JP2005005457A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工程数の増加を抑制しつつ、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御する。
【解決手段】Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入Nを用いて、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成し、オーバー不純物導入層10に含まれるN型不純物を多結晶シリコンゲート5内でアクティブ領域7の方向に拡散させる。
【選択図】 図2
【解決手段】Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入Nを用いて、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成し、オーバー不純物導入層10に含まれるN型不純物を多結晶シリコンゲート5内でアクティブ領域7の方向に拡散させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、電界効果型トランジスタのしきい値制御方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
電界効果型トランジスタでは、チャネル幅が狭くなると、逆狭チャネル効果によってしきい値電圧Vthが低下し、オフリーク(カットオフ電流)が増加する。このため、従来の電界効果型トランジスタでは、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させるため、チャネルドーピングによって電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを高めに誘導することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チャネルドーピングによって電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを高めに誘導する方法では、フォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などを別途追加する必要があり、工程数が増加するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、工程数の増加を抑制しつつ、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置によれば、半導体基板上に形成された素子分離領域と、前記素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域と、前記アクティブ領域に形成され、前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極と、前記素子分離領域上のゲート電極に形成された逆極性の不純物導入層と、前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に形成された不純物拡散層とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、ゲート電極内に導入された不純物を拡散させることで、ゲート電極の仕事関数をアクティブ領域上で変化させることが可能となる。このため、チャネル領域に不純物を注入することなく、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、チャネル領域に不純物を注入するためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極を前記アクティブ領域に形成する工程と、前記素子分離領域上のゲート電極に逆極性の不純物導入層を形成する工程と、前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に不純物拡散層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、チャネル領域に不純物を注入することなく、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、前記第1アクティブ領域にP型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにN型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、前記オーバーイオン注入領域のN型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、多結晶シリコンゲート内にオーバーイオン注入されたN型不純物を拡散させることで、Pチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲートの仕事関数を変化させることが可能となるとともに、Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入を用いて、多結晶シリコンゲートにN型不純物をオーバーイオン注入することが可能となる。
【0010】
このため、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、前記第1アクティブ領域にN型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにP型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、前記オーバーイオン注入領域のP型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、多結晶シリコンゲート内にオーバーイオン注入されたP型不純物を拡散させることで、Nチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲートの仕事関数を変化させることが可能となるとともに、Pチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入を用いて、多結晶シリコンゲートにP型不純物をオーバーイオン注入することが可能となる。
【0013】
このため、Nチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Nチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、Nチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜図3(a)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図、図1(b)〜図3(b)は、図1(a)〜図3(a)のA−A´線で切断した断面図である。
【0015】
図1において、P型半導体基板1にはNウェル2が形成されるとともに、アクティブ領域6、7を素子分離する素子分離膜3が設けられている。ここで、アクティブ領域6はNウェル2上に形成され、アクティブ領域7はP型半導体基板1に直接形成されている。なお、素子分離膜3としては、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)膜またはSTI(Shallow Trench Isolation)などを用いることができる。また、アクティブ領域6、7は、多結晶シリコンゲート5に印加される電圧によってキャリア濃度が制御されるチャネル領域と、チャネル領域の両側のソース/ドレイン領域とを含むことができる。
【0016】
そして、アクティブ領域6、7上には、ゲート絶縁膜4が形成されるとともに、素子分離膜3にかかるようにして多結晶シリコンゲート5が形成されている。そして、アクティブ領域7には、P型不純物導入層8が形成されることで、Pチャネル電界効果型トランジスタが形成されている。
次に、図2に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、アクティブ領域7上にレジストパターンRを形成する。そして、レジストパターンRをマスクとして、N型不純物のイオン注入Nを行うことにより、アクティブ領域6にN型不純物導入層9を形成し、Nチャネル電界効果型トランジスタをNウェル2に形成するとともに、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成する。
【0017】
ここで、Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入Nを用いて、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成することにより、工程数の増大を防止することができる。
次に、図3に示すように、アクティブ領域7上のレジストパターンRを除去する。そして、イオン注入Nが行われたP型半導体基板1の熱処理を行うことにより、N型不純物導入層9の活性化を行うとともに、オーバー不純物導入層10に含まれるN型不純物を多結晶シリコンゲート5内でアクティブ領域7の方向に拡散させる。
【0018】
これにより、Pチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲート5の仕事関数を変化させることが可能となるとともに、N型不純物導入層9の活性化を行うための熱処理を用いて、多結晶シリコンゲート5内でN型不純物を拡散させることが可能となる。
このため、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となり、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0019】
ここで、アクティブ領域7上にレジストパターンRを形成する場合、レジストパターンRの端部の位置を調整し、アクティブ領域とオーバーイオン注入領域との間の距離Dを調整することにより、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となる。
図4は、アクティブ領域7とオーバーイオン注入領域10との間の距離Dがしきい値電圧Vthに及ぼす影響を示す図である。
【0020】
図4において、アクティブ領域7とオーバーイオン注入領域10との間の距離Dが小さくなるに従って、オーバーイオン注入領域10に含まれるN型不純物がアクティブ領域7の方向に拡散し易くなり、しきい値電圧Vthの上昇幅が大きくなることが判る。
このため、レジストパターンRの端部の位置を調整することで、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となり、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0021】
なお、上述した実施形態では、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を調整する方法について説明したが、Nチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を調整する方法に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図4】しきい値電圧Vthと距離Dとの関係を示す図。
【符号の説明】
1 P型半導体基板、2 Nウェル、3 素子分離膜、4 ゲート絶縁膜、5多結晶シリコンゲート、6、7 アクティブ領域、8 P型不純物導入層、9N型不純物導入層、10 オーバー不純物導入層、R レジストパターン、Nイオン注入
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特に、電界効果型トランジスタのしきい値制御方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
電界効果型トランジスタでは、チャネル幅が狭くなると、逆狭チャネル効果によってしきい値電圧Vthが低下し、オフリーク(カットオフ電流)が増加する。このため、従来の電界効果型トランジスタでは、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させるため、チャネルドーピングによって電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを高めに誘導することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チャネルドーピングによって電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを高めに誘導する方法では、フォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などを別途追加する必要があり、工程数が増加するという問題があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、工程数の増加を抑制しつつ、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置によれば、半導体基板上に形成された素子分離領域と、前記素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域と、前記アクティブ領域に形成され、前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極と、前記素子分離領域上のゲート電極に形成された逆極性の不純物導入層と、前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に形成された不純物拡散層とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、ゲート電極内に導入された不純物を拡散させることで、ゲート電極の仕事関数をアクティブ領域上で変化させることが可能となる。このため、チャネル領域に不純物を注入することなく、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、チャネル領域に不純物を注入するためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極を前記アクティブ領域に形成する工程と、前記素子分離領域上のゲート電極に逆極性の不純物導入層を形成する工程と、前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に不純物拡散層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、チャネル領域に不純物を注入することなく、電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、前記第1アクティブ領域にP型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにN型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、前記オーバーイオン注入領域のN型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、多結晶シリコンゲート内にオーバーイオン注入されたN型不純物を拡散させることで、Pチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲートの仕事関数を変化させることが可能となるとともに、Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入を用いて、多結晶シリコンゲートにN型不純物をオーバーイオン注入することが可能となる。
【0010】
このため、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、前記第1アクティブ領域にN型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにP型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、前記オーバーイオン注入領域のP型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、多結晶シリコンゲート内にオーバーイオン注入されたP型不純物を拡散させることで、Nチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲートの仕事関数を変化させることが可能となるとともに、Pチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入を用いて、多結晶シリコンゲートにP型不純物をオーバーイオン注入することが可能となる。
【0013】
このため、Nチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Nチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を制御することが可能となり、Nチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置およびその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜図3(a)は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図、図1(b)〜図3(b)は、図1(a)〜図3(a)のA−A´線で切断した断面図である。
【0015】
図1において、P型半導体基板1にはNウェル2が形成されるとともに、アクティブ領域6、7を素子分離する素子分離膜3が設けられている。ここで、アクティブ領域6はNウェル2上に形成され、アクティブ領域7はP型半導体基板1に直接形成されている。なお、素子分離膜3としては、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)膜またはSTI(Shallow Trench Isolation)などを用いることができる。また、アクティブ領域6、7は、多結晶シリコンゲート5に印加される電圧によってキャリア濃度が制御されるチャネル領域と、チャネル領域の両側のソース/ドレイン領域とを含むことができる。
【0016】
そして、アクティブ領域6、7上には、ゲート絶縁膜4が形成されるとともに、素子分離膜3にかかるようにして多結晶シリコンゲート5が形成されている。そして、アクティブ領域7には、P型不純物導入層8が形成されることで、Pチャネル電界効果型トランジスタが形成されている。
次に、図2に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、アクティブ領域7上にレジストパターンRを形成する。そして、レジストパターンRをマスクとして、N型不純物のイオン注入Nを行うことにより、アクティブ領域6にN型不純物導入層9を形成し、Nチャネル電界効果型トランジスタをNウェル2に形成するとともに、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成する。
【0017】
ここで、Nチャネル電界効果型トランジスタのソース/ドレインを形成するためのイオン注入Nを用いて、多結晶シリコンゲート5にオーバー不純物導入層10を形成することにより、工程数の増大を防止することができる。
次に、図3に示すように、アクティブ領域7上のレジストパターンRを除去する。そして、イオン注入Nが行われたP型半導体基板1の熱処理を行うことにより、N型不純物導入層9の活性化を行うとともに、オーバー不純物導入層10に含まれるN型不純物を多結晶シリコンゲート5内でアクティブ領域7の方向に拡散させる。
【0018】
これにより、Pチャネル電界効果型トランジスタに用いられる多結晶シリコンゲート5の仕事関数を変化させることが可能となるとともに、N型不純物導入層9の活性化を行うための熱処理を用いて、多結晶シリコンゲート5内でN型不純物を拡散させることが可能となる。
このため、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うことなく、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となり、Pチャネル電界効果型トランジスタのチャネルドーピングを行うためのフォトリソグラフィー工程およびイオン注入工程などの追加を不要として、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0019】
ここで、アクティブ領域7上にレジストパターンRを形成する場合、レジストパターンRの端部の位置を調整し、アクティブ領域とオーバーイオン注入領域との間の距離Dを調整することにより、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となる。
図4は、アクティブ領域7とオーバーイオン注入領域10との間の距離Dがしきい値電圧Vthに及ぼす影響を示す図である。
【0020】
図4において、アクティブ領域7とオーバーイオン注入領域10との間の距離Dが小さくなるに従って、オーバーイオン注入領域10に含まれるN型不純物がアクティブ領域7の方向に拡散し易くなり、しきい値電圧Vthの上昇幅が大きくなることが判る。
このため、レジストパターンRの端部の位置を調整することで、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧Vthを制御することが可能となり、工程数の増加を抑制しつつ、逆狭チャネル効果によるオフリークを減少させることが可能となる。
【0021】
なお、上述した実施形態では、Pチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を調整する方法について説明したが、Nチャネル電界効果型トランジスタのしきい値電圧を調整する方法に適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図。
【図4】しきい値電圧Vthと距離Dとの関係を示す図。
【符号の説明】
1 P型半導体基板、2 Nウェル、3 素子分離膜、4 ゲート絶縁膜、5多結晶シリコンゲート、6、7 アクティブ領域、8 P型不純物導入層、9N型不純物導入層、10 オーバー不純物導入層、R レジストパターン、Nイオン注入
Claims (4)
- 半導体基板上に形成された素子分離領域と、
前記素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域と、
前記アクティブ領域に形成され、前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極と、
前記素子分離領域上のゲート電極に形成された逆極性の不純物導入層と、
前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に形成された不純物拡散層とを備えることを特徴とする半導体装置。 - 素子分離領域で素子分離されたアクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、
前記素子分離領域上に延伸されたゲート電極を前記アクティブ領域に形成する工程と、
前記素子分離領域上のゲート電極に逆極性の不純物導入層を形成する工程と、
前記不純物導入層の不純物を拡散させることにより、前記アクティブ領域上のゲート電極に不純物拡散層を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、
前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、
前記第1アクティブ領域にP型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、
前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにN型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、
前記オーバーイオン注入領域のN型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 素子分離領域で素子分離された第1および第2アクティブ領域を半導体基板上に形成する工程と、
前記素子分離領域上に延伸された多結晶シリコンゲートを前記第1および第2アクティブ領域に形成する工程と、
前記第1アクティブ領域にN型不純物をイオン注入することにより、前記第1アクティブ領域にNチャネル電界効果型トランジスタを形成する工程と、
前記第2アクティブ領域および前記素子分離領域上の多結晶シリコンゲートにP型不純物をイオン注入することにより、前記第2アクティブ領域にPチャネル電界効果型トランジスタを形成するとともに、前記多結晶シリコンゲートに逆極性のオーバーイオン注入領域を形成する工程と、
前記オーバーイオン注入領域のP型不純物を前記第1アクティブ領域上の多結晶シリコンゲートに拡散させる工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166636A JP2005005457A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003166636A JP2005005457A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005005457A true JP2005005457A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34092742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003166636A Pending JP2005005457A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005005457A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010034468A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-12 | Renesas Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166636A patent/JP2005005457A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010034468A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-12 | Renesas Technology Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
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