JP2005002164A - 液晶配向促進剤、液晶組成物及び光学異方体 - Google Patents

液晶配向促進剤、液晶組成物及び光学異方体 Download PDF

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Abstract

【課題】配向性に優れ、且つ他の部材との接着性に特に優れる光学異方体、該光学異方体用材料としての液晶配向促進剤を含有した液晶組成物、及び、液晶配向促進剤を提供することにある。
【解決手段】一般式(1)で表される液晶配向促進剤、これを含有する液晶組成物、及び光学異方体。
【化0】
Figure 2005002164

Figure 2005002164

(式中、Aは、置換基として少なくとも1つ以上の親水性を示す置換基Pを有する、炭素原子数1〜30の飽和炭化水素基(但し、これらの基中に存在し、置換基Pを有さない1個以上のメチレン基等は、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等に置換されていてもよい。)Bは、少なくとも二つの環状構造を含むメソゲン基を表し、nは、各々独立して1〜12の整数を表す。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶に混合して液晶分子の配向を促進させる液晶配向促進剤、該液晶配向促進剤を含有する液晶組成物、及びそれを用いて製造される光学異方体に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、液晶表示装置(LCD)は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板からなる。反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、及び一枚の偏光板が積層されている。これらの液晶表示装置は、視野角の拡大、着色解消、あるいは表示モードに応じて位相差を調整するために、液晶セルと偏光板との間に光学補償シート(位相差板)を配置する場合が多い。
また、最近では、現在のバッチ製造と比べて大幅に製造の効率化が図れることから、塗工プロセスを導入したロールツウロール(Roll to Roll)法等の液晶表示装置の製造方法が注目されており、光学補償シートは、塗工法で作製でき、且つ、得られたシートに他の部材が積層できること、即ち、表面接着性が要求される。
【0003】
通常、光学補償シートには複屈折を有する高分子フィルムが使用されており、例えば、重合性の液晶材料に配向処理を施した後、紫外線硬化させて配向状態を固定化した光学異方体からなる複屈折を有する高分子フィルムが、ハイエンドLCD用の光学補償シートとして開発されている。
【0004】
重合性の液晶材料の配向処理は、配向機能を有する基板上に重合性の液晶材料を塗布し、該配向膜のみの配向規制力により液晶分子を配向させる。即ち、二枚の配向膜に重合性の液晶材料を挟持させ、両側からの配向規制力により液晶分子を配向させる場合と異なり、配向膜に接していない空気との界面付近では、液晶分子に配向規制力が作用しずらい。従って、空気との界面付近では配向不良となり、得られる光学異方体の品質低下あるいは歩留まりの低下が起こりやすい。
【0005】
これを解決する方法として、液晶に混合して空気との界面付近の液晶分子の配向を制御させる液晶配向促進剤が提案されており、一分子中に、フッ素置換脂肪族基やオリゴシロキサン基等の疎水性基と、少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有する基とを有する化合物からなる液晶配向促進剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
該液晶配向促進剤と液晶とを混合すると、液晶配向促進剤の疎水性基が液晶と相溶しにくいので、液晶配向促進剤は液晶と空気との界面に偏在する。しかし、排除体積効果を有する基は液晶と相溶するので、液晶相中に進入することができる。従って、液晶配向促進剤は液晶中で、湖面に垂らした釣り糸に付いた浮子のように、疎水性基を空気との界面側に、排除体積効果を有する基を液晶内部に向け、界面に対してほぼ垂直に配列すると考えられている。空気との界面付近で配向規制力が作用するので、該界面付近に存在する液晶分子を配向させることができ、より配向に優れた光学異方体を得ることができる。
しかし、表面に剥離性の強いフッ素基やシロキサン基が偏析するため、得られた光学異方体は、表面接着性に劣るといった問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−38157号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
発明が解決しようとする課題は、配向性に優れ、且つ他の部材との接着性に特に優れる光学異方体を提供することにあり、該光学異方体用材料としての液晶配向促進剤を含有した液晶組成物、及び、液晶配向促進剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、親水性基とメソゲン基とを有する化合物が、液晶の配向を促進させ、且つ、これを使用した光学異方体は、表面の接着性に優れることを見出した。
