JP2005011650A - 負極材料およびそれを用いた電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高エネルギー密度を得ることができ、かつサイクル寿命が長い負極材料およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】Siの相11とCuおよびAlを含む銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいる。Siの相11は銅・アルミニウム含有相12の中に分散して存在している。銅・アルミニウム含有相12はCuおよびAlを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方の相を含んでいる。このケイ素合金粉末について粉末X線回折分析を行うと、銅・アルミニウム含有相12に帰属する回折角度2θが43.5°〜44.5°の範囲内に高強度の回折ピークが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】Siの相11とCuおよびAlを含む銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいる。Siの相11は銅・アルミニウム含有相12の中に分散して存在している。銅・アルミニウム含有相12はCuおよびAlを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方の相を含んでいる。このケイ素合金粉末について粉末X線回折分析を行うと、銅・アルミニウム含有相12に帰属する回折角度2θが43.5°〜44.5°の範囲内に高強度の回折ピークが得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素合金よりなる負極材料およびそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のポータブル電子機器の小型化に伴い、その電源として高エネルギー密度を有する二次電池の開発が要求されている。この要求に応えるべく、理論上高電圧を発生でき、かつ高エネルギー密度を有するリチウム金属を負極活物質として用いたリチウム二次電池の研究開発が活発に行われてきた。しかし、リチウム二次電池では、充電時に負極上にリチウム(Li)がデンドライト析出し、このリチウムが不活性化したり内部短絡を引き起こすことなどからサイクル寿命が短いという問題がある。
【0003】
サイクル寿命を改善する電池としては、リチウムイオン二次電池が製品化されている。その負極材料には黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料、あるいは細孔中へのリチウムの吸蔵・放出作用を応用した炭素質材料が用いられている。そのため、リチウムイオン二次電池では、リチウムがデンドライト析出せず、サイクル寿命が長いという利点を有している。しかし、黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料の理論容量は、第1ステージ黒鉛層間化合物の組成C6 Liに規定されるように、372mAh/gという上限が存在する。これに対し、ある種の低温焼成炭素質材料では1000mAh/gを越える放電容量を示すことが知られているが、対リチウム金属において0.8V以上の貴な電位で大きな容量を有するため、金属酸化物等を正極に用いて電池を構成した場合に放電電圧が低下する等の問題がある。また、炭素質材料の微小な細孔構造を制御することは工業的に困難であり、しかも細孔を多くすると炭素質材料の比重が低下してしまい、単位体積当たりの負極容量、ひいては単位体積当たりの電池容量向上の有効な手段とはなり得ない。
【0004】
このような理由から、現状の黒鉛材料あるいは炭素質材料では、今後の更なるポータブル電子機器用電源の高エネルギー密度化に対応することが困難と考えられ、よりリチウムの吸蔵・放出能力に優れた負極材料の開発が望まれている。
【0005】
こうした中で、より高容量を実現可能な負極材料として、ある種の金属もしくは半金属のうち、電気化学的かつ可逆的にリチウムと結合・解離することができる材料が広く研究されてきた。その一例として、ケイ素合金が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。ケイ素(Si)は対リチウム金属において0.5V以下の卑な電位で4000mAh/gを超える容量を有する。このような特性によりケイ素合金はリチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化に応用することが可能であると考えられる。しかし、リチウム−ケイ素合金は、充放電時にリチウムとの結合・解離がなされる際に膨張収縮し、充放電を繰り返すたびに微粉化し、電池のサイクル寿命を極めて劣化させてしまう。
【0006】
そこで、リチウムとの可逆的な結合・解離に関与しない元素を、リチウムとの可逆的な結合・解離をなし得る金属もしくは半金属と複合化もしくは化合させることによりサイクル寿命を改善する検討がされてきた。例えば、Lia SiOb (a≧0,0<b<2)(特許文献2参照)、Lic Si1−d Md Oe (c≧0,0<d<1,0<e<2)(特許文献3参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4950566号明細書
【特許文献2】
特開平6−325765号公報
【特許文献3】
特開平7−230800号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの負極材料もサイクル寿命は不十分で、高容量という利点を活かしきれていないのが実状である。しかも、これらの負極材料には初回の充放電時における不可逆容量が大きいという問題もある。例えば、実際にSiO0.5 を合成し評価を行ったところ、初回充電容量に対する不可逆容量が20%〜30%程度と大きいことが確認された。負極材料の初回充電容量に対する不可逆容量が大きい場合、充電時に正極から放出されたリチウムの一部が負極中にとどまり、放電時に正極に戻ることができなくなる。こうして電池作動時に正極中もしくは負極中に可逆的に吸蔵・放出することができるリチウムイオンの数が制限されてしまい、電池の高容量化を図るための設計をしにくくなる。
【0009】
初回の充放電時の不可逆容量が生じる要因の一つとしては、ケイ素合金の電子伝導性が低く、充電で吸蔵したリチウムを放電で放出しきれず、一部が負極材料に残留してしまうことが挙げられる。この場合、高率放電を行うと更に不可逆容量が増大すると考えられる。また、他の要因としては、ケイ素合金が充放電におけるリチウムイオンの吸蔵・放出の際に大きく体積変化することから、負極材料が微粉化し、その一部が電子伝導を確保できずに充放電不可能となることが考えられる。更に、ケイ素合金に不可逆的なリチウム化合物の生成を引き起こす相が含まれることも不可逆容量を引き起こす要因の一つに挙げられる。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高エネルギー密度を得ることができ、かつサイクル寿命が長い負極材料およびそれを用いた電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の負極材料は、ケイ素と銅(Cu)とアルミニウム(Al)とを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金よりなるものである。
【0012】
本発明による第2の負極材料は、ケイ素の相と、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金よりなるものである。
【0013】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、ケイ素と銅とアルミニウムとを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むものである。
