JP2004045645A - 面光源装置並びに液晶ディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率、線状光源の本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして好ましい特性を備えた直下導光方式の面光源装置を提供する。
【解決手段】一表面を発光面20bとする導光体20と、発光面20bと対向する面に設けられた少なくとも二つ以上の溝部22と、溝部22に配された二つ以上の線状光源21と、発光面20bと対向する面側に設けられた光反射板23とからなる面光源装置において、発光面20bおよび発光面20bと対向する面の何れか一方若しくは両方には光取り出し機構24が設けられ、かつ、溝部22において溝部22の深さDと溝部22における導光体20の厚みHの間には、0.3<D/H<0.7なる関係が成立するように構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】一表面を発光面20bとする導光体20と、発光面20bと対向する面に設けられた少なくとも二つ以上の溝部22と、溝部22に配された二つ以上の線状光源21と、発光面20bと対向する面側に設けられた光反射板23とからなる面光源装置において、発光面20bおよび発光面20bと対向する面の何れか一方若しくは両方には光取り出し機構24が設けられ、かつ、溝部22において溝部22の深さDと溝部22における導光体20の厚みHの間には、0.3<D/H<0.7なる関係が成立するように構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置に関し、更に詳細には、導光体を有する面光源装置の光学系を高効率とし、該面光源装置を低消費電力とする技術、及びこの面光源装置をバックライト光学系として用いた液晶ディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されており、このような液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置、即ちバックライト(面光源装置)が配設されている。この面光源装置は、例えば冷陰極放電管等の線状光源を面状の光に変換する機構とされている。
【0003】
具体的には、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法(直下方式)や、側面に光源を設置し、アクリル板等の透光性の導光体を用いて面状に光を変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的であり、発光面にはプリズムアレー等からなる光学素子を配設して所望の光学特性を得る機構とされている。
【0004】
従来の直下型面光源装置では、代表的には図10に示される様に、冷陰極管に代表される多数の線状光源1が略平行に並べられ、該線状光源1を覆うランプリフレクタ2と、ランプの存在を目立たなくする発光面に設けられる遮光板(ライティングカーテン)3によって均一な面光源を得る態様とされ、発光面にはプリズムアレー等からなる光学素子4が配置されている。
【0005】
また、従来のサイドライト方式の面光源装置は、代表的には図9に示されるように透光性の平板からなる基板、即ち導光体5の一側端に当該側端面に沿うように線状光源1を配設し、この線状光源1を覆うようにリフレクタ6が取り付けられ、線状光源1による直接光とリフレクタ6で反射された反射光とが導光体5に、光入射端面である一側端面5a(光入射面)から内部に入射する機構とされる。
【0006】
そして、導光体5の一表面は発光面5bとされ、この発光面5bの上には三角プリズム状のアレーを形成したプリズムシートに代表される調光シート7が配され、さらに、導光体5における発光面5bとは反対側の面5cには、光取り出し機構8として、粗面8a、8a、8a……が形成され、前記発光面5bと対向する面側に、光反射板9を設けている。
【0007】
このような従来型の面光源装置にはそれぞれ欠点があり、特に30インチを越えるような大型サイズの面光源装置では高い効率と製造容易性を兼ね備えた面光源装置が得られていないために高コストとなることが問題となっている。
具体的に述べれば、先ず直下方式においてはランプ(放電管)を並列して多数並べる必要があるため、画面サイズが小さい間はそれほど問題にはならないものの、25インチを越えるような大きな画面サイズになるに従って、20本以上もの極めて多くのランプが必要になってしまい、尚かつ、点灯に必要なインバーター回路もそれに伴って複雑になってしまうため、構造を簡略化することが本質的に困難となってしまうことが挙げられる。
すなわち、ランプ本数が増えるにしたがって、付随する部材点数や組立工数も増大しコスト高となるばかりでなく、画面内の何れかのランプが切れてしまう確率も飛躍的に高くなってしまうため、不良品が発生してしまう可能性も高くなるのである。しかも、直下方式では均整度の高い面光源を得ようとすると原理的に装置の厚みを厚くせざるを得ず、壁掛けテレビ等の薄型化が重要視される用途では、この点からも満足のできるものではなかった。
【0008】
また、一方のサイドライト方式では、薄型化については直下方式に較べて実現し易いものの、図9に示される如く、導光体5の側端部に線状光源1を配設する都合上、どうしても線状光源1に遮られて損失光となる照明光成分が発生してしまうことになるため、照明効率という点で十分な性能が得られていないことが問題となっている。
【0009】
この状況は特に25インチを越えるような大型のサイドライト方式面光源装置で極めて顕著となるものであり、図9に示される如く、必要な輝度を得るため導光体5の側端部に多数の線状光源1としてランプが配設された場合に、せっかくの照明光がランプに阻まれて損失光となってしまい、結果として、照明効率の低下や消費電力量の増大を招くのである。
【0010】
しかも、図9に示される如く、多数のランプを側端部に配した態様では、それに伴って導光体5の厚みも厚くならざるを得ず、8mmを越えるような透明樹脂板を用いる必要性が生じてくるため、それに伴って、面光源装置の重量が極めて大きくなってしまい、尚かつ、成型に際しての生産性も悪化してしまう問題もある。
【0011】
以上のように、直下方式、サイドライト方式共に大型サイズの面光源装置に適用するためには、それぞれ一長一短があるため、これら方式の中間に位置する態様として、図11に示される如く、導光体5の発光面5bと対向する面に線状光源1を格納する溝部10を設け、直下方式の様に線状光源1を発光面に並列して並べながら導光体5をも活用する態様(直下導光方式)が検討されている。導光体5の発光面5bと対向する面5cには、多数のドット11a、11a、11a……を所定のパターンで印刷形成してなる光取り出し機構11が設けられ、その面に光反射板9が設けられ、導光体5の発光面5b側には光拡散板12が設置されている。
【0012】
この直下導光方式では、導光体5を用いていることから、直下方式で問題となっていたような短い間隔でランプを並列して並べる必要がなくなり、しかも、面光源装置を薄くすることが容易であるため、直下方式で大型化した際に問題となっていた装置が厚くなる欠点が大幅に緩和される。
【0013】
更に、図11に示される如く、ランプ(線状光源1)は導光体5に覆われて配設されリフレクタは用いられない為、サイドライト方式で問題となっていたランプに遮蔽されて損失する照明光が極めて少なくなり、サイドライト方式で大型化した際に問題となっていた効率低下の欠点も殆どなくなるのである。
【0014】
このように、直下導光方式の面光源装置は大型液晶テレビ等のバックライトとして用いるに極めて好適な特性を備えた面光源装置であるように思われる。しかしながら、実際にテレビに耐え得るほどの品質の高い面光源を得ようとすると、発光面5bの直下に配設される線状光源1を目立たなくし、表示面内で均一な照明強度分布を得ることは困難を極めるのである。
【0015】
例えば、図11に示すように、線状光源1が目立ってしまう問題に関して言えば、溝部10に遮光性の部材13を配したりすることで容易に均一化が可能であるように思われるが、実際には、たとえ正面で均一な輝度分布が得られていたとしても、面光源装置を見る角度によってはこれらの部材13が配された位置のみが暗部として見えてしまう問題が発生するため、テレビ等の広い角度範囲で均一な画像を提供することが求められる用途に対しては実用性に乏しく、斜めから見た場合にランプ(線状光源1)の配置に起因する不自然な模様が見えてしまう問題が発生する。
【0016】
また、直下導光方式では線状光源1が発光面直下に並べられているにも関わらず、これらの線状光源が通常の直下方式に較べて極めてまばらに(広い間隔で)配列しているため、ランプそれぞれの品質ばらつきに起因する輝度ムラが現れ易く、場所によって明るさが異なるため外観品質が見苦しく、特に大型液晶テレビ等のバックライトとしては実用性に乏しいことが問題となっている。
【0017】
しかも、直下導光方式では直下方式に比較すれば線状光源1の本数が減じられる利点があるものの、必須の構成部材である導光体5は通常のサイドライト方式に比較して極めて複雑な構造をしており、生産性の低下を招いて、導光体5が極めて高コストとなってしまう問題もある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑み為されるものであり、本来、高効率、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた直下導光方式の面光源装置に関し、実用化の妨げとなっていた、外観品質の悪化現象や、ランプ間のばらつきによる輝度ムラ悪化の問題、更には複雑な導光体形状による生産性の低下、歩留まり悪化等の諸問題を解決し、実用性に富んだ新規な直下導光方式、面光源装置を提供する技術に関する。
また、該面光源装置をバックライト光源手段として用いた、発光効率に優れ、薄型化の容易な新規な液晶ディスプレイ装置の提供に関する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するために、一表面を発光面とする導光体と、前記発光面と対向する面に設けられた少なくとも二つ以上の溝部と、前記溝部に配された二つ以上の線状光源と、前記発光面と対向する面側に設けられた光反射板とからなる面光源装置であって、
前記発光面および発光面と対向する面の何れか一方若しくは両方には光取り出し機構が設けられ、かつ、前記溝部において溝部の深さDと前記溝部における導光体厚みHの間には、
0.3<D/H<0.7
なる関係が成立するように構成したものである。
【0020】
線状光源を配置する導光体の溝部の配置ピッチを前記関係が成立するように選択することによって、導光体内を伝搬する照明光量の場所による偏りを小さく抑えることができ、高い均整度を有した面光源を得ることが可能となり、尚かつ、線状光源からの出射光を十分に使い尽くすことができるため、極めて高い照明効率を得ることが可能となる。
【0021】
前記光取り出し機構としては、導光体の発光面に設けられた粗面、若しくは凹凸からなるパターンを採用することができる。
【0022】
前記発光面の前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることが望ましい。
これによって、線状光源から発せられた光束の内、スネルの全反射条件を満たすことなく(導光体内を伝搬することなく)、直接出射してしまう照明光は適度に遮光、拡散されることになるため、線状光源の存在を目立たなくし、面光源の均一性を高く保つことができる。
【0023】
前記光取り出し機構は発光面と対向する面に設けられ、かつ前記発光面には稜線を前記溝部と略垂直な方向とするアレー状集光素子が設けられることが望ましい。
【0024】
また、前記光取り出し機構は、前記溝部の幅をWとして、前記溝部を中心に少なくとも2Wの範囲にわたって設けられていないことが望ましい。
【0025】
前記発光面上には調光シートが配され、かつ前記調光シートの前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることが望ましい。
【0026】
前記調光シートは、レンズ効果を有する光拡散シートであり、前記レンズ効果を有する光拡散シートが2枚若しくは3枚重ねて用いられる。
【0027】
前記導光体は各溝部からの距離が離れるに従って厚みが漸減する形状とされていることが望ましい。
【0028】
また、前記導光体に設けられる溝部は、断面ドーム状とされることが望ましい。前記光反射板は、光反射性の熱可塑性樹脂からなり、かつ、導光体を格納するフレームを兼用するようにすることができる。
【0029】
前記導光体は、射出圧縮成型法若しくは射出プレス成型法によって賦形することができる。
【0030】
この発明に係る面光源装置は、液晶ディスプレイ装置のバックライト光学系に用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を図に示される実施形態に基づいて更に詳細に説明する。図1、2は本発明の一実施形態に係る面光源装置の主要部を概略的に示す部分的な構成説明図である。
【0032】
この実施形態に係る面光源装置の導光体20は、好ましくは透明樹脂からなる透光性の材質からなり、一表面を発光面20bとし、該発光面20bと対向する面には線状光源21を配設するための溝部22が多数(少なくとも二つ以上)設けられている。そして、それぞれの溝部22は略平行であり、この溝部22には冷陰極管に代表されるいわゆる蛍光管が線状光源21として配されている。
【0033】
さらに、発光面20bと対向する面20c側には高い光反射率を有する光反射板23が設けられ、線状光源21から出射した照明光束は、図3(a)(b)に示される如く、導光体20の該溝部22の側面から導光体20内に入射し、導光体20内をスネルの全反射条件に基づいて伝搬する。そして、導光体20の表面には光散乱性インキ(無機微粒子含有インキ)等からなる光取り出し機構24、特に好適には、図3(b)に示すような粗面24a若しくは凹凸からなる光取り出し機構24が設けられているため、これに到達した照明光束は導光体20外に出射することとなるのである。
【0034】
この際に、粗面24a若しくは凹凸からなる光取り出し機構24は、好適には、パターン化されて配設されているため、導光体20の発光面20b上で出射する照明光強度が発光面20b内で略一定となるように調整されているのであり、発光面20b内で均一な照明強度を得ることができるのである。
しかしながら、単純に光取り出し機構24のパターンを調整することだけで得られる輝度ムラには限度があり、これだけでは液晶テレビ等の高品質な液晶ディスプレイに要求される面光源装置の性能を満足することはできない。この大きな原因として挙げられるのが、前述したランプ(線状光源1)のばらつきによる輝度ムラの問題である。
【0035】
すなわち、冷陰極管等の蛍光管は、製法上、細いガラス管の内壁に蛍光体を塗布して発光層を形成する必要があるため、どうしても各ランプごとの発光層厚みのばらつきを避けることが困難であり、電極のばらつきとも相俟って、同じ品種のランプに等しい強度の高周波電流を流したとしても発光強度は決して同一とはならないのである。
【0036】
そのため、導光体の発光面直下にランプを配設する直下導光方式の面光源装置ではランプに挟まれたエリアごとに輝度のばらつきが目立ちやすく、白表示時に縞状の見苦しい輝度ムラが目立つ問題がある。
【0037】
この問題は蛍光管だけに限らず、あらゆる発光素子に共通して現れる現象であり、従来型の直下方式やサイドライト方式の面光源装置では、複数のランプそれぞれから発光した照明光が発光面上で十分に混じり合っているため、見かけ上ばらつきが相殺され、これまで大きな問題とはなっていなかったのである。
【0038】
そこで、本発明においては、ランプ個々のばらつきによる輝度ムラ悪化現象を抑えるため、図3に示される如く、導光体20のランプ上部に十分に広い導光層(照明光透過層)を設け、隣接したランプからの照明光束が導光体内を広い範囲で伝播し易くし、隣接したランプからの流入光が混ざりやすくしている。この効果によって、たとえ並列したランプに明るさのばらつきがあったとしても、縞状にムラが現れることはなくなるため、視覚的に見た品質が極めて優れたものとなる。
すなわち、ランプ上部に設けられる導光層は十分広くとられ、ランプからの照明光が遠方まで伝播し易くすると共に、線状光源の配される溝部には金属半透光膜等の遮光板が設けられず、行き交う照明光が阻害されない様に工夫されるのである。
【0039】
より具体的には、視覚的な外観の悪化が抑えられるに適切なランプ上部に設けられる導光層の態様について、鋭意、検討を行った結果、図3に示される如く、線状光源の配される溝部の深さをDとして、該溝部における導光体の厚みをHとすると、DとHとの間には
0.3<D/H<0.7
好ましくは
0.35<D/H<0.65
より好ましくは
0.4<D/H<0.6
なる関係が成立するように導光体の形状が定められると良いことが判明した。
【0040】
このような設計をとることにより、導光体内を伝播する照明光量の場所による偏りを極めて小さく抑えることができるため、高い均整度を有した面光源を得ることが可能となり、しかも、線状光源からの出射光を十分に使い尽くすことができるため、極めて高い照明効率を得ることが可能となるのである。
【0041】
また、本発明に於いて、導光体20に設けられる光取り出し機構24は、光散乱性インキの印刷パターンや粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンが好適であることは前述した通りであるが、これらのパターンを得る方法として、印刷パターンの場合はシリカや酸化チタン等の微粒子が含有したインキをスクリーン印刷法によって印刷する方法が代表的である。また、粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンを得る方法としては、図4(a)〜(d)に示される如く、サンドブラストやエッチングによって粗面化した金型から該形状を透明樹脂に転写することによって得られる各種の粗面24aパターンからなる態様、および、図4(e)〜(j)に示される如く、電鋳や機械加工によって表面加工した金型から該形状を透明樹脂に転写することによって得られる各種の凹凸24bパターンからなる態様が代表的である。
【0042】
また、本発明の導光体20は、線状光源21を配する溝部22等が設けられ、複雑な形状を呈することから、導光体20の成型は射出成型法によって得ることが最も好ましい。特に、粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンが光取り出し機構24として用いられる態様では、射出成型時に導光体20の表面に光取り出し機構24を一度に形成することができることから、非常に生産性の高い成型法である。とりわけ、射出圧縮成型法や射出プレス成型法による賦形はサイクルタイムを短縮し、高い生産性を保つことができることから極めて好適である。
【0043】
この際に用いられる射出成型用金型は、ゲート部25の設けられる位置が、図5に示される如く、線状光源21を配する溝部22に垂直となる側端面20aの一方に設けられる態様が好適である。このようなゲート構造をとることによって線状光源21を配する溝部22が精度よく形状転写されるばかりでなく、不均一なひけの発生やウェルドラインの発生といった現象も小さく抑えることが可能となるため、光学特性に悪影響の少ない導光体20を得ることが可能となるのである。
【0044】
本発明において導光体20の発光面20b上には調光シート26が配され、尚かつ、該調光シート26には光反射性インキからなる光反射パターン27が線状光源21の配された付近に帯状に設けられる。これによって、図6に示される如く、線状光源21から発せられた光束の内、スネルの全反射条件を満たすことなく(導光体20内を伝搬することなく)、直接出射してしまう照明光は適度に遮光、拡散されることになるため、線状光源21の存在を目立たなくし、面光源の均一性を高く保つことができるのである。
【0045】
ここで、光反射性インキとしては、入射光を幅広い角度に乱反射させて線状光源21の存在を目立たなくする効果を有する、略白色の色調を有した光拡散性材質を用いることが、特に好適である。具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム等の白色顔料が樹脂中に分散したインキ等からなる態様が挙げられ、視認困難な程度に微細化したパターンでこれらのインキを印刷することによってランプからの出射光が適度に拡散され、線状光源21の存在を目立たなくすることができるのである。
【0046】
調光シート26としては、図7(a)に示される如く、たとえば三角プリズムアレーが配された態様、図7(b)に示される如く、レンチキュラーレンズが配された態様、図7(c)に示される如く、波板状の集光素子アレーが配された態様等、集光素子アレーが表面に形成された調光シートが代表的であり、面光源が必要とする照明光の光学特性に応じて、適宜、選択され特に限定されるものではない。例えば、三角プリズムアレーが用いられる態様では、図7(a)に示される如く、ピッチ20〜100μm、頂角75〜120度程度の三角プリズムが好適に用いられる。
【0047】
特に、本発明の調光シート26として極めて好適であるのはレンズ効果を有する光拡散シートが2枚、若しくは3枚、重ねて用いられる態様であり、更には、該2枚若しくは3枚の調光シート26にはそれぞれに光反射性インキからなる光反射パターン27が印刷されていることが好ましい。これにより、高い正面輝度と広い出射角度分布特性が両立した特性が得られるばかりでなく、ランプ見え現象についても極めて小さく抑えられる為、液晶テレビのバックライト光源手段として非常に品質の優れた面光源を得ることが可能となるのである。
【0048】
ここで、本発明においてレンズ効果を有する光拡散シートと呼んでいるのは、20%以上のヘーズを有しながら、正面輝度(導光体の発光面に垂直な方向への輝度)を上昇させる効果を有する光拡散フィルムのことを意味している。より具体的には、導光体20の直上で測定した正面輝度に対して、該レンズ効果を有する光拡散シートを配した時の正面輝度が、好ましくは1.15倍以上、より好ましくは1.2倍以上、さらに好ましくは1.25倍以上となる光拡散シートが好適であり、図8に示される如く、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明樹脂フィルム26a上に球形ビーズ26bが均一にコーティングされた態様からなる光拡散フィルムは、球形ビーズ26bが集光レンズとしての作用を果たすために、レンズ効果を有する光拡散フィルムの代表例である。
【0049】
本発明において、上述の様に調光シート26には、光反射パターンが印刷され、ランプ見えが抑えられるが、さらに、均整度の高い面光源が必要な場合には導光体20の線状光源21の近傍にも光反射パターン28が設けられる態様が好適である。すなわち、図2に示される如く、線状光源21の近傍にも、白色の光拡散性材質等からなる光反射性インキからなる光反射パターン28が印刷され、線状光源21からの直接の出射光束を抑え込むばかりでなく、インキ部での拡散反射によって細管の線状光源21からなるシャープな出射光束を拡散させ、線状光源21の存在を極めて知覚しづらくすることが可能となるのである。
【0050】
この様に、本発明の直下導光方式面光源装置においては、上述の如く、線状光源21から出射し、導光体20内を伝搬せずに、直接、発光面20bから出射する照明光束は、各所(光拡散シート部、導光体の発光面部)に設けられた光反射パターンによって段階的に和らげられ、線状光源21の存在は段階的に目立たなくなるが、さらに、線状光源21の近傍域には光取り出し機構が存在しない領域が設けられ、線状光源21から遠く離れた場所と線状光源21近傍との輝度差を小さく抑えられ、より高い均一性が実現されることが望ましい。
【0051】
すなわち、線状光源21からの直接の出射光束を有効に活かしながら、線状光源21から遠く離れた場所と線状光源21に近い場所との輝度の差を極めて小さくすることが可能となり、結果として、線状光源21の本数を少ない設計としても、高い照明効率を保ちながら、均一な輝度分布を容易に実現することが可能となるのである。より具体的には、線状光源21が配される溝部22の幅をWとして、前記溝部22を中心に少なくとも2W、より好ましくは2.5W、さらに好ましくは3Wの領域に渡って光取り出し機構の設けられていない領域が存在し、輝度分布の均一化が計られるのである。
【0052】
また、導光体20内に伝搬する照明光束を、最大限、利用し尽くす構造とする為には、図2に示される如く、導光体20の断面形状は線状光源21の配される溝部22から離れるに従って厚みが徐々に薄くなる形状とされることが好ましい。この様な断面形状をとることによって、通常であれば導光体20の表面と相互作用せず、照明光として有効利用されない光束成分を十分に利用し尽くすことが可能となり、さらにエネルギー効率を高めた面光源装置を得ることができるのである。
【0053】
本発明において、導光体20からの出射光に高い正面輝度が必要とされる場合には、図1に示される如く、光取り出し機構24を導光体20の発光面と対向する面に配し、発光面にはアレー状集光素子が設けられる態様が好適である。特に、液晶ディスプレイのバックライト装置として用いられた際に、該アレー状集光素子が水平となるように配される態様は出射角度特性のバランスが極めて優れていることから好ましく、モニターやテレビ用途向け液晶ディスプレイのバックライトとして非常に好適な出射角度特性を得ることができる。
【0054】
また、発光面のアレー状集光素子は上記の出射角度特性以外にも、発光面のアレー状集光素子によってランプ部をぼけた像とする効果も併せ持ち、ランプ見えを防止する点からも好適といえる。ここで、アレー状集光素子としては、例えば、三角プリズムアレー、レンチキュラーレンズ、波板状の集光素子アレー等が挙げられ、より具体的には、例えば、三角プリズムが用いられる態様では、ピッチは好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μm、極めて好ましくは30〜70μmとされ、頂角は好ましくは75〜160度、より好ましくは80〜150度、さらに好ましくは85〜140度の範囲とされる。
【0055】
本発明の直下導光方式の面光源装置において、微細な光反射パターンが光拡散シートや導光体20に設けられたり、導光体20の発光面にアレー状集光素子が設けられたりして、線状光源21が目立たなくなるようにされることは前述した通りであるが、モジュール厚みを薄くするべく、細管(例えば直径1.6〜2.8mm程度)の線状光源21を用いた場合には、これらの光反射パターンのみではランプ見えを完全に無くすことが不十分な場合がある。このような場合には、線状光源21を配設する溝部22は、図1〜3に示される如く、断面ドーム状とされていることが好適であり、ドーム型形状が一種の凹レンズとしての効果を果たすために線状光源からの照明光が拡散し、細管のランプであってもシャープな照明光が拡散されるためランプ見えを極めて低く抑えることが可能となるのである。
【0056】
本発明の面光源装置において導光体20の発光面20bと対向する面には高い光反射率を有する光反射シート23が設けられ、発光面に効率良く照明光束を反射する構造とされる。これらの光反射シート23としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を混練した白色シート、若しくはポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる白色シート、若しくは熱可塑性樹脂フィルム表面に銀やアルミニウム等の光反射率の高い材質をコーティングした金属光沢シートからなる態様等が代表的であり、なかでもランプ見えを低く抑えることができる白色シートからなる態様は本発明の面光源装置に極めて好適である。
【0057】
また、本発明において光反射シートとしてはなにもシートとして別個に設けられる必要は無く、たとえば、酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を混練したポリカーボネート等の熱可塑性樹脂材質で導光体20や線状光源21を格納するフレームを成型することによって、光反射シートの効果を該フレーム部に負わせ、光反射シート部材を削減した構造とすることも可能である。
【0058】
本発明において、液晶ディスプレイ装置とは液晶分子の電気光学効果、即ち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加或いは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶セルを用いて表示を行うものをいう。
【0059】
具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶表示素子が挙げられる。
【0060】
本発明により、本来、高効率、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた面光源装置でありながら、輝度ムラの不均一性や外観品質の悪化、さらには歩留まり悪化等の問題があることから、大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としては、実用化が妨げられていた直下導光方式の面光源装置に関し、十分に実用に耐え得る品質を達成し、なおかつ、低コストかつ高い歩留まり率でこれらを生産することが可能となった。
【0061】
これらの特徴を備えた面光源装置は、近時、低コストと高性能の両立が求められる液晶ディスプレイパネルの背面照明手段として極めて有用である。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
導光体として324.6×245.0mm、厚肉部の厚みHが7.0mmなる導光体20を作成し、材料にはアクリル樹脂(三菱レイヨン製、VH5)を使用し、短辺と平行に管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源21が配設される溝部22を4カ所設けた。溝部22の配置ピッチは、65mmとされ、ほぼ等間隔で線状光源21が導光体20の発光面と対向する面に配設されている。
【0064】
また、該溝部22の幅Wは4.0mmであり、溝部22の深さDも4.0mmとし、D/Hの値は0.57とされ、ランプ直上部に広い導光層(照明光透過層)が設けられ、隣接したランプからの照明光が相互に行き交うことの可能な、本発明に用いるのに好適な溝部22の断面形状を有した導光体20を得た。また、線状光源21が配設される溝部22は、図3に示される如く、断面ドーム状(4mmR)とされ、線状光源21から導光体20を貫通して出射する照明光が凹レンズ作用によって拡大されて線状光源の像ができるだけシャープな輝線とならない様にしている。
【0065】
さらに、該導光体20は線状光源21に直交する方向の断面で見て、線状光源21から離れるにしたがって厚みが7.0mmから4.0mmまで漸減する構造とされ、導光体20内を直進して照明光として取り出されず、損失してしまう照明光成分を極力少なくする構造とした。
【0066】
導光体20内を伝搬する照明光の光取り出し機構24は、導光体20の発光面20bに設けられる粗面24aからなるパターンとし、図3(b)に示される如く、線状光源21が配される溝部22を中心として12.0mmの範囲で粗面24aからなるパターンが設けられない領域が設けられ、全体として均一な照明光を出射する様に光取り出し機構24のパターンが調整された。光取り出し機構24として用いられるパターンは円形とされ、直径が220μm〜350μm、ピッチが250μmで、図2に示される如く配置した態様とされている。
【0067】
また、粗面24aからなるパターンの成型に用いられる金型はフォトエッチング加工によって得られ、ステンレス板(SUS304)表面に厚み25μm(ニチゴーモートン製)のドライフィルムレジストをフォトリソグラフィーによってパターニング加工し、塩化第二鉄を用いたエッチングによって該ステンレス板を表面加工し、レジストを除去する方法によって得た。さらに、このようにして得たステンレス板を、射出成型用金型にセットし、射出プレス成型法によって形状転写し導光体20を成型した。
【0068】
導光体20の発光面20bの線状光源21が配設された付近には酸化チタンが含有した白色インキからなる光反射パターンがスクリーン印刷法によって印刷され、線状光源21から直接出射してしまい、輝線として目立ってしまう出射光成分を遮光、拡散する構造としている。
【0069】
さらに、発光面20b上にはレンズ効果を有する光拡散シート26(ツジデン製、D121Z)が2枚重ねて配設され、さらに、光拡散シート26の下面(導光体の発光面に向く側)には導光体20と同様に白色インキからなる光反射パターンが2枚の光拡散シートそれぞれに印刷されて、導光体20内を導光せず、線状光源21から直接出射してくる光線を遮光、拡散する構造として、ランプ見えを完全に除去する構造とした。
【0070】
導光体20を格納するフレームは白色顔料を混練した高い光反射率を有するポリカーボネート材質(三菱エンジニアリングプラスチック製)によって成型し、導光体20と冷陰極管からなる線状光源21を該フレームによって格納する構造とした。
【0071】
インバーター(ハリソン東芝ライティング製)を介して線状光源21を高周波点灯し、管電流値を6mAとして点灯して面光源装置を得た。全体的な輝度ムラは、極めて均一であり、テレビ用液晶ディスプレイ装置に求められる輝度ムラスペックである70%を越える77%の輝度ムラ((面内輝度最小値)/(面内輝度最大値)×100.0)が得られ、実用的な性能が得られていることが確認された。光学特性データを表1に示す。また、ランプが4本並列して発光面直下に並べられているが、ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0072】
(実施例2)
導光体として324.6×245.0mm、厚肉部の厚みHが7.0mmなる導光体20を作成し、材料にはアクリル樹脂(三菱レイヨン製、VH5)を使用し、短辺と平行に管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源21が配設される溝部22を4カ所設けた。溝部22の配置ピッチは、65mmとされ、ほぼ等間隔で線状光源21が導光体20の発光面と対向する面に配設されている。
【0073】
また、該溝部22の幅Wは4.0mmであり、溝部22の深さDも4.0mmとし、D/Hの値は0.57とされ、ランプ直上部に広い導光層(照明光透過層)が設けられ、隣接したランプからの照明光が相互に行き交うことの可能な、本発明に用いるのに好適な溝部22の断面形状を有した導光体20を得た。また、溝部22の断面は、図3に示される如く、断面ドーム状(4mmR)とされ、線状光源21から導光体20を貫通して出射する照明光が凹レンズ作用によって拡大されて線状光源の像ができるだけシャープな輝線とならない様にしている。
【0074】
導光体20内を伝搬する照明光の光取り出し機構24は、導光体20の発光面20bに設けられるシリカを含有した光散乱性(光拡散性)を有するインキ印刷パターンとし、図3(a)に示される如く、線状光源21が配される溝部22を中心として12.0mmの範囲でインキ印刷パターンが設けられない領域が設けられ、全体として均一な照明光を出射する様に光取り出し機構24のパターンが調整された。光取り出し機構24として用いられるパターンは円形とされ、直径が160μm〜350μm、ピッチが250μmで、図1に示される如く配置した態様とされている。また、導光体20表面へのインキ印刷にはスクリーン印刷法を用いている。
【0075】
導光体20の発光面には頂角120度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーが、図1に示される如く、線状光源21の配された溝部22と垂直となる方向に形成され、正面輝度を高める構造とした。該三角プリズムアレーに用いる金型は、Ni無電解メッキを施した鋼材(STAVAX材)を単結晶ダイヤモンドバイトにより高精度にフライス加工を施すことによって得られている。導光体20は射出プレス法によって成型された。
【0076】
発光面20b上にはレンズ効果を有する光拡散シート26(ツジデン製、D121Z)が2枚重ねて配設され、さらに、光拡散シート26の下面(導光体の発光面に向く側)には導光体20と同様に白色インキからなる光反射パターンが2枚の光拡散シートそれぞれに印刷されて配され、線状光源21から、直接、導光体20を貫通して出射してくる照明光を遮光、拡散する構造として、ランプ見えを完全に除去する構造とした。
【0077】
インバーター(ハリソン東芝ライティング製)を介して線状光源21を高周波点灯し、管電流値を6mAとして点灯して面光源装置を得た。全体的な輝度ムラは、極めて均一であり、テレビ用液晶ディスプレイ装置に求められる高い輝度ムラが得られ、しかも正面輝度も極めて高められ、実用性に優れた面光源装置が得られていることが確認された。光学特性データを表1に示す。また、ランプが4本並列して発光面直下に並べられているが、ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0078】
(実施例3)
実施例1記載の導光体20において、溝部22の幅Wを3.0mmとし、溝部22の深さDも3.0mmとし、D/Hの値は0.43として、ドーム部の曲率は3.0mmRとした。さらに、冷陰極管には管径2.0mmなる冷陰極管を用いたことの他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0079】
(実施例4)
実施例2記載の導光体20において、溝部22の幅Wを2.5mmとし、溝部22の深さDも2.5mmとし、D/Hの値は0.36として、ドーム部の曲率は2.5mmRとした。さらに、冷陰極管には管径2.0mmなる冷陰極管を用いたことの他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0080】
(比較例1)
実施例1記載の導光体20において、溝部22の幅Wを5.0mmとし、溝部22の深さDも5.0mmとし、D/Hの値は0.71として、ドーム部の曲率は5.0mmRとした。その他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラが発生し、ランプに挟まれた領域ごとに明るさが異なるため、外観品質が見苦しく実用に耐えない外観品質であった。
【0081】
実施例2記載の導光体20において、溝部22の幅Wを5.5mmとし、溝部22の深さDも5.5mmとし、D/Hの値は0.79として、溝部22の断面形状はドーム状とせず、この字状の溝とした。その他については実施例2と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラが発生し、ランプに挟まれた領域ごとに明るさが異なるため、外観品質が見苦しく実用に耐えない外観品質であった。また、ランプの存在が判別できてしまうため、この点からも、実用上、好ましくなかった。
【0082】
(比較例3)
実施例1記載の導光体20において、ランプ直上部にも粗面からなる光取り出し機構24を設け、その他については実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ部近傍のみが明るく、輝度ムラが偏っていて、ランプの存在が判別できてしまうため、液晶ディスプレイ装置のバックライト光源としては、実用上好ましくなかった。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
この発明によれば、高効率で、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた直下導光方式の面光源装置が得られ、実用化の妨げとなっていた、外観品質の悪化現象や、生産性の低下、歩留まり悪化等の諸問題を解決することができる。
したがって、この発明に係る面光源装置をバックライト光源手段として用いた、発光効率に優れ、薄型化の容易な新規な液晶ディスプレイ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る面光源装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】この発明に係る面光源装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】(a)(b)はこの発明に係る面光源装置の導光体の例を示す側面図である。
【図4】(a)〜(j)はこの発明に係る面光源装置に使用する導光体の発光面に形成する光取り出し機構の各例を示す拡大図である。
【図5】この発明に係る面光源装置の導光体を射出成型法によって成型する際の好適なゲート構造を示す概略構成図である。
【図6】この発明に係る面光源装置における線状光源を目立たなくさせる機構を説明する概略図である。
【図7】(a)〜(c)は調光シートの各例を示す拡大図である。
【図8】調光シートによる集光効果を示す拡大図である。
【図9】従来のサイドライト方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【図10】従来の直下方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【図11】従来の直下導光方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【符号の説明】
20 導光体
20a 側端面
20b 発光面
21 線状光源
22 溝部
23 光反射板
24 光取り出し機構
25 ゲート部
26 調光シート
27 光反射パターン
28 光反射パターン
【発明の属する技術分野】
本発明は面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置に関し、更に詳細には、導光体を有する面光源装置の光学系を高効率とし、該面光源装置を低消費電力とする技術、及びこの面光源装置をバックライト光学系として用いた液晶ディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されており、このような液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置、即ちバックライト(面光源装置)が配設されている。この面光源装置は、例えば冷陰極放電管等の線状光源を面状の光に変換する機構とされている。
【0003】
具体的には、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法(直下方式)や、側面に光源を設置し、アクリル板等の透光性の導光体を用いて面状に光を変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的であり、発光面にはプリズムアレー等からなる光学素子を配設して所望の光学特性を得る機構とされている。
【0004】
従来の直下型面光源装置では、代表的には図10に示される様に、冷陰極管に代表される多数の線状光源1が略平行に並べられ、該線状光源1を覆うランプリフレクタ2と、ランプの存在を目立たなくする発光面に設けられる遮光板(ライティングカーテン)3によって均一な面光源を得る態様とされ、発光面にはプリズムアレー等からなる光学素子4が配置されている。
【0005】
また、従来のサイドライト方式の面光源装置は、代表的には図9に示されるように透光性の平板からなる基板、即ち導光体5の一側端に当該側端面に沿うように線状光源1を配設し、この線状光源1を覆うようにリフレクタ6が取り付けられ、線状光源1による直接光とリフレクタ6で反射された反射光とが導光体5に、光入射端面である一側端面5a(光入射面)から内部に入射する機構とされる。
【0006】
そして、導光体5の一表面は発光面5bとされ、この発光面5bの上には三角プリズム状のアレーを形成したプリズムシートに代表される調光シート7が配され、さらに、導光体5における発光面5bとは反対側の面5cには、光取り出し機構8として、粗面8a、8a、8a……が形成され、前記発光面5bと対向する面側に、光反射板9を設けている。
【0007】
このような従来型の面光源装置にはそれぞれ欠点があり、特に30インチを越えるような大型サイズの面光源装置では高い効率と製造容易性を兼ね備えた面光源装置が得られていないために高コストとなることが問題となっている。
具体的に述べれば、先ず直下方式においてはランプ(放電管)を並列して多数並べる必要があるため、画面サイズが小さい間はそれほど問題にはならないものの、25インチを越えるような大きな画面サイズになるに従って、20本以上もの極めて多くのランプが必要になってしまい、尚かつ、点灯に必要なインバーター回路もそれに伴って複雑になってしまうため、構造を簡略化することが本質的に困難となってしまうことが挙げられる。
すなわち、ランプ本数が増えるにしたがって、付随する部材点数や組立工数も増大しコスト高となるばかりでなく、画面内の何れかのランプが切れてしまう確率も飛躍的に高くなってしまうため、不良品が発生してしまう可能性も高くなるのである。しかも、直下方式では均整度の高い面光源を得ようとすると原理的に装置の厚みを厚くせざるを得ず、壁掛けテレビ等の薄型化が重要視される用途では、この点からも満足のできるものではなかった。
【0008】
また、一方のサイドライト方式では、薄型化については直下方式に較べて実現し易いものの、図9に示される如く、導光体5の側端部に線状光源1を配設する都合上、どうしても線状光源1に遮られて損失光となる照明光成分が発生してしまうことになるため、照明効率という点で十分な性能が得られていないことが問題となっている。
【0009】
この状況は特に25インチを越えるような大型のサイドライト方式面光源装置で極めて顕著となるものであり、図9に示される如く、必要な輝度を得るため導光体5の側端部に多数の線状光源1としてランプが配設された場合に、せっかくの照明光がランプに阻まれて損失光となってしまい、結果として、照明効率の低下や消費電力量の増大を招くのである。
【0010】
しかも、図9に示される如く、多数のランプを側端部に配した態様では、それに伴って導光体5の厚みも厚くならざるを得ず、8mmを越えるような透明樹脂板を用いる必要性が生じてくるため、それに伴って、面光源装置の重量が極めて大きくなってしまい、尚かつ、成型に際しての生産性も悪化してしまう問題もある。
【0011】
以上のように、直下方式、サイドライト方式共に大型サイズの面光源装置に適用するためには、それぞれ一長一短があるため、これら方式の中間に位置する態様として、図11に示される如く、導光体5の発光面5bと対向する面に線状光源1を格納する溝部10を設け、直下方式の様に線状光源1を発光面に並列して並べながら導光体5をも活用する態様(直下導光方式)が検討されている。導光体5の発光面5bと対向する面5cには、多数のドット11a、11a、11a……を所定のパターンで印刷形成してなる光取り出し機構11が設けられ、その面に光反射板9が設けられ、導光体5の発光面5b側には光拡散板12が設置されている。
【0012】
この直下導光方式では、導光体5を用いていることから、直下方式で問題となっていたような短い間隔でランプを並列して並べる必要がなくなり、しかも、面光源装置を薄くすることが容易であるため、直下方式で大型化した際に問題となっていた装置が厚くなる欠点が大幅に緩和される。
【0013】
更に、図11に示される如く、ランプ(線状光源1)は導光体5に覆われて配設されリフレクタは用いられない為、サイドライト方式で問題となっていたランプに遮蔽されて損失する照明光が極めて少なくなり、サイドライト方式で大型化した際に問題となっていた効率低下の欠点も殆どなくなるのである。
【0014】
このように、直下導光方式の面光源装置は大型液晶テレビ等のバックライトとして用いるに極めて好適な特性を備えた面光源装置であるように思われる。しかしながら、実際にテレビに耐え得るほどの品質の高い面光源を得ようとすると、発光面5bの直下に配設される線状光源1を目立たなくし、表示面内で均一な照明強度分布を得ることは困難を極めるのである。
【0015】
例えば、図11に示すように、線状光源1が目立ってしまう問題に関して言えば、溝部10に遮光性の部材13を配したりすることで容易に均一化が可能であるように思われるが、実際には、たとえ正面で均一な輝度分布が得られていたとしても、面光源装置を見る角度によってはこれらの部材13が配された位置のみが暗部として見えてしまう問題が発生するため、テレビ等の広い角度範囲で均一な画像を提供することが求められる用途に対しては実用性に乏しく、斜めから見た場合にランプ(線状光源1)の配置に起因する不自然な模様が見えてしまう問題が発生する。
【0016】
また、直下導光方式では線状光源1が発光面直下に並べられているにも関わらず、これらの線状光源が通常の直下方式に較べて極めてまばらに(広い間隔で)配列しているため、ランプそれぞれの品質ばらつきに起因する輝度ムラが現れ易く、場所によって明るさが異なるため外観品質が見苦しく、特に大型液晶テレビ等のバックライトとしては実用性に乏しいことが問題となっている。
【0017】
しかも、直下導光方式では直下方式に比較すれば線状光源1の本数が減じられる利点があるものの、必須の構成部材である導光体5は通常のサイドライト方式に比較して極めて複雑な構造をしており、生産性の低下を招いて、導光体5が極めて高コストとなってしまう問題もある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑み為されるものであり、本来、高効率、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた直下導光方式の面光源装置に関し、実用化の妨げとなっていた、外観品質の悪化現象や、ランプ間のばらつきによる輝度ムラ悪化の問題、更には複雑な導光体形状による生産性の低下、歩留まり悪化等の諸問題を解決し、実用性に富んだ新規な直下導光方式、面光源装置を提供する技術に関する。
また、該面光源装置をバックライト光源手段として用いた、発光効率に優れ、薄型化の容易な新規な液晶ディスプレイ装置の提供に関する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するために、一表面を発光面とする導光体と、前記発光面と対向する面に設けられた少なくとも二つ以上の溝部と、前記溝部に配された二つ以上の線状光源と、前記発光面と対向する面側に設けられた光反射板とからなる面光源装置であって、
前記発光面および発光面と対向する面の何れか一方若しくは両方には光取り出し機構が設けられ、かつ、前記溝部において溝部の深さDと前記溝部における導光体厚みHの間には、
0.3<D/H<0.7
なる関係が成立するように構成したものである。
【0020】
線状光源を配置する導光体の溝部の配置ピッチを前記関係が成立するように選択することによって、導光体内を伝搬する照明光量の場所による偏りを小さく抑えることができ、高い均整度を有した面光源を得ることが可能となり、尚かつ、線状光源からの出射光を十分に使い尽くすことができるため、極めて高い照明効率を得ることが可能となる。
【0021】
前記光取り出し機構としては、導光体の発光面に設けられた粗面、若しくは凹凸からなるパターンを採用することができる。
【0022】
前記発光面の前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることが望ましい。
これによって、線状光源から発せられた光束の内、スネルの全反射条件を満たすことなく(導光体内を伝搬することなく)、直接出射してしまう照明光は適度に遮光、拡散されることになるため、線状光源の存在を目立たなくし、面光源の均一性を高く保つことができる。
【0023】
前記光取り出し機構は発光面と対向する面に設けられ、かつ前記発光面には稜線を前記溝部と略垂直な方向とするアレー状集光素子が設けられることが望ましい。
【0024】
また、前記光取り出し機構は、前記溝部の幅をWとして、前記溝部を中心に少なくとも2Wの範囲にわたって設けられていないことが望ましい。
【0025】
前記発光面上には調光シートが配され、かつ前記調光シートの前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることが望ましい。
【0026】
前記調光シートは、レンズ効果を有する光拡散シートであり、前記レンズ効果を有する光拡散シートが2枚若しくは3枚重ねて用いられる。
【0027】
前記導光体は各溝部からの距離が離れるに従って厚みが漸減する形状とされていることが望ましい。
【0028】
また、前記導光体に設けられる溝部は、断面ドーム状とされることが望ましい。前記光反射板は、光反射性の熱可塑性樹脂からなり、かつ、導光体を格納するフレームを兼用するようにすることができる。
【0029】
前記導光体は、射出圧縮成型法若しくは射出プレス成型法によって賦形することができる。
【0030】
この発明に係る面光源装置は、液晶ディスプレイ装置のバックライト光学系に用いることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の面光源装置及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置を図に示される実施形態に基づいて更に詳細に説明する。図1、2は本発明の一実施形態に係る面光源装置の主要部を概略的に示す部分的な構成説明図である。
【0032】
この実施形態に係る面光源装置の導光体20は、好ましくは透明樹脂からなる透光性の材質からなり、一表面を発光面20bとし、該発光面20bと対向する面には線状光源21を配設するための溝部22が多数(少なくとも二つ以上)設けられている。そして、それぞれの溝部22は略平行であり、この溝部22には冷陰極管に代表されるいわゆる蛍光管が線状光源21として配されている。
【0033】
さらに、発光面20bと対向する面20c側には高い光反射率を有する光反射板23が設けられ、線状光源21から出射した照明光束は、図3(a)(b)に示される如く、導光体20の該溝部22の側面から導光体20内に入射し、導光体20内をスネルの全反射条件に基づいて伝搬する。そして、導光体20の表面には光散乱性インキ(無機微粒子含有インキ)等からなる光取り出し機構24、特に好適には、図3(b)に示すような粗面24a若しくは凹凸からなる光取り出し機構24が設けられているため、これに到達した照明光束は導光体20外に出射することとなるのである。
【0034】
この際に、粗面24a若しくは凹凸からなる光取り出し機構24は、好適には、パターン化されて配設されているため、導光体20の発光面20b上で出射する照明光強度が発光面20b内で略一定となるように調整されているのであり、発光面20b内で均一な照明強度を得ることができるのである。
しかしながら、単純に光取り出し機構24のパターンを調整することだけで得られる輝度ムラには限度があり、これだけでは液晶テレビ等の高品質な液晶ディスプレイに要求される面光源装置の性能を満足することはできない。この大きな原因として挙げられるのが、前述したランプ(線状光源1)のばらつきによる輝度ムラの問題である。
【0035】
すなわち、冷陰極管等の蛍光管は、製法上、細いガラス管の内壁に蛍光体を塗布して発光層を形成する必要があるため、どうしても各ランプごとの発光層厚みのばらつきを避けることが困難であり、電極のばらつきとも相俟って、同じ品種のランプに等しい強度の高周波電流を流したとしても発光強度は決して同一とはならないのである。
【0036】
そのため、導光体の発光面直下にランプを配設する直下導光方式の面光源装置ではランプに挟まれたエリアごとに輝度のばらつきが目立ちやすく、白表示時に縞状の見苦しい輝度ムラが目立つ問題がある。
【0037】
この問題は蛍光管だけに限らず、あらゆる発光素子に共通して現れる現象であり、従来型の直下方式やサイドライト方式の面光源装置では、複数のランプそれぞれから発光した照明光が発光面上で十分に混じり合っているため、見かけ上ばらつきが相殺され、これまで大きな問題とはなっていなかったのである。
【0038】
そこで、本発明においては、ランプ個々のばらつきによる輝度ムラ悪化現象を抑えるため、図3に示される如く、導光体20のランプ上部に十分に広い導光層(照明光透過層)を設け、隣接したランプからの照明光束が導光体内を広い範囲で伝播し易くし、隣接したランプからの流入光が混ざりやすくしている。この効果によって、たとえ並列したランプに明るさのばらつきがあったとしても、縞状にムラが現れることはなくなるため、視覚的に見た品質が極めて優れたものとなる。
すなわち、ランプ上部に設けられる導光層は十分広くとられ、ランプからの照明光が遠方まで伝播し易くすると共に、線状光源の配される溝部には金属半透光膜等の遮光板が設けられず、行き交う照明光が阻害されない様に工夫されるのである。
【0039】
より具体的には、視覚的な外観の悪化が抑えられるに適切なランプ上部に設けられる導光層の態様について、鋭意、検討を行った結果、図3に示される如く、線状光源の配される溝部の深さをDとして、該溝部における導光体の厚みをHとすると、DとHとの間には
0.3<D/H<0.7
好ましくは
0.35<D/H<0.65
より好ましくは
0.4<D/H<0.6
なる関係が成立するように導光体の形状が定められると良いことが判明した。
【0040】
このような設計をとることにより、導光体内を伝播する照明光量の場所による偏りを極めて小さく抑えることができるため、高い均整度を有した面光源を得ることが可能となり、しかも、線状光源からの出射光を十分に使い尽くすことができるため、極めて高い照明効率を得ることが可能となるのである。
【0041】
また、本発明に於いて、導光体20に設けられる光取り出し機構24は、光散乱性インキの印刷パターンや粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンが好適であることは前述した通りであるが、これらのパターンを得る方法として、印刷パターンの場合はシリカや酸化チタン等の微粒子が含有したインキをスクリーン印刷法によって印刷する方法が代表的である。また、粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンを得る方法としては、図4(a)〜(d)に示される如く、サンドブラストやエッチングによって粗面化した金型から該形状を透明樹脂に転写することによって得られる各種の粗面24aパターンからなる態様、および、図4(e)〜(j)に示される如く、電鋳や機械加工によって表面加工した金型から該形状を透明樹脂に転写することによって得られる各種の凹凸24bパターンからなる態様が代表的である。
【0042】
また、本発明の導光体20は、線状光源21を配する溝部22等が設けられ、複雑な形状を呈することから、導光体20の成型は射出成型法によって得ることが最も好ましい。特に、粗面24a若しくは凹凸24bからなるパターンが光取り出し機構24として用いられる態様では、射出成型時に導光体20の表面に光取り出し機構24を一度に形成することができることから、非常に生産性の高い成型法である。とりわけ、射出圧縮成型法や射出プレス成型法による賦形はサイクルタイムを短縮し、高い生産性を保つことができることから極めて好適である。
【0043】
この際に用いられる射出成型用金型は、ゲート部25の設けられる位置が、図5に示される如く、線状光源21を配する溝部22に垂直となる側端面20aの一方に設けられる態様が好適である。このようなゲート構造をとることによって線状光源21を配する溝部22が精度よく形状転写されるばかりでなく、不均一なひけの発生やウェルドラインの発生といった現象も小さく抑えることが可能となるため、光学特性に悪影響の少ない導光体20を得ることが可能となるのである。
【0044】
本発明において導光体20の発光面20b上には調光シート26が配され、尚かつ、該調光シート26には光反射性インキからなる光反射パターン27が線状光源21の配された付近に帯状に設けられる。これによって、図6に示される如く、線状光源21から発せられた光束の内、スネルの全反射条件を満たすことなく(導光体20内を伝搬することなく)、直接出射してしまう照明光は適度に遮光、拡散されることになるため、線状光源21の存在を目立たなくし、面光源の均一性を高く保つことができるのである。
【0045】
ここで、光反射性インキとしては、入射光を幅広い角度に乱反射させて線状光源21の存在を目立たなくする効果を有する、略白色の色調を有した光拡散性材質を用いることが、特に好適である。具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム等の白色顔料が樹脂中に分散したインキ等からなる態様が挙げられ、視認困難な程度に微細化したパターンでこれらのインキを印刷することによってランプからの出射光が適度に拡散され、線状光源21の存在を目立たなくすることができるのである。
【0046】
調光シート26としては、図7(a)に示される如く、たとえば三角プリズムアレーが配された態様、図7(b)に示される如く、レンチキュラーレンズが配された態様、図7(c)に示される如く、波板状の集光素子アレーが配された態様等、集光素子アレーが表面に形成された調光シートが代表的であり、面光源が必要とする照明光の光学特性に応じて、適宜、選択され特に限定されるものではない。例えば、三角プリズムアレーが用いられる態様では、図7(a)に示される如く、ピッチ20〜100μm、頂角75〜120度程度の三角プリズムが好適に用いられる。
【0047】
特に、本発明の調光シート26として極めて好適であるのはレンズ効果を有する光拡散シートが2枚、若しくは3枚、重ねて用いられる態様であり、更には、該2枚若しくは3枚の調光シート26にはそれぞれに光反射性インキからなる光反射パターン27が印刷されていることが好ましい。これにより、高い正面輝度と広い出射角度分布特性が両立した特性が得られるばかりでなく、ランプ見え現象についても極めて小さく抑えられる為、液晶テレビのバックライト光源手段として非常に品質の優れた面光源を得ることが可能となるのである。
【0048】
ここで、本発明においてレンズ効果を有する光拡散シートと呼んでいるのは、20%以上のヘーズを有しながら、正面輝度(導光体の発光面に垂直な方向への輝度)を上昇させる効果を有する光拡散フィルムのことを意味している。より具体的には、導光体20の直上で測定した正面輝度に対して、該レンズ効果を有する光拡散シートを配した時の正面輝度が、好ましくは1.15倍以上、より好ましくは1.2倍以上、さらに好ましくは1.25倍以上となる光拡散シートが好適であり、図8に示される如く、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明樹脂フィルム26a上に球形ビーズ26bが均一にコーティングされた態様からなる光拡散フィルムは、球形ビーズ26bが集光レンズとしての作用を果たすために、レンズ効果を有する光拡散フィルムの代表例である。
【0049】
本発明において、上述の様に調光シート26には、光反射パターンが印刷され、ランプ見えが抑えられるが、さらに、均整度の高い面光源が必要な場合には導光体20の線状光源21の近傍にも光反射パターン28が設けられる態様が好適である。すなわち、図2に示される如く、線状光源21の近傍にも、白色の光拡散性材質等からなる光反射性インキからなる光反射パターン28が印刷され、線状光源21からの直接の出射光束を抑え込むばかりでなく、インキ部での拡散反射によって細管の線状光源21からなるシャープな出射光束を拡散させ、線状光源21の存在を極めて知覚しづらくすることが可能となるのである。
【0050】
この様に、本発明の直下導光方式面光源装置においては、上述の如く、線状光源21から出射し、導光体20内を伝搬せずに、直接、発光面20bから出射する照明光束は、各所(光拡散シート部、導光体の発光面部)に設けられた光反射パターンによって段階的に和らげられ、線状光源21の存在は段階的に目立たなくなるが、さらに、線状光源21の近傍域には光取り出し機構が存在しない領域が設けられ、線状光源21から遠く離れた場所と線状光源21近傍との輝度差を小さく抑えられ、より高い均一性が実現されることが望ましい。
【0051】
すなわち、線状光源21からの直接の出射光束を有効に活かしながら、線状光源21から遠く離れた場所と線状光源21に近い場所との輝度の差を極めて小さくすることが可能となり、結果として、線状光源21の本数を少ない設計としても、高い照明効率を保ちながら、均一な輝度分布を容易に実現することが可能となるのである。より具体的には、線状光源21が配される溝部22の幅をWとして、前記溝部22を中心に少なくとも2W、より好ましくは2.5W、さらに好ましくは3Wの領域に渡って光取り出し機構の設けられていない領域が存在し、輝度分布の均一化が計られるのである。
【0052】
また、導光体20内に伝搬する照明光束を、最大限、利用し尽くす構造とする為には、図2に示される如く、導光体20の断面形状は線状光源21の配される溝部22から離れるに従って厚みが徐々に薄くなる形状とされることが好ましい。この様な断面形状をとることによって、通常であれば導光体20の表面と相互作用せず、照明光として有効利用されない光束成分を十分に利用し尽くすことが可能となり、さらにエネルギー効率を高めた面光源装置を得ることができるのである。
【0053】
本発明において、導光体20からの出射光に高い正面輝度が必要とされる場合には、図1に示される如く、光取り出し機構24を導光体20の発光面と対向する面に配し、発光面にはアレー状集光素子が設けられる態様が好適である。特に、液晶ディスプレイのバックライト装置として用いられた際に、該アレー状集光素子が水平となるように配される態様は出射角度特性のバランスが極めて優れていることから好ましく、モニターやテレビ用途向け液晶ディスプレイのバックライトとして非常に好適な出射角度特性を得ることができる。
【0054】
また、発光面のアレー状集光素子は上記の出射角度特性以外にも、発光面のアレー状集光素子によってランプ部をぼけた像とする効果も併せ持ち、ランプ見えを防止する点からも好適といえる。ここで、アレー状集光素子としては、例えば、三角プリズムアレー、レンチキュラーレンズ、波板状の集光素子アレー等が挙げられ、より具体的には、例えば、三角プリズムが用いられる態様では、ピッチは好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜80μm、極めて好ましくは30〜70μmとされ、頂角は好ましくは75〜160度、より好ましくは80〜150度、さらに好ましくは85〜140度の範囲とされる。
【0055】
本発明の直下導光方式の面光源装置において、微細な光反射パターンが光拡散シートや導光体20に設けられたり、導光体20の発光面にアレー状集光素子が設けられたりして、線状光源21が目立たなくなるようにされることは前述した通りであるが、モジュール厚みを薄くするべく、細管(例えば直径1.6〜2.8mm程度)の線状光源21を用いた場合には、これらの光反射パターンのみではランプ見えを完全に無くすことが不十分な場合がある。このような場合には、線状光源21を配設する溝部22は、図1〜3に示される如く、断面ドーム状とされていることが好適であり、ドーム型形状が一種の凹レンズとしての効果を果たすために線状光源からの照明光が拡散し、細管のランプであってもシャープな照明光が拡散されるためランプ見えを極めて低く抑えることが可能となるのである。
【0056】
本発明の面光源装置において導光体20の発光面20bと対向する面には高い光反射率を有する光反射シート23が設けられ、発光面に効率良く照明光束を反射する構造とされる。これらの光反射シート23としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を混練した白色シート、若しくはポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる白色シート、若しくは熱可塑性樹脂フィルム表面に銀やアルミニウム等の光反射率の高い材質をコーティングした金属光沢シートからなる態様等が代表的であり、なかでもランプ見えを低く抑えることができる白色シートからなる態様は本発明の面光源装置に極めて好適である。
【0057】
また、本発明において光反射シートとしてはなにもシートとして別個に設けられる必要は無く、たとえば、酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を混練したポリカーボネート等の熱可塑性樹脂材質で導光体20や線状光源21を格納するフレームを成型することによって、光反射シートの効果を該フレーム部に負わせ、光反射シート部材を削減した構造とすることも可能である。
【0058】
本発明において、液晶ディスプレイ装置とは液晶分子の電気光学効果、即ち光学異方性(屈折率異方性)、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加或いは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶セルを用いて表示を行うものをいう。
【0059】
具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶表示素子が挙げられる。
【0060】
本発明により、本来、高効率、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた面光源装置でありながら、輝度ムラの不均一性や外観品質の悪化、さらには歩留まり悪化等の問題があることから、大型液晶ディスプレイ装置のバックライト光源手段としては、実用化が妨げられていた直下導光方式の面光源装置に関し、十分に実用に耐え得る品質を達成し、なおかつ、低コストかつ高い歩留まり率でこれらを生産することが可能となった。
【0061】
これらの特徴を備えた面光源装置は、近時、低コストと高性能の両立が求められる液晶ディスプレイパネルの背面照明手段として極めて有用である。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
導光体として324.6×245.0mm、厚肉部の厚みHが7.0mmなる導光体20を作成し、材料にはアクリル樹脂(三菱レイヨン製、VH5)を使用し、短辺と平行に管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源21が配設される溝部22を4カ所設けた。溝部22の配置ピッチは、65mmとされ、ほぼ等間隔で線状光源21が導光体20の発光面と対向する面に配設されている。
【0064】
また、該溝部22の幅Wは4.0mmであり、溝部22の深さDも4.0mmとし、D/Hの値は0.57とされ、ランプ直上部に広い導光層(照明光透過層)が設けられ、隣接したランプからの照明光が相互に行き交うことの可能な、本発明に用いるのに好適な溝部22の断面形状を有した導光体20を得た。また、線状光源21が配設される溝部22は、図3に示される如く、断面ドーム状(4mmR)とされ、線状光源21から導光体20を貫通して出射する照明光が凹レンズ作用によって拡大されて線状光源の像ができるだけシャープな輝線とならない様にしている。
【0065】
さらに、該導光体20は線状光源21に直交する方向の断面で見て、線状光源21から離れるにしたがって厚みが7.0mmから4.0mmまで漸減する構造とされ、導光体20内を直進して照明光として取り出されず、損失してしまう照明光成分を極力少なくする構造とした。
【0066】
導光体20内を伝搬する照明光の光取り出し機構24は、導光体20の発光面20bに設けられる粗面24aからなるパターンとし、図3(b)に示される如く、線状光源21が配される溝部22を中心として12.0mmの範囲で粗面24aからなるパターンが設けられない領域が設けられ、全体として均一な照明光を出射する様に光取り出し機構24のパターンが調整された。光取り出し機構24として用いられるパターンは円形とされ、直径が220μm〜350μm、ピッチが250μmで、図2に示される如く配置した態様とされている。
【0067】
また、粗面24aからなるパターンの成型に用いられる金型はフォトエッチング加工によって得られ、ステンレス板(SUS304)表面に厚み25μm(ニチゴーモートン製)のドライフィルムレジストをフォトリソグラフィーによってパターニング加工し、塩化第二鉄を用いたエッチングによって該ステンレス板を表面加工し、レジストを除去する方法によって得た。さらに、このようにして得たステンレス板を、射出成型用金型にセットし、射出プレス成型法によって形状転写し導光体20を成型した。
【0068】
導光体20の発光面20bの線状光源21が配設された付近には酸化チタンが含有した白色インキからなる光反射パターンがスクリーン印刷法によって印刷され、線状光源21から直接出射してしまい、輝線として目立ってしまう出射光成分を遮光、拡散する構造としている。
【0069】
さらに、発光面20b上にはレンズ効果を有する光拡散シート26(ツジデン製、D121Z)が2枚重ねて配設され、さらに、光拡散シート26の下面(導光体の発光面に向く側)には導光体20と同様に白色インキからなる光反射パターンが2枚の光拡散シートそれぞれに印刷されて、導光体20内を導光せず、線状光源21から直接出射してくる光線を遮光、拡散する構造として、ランプ見えを完全に除去する構造とした。
【0070】
導光体20を格納するフレームは白色顔料を混練した高い光反射率を有するポリカーボネート材質(三菱エンジニアリングプラスチック製)によって成型し、導光体20と冷陰極管からなる線状光源21を該フレームによって格納する構造とした。
【0071】
インバーター(ハリソン東芝ライティング製)を介して線状光源21を高周波点灯し、管電流値を6mAとして点灯して面光源装置を得た。全体的な輝度ムラは、極めて均一であり、テレビ用液晶ディスプレイ装置に求められる輝度ムラスペックである70%を越える77%の輝度ムラ((面内輝度最小値)/(面内輝度最大値)×100.0)が得られ、実用的な性能が得られていることが確認された。光学特性データを表1に示す。また、ランプが4本並列して発光面直下に並べられているが、ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0072】
(実施例2)
導光体として324.6×245.0mm、厚肉部の厚みHが7.0mmなる導光体20を作成し、材料にはアクリル樹脂(三菱レイヨン製、VH5)を使用し、短辺と平行に管径2.4mmの冷陰極管(ハリソン東芝ライティング製)からなる線状光源21が配設される溝部22を4カ所設けた。溝部22の配置ピッチは、65mmとされ、ほぼ等間隔で線状光源21が導光体20の発光面と対向する面に配設されている。
【0073】
また、該溝部22の幅Wは4.0mmであり、溝部22の深さDも4.0mmとし、D/Hの値は0.57とされ、ランプ直上部に広い導光層(照明光透過層)が設けられ、隣接したランプからの照明光が相互に行き交うことの可能な、本発明に用いるのに好適な溝部22の断面形状を有した導光体20を得た。また、溝部22の断面は、図3に示される如く、断面ドーム状(4mmR)とされ、線状光源21から導光体20を貫通して出射する照明光が凹レンズ作用によって拡大されて線状光源の像ができるだけシャープな輝線とならない様にしている。
【0074】
導光体20内を伝搬する照明光の光取り出し機構24は、導光体20の発光面20bに設けられるシリカを含有した光散乱性(光拡散性)を有するインキ印刷パターンとし、図3(a)に示される如く、線状光源21が配される溝部22を中心として12.0mmの範囲でインキ印刷パターンが設けられない領域が設けられ、全体として均一な照明光を出射する様に光取り出し機構24のパターンが調整された。光取り出し機構24として用いられるパターンは円形とされ、直径が160μm〜350μm、ピッチが250μmで、図1に示される如く配置した態様とされている。また、導光体20表面へのインキ印刷にはスクリーン印刷法を用いている。
【0075】
導光体20の発光面には頂角120度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーが、図1に示される如く、線状光源21の配された溝部22と垂直となる方向に形成され、正面輝度を高める構造とした。該三角プリズムアレーに用いる金型は、Ni無電解メッキを施した鋼材(STAVAX材)を単結晶ダイヤモンドバイトにより高精度にフライス加工を施すことによって得られている。導光体20は射出プレス法によって成型された。
【0076】
発光面20b上にはレンズ効果を有する光拡散シート26(ツジデン製、D121Z)が2枚重ねて配設され、さらに、光拡散シート26の下面(導光体の発光面に向く側)には導光体20と同様に白色インキからなる光反射パターンが2枚の光拡散シートそれぞれに印刷されて配され、線状光源21から、直接、導光体20を貫通して出射してくる照明光を遮光、拡散する構造として、ランプ見えを完全に除去する構造とした。
【0077】
インバーター(ハリソン東芝ライティング製)を介して線状光源21を高周波点灯し、管電流値を6mAとして点灯して面光源装置を得た。全体的な輝度ムラは、極めて均一であり、テレビ用液晶ディスプレイ装置に求められる高い輝度ムラが得られ、しかも正面輝度も極めて高められ、実用性に優れた面光源装置が得られていることが確認された。光学特性データを表1に示す。また、ランプが4本並列して発光面直下に並べられているが、ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0078】
(実施例3)
実施例1記載の導光体20において、溝部22の幅Wを3.0mmとし、溝部22の深さDも3.0mmとし、D/Hの値は0.43として、ドーム部の曲率は3.0mmRとした。さらに、冷陰極管には管径2.0mmなる冷陰極管を用いたことの他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0079】
(実施例4)
実施例2記載の導光体20において、溝部22の幅Wを2.5mmとし、溝部22の深さDも2.5mmとし、D/Hの値は0.36として、ドーム部の曲率は2.5mmRとした。さらに、冷陰極管には管径2.0mmなる冷陰極管を用いたことの他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラは視認できず、極めて外観品質に優れた面光源装置であり、該面光源装置をバックライト光源として得た液晶ディスプレイ装置は非常に外観品質に優れていた。
【0080】
(比較例1)
実施例1記載の導光体20において、溝部22の幅Wを5.0mmとし、溝部22の深さDも5.0mmとし、D/Hの値は0.71として、ドーム部の曲率は5.0mmRとした。その他は実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラが発生し、ランプに挟まれた領域ごとに明るさが異なるため、外観品質が見苦しく実用に耐えない外観品質であった。
【0081】
実施例2記載の導光体20において、溝部22の幅Wを5.5mmとし、溝部22の深さDも5.5mmとし、D/Hの値は0.79として、溝部22の断面形状はドーム状とせず、この字状の溝とした。その他については実施例2と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ同士のばらつきによる輝度ムラが発生し、ランプに挟まれた領域ごとに明るさが異なるため、外観品質が見苦しく実用に耐えない外観品質であった。また、ランプの存在が判別できてしまうため、この点からも、実用上、好ましくなかった。
【0082】
(比較例3)
実施例1記載の導光体20において、ランプ直上部にも粗面からなる光取り出し機構24を設け、その他については実施例1と同様にして面光源装置を得た。光学特性データを表1に示す。
ランプ部近傍のみが明るく、輝度ムラが偏っていて、ランプの存在が判別できてしまうため、液晶ディスプレイ装置のバックライト光源としては、実用上好ましくなかった。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】
この発明によれば、高効率で、ランプ本数が少ない、薄型化が容易、等の大型液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好ましい特性を備えた直下導光方式の面光源装置が得られ、実用化の妨げとなっていた、外観品質の悪化現象や、生産性の低下、歩留まり悪化等の諸問題を解決することができる。
したがって、この発明に係る面光源装置をバックライト光源手段として用いた、発光効率に優れ、薄型化の容易な新規な液晶ディスプレイ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る面光源装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】この発明に係る面光源装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】(a)(b)はこの発明に係る面光源装置の導光体の例を示す側面図である。
【図4】(a)〜(j)はこの発明に係る面光源装置に使用する導光体の発光面に形成する光取り出し機構の各例を示す拡大図である。
【図5】この発明に係る面光源装置の導光体を射出成型法によって成型する際の好適なゲート構造を示す概略構成図である。
【図6】この発明に係る面光源装置における線状光源を目立たなくさせる機構を説明する概略図である。
【図7】(a)〜(c)は調光シートの各例を示す拡大図である。
【図8】調光シートによる集光効果を示す拡大図である。
【図9】従来のサイドライト方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【図10】従来の直下方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【図11】従来の直下導光方式の面光源装置の例を示す概略図である。
【符号の説明】
20 導光体
20a 側端面
20b 発光面
21 線状光源
22 溝部
23 光反射板
24 光取り出し機構
25 ゲート部
26 調光シート
27 光反射パターン
28 光反射パターン
Claims (12)
- 一表面を発光面とする導光体と、前記発光面と対向する面に設けられた少なくとも二つ以上の溝部と、前記溝部に配された二つ以上の線状光源と、前記発光面と対向する面側に設けられた光反射板とからなる面光源装置であって、
前記発光面および発光面と対向する面の何れか一方若しくは両方には光取り出し機構が設けられ、かつ、前記溝部において溝部の深さDと前記溝部における導光体厚みHの間には、
0.3<D/H<0.7
なる関係が成立することを特徴とする面光源装置。 - 前記光取り出し機構は発光面に設けられた粗面若しく凹凸からなるパターンであることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
- 前記発光面の前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面光源装置。
- 前記光取り出し機構は発光面と対向する面に設けられ、かつ前記発光面には稜線を前記溝部と略垂直な方向とするアレー状集光素子が設けられることを特徴とする請求項1に記載の面光源装置。
- 前記光取り出し機構は、前記溝部の幅をWとして、前記溝部を中心に少なくとも2Wの範囲にわたって設けられていないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記発光面上には調光シートが配され、かつ前記調光シートの前記線状光源付近には、光反射性インキからなる光反射パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記調光シートはレンズ効果を有する光拡散シートであり、前記レンズ効果を有する光拡散シートが2枚若しくは3枚重ねて用いられることを特徴とする請求項6に記載の面光源装置。
- 前記導光体は各溝部からの距離が離れるに従って厚みが漸減する形状とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記導光体に設けられる溝部は断面ドーム状とされることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記光反射板は光反射性の熱可塑性樹脂からなり、かつ、導光体を格納するフレームを兼用していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の面光源装置。
- 前記導光体は射出圧縮成型法若しくは射出プレス成型法によって賦形されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の面光源装置。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の面光源装置がバックライト光学系に用いられた液晶ディスプレイ装置。
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