JP2005006899A - 電動昇降椅子 - Google Patents
電動昇降椅子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005006899A JP2005006899A JP2003174519A JP2003174519A JP2005006899A JP 2005006899 A JP2005006899 A JP 2005006899A JP 2003174519 A JP2003174519 A JP 2003174519A JP 2003174519 A JP2003174519 A JP 2003174519A JP 2005006899 A JP2005006899 A JP 2005006899A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seat
- base portion
- tilting
- backward
- tilt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】背部の後傾動作が可能であって、かつ、適切な着座姿勢をとることができ、上半身及び下半身とも楽で心地よい着座状態を維持させる電動昇降椅子を提供することを目的とする。
【解決手段】座部1と背部2とを有する昇降部3が昇降可能な電動昇降椅子である。昇降部3が所定の低位置に達すると背部2を後方傾斜させる後傾機構4を備える。後傾機構4は、背部2を大きく後方傾斜させると共に座部1を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心5と背部揺動中心6とを相違させている。
【選択図】 図2
【解決手段】座部1と背部2とを有する昇降部3が昇降可能な電動昇降椅子である。昇降部3が所定の低位置に達すると背部2を後方傾斜させる後傾機構4を備える。後傾機構4は、背部2を大きく後方傾斜させると共に座部1を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心5と背部揺動中心6とを相違させている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動昇降椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られている電動昇降椅子は、座部と背部を有し、これらがモータ等の動力により高さ方向に昇降する。さらに、座部と背部が昇降のみ動作するもの以外にも、座部と背部が昇降しかつ座部と背部が一体的に後方へ傾斜するものがある。
座部と背部が一体的に後方へ傾斜する昇降椅子について具体的に説明すると、一定角度に固定された座部と背部とを、ガイド柱枠体に昇降駆動自在に取付けている。そして、ガイド柱枠体が略鉛直状態と後方傾斜状態との間で揺動動作するように、ガイド柱枠体を床載置枠に枢着している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−128014号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の座部と背部とが一体的に後方へ傾斜する昇降椅子では、座部と背部とが一定角度に固定されているため、背部を所定角度まで後傾させると、座部もその角度で後傾することとなる。つまり、椅子に座った人は、背部を後傾させると膝が大きく持ち上げられた姿勢となり、下半身の体重が腰にかかり、楽に座れる姿勢を取ることができないという問題点がある。
さらに、この後傾状態にある椅子から、座った人が立ち上がり動作しにくいという問題点もある。
また、着座姿勢(上半身と下半身との成す角度)は、背部を傾斜させても通常時と変化せず一定であるため、長い時間座っていると疲れ、また、椅子との接触面が痛くなるという問題点がある。
【0005】
そこで本発明は、背部の後傾動作が可能であって、かつ、適切な着座姿勢をとることができ、上半身及び下半身とも楽で心地よい着座状態を維持させる電動昇降椅子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る電動昇降椅子は、座部と背部とを有する昇降部が昇降可能な電動昇降椅子に於て、上記昇降部が所定の低位置に達すると上記背部を後方傾斜させる後傾機構を備えるものである。
また、上記後傾機構は、上記背部を大きく後方傾斜させると共に上記座部を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心と背部揺動中心とを相違させたものである。
また、上記昇降部はベース部材に取着され下方の固定ガイド部と上方の傾動ガイド部とを有するガイドレール部材に沿ってアクチュエータにより昇降可能とされ、該ベース部材は、上記背部を取着する主ベース部に上記座部を取着する副ベース部が枢結されて構成され、上記昇降部が上記アクチュエータにより上記所定の低い位置に達すると、上記後傾機構は、上記傾動ガイド部を上記背部揺動中心廻りに揺動させて該傾動ガイド部にて保持する上記主ベース部を後方傾斜させ、かつ、該主ベース部の後方傾斜動作により上記固定ガイド部にて上記座部揺動中心廻りに揺動可能に保持する上記副ベース部を揺動させて後方傾斜させる。
また、上記後傾機構は、上記昇降部の昇降動作の際は上記傾動ガイド部を支持して傾動を阻止すると共に傾動作の際は折曲して該傾動ガイド部を傾動可能とさせる支持部材を有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0008】
図1は、本発明に係る電動昇降椅子の実施の一形態を示す斜視図であり、図2は、その断面側面図であり、図3は、その要部を示す側面図である。
この昇降椅子は、座部1と背部2とを有する昇降部3が昇降可能なものであり、床載置枠17と、床載置枠17から立設状となる左右一対のガイドレール部材11,11と、を有し、昇降部3がガイドレール部材11,11に沿って昇降するものである。なお、図1においては一方(左側)を省略しているが、昇降部3は、左右一対の肘掛け部18,18も有している。
【0009】
そして、本発明に係る電動昇降椅子は、昇降部3が所定の低位置に達すると背部2を後方傾斜させる後傾機構4を備えている。
なお、図示説明する電動昇降椅子では、上記所定の低位置を、床面に近い昇降部3が到達できる最も低い位置(最下位置)としている。つまり、高位置から低い位置へと昇降部3が降下し、昇降部3が最も低い位置にて後傾機構4が作動するよう構成されている。
【0010】
また、背部2は、背部揺動中心6廻りに揺動してリクライニングし、座部1は座部揺動中心5廻りに揺動して後方下傾状となるよう構成されており、また、後傾機構4は、背部2を大きく後方傾斜させると共に座部1を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心5と背部揺動中心6とを相違させている。
つまり、後傾機構4により背部2を後方傾斜させると共に、座部1を背部2の後傾角度より小さい角度にて後方傾斜させており、背部2を略鉛直直立状態から後方傾斜状態へと、座部1を水平状態から後方下傾状態へと、徐々に変化させている。
【0011】
そして、この昇降椅子の構成を具体的に説明する。
床に載置される床載置枠17は、左右一対の前後方向を長手方向とする脚19,19と、一対の脚19,19を連結する基台部20と、脚19,19の後端部に取着させた車輪23,23と、を有し、基台部20上の中央にアクチュエータ用支持部21が立設され、基台部20上の左右両側に板状のレール支持部22,22が立設され、基台部20のレール支持部22,22より中央側に一対の固定ガイド部15,15が前後方向に傾斜状となって立設されている。なお、固定ガイド部15,15は、後述する傾動ガイド部14,14とにより、ガイドレール部材11,11を構成する。
【0012】
そして、左右両側において、レール支持部22に傾動ガイド部14が左右方向の水平軸心廻りに揺動可能に枢着されており、その水平軸心が背部揺動中心6となる。
この上方の傾動ガイド部14と下方の固定ガイド部15とは、図2に示すように(非リクライニング状態で)一直線状に配設されて一本のガイドレール部材11として構成されている。そして、左右両側の傾動ガイド部14,14は、上端部において連結部材24にて連結され、連結部材24は握り部として椅子の移動用として用いられる。このガイドレール部材11は、後述するアクチュエータ8にて昇降するベース部材7をガイドするものである。
【0013】
さらに、上記アクチュエータ用支持部21に、アクチュエータ8の下端部が左右方向の水平軸心(アクチュエータ揺動中心26)廻りに揺動可能に枢着されている。アクチュエータ8は、一軸方向に移動ユニット25を往復動させるものであり、モータ27と、モータ27により回転する雄ネジ杆28と、雄ネジ杆28を内部に収納するケーシング29と、雄ネジ杆28に螺合しケーシング29により回転が拘束される雌ネジ部を有する移動ユニット25と、を有し、雄ネジ杆28の正逆回転により移動ユニット25をケーシング29の長手方向に沿って往復動させている。また、図示省略するが、アクチュエータ8は伸縮動作するものとしてもよい。
【0014】
そして、昇降部3はベース部材7に取着され、ベース部材7がガイドレール部材11に沿ってアクチュエータ8により昇降可能とされている。つまり、アクチュエータ8の移動ユニット25には、連結プレート30が枢着されており、連結プレート30とベース部材7(主ベース部12)とが固着されている。従って、アクチュエータ8の動作に応じて、ベース部材7はガイドレール部材11,11に沿って昇降する。
なお、縦方向に立設状となるアクチュエータ8とガイドレール部材11,11とは、図2に示す状態では、側面視平行ではないが、移動ユニット25の移動に伴って、アクチュエータ8はアクチュエータ用支持部21においてアクチュエータ揺動中心26廻りに揺動し、静止状態のガイドレール部材11に沿ってベース部材7が昇降移動できる。そして、図4が、座部1と背部2が上昇又は降下動作状態にある電動昇降椅子の要部を示した側面図である。
【0015】
ベース部材7は、背部2を取着する上方の主ベース部12と、座部1を取着する下方の副ベース部13とを有し、主ベース部12に副ベース部13がピン等の支持連結部材31によりガイドレール部材11より前方位置において枢結されており、主ベース部12と副ベース部13とは、一体となってガイドレール部材11,11を昇降する。
主ベース部12は、左右のガイドレール部材11,11の間に配設される部材であり、主ベース部12の両側下部位置に、縦板状の副ベース部13,13が取付けられている。
【0016】
主ベース部12の両側面には、夫々、上下一対の主ローラ32,32と上下一対のサイドローラ33,33とが取着され(図1)、これらのローラが前後左右方向の揺れを防ぎながらガイドレール部材11内を走行し、ベース部材7をスムーズに昇降させる。
また、副ベース部13には、主ベース部12の一対の主ローラ32,32と側面視同一直線上に配設される副ローラ34が取付けられており、副ローラ34もガイドレール部材11内を走行する。
【0017】
図1、図2、図3は、昇降部3が所定の低位置(最下位置)に存在している状態を示しており、また、図4は上昇又は降下動作状態、図5は所定の低い位置(最下位置)にある状態、図6は、後方傾斜状態を示す図である。
これら図に示すように、昇降部3が最下位置に達した状態で、副ベース部13の副ローラ34は、ガイドレール部材11の固定ガイド部15内において、基台部20の受け部35に当接状となる。つまり、受け部35が副ベース部13の降下を制限するよう構成されている。また、副ベース部13は、(副ベース部13を単独で考えると)副ローラ34を支点(中心)として揺動可能となる。
【0018】
そして、本発明の昇降椅子は、昇降部3がアクチュエータ8の動作によりこの所定の低い位置(最下位置)に達すると、後傾機構4は、ガイドレール部材11のうちの傾動ガイド部14を背部揺動中心6廻りに揺動させて傾動ガイド部14にて保持(ガイド)する主ベース部12を大きく後方傾斜させ、かつ、その主ベース部12の後方傾斜動作により、主ベース部12と支持連結部材31により副ベース部13が連結されているため、固定ガイド部15にて(副ローラ34を)座部揺動中心5廻りに揺動可能に保持されている副ベース部13を揺動させて後方傾斜させる。
なお、上記座部揺動中心5は、副ローラ34の回転軸心となり、副ローラ34を支点として副ベース部13は揺動する。
また、アクチュエータ揺動中心26と背部揺動中心6と座部揺動中心5とは、左右方向の平行な線上に配置されている。
【0019】