【0014】
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、ケイ素の相と、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金を含むものである。
【0015】
本発明による第1の負極材料および第1の電池では、ケイ素合金について粉末X線回折分析を行うと、回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるので、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相または固溶体相の少なくとも一方を有していると考えられ、また、本発明による第2の負極材料および第2の電池では、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方を有しているので、その金属間化合物相あるいは固溶体相の伝導性が高く、リチウムとの反応性が低いという特性により、高い電子伝導性が得られると共に、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化が抑制される。また、不可逆的なリチウム化合物の生成が抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る負極材料は、例えば、ケイ素と銅とアルミニウムとを構成元素として含むケイ素合金粉末により構成されている。図1は、本実施の形態に係るケイ素合金粉末の断面組織を模式的に表すものである。このケイ素合金粉末は、負極活物質として機能するものであり、ケイ素の相11と、銅およびアルミニウムを含む相(以下、銅・アルミニウム含有相12と言う)とを有している。ケイ素の相11は、銅・アルミニウム含有相12の中に分散して存在している。銅・アルミニウム含有相12は、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相あるいは固溶体相のいずれか一方、またはその両方により構成されており、電子伝導性が高く、かつリチウムとの反応性が低いという特性を有している。
【0018】
このようにケイ素の相11を銅・アルミニウム含有相12で囲むことにより、このケイ素合金粉末は、高い電子伝導性を得ることができると共に、リチウムイオンなどの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化を抑制することができるようになっている。また、リチウムとの反応性が低い銅・アルミニウム含有相12を用いることにより、不可逆的なリチウム化合物の生成を抑制することができるようになっている。
【0019】
なお、このケイ素合金粉末について粉末X線回折分析を行うと、回折角度2θが28.2°以上28.7°以下の範囲内にケイ素の相11に帰属する回折ピークが得られ、回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に銅・アルミニウム含有相12に帰属する回折ピークが得られる。銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相としては、例えば、α2 相(AlCu4 )、γ1 相(Al4 Cu9 )、δ相(Al2 Cu3 )、ξ2 相(Al11Cu9 )、η2 相(AlC)が挙げられる。
【0020】
このケイ素合金粉末における銅およびアルミニウムの含有率は、銅の含有率をA質量%、アルミニウムの含有率をB質量%とすると、A/Bが2.4以上であることが好ましい。また、8.0以下であることが好ましく、7.0以下であればより好ましい。この範囲内においてより高い充放電効率が得られるからである。
【0021】
また、このケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率は22質量%以下であることが好ましい。より高い充放電効率が得られるからである。また、このケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率は9.9質量%以上であることが好ましい。より高い充放電容量が得られるからである。
【0022】
このケイ素合金粉末は、また、ケイ素,銅およびアルミニウム以外の他の元素を含んでいてもよい。但し、不可逆容量を引き起こさないような状態で含んでいることが好ましい。他の元素としては、例えば、銅を除くチタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),亜鉛(Zn),ジルコニウム(Zr),モリブデン(Mo)あるいはタングステン(W)などの長周期型周期表における3〜12族の元素、マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)あるいはバリウム(Ba)などの長周期型周期表における2族の元素、アルミニウムを除くホウ素(B)あるいはインジウム(In)などの長周期型周期表における13族の元素、ケイ素を除く炭素(C),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn)あるいは鉛(Pb)などの長周期型周期表における14族の元素が挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0023】
このケイ素合金粉末の合成方法は限定されないが、メカニカルアロイング法,単ロール法,双ロール法,ガスアトマイズ法,水アトマイズ法,回転電極法あるいは遠心鋳造法等が挙げられ、これらの合成法のいくつかを組み合わせてもよい。
【0024】
このような負極材料は例えば次のようにして電池に用いられる。
【0025】
図2は、本実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、正極缶21内に収容された円板状の正極22と負極缶23内に収容された円板状の負極24とが、セパレータ25を介して積層されたものである。正極缶21および負極缶23の周縁部は絶縁性のガスケット26を介してかしめることにより密閉されている。正極缶21および負極缶23は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。
【0026】
正極22は、例えば、正極集電体22Aと、正極集電体22Aに設けられた正極合剤層22Bとを有している。正極集電体22Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層22Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材および結着材を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 O5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム複合酸化物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。
【0027】
中でも、リチウム複合酸化物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、化学式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるものが挙げられる。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、特にコバルト,ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。化学式Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNiz Co1−z O2 (0<z<1))、あるいはリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 O4 )などが挙げられる。
