JP2005003083A - 車両制御装置および車両制御方法 - Google Patents

車両制御装置および車両制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】左右の車輪のコーナリングパワーに基づいて車両の状態を制御することにより、例えば、コーナリングといった走行状態において、車両の操安性の向上を図る。
【解決手段】検出部1は、各車輪に作用する前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを含む作用力を検出する。特定部2は、車輪と路面との間の摩擦係数を特定する。推定部6は、作用力と、摩擦係数とに基づいて、各車輪のコーナリングパワーkaを推定する。処理部7、推定されたコーナリングパワーkaに基づいて算出される、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値ka_aveが、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値ka_aveの現在値よりも大きくなるように、制御値を決定する。制御部8〜10は、決定された制御値に基づき車両の状態を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運動状態を制御する車両制御装置および車両制御方法に係り、特に、車輪のコーナリングパワーに基づいた車両の状態の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車輪に加えられる駆動・制動トルクを制御する、或いは、車輪のサスペンション特性を制御することにより、車両の運動状態を制御する車両制御手法が知られている。この車両制御手法では、例えば、コーナリングといった走行状況において、車両の運動状態が最適となるように制御を行うことで、操安性の向上を図っている。このような技術の一つに、車輪摩擦力利用率を用いて車両の運動状態を制御する車両制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。この車両制御装置は、それぞれの車輪の車輪摩擦力利用率を求め、この車輪摩擦力利用率が目標車輪摩擦力利用率に近づくように、それぞれの車輪の車輪状態を制御する。この車輪摩擦力利用率は、実摩擦力(車輪と路面との間に実際に発生している前後力と横力との合力)の、最大摩擦力(車輪と路面との間の実際の摩擦係数と、車輪と路面との間に実際に発生している上下力との積)に対する比率として算出される。
【0003】
【特許文献1】
特許第3132190号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者は、このような車両制御がより有効となる走行状況(例えば、コーナリング走行または低摩擦係数路面走行など)において、車両の運動状態を効果的に制御するためには、車輪のコーナリングパワーに注目することが好ましいと考えた。なぜならば、コーナリングパワーは、その値の大小により、車両の挙動変化(コーナリングフォース)の応答性を示し、車両の運動状態と密接に拘わる値だからである。そのため、コーナリングパワーに基づいて、車両の操安性を評価することができる。例えば、2自由度のみを考慮した車両運動モデル(横方向の並進運動と鉛直軸まわりの回転運動を考慮したモデル)を用いた操安性解析や車両運動制御では、一般に、コーナリングパワーを用いて定式化(例えば、スタティックマージン、スタビリティファクタ等)が行われるといった如くである。
【0005】
上記の特許文献1に開示された手法は、車輪摩擦力利用率を目標摩擦力利用率に近づけることで、車両の運動状態を向上させている。しかしながら、仮に、車輪の車輪摩擦力利用率を目標摩擦利用率に近づけた場合でも、車輪のコーナリングパワーに着目してみると、このときの車輪のコーナリングパワーが各輪で不適当な値となる可能性がある。例えば、車輪のコーナリングパワーが小さくなった場合には、車両のコントロール性が損なわれる虞がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、新規な車両制御手法を提供することである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、左右の車輪のコーナリングパワーに基づいて車両の状態を制御することにより、例えば、コーナリングといった走行状態において、車両の操安性の向上を図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、車両の運動状態を制御する車両制御装置において、検出部と、特定部と、推定部と、処理部と、制御部とを有する車両制御装置を提供する。この車両制御装置において、検出部は、車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力を検出する。特定部は、車輪と路面との間の摩擦係数を特定する。推定部は、検出された作用力と、特定された摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する。処理部は、推定されたコーナリングパワーに基づいて算出される、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値が、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値の現在値よりも大きくなるように、第1の制御値を決定する。制御部は、決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する。
【0009】
また、第2の発明は、車両の運動状態を制御する車両制御装置において、検出部と、特定部と、推定部と、処理部と、制御部とを有する車両制御装置を提供する。この車両制御装置において、検出部は、車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力を検出する。特定部は、車輪と路面との間の摩擦係数を特定する。推定部は、検出された作用力と、特定された摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する。処理部は、推定されたコーナリングパワーに基づいて、作用力によるコーナリングパワーの変化率を左右の車輪毎に算出するとともに、算出された左右の車輪に関する変化率に基づいて、左車輪に関する変化率と、右車輪に関する変化率とが近づくように、第1の制御値を決定する。制御部は、決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する。
【0010】
ここで、第2の発明において、処理部は、変化率として、前後力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する前後力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する前後力を大きくするように、左右の車輪に対する前後力配分比を決定することが好ましい。また、制御部は、車輪に作用する前後力が決定された前後力配分比となるように、左右の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比を制御することが望ましい。この場合、一方の車輪に関する変化率は、他方の車輪に関する変化率よりも小さいことことが好ましい。
【0011】
また、第2の発明において、処理部は、変化率として、上下力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する上下力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する上下力を大きくするように、左右の車輪に対する上下力配分比を決定することが好ましい。制御部は、車輪に作用する上下力が決定された上下力配分比となるように、左右の車輪に対する垂直荷重配分比を制御することが望ましい。この場合、一方の車輪に関する変化率は、他方の車輪に関する変化率よりも大きいことが好ましい。
【0012】
また、第1または第2の発明において、処理部は、車両のスタビリティファクタが目標スタビリティファクタに近づくように、第2の制御値をさらに決定し、制御部は、決定された第2の制御値に基づき車両の状態をさらに制御してもよい。この場合、処理部は、第2の制御値として、前後の車輪に対する前後力配分比を決定し、制御部は、車輪に作用する前後力が決定された前後力配分比となるように、前後の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比をさらに制御することが好ましい。あるいは、処理部は、第2の制御値として、前後の車輪に対する上下力配分比を決定し、制御部は、車輪に作用する上下力が決定された上下力配分比となるように、前後の車輪に対する垂直荷重配分比をさらに制御することが望ましい。
【0013】
また、第3の発明は、車両の運動状態を制御する車両制御方法において、車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力と、車輪と路面との間の摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する第1のステップと、推定されたコーナリングパワーに基づいて算出される、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値が、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値の現在値よりも大きくなるように、第1の制御値を決定する第2のステップと、決定された第1の制御値に基づいて、車両の状態を制御する第3のステップとを有することを特徴とする車両制御方法を提供する。
【0014】
また、第4の発明は、車両の運動状態を制御する車両制御方法において、車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力と、車輪と路面との間の摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する第1のステップと、推定されたコーナリングパワーに基づいて、作用力によるコーナリングパワーの変化率を左右の車輪毎に算出するとともに、算出された左右の車輪に関する変化率に基づいて、左車輪に関する変化率と、右車輪に関する変化率とが近づくように、第1の制御値を決定する第2のステップと、決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する第3のステップとを有することを特徴とする車両制御方法を提供する。
【0015】
ここで、第4の発明において、第2のステップは、変化率として、前後力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する前後力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する前後力を大きくするように、左右の車輪に対する前後力配分比を決定するステップであることが好ましい。また、第3のステップは、車輪に作用する前後力が決定された前後力配分比となるように、左右の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比を制御するステップであることが望ましい。この場合、一方の車輪に関する変化率は、他方の車輪に関する変化率よりも小さいことが好ましい。
【0016】
また、第4の発明において、第2のステップは、変化率として、上下力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する上下力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する上下力を大きくするように、左右の車輪に対する上下力配分比を決定するステップであることが好ましい。また、第3のステップは、車輪に作用する上下力が決定された上下力配分比となるように、左右の車輪に対する垂直荷重配分比を制御するステップであることが望ましい。この場合、一方の車輪に関する変化率は、他方の車輪に関する変化率よりも大きいことが好ましい。
【0017】
また、第3または第4の発明において、第2のステップは、車両のスタビリティファクタが目標スタビリティファクタに近づくように、第2の制御値を決定する第4のステップをさらに有し、第3のステップは、決定された第2の制御値に基づき車両の状態を制御する第5のステップをさらに有していてもよい。この場合、第4のステップは、第2の制御値として、前後の車輪に対する前後力配分比を決定するステップであり、第5のステップは、車輪に作用する前後力が決定された前後力配分比となるように、前後の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比をさらに制御するステップであることことが好ましい。あるいは、第4のステップは、第2の制御値として、前後の車輪に対する上下力配分比を決定するステップであり、第5のステップは、車輪に作用する上下力が決定された上下力配分比となるように、前後輪に対する垂直荷重配分比をさらに制御することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる車両制御装置の全体構成を示したブロック構成図である。この車両制御装置は、左右の車輪のコーナリングパワーkaを考慮して、左右の車輪に対する前後力配分比、または、左右の車輪に対する上下力配分比を決定する。そして、車輪に作用する前後力が、この決定された前後力配分比となるように、左右の車輪に対する駆動力配分比(或いは制動力配分比)が制御される。または、車輪に作用する上下力が、この決定された上下力配分比となるように、左右輪に対する垂直荷重配分比が制御される。これにより、車両の状態(すなわち、車輪の状態量)が変化するため、左右の車輪のコーナリングパワーkaが所望とする値に近づく方向に作用し、車両の操安性の向上を図ることができる。まず、本実施形態にかかる車両制御の概念を明確にすべく、コーナリングパワーkaについて説明し、その後に車両制御装置の具体的なシステム構成およびシステム処理について説明する。
【0019】
コーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwの微小変化による横力Fy(車輪があるすべり角βwで旋回するときに、接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に直角な方向に発生する分力)の変化率である。すなわち、コーナリングパワーkaは、ある車輪すべり角βwにおける横力Fyの傾き(微分値)として定義することができる。そのため、コーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係に基づいて、一義的に導出することができる。このコーナリングパワーkaは車両の操安性に大きな影響を与えるパラメータであり、この値が大きいと操舵に対する車両の挙動変化の応答性が速くなり、この値が小さいと操舵に対する車両の挙動変化の応答性が緩慢になる。例えば、コーナリング走行時、或いは、低摩擦係数路面での走行時において、挙動変化の応答性は速いことが望ましく、基本的に、コーナリングパワーkaは大きい方が好ましい。
【0020】
図2は、車輪に作用する作用力を示した説明図である。同図に示すように、車輪に関する作用力としては、上述した横力Fyの他に、前後力Fx、コーナリングフォースなどが挙げられる。車輪があるすべり角βwで旋回するときに、接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向に発生する分力が前後力Fxであり、車輪進行方向に直角な方向に発生する分力がコーナリングフォースである。また、図中には明記しないが、車輪に関する作用力としては、さらに垂直方向の荷重、所謂上下力Fz(図示せず)が挙げられる。
【0021】
作用力として挙げられるこれらの力のうち、横力Fyとコーナリングフォースとは比較的に類似した力として扱うことができる。横力Fyとコーナリングフォースとは値として一対一に対応するものではないが、実用上、車両がとり得る車輪すべり角βwの範囲内において両者の値は近似する。本明細書では、コーナリングフォースと横力Fyとを実質的に同じと見なし、横力Fyをベースとしてコーナーリングパワーkaについて考える。すなわち、横力Fyとコーナリングパワーkaとの関係が事前に分かっていれば、コーナリングパワーkaは、横力Fyに基づいて、一義的に特定されることになる。以下、横力Fyとコーンリングパワーkaとの関係について考える。
【0022】
車輪すべり角βwと、車輪に作用する横力Fyとは、以下に示す数式1を満たす。
【数1】
Figure 2005003083
【0023】
この数式1は、車輪の力学特性を示すタイヤモデルに基づき、車輪に作用する横力Fyを車輪すべり角βwで二次近似した式である。同数式において、係数kは、実験的に求めることができる定数であり、車輪と路面との間の摩擦係数μおよび上下力Fzに依存して変化する(数式2)。
【数2】
Figure 2005003083
【0024】
