JP2005005062A - 面光源装置及びそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な構成で高い照明効率を有する面光源装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一つの光入射面21aと、発光面21bとを有する導光体21と、光入射面に光を供給する光源22と、導光体の発光面と対向する面21cから出射する光を反射する光反射体27とを含む面光源装置であって、導光体の発光面と対向する面21cには、略同一形状の複数の突起29が所定のパターンで設けられ、光反射体の表面には、傾斜した光反射面を有する、断面略同一又相似形の基本ユニット28がピッチ200μm以下で配列して形成され、導光体の光入射面から入射した光が、発光面21bと、発光面と対向する面21cとから出射する際、発光面に対向する面から出射する光の割合を表す出射方向選択率が70〜100%であり、入射面から入射した光の主たる進行方向を方向A、突起29の高さをHとすると、方向Aに関する隣接した突起間の平均ピッチは2.5H〜5.0Hの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも一つの光入射面21aと、発光面21bとを有する導光体21と、光入射面に光を供給する光源22と、導光体の発光面と対向する面21cから出射する光を反射する光反射体27とを含む面光源装置であって、導光体の発光面と対向する面21cには、略同一形状の複数の突起29が所定のパターンで設けられ、光反射体の表面には、傾斜した光反射面を有する、断面略同一又相似形の基本ユニット28がピッチ200μm以下で配列して形成され、導光体の光入射面から入射した光が、発光面21bと、発光面と対向する面21cとから出射する際、発光面に対向する面から出射する光の割合を表す出射方向選択率が70〜100%であり、入射面から入射した光の主たる進行方向を方向A、突起29の高さをHとすると、方向Aに関する隣接した突起間の平均ピッチは2.5H〜5.0Hの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は面光源装置及びこれを用いた表示装置に関し、更に詳細には、薄型かつ簡素な構成で高発光輝度を実現する面光源装置及びこの面光源装置を用いた表示装置に関する。
また、本発明は面光源装置に適用可能な導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されている。このような透過型液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置、即ちバックライト(面光源装置)が設けられている。この面光源装置は、例えば冷陰極放電管等の線状光源と、この線状光源から発せられる光を面状の光に変換する機構とから構成される。
【0003】
具体的には、液晶素子の背面直下に光源を設ける方法(直下方式)や、アクリル板等の透光性の導光体の側面に光源を設置し、導光体を用いて面状に光を変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的である。特に薄型化が重要な用途では、サイドライト方式が極めて有効であり、数多く実用に供されている。このサイドライト方式については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0004】
ここで、従来型のサイドライト方式面光源装置の構成例を図24(a)を用いて説明する。透光性の平板からなる基板即ち導光体1の一側端には、側端面1aに対向し、かつ略平行となるよう線状光源2が設けられる。この線状光源2を覆うようにリフレクタ3が取り付けられ、線状光源2からの直接光とリフレクタで反射された反射光とが側端面(光入射面)1aから導光体1に入射するように構成される。
【0005】
そして、導光体1の一表面1bは発光面とされ、この発光面1bの上にはほぼ三角プリズム状のアレー4を形成した集光シート(プリズムシート)5が頂角を観察者側に向けて配置される。また、導光体1における発光面1bとは反対側の面1cには光散乱性インキにより多数のドット6aを所定のパターンで印刷形成してなる光取り出し機構6が設けられている。さらに、導光板1の面1c側には、この面1cに近接して反射シート7が設けられるのが一般的である。
【0006】
また、この種の面光源装置の別な代表例を図24(b)に示す。図24(b)において、図24(a)と同じ機能を有する要素には同じ参照数字を付し、重複する説明は省略する。図24(b)に示す構成では、ほぼ三角プリズム状のプリズムアレー4を形成した集光シート5が、図24(a)の構成とは逆に、頂角を導光体1の発光面1b側に向けて発光面1b上に設けられること、導光体1の面1c表面には、印刷によるドットではなく、導光板1を粗面加工することによって形成された多数の粗面パターン6bが光取り出し機構として設けられること以外は図24(a)の構成と等しい。
【0007】
【特許文献1】特開昭61−99187号公報
【特許文献2】特開昭63−62104号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成を有する従来の面光源装置は、所望の光学特性、特に高輝度を実現するため、発光面1bからの出射光の方向を発光面1bに垂直な方向に整えるためのプリズムシートを用いなければならなかった。プリズムシートの利用は、装置の薄型化に支障をきたすばかりか、部品コスト、製造コストの増加や、製造歩留まりの低下原因となっていた。プリズムシートはプリズムアレイの方向を直交させて2枚用いることもあり、このような場合はさらに問題が大きくなっていた。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであり、少ない部品点数で高い照明効率を実現するための導光板及びそれを用いた面光源装置、さらにはこの面光源装置を用いる表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明による面光源装置は、少なくとも一つの光入射面と、発光面とを有する導光体と、光入射面に光を供給する光源と、導光体の発光面と対向する面から出射する光を反射する光反射体とを含む面光源装置であって、導光体の発光面と対向する面には、略同一形状の複数の突起が所定のパターンで設けられ、光反射体の表面には、傾斜した光反射面を有する、断面略同一又相似形の基本ユニットがピッチ200μm以下で配列して形成され、導光体の光入射面から入射した光が、発光面と、発光面と対向する面とから出射する際、発光面に対向する面から出射する光の割合を表す出射方向選択率が70〜100%であり、入射面から入射した光の主たる進行方向を方向A、突起の高さをHとすると、方向Aに関する隣接した突起間の平均ピッチは2.5H〜5.0Hの範囲にあることを特徴とする。
【0011】
また、上述の目的は、本発明の面光源装置を用いた表示装置によっても達成される。
【0012】
さらに、上述の目的は、サイドライト方式の面光源装置に適用可能な、略平板状の導光板であって、導光板の所定の面に設けられた、略同一形状の複数の突起を有し、導光板の、所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向についての突起の幅Wと、突起の高さHと比H/Wが、0.4〜1.0の範囲であり、複数の突起の間隔が、導光板の、所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向について、突起の高さHに対して2.5〜5.0Hとなるように複数の突起が配置されていることを特徴とする導光板によっても達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る導光板を用いた面光源装置について説明するが、導光板以外の構成は本発明に必ずしも必須ではない。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る面光源装置100の主要部の構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態に係る面光源装置100は、例えばアクリル樹脂のような透光性を有する素材で形成された、略平板状の基板即ち導光体21を備え、この導光体21の一側端には、側端面21aと対向し、かつ平行に線状光源22が配置されている。この線状光源22としては、冷陰極管等の蛍光管又は、LEDアレー等を用いることが出来、特に限定はされないが、発光効率に優れ、小型化の容易な冷陰極管の利用が最も好適である。
【0015】
また、線状光源22の配置形態としては、図1に示す、導光板の一側端部のみに線状光源が設けられた1灯式の態様に限定されるものではなく、この他にも、一側端部に2本の線状光源が設けられた2灯式の態様、1灯又は2灯の線状光源が、導光板の対向する2つの側端部に設けられ、合計2灯又は4灯となっている態様等、様々な配置態様を採用することが出来る。
【0016】
さらに、光源の別な態様として、小型の面光源装置では図23に示されるように、LED等の点光源を用いることもできる。この際に、図23(a)に示される如く、LEDを導光体の光入射面21dに対向して配置する態様のほかにも、図23(b)に示される如く、導光体21の一側端部に光学ロッド22bを近接配置し、この光学ロッド22bの端面21cに点光源であるLED22aを配置した態様も用いることが出来る。
【0017】
さらに本発明の好適な実施態様においては、線状光源22を覆うようにリフレクタ26が取り付けられ、線状光源22からの直接光とリフレクタ26で反射された反射光とが光入射面である一側端面21aから導光体21内部に入射するように構成されている。
【0018】
導光体21は、例えば、板厚が約1〜10mm程度の四角形状をした透光性の薄板であり、図1で見て上面である一方の表面21bが光を出射する発光面であり、これとは反対側の表面21c(図1で見て下面)は発光面21bと対向する面である。図1において、符号23は導光体21の発光面21bに垂直な線、即ち導光体21bの法線方向を示している。
【0019】
さらに、通常のサイドライト型面光源装置では、導光体21の、発光面21bに対向する表面21c(以下、対向面という)には、図24を用いて説明したように、光散乱性インキや粗面からなるパターンが設けられ、導光体内に伝搬する照明光を導光体21外に出射させる機能を果たしている。ただし、後述するように、従来の光取り出し機構にはさまざまな課題があり、導光板に入射した光を効率よく導光板下面へ取り出しているとは言えなかった。本実施形態においては光取り出し機構の配置や形状を制御することにより、従来の光取り出し機構の課題を解決する。
【0020】
後述する、本発明に特徴的な方向性出射素子によって、入射面21aから入射した光は光反射シート27に向かって導光板21の対向面21cから選択的に出射するようになる。また、本実施形態に係る面光源装置では光反射シート27の光反射面に、光線の方向を変換するマイクロリフレクタアレー28aを多数設けているため、導光板21の対向面21cから出射した照明光線は、面光源装置の導光板21bの法線方向23に適切に方向変換されて出射される。
【0021】
本発明の好ましい実施形態においては、導光板21に入射した光のうち、対向面21cから光反射シート側に照明光線を出射させる程度が、出射方向選択率で少なくとも70〜100%、好ましくは75〜100%、さらに好ましくは80〜100%、極めて好ましくは85〜100%となることが重要であり、70%未満の出射方向選択率を有する導光体を用いることは照明効率の点から好ましくない。
【0022】
本明細書において、出射方向選択率とは、導光板に入射した光線を光反射シートの方向へ選択的に出射する能力を表す指標であり、具体的には以下の測定方法を用いて測定することができる。
【0023】
先ず、図2に示される様に、光反射シートの代わりに植毛紙等のほぼ完全に光を吸収する黒色のシート30を配し、導光体21を通常の向きにセットして光源の配される導光体の光入射面(側端部)に垂直な方向(方向101)への出射角度θの分布を輝度計を用いて測定する。そして、この時に得られた出射角度θに対する輝度変化を示すグラフの積分値((図3(a))に斜線で示される部分の面積)をLaとする。
【0024】
次に、導光体21を通常の向きとは裏返しに(本来、発光面21bとなるべき面が黒色シート30の側に来る向きに)セットして、同様に、方向101への出射角度θの分布を輝度計を用いて測定する。この時に得られた出射角度θに対する輝度変化を示すグラフ(図3(b))の積分値Lbを求め、La、Lbから算出される、
Lb/(La+Lb)×100.0(%)
の値を、出射方向選択率(光反射シート方向へ選択的に光線を出射する割合)として定義する。また、方向101における輝度は発光面のほぼ中心付近で測定されるものとする。
【0025】
本発明の実施形態に係る面光源装置において、導光板に設ける方向性出射素子についてさらに具体的に説明する。本発明において方向性出射素子は、導光板21の発光面と対向する面21cに設けられた突起29として形成される。
【0026】
図24において説明したように、突起状の光取り出し機構を対向面21cに設けること自体は知られている。しかしながら、従来の構成においては、突起の形状や配置方法について、必ずしも十分に検討されているとは言えなかった。
【0027】
本発明者は、光取り出し機構として導光板21に設ける突起の形状やその配置方法について鋭意検討し、導光板に入射した光線を高効率かつ高選択率で導光板21の対向面21cから反射シートへ取り出し可能な条件を見いだし、本発明に到達したものである。
【0028】
(1)突起の開口幅と高さの関係
本発明の好ましい実施形態において、光取り出し機構として設けられる突起29は、光反射シートの方向に選択的に照明光線を出射し、光反射シートに設けられたマイクロリフレクタアレーの効果を十分に引き出すため、図4に示すように、照明光線の導光体内における主進行方向(通常は導光体の光入射面21aに略垂直な方向。図1で方向Aとして表す)に沿った断面(主進行方向に平行で、発光面に垂直な面)で見て、突起の深さ(高さ)Hが開口幅Wに対して十分に深く(高く)形成される。
【0029】
より具体的には、H/Wが0.4〜1.0、好ましくは0.5〜0.9、より好ましくは0.55〜0.85、極めて好ましくは0.6〜0.8の範囲を満たすことにより、光反射シートの方向に選択的に照明光線を出射させることが可能となる。
【0030】
なお、突起の高さHの具体的な大きさとしては、好ましくは3〜80μm、より好ましくは5〜60μm、更に好ましくは8〜40μmである。
このような突起は、任意の方法によって形成することが可能であるが、製造効率や後述する突起の形状制御の行いやすさ等を考慮して、導光体21と一体で射出成形によって形成することが特に好ましい。
【0031】
(2)突起の配置密度
上述のH/Wの関係を満たすことで、導光板に入射した光線を高い選択率で反射シート方向へ出射することが可能になる。しかしながら、プリズムシート等の集光シートを使用せずに使用時と同等以上の高い照明効率を得るためには、上述のH/Wの関係を満足させ、出射方向選択率(光反射シート方向へ選択的に光線を出射する割合)を高めるのみでは十分ではない。全く新たな観点からの光学的効率を高める工夫が必要となるのである。
【0032】
突起のH/Wの関係を満たすだけでは不十分であることについてさらに説明する。まず第一に、十分な深さHを有する突起を単純に密に並べるのみでは十分な効率が得られない問題が挙げられる。すなわち、図5に示される如く、照明光線の進行方向に対してあまりにも密に突起が配置された状況では、ある突起から出射した光線が隣接した突起に再度入射することになってしまい、51に示す様な光線経路を経てしまう。その結果、本来は反射シートによって方向変換され、発光面の法線方向に出射するはずの光線も、発光面の法線方向からずれた斜め方向に出射してしまう。
【0033】
もちろん、導光体に入射した光線を完全に使い尽くす為には、突起は出来る限り密に配置していた方が良いのであり、単純に隣接した突起の干渉を受けない(すなわち、ある突起から出射した光が隣接する突起に再入射しない)よう、方向Aについて粗に配置するのみでは、十分な光の利用効率を得ることが出来ない。特にこの問題は、光源から遠い、突起の配置密度を高めなければならない領域において顕著となる。
【0034】
本発明者はこの問題を解決すべく鋭意検討した結果、導光体の発光面21bに対向する面21cでの突起の分布(配置密度分布)に関し、特に配置密度が高い領域では、隣接した突起の干渉を受け易くなる為、図6に示すように、光線の導光板内における主たる進行方向(方向A)に関しては突起を粗に配置し、光線の主たる進行方向と直行する方向(図1、方向B)に関しては突起は相対的に密として配置することにより、図5に示すような隣接突起の干渉による損失を抑制し、かつ照明効率(光の利用効率)を高めることが可能であることを見いだした。
【0035】
具体的には、本発明の好ましい実施形態において、光線の主たる進行方向に関し、隣接した突起間の平均距離が、突起の深さ(高さ)をHとして、少なくとも2.5〜5.0H、好ましくは2.6〜4.5H、より好ましくは2.7〜4.2H、さらに好ましくは2.8〜4.0Hの範囲とされ、これらの範囲を用いることで隣接した突起の干渉による効率低下を有効に防ぐことが可能となる。
【0036】
また、この際に、光線の主たる進行方向とは、図1で方向Aとして表すように、通常は導光体の光入射面21aに略垂直な方向であり、隣接した突起間の平均距離は、図7に斜線にて示されるエリア内(ある突起の中心から、方向Aに対して±45度の範囲内)に中心(重心)が位置する隣接突起について図7の様に測定した距離を平均して算出される(従って、図7の例では中央の突起から図の上下にある2つの突起について求めた方向Aについての距離の平均値となる)。また、同様に、方向Aと直交する方向Bについての突起間平均距離についても、ある突起の中心から、方向Bに対して±45度の範囲内)に中心(重心)が位置する隣接突起について、突起間中心距離の方向B成分を突起間距離として求めて平均する。
【0037】
(3)突起の断面形状
本発明者は、さらに別な観点から照明効率を高めるべく鋭意検討した結果、突起の、光線の主たる進行方向での断面形状(光線の主たる進行方向に平行で、発光面に垂直な面における形状)、特に付け根の形状及び先端部の形状を制御することによりさらなる照明効率の増加を実現可能であることを見いだした。
【0038】
すなわち、単に突起の開口幅Wに対して深さ(高さ)Hが大きくなれば良いというのであれば、図8に示すような、単純な長方形形状を有した断面形状の突起であっても良く、また、単純に成型の容易さという観点では、図9に示すように、突起の付け根部分が曲率を有した形状となっていることが良いように思われる。
【0039】
しかしながら、これらの断面形状は光学的に見ると必ずしも適切なものでは無く、前述の隣接した突起による干渉と同じく照明効率を大幅に妨げる要因となっている。すなわち、たとえば図9に示すように、付け根部分が大きな曲率を有する断面形状では、導光体内を伝搬する照明光束が突起の付け根部に到達した際に、付け根部の形状効果によって凹レンズの作用を受け、出射する照明光束の出射角度分布が拡がってしまう。従って、反射シートに向かう光束が減少し、結果として発光面の法線方向における出射光強度を低下させてしまうことになる。
【0040】
このような効率低下を防ぐためには突起の付け根部は出来る限り曲率の小さな形状とされていることが好適であり、しかも、成型性(離型性)を悪化させてしまうことがない形状としなければならない。そのため、本発明の好ましい実施形態においては、突起の付け根部に図10の如く接することの可能な、最大半径を有する円の半径として定義される突起付け根部の曲率半径が、突起高さHに対して好ましくは0.05H〜0.4H、より好ましくは0.1H〜0.35H、さらに好ましくは0.15H〜0.3Hの範囲とすることにより、照明効率の低下を最小限に留めながら生産性を高く保っているのである。
【0041】
また、突起の光線の主たる進行方向に平行で、発光面に垂直な面における形状は、先端部分が曲率を有する形状とすることにより、さらに照明効率を高めることが可能であることを見いだした。このような形状とすることによって、曲率を有した先端部分が、図11に示すように凸レンズとしての作用を果たすため、突起から出射する照明光束が集光され、図8に示される単純な長方形状に比較して、より高い照明効率を引き出すことが可能となるのである。
【0042】
より具体的には、図10に示すように、突起側面の接線Lが突起側面から離れる点Pから突起先端までの高さとして(もしくは、突起付け根から点Pの高さを、突起高さHから減じることによって)求められる曲率部の高さを、好ましくは0.15H〜0.6H、より好ましくは0.2H〜0.55H、さらに好ましくは0.3H〜0.5Hの範囲とすることにより、凸レンズ効果による集光作用を十分に引き出して正面輝度を高めることが可能である。
【0043】
(4)突起間の導光板表面平滑度
上述の(1)〜(3)は、いずれも光取り出し機構としての突起の配置又は形状を制御して高い照明効率を得るものであった。これらを単独もしくは適宜組み合わせて用いることによって、非常に高い照明効率を得ることが可能であるが、本発明者は更に別の方法により照明効率を高め得ることを見いだした。
【0044】
すなわち、導光板21の対向面21cには、突起が設けられない領域が存在するが、その領域の平滑性を高めることが、照明効率の向上、特にプリズムシート等の集光シートを用いない構成において照明効率の向上に寄与することを見いだしたものである。
【0045】
図12を用いてこの点について詳細に説明する。
導光板に入射した光束は、光取り出し機構としての突起だけでなく、導光板21の対向面21cにも到達する。この際、図12に示すように対向面21cの表面が荒れていると、光束は散乱し、反射シートのある方向へは向かわない成分121が発生する。この成分121が発光面から出射する場合、その出射方向は発光面の法線方向から外れたものとなる。プリズムシートのような集光シートは、このような、法線方向からずれた方向に出射した光束の向きを法線方向に揃える機能を有するため、成分121の発生はさほど照明効率の低下に結びつかないものと考えられる。
【0046】
しかし、集光シートを用いない構成を考えた場合、成分121のような光束の存在は面光源装置の正面輝度の損失、すなわち照明効率の損失に直結する。そのため、本発明の好ましい実施形態においては、突起と突起の間隙にある導光体の表面に高い平滑性を持たせることにより、図12における成分121のような、光反射シートの方に向かわない光束の発生を抑制する。
【0047】
より具体的には、導光板21の対向面21cにおいて、突起と突起の間隙の表面粗さを、十点平均粗さRzで表して、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、極めて好ましくは1.0μm以下とする。これによって、正面輝度の向上に寄与しない損失光が最小に留められ、高い照明効率が保たれるのである。
【0048】
(5)光反射シート
本発明に係る面光源装置に適用可能な光反射体の一例としての光反射シート27は、前述の通り、表面にマイクロリフレクタアレー28が形成され、導光体21から選択的に出射する照明光を、発光面21bの法線方向23に方向変換する役割を果たす。このマイクロリフレクタアレーとは、図13〜図20に示されるように、傾斜面28aを有する、ほぼ同一又はほぼ相似形状の断面形状を有する基本ユニット28を多数配置して得られる反射面の集合体を意味する。
【0049】
また、基本ユニット28について詳述すれば、基本ユニットとはそれ以上分割すると同一性もしくは相似性が消失してしまう最少の形状単位、所謂ユニットセルである。また、ピッチPとは、図13〜図20に示されるように、これら基本ユニット28の配列によって作られる基本周期の内、最小の長さとして定められ、好ましい実施形態において、このピッチは少なくとも200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされ、より好ましくは5〜100μm、さらには10〜80μmが好ましく、20〜60μmであることが最も好ましい。
【0050】
また、本発明に係る面光源装置において適用可能な光反射シート27は、屈曲性を有し、厚み50〜1000μm、好ましくは70〜500μm、特に好ましくは100〜250μm程度であることが好ましいが、実際に使用される面光源装置に応じて適宜選択可能であり、必ずしも上述の範囲に限定されるものではない。また、導光体21を収納する面光源装置のフレーム部分と一体的に成型を行うことによって、フレーム部分に光反射シートの効果を持たせることも可能である。
【0051】
また、光反射シート27の基材として好適な材質としては、たとえばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂といった樹脂材料を好適に用いることができる。また、マイクロリフレクタアレー構造(基本ユニットの繰り返し構造)の賦型には、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂による賦型やエンボス成型による賦型が好適に用いられる。
【0052】
また、光反射シート27に設けられる光反射面28aの反射率は、高効率化の観点から、言うまでもなく高反射率であることが望ましく、反射面28aには、銀やアルミニウムに代表される材質をコートした面を用いることが最も好ましい。ここで、反射面28aの、積分球等を用いて測定した波長550nmにおける反射率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは85%以上である。
【0053】
光反射シート27の表面に設けられる、傾斜した反射面28aからなるほぼ同一又はほぼ相似形の基本ユニット28の例を、図13〜図20に示した。基本ユニット28の代表的な断面形状としては、図13(a)、(b)に示されるように鋸歯状とされるか、或いは図14(a)、(b)に示されるように山形状とされ、ピッチPが3000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは300μm以下で、光反射シート27を上方から見た際に基本ユニットの稜線28bが平行に配列した、平行直線状で且つ平坦な傾斜反射面28aからなる基本ユニット28の配列が用いられている態様が挙げられる。
【0054】
これは、図13(a)、(b)や図14(a)、(b)に示されるように傾斜した平坦な反射面28aの稜線28bがほぼ平行配列した態様では、ダイヤモンドバイトやエンドミルを用いた切削加工が適用し易いため、賦形のための金型製作が容易であり、微細化が行い易く、量産性も極めて高いためである。
【0055】
一方では、各基本ユニット28を構成する傾斜した反射面28aの断面は、図15〜20に示されるように凹状となっていることが集光性の観点からは好ましい。従って、どのような形状の基本ユニットを用いるかは、製造コストや求められる性能などの条件を考慮して適宜最良のものを選択する。
【0056】
また、図21に示す、ほぼ同一又はほぼ相似形の基本ユニット28に用いられる反射面28aの傾斜角度αとして好適な範囲は、面光源装置が求める光学特性に応じて、適宜、定められるものであるが、具体的には傾斜角度αとして、好ましくは15度〜50度の範囲、より好ましくは25度〜40度の範囲、さらに好ましくは30度〜35度の範囲を用いることができる。
【0057】
また、金属コート面は非常に傷つき易く、また酸化劣化等も発生しやすい状態にあるため、反射面28aを金属コート面で形成した場合、その表面には保護層として酸化シリコン、アルミナ等の透明セラミックスや紫外線硬化性アクリル樹脂等の樹脂塗料をコートすることにより傷つきや酸化劣化を防止することが望ましい。特にガスバリア性能に優れた酸化シリコン(SiOx)膜(x=1.53程度)を20nm〜100nmコートして用いることは極めて好適であり、水分や酸素を遮蔽して、金属反射面が酸化劣化し光学特性が悪化することを防ぐことが出来る。
【0058】
加えてこの透明コート層(保護層)を光学薄膜として構成し、光学特性をコントロールすることもできる。例えば、シリカ等の低屈折率物質(厚さ約60nm)と酸化チタンや五酸化ニオブ等の高屈折率物質(厚さ約60nm)を、図22に示すように、最表面層が高屈折率物質となるようにスパッタリング等によって積層することによって、増反射膜を構成する態様が好適に用いられる。
【0059】
(6)導光体の発光面形状
これまで、導光板21の対向面21c及び反射シートについて、高照明効率を得るための構成についての検討を行ってきたが、本発明に係る面光源装置の好ましい実施形態においては、更に高い照明効率を得るため、導光体の発光面側に、稜線24aが光入射面21aと直交する集光素子アレー24が設けられることが望ましい。
【0060】
ここで、導光体21に設けられる集光素子アレーは、三角プリズムアレー、レンチキュラレンズアレー、波板アレー等に代表される集光素子アレーが代表的であるが、特に好ましいのは図1に示すような三角プリズムアレーであって、この場合、プリズムの頂角βは好ましくは100〜165度、さらに好ましくは120〜160度、より好ましくは130〜155度である。
【0061】
(7)具体的な構成
これまで、照明効率を向上させるための構成として、(1)〜(6)の構成を説明した。これらは、単独で用いても照明効率の増加に寄与するが、それらを組み合わせることによってより大きな効果を実現するものである。特に、プリズムシート等の集光シートを導光板の発光面状に設けない構成を実現するためには、(1)〜(6)の複数を組み合わせて用いることが好ましく、それらを全て組み合わせることが最も好ましい。
【0062】
(7)面光源装置を用いる表示装置
上述の面光源装置は、面光源装置としてのみならず、表示装置のバックライト光学系として好適に利用可能である。表示装置の方式としては様々なものが存在するが、例えば液晶ディスプレイ装置に好適に適用可能である。ここで、液晶ディスプレイ装置とは、液晶分子の電気光学効果、即ち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加或いは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶表示素子を用いて表示を行う装置をいう。
【0063】
具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶表示素子を用いる表示装置が挙げられる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ等のバックライト光学系を始め、広く利用可能なサイドライト型面光源装置に関して、プリズムシート等の高価な集光部材を用いずとも、極めて高い照明効率を実現できる。部品点数の少ない構成で、かつ高い照明効率を有する面光源装置は、近時、低コストと高性能の両立が求められる液晶ディスプレイパネルのバックライト光学系として極めて有用である。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
(実施例)
導光体21として、長辺324.6×短辺245.0mm、厚みが4.0mmの長方形状の導光板を作成した。材料にはアクリル樹脂(旭化成製、80NH)を使用し、後述するように導光板下面には方向性出射素子として特定の断面形状を有する多数の突起が特定の配置で形成されるよう、射出成形によって導光板21を作成した。
【0067】
2つの長辺に対応する側面に対向して管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源22をそれぞれ設け、さらにこの冷陰極管の周囲を、白色ポリエステルフィルムを光反射面とするリフレクター26(三菱樹脂製)にて覆い、導光体21の光入射面21aに効率良く線状光源22からの出射光線が入射するようにした。
【0068】
導光体21の発光面21bと対向する面21c側には、図6に示すように、方向性出射素子として、付け根における水平断面が直径60μmの円形の突起を多数設けた。その際、導光板21の出射方向選択率が70〜100%の範囲となるように、光線の主たる進行方向(図1、方向A)における突起の開口幅Wと突起の高さHの比(突起の断面アスペクト比)H/Wが0.4〜1.0の範囲で定められた。
【0069】
ここで、上述したように、出射方向選択率の測定は次の様に行った。先ず光反射シート27の代わりに、黒色の植毛紙(光反射率1%以下)を配し、導光体21の光入射面21a(光源の配される側端部)に垂直な方向101(図2)への出射角度θの分布を輝度計(トプコム製BM−7)を用いて測定した。発光面の中心位置での測定結果例を図3(a)に示す。
【0070】
次に、導光体21を逆の向き(本来、発光面21bとなるべき面が黒色植毛紙に向かい合う面となる向きに)にセットし、同様に中心位置で方向101への出射角度分布を測定した。測定結果を図3(b)に示す。これらの測定曲線に関しそれぞれのθ=0〜180°までの積分値を求めてLa、Lbを算出し、その結果から、発光面21bの中心位置での出射方向選択率=Lb/(La+Lb)×100(%)を求める。出射方向選択率は、線状光源22から導光板21に入射した光線が、対向面21cから光反射シートの側へ出射する程度を定量化した値である。
【0071】
また、突起を方向性出射素子として機能させるためには、特に突起の側面が平滑となっている必要があるが、このような構造の突起を形成するための金型(スタンパ)を次の様な方法を用いて作成した。
【0072】
すなわち、まず厚さ75μmのドライフィルムレジスト(デュポン製)を鏡面研磨した銅基板上にラミネートした。次に、突起を形成したい部分が多数の開口部となったフォトマスクを描画装置(大日本スクリーン製、RG−6500)を用いて描画し、このフォトマスクを用いた平行光源によるフォトリソグラフィーによって突起を形成すべき部分にドライフィルムレジストを残存させた。そのようにして得た、ドライフィルムレジストが円柱状に多数残存した銅基板上に対し、ニッケルを深さ(厚さ)が60μmとなるように電着させ、最後にドライフィルムレジストを剥離して凹部が多数形成された金型を作成した。さらに、型離れ性を向上させ、金型表面の平滑度を向上させるため、ドライフィルムレジストを剥離した後にニッケルをさらに電着させ、電着厚みを変化させることで凹部断面のテーパー角や、図10に示した突起付け根部に対応する部分の曲率半径をコントロールした。
【0073】
また、図12を用いて説明したように、突起と突起の間隙に存在する導光体表面21cが不必要に粗面化されてしまっていると、光反射シートの側に向かわず、斜め前方へ直接出射してしまい損失光となる照明光が発生してしまう。このため、凹部が多数形成された金型は凹部と凹部の間隙部分が高い鏡面度を保つよう、ダイヤモンドペーストを用いたバーチカル研磨が施された。
【0074】
このようにして得た、平滑面からなる凹部が多数形成された金型を用いて、射出成型機(東芝機械製)を用いて定法の射出成型を行い、下面に多数の突起が形成された平板状の導光板を得た。この際に、樹脂の充填速度や金型温度を制御することによって凹部に樹脂が入り込む転写率を変化させ、故意に若干のひけを発生させることによって突起先端部分に図10に示すように曲率を持たせるとともに、突起先端部分の曲率をもコントロールした。
【0075】
得られた導光体を、光入射面及び発光面の両方に垂直な面で切断し、方向性出射素子の断面形状を走査型電子顕微鏡にて拡大観察した結果、突起付け根部の曲率半径は0.17〜0.37H、突起先端部の曲率部高さは0.38〜0.57Hの範囲に収められていることが確認された。
【0076】
また、導光体を光学式表面粗さ計(キーエンス製、VK−8500)にて測定した結果、対向面21cの、突起の間隙における鏡面度はRzで1.57μm以下と小さく保たれ、損失光の発生が抑えられている。
【0077】
光反射シート27としては、図14に示した、稜線28bが略平行に配列した直線状で、断面鋸歯状の反射面28aを基本ユニット28とする光反射シートを用いた。基本ユニット28のピッチPは50μmであり、反射面28aはアルミニウムを厚さ120nm蒸着した薄膜層で形成し、さらにこのアルミニウム蒸着層表面にガスバリア性能に優れたSiOx(x=1.53)膜を電子ビーム法によって厚さ50nm蒸着し、さらにこのSiOx膜上に五酸化ニオブ膜をスパッタリングによって厚さ60nm積層して、増反射膜として機能するように構成した。
【0078】
反射面28aの傾斜角度αは33度とし、導光体21から光反射シート27の側に選択的に出射した光線が、光反射シート27の反射面28aの作用によって方向変換され、導光体21の方向性出射素子29から光反射シート27の側に集中的に出射した集光性の高い照明光線を正面方向(導光体の発光面に垂直な方向)に出射させる光学系を得た。
【0079】
なお、方向性出射素子として機能する突起は線状光源から離れるにしたがって配置密度が徐々に高くなるよう、金型作成時にパターニングが施されている。この際に、光源からの距離が最も遠く、突起の配置密度が密な領域(本実施例においては対向する2側面に光源を配置する2灯式であるため、導光体中心部)において、光線の主たる進行方向(方向A)および、方向Aに直交する方向(方向B)についての平均的な間隙に関して、光線の主たる進行方向(方向A)についての間隙が相対的に広くなるようにパターニングが施され、輝度分布の均一化がはかられている。
【0080】
なお、実施例及び比較例において、方向A及びBについての突起の配置ピッチ(隣接突起間平均距離)は、導光体21の入光部及び中心部について求めた。ここで、入光部とは、導光体21の、光入射面が存在する側端部から方向Aについて10mm以内の範囲を、中心部とは導光体21の突起29が設けられる面(対向面21c)の対角線の交点近傍をそれぞれ指す。突起間平均距離は、入光部の長さ方向における略中央に存在する突起20個と、中心部に存在する突起20個をそれぞれサンプリングし、サンプリングした突起を図7の中央の突起として測定した隣接突起間距離を平均して求めた。また、方向Bについても同様にして測定した。
【0081】
(実施例1〜4)
実施例1〜4として、突起の高さ(H)に対して、導光体の光入射面に垂直な方向となる、光線の主たる進行方向(方向A)における突起の平均的な配置の間隙(配置ピッチ)が2.5〜5.0Hの範囲に含まれるいくつかのパターンを作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は3.4〜4.0Hであった。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0082】
(実施例5〜8)
さらに、実施例5〜8として、突起の配置密度を高めるため、突起の配置ピッチを光源から離れるにしたがって狭めてゆく際に、方向Bについての配置ピッチのみが狭められ、方向Aについてのピッチは2.5〜5.0Hの範囲で略同一に保たれる様にパターン変化を与えることにより、パターンを密に配置しながら、方向Aについての突起の配置間隔は十分に広く保たれるパターン配置を作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は3.2〜3.9Hであった。
【0083】
また、実施例7及び8においては、さらに集光特性を高めるため、導光体の発光面に、頂角140°及び150°、ピッチ50μmで、稜線が導光体の光入射面に垂直な方向を有する三角プリズムアレーを配した。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0084】
(実施例9〜11)
実施例5〜8と同様に、方向Bについての配置ピッチのみが狭められ、方向Aについてのピッチは2.5〜5.0Hの範囲で略同一に保たれる様にパターン変化を与えた導光板を作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は2.6〜3.9Hであった。
【0085】
ただし、金型や、成型時に樹脂の充填速度や金型温度を制御することによって、突起付け根部の曲率半径、突起先端部の曲率部高さを上述の好ましい範囲から外れるように形成した。
【0086】
具体的には、実施例9として、凹部の多数形成された金型の作成行程でドライフィルムレジストを剥離した後のニッケルメッキ量のみを変化させ、突起付け根部の曲率半径を0.47Hとした態様を作成した。
【0087】
また、実施例10及び実施例11として、射出成型時の樹脂の充填速度や金型温度を変化させ、凹部が多数形成された金型への転写性を高め、突起先端部に曲率を全く設けなかった態様、および、突起先端部の曲率部高さを0.64Hとした態様を作成した。
これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0088】
ここで、上述の実施例における面光源装置の光学特性の評価は、インバーター(ハリソン東芝ライティング製、HIU−742A)を介して冷陰極管光源を高周波点灯して行い、2本の冷陰極管の管電流値はそれぞれ5mAとした。また、外観を整えるため、導光体の発光面上には弱いヘーズのかかった保護フィルム(ツジデン製、D117TF)を配して構成した面光源装置によって行った。
【0089】
実施例1〜11では、光線の主たる進行方向に関して隣接した突起間の距離が適切に保たれているため、方向性光出射素子である突起から導光体外に出射した照明光が有効に活用されて、高い照明光率が得られていることが確認された。しかも、隣接した突起に邪魔されて正面に向かわず、迷光となってしまう照明光成分がほとんど無いため、斜めから見たときにでも面光源の均一性が十分に保たれ、液晶ディスプレイ装置の面光源として品質に優れたものであった。
【0090】
特に、突起の形状も適切に形成された実施例1〜8においては、突起先端部のレンズ効果と、突起付け根部おける散乱抑制効果の相乗効果により、突起付け根部の凹レンズ効果による散乱が生じる実施例9や、突起先端部の凸レンズ効果が得られない実施例10〜11に比べて非常に高い正面輝度が得られた。
【0091】
さらに、特に実施例7及び8における、突起の配置密度が方向Bについて選択的に狭められてコントロールされ、尚かつ、導光体の発光面には三角プリズムアレーが設けられた態様では、極めて高い正面輝度が実現され、実用性に富んだ面光源装置を得ることが出来た。
【0092】
(比較例1〜4)
導光体からの光取り出し機構として、方向性出射素子では無く、光拡散作用を有する粗面からなるパターンを導光体の発光面と対向する面に各種の条件で作成し、冷陰極管やその他の部材(光反射シート、保護フィルム等)は実施例と同一として面光源装置を作成した。
【0093】
粗面からなるパターンの作成には鏡面研磨したステンレス板にフォトレジストをコーティングし、所望のパターンで露光、現像して開口加工を施した後に、塩化第二鉄水溶液によるエッチング後、レジスト剥離して作成した金型を用いる態様、および、サンドブラスト耐性を有するドライフィルムレジスト(日本合成製)をラミネートし、所望のパターンで露光、現像して開口加工を施した後に、微小粒径のアルミナビーズをサンドブラストして後にレジスト剥離して作成した金型を用いる態様にて行った。
また、比較例3においては、導光体発光面に実施例と同様の、頂角150°、ピッチ50μmの三角プリズムアレーを形成することも試みた。
【0094】
これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。表1に示す通り、比較例1〜4の構成では、十分な出射方向選択率を発現させることが出来ず、また、光が粗面によって拡散してしまう為、高い正面輝度を得ることが出来なかった。また、粗面による光散乱強度が波長依存性を示す為、表示面内で色別れが発生し実用性に乏しいものであった。
また、三角プリズムアレーを設けた比較例3では、三角プリズムアレーの効果によって若干の輝度上昇は認められたものの、実用的には中途半端な性能にとどまっていた。
【0095】
(比較例5〜7)
比較例5、6として、出射方向選択率がやや劣る他は、突起形状、突起間の間隙における表面粗さも好ましい範囲を有するの面光源装置に関し、光線の主たる進行方向(方向A)における隣接突起間の平均距離が1.9H、2.0Hとなる態様を作成した。また、比較例7として、光線の主たる進行方向(方向A)における隣接突起間の平均距離が2.0Hである以外は実施例1〜4と同様の態様を作成した。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0096】
この態様では、光線の主たる進行方向における突起間距離が小さいため、図5を用いて説明したように、突起から光反射シートの側に出射しようとした照明光が隣り合った突起の干渉により、正面に向かう光路を通ることが困難になってしまうため、十分な光学特性を得ることが出来なかった。
【0097】
(比較例8)
比較例8として、光源から離れるにしたがって突起の配置密度を高めるにあたり、方向Aについての配置ピッチが狭められて突起の配置密度がコントロールされている以外は、出射方向選択率がやや劣る点を除き、実施例1〜4と同様の態様を作成した。この導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0098】
光源から遠く離れた、突起の配置密度が高い領域(中心部)では、隣接した突起の間隔は方向Aにおける間隔が方向Bにおける間隔よりも小さくなり、比較例5〜7と同様隣接突起の干渉によって、突起から出射した照明光線が有効に活かされず十分な照明光率を得ることが出来なかった。しかも、光源から離れた、突起の配置密度の高い領域と光源に近い領域とで、面光源装置から出射する照明光の出射角度特性が異なってしまうため、斜めから見たときに一部分のみが明るく見えてしまう現象が起こり、液晶ディスプレイ装置の面光源装置としての品質に著しい支障を来してしまった。
【0099】
(比較例9)
比較例9として、凹部が多数形成された金型の深さを25μmとして、前述した突起の高さHと突起の開口幅Wの比H/Wが0.34の態様を作成した。この導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。この場合には、出射方向選択率が高くならず、光反射シートの側に集中的に照明光を出射させることが出来なくなってしまった為、十分な光学特性が得られなかった。また、突起高さが低いため、方向Aについての配置ピッチも好ましい範囲を満たさなかった。
【0100】
(他の比較例)
凹部の多数形成された金型の作成行程でドライフィルムレジストを剥離した後のニッケルメッキを全く行わず、突起付け根部の曲率半径を0.02Hと極めて小さくした態様を作成した。この場合には、射出成型時に金型から取り外すことが困難を極め。実用性に乏しいものであった。
【0101】
(参考例)
比較例4記載の、従来から定法として用いられている光を拡散する粗面を光取り出し機構として用いた導光体を使用し、光反射シートには高反射率の発泡性白色ポリエステルフィルム(東レ製、ルミラーE60L)、さらに導光体上には光拡散フィルム(ツジデン製、D121)、頂角90度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーが多数表面に形成されたプリズムシート(3M製、BEFIII)と保護フィルム(ツジデン製、D117UEY)の2枚のフィルムを重ねて配し、液晶ディスプレイ用バックライトとして標準的な構成の面光源装置を作成した。光学特性を表1に示す。
【0102】
表1から、実施例、特に実施例1〜8の構成が、集光シートを用いていないにも関わらず、集光シートを用いた参考例と同等又はそれ以上の光学特性を実現していることがわかる。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サイドライト方式の面光源装置において用いられる導光板において、光取り出し機構として設ける突起の配置に際し、光の主たる進行方向に関する突起の間隔を適切に定めることにより、隣接する突起による干渉を抑制し、取りだした光を高効率で反射シートへ向かわせることが可能となり、少ない部品点数で照明効率の高い面光源装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る面光源装置の要部構成例を模式的に示す斜視図である。
【図2】
【図3】本発明において用いる出射方向選択率の測定方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態における突起の断面形状(幅W及び高さH)について説明する図である。
【図5】突起の間隔が狭すぎる場合に発生する隣接突起の干渉について説明する図である。
【図6】本発明の実施形態において好適に用いられる突起配置の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における、突起間距離の定義を説明する図である。
【図8】
【図9】突起断面の好ましくない形状について説明する図である。
【図10】本発明の実施形態における、突起形状の定義を説明する図である。
【図11】曲率を有する先端部による凸レンズ効果を説明する図である。
【図12】突起間隙部分の対向面21c表面が荒れている場合の光の散乱について説明する図である。
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】本発明の実施形態において使用可能な反射シートにおける光反射面の構成例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態において使用可能な反射シートにおける光反射面の傾斜角の定義を説明する図である。
【図22】本発明の実施形態において使用可能な反射シートの層構成例を説明する図である。
【図23】点光源を用いた面光源装置の構成例を示す図である。
【図24】従来の面光源装置の構成例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は面光源装置及びこれを用いた表示装置に関し、更に詳細には、薄型かつ簡素な構成で高発光輝度を実現する面光源装置及びこの面光源装置を用いた表示装置に関する。
また、本発明は面光源装置に適用可能な導光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されている。このような透過型液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置、即ちバックライト(面光源装置)が設けられている。この面光源装置は、例えば冷陰極放電管等の線状光源と、この線状光源から発せられる光を面状の光に変換する機構とから構成される。
【0003】
具体的には、液晶素子の背面直下に光源を設ける方法(直下方式)や、アクリル板等の透光性の導光体の側面に光源を設置し、導光体を用いて面状に光を変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的である。特に薄型化が重要な用途では、サイドライト方式が極めて有効であり、数多く実用に供されている。このサイドライト方式については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0004】
ここで、従来型のサイドライト方式面光源装置の構成例を図24(a)を用いて説明する。透光性の平板からなる基板即ち導光体1の一側端には、側端面1aに対向し、かつ略平行となるよう線状光源2が設けられる。この線状光源2を覆うようにリフレクタ3が取り付けられ、線状光源2からの直接光とリフレクタで反射された反射光とが側端面(光入射面)1aから導光体1に入射するように構成される。
【0005】
そして、導光体1の一表面1bは発光面とされ、この発光面1bの上にはほぼ三角プリズム状のアレー4を形成した集光シート(プリズムシート)5が頂角を観察者側に向けて配置される。また、導光体1における発光面1bとは反対側の面1cには光散乱性インキにより多数のドット6aを所定のパターンで印刷形成してなる光取り出し機構6が設けられている。さらに、導光板1の面1c側には、この面1cに近接して反射シート7が設けられるのが一般的である。
【0006】
また、この種の面光源装置の別な代表例を図24(b)に示す。図24(b)において、図24(a)と同じ機能を有する要素には同じ参照数字を付し、重複する説明は省略する。図24(b)に示す構成では、ほぼ三角プリズム状のプリズムアレー4を形成した集光シート5が、図24(a)の構成とは逆に、頂角を導光体1の発光面1b側に向けて発光面1b上に設けられること、導光体1の面1c表面には、印刷によるドットではなく、導光板1を粗面加工することによって形成された多数の粗面パターン6bが光取り出し機構として設けられること以外は図24(a)の構成と等しい。
【0007】
【特許文献1】特開昭61−99187号公報
【特許文献2】特開昭63−62104号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成を有する従来の面光源装置は、所望の光学特性、特に高輝度を実現するため、発光面1bからの出射光の方向を発光面1bに垂直な方向に整えるためのプリズムシートを用いなければならなかった。プリズムシートの利用は、装置の薄型化に支障をきたすばかりか、部品コスト、製造コストの増加や、製造歩留まりの低下原因となっていた。プリズムシートはプリズムアレイの方向を直交させて2枚用いることもあり、このような場合はさらに問題が大きくなっていた。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであり、少ない部品点数で高い照明効率を実現するための導光板及びそれを用いた面光源装置、さらにはこの面光源装置を用いる表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明による面光源装置は、少なくとも一つの光入射面と、発光面とを有する導光体と、光入射面に光を供給する光源と、導光体の発光面と対向する面から出射する光を反射する光反射体とを含む面光源装置であって、導光体の発光面と対向する面には、略同一形状の複数の突起が所定のパターンで設けられ、光反射体の表面には、傾斜した光反射面を有する、断面略同一又相似形の基本ユニットがピッチ200μm以下で配列して形成され、導光体の光入射面から入射した光が、発光面と、発光面と対向する面とから出射する際、発光面に対向する面から出射する光の割合を表す出射方向選択率が70〜100%であり、入射面から入射した光の主たる進行方向を方向A、突起の高さをHとすると、方向Aに関する隣接した突起間の平均ピッチは2.5H〜5.0Hの範囲にあることを特徴とする。
【0011】
また、上述の目的は、本発明の面光源装置を用いた表示装置によっても達成される。
【0012】
さらに、上述の目的は、サイドライト方式の面光源装置に適用可能な、略平板状の導光板であって、導光板の所定の面に設けられた、略同一形状の複数の突起を有し、導光板の、所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向についての突起の幅Wと、突起の高さHと比H/Wが、0.4〜1.0の範囲であり、複数の突起の間隔が、導光板の、所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向について、突起の高さHに対して2.5〜5.0Hとなるように複数の突起が配置されていることを特徴とする導光板によっても達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明に係る導光板を用いた面光源装置について説明するが、導光板以外の構成は本発明に必ずしも必須ではない。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る面光源装置100の主要部の構成を概略的に示す斜視図である。
本実施形態に係る面光源装置100は、例えばアクリル樹脂のような透光性を有する素材で形成された、略平板状の基板即ち導光体21を備え、この導光体21の一側端には、側端面21aと対向し、かつ平行に線状光源22が配置されている。この線状光源22としては、冷陰極管等の蛍光管又は、LEDアレー等を用いることが出来、特に限定はされないが、発光効率に優れ、小型化の容易な冷陰極管の利用が最も好適である。
【0015】
また、線状光源22の配置形態としては、図1に示す、導光板の一側端部のみに線状光源が設けられた1灯式の態様に限定されるものではなく、この他にも、一側端部に2本の線状光源が設けられた2灯式の態様、1灯又は2灯の線状光源が、導光板の対向する2つの側端部に設けられ、合計2灯又は4灯となっている態様等、様々な配置態様を採用することが出来る。
【0016】
さらに、光源の別な態様として、小型の面光源装置では図23に示されるように、LED等の点光源を用いることもできる。この際に、図23(a)に示される如く、LEDを導光体の光入射面21dに対向して配置する態様のほかにも、図23(b)に示される如く、導光体21の一側端部に光学ロッド22bを近接配置し、この光学ロッド22bの端面21cに点光源であるLED22aを配置した態様も用いることが出来る。
【0017】
さらに本発明の好適な実施態様においては、線状光源22を覆うようにリフレクタ26が取り付けられ、線状光源22からの直接光とリフレクタ26で反射された反射光とが光入射面である一側端面21aから導光体21内部に入射するように構成されている。
【0018】
導光体21は、例えば、板厚が約1〜10mm程度の四角形状をした透光性の薄板であり、図1で見て上面である一方の表面21bが光を出射する発光面であり、これとは反対側の表面21c(図1で見て下面)は発光面21bと対向する面である。図1において、符号23は導光体21の発光面21bに垂直な線、即ち導光体21bの法線方向を示している。
【0019】
さらに、通常のサイドライト型面光源装置では、導光体21の、発光面21bに対向する表面21c(以下、対向面という)には、図24を用いて説明したように、光散乱性インキや粗面からなるパターンが設けられ、導光体内に伝搬する照明光を導光体21外に出射させる機能を果たしている。ただし、後述するように、従来の光取り出し機構にはさまざまな課題があり、導光板に入射した光を効率よく導光板下面へ取り出しているとは言えなかった。本実施形態においては光取り出し機構の配置や形状を制御することにより、従来の光取り出し機構の課題を解決する。
【0020】
後述する、本発明に特徴的な方向性出射素子によって、入射面21aから入射した光は光反射シート27に向かって導光板21の対向面21cから選択的に出射するようになる。また、本実施形態に係る面光源装置では光反射シート27の光反射面に、光線の方向を変換するマイクロリフレクタアレー28aを多数設けているため、導光板21の対向面21cから出射した照明光線は、面光源装置の導光板21bの法線方向23に適切に方向変換されて出射される。
【0021】
本発明の好ましい実施形態においては、導光板21に入射した光のうち、対向面21cから光反射シート側に照明光線を出射させる程度が、出射方向選択率で少なくとも70〜100%、好ましくは75〜100%、さらに好ましくは80〜100%、極めて好ましくは85〜100%となることが重要であり、70%未満の出射方向選択率を有する導光体を用いることは照明効率の点から好ましくない。
【0022】
本明細書において、出射方向選択率とは、導光板に入射した光線を光反射シートの方向へ選択的に出射する能力を表す指標であり、具体的には以下の測定方法を用いて測定することができる。
【0023】
先ず、図2に示される様に、光反射シートの代わりに植毛紙等のほぼ完全に光を吸収する黒色のシート30を配し、導光体21を通常の向きにセットして光源の配される導光体の光入射面(側端部)に垂直な方向(方向101)への出射角度θの分布を輝度計を用いて測定する。そして、この時に得られた出射角度θに対する輝度変化を示すグラフの積分値((図3(a))に斜線で示される部分の面積)をLaとする。
【0024】
次に、導光体21を通常の向きとは裏返しに(本来、発光面21bとなるべき面が黒色シート30の側に来る向きに)セットして、同様に、方向101への出射角度θの分布を輝度計を用いて測定する。この時に得られた出射角度θに対する輝度変化を示すグラフ(図3(b))の積分値Lbを求め、La、Lbから算出される、
Lb/(La+Lb)×100.0(%)
の値を、出射方向選択率(光反射シート方向へ選択的に光線を出射する割合)として定義する。また、方向101における輝度は発光面のほぼ中心付近で測定されるものとする。
【0025】
本発明の実施形態に係る面光源装置において、導光板に設ける方向性出射素子についてさらに具体的に説明する。本発明において方向性出射素子は、導光板21の発光面と対向する面21cに設けられた突起29として形成される。
【0026】
図24において説明したように、突起状の光取り出し機構を対向面21cに設けること自体は知られている。しかしながら、従来の構成においては、突起の形状や配置方法について、必ずしも十分に検討されているとは言えなかった。
【0027】
本発明者は、光取り出し機構として導光板21に設ける突起の形状やその配置方法について鋭意検討し、導光板に入射した光線を高効率かつ高選択率で導光板21の対向面21cから反射シートへ取り出し可能な条件を見いだし、本発明に到達したものである。
【0028】
(1)突起の開口幅と高さの関係
本発明の好ましい実施形態において、光取り出し機構として設けられる突起29は、光反射シートの方向に選択的に照明光線を出射し、光反射シートに設けられたマイクロリフレクタアレーの効果を十分に引き出すため、図4に示すように、照明光線の導光体内における主進行方向(通常は導光体の光入射面21aに略垂直な方向。図1で方向Aとして表す)に沿った断面(主進行方向に平行で、発光面に垂直な面)で見て、突起の深さ(高さ)Hが開口幅Wに対して十分に深く(高く)形成される。
【0029】
より具体的には、H/Wが0.4〜1.0、好ましくは0.5〜0.9、より好ましくは0.55〜0.85、極めて好ましくは0.6〜0.8の範囲を満たすことにより、光反射シートの方向に選択的に照明光線を出射させることが可能となる。
【0030】
なお、突起の高さHの具体的な大きさとしては、好ましくは3〜80μm、より好ましくは5〜60μm、更に好ましくは8〜40μmである。
このような突起は、任意の方法によって形成することが可能であるが、製造効率や後述する突起の形状制御の行いやすさ等を考慮して、導光体21と一体で射出成形によって形成することが特に好ましい。
【0031】
(2)突起の配置密度
上述のH/Wの関係を満たすことで、導光板に入射した光線を高い選択率で反射シート方向へ出射することが可能になる。しかしながら、プリズムシート等の集光シートを使用せずに使用時と同等以上の高い照明効率を得るためには、上述のH/Wの関係を満足させ、出射方向選択率(光反射シート方向へ選択的に光線を出射する割合)を高めるのみでは十分ではない。全く新たな観点からの光学的効率を高める工夫が必要となるのである。
【0032】
突起のH/Wの関係を満たすだけでは不十分であることについてさらに説明する。まず第一に、十分な深さHを有する突起を単純に密に並べるのみでは十分な効率が得られない問題が挙げられる。すなわち、図5に示される如く、照明光線の進行方向に対してあまりにも密に突起が配置された状況では、ある突起から出射した光線が隣接した突起に再度入射することになってしまい、51に示す様な光線経路を経てしまう。その結果、本来は反射シートによって方向変換され、発光面の法線方向に出射するはずの光線も、発光面の法線方向からずれた斜め方向に出射してしまう。
【0033】
もちろん、導光体に入射した光線を完全に使い尽くす為には、突起は出来る限り密に配置していた方が良いのであり、単純に隣接した突起の干渉を受けない(すなわち、ある突起から出射した光が隣接する突起に再入射しない)よう、方向Aについて粗に配置するのみでは、十分な光の利用効率を得ることが出来ない。特にこの問題は、光源から遠い、突起の配置密度を高めなければならない領域において顕著となる。
【0034】
本発明者はこの問題を解決すべく鋭意検討した結果、導光体の発光面21bに対向する面21cでの突起の分布(配置密度分布)に関し、特に配置密度が高い領域では、隣接した突起の干渉を受け易くなる為、図6に示すように、光線の導光板内における主たる進行方向(方向A)に関しては突起を粗に配置し、光線の主たる進行方向と直行する方向(図1、方向B)に関しては突起は相対的に密として配置することにより、図5に示すような隣接突起の干渉による損失を抑制し、かつ照明効率(光の利用効率)を高めることが可能であることを見いだした。
【0035】
具体的には、本発明の好ましい実施形態において、光線の主たる進行方向に関し、隣接した突起間の平均距離が、突起の深さ(高さ)をHとして、少なくとも2.5〜5.0H、好ましくは2.6〜4.5H、より好ましくは2.7〜4.2H、さらに好ましくは2.8〜4.0Hの範囲とされ、これらの範囲を用いることで隣接した突起の干渉による効率低下を有効に防ぐことが可能となる。
【0036】
また、この際に、光線の主たる進行方向とは、図1で方向Aとして表すように、通常は導光体の光入射面21aに略垂直な方向であり、隣接した突起間の平均距離は、図7に斜線にて示されるエリア内(ある突起の中心から、方向Aに対して±45度の範囲内)に中心(重心)が位置する隣接突起について図7の様に測定した距離を平均して算出される(従って、図7の例では中央の突起から図の上下にある2つの突起について求めた方向Aについての距離の平均値となる)。また、同様に、方向Aと直交する方向Bについての突起間平均距離についても、ある突起の中心から、方向Bに対して±45度の範囲内)に中心(重心)が位置する隣接突起について、突起間中心距離の方向B成分を突起間距離として求めて平均する。
【0037】
(3)突起の断面形状
本発明者は、さらに別な観点から照明効率を高めるべく鋭意検討した結果、突起の、光線の主たる進行方向での断面形状(光線の主たる進行方向に平行で、発光面に垂直な面における形状)、特に付け根の形状及び先端部の形状を制御することによりさらなる照明効率の増加を実現可能であることを見いだした。
【0038】
すなわち、単に突起の開口幅Wに対して深さ(高さ)Hが大きくなれば良いというのであれば、図8に示すような、単純な長方形形状を有した断面形状の突起であっても良く、また、単純に成型の容易さという観点では、図9に示すように、突起の付け根部分が曲率を有した形状となっていることが良いように思われる。
【0039】
しかしながら、これらの断面形状は光学的に見ると必ずしも適切なものでは無く、前述の隣接した突起による干渉と同じく照明効率を大幅に妨げる要因となっている。すなわち、たとえば図9に示すように、付け根部分が大きな曲率を有する断面形状では、導光体内を伝搬する照明光束が突起の付け根部に到達した際に、付け根部の形状効果によって凹レンズの作用を受け、出射する照明光束の出射角度分布が拡がってしまう。従って、反射シートに向かう光束が減少し、結果として発光面の法線方向における出射光強度を低下させてしまうことになる。
【0040】
このような効率低下を防ぐためには突起の付け根部は出来る限り曲率の小さな形状とされていることが好適であり、しかも、成型性(離型性)を悪化させてしまうことがない形状としなければならない。そのため、本発明の好ましい実施形態においては、突起の付け根部に図10の如く接することの可能な、最大半径を有する円の半径として定義される突起付け根部の曲率半径が、突起高さHに対して好ましくは0.05H〜0.4H、より好ましくは0.1H〜0.35H、さらに好ましくは0.15H〜0.3Hの範囲とすることにより、照明効率の低下を最小限に留めながら生産性を高く保っているのである。
【0041】
また、突起の光線の主たる進行方向に平行で、発光面に垂直な面における形状は、先端部分が曲率を有する形状とすることにより、さらに照明効率を高めることが可能であることを見いだした。このような形状とすることによって、曲率を有した先端部分が、図11に示すように凸レンズとしての作用を果たすため、突起から出射する照明光束が集光され、図8に示される単純な長方形状に比較して、より高い照明効率を引き出すことが可能となるのである。
【0042】
より具体的には、図10に示すように、突起側面の接線Lが突起側面から離れる点Pから突起先端までの高さとして(もしくは、突起付け根から点Pの高さを、突起高さHから減じることによって)求められる曲率部の高さを、好ましくは0.15H〜0.6H、より好ましくは0.2H〜0.55H、さらに好ましくは0.3H〜0.5Hの範囲とすることにより、凸レンズ効果による集光作用を十分に引き出して正面輝度を高めることが可能である。
【0043】
(4)突起間の導光板表面平滑度
上述の(1)〜(3)は、いずれも光取り出し機構としての突起の配置又は形状を制御して高い照明効率を得るものであった。これらを単独もしくは適宜組み合わせて用いることによって、非常に高い照明効率を得ることが可能であるが、本発明者は更に別の方法により照明効率を高め得ることを見いだした。
【0044】
すなわち、導光板21の対向面21cには、突起が設けられない領域が存在するが、その領域の平滑性を高めることが、照明効率の向上、特にプリズムシート等の集光シートを用いない構成において照明効率の向上に寄与することを見いだしたものである。
【0045】
図12を用いてこの点について詳細に説明する。
導光板に入射した光束は、光取り出し機構としての突起だけでなく、導光板21の対向面21cにも到達する。この際、図12に示すように対向面21cの表面が荒れていると、光束は散乱し、反射シートのある方向へは向かわない成分121が発生する。この成分121が発光面から出射する場合、その出射方向は発光面の法線方向から外れたものとなる。プリズムシートのような集光シートは、このような、法線方向からずれた方向に出射した光束の向きを法線方向に揃える機能を有するため、成分121の発生はさほど照明効率の低下に結びつかないものと考えられる。
【0046】
しかし、集光シートを用いない構成を考えた場合、成分121のような光束の存在は面光源装置の正面輝度の損失、すなわち照明効率の損失に直結する。そのため、本発明の好ましい実施形態においては、突起と突起の間隙にある導光体の表面に高い平滑性を持たせることにより、図12における成分121のような、光反射シートの方に向かわない光束の発生を抑制する。
【0047】
より具体的には、導光板21の対向面21cにおいて、突起と突起の間隙の表面粗さを、十点平均粗さRzで表して、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、極めて好ましくは1.0μm以下とする。これによって、正面輝度の向上に寄与しない損失光が最小に留められ、高い照明効率が保たれるのである。
【0048】
(5)光反射シート
本発明に係る面光源装置に適用可能な光反射体の一例としての光反射シート27は、前述の通り、表面にマイクロリフレクタアレー28が形成され、導光体21から選択的に出射する照明光を、発光面21bの法線方向23に方向変換する役割を果たす。このマイクロリフレクタアレーとは、図13〜図20に示されるように、傾斜面28aを有する、ほぼ同一又はほぼ相似形状の断面形状を有する基本ユニット28を多数配置して得られる反射面の集合体を意味する。
【0049】
また、基本ユニット28について詳述すれば、基本ユニットとはそれ以上分割すると同一性もしくは相似性が消失してしまう最少の形状単位、所謂ユニットセルである。また、ピッチPとは、図13〜図20に示されるように、これら基本ユニット28の配列によって作られる基本周期の内、最小の長さとして定められ、好ましい実施形態において、このピッチは少なくとも200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされ、より好ましくは5〜100μm、さらには10〜80μmが好ましく、20〜60μmであることが最も好ましい。
【0050】
また、本発明に係る面光源装置において適用可能な光反射シート27は、屈曲性を有し、厚み50〜1000μm、好ましくは70〜500μm、特に好ましくは100〜250μm程度であることが好ましいが、実際に使用される面光源装置に応じて適宜選択可能であり、必ずしも上述の範囲に限定されるものではない。また、導光体21を収納する面光源装置のフレーム部分と一体的に成型を行うことによって、フレーム部分に光反射シートの効果を持たせることも可能である。
【0051】
また、光反射シート27の基材として好適な材質としては、たとえばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂といった樹脂材料を好適に用いることができる。また、マイクロリフレクタアレー構造(基本ユニットの繰り返し構造)の賦型には、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂による賦型やエンボス成型による賦型が好適に用いられる。
【0052】
また、光反射シート27に設けられる光反射面28aの反射率は、高効率化の観点から、言うまでもなく高反射率であることが望ましく、反射面28aには、銀やアルミニウムに代表される材質をコートした面を用いることが最も好ましい。ここで、反射面28aの、積分球等を用いて測定した波長550nmにおける反射率は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは85%以上である。
【0053】
光反射シート27の表面に設けられる、傾斜した反射面28aからなるほぼ同一又はほぼ相似形の基本ユニット28の例を、図13〜図20に示した。基本ユニット28の代表的な断面形状としては、図13(a)、(b)に示されるように鋸歯状とされるか、或いは図14(a)、(b)に示されるように山形状とされ、ピッチPが3000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは300μm以下で、光反射シート27を上方から見た際に基本ユニットの稜線28bが平行に配列した、平行直線状で且つ平坦な傾斜反射面28aからなる基本ユニット28の配列が用いられている態様が挙げられる。
【0054】
これは、図13(a)、(b)や図14(a)、(b)に示されるように傾斜した平坦な反射面28aの稜線28bがほぼ平行配列した態様では、ダイヤモンドバイトやエンドミルを用いた切削加工が適用し易いため、賦形のための金型製作が容易であり、微細化が行い易く、量産性も極めて高いためである。
【0055】
一方では、各基本ユニット28を構成する傾斜した反射面28aの断面は、図15〜20に示されるように凹状となっていることが集光性の観点からは好ましい。従って、どのような形状の基本ユニットを用いるかは、製造コストや求められる性能などの条件を考慮して適宜最良のものを選択する。
【0056】
また、図21に示す、ほぼ同一又はほぼ相似形の基本ユニット28に用いられる反射面28aの傾斜角度αとして好適な範囲は、面光源装置が求める光学特性に応じて、適宜、定められるものであるが、具体的には傾斜角度αとして、好ましくは15度〜50度の範囲、より好ましくは25度〜40度の範囲、さらに好ましくは30度〜35度の範囲を用いることができる。
【0057】
また、金属コート面は非常に傷つき易く、また酸化劣化等も発生しやすい状態にあるため、反射面28aを金属コート面で形成した場合、その表面には保護層として酸化シリコン、アルミナ等の透明セラミックスや紫外線硬化性アクリル樹脂等の樹脂塗料をコートすることにより傷つきや酸化劣化を防止することが望ましい。特にガスバリア性能に優れた酸化シリコン(SiOx)膜(x=1.53程度)を20nm〜100nmコートして用いることは極めて好適であり、水分や酸素を遮蔽して、金属反射面が酸化劣化し光学特性が悪化することを防ぐことが出来る。
【0058】
加えてこの透明コート層(保護層)を光学薄膜として構成し、光学特性をコントロールすることもできる。例えば、シリカ等の低屈折率物質(厚さ約60nm)と酸化チタンや五酸化ニオブ等の高屈折率物質(厚さ約60nm)を、図22に示すように、最表面層が高屈折率物質となるようにスパッタリング等によって積層することによって、増反射膜を構成する態様が好適に用いられる。
【0059】
(6)導光体の発光面形状
これまで、導光板21の対向面21c及び反射シートについて、高照明効率を得るための構成についての検討を行ってきたが、本発明に係る面光源装置の好ましい実施形態においては、更に高い照明効率を得るため、導光体の発光面側に、稜線24aが光入射面21aと直交する集光素子アレー24が設けられることが望ましい。
【0060】
ここで、導光体21に設けられる集光素子アレーは、三角プリズムアレー、レンチキュラレンズアレー、波板アレー等に代表される集光素子アレーが代表的であるが、特に好ましいのは図1に示すような三角プリズムアレーであって、この場合、プリズムの頂角βは好ましくは100〜165度、さらに好ましくは120〜160度、より好ましくは130〜155度である。
【0061】
(7)具体的な構成
これまで、照明効率を向上させるための構成として、(1)〜(6)の構成を説明した。これらは、単独で用いても照明効率の増加に寄与するが、それらを組み合わせることによってより大きな効果を実現するものである。特に、プリズムシート等の集光シートを導光板の発光面状に設けない構成を実現するためには、(1)〜(6)の複数を組み合わせて用いることが好ましく、それらを全て組み合わせることが最も好ましい。
【0062】
(7)面光源装置を用いる表示装置
上述の面光源装置は、面光源装置としてのみならず、表示装置のバックライト光学系として好適に利用可能である。表示装置の方式としては様々なものが存在するが、例えば液晶ディスプレイ装置に好適に適用可能である。ここで、液晶ディスプレイ装置とは、液晶分子の電気光学効果、即ち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加或いは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶表示素子を用いて表示を行う装置をいう。
【0063】
具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶表示素子を用いる表示装置が挙げられる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、液晶ディスプレイ等のバックライト光学系を始め、広く利用可能なサイドライト型面光源装置に関して、プリズムシート等の高価な集光部材を用いずとも、極めて高い照明効率を実現できる。部品点数の少ない構成で、かつ高い照明効率を有する面光源装置は、近時、低コストと高性能の両立が求められる液晶ディスプレイパネルのバックライト光学系として極めて有用である。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
(実施例)
導光体21として、長辺324.6×短辺245.0mm、厚みが4.0mmの長方形状の導光板を作成した。材料にはアクリル樹脂(旭化成製、80NH)を使用し、後述するように導光板下面には方向性出射素子として特定の断面形状を有する多数の突起が特定の配置で形成されるよう、射出成形によって導光板21を作成した。
【0067】
2つの長辺に対応する側面に対向して管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源22をそれぞれ設け、さらにこの冷陰極管の周囲を、白色ポリエステルフィルムを光反射面とするリフレクター26(三菱樹脂製)にて覆い、導光体21の光入射面21aに効率良く線状光源22からの出射光線が入射するようにした。
【0068】
導光体21の発光面21bと対向する面21c側には、図6に示すように、方向性出射素子として、付け根における水平断面が直径60μmの円形の突起を多数設けた。その際、導光板21の出射方向選択率が70〜100%の範囲となるように、光線の主たる進行方向(図1、方向A)における突起の開口幅Wと突起の高さHの比(突起の断面アスペクト比)H/Wが0.4〜1.0の範囲で定められた。
【0069】
ここで、上述したように、出射方向選択率の測定は次の様に行った。先ず光反射シート27の代わりに、黒色の植毛紙(光反射率1%以下)を配し、導光体21の光入射面21a(光源の配される側端部)に垂直な方向101(図2)への出射角度θの分布を輝度計(トプコム製BM−7)を用いて測定した。発光面の中心位置での測定結果例を図3(a)に示す。
【0070】
次に、導光体21を逆の向き(本来、発光面21bとなるべき面が黒色植毛紙に向かい合う面となる向きに)にセットし、同様に中心位置で方向101への出射角度分布を測定した。測定結果を図3(b)に示す。これらの測定曲線に関しそれぞれのθ=0〜180°までの積分値を求めてLa、Lbを算出し、その結果から、発光面21bの中心位置での出射方向選択率=Lb/(La+Lb)×100(%)を求める。出射方向選択率は、線状光源22から導光板21に入射した光線が、対向面21cから光反射シートの側へ出射する程度を定量化した値である。
【0071】
また、突起を方向性出射素子として機能させるためには、特に突起の側面が平滑となっている必要があるが、このような構造の突起を形成するための金型(スタンパ)を次の様な方法を用いて作成した。
【0072】
すなわち、まず厚さ75μmのドライフィルムレジスト(デュポン製)を鏡面研磨した銅基板上にラミネートした。次に、突起を形成したい部分が多数の開口部となったフォトマスクを描画装置(大日本スクリーン製、RG−6500)を用いて描画し、このフォトマスクを用いた平行光源によるフォトリソグラフィーによって突起を形成すべき部分にドライフィルムレジストを残存させた。そのようにして得た、ドライフィルムレジストが円柱状に多数残存した銅基板上に対し、ニッケルを深さ(厚さ)が60μmとなるように電着させ、最後にドライフィルムレジストを剥離して凹部が多数形成された金型を作成した。さらに、型離れ性を向上させ、金型表面の平滑度を向上させるため、ドライフィルムレジストを剥離した後にニッケルをさらに電着させ、電着厚みを変化させることで凹部断面のテーパー角や、図10に示した突起付け根部に対応する部分の曲率半径をコントロールした。
【0073】
また、図12を用いて説明したように、突起と突起の間隙に存在する導光体表面21cが不必要に粗面化されてしまっていると、光反射シートの側に向かわず、斜め前方へ直接出射してしまい損失光となる照明光が発生してしまう。このため、凹部が多数形成された金型は凹部と凹部の間隙部分が高い鏡面度を保つよう、ダイヤモンドペーストを用いたバーチカル研磨が施された。
【0074】
このようにして得た、平滑面からなる凹部が多数形成された金型を用いて、射出成型機(東芝機械製)を用いて定法の射出成型を行い、下面に多数の突起が形成された平板状の導光板を得た。この際に、樹脂の充填速度や金型温度を制御することによって凹部に樹脂が入り込む転写率を変化させ、故意に若干のひけを発生させることによって突起先端部分に図10に示すように曲率を持たせるとともに、突起先端部分の曲率をもコントロールした。
【0075】
得られた導光体を、光入射面及び発光面の両方に垂直な面で切断し、方向性出射素子の断面形状を走査型電子顕微鏡にて拡大観察した結果、突起付け根部の曲率半径は0.17〜0.37H、突起先端部の曲率部高さは0.38〜0.57Hの範囲に収められていることが確認された。
【0076】
また、導光体を光学式表面粗さ計(キーエンス製、VK−8500)にて測定した結果、対向面21cの、突起の間隙における鏡面度はRzで1.57μm以下と小さく保たれ、損失光の発生が抑えられている。
【0077】
光反射シート27としては、図14に示した、稜線28bが略平行に配列した直線状で、断面鋸歯状の反射面28aを基本ユニット28とする光反射シートを用いた。基本ユニット28のピッチPは50μmであり、反射面28aはアルミニウムを厚さ120nm蒸着した薄膜層で形成し、さらにこのアルミニウム蒸着層表面にガスバリア性能に優れたSiOx(x=1.53)膜を電子ビーム法によって厚さ50nm蒸着し、さらにこのSiOx膜上に五酸化ニオブ膜をスパッタリングによって厚さ60nm積層して、増反射膜として機能するように構成した。
【0078】
反射面28aの傾斜角度αは33度とし、導光体21から光反射シート27の側に選択的に出射した光線が、光反射シート27の反射面28aの作用によって方向変換され、導光体21の方向性出射素子29から光反射シート27の側に集中的に出射した集光性の高い照明光線を正面方向(導光体の発光面に垂直な方向)に出射させる光学系を得た。
【0079】
なお、方向性出射素子として機能する突起は線状光源から離れるにしたがって配置密度が徐々に高くなるよう、金型作成時にパターニングが施されている。この際に、光源からの距離が最も遠く、突起の配置密度が密な領域(本実施例においては対向する2側面に光源を配置する2灯式であるため、導光体中心部)において、光線の主たる進行方向(方向A)および、方向Aに直交する方向(方向B)についての平均的な間隙に関して、光線の主たる進行方向(方向A)についての間隙が相対的に広くなるようにパターニングが施され、輝度分布の均一化がはかられている。
【0080】
なお、実施例及び比較例において、方向A及びBについての突起の配置ピッチ(隣接突起間平均距離)は、導光体21の入光部及び中心部について求めた。ここで、入光部とは、導光体21の、光入射面が存在する側端部から方向Aについて10mm以内の範囲を、中心部とは導光体21の突起29が設けられる面(対向面21c)の対角線の交点近傍をそれぞれ指す。突起間平均距離は、入光部の長さ方向における略中央に存在する突起20個と、中心部に存在する突起20個をそれぞれサンプリングし、サンプリングした突起を図7の中央の突起として測定した隣接突起間距離を平均して求めた。また、方向Bについても同様にして測定した。
【0081】
(実施例1〜4)
実施例1〜4として、突起の高さ(H)に対して、導光体の光入射面に垂直な方向となる、光線の主たる進行方向(方向A)における突起の平均的な配置の間隙(配置ピッチ)が2.5〜5.0Hの範囲に含まれるいくつかのパターンを作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は3.4〜4.0Hであった。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0082】
(実施例5〜8)
さらに、実施例5〜8として、突起の配置密度を高めるため、突起の配置ピッチを光源から離れるにしたがって狭めてゆく際に、方向Bについての配置ピッチのみが狭められ、方向Aについてのピッチは2.5〜5.0Hの範囲で略同一に保たれる様にパターン変化を与えることにより、パターンを密に配置しながら、方向Aについての突起の配置間隔は十分に広く保たれるパターン配置を作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は3.2〜3.9Hであった。
【0083】
また、実施例7及び8においては、さらに集光特性を高めるため、導光体の発光面に、頂角140°及び150°、ピッチ50μmで、稜線が導光体の光入射面に垂直な方向を有する三角プリズムアレーを配した。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0084】
(実施例9〜11)
実施例5〜8と同様に、方向Bについての配置ピッチのみが狭められ、方向Aについてのピッチは2.5〜5.0Hの範囲で略同一に保たれる様にパターン変化を与えた導光板を作成した。得られた導光板における方向Aにおける配置ピッチの平均値は2.6〜3.9Hであった。
【0085】
ただし、金型や、成型時に樹脂の充填速度や金型温度を制御することによって、突起付け根部の曲率半径、突起先端部の曲率部高さを上述の好ましい範囲から外れるように形成した。
【0086】
具体的には、実施例9として、凹部の多数形成された金型の作成行程でドライフィルムレジストを剥離した後のニッケルメッキ量のみを変化させ、突起付け根部の曲率半径を0.47Hとした態様を作成した。
【0087】
また、実施例10及び実施例11として、射出成型時の樹脂の充填速度や金型温度を変化させ、凹部が多数形成された金型への転写性を高め、突起先端部に曲率を全く設けなかった態様、および、突起先端部の曲率部高さを0.64Hとした態様を作成した。
これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0088】
ここで、上述の実施例における面光源装置の光学特性の評価は、インバーター(ハリソン東芝ライティング製、HIU−742A)を介して冷陰極管光源を高周波点灯して行い、2本の冷陰極管の管電流値はそれぞれ5mAとした。また、外観を整えるため、導光体の発光面上には弱いヘーズのかかった保護フィルム(ツジデン製、D117TF)を配して構成した面光源装置によって行った。
【0089】
実施例1〜11では、光線の主たる進行方向に関して隣接した突起間の距離が適切に保たれているため、方向性光出射素子である突起から導光体外に出射した照明光が有効に活用されて、高い照明光率が得られていることが確認された。しかも、隣接した突起に邪魔されて正面に向かわず、迷光となってしまう照明光成分がほとんど無いため、斜めから見たときにでも面光源の均一性が十分に保たれ、液晶ディスプレイ装置の面光源として品質に優れたものであった。
【0090】
特に、突起の形状も適切に形成された実施例1〜8においては、突起先端部のレンズ効果と、突起付け根部おける散乱抑制効果の相乗効果により、突起付け根部の凹レンズ効果による散乱が生じる実施例9や、突起先端部の凸レンズ効果が得られない実施例10〜11に比べて非常に高い正面輝度が得られた。
【0091】
さらに、特に実施例7及び8における、突起の配置密度が方向Bについて選択的に狭められてコントロールされ、尚かつ、導光体の発光面には三角プリズムアレーが設けられた態様では、極めて高い正面輝度が実現され、実用性に富んだ面光源装置を得ることが出来た。
【0092】
(比較例1〜4)
導光体からの光取り出し機構として、方向性出射素子では無く、光拡散作用を有する粗面からなるパターンを導光体の発光面と対向する面に各種の条件で作成し、冷陰極管やその他の部材(光反射シート、保護フィルム等)は実施例と同一として面光源装置を作成した。
【0093】
粗面からなるパターンの作成には鏡面研磨したステンレス板にフォトレジストをコーティングし、所望のパターンで露光、現像して開口加工を施した後に、塩化第二鉄水溶液によるエッチング後、レジスト剥離して作成した金型を用いる態様、および、サンドブラスト耐性を有するドライフィルムレジスト(日本合成製)をラミネートし、所望のパターンで露光、現像して開口加工を施した後に、微小粒径のアルミナビーズをサンドブラストして後にレジスト剥離して作成した金型を用いる態様にて行った。
また、比較例3においては、導光体発光面に実施例と同様の、頂角150°、ピッチ50μmの三角プリズムアレーを形成することも試みた。
【0094】
これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。表1に示す通り、比較例1〜4の構成では、十分な出射方向選択率を発現させることが出来ず、また、光が粗面によって拡散してしまう為、高い正面輝度を得ることが出来なかった。また、粗面による光散乱強度が波長依存性を示す為、表示面内で色別れが発生し実用性に乏しいものであった。
また、三角プリズムアレーを設けた比較例3では、三角プリズムアレーの効果によって若干の輝度上昇は認められたものの、実用的には中途半端な性能にとどまっていた。
【0095】
(比較例5〜7)
比較例5、6として、出射方向選択率がやや劣る他は、突起形状、突起間の間隙における表面粗さも好ましい範囲を有するの面光源装置に関し、光線の主たる進行方向(方向A)における隣接突起間の平均距離が1.9H、2.0Hとなる態様を作成した。また、比較例7として、光線の主たる進行方向(方向A)における隣接突起間の平均距離が2.0Hである以外は実施例1〜4と同様の態様を作成した。これらの導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0096】
この態様では、光線の主たる進行方向における突起間距離が小さいため、図5を用いて説明したように、突起から光反射シートの側に出射しようとした照明光が隣り合った突起の干渉により、正面に向かう光路を通ることが困難になってしまうため、十分な光学特性を得ることが出来なかった。
【0097】
(比較例8)
比較例8として、光源から離れるにしたがって突起の配置密度を高めるにあたり、方向Aについての配置ピッチが狭められて突起の配置密度がコントロールされている以外は、出射方向選択率がやや劣る点を除き、実施例1〜4と同様の態様を作成した。この導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。
【0098】
光源から遠く離れた、突起の配置密度が高い領域(中心部)では、隣接した突起の間隔は方向Aにおける間隔が方向Bにおける間隔よりも小さくなり、比較例5〜7と同様隣接突起の干渉によって、突起から出射した照明光線が有効に活かされず十分な照明光率を得ることが出来なかった。しかも、光源から離れた、突起の配置密度の高い領域と光源に近い領域とで、面光源装置から出射する照明光の出射角度特性が異なってしまうため、斜めから見たときに一部分のみが明るく見えてしまう現象が起こり、液晶ディスプレイ装置の面光源装置としての品質に著しい支障を来してしまった。
【0099】
(比較例9)
比較例9として、凹部が多数形成された金型の深さを25μmとして、前述した突起の高さHと突起の開口幅Wの比H/Wが0.34の態様を作成した。この導光体及びそれを用いた面光源装置の光学特性を測定した結果を表1に示す。この場合には、出射方向選択率が高くならず、光反射シートの側に集中的に照明光を出射させることが出来なくなってしまった為、十分な光学特性が得られなかった。また、突起高さが低いため、方向Aについての配置ピッチも好ましい範囲を満たさなかった。
【0100】
(他の比較例)
凹部の多数形成された金型の作成行程でドライフィルムレジストを剥離した後のニッケルメッキを全く行わず、突起付け根部の曲率半径を0.02Hと極めて小さくした態様を作成した。この場合には、射出成型時に金型から取り外すことが困難を極め。実用性に乏しいものであった。
【0101】
(参考例)
比較例4記載の、従来から定法として用いられている光を拡散する粗面を光取り出し機構として用いた導光体を使用し、光反射シートには高反射率の発泡性白色ポリエステルフィルム(東レ製、ルミラーE60L)、さらに導光体上には光拡散フィルム(ツジデン製、D121)、頂角90度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーが多数表面に形成されたプリズムシート(3M製、BEFIII)と保護フィルム(ツジデン製、D117UEY)の2枚のフィルムを重ねて配し、液晶ディスプレイ用バックライトとして標準的な構成の面光源装置を作成した。光学特性を表1に示す。
【0102】
表1から、実施例、特に実施例1〜8の構成が、集光シートを用いていないにも関わらず、集光シートを用いた参考例と同等又はそれ以上の光学特性を実現していることがわかる。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サイドライト方式の面光源装置において用いられる導光板において、光取り出し機構として設ける突起の配置に際し、光の主たる進行方向に関する突起の間隔を適切に定めることにより、隣接する突起による干渉を抑制し、取りだした光を高効率で反射シートへ向かわせることが可能となり、少ない部品点数で照明効率の高い面光源装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る面光源装置の要部構成例を模式的に示す斜視図である。
【図2】
【図3】本発明において用いる出射方向選択率の測定方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態における突起の断面形状(幅W及び高さH)について説明する図である。
【図5】突起の間隔が狭すぎる場合に発生する隣接突起の干渉について説明する図である。
【図6】本発明の実施形態において好適に用いられる突起配置の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における、突起間距離の定義を説明する図である。
【図8】
【図9】突起断面の好ましくない形状について説明する図である。
【図10】本発明の実施形態における、突起形状の定義を説明する図である。
【図11】曲率を有する先端部による凸レンズ効果を説明する図である。
【図12】突起間隙部分の対向面21c表面が荒れている場合の光の散乱について説明する図である。
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】本発明の実施形態において使用可能な反射シートにおける光反射面の構成例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態において使用可能な反射シートにおける光反射面の傾斜角の定義を説明する図である。
【図22】本発明の実施形態において使用可能な反射シートの層構成例を説明する図である。
【図23】点光源を用いた面光源装置の構成例を示す図である。
【図24】従来の面光源装置の構成例を示す図である。
Claims (8)
- 少なくとも一つの光入射面と、発光面とを有する導光体と、前記光入射面に光を供給する光源と、前記導光体の前記発光面と対向する面から出射する光を反射する光反射体とを含む面光源装置であって、
前記導光体の前記発光面と対向する面には、略同一形状の複数の突起が所定のパターンで設けられ、
前記光反射体の表面には、傾斜した光反射面を有する、断面略同一又相似形の基本ユニットがピッチ200μm以下で配列して形成され、
前記導光体の前記光入射面から入射した光が、前記発光面と、前記発光面と対向する面とから出射する際、前記発光面に対向する面から出射する光の割合を表す出射方向選択率が70〜100%であり、
前記入射面から入射した光の主たる進行方向を方向A、前記突起の高さをHとすると、前記方向Aに関する隣接した突起間の平均ピッチは2.5H〜5.0Hの範囲にあることを特徴とする面光源装置。 - 前記突起の配置密度は一定でなく、前記配置密度が高い領域における前記突起の間隔を前記方向A及び、前記方向Aに直交する方向Bに関して比較すると、前記方向Aに関する間隔が前記方向Bに関する間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
- 前記突起は、前記光入射面からの距離に応じて配置密度が変化するパターンで設けられており、前記配置密度の変化は、主として前記方向Aに直交する方向Bにおける突起間隙を変化させることによって実現されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の面光源装置。
- 前記突起の、前記方向Aに平行で、かつ前記発光面に垂直な面による断面形状が、前記突起の付け根において0.05H〜0.4Hの曲率半径を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 前記突起の、前記方向Aに関する幅をWとすると、H/Wは0.4〜1.0の範囲であって、尚かつ、前記突起先端部は曲率を有し、前記突起における、当該曲率を有する先端部の高さは0.15H〜0.6Hの範囲であって、更には、前記突起の間隙部分における前記導光体表面の十点平均粗さRzは2.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の面光源装置。
- 前記導光体の前記発光面には、稜線を前記光入射面にほぼ垂直とし、100度〜165度の範囲の頂角を有する三角プリズムアレーが設けられ、
かつ、前記光反射体に形成される前記基本ユニットは、頂角を105度〜125度の範囲とする三角リフレクタアレーであり、当該三角リフレクタアレーの稜線は前記光入射面にほぼ平行に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の面光源装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の面光源装置を用いた表示装置。
- サイドライト方式の面光源装置に適用可能な、略平板状の導光板であって、
前記導光板の所定の面に設けられた、略同一形状の複数の突起を有し、
前記導光板の、前記所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向についての前記突起の幅Wと、前記突起の高さHと比H/Wが、0.4〜1.0の範囲であり、
前記複数の突起の間隔が、前記導光板の、前記所定の面に垂直な面の1つに略垂直な方向について、前記突起の高さHに対して2.5〜5.0Hとなるように前記複数の突起が配置されていることを特徴とする導光板。
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