JP2005005560A - 多層配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機絶縁層と導体配線層からなる基材を、接着層を介して積層する構造を有する多層配線基板において、導体配線層及び有機絶縁層からなる片面基材の有機絶縁層表面に算術平均高さRaの値が0.1〜1000nmとなる粗化を施した後に、接着層と粗化を施した有機絶縁層を貼り合わせることで積層することを特徴とする多層配線基板。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機絶縁層と導体配線層を接着層を介して積層する構造を有する多層配線基板に関するものであり、特に有機絶縁層と接着層界面の密着強度の向上ならびに信頼性を高めた多層配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における電子機器の急速な発展には、小型化、多機能化、高機能化が追求され、同時にこれらの電子部品を搭載、接続する配線基板に対しても高機能・高性能化が求められ、水平方向、垂直方向における3次元的な高密度化が進んでいる。この微細な配線パターンを高密度に有する3次元的な配線基板として、有機絶縁層と導体配線層を積層することにより作製される多層配線基板がある。これは、有機絶縁層と導体配線層を交互に積み重ねていくものであり、層間の接続はビアホールを介して行うものであることから微小な層間接続が可能となり、配線密度を飛躍的に高めることができる。この方式で作製された多層配線基板の絶縁層は、これまでのガラスクロスのような芯材を使用する必要はなく、感光性樹脂あるいは熱硬化性樹脂などで形成されるために薄型化が可能となる。また、導体配線はメッキにより形成されることから、従来の多層配線基板に比べ、配線の高密度化や薄型化、小型化を図ることが可能となる。
【0003】
このような多層配線基板の一例としては、有機絶縁層と導体配線層を積層する際に接着剤を用いる構造が挙げられる。この接着剤を用いる場合、ウエットコーティングあるいはフィルムの貼り合わせ等の方式が取られる。構成された多層配線基板においては、有機絶縁層と導体配線層間、有機絶縁層と接着層間、および導体配線層と接着層間の密着性が重要であり、多層配線基板の安定性や信頼性に大きく関与している。この界面の密着性を評価する方法としてPCT(Pressure Cooker Test)やリフロー試験などがあり、これらの試験を通して界面の密着性が評価されている。
【0004】
接着層と導体配線層界面において、銅箔を用いた導体配線層表面の場合では、主に過酸化水素/硫酸系の薬液を用いた表面化学研磨処理を施して表面を粗化させ、接着面積を大きくすることで密着性を向上させる方法がとられている。接着剤と導体配線層の密着性は、導体配線層の表層を化学研磨した後に表面処理剤を使用することでさらに向上させることができる。接着層と導体配線層間の表面処理剤層は、接着層および導体配線層とそれぞれに共有結合、または水素結合や分子間力などに代表される化学的結合を形成することで密着性をさらに向上させる役割を担い、同時に導体配線層の表層の活性な状態を維持保護する働きを行う場合もある。この様な防錆剤に用いられ添加剤としては、脂肪酸やエステル、スルホン酸の金属塩等の極性基を有する有機化合物、リン化合物、窒素化合物などが有効である。
【0005】
一方、高分子材料から成る有機絶縁層の表面処理は、表面に親水性の官能基を付与することで接着剤との塗れ性並びに密着性を向上させる方法が用いられている。このような高分子表面処理としては、酸あるいはアルカリ性の溶液を用いる方法(特許文献1参照)、コロナ放電処理(特許文献2参照)、プラズマ処理等(特許文献3参照)、さらには研磨材等(特許文献4参照)で物理的に高分子表面を粗化する処理方法が代表的な例として挙げることができる。
【0006】
酸あるいはアルカリ処理の代表的な例としては、水酸化カリウム水溶液で処理する方法、水酸化ナトリウムやテトラメチルアンモニウムなどの水溶液で高分子材料を処理した後に硝酸処理することで密着性を向上させる方法がある。プラズマ処理としては、高分子材料表面を酸素プラズマ処理により表面を粗化し、表面の接着面積を増加させることで密着性を向上させる、あるいはプラズマ処理を施すことで高分子表面に水酸基やカルボキシル基に代表される極性基が増加することで密着性を向上させる方法がある。また、大気中または水中で微細な研磨材を高分子表面に噴射することで表面を粗化し、密着性を向上させる方法がある。
【0007】
以上に挙げた表面処理方法において、ウエット処理は処理後の洗浄および乾燥が必要であること、有機絶縁材料の吸水による基材の寸法変化が生じやすいこと、有機絶縁層表面の微細な粗化が困難である等の問題がある。一方、プラズマ処理では、導体層の帯電やプラズマによる導体層の変色、更には異常放電等の問題が生じる。この様な問題は、積層した導体層上に高密度配線パターンを形成する際に必要となる高度なエッチング精度を阻害する要因となる。また、研磨材を用いる処理方法は、噴射した粗化剤を絶縁層表面から完全に除去することが困難であり、絶縁層上に残った研磨材は異物として、密着性や絶縁性の低下を引き起こす原因となりうる。
【0008】
【特許文献1】
特開5−279497号公報
【特許文献2】
特開8−12780号公報
【特許文献3】
特開8−34865号公報
【特許文献4】
特開8−34866号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような背景のもと、多層配線基板の製造工程において、導体配線層と有機絶縁層からなる基材の有機絶縁層表面を導体配線層を損なうことなく、高いエッチング精度を有する導体層との密着性を向上させる処理方法、ならびに品質の高い多層配線基板が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、我々は真空プラズマ処理に着目し、異常放電の起こらない方法を用いて有機絶縁層の表層を処理し、表層に微細な凸部位を形成することで接着層との密着性が向上することを見出した。本発明の請求項1は、有機絶縁層と導体配線層を含む基材を接着層を介して積層してなる多層配線基板において、前記有機絶縁層の表面は算術平均高さ(Ra)0.1〜1000nmの粗化面であることを特徴とする多層配線基板である。これにより、高いエッチング精度を有しながら接着層との密着性を向上させる処理が可能となる。
【0011】
本発明の請求項2は、上記粗化面は有機絶縁層に真空あるいは大気圧プラズマ処理を施すことにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の多層配線基板である。これにより有機絶縁層と接着剤層の層間密着性に優れた、高信頼性の積層配線基板を提供することができる。
【0012】
本発明の請求項3は、上記請求項1から2において、多層配線基板のリール−ツー−リール方式を用いたことを特徴とする請求項1、2記載の多層配線基板である。これにより、高い信頼性と生産性を示す積層配線基板を容易に提供することができる。
【0013】
本発明の請求項4は、上記請求項1から3において、有機絶縁層は層厚が1〜100μmの範囲内であるポリイミド樹脂材料から選ばれ、金属導体層は層厚が1〜20μmの範囲内でである銅、アルミニウムからなる金属材料から選ばれることを特徴とする多層配線基板である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の有機絶縁層表面処理方法は、絶縁層表面にのみ真空プラズマ処理を施すことで、接着層と絶縁層との密着性を向上させる処理方法、および高品質な多層配線基板を提供するものである。
【0015】
プラズマ処理を有機絶縁層に施すことで、エッチング効果による有機絶縁層表面の粗化、並びに表面への官能基導入、表面グラフト化、表面の架橋等による有機絶縁層表面の改質・修飾が可能となる。プラズマエッチングにおいては、放電により運動エネルギーを受けた活性粒子が固体表面に衝突することで行われる物理的効果によるものである。ここで、粗化後の有機絶縁層の表面は算術平均高さ(Ra)0.1〜1000nm、更に好ましい算術平均高さは、1.0〜100nmである。算術平均高さが0.1より小さいと、表面処理効果が認められず、密着性が向上しない。また、1000nmより大きいと、過度の表面処理を施す結果となり、表面の密着性を低下させる要因となる脆弱層(Weak Boundary Layer;WBL)が形成されたり、エッチング滓等の遺物の財布着などの問題が生じるため好ましくない。なお、算術平均高さの測定法は、JIS B 0601−2001に従い、表面粗さの形状観察に走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、算術平均高さ(Ra)の測定には、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた。
【0016】
一方、表面の改質・修飾においては、有機材料にプラズマを照射すると、表面分子の結合の切断、あるいは水素原子の引き抜きが起こり、高分子主鎖上にラジカルが生じる。この生成したラジカルは、酸素原子と結合して極性の高い、水酸基、カルボニル基、およびカルボキシル基などの官能基を高分子表面上に生成させたりする化学的効果によるものである。これにより、高分子表面の親水性、接着剤の塗れ性あるいは接着剤との密着性を大幅に向上させることが可能となる。
【0017】
さらに、縮重合により合成した高分子材料にプラズマを照射すると、その主鎖内部のエステル基やアミド基部位で主鎖が切断されてラジカルが生成し、芳香族環部位の架橋反応を引き起こすこともある。この結果、表面の粗化が進行することが考えられる。粗化されることで接着層との密着面積が増大し、密着性の向上がみられる。この様に、プラズマを照射することで、高分子表面の化学的および物理的改質を同時に行うことができるため、密着性を大幅に向上させることができる。
【0018】
プラズマを照射して処理することで、有機絶縁層表面の粗化と同時に、官能基の導入による接着剤に対する濡れ性の向上、分子量の大きな架橋構造の形成、高分子基材表面に付着した汚染物質や低分子量体等の分解除去等の効果からより高い接着性が得られると考えられる。接着力の弱い層が取り除かれ、接着剤が強い架橋構造を有する高分子基材表面と接合すること密着性が大きく向上する。
【0019】
上記のようなプラズマ照射は、最表層では比較的短い時間で生じるため、処理時間を長くとる必要はなく、このためにリール−ツー−リール方式に適している。生産性の高いリール−ツー−リール方式を取ることが可能なため、処理後のフレキシブル基材をフィルム接着剤を用いて積層することが容易となり、多層配線基板の生産性を高めることができるという利点を持っている。
【0020】
上記のプラズマ処理方法に用いるガスは、酸素、窒素、アルゴン等に代表されるガスを、単独、あるいは混合させて用いる、または、これらのガスにハロゲン化炭化水素ガスを混合させて用いることも可能である。これらのガスを0.1〜1000Paの真空度下でプラズマを発生させる方法、並びに大気圧下で上記のガスを流しながらプラズマを発生させて処理する方法が考えられる。この様な条件下において、放電モード(プラズマエッチング、リアクティブ・イオン・エッチング等)、真空度、出力、周波数、処理時間、電極とサンプル間の距離等の処理条件を変化させることで、有機絶縁層表面の粗化度合いおよび形状を制御することが可能となる。
【0021】
有機絶縁材料に用いる基材の材質としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂等に代表される公知の高分子絶縁性フィルムが使用可能である。特には、カプトン(登録商標)、アピカル(登録商標)、ユーピレックス(登録商標)、エスパネックス(登録商標)等に代表されるポリイミド、ベクトラ(登録商標)、ベクスター(登録商標)等に代表される液晶ポリマー、ゼオノア(登録商標)を代表とするオレフィンポリマーなどの樹脂材料から選ばれることが望ましい。また、絶縁層の厚さとしては、1〜100μmが好ましく、特には5〜50μmが特に望ましい。ただし、プラズマ処理が可能なフレキシブル基板の絶縁層は、上記の樹脂材料に限定されるものではない。
【0022】
導体配線層に用いる基材の材質としては、多層配線基板の導体配線層としてに用いることができる、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、亜鉛等の金属類あるいはこれらを主成分とする合金の中から選ぶことができ、これらの導体配線層は電解法あるいは圧延法などの手法で作製されたものが好まし。特には、銅、アルミニウムの中から選ばれることが望ましい。また、導体層の厚さとしては、1〜100μmが好ましく、特には1〜20μmが望ましい。ただし、プラズマ処理が可能なフレキシブル基板の導体層は、上記の金属材料に限定されるものではない。
【0023】
本発明のプラズマ照射による有機絶縁層処理を用いた多層配線基板の製造工程を図を用いて詳しく説明する。配線回路を形成した基材の導体配線層1上に接着層3を設ける。この接着層上に有機絶縁層側のみにプラズマを照射して表面改質を施した有機絶縁層4と導体配線層5から成るフレキシブル基材の有機絶縁層3を接着層上に積層して多層配線基板(2枚、2層)を作製する。これらの工程を繰り返し積層して接着層と有機絶縁層の密着性に優れた多層配線基板を提供することができる。また、有機絶縁層が導体配線層に挟まれた構造を有する基材の片面又は両面に積層することもできる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
ポリイミド系フィルムの両面に銅箔を付けたフレキシブルプリント回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)の両面に、エポキシ系接着フィルム(日立化成(株)製 商品名AS2700)を、真空プレスを用いて120℃、5kg/cm2、60秒の条件で仮圧着を行った。次に、平行平板型ドライエッチング装置を用いて、窒素ガス雰囲気中、圧力50Pa条件下においてプラズマ処理を1分間施した片面銅箔付きプレキシブル回路用基板(新日鐵化学(株)製商品名エスパネックス)のポリイミド面を、先に仮圧着したエポキシ系接着フィルムと貼り合わせ、真空プレスを用い150℃、10kg/cm2、1時間加熱・圧着を行い積層して4層構造の基板を作製した。このプラズマ処理を施したポリイミド面の表面粗さを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した結果、算術平均高さRaが0.86nm、トップ−ボトム間(Z−range)が9.5nmであった。
【0026】
(実施例2)
実施例1のプラズマ処理時間を3分に代えた以外は実施例1と同様にして4層の多層配線基板を得た。このプラズマ処理を施したポリイミド面の表面粗さは、AFMを用いて測定した結果、算術平均高さRaが2.2nm、トップ−ボトム間(Z−range)が21.4nmであった。
【0027】
(実施例3)
実施例1のプラズマ処理時の圧力を10Paに代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。このプラズマ処理を施したポリイミド面の表面粗さは、AFMを用いて測定した結果、算術平均高さRaが3.2nm、トップ−ボトム間(Z−range)が28.2nmであった。
【0028】
(実施例4)
実施例1のプラズマ処理時間を3分に、またプラズマ処理時の圧力を10Paに代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。このプラズマ処理を施したポリイミド面の表面粗さは、AFMを用いて測定した結果、算術平均高さRaが4.5nm、トップ−ボトム間(Z−range)が39.0nmであった。
【0029】
(実施例5)
実施例1の市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)と片面銅箔付きフレキシブル回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)をそれぞれ市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板(宇部興産(株)製 商品名ユピセル)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板(宇部興産(株)製 商品名ユピセル)に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0030】
(実施例6)
実施例1の市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)をそれぞれ市販の両面銅箔付きフレキシブルプリント回路用基板(三井化学(株)製 商品名ネオフレックス)と片面銅箔付きプレキシブル回路用基板(三井化学(株)製 商品名ネオフレックス)に代えた以外は実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。
【0031】
(比較例1)
実施例1の第二のポリイミド系配線フィルムである片面銅箔付きプレキシブル回路用基板(新日鐵化学(株)製 商品名エスパネックス)のポリイミド面にプラズマ処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして4層の導体層を有する多層配線基板を得た。プラズマ処理を施していないポリイミド面の表面粗さは、AFMを用いて測定した結果、算術平均高さRaが0.63nm、トップ−ボトム間(Z−range)が7.3nmであった。
【0032】
(接着強度の測定)
実施例1〜6及び比較例1によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板に対して、それぞれの多層配線基板から導体層のない部分から選択的に幅10mm、長さ100mmサイズの評価用サンプルを切り出し、PCT投入前及びPCT投入後の接着層と第二のポリイミド系配線フィルムのポリイミド界面の接着強度を、T型剥離(剥離速度:50mm/min)にて測定した。
【0033】
(PCT)
実施例1〜6及び比較例1によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板に対して、121℃、100%不飽和の環境下、168時間プレッシャー・クッカー・テスト(PCT)を行った。PCT後、外観を光学顕微鏡で観察を行い、外観上問題が無かったものを○、層間の剥離等で外観上問題があったものを×として表1に記載した。
【0034】
(リフロー耐性試験)
実施例1〜6及び比較例1によって得られた4層の導体層を有する多層配線基板を、85℃、85%の環境下、168時間前処理を行った後、260℃を10秒以上の条件で3回、リフロー炉に投入した。試験後、外観を光学顕微鏡で観察した。外観上問題が無かったものを○、層間の剥離等で外観上問題があったものを×として表1に記載した。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から明らかなように、比較例1ではPCT後の接着強度の低下が著しく、プラズマ処理を施さなかった場合は、PCT及びリフロー試験とも外観上の異常が観測された。
【0037】
これに対して、実施例1〜6ではPCT後の接着強度の低下が非常に少ないことから、PCT及びリフロー試験で合格することができ、目的の諸特性、即ち、耐熱性、及び吸湿時の接着信頼性に優れた多層配線基板を提供することができた。
【0038】
以上の結果より、本発明の多層配線基板は、安定した接着強度の確保、及び吸湿後の接着強度の確保が可能となることから、層間の接着強度信頼性の優れた多層配線基板を提供することができることが判明した。
【0039】
【発明の効果】
本発明の多層配線基板は、接着剤層とポリイミド樹脂材料等からなる有機絶縁層の界面において、プラズマ処理による微細な粗化を施すことによって、安定した接着強度の確保、及び吸湿後の接着強度の維持が可能となることから、層間の接着強度信頼性の優れた多層配線基板を提供することが出来る。
Claims (4)
- 有機絶縁層と導体配線層を含む基材を接着層を介して積層してなる多層配線基板において、前記有機絶縁層の表面は算術平均高さ(Ra)0.1〜1000nmの粗化面であることを特徴とする多層配線基板。
- 上記粗化面は有機絶縁層に真空あるいは大気圧プラズマ処理を施すことにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
- 上記多層配線基板は可撓性を有する基材をリール−ツー−リール方式で積層してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線基板。
- 上記有機絶縁層は層厚が1〜100μmのポリイミド樹脂材料からなり、上記導体配線層は層厚が1〜20μmの銅、アルミニウムから選ばれた金属材料からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかの1に記載の多層配線基板。
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