JP2005009629A - 防振装置 - Google Patents
防振装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005009629A JP2005009629A JP2003176307A JP2003176307A JP2005009629A JP 2005009629 A JP2005009629 A JP 2005009629A JP 2003176307 A JP2003176307 A JP 2003176307A JP 2003176307 A JP2003176307 A JP 2003176307A JP 2005009629 A JP2005009629 A JP 2005009629A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- stopper
- mounting member
- flange
- vibration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】成形性及び取付性の改善並びにび製造コストダウンを図りつつ、衝撃荷重に対する優れた防振性能を長期に亘って確実に保持できるようにする。
【解決手段】第1取付部材1とその同軸上に配置された第2取付部材2との間にゴム状弾性体からなる防振基体3が介在されているとともに、第2取付部材から軸直角方向に突設されたストッパー用フランジ6の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように第1取付部材1の内周面にストッパー用ゴム6が設けられており、このストッパー用ゴム6の内周全域に、複数の凸部7と凹部8とが交互に、かつ、各凸部7の頂点及び各凹部8の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態に形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】第1取付部材1とその同軸上に配置された第2取付部材2との間にゴム状弾性体からなる防振基体3が介在されているとともに、第2取付部材から軸直角方向に突設されたストッパー用フランジ6の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように第1取付部材1の内周面にストッパー用ゴム6が設けられており、このストッパー用ゴム6の内周全域に、複数の凸部7と凹部8とが交互に、かつ、各凸部7の頂点及び各凹部8の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態に形成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車用エンジンから車体への振動の伝達を低減するためにエンジンと車体との間に介装して用いられるエンジンマウントに代表されるところの防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の防振装置の代表例であるエンジンマウントとして、本出願人は、特願平2003−45061に記載されている構成のものを先に特許出願している。その先に特許出願したエンジンマウント50は、図6〜図8に示すように、車体側に取付けられる円筒状の第1取付部材1と、この第1取付部材1と同軸上に配置されてエンジン側に取付けられる第2取付部材2と、これら第1、第2取付部材1,2間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体3と、前記第2取付部材2からそれの軸方向に対して直角方向に突設された略円盤状のストッパー用フランジ4と、このストッパー用フランジ4の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように前記第1取付部材1の内周面全域に設けられたストッパー用ゴム6とを備えている。
【0003】
前記ストッパー用フランジ4は、軸直角方向の一方向、具体的には車両の前後方向X側が短径となり、他方向、具体的には車両の左右方向Y側が長径となる略楕円形状に形成され、これによって、車両の前後方向Xから入力される衝撃荷重によってストッパー用ゴム6に当接するフランジ部分4Xにおける外周縁の曲率半径R1が第1取付部材1の内周面の曲率半径R以下に設定されている。また、前記ストッパー用ゴム6は、前記ストッパー用フランジ4における前後方向の当接部分4Xに対向するゴム部分6Xのゴム厚が左右方向の当接部分4Yに対向するゴム部分6Yのゴム厚よりも厚く設定されている。さらに、軸心Zを挟んで直径方向で対向する二つの厚肉ゴム部分6X,6Xのうち、車両の前方側の厚肉ゴム部分6Xの内周面は、周方向に複数の断面山形の凸部7と断面V字形の凹部8とを各凸部7の頂点及び各凹部8の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態で交互に形成した凹凸状に形成され、車両の後方側の厚肉ゴム部分6Xの内周面は、凹凸のない湾曲面状に形成されている。
【0004】
なお、本出願人が先に特許出願したエンジンマウント50は、上述した構成を基本としており、前記第1取付部材1や第2取付部材2の具体的な構造等の他の構成については、後述する本発明の実施の形態において説明するものと同一であるため、その実施の形態で使用する符号を図6〜図8にも付して、それらの構成の説明はここでは省略する。
【0005】
