JP2005010035A - 車両用ナビゲーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車内状況に応じてユーザが必要とする目的地情報を簡単かつ迅速に検索する車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】電子地図を表示画面に表示し、その電子地図上で車両の現在位置を車両の進行方向とともに指示する車両用ナビゲーション装置において、
乗員検知センサ等のセンサ類によって乗車人数あるいは乗員の嗜好を含む車内の状況を検出し、検出された車内の状況を基に目的地を検索するための検索条件を生成し、その検索条件に基づいて目的地の検索を行なうことを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】電子地図を表示画面に表示し、その電子地図上で車両の現在位置を車両の進行方向とともに指示する車両用ナビゲーション装置において、
乗員検知センサ等のセンサ類によって乗車人数あるいは乗員の嗜好を含む車内の状況を検出し、検出された車内の状況を基に目的地を検索するための検索条件を生成し、その検索条件に基づいて目的地の検索を行なうことを特徴とする車両用ナビゲーション装置として提供可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的地を設定し目的地までの経路案内を行なう車両用ナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
しかしながら、この車両用ナビゲーション装置の技術において、利用者(運転者)は、施設の名称および位置を、ある程度把握することが可能であったが、その施設が開いているかどうか、あるいは、駐車場の有無など、施設の営業状況までは知ることができなかった。その結果、施設まで到達できたものの、施設が営業していなかったり、車両を駐車することができない場合があるという問題点があった。この問題を解決するために、利用者が道路の周辺に位置する所望の施設の営業状況を、適切に把握することが可能な車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
一般的に、現在地若しくは任意の地点周辺にある施設の検索は、ユーザに一つの施設のジャンルを選択させ、そのジャンルの中で絞り込んで行くことによって行なうので、そのジャンルに含まれる施設のみがリストアップされるだけだった。従って、複数のジャンルに亘って検索を行ないたい場合には、個々のジャンルについて、それぞれ同様の操作手順を繰り返すことにより、別々に検索しなければならないという問題があった。この問題を解決するために、地図上の特定位置に近い施設を、簡単な操作で複数のジャンルの施設に亘って短時間に検索し、表示させることができる車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、目的地の設定は、車両用ナビゲーション装置に備えられた操作ボタンやリモコン等を利用者が画面表示を見ながら操作して行なう。車両用ナビゲーション装置の操作ボタンやリモコンのキー数には限度があるため、こうした目的地の名称等を入力する方法が煩雑にならざるを得ない。また、一度に画面上に表示できる情報も限られるため、操作時に画面の切換を伴うことが多い。このため、操作の手間を嫌い、経路設定を行なわないまま目的地に向かうことがしばしばある。このように目的地を設定しない場合には、目的地を設定して経路案内を行っている場合に表示されるような案内経路沿線の地名や渋滞・事故等の各種の情報を表示することができないので、利用者は十分な情報を得られないといった問題があった。この問題を解決するために、目的地が設定されていない場合であっても、利用者にとって有益と予測される情報を与えることが可能な車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−47980号公報
【特許文献2】
特開2002−340596号公報
【特許文献3】
特開2003−57049号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の例では、車両用ナビゲーション装置は、ユーザの設定した検索条件に従い検索した目的地に対して、営業状況や駐車場の有無の情報を表示するが、表示される内容はユーザの入力した検索条件に依存する。よって、検索結果の精度を上げるには、ユーザがさらに検索条件を追加して検索結果を絞り込む必要がある。逆に言えば、漠然とした検索条件では所望の目的地を検索することができないということである。さらに、絞り込み検索の回数が増えることは、ユーザの操作負荷が増大することになるとともに、検索に要する時間も増大する。
【0008】
また、特許文献2の例では、現在地若しくは任意の地点周辺にある施設の検索を施設のジャンルに関係なく簡単な操作で行なうことができるが、特許文献1と同様に検索条件の絞り込みはユーザが行なう必要がある。また、ユーザが検索したいジャンル以外の施設も検索結果として表示されるため、ユーザが煩わしさやもどかしさを感じることも有り得る。
【0009】
例えば、コンビニエンスストア(以下、コンビニと略称する)を検索した場合、コンビニによって品揃えが異なるため、所望の商品を入手することができるかどうかは、そのコンビニに立ち寄ってみないと分からない。特に、煙草類・酒類は取り扱っていない店がある。また、飲食店についても、検索の対象をファミリーレストランとして絞り込むことは可能であるが、駐車場の有無や店の規模あるいは提供される食事の種類で絞り込んで検索することはできない。2人で食事をする場合と一家総出でミニバンに8名乗車して食事に行く場合では自ずと検索条件は異なる。
【0010】
さらに、特許文献3の例では、目的地が設定されていない場合でも、目的地が設定されている場合と同等の情報提供を行なうことを目的としているが、その情報がユーザの必要としているものとは限らない。
【0011】
上記事情を背景とし、本発明の課題は、乗員構成等の車内状況に応じてユーザが必要とする目的地情報を簡単かつ迅速に検索する車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置を提供することにある。即ち、
電子地図を表示画面に表示し、その電子地図上で車両の現在地を指示するとともに、設定された目的地への推奨ルートを電子地図上で示して、該車両を目的地まで誘導する車両用ナビゲーション装置において、
乗車人数あるいは乗員の嗜好を含む車内の状況を検出する車内状況検出手段と、
その車内状況検出手段により検出された車内の状況を基に目的地を検索するための検索条件を生成する検索条件生成手段と、
その検索条件生成手段より生成された検索条件を記憶する検索条件記憶手段と、
目的地に関する情報を記憶する目的地情報記憶手段と、
検索条件記憶手段に記憶されている検索条件に基づいて、目的地情報記憶手段から目的地の検索を行なう目的地検索手段と、
を含むことを特徴とする車両用ナビゲーション装置として構成される。
【0013】
上記構成によって、検索条件は車両用ナビゲーション装置が抽出するので、ユーザが検索条件を絞り込んで所望の目的地が見つかるまで検索操作を繰り返すことがなくなり、目的地検索に要する時間が短縮されるとともにユーザの操作負荷も軽減される。
【0014】
また、車内状況検出手段は、
車内を撮影し乗員の着座の有無を検出する画像カメラ,座席に取り付けられ乗員の着座の有無を検出する圧力センサ,乗員の体温を検知して乗員の着座の有無を検出する温度センサ,乗員の音声を認識する音声センサ,および乗員の嗜好を検出するものとしての喫煙の有無を検出する煙センサから選ばれた1種または2種以上の組合せからなる検出器とを備え、その検出器からの出力信号に基づいて前記車内の状況を検出するものとして構成される。
【0015】
上記構成によって、車内の状況は上述した検出器により検出され、その結果が自動的に検索条件に変換されるので、ユーザは車内状況を設定するための特殊な操作あるいは動作をすることはなく、通常の運転操作あるいは車両用ナビゲーション装置の操作をすればよい。このため、ユーザの操作負荷は全く増加しない。よって、車両用ナビゲーション装置に精通していないユーザでも本構成の恩恵に浴することができる。
【0016】
さらに、乗員の着座の有無を検出するための各種センサは、既に殆どの車両に取り付けられているSRS(Supplemental Restraint System:補助拘束装置)エアバッグシステムの一部として設置が提案あるいは実用化されているのもので、それらのセンサを流用すれば、本発明を実施するためのコスト上昇要因は、各センサから車両用ナビゲーション装置への配線ケーブル分程度で済ませることができる。また、音声センサは一部の車両用ナビゲーション装置に音声入力機能として含まれているので、車両用ナビゲーション装置の音声認識部および制御ソフトウェアの改造によって本発明を実施することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例としての車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。本ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行なうスピーカ15,外部メモリ9,表示装置10,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12,車両状況を検出するためのセンサ部17,およびデータベース18を備えている。
【0018】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,ジャイロスコープ3,距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0019】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVD,ハードディスクドライブ(以降、HDDと称する)を用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【0020】
操作スイッチ群7は、例えば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置10の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。これら操作スイッチ群7およびリモコン端末12によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0021】
表示装置10はカラー液晶表示器により構成されており、表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。
【0022】
送受信機13は、外部、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System)センタ14などから提供される情報を受信し、また外部へ情報を送信するための装置である。この送受信機13を介して外部から受け取った情報は、制御回路8において処理する。また、送受信機13として利用される機器としては、移動体通信機器である自動車電話機や携帯電話機などを用いてもよい。
【0023】
また、ETC(自動料金収受システム,ETC:Electronic Toll Collection)車載器16と通信することにより、ETC車載器16がETC路上器から受信した、料金情報などを本ナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器16によって外部ネットワークと接続することも可能である。
【0024】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,I/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM81は、プログラム格納領域82aとデータ記憶領域82bとを有している。プログラム格納領域82aにはナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)82pが格納される。データ記憶領域82bにはナビプログラム82pの動作に必要なデータが格納されている。また、ナビプログラム82pは、RAM83上にてナビプログラム用ワークメモリ83wを作業領域とする形で作動する。なお、地図データ入力器6にHDDを用いる場合は、ROM82およびRAM83の機能をHDDによって実施してもよい。
【0025】
さらに、外部メモリ9には、本ナビゲーション装置の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、外部メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(即ち、ナビゲーション装置100がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【0026】
このような構成を持つことにより、本ナビゲーション装置は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム82pが起動されると、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12を操作して、表示装置10上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。即ち、運転者が表示装置10上の地図に基づいて目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在地が求められ、現在地から目的地までの最適な経路を求める処理が行われる。そして、表示装置10上の道路地図に誘導経路を重ねて表示し、運転者に適切な経路を案内する。また、スピーカ15によって、操作時の音声ガイダンスや動作状態に応じたメッセージの送出を行なう。
【0027】
図2はセンサ部17の詳細を示したものである。センサ部17は、撮像装置21,温度センサ22,音声認識部23,煙感知器24,および座席センサ部25を含む構成となっている。以下、センサ部17の各構成要素について説明する。
【0028】
撮像装置21は撮影した画像データから乗車者の有無を判定するもので、CCDカメラを用いる。CCDカメラは、車室内の全座席の状況を撮影可能なように設置する必要がある。例えば車室天井の略中央に、超広角あるいは魚眼レンズを備えるCCDカメラを設けるとよい。撮影した画像は制御回路8へ送られる。
【0029】
画像データが読み込まれた制御回路8では、ナビプログラム82pに含まれるエッジ検出プログラムが作動され、画像データの画像情報に基づいてエッジが検出される。このエッジは画素濃度が急激に変化する点の軌跡を抽出したものであり、光照射部と影部との境界や物体の輪郭等の背景と濃度差のある部分がエッジとして検出される。したがって、シートの縫い目および座面と背もたれ部との間の境界に対応する基準線並びに乗員やチャイルドシートの輪郭等がエッジとして検出される。
【0030】
エッジが検出されると、制御回路8では、ナビプログラム82pに含まれる基準線検出処理が作動され、画像データ内における基準線が検出される。すなわち、画像データ内のエッジのうち、シートの縫い目および座面と背もたれ部との間の境界に対応するエッジを基準線として検出する。また、この検出結果は、ナビプログラム82pに含まれる基準線判定処理に転送され、乗員の存否及び着座状態が検知される。即ち、乗員が着座していれば、基準線検出処理により検出される基準線は、不連続であったり全く検出できなかったりする。その基準線の検出状況に基づいて乗員の存否及び着座状態が検知される。
【0031】
温度センサ22として、赤外線が照射されて温度が上昇すると、電荷量が変化する特性をもつ焦電体を用いた周知の焦電型赤外線センサを使用する。この場合に、センサを運転手席および助手席に指向させ、さらに、後席に2名の着座が可能であれば、それぞれの部位にセンサを指向させる必要がある。そのため、焦電型赤外線センサを所望の方向へ指向させるための指向手段とともに、例えば車室天井の略中央に設けるとよい。また、サーモトレーサーのような、物体に照射された赤外線の反射状態から物体の表面温度を測定する機器を用いてもよい。
【0032】
温度センサ22は、座席に乗員が座っていない場合にはオフ信号を、座席に乗員が座るとオン信号を制御回路8に情報を送る。制御回路8は、温度センサ22から受けた情報を基に該座席の乗員の有無を判断する。
【0033】
続いて、音声認識部23について説明する。図3は、図2に示す音声認識部23の内部構成を示すブロック図である。音声認識部23は、マイク30,特徴抽出部31,データ記憶部32,人物特定部33,会話判別部34,およびデータ生成部35で構成される。
【0034】
音声は、マイク30から音声信号を適切なレベルに増幅する増幅器(図示せず)と、増幅後の音声信号をアナログ/ディジタル(A/D)変換するA/D変換器(図示せず)を経て特徴抽出部31に入力される。特徴抽出部31は、入力音声の特徴を抽出して人物特定部33ならびに会話判別部34へ供給する。データ記憶部32には、乗員の特徴データが登録されている。人物特定部33では、特徴抽出部31を介し特徴が抽出された入力音声と、データ記憶部32に登録されてある乗員の特徴データとを照合することによって人物を特定する。なお、新規の人物の場合には、その特徴データをデータ記憶部32に登録する。データ記憶部32は、その記憶領域をデータベース18に確保してもよい。
【0035】
会話判別部34は、会話内容を判別してデータ化するブロックであり、図示せぬ単語辞書を参照し、例えば周知の複合類似度法によって音声認識を行ない、その結果をデータ生成部35へ供給する。データ生成部35では、人物特定部33と会話判別部34により生成される人物特定データと会話内容データに基づき、どの乗員がどのような会話をしたかのデータを編集して作成する。作成されたデータは、会話が行なわれた日時とともにデータ記憶部32に記憶される。なお、人物特定部33は、例えば周波数解析器からなり、性別および年代層を特定できるものとする。
【0036】
音声認識部23から制御回路8へは、性別および年代層などの特定された人物データが送られる。そして、この人物データの数から乗車人員を判定する。
【0037】
なお、本実施例では、音声認識処理については周知の方法を用いているので、その説明を省略する。主な音声認識処理方法としては、周波数解析の他に隠れマルコフモデル(HMM:Hidden Markov Models),差異解析,線型代数技術,スペクトル歪を利用する方法や時間歪曲法などがある。
【0038】
図2に戻り、喫煙者が乗車しているかどうかを判定する場合には、煙草の煙を感知するための煙感知器24を設置する。設置場所は、車室の天井のルームランプ付近あるいは車内空調装置の換気口付近などの、煙草の煙が滞留し易い場所あるいは煙草の煙の通り易い場所に設置することが望ましい。
【0039】
煙を感知する方式は、内蔵した微弱な放射線源により検出部内の空気をイオン化し、これにより発生させた微小電流が煙粒子の流入により変化することを捉えるイオン化式と、検出部内の煙粒子にLED光が照射された際に生じる散乱光を受光素子により捉える光電式があるが、放射線源を持たないという安全性の利点から光電式が主として用いられており、本実施例でも光電式を用いる。煙感知器24は煙草の煙の有(オン状態)無(オフ状態)を検知して、その情報を制御回路8に送る。
【0040】
煙感知器24からのデータを受けた制御回路8では、このデータを一定周期で監視し、煙草の煙を検知した状態(オン状態)が所定の時間継続した場合に喫煙者が乗車していると判断する。
【0041】
さらに、乗員の着座状態を検出するために、各座席には座席センサ部25が設けられている。図4のように、座席センサ部25は、座席にマトリックス状に配置された圧力センサ26A〜26Xおよび増幅器27(図2)により構成される。圧力センサ26A〜26Xは印加される圧力を電圧に変換し、増幅器27はこれら圧力センサ26A〜26Xからの出力信号を増幅して制御回路8に出力する。制御回路8は、増幅器27を介して得られる圧力センサ26A〜26Xの出力信号をアナログ/ディジタル変換処理して取り込む。制御回路8は、ナビプログラム82pに含まれる圧力検出処理の実行により、これら圧力センサ26A〜26Xの圧力を検出結果より、乗員の存否を判定する。なお、増幅器は、座席毎に取り付けてもよいし、全座席で共用してもよい。
【0042】
乗員が座席に座ると、乗員の体重により座席の座面および背もたれ部に配された圧力センサ26A〜26Xの検出する圧力値が変化する。この変化量あるいは変化率から乗員の存否を判断できる。また、圧力が変化したセンサの位置あるいは圧力の変化量から体格すなわち大人か子供の判別も可能となる。
【0043】
制御回路8では、センサ部17により検出された情報を基に、乗員の数,性別,概略年代層,喫煙者の乗車の有無などのデータを総合し、車内状況を決定して、検索条件を生成するためにデータベース18に記憶する。また、音声認識部23のデータ記憶部32から会話データを取り込み、予めデータベース18に登録されている目的地あるいは施設などの経路案内に関連する語句を抽出して、検索条件としてデータベース18に記憶することもできる。
【0044】
以下、図5のフロー図を用いて、制御回路8のナビプログラム82pによって行なわれる、データベース18への検索条件の登録処理について説明する。まず、センサ部17により車内の状況を取得する(S1)。制御回路8において、今回取得した状況と前回取得した車内状況を比較して、今回の車内状況と前回の車内状況がと異なる場合(S2:YES)、今回取得した車内状況から検索条件を抽出して、データベース18に記憶されている検索条件(図6参照)と比較する(S3)。この際、比較結果が異なっていれば(S4:YES)、データベース18に記憶されている検索条件を更新し(S5)、更新された検索条件に基づいて設定されている目的地に関する検索を再度行なう(S6)。
【0045】
本発明を用いた目的地検索の例を、飲食店を検索する場合を例に挙げて説明する。通常の目的地検索で飲食店を検索すると、地図データに記憶されている全ての飲食店が検索の対象となる。この場合、ユーザは自分の好みや乗車人員等の車内の状況を考慮に入れて再検索を行なうか、検索されたリストから所望の飲食店を選ぶ必要がある。一方、本発明では、飲食店検索を行なう場合、検索条件に「飲食店」の他にデータベース18に登録されている検索条件を追加して検索が行なわれる。図6の例では、「乗車人員3名,大人男女各1名,子供(男)1名,非喫煙」という車内条件の他に、車両で移動していることから「駐車場有」という条件が追加されて飲食店の検索が行なわれる。検索された結果は、表示装置10に飲食店名の一覧形式で表示されたり、地図上に該当する飲食店が他の飲食店とは異なる色で表示される。
【0046】
本発明の検索条件を用いない通常の目的地検索を行なうことも可能である。また、最初は通常の目的地検索を行ない、続いて目的地を絞り込むときにデータベース18に登録されている検索条件を用いて検索を行なうことも可能である。さらに、音声認識部23により取り込まれた会話データから、予めデータベース18に登録されている目的地あるいは施設などの経路案内に関連する語句を抽出して、これらを検索条件とすることもできる。この場合、どの方法で目的地検索を行なうかはナビゲーション装置に設定できるようにすればよい。なお、設定操作は、操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12を操作して、表示装置10にナビゲーション装置の各種の機能を設定するための機能設定画面を表示させ、表示画面から該機能を選択することにより行ない、設定された内容は外部メモリ9に記憶される。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】センサ部の構成を示すブロック図。
【図3】音声認識部の構成を示すブロック図。
【図4】座席の圧力検知部について説明するための図。
【図5】データベースを用いて目的地を検索する方法について説明するためのフロー図。
【図6】データベースの一例を示す図。
【符号の説明】
7 操作スイッチ群
8 制御回路
9 外部メモリ
10 表示装置
11 リモコンセンサ
12 リモコン端末
17 センサ部
18 データベース
21 撮像装置
22 温度センサ
23 音声認識部
24 煙感知器
25 座席センサ部
100 ナビゲーション装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的地を設定し目的地までの経路案内を行なう車両用ナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
しかしながら、この車両用ナビゲーション装置の技術において、利用者(運転者)は、施設の名称および位置を、ある程度把握することが可能であったが、その施設が開いているかどうか、あるいは、駐車場の有無など、施設の営業状況までは知ることができなかった。その結果、施設まで到達できたものの、施設が営業していなかったり、車両を駐車することができない場合があるという問題点があった。この問題を解決するために、利用者が道路の周辺に位置する所望の施設の営業状況を、適切に把握することが可能な車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
一般的に、現在地若しくは任意の地点周辺にある施設の検索は、ユーザに一つの施設のジャンルを選択させ、そのジャンルの中で絞り込んで行くことによって行なうので、そのジャンルに含まれる施設のみがリストアップされるだけだった。従って、複数のジャンルに亘って検索を行ないたい場合には、個々のジャンルについて、それぞれ同様の操作手順を繰り返すことにより、別々に検索しなければならないという問題があった。この問題を解決するために、地図上の特定位置に近い施設を、簡単な操作で複数のジャンルの施設に亘って短時間に検索し、表示させることができる車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
また、目的地の設定は、車両用ナビゲーション装置に備えられた操作ボタンやリモコン等を利用者が画面表示を見ながら操作して行なう。車両用ナビゲーション装置の操作ボタンやリモコンのキー数には限度があるため、こうした目的地の名称等を入力する方法が煩雑にならざるを得ない。また、一度に画面上に表示できる情報も限られるため、操作時に画面の切換を伴うことが多い。このため、操作の手間を嫌い、経路設定を行なわないまま目的地に向かうことがしばしばある。このように目的地を設定しない場合には、目的地を設定して経路案内を行っている場合に表示されるような案内経路沿線の地名や渋滞・事故等の各種の情報を表示することができないので、利用者は十分な情報を得られないといった問題があった。この問題を解決するために、目的地が設定されていない場合であっても、利用者にとって有益と予測される情報を与えることが可能な車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−47980号公報
【特許文献2】
特開2002−340596号公報
【特許文献3】
特開2003−57049号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の例では、車両用ナビゲーション装置は、ユーザの設定した検索条件に従い検索した目的地に対して、営業状況や駐車場の有無の情報を表示するが、表示される内容はユーザの入力した検索条件に依存する。よって、検索結果の精度を上げるには、ユーザがさらに検索条件を追加して検索結果を絞り込む必要がある。逆に言えば、漠然とした検索条件では所望の目的地を検索することができないということである。さらに、絞り込み検索の回数が増えることは、ユーザの操作負荷が増大することになるとともに、検索に要する時間も増大する。
【0008】
また、特許文献2の例では、現在地若しくは任意の地点周辺にある施設の検索を施設のジャンルに関係なく簡単な操作で行なうことができるが、特許文献1と同様に検索条件の絞り込みはユーザが行なう必要がある。また、ユーザが検索したいジャンル以外の施設も検索結果として表示されるため、ユーザが煩わしさやもどかしさを感じることも有り得る。
【0009】
例えば、コンビニエンスストア(以下、コンビニと略称する)を検索した場合、コンビニによって品揃えが異なるため、所望の商品を入手することができるかどうかは、そのコンビニに立ち寄ってみないと分からない。特に、煙草類・酒類は取り扱っていない店がある。また、飲食店についても、検索の対象をファミリーレストランとして絞り込むことは可能であるが、駐車場の有無や店の規模あるいは提供される食事の種類で絞り込んで検索することはできない。2人で食事をする場合と一家総出でミニバンに8名乗車して食事に行く場合では自ずと検索条件は異なる。
【0010】
さらに、特許文献3の例では、目的地が設定されていない場合でも、目的地が設定されている場合と同等の情報提供を行なうことを目的としているが、その情報がユーザの必要としているものとは限らない。
【0011】
上記事情を背景とし、本発明の課題は、乗員構成等の車内状況に応じてユーザが必要とする目的地情報を簡単かつ迅速に検索する車両用ナビゲーション装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するための車両用ナビゲーション装置を提供することにある。即ち、
電子地図を表示画面に表示し、その電子地図上で車両の現在地を指示するとともに、設定された目的地への推奨ルートを電子地図上で示して、該車両を目的地まで誘導する車両用ナビゲーション装置において、
乗車人数あるいは乗員の嗜好を含む車内の状況を検出する車内状況検出手段と、
その車内状況検出手段により検出された車内の状況を基に目的地を検索するための検索条件を生成する検索条件生成手段と、
その検索条件生成手段より生成された検索条件を記憶する検索条件記憶手段と、
目的地に関する情報を記憶する目的地情報記憶手段と、
検索条件記憶手段に記憶されている検索条件に基づいて、目的地情報記憶手段から目的地の検索を行なう目的地検索手段と、
を含むことを特徴とする車両用ナビゲーション装置として構成される。
【0013】
上記構成によって、検索条件は車両用ナビゲーション装置が抽出するので、ユーザが検索条件を絞り込んで所望の目的地が見つかるまで検索操作を繰り返すことがなくなり、目的地検索に要する時間が短縮されるとともにユーザの操作負荷も軽減される。
【0014】
また、車内状況検出手段は、
車内を撮影し乗員の着座の有無を検出する画像カメラ,座席に取り付けられ乗員の着座の有無を検出する圧力センサ,乗員の体温を検知して乗員の着座の有無を検出する温度センサ,乗員の音声を認識する音声センサ,および乗員の嗜好を検出するものとしての喫煙の有無を検出する煙センサから選ばれた1種または2種以上の組合せからなる検出器とを備え、その検出器からの出力信号に基づいて前記車内の状況を検出するものとして構成される。
【0015】
上記構成によって、車内の状況は上述した検出器により検出され、その結果が自動的に検索条件に変換されるので、ユーザは車内状況を設定するための特殊な操作あるいは動作をすることはなく、通常の運転操作あるいは車両用ナビゲーション装置の操作をすればよい。このため、ユーザの操作負荷は全く増加しない。よって、車両用ナビゲーション装置に精通していないユーザでも本構成の恩恵に浴することができる。
【0016】
さらに、乗員の着座の有無を検出するための各種センサは、既に殆どの車両に取り付けられているSRS(Supplemental Restraint System:補助拘束装置)エアバッグシステムの一部として設置が提案あるいは実用化されているのもので、それらのセンサを流用すれば、本発明を実施するためのコスト上昇要因は、各センサから車両用ナビゲーション装置への配線ケーブル分程度で済ませることができる。また、音声センサは一部の車両用ナビゲーション装置に音声入力機能として含まれているので、車両用ナビゲーション装置の音声認識部および制御ソフトウェアの改造によって本発明を実施することも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例としての車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。本ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行なうスピーカ15,外部メモリ9,表示装置10,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12,車両状況を検出するためのセンサ部17,およびデータベース18を備えている。
【0018】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,ジャイロスコープ3,距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0019】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVD,ハードディスクドライブ(以降、HDDと称する)を用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【0020】
操作スイッチ群7は、例えば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、表示装置10の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。これら操作スイッチ群7およびリモコン端末12によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0021】
表示装置10はカラー液晶表示器により構成されており、表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。
【0022】
送受信機13は、外部、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System)センタ14などから提供される情報を受信し、また外部へ情報を送信するための装置である。この送受信機13を介して外部から受け取った情報は、制御回路8において処理する。また、送受信機13として利用される機器としては、移動体通信機器である自動車電話機や携帯電話機などを用いてもよい。
【0023】
また、ETC(自動料金収受システム,ETC:Electronic Toll Collection)車載器16と通信することにより、ETC車載器16がETC路上器から受信した、料金情報などを本ナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器16によって外部ネットワークと接続することも可能である。
【0024】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,I/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM81は、プログラム格納領域82aとデータ記憶領域82bとを有している。プログラム格納領域82aにはナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)82pが格納される。データ記憶領域82bにはナビプログラム82pの動作に必要なデータが格納されている。また、ナビプログラム82pは、RAM83上にてナビプログラム用ワークメモリ83wを作業領域とする形で作動する。なお、地図データ入力器6にHDDを用いる場合は、ROM82およびRAM83の機能をHDDによって実施してもよい。
【0025】
さらに、外部メモリ9には、本ナビゲーション装置の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、外部メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(即ち、ナビゲーション装置100がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
【0026】
このような構成を持つことにより、本ナビゲーション装置は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム82pが起動されると、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12を操作して、表示装置10上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。即ち、運転者が表示装置10上の地図に基づいて目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在地が求められ、現在地から目的地までの最適な経路を求める処理が行われる。そして、表示装置10上の道路地図に誘導経路を重ねて表示し、運転者に適切な経路を案内する。また、スピーカ15によって、操作時の音声ガイダンスや動作状態に応じたメッセージの送出を行なう。
【0027】
図2はセンサ部17の詳細を示したものである。センサ部17は、撮像装置21,温度センサ22,音声認識部23,煙感知器24,および座席センサ部25を含む構成となっている。以下、センサ部17の各構成要素について説明する。
【0028】
撮像装置21は撮影した画像データから乗車者の有無を判定するもので、CCDカメラを用いる。CCDカメラは、車室内の全座席の状況を撮影可能なように設置する必要がある。例えば車室天井の略中央に、超広角あるいは魚眼レンズを備えるCCDカメラを設けるとよい。撮影した画像は制御回路8へ送られる。
【0029】
画像データが読み込まれた制御回路8では、ナビプログラム82pに含まれるエッジ検出プログラムが作動され、画像データの画像情報に基づいてエッジが検出される。このエッジは画素濃度が急激に変化する点の軌跡を抽出したものであり、光照射部と影部との境界や物体の輪郭等の背景と濃度差のある部分がエッジとして検出される。したがって、シートの縫い目および座面と背もたれ部との間の境界に対応する基準線並びに乗員やチャイルドシートの輪郭等がエッジとして検出される。
【0030】
エッジが検出されると、制御回路8では、ナビプログラム82pに含まれる基準線検出処理が作動され、画像データ内における基準線が検出される。すなわち、画像データ内のエッジのうち、シートの縫い目および座面と背もたれ部との間の境界に対応するエッジを基準線として検出する。また、この検出結果は、ナビプログラム82pに含まれる基準線判定処理に転送され、乗員の存否及び着座状態が検知される。即ち、乗員が着座していれば、基準線検出処理により検出される基準線は、不連続であったり全く検出できなかったりする。その基準線の検出状況に基づいて乗員の存否及び着座状態が検知される。
【0031】
温度センサ22として、赤外線が照射されて温度が上昇すると、電荷量が変化する特性をもつ焦電体を用いた周知の焦電型赤外線センサを使用する。この場合に、センサを運転手席および助手席に指向させ、さらに、後席に2名の着座が可能であれば、それぞれの部位にセンサを指向させる必要がある。そのため、焦電型赤外線センサを所望の方向へ指向させるための指向手段とともに、例えば車室天井の略中央に設けるとよい。また、サーモトレーサーのような、物体に照射された赤外線の反射状態から物体の表面温度を測定する機器を用いてもよい。
【0032】
温度センサ22は、座席に乗員が座っていない場合にはオフ信号を、座席に乗員が座るとオン信号を制御回路8に情報を送る。制御回路8は、温度センサ22から受けた情報を基に該座席の乗員の有無を判断する。
【0033】
続いて、音声認識部23について説明する。図3は、図2に示す音声認識部23の内部構成を示すブロック図である。音声認識部23は、マイク30,特徴抽出部31,データ記憶部32,人物特定部33,会話判別部34,およびデータ生成部35で構成される。
【0034】
音声は、マイク30から音声信号を適切なレベルに増幅する増幅器(図示せず)と、増幅後の音声信号をアナログ/ディジタル(A/D)変換するA/D変換器(図示せず)を経て特徴抽出部31に入力される。特徴抽出部31は、入力音声の特徴を抽出して人物特定部33ならびに会話判別部34へ供給する。データ記憶部32には、乗員の特徴データが登録されている。人物特定部33では、特徴抽出部31を介し特徴が抽出された入力音声と、データ記憶部32に登録されてある乗員の特徴データとを照合することによって人物を特定する。なお、新規の人物の場合には、その特徴データをデータ記憶部32に登録する。データ記憶部32は、その記憶領域をデータベース18に確保してもよい。
【0035】
会話判別部34は、会話内容を判別してデータ化するブロックであり、図示せぬ単語辞書を参照し、例えば周知の複合類似度法によって音声認識を行ない、その結果をデータ生成部35へ供給する。データ生成部35では、人物特定部33と会話判別部34により生成される人物特定データと会話内容データに基づき、どの乗員がどのような会話をしたかのデータを編集して作成する。作成されたデータは、会話が行なわれた日時とともにデータ記憶部32に記憶される。なお、人物特定部33は、例えば周波数解析器からなり、性別および年代層を特定できるものとする。
【0036】
音声認識部23から制御回路8へは、性別および年代層などの特定された人物データが送られる。そして、この人物データの数から乗車人員を判定する。
【0037】
なお、本実施例では、音声認識処理については周知の方法を用いているので、その説明を省略する。主な音声認識処理方法としては、周波数解析の他に隠れマルコフモデル(HMM:Hidden Markov Models),差異解析,線型代数技術,スペクトル歪を利用する方法や時間歪曲法などがある。
【0038】
図2に戻り、喫煙者が乗車しているかどうかを判定する場合には、煙草の煙を感知するための煙感知器24を設置する。設置場所は、車室の天井のルームランプ付近あるいは車内空調装置の換気口付近などの、煙草の煙が滞留し易い場所あるいは煙草の煙の通り易い場所に設置することが望ましい。
【0039】
煙を感知する方式は、内蔵した微弱な放射線源により検出部内の空気をイオン化し、これにより発生させた微小電流が煙粒子の流入により変化することを捉えるイオン化式と、検出部内の煙粒子にLED光が照射された際に生じる散乱光を受光素子により捉える光電式があるが、放射線源を持たないという安全性の利点から光電式が主として用いられており、本実施例でも光電式を用いる。煙感知器24は煙草の煙の有(オン状態)無(オフ状態)を検知して、その情報を制御回路8に送る。
【0040】
煙感知器24からのデータを受けた制御回路8では、このデータを一定周期で監視し、煙草の煙を検知した状態(オン状態)が所定の時間継続した場合に喫煙者が乗車していると判断する。
【0041】
さらに、乗員の着座状態を検出するために、各座席には座席センサ部25が設けられている。図4のように、座席センサ部25は、座席にマトリックス状に配置された圧力センサ26A〜26Xおよび増幅器27(図2)により構成される。圧力センサ26A〜26Xは印加される圧力を電圧に変換し、増幅器27はこれら圧力センサ26A〜26Xからの出力信号を増幅して制御回路8に出力する。制御回路8は、増幅器27を介して得られる圧力センサ26A〜26Xの出力信号をアナログ/ディジタル変換処理して取り込む。制御回路8は、ナビプログラム82pに含まれる圧力検出処理の実行により、これら圧力センサ26A〜26Xの圧力を検出結果より、乗員の存否を判定する。なお、増幅器は、座席毎に取り付けてもよいし、全座席で共用してもよい。
【0042】
乗員が座席に座ると、乗員の体重により座席の座面および背もたれ部に配された圧力センサ26A〜26Xの検出する圧力値が変化する。この変化量あるいは変化率から乗員の存否を判断できる。また、圧力が変化したセンサの位置あるいは圧力の変化量から体格すなわち大人か子供の判別も可能となる。
【0043】
制御回路8では、センサ部17により検出された情報を基に、乗員の数,性別,概略年代層,喫煙者の乗車の有無などのデータを総合し、車内状況を決定して、検索条件を生成するためにデータベース18に記憶する。また、音声認識部23のデータ記憶部32から会話データを取り込み、予めデータベース18に登録されている目的地あるいは施設などの経路案内に関連する語句を抽出して、検索条件としてデータベース18に記憶することもできる。
【0044】
以下、図5のフロー図を用いて、制御回路8のナビプログラム82pによって行なわれる、データベース18への検索条件の登録処理について説明する。まず、センサ部17により車内の状況を取得する(S1)。制御回路8において、今回取得した状況と前回取得した車内状況を比較して、今回の車内状況と前回の車内状況がと異なる場合(S2:YES)、今回取得した車内状況から検索条件を抽出して、データベース18に記憶されている検索条件(図6参照)と比較する(S3)。この際、比較結果が異なっていれば(S4:YES)、データベース18に記憶されている検索条件を更新し(S5)、更新された検索条件に基づいて設定されている目的地に関する検索を再度行なう(S6)。
【0045】
本発明を用いた目的地検索の例を、飲食店を検索する場合を例に挙げて説明する。通常の目的地検索で飲食店を検索すると、地図データに記憶されている全ての飲食店が検索の対象となる。この場合、ユーザは自分の好みや乗車人員等の車内の状況を考慮に入れて再検索を行なうか、検索されたリストから所望の飲食店を選ぶ必要がある。一方、本発明では、飲食店検索を行なう場合、検索条件に「飲食店」の他にデータベース18に登録されている検索条件を追加して検索が行なわれる。図6の例では、「乗車人員3名,大人男女各1名,子供(男)1名,非喫煙」という車内条件の他に、車両で移動していることから「駐車場有」という条件が追加されて飲食店の検索が行なわれる。検索された結果は、表示装置10に飲食店名の一覧形式で表示されたり、地図上に該当する飲食店が他の飲食店とは異なる色で表示される。
【0046】
本発明の検索条件を用いない通常の目的地検索を行なうことも可能である。また、最初は通常の目的地検索を行ない、続いて目的地を絞り込むときにデータベース18に登録されている検索条件を用いて検索を行なうことも可能である。さらに、音声認識部23により取り込まれた会話データから、予めデータベース18に登録されている目的地あるいは施設などの経路案内に関連する語句を抽出して、これらを検索条件とすることもできる。この場合、どの方法で目的地検索を行なうかはナビゲーション装置に設定できるようにすればよい。なお、設定操作は、操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12を操作して、表示装置10にナビゲーション装置の各種の機能を設定するための機能設定画面を表示させ、表示画面から該機能を選択することにより行ない、設定された内容は外部メモリ9に記憶される。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての車両用ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】センサ部の構成を示すブロック図。
【図3】音声認識部の構成を示すブロック図。
【図4】座席の圧力検知部について説明するための図。
【図5】データベースを用いて目的地を検索する方法について説明するためのフロー図。
【図6】データベースの一例を示す図。
【符号の説明】
7 操作スイッチ群
8 制御回路
9 外部メモリ
10 表示装置
11 リモコンセンサ
12 リモコン端末
17 センサ部
18 データベース
21 撮像装置
22 温度センサ
23 音声認識部
24 煙感知器
25 座席センサ部
100 ナビゲーション装置
Claims (2)
- 電子地図を表示画面に表示し、その電子地図上で車両の現在地を指示するとともに、設定された目的地への推奨ルートを電子地図上で示して、該車両を目的地まで誘導する車両用ナビゲーション装置において、
乗車人数あるいは乗員の嗜好を含む車内の状況を検出する車内状況検出手段と、
その車内状況検出手段により検出された車内の状況を基に目的地を検索するための検索条件を生成する検索条件生成手段と、
その検索条件生成手段より生成された検索条件を記憶する検索条件記憶手段と、
目的地に関する情報を記憶する目的地情報記憶手段と、
前記検索条件記憶手段に記憶されている検索条件に基づいて、前記目的地情報記憶手段から目的地の検索を行なう目的地検索手段と、
を含むことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。 - 前記車内状況検出手段は、
車内を撮影し乗員の着座の有無を検出する画像カメラ,座席に取り付けられ乗員の着座の有無を検出する圧力センサ,乗員の体温を検知して乗員の着座の有無を検出する温度センサ,乗員の音声を認識する音声センサ,および乗員の嗜好を検出するものとしての喫煙の有無を検出する煙センサから選ばれた1種または2種以上の組合せからなる検出器とを備え、その検出器からの出力信号に基づいて前記車内の状況を検出するものである請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
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