親水性基は液晶と殆ど相溶しないので、該化合物と液晶組成物とを混合すると該化合物は液晶と空気との界面付近に偏在する。しかしメソゲン基は液晶と相溶するので、液晶層中に進入する。従って、該化合物は、液晶と空気との界面付近で界面にほぼ垂直に整列し、界面付近に存在する液晶分子をほぼ垂直に配向させることができる。また、親水性基は接着性に優れるので、該液晶配向促進剤を使用することで、他の部材との接着性に特に優れる光学異方体が得られる。
【0009】
即ち、本発明は、一般式(1)で表される液晶配向促進剤を提供する。
【0010】
【化7】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0011】
(式中、Aは、置換基として少なくとも1つ以上の置換基Pを有する、炭素原子数1〜30の飽和炭化水素基(但し、これらの基中に存在し、置換基Pを有さない1個以上の
【0012】
【化8】
Figure 2005002164
【0013】
【化9】
Figure 2005002164
【0014】
に置換されていてもよい。但し、相互のO、N、S、又はPは直接に結合しないものとする。)を表わす。置換基Pは、
【0015】
【化10】
Figure 2005002164
【0016】
を表す。Rは、エーテル結合、エステル結合、又はアミド結合を含んでいてもよい、炭素原子数1〜12のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。Bは、少なくとも二つの環状構造を含むメソゲン基を表し、nは、各々独立して1〜12の整数を表す。nが2以上のとき、複数存在するBはそれぞれ同じでも異なっていても良い。)
【0017】
また、本発明は、前記一般式(1)で表される液晶配向促進剤、及び液晶化合物を含有する液晶組成物を提供する。
【0018】
また、本発明は、前記一般式(1)で表される液晶配向促進剤、及び重合性基を有する液晶化合物を含有する液晶組成物を、配向機能を有する基板上に塗布し、配向させた状態で重合させて得られることを特徴とする光学異方体を提供する。
【0019】前記一般式(1)において、Aで表される飽和炭化水素基は、飽和鎖式基でも飽和環式基でも、飽和鎖式基と飽和環式基の両方からなるものであってもよい。中でも、炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜15であることが最も好ましい。また、該基中に存在し、置換基Pを有さない1個以上の
【0020】
【化11】
Figure 2005002164
【0021】
酸素原子又は窒素原子が相互に直接に結合しないものとして、
【0022】
【化12】
Figure 2005002164
【0023】
に置換されているのが好ましい。
前記一般式(1)において、Aの置換基Pは親水性を示す。置換基Pは、Aで表される飽和炭化水素基の炭素原子に結合している。置換基Pは、中でも、
【0024】
【化13】
Figure 2005002164
【0025】
Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、又はエーテル結合を有する炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましく、エーテル結合を有するポリエチレングリコール基やポリプロピレングリコール基であると、親水性が増し、好ましい。
【0026】
なお、置換基Pのうち、カルボン酸基等は重合性基となりうるが、本発明では、一般式(2)で表される化合物のAで表される基は重合させないように重合条件を設計することが好ましい。該基を重合させてしまうと、表面の性質が変化し、得られる光学異方体の接着性が低下する恐れがある。
【0027】
前記一般式(1)において、Aの具体的な例としては、エタノールアミン構造を有する基、単糖類構造を有する基、多糖類構造を有する基、多価アルコール構造を有する基、多価環状アルコール構造、又はアミノ酸構造を有する基等があげられる。これらは、置換基Pの数の多い方が、液晶と空気との界面に偏在しやすく表面接着性に優れるので好ましい。具体的な例として、例えば、置換基Pとしてヒドロキシ基又はアミノ基を有するAを以下にあげる。
【0028】
【化14】
Figure 2005002164
【0029】
中でも、次にあげるAは、液晶と空気との界面に偏在しやすく表面接着性に優れるので好ましい。
【0030】
【化15】
Figure 2005002164
【0031】
一般式(1)において、Bは、液晶分野において通常メソゲン基と認識される基であれば特に限定はないが、中でも、一般式(2)で表される基が好ましい。
【0032】
【化16】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0033】
式中、Sは、単結合、−C2p−、−(C2p−O)−(C 2p −O)−、又は−(C2p−O)−C 2p −を表わし、p及びp’は各々独立して1〜20の整数を表し、aは1〜10の整数を、bは0〜10の整数を表す。中でも、pが1〜10の整数で、aが1〜5の整数で、bが0〜5の整数であることが好ましい。B及びBは各々独立して、
【0034】
【化17】
Figure 2005002164
【0035】
からなる群から選ばれる環構造を表わす。但し、該環構造は、置換基としてフッ素基又は炭素原子数1〜3のアルキル基を有していても良い。
【0036】
は、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CO−O−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−N=N−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CH−CHCH−、−CHCH−CH=CH−、−CH=CH−CO−O−及び−OCO−CH=CH−からなる群から選ばれる連結基を表わす。中でも、単結合、−CHCH−、−CO−O−、−OCO−、−C≡C−、又は−N=N−が好ましい。
【0037】
tは1〜4の整数を表わし、Sは水素原子、シアノ基、フッ素基、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基を表わし、m及びnは、各々独立して1〜12の整数を表す。
【0038】
一般式(2)で表される基として、具体的には、下記の構造があげられる。
【0039】
【化18】
Figure 2005002164
【0040】
本発明の液晶配向促進剤は、1分子中に親水基とメソゲン基を有する分子であり、具体的には、複数の親水基と、複数のメソゲン基を、柔軟な飽和炭化水素鎖又は環で結合した、次に示すような構造の化合物が好ましい。
【0041】
【化19】
Figure 2005002164
【0042】
(式中、Pは前記置換基を表し、波線とPで表されるAは前記飽和炭化水素基を表し、Bは前記メソゲン基を表す。)
【0043】
本発明で使用する、一般式(1)で表される化合物として、具体的な例示を次に示す。
【0044】
【化20】
Figure 2005002164
【0045】
【化21】
Figure 2005002164
【0046】
【化22】
Figure 2005002164
【0047】
【化23】
Figure 2005002164
【0048】
【化24】
Figure 2005002164
【0049】
【化25】
Figure 2005002164
【0050】
【化26】
Figure 2005002164
【0051】
【化27】
Figure 2005002164
【0052】
【化28】
Figure 2005002164
【0053】
【化29】
Figure 2005002164
【0054】
【化30】
Figure 2005002164
【0055】
【化31】
Figure 2005002164
【0056】
【化32】
Figure 2005002164
【0057】
【化33】
Figure 2005002164
【0058】
【化34】
Figure 2005002164
【0059】
【化35】
Figure 2005002164
【0060】
【化36】
Figure 2005002164
【0061】
本発明の液晶配向促進剤は、液晶組成物に対し、0.01〜20質量%の範囲で使用する。0.01質量%に満たない量では、液晶組成物を均一に配向させることが困難であり、20質量%を越える量では、液晶組成物中の重合性基濃度が減るために、硬化後のフィルム強度が弱くなる傾向にある。中でも、0.05〜10%の範囲が好ましく、0.1〜5%の範囲がさらに好ましく、0.5〜5%の範囲が最も好ましい。
また、本発明の液晶配向促進剤は、数種類を併用して使用することもできる。
【0062】
本発明の液晶配向促進剤は、液晶組成物中で、空気との界面に偏在する。式(1)で表される化合物の親水性を示す置換基Pは、液晶との親和性が低いために液晶と相分離を起こし、置換基Pを有する飽和炭化水素基Aが液晶表面に浮いてくる。一方、メソゲン基は液晶と相溶するので液晶層中に進入し、液晶分子と配向する。従って、該化合物は、液晶と空気との界面付近で界面にほぼ垂直に整列し、界面付近に存在する液晶分子をほぼ垂直に配向させることができる。
発明者らは、式(1)で表される化合物が、空気と液晶との界面近傍で、親水性を示す置換基Pを有する飽和炭化水素基Aを空気側に向け、少なくとも二つの環状構造を含むメソゲン基Bを液晶側に向けて存在することにより確認している。
【0063】
本発明の液晶配向促進剤は、液晶相としてネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、カイラルネマチック液晶、カイラルスメクチック液晶を発現するような、公知慣用の液晶組成物用の配向促進剤として使用することができる。具体的な例としては、例えば、安息香酸エステル系化合物、シクロヘキサンカルボン酸エステル系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、フェニルシクロヘキサン酸系化合物、ピリミジン系化合物、ピリジン系化合物、ジオキサン系化合物、シクロヘキサンエステル系化合物、トラン系化合物、アルケニル系化合物、フルオロ系化合物、シアノ系化合物、ナフタレン系化合物等があげられる。中でも、ネマチック相を発現するような液晶組成物が好ましい。
【0064】
本発明の液晶配向促進剤を、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、エポキシ基等の重合性基を有する液晶化合物を含有する重合性液晶組成物に配合し、液晶分子を配向させた状態で重合させることで、他部材との接着性に優れた光学異方体を得ることができる。(以下、本発明の液晶配向促進剤と重合性液晶化合物とを含有する組成物を、重合性液晶組成物Xと略す)
重合性液晶化合物として、具体的には、特開平8−3111号公報に記載の液晶化合物、特開2000−178233号公報に記載の液晶化合物、特開2000−119222号公報に記載の液晶化合物、特開2000−327632号公報に記載の液晶化合物、特開2002−220421号公報に記載の液晶化合物、特開2003−55661号公報に記載の液晶化合物、特開2003−12762号公報に記載の液晶化合物等があげられる。中でも、重合性基をメソゲン基の両末端に有する棒状の二官能重合性液晶化合物を使用すると、配向を良好に固定化することができ特に好ましい。また、粘度や、液晶相を示す温度を調整する目的で、重合性基をメソゲン基の片末端に有する棒状の単官能重合性液晶化合物を併用することも好ましい。
【0065】
重合性液晶組成物Xは、重合性基を有していない液晶化合物を必要に応じて添加してもよい。しかし、添加量が多すぎると、得られた光学異方体から液晶化合物が溶出したり、耐熱性が下がるおそれがあるので、添加する場合は、重合性液晶組成物に対して30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
【0066】
重合性液晶組成物Xは、必要に応じて、熱重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤を添加することもできる。熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等が挙げられる。また、光カチオン開始剤としては、光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤としてはジアゾジスルホン系化合物、トリフェニルスルホニウム系化合物、フェニルスルホン系化合物、スルフォニルピリジン系化合物、トリアジン系化合物及びジフェニルヨードニウム化合物が好適に用いられる。添加する場合は、重合性液晶組成物に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下が特に好ましく、0.5〜1.5質量%の範囲が更に好ましい。
【0067】
重合性液晶組成物Xは、重合性基を有するメソゲン基を持たない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができる。添加する場合は、重合性液晶組成物Xに対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下が更に好ましい。
【0068】
重合性液晶組成物Xは、光学活性を有する化合物、すなわちキラル化合物を添加してもよい。該キラル化合物は、それ自体が液晶相を示す必要は無く、また、重合性基を有していても、有していなくても良い。また、キラル化合物の螺旋の向きは、重合体の使用用途によって適宜選択することができる。
具体的には、例えば、キラル基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、キラル基として2−メチルブチル基を有するビーディーエイチ社製の「CB−15」、「C−15」、メルク社製の「S−1082」、チッソ社製の「CM−19」、「CM−20」、「CM」、キラル基として1−メチルヘプチル基を有するメルク社製の「S−811」、チッソ社製の「CM−21」、「CM−22」などを挙げることができる。
キラル化合物を添加する場合は、重合性液晶組成物Xの重合体の用途によるが、得られる重合体の厚み(d)を重合体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が0.1〜100の範囲となる量を添加することが好ましく、0.1〜20の範囲となる量がさらに好ましい。
【0069】
重合性液晶組成物Xには、保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類等が挙げられる。添加する場合は、重合性液晶組成物Xに対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
【0070】
重合性液晶組成物Xを偏光フィルムや配向膜の原料、又は印刷インキ及び塗料、保護膜等の用途に利用する場合には、その目的に応じて、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物、などを添加してもよい。
【0071】
重合性液晶組成物Xを、配向機能を有する基板上に塗布し、重合性液晶組成物X中の液晶分子を、ネマチック相を保持した状態で均一に配向させ、重合させることによって、本発明の光学異方体が得られる。
【0072】
前記基板は、有機、無機を問わず、公知慣用の材質の基板を使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート板、ポリカーボネート板、ポリイミド板、ポリアミド板、ポリメタクリル酸メチル板、ポリスチレン板、ポリ塩化ビニル板、ポリテトラフルオロエチレン板、セルロース板、ポリエーテルスルホン板、ポリシクロオレフィン板、シリコン板、ガラス板、方解石板等が挙げられる。基板の形状としては、平板の他、曲面を有するものであっても良い。これらの基板は、必要に応じて、電極層を有していてもよい。
【0073】
前記基板に配向機能を付与する方法としては特に限定はなく、公知慣用の方法が挙げられる。具体的には、布等で基板表面をラビング処理する方法、ポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビング処理する方法、基板にSiOを斜方蒸着して配向膜を形成する方法、分子内に光二量化反応する官能基を有する有機薄膜や光で異性化する官能基を有する有機薄膜に、偏光を照射する方法等が挙げられる。特に、通常のツイステッド・ネマチック素子又はスーパー・ツイステッド・ネマチック素子で使用されているプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を使用すると、液晶分子の配向状態の制御を容易にすることができ、特に好ましい。
配向方向を基板と平行にすれば、基板近傍から空気界面近傍にかけて水平から垂直に連続的にチルト角が変化した、ハイブリッド配向が形成した光学異方体を作製することができ、配向方向を基板と垂直にすれば、垂直配向した光学異方体を作製することができる。
【0074】
重合性液晶組成物Xを基板上に塗布する場合は、バーコーティング、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、ディッピング法等の公知慣用のコーティング法を利用すればよい。このとき、塗工性を高めるために、重合性液晶組成物Xに公知慣用の有機溶媒を添加しても良い。この場合は、重合性液晶組成物Xを基板上に塗布後、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥等で有機溶媒を除去する。
【0075】
塗布後、液晶の配向を促すような熱処理を行うと、液晶配向促進剤をより表面に偏在させ、配向をより促進することができ好ましい。熱処理法としては、例えば、重合性液晶組成物Xを基板上に塗布後、該液晶組成物のN(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度(以下、N−I転移温度と略す)以上に加熱して、該液晶組成物を等方相液体状態にする。具体的には該転移温度プラス約3℃〜10℃の温度まで加熱するのが好ましい。
そこから、例えば1℃/分以下の速度で徐冷し、ネマチック相を発現させる。このとき、N−I転移温度マイナス約1℃〜10℃の温度まで徐冷したところで、一端液晶相をその温度に保ち、液晶相ドメインを充分に成長させることが望ましい。
【0076】
加熱温度が高過ぎると重合性液晶化合物が好ましくない重合反応を起こして劣化したり、液晶と配向促進剤が良相溶となるために配向促進効果が得られ難くなることがある。また、冷却しすぎると、液晶組成物が相分離を起こし、結晶の析出、スメクチック相のような高次液晶相を発現し、配向処理が不可能になることがある。
このような熱処理をすることで、単に塗布するだけの塗工方法と比べて、配向欠陥の少ない均質な光学異方体を作製することができる。
また、このようにして均質な配向処理を行った後、液晶相が相分離を起こさない最低の温度、即ち過冷却状態となるまで冷却し、該温度において液晶相の配向状態を重合固定化すると、より配向秩序が高く、透明性に優れる光学異方体を得ることができる。
【0077】
重合性液晶組成物Xを重合固定化させる方法としては、活性エネルギー線を照射する方法や熱重合法等が挙げられるが、加熱を必要とせず、室温で反応が進行することから活性エネルギー線を照射する方法が好ましく、中でも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。照射時の温度は、重合性液晶組成物Xが液晶相を保持できる温度とし、重合性液晶組成物の熱重合の誘起を避けるため、可能な限り25℃以下とすることが好ましい。尚、液晶組成物は、通常、昇温過程において、C(固相)−N(ネマチック)転移温度(以下、C−N転移温度と略す。)から、N−I転移温度範囲内で液晶相を示す。一方、降温過程においては、熱力学的に非平衡状態を取るため、C−N転移温度以下でも凝固せず液晶状態を保つ場合がある。この状態を過冷却状態という。本発明においては、過冷却状態にある液晶組成物も液晶相を保持している状態に含めるものとする。紫外線照射強度は、1W/m〜10kW/mの範囲が好ましい。特に、10W/m〜2kW/mの範囲が好ましい。紫外線強度が1W/m未満の場合、重合を完了させるのに多大な時間がかかる。一方、2kW/mを超える強度では、重合性液晶組成物中の液晶分子が光分解する傾向にあることや、重合熱が多く発生して重合中の温度が上昇し、重合性液晶のオーダーパラメーターが変化して、重合後のフィルムのリタデーションに狂いが生じる可能性がある。
【0078】
マスクを使用して特定の部分のみを紫外線照射で重合させた後、該未重合部分の配向状態を、電場、磁場又は温度等をかけて変化させ、その後該未重合部分を重合させると、異なる配向方向をもった複数の領域を有する光学異方体を得ることもできる。
【0079】
重合性液晶組成物Xを重合させて得られる重合体は、基板から剥離して単体で光学異方体として使用することも、基板から剥離せずにそのまま光学異方体として使用することもできる。特に、他の部材との接着性に優れるので、積層させたり、他の基板に貼り合わせて使用するときに有用である。
【0080】
本発明の光学異方体は、光学補償板、光学的ローパスフィルタ、又は偏光プリズム材料としては勿論のこと、位相差板、偏光板、光導波路、圧電素子、非線形光学素子、各種光フィルター、コレステリック液晶相等の選択反射を利用した顔料、光ファイバー等の被覆剤等への応用が可能である。
【0081】
【実施例】
(液晶配向促進剤の合成)
(合成例1)
17gの4−フェニルフェノール(0.1モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)120mLに溶解し、攪拌しながら、15.2gの炭酸カリウム粉末(0.11モル)を加え、90℃に加熱しながら1時間攪拌した。該混合物に、6−クロロ−1−ヘキサノール(14.3g,0.11モル)を滴下し、12時間攪拌しながら反応させた。ガスクロマトグラフィーで原料由来のピークが消失したのを確認した後、反応液を水で希釈し、析出した固体を濾取した。得られた固体をエタノールから再結晶し、4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニルベンゼン23gを得た。(収率85%)
合成した4−(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)フェニルベンゼン21g(78ミリモル)をジクロロメタン500mLに溶解させた。これに、アルゴン気流下、24.5gのトリフェニルホスフィン(93ミリモル)と、16.6gのN−ブロモコハク酸イミド(93ミリモル)を加え、10分攪拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて洗浄し、続いて有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、エタノールから再結晶を行い、4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニルベンゼン19.4gを得た。(収率75%)
4−(6−ブロモヘキシルオキシ)フェニルベンゼン18g(54ミリモル)とジエタノールアミン5.7g(54ミリモル)をエタノール200mLに加え、80℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、析出した固体を濾取した。この固体を冷エタノールで良く洗浄し、式H1で表される化合物9.6gを得た。(収率50%)
【0082】
【化37】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0083】
(合成例2)
合成例1において、4−フェニルフェノールの代わりに4−シアノ−4−ヒドロキシビフェニルを使用した他は合成例1と同様にして、式H2で表される化合物を得た。
【0084】
【化38】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0085】
(合成例3)
合成例1において、4−フェニルフェノールの代わりに4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェノールを使用した他は合成例1と同様にして、式H3で表される化合物を得た。
【0086】
【化39】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0087】
(合成例4)
合成例1において、6−クロロー1−ヘキサノールの代わりに12−ブロモ−1−ドデカノールを使用し、4−フェニルフェノールの代わりに4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェノールを使用した他は合成例1と同様にして、式H4で表される化合物を得た。
【0088】
【化40】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0089】
(合成例5)
合成例1において、4−フェニルフェノールの代わりに4−(4−ブチルフェニル)アゾフェノールを使用した他は合成例1と同様にして、式H5で表される化合物を得た。4−(4−ブチルフェニル)アゾフェノールは次のようにして合成した。
1Nの塩酸1Lに25gの4−ブチルアニリン(168ミリモル)を溶解し、0℃に冷却した。これに13.9gの亜硝酸ナトリウム(201ミリモル)を温度が5℃以上に上がらないように少しずつ加えた。次に、フェノール16.6g(176ミリモル)を1モルの水酸化ナトリウムと1モルの炭酸ナトリウムを1Lの水に溶解した溶液100mLに溶解した溶液を、温度上昇しないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で3時間攪拌した。反応終了後析出した固体を濾取し、水で洗浄して、4−(4−ブチルフェニル)アゾフェノール収量42gを得た。(収率99%)
【0090】
【化41】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0091】
(液晶配向促進剤を含む実施例用の液晶組成物の調製 実施例1〜20)
式(a)〜(f)で表される化合物からなる液晶組成物X、及び式(g)〜(h)で表される化合物からなる液晶組成物Xを調製した。該液晶組成物と、前記U1〜U5で表される液晶配向促進剤、光重合開始剤としてチバスペシャリティケミカルズ(株)の「イルガキュア907」、溶媒としてテトラヒドロフラン(以下、THFと略す)を混合し、実施例1〜20の試料を調製した。その配合を表1及び表2に示す。
【0092】
【化42】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0093】
【化43】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0094】
【化44】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0095】
【化45】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0096】
【化46】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0097】
【化47】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0098】
【化48】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0099】
【化49】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0100】
(比較例用の液晶組成物の調製 比較例1〜6)
前記液晶組成物X又はX100部と、イルガキュア907を2部、THF88部を混合し、比較例1及び4の試料を調製した。また、前記液晶組成物X又はXと、式Mで表される構造のフッ素系化合物、イルガキュア907、THFを混合し、比較例2、3、5、及び6の試料を調製した。配合を表1及び表2に示す。
【0101】
【化50】
Figure 2005002164
Figure 2005002164
【0102】
(光学異方体用基板の作製)
厚さ1mm、サイズが100mm×100mmのパイレックス(登録商標)ガラス板を、アルカリ洗浄剤「エキストランMA01」の20%水溶液に12時間浸漬した。浸漬後、このガラス板を水道水で10分間流して洗浄剤を除去し、さらに蒸留水で3回洗浄した。その後、110℃のクリーンオーブン中に1時間保つことによって水分を除去した。
関東化学社製のポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)「#500」を攪拌下の蒸留水に溶解し、2%のPVA水溶液を得た。さらにこの溶液を親水性の孔径0.45μmのメンブランフィルターを用いてろ過した。
前述洗浄済のパイレックスガラス板に、該PVA水溶液をスピンコートし、(500回転/分で5秒に続き、2500回転/分で25秒)、110℃のクリーンオーブン中で1時間乾燥させ、PVA膜を作製した。該PVA膜表面を、レイヨン製のラビング布で、回転速度1400回転/分の条件でラビング処理し、水平配向膜付きの基板を作製した。
【0103】
(光学異方体の作製)
液晶配向促進剤を含む液晶組成物の調製に従い調製した試料を、マイクロピペッターを用いて50μL測り取り、前記配向膜付き基板上に滴下した。溶媒が蒸発する前に素早く、#20のバーコーターで塗布した。塗布方向はラビング方向と一致させた。このときの溶液の滴下及び塗布温度は25℃とした。
塗布後、25℃で15分間、空気下で静置して溶媒を蒸発させ、配向した液晶相を得た。配向は、互いに直交した偏光板の間に挟み、偏光顕微鏡で確認した。更に、窒素雰囲気下で5分保った後、窒素雰囲気下で紫外線照射(紫外線強度:1kW/m、照射時間:20秒)することで、光学異方体を得た。光学異方体の膜厚は約10μmであった。
【0104】
(製膜評価)
製膜評価は、配向欠陥、塗布性、及び接着性の3項目について行った。
1.配向欠陥
配向欠陥は、目視による白濁の有無、及び、互いに直交した偏光板の間に挟み、偏光顕微鏡でディスクリネーションラインを観察することによって行った。目視にてほぼ透明であり、且つディスクリネーションラインが観察されなかったものは◎、目視にてほぼ透明であり、且つ、ディスクリネーションラインが少し観察されるが各ドメインが大きいものは○、目視にてやや白濁が見られ、且つ、ディスクリネーションラインが比較的多く観察され、各ドメインの面積が比較的小さいものは△、目視にて白濁が観察され、且つ数多くのディスクリネーションラインが観察され配向性が良いとは言えないものは×、目視にて白濁が観察され、且つマルチドメインが観察されるものには××を記した。
【0105】
2.塗布性
塗布性は、試料塗布後の基板に対する溶液のはじきを目視にて観察した。
長時間にわたりはじきが観察されなかった試料は○、溶媒が蒸発した後にはじきが見られたものは×、ワイヤーバーで塗布できなかったものには×を記した。
【0106】
3.接着性
接着性は、当該光学異方体上に、同じ試料からなる光学異方体をもう1層作製し、その上にメンディングテープを貼り、メンディングテープを剥がす際に、後から作った上層の光学異方体が先に作った下層の光学異方体から剥がれる具合から判断した。10回試して一度も剥がれなかったものは◎、1回剥がれたものは○、2〜4回剥がれたものは△、5回以上剥がれたものは×、光学異方層を積層できなかったものには××を記した。評価結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
(表1)液晶組成物Xを元にした試料の配合と製膜評価結果
Figure 2005002164
液晶配向促進剤以外の配合(質量部)
液晶組成物X 100部、イルガキュア907 2部、THF 88部
【0108】
【表2】
(表2)液晶組成物Xを元にした試料の配合と製膜評価結果
Figure 2005002164
液晶配向促進剤以外の配合(質量部)
液晶組成物X 100部、イルガキュア907 2部、THF 88部
【0109】
この結果、本発明の液晶配向促進剤を添加したものは、添加しないものに比べ、配向が改善され、接着性も良好であった。フッ素系液晶配向促進剤M1を添加した比較例は、塗布性に劣り、はじきがみられ(従って、配向欠陥の評価は、はじかなかった箇所(部分的と称する)について行っている)、接着性もよくなかった。
【0110】
【発明の効果】
本発明の液晶配向促進剤は、液晶組成物中で、空気との界面に偏在する。式(1)で表される化合物の親水性を示す置換基Pは、液晶との親和性が低いために、置換基Pを有する飽和炭化水素基Aが液晶表面に浮いてくる。一方、メソゲン基Bは液晶と相溶するので液晶相中に進入し、液晶分子を配向させる。従って、該化合物は、液晶と空気との界面付近で界面にほぼ垂直に整列し、界面付近に存在する液晶分子をほぼ垂直に配向させることができる。
また、親水性基は接着性に優れるので、該液晶配向促進剤を使用することで、他の部材との接着性に特に優れる光学異方体が得られる。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で表される液晶配向促進剤。
    Figure 2005002164
    Figure 2005002164
    (式中、Aは、置換基として少なくとも1つ以上の置換基Pを有する、炭素原子数1〜30の飽和炭化水素基(但し、これらの基中に存在し、置換基Pを有さない1個以上の
    Figure 2005002164
    Figure 2005002164
    に置換されていてもよい。但し、相互のO、N、S、又はPは直接に結合しないものとする。)を表わす。置換基Pは、
    Figure 2005002164
    を表す。Rは、エーテル結合、エステル結合、又はアミド結合を含んでいてもよい、炭素原子数1〜12のアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表す。Bは、少なくとも二つの環状構造を含むメソゲン基を表し、nは、各々独立して1〜12の整数を表す。nが2以上のとき、複数存在するBはそれぞれ同じでも異なっていても良い。)
  2. 前記Bで表されるメソゲン基が、一般式(2)で表されるメソゲン基である、請求項1に記載の液晶配向促進剤。
    Figure 2005002164
    Figure 2005002164
    (式中、Sは、単結合、−C2p−、−(C2p−O)−(C 2p −O)−、又は−(C2p−O)−C 2p −を表わし、p及びp’は各々独立して1〜20の整数を表し、aは1〜10の整数を、bは0〜10の整数を表す。
    及びBは各々独立して、
    Figure 2005002164
    からなる群から選ばれる環構造を表わす。(但し、該環構造は、置換基としてフッ素基又は炭素原子数1〜3のアルキル基を有していても良い)
    は、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CO−O−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−N=N−、−CF=CF−、−(CH−、−CHCHCHO−、−OCHCHCH−、−CH=CH−CHCH−、−CHCH−CH=CH−、−CH=CH−CO−O−及び−OCO−CH=CH−からなる群から選ばれる連結基を表わす。
    tは1〜4の整数を表わし、Sは水素原子、シアノ基、フッ素基、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭素原子数1〜12のアルコキシ基を表す。)
  3. 前記一般式(1)で表される液晶配向促進剤、及び液晶化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 前記液晶化合物が重合性基を有する請求項3に記載の液晶組成物。
  5. 前記重合性基が(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、又はエポキシ基である請求項4に記載の液晶組成物。
  6. 前記一般式(1)で表される液晶配向促進剤、及び重合性基を有する液晶化合物を含有する液晶組成物を、配向機能を有する基板上に塗布し、配向させた状態で重合させて得られることを特徴とする光学異方体。
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