【0028】
負極24は、例えば、負極集電体24Aと、負極集電体24Aに設けられた負極合剤層24Bとを有している。負極集電体24Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0029】
負極合剤層24Bは、例えば、本実施の形態に係る負極材料を含み、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着材と共に構成されている。また、本実施の形態に係る負極材料に加えて他の負極活物質、または導電材などの他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素質材料,金属酸化物あるいは高分子化合物などが挙げられる。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては酸化スズ(SnO2 )などが挙げられ、高分子化合物としては、ポリアセチレン,ポリパラフェニレンあるいはポリチオフェンなどが挙げられる。
【0030】
セパレータ25は、正極22と負極24とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0031】
セパレータ25には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルが挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )2 )が挙げられる。リチウム塩は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極24に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極24からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極22に吸蔵される。ここでは、負極24がケイ素の相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいるので、電子伝導性が高く、この充放電が円滑に進行する。また、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく負極24の微粉化が抑制される。更に、不可逆的なリチウム化合物の生成が抑制される。
【0034】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0035】
まず、例えば、正極材料と必要に応じて導電材および結着材とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体22Aに塗布し乾燥させ圧縮成型して正極合剤層22Bを形成し、正極22を作製する。
【0036】
また、例えば、本実施の形態に係る負極材料と必要に応じて結着材とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体24Aに塗布し乾燥させ圧縮成型して負極合剤層24Bを形成し、負極24を作製する。
【0037】
そののち、例えば、負極24、電解液が含浸されたセパレータ25および正極22を積層して、負極缶23と正極缶21との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図2に示した二次電池が完成する。
【0038】
このように本実施の形態では、ケイ素の相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいるので、すなわち、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金粉末を含んでいるので、高い電子伝導性を得ることができると共に、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化を抑制することができる。また、不可逆的なリチウム化合物の生成を抑制することができる。よって、エネルギー密度を向上させることができると共に、サイクル寿命を延長することができる。
【0039】
特に、ケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比、または、ケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率を所定の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0040】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0041】
(実施例1〜14)
まず、ケイ素合金の原料粉末を混合し、この混合物10gとステンレス製ボールとをステンレス製ポットに投入したのち、ポット内部をアルゴンガス雰囲気として、遊星型ボールミルを用いたメカニカルアロイング法によりケイ素合金粉末を合成した。その際、原料粉末の配合比は、実施例1〜14で、ケイ素合金粉末における銅,アルミニウムおよびケイ素のそれぞれの含有率が表1に示した値となるように変化させた。次いで、得られたケイ素合金粉末についてアルゴンガス雰囲気下において、500℃で10時間の熱処理を行った後、更に50μmのふるいを通し、得られた粉末を負極材料とした。
【0042】
【表1】
【0043】
この負極材料について、粉末X線回折分析によりケイ素合金粉末の相の同定を行った。その結果、実施例1〜14のいずれもケイ素の相に帰属する回折ピークと、銅およびアルミニウムの金属間化合物相または固溶体相に帰属する回折ピークとが得られた。代表して実施例1〜3,6,9,12,14の回折角度2θ=10°〜90°の回折パターンを図3に示し、回折角2θ=40°〜50°の回折パターンを図4に示す。なお、図3において2θ=28.2°〜28.7°の範囲内の▽を付した回折ピークがケイ素の相に帰属し、図3および図4において、2θ=43.5°〜44.5°の範囲内の●を付した回折ピークが銅およびアルミニウムの金属間化合物相または固溶体相に帰属している。また、この負極材料について走査型イオン顕微鏡(SIM;Scanning Ion Microscope )により観察した。その結果、実施例1〜14の負極材料のいずれも、図5に示したような像が得られた。なお、図5は実施例8のケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真であり、図6に図5におけるケイ素合金粉末の断面部分をハッチングにより示す。図5に示したケイ素合金粉末の断面において、黒い部分が相11であり、白および灰色の部分が銅・アルミニウム含有相12である。
【0044】
また、実施例1〜14に対する比較例1〜3として、原料粉末の配合比を、ケイ素合金粉末における銅,アルミニウムおよびケイ素のそれぞれの含有率が表1に示した値となるように変えたことを除き、他は実施例1〜14と同様にして負極材料を作製した。この負極材料についても、実施例1〜14と同様にして粉末X線回折分析によりケイ素合金粉末の相の同定を行った。その結果、比較例1〜3のいずれもケイ素の相に帰属する回折ピークと、Cu3 Siの相に帰属する回折ピークとが得られた。代表して比較例1の回折角2θ=10°〜90°の回折パターンを図3に示し、回折角2θ=40°〜50°の回折パターンを図4に示す。なお、図3において、2θ=28.2°〜28.7°の範囲内の▽を付した回折ピークがケイ素の相に帰属し、図3および図4において、2θ=44.5°〜55.2°の範囲内の○を付した回折ピークがCu3 Siの相に帰属している。また、この負極材料について実施例1〜14と同様にしてSIMにより観察した。その結果、比較例1〜3の負極材料のいずれも、図7に示したような像が得られた。なお、図7は比較例3のケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。図7に示したケイ素合金粉末の断面において、黒い部分がケイ素の相であり、白および灰色の部分がCu3 Siの相である。
