JP2005003352A - 熱輸送装置 - Google Patents

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    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular

Abstract

【課題】 高熱流速の除熱及び及び高精度な熱制御をおこなうもので、特にスペースに限りがある小型の筐体内でのヒートパイプ及びヒートシンクなどで熱輸送をより効率的におこなうことができる熱輸送装置を提供することにある。
【解決手段】 熱輸送装置1は、チャネル2内に充填した冷媒を熱輸送媒体とし、前記チャネル2に接続されるマイクロポンプ3を少なくとも1つ備え、マイクロポンプ3は、前記冷媒を加振し少なくとも正逆方向に流動させる双方向のマイクロポンプである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロエレクトロニクスからパワーエレクトロニクスの分野に使用されるCPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale Integrated Circuit)、高出力通信用LD(Laser Diode)、青色LD 、携帯機器部品、小型表示素子やプロジェクター用PDP(Plasma Display Panel)、液晶、さらに半導体熱スイッチ、熱ダイオードなどの電気・電子部品の冷却及び熱制御を目的としたヒートパイプ及びヒートシンクなどに好適に用いられるマイクロポンプ及びこれを備えた熱輸送装置に関する。
マイクロエレクトロニクスからパワーエレクトロニクスの分野では、CPU、LSI、LD等の電気・電子部品の発熱領域からの熱流速の除熱方法として種々の方法が用いられている。現在、フィンとファンとを用いた強制空冷が一般的に使われている。
しかしながら近年、微細加工技術の進展とともに高性能化、高密度化、小型化がますます進んでおり、それに伴い、微小領域から高熱流速の除熱の問題が顕在化している。例えば、2006年頃のCPUの発熱密度は100W/cm2、高出力LDの場合は100〜500W/cm2程度と予想される。特に、情報機器、情報通信機器などのノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、小型ゲーム機、小型デジタルカメラなどでは、スペースに限りがある小さな筐体内の高熱流速の除熱が深刻な課題となっている。
この高熱流速の除熱の問題については、従来より精力的に研究されており、大きく分けて3つの方法が検討されている。
第一の方法は、従来の強制空冷の能力を上げるためにフィンの改良及び高性能化、ファンの能力アップを行う方法である。
第二の方法は、ヒートパイプを用いて熱を高熱流速エリアから低熱流速エリアへ輸送し、放熱する方法である。代表的なものとして、潜熱を利用したウイックのヒートパイプや西尾らが開発している強制振動流ヒートパイプが挙げられる(非特許文献1参照)。また、気泡型ポンプを用いて水等の冷媒を強制循環させて冷却させる方式も開示されている。気泡型ポンプとしては、マイクロチャネル及びマイクロポンプ(気泡駆動型)を用いた熱輸送装置等が挙げられる(特許文献1〜2参照)。
第三の方法は、遠心ポンプであり、(株)日立製作所製の水冷機構等が挙げられる。
日本機械学会2001年度年次大会公演資料集「2001-8.27〜30,福井市」 特開2002−349975号公報 特開2003−042673号公報
現在主流のフィンとファンとを用いた強制空冷を改善しようとする場合、粘性発熱による除熱阻害、音速による除熱阻害の他、フィンとファンの大型化や騒音などの問題がクローズアップされて来ている。
上記ヒートパイプについては、封入流体の蒸発と凝縮との潜熱を利用し、凝集液体の加熱部(蒸発部)への還流を毛管力や重力により作動させるウイックヒートパイプの場合、ドライアウトが起こるなど熱輸送量に上限界があり、この熱輸送量が管径の減少とともに急速に低下しており、限界が見え始めている。また、強制振動流ヒートパイプの場合、加振源が必要不可欠であるが、現在マイクロな、すなわち、高性能化、高密度化、小型化に対応可能な加振源がないという問題点を有している。
また、上記のように気泡型ポンプを用いるいわゆるバブルジェット(登録商標)方式も開発されているが、この方法では、冷媒を沸騰させるために瞬間的にせよ350℃程度の熱を発生させる必要があるので、効率的でないという問題点がある。また、充填する液体は、耐熱性を有する液体に限られるため、材料選択上の自由度も小さい。
さらに、上記遠心等のポンプを用いて水を強制循環させて冷却する方式では、冷却液循環用のチューブと放熱板を液晶パネルの裏側に収納し、従来冷却には使われていなかったディスプレイ側を冷却スペースにすることで、効率良く放熱でき、さらに静かな動作が特徴となっている。しかしながら、液の循環には少し大きな遠心ポンプを使用し(特に厚い)、長いチューブが本体や背面に張り巡らされ、比較的多くの水量を必要とし大掛かりになっていることや、ポンプとチューブの継ぎ手があり電子部品部への水漏れなどの危険と隣り合わせである。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高熱流速の除熱及び及び高精度な熱制御をおこなうもので、特にスペースに限りがある小型の筐体内でのヒートパイプ及びヒートシンクなどで熱輸送をより効率的におこなうことができる熱輸送装置を提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、水などの冷媒を密封充填したマイクロチャンネルを保有するヒートパイプ及びヒートシンクなどに、ダイアフラムを保有する双方向マイクロポンプを冷媒の加振源とした熱輸送装置とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、チャネル内に充填した冷媒を熱輸送媒体とする熱輸送装置であって、前記チャネルに接続されるマイクロポンプを少なくとも1つ備え、該マイクロポンプは、前記冷媒を加振し少なくとも正逆方向に流動させる双方向のマイクロポンプであることを特徴としている。
