができる。そして,その高濃度の溶剤気体を溶剤気体導入部から処理容器内に導入し,基板を高濃度の溶剤気体内に維持することができる。この結果,基板上の塗布液の粘性が低く抑えられ,塗布膜の平坦化を図ることができる。
【0019】
前記処理容器の上面に設けられた排気部は,前記循環管路に接続されていてもよい。かかる場合,処理容器の排気部から循環管路に送られ,循環管路から処理容器の溶剤気体導入部へ送られる,循環する流路を形成できる。この流路によって,処理容器から排気された溶剤気体を,循環管路において濃度回復させ,再度処理容器内に供給することができる。したがって,高い溶剤気体濃度を維持しつつ溶剤気体の消費量を低減することができる。
【0020】
前記塗布処理装置は,前記処理容器内の溶剤気体の溶剤濃度を測定する濃度センサと,前記濃度センサの測定結果に基づいて前記溶剤ミスト供給装置から循環管路への溶剤ミストの供給量を制御する制御部と,をさらに備えていてもよい。かかる場合,例えば処理容器内の溶剤気体を所定の溶剤濃度に調整し,基板を所定の濃度の溶剤気体内に維持することができる。
【0021】
前記溶剤気体導入部は,前記処理容器における対向する両側面に設けられていてもよく,この場合,処理容器内に保持された基板に対し均等に溶剤気体が供給され,基板上の塗布膜の平坦化が基板面内で均等に行われる。
【0022】
また,前記溶剤気体導入部に通じる導入管には,当該導入管内を通過する気体中に含まれる不純物を除去するフィルタが設けられていてもよく,処理容器内に導入される溶剤気体に含まれる塵埃などの不純物を除去し,清浄な溶剤気体内で基板を平坦化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる塗布処理方法が実施される塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0024】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように,例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0025】
カセットステーション2では,載置部となるカセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0026】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0027】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。この塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5内に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,処理装置群の数は,任意に選択可能である。
【0028】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すように,塗布処理装置としてのレジスト塗布装置17と,露光後にウェハWを現像処理する現像処理装置18とが下から順に例えば2段に配置されている。第2の処理装置群G2にも同様に,レジスト塗布装置19と現像処理装置20とが下から順に例えば2段に配置されている。
【0029】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すように,ウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を蒸発させるための減圧乾燥装置33及びプリベーキング装置34,現像処理後の加熱処理を行うポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に積み重ねられている。
【0030】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45,ポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0031】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50はX方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)の移動とθ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できるように構成されている。
【0032】
次に,上述したレジスト塗布装置17の構成について説明する。図4は,レジスト塗布装置17の構成を模式的に示した説明図である。
【0033】
レジスト塗布装置17は,例えば図4に示すように外部と雰囲気を遮断できる処理容器としてのケーシング17aを有し,ケーシング17a内には,処理室Sが形成されている。ケーシング17a内の中央部には,ウェハWを保持し,回転させる回転保持部材としてのスピンチャック60が設けられている。スピンチャック60の上面は,水平に形成されており,当該上面には,例えばウェハWを吸着するための図示しない吸引口が設けられている。これにより,スピンチャック60は,ウェハWを水平に吸着保持することができる。
【0034】
スピンチャック60は,当該スピンチャック60を所定の回転速度で回転させるモータなどの回転駆動部61を備えている。回転駆動部61は,例えばスピンチャッ60の下方に配置されている。
【0035】
スピンチャック60の外方には,ウェハWから飛散したレジスト液,洗浄液等を受け止め,回収するための内容器としてのカップ62が設けられている。カップ62は,上面が開口した略円筒形状を有し,スピンチャック60上のウェハWの外方と下方とを囲むように形成されている。例えばカップ62の下面には,回収したレジスト液等を排液する排液口63と,カップ62内の雰囲気を排気する排気部としての排気口64が設けられている。排液口63は,ケーシング17aの下面に接続された排液管65に通じており,排気口64は,ケーシング17a下面に接続された排気管66に通じている。排気管66は,例えばこの塗布現像処理システム1が設置された工場の排気系に連通している。排気管66には,排気バルブ67が設けられており,この排気バルブ67によって排気管66からの排気量を適宜調整できる。
【0036】
カップ62の内側であって,スピンチャック60に保持されたウェハWの裏面側には,ウェハWの裏面に純水等の洗浄液を供給してウェハWの裏面を洗浄する洗浄液供給ノズル68が設けられている。カップ62の外方であって,カップ62とケーシング17aの側面との隙間には,遮蔽板69が設けられており,カップ62の上方からカップ62の下方に排気される気体は全てカップ62内を通過する。
【0037】
ウェハWに塗布液としてのレジスト液を供給する塗布液吐出部材であるレジスト液供給ノズル70は,ノズルアーム71によって保持されている。ノズルアーム71は,例えばカップ62の外方からカップ62の内側まで進退可能であり,レジスト液供給ノズル70は,ウェハWの中心部上方まで移動できる。これによりレジスト液供給ノズル70は,ウェハWの中心部に対しレジスト液を吐出することができる。
【0038】
例えばカップ62の上面の開口部付近には,濃度センサ72が設けられており,この濃度センサ72によって,ケーシング17a内の溶剤気体の溶剤濃度を測定できる。濃度センサ72の測定結果は,例えば後述する気化器91から噴霧される溶剤ミストの供給量を制御する制御部96に出力できる。
【0039】
ケーシング17aの側面には,2つの溶剤気体導入部としての溶剤気体導入口80が形成されている。溶剤気体導入口80は,例えばカップ62を挟んだ両側に対向するように形成され,例えばカップ62の上面よりも僅かに高い位置に配置されている。したがって,カップ62内のスピンチャック60に保持されたウェハWの側方から,例えばレジスト液の溶剤を含む溶剤気体を導入することができる。
【0040】
ケーシング17aの上面の中央部には,前記カップ62の排気口64と別系統の排気部としての上方排気口81が形成されている。上方排気口81は,カップ62の真上に開口し,スピンチャック60に保持されたウェハWの上方からケーシング17a内の雰囲気を排気できる。
【0041】
上述の各溶剤気体導入口80は,導入管82によって環状の循環管路83に接続されている。導入管82と循環管路83との接続部には,例えば切り替えバルブ84が設けられており,この切り替えバルブ84により循環管路83から導入管82への溶剤気体の供給を動停止させることができる。
【0042】
循環管路83は,循環管路83内の気体を循環させるためのファン90と,循環管路83内に溶剤ミストを供給する溶剤ミスト供給装置としての気化器91が設けられている。気化器91は,例えば図5に示すように液体溶剤供給装置92からのレジスト液の液体溶剤と窒素ガス供給装置93からの窒素ガスとを混合し,この混合により生成された溶剤ミストをノズル94から循環管路83の溶剤ミスト供給部Aに噴霧できるようになっている。これにより,循環管路83内において気体を循環させながら,当該気体に所定量の溶剤ミストを噴出して,循環管路83内に溶剤気体を創出することができる。
【0043】
循環管路83内には,循環管路83内の溶剤気体の溶剤濃度を測定する管内濃度センサ95が設けられている。管内濃度センサ95の測定結果は,例えば制御部96に出力できる。制御部96は,例えば管内濃度センサ95の測定結果に基づいて,液体溶剤供給装置92からの液体溶剤の供給量と,窒素ガス供給装置93からの窒素ガスの供給量を調節し,ノズル94から噴霧される溶剤ミストの供給量を制御できる。したがって,制御部96による溶剤ミストの供給量の制御により,循環管路83内の溶剤気体の濃度を設定できる。
【0044】