【0045】
更に、得られた実施例1〜14および比較例1〜3の負極材料を用いて図8に示したようなコイン型の試験セルを作製して充放電特性を評価し、負極材料のリチウム吸蔵・放出能力を調べた。この試験セルは、負極24を正極缶21側に配置すると共に、金属リチウム板31を負極缶23側に配置したことを除き、他は図2に示したコイン型の二次電池と同様の構成を有している。よって、図8においては、図2と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0046】
負極24は次のようにして作製した。まず、得られた負極材料45質量部と、導電材および負極活物質である鱗片状黒鉛45質量部と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの圧延銅箔よりなる負極集電体24Aの片面に塗布し90℃で乾燥させたのち、一定圧力で圧縮成型した。これを直径15mmの円形に打ち抜いた。セパレータ25には直径17mm、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、電解質塩である六フッ化リン酸リチウムを溶解させ、電解質塩の濃度を1mol/lとしたものを用いた。電解液の注入量は80μlとした。試験用セルの大きさは、直径20mm、高さ1.6mmとした。
【0047】
充放電特性は次のようにして評価した。まず、充放電装置の正極端子を正極缶21側に、負極端子を負極缶23側に接続し、室温(20℃)で試験セルの電圧が0Vに達するまで1mAの定電流で放電を行い、0Vに達した後は同電圧を保つように次第に電流を減少させながら放電を行った。そして、電流値が10μAに達した時点で放電を終了した。続いて30分の開路時間の後、1mAの定電流で充電を行い、1.5Vに達した時点で充電を終了した。なお、本評価においては、正極缶21側に配置された負極24にリチウムを吸蔵する過程、つまり本試験セルの放電過程を経て観測された容量を負極24の充電容量と呼ぶ。逆に正極缶21側に配置された負極24からリチウムが脱離する過程、つまり本試験セルの充電過程を経て観測された容量を負極24の放電容量と呼ぶ。表1に実施例1〜14および比較例1〜3の負極材料当たりの初回充電容量,初回放電容量および初回充放電効率を示す。また、図9に実施例1〜14に係るケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比A/Bと初回放電容量および初回充放電効率との関係を示し、図10に実施例1〜14に係るケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率と初回放電容量および初回充放電効率との関係を示す。
【0048】
なお、負極材料当たりの充放電容量は、負極24の充放電容量から導電材である鱗片状黒鉛の既知の充放電容量の値を差し引き、換算することにより求めた。また初回充放電効率は、負極材料当たりの初回充電容量と初回放電容量の比、(初回放電容量/初回充電容量)×100として算出した。
【0049】
表1に示したように、実施例1〜14によれば、比較例1〜3に比べて高い初回充放電効率が得られた。すなわち、相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金を含むようにすれば、つまり、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°〜44.5°の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むようにすれば、初回充放電容量および初回充放電効率を向上させることができることが分かった。よって、高エネルギー密度を得ることができると共にサイクル寿命を延長することができることが分かった。
【0050】
また、表1,図9あるいは図10に示したように、銅とアルミニウムとの質量比A/Bが2.4以上8.0以下、ケイ素の含有率が22質量%以下の実施例3〜9,11,12,14では高い初回充放電容量および初回充放電効率を得ることができた。すなわち、高い初回充放電容量および初回充放電効率を得るには、銅とアルミニウムとの質量比A/Bは2.4以上8.0以下であることが好ましく、ケイ素の含有率は22質量%以下であることが好ましいことが分かった。
【0051】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、ケイ素合金粉末が相11と銅・アルミニウム含有相12とを有する場合について説明したが、これらの相に加えて他の相を有していてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
【0053】
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0054】
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
【0055】
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、上記実施の形態および実施例では、二次電池について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による第1の負極材料および第1の電池では、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むようにしたので、また、本発明による第2の負極材料および第2の電池では、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金を含むようにしたので、高エネルギー密度を得ることができると共に、サイクル寿命を延長することができる。
【0057】
特に、ケイ素合金における銅とアルミニウムとの質量比、または、ケイ素合金におけるケイ素の含有率を所定の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るケイ素合金粉末の組織を模式的に表す断面図である。
【図2】図1に示したケイ素合金粉末を用いた二次電池の構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施例1〜3,6,9,12,14に係るケイ素合金のX線回折パターンを比較例1と共に表す特性図である。
【図4】図3に示したX線回折パターンを拡大して表す特性図である。
【図5】本発明の実施例8に係るケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。
【図6】図5に示したケイ素合金粉末の断面部分をハッチングにより表した断面図である。
【図7】比較例3に係るケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。
【図8】本発明の実施例において作製した試験セルの構成を表す断面図である。
【図9】本発明の実施例1〜14に係るケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比と、初回放電容量および初回充放電効率との関係を表す特性図である。
【図10】本発明の実施例1〜14に係るケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率と、初回放電容量および初回充放電効率との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
11…ケイ素の相、12…銅およびアルミニウムを含む相(銅・アルミニウム含有相)、21…正極缶、22…正極、22A…正極集電体、22B…正極合剤層、23…負極缶、24…負極、24A…負極集電体、24B…負極合剤層、25…セパレータ、26…ガスケット、31…金属リチウム板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素合金よりなる負極材料およびそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のポータブル電子機器の小型化に伴い、その電源として高エネルギー密度を有する二次電池の開発が要求されている。この要求に応えるべく、理論上高電圧を発生でき、かつ高エネルギー密度を有するリチウム金属を負極活物質として用いたリチウム二次電池の研究開発が活発に行われてきた。しかし、リチウム二次電池では、充電時に負極上にリチウム(Li)がデンドライト析出し、このリチウムが不活性化したり内部短絡を引き起こすことなどからサイクル寿命が短いという問題がある。
【0003】
サイクル寿命を改善する電池としては、リチウムイオン二次電池が製品化されている。その負極材料には黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料、あるいは細孔中へのリチウムの吸蔵・放出作用を応用した炭素質材料が用いられている。そのため、リチウムイオン二次電池では、リチウムがデンドライト析出せず、サイクル寿命が長いという利点を有している。しかし、黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料の理論容量は、第1ステージ黒鉛層間化合物の組成C6 Liに規定されるように、372mAh/gという上限が存在する。これに対し、ある種の低温焼成炭素質材料では1000mAh/gを越える放電容量を示すことが知られているが、対リチウム金属において0.8V以上の貴な電位で大きな容量を有するため、金属酸化物等を正極に用いて電池を構成した場合に放電電圧が低下する等の問題がある。また、炭素質材料の微小な細孔構造を制御することは工業的に困難であり、しかも細孔を多くすると炭素質材料の比重が低下してしまい、単位体積当たりの負極容量、ひいては単位体積当たりの電池容量向上の有効な手段とはなり得ない。
【0004】
このような理由から、現状の黒鉛材料あるいは炭素質材料では、今後の更なるポータブル電子機器用電源の高エネルギー密度化に対応することが困難と考えられ、よりリチウムの吸蔵・放出能力に優れた負極材料の開発が望まれている。
【0005】
こうした中で、より高容量を実現可能な負極材料として、ある種の金属もしくは半金属のうち、電気化学的かつ可逆的にリチウムと結合・解離することができる材料が広く研究されてきた。その一例として、ケイ素合金が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。ケイ素(Si)は対リチウム金属において0.5V以下の卑な電位で4000mAh/gを超える容量を有する。このような特性によりケイ素合金はリチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化に応用することが可能であると考えられる。しかし、リチウム−ケイ素合金は、充放電時にリチウムとの結合・解離がなされる際に膨張収縮し、充放電を繰り返すたびに微粉化し、電池のサイクル寿命を極めて劣化させてしまう。
【0006】
そこで、リチウムとの可逆的な結合・解離に関与しない元素を、リチウムとの可逆的な結合・解離をなし得る金属もしくは半金属と複合化もしくは化合させることによりサイクル寿命を改善する検討がされてきた。例えば、Lia SiOb (a≧0,0<b<2)(特許文献2参照)、Lic Si1−d Md Oe (c≧0,0<d<1,0<e<2)(特許文献3参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4950566号明細書
【特許文献2】
特開平6−325765号公報
【特許文献3】
特開平7−230800号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの負極材料もサイクル寿命は不十分で、高容量という利点を活かしきれていないのが実状である。しかも、これらの負極材料には初回の充放電時における不可逆容量が大きいという問題もある。例えば、実際にSiO0.5 を合成し評価を行ったところ、初回充電容量に対する不可逆容量が20%〜30%程度と大きいことが確認された。負極材料の初回充電容量に対する不可逆容量が大きい場合、充電時に正極から放出されたリチウムの一部が負極中にとどまり、放電時に正極に戻ることができなくなる。こうして電池作動時に正極中もしくは負極中に可逆的に吸蔵・放出することができるリチウムイオンの数が制限されてしまい、電池の高容量化を図るための設計をしにくくなる。
【0009】
初回の充放電時の不可逆容量が生じる要因の一つとしては、ケイ素合金の電子伝導性が低く、充電で吸蔵したリチウムを放電で放出しきれず、一部が負極材料に残留してしまうことが挙げられる。この場合、高率放電を行うと更に不可逆容量が増大すると考えられる。また、他の要因としては、ケイ素合金が充放電におけるリチウムイオンの吸蔵・放出の際に大きく体積変化することから、負極材料が微粉化し、その一部が電子伝導を確保できずに充放電不可能となることが考えられる。更に、ケイ素合金に不可逆的なリチウム化合物の生成を引き起こす相が含まれることも不可逆容量を引き起こす要因の一つに挙げられる。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高エネルギー密度を得ることができ、かつサイクル寿命が長い負極材料およびそれを用いた電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の負極材料は、ケイ素と銅(Cu)とアルミニウム(Al)とを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金よりなるものである。
【0012】
本発明による第2の負極材料は、ケイ素の相と、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金よりなるものである。
【0013】
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、ケイ素と銅とアルミニウムとを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むものである。
【0014】
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、ケイ素の相と、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金を含むものである。
【0015】
本発明による第1の負極材料および第1の電池では、ケイ素合金について粉末X線回折分析を行うと、回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるので、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相または固溶体相の少なくとも一方を有していると考えられ、また、本発明による第2の負極材料および第2の電池では、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方を有しているので、その金属間化合物相あるいは固溶体相の伝導性が高く、リチウムとの反応性が低いという特性により、高い電子伝導性が得られると共に、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化が抑制される。また、不可逆的なリチウム化合物の生成が抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る負極材料は、例えば、ケイ素と銅とアルミニウムとを構成元素として含むケイ素合金粉末により構成されている。図1は、本実施の形態に係るケイ素合金粉末の断面組織を模式的に表すものである。このケイ素合金粉末は、負極活物質として機能するものであり、ケイ素の相11と、銅およびアルミニウムを含む相(以下、銅・アルミニウム含有相12と言う)とを有している。ケイ素の相11は、銅・アルミニウム含有相12の中に分散して存在している。銅・アルミニウム含有相12は、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相あるいは固溶体相のいずれか一方、またはその両方により構成されており、電子伝導性が高く、かつリチウムとの反応性が低いという特性を有している。
【0018】
このようにケイ素の相11を銅・アルミニウム含有相12で囲むことにより、このケイ素合金粉末は、高い電子伝導性を得ることができると共に、リチウムイオンなどの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化を抑制することができるようになっている。また、リチウムとの反応性が低い銅・アルミニウム含有相12を用いることにより、不可逆的なリチウム化合物の生成を抑制することができるようになっている。
【0019】
なお、このケイ素合金粉末について粉末X線回折分析を行うと、回折角度2θが28.2°以上28.7°以下の範囲内にケイ素の相11に帰属する回折ピークが得られ、回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に銅・アルミニウム含有相12に帰属する回折ピークが得られる。銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相としては、例えば、α2 相(AlCu4 )、γ1 相(Al4 Cu9 )、δ相(Al2 Cu3 )、ξ2 相(Al11Cu9 )、η2 相(AlC)が挙げられる。
【0020】
このケイ素合金粉末における銅およびアルミニウムの含有率は、銅の含有率をA質量%、アルミニウムの含有率をB質量%とすると、A/Bが2.4以上であることが好ましい。また、8.0以下であることが好ましく、7.0以下であればより好ましい。この範囲内においてより高い充放電効率が得られるからである。
【0021】
また、このケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率は22質量%以下であることが好ましい。より高い充放電効率が得られるからである。また、このケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率は9.9質量%以上であることが好ましい。より高い充放電容量が得られるからである。
【0022】
このケイ素合金粉末は、また、ケイ素,銅およびアルミニウム以外の他の元素を含んでいてもよい。但し、不可逆容量を引き起こさないような状態で含んでいることが好ましい。他の元素としては、例えば、銅を除くチタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),亜鉛(Zn),ジルコニウム(Zr),モリブデン(Mo)あるいはタングステン(W)などの長周期型周期表における3〜12族の元素、マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)あるいはバリウム(Ba)などの長周期型周期表における2族の元素、アルミニウムを除くホウ素(B)あるいはインジウム(In)などの長周期型周期表における13族の元素、ケイ素を除く炭素(C),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn)あるいは鉛(Pb)などの長周期型周期表における14族の元素が挙げられるが、これらに限られるものではない。
【0023】
このケイ素合金粉末の合成方法は限定されないが、メカニカルアロイング法,単ロール法,双ロール法,ガスアトマイズ法,水アトマイズ法,回転電極法あるいは遠心鋳造法等が挙げられ、これらの合成法のいくつかを組み合わせてもよい。
【0024】
このような負極材料は例えば次のようにして電池に用いられる。
【0025】
図2は、本実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、正極缶21内に収容された円板状の正極22と負極缶23内に収容された円板状の負極24とが、セパレータ25を介して積層されたものである。正極缶21および負極缶23の周縁部は絶縁性のガスケット26を介してかしめることにより密閉されている。正極缶21および負極缶23は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。
【0026】
正極22は、例えば、正極集電体22Aと、正極集電体22Aに設けられた正極合剤層22Bとを有している。正極集電体22Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層22Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材および結着材を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 O5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム複合酸化物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。
【0027】
中でも、リチウム複合酸化物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、化学式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるものが挙げられる。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、特にコバルト,ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。化学式Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNiz Co1−z O2 (0<z<1))、あるいはリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 O4 )などが挙げられる。
【0028】
負極24は、例えば、負極集電体24Aと、負極集電体24Aに設けられた負極合剤層24Bとを有している。負極集電体24Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0029】
負極合剤層24Bは、例えば、本実施の形態に係る負極材料を含み、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着材と共に構成されている。また、本実施の形態に係る負極材料に加えて他の負極活物質、または導電材などの他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素質材料,金属酸化物あるいは高分子化合物などが挙げられる。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては酸化スズ(SnO2 )などが挙げられ、高分子化合物としては、ポリアセチレン,ポリパラフェニレンあるいはポリチオフェンなどが挙げられる。
【0030】
セパレータ25は、正極22と負極24とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0031】
セパレータ25には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、溶媒に溶解された電解質塩であるリチウム塩とを含んでいる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルが挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )2 )が挙げられる。リチウム塩は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極24に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極24からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極22に吸蔵される。ここでは、負極24がケイ素の相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいるので、電子伝導性が高く、この充放電が円滑に進行する。また、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく負極24の微粉化が抑制される。更に、不可逆的なリチウム化合物の生成が抑制される。
【0034】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0035】
まず、例えば、正極材料と必要に応じて導電材および結着材とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体22Aに塗布し乾燥させ圧縮成型して正極合剤層22Bを形成し、正極22を作製する。
【0036】
また、例えば、本実施の形態に係る負極材料と必要に応じて結着材とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体24Aに塗布し乾燥させ圧縮成型して負極合剤層24Bを形成し、負極24を作製する。
【0037】
そののち、例えば、負極24、電解液が含浸されたセパレータ25および正極22を積層して、負極缶23と正極缶21との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図2に示した二次電池が完成する。
【0038】
このように本実施の形態では、ケイ素の相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金粉末を含んでいるので、すなわち、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金粉末を含んでいるので、高い電子伝導性を得ることができると共に、リチウムイオンの吸蔵・放出による体積変化に基づく微粉化を抑制することができる。また、不可逆的なリチウム化合物の生成を抑制することができる。よって、エネルギー密度を向上させることができると共に、サイクル寿命を延長することができる。
【0039】
特に、ケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比、または、ケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率を所定の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0040】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0041】
(実施例1〜14)
まず、ケイ素合金の原料粉末を混合し、この混合物10gとステンレス製ボールとをステンレス製ポットに投入したのち、ポット内部をアルゴンガス雰囲気として、遊星型ボールミルを用いたメカニカルアロイング法によりケイ素合金粉末を合成した。その際、原料粉末の配合比は、実施例1〜14で、ケイ素合金粉末における銅,アルミニウムおよびケイ素のそれぞれの含有率が表1に示した値となるように変化させた。次いで、得られたケイ素合金粉末についてアルゴンガス雰囲気下において、500℃で10時間の熱処理を行った後、更に50μmのふるいを通し、得られた粉末を負極材料とした。
【0042】
【表1】
【0043】
この負極材料について、粉末X線回折分析によりケイ素合金粉末の相の同定を行った。その結果、実施例1〜14のいずれもケイ素の相に帰属する回折ピークと、銅およびアルミニウムの金属間化合物相または固溶体相に帰属する回折ピークとが得られた。代表して実施例1〜3,6,9,12,14の回折角度2θ=10°〜90°の回折パターンを図3に示し、回折角2θ=40°〜50°の回折パターンを図4に示す。なお、図3において2θ=28.2°〜28.7°の範囲内の▽を付した回折ピークがケイ素の相に帰属し、図3および図4において、2θ=43.5°〜44.5°の範囲内の●を付した回折ピークが銅およびアルミニウムの金属間化合物相または固溶体相に帰属している。また、この負極材料について走査型イオン顕微鏡(SIM;Scanning Ion Microscope )により観察した。その結果、実施例1〜14の負極材料のいずれも、図5に示したような像が得られた。なお、図5は実施例8のケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真であり、図6に図5におけるケイ素合金粉末の断面部分をハッチングにより示す。図5に示したケイ素合金粉末の断面において、黒い部分が相11であり、白および灰色の部分が銅・アルミニウム含有相12である。
【0044】
また、実施例1〜14に対する比較例1〜3として、原料粉末の配合比を、ケイ素合金粉末における銅,アルミニウムおよびケイ素のそれぞれの含有率が表1に示した値となるように変えたことを除き、他は実施例1〜14と同様にして負極材料を作製した。この負極材料についても、実施例1〜14と同様にして粉末X線回折分析によりケイ素合金粉末の相の同定を行った。その結果、比較例1〜3のいずれもケイ素の相に帰属する回折ピークと、Cu3 Siの相に帰属する回折ピークとが得られた。代表して比較例1の回折角2θ=10°〜90°の回折パターンを図3に示し、回折角2θ=40°〜50°の回折パターンを図4に示す。なお、図3において、2θ=28.2°〜28.7°の範囲内の▽を付した回折ピークがケイ素の相に帰属し、図3および図4において、2θ=44.5°〜55.2°の範囲内の○を付した回折ピークがCu3 Siの相に帰属している。また、この負極材料について実施例1〜14と同様にしてSIMにより観察した。その結果、比較例1〜3の負極材料のいずれも、図7に示したような像が得られた。なお、図7は比較例3のケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。図7に示したケイ素合金粉末の断面において、黒い部分がケイ素の相であり、白および灰色の部分がCu3 Siの相である。
【0045】
更に、得られた実施例1〜14および比較例1〜3の負極材料を用いて図8に示したようなコイン型の試験セルを作製して充放電特性を評価し、負極材料のリチウム吸蔵・放出能力を調べた。この試験セルは、負極24を正極缶21側に配置すると共に、金属リチウム板31を負極缶23側に配置したことを除き、他は図2に示したコイン型の二次電池と同様の構成を有している。よって、図8においては、図2と同一の構成要素には同一の符号を付している。
【0046】
負極24は次のようにして作製した。まず、得られた負極材料45質量部と、導電材および負極活物質である鱗片状黒鉛45質量部と、結着材であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの圧延銅箔よりなる負極集電体24Aの片面に塗布し90℃で乾燥させたのち、一定圧力で圧縮成型した。これを直径15mmの円形に打ち抜いた。セパレータ25には直径17mm、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、電解質塩である六フッ化リン酸リチウムを溶解させ、電解質塩の濃度を1mol/lとしたものを用いた。電解液の注入量は80μlとした。試験用セルの大きさは、直径20mm、高さ1.6mmとした。
【0047】
充放電特性は次のようにして評価した。まず、充放電装置の正極端子を正極缶21側に、負極端子を負極缶23側に接続し、室温(20℃)で試験セルの電圧が0Vに達するまで1mAの定電流で放電を行い、0Vに達した後は同電圧を保つように次第に電流を減少させながら放電を行った。そして、電流値が10μAに達した時点で放電を終了した。続いて30分の開路時間の後、1mAの定電流で充電を行い、1.5Vに達した時点で充電を終了した。なお、本評価においては、正極缶21側に配置された負極24にリチウムを吸蔵する過程、つまり本試験セルの放電過程を経て観測された容量を負極24の充電容量と呼ぶ。逆に正極缶21側に配置された負極24からリチウムが脱離する過程、つまり本試験セルの充電過程を経て観測された容量を負極24の放電容量と呼ぶ。表1に実施例1〜14および比較例1〜3の負極材料当たりの初回充電容量,初回放電容量および初回充放電効率を示す。また、図9に実施例1〜14に係るケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比A/Bと初回放電容量および初回充放電効率との関係を示し、図10に実施例1〜14に係るケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率と初回放電容量および初回充放電効率との関係を示す。
【0048】
なお、負極材料当たりの充放電容量は、負極24の充放電容量から導電材である鱗片状黒鉛の既知の充放電容量の値を差し引き、換算することにより求めた。また初回充放電効率は、負極材料当たりの初回充電容量と初回放電容量の比、(初回放電容量/初回充電容量)×100として算出した。
【0049】
表1に示したように、実施例1〜14によれば、比較例1〜3に比べて高い初回充放電効率が得られた。すなわち、相11と銅・アルミニウム含有相12とを有するケイ素合金を含むようにすれば、つまり、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°〜44.5°の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むようにすれば、初回充放電容量および初回充放電効率を向上させることができることが分かった。よって、高エネルギー密度を得ることができると共にサイクル寿命を延長することができることが分かった。
【0050】
また、表1,図9あるいは図10に示したように、銅とアルミニウムとの質量比A/Bが2.4以上8.0以下、ケイ素の含有率が22質量%以下の実施例3〜9,11,12,14では高い初回充放電容量および初回充放電効率を得ることができた。すなわち、高い初回充放電容量および初回充放電効率を得るには、銅とアルミニウムとの質量比A/Bは2.4以上8.0以下であることが好ましく、ケイ素の含有率は22質量%以下であることが好ましいことが分かった。
【0051】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、ケイ素合金粉末が相11と銅・アルミニウム含有相12とを有する場合について説明したが、これらの相に加えて他の相を有していてもよい。
【0052】
また、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
【0053】
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0054】
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
【0055】
更に、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、上記実施の形態および実施例では、二次電池について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による第1の負極材料および第1の電池では、粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むようにしたので、また、本発明による第2の負極材料および第2の電池では、銅およびアルミニウムを構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金を含むようにしたので、高エネルギー密度を得ることができると共に、サイクル寿命を延長することができる。
【0057】
特に、ケイ素合金における銅とアルミニウムとの質量比、または、ケイ素合金におけるケイ素の含有率を所定の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るケイ素合金粉末の組織を模式的に表す断面図である。
【図2】図1に示したケイ素合金粉末を用いた二次電池の構成を表す断面図である。
【図3】本発明の実施例1〜3,6,9,12,14に係るケイ素合金のX線回折パターンを比較例1と共に表す特性図である。
【図4】図3に示したX線回折パターンを拡大して表す特性図である。
【図5】本発明の実施例8に係るケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。
【図6】図5に示したケイ素合金粉末の断面部分をハッチングにより表した断面図である。
【図7】比較例3に係るケイ素合金粉末の断面組織を表すSIM写真である。
【図8】本発明の実施例において作製した試験セルの構成を表す断面図である。
【図9】本発明の実施例1〜14に係るケイ素合金粉末における銅とアルミニウムとの質量比と、初回放電容量および初回充放電効率との関係を表す特性図である。
【図10】本発明の実施例1〜14に係るケイ素合金粉末におけるケイ素の含有率と、初回放電容量および初回充放電効率との関係を表す特性図である。
【符号の説明】
11…ケイ素の相、12…銅およびアルミニウムを含む相(銅・アルミニウム含有相)、21…正極缶、22…正極、22A…正極集電体、22B…正極合剤層、23…負極缶、24…負極、24A…負極集電体、24B…負極合剤層、25…セパレータ、26…ガスケット、31…金属リチウム板。
Claims (8)
- ケイ素(Si)と銅(Cu)とアルミニウム(Al)とを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金よりなることを特徴とする負極材料。
- ケイ素(Si)の相と、銅(Cu)およびアルミニウム(Al)を構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金よりなることを特徴とする負極材料。
- 前記ケイ素合金における銅の含有率をA質量%、アルミニウムの含有率をB質量%とすると、A/Bが2.4以上8.0以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負極材料。
- 前記ケイ素合金におけるケイ素の含有率は、22質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の負極材料。
- 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記負極は、ケイ素(Si)と銅(Cu)とアルミニウム(Al)とを構成元素として含み、かつ粉末X線回折により回折角度2θが43.5°以上44.5°以下の範囲内に回折ピークが得られるケイ素合金を含むことを特徴とする電池。 - 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記負極は、ケイ素(Si)の相と、銅(Cu)およびアルミニウム(Al)を構成元素として含む金属間化合物相および固溶体相の少なくとも一方とを有するケイ素合金を含むことを特徴とする電池。 - 前記ケイ素合金における銅の含有率をA質量%、アルミニウムの含有率をB質量%とすると、A/Bが2.4以上8.0以下であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電池。
- 前記ケイ素合金におけるケイ素の含有率は、22質量%以下であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電池。
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