そして、本出願人が先に特許出願したエンジンマウント50においては、自動車の走行等に伴い車両の前後方向X、特に車両の前方側から衝撃荷重が入力されたとき、ストッパー用フランジ4の前方側の当接部分4Xがストッパー用ゴム6における前方側の厚肉部分6Xの凹凸状内周面に当接する。具体的には、周方向に一定間隔を隔てて形成されている複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められることになり、ストッパー用ゴム6の局部的な歪みを無くして車両の長時間に亘る悪路走行等に伴う振動によって軸直角方向の衝撃荷重が繰り返し入力されても、ストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷が生じることを抑制し、かつ、それゆえに、車両の加速時等における前方側からの衝撃荷重入力に対しても、ストッパー用フランジ4と第1取付部材1の内周面との当接に伴う異常音や振動の発生を抑えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成を有する本出願人による先特許出願のエンジンマウントは、車両の前後方向のように、軸直角方向から入力される衝撃荷重のうち、ストッパー用フランジ4の当接により主たる衝撃荷重が入力される方向に対応するストッパー用ゴム部分6Xの厚みを他の部分の厚みよりも大きくするとともに、その厚肉ゴム部分6Xの少なくとも一方側には複数の凸部7と凹部8を周方向に交互に設けて凹凸形状とすることにより、ストッパー用ゴム6の歪みを均一化して長時間に亘る悪路走行等によってもストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷の発生、さらには、異常音や振動の発生を抑制し、所定の防振性能を長期に亘り確保できるという利点を有する。
【0007】
しかし、先特許出願のエンジンマウントでは、ストッパー用ゴム6として、ゴム厚が周方向で変化する偏肉構造で、かつ、厚肉ゴム部分6Xのみに周方向に複数の凸部7と凹部8を設けて凹凸状に形成したという特殊な形状構造のものを用いているため、そのストッパー用ゴム6自体の製造(加硫成形)に際して、複雑かつ高精度の金型が必要となり、コストアップしやすい。また、凹凸状の厚肉ゴム部分6Xが周方向の局所に形成されているので、上述のような歪みの均一化による亀裂等の損傷防止を確実なものとするためには、このストッパー用ゴム6を第1取付部材1に対して一定の向き姿勢で取付ける必要があり、このような方向性の存在によってストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形した後、この加硫成形されたストッパー用ゴム6を第1取付部材1に取付ける場合は、凹凸状の厚肉ゴム部分6Xがストッパー用フランジ4における前後方向の当接部分4Xに正確に対向するように、その向き姿勢を微妙に調整しながら第1取付部材1に取付けねばならず、その取付け作業に多大な手数及び熟練を要する。また、たとえ正確な向き姿勢に取付けれたとしても、実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合、ストッパー用ゴム6の向き姿勢が変化して所定の防振性能が得られなくなるという問題がある。
【0008】
また、このような取付け方向性から生じる問題を解消する手段として、図9に示すように、前記ストッパー用ゴム6のうち、円筒状第1取付部材1の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部14を被覆するフランジ被覆ゴム部分6Aに外向き開放の環状溝9を形成し、この環状溝9内に前記フランジ部14を嵌合させた状態でストッパー用ゴム6と第1取付部材1とを一体に加硫成形させ、このとき、フランジ部14に形成されている貫通孔10に加硫ゴムの一部を入り込ませることにより、ストッパー用ゴム6と第1取付部材1とをストッパー用ゴム6の向き姿勢が所定どおりに固定されるように位置決めすることが考えられる。しかし、この場合は、既述したとおり、ストッパー用ゴム6自体の形状構造が複雑であることに加えて、一体加硫成形のために大型の金型の使用が必要があるとともに、フランジ部14の貫通孔10内に加硫ゴムの一部を入り込ませることも必要があって、成形性がますます複雑化し、一段のコストアップを招くことになりかねない。
【0009】
本発明は以上のような諸事情に鑑みてなされたもので、成形性及び取付性の改善並びに製造コストの低減を図り、しかも、衝撃荷重に対する優れた防振性能を長期に亘って確実に保持することができる防振装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る防振装置は、円筒状の第1取付部材と、この第1取付部材と同軸上に配置された第2取付部材と、これら第1、第2取付部材間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付部材からそれの軸方向に対して直角方向に突設されたストッパー用フランジと、このストッパー用フランジの外周部との間に軸直角方向の環状隙間を形成するように前記第1取付部材の内周面全域に設けられたストッパー用ゴムとを備えている防振装置において、前記ストッパー用ゴムの内周面には、その全周に亘って複数の凸部と凹部とが交互に、かつ、各凸部の頂点及び各凹部の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成の本発明によれば、ストッパー用ゴムを、その内周面全周に凸部と凹部とが交互に配置された回転対称形に形成しているので、このストッパー用ゴム自体の加硫成形には極く単純な形状の金型を用いることが可能で、製造(加硫成形)コストの低減が図れる。また、ストッパー用ゴムに取付けの方向性がないために、第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形するといった安易かつ低廉な成形手段を採用した場合でも、その成形後のストッパー用ゴムを第1取付部材に取付ける際、特定の向き姿勢に調整する等の多大な手数や熟練を要することなく、容易に取付けることが可能である。さらに、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴムの向き姿勢が変化したとしても、凹凸状のゴム部分がストッパー用フランジにおける前後方向の当接部分に対向する状態を維持して、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生を抑制し、所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることが可能である。
【0012】
本発明に係る防振装置におけるストッパー用ゴムとしては、請求項2に記載のように、前記円筒状第1取付部材の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部を被覆するフランジ被覆ゴム部分を有し、このフランジ被覆ゴム部分を含めてストッパー用ゴムが、第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形され、この加硫成形後のストッパー用ゴムを第1取付部材にはめ込み式に取り付ける手段、あるいは、請求項3に記載のように、前記フランジ被覆ゴム部分に形成した外向き開放の環状溝内に第1取付部材のフランジ部を嵌合させた状態でストッパー用ゴムと第1取付部材とを一体に加硫成形する手段のいずれを採用してもよい。
【0013】
また、後者の一体加硫成形手段を採用する場合、請求項4に記載のように、前記ストッパー用ゴムにおけるフランジ被覆ゴム部分に形成の環状溝内に嵌合される第1取付部材側のフランジ部に、一体加硫成形時に加硫ゴムの一部が入り込んでストッパー用ゴムと第1取付部材とを位置決めするための貫通孔を形成しておくことにより、加硫成形時点でストッパー用ゴムと第1取付部材とを相互に位置固定することが可能であり、ねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合のストッパー用ゴムの向き姿勢の変化も防止して、一層確実に所定の防振性能を発揮させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る防振装置の代表例である液体封入式の自動車用エンジンマウントの縦断面図(図2のA−A線に沿った縦断面図)、図2は図1のD−D線に沿った横断面図、図3は図1のC−C線に沿った横断面図、図4は図2のB−B線に沿った縦断面図である。
【0015】
このエンジンマウント50は、図6〜図8に示す先特許出願のものと同様に、車体側に取付けられる円筒状の第1取付部材1と、この第1取付部材1と同軸上に配置されてボルト41を介してエンジン42側に取付けられる略円柱状の第2取付部材2と、これら第1、第2取付部材1,2間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体3と、前記第2取付部材2の軸方向中央部付近からそれの軸方向に対して直角方向に突設された略円盤状のストッパー用フランジ4と、このストッパー用フランジ4の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように前記第1取付部材1の内周面全域に設けられたストッパー用ゴム6とを備えている。
【0016】
前記第1取付部材1は、円筒状の本体金具11と、この本体金具11を収容するカップ状金具12と、本体金具11の上端にかしめ固定された円筒状のストッパー金具13とからなり、そのストッパー金具13の上端部側には内向きに折曲げ形成されたフランジ部14が有し、このフランジ部14の内周縁によって形成される第1取付部材1の上面開口部15の中央部に前記第2取付部材2が貫通されている。
【0017】
この第1取付部材1の本体金具11には、防振基体3に対向させてゴム膜からなるダイヤフラム16が取付けられ、このダイヤフラム16と防振基体3との間に液封入室17が形成されている。この液封入室17は、弾性膜18aを有する仕切板18によって上下に仕切られており、上下両室は仕切板18の外周に設けられたオリフィス19を介して互いに連通されている。
【0018】
前記ストッパー用フランジ4は、車両の前後方向X側が短径で、車両の左右方向Y側が少し長径となる略小判形状で、前後方向の当接部分4Xと左右方向の当接部分4Yとが形成されている。また、前記ストッパー用ゴム6は、図3に明示されているように、その内周面の全周に亘って複数の断面山形の凸部7と断面V字形の凹部8とが交互に、かつ、各凸部7の頂点及び各凹部の底点がそれぞれ該エンジンマウント50の軸心Zを中心とする曲率半径R2及びR3を有する単一の円弧上に配される状態に形成されている。
【0019】
また、このストッパー用ゴム6の上部には、前記第1取付部材1におけるストッパー金具13のフランジ部14の上下両面及び内周縁を被覆するフランジ被覆ゴム部分6Aが一体形成されているとともに、このフランジ被覆ゴム部分6Aには外向き開放の環状溝9が形成されており、このような凸部7、凹部8、環状溝9付きのフランジ被覆ゴム部分6Aを有するストッパーゴム6全体は、ゴム単体で加硫成形された後、図4に明示されているように、前記環状溝9内に前記ストッパー金具13のフランジ部14が嵌合される状態で第1取付部材1におけるストッパー金具13にはめ込み式に取付けられている。
【0020】
さらに、前記ストッパー用ゴム6には、第1取付部材1におけるストッパー金具13の上面開口部15を閉鎖し、かつ、その内周端縁が第2取付部材2の外周面に弾接する薄肉の環状ゴム膜6Bが一体に加硫成形されており、これによって、上面開口部15を通して水や砂利等が第1取付部材1におけるストッパー金具13内に侵入することを防止するシール構造が設けられている。
【0021】
上記のように構成されたエンジンマウント50においては、自動車の走行等に伴い車両の前後方向X、特に車両の前方側から衝撃荷重が入力されたとき、ストッパー用フランジ4の前方側の当接部分4Xがストッパー用ゴム6の内周面で、周方向に一定間隔置きに形成されている複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められることになり、ストッパー用ゴム6の局部的な歪みを無くして車両の長時間に亘る悪路走行等に伴う振動によって軸直角方向の衝撃荷重が繰り返し入力されても、ストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷が生じることを抑制し、かつ、それゆえに、車両の加速時等における前方側からの衝撃荷重入力に対しても、ストッパー用フランジ4と第1取付部材1の内周面との当接に伴う異常音や振動の発生を抑えることが可能である。
【0022】