この後傾機構4の構成をさらに説明する。昇降部3がアクチュエータ8の動作により降下すると、ベース部材7の主ローラ32,32と副ローラ34は、起立状態のガイドレール部材11の傾動ガイド部14に沿って下降し、図4から図5に示すように、副ローラ34のみが固定ガイド部15に移行し、その後、副ローラ34が受け部35に当接し載置状となる。なお、主ベース部12の主ローラ32,32は、傾動ガイド部14にガイドされたままである。さらに、アクチュエータ8が移動ユニット25を降下させる方向へ動作すると、ベース部材7は直線的にそれ以上、下降できなくなるため、図6に示すように、傾動ガイド部14がレール支持部22において背部揺動中心6廻りに揺動し始める。
【0020】
後方へ傾斜していく傾動ガイド部14には主ベース部12がガイドされているため、傾動ガイド部14の後傾により主ベース部12が共に後傾する。つまり、直立状態であったガイドレール部材11に沿って直線状とされていた主ベース部12と副ベース部13とが、支持連結部材31にて折れ曲がり(支持連結部材31を中心として角度を持ち)、徐々に主ベース部12と副ベース部13との間の角度が変化していく。
【0021】
また、移動ユニット25の進行により、主ベース部12は、傾いていく傾動ガイド部14を、さらに固定ガイド部15方向へ直線移動(降下)しながら後方へ傾くこととなる。副ベース部13について説明すると、固定ガイド部15内において副ローラ34が保持された状態であり、かつ、支持連結部材31の支持中心(軸心)と背部揺動中心6との位置が相違するため、直線移動(降下)しながら後方へ傾く主ベース部12は、支持連結部材31を介して副ベース部13を引き寄せることとなり、副ベース部13は、副ローラ34の回転軸心である座部揺動中心5廻りに揺動して後傾する。そして、リミットスイッチ等の作動により、設定した後方傾斜角度にてアクチュエータ8を停止させる。この状態において、座部1の揺動角度は、背部2の揺動角度より小さい。
【0022】
なお、後方傾斜した背部2及び座部1を復帰させるには、アクチュエータ8により移動ユニット25を反対方向である上方へ移動させることにより行なえばよく、背部2が起き上がり、座部1が水平状に戻って、その後、背部2と座部1が上昇する。
【0023】
以上のように図1から図6までに示す昇降椅子は、1台の一軸方向に往復動するアクチュエータ8により、昇降部3を昇降させる昇降機構と、後傾動作させる後傾機構4とを作動させている。言い換えると、図示するアクチュエータ8は、上部の第一ストローク部9にて昇降部3を昇降させ、かつ、下部の第二ストローク部10にて後傾機構4を動作させてガイドレール部材11が有する傾動ガイド部14を後方傾斜させている。
【0024】
また、本発明の昇降椅子が備える後傾機構4は、昇降部3の昇降動作の際は傾動ガイド部14を背面側から支持して傾動を阻止すると共に、傾動作の際は折曲して傾動ガイド部14を傾動可能とさせる支持部材16を有する。
支持部材16は、ガイドレール部材11の背面側に配設されるものであり、図3に示すように、一方側の端部同士が枢着された板状の上支持片36と下支持片37とを有し、上支持片36の他方側の端部が、傾動ガイド部14に固着された後方フレーム部38に枢着され、下支持片37の他方側の端部が、床載置枠17に固着されたレール支持部22に枢着されている。
また、上支持片36の他方側の端部には、昇降するベース部材7に設けた当接部材41が当接するアーム部42が配設されている。
なお、図7と図8は、支持部材16の他の実施例であり、これは支持部材16(上支持片36と下支持片37)の屈曲方向(回転方向)を反対にしたものである。
【0025】
そして、下支持片37には、上支持片36と下支持片37とを直線状態に保ちかつ上支持片36の下支持片37に対する一方向への回転を制限するストッパ部39が形成されており、かつ、その回転を制限する方向に弾発付勢する引張コイルバネ40が下支持片37とレール支持部22との間に配設されている。つまり、引張コイルバネ40により、上支持片36と下支持片37とは略直線状態を保つようされており、この略直線状態の支持部材16が突っ張ることにより、傾動ガイド部14が後方に傾斜しないよう背面から支持している。
【0026】
そして、昇降部3が降下して傾動を開始する所定の低位置に達すると、ベース部材7(主ベース部12)の背面に設けた当接部材41が、上支持片36のアーム部42を、上支持片36が上記引張コイルバネ40の引張力に抗して回転可能となる方向へ押し下げ、支持部材16(上支持片36と下支持片37と)を屈曲させ、背面からの支持力を開放し、傾動ガイド部14を傾動可能な状態とさせる。
この支持力が開放されると、傾動ガイド部14は自重により後方へ傾斜する方向の力が作用するが、床載置枠17と後方フレーム部38との間に設けたガススプリング43(図3参照)により、傾動ガイド部14を前方に押し、傾動ガイド部14が不意に後傾するのを防いでいる。
【0027】
図1と図2に戻って説明するが、主ベース部12は背部2をネジ止め等により取付けており、背部2は後面側の背部フレームと前面側のクッションとなる背部本体とを有する。また、副ベース部13は側面視L字型の座部フレーム44を介在させて座部1を取付けており、座部フレーム44上にクッションとなる座部本体・腰部本体が取着されている。
また、座部フレーム44の後方上部には、両側において左右方向へ延伸する支持アーム45が取付けられ、支持アーム45の先端部において、前方へ延伸するアームレスト支持部材46が上方折り畳み可能に枢着されている。
【0028】
また、副ベース部13には、座部フレーム44に固着させた支持アーム45の外周形状に対応した形状の切欠状受け部48(図1)を形成し、受け部48に支持アーム45を嵌着させている。これにより、簡単な止めネジ等の連結部材を用いるのみで、座部フレーム44と副ベース部13とを一体状に連結させることができる。
【0029】
また、座部フレーム44の下面には、揺動フレーム47が後部において枢着されており、昇降部3が下降する際、又は、後方傾斜(リクライニング)を戻す動作の際、座部1の下に物や座っている人の足が存在すると、足や物に揺動フレーム47が当たり、揺動フレーム47が上方へ揺動して座部フレーム44に設置したリミットスイッチを作動させ、昇降椅子のアクチュエータ8の動作を緊急停止させる。
【0030】
また、昇降椅子が有する後傾機構4は、図9に示すように、座部1の後傾角度を変更させる変更手段49を有している。変更手段49は、主ベース部12と副ベース部13との間の支持連結部材31の位置を変更させるよう機能するものである。具体的に説明すると、主ベース部12と副ベース部13との間に支持プレート50を配設し、支持プレート50は、第一軸51により主ベース部12と回転可能に取着され、第二軸52により副ベース部13と回転可能に取着され、支持プレート50を貫通し主ベース部12の切欠部又は副ベース部13の切欠部に択一的に当接するスライドプレート53のスライド操作により、主ベース部12と副ベース部13との連結点を変更させている。つまり、主ベース部12と支持プレート50とを固定状態としたり(第二軸52が回転中心として作用したり)、副ベース部13と支持プレート50とを固定状態に変更したり(第一軸51が回転中心として作用したり)できる。
【0031】
さらに、図示説明した昇降椅子は、背部揺動中心6よりも前方位置に、ベース部材7の主ベース部12と副ベース部13とを連結する支持連結部材31の軸心を配置している。これにより、座部1と背部2とは、夫々異なる点(座部揺動中心5と背部揺動中心6)を中心として後方に傾斜でき、座部1は背部2より小さい角度にて傾斜できる。
また、昇降椅子の別の形態としては、背部揺動中心6と、支持連結部材31の軸心とを側面視において偏在させずに一致させると、背部2が後方傾斜しても、副ベース部13が揺動しないため、座部1は略水平状に保たせることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0033】
(請求項1によれば)背部2の後傾動作が可能となり、また、昇降部3が低い位置において、背部2が後方傾斜するため安全であり、楽な着座姿勢を取ることができる。
【0034】
(請求項2によれば)座部1と背部2との揺動中心を偏在させるため、夫々の揺動角度を異なるようさせることができ、背部2を大きく後方傾斜させても、座部1は小さくしか後方傾斜させないようできる。
従って、背部2を後傾させた際に座部1も少し後傾させるため、無理な着座姿勢とさせない。また、リクライニングしても体が前方へ滑る(ずれる)のを防ぎ、かつ、長時間座っていても疲れず、快適な椅子とできる。
(請求項3によれば)背部2を取着する主ベース部12と、座部1を取着する副ベース部13とが、夫々において揺動可能となり、背部2の後方傾斜角度を大きくしても、座部1の後方傾斜角度を小さくすることができ、かつ、後方傾斜する主ベース部12と副ベース部13とを夫々において安定して確実に保持できる。
また、1台のアクチュエータ8により昇降部3の昇降及び後方傾斜が可能となり、部品点数が極めて少なくて済み、構造が簡素化され、かつコンパクトであり、また、故障も少なく信頼性の高いものとできる。
【0035】
(請求項4によれば)昇降部3を昇降させている間は、支持部材16が突っ張ることで傾動ガイド部14を傾動させることがなく安全なものとできる。そして、昇降部3を後方傾斜させる際には、支持部材16が折れ曲がって、後傾機構4の動作をスムーズにさせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動昇降椅子の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】電動昇降椅子の断面側面図である。
【図3】電動昇降椅子の要部を示す側面図である。
【図4】座部と背部が上昇又は降下動作状態にある電動昇降椅子の要部を示す側面図である。
【図5】座部と背部が最下位置にある状態を示す側面図である。
【図6】後方傾斜状態を示す側面図である。
【図7】後傾機構が有する支持部材の動作を説明する説明図である。
【図8】後傾機構が有する支持部材の動作を説明する説明図である。
【図9】変更手段を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 座部
2 背部
3 昇降部
4 後傾機構
5 座部揺動中心
6 背部揺動中心
7 ベース部材
8 アクチュエータ
11 ガイドレール部材
12 主ベース部
13 副ベース部
14 傾動ガイド部
15 固定ガイド部
16 支持部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動昇降椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られている電動昇降椅子は、座部と背部を有し、これらがモータ等の動力により高さ方向に昇降する。さらに、座部と背部が昇降のみ動作するもの以外にも、座部と背部が昇降しかつ座部と背部が一体的に後方へ傾斜するものがある。
座部と背部が一体的に後方へ傾斜する昇降椅子について具体的に説明すると、一定角度に固定された座部と背部とを、ガイド柱枠体に昇降駆動自在に取付けている。そして、ガイド柱枠体が略鉛直状態と後方傾斜状態との間で揺動動作するように、ガイド柱枠体を床載置枠に枢着している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−128014号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の座部と背部とが一体的に後方へ傾斜する昇降椅子では、座部と背部とが一定角度に固定されているため、背部を所定角度まで後傾させると、座部もその角度で後傾することとなる。つまり、椅子に座った人は、背部を後傾させると膝が大きく持ち上げられた姿勢となり、下半身の体重が腰にかかり、楽に座れる姿勢を取ることができないという問題点がある。
さらに、この後傾状態にある椅子から、座った人が立ち上がり動作しにくいという問題点もある。
また、着座姿勢(上半身と下半身との成す角度)は、背部を傾斜させても通常時と変化せず一定であるため、長い時間座っていると疲れ、また、椅子との接触面が痛くなるという問題点がある。
【0005】
そこで本発明は、背部の後傾動作が可能であって、かつ、適切な着座姿勢をとることができ、上半身及び下半身とも楽で心地よい着座状態を維持させる電動昇降椅子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る電動昇降椅子は、座部と背部とを有する昇降部が昇降可能な電動昇降椅子に於て、上記昇降部が所定の低位置に達すると上記背部を後方傾斜させる後傾機構を備えるものである。
また、上記後傾機構は、上記背部を大きく後方傾斜させると共に上記座部を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心と背部揺動中心とを相違させたものである。
また、上記昇降部はベース部材に取着され下方の固定ガイド部と上方の傾動ガイド部とを有するガイドレール部材に沿ってアクチュエータにより昇降可能とされ、該ベース部材は、上記背部を取着する主ベース部に上記座部を取着する副ベース部が枢結されて構成され、上記昇降部が上記アクチュエータにより上記所定の低い位置に達すると、上記後傾機構は、上記傾動ガイド部を上記背部揺動中心廻りに揺動させて該傾動ガイド部にて保持する上記主ベース部を後方傾斜させ、かつ、該主ベース部の後方傾斜動作により上記固定ガイド部にて上記座部揺動中心廻りに揺動可能に保持する上記副ベース部を揺動させて後方傾斜させる。
また、上記後傾機構は、上記昇降部の昇降動作の際は上記傾動ガイド部を支持して傾動を阻止すると共に傾動作の際は折曲して該傾動ガイド部を傾動可能とさせる支持部材を有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0008】
図1は、本発明に係る電動昇降椅子の実施の一形態を示す斜視図であり、図2は、その断面側面図であり、図3は、その要部を示す側面図である。
この昇降椅子は、座部1と背部2とを有する昇降部3が昇降可能なものであり、床載置枠17と、床載置枠17から立設状となる左右一対のガイドレール部材11,11と、を有し、昇降部3がガイドレール部材11,11に沿って昇降するものである。なお、図1においては一方(左側)を省略しているが、昇降部3は、左右一対の肘掛け部18,18も有している。
【0009】
そして、本発明に係る電動昇降椅子は、昇降部3が所定の低位置に達すると背部2を後方傾斜させる後傾機構4を備えている。
なお、図示説明する電動昇降椅子では、上記所定の低位置を、床面に近い昇降部3が到達できる最も低い位置(最下位置)としている。つまり、高位置から低い位置へと昇降部3が降下し、昇降部3が最も低い位置にて後傾機構4が作動するよう構成されている。
【0010】
また、背部2は、背部揺動中心6廻りに揺動してリクライニングし、座部1は座部揺動中心5廻りに揺動して後方下傾状となるよう構成されており、また、後傾機構4は、背部2を大きく後方傾斜させると共に座部1を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心5と背部揺動中心6とを相違させている。
つまり、後傾機構4により背部2を後方傾斜させると共に、座部1を背部2の後傾角度より小さい角度にて後方傾斜させており、背部2を略鉛直直立状態から後方傾斜状態へと、座部1を水平状態から後方下傾状態へと、徐々に変化させている。
【0011】
そして、この昇降椅子の構成を具体的に説明する。
床に載置される床載置枠17は、左右一対の前後方向を長手方向とする脚19,19と、一対の脚19,19を連結する基台部20と、脚19,19の後端部に取着させた車輪23,23と、を有し、基台部20上の中央にアクチュエータ用支持部21が立設され、基台部20上の左右両側に板状のレール支持部22,22が立設され、基台部20のレール支持部22,22より中央側に一対の固定ガイド部15,15が前後方向に傾斜状となって立設されている。なお、固定ガイド部15,15は、後述する傾動ガイド部14,14とにより、ガイドレール部材11,11を構成する。
【0012】
そして、左右両側において、レール支持部22に傾動ガイド部14が左右方向の水平軸心廻りに揺動可能に枢着されており、その水平軸心が背部揺動中心6となる。
この上方の傾動ガイド部14と下方の固定ガイド部15とは、図2に示すように(非リクライニング状態で)一直線状に配設されて一本のガイドレール部材11として構成されている。そして、左右両側の傾動ガイド部14,14は、上端部において連結部材24にて連結され、連結部材24は握り部として椅子の移動用として用いられる。このガイドレール部材11は、後述するアクチュエータ8にて昇降するベース部材7をガイドするものである。
【0013】
さらに、上記アクチュエータ用支持部21に、アクチュエータ8の下端部が左右方向の水平軸心(アクチュエータ揺動中心26)廻りに揺動可能に枢着されている。アクチュエータ8は、一軸方向に移動ユニット25を往復動させるものであり、モータ27と、モータ27により回転する雄ネジ杆28と、雄ネジ杆28を内部に収納するケーシング29と、雄ネジ杆28に螺合しケーシング29により回転が拘束される雌ネジ部を有する移動ユニット25と、を有し、雄ネジ杆28の正逆回転により移動ユニット25をケーシング29の長手方向に沿って往復動させている。また、図示省略するが、アクチュエータ8は伸縮動作するものとしてもよい。
【0014】
そして、昇降部3はベース部材7に取着され、ベース部材7がガイドレール部材11に沿ってアクチュエータ8により昇降可能とされている。つまり、アクチュエータ8の移動ユニット25には、連結プレート30が枢着されており、連結プレート30とベース部材7(主ベース部12)とが固着されている。従って、アクチュエータ8の動作に応じて、ベース部材7はガイドレール部材11,11に沿って昇降する。
なお、縦方向に立設状となるアクチュエータ8とガイドレール部材11,11とは、図2に示す状態では、側面視平行ではないが、移動ユニット25の移動に伴って、アクチュエータ8はアクチュエータ用支持部21においてアクチュエータ揺動中心26廻りに揺動し、静止状態のガイドレール部材11に沿ってベース部材7が昇降移動できる。そして、図4が、座部1と背部2が上昇又は降下動作状態にある電動昇降椅子の要部を示した側面図である。
【0015】
ベース部材7は、背部2を取着する上方の主ベース部12と、座部1を取着する下方の副ベース部13とを有し、主ベース部12に副ベース部13がピン等の支持連結部材31によりガイドレール部材11より前方位置において枢結されており、主ベース部12と副ベース部13とは、一体となってガイドレール部材11,11を昇降する。
主ベース部12は、左右のガイドレール部材11,11の間に配設される部材であり、主ベース部12の両側下部位置に、縦板状の副ベース部13,13が取付けられている。
【0016】
主ベース部12の両側面には、夫々、上下一対の主ローラ32,32と上下一対のサイドローラ33,33とが取着され(図1)、これらのローラが前後左右方向の揺れを防ぎながらガイドレール部材11内を走行し、ベース部材7をスムーズに昇降させる。
また、副ベース部13には、主ベース部12の一対の主ローラ32,32と側面視同一直線上に配設される副ローラ34が取付けられており、副ローラ34もガイドレール部材11内を走行する。
【0017】
図1、図2、図3は、昇降部3が所定の低位置(最下位置)に存在している状態を示しており、また、図4は上昇又は降下動作状態、図5は所定の低い位置(最下位置)にある状態、図6は、後方傾斜状態を示す図である。
これら図に示すように、昇降部3が最下位置に達した状態で、副ベース部13の副ローラ34は、ガイドレール部材11の固定ガイド部15内において、基台部20の受け部35に当接状となる。つまり、受け部35が副ベース部13の降下を制限するよう構成されている。また、副ベース部13は、(副ベース部13を単独で考えると)副ローラ34を支点(中心)として揺動可能となる。
【0018】
そして、本発明の昇降椅子は、昇降部3がアクチュエータ8の動作によりこの所定の低い位置(最下位置)に達すると、後傾機構4は、ガイドレール部材11のうちの傾動ガイド部14を背部揺動中心6廻りに揺動させて傾動ガイド部14にて保持(ガイド)する主ベース部12を大きく後方傾斜させ、かつ、その主ベース部12の後方傾斜動作により、主ベース部12と支持連結部材31により副ベース部13が連結されているため、固定ガイド部15にて(副ローラ34を)座部揺動中心5廻りに揺動可能に保持されている副ベース部13を揺動させて後方傾斜させる。
なお、上記座部揺動中心5は、副ローラ34の回転軸心となり、副ローラ34を支点として副ベース部13は揺動する。
また、アクチュエータ揺動中心26と背部揺動中心6と座部揺動中心5とは、左右方向の平行な線上に配置されている。
【0019】
この後傾機構4の構成をさらに説明する。昇降部3がアクチュエータ8の動作により降下すると、ベース部材7の主ローラ32,32と副ローラ34は、起立状態のガイドレール部材11の傾動ガイド部14に沿って下降し、図4から図5に示すように、副ローラ34のみが固定ガイド部15に移行し、その後、副ローラ34が受け部35に当接し載置状となる。なお、主ベース部12の主ローラ32,32は、傾動ガイド部14にガイドされたままである。さらに、アクチュエータ8が移動ユニット25を降下させる方向へ動作すると、ベース部材7は直線的にそれ以上、下降できなくなるため、図6に示すように、傾動ガイド部14がレール支持部22において背部揺動中心6廻りに揺動し始める。
【0020】
後方へ傾斜していく傾動ガイド部14には主ベース部12がガイドされているため、傾動ガイド部14の後傾により主ベース部12が共に後傾する。つまり、直立状態であったガイドレール部材11に沿って直線状とされていた主ベース部12と副ベース部13とが、支持連結部材31にて折れ曲がり(支持連結部材31を中心として角度を持ち)、徐々に主ベース部12と副ベース部13との間の角度が変化していく。
【0021】
また、移動ユニット25の進行により、主ベース部12は、傾いていく傾動ガイド部14を、さらに固定ガイド部15方向へ直線移動(降下)しながら後方へ傾くこととなる。副ベース部13について説明すると、固定ガイド部15内において副ローラ34が保持された状態であり、かつ、支持連結部材31の支持中心(軸心)と背部揺動中心6との位置が相違するため、直線移動(降下)しながら後方へ傾く主ベース部12は、支持連結部材31を介して副ベース部13を引き寄せることとなり、副ベース部13は、副ローラ34の回転軸心である座部揺動中心5廻りに揺動して後傾する。そして、リミットスイッチ等の作動により、設定した後方傾斜角度にてアクチュエータ8を停止させる。この状態において、座部1の揺動角度は、背部2の揺動角度より小さい。
【0022】
なお、後方傾斜した背部2及び座部1を復帰させるには、アクチュエータ8により移動ユニット25を反対方向である上方へ移動させることにより行なえばよく、背部2が起き上がり、座部1が水平状に戻って、その後、背部2と座部1が上昇する。
【0023】
以上のように図1から図6までに示す昇降椅子は、1台の一軸方向に往復動するアクチュエータ8により、昇降部3を昇降させる昇降機構と、後傾動作させる後傾機構4とを作動させている。言い換えると、図示するアクチュエータ8は、上部の第一ストローク部9にて昇降部3を昇降させ、かつ、下部の第二ストローク部10にて後傾機構4を動作させてガイドレール部材11が有する傾動ガイド部14を後方傾斜させている。
【0024】
また、本発明の昇降椅子が備える後傾機構4は、昇降部3の昇降動作の際は傾動ガイド部14を背面側から支持して傾動を阻止すると共に、傾動作の際は折曲して傾動ガイド部14を傾動可能とさせる支持部材16を有する。
支持部材16は、ガイドレール部材11の背面側に配設されるものであり、図3に示すように、一方側の端部同士が枢着された板状の上支持片36と下支持片37とを有し、上支持片36の他方側の端部が、傾動ガイド部14に固着された後方フレーム部38に枢着され、下支持片37の他方側の端部が、床載置枠17に固着されたレール支持部22に枢着されている。
また、上支持片36の他方側の端部には、昇降するベース部材7に設けた当接部材41が当接するアーム部42が配設されている。
なお、図7と図8は、支持部材16の他の実施例であり、これは支持部材16(上支持片36と下支持片37)の屈曲方向(回転方向)を反対にしたものである。
【0025】
そして、下支持片37には、上支持片36と下支持片37とを直線状態に保ちかつ上支持片36の下支持片37に対する一方向への回転を制限するストッパ部39が形成されており、かつ、その回転を制限する方向に弾発付勢する引張コイルバネ40が下支持片37とレール支持部22との間に配設されている。つまり、引張コイルバネ40により、上支持片36と下支持片37とは略直線状態を保つようされており、この略直線状態の支持部材16が突っ張ることにより、傾動ガイド部14が後方に傾斜しないよう背面から支持している。
【0026】
そして、昇降部3が降下して傾動を開始する所定の低位置に達すると、ベース部材7(主ベース部12)の背面に設けた当接部材41が、上支持片36のアーム部42を、上支持片36が上記引張コイルバネ40の引張力に抗して回転可能となる方向へ押し下げ、支持部材16(上支持片36と下支持片37と)を屈曲させ、背面からの支持力を開放し、傾動ガイド部14を傾動可能な状態とさせる。
この支持力が開放されると、傾動ガイド部14は自重により後方へ傾斜する方向の力が作用するが、床載置枠17と後方フレーム部38との間に設けたガススプリング43(図3参照)により、傾動ガイド部14を前方に押し、傾動ガイド部14が不意に後傾するのを防いでいる。
【0027】
図1と図2に戻って説明するが、主ベース部12は背部2をネジ止め等により取付けており、背部2は後面側の背部フレームと前面側のクッションとなる背部本体とを有する。また、副ベース部13は側面視L字型の座部フレーム44を介在させて座部1を取付けており、座部フレーム44上にクッションとなる座部本体・腰部本体が取着されている。
