JPWO2006109694A1 - 発光デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスであって、前記蛍光体層が、青色蛍光体として、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含み、前記アルミン酸塩蛍光体を、空間群P63/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をLa(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL1(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL2(Å)とした場合に、s=−11622+2043.07La+199.24L1−116.91L2で表される線形結合関数sの値が1以下となる発光デバイスである。

Description

本発明は、アルミン酸塩蛍光体を青色蛍光体として蛍光体層中に含む発光デバイスに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)等の発光デバイスの青色蛍光体として、BaMgAl1017:Eu、(Ba、Sr)MgAl1017:Euなどの、いわゆるBAM:Euと呼ばれる、ユーロピウムで付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体(以下、単に「アルミン酸塩蛍光体」と呼ぶ場合がある)が注目されている。他の青色蛍光体よりも、真空紫外線励起時の可視光発光特性が優れているためである。
PDP等の蛍光体層は、蛍光体とバインダーとを混合してスラリーを調製し、このスラリーをガラスなどの基体表面に塗布した後、これをベーキングすることにより作製されている。
ところで、アルミン酸塩蛍光体を用いた場合には、その使用状況によって、波長変換効率が大幅に経時劣化してしまう場合がある。その対策として、特開昭61−254689号公報では、蛍光体原料に5モル%以下のガドリニウム(Gd)を添加する方法が提案されている。また、特開2000−34478号公報では、蛍光体粒子の表面をアルカリ土類金属などの2価金属ケイ酸塩で被覆する方法が提案されている。さらに、特開平10−330746号公報では、蛍光体粒子の表面をアンチモン(Sb)の酸化物で被覆する方法も提案されている。また、特開2002−180043号公報では、原料とAlFなどの融剤とを混合し、この混合原料を空気中1000℃で1時間焼成したあと、N−H混合ガス雰囲気中1550℃で3時間焼成することにより、蛍光体の結晶の格子定数Lを2.2625nm以上2.2640nm以下(22.625Å以上22.640Å以下)の範囲に調整する方法が提案されている。
しかし、特開昭61−254689号公報、特開2000−34478号公報に記載の方法では、製造時に発生しうる熱劣化に対しては一定の抑制効果が得られるものの、エージングや画像表示時における真空紫外線照射に伴って生じる特性劣化を十分に抑制することができない。
また、特開平10−330746号公報に記載の方法を用いても、Sbの酸化膜で蛍光体を均一に被覆すること自体が難しく、また色度変化と輝度維持率が相反関係を示すという問題がある。
また、特開2002−180043号公報に記載の技術を用いても、例えば空気中で500℃、15分間加熱した場合に5%以上も輝度が低下してしまうため、依然として、使用条件に応じて特性が劣化してしまうという問題を解決することができない。
さらに、上記アルミン酸塩蛍光体を蛍光体層中に含むPDPでは、焼き付き現象と呼ばれる問題が発生する。なお、この焼き付き現象とは、アルミン酸塩蛍光体が、蛍光体層中に含まれるその他の緑色蛍光体や赤色蛍光体に比べて輝度維持率が低下しやすいことに起因するものであって、長期の画像表示に伴って初期の色バランスが変化し、あたかも画面が焼き付いたように特定の色残像が、すなわち青色配合を損なった画像が表示されたままになることをいう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスにおいて、アルミン酸塩蛍光体を使用しつつも輝度維持率および色度維持率に優れる発光デバイスを提供することを目的とする。さらには、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生を防止して、表示性能に優れたプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
本発明の発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスであって、前記蛍光体層が、青色蛍光体として、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含み、前記アルミン酸塩蛍光体を、空間群P6/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をL(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL(Å)とした場合に、
s=−11622+2043.07L+199.24L−116.91L
で表される線形結合関数sの値が1以下となる。
ただし、前記Al(2)は4fサイトで分極座標zが0.17近傍にあるアルミニウムであり、前記O(5)は12kサイトで前記Al(2)に最近接する酸素であり、前記Al(1)は4fサイトで分極座標zが0.02近傍にあるアルミニウムであり、前記O(4)は12kサイトで前記Al(1)に最近接する酸素である。
当該発光デバイスは、アルミン酸塩蛍光体を使用しつつも輝度維持率および色度維持率に優れる。
当該発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた種々の発光機器であり、その好適な例としては、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、蛍光パネルなどが挙げられる。
本発明の発光デバイスがプラズマディスプレイである場合の具体的な態様としては、前面板を備え、前記前面板と対向配置された背面板を備え、前記前面板と前記背面板の間隔を規定する隔壁を備え、前記背面板または前面板の上に配設された一対の電極を備え、少なくとも前記電極間に存在し、前記電極間に電圧を印加することにより真空紫外線を発生するキセノンを含有する放電ガスを備え、前記真空紫外線により可視光を発する蛍光体層を備える構成を有し、前記蛍光体層のうちの青色蛍光体層が、前記の青色蛍光体を含む蛍光体層であるプラズマディスプレイ装置である。当該プラズマディスプレイパネルは、製造時における青色蛍光体の熱劣化が抑制されるとともに、エージングや画像表示に伴う青色蛍光体の劣化が防止されたものである。さらに、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生が抑制されており、表示性能に優れる。
本発明のPDPの一例を示す斜視断面図である。 X線波長とshiftnパラメータt、tの関係を示すグラフである。 アルミン酸塩蛍光体の還元焼成時の雰囲気温度の調整スキームを示すグラフである。 アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と輝度維持率との関係を示すグラフである。
本発明の発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えており、この蛍光体層は、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含んでいる。
なお、上記構成元素は、アルミン酸塩蛍光体の結晶中に含まれるものであればよく、結晶格子であってもよいし、格子間に入り込んでいるものであってもよい。
さらに、このアルミン酸塩蛍光体を、空間群P6/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をL(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL(Å)とした場合に、
s=−11622+2043.07L+199.24L−116.91L
で表される線形結合関数sの値が1以下となる。
ただし、前記Al(2)は4fサイトで分極座標zが0.17近傍にあるアルミニウムであり、前記O(5)は12kサイトで前記Al(2)に最近接する酸素であり、前記Al(1)は4fサイトで分極座標zが0.02近傍にあるアルミニウムであり、前記O(4)は12kサイトで前記Al(1)に最近接する酸素であるとする。
従来、PDP等の画像表示に伴うアルミン酸塩蛍光体の経時劣化耐性は、格子定数Lとの相関が高い、すなわちLが小さいほど画像表示に伴う経時劣化耐性が高くなると考えられていた(例えば、特開2002−180043号公報参照)。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、実際には、アルミン酸塩蛍光体の画像表示に伴う経時劣化耐性は、Lと強い相関があるとは言えない。その理由としては、第1に、Srのイオン半径がBaのそれよりも小さいことを利用してBaサイトの一部をSrで置換すると、Lの値を小さくすることができるが、この場合、画像表示に伴う経時劣化耐性がほとんど向上しないことが挙げられる。第2に、Euのイオン半径がBaのそれよりも小さいことを利用して、Eu付活量を増やすと、Lの値を小さくできるものの、画像表示に伴う経時劣化耐性は特定のEu付活量で最適値を取り、それ以上に付活量を増やしても劣化耐性は向上しないことが挙げられる。
本発明者らは、画像表示に伴うアルミン酸塩蛍光体の経時劣化と高い相関を示すものが上記線形結合関数sであることを見出すとともに、その値を1以下に制御することでアルミン酸塩蛍光体の経時劣化を防止できることを見出した。なお、当該関数中のL、L、Lは、公知の粉末X線回折とリートベルト(Rietveld)解析により導出することができる。本実施形態では、アルミン酸塩蛍光体の結晶構造が、インターナショナルテーブルズ・フォア・エックスレイ・クリスタログラフィー・ボリュームA(International Tables for X−ray Crystallography Volume A)に記載の空間群P6/mmc(空間群No.194)に属するとして、それぞれを計算するものとする。
このようなアルミン酸塩蛍光体をPDP等の蛍光体層に用いることにより、長時間駆動しても良好な発色を維持し得る、すなわち、的確な色バランスを長期間維持して焼き付き現象の発生を抑制できる、優れた表示性能を発揮するPDP等を実現することができる。
また、青色蛍光体層の輝度が劣化しにくくなるため、従来とは異なり、長時間駆動に際して、白表示の色温度を保つことを目的として青色以外の蛍光体層(赤色、緑色)の輝度を意図的に下げる必要がない。それゆえ、各色の蛍光体層の輝度と白表示の色温度との双方を高めることができる。