この係数kは車輪の特性を示す値であり、この値が高いと車輪の剛性が高いことを意味し、また、値が小さいと車輪の剛性が低いことを意味する。同数式から分かるように、係数kは、車輪すべり角βwが0における横力Fyの傾き(微分値)である。以下、この値を基準コーナリングパワーkと称する。
【0025】
一方、横力Fyの取り得る最大値である横力最大値Fymaxは、上下力Fz、前後力Fxおよび摩擦係数μから、数式3に基づき算出される。
【数3】
Figure 2005003083
【0026】
また、コーナリングパワーkaは、ある車輪すべり角βwにおける横力Fyの傾き(微分値)であるので、コーナリングパワーkaは、数式1を車輪すべり角βwで微分した数式4として表すことができる。
【数4】
Figure 2005003083
【0027】
数式1〜4から分かるように、車輪に作用する前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzと、摩擦係数μとが既知となれば、車輪すべり角βwは、一意に特定される。この車輪すべり角βwが特定されると、車輪のコーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係に基づいて、一義的に算出することができる。
【0028】
つぎに、前後力Fx(または上下力Fz)とコーナリングパワーkaとの関係について説明する。前後力Fxとコーナリングパワーkaとの関係は、数式1および数式4から車輪すべり角βwを消去することにより、数式5として表すことができる。
【数5】
Figure 2005003083
【0029】
ここで、同数式中のFymaxを数式3で置換すると、数式5は数式6となる。
【数6】
Figure 2005003083
【0030】
このコーナリングパワーkaの傾向を見るため、数式6の分数部分を摩擦係数μと上下力Fzとの積(μ・Fz)で割り、無次元化する(数式7)。
【数7】
Figure 2005003083
【0031】
図3は、前後力Fxとコーナリングパワーkaとの関係を示した図である。同図は数式7をグラフ化したものであり、縦軸はコーナリングパワーkaを表し、横軸は無次元化した前後力(Fx/μFz)を表している。なお、説明の便宜上、コーナリングパワーkaを基準コーナリングパワーkで割ることにより、縦軸も無次元化されている。同図では、横軸上を0から1へ向かう程、前後力Fxが大きくなることを意味し、縦軸上を0から1へ向かう程、コーナリングパワーkaが大きくなることを意味する。また、同図には、数式7における分子部分(Fy/μFz)の値を0.2,0.4,0.6,0.8とした場合の、前後力Fxとコーナリングパワーkaとの関係がそれぞれ実線で示されている。各実線はこの分子部分(Fy/μFz)の値に拘わらず基本的に同じ傾向を示すものの、この値(Fy/μFz)が大きくなるに従い、前後力Fxとコーナリングパワーkaとの関係は相対的に小さくなっている。同図から分かるように、コーナリングパワーkaは、前後力Fxが小さくなる程その値が大きくなり、前後力Fxが大きくなる程その値が小さくなる。したがって、車輪のコーナリングパワーkaを大きくするためには、車輪に作用する前後力Fxを小さくすればよいことになる。前後力Fxの調整は、車輪に加えられる駆動力または制動力を制御することにより行うことができる。
【0032】
4つの車輪を備えた一般的な車両において、車輪に駆動力(または制動力)が定常的に加えられている状態を想定する。各車輪に作用する前後力Fxの総和は一定であるため、ある車輪に作用する前後力Fxを小さくすると、これに応じて他の車輪に作用する前後力Fxが大きくなる。そのため、各車輪に作用する前後力Fxのすべてを小さくするは困難であり、それ故に、各車輪のコーナリングパワーkaのすべてを大きくすることもまた困難である。そこで、本実施形態では、左右輪に対する前後力配分比rxを変化させることで、左右輪の各コーナリングパワーkaの代表値(例えば、平均値)が、現在の値よりも大きくなるような(好ましくは、最大値となるような)制御を行うことにする(左右輪のコーナリングパワーkaの最大化)。
【0033】
図4は、正規化された左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveと左右輪の前後力配分比rxとの関係を示す図である。同図には、一例として、左旋回時の内輪(左前輪)と外輪(右前輪)とに関するこれらの関係が示されている。以下、左前輪のコーナリングパワーkaをコーナリングパワーka_fl、右前輪のコーナリングパワーkaをコーナリングパワーka_frと記述し、各車輪のコーナリングパワーkaを区別する。同図に示す関係は、数式7に基づき算出される各コーナリングパワーka_fl,ka_frから、左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_ave((ka_fl+ka_fr)/2)と、前後力配分比rxとの関係を導き出すことにより、一義的に求めることができる。左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveを縦軸、前後力配分比rxを横軸に設定した場合、両者の関係は、ある前後力配分比rx(rx0)において極大値(ka_avemax)を有する、上に凸のグラフとなる。なお、車両が左旋回をしている場合、極大値となり得る前後力配分比rx0は、前後力配分比rxが左右輪に対して一対一となる位置よりも外(右)輪偏重寄りに存在する。
【0034】
同図を参照し、左右輪に対する前後力配分比rxによるコーナリングパワーの平均値ka_aveの変化率Δkについて考える。この変化率Δkは、ある前後力配分比rxにおけるコーナリングパワーの平均値ka_aveの接線(直線L1)に関する傾き(微分値)である。具体的には、この直線L1は、前後力配分比rxが最も内輪偏重(左輪偏重)の場合に最も右上がりの直線(Δk:正の値)となり、前後力配分比rxが外輪偏重(右輪偏重)になるに従い、その傾きが水平に近づいていく。前後力配分比rx0において、直線L1は、水平な直線(Δk:0)となり、前後力配分比rxがさらに外輪偏重(右輪偏重)になるに従い、右下がりの直線となっていく。そして、前後力配分比rxが最も外輪偏重(右輪偏重)の場合に、直線L1は、最も右下がりの直線(Δk:負の値)となる。
【0035】
ここで、現在の前後力配分比rxを、例えば、左右輪に対して一対一の状態(前後力配分比rx1)と考える。図4に示すように、車両が左旋回をしている場合、この配分比rx1は前後力配分比rx0よりも内(左)輪偏重寄りに位置するため、直線L1は右上がりの傾向を示し、変化率Δkは正の所定値となる。この前後力配分比rxにおいて、左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveを大きくするためには、直線L1の傾きがなだらかになる方向に(Δkが減少する方向に)、前後力配分比rxを変化させる必要がある。同図に示す例では、前後力配分比rxを現在の前後力配分比rx1よりも外輪偏重にすれば、直線L1の傾きがなだらかになり(Δkが減少し)、コーナリングパワーの平均値ka_aveは極大値ka_avemaxに向かって大きくなる。したがって、どのような走行状況であっても、変化率Δkを0に近づける方向に前後力配分比rxを変化させれば、コーナリングパワーの平均値ka_aveは、極大値ka_avemaxに向かって大きくなることになる(好ましくは、極大値ka_avemaxと一致する)。
【0036】
上記の変化率Δkは、以下に示す数式8として表すことができる。
【数8】
Figure 2005003083
【0037】
数式8において、k_flは左前輪の基準コーナリングパワーkであり、k_frは右前輪の基準コーナリングパワーkである。一方、kc_flは、左前輪に関する無次元化した前後力Fx/μFzによる無次元化したコーナリングパワーka_fl/k_flの変化率(以下、単に「左前輪変化率kc_fl」という)である。また、kc_frは、右前輪に関する無次元化した前後力Fx/μFzによる無次元化したコーナリングパワーka_fr/k_frの変化率(以下、単に「右前輪変化率kc_fr」という)である。数式8から分かるように、変化率Δkは、右前輪変化率kc_frと右前輪の基準コーナリングパワーk_frとの積(kc_fr・k_fr)と、左前輪変化率kc_flと左前輪の基準コーナリングパワーk_flとの積(kc_fl・k_fl)との差に比例する。したがって、この変化率Δkを0に近づけるためには、これらの積kc_fr・k_fr,kc_fl・k_flの値が近づけばよいことになる。
【0038】
図5はコーナリングパワーkaと前後力Fxとの関係を示した図であり、図3と同様、横軸(前後力Fx)および縦軸(コーナリングパワーka)は無次元化されている。図4と同様に、前後力配分比rxが左右輪に対して一対一の状況で車両が左旋回をしていると考える。同図には、内輪(左前輪)のコーナリングパワーka_flと前後力Fxとの関係が実線で示されており、外輪(右前輪)のコーナリングパワーka_frと前後力Fxとの関係が点線で示されている。同図において、上述の左前輪変化率kc_flは、ある前後力Fxにおける左前輪のコーナリングパワーka_flの接線(直線L2)に関する傾き(微分値)に相当する。また、右前輪変化率kc_frは、ある前後力Fxにおける右前輪のコーナリングパワーka_frの接線(直線L3)に関する傾き(微分値)に相当する。図5において、縦軸は無次元化されているが、正規化されたコーナリングパワーka_fl(またはka_fr)を縦軸とした場合、各直線L2,L3の傾きはそれぞれkc_fl・k_fl(直線L2)、kc_fr・k_fr(直線L3)となる。したがって、上記数式8に示す変化率Δkを0に近づけることは、直線L2の傾き(左前輪変化率kc_fl)と直線L3の傾き(右前輪変化率kc_fr)とを近づけることと等価である。
【0039】
そこで、前後力Fxの変化に応じた各変化率kc_fl,kc_frの傾向について考えてみる。左右前輪のコーナリングパワーka_fl,ka_frと前後力Fxとの関係は、値の大小はあるものの基本的に同じグラフ傾向を示すため、前後力Fxの変化に応じた各変化率kc_fl,kc_frの傾向も同じと考えることができる。そのため、ここでは、前後力Fxの変化に応じた左前輪変化率kc_flの傾向についてのみ考える。左前輪に作用する前後力Fxが最大の場合、直線L2は傾きが急な右下がりの直線となり、左前輪変化率kc_flは最小値(負の値)をとなる。この状態から左前輪に作用する前後力Fxが小さくなっていくと、直線L2は傾きなだらかな直線へと変わっていき、左前輪変化率kc_flは大きくなる。そして、左前輪に作用する前後力Fxが0の場合、直線L2は傾きが最もなだらになり、左前輪変化率kc_flは最大値(負の値)となる。
【0040】
例えば、図5に示すように、左前輪変化率kc_flが右前輪変化率kc_frよりも小さい場合(kc_fr>kc_fl)、すなわち、直線L2が直線L3よりも傾きが急な場合について考える。これらの直線L2,L3の傾きを近づけるためには、左前輪の前後力Fxを小さくすることで、直線L2の傾きを現在の傾きよりもなだらかな方向へ変えるとともに、右前輪の前後力Fxを大きくすることで、直線L3の傾きを現在の傾きよりも急な方向へ変えればよい。換言すれば、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとを比較して、変化率が小さい一方の車輪(図5に示す例では左前輪)に作用する前後力Fxを小さくし、変化率が大きい他方の車輪(図5に示す例では右前輪)に作用する前後力Fxを大きくすればよい。これにより、直線L2の傾き(左前輪変化率kc_fl)と直線L3の傾き(右前輪変化率kc_fr)とが近づく方向に作用し、上記Δkが0に近づく方向に作用する。そのため、本実施形態では、このような知得に基づき、現在の前後力配分比rxから所定量分だけ配分比を変化させることにより、Δkが0に近づくような目標前後力配分比rx’を決定する。そして、車輪に作用する前後力が目標前後力配分比rx’となるように、駆動力(制動力)配分比Rxを制御する。例えば、図5に示す例では、現在の前後力配分比rxよりも右輪偏重となるように、目標前後力配分比rx’を決定するといった如くである。
【0041】
再び図3を参照すると、無次元化されたグラフからは、上下力Fzとコーナリングパワーkaとの関係も把握することができる。同図において、横軸上を0から1へ向かう程、上下力Fzが小さくなることを意味する。コーナリングパワーkaは、上下力Fzが小さくなる程その値が小さくなり、上下力Fzが大きくなる程その値が大きくなる。すなわち、車輪のコーナリングパワーkaを大きくするためには、車輪に作用する上下力Fzを大きくすればよいことになる。上下力Fzの調整は、車輪にかかる垂直荷重を制御することにより行うことができる。ただし、上述した前後力Fxと同様、各車輪に作用する上下力Fzの総和は一定である。そこで、左右輪に対する上下力配分比rzを調整することにより、コーナリングパワーkaの最大化を図ることにする。
【0042】
図3に示す関係は無次元化したものであるため、正規化された左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveと左右輪に対する上下力配分比rzとの関係も、図4と同様の傾向を示す。すなわち、左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveを縦軸、上下力配分比rzを横軸に設定した場合、両者の関係は、ある上下力配分比rz(rz0(rx0に相当))において極大値(ka_avemax)を有する、上に凸のグラフとなる。したがって、変化率Δkを0に近づける方向に上下力配分比rzを変化させれば、コーナリングパワーの平均値ka_aveは、極大値ka_avemaxに向かって大きくなる。この変化率Δkを0に近づけるためには、数式8に示した各積kc_fr・k_fr,kc_fl・k_flが値として近づけばよいことになる。
【0043】
図5は、無次元化されているため、上下力Fzとコーナリングパワーkaとの関係も理解することができる。例えば、同図に示すように、現在の左前輪変化率kc_flが右前輪変化率kc_frよりも小さい場合(kc_fr>kc_fl)、すなわち、直線L2が直線L3よりも傾きが急な場合について考える。これらの直線L2,L3の傾きを近づけるためには、左前輪の上下力Fzを大きくすることで、直線L2の傾きを現在の傾きよりもなだらかな方向へ変えるとともに、右前輪の上下力Fzを小さくするで、直線L3の傾きを現在の傾きよりも急な方向へ変えればよい。換言すれば、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとを比較して、変化率が小さい一方の車輪(図5に示す例では左車輪)に作用する上下力Fzを大きくし、変化率が大きい他方の車輪(図5に示す例では右車輪)に作用する上下力Fzを小さくすればよい。これにより、直線L2の傾き(左前輪変化率kc_fl)と直線L3の傾き(右前輪変化率kc_fr)とが近づく方向に作用し、上記Δkが0に近づく方向に作用する。そこで、本実施形態では、現在の上下力配分比rzから所定量分だけ配分比を変化させることにより、Δkが0に近づくような目標上下力配分比rz’を決定する。そして、車輪に作用する上下力が目標上下力配分比rz’となるように、垂直荷重配分比Rzを制御することとする。例えば、図5に示す例では、現在の上下力配分比rzよりも左輪偏重となるように、目標上下力配分比rz’を決定するといった如くである。
【0044】
以上のような車両制御の概念を踏まえた上で、再び図1を参照して、本実施形態にかかる車両制御装置のシステム構成について説明する。車両制御装置としては、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどで構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。車両制御装置は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、上述した制御値(例えば、前後力配分比rx、上下力配分比rz)に関する演算を行う。そして、この演算によって算出された制御値に応じた駆動力(制動力)配分比または垂直荷重配分比が演算され、この演算結果に応じた制御信号が各種アクチュエータに対して出力される。車両制御装置には、このような演算を行うために、検出部1から得られる車輪に作用する作用力、特定部2から得られる車輪と路面との間の摩擦係数μが入力されている。また、この車両制御装置には、センサ3,4から得られた車両状態信号(エンジン回転数Ne、アクセル開度θacc)およびセンサ5から得られた現在のトランスミッションのギヤ位置を示すギヤ位置信号Pがさらに入力されている。
【0045】
検出部1は、車輪に接続する車軸に取付けられた少なくとも一つ以上の応力検出センサ(例えば、抵抗歪ゲージ)と、この応力検出センサからの検出信号を処理する信号処理回路とで構成される。この検出部1は各車輪に設けられており、各車輪に関する作用力が車両制御装置に対して入力される。作用力に起因して車軸に生じる応力はこの作用力に比例するという知得に基づき、検出部1は、応力を通じて作用力を検出する。検出部1によって検出される作用力は、横力Fy、前後力Fxおよび上下力Fzの3つである。なお、図1において、検出部1は便宜上一つのブロックとして明記されているが、このブロックは各車輪に設けられる検出部1のすべてを総括している。検出部1に関する詳細な構成については、特開平4−331336号公報に記載されているので、必要ならば参照されたい。
【0046】
特定部2は、車輪と路面との間の摩擦係数μを特定する。本実施形態において、特定部2は、上述した検出部1からの出力情報を用いることにより、路面摩擦力(すなわち、前後力Fx)と上下力Fzとの比として摩擦係数μを特定する。ただし、摩擦係数μを特定する場合、特定部2は、検出部1からの出力値に基づいてこれを特定する以外に、周知の手法を用いて推定してもよい。摩擦係数μを推定する手法としては、例えば、現在の車両のヨーレート、舵角、横加速度および車速を、種々の摩擦係数μにおけるこれらの値と比較することにより、推定する手法が挙げられる。このような推定手法の一例は、本出願人によって既に提案されている特開平8−2274号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。なお、検出部1が自身の検出結果に基づいて摩擦係数μを算出するのであれば、図1に示す特定部2を省略し、検出部1が特定部2としての機能を果たしてもよい。
【0047】
マイクロコンピュータを機能的に捉えた場合、この車両制御装置は、推定部6と、処理部7と、制御部8〜10とで構成される。推定部6は、各車輪について検出された作用力Fx,Fy,Fzと、特定された摩擦係数μとを読み込む。そして、この読み込まれた値に基づいて、各車輪のコーナリングパワーkaを算出する。処理部7は、各車輪のコーナリングパワーkaに基づいて算出される、左右の車輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveが、左右輪の車輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveの現在値よりも大きくなるように、前後力配分比rx(または上下力配分比rz)を決定する。具体的には、処理部7は、左右の車輪毎に、前後力Fx(または上下力Fz)によるコーナリングパワーkaの変化率kc_fl,kc_frを算出する。そして、算出された左右の車輪に関する変化率kc_fl,kc_frに基づき、左車輪に関する変化率kc_flと、右車輪に関する変化率kc_frとが近づくように、前後力配分比rx(または上下力配分比rz)が決定される。この決定された前後力配分比rx(または上下力配分比rz)は、制御信号として制御部8〜10のいずれかに対して出力される。
【0048】
この制御部8〜10はトルク配分制御部8、ブレーキ制御部9およびサスペンション制御部10で構成されており、各制御部8〜10は制御対象となる車両の状態に応じて適宜使い分けられる。例えば、処理部7が演算を行うことにより、所定の前後力配分比rxを決定した場合、処理部7はこの値に応じた制御信号をトルク配分制御部8またはブレーキ制御部9に対して出力する。これにより、トルク配分制御部8がトルク配分機構11を制御する、或いは、ブレーキ制御部9がブレーキ機構12を制御することにより、左右輪に対する駆動力配分比(または制動力配分比)Rxが制御される。また、処理部7が演算を行うことにより、所定の上下力配分比rzを決定した場合、処理部7はこの値に応じた制御信号をサスペンション制御部10に対して出力する。これにより、サスペンション制御部10がサスペンション機構13を制御することにより、左右輪に対する垂直荷重配分比Rzが制御される。
【0049】
図6は、本実施形態にかかる車両制御の手順を示したフローチャートである。このフローチャートに示した処理は、所定間隔毎に呼び出され、マイクロコンピュータによって実行される。以下、同図を参照し、本実施形態にかかるシステム処理を説明するが、ここでは、前輪における左右輪の前後力配分比rxを制御することにより、前輪に関する左右輪のコーナリングパワーkaを最大化する手法について説明する。まず、ステップ1において、推定部6は摩擦係数μを読み込む。そして、推定部6は、検出部1からのセンサ信号から、前後力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを読み込む(ステップ2)。つぎに、読み込まれた情報を用い、上記の数式4に基づいて、各車輪のコーナリングパワーkaが算出される(ステップ3)。
【0050】
ステップ4において、算出された各車輪のコーナリングパワーkaに基づいて、左前輪に関する前後力Fxによるコーナリングパワーka_flの変化率(左前輪変化率)kc_flが算出される。具体的には、左前輪変化率kc_flは、算出された左前輪のコーナリングパワーka_flに基づいて、この値ka_flに対応した接線(例えば、図5に示した直線L2)に関する傾き(微分値)として算出される。また、右前輪に関する前後力Fxによるコーナリングパワーka_frの変化率(右前輪変化率)kc_frが同様の手法により算出される。
【0051】
ステップ5において、左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとの差の絶対値が、所定の判定値kcthよりも大きいか否かが判定される。このような判定処理を設ける理由は、各変化率kc_fl,kc_frが現段階で近似している場合には、すでに左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveが最大付近となっている可能性が高く、あえて車両の状態を変える必要がないからである。そのため、このような状況での制御を回避すべく、ステップ6、7の処理に先立ち、コーナリングパワーkaを最大化する必要があるか否かの判定が行われる。
【0052】
上記の判定値kcthは、左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとが実質的に同一と見なせる程度の、各変化率kc_fl,kc_frの差の絶対値に関する最大値として、実験やシミュレーションを通じて予め設定されている。したがって、この判定により肯定された場合(すなわち、左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとの差の絶対値が判定値kcthよりも大きい場合)には、このステップ5に続くステップ6に進む。一方、この判定により否定された場合(左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとの差分の絶対値が判定値kcth以下である場合)、ステップ6、7をスキップして本ルーチンを抜ける。
【0053】
ステップ5に続くステップ6において、現在の左右前輪における前後力配分比rxに基づいて、目標上下力配分比rx’が決定される。具体的には、まず、算出された左右前輪の各変化率kc_fl,kc_frが比較される。そして、現在の前後力配分比rxよりも、変化率が小さい一方の車輪に作用する前後力Fxを小さく、変化率が大きい他方の車輪に作用する前後力Fxを大きくするような値として、目標前後力配分比rx’が求められる。例えば、図5に示したように、左前輪変化率kc_flよりも右前輪変化率kc_frの方が大きい状況では、現在の前後力配分比rxよりもステップ値相当だけ右前輪偏重となるように、目標前後力配分比rx’が算出される。一方、左前輪変化率kc_flよりも右前輪変化率kc_frが小さい状況では、現在の前後力配分比rxよりもステップ値相当だけ左前輪偏重となるように、目標前後力配分比rx’が算出される。
【0054】
ステップ7において、決定された目標前後力配分比rx’に基づいて、左右前輪に対する駆動力配分比Rxが算出される。具体的には、まず、エンジン回転数Neおよびスロットル開度θaccに基づいて、エンジン出力が推定される。つぎに、ギヤ位置Pに相当するギヤ比と乗算することにより、入力トルクTiが算出される。そして、目標前後力配分比rx’と、入力トルクTiとに基づき、前後輪に対するトルク配分比を考慮した上で、目標前後力配分比rx’となるような左右前輪に対するトルク配分比α(すなわち、駆動力配分比Rx)が算出される。そして、トルク配分制御部8は、決定された左右輪に対するトルク配分比αに応じた制御信号をトルク配分機構11に対して出力し、本ルーチンを抜ける。
【0055】
トルク配分機構(例えば、フロントデファレンシャル装置)11は、出力された制御信号に応じて作動し、左右前輪に加えられるトルク配分を制御する。これにより、左右前輪に作用する前後力Fxがステップ値相当だけ調整された目標前後力配分比rx’となるように、駆動力配分比Rxが制御される。なお、車輪にかかる駆動力配分制御に関する詳細については、特開平8−2274号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0056】
このように、本実施形態によれば、左前輪に関する前後力Fxによるコーナリングパワーの変化率(左前輪変化率)kc_flと、右前輪に関する前後力Fxによるコーナリングパワーの変化率(右前輪変化率)kc_frとが算出される。つぎに、算出された各変化率kc_fl,kc_frを比較することにより、変化率が小さい一方の車輪に作用する前後力Fxを小さく、変化率が大きい他方の車輪に作用する前後力Fxを大きくするように、目標前後力配分比rx’が決定される。そして、車輪に作用する前後力Fxがこの目標前後力配分比rx’となるように、駆動力配分比Rxが制御される。これにより、車両の状態が変化し、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとが近づく方向に作用することになり、左右前輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveは、車両の状態を制御する前のそれよりも大きくなる。上述の如く、個々の車輪のコーナリングパワーkaを個別で大きくすることは困難であるが、このような制御を行うことにより、前輪(または後輪)の全体でコーナリングパワーkaを平均的に大きくすることができる。よって、挙動変化の応答性を速くすることができるので、例えば、コーナリングといった走行状況における車両の操安性の向上を図ることができる。
【0057】
上述の実施形態では、前輪の左右輪を制御対象としてコーナリングパワーの平均値ka_aveの最大化を説明したが、同様の概念に基づいて、後輪の左右輪の左右輪を制御対象としてコーナリングパワーkaの最大化を図ることもできる。また、前後輪のそれぞれの左右輪を制御対象として、コーナリングパワーkaの最大化を図ってもよい。
【0058】
また、制御の安定性を優先させる上で、ステップ値(微小値)相当の制御を行ったが、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとが同じとなるような、目標前後力配分比rx’を直接的に求めてもよい。この目標前後力配分比rx’は、左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとを等価と見なし、所定の数値演算を行うことにより一義的に求めることができる。ただし、かかる手法は、演算が複雑であり、処理の煩雑化につながるので、左前輪変化率kc_flと右前輪変化率kc_frとが同じとなるような目標前後力配分比rx’を、収束演算などに基づいて求めてもよい。
【0059】
なお、本明細書では、左右輪のコーナリングパワーkaの代表値として平均値を用いて説明したが、平均値以外にも、左右輪のコーナリングパワーkaの総和または積などを用いてもよい。左右輪のコーナリングパワーkaの総和または積を用いても基本的な概念は同じであり、左右輪のコーナリングパワーkaの代表値が現在値よりも大きくなるように車両の状態を制御することにより、操安性の向上を図ることができる。
【0060】
また、目標前後力配分比rx’となるように、車両の状態を制御をするのであれば、制動力配分比Rxを制御することにより、これを行うこともできる。かかる制御は、ブレーキ制御部9によって行われる。このブレーキ制御部9には、上述したトルク配分制御部8からの情報(すなわち、トルク配分比α)が入力されている。そのため、ブレーキ制御部9は、このトルク配分比αと、目標前後力配分比rx’とに基づいて、車輪に作用する前後力Fxが目標前後力配分比rx’となるように、制動力配分比Rxを算出する。そして、決定された制動力配分比Rxに応じた制御信号をブレーキ機構12に対して出力する。これにより、ブレーキ機構(例えば、ABS装置)12が、ブレーキ制御部9から出力された制御信号に応じて作動し、車輪に加えられる制動力配分が制御さる。具体的には、車輪に作用する前後力Fxがステップ値相当だけ調整された目標前後力配分比rx’となるように、制動力配分比Rxが制御される。これにより、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとが近づく方向に作用することで、左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveを現在のそれよりも大きくすることができる。
【0061】
また、上述した説明では、左右輪に対する前後力配分比rxを調整することにより、左右輪のコーナリングパワーの最大化を説明した。しかしながら、上述した概念に基づき、左右輪に対する上下力配分比rzを調整することにより、左右輪のコーナリングパワーの最大化を図ってもよい。なお、システム処理の内容は、基本的に、図6に示す処理と同じであり、ここでの説明は省略する。特に相違する点は、処理部7が、ステップ値相当だけ変位させた目標上下力配分比rz’を決定することである。具体的には、左右の車輪に関する各変化率kc_fl,kc_frのうち、変化率が小さい一方の車輪に作用する上下力Fzを大きく、変化率が大きい他方の車輪に作用する上下力Fzを小さくするように、目標上下力配分比rz’が決定される。そして、決定された目標上下力配分比rz’に応じた制御信号が、サスペンション制御部10に対して出力される。サスペンション制御部10は、車輪に作用する上下力Fzが目標上下力配分比rz’となるように、左右輪に対する垂直荷重配分比Rzを決定し、決定した値に応じた制御信号をサスペンション機構13に対して出力する。これにより、サスペンション機構13が、サスペンション制御部10から出力された制御信号に応じて作動し、車輪に加えられる垂直荷重配分zが制御される。具体的には、車輪に作用する上下力Fzがステップ値相当だけ調整された目標上下力配分比rz’となるように、垂直荷重配分比Rzが制御される。これにより、左前輪変化率kc_flと、右前輪変化率kc_frとが近づく方向に作用することで、左右輪のコーナリングパワーの平均値ka_aveを現在のそれよりも大きくすることができる。なお、車輪に作用する垂直荷重制御手法の詳細については、特開昭62−275814号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0062】
本実施形態では、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係をタイヤモデルを用い、これを二次近似することで定義したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係は、様々な条件下(前後力Fx、上下力Fzおよび摩擦係数μ)で実験的に求められるタイヤ特性を用いたり、別の数値モデル(Fialaモデル等)を用いたりして定義することもできる。図7は、実験的に算出された車輪すべり角βwと横力Fyとの関係の一例を示す説明図である。このような実験値を用いたとしても、車輪すべり角βwと横力Fyとの関係に基づき、車輪のコーナリングパワーkaは、車輪すべり角βwの増加とともに増す横力Fyの割合(すなわち、微分値)として、一義的に算出される。
【0063】
また、上述した実施形態では、コーナリングパワーkaを、数式4として定義したが、数式9として簡略的に算出することができる。
【数9】
Figure 2005003083
【0064】
ここで、上述したコーナリングパワーkaと区別するため、同数式に示すkpを偽コーナリングパワーと称する。この偽コーナリングパワーkpは、基本的に、数式4に示すコーナリングパワーkaとほぼ同様な傾向を示す。したがって、上述した実施形態で用いたコーナリングパワーkaに変えて、この偽コーナリングパワーkpを用いても、同様の作用と効果とを奏することができる。
【0065】
また、上述した検出部1は、車輪に作用する作用力を直接検出しているため、非線形性の要素が強いコーナリングパワーkaを精度よく特定することができる。その結果、例えば、限界コーナリングといった走行状況であったとしても、或いは、低摩擦係数路面といった走行状況であったとしても、コーナリングパワーkaを精度よく特定することができる。これにより、より有効に、コーナリングパワーの最大化を図ることができる。
【0066】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、上述した左右輪のコーナリングパワーkaの最大化を行うとともに、車両のスタビリティファクタを目標スタビリティファクタに近づけるように、制御値をさらに決定する。ここで、スタビリティファクタとは、車両のステア特性を示す評価値であり、コーナリング時の車両の挙動(すなわち、安定性)の目安となる値である。この値が正の場合、車両はアンダーステア傾向となり、この値が負の場合、車両はオーバーステア傾向となる。このスタビリティファクタの最適値は車両によって異なり、設計段階などにおいて設定される。このスタビリティファクタの最適値を常に追従するように車両が走行することで、車両の運動状態は適切に維持される。以下、左右輪のコーナリングパワーkaの最大化と、スタビリティファクタとの関係について説明する。
【0067】
図8は、車両に作用するモーメントを示す説明図である。操舵角一定で走行している車両を考えた場合、前輪に働く力Ffによって生じる車体周りのモーメントM1(Ff×lf,lf:車両の重心から前輪までの距離)と、後輪に働く力Frによって生じる車体周りのモーメントM2(Fr×lr,lr:車両の重心から後輪までの距離)は、通常釣り合っている。この関係から、ステア特性を数式によって求める場合に使われる係数がスタビリティファクタである。しかしながら、第1の実施形態に示すように、前輪(或いは後輪)における左右輪の前後力配分比rxを変えると、車両には、この前後力配分比制御に応じたヨーモーメントが発生する。これにより、初期的には釣り合っていたモーメントM1,M2の釣り合いがくずれ、スタビリティファクタが最適値から外れてしまう虞がある。そこで、第2の実施形態では、左右輪に対する前後力配分比制御を加味した上で、現在の車両のスタビリティファクタが目標スタビリティファクタに近づくように車両の状態をさらに制御することにある。ここで、スタビリティファクタの基本形を数式10に示す。
【数10】
Figure 2005003083
【0068】
ここで、mは車両の質量、lfは前輪の車軸軸と車両の重心との間の距離、lrは後輪の車軸と車両の重心との間の距離である。また、ka_faveは、左前輪のコーナリングパワーをka_fl、右前輪のコーナリングパワーをka_frとした場合の、両コーナリングパワーka_fl,ka_frの平均値である。同様に、ka_raveは、左後輪のコーナリングパワーをka_rl、右後輪のコーナリングパワーをka_rrとした場合の、両コーナリングパワーka_rl,ka_rrの平均値である。
【0069】
センサなどから求められるスタビリティファクタを実スタビリティファクタA1とすれば、左右輪の前後力配分比制御によるヨーモーメントを考慮した実スタビリティファクタA1は、下式で表すことができる。
【数11】
Figure 2005003083
【0070】
ここで、ΔFxは左右輪の前後力差(外輪の駆動力が大きい方向を正とする)であり、dはトレッド、y”は横加速度である。また、検出部1または特定部2などにより求められる値には、記号の後ろに「1」が添えられている。
【0071】
また、スタビリティファクタAの最適値を目標スタビリティファクタA2とすると、実スタビリティファクタA1が目標スタビリティファクタA2に近づくようにするには、以下に示す数式12が「0」に近づけばよい。
【数12】
Figure 2005003083
【0072】
ここで、目標スタビリティファクタA2に関する各値ka_fave,ka_raveには、記号の後ろに「2」が添えられている。これらの値ka_fave2,ka_rave2は、目標スタビリティファクタA2に応じて予め設定されている値である。数式12に示すΔAが0に近づくためには、数式13に示す等式が成り立つように、前輪のコーナリングパワーの平均値ka_fave1と、後輪のコーナリングパワーの平均値ka_rave1とを制御すればよい。
【数13】
Figure 2005003083
【0073】
左右輪の前後力配分比rxを制御する以前に車両が目標スタビリティファクタA2を満たしていたと考えた場合、この前後力配分比制御により、仮想的に車両の重心位置が所定値(ΔFx・d/m・y”)だけ後方に移動したと考えることができる。数式13を成立させるためには、前輪のコーナリングパワーの平均値ka_fave1を大きくし、後輪のコーナリングパワーの平均値ka_rave1を小さくすればよい。このようなコーナリングパワーを実現するためには、現在の前後輪に対する前後力配分比よりもステップ値相当だけ後輪偏重となるように、前後輪の前後力配分比を決定すればよいことになる。そして、前後輪に作用する前後力が、この決定された前後力配分比となるように、前後輪に対する駆動力配分比(或いは制動力配分比)を制御すればよい。あるいは、現在の上下力配分比よりもステップ値相当だけ前輪偏重となるように、前後輪の上下力配分比を決定してもよい。このケースでは、前後輪に作用する上下力が、この決定された前後力配分比となるように、前後輪に対する垂直荷重配分比を制御すればよい。
【0074】
このように、ステップ値相当だけ、前後輪に対する前後力配分比または上下力配分比を制御することより、実スタビリティファクタA1が目標スタビリティに近づく方向に作用する。これにより、左右輪に対する前後力配分比制御に起因したヨーモーメントを相殺することができるので、左右輪に対する上下力配分比制御を行った場合でも、車両のステア特性が維持され、操安性の向上を図ることができる。なお、上述のヨーモーメントの発生は、基本的に、左右輪に関する駆動力配分比制御を行ったときに生じ得るので、左右輪に関する上下力配分比制御を行った場合には、このようなことは考慮する必要はない。
【0075】
例えば、四輪駆動の車輪であれば、左右輪の前後力配分比制御に加え、前後輪の前後力配分比制御(または上下力配分比制御)を行うことにより、コーナリングパワーkaの最大化を図りつつ、所定のスタビリティファクタを得ることができる。また、前輪(または後輪)駆動の車両であれば、左右輪の前後力配分制御に加え、前後輪の上下力配分比制御を行うことにより、コーナリングパワーkaの最大化を図りつつ、所定のスタビリティファクタを得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
このように本発明では、左右の車輪のコーナリングパワーに着目し、これらのコーナリングパワーの代表値が、現在の値よりも大きくなるように車両の状態が制御される。個々の車輪のコーナリングパワーを個別で大きくすることは困難であるが、このような制御を行うことにより、左右の車輪全体でコーナリングパワーを大きくすることができる。これにより、挙動変化の応答性を速くすることができるので、例えば、コーナリングといった走行状況における車両の操安性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる車両制御装置の全体構成を示したブロック構成図
【図2】車輪に作用する作用力を示した説明図
【図3】前後力とコーナリングパワーとの関係を示した図
【図4】正規化された左右輪のコーナリングパワーの平均値と左右輪の前後力配分比との関係を示す図
【図5】前後力とコーナリングパワーとの関係を示した図
【図6】本実施形態にかかる車両制御の手順を示したフローチャート
【図7】車輪すべり角と横力との関係の一例を示す説明図
【図8】車両に作用するモーメントを示す説明図
【符号の説明】
1 検出部
2 特定部
3 センサ
4 センサ
5 センサ
6 推定部
7 処理部
8 トルク配分制御部
9 ブレーキ制御部
10 サスペンション制御部
11 トルク配分機構
12 ブレーキ機構
13 サスペンション機構

Claims (18)

  1. 車両の運動状態を制御する車両制御装置において、
    車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力を検出する検出部と、
    車輪と路面との間の摩擦係数を特定する特定部と、
    前記検出された作用力と、前記特定された摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する推定部と、
    前記推定されたコーナリングパワーに基づいて算出される、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値が、当該左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値の現在値よりも大きくなるように、第1の制御値を決定する処理部と、
    前記決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する制御部と
    を有することを特徴とする車両制御装置。
  2. 車両の運動状態を制御する車両制御装置において、
    車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力を検出する検出部と、
    車輪と路面との間の摩擦係数を特定する特定部と、
    前記検出された作用力と、前記特定された摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する推定部と、
    前記推定されたコーナリングパワーに基づいて、前記作用力によるコーナリングパワーの変化率を左右の車輪毎に算出するとともに、当該算出された左右の車輪に関する変化率に基づいて、左車輪に関する変化率と、右車輪に関する変化率とが近づくように、第1の制御値を決定する処理部と、
    前記決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する制御部と
    を有することを特徴とする車両制御装置。
  3. 前記処理部は、前記変化率として、前後力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、当該算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、前記第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する前後力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する前後力を大きくするように、左右の車輪に対する前後力配分比を決定し、
    前記制御部は、車輪に作用する前後力が前記決定された前後力配分比となるように、左右の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比を制御することを特徴とする請求項2に記載された車両制御装置。
  4. 前記一方の車輪に関する変化率は、前記他方の車輪に関する変化率よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載された車両制御装置。
  5. 前記処理部は、前記変化率として、上下力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、当該算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、前記第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する上下力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する上下力を大きくするように、左右の車輪に対する上下力配分比を決定し、
    前記制御部は、車輪に作用する上下力が前記決定された上下力配分比となるように、左右の車輪に対する垂直荷重配分比を制御することを特徴とする請求項2に記載された車両制御装置。
  6. 前記一方の車輪に関する変化率は、前記他方の車輪に関する変化率よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載された車両制御装置。
  7. 前記処理部は、車両のスタビリティファクタが目標スタビリティファクタに近づくように、第2の制御値をさらに決定し、
    前記制御部は、前記決定された第2の制御値に基づき車両の状態をさらに制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された車両制御装置。
  8. 前記処理部は、前記第2の制御値として、前後の車輪に対する前後力配分比を決定し、
    前記制御部は、車輪に作用する前後力が前記決定された前後力配分比となるように、前後の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比をさらに制御することを特徴とする請求項7に記載された車両制御装置。
  9. 前記処理部は、前記第2の制御値として、前後の車輪に対する上下力配分比を決定し、
    前記制御部は、車輪に作用する上下力が前記決定された上下力配分比となるように、前後の車輪に対する垂直荷重配分比をさらに制御することを特徴とする請求項7に記載された車両制御装置。
  10. 車両の運動状態を制御する車両制御方法において、
    車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力と、車輪と路面との間の摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する第1のステップと、
    前記推定されたコーナリングパワーに基づいて算出される、左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値が、当該左右の車輪に関するコーナリングパワーの代表値の現在値よりも大きくなるように、第1の制御値を決定する第2のステップと、
    前記決定された第1の制御値に基づいて、車両の状態を制御する第3のステップと
    を有することを特徴とする車両制御方法。
  11. 車両の運動状態を制御する車両制御方法において、
    車輪に作用する前後力、横力および上下力を含む作用力と、車輪と路面との間の摩擦係数とに基づいて、左右の車輪のそれぞれのコーナリングパワーを推定する第1のステップと、
    前記推定されたコーナリングパワーに基づいて、前記作用力によるコーナリングパワーの変化率を左右の車輪毎に算出するとともに、当該算出された左右の車輪に関する変化率に基づいて、左車輪に関する変化率と、右車輪に関する変化率とが近づくように、第1の制御値を決定する第2のステップと、
    前記決定された第1の制御値に基づき車両の状態を制御する第3のステップとを有することを特徴とする車両制御方法。
  12. 前記第2のステップは、前記変化率として、前後力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、当該算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、前記第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する前後力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する前後力を大きくするように、左右の車輪に対する前後力配分比を決定するステップであり、
    前記第3のステップは、車輪に作用する前後力が前記決定された前後力配分比となるように、左右の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比を制御するステップであることを特徴とする請求項11に記載された車両制御方法。
  13. 前記一方の車輪に関する変化率は、前記他方の車輪に関する変化率よりも小さいことを特徴とする請求項12に記載された車両制御方法。
  14. 前記第2のステップは、前記変化率として、上下力によるコーナリングパワーの変化率を算出し、当該算出された左右の車輪に関する変化率を比較することにより、前記第1の制御値として、左右の車輪のうち一方の車輪に作用する上下力を小さく、かつ、他方の車輪に作用する上下力を大きくするように、左右の車輪に対する上下力配分比を決定するステップであり、
    前記第3のステップは、車輪に作用する上下力が前記決定された上下力配分比となるように、左右の車輪に対する垂直荷重配分比を制御するステップであることを特徴とする請求項11に記載された車両制御方法。
  15. 前記一方の車輪に関する変化率は、前記他方の車輪に関する変化率よりも大きいことを特徴とする請求項14に記載された車両制御方法。
  16. 前記第2のステップは、車両のスタビリティファクタが目標スタビリティファクタに近づくように、第2の制御値を決定する第4のステップをさらに有し、
    前記第3のステップは、前記決定された第2の制御値に基づき車両の状態を制御する第5のステップをさらに有することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載された車両制御方法。
  17. 前記第4のステップは、前記第2の制御値として、前後の車輪に対する前後力配分比を決定するステップであり、
    前記第5のステップは、車輪に作用する前後力が前記決定された前後力配分比となるように、前後の車輪に対する駆動力配分比または制動力配分比を制御するステップであることを特徴とする請求項16に記載された車両制御方法。
  18. 前記第4のステップは、前記第2の制御値として、前後の車輪に対する上下力配分比を決定するステップであり、
    前記第5のステップは、車輪に作用する上下力が前記決定された上下力配分比となるように、前後の車輪に対する垂直荷重配分比を制御するステップであることを特徴とする請求項16に記載された車両制御方法。
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