また、座部フレーム44の後方上部には、両側において左右方向へ延伸する支持アーム45が取付けられ、支持アーム45の先端部において、前方へ延伸するアームレスト支持部材46が上方折り畳み可能に枢着されている。
【0028】
また、副ベース部13には、座部フレーム44に固着させた支持アーム45の外周形状に対応した形状の切欠状受け部48(図1)を形成し、受け部48に支持アーム45を嵌着させている。これにより、簡単な止めネジ等の連結部材を用いるのみで、座部フレーム44と副ベース部13とを一体状に連結させることができる。
【0029】
また、座部フレーム44の下面には、揺動フレーム47が後部において枢着されており、昇降部3が下降する際、又は、後方傾斜(リクライニング)を戻す動作の際、座部1の下に物や座っている人の足が存在すると、足や物に揺動フレーム47が当たり、揺動フレーム47が上方へ揺動して座部フレーム44に設置したリミットスイッチを作動させ、昇降椅子のアクチュエータ8の動作を緊急停止させる。
【0030】
また、昇降椅子が有する後傾機構4は、図9に示すように、座部1の後傾角度を変更させる変更手段49を有している。変更手段49は、主ベース部12と副ベース部13との間の支持連結部材31の位置を変更させるよう機能するものである。具体的に説明すると、主ベース部12と副ベース部13との間に支持プレート50を配設し、支持プレート50は、第一軸51により主ベース部12と回転可能に取着され、第二軸52により副ベース部13と回転可能に取着され、支持プレート50を貫通し主ベース部12の切欠部又は副ベース部13の切欠部に択一的に当接するスライドプレート53のスライド操作により、主ベース部12と副ベース部13との連結点を変更させている。つまり、主ベース部12と支持プレート50とを固定状態としたり(第二軸52が回転中心として作用したり)、副ベース部13と支持プレート50とを固定状態に変更したり(第一軸51が回転中心として作用したり)できる。
【0031】
さらに、図示説明した昇降椅子は、背部揺動中心6よりも前方位置に、ベース部材7の主ベース部12と副ベース部13とを連結する支持連結部材31の軸心を配置している。これにより、座部1と背部2とは、夫々異なる点(座部揺動中心5と背部揺動中心6)を中心として後方に傾斜でき、座部1は背部2より小さい角度にて傾斜できる。
また、昇降椅子の別の形態としては、背部揺動中心6と、支持連結部材31の軸心とを側面視において偏在させずに一致させると、背部2が後方傾斜しても、副ベース部13が揺動しないため、座部1は略水平状に保たせることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0033】
(請求項1によれば)背部2の後傾動作が可能となり、また、昇降部3が低い位置において、背部2が後方傾斜するため安全であり、楽な着座姿勢を取ることができる。
【0034】
(請求項2によれば)座部1と背部2との揺動中心を偏在させるため、夫々の揺動角度を異なるようさせることができ、背部2を大きく後方傾斜させても、座部1は小さくしか後方傾斜させないようできる。
従って、背部2を後傾させた際に座部1も少し後傾させるため、無理な着座姿勢とさせない。また、リクライニングしても体が前方へ滑る(ずれる)のを防ぎ、かつ、長時間座っていても疲れず、快適な椅子とできる。
(請求項3によれば)背部2を取着する主ベース部12と、座部1を取着する副ベース部13とが、夫々において揺動可能となり、背部2の後方傾斜角度を大きくしても、座部1の後方傾斜角度を小さくすることができ、かつ、後方傾斜する主ベース部12と副ベース部13とを夫々において安定して確実に保持できる。
また、1台のアクチュエータ8により昇降部3の昇降及び後方傾斜が可能となり、部品点数が極めて少なくて済み、構造が簡素化され、かつコンパクトであり、また、故障も少なく信頼性の高いものとできる。
【0035】
(請求項4によれば)昇降部3を昇降させている間は、支持部材16が突っ張ることで傾動ガイド部14を傾動させることがなく安全なものとできる。そして、昇降部3を後方傾斜させる際には、支持部材16が折れ曲がって、後傾機構4の動作をスムーズにさせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動昇降椅子の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】電動昇降椅子の断面側面図である。
【図3】電動昇降椅子の要部を示す側面図である。
【図4】座部と背部が上昇又は降下動作状態にある電動昇降椅子の要部を示す側面図である。
【図5】座部と背部が最下位置にある状態を示す側面図である。
【図6】後方傾斜状態を示す側面図である。
【図7】後傾機構が有する支持部材の動作を説明する説明図である。
【図8】後傾機構が有する支持部材の動作を説明する説明図である。
【図9】変更手段を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 座部
2 背部
3 昇降部
4 後傾機構
5 座部揺動中心
6 背部揺動中心
7 ベース部材
8 アクチュエータ
11 ガイドレール部材
12 主ベース部
13 副ベース部
14 傾動ガイド部
15 固定ガイド部
16 支持部材
Claims (4)
- 座部(1)と背部(2)とを有する昇降部(3)が昇降可能な電動昇降椅子に於て、上記昇降部(3)が所定の低位置に達すると上記背部(2)を後方傾斜させる後傾機構(4)を備えることを特徴とする電動昇降椅子。
- 上記後傾機構(4)は、上記背部(2)を大きく後方傾斜させると共に上記座部(1)を小さく後方傾斜させるように、座部揺動中心(5)と背部揺動中心(6)とを相違させた請求項1記載の電動昇降椅子。
- 上記昇降部(3)はベース部材(7)に取着され下方の固定ガイド部(15)と上方の傾動ガイド部(14)とを有するガイドレール部材(11)に沿ってアクチュエータ(8)により昇降可能とされ、該ベース部材(7)は、上記背部(2)を取着する主ベース部(12)に上記座部(1)を取着する副ベース部(13)が枢結されて構成され、上記昇降部(3)が上記アクチュエータ(8)により上記所定の低い位置に達すると、上記後傾機構(4)は、上記傾動ガイド部(14)を上記背部揺動中心(6)廻りに揺動させて該傾動ガイド部(14)にて保持する上記主ベース部(12)を後方傾斜させ、かつ、該主ベース部(12)の後方傾斜動作により上記固定ガイド部(15)にて上記座部揺動中心(5)廻りに揺動可能に保持する上記副ベース部(13)を揺動させて後方傾斜させる請求項2記載の電動昇降椅子。
- 上記後傾機構(4)は、上記昇降部(3)の昇降動作の際は上記傾動ガイド部(14)を支持して傾動を阻止すると共に傾動作の際は折曲して該傾動ガイド部(14)を傾動可能とさせる支持部材(16)を有する請求項3記載の電動昇降椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174519A JP2005006899A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 電動昇降椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174519A JP2005006899A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 電動昇降椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005006899A true JP2005006899A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34097980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003174519A Pending JP2005006899A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 電動昇降椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005006899A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101041621B1 (ko) * | 2009-01-16 | 2011-06-15 | 한국생산기술연구원 | 슬림형 기립 보조 의자 장치 |
CN102669979A (zh) * | 2012-04-27 | 2012-09-19 | 吴景华 | 一种电动摇椅支架 |
KR101212820B1 (ko) | 2010-11-22 | 2012-12-18 | 동의대학교 산학협력단 | 승강의자용 승강 및 젖힘 구조와 이를 구비한 승강의자 |
KR20180116132A (ko) * | 2017-01-31 | 2018-10-24 | 센요 고교 가부시키가이샤 | 요동 장치 및 이것을 구비한 유희 시설 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174519A patent/JP2005006899A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101041621B1 (ko) * | 2009-01-16 | 2011-06-15 | 한국생산기술연구원 | 슬림형 기립 보조 의자 장치 |
KR101212820B1 (ko) | 2010-11-22 | 2012-12-18 | 동의대학교 산학협력단 | 승강의자용 승강 및 젖힘 구조와 이를 구비한 승강의자 |
CN102669979A (zh) * | 2012-04-27 | 2012-09-19 | 吴景华 | 一种电动摇椅支架 |
KR20180116132A (ko) * | 2017-01-31 | 2018-10-24 | 센요 고교 가부시키가이샤 | 요동 장치 및 이것을 구비한 유희 시설 |
KR102013762B1 (ko) | 2017-01-31 | 2019-08-23 | 센요 고교 가부시키가이샤 | 요동 장치 및 이것을 구비한 유희 시설 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0468686A1 (en) | Recline lift wall hugger chair | |
MX2012009329A (es) | Mecanismo de eslabon de cero holgura de pared para un reciclador elevador. | |
US20110156458A1 (en) | Chair-type massage machine | |
CN111067293A (zh) | 一种带搁脚板的椅子 | |
JP2005006899A (ja) | 電動昇降椅子 | |
CN111053390A (zh) | 一种椅子 | |
CN108523495B (zh) | 一种多位姿调节座椅 | |
JP6524385B2 (ja) | 起立補助椅子 | |
JP5364623B2 (ja) | 椅子型マッサージ機 | |
JP4508760B2 (ja) | 立ち上がり補助椅子 | |
JP2005040346A (ja) | 高さ可動椅子 | |
JP2003102581A (ja) | 椅 子 | |
CN111096594A (zh) | 一种椅子及其搁脚板组件 | |
CN211933364U (zh) | 一种带搁脚板的椅子 | |
WO2014006768A1 (ja) | 椅子型マッサージ機 | |
JP6002395B2 (ja) | 立ち上がり支援装置 | |
CN211722463U (zh) | 一种椅子 | |
JP2005095490A (ja) | 電動昇降椅子 | |
CN211933363U (zh) | 一种椅子及其搁脚板组件 | |
JP2003079668A (ja) | 起立補助座椅子 | |
CN110558760B (zh) | 座椅组成结构 | |
CN219289059U (zh) | 用于可活动的座椅单元的机械伸展装置及座椅单元 | |
CN218127733U (zh) | 一种机械伸展装置 | |
JP2002136377A (ja) | 座椅子 | |
JP2002136381A (ja) | 座椅子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050301 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070327 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070807 |