ここで、前記ストッパー用ゴム6はその内周面全周に凸部7と凹部8とが交互に配置された回転対称形に形成されているので、このストッパー用ゴム6自体は極く単純な形状の金型を用いて加硫成形することが可能であって、製造(加硫成形)コストの低減を図ることができる。また、ストッパー用ゴム6に取付けの方向性がないために、このストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形してその成形を一層安易かつ低廉なものとしながらも、成形後のストッパー用ゴム6を第1取付部材1におけるストッパー金具13に取付ける際も、特定の向き姿勢に調整する等の手数や熟練を一切要さず、簡単かつ容易に取付けることができる。さらに、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴム6の向き姿勢が変化したとしても、ストッパー用フランジ4の当接部分4Xが複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められ状態を維持することが可能で、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生を抑制して所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、ストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形し、その加硫成形後のストッパー用ゴム6を第1取付部材1のストッパー金具13にはめ込み式に取付ける手段について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、ストッパー用ゴム6と第1取付部材1のストッパー金具13とを一体に加硫成形してもよい。この場合、特に、図5に示すように、ストッパー金具13のフランジ部14に一体加硫成形時に加硫ゴムの一部が入り込んでストッパー用ゴム6とストッパー金具13とを位置決めするための貫通孔10を形成しておくことにより、加硫成形時点でストッパー用ゴム6とストッパー金具13とを相互に位置固定することが可能であり、ねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合のストッパー用ゴム6の向き姿勢の変化も防止して一層確実に所定の防振性能を発揮させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上要するに、本発明によれば、ストッパー用ゴムの内周面全周に凸部と凹部とを交互に配置して該ストッパー用ゴムを回転対称形に形成しているので、このストッパー用ゴム自体の加硫成形時のコストの低減が図れるだけでなく、ストッパー用ゴムに取付けの方向性が存在しないために、このストッパー用ゴムを第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形して一層安易かつ低廉な成形手段を採用しながら、その成形後のストッパー用ゴムを特定の向き姿勢に調整する等の多大な手数や熟練を要することなく、非常に容易に第1取付部材に取付けることができる。しかも、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴムの向き姿勢が変化したとしても、ストッパー用フランジが凹凸状のゴム部分に当接する状態を維持して、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生の抑制効果、すなわち、所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の代表例である液体封入式の自動車用エンジンマウントの構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のD−D線に沿った横断面図である。
【図3】図1のC−C線に沿った横断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿った縦断面図である。
【図5】別の実施の形態を示す要部の縦断面図である。
【図6】本出願人が先に特許出願した従来の自動車用エンジンマウントの構成を示す縦断面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6のC−C線に沿った横断面図である。
【図9】従来の他の自動車用エンジンマウントの構成を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1取付部材
2 第2取付部材
3 防振基体
4 ストッパー用フランジ
5 環状隙間
6 ストッパー用ゴム
6A フランジ被覆ゴム部分
7 凸部
8 凹部
9 環状溝
10 貫通孔
14 フランジ部
50 エンジンマウント
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車用エンジンから車体への振動の伝達を低減するためにエンジンと車体との間に介装して用いられるエンジンマウントに代表されるところの防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の防振装置の代表例であるエンジンマウントとして、本出願人は、特願平2003−45061に記載されている構成のものを先に特許出願している。その先に特許出願したエンジンマウント50は、図6〜図8に示すように、車体側に取付けられる円筒状の第1取付部材1と、この第1取付部材1と同軸上に配置されてエンジン側に取付けられる第2取付部材2と、これら第1、第2取付部材1,2間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体3と、前記第2取付部材2からそれの軸方向に対して直角方向に突設された略円盤状のストッパー用フランジ4と、このストッパー用フランジ4の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように前記第1取付部材1の内周面全域に設けられたストッパー用ゴム6とを備えている。
【0003】
前記ストッパー用フランジ4は、軸直角方向の一方向、具体的には車両の前後方向X側が短径となり、他方向、具体的には車両の左右方向Y側が長径となる略楕円形状に形成され、これによって、車両の前後方向Xから入力される衝撃荷重によってストッパー用ゴム6に当接するフランジ部分4Xにおける外周縁の曲率半径R1が第1取付部材1の内周面の曲率半径R以下に設定されている。また、前記ストッパー用ゴム6は、前記ストッパー用フランジ4における前後方向の当接部分4Xに対向するゴム部分6Xのゴム厚が左右方向の当接部分4Yに対向するゴム部分6Yのゴム厚よりも厚く設定されている。さらに、軸心Zを挟んで直径方向で対向する二つの厚肉ゴム部分6X,6Xのうち、車両の前方側の厚肉ゴム部分6Xの内周面は、周方向に複数の断面山形の凸部7と断面V字形の凹部8とを各凸部7の頂点及び各凹部8の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態で交互に形成した凹凸状に形成され、車両の後方側の厚肉ゴム部分6Xの内周面は、凹凸のない湾曲面状に形成されている。
【0004】
なお、本出願人が先に特許出願したエンジンマウント50は、上述した構成を基本としており、前記第1取付部材1や第2取付部材2の具体的な構造等の他の構成については、後述する本発明の実施の形態において説明するものと同一であるため、その実施の形態で使用する符号を図6〜図8にも付して、それらの構成の説明はここでは省略する。
【0005】
そして、本出願人が先に特許出願したエンジンマウント50においては、自動車の走行等に伴い車両の前後方向X、特に車両の前方側から衝撃荷重が入力されたとき、ストッパー用フランジ4の前方側の当接部分4Xがストッパー用ゴム6における前方側の厚肉部分6Xの凹凸状内周面に当接する。具体的には、周方向に一定間隔を隔てて形成されている複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められることになり、ストッパー用ゴム6の局部的な歪みを無くして車両の長時間に亘る悪路走行等に伴う振動によって軸直角方向の衝撃荷重が繰り返し入力されても、ストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷が生じることを抑制し、かつ、それゆえに、車両の加速時等における前方側からの衝撃荷重入力に対しても、ストッパー用フランジ4と第1取付部材1の内周面との当接に伴う異常音や振動の発生を抑えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成を有する本出願人による先特許出願のエンジンマウントは、車両の前後方向のように、軸直角方向から入力される衝撃荷重のうち、ストッパー用フランジ4の当接により主たる衝撃荷重が入力される方向に対応するストッパー用ゴム部分6Xの厚みを他の部分の厚みよりも大きくするとともに、その厚肉ゴム部分6Xの少なくとも一方側には複数の凸部7と凹部8を周方向に交互に設けて凹凸形状とすることにより、ストッパー用ゴム6の歪みを均一化して長時間に亘る悪路走行等によってもストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷の発生、さらには、異常音や振動の発生を抑制し、所定の防振性能を長期に亘り確保できるという利点を有する。
【0007】
しかし、先特許出願のエンジンマウントでは、ストッパー用ゴム6として、ゴム厚が周方向で変化する偏肉構造で、かつ、厚肉ゴム部分6Xのみに周方向に複数の凸部7と凹部8を設けて凹凸状に形成したという特殊な形状構造のものを用いているため、そのストッパー用ゴム6自体の製造(加硫成形)に際して、複雑かつ高精度の金型が必要となり、コストアップしやすい。また、凹凸状の厚肉ゴム部分6Xが周方向の局所に形成されているので、上述のような歪みの均一化による亀裂等の損傷防止を確実なものとするためには、このストッパー用ゴム6を第1取付部材1に対して一定の向き姿勢で取付ける必要があり、このような方向性の存在によってストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形した後、この加硫成形されたストッパー用ゴム6を第1取付部材1に取付ける場合は、凹凸状の厚肉ゴム部分6Xがストッパー用フランジ4における前後方向の当接部分4Xに正確に対向するように、その向き姿勢を微妙に調整しながら第1取付部材1に取付けねばならず、その取付け作業に多大な手数及び熟練を要する。また、たとえ正確な向き姿勢に取付けれたとしても、実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合、ストッパー用ゴム6の向き姿勢が変化して所定の防振性能が得られなくなるという問題がある。
【0008】
また、このような取付け方向性から生じる問題を解消する手段として、図9に示すように、前記ストッパー用ゴム6のうち、円筒状第1取付部材1の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部14を被覆するフランジ被覆ゴム部分6Aに外向き開放の環状溝9を形成し、この環状溝9内に前記フランジ部14を嵌合させた状態でストッパー用ゴム6と第1取付部材1とを一体に加硫成形させ、このとき、フランジ部14に形成されている貫通孔10に加硫ゴムの一部を入り込ませることにより、ストッパー用ゴム6と第1取付部材1とをストッパー用ゴム6の向き姿勢が所定どおりに固定されるように位置決めすることが考えられる。しかし、この場合は、既述したとおり、ストッパー用ゴム6自体の形状構造が複雑であることに加えて、一体加硫成形のために大型の金型の使用が必要があるとともに、フランジ部14の貫通孔10内に加硫ゴムの一部を入り込ませることも必要があって、成形性がますます複雑化し、一段のコストアップを招くことになりかねない。
【0009】
本発明は以上のような諸事情に鑑みてなされたもので、成形性及び取付性の改善並びに製造コストの低減を図り、しかも、衝撃荷重に対する優れた防振性能を長期に亘って確実に保持することができる防振装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る防振装置は、円筒状の第1取付部材と、この第1取付部材と同軸上に配置された第2取付部材と、これら第1、第2取付部材間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付部材からそれの軸方向に対して直角方向に突設されたストッパー用フランジと、このストッパー用フランジの外周部との間に軸直角方向の環状隙間を形成するように前記第1取付部材の内周面全域に設けられたストッパー用ゴムとを備えている防振装置において、前記ストッパー用ゴムの内周面には、その全周に亘って複数の凸部と凹部とが交互に、かつ、各凸部の頂点及び各凹部の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成の本発明によれば、ストッパー用ゴムを、その内周面全周に凸部と凹部とが交互に配置された回転対称形に形成しているので、このストッパー用ゴム自体の加硫成形には極く単純な形状の金型を用いることが可能で、製造(加硫成形)コストの低減が図れる。また、ストッパー用ゴムに取付けの方向性がないために、第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形するといった安易かつ低廉な成形手段を採用した場合でも、その成形後のストッパー用ゴムを第1取付部材に取付ける際、特定の向き姿勢に調整する等の多大な手数や熟練を要することなく、容易に取付けることが可能である。さらに、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴムの向き姿勢が変化したとしても、凹凸状のゴム部分がストッパー用フランジにおける前後方向の当接部分に対向する状態を維持して、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生を抑制し、所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることが可能である。
【0012】
本発明に係る防振装置におけるストッパー用ゴムとしては、請求項2に記載のように、前記円筒状第1取付部材の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部を被覆するフランジ被覆ゴム部分を有し、このフランジ被覆ゴム部分を含めてストッパー用ゴムが、第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形され、この加硫成形後のストッパー用ゴムを第1取付部材にはめ込み式に取り付ける手段、あるいは、請求項3に記載のように、前記フランジ被覆ゴム部分に形成した外向き開放の環状溝内に第1取付部材のフランジ部を嵌合させた状態でストッパー用ゴムと第1取付部材とを一体に加硫成形する手段のいずれを採用してもよい。
【0013】
また、後者の一体加硫成形手段を採用する場合、請求項4に記載のように、前記ストッパー用ゴムにおけるフランジ被覆ゴム部分に形成の環状溝内に嵌合される第1取付部材側のフランジ部に、一体加硫成形時に加硫ゴムの一部が入り込んでストッパー用ゴムと第1取付部材とを位置決めするための貫通孔を形成しておくことにより、加硫成形時点でストッパー用ゴムと第1取付部材とを相互に位置固定することが可能であり、ねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合のストッパー用ゴムの向き姿勢の変化も防止して、一層確実に所定の防振性能を発揮させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る防振装置の代表例である液体封入式の自動車用エンジンマウントの縦断面図(図2のA−A線に沿った縦断面図)、図2は図1のD−D線に沿った横断面図、図3は図1のC−C線に沿った横断面図、図4は図2のB−B線に沿った縦断面図である。
【0015】
このエンジンマウント50は、図6〜図8に示す先特許出願のものと同様に、車体側に取付けられる円筒状の第1取付部材1と、この第1取付部材1と同軸上に配置されてボルト41を介してエンジン42側に取付けられる略円柱状の第2取付部材2と、これら第1、第2取付部材1,2間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体3と、前記第2取付部材2の軸方向中央部付近からそれの軸方向に対して直角方向に突設された略円盤状のストッパー用フランジ4と、このストッパー用フランジ4の外周部との間に軸直角方向の環状隙間5を形成するように前記第1取付部材1の内周面全域に設けられたストッパー用ゴム6とを備えている。
【0016】
前記第1取付部材1は、円筒状の本体金具11と、この本体金具11を収容するカップ状金具12と、本体金具11の上端にかしめ固定された円筒状のストッパー金具13とからなり、そのストッパー金具13の上端部側には内向きに折曲げ形成されたフランジ部14が有し、このフランジ部14の内周縁によって形成される第1取付部材1の上面開口部15の中央部に前記第2取付部材2が貫通されている。
【0017】
この第1取付部材1の本体金具11には、防振基体3に対向させてゴム膜からなるダイヤフラム16が取付けられ、このダイヤフラム16と防振基体3との間に液封入室17が形成されている。この液封入室17は、弾性膜18aを有する仕切板18によって上下に仕切られており、上下両室は仕切板18の外周に設けられたオリフィス19を介して互いに連通されている。
【0018】
前記ストッパー用フランジ4は、車両の前後方向X側が短径で、車両の左右方向Y側が少し長径となる略小判形状で、前後方向の当接部分4Xと左右方向の当接部分4Yとが形成されている。また、前記ストッパー用ゴム6は、図3に明示されているように、その内周面の全周に亘って複数の断面山形の凸部7と断面V字形の凹部8とが交互に、かつ、各凸部7の頂点及び各凹部の底点がそれぞれ該エンジンマウント50の軸心Zを中心とする曲率半径R2及びR3を有する単一の円弧上に配される状態に形成されている。
【0019】
また、このストッパー用ゴム6の上部には、前記第1取付部材1におけるストッパー金具13のフランジ部14の上下両面及び内周縁を被覆するフランジ被覆ゴム部分6Aが一体形成されているとともに、このフランジ被覆ゴム部分6Aには外向き開放の環状溝9が形成されており、このような凸部7、凹部8、環状溝9付きのフランジ被覆ゴム部分6Aを有するストッパーゴム6全体は、ゴム単体で加硫成形された後、図4に明示されているように、前記環状溝9内に前記ストッパー金具13のフランジ部14が嵌合される状態で第1取付部材1におけるストッパー金具13にはめ込み式に取付けられている。
【0020】
さらに、前記ストッパー用ゴム6には、第1取付部材1におけるストッパー金具13の上面開口部15を閉鎖し、かつ、その内周端縁が第2取付部材2の外周面に弾接する薄肉の環状ゴム膜6Bが一体に加硫成形されており、これによって、上面開口部15を通して水や砂利等が第1取付部材1におけるストッパー金具13内に侵入することを防止するシール構造が設けられている。
【0021】
上記のように構成されたエンジンマウント50においては、自動車の走行等に伴い車両の前後方向X、特に車両の前方側から衝撃荷重が入力されたとき、ストッパー用フランジ4の前方側の当接部分4Xがストッパー用ゴム6の内周面で、周方向に一定間隔置きに形成されている複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められることになり、ストッパー用ゴム6の局部的な歪みを無くして車両の長時間に亘る悪路走行等に伴う振動によって軸直角方向の衝撃荷重が繰り返し入力されても、ストッパー用ゴム6に亀裂等の損傷が生じることを抑制し、かつ、それゆえに、車両の加速時等における前方側からの衝撃荷重入力に対しても、ストッパー用フランジ4と第1取付部材1の内周面との当接に伴う異常音や振動の発生を抑えることが可能である。
【0022】
ここで、前記ストッパー用ゴム6はその内周面全周に凸部7と凹部8とが交互に配置された回転対称形に形成されているので、このストッパー用ゴム6自体は極く単純な形状の金型を用いて加硫成形することが可能であって、製造(加硫成形)コストの低減を図ることができる。また、ストッパー用ゴム6に取付けの方向性がないために、このストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形してその成形を一層安易かつ低廉なものとしながらも、成形後のストッパー用ゴム6を第1取付部材1におけるストッパー金具13に取付ける際も、特定の向き姿勢に調整する等の手数や熟練を一切要さず、簡単かつ容易に取付けることができる。さらに、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴム6の向き姿勢が変化したとしても、ストッパー用フランジ4の当接部分4Xが複数の凸部7の各頂点に当接して受け止められ状態を維持することが可能で、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生を抑制して所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、ストッパー用ゴム6を第1取付部材1とは別にゴム単体で加硫成形し、その加硫成形後のストッパー用ゴム6を第1取付部材1のストッパー金具13にはめ込み式に取付ける手段について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、ストッパー用ゴム6と第1取付部材1のストッパー金具13とを一体に加硫成形してもよい。この場合、特に、図5に示すように、ストッパー金具13のフランジ部14に一体加硫成形時に加硫ゴムの一部が入り込んでストッパー用ゴム6とストッパー金具13とを位置決めするための貫通孔10を形成しておくことにより、加硫成形時点でストッパー用ゴム6とストッパー金具13とを相互に位置固定することが可能であり、ねじれを伴った衝撃荷重が加わった場合のストッパー用ゴム6の向き姿勢の変化も防止して一層確実に所定の防振性能を発揮させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上要するに、本発明によれば、ストッパー用ゴムの内周面全周に凸部と凹部とを交互に配置して該ストッパー用ゴムを回転対称形に形成しているので、このストッパー用ゴム自体の加硫成形時のコストの低減が図れるだけでなく、ストッパー用ゴムに取付けの方向性が存在しないために、このストッパー用ゴムを第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形して一層安易かつ低廉な成形手段を採用しながら、その成形後のストッパー用ゴムを特定の向き姿勢に調整する等の多大な手数や熟練を要することなく、非常に容易に第1取付部材に取付けることができる。しかも、取付け実用状態でねじれを伴った衝撃荷重が加わる等してストッパー用ゴムの向き姿勢が変化したとしても、ストッパー用フランジが凹凸状のゴム部分に当接する状態を維持して、歪みの均一化による亀裂等の損傷、異常音や振動の発生の抑制効果、すなわち、所定の防振性能を長期に亘り安定よく保持させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の代表例である液体封入式の自動車用エンジンマウントの構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のD−D線に沿った横断面図である。
【図3】図1のC−C線に沿った横断面図である。
【図4】図2のB−B線に沿った縦断面図である。
【図5】別の実施の形態を示す要部の縦断面図である。
【図6】本出願人が先に特許出願した従来の自動車用エンジンマウントの構成を示す縦断面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】図6のC−C線に沿った横断面図である。
【図9】従来の他の自動車用エンジンマウントの構成を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1取付部材
2 第2取付部材
3 防振基体
4 ストッパー用フランジ
5 環状隙間
6 ストッパー用ゴム
6A フランジ被覆ゴム部分
7 凸部
8 凹部
9 環状溝
10 貫通孔
14 フランジ部
50 エンジンマウント
Claims (4)
- 円筒状の第1取付部材と、この第1取付部材と同軸上に配置された第2取付部材と、これら第1、第2取付部材間に介在されたゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付部材からそれの軸方向に対して直角方向に突設されたストッパー用フランジと、このストッパー用フランジの外周部との間に軸直角方向の環状隙間を形成するように前記第1取付部材の内周面全域に設けられたストッパー用ゴムとを備えている防振装置において、
前記ストッパー用ゴムの内周面には、その全周に亘って複数の凸部と凹部とが交互に、かつ、各凸部の頂点及び各凹部の底点がそれぞれ単一の円弧上に配される状態に形成されていることを特徴とする防振装置。 - 前記ストッパー用ゴムは、前記円筒状第1取付部材の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部を被覆するフランジ被覆ゴム部分を有し、このフランジ被覆ゴム部分を含めてストッパー用ゴムが、第1取付部材とは別にゴム単体で加硫成形されており、この加硫成形後のストッパー用ゴムが第1取付部材にはめ込み式に取り付けられている請求項1に記載の防振装置。
- 前記ストッパー用ゴムは、前記円筒状第1取付部材の一端開口部側に内向きに折曲げ形成されたフランジ部を被覆するフランジ被覆ゴム部分を有し、このフランジ被覆ゴム部分に形成した外向き開放の環状溝内に前記フランジ部を嵌合させた状態でストッパー用ゴムと第1取付部材とが一体に加硫成形されている請求項1に記載の防振装置。
- 前記ストッパー用ゴムにおけるフランジ被覆ゴム部分に形成の環状溝内に嵌合される第1取付部材側のフランジ部には、一体加硫成形時に加硫ゴムの一部が入り込んでストッパー用ゴムと第1取付部材とを位置決めするための貫通孔が形成されている請求項3に記載の防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176307A JP2005009629A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176307A JP2005009629A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005009629A true JP2005009629A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34099225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003176307A Withdrawn JP2005009629A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005009629A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009298316A (ja) * | 2008-06-13 | 2009-12-24 | Nissan Motor Co Ltd | パワートレイン支持装置 |
WO2010139315A1 (de) * | 2009-06-04 | 2010-12-09 | Zf Friedrichshafen Ag | Hydraulisch dämpfendes motorlager |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176307A patent/JP2005009629A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009298316A (ja) * | 2008-06-13 | 2009-12-24 | Nissan Motor Co Ltd | パワートレイン支持装置 |
WO2010139315A1 (de) * | 2009-06-04 | 2010-12-09 | Zf Friedrichshafen Ag | Hydraulisch dämpfendes motorlager |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2013057395A (ja) | 車両用エンジンマウント | |
JP2003097630A (ja) | 防振ブッシュ | |
JP2002081502A (ja) | 筒形防振装置 | |
JPWO2003001077A1 (ja) | 防振装置 | |
JP4171182B2 (ja) | エンジンマウント | |
JP2005009629A (ja) | 防振装置 | |
US6511060B2 (en) | Engine mount | |
EP3339675B1 (en) | Antivibration device | |
EP3343063B1 (en) | Antivibration device | |
JP3893486B2 (ja) | 自動車用エンジンの支承構造 | |
JP3590904B2 (ja) | 防振装置 | |
JP6513354B2 (ja) | 防振装置 | |
JP2005009626A (ja) | 防振装置 | |
JP2006097741A (ja) | エンジンマウント | |
JP2005009627A (ja) | 防振装置 | |
JP2005009628A (ja) | 防振装置 | |
JP4187153B2 (ja) | 液封入式防振装置 | |
JP3543674B2 (ja) | 防振ブッシュ | |
JP3823274B2 (ja) | 液封入式防振マウント | |
JP2009041666A (ja) | 流体封入式防振装置とそれに用いられるカバー部材 | |
US20060071380A1 (en) | Vibration isolator | |
JP3498233B2 (ja) | 防振装置 | |
JP2003021194A (ja) | 防振装置 | |
JP5118454B2 (ja) | 液封入式防振装置 | |
JP2003148553A (ja) | ダイナミックダンパー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |