JP2005005356A - パワー半導体モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パワー半導体モジュールの特性不良品を廃棄することなく、製品として活用すること。
【解決手段】絶縁基板上に複数個の半導体素子を接合し、樹脂ケースで覆った内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、半導体素子毎に独立した回路パターンに接合しておき、個別テストで不良と診断された素子を除いて、ワイヤボンディングで並列接続する。
【効果】テストで合格した素子数に応じた電流定格のモジュールとすることで、一部の素子に異常があっても廃棄することなく製品として活用できる。
【選択図】 図2
【解決手段】絶縁基板上に複数個の半導体素子を接合し、樹脂ケースで覆った内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、半導体素子毎に独立した回路パターンに接合しておき、個別テストで不良と診断された素子を除いて、ワイヤボンディングで並列接続する。
【効果】テストで合格した素子数に応じた電流定格のモジュールとすることで、一部の素子に異常があっても廃棄することなく製品として活用できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー半導体装置に関わり、特に半導体モジュールの構造、及び組立プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からIGBT、ダイオード、GTO、トランジスタ等のパワー半導体素子を絶縁容器内に封入したパワー半導体モジュールが知られている。これらの素子はその耐圧や電流容量に応じて、各種インバータ装置などに適用されている。中でもIGBTは、大電流の高周波動作が可能であり、電圧制御素子のため制御が容易であるなどの利点を有している。電流容量が大きくなると、IGBTを電気的に複数個並列接続した構造を用いることが多い。また、使用上の簡便性の点から多くの場合はモジュールのベース部分と電流通流部分が絶縁基板によって電気的に絶縁された、内部絶縁型の構造となっている。
【0003】
特許文献1に、このようなIGBTモジュールの構造の一例が開示されている。その図1や図8から明らかなように、並列接続して使用される複数のIGBTが、同一のコレクタ回路パターン上に半田により接合されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−78620号公報(図1、図2、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パワー半導体モジュールでは、モジュール完成品の出荷前特性検査で不合格となるリスクを低減するため、一般的に組立プロセス中でのインライン品質検査(PQC)が行われる。そのうち、複数の半導体素子を絶縁基板に接続し、金属ワイヤボンディング完了後の状態でPQCを行った場合、その不合格品は、たいていの場合1つの半導体素子が原因であることが多い。しかし、既に半田で接合され、金属ワイヤボンディングされているため修復が困難であり、そのまま廃棄せざるを得ない。
【0006】
このような組立中に不合格となることを防ぐには、前もって半導体素子単体で特性検査を行っておけばよい。しかしながら、半導体素子単体での特性検査では、試験回路との電気的接続がうまくとれないため、特に大電流を流す試験を行えないことがある。また、仮に行えた場合にも、合格品を組立てた後に試験すると、並列接続での電流アンバランス等の問題で不合格となる場合がある。
【0007】
本発明の目的は、複数の半導体素子のうち、一部の素子に異常があっても製品として利用できるパワー半導体モジュールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、絶縁基板上に接合した複数の回路パターンを接合し、この回路パターン上に複数の半導体素子を接合し、これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子を、素子毎に電気的に絶縁したコレクタ回路パターン上に接合したことである。
【0009】
本発明の望ましい実施態様においては、絶縁基板上の回路パターンに複数の半導体素子を電気的に並列接続する構造において、各半導体素子を接続した回路パターンをそれぞれ独立させておく。次に、金属ワイヤボンディングで各半導体素子の低圧側(エミッタ、ソース側)と絶縁基板上の回路パターンを接続した後、半導体素子を樹脂でコーティングし外気から遮断する。この状態で、各半導体素子毎に特性検査を行う。その結果合格となった半導体素子の回路パターンのみを、金属リードと接続された回路パターンに接続する。このとき、各半導体素子から金属リードまでのインピーダンス(主にインダクタンスと抵抗分)をなるべく同じになるように設計しておく。
【0010】
これにより、一部の素子に異常があれば、その素子を除いた並列数で、電流容量の小さなパワー半導体モジュールとして、製品に適用可能である。通常、半導体素子の接続及び金属ワイヤボンディングの完了後に、特性検査で不合格となった絶縁基板は、そのまま廃棄せざるを得ない。これに対して本発明では、製品ラインアップの電流定格を、絶縁基板上に並列接続した半導体素子数分だけ揃えれば、原理的には絶縁基板上の半導体素子が一つも合格しなかった場合以外はいずれかの電流定格の製品として適用可能である。したがって、廃棄される絶縁基板を大幅に低減することができる。
【0011】
本発明の他の特徴とするところは、並列接続して使用される複数の半導体素子を接合したコレクタ回路パターンと、半導体素子のエミッタをエミッタ回路パターンにそれぞれ電気的に接続するワイヤと、絶縁基板上の半導体素子を素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材を備え、複数の半導体素子のうち1部の半導体素子に対応する前記ワイヤを、コーティング材の外側で切断したことである。
【0012】
これにより、異常のある一部の半導体素子を電気的に不活性な状態にすることができ、やはり、廃棄することなく、電流定格を下げた製品として適用可能である。したがって、廃棄される絶縁基板を大幅に低減することができる。
【0013】
本発明のさらに他の特徴とするところは、並列接続して使用される複数の半導体素子の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の回路パターンに接合し、半導体素子のエミッタをエミッタ回路パターンにワイヤでそれぞれ電気的に接続し、半導体素子毎に独立してコーティングし、複数の半導体素子を、それぞれ独立してテストし、複数の半導体素子を選択的に並列接続するように、一部の半導体素子を除く複数の半導体素子に対応する複数のコレクタ回路パターン同士をワイヤで接続することである。
【0014】
本発明のその他の目的及び特徴は、以下の実施形態において明らかにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、モジュール内のIGBTを並列接続する前の状態を示す。なお、図3に、モジュール内のIGBTを並列接続した後の断面図を示しており、図3も参照しながら説明を進める。まず、4つのIGBT101〜104及びダイオード201〜204の半導体素子を、半田3,4(図3)によって素子用のコレクタ回路パターン501〜504に接合する。これらのコレクタ回路パターン501〜504のほか、端子用のコレクタ回路パターン6,7、エミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン91〜94が、絶縁基板11上に接合されている。絶縁基板11には、アルミナ(Al2O2)や窒化アルミニウム(AlN)などのセラミックに、銅(Cu)やアルミニウム(Al)などで上記各回路パターンを接合したものが使用される。並列接続して使用される4つのIGBT101〜104は、それぞれ電気的に絶縁分離した素子用のコレクタ回路パターン501〜504上に半田付けされており、まだ、並列関係には無い。IGBT素子101〜104及びダイオード201〜204のエミッタを、アルミ(Al)などの金属ワイヤ121〜124によって、エミッタ回路パターン8にボンディング接続する。また、各IGBTのゲート電極も、素子毎に独立したゲート回路パターン91〜94に、それぞれワイヤ131〜134によりボンディング接続し、個々のIGBTとして機能するための回路としては完成する。
【0017】
その後、各素子を樹脂141〜144でコーティングする。このように各素子を保護するのは、外部からの異物混入防止のほか、スイッチング試験等で素子が破壊した場合、素子表面の電極等が溶解して飛散するのを防ぐためである。なお、151〜154は、外部端子を引出すための金属リードを接続する位置を示している。
【0018】
この図1に示す状態で、IGBTとダイオードの並列体を個々に検査する。例えば、IGBT素子101とダイオード201の検査を行うときは、その他のIGBT102〜104のコレクタ及びゲートを、それらのエミッタに接続してショートさせる。同様にして、IGBT素子102〜104及びダイオード素子202〜204の各並列体の検査を行う。
【0019】
検査の結果、いずれかの素子が不合格だった場合、モジュールを廃棄することなく、不合格の素子を省いて、健全な素子のみで、電流容量の小さなパワーIGBTモジュールとして組立てる。以下に、IGBT素子104又はダイオード素子204のいずれかに異常があった場合を例に採って説明する。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、健全なIGBTを並列接続した後の構造を示している。また、図3は、図2の▲3▼−▲3▼断面図である。まず、検査に合格した素子を接合している素子用のコレクタ回路パターン501〜503を、金属リードが接続される端子用のコレクタ回路パターン6及び7にワイヤ161〜163を用いてそれぞれボンディング接続する。これによって、合格した3つの素子101〜103及び201〜203のみを並列接続することが可能になる。このとき、端子用のコレクタ回路パターン7に接続しなかった素子用のコレクタ回路パターン504は、電位が不定となるため、ワイヤ17によってエミッタ回路パターン8に接続しておくことが望ましい。また、採用しないIGBT104のゲート回路パターン94も、ワイヤ18を用いてエミッタ回路パターン8に接続しておくことが望ましい。
【0021】
その後、これらの素子群をマウントした絶縁基板11を、図3に示すように、半田19により金属ベース20に接合する。金属ベース20は、モジュールの底面を支え、放熱板の役目も果たす。モジュールの外部に、コレクタ端子21、エミッタ端子22、ゲート端子23及び24を引出す必要がある。このため、コレクタ金属リード25、エミッタ金属リード26、ゲート金属リード27及び28を、それぞれ回路パターン上の電極部において半田29等によって接合する。金属リード25〜28は、有機樹脂製ケース30と一体成型される場合が多いため、この工程で樹脂ケース30は接着剤を用いて同時接着され、モジュール内部の気密性確保のために、シリコンゲル31が充填される。最後に樹脂のフタ32を接着剤33で接着する。
【0022】
この例では4つのIGBT素子を1つの絶縁基板に搭載している。IGBT素子1つ当りの電流定格を100[A]とすれば、1基板あたり100[A]〜400[A]の電流定格を製品ラインアップとして揃えておけば、IGBT素子が全て不合格にならない限り、100[A]〜400[A]いずれかの電流定格として使用可能となる。また、複数の絶縁基板を1つのモジュールに並列接続する場合にも、電流定格を絶縁基板の並列接続数倍すれば良いだけであり、本発明の適用は可能である。
【0023】
実際の適用においては、不合格になって抜き取った素子の位置により、インピーダンスが多少変化することが想定される。しかし、図1に示すように、各素子から隣接するリードまでの相対距離が同じになるように対称配置すれば、どの素子を抜いた場合でも、ほぼ同じ特性を得ることができるため、モジュールとしてのスペックを満足することが可能である。
【0024】
以上の本発明による第1の実施形態を要約すると次の通りである。まず、モジュール底面を支持するベース20上に絶縁基板11を接合し、その上にコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンを接合する。このコレクタ回路パターンには、複数の半導体素子を接合し、そのエミッタを、エミッタ回路パターン8にそれぞれワイヤ121〜124で接続する。これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケース30を備え、並列接続して使用される複数の半導体素子101〜104の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の素子用のコレクタ回路パターン501〜504に接合する。その上で、複数の半導体素子を電気的に並列接続するように複数の素子用のコレクタ回路パターン501と503同士を接続する接続手段を備えている。この接続手段は、複数の前記素子用のコレクタ回路パターン501と503を、同一の端子用のコレクタ回路パターン6を介して接続するように、この回路パターン6にそれぞれ接続するワイヤを備えている。
【0025】
また、パワー半導体モジュールの製造方法としては、次の各ステップを備えている。まず、並列接続して使用される複数のIGBT(半導体)素子101〜104の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の素子用のコレクタ回路パターン501〜504にそれぞれ接合するステップである。次に、これらIGBT素子のエミッタをエミッタ回路パターン8にワイヤ121〜124でそれぞれ電気的に接続するステップである。また、各IGBT素子のゲートもそれぞれゲート回路パターン91〜94に接続される。その後、これらIGBT素子毎に独立して樹脂コーティング材141〜144でコーティングするステップがある。この状態で、複数のIGBT素子を、それぞれ独立してテストするステップがある。この結果、複数のIGBT素子を選択的に並列接続するように、一部の不良のIGBT素子104を除く複数のIGBT素子101と103に対応する複数のコレクタ回路パターン同士501と503をワイヤ161と163で接続するステップを備えている。具体的には、端子用のコレクタ回路パターン6を介して、コレクタ回路パターン同士501と503をワイヤ161と163で接続している。ここで、選択から外れたIGBT素子104に対応する素子用のコレクタ回路パターン504をエミッタ回路パターン8にワイヤ17で接続するステップと、同じくゲート回路パターン94を、エミッタ回路パターン8にワイヤ18で接続するステップを備えることが望ましい。最後に、外部端子21〜24を取出すリード25〜28を、コレクタ回路パターン501〜504,エミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン91〜94に接続して樹脂ケース30に入れ、樹脂製ゲル31を充填するステップを備える。
【0026】
これによって、一部の半導体素子に異常がある場合、これを省いて、健全な素子のみを並列接続することが可能となる。また、異常が認められた一部の半導体素子104に対応する回路パターン504,94を、エミッタ回路パターン8に接続することによって、その電位を安定させ、健全な素子の動作に悪影響を及ぼすことがないようにしている。
【0027】
図4は、本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、モジュール内のIGBTを並列接続する前の状態を示す。なお、図6に、モジュール内のIGBTを並列接続した後の断面図を示しており、図6も参照しながら説明を進める。これらの図において、図1〜3と同一符号は同一物を示しており、重複説明は避ける。さて、図4の場合、4つのIGBT素子及びダイオードは、特許文献1と同じように、共通のコレクタ回路パターン513と524に、2つづつ半田付けされている。各半導体素子は、第1の実施形態と同様に、樹脂などのコーティング材141〜144で表面を覆われている。この例では、ゲート回路パターン912と934は上下の素子に共通化されている。
【0028】
この図4の状態で、IGBTとダイオードの並列体を個々に検査した結果、例えばIGBT素子104が特性不合格であることが判明したとする。この場合、モジュールを廃棄することなく、不合格の素子を省いて、健全な素子101〜103のみで、電流容量の小さなパワーIGBTモジュールとして組立てる。
【0029】
図5は、本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、健全なIGBTを並列接続した後の構造を示している。また、図6は、図5の▲6▼−▲6▼断面図である。まず、IGBT素子104及びダイオード素子204から、別の回路パターンすなわちエミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン934に接続しているワイヤを切断する。図4のワイヤ124が切断され、エミッタ回路パターン8上に、その切れ端1241が残り、一方、コレクタ回路パターン524上にも同じく切れ端1242が残っている。また、図4のワイヤ134も切断され、ゲート回路パターン934上に、その切れ端1341が残り、一方、コレクタ回路パターン524の素子上にも同じく切れ端1342が残っている。切断したワイヤの先端は電界強度が高くなるため、ワイヤの先端部からワイヤの接続していない別のパターンや金属ベースに放電が起こらないようにワイヤは十分短く、かつ別のパターンや金属ベースから十分遠ざけておく。これにより、IGBT素子104とダイオード素子204を電気的に不活性な状態にすることができる。その後、もう一度特性検査を行い、合格した3つの素子101〜103及び201〜203のみを並列接続し、電流定格を下げたモジュールとして活用することが可能となる。
【0030】
その後、これらの素子群をマウントした絶縁基板11を、図6に示すように、半田19により金属ベース20に接合する。以下、先の実施形態と同じである。
【0031】
この実施形態を要約すると次の通りである。まず、モジュール底面を支持するベース20上に絶縁基板11を接合し、その上にコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンを接合する。このコレクタ回路パターン513と524には、それぞれ複数のIGBT(半導体)素子201と203及び202と204を接合し、それらのエミッタを、エミッタ回路パターン8にそれぞれワイヤ121〜124で接続する。これらのIGBT素子を外気より遮断する樹脂ケース30を備えている。絶縁基板11上のIGBT素子を素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材141〜144を備え、複数のIGBT素子のうち1部のIGBT素子104に対応するワイヤ124を、コーティング材144の外側で切断している。
【0032】
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、一部の素子に異常があっても製品として利用できるほか、素子用のコレクタ回路パターン513,524は、個々の素子毎に絶縁分離する必要はなく、従来技術がそのまま採用できる。
【0033】
本例ではIGBT素子を例に説明したが、MOSFET、パワートランジスタなど他の半導体素子に対しても同様に適用可能である。
【0034】
以上の本発明の実施形態によれば、従来廃棄していた特性不良の組立済みの絶縁基板を、より低い電流定格のパワー半導体モジュールとして活用可能であり、廃棄する特性不良品の数を大幅に低減できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の半導体素子のうち、一部の素子に異常があっても製品として利用できるパワー半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続前の構造図。
【図2】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続後の構造図。
【図3】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す図2の▲3▼−▲3▼断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続前の構造図。
【図5】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続後の構造図。
【図6】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す図5の▲6▼−▲6▼断面図。
【符号の説明】
101〜104…IGBT素子、201〜204…ダイオード素子、3,4,19,29…半田、501〜504…素子用のコレクタ回路パターン、6,7…端子用のコレクタ回路パターン、8…エミッタ回路パターン、91〜94,912,934…ゲート回路パターン、11…絶縁基板、121〜124,131〜134,161〜163,17,18…金属ワイヤ、141〜144…樹脂コーティング材、151〜154…金属リード接続位置、20…金属ベース、21…コレクタ端子、22…エミッタ端子、23,24…ゲート端子、25〜28…金属リード、30…有機樹脂製ケース、31…シリコンゲル、32…樹脂のフタ、33…接着剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワー半導体装置に関わり、特に半導体モジュールの構造、及び組立プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からIGBT、ダイオード、GTO、トランジスタ等のパワー半導体素子を絶縁容器内に封入したパワー半導体モジュールが知られている。これらの素子はその耐圧や電流容量に応じて、各種インバータ装置などに適用されている。中でもIGBTは、大電流の高周波動作が可能であり、電圧制御素子のため制御が容易であるなどの利点を有している。電流容量が大きくなると、IGBTを電気的に複数個並列接続した構造を用いることが多い。また、使用上の簡便性の点から多くの場合はモジュールのベース部分と電流通流部分が絶縁基板によって電気的に絶縁された、内部絶縁型の構造となっている。
【0003】
特許文献1に、このようなIGBTモジュールの構造の一例が開示されている。その図1や図8から明らかなように、並列接続して使用される複数のIGBTが、同一のコレクタ回路パターン上に半田により接合されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−78620号公報(図1、図2、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パワー半導体モジュールでは、モジュール完成品の出荷前特性検査で不合格となるリスクを低減するため、一般的に組立プロセス中でのインライン品質検査(PQC)が行われる。そのうち、複数の半導体素子を絶縁基板に接続し、金属ワイヤボンディング完了後の状態でPQCを行った場合、その不合格品は、たいていの場合1つの半導体素子が原因であることが多い。しかし、既に半田で接合され、金属ワイヤボンディングされているため修復が困難であり、そのまま廃棄せざるを得ない。
【0006】
このような組立中に不合格となることを防ぐには、前もって半導体素子単体で特性検査を行っておけばよい。しかしながら、半導体素子単体での特性検査では、試験回路との電気的接続がうまくとれないため、特に大電流を流す試験を行えないことがある。また、仮に行えた場合にも、合格品を組立てた後に試験すると、並列接続での電流アンバランス等の問題で不合格となる場合がある。
【0007】
本発明の目的は、複数の半導体素子のうち、一部の素子に異常があっても製品として利用できるパワー半導体モジュールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、絶縁基板上に接合した複数の回路パターンを接合し、この回路パターン上に複数の半導体素子を接合し、これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子を、素子毎に電気的に絶縁したコレクタ回路パターン上に接合したことである。
【0009】
本発明の望ましい実施態様においては、絶縁基板上の回路パターンに複数の半導体素子を電気的に並列接続する構造において、各半導体素子を接続した回路パターンをそれぞれ独立させておく。次に、金属ワイヤボンディングで各半導体素子の低圧側(エミッタ、ソース側)と絶縁基板上の回路パターンを接続した後、半導体素子を樹脂でコーティングし外気から遮断する。この状態で、各半導体素子毎に特性検査を行う。その結果合格となった半導体素子の回路パターンのみを、金属リードと接続された回路パターンに接続する。このとき、各半導体素子から金属リードまでのインピーダンス(主にインダクタンスと抵抗分)をなるべく同じになるように設計しておく。
【0010】
これにより、一部の素子に異常があれば、その素子を除いた並列数で、電流容量の小さなパワー半導体モジュールとして、製品に適用可能である。通常、半導体素子の接続及び金属ワイヤボンディングの完了後に、特性検査で不合格となった絶縁基板は、そのまま廃棄せざるを得ない。これに対して本発明では、製品ラインアップの電流定格を、絶縁基板上に並列接続した半導体素子数分だけ揃えれば、原理的には絶縁基板上の半導体素子が一つも合格しなかった場合以外はいずれかの電流定格の製品として適用可能である。したがって、廃棄される絶縁基板を大幅に低減することができる。
【0011】
本発明の他の特徴とするところは、並列接続して使用される複数の半導体素子を接合したコレクタ回路パターンと、半導体素子のエミッタをエミッタ回路パターンにそれぞれ電気的に接続するワイヤと、絶縁基板上の半導体素子を素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材を備え、複数の半導体素子のうち1部の半導体素子に対応する前記ワイヤを、コーティング材の外側で切断したことである。
【0012】
これにより、異常のある一部の半導体素子を電気的に不活性な状態にすることができ、やはり、廃棄することなく、電流定格を下げた製品として適用可能である。したがって、廃棄される絶縁基板を大幅に低減することができる。
【0013】
本発明のさらに他の特徴とするところは、並列接続して使用される複数の半導体素子の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の回路パターンに接合し、半導体素子のエミッタをエミッタ回路パターンにワイヤでそれぞれ電気的に接続し、半導体素子毎に独立してコーティングし、複数の半導体素子を、それぞれ独立してテストし、複数の半導体素子を選択的に並列接続するように、一部の半導体素子を除く複数の半導体素子に対応する複数のコレクタ回路パターン同士をワイヤで接続することである。
【0014】
本発明のその他の目的及び特徴は、以下の実施形態において明らかにする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、モジュール内のIGBTを並列接続する前の状態を示す。なお、図3に、モジュール内のIGBTを並列接続した後の断面図を示しており、図3も参照しながら説明を進める。まず、4つのIGBT101〜104及びダイオード201〜204の半導体素子を、半田3,4(図3)によって素子用のコレクタ回路パターン501〜504に接合する。これらのコレクタ回路パターン501〜504のほか、端子用のコレクタ回路パターン6,7、エミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン91〜94が、絶縁基板11上に接合されている。絶縁基板11には、アルミナ(Al2O2)や窒化アルミニウム(AlN)などのセラミックに、銅(Cu)やアルミニウム(Al)などで上記各回路パターンを接合したものが使用される。並列接続して使用される4つのIGBT101〜104は、それぞれ電気的に絶縁分離した素子用のコレクタ回路パターン501〜504上に半田付けされており、まだ、並列関係には無い。IGBT素子101〜104及びダイオード201〜204のエミッタを、アルミ(Al)などの金属ワイヤ121〜124によって、エミッタ回路パターン8にボンディング接続する。また、各IGBTのゲート電極も、素子毎に独立したゲート回路パターン91〜94に、それぞれワイヤ131〜134によりボンディング接続し、個々のIGBTとして機能するための回路としては完成する。
【0017】
その後、各素子を樹脂141〜144でコーティングする。このように各素子を保護するのは、外部からの異物混入防止のほか、スイッチング試験等で素子が破壊した場合、素子表面の電極等が溶解して飛散するのを防ぐためである。なお、151〜154は、外部端子を引出すための金属リードを接続する位置を示している。
【0018】
この図1に示す状態で、IGBTとダイオードの並列体を個々に検査する。例えば、IGBT素子101とダイオード201の検査を行うときは、その他のIGBT102〜104のコレクタ及びゲートを、それらのエミッタに接続してショートさせる。同様にして、IGBT素子102〜104及びダイオード素子202〜204の各並列体の検査を行う。
【0019】
検査の結果、いずれかの素子が不合格だった場合、モジュールを廃棄することなく、不合格の素子を省いて、健全な素子のみで、電流容量の小さなパワーIGBTモジュールとして組立てる。以下に、IGBT素子104又はダイオード素子204のいずれかに異常があった場合を例に採って説明する。
【0020】
図2は、本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、健全なIGBTを並列接続した後の構造を示している。また、図3は、図2の▲3▼−▲3▼断面図である。まず、検査に合格した素子を接合している素子用のコレクタ回路パターン501〜503を、金属リードが接続される端子用のコレクタ回路パターン6及び7にワイヤ161〜163を用いてそれぞれボンディング接続する。これによって、合格した3つの素子101〜103及び201〜203のみを並列接続することが可能になる。このとき、端子用のコレクタ回路パターン7に接続しなかった素子用のコレクタ回路パターン504は、電位が不定となるため、ワイヤ17によってエミッタ回路パターン8に接続しておくことが望ましい。また、採用しないIGBT104のゲート回路パターン94も、ワイヤ18を用いてエミッタ回路パターン8に接続しておくことが望ましい。
【0021】
その後、これらの素子群をマウントした絶縁基板11を、図3に示すように、半田19により金属ベース20に接合する。金属ベース20は、モジュールの底面を支え、放熱板の役目も果たす。モジュールの外部に、コレクタ端子21、エミッタ端子22、ゲート端子23及び24を引出す必要がある。このため、コレクタ金属リード25、エミッタ金属リード26、ゲート金属リード27及び28を、それぞれ回路パターン上の電極部において半田29等によって接合する。金属リード25〜28は、有機樹脂製ケース30と一体成型される場合が多いため、この工程で樹脂ケース30は接着剤を用いて同時接着され、モジュール内部の気密性確保のために、シリコンゲル31が充填される。最後に樹脂のフタ32を接着剤33で接着する。
【0022】
この例では4つのIGBT素子を1つの絶縁基板に搭載している。IGBT素子1つ当りの電流定格を100[A]とすれば、1基板あたり100[A]〜400[A]の電流定格を製品ラインアップとして揃えておけば、IGBT素子が全て不合格にならない限り、100[A]〜400[A]いずれかの電流定格として使用可能となる。また、複数の絶縁基板を1つのモジュールに並列接続する場合にも、電流定格を絶縁基板の並列接続数倍すれば良いだけであり、本発明の適用は可能である。
【0023】
実際の適用においては、不合格になって抜き取った素子の位置により、インピーダンスが多少変化することが想定される。しかし、図1に示すように、各素子から隣接するリードまでの相対距離が同じになるように対称配置すれば、どの素子を抜いた場合でも、ほぼ同じ特性を得ることができるため、モジュールとしてのスペックを満足することが可能である。
【0024】
以上の本発明による第1の実施形態を要約すると次の通りである。まず、モジュール底面を支持するベース20上に絶縁基板11を接合し、その上にコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンを接合する。このコレクタ回路パターンには、複数の半導体素子を接合し、そのエミッタを、エミッタ回路パターン8にそれぞれワイヤ121〜124で接続する。これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケース30を備え、並列接続して使用される複数の半導体素子101〜104の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の素子用のコレクタ回路パターン501〜504に接合する。その上で、複数の半導体素子を電気的に並列接続するように複数の素子用のコレクタ回路パターン501と503同士を接続する接続手段を備えている。この接続手段は、複数の前記素子用のコレクタ回路パターン501と503を、同一の端子用のコレクタ回路パターン6を介して接続するように、この回路パターン6にそれぞれ接続するワイヤを備えている。
【0025】
また、パワー半導体モジュールの製造方法としては、次の各ステップを備えている。まず、並列接続して使用される複数のIGBT(半導体)素子101〜104の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数の素子用のコレクタ回路パターン501〜504にそれぞれ接合するステップである。次に、これらIGBT素子のエミッタをエミッタ回路パターン8にワイヤ121〜124でそれぞれ電気的に接続するステップである。また、各IGBT素子のゲートもそれぞれゲート回路パターン91〜94に接続される。その後、これらIGBT素子毎に独立して樹脂コーティング材141〜144でコーティングするステップがある。この状態で、複数のIGBT素子を、それぞれ独立してテストするステップがある。この結果、複数のIGBT素子を選択的に並列接続するように、一部の不良のIGBT素子104を除く複数のIGBT素子101と103に対応する複数のコレクタ回路パターン同士501と503をワイヤ161と163で接続するステップを備えている。具体的には、端子用のコレクタ回路パターン6を介して、コレクタ回路パターン同士501と503をワイヤ161と163で接続している。ここで、選択から外れたIGBT素子104に対応する素子用のコレクタ回路パターン504をエミッタ回路パターン8にワイヤ17で接続するステップと、同じくゲート回路パターン94を、エミッタ回路パターン8にワイヤ18で接続するステップを備えることが望ましい。最後に、外部端子21〜24を取出すリード25〜28を、コレクタ回路パターン501〜504,エミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン91〜94に接続して樹脂ケース30に入れ、樹脂製ゲル31を充填するステップを備える。
【0026】
これによって、一部の半導体素子に異常がある場合、これを省いて、健全な素子のみを並列接続することが可能となる。また、異常が認められた一部の半導体素子104に対応する回路パターン504,94を、エミッタ回路パターン8に接続することによって、その電位を安定させ、健全な素子の動作に悪影響を及ぼすことがないようにしている。
【0027】
図4は、本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、モジュール内のIGBTを並列接続する前の状態を示す。なお、図6に、モジュール内のIGBTを並列接続した後の断面図を示しており、図6も参照しながら説明を進める。これらの図において、図1〜3と同一符号は同一物を示しており、重複説明は避ける。さて、図4の場合、4つのIGBT素子及びダイオードは、特許文献1と同じように、共通のコレクタ回路パターン513と524に、2つづつ半田付けされている。各半導体素子は、第1の実施形態と同様に、樹脂などのコーティング材141〜144で表面を覆われている。この例では、ゲート回路パターン912と934は上下の素子に共通化されている。
【0028】
この図4の状態で、IGBTとダイオードの並列体を個々に検査した結果、例えばIGBT素子104が特性不合格であることが判明したとする。この場合、モジュールを廃棄することなく、不合格の素子を省いて、健全な素子101〜103のみで、電流容量の小さなパワーIGBTモジュールとして組立てる。
【0029】
図5は、本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、健全なIGBTを並列接続した後の構造を示している。また、図6は、図5の▲6▼−▲6▼断面図である。まず、IGBT素子104及びダイオード素子204から、別の回路パターンすなわちエミッタ回路パターン8及びゲート回路パターン934に接続しているワイヤを切断する。図4のワイヤ124が切断され、エミッタ回路パターン8上に、その切れ端1241が残り、一方、コレクタ回路パターン524上にも同じく切れ端1242が残っている。また、図4のワイヤ134も切断され、ゲート回路パターン934上に、その切れ端1341が残り、一方、コレクタ回路パターン524の素子上にも同じく切れ端1342が残っている。切断したワイヤの先端は電界強度が高くなるため、ワイヤの先端部からワイヤの接続していない別のパターンや金属ベースに放電が起こらないようにワイヤは十分短く、かつ別のパターンや金属ベースから十分遠ざけておく。これにより、IGBT素子104とダイオード素子204を電気的に不活性な状態にすることができる。その後、もう一度特性検査を行い、合格した3つの素子101〜103及び201〜203のみを並列接続し、電流定格を下げたモジュールとして活用することが可能となる。
【0030】
その後、これらの素子群をマウントした絶縁基板11を、図6に示すように、半田19により金属ベース20に接合する。以下、先の実施形態と同じである。
【0031】
この実施形態を要約すると次の通りである。まず、モジュール底面を支持するベース20上に絶縁基板11を接合し、その上にコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンを接合する。このコレクタ回路パターン513と524には、それぞれ複数のIGBT(半導体)素子201と203及び202と204を接合し、それらのエミッタを、エミッタ回路パターン8にそれぞれワイヤ121〜124で接続する。これらのIGBT素子を外気より遮断する樹脂ケース30を備えている。絶縁基板11上のIGBT素子を素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材141〜144を備え、複数のIGBT素子のうち1部のIGBT素子104に対応するワイヤ124を、コーティング材144の外側で切断している。
【0032】
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、一部の素子に異常があっても製品として利用できるほか、素子用のコレクタ回路パターン513,524は、個々の素子毎に絶縁分離する必要はなく、従来技術がそのまま採用できる。
【0033】
本例ではIGBT素子を例に説明したが、MOSFET、パワートランジスタなど他の半導体素子に対しても同様に適用可能である。
【0034】
以上の本発明の実施形態によれば、従来廃棄していた特性不良の組立済みの絶縁基板を、より低い電流定格のパワー半導体モジュールとして活用可能であり、廃棄する特性不良品の数を大幅に低減できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の半導体素子のうち、一部の素子に異常があっても製品として利用できるパワー半導体モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続前の構造図。
【図2】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続後の構造図。
【図3】本発明の第1の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す図2の▲3▼−▲3▼断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続前の構造図。
【図5】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す平面図であり、IGBTモジュールの並列接続後の構造図。
【図6】本発明の第2の実施形態によるパワー半導体モジュールの構造を示す図5の▲6▼−▲6▼断面図。
【符号の説明】
101〜104…IGBT素子、201〜204…ダイオード素子、3,4,19,29…半田、501〜504…素子用のコレクタ回路パターン、6,7…端子用のコレクタ回路パターン、8…エミッタ回路パターン、91〜94,912,934…ゲート回路パターン、11…絶縁基板、121〜124,131〜134,161〜163,17,18…金属ワイヤ、141〜144…樹脂コーティング材、151〜154…金属リード接続位置、20…金属ベース、21…コレクタ端子、22…エミッタ端子、23,24…ゲート端子、25〜28…金属リード、30…有機樹脂製ケース、31…シリコンゲル、32…樹脂のフタ、33…接着剤。
Claims (13)
- モジュール底面を支持するベースと、このベース上に接合された絶縁基板と、この絶縁基板上に接合された複数の回路パターンと、これらの回路パターンに接合された複数の半導体素子と、これらの半導体素子を収納する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子を、半導体素子毎に電気的に絶縁した回路パターン上に接合したことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- モジュール底面を支持するベースと、このベース上に接合された絶縁基板と、この絶縁基板上に接合された複数の回路パターンと、これらの回路パターンに接合された複数の半導体素子と、これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子の1つづつを接合し、互いに電気的に絶縁されて絶縁基板上に接合された複数の素子用コレクタ回路パターンと、前記半導体素子のコレクタ,エミッタ及びゲートを外部端子へ引出すリードと、これらのリードに接続されかつ前記絶縁基板に接合された端子用コレクタ回路パターン,エミッタ回路パターン及びゲート回路パターンと、前記半導体素子のエミッタを前記エミッタ回路パターンにそれぞれ電気的に接続するワイヤと、前記素子用コレクタ回路パターン上の前記半導体素子を各素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材を備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項2において、電気的接続が可能なように、前記コーティング材の外側に導出された前記各半導体素子のエミッタ及びゲートワイヤを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- モジュール底面を支持し放熱を兼ねたベースと、このベース上に接合された絶縁基板と、この絶縁基板上に接合されたコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンと、このコレクタ回路パターンに接合された複数の半導体素子と、これら半導体素子のエミッタを、前記エミッタ回路パターンにそれぞれ電気的に接続するワイヤと、これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子の1つづつを接合し、互いに電気的に絶縁された複数の素子用のコレクタ回路パターンと、複数の前記半導体素子を電気的に並列接続するように複数の素子用の前記コレクタ回路パターン同士を接続する接続手段を備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項4において、前記素子用のコレクタ回路パターンと電気的に絶縁された端子用のコレクタ回路パターンを備え、前記接続手段は、複数の前記素子用のコレクタ回路パターンを、同一の前記端子用のコレクタ回路パターンに対してそれぞれ接続するワイヤを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項4又は5のいずれかにおいて、一部の半導体素子に対応する前記素子用のコレクタ回路パターンを、前記エミッタ回路パターンに接続するワイヤを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項4又は5のいずれかにおいて、一部の半導体素子に対応するゲート回路パターンを、前記エミッタ回路パターンに接続するワイヤを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、絶縁基板上の複数個の半導体素子を、モジュール外部と電力を授受するための外部端子に対し、それぞれ同等のインピーダンスになるように対称配置したことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- モジュール底面を支持するベースと、このベース上に接合された絶縁基板と、この絶縁基板上に接合されたコレクタ回路パターン及びエミッタ回路パターンと、このコレクタ回路パターンに接合された複数の半導体素子と、これらの半導体素子を外気より遮断する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールにおいて、並列接続して使用される複数の半導体素子を接合したコレクタ回路パターンと、前記半導体素子のエミッタを前記エミッタ回路パターンにそれぞれ電気的に接続するワイヤと、前記絶縁基板上の前記半導体素子を素子毎に独立して外気から遮断するコーティング材を備え、複数の前記半導体素子のうち1部の半導体素子に対応する前記ワイヤを、前記コーティング材の外側で切断したことを特徴とするパワー半導体モジュール。
- モジュール底面を支持するベースと、このベース上に接合された絶縁基板と、この絶縁基板上に接合された複数の回路パターンと、これらの回路パターンに接合された複数の半導体素子と、これらの半導体素子を収納する樹脂ケースを備えた内部絶縁基板型のパワー半導体モジュールの製造方法であって、並列接続して使用される複数の半導体素子の1つづつを、互いに電気的に絶縁された複数のコレクタ回路パターンに接合するステップと、前記半導体素子のエミッタをエミッタ回路パターンにワイヤでそれぞれ電気的に接続するステップと、前記コレクタ回路パターン上の半導体素子を素子毎に独立してコーティングするステップと、複数の前記半導体素子を、それぞれ独立してテストするステップと、複数の前記半導体素子を選択的に並列接続するように、一部の半導体素子を除く複数の半導体素子に対応する複数の前記コレクタ回路パターン同士をワイヤで接続するステップを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュールの製造方法。
- 請求項10において、前記選択から外れた半導体素子を接合した前記コレクタ回路パターンを、前記エミッタ回路パターンにワイヤで接続するステップを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュールの製造方法。
- 請求項10において、前記選択から外れた半導体素子に対応するゲート回路パターンを、前記エミッタ回路パターンにワイヤで接続するステップを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュールの製造方法。
- 請求項10において、前記コレクタ回路パターン同士をワイヤで接続するステップの後で、コレクタ,エミッタ及びゲートの外部端子を取出すリードをそれぞれコレクタ,エミッタ及びゲート回路パターンに接続して前記樹脂ケースに入れ、樹脂製ゲルを充填するステップを備えたことを特徴とするパワー半導体モジュールの製造方法。
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