本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、実質的に、BaSrEuMgAl17で表されるアルミン酸塩蛍光体とすることができる。なお、『実質的に』とは、上記元素以外の元素の含有量が0.01原子%以下であることを意味する。なお、酸素量を正確に求めることは現在の技術では困難である。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、BaSrEuMgAl17のみからなるアルミン酸塩蛍光体とすることができる。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、実質的に、BaSrEuMgAl17に、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が添加されたアルミン酸塩蛍光体とし、前記BaSrEuMgAl171モルに対する前記少なくとも1種類の元素の合計を0.30モル以下(好ましくは0.001モル以上)とすることができる。この構成であると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが容易となる。なお、『実質的に』とは、上記元素以外の元素の含有量が0.01原子%以下であることを意味する。なお、酸素量を正確に求めることは現在の技術では困難である。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、BaSrEuMgAl17に、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が添加されたアルミン酸塩蛍光体のみからなるものとし、前記BaSrEuMgAl171モルに対する前記少なくとも1種類の元素の合計を0.30モル以下(好ましくは0.001モル以上)とすることができる。
NbおよびWは、上記線形結合関数sの値の制御に有効な添加元素である。Wは、還元焼成時に還元効果を高める効果を示す。Wの添加量が小さい場合には、上記線形結合関数sの値を減少させる効果が小さくなる。この場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、還元温度を高くし、さらに、その後の大気導入温度も高くするとよい。別の添加元素であるNbは、大気焼成時の結晶性を高める効果がある。Nbの添加量が小さい場合には、上記線形結合関数sの値を減少させる効果が小さくなる。この場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、大気焼成温度を高くするとよい。添加元素NbおよびWの前記BaSrEuMgAl171モルに対する添加量について、NbおよびWが併用される場合には合計量として、下限は、0.001モル程度である。また、添加元素の添加量が多いと、輝度が低下する傾向にあるため、上限は0.3モル程度である。添加元素の添加量の好ましい範囲は、0.01〜0.20モルであり、より好ましい範囲は0.01〜0.03モルであり、最も好ましい範囲は0.015〜0.025モルである。
また、前記Lを5.6235Å以上5.6255Å以下の範囲で、前記Lを1.753Å以上1.760Å以下の範囲で、前記Lを1.865Å以上1.880Å以下の範囲で調整すると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが比較的容易となる。
<アルミン酸塩蛍光体の作製>
本発明に用いられるアルミン酸塩蛍光体の合成には、焼結促進剤(フラックス)を用いて酸化物、硝酸塩または炭酸化物原料を焼結させる固相反応法、有機金属塩または硝酸塩原料を水溶液中で加水分解したり、アルカリなどを加えて沈殿させたりする共沈法で蛍光体の前駆体を作製した後、当該前駆体を熱処理する液相合成法、加熱された炉中に原料が入った水溶液を噴霧する液体噴霧法など公知の製造方法を用いることができるが、上記線形結合関数sの値が1以下となるようなL、LおよびLを有するものを選別する必要がある。
前記アルミン酸塩蛍光体の合成方法について、各構成元素源から固相反応法を用いて合成する場合を例として説明する。
アルミニウム源としては、高純度(純度99.99%以上、以下同様)の水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ハロゲン化アルミニウムなどの、焼成によってアルミナになるアルミニウム化合物を用いてもよいし、高純度のアルミナを用いてもよい。アルミナの結晶形はαアルミナであっても中間アルミナであってもよい。
バリウム源としては、高純度の水酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、ハロゲン化バリウム、シュウ酸バリウムなどの、焼成により酸化バリウムになるバリウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化バリウムを用いてもよい。
ストロンチウム源としては、高純度の水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、ハロゲン化ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウムなどの、焼成により酸化ストロンチウムになるストロンチウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化ストロンチウムを用いてもよい。
マグネシウム源としては、高純度の水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなどの、焼成により酸化マグネシウムになるマグネシウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化マグネシウムを用いてもよい。
ユーロピウム源としては、高純度の水酸化ユーロピウム、炭酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、ハロゲン化ユーロピウム、シュウ酸ユーロピウムなどの、焼成により酸化ユーロピウムになるユーロピウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化ユーロピウムを用いてもよい。
フラックