JP2005002149A - アルミン酸塩蛍光体とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップを抑えつつ、良好な耐酸化性を有するアルミン酸塩蛍光体と、その製造方法を提供する。
【解決手段】組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とする。
但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
或いは、アルミン酸塩蛍光体の製造方法として、Ba、Sr、Caの中から選ばれた1種以上をJとするとき、J、Eu、Mg、Alを同順に(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10)のモル比で混合して原料を作成する混合ステップと、混合ステップの後に、前記原料を焼成する焼成ステップとを経る。
【選択図】 図3
【解決手段】組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とする。
但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
或いは、アルミン酸塩蛍光体の製造方法として、Ba、Sr、Caの中から選ばれた1種以上をJとするとき、J、Eu、Mg、Alを同順に(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10)のモル比で混合して原料を作成する混合ステップと、混合ステップの後に、前記原料を焼成する焼成ステップとを経る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミン酸塩蛍光体とその製造方法に関し、詳しくは製造工程中のベーキングによるアルミン酸塩蛍光体の発光効率の低下や発光色の変化を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PDPや三波長蛍光ランプ等に使用される省エネルギー性の蛍光体として、アルミン酸塩蛍光体が実用化されている。具体的には以下の組成が挙げられる(例えば非特許文献1を参照)。
青色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、SrMgAl10O17:Eu、BaMgAl10O17:Eu
緑色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、CeMgAl10O17:EuまたはBaMgAl10O17:Eu
このような青色蛍光体及び緑色蛍光体が、既存の赤色蛍光体と組み合わせて用いられ、白色発光がなされている。また最近では、真空紫外線励起時の優れた発光特性から、アルミン酸塩蛍光体BaMgAl10O17:Euがプラズマディスプレイパネル(PDP)や無水銀蛍光ランプに積極的に使用されている。これらのデバイスでは、蛍光体にバインダーを混合しスラリー化してガラス等の基体に塗布し、その後ベーキングを行って蛍光膜からなる発光スクリーンを形成する。このときのベーキング温度は、蛍光体膜を強固にするため、バインダーを熱分解除去するのに十分高い温度(例えば約640℃)でなければならない。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−115683号公報
【0004】
【特許文献2】特開平8−31325号公報
【0005】
【特許文献3】特開2001−35372号公報
【0006】
【特許文献4】特開2001−55567号公報
【0007】
【非特許文献1】Phosphor Handbook,p392,p833,CRC Press LLC
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温で上記アルミン酸塩蛍光体を含む材料をベーキングすると、加熱により酸化が進み、大幅な輝度低下が起こるという問題がある。したがって、アルミン酸塩蛍光体の耐酸化性を向上させることが望まれる。特に、三波長域発光形コンパクト蛍光ランプの製造工程では蛍光体スラリーの加熱工程が通常の蛍光ランプの製造工程よりも多いため、アルミン酸塩蛍光体の耐酸化性が一層要求される。またPDPではその品質が蛍光体の発光特性に大きく依存するが、蛍光体焼成工程や封着工程等における高温によって蛍光体が酸化されることがあり、ここにおいてもアルミン酸塩蛍光体の耐酸化性が強く望まれている。
【0009】
これに対して特開2001−55567号公報には、アルミン酸塩蛍光体を窒素雰囲気でアニールする方法が提案されているが、この技術では一定の熱酸化抑制効果は期待できるものの、焼成工程が増えるためにコストアップの問題があると考えられ、未だ改善の余地がある。
本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであって、その目的は、コストアップを抑えつつ、良好な耐酸化性を有するアルミン酸塩蛍光体と、その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とした。
但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
【0011】
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体では、その組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体が紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮される。アルミン酸塩蛍光体中に含まれるMgの割合が上記範囲で多くなるように設定すると、当該アルミン酸塩蛍光体の熱酸化が抑制されることは、本願発明者らの鋭意検討によって初めて見出されたものである。このMgの割合を多くすることは、Mg自体が比較的安価なため、コストアップの要因にはなりにくい。
【0012】
このような本発明のアルミン酸塩蛍光体を画像表示装置(例えばプラズマディスプレイパネル)やランプ(例えば三波長蛍光ランプ)に用いれば、従来に比べて良好な表示特性または発光特性が発揮されることなる。
また本発明は、アルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、Ba、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)をJとするとき、J、Eu、Mg、Alを同順に(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10)のモル比で混合して原料を作成する混合ステップと、混合ステップの後に、前記原料を焼成する焼成ステップとを経ることもできる。
【0013】
さらに本発明は、複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記複数の原料を、Mgを含む材料からなる容器中で混合することもできる。
また本発明は、複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記複数の原料に、MgおよびAlを含んでなる玉石を混合し、当該玉石により前記複数の原料を粉砕しながら混合することもできる。
【0014】
さらに本発明は、混合した複数の原料を焼成する焼成ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記焼成ステップにおいて、前記混合した複数の原料を、Mgを含んで材料からなる焼成器に入れて焼成することもできる。
このような製造方法によれば、Mgリッチな環境でアルミン酸塩蛍光体を焼成して得るため、当該蛍光体が熱酸化されるのが良好に抑制されるという効果が奏される。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.実施の形態1
図1は実施の形態1に係る交流面放電型プラズマディスプレイパネル10(以下単に「PDP10」という)の主要構成を示す部分的な断面斜視図である。図中、z方向がPDP10の厚み方向、xy平面がPDP10のパネル面に平行な平面に相当する。PDP10は一例として42インチクラスのVGA仕様に合わせたサイズ設定になっているが、本発明は勿論この他のサイズに適用させてもよい。
【0016】
図1に示すように、PDP10の構成は互いに主面を対向させて配設されたフロントパネル20およびバックパネル26に大別される。
フロントパネル20の基板となるフロントパネルガラス21には、その片面に厚さ0.1μm、幅150μmの帯状の透明電極220(230)と、これに厚さ7μm、幅95μmのバスライン221(231)が重ねられてなる表示電極22(23)(X電極23、Y電極22)が、y方向を長手方向としてx方向に複数対並設されている。各対の表示電極22、23は、それぞれフロントパネルガラス21の幅方向(Y方向)端部付近でパネル駆動回路(不図示)と電気的に接続される。このとき、Y電極22は一括してパネル駆動回路に接続され、X電極23はそれぞれ独立してパネル駆動回路に接続される。前記パネル駆動回路からY電極22と特定のX電極23に給電すると、当該表示電極22、23の間隙(約80μm)で面放電(維持放電)が行われる。
【0017】
さらに、X電極23はスキャン電極としても作動し、アドレス電極28と書き込み放電(アドレス放電)をなすようになっている。
複数対の表示電極22、23を配設したフロントパネルガラス21の表面には、前記複数対の表示電極22、23を覆うように厚さ約30μmの誘電体層24がコートされている。さらに、この誘電体層24の上に厚さ約1.0μmの保護層25が積層されている。