上述したケーシング17aの上方排気口81は,図4に示すように排気管100によって循環管路83に接続されている。この排気管100により,ケーシング17a,排気管100,循環管路83(溶剤ミスト供給部A),導入管82,溶剤気体導入口80及びケーシング17aを順に流れる還路が形成され,ケーシング17a内から排気された溶剤気体を循環管路83内で濃度を回復し,再度ケーシング17a内に供給することができる。上述の気化器91の制御部96は,例えばケーシング17a内の上記濃度センサ72の測定結果に基づいても,気化器91からの溶剤ミストの供給量を制御できる。この結果,排気管100から循環管路83を通ってケーシング17aに戻される溶剤気体に所定量の溶剤ミストを補充して,ケーシング17a内の溶剤気体中の溶剤濃度を所定の溶剤濃度に維持できる。
【0045】
排気管100には,バルブ101が設けられており,このバルブ101によって,循環管路83への排気量を調整することができる。
【0046】
導入管82には,図示しない工場の給気系に接続された例えばエア供給管110が接続されており,このエア供給管110から導入管82を通じてケーシング17a内にエアを供給することができる。エア供給管110と導入管82との接続部には,切り替えバルブ111が設けられており,エア供給管110からのエアと循環管路83からの溶剤気体を選択的にケーシング17a内に供給できる。さらに,導入管82には,ケーシング17a内に供給される気体に含まれる塵埃等の不純物を除去するフィルタ112が設けられている。
【0047】
なお,排気バルブ67,バルブ101の開閉度や切り替えバルブ84,111の切り替えは,例えばレジスト塗布装置17全体を制御する主制御部120により制御されている。
【0048】
次に,以上のように構成されているレジスト塗布装置17で行われるレジスト塗布処理について,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0049】
先ず,ウェハ搬送体7によりカセットCから未処理のウェハWが1枚取り出され,第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に搬送される。次いでウェハWは,主搬送装置13によってアドヒージョン装置31に搬入され,ウェハW上にレジスト液の密着性を向上させる,例えばHMDSが塗布される。次にウェハWは,クーリング装置30に搬送され,所定の温度に冷却される。所定温度に冷却されたウェハWは,主搬送装置13によって,例えばレジスト塗布装置17に搬送される。
【0050】
レジスト塗布装置17においてレジスト塗布処理が終了したウェハWは,主搬送装置13によって減圧乾燥装置33に搬送され,レジスト膜中の溶剤が蒸発された後,プリベーキング装置34,エクステンション・クーリング装置41に順次搬送されて各装置において所定の処理が施される。さらにウェハWは,ウェハ搬送体50によって周辺露光装置51,露光装置(図示せず)に順次搬送され,露光処理が施される。そして露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体50によりエクステンション装置42に搬送され,その後,主搬送装置13によってポストエクスポージャーベーキング装置44,クーリング装置43,現像処理装置18,ポストベーキング装置46及びクーリング装置30に順次搬送され,各装置において所定の処理が施される。その後,ウェハWは,エクステンション装置32を介してカセットCに戻され,一連の塗布現像処理が終了する。
【0051】
次に,上述のレジスト塗布処理のプロセスについて詳しく説明する。先ず,循環管路83では,ファン90が稼動し,循環管路83内に気体,例えば窒素ガスの循環気流が形成される。そして,この循環気流中に気化器91から所定量の溶剤ミストが供給される。このときの溶剤ミストの供給量は,管内濃度センサ95の測定結果に基づいて制御部96により調整される。こうして循環管路83内には,高濃度,例えば95〜100%程度の溶剤濃度の溶剤気体が創出される。
【0052】
ケーシング17aでは,前記冷却処理の終了したウェハWが処理室S内に搬送され,スピンチャック60に吸着保持される。そして,排気バルブ67が開放された状態で,切り替えバルブ84が切り替えられて,図6に示すように循環管路83内の高濃度の溶剤気体が導入管82,溶剤気体導入口80を通じてケーシング17a内に供給される。導入管82を通る雰囲気は,フィルタ112によって不純物が除去されてからケーシング17a内に供給される。総てウェハWの側方から供給された溶剤気体は,カップ62の上面からカップ62内を通り,排気口64を通じて排気管66から排気される。こうしてウェハWの周辺には,溶剤気体のダウンフローが形成され,ウェハWの周辺が高濃度の溶剤気体の雰囲気に置換される。
【0053】
ケーシング17a内が溶剤気体の雰囲気に置換されると,レジスト液の塗布工程(第1の工程)が行われる。レジスト液の塗布工程では,先ずレジスト液供給ノズル70がウェハWの中央部の上方に移動し,ウェハWの中心部に所定量のレジスト液が吐出される。続いてウェハWは,スピンチャック60により所定の速度で回転され,このウェハWの回転により,レジスト液がウェハWの表面の全面に拡散される。このとき,ケーシング17a内の雰囲気が高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持されているので,レジスト液中の溶剤の蒸発が防止される。また,ウェハWから飛散するレジスト液のミストは,気流に従ってカップ62内に収容され,下方から排出される。
【0054】
ウェハWの全面にレジスト液が拡散すると,ウェハWは,さらに高速度で回転され,ウェハWの表面に形成されるレジスト膜の膜厚が調整される。この膜厚の調整が終了すると,ウェハWの回転が停止され,レジスト液の塗布工程が終了する。
【0055】
レジスト液の塗布工程が終了すると,排気バルブ67が閉鎖され,バルブ101が開放され,図7に示すようにケーシング17a内にウェハWの周辺から上方に向かう上昇気流が形成される。ケーシング17a内の溶剤気体は,排気管100,循環管路83(溶剤ミスト供給部A),導入管82,溶剤気体導入口80,ケーシング17aの順に流れて循環する。一旦ケーシング17a内を通過した溶剤気体は,溶剤濃度が低下しており,循環する溶剤気体は,循環管路83の溶剤ミスト供給部Aにおいて溶剤ミストが補充され,濃度が回復されて,再びケーシング17a内に戻される。この際の溶剤ミストの補充量は,ケーシング17a内の濃度センサ72の測定結果により制御部96が調整し,ケーシング17a内の溶剤濃度が所定の高濃度に維持される。また,排気管100におけるバルブ101の開閉度は,ケーシング17a内の圧力がレジスト塗布工程時よりも例えば1.33×102Pa〜2.67×102Pa(1〜2torr)程度上昇するように調整される。
【0056】
ケーシング17a内が高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持され,圧力が上昇されると,この雰囲気下でウェハWが所定時間,例えば1〜60min程度維持される,維持工程(第2の工程)が行われる。この維持工程では,所定時間レジスト膜からの溶剤の揮発が抑制され粘性が低い状態が保たれる。この結果,図8に示すようにウェハ表面の凹凸に対応してレジスト膜Rの厚くなっている部分がより薄い部分に流動し均されて,レジスト膜Rが平坦化される。なお,この維持工程の時間は,スループットの観点から5min以下が好ましい。
【0057】
レジスト膜が平坦化され,維持工程が終了すると,例えばバルブ101が閉鎖され,排気バルブ67が開放され,さらに切り替えバルブ84と111が切り替えられて,エア供給管110からのエアがケーシング17a内に供給される。そして,ケーシング17a内がエア雰囲気に置換されると,ウェハWが回転され,洗浄液供給ノズル68からウェハWの裏面に純水等の洗浄液が供給されて,ウェハWの裏面が洗浄される。その後洗浄液の供給が停止され,ウェハWが引き続き回転されて,ウェハWが乾燥される。
【0058】
ウェハWが乾燥すると,ウェハWの回転が停止され,ウェハWがスピンチャック60から主搬送装置13に受け渡され,ケーシング17a外に搬出される。こうして一連のレジスト塗布処理が終了する。
【0059】
以上の実施の形態によれば,レジスト液の塗布工程を溶剤気体内で行った後,ウェハWを所定時間溶剤気体内で維持する維持工程を行ったので,レジスト膜が所定時間低粘度に維持され,レジスト膜が流動する時間が確保される。この結果,レジスト膜の盛り上がった部分が低い部分に流れ,平坦で所定膜厚のレジスト膜が形成される。
【0060】
また,ウェハWを所定時間溶剤気体内に維持する工程を,塗布工程時よりも高い圧力内で行ったので,レジスト膜の流動性が増大し,レジスト膜の平坦化をより短時間で十分に行うことができる。
【0061】
塗布工程時と維持工程時には,ウェハWの側方から溶剤気体を供給するようにしたので,ウェハWの周辺雰囲気を効率的かつ確実に溶剤気体の雰囲気にすることができる。また,ケーシング17a内に供給される高濃度の溶剤気体の一部が仮に溶剤気体導入口80付近で凝縮しても,その液体がウェハWに落下することがなく,ウェハWの汚染を防止できる。塗布工程時には,ケーシング17a内の雰囲気をウェハWの下方から排気したので,ウェハWから飛散したレジスト液のミストをウェハ表面に再付着しないように排気することができる。また,維持工程時には,ケーシング17a内の雰囲気を,塗布工程時の排気と別系統のウェハWの上方から排気するようにしたので,維持工程時の汚染のない溶剤気体を循環管路83に戻すことができる。そして,その溶剤気体を循環管路83において濃度回復させ,ケーシング17aに導入したので,ケーシング17a内を高濃度の溶剤気体の雰囲気に維持し易く,また溶剤気体の消費量も低減できる。
【0062】
レジスト塗布装置17は,溶剤気体導入口80に連通する循環管路83を備えたので,循環管路83内で気体を循環させながら,循環管路83内に溶剤ミストを供給することにより高濃度の溶剤気体を得ることができる。また,ケーシング17aの上方排気口81と循環管路83を接続したので,ケーシング17a内から排気された溶剤気体を循環管路83に戻して,濃度回復させて,再度ケーシング17aに送ることができる。
【0063】
また,溶剤気体導入口80をケーシング17aの両側に対向するように設けたので,ウェハWの表面に偏りなく溶剤気体を供給し,ウェハ表面の全体のレジスト膜の平坦化を行うことができる。さらに,導入管82にフィルタ112を取り付けたので,ケーシング17a内に供給される気体から不純物が除去され,ウェハWの汚染を防止できる。特にケーシング17a内の溶剤気体を再利用する場合には,導入管82を通過する度に不純物が除去されるので,その効果は大きい。
【0064】
以上の実施の形態では,塗布工程後の維持工程時に,ケーシング17a内の圧力を上昇させたが,ケーシング17a内に供給される溶剤気体の温度を上げてケーシング17a内の温度を上昇させるようにしてもよい。かかる場合,例えば図9に示すように気化器91の液体溶剤供給装置92に,ヒータなどを備えた温度調節部130を設けて,気化器91から噴出される溶剤ミストの温度を調節できるようにしてもよい。維持工程時には,ケーシング17a内から循環管路83に戻された溶剤気体内に,温度調節部130により昇温された溶剤ミストが噴霧される。こうすることにより,再びケーシング17a内に戻される溶剤気体の温度が上昇し,この結果ケーシング17a内の温度が上昇する。この維持工程時のケーシング17a内の温度は,例えば塗布工程時の温度が23℃の場合,例えば24〜100℃程度に昇温される。かかる場合,ケーシング17a内のウェハWが昇温された溶剤気体内に曝されるので,レジスト膜の温度が上昇し,レジスト膜の粘性がさらに低下する。この結果,レジスト膜の流動性が増大し,より短時間でレジスト膜の平坦化が図られる。
【0065】
以上の実施の形態では,レジスト液の塗布工程時にケーシング17aの側面から溶剤気体を導入し,ケーシング17aの下面から排気していたが,ケーシング17aの上面から溶剤気体を導入し,下面から排気してもよい。かかる場合,例えば図10に示すように循環管路83に,ファン90と逆方向に向けて送風するファン140を設けるようにしてもよい。塗布工程時には,ファン90を停止し,ファン140を稼働して,循環管路83内の溶剤気体は,排気管100側に送られて,上方排気口81からケーシング17a内に供給される。ケーシング17a内に供給された溶剤気体は,カップ62,排気口64を通ってケーシング17aの下方の排気管66から排気される。維持工程時には,ファン140を停止し,ファン90を稼働して,前記実施の形態と同様に溶剤気体は,導入管82を通じて溶剤気体導入口80からケーシング17a内に供給される。ケーシング17a内に供給された溶剤気体は,上方排気口81から排気される。こうした場合,塗布工程時に,上方から下方に向かう滑らかなダウンフローが形成されるので,ウェハWの周辺に飛散するレジスト液のミストが重力に従って好適に排出される。したがって,レジスト液のミストによりウェハWの汚染がより確実に防止される。
【0066】
以上の実施の形態において,塗布後の維持工程時に,ウェハWを振動させてもよい。この場合,例えば図11に示すようにスピンチャック60内にピエゾ素子などの振動部材150を設けるようにしてもよい。かかる場合,ウェハW上のレジスト膜に振動が付加され,レジスト膜の流動が促されるので,レジスト膜の平坦化がより短時間で行われる。
【0067】
以上の実施の形態において,レジスト液の塗布工程と維持工程は,同じ装置内で行っていたが,処理室内を溶剤気体の雰囲気に維持できる別の装置で行ってもよい。また,塗布工程時に処理室内に供給される溶剤気体の溶剤種類と,維持工程時に供給される溶剤気体の溶剤種類を変えてもよい。
【0068】
以上の実施の形態は,回転されたウェハWにレジスト液を塗布して,レジスト液を拡散させることによりレジスト膜を形成する,いわゆるスピンコーティング法による塗布処理であったが,本発明は,レジスト液を吐出している状態のレジスト液供給ノズルをウェハ表面上で移動させ,ウェハ表面に満遍なくレジスト液を塗布する,いわゆる一筆書きの要領の塗布方法にも適用できる。
【0069】
また,以上の実施の形態は,本発明をレジスト膜を形成する塗布処理装置に適用したものであったが,本発明は,他の種の膜,例えば絶縁膜であるSOD,SOG膜等の塗布処理装置にも適用できる。また,本発明は,ウェハW以外の基板例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)基板,マスク基板,レクチル基板等の塗布処理装置にも適用できる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば,基板上の塗布膜が十分に平坦化されるので,塗布後に塗布膜に対する高精度の処理が可能になり,基板製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかるレジスト塗布処理が行われる塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】レジスト塗布装置の構成の概略を模式的に示す説明図である。
【図5】循環管路への溶剤ミストの供給機構を示す説明図である。
【図6】塗布工程時のレジスト塗布装置内の溶剤気体の流れの様子を示す説明図である。
【図7】維持工程時のレジスト塗布装置内の溶剤気体の流れの様子を示す説明図である。
【図8】レジスト膜が平坦化される様子を示すウェハの縦断面図である。
【図9】液体溶剤供給装置に温度調節部を設けた場合の循環管路への溶剤ミストの供給機構を示す説明図である。
【図10】循環管路に別のファンを設けた場合のレジスト塗布装置の構成の概略を示す説明図である。
【図11】スピンチャックに振動部材を設けた場合のカップ内の構成を示す説明図である。
【図12】従来の塗布方法で形成されたレジスト膜の様子を巨視的に見たときのウェハの縦断面図である。
【図13】従来の塗布方法で形成されたレジスト膜の様子を微視的に見たときのウェハの縦断面図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
17 レジスト塗布装置
17a ケーシング
62 カップ
64 排気口
80 溶剤気体導入口
81 上方排気口
83 循環管路
S 処理室
W ウェハ
Claims (13)
- 基板の塗布処理方法であって,
塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板に塗布液を塗布する第1の工程と,
その後,塗布液の溶剤を含む溶剤気体内で基板を所定時間維持する第2の工程と,を有することを特徴とする,塗布処理方法。 - 前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の圧力を前記第1の工程時よりも上げることを特徴とする,請求項1に記載の塗布処理方法。
- 前記第2の工程時には,基板が収容されている処理室内の温度を前記第1の工程時よりも上げることを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の塗布処理方法。
- 前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,
前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気することを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載の塗布処理方法。 - 前記第1の工程時には,基板が収容された処理室内において,基板の上方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の下方から排気し,
前記第2の工程時には,前記処理室内において,基板の側方から前記溶剤気体を導入しつつ,前記処理室内の雰囲気を基板の上方から排気することを特徴とする,請求項1,2又は3のいずれかに記載の塗布処理方法。 - 前記第2の工程時には,前記基板の上方から排気された溶剤気体を所定の溶剤濃度に回復させ,再度前記基板の側方から導入することを特徴とする,請求項4又は5のいずれかに記載の塗布処理方法。
- 前記第2の工程時には,基板を振動させることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5又は6のいずれかに記載の塗布処理方法。
- 基板の塗布処理装置であって,
塗布処理装置内の雰囲気を維持できる処理容器内には,
基板に塗布液を吐出する塗布液吐出部材と,
基板を保持し回転させる回転保持部材と,
前記回転保持部材に保持された基板の周囲を覆う内容器と,が設けられ,
前記処理容器の側面には,塗布液の溶剤を含む溶剤気体を導入する溶剤気体導入部が設けられ,
前記処理容器の上面と前記内容器には,相互に別系統の排気部がそれぞれ設けられていることを特徴とする,塗布処理装置。 - 前記溶剤気体導入部は,循環管路に接続されており,
前記循環管路には,当該循環管路内の気体を循環させるためのファンと,循環管路内に溶剤ミストを供給するための溶剤ミスト供給装置が設けられていることを特徴とする,請求項8に記載の塗布処理装置。 - 前記処理容器の上面に設けられた排気部は,前記循環管路に接続されていることを特徴とする,請求項9に記載の塗布処理装置。
- 前記処理容器内の溶剤気体の溶剤濃度を測定する濃度センサと,
前記濃度センサの測定結果に基づいて前記溶剤ミスト供給装置から循環管路への溶剤ミストの供給量を制御する制御部と,をさらに備えたことを特徴とする,請求項10に記載の塗布処理装置。 - 前記溶剤気体導入部は,前記処理容器における対向する両側面に設けられていることを特徴とする,請求項8,9,10又は11のいずれかに記載の塗布処理装置。
- 前記溶剤気体導入部に通じる導入管には,当該導入管内を通過する気体中に含まれる不純物を除去するフィルタが設けられていることを特徴とする,請求項8,9,10,11又は12のいずれかに記載の塗布処理装置。
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