JP2010021539A - スルーホール付多層プリント基板の製造方法、プリント基板及び多層プリント基板を形成する減圧オートクレーブ装置 - Google Patents

スルーホール付多層プリント基板の製造方法、プリント基板及び多層プリント基板を形成する減圧オートクレーブ装置 Download PDF

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Abstract


【課題】
接着剤を使用しない多層プリント基板の製造は絶縁物に無電解メッキを使用する方法と
減圧蒸着法がある。何れも接着力が弱く、不安定であるために完成された製品は販売され
ていない。これはプラスチックと金属の融点が大きく違うために両者の結合が出来ないた
めと考えられている。本発明では原子レベルで機械的な結合を行うことによりプラスチッ
クと金属を強力に接着したプリント基板を製作することである。
【解決手段】
プラスチックと蒸着金属の境界面には多数の原子空孔と空隙が存在している。他方、加
工された金属箔内の原子空孔は独立気泡状態であり、又蒸着、メッキによる薄膜内では空
孔が多数存在する。本発明は蒸着金属の空孔に熱可塑性プラスチック(樹脂)原子を加熱
圧着(オートクレーブ装置)法を用いて機械的に押し込む事により強力な接着を得ること
が出来る。
【選択図】図1

Description

本発明の技術は熱可塑性樹脂、例えばポリイミド樹脂に減圧蒸着により、伝導性金属、
例えばAl、Ni、Ta、Ti、Cu、Pd、Au等を蒸着して製造されたプリント基板プリント基板の
製造方法、プリント基板および多層プリント基板を形成する減圧オートクレーブ装置を提
供する。
一般に樹脂と金属原子の結合は融点が大きく違うので両者間の接着は出来ない。通常、独
立した製品は、ネジなどを用いて機械的な結合されるが、樹脂と金属とは従来接合は極め
て困難であった。
通常、金属材料は融解から徐冷して圧延加工して使用する。しかし、金属を高温で蒸気
とし、基板に蒸着すると金属薄膜が形成できる。
この薄膜は一般に非結晶体で溶融するまで結晶体にならない性質を持っている。金属回路
用の膜厚は例えば湿式メッキの場合には時間で調整し、金属回路の接続は、表面のハンダ
ペーストで行う。
エネルギーの高い電子で照射すると電子線は簡単に樹脂、例えばポリイミドを通過する
。しかし、低エネルギーにすると樹脂内部で停止し、同時に温度が上昇し、樹脂の変形が
起こるので電子電圧を200ボルト以下とすると、樹脂成分を構成する原子から2次電子
も発生する。その結果スルーホールの周辺のプラス電荷が消滅し、ホールの内面にも均一
な蒸着膜が積層される。
本発明の課題は、少なくとも1層のプリント基板を形成し、さらに複数のプリント基板
を従来の接着剤を使用せず、積層したプリント基板が後述する表1に示す接着力(密着力
、接合力とも言う)を備えたプリント基板を製造する方法を提供することである。この技
術は一般のプリント基板をIC基板の製造に供すると同様に、ナノ基板の製造工程の中で
離型と接着の相反する物性の問題も解決し、転写法を可能にする高密度のナノ基板、IC
チップの製作に使用出来る新技術である。
従来、ICチップ、ナノプリント回路を製作するとき転写法を使用する。この時離型し
た製品を転写する事は離型剤があるために通常不可能である。しかし、本発明による技術
はナノのレベルで基板と回路を機械的に接合するのでナノプリント回路の製作が可能であ
る。
特開平6−97652号公報 特願2008−263152号
所定の厚みの平板状の熱可塑性樹脂の所定の位置に上下方向に貫通孔(スルーホル)を
開け、該樹脂の少なくとも表面と貫通孔表面に導電性金属を減圧、望ましくは真空中で蒸
着し、同時に200ボルト以下の低電圧を基板との間に印加して基板の静電気を除去し、
該金属と前記の樹脂との境界面に発生した前記金属の空孔と前記樹脂の空孔(ボイド)に
前記金属と樹脂の原子又は分子が相互に入り込むように減圧中で前記樹脂のガラス転位温
度以上、融点以上100℃以下の温度で加圧圧着して、プリント基板を製造する。伝導性
金属としては、電気伝導性の高い金属、例えばAl、Ni、Ta、Ti、Cu、Pd、Au等を利用する
ことが出来る。
このようにして形成したプリント基板を2枚以上複数枚を重ね合わせて、減圧中で前記樹
脂のガラス転位温度以上、融点以上100℃以下の温度で加圧圧着して、さらに多層基板
を製造する。
前記熱可塑性樹脂は、テフロン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、
スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニール、ポリイミドを含む耐熱性熱可塑性樹脂のいずれかで
もプリント基板とすることができる。
前記プリント基板を加圧圧着する装置は減圧又は真空オートクレーブ装置が望ましい。境
界面に空気その他のガスが侵入して気泡となることを防止するからである。(テフロンは
登録商標です)
また、上記方法で、下記の構造を備えたプリント基板を提供する。
所定の位置に上下方向に貫通孔(スルーホル)を設けた平板状の熱可塑性樹脂であって、
該樹脂の表裏面の少なくとも表面と貫通孔表面に導電性金属を減圧中で蒸着し、同時に20
0ボルト以下の低電圧を基板との間に印加して基板の静電気を除去し、
該伝導性金属と前記の樹脂との境界面に発生した前記金属と前記樹脂の空孔(ボイド)に
前記金属と樹脂の分子が相互に入り込むように減圧中で前記樹脂のガラス転位温度以上融
点以下の温度で加圧圧着されたプリント基板を提供する。
上記プリント基板を積層し、減圧オートクレブで圧着すると、多層プリント基板が提供
できる。
上記プリント基板を作成するオートクレーブは、
上フレーム(31)と下フレーム(33)のそれぞれの底面に蛇腹を介して機密に接続さ
れた金属の底板(32)と(34)で基板を収容する空間(35)を構成し、排気ポンプ
(40)で排気される前記空間には単数又は複数の積層されるべき蒸着された基板が収容
され、
前記上下フレームの周囲は機密リング(36)を備え、前記上下のフレームは複数のクラ
ンプ(37)で機密に保持され、
前記金属の底板は上下方向から、内部に前記基板を加熱する加熱体(38)を備える金属
盤(39)で、油圧装置で圧縮され、前記基板の圧縮を行う減圧オートクレーブ装置。
従来樹脂、特にポリイミドに導電性金属を蒸着する方法、又はメッキ方法では、強力に
金属と樹脂を接着する事は不可能であった。しかし、他に方法がないので接着剤、例えば
、熱可塑性樹脂などの接着剤を使用して2層以上のプリント基板の製造が行われてきた。
従って、接着剤層があるため電気回路が短絡又は断線するなどの問題があった。
しかし、本発明では、導電性金属として、例えばAl、Ni、Ta、Ti、Cu、Au等を減圧を含む
真空蒸着法を用いて樹脂、例えばポリイミドに蒸着し、減圧オートクレーブ法を用いて蒸
着金属と樹脂を強力に接着する事を可能にした。同時に基板の両面スルーホールで導通さ
れた基板両面に電子回路を有するプリント基板が製造できた。この基板はメタル同士の接
続(ハンダは250℃)とポリイミド同士の接着(380℃)が1工程同時に出来るので
部品又は中間体プリント基板として1枚のプリント基板に組み込むことができ、また、こ
の時点で、検査をすることが出来る効果を有する。
更に多層プリント基板は前記両面にメタル回路を有するプリント基板を上下面に位置合わ
せをして仮止めを行い前記オートクレーブ法を用いてスル−ホール付多層プリント基板を
完成できる。本プリント基板の製法は一般プリント基板からIC基板、ナノ基板の製造を
可能とし、また層間の接続にはんだを使用しないので低公害化を達成できる。
図1は熱可塑性ポリイミドと金属、例えば銅を減圧蒸着法を用いて接合する製造工程を示す。図1aは例えば熱可塑性ポリイミドフイルムにスルーホール、ベアホール、部品取り付け用の穴を有する基板を示す。図1bは減圧中で200ボルト以下の電子線を照射しながら銅を蒸着する工程を示す。図1cは表と裏にフオトエッチングを用いて電子回路を作成する工程を示す。図1dはメタル2層のプリント基板で、積層したメタル3回路2層プリント基板を示す。 図2は、金属を減圧蒸着する装置の概要図である。 図3は、蒸着された基板を加熱圧縮するオートクレーブ装置である。 図4はメタル4回路のフレキシブル3層プリント基板を示す。 図5は、減圧オートクレーブに入れて390℃,5分間加熱圧着した場合と圧着前におけるポリイミドと蒸着金属の接着状況を模式的に示す図である。 X線SAXS(小角X線照射法)による種々の基板の空孔の分布実測図である。
平板状の熱可塑性樹脂に予め上下面に導通回路を設ける所定の位置に上下方向に貫通孔
(スルーホル)を開け、減圧、望ましくは真空(0.1 Torr以下)下で金属の蒸気を照
射する装置の概要図(図2)である(特開平6−97652号公報)。
この装置は減圧容器内で加熱した容器8内で溶融した金属9を蒸発させ、他方陰極6を加
熱し、発生した熱電子を約200ボルト以下の直流の陽極7で加速し、基板3に対して金
属を蒸着させる装置である。なお基板は回転軸4と回転軸5で2方向に回転され均一に金
属蒸気が蒸着される。2は減圧バルブ、14は金属を加熱する電流のトランス、12は熱
電子を発生させるための電流トランスである。
この装置1は溶融した金属9の蒸気を基板3に蒸着させ、同時に熱電子を基板に照射し
て、基板材に2次電子を発生させ、基板に設けた貫通孔の角部分に蒸着金属の集中を排除
し、貫通孔内表面にも蒸着金属を均一に付着させる。
なを、陽極の電圧は200ボルト以下、例えば100ボルトであるから、基板を通過する
ことなく、基板材から2次電子を発生させる。
図1aから図1dには、プラスチック基板と金属を蒸着された基板を示す。図1aは例えば
熱可塑性ポリイミドフイルムにスルーホール、ベアホール、部品取り付け用の穴を有する
基板を示す。
図1bは減圧中で200ボルト以下の電子線を照射しながら銅が蒸着された基板を示し、
図1cは表と裏にフオトエッチングを用いて電子回路が作成された基板を示し、図1dはメ
タル2層のプリント基板で、積層したメタル3回路2層プリント基板を示す。
基板は厚み12から50μm で、スルーホールは直径0.1から0.2mm程度である。
なおこれらの数値は限定されるものでない。
この蒸着膜は、一般に非晶質の膜である。樹脂との境界面に形成した金属は樹脂に侵入
しておらず、金属と樹脂の分子はまだ相互に密着していない。そこで、金属膜と樹脂が相
互に入り込み密着するように減圧、望ましくは真空中で前記樹脂のガラス転位温度以上で
融点100℃以下の温度で加圧圧着すると、金属膜と樹脂とが密着したプリント基板が製造
できる。即ち、樹脂の一部を溶解しながら蒸着金属と樹脂を、圧力5Kg/cm2程度で圧着す
る。伝導性金属としては、例えばAl、Ni、Ta、Ti、Cu、Au等を利用できる。経済性の点か
らはAl、Ni、Ta、Ti、Cuが望ましい。電導性の点からはCu、Auなどが望ましい。
200ボルト以下の電子(2次電子を含む)で照射された銅は、励起され、境界面は急冷
されて空孔の集合体が生成するように樹脂全面に蒸着され、同時に銅の膜を生成する。電
子は200ボルト以下の低電圧電子を示す。この電子はポリイミドの中で樹脂の分子中の
多くの電子と衝突して2次電子となる。この電子は等比級数的に増加しポリイミドの孔等
の端部の静電気を除去し且つスルーホールの内面に多くの銅原子を呼び込み、孔の内面に
付着し、導電性の高いスルーホールが完成する。同時にこの低電圧電子はエネルギーが小
さいのでポリイミドの発熱温度上昇を防ぎプリント基板の熱変形を少なくする効果があり
、プリント基板の寸法精度を向上する。又減圧蒸着は銅原子を均一に分散させ、再固着さ
せるので直径1ミクロンのスル−ホール内面にも蒸着する。そこで、電子回路が今後小型
化と高密度化された場合にもGHz、高速通信等において高性能のグランドアースが提供
できる。
このようにして形成したプリント基板を2枚以上複数枚を重ね合わせて、さらに減圧中
で前記樹脂のガラス転位温度以上融点以下の温度で加圧圧着すると図4に示すような多層
基板が製造できる。熱可塑性樹脂としたのは、この樹脂が200から300℃程度で、軟
化し、さらに温度が高くなると液化するので、減圧中で圧縮すると金属膜と樹脂とが密着
し、後で述べるピール強度が高まるからである。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニール、ポリイミドを含
む耐熱性樹脂のいずれかでもプリント基板とすることができる。
図3は減圧下で加熱圧縮を行うオートクレーブ装置を示す。この装置は例えば4角形の
フレーム31と33の底面に蛇腹を介して機密に接続されたステンレス鋼の底板32と3
4で基板を収容する空間35が構成され、この空間に積層されるべき蒸着された基板が収
容される。
フレームの周囲は機密リング36を備え、上下のフレームは複数のクランプ37で機密に
保持される。ステンレス鋼の底板は上下方向から、内部に加熱体38を備える例えば金属
盤39で圧縮される。圧縮は例えば油圧装置で行われる。
上記空間35は排気ポンプ40で排気され、減圧、望ましくは減圧に維持され、基板の圧
縮を助ける。50は上記空間35の拡大図で、蒸着された基板6は、薄いステンレス板4
1に上下を挟まれ、空間に配置される。加熱体38により加熱された状態で油圧等により
圧縮される。
図4は上記工程で形成された多層基板を示す。
熱可塑性ポリイミド7の表裏面に電子照射した蒸着銅6内部に空孔があり、ここに樹脂を
進入させ、金属膜で被覆された2層プリント基板を接合させるために減圧空間35の中に
挿入し、減圧ポンプ40を用いて減圧とする(図3参照)。減圧空間は0.1mmのステ
ンレス金属板を上下に微動出来る構造とし周囲をフランジで固定している。減圧空間35
と2層プリント基板の蒸着膜6の間には平滑板41が熱歪みの除去と蒸着銅6の表裏面を
平滑に仕上げるために挿入してある。減圧空間35を均熱に加熱し加圧する。金属盤39
は熱伝導性の高い金属の内部にカートリッチヒーターを埋め込み、温度を熱可塑性ポリイ
ミドのガラス転位温度(265℃)から融点以上100℃(380℃)の範囲とし、圧力
は油圧ポンプを用いて5Kg/cmとした。このオートクレーブの特徴は蒸着銅6の原子と
熱可塑性ポリイミド分子が均一に加熱加圧するため、減圧空間35と平滑板41を0.1
mm以下程度とする。
図6はポリイミド樹脂と銅蒸着面の銅の空孔の大きさとその存在頻度をX線(SAXS)実測
した値を示す(Nikkei Microdevice,Nov. 2007,97頁、なおB
曲線は発明者が測定した結果)。曲線Aは上記銅蒸着境界面の場合、空孔径が1nmで最
も大きくなっている。曲線Bはスパッターリングで薄膜を形成した場合の空孔の頻度の値
を示す。曲線Cは無電解メッキ境界の場合を示す。何れも空孔の存在が確認される。曲線
Aと曲線Bの違いは真空蒸着とスパッタリングとの差と考えている。又曲線Cは圧延箔の
中に発生する空孔が比較的に大きいことを示す。

表1は従来の蒸着2層プリント基板(3層プリント基板を除く)と本発明による基板のピ
ール強度(Kg/cm)の比較実測値を示す。蒸着装置は直径900x高さ1200の蒸着装
置を使用し、材料は従来品は熱硬化性ポリイミド(商標カプトン)である。
本発明は熱可塑性ポリイミドを使用した。JISの規定ではピール強度は 0.5Kg/cm
以上が望ましいとしている。
評価の結果;
1.実験No1,2,3に示す蒸着薄膜は水あるいは水を含むエッチング工程、現像工程を
通すと極端にピール強度が低下する。これはポリイミドと銅の境界面に発生した空孔に水
分が進入するためである。また、この結果は境界面に空孔が存在することを示す。
2,本発明の実験No 4,5,6(オートクレブ処理)では熱可塑性ポリイミドのピー
ル強度は高く、水等現像、エッチング工程を行ってもピール強度の低下は認められなかっ
た。即ち、蒸着銅の境界面に多くの空孔の集合があり、その中にポリイミド分子が進入し
、接着していることを示す。
3,ピール強度試験後金属側にポリイミド分子が付着しており、ポリイミド側には均一
なポリイミド分子のちぎれた痕跡が見られた。
従来減圧蒸着した銅薄膜が剥離するのはポリイミドと銅の接触面に水分が進入するため
と知られているが、本発明による2層プリント基板はこれを熱可塑性ポリイミドに減圧蒸
着した銅を減圧中で熱圧着(オートクレーブ)法を用いて同士の接合を行い均一で強力な
接着が出来る。 プリント基板は樹脂と導電性金属の接合が材料の基本である。ところが
、融点が通常120℃のプラスチックと融点が1083℃の銅金属を結合する事は化学的
に不可能である。しかし日常的にネジ等は機械的結合によってあらゆる場所で使用されて
いる。しかし、これを原子のレベルで機械的に結合すればプラスチックと金属は接合でき
る。この機構を次に説明する。
融解した金属を冷却して圧延した箔の中には多数の空孔が独立気泡の形で入っている。
他方、減圧中で蒸着した薄膜は銅原子が急冷されて凝固し、隙間(空孔)だらけである(結
晶組織学、結晶転位論参照)。これを空孔と呼ぶ。従来蒸着薄膜が弱いのは独立気泡であ
るため、原子同士が相互に進入して接触して結合が行われていない事によるものである。
更にこの空孔の集合体である気泡は水やエッチング、写真現像の時水の原子を吸い込むの
で更に接着力が弱くなることが知られている。先に示した図6はX線測定機SAXSによ
る境界面付近の空孔の集合体の大きさを示す。Aは電子照射薄膜、Bはスパッター薄膜、
Cは湿式メッキ薄膜の値を示す。この空孔は学問的にも組織学、およびナノ加工技術分野
では知られていない。
図5aは図6のデーター曲線Aの結果を基に銅6の空孔の集合体の中にポリイミド原子
が入り込んだ深さ(4nm)の概要を示す。又図5bは原子を球と考えた場合の表層部の
概念図を示す。
先に示した表1は熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の二種類について条件を変えて接着強度(
ピール強度という。)を測定した結果であるが、この測定値の示す結果は明らかに蒸着金
属の空孔の集合体中に熱可塑性ポリイミドが入り込み、その結果原子レベルでの機械的な
結合が行われ、No4,No5、No6、の実験条件において熱可塑性ポリイミドのピー
ル強度が総て著しく増加している事が証明された。
上記実施形態における熱可塑性ポリイミドと蒸着薄膜の接合例はガラスエポキシ材料、
カーボンFRP等構造材料にも適用でき、さらには航空機、自動車、船舶の外板、ジエッ
トエンジンのタービンブレード等、軽量で表面強度を要する材料にも応用できる。



Claims (7)

  1. 平板状の熱可塑性樹脂の所定の位置に上下方向に貫通孔(スルーホル)を開け、
    該樹脂の少なくとも表面と貫通孔表面に導電性金属を減圧中で蒸着し、同時に200ボルト
    以下の低電圧を基板との間に印加して基板の静電気を除去し、
    該金属と前記の樹脂との境界面に発生した前記金属の空孔と前記樹脂の空孔(ボイド)に
    前記金属と前記樹脂の分子が相互に入り込むように減圧中で前記樹脂のガラス転位温度以
    上、融点以上100℃以下の温度で加圧圧着して、プリント基板を製造する方法。
  2. 前記プリント基板を2枚以上複数枚を重ね合わせて、減圧中で前記樹脂のガラス転位温度
    以上、融点以上100℃以下の温度で加圧圧着して、多層基板を製造する方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、テフロン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、
    スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニール、ポリイミドを含む耐熱性樹脂のいずれかである請求
    項1又は2記載の基板製造方法。
  4. 前記プリント基板を加圧圧着する装置が減圧オートクレーブ装置であることを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載の基板製造方法。
  5. 下記の構造を備えたプリント基板。
    所定の位置に上下方向に貫通孔(スルーホル)を設けた平板状の熱可塑性樹脂であって、
    該樹脂の表裏面と貫通孔表面に導電性金属を減圧中で蒸着し、同時に200ボルト以下の低
    電圧を基板との間に印加して基板の静電気を除去し、
    該伝導性金属と前記の樹脂との境界面に発生した前記金属の空孔と前記樹脂の空孔(ボイ
    ド)に前記金属と樹脂の分子が相互に入り込むように減圧中で前記樹脂のガラス転位温度
    以上、融点以上100℃以下の温度で加圧圧着されたプリント基板。
  6. 前記プリント基板が複数積層され、減圧オートクレーブで圧着された多層プリント基板
  7. 減圧オートクレーブ装置であって、
    上フレーム(31)と下フレーム(33)のそれぞれの底面に蛇腹を介して機密に接続さ
    れた金属の底板(32)と(34)で基板を収容する空間(35)を構成し、排気ポンプ
    (40)で排気される前記空間には単数又は複数の積層されるべき蒸着金属基板が収容さ
    れ、
    前記上下フレームの周囲は機密リング(36)を備え、前記上下のフレームは複数のクラ
    ンプ(37)で機密に保持され、
    前記金属の底板は上下方向から、内部に前記基板を加熱する加熱体(38)を備える金属
    盤(39)で、油圧装置で圧縮され、前記基板の圧縮を行う減圧オートクレーブ装置。



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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101207091B1 (ko) * 2010-07-01 2012-11-30 김재욱 탈포용 오토클레이브 장치 및 그 작동방법
JP2016216814A (ja) * 2015-05-15 2016-12-22 日立化成株式会社 無電解めっき方法及び配線板の製造方法

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