【0018】
バックパネル26の基板となるバックパネルガラス27には、その片面に厚さ5μm、幅60μmの複数のアドレス電極28が、x方向を長手方向としてy方向に複数並設されている。隣合う2つのアドレス電極28の並設ピッチは一定間隔(約150μm)である。複数のアドレス電極28は、それぞれ独立して前記パネル駆動回路に接続され、個別に給電されるようになっており、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23との間でアドレス放電がなされるようになっている。
【0019】
複数のアドレス電極28を並設したバックパネルガラス27の表面には、前記複数のアドレス電極28を覆うように厚さ30μmの誘電体膜29がコートされている。さらに誘電体膜29上には、隣接するアドレス電極28のピッチに合わせて高さ約150μm、幅約40μmの隔壁30が、x方向を長手方向として配設されている。
隣り合う2つの隔壁30の側面とその間の誘電体膜29の面上には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜33が形成されている。これらのRGB各蛍光体層31〜33はy方向に繰り返し配列される。
【0020】
フロントパネル20とバックパネル26は、アドレス電極28と表示電極22、23が直交するように互いに対向させられ、両パネル20、26の外周縁部で接着される。これにより、当該両パネル20、26の間が封止されている。この両パネル20、26間には、He、Xe、Neから選ばれた元素の希ガス成分からなる放電ガスが所定の圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)で封入されている。隣接する2つの隔壁30の間に対応する空間が、放電空間38となる。また、一対の表示電極22、23と1本のアドレス電極28が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかるセルに対応する。なお一例として、x方向のセルピッチは約1080μm、y方向のセルピッチは約360μmに設定されている。
【0021】
このような構成のPDP10の駆動時には、まず前記パネル駆動回路によって、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23にパルス電圧を印加し、アドレス放電させる。そして当該アドレス放電後に、一対の表示電極22、23間にパルスを印加し、維持放電させることによって、短波長の紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)を発生させる。この紫外線照射により蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体が可視光発光し、画像表示がなされる。
【0022】
ここにおいて本実施の形態1では、前記蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体として、赤色蛍光体、緑色蛍光体には一般的な組成からなる蛍光体を利用しているが、青色・緑色蛍光体には以下の組成のアルミン酸塩蛍光体を用いている。
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体を用いたPDP10では、前記アルミン酸塩蛍光体の組成中に含まれるMgの割合が従来より多く設定されているため(具体的には1〜10%程度)、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中、およびPDP10製造工程中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体がPDP10駆動時に紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮されることとなり、優れたPDP10の表示性能が実現される。アルミン酸塩蛍光体の組成を上記のように設定すると、当該アルミン酸塩蛍光体合成時における熱酸化が抑制されることは、本願発明者らの鋭意検討によって初めて見出されたものである。なお、本発明および従来のアルミン酸塩蛍光体との差異については、後述の実施例と比較例において詳細に説明する。
【0023】
本発明の蛍光体の組成は、例えばICP発光分光分析法により測定して確認することができる。
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体は、PDP10の蛍光体層に限らず、紫外線を照射することにより可視光発光を行い画像表示する画像表示装置(例えばネオン表示管)に適用するようにしてもよい。
【0024】
2.実施の形態2(三波長蛍光ランプ)
本発明では、アルミン酸塩蛍光体を他の組成からなる蛍光体とともに利用することによって、紫外線を照射して可視光発光するランプに適用するようにしてもよい。
図2は、本実施の形態2の直管形40W三波長蛍光ランプ40(以下、蛍光ランプ40という)の構成例を示す図である。当図に示されるように、蛍光ランプ40は、容器が管径32mmのガラス管41を有し、ガラス管41両端には電子放出物質の充填されたタングステンフィラメントコイル(WFL)を備えた電極部46a、46bが配置され、口金部42a、42bによって内部が気密封止されている。ガラス管41内部には、波長253.7nmの放射物質である水銀が約8mgと、緩衝ガスであるアルゴンが約300Paでそれぞれ封入されている。また発光管1の内面4には、いわゆる保護膜としてアルミナ微粒子からなる膜厚0.1〜0.5μmの酸化アルミニウム膜44が形成され、次いでこの酸化アルミニウム膜44の表面に赤色・青色・緑色各色蛍光体を含んでなる蛍光体膜45が形成されている。
【0025】
ここで本実施の形態2の蛍光ランプ40では、前記蛍光体膜45において、赤色蛍光体および緑色蛍光体には一般的な組成からなる蛍光体を利用しているが、実施の形態1と同様に、青色蛍光体には以下の組成のアルミン酸塩蛍光体を用いている。
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体を用いた蛍光ランプ40では、前記アルミン酸塩蛍光体の組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体が蛍光ランプ40駆動時に紫外線照射を受けると、実施の形態1のPDP10と同様に、従来に比べて良好な発光特性が発揮されることとなり、優れた表示性能を持つ蛍光ランプ40が実現される。
【0026】
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体は、直管形蛍光ランプ40に限らず、電球形形蛍光ランプ、コンパクト蛍光ランプなど、紫外線を照射することにより可視光発光する各種ランプに適用してもよい。
3.本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法例
ここでは本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法の一例を説明する。
【0027】
アルミニウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム等の、焼成によりアルミナになるアルミニウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)のアルミナ(結晶形はαアルミナでも中間アルミナでもよい)を用いることもできる。
【0028】
バリウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、ハロゲン化バリウム、シュウ酸バリウム等の、焼成により酸化バリウムになるバリウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化バリウムを用いることもできる。
カルシウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、ハロゲン化カルシウム、シュウ酸カルシウム等の、焼成により酸化カルシウムになるカルシウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化カルシウムを用いることもできる。
【0029】
ストロンチウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、ハロゲン化ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム等の、焼成により酸化ストロンチウムになるストロンチウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化ストロンチウムを用いることもできる。
【0030】
マグネシウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、シュウ酸マグネシウム等の、焼成により酸化マグネシウムになるマグネシウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化マグネシウムを用いることもできる。
【0031】
ユーロピウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化ユーロピウム、炭酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、ハロゲン化ユーロピウム、シュウ酸ユーロピウム等の、焼成により酸化ユーロピウムになるユーロピウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化ユーロピウムを用いることもできる。
【0032】
原料の混合には、工業的に通常用いられるV型混合機、撹拌機等を用いることができ、また、粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミル等も用いることができる。
従来、ボールミルで使用される玉石においては、アルミナやジルコニアが使用されている。ここで、アルミン酸塩蛍光体原料を混合する場合は、ジルコニアの玉石を使用する際には、玉石からジルコニア成分が混入するおそれがある。ジルコニア成分はアルミン酸塩蛍光体の性能に悪影響を及ぼすため、これを防ぐために、アルミン酸塩蛍光体原料を混合する場合は、一般的にアルミン酸塩蛍光体で用いられる原料の一部であるアルミナの玉石を使用している。
【0033】
次に蛍光体を合成するための焼成工程を行う。この蛍光体合成時の焼成工程では、蛍光体原料の混合粉を焼成器(焼成ボートや焼成鉢等)に入れる。焼成工程に使用する焼成器は、1400℃程度に達する高い耐熱性が求められるため、一般的にAl2O3を含む材料で構成されているが、このAl2O3の化学的性質による作用を受けて、焼成器中の蛍光体原料に含まれるMgが拡散し易くなり、アルミン酸塩蛍光体の組成が変化して性能劣化を生じることが考えられる。具体的には、前記拡散によって焼成器表面付近に蛍光体原料中のMg等の組成が移動し、焼成器表面に沿って、まず少量のMgリッチなアルミン酸塩蛍光体被膜が合成される。この現象と相対的に、焼成器内の大部分の蛍光体原料中ではMgが不足してしまうので、組成中に占めるMgの割合が少ないアルミン酸塩蛍光体が生じ、熱酸化による発光特性の劣化を発生することになる。
【0034】
本発明では、このようなMg不足による熱酸化の発生に着眼し、焼成前に予め焼成器をMgを含ませた材料から構成してMgリッチにしておき、焼成工程中に蛍光体原料中からMgが濃度勾配によって焼成器表面に移動しないようにする方法を採用することができる。ここで言う「Mgリッチ」の濃度とは、作製するアルミン酸塩蛍光体と同程度またはそれ以上の組成比が適当である。例えばBaMgAl10O17:Euを作製する場合、これと同程度の組成比あるAl:Mg=10:1よりもMgの組成比を高くすることが望ましい。
【0035】
焼成器にMgを含ませる方法としては、Mgをスパッタや蒸着により焼成器表面に被膜させる方法を取ることができる。また本焼成に先立ち、予めMgを含む蛍光体材料を焼成して焼成器表面に薄くMgリッチな蛍光体膜を形成しておき、前段階のMgリッチな材料からなる焼成器を形成しておく。そして、その後目的の蛍光体材料で本焼成を行うようにしておいてもよい。また、Mgの混合比が10%程度多くても、耐熱酸化性には関係をほとんど持たないことから、例えばMgAl2O4といった前記組成比よりもMgの組成比が多い材料を焼成器に用いてもよい。
【0036】
このような本発明のMgリッチな焼成器を用いれば、上記実施例のMgリッチな組成のアルミン酸塩蛍光体に限らず、従来と同様の蛍光体材料を用いても、Mg不足による熱酸化を回避して、良好な維持率を有するアルミン酸塩蛍光体を得ることができる。これは前記焼成器に限らず、アルミン酸塩蛍光体原料と接触する各種材料、例えば前記原料を混合するために用いる玉石中にMgを含ませ、Mgリッチな玉石を用いる構成としてもよい。
【0037】
具体的な焼成工程としては、900℃から1600℃の温度範囲で1時間〜50時間焼成する条件が通常用いられる。焼成雰囲気は空気、窒素、アルゴンまたはそれらの混合物を用いることができるが、0.1〜10体積%の水素を含有させた還元性雰囲気を用いることが望ましい。焼成に用いる焼成炉は工業的に通常用いられるプッシャー炉等の連続式またはバッチ式の電気炉、ガス炉の何れかを用いることができる。ここで本発明によれば、酸化雰囲気下の400℃から700℃でバインダーを除去するベーキングによっても、熱酸化を低減させることができ、良好な発光色のアルミン酸塩蛍光体が得られる。
【0038】
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体原料として、組成に水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩等、焼成により酸化物になりうるものを使用する場合、本焼成の前に、600℃〜800℃の温度範囲にて仮焼成することも可能である。このときの焼成雰囲気としては、Euを2価とするために、弱還元雰囲気が好ましい。また大気雰囲気下で焼成した後、弱還元雰囲気で再度焼成することもできる。また反応を促進するために、フラックスを添加することもできる。蛍光体の結晶性を高めるために、必要に応じて再焼成を行うこともできる。弱還元性雰囲気としては、水素を2体積%含有させた窒素等を挙げることができる。
【0039】
アルミン酸塩蛍光体の組成は、前述の実施の形態1および2で挙げた本発明特有のもの(以下Aの組成)とするほか、以下のBの組成で作製する製造方法を取ることによって、従来組成のままの各蛍光体原料を利用しても、本発明の良好な性能のアルミン酸塩蛍光体を得ることができる。ここでは前述の新しい組成か、従来組成で性能の高いアルミン酸塩蛍光体のいずれかを作製することが可能である。Aの場合、必ずしもMgリッチな材料からなる焼成器は用いなくてもよい。
【0040】
A.本発明の組成のアルミン酸塩蛍光体
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
B.従来の組成のアルミン酸塩蛍光体(組成はこれ以外に知られている組成としてもよい)
青色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、SrMgAl10O17:Eu、BaMgAl10O17:Eu
上記AおよびBの蛍光体を製造する場合、まず第一に、蛍光体の原料混合比を(J+Eu):Mg:Al=c:1:d(ただしJはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)、(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10))とした原料の混合を行い、原料混合粉を製造する。
【0041】
次に前記焼成工程の条件で前記原料混合粉を焼成することにより、AおよびBの蛍光体が製造される。
従来と同様の蛍光体材料の混合比率で本発明のアルミン酸塩蛍光体を作製するときは、蛍光体材料中に含まれるMgの量が低減するのを防止するため、以下のMgリッチな焼成器を用いることが必要である。
【0042】
以上の方法で本発明のアルミン酸塩蛍光体の粉末が得られるが、当該蛍光体粉末を、さらにボールミル・ジェットミル等を用いて細かく粉砕したり、必要に応じて洗浄あるいは分級することもできる。
4.実施例と性能評価実験
ここでは本発明および従来のアルミン酸塩蛍光体の性能比較実験を行う。
【0043】
実施例としては比較例1と同様に従来と同じ蛍光体材料を用いる。ただし、実施例のアルミン酸塩蛍光体はMgリッチ(10%多い)な環境、比較例1は通常の環境でそれぞれ作製する。一方、比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、通常よりもMgが乏しい(10%少ない)環境で作製する。これにより、Mg成分が蛍光体に及ぼす影響について調べる。
【0044】
*実施例(Mg+10%)
本実施例の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 1.1mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で蛍光体原料を混合したのち、本発明の特徴として、前記蛍光体原料をMgリッチな焼成器に入れて焼成を行った。この焼成では最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2とした。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。
【0045】
Ba0.9MgAl10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。)
*比較例1(比較例=従来組成)
本比較例1の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 1.0mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で原料を混合したのち、Mgリッチではない通常の焼成器で焼成(最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2)した。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。これにより、
Ba0.9MgAl10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。
【0046】
*比較例2(Mg−10%)
本比較例2の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 0.9mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で原料を混合したのち、実施例と同様に焼成(最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2)した。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。これにより、
Ba0.9Mg0.9Al10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。
【0047】
4−1.X線解析測定
上記作製した実施例および比較例1、2のアルミン酸塩蛍光体について、X線回折測定を行い、結晶構造を確認した。実験条件は以下の通りである。
X線源;CuKα
管球電圧;40kV
管球電流;30mA
走査速度;2度 2θ/min、
散乱スリット(SS);1度
発散スリット(DS);1度
受光スリット(RS);0.3mm
上記実験条件でX線解析測定を行った結果を図3に示す。図3(a)が比較例1、図3(b)が実施例、図3(c)が比較例2のデータをそれぞれ表している。
【0048】
当図3で示されるように、実施例のアルミン酸塩蛍光体が示すピークは、比較例1のアルミン酸塩蛍光体が示すピークと非常に類似している。このことから実施例のアルミン酸塩蛍光体は、従来(比較例1)のアルミン酸塩蛍光体とほぼ同様の結晶構造を有していることが確認できる。なお比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、組成中のMgがかなり少ない理由から、比較例1および実施例1の各アルミン酸塩蛍光体の示すピーク波形とは異なっており、当該比較例2のアルミン酸塩蛍光体が別の結晶構造になっていることが推定される。これにより、比較例2のアルミン酸塩蛍光体が比較例1および実施例1の各アルミン酸塩蛍光体とは異なる(おそらく低い)蛍光特性を有していることが考えられる。
【0049】
4−2.発光輝度測定
次に、上記作製した実施例および比較例1、2のアルミン酸塩蛍光体について、発光輝度測定を行った。当該測定に先立ち、まず各蛍光体をベーキング処理した。具体的には、各アルミン酸塩蛍光体を酸化雰囲気(大気)中に700℃で20分間保持することによりベーキング処理を行った。
【0050】
このようなベーキング処理を行った各アルミン酸塩蛍光体に対し、Xe紫外線光源を用いて波長147nmの真空紫外線を照射し、発光輝度(Y)および発光色を測定した。ここではベーキング処理前後の発光効率の変化を調べるため、ベーキング前(Y)とベーキング後(y)の発光効率の比(維持率)を求めた。
ここで、ベーキング前のアルミン酸塩蛍光体の輝度と色度をY1、y1とし、ベーキング後のアルミン酸塩蛍光体の輝度と色度をY2、y2として、ベーキング処理前後のアルミン酸塩蛍光体のY/yの維持率を以下の数1式に従って計算した。
【0051】
【数1】
【0052】
数1式を用いれば、維持率(%)=100のときはベーキング前後の発光強度が変わらず、この値が低いほど発光強度がベーキング処理によって低下したことが表される。
実施例および比較例1、2について上記数1で求めた発光効率の比(維持率)を図4に示す。
【0053】
当図に示すように、実施例は比較例1および2に比べて、ベーキング処理後における維持率が最も高い。具体的には、量論組成比通りに作製した比較例1と実施例とを比較すると、本実施例の維持率が優っているのがわかる。さらにMgが10%少ない組成で作製した比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、熱酸化によって著しく劣化しているのがわかる。
【0054】
このように、比較例(従来)のアルミン酸塩蛍光体で熱酸化が起きる原因は、詳細には次のように考えることができる。
すなわち、従来では蛍光体を目的組成の量論比通りに製造するため、各元素を混合した後にその混合比を確認し、より前記量論比の組成に近づけるための追加調整が行われることがある。また蛍光体原料の分布を均一に混合するために、原料の粒子サイズを揃え、長時間にわたる混合時間が必要であるとされている。
【0055】
蛍光体製造時の原料混合工程において混合が不十分であった場合、BaやMg原料などの存在比率が不均一な部分が存在してしまう。このため、Mgが少ない混合比では不均一な合成反応が生じて、部分的に熱酸化し易い蛍光体が合成されるという問題が生じる。このような蛍光体は発光輝度の維持率が低くなる。
一方、実施例では、Mgが豊富な環境でアルミン酸塩蛍光体が作製されているので、比較例1、2のような熱酸化の影響を受けにくい結果となっている。このことから本発明では、高温の焼成工程を経ても熱酸化が抑制され、比較的発光輝度の維持率が高く保たれるという効果が発揮されるのがわかる。
【0056】
5.本発明の蛍光体組成について
ここで、本発明のアルミン酸塩蛍光体の組成の詳細について説明する。
ここでは本発明のアルミン酸塩蛍光体に用いる各蛍光体材料のモル量を変化させて、複数のアルミン酸塩蛍光体サンプル1〜13を作製した。図5は、このアルミン酸塩蛍光体サンプル1〜13のデータを比較した図である。
【0057】
BaMgAl10O17:Euの組成を持つアルミン酸塩蛍光体における主な構成元素は、Ba、Mg、Alである。当図に示すデータは、この3種の元素の増減によって最も熱酸化が変化するものを検討した実験結果である。
サンプル1は比較例であり、サンプル2〜4はMgを増やした場合である。Mgを10%程度増やした場合では、ベーキング処理を行ってもそれほど比較例1と変わらない性能を示すが、Mgを20%以上添加すると、ベーキング処理後はかなりY/y値が低下してしまう。このことからサンプル2のように、Mg添加量が10%以下なら熱酸化に対してそれほど影響しないことが分かる。
【0058】
一方、サンプル5はMgを10%減らした場合である。このときY/yは大きく劣化してしまい、Mgを減らすことに対して熱酸化は非常に影響を受け、促進されることが分かる。
さらに、サンプル6〜9はAl量を変更した場合のものである。サンプル6ではAlを10%増やしているが、サンプル1に比べて大きく劣化している。これはAlが増えると相対的にMgとBaが減ることに起因しており、それゆえY/yが劣化するようになる。逆に、サンプル7ではMgとBaが増えることになるので、サンプル1とほとんど変わらない性能を呈している。しかし、サンプル8のように、Alを20%まで減らしてしまうと、相対的におおよそMgが20%も増えるようになるので、組成比が崩れ、Y/yを低下させることにつながっている。
【0059】
サンプル10から13もAlと同様であるが、Baの増減は全体的にY/yを減らすことが分かる。
以上のように、サンプル1〜13について行った考察から、組成中のMgが増えた場合(Alを減らした場合)は熱酸化に変化がなく、減らした場合は非常にY/yが低下することがわかり、Mgが増やせる限界は10%程度、広めに考えれば20%程度までが適当であると思われる。
【0060】
6.その他の事項
上記各実施の形態では、青色・緑色蛍光体にそれぞれ本発明のアルミン酸塩蛍光体を用いる例を示したが、本発明はこれに限定せず、いずれか一色のみを本発明のアルミン酸塩蛍光体で構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明は、組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とした。但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
【0062】
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体では、その組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体がPDP10駆動時に紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のPDPの構成を示す図である。
【図2】実施の形態の蛍光ランプの構成を示す図である。
【図3】蛍光体の結晶構造を示すX線回折チャートである。
【図4】蛍光体のベーキング前後のY/y相対値の維持率を示す図である。
【図5】複数のアルミン酸塩蛍光体についてのデータである。
【符号の説明】
10 交流面放電型プラズマディスプレイパネル
20 フロントパネル
21 フロントパネルガラス
22、23 表示電極
24 誘電体層
26 バックパネル
28 アドレス電極
38 放電空間
40 直管形蛍光ランプ
41 発光管
42a、42b 口金部
45 蛍光体膜
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミン酸塩蛍光体とその製造方法に関し、詳しくは製造工程中のベーキングによるアルミン酸塩蛍光体の発光効率の低下や発光色の変化を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PDPや三波長蛍光ランプ等に使用される省エネルギー性の蛍光体として、アルミン酸塩蛍光体が実用化されている。具体的には以下の組成が挙げられる(例えば非特許文献1を参照)。
青色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、SrMgAl10O17:Eu、BaMgAl10O17:Eu
緑色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、CeMgAl10O17:EuまたはBaMgAl10O17:Eu
このような青色蛍光体及び緑色蛍光体が、既存の赤色蛍光体と組み合わせて用いられ、白色発光がなされている。また最近では、真空紫外線励起時の優れた発光特性から、アルミン酸塩蛍光体BaMgAl10O17:Euがプラズマディスプレイパネル(PDP)や無水銀蛍光ランプに積極的に使用されている。これらのデバイスでは、蛍光体にバインダーを混合しスラリー化してガラス等の基体に塗布し、その後ベーキングを行って蛍光膜からなる発光スクリーンを形成する。このときのベーキング温度は、蛍光体膜を強固にするため、バインダーを熱分解除去するのに十分高い温度(例えば約640℃)でなければならない。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−115683号公報
【0004】
【特許文献2】特開平8−31325号公報
【0005】
【特許文献3】特開2001−35372号公報
【0006】
【特許文献4】特開2001−55567号公報
【0007】
【非特許文献1】Phosphor Handbook,p392,p833,CRC Press LLC
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温で上記アルミン酸塩蛍光体を含む材料をベーキングすると、加熱により酸化が進み、大幅な輝度低下が起こるという問題がある。したがって、アルミン酸塩蛍光体の耐酸化性を向上させることが望まれる。特に、三波長域発光形コンパクト蛍光ランプの製造工程では蛍光体スラリーの加熱工程が通常の蛍光ランプの製造工程よりも多いため、アルミン酸塩蛍光体の耐酸化性が一層要求される。またPDPではその品質が蛍光体の発光特性に大きく依存するが、蛍光体焼成工程や封着工程等における高温によって蛍光体が酸化されることがあり、ここにおいてもアルミン酸塩蛍光体の耐酸化性が強く望まれている。
【0009】
これに対して特開2001−55567号公報には、アルミン酸塩蛍光体を窒素雰囲気でアニールする方法が提案されているが、この技術では一定の熱酸化抑制効果は期待できるものの、焼成工程が増えるためにコストアップの問題があると考えられ、未だ改善の余地がある。
本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであって、その目的は、コストアップを抑えつつ、良好な耐酸化性を有するアルミン酸塩蛍光体と、その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とした。
但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
【0011】
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体では、その組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体が紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮される。アルミン酸塩蛍光体中に含まれるMgの割合が上記範囲で多くなるように設定すると、当該アルミン酸塩蛍光体の熱酸化が抑制されることは、本願発明者らの鋭意検討によって初めて見出されたものである。このMgの割合を多くすることは、Mg自体が比較的安価なため、コストアップの要因にはなりにくい。
【0012】
このような本発明のアルミン酸塩蛍光体を画像表示装置(例えばプラズマディスプレイパネル)やランプ(例えば三波長蛍光ランプ)に用いれば、従来に比べて良好な表示特性または発光特性が発揮されることなる。
また本発明は、アルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、Ba、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)をJとするとき、J、Eu、Mg、Alを同順に(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10)のモル比で混合して原料を作成する混合ステップと、混合ステップの後に、前記原料を焼成する焼成ステップとを経ることもできる。
【0013】
さらに本発明は、複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記複数の原料を、Mgを含む材料からなる容器中で混合することもできる。
また本発明は、複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記複数の原料に、MgおよびAlを含んでなる玉石を混合し、当該玉石により前記複数の原料を粉砕しながら混合することもできる。
【0014】
さらに本発明は、混合した複数の原料を焼成する焼成ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、前記焼成ステップにおいて、前記混合した複数の原料を、Mgを含んで材料からなる焼成器に入れて焼成することもできる。
このような製造方法によれば、Mgリッチな環境でアルミン酸塩蛍光体を焼成して得るため、当該蛍光体が熱酸化されるのが良好に抑制されるという効果が奏される。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.実施の形態1
図1は実施の形態1に係る交流面放電型プラズマディスプレイパネル10(以下単に「PDP10」という)の主要構成を示す部分的な断面斜視図である。図中、z方向がPDP10の厚み方向、xy平面がPDP10のパネル面に平行な平面に相当する。PDP10は一例として42インチクラスのVGA仕様に合わせたサイズ設定になっているが、本発明は勿論この他のサイズに適用させてもよい。
【0016】
図1に示すように、PDP10の構成は互いに主面を対向させて配設されたフロントパネル20およびバックパネル26に大別される。
フロントパネル20の基板となるフロントパネルガラス21には、その片面に厚さ0.1μm、幅150μmの帯状の透明電極220(230)と、これに厚さ7μm、幅95μmのバスライン221(231)が重ねられてなる表示電極22(23)(X電極23、Y電極22)が、y方向を長手方向としてx方向に複数対並設されている。各対の表示電極22、23は、それぞれフロントパネルガラス21の幅方向(Y方向)端部付近でパネル駆動回路(不図示)と電気的に接続される。このとき、Y電極22は一括してパネル駆動回路に接続され、X電極23はそれぞれ独立してパネル駆動回路に接続される。前記パネル駆動回路からY電極22と特定のX電極23に給電すると、当該表示電極22、23の間隙(約80μm)で面放電(維持放電)が行われる。
【0017】
さらに、X電極23はスキャン電極としても作動し、アドレス電極28と書き込み放電(アドレス放電)をなすようになっている。
複数対の表示電極22、23を配設したフロントパネルガラス21の表面には、前記複数対の表示電極22、23を覆うように厚さ約30μmの誘電体層24がコートされている。さらに、この誘電体層24の上に厚さ約1.0μmの保護層25が積層されている。
【0018】
バックパネル26の基板となるバックパネルガラス27には、その片面に厚さ5μm、幅60μmの複数のアドレス電極28が、x方向を長手方向としてy方向に複数並設されている。隣合う2つのアドレス電極28の並設ピッチは一定間隔(約150μm)である。複数のアドレス電極28は、それぞれ独立して前記パネル駆動回路に接続され、個別に給電されるようになっており、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23との間でアドレス放電がなされるようになっている。
【0019】
複数のアドレス電極28を並設したバックパネルガラス27の表面には、前記複数のアドレス電極28を覆うように厚さ30μmの誘電体膜29がコートされている。さらに誘電体膜29上には、隣接するアドレス電極28のピッチに合わせて高さ約150μm、幅約40μmの隔壁30が、x方向を長手方向として配設されている。
隣り合う2つの隔壁30の側面とその間の誘電体膜29の面上には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜33が形成されている。これらのRGB各蛍光体層31〜33はy方向に繰り返し配列される。
【0020】
フロントパネル20とバックパネル26は、アドレス電極28と表示電極22、23が直交するように互いに対向させられ、両パネル20、26の外周縁部で接着される。これにより、当該両パネル20、26の間が封止されている。この両パネル20、26間には、He、Xe、Neから選ばれた元素の希ガス成分からなる放電ガスが所定の圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)で封入されている。隣接する2つの隔壁30の間に対応する空間が、放電空間38となる。また、一対の表示電極22、23と1本のアドレス電極28が放電空間38を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかるセルに対応する。なお一例として、x方向のセルピッチは約1080μm、y方向のセルピッチは約360μmに設定されている。
【0021】
このような構成のPDP10の駆動時には、まず前記パネル駆動回路によって、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23にパルス電圧を印加し、アドレス放電させる。そして当該アドレス放電後に、一対の表示電極22、23間にパルスを印加し、維持放電させることによって、短波長の紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)を発生させる。この紫外線照射により蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体が可視光発光し、画像表示がなされる。
【0022】
ここにおいて本実施の形態1では、前記蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体として、赤色蛍光体、緑色蛍光体には一般的な組成からなる蛍光体を利用しているが、青色・緑色蛍光体には以下の組成のアルミン酸塩蛍光体を用いている。
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体を用いたPDP10では、前記アルミン酸塩蛍光体の組成中に含まれるMgの割合が従来より多く設定されているため(具体的には1〜10%程度)、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中、およびPDP10製造工程中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体がPDP10駆動時に紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮されることとなり、優れたPDP10の表示性能が実現される。アルミン酸塩蛍光体の組成を上記のように設定すると、当該アルミン酸塩蛍光体合成時における熱酸化が抑制されることは、本願発明者らの鋭意検討によって初めて見出されたものである。なお、本発明および従来のアルミン酸塩蛍光体との差異については、後述の実施例と比較例において詳細に説明する。
【0023】
本発明の蛍光体の組成は、例えばICP発光分光分析法により測定して確認することができる。
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体は、PDP10の蛍光体層に限らず、紫外線を照射することにより可視光発光を行い画像表示する画像表示装置(例えばネオン表示管)に適用するようにしてもよい。
【0024】
2.実施の形態2(三波長蛍光ランプ)
本発明では、アルミン酸塩蛍光体を他の組成からなる蛍光体とともに利用することによって、紫外線を照射して可視光発光するランプに適用するようにしてもよい。
図2は、本実施の形態2の直管形40W三波長蛍光ランプ40(以下、蛍光ランプ40という)の構成例を示す図である。当図に示されるように、蛍光ランプ40は、容器が管径32mmのガラス管41を有し、ガラス管41両端には電子放出物質の充填されたタングステンフィラメントコイル(WFL)を備えた電極部46a、46bが配置され、口金部42a、42bによって内部が気密封止されている。ガラス管41内部には、波長253.7nmの放射物質である水銀が約8mgと、緩衝ガスであるアルゴンが約300Paでそれぞれ封入されている。また発光管1の内面4には、いわゆる保護膜としてアルミナ微粒子からなる膜厚0.1〜0.5μmの酸化アルミニウム膜44が形成され、次いでこの酸化アルミニウム膜44の表面に赤色・青色・緑色各色蛍光体を含んでなる蛍光体膜45が形成されている。
【0025】
ここで本実施の形態2の蛍光ランプ40では、前記蛍光体膜45において、赤色蛍光体および緑色蛍光体には一般的な組成からなる蛍光体を利用しているが、実施の形態1と同様に、青色蛍光体には以下の組成のアルミン酸塩蛍光体を用いている。
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体を用いた蛍光ランプ40では、前記アルミン酸塩蛍光体の組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体が蛍光ランプ40駆動時に紫外線照射を受けると、実施の形態1のPDP10と同様に、従来に比べて良好な発光特性が発揮されることとなり、優れた表示性能を持つ蛍光ランプ40が実現される。
【0026】
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体は、直管形蛍光ランプ40に限らず、電球形形蛍光ランプ、コンパクト蛍光ランプなど、紫外線を照射することにより可視光発光する各種ランプに適用してもよい。
3.本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法例
ここでは本発明のアルミン酸塩蛍光体の製造方法の一例を説明する。
【0027】
アルミニウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム等の、焼成によりアルミナになるアルミニウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)のアルミナ(結晶形はαアルミナでも中間アルミナでもよい)を用いることもできる。
【0028】
バリウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、ハロゲン化バリウム、シュウ酸バリウム等の、焼成により酸化バリウムになるバリウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化バリウムを用いることもできる。
カルシウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、ハロゲン化カルシウム、シュウ酸カルシウム等の、焼成により酸化カルシウムになるカルシウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化カルシウムを用いることもできる。
【0029】
ストロンチウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、ハロゲン化ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム等の、焼成により酸化ストロンチウムになるストロンチウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化ストロンチウムを用いることもできる。
【0030】
マグネシウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、シュウ酸マグネシウム等の、焼成により酸化マグネシウムになるマグネシウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化マグネシウムを用いることもできる。
【0031】
ユーロピウム源となる材料として、高純度(純度99%以上)の水酸化ユーロピウム、炭酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、ハロゲン化ユーロピウム、シュウ酸ユーロピウム等の、焼成により酸化ユーロピウムになるユーロピウム化合物を用いることができる。また、直接高純度(純度99%以上)の酸化ユーロピウムを用いることもできる。
【0032】
原料の混合には、工業的に通常用いられるV型混合機、撹拌機等を用いることができ、また、粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミル等も用いることができる。
従来、ボールミルで使用される玉石においては、アルミナやジルコニアが使用されている。ここで、アルミン酸塩蛍光体原料を混合する場合は、ジルコニアの玉石を使用する際には、玉石からジルコニア成分が混入するおそれがある。ジルコニア成分はアルミン酸塩蛍光体の性能に悪影響を及ぼすため、これを防ぐために、アルミン酸塩蛍光体原料を混合する場合は、一般的にアルミン酸塩蛍光体で用いられる原料の一部であるアルミナの玉石を使用している。
【0033】
次に蛍光体を合成するための焼成工程を行う。この蛍光体合成時の焼成工程では、蛍光体原料の混合粉を焼成器(焼成ボートや焼成鉢等)に入れる。焼成工程に使用する焼成器は、1400℃程度に達する高い耐熱性が求められるため、一般的にAl2O3を含む材料で構成されているが、このAl2O3の化学的性質による作用を受けて、焼成器中の蛍光体原料に含まれるMgが拡散し易くなり、アルミン酸塩蛍光体の組成が変化して性能劣化を生じることが考えられる。具体的には、前記拡散によって焼成器表面付近に蛍光体原料中のMg等の組成が移動し、焼成器表面に沿って、まず少量のMgリッチなアルミン酸塩蛍光体被膜が合成される。この現象と相対的に、焼成器内の大部分の蛍光体原料中ではMgが不足してしまうので、組成中に占めるMgの割合が少ないアルミン酸塩蛍光体が生じ、熱酸化による発光特性の劣化を発生することになる。
【0034】
本発明では、このようなMg不足による熱酸化の発生に着眼し、焼成前に予め焼成器をMgを含ませた材料から構成してMgリッチにしておき、焼成工程中に蛍光体原料中からMgが濃度勾配によって焼成器表面に移動しないようにする方法を採用することができる。ここで言う「Mgリッチ」の濃度とは、作製するアルミン酸塩蛍光体と同程度またはそれ以上の組成比が適当である。例えばBaMgAl10O17:Euを作製する場合、これと同程度の組成比あるAl:Mg=10:1よりもMgの組成比を高くすることが望ましい。
【0035】
焼成器にMgを含ませる方法としては、Mgをスパッタや蒸着により焼成器表面に被膜させる方法を取ることができる。また本焼成に先立ち、予めMgを含む蛍光体材料を焼成して焼成器表面に薄くMgリッチな蛍光体膜を形成しておき、前段階のMgリッチな材料からなる焼成器を形成しておく。そして、その後目的の蛍光体材料で本焼成を行うようにしておいてもよい。また、Mgの混合比が10%程度多くても、耐熱酸化性には関係をほとんど持たないことから、例えばMgAl2O4といった前記組成比よりもMgの組成比が多い材料を焼成器に用いてもよい。