上記の構成によれば、チャネル内に充填した冷媒を熱輸送媒体とすることで、チャネル内を冷媒が移動することにより熱輸送を行えるので、小型の電気・電子機器の発熱領域での除熱等を効率的に行うことができる。また、チャネルに接続されるマイクロポンプを少なくとも1つ備えていることで、マイクロポンプのポンプ運動により、正逆方向への冷媒の加振を行え、冷媒が少なくとも正逆方向に移動することで、小型筐体内での除熱をより効率的に行うことができる。
請求項2の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、マイクロポンプは、チャネル端部に接続されており、チャネルから流入する冷媒を収容する圧力室と、加振の原動力を提供する駆動素子と、該駆動素子により弾性変形する弾性薄膜部と、を備え、前記弾性薄膜部を前記駆動素子により振動させ圧力室の体積変化を形成して正圧及び負圧状態を繰り返すことにより、冷媒を双方向に移動させることを特徴としている。
上記の構成によれば、チャネル端部にマイクロポンプが接続されていることで、マイクロポンプを駆動すると、冷媒の流れる方向が1方向に規定されるので、例えば、チャネル両端にマクロポンプを配置することにより、双方向駆動が実現できる。また、マイクロポンプが上記圧力室、駆動素子、弾性薄膜部により正圧および負圧状態を繰り返すことで、冷媒を正逆方向に繰り返し移動させることができるので、限られたスペース内での熱輸送をより効率的に行うことができる。
請求項3の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、マイクロポンプは、レイノルズ数が、0.1〜250の範囲内であることを特徴としている。
請求項4の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、マイクロポンプの高さ方向幅が、0.2mm〜5mmの範囲内であることを特徴としている。
上記の構成によれば、小型筐体内等での収容をよりコンパクト化できる。
請求項5の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、マイクロポンプは、流路面に対して垂直方向に3mm以内にあることを特徴としている。
上記の構成によれば、小型筐体内等での収容をよりコンパクト化できる。
請求項6の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、チャネルは、流路断面積が、0.01〜1mmの範囲内であることを特徴としている。
請求項7の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、冷媒の流速が−250mm/s〜+250mm/sの範囲内であることを特徴としている。
請求項8の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、チャネル及びマイクロポンプ内が、全てまたは大部分が冷媒で満たされた密閉状態を形成しており、マイクロポンプが、チャネルの複数端部にそれぞれ1ずつ接続されダンパー機能を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記密閉状態であっても、各々のマイクロポンプがダンパー機能を有することにより、圧縮性のない水などの冷媒を永続的に流動させることができる。
請求項9の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し同じ側に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、マイクロポンプをチャネルに対し同じ側に位置させることで、チャネル長手方向のスペースに比較的余裕がない場合等に、小型筐体内での収容をコンパクト化できる。
請求項10の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し異なる側に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、比較的狭幅な筐体内スペースに設置することが可能であると同時に、マイクロポンプをチャネルに対し同じ側に配置した熱輸送装置と比較しても遜色のない送液能力を備えた熱輸送装置を得ることができる。
請求項11の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、駆動素子は、複数のマイクロポンプのいずれか1つに設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、駆動素子が複数のマイクロポンプのいずれか1つにのみ設けられていることで、比較的流路抵抗が小さく1駆動素子で送液可能な冷媒を用いる場合に適用可能であり、2以上の駆動素子を用いる場合に比し低電力で駆動することができる。
請求項12の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、駆動素子は、ある弾性薄膜部に圧力波が到達して圧力室に正圧がかかり膨張した状態時に、その弾性薄膜部を圧力室が収縮する方向に駆動させる動作を繰り返すことを特徴としている。
上記の構成によれば、駆動素子の駆動に際して、同程度の電力でより効率のよい発生圧力および流量を得ることができる。より好ましくは、一方の弾性薄膜部の変形により、圧力波が他方の弾性薄膜部に到達し最大限に圧力室が膨張する瞬間に、前記他方の弾性薄膜部を収縮させる方向に駆動させる。
請求項13の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、チャネルは1本を蛇行状に配置した構成又は2本以上を並列に配置した構成であることを特徴としている。
上記の構成によれば、チャネルが1本を蛇行状に配置した構成である場合は、単純・コンパクト化が可能となり、チャネルを少なくとも2本以上並列に配置した構成である場合は、流路抵抗を減らしポンプ圧力をより軽減することができる。
請求項14の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、チャンネルとマイクロポンプとは、繋ぎ目のない一体型で接続されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、チャネルとマイクロポンプとが繋ぎ目のない一体型であるので、水漏れ等の心配のない信頼性の高い熱輸送装置を提供できる。
請求項15の熱輸送装置は、上記の課題を解決するために、Si半導体プロセスにより作成したことを特徴としている。
上記の構成によれば、比較的高い熱伝導率材料であるSi基板を用いて、高精度にマイクロポンプ部などの熱輸送装置を作成することができる。また、ヒートパイプ部やヒートシンク部のチャネルも微細且つ高アスペクトに作成することが可能となる。また、CPUやLSI、ICなども回路もSi冷却機構基板の裏側などに同じプロセスで一体に作成することもできる。
本発明の構成により下記効果が得られる。チャネル内に充填した冷媒を熱輸送媒体とすることで、チャネル内を冷媒が移動することにより熱輸送を行えるので、小型の電気・電子機器の発熱領域での除熱等を効率的に行うことができる。また、チャネルに接続されるマイクロポンプを少なくとも1つ備えていることで、マイクロポンプのポンプ運動により、正逆方向への冷媒の加振を行え、冷媒が少なくとも正逆方向に移動することで、小型筐体内での除熱をより効率的に行えるという効果を奏する。
また、チャネル端部にマイクロポンプが接続されていることで、マイクロポンプを駆動すると、冷媒の流れる方向が1方向に規定されるので、例えば、チャネル両端にマクロポンプを配置することにより、双方向駆動が実現できる。また、マイクロポンプが上記圧力室、駆動素子、弾性薄膜部により正圧および負圧状態を繰り返すことで、冷媒を正逆方向に繰り返し移動させることができるので、限られたスペース内での熱輸送をより効率的に行えるという効果を奏する。
密閉状態であっても、各々のマイクロポンプがダンパー機能を有することにより、圧縮性のない水などの冷媒を永続的に流動させることができるという効果を奏する。
各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し同じ側に設けられている構成とすることにより、マイクロポンプをチャネルに対し同じ側に位置させることで、チャネル長手方向のスペースに比較的余裕がない場合等に、小型筐体内での収容をコンパクト化できるという効果を奏する。
各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し異なる側に設けられている構成とすることで、比較的狭幅な筐体内スペースに設置することが可能であると同時に、マイクロポンプをチャネルに対し同じ側に配置した熱輸送装置と比較しても遜色のない送液能力を備えた熱輸送装置を得られるという効果を奏する。
駆動素子は、複数のマイクロポンプのいずれか1つに設けられている構成とすることにより、駆動素子が複数のマイクロポンプのいずれか1つにのみ設けられていることで、比較的流路抵抗が小さく1駆動素子で送液可能な冷媒を用いる場合に適用可能であり、2以上の駆動素子を用いる場合に比し低電力で駆動することができるという効果を奏する。
駆動素子は、ある弾性薄膜部に圧力波が到達して圧力室に正圧がかかり膨張した状態時に、その弾性薄膜部を圧力室が収縮する方向に駆動させる動作を繰り返す構成とすることにより、駆動素子の駆動に際して、同程度の電力でより効率のよい発生圧力および流量を得ることができる。より好ましくは、一方の弾性薄膜部の変形により、圧力波が他方の弾性薄膜部に到達し最大限に圧力室が膨張する瞬間に、前記他方の弾性薄膜部を収縮させる方向に駆動させる。
チャネルは、1本を蛇行状に配置した構成又は2本以上を並列に配置した構成とすることで、チャネルが1本を蛇行状に配置した構成である場合は、単純・コンパクト化が可能となり、チャネルを少なくとも2本以上並列に配置した構成である場合は、流路抵抗を減らしポンプ圧力をより軽減できるという効果を奏する。
チャンネルとマイクロポンプとは、繋ぎ目のない一体型で接続されている構成とすることで、チャネルとマイクロポンプとが繋ぎ目のない一体型であるので、水漏れ等の心配のない信頼性の高い熱輸送装置を提供できるという効果を奏する。
Si半導体プロセスにより作成した構成とすることで、比較的高い熱伝導率材料であるSi基板を用いて、高精度にマイクロポンプ部などの熱輸送装置を作成することができる。また、ヒートパイプ部やヒートシンク部のチャネルも微細且つ高アスペクトに作成することが可能となる。また、CPUやLSI、ICなども回路もSi冷却機構基板の裏側などに同じプロセスで一体に作成できるという効果を奏する。

〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1〜6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図1(a)は、本実施の形態の熱輸送装置1の概略構成を示した斜視図である。同図に示すように、本実施の形態の熱輸送装置1は、両端が開放された1本のチャネル2がミアンダー状(蛇行状)に配置されたヒートパイプ部30と、チャネル2の両端にそれぞれ接続された一対のマイクロポンプ3と、から主に構成されている。熱輸送装置1は、チャネル2を上記ミアンダー状に配置することで、ヒートパイプ部30と、水等の冷媒との比界面積がより大きくなり、低熱抵抗が実現できる。その結果、より一層の熱交換・熱輸送の効率化が実現できる。
本実施の形態では、マイクロポンプ3とチャネル2とは、略同一平面内となるよう設定されている。すなわち、同図に示すように直方体からなるマイクロポンプ3の上面部とチャネル2の上面部、及び、マイクロポンプ3の底面部とチャネル2の底面部とが略同一平面内となるよう設定されている。具体的には、マイクロポンプ3とチャネル2とは、流路面に対して垂直方向に3mm以内にある。これにより、高さ方向において嵩張ることがないため、小型筐体内での格納がより容易となる。
図1(b)(c)は、図1(a)に示す熱輸送装置1のマイクロポンプ3を、より詳細に説明するための縦断面図である。図1(b)(c)に示すように、マイクロポンプ3は、チャネル2から送られる冷媒が収容される圧力室4と、圧力室4上部に設けられ圧力室4に冷媒を流出入させるべく弾力的に変形するダイアフラム6(弾性薄膜部)と、該ダイアフラム6上に設置されダイアフラム6を押圧・解圧することにより変形させる駆動素子5とを備えている。チャネル2内は冷媒としての水が充填されており、かつ、密閉状態となっている。従って、ダイアフラム6が上記駆動素子により弾性変形を繰り返すことでダンパーの機能を有し、これにより、冷媒が互いに逆方向に繰り返し移動する双方向のポンプ運動が可能となる。
本発明において、「少なくとも正逆方向に」とは、たとえば、正逆方向、すなわち、「一方向とその反対方向に」冷媒が流動する場合に限らず、例えば、送出された冷媒は、一方向(たとえば、ある最短経路)を通るが、戻り時は、その一方向の反対方向でなく、迂回経路を通る場合があってもよいことを意味する。
本実施の形態のマイクロポンプ3は、以下の性能的条件、構造的条件を有するポンプである。
(1)マイクロポンプの性能的条件
レイノルズ数: 0.1〜250
流量 : 1μl/s〜100μl/s
流路幅 : 50μm〜1000μm
流路断面積 : 0.01mm2〜1mm2
流路深さ : 50μm〜1000μm
圧力 : 1kPa〜100kPa
周波数 : 0.1Hz〜10Hz
圧電素子の面積: 10mm2〜1000mm2

(2)マイクロポンプの構造的条件
ポンプの流路面に対して垂直方向の厚み(マイクロポンプの高さ方向幅):0.2mm〜5mm
圧電素子厚さ:50μm〜300μm

本発明のマイクロポンプの各種条件、とりわけ、レイノルズ数、流路断面積、ポンプの厚さを上記数値範囲内とすることにより、従来より一般的に用いられるポンプと異なり優れた性能を得ることができるとともに、マイクロポンプの流速を−250mm/s〜+250mm/sの範囲内とすることができる。
本発明のマイクロポンプが、上記(1)(2)に記載した各数値範囲の下限を下回る場合は、冷媒の流れが少なくなり、熱輸送能力が低くなりすぎるため、熱輸送デバイス用途に適さなくなるおそれがある。また、各数値範囲の上限を超える場合は、マイクロポンプが大きくなりすぎるため、小型筐体内への格納に適さないおそれがある。
上記において、レイノルズ数=慣性力/粘性力=(ρU−2−1)/(μUL−2)=UL/νで表される。ただし、ρ:密度、U:流速、L:流路幅、μ:粘度、ν=同粘度
また、本発明のマイクロポンプは、
2mm/s≦U≦250mm/s、0.05mm≦L≦1mm、また、冷媒が水の場合、ν=1 10−6−2/sであるから、0.1≦レイノルズ数≦250となり、一般的にはレイノルズ数<2000以下の場合には、層流領域の流れになるといわれており、本発明のマイクロポンプは、従来のポンプと異なり、完全なる層流領域の流れの状態を生じ得る。
本実施の形態に係る熱輸送装置1は、Siウエハーに作成することにより、非常に薄く、具体的には、熱輸送装置の厚みを1mm以下に形成することができる。これにより、近年の情報機器、情報通信機器の小型化傾向に対応して、熱輸送装置1全体を超小型化できるので、より小さな筐体内への設置が可能となる。ヒートパイプ部30の具体的な作成方法については、後述する。
本実施の形態の熱輸送装置1は、ヒートパイプ部30を備えた構成としたが、ヒートパイプに代えてヒートシンクを備えた構成としてもよい。
図2(a)は、ヒートパイプ部30部分の平面図であり、図2(b)は、ヒートパイプ部30の図2(a)におけるA-A’線矢視断面図である。
ヒートパイプ部30は、プレート8上に溝様に形成された屈曲状またはミアンダー状のチャンネル2と、図2(b)に示すようにチャネル2上部に蓋設された封止プレート7とから構成されている。
チャネル2内には、水などの冷媒を充填し、封止プレート7により封止する。チャネル2両端は開放されており、そのそれぞれの開放端にマイクロポンプ3が接続されている。マイクロポンプ3に取り付けられた駆動素子5により、このチャンネル2内を、逆位相に、すなわち、隣接する流路内での冷媒の進行方向が互いに逆になるように、水などの冷媒が流れるようになっている。これにより、隣接する流路間で熱交換が行われ、プレート長手方向に高効率の熱輸送を行うことが出来る構造となっている。
マイクロポンプ3は、圧力室4と駆動素子5とダイアフラム6より構成されている。
駆動素子5としては、例えば、PZT、TiNi、静電駆動用電極材料等が用いられる。また、ダイアフラム6は、例えば、金属やSi、ポリSi、ゴム、その他各種プラスチック材料等により薄膜状に成形され弾性的に変形し、チャネル内を冷媒で充填して密封状態としたとき、ダンパーとしての機能を発揮するものであれば特に限定されないが、本実施の形態では、超小型、薄型化でき、かつ、強度、耐久性の優れた材質として、Siが用いられる。
チャネル2は、上記では、ヒートパイプ部30に1本蛇行状に設けられていたが、チャネルの本数は、1本または少なくとも2本を並列に配置する構成が好ましい。冷媒を加振するために配置するマイクロポンプは、できる限りコンパクトで信頼性の高いものである必要がある。そのため、熱輸送装置に用いられるチャネルは、1本であれば構造が単純となりコンパクト化が可能である。また、少なくとも2本以上のチャネルを並列に配置する構成とする場合は、流路抵抗を減らしてポンプ圧力を軽減することが可能となる。
本実施の形態では、ヒートパイプ部30とマイクロポンプ3とは繋ぎ目のない一体型で構成されている。このように一体型とすることで、以下のような利点が得られる。すなわち、情報機器、情報通信機器などは電気・電子部品が非常に多く使われており、電気電子部品は水などの冷媒に対しては、非常に敏感で僅かな漏れで故障に至ってしまう。このことは、現在まで情報機器、情報通信機器の冷却が危険と隣り合わせな水冷式でなく安全な空冷式であることの最大の理由となっている。上記構成によれば、ヒートパイプ又はヒートシンク部分とマイクロポンプ部分は繋ぎ目のない一体型であるので、水漏れ等の心配のない信頼性の高い熱輸送装置を提供することが可能となる。尚、上記のように一体型で構成する具体的な製造工程については後述する。
チャンネル幅、深さは、熱輸送装置が用いられる機器類の種類、サイズ、使用状況に応じて適宜定めればよく、特に限定されないが、好ましくは、幅2.0mm以下で深さ0.1mm以上であり、幅1mm以下で深さ0.3mm以上の高アスペクトマイクロチャンネルであることがより好ましい。
チャンネルが微細化し尚且つ深くなることにより、ヒートパイプ及びヒートシンクと水などの冷媒との比界面積がより大きくなり、低熱抵抗が実現でき、その結果、より一層の熱交換・熱輸送の効率化が実現できる。しかしながら、チャンネルが余り小さくなり過ぎると流路抵抗が上昇してしまい、ポンプに負担がかかり水などの冷媒を加振することが困難となる。上記構成によれば、マイクロポンプの実力に見合った範囲内でチャンネルの微細化を行うことにより、低熱抵抗を実現することが可能となる。
熱輸送装置1の材質としては、一部又は全てをフレキシブルな樹脂により作成することが好ましく、本実施の形態では、材質として高熱伝導樹脂であるPPS(ポリフェニレンサルファイド)を用いている。一部または全てをフレキシブルな樹脂により作成することで、冷却機構の放熱部を筐体の外や筐体の中の比較的放熱させやすい場所などに任意に配置させることが可能となる。
チャネル内に充填される冷媒としては、水のほか、エチルアルコール水溶液などが用いられる。本発明の熱輸送装置1によれば、350℃程度の高温での瞬間的な発熱により気泡を発生させるなどの構成を用いることなく効率的に熱輸送が行える。そのため、冷媒として用いる媒体材料選択の自由度が大きいという利点がある。冷媒には、さらに、防腐材、凍結防止剤、沸騰防止剤、界面活性剤などが含まれていてもよい。
熱輸送装置は、少なくとも2年間の連続運転、又は稼働率20%として10年間劣化なく動作させる必要があり、また最高温度90℃〜最低温度0℃で連続運転させる必要があるので、上記のような冷媒を用いることで、水溶液の腐食防止、凝固点低下、沸点上昇が達成でき、信頼性を得ることが可能となる。
次に、チャネル2の配置方法について以下に例を挙げて説明する。
図3(a)は1本のチャンネルをプレート108表面、裏面を交互にミアンダー状に形成したヒートパイプ部130の平面図、図3(b)はそのA−A’線矢視断面図である。チャンネル102への冷媒封止のために、図3(b)に示すように、チャンネル2壁面を形成するプレート108両面に封止プレート7を設置している。また、図2(a)ヒートパイプ部30と同じく、互いに隣接する流路間で熱交換が行われ、プレート長手方向への高効率の熱輸送を行うことが出来る構造となっている。
また、図4(a)は、プレート208の片面に複数本のチャンネルを並列に形成したヒートパイプ部230の平面図、図4(b)はそのA―A’線矢視断面図である。プレート208上に形成されたチャンネル202には水などの冷媒を充填し、封止プレート7により封止した構成となっている。
図に示すように、チャネルを構成する互いに隣接する流路は、それぞれ交互に別々のマイクロポンプへ接続されている。これにより、隣接する流路間で逆位相に冷媒が流れ、隣接する流路間で熱交換が行われ、プレート長手方向に高効率の熱輸送を行うことが出来る。また、この構成では、駆動素子に複数のチャンネルを並列に接続しているため圧力損失が小さく、上記図2等の構成に比べ、低ポンプ圧で駆動することができる。
図5(a)は複数のチャンネル302を並列に、交互にプレート表面、裏面に形成したヒートパイプ部330の平面図、図5(b)はそのA−A’線矢視断面図である。チャンネル302への冷媒封止のために、チャンネル302を形成したプレート308両面に封止プレート7を設置しており、2つのマイクロポンプに交互に流路を接続する構造になっている。上記図4の場合と同じく、隣接する流路間で熱交換が行われ、プレート308長手方向に高効率の熱輸送を行うことが出来るが、マイクロポンプにチャネル302の複数の流路を並列に接続しているため圧力損失が小さく、図4に示す場合に比し、より低ポンプ圧で駆動することができる。
図6(a)はチャネル402の複数の流路をプレート408表面、裏面に並列に形成したヒートパイプ部430の平面図、図6(b)はそのA−A’ 線矢視断面図である。チャンネル402内への冷媒封止のために、チャンネル402を形成するプレート408両面に封止プレート7を設置しており、プレート408表面、裏面のチャンネル408を2つのマイクロポンプに交互に接続する構造になっている。隣接する上下、左右の流路間で逆位相に冷媒が流れ熱交換が行われるため、図2〜5に示す場合よりさらに高効率での熱輸送を行うことができる。
次に、本実施の熱輸送装置1の動作について以下に説明する。
熱輸送装置1が備えるヒートパイプ部30は、チャネル2内の全てまたは大部分が冷媒で満たされた密閉状態である。一対のマイクロポンプ3に設けられたそれぞれのダイアフラム6は、駆動素子5により振動し、これにより、圧力室4の容積変化が生じる。図2(b)に示すように、駆動素子5により、ダイアフラム6は図中上下に凹凸運動を繰り返すので、圧力室4に正圧及び負圧状態を繰り返すこととなる。
このとき、ダイアフラム6及びこれを備えたマイクロポンプ3は、チャネル2の端部に設置されている。つまり、ダイアフラム6がチャネル2の端部にあることにより、駆動素子5を駆動すると、冷媒の流れる方向が一方向に規定される。従って、例えば、本実施の形態のようにチャネル2の両端にマイクロポンプ3を配置することにより、双方向駆動が実現でき、双方向のマイクロポンプとすることができる。
例えば、熱輸送装置1に備えられた一方のダイアフラム6の圧力室4を収縮させ、冷媒を押し出し、他方のダイアフラム6の圧力室4に冷媒が流れ込み圧力室4内を膨張させる。この一連の動作を1周期とし、これを繰り返し駆動させることにより水などの冷媒により、熱を瞬間的に輸送する。
また、一対のマイクロポンプ3において正負が逆になるように駆動素子5を駆動することによって、より確実にチャネル2内の冷媒を双方向に送ることができる。すなわち、本実施の形態では、ダイアフラム6に圧力波が到達して圧力室4に正圧がかかり膨張した状態(図1(b)の状態)の時に、駆動素子5が、さらに圧力室4が収縮する方向にダイアフラム6を駆動させる、という駆動動作を繰り返すようになっている。
これにより、駆動素子の駆動に際して、同じ電力でより効率のよい発生圧力及び流量を得ることが可能となる。より好ましくは、あるダイアフラムaの変形により、圧力波が他方のダイアフラムbに到達し、最大限に圧力室が膨張する瞬間に、ダイアフラムbを収縮させる方向に駆動させる駆動方式を採用することが好ましい。
上記のように、チャネル2内は全てまたは大部分が冷媒で満たされ、かつ、実質的に密閉状態であるので、各々のダイアフラムがダンパーまたはバネ等の弾性体としての機能を発揮することとなる。これにより、圧縮性のない水等の冷媒を永続的に流動させることができる。
{熱輸送能力としてヒートパイプ長手方向の熱伝導率の計算}
次に、本実施の形態に係る熱輸送装置1の熱伝導率を見積もった一例を示す。冷媒として水を用い、マイクロポンプ部分の駆動周波数を4Hzと設定した場合に、実効熱伝導率は、下記の通り12540W/(m*K)となり、これは銅の約30倍の熱伝導率に相当する。
双方向性の振動流では、冷媒の粘性係数μ、熱拡散率κ、比熱Cpから成る無次元数:Prandtl数Pr=μ/(κ/Cp)に関係なく、熱Womersley数α=1.5において、無次元実効熱拡散率κef*は極大値0.3を示す。また、冷媒に水を用いたとき、密度はρ=1000kg/m3,比熱はCp=4180W*s/(kg*K)であり、振動振幅S=0.05mの流路を用い、振動数ω=4Hzの強制振動流を流したとき、実効熱伝導率Kefは式(1)から計算でき、12540W/(m*K)となる。
この場合の液移動量45.4μl/sと、水粘度、流路断面形状、振動数、振動振幅から計算される流路抵抗0.45TN*s/m5から、ポンプ部分の必要発生圧力は5.2kPa、変位体積は11.4μl/s(液移動量/4)という値が得られる。
{マイクロポンプの必要ポンプ圧、必要変位体積の計算}
下記にマイクロポンプの駆動素子のサイズと変移体積(μL)との関係、及び駆動素子のサイズと発生圧力(kPa)との関係から、マイクロポンプの必要ポンプ圧及び必要変位体積(μL)との関係を示すグラフの計算を行った結果の一例を示す。駆動素子として厚さ120μmのPZTを用いた場合、変位体積、発生圧力はPZTの形状、ヤング率、圧電定数及びダイヤフラムの形状、ヤング率から2点支持梁を用いたモデルから計算でき、図9にはPZTサイズと変位体積(μL)との関係を、図10には、PZTサイズと発生圧力(kPa)との関係を示す。計算結果によれば、PZTサイズ=15〜20mm□の範囲内が最適サイズであることが分った。
両もち支持のバイモルフ駆動と仮定し、t=圧電素子の厚み=弾性薄膜部の厚み、d31=圧電素子の圧電定数、Y=PZTと弾性薄膜部の複合実効ヤング率、L=圧電素子一辺の長さ、V=圧電素子に印加する電圧とすると、発生圧力Pと変位体積ΔVは以下の式で求められる。
P=(9/2)*(t/L2)*(d31*(Y/8))*V
一方、電圧に対する変位体積
ΔV=(1/16)*(L4/t2)*d31*V
ただし、より正確な計算をする場合はシミュレーション(FEM解析)を併用する必要がある。
次に、本実施の形態の熱輸送装置1に用いられるヒートパイプ部30及びマクロポンプ3の製造方法について説明する。
本実施の形態では、熱輸送装置1の各部材を、Si半導体プロセスにより作成している。Si半導体プロセスを用いることで、比較的高い熱伝導率材料であるSi基板を用いて、高精度にマイクロポンプ部などの熱輸送装置を作成することができ、また、ヒートパイプ部やヒートシンク部のチャンネルも微細且つ高アスペクトに作成することが可能となる。また、CPUやLSI、ICなども回路もSi冷却機構基板の裏側などに同じプロセスで一体に作成することも可能となる。図11は、Si半導体プロセスによる本発明の熱輸送装置の製造方法を示したフロー図である。図の右側にはプロセスに対応するポンプ部分の断面図を示している。順を追って説明すると、4インチφのSiウエハーを熱酸化炉にて1100℃の条件にて1.5μm厚みの熱酸化膜を形成する。その後、ホトレジスト工程にて、OFPR-800(東京応用化学製ポジ型レジスト)レジストをスピンコーターにて塗布し、アライナーにて露光し、専用現像液NMR-3(東京応用化学製)にて5分間現像することにより、露光部分のみが選択的に解けパターニングされる。その後、RIE(Reactive Ion Etching)装置にて、CHF3ガスを流量20sccm、圧力0.05Torrの条件にて30分酸化膜をエッチング除去し、残ったレジストを酸素プラズマにて酸化させた後、硫酸過水(硫酸:過酸化水素=4:1 の混合液)にて剥離する。次に、ICP(Ion Coupled Plazma)にてSF6ガスとC4F8ガスを交互に流して、120分Siをエッチングし、残った酸化膜を10%のフッ酸中で10分間でウエットエッチングし除去すし、ダイアフラム部分が完了する。一方、裏面には、真空蒸着装置を用いて、Cr500A(オングストローム)、Au1500A(オングストローム)順に成膜積層し、圧電素子駆動用のグランド電極とする。次に、パット印刷機にてエポキシ系接着剤342-3(日本エーブルボンド製)を3μm塗布し、圧電素子を仮貼り付けし、3.5Kg加圧と75℃4時間オーブンにて硬化させる。
本発明の熱輸送装置の用途としては、例えば、(1)サーマルヘッド、定着用ローラー、搬送ローラー等のコピー機器類、(2)複雑な深溝微細品等の成型金型用部品、(3)ノートPC、CPU、サーバー等のコンピューター機器類、(4)液晶、PDP、プロジェクタ等のディスプレー用品、(5)通信用LD、青色LD、LSIテスター、トランジスタ、ダイオード、IC、LSI、VLSI、ペルチェモジュール、熱スイッチ、熱ダイオード、(6)通信用モジュール、光学仮架台等の宇宙機器、(7)その他、加熱ローラー、パワーモジュール等が挙げられる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図7に基づいて説明すれば以下のとおりである。尚、実施の形態1と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7はヒートパイプ部の両端にマイクロポンプを配置した熱輸送装置51の平面図である。狭幅な熱輸送装置設置位置に合わせてマイクロポンプを配置したものである。本実施の形態の熱輸送装置51は、両端が開放された、図示しない1本のチャネルがミアンダー状に配置されたヒートパイプ部50と、チャネルの両端にそれぞれ接続された一対のマイクロポンプ3と、から主に構成されている。
実施の形態1では、マイクロポンプ3が、ヒートパイプ部に対して同じ側に接続されていたが、本実施の形態では、図7に示すように、ヒートパイプ部50に備えられる図示しないチャネルの2つの開放端が、それぞれヒートパイプ部50に対して逆の側に備えられている。このように構成することで、比較的狭幅なヒートパイプ部を備えた熱輸送装置であってもスペース的にマイクロポンプを設置することができる。従って、熱輸送装置51は、図1に示すマイクロポンプ3の配置と同じ送液能力を備えている。すなわち、実施の形態1で説明した図2〜図6のチャネル2,102,202、302、402と同様の流路パターンを有し、かつ、チャネルの開放端がヒートパイプ部に対し互いに逆の側に位置する熱輸送装置のいずれの種類にも適用可能ある。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。尚、実施の形態1と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態1〜2では、ダイアフラムを駆動させるための駆動素子は、各々のダイアフラムに全て設けられる構成とした。しかしながら、ダイアフラムを駆動させるためには、必ずしも全てのダイアフラムに駆動素子を設置する必要はなく、あるダイアフラムにのみ設ける構成としてもよい。
図8は、本実施の形態に係る熱輸送装置61の概略構成を示した平面図である。同図に示すように、本実施の形態の熱輸送装置61では、一対のマイクロポンプ3・3’のうち一方のマイクロポンプ3にのみ駆動素子5が設置されている。
以下に、熱輸送装置61の動作について説明する。
熱輸送装置61に設けられた一対のマイクロポンプ3・3’のうち、マイクロポンプ3のダイアフラム6を駆動素子5で駆動させる。これにより、圧力室4が圧縮、膨張し、他方のマイクロポンプ3’のダイアフラム6’に圧力波が伝達する。これに伴ってマイクロポンプ3’の圧力室が圧縮、膨張することとなるので、冷媒の流出入が両方の圧力室で行われ熱輸送が進行する。
本実施の形態の熱輸送装置61は、流路抵抗が小さく1駆動素子で送液可能なヒートパイプ部に適用可能であり、2駆動素子の熱輸送装置に比べ低電力で駆動することができるという利点を有する。
(a)は、本発明の一実施の形態に係る熱輸送装置の概略構成を示す斜視図である。 (b)(c)は、上記熱輸送装置のマイクロポンプ部分の縦断面図である。 (a)は、ヒートパイプ部30部分の平面図である。 (b)は、ヒートパイプ部30の図2(a)におけるA-A’線矢視断面図である。 (a)は1本のチャンネルをプレート表面、裏面交互にミアンダー状に形成したヒートパイプ部130の平面図である。 (b)はそのA−A’線矢視断面図である。 (a)は、プレート208の片面に複数本のチャンネルを並列に形成したヒートパイプ部230の平面図である。 (b)はそのA―A’線矢視断面図である。 (a)は複数のチャンネル302を並列に、交互にプレート表面、裏面に形成したヒートパイプ部330の平面図である。 (b)はそのA−A’線矢視断面図である。 (a)はチャネル402の複数の流路をプレート408表面、裏面に並列に形成したヒートパイプ部430の平面図である。 (b)はそのA−A’ 線矢視断面図である。 ヒートパイプ部の両端にマイクロポンプを配置した熱輸送装置51の平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る熱輸送装置61の概略構成を示した平面図である。 PZTサイズと変位体積(μL)との関係を示すグラフである。 PZTサイズと発生圧力(kPa)との関係を示すグラフである。 Si半導体プロセスを用いて本発明に係るマイクロポンプ及びヒートパイプ部を作成する工程を示したフロー図である。
符号の説明
1 熱輸送装置
2,102,202,302,402 チャネル
3 マイクロポンプ
4 圧力室
5 駆動素子
6 ダイアフラム
7 封止プレート
8,108,208,308,408 プレート
30,130,230,330,430 ヒートパイプ部

Claims (15)

  1. チャネル内に充填した冷媒を熱輸送媒体とする熱輸送装置であって、前記チャネルに接続されるマイクロポンプを少なくとも1つ備え、該マイクロポンプは、前記冷媒を加振し少なくとも正逆方向に流動させる双方向のマイクロポンプであることを特徴とする熱輸送装置。
  2. マイクロポンプは、チャネル端部に接続されており、チャネルから流入する冷媒を収容する圧力室と、加振の原動力を提供する駆動素子と、該駆動素子により弾性変形する弾性薄膜部と、を備え、前記弾性薄膜部を前記駆動素子により振動させ圧力室の体積変化を形成して正圧及び負圧状態を繰り返すことにより、冷媒を双方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の熱輸送装置。
  3. マイクロポンプは、レイノルズ数が、0.1〜250の範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の熱輸送装置。
  4. マイクロポンプは、高さ方向幅が、0.2mm〜5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  5. マイクロポンプは、流路面に対して垂直方向に3mm以内にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  6. チャネルは、流路断面積が、0.01〜1mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  7. 冷媒の流速が−250mm/s〜+250mm/sの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  8. チャネル及びマイクロポンプ内が、全てまたは大部分が冷媒で満たされた密閉状態を形成しており、マイクロポンプが、チャネルの複数端部にそれぞれ1ずつ接続されダンパー機能を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  9. 各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し同じ側に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  10. 各チャネル端部に接続される複数のマイクロポンプは、チャネルに対し異なる側に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  11. 駆動素子は、複数のマイクロポンプのいずれか1つに設けられていることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  12. 駆動素子は、ある弾性薄膜部に圧力波が到達して圧力室に正圧がかかり膨張した状態時に、その弾性薄膜部を圧力室が収縮する方向に駆動させる動作を繰り返すことを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  13. チャネルは、1本を蛇行状に配置した構成又は2本以上を並列に配置した構成であることを特徴チャンネルは1本又は2本以上を並列に配置した構成であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  14. チャンネルとマイクロポンプとは、繋ぎ目のない一体型で接続されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
  15. Si半導体プロセスにより作成したことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の熱輸送装置。
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