【0036】
このような本発明のMgリッチな焼成器を用いれば、上記実施例のMgリッチな組成のアルミン酸塩蛍光体に限らず、従来と同様の蛍光体材料を用いても、Mg不足による熱酸化を回避して、良好な維持率を有するアルミン酸塩蛍光体を得ることができる。これは前記焼成器に限らず、アルミン酸塩蛍光体原料と接触する各種材料、例えば前記原料を混合するために用いる玉石中にMgを含ませ、Mgリッチな玉石を用いる構成としてもよい。
【0037】
具体的な焼成工程としては、900℃から1600℃の温度範囲で1時間〜50時間焼成する条件が通常用いられる。焼成雰囲気は空気、窒素、アルゴンまたはそれらの混合物を用いることができるが、0.1〜10体積%の水素を含有させた還元性雰囲気を用いることが望ましい。焼成に用いる焼成炉は工業的に通常用いられるプッシャー炉等の連続式またはバッチ式の電気炉、ガス炉の何れかを用いることができる。ここで本発明によれば、酸化雰囲気下の400℃から700℃でバインダーを除去するベーキングによっても、熱酸化を低減させることができ、良好な発光色のアルミン酸塩蛍光体が得られる。
【0038】
なお、本発明のアルミン酸塩蛍光体原料として、組成に水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩等、焼成により酸化物になりうるものを使用する場合、本焼成の前に、600℃〜800℃の温度範囲にて仮焼成することも可能である。このときの焼成雰囲気としては、Euを2価とするために、弱還元雰囲気が好ましい。また大気雰囲気下で焼成した後、弱還元雰囲気で再度焼成することもできる。また反応を促進するために、フラックスを添加することもできる。蛍光体の結晶性を高めるために、必要に応じて再焼成を行うこともできる。弱還元性雰囲気としては、水素を2体積%含有させた窒素等を挙げることができる。
【0039】
アルミン酸塩蛍光体の組成は、前述の実施の形態1および2で挙げた本発明特有のもの(以下Aの組成)とするほか、以下のBの組成で作製する製造方法を取ることによって、従来組成のままの各蛍光体原料を利用しても、本発明の良好な性能のアルミン酸塩蛍光体を得ることができる。ここでは前述の新しい組成か、従来組成で性能の高いアルミン酸塩蛍光体のいずれかを作製することが可能である。Aの場合、必ずしもMgリッチな材料からなる焼成器は用いなくてもよい。
【0040】
A.本発明の組成のアルミン酸塩蛍光体
青色蛍光体;MiMgAlkOI:Eum (但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である)
B.従来の組成のアルミン酸塩蛍光体(組成はこれ以外に知られている組成としてもよい)
青色蛍光体;BaMg2Al16O27:Eu、SrMgAl10O17:Eu、BaMgAl10O17:Eu
上記AおよびBの蛍光体を製造する場合、まず第一に、蛍光体の原料混合比を(J+Eu):Mg:Al=c:1:d(ただしJはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上(例えばBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれか)、(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10))とした原料の混合を行い、原料混合粉を製造する。
【0041】
次に前記焼成工程の条件で前記原料混合粉を焼成することにより、AおよびBの蛍光体が製造される。
従来と同様の蛍光体材料の混合比率で本発明のアルミン酸塩蛍光体を作製するときは、蛍光体材料中に含まれるMgの量が低減するのを防止するため、以下のMgリッチな焼成器を用いることが必要である。
【0042】
以上の方法で本発明のアルミン酸塩蛍光体の粉末が得られるが、当該蛍光体粉末を、さらにボールミル・ジェットミル等を用いて細かく粉砕したり、必要に応じて洗浄あるいは分級することもできる。
4.実施例と性能評価実験
ここでは本発明および従来のアルミン酸塩蛍光体の性能比較実験を行う。
【0043】
実施例としては比較例1と同様に従来と同じ蛍光体材料を用いる。ただし、実施例のアルミン酸塩蛍光体はMgリッチ(10%多い)な環境、比較例1は通常の環境でそれぞれ作製する。一方、比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、通常よりもMgが乏しい(10%少ない)環境で作製する。これにより、Mg成分が蛍光体に及ぼす影響について調べる。
【0044】
*実施例(Mg+10%)
本実施例の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 1.1mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で蛍光体原料を混合したのち、本発明の特徴として、前記蛍光体原料をMgリッチな焼成器に入れて焼成を行った。この焼成では最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2とした。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。
【0045】
Ba0.9MgAl10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。)
*比較例1(比較例=従来組成)
本比較例1の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 1.0mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で原料を混合したのち、Mgリッチではない通常の焼成器で焼成(最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2)した。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。これにより、
Ba0.9MgAl10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。
【0046】
*比較例2(Mg−10%)
本比較例2の蛍光体材料の混合比率は以下の通りとした。
BaCO3 0.9mol
MgO 0.9mol
Al2O3 5.0mol
Eu2O3 0.05mol
AlF3 0.01mol
上記各組成で原料を混合したのち、実施例と同様に焼成(最高温度1400℃で2時間、雰囲気;10体積%H2/N2)した。その後粉砕・分級・乾燥の各工程を経た。これにより、
Ba0.9Mg0.9Al10O17:Eu0.1
なる組成式で表される2価のEu付活アルミン酸塩蛍光体を得た。
【0047】
4−1.X線解析測定
上記作製した実施例および比較例1、2のアルミン酸塩蛍光体について、X線回折測定を行い、結晶構造を確認した。実験条件は以下の通りである。
X線源;CuKα
管球電圧;40kV
管球電流;30mA
走査速度;2度 2θ/min、
散乱スリット(SS);1度
発散スリット(DS);1度
受光スリット(RS);0.3mm
上記実験条件でX線解析測定を行った結果を図3に示す。図3(a)が比較例1、図3(b)が実施例、図3(c)が比較例2のデータをそれぞれ表している。
【0048】
当図3で示されるように、実施例のアルミン酸塩蛍光体が示すピークは、比較例1のアルミン酸塩蛍光体が示すピークと非常に類似している。このことから実施例のアルミン酸塩蛍光体は、従来(比較例1)のアルミン酸塩蛍光体とほぼ同様の結晶構造を有していることが確認できる。なお比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、組成中のMgがかなり少ない理由から、比較例1および実施例1の各アルミン酸塩蛍光体の示すピーク波形とは異なっており、当該比較例2のアルミン酸塩蛍光体が別の結晶構造になっていることが推定される。これにより、比較例2のアルミン酸塩蛍光体が比較例1および実施例1の各アルミン酸塩蛍光体とは異なる(おそらく低い)蛍光特性を有していることが考えられる。
【0049】
4−2.発光輝度測定
次に、上記作製した実施例および比較例1、2のアルミン酸塩蛍光体について、発光輝度測定を行った。当該測定に先立ち、まず各蛍光体をベーキング処理した。具体的には、各アルミン酸塩蛍光体を酸化雰囲気(大気)中に700℃で20分間保持することによりベーキング処理を行った。
【0050】
このようなベーキング処理を行った各アルミン酸塩蛍光体に対し、Xe紫外線光源を用いて波長147nmの真空紫外線を照射し、発光輝度(Y)および発光色を測定した。ここではベーキング処理前後の発光効率の変化を調べるため、ベーキング前(Y)とベーキング後(y)の発光効率の比(維持率)を求めた。
ここで、ベーキング前のアルミン酸塩蛍光体の輝度と色度をY1、y1とし、ベーキング後のアルミン酸塩蛍光体の輝度と色度をY2、y2として、ベーキング処理前後のアルミン酸塩蛍光体のY/yの維持率を以下の数1式に従って計算した。
【0051】
【数1】
【0052】
数1式を用いれば、維持率(%)=100のときはベーキング前後の発光強度が変わらず、この値が低いほど発光強度がベーキング処理によって低下したことが表される。
実施例および比較例1、2について上記数1で求めた発光効率の比(維持率)を図4に示す。
【0053】
当図に示すように、実施例は比較例1および2に比べて、ベーキング処理後における維持率が最も高い。具体的には、量論組成比通りに作製した比較例1と実施例とを比較すると、本実施例の維持率が優っているのがわかる。さらにMgが10%少ない組成で作製した比較例2のアルミン酸塩蛍光体は、熱酸化によって著しく劣化しているのがわかる。
【0054】
このように、比較例(従来)のアルミン酸塩蛍光体で熱酸化が起きる原因は、詳細には次のように考えることができる。
すなわち、従来では蛍光体を目的組成の量論比通りに製造するため、各元素を混合した後にその混合比を確認し、より前記量論比の組成に近づけるための追加調整が行われることがある。また蛍光体原料の分布を均一に混合するために、原料の粒子サイズを揃え、長時間にわたる混合時間が必要であるとされている。
【0055】
蛍光体製造時の原料混合工程において混合が不十分であった場合、BaやMg原料などの存在比率が不均一な部分が存在してしまう。このため、Mgが少ない混合比では不均一な合成反応が生じて、部分的に熱酸化し易い蛍光体が合成されるという問題が生じる。このような蛍光体は発光輝度の維持率が低くなる。
一方、実施例では、Mgが豊富な環境でアルミン酸塩蛍光体が作製されているので、比較例1、2のような熱酸化の影響を受けにくい結果となっている。このことから本発明では、高温の焼成工程を経ても熱酸化が抑制され、比較的発光輝度の維持率が高く保たれるという効果が発揮されるのがわかる。
【0056】
5.本発明の蛍光体組成について
ここで、本発明のアルミン酸塩蛍光体の組成の詳細について説明する。
ここでは本発明のアルミン酸塩蛍光体に用いる各蛍光体材料のモル量を変化させて、複数のアルミン酸塩蛍光体サンプル1〜13を作製した。図5は、このアルミン酸塩蛍光体サンプル1〜13のデータを比較した図である。
【0057】
BaMgAl10O17:Euの組成を持つアルミン酸塩蛍光体における主な構成元素は、Ba、Mg、Alである。当図に示すデータは、この3種の元素の増減によって最も熱酸化が変化するものを検討した実験結果である。
サンプル1は比較例であり、サンプル2〜4はMgを増やした場合である。Mgを10%程度増やした場合では、ベーキング処理を行ってもそれほど比較例1と変わらない性能を示すが、Mgを20%以上添加すると、ベーキング処理後はかなりY/y値が低下してしまう。このことからサンプル2のように、Mg添加量が10%以下なら熱酸化に対してそれほど影響しないことが分かる。
【0058】
一方、サンプル5はMgを10%減らした場合である。このときY/yは大きく劣化してしまい、Mgを減らすことに対して熱酸化は非常に影響を受け、促進されることが分かる。
さらに、サンプル6〜9はAl量を変更した場合のものである。サンプル6ではAlを10%増やしているが、サンプル1に比べて大きく劣化している。これはAlが増えると相対的にMgとBaが減ることに起因しており、それゆえY/yが劣化するようになる。逆に、サンプル7ではMgとBaが増えることになるので、サンプル1とほとんど変わらない性能を呈している。しかし、サンプル8のように、Alを20%まで減らしてしまうと、相対的におおよそMgが20%も増えるようになるので、組成比が崩れ、Y/yを低下させることにつながっている。
【0059】
サンプル10から13もAlと同様であるが、Baの増減は全体的にY/yを減らすことが分かる。
以上のように、サンプル1〜13について行った考察から、組成中のMgが増えた場合(Alを減らした場合)は熱酸化に変化がなく、減らした場合は非常にY/yが低下することがわかり、Mgが増やせる限界は10%程度、広めに考えれば20%程度までが適当であると思われる。
【0060】
6.その他の事項
上記各実施の形態では、青色・緑色蛍光体にそれぞれ本発明のアルミン酸塩蛍光体を用いる例を示したが、本発明はこれに限定せず、いずれか一色のみを本発明のアルミン酸塩蛍光体で構成してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明は、組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体とした。但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)とする。
【0062】
このような組成からなる各アルミン酸塩蛍光体では、その組成中に含まれるMgの割合が多く設定されているため、従来問題であった当該アルミン酸塩蛍光体製造中の熱酸化による変化が低減されている。その結果、これらのアルミン酸塩蛍光体がPDP10駆動時に紫外線照射を受けると、従来に比べて良好な発光特性が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のPDPの構成を示す図である。
【図2】実施の形態の蛍光ランプの構成を示す図である。
【図3】蛍光体の結晶構造を示すX線回折チャートである。
【図4】蛍光体のベーキング前後のY/y相対値の維持率を示す図である。
【図5】複数のアルミン酸塩蛍光体についてのデータである。
【符号の説明】
10 交流面放電型プラズマディスプレイパネル
20 フロントパネル
21 フロントパネルガラス
22、23 表示電極
24 誘電体層
26 バックパネル
28 アドレス電極
38 放電空間
40 直管形蛍光ランプ
41 発光管
42a、42b 口金部
45 蛍光体膜
Claims (11)
- 組成がMiMgAlkOI:Eumであることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体。
但し、MはBa、Sr、Caの中から選ばれた1種以上であり、0.8≦i+m<1、8≦k<10、13.8≦I<17、I=(3k+2i+2m+2)である。 - 前記MはBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のアルミン酸塩蛍光体。
- 請求項1または2に記載のアルミン酸塩蛍光体を用いて画像表示することを特徴とする画像表示装置。
- 前記画像表示装置はプラズマディスプレイパネルであることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 請求項1または2に記載のアルミン酸塩蛍光体を用いて可視光発光を得ることを特徴とする蛍光ランプ。
- 前記蛍光ランプは三波長蛍光ランプであることを特徴とする請求項5に記載の蛍光ランプ。
- アルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、
Ba、Sr、Caの中から選ばれた1種以上をJとするとき、
J、Eu、Mg、Alを同順に(J+Eu):Mg:Al:=c:1:d (但し0.8≦c<1、8≦d<10)のモル比で混合して原料を作成する混合ステップと、
混合ステップの後に、前記原料を焼成する焼成ステップとを経ることを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 - 前記JはBa、Ba+Sr、Ba+Caのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
- 複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、
前記混合ステップにおいて、前記複数の原料を、Mgを含む材料からなる容器中で混合することを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 - 複数の原料を混合する混合ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、
前記混合ステップにおいて、前記複数の原料に、MgおよびAlを含む材料からなる玉石を混合し、当該玉石により前記複数の原料を粉砕しながら混合することを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 - 混合した複数の原料を焼成する焼成ステップを経るアルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、
前記焼成ステップにおいて、前記混合した複数の原料を、Mgを含む材料からなる焼成器に入れて焼成することを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
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JP2003164202A JP2005002149A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | アルミン酸塩蛍光体とその製造方法 |
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WO2008062889A1 (fr) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Oxyde metallique complexe, luminophore, pate luminophore et dispositif electroluminescent |
JP2009102502A (ja) * | 2007-10-23 | 2009-05-14 | Hitachi Displays Ltd | 蛍光ランプ及びそれを用いた液晶表示装置 |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003164202A patent/JP2005002149A/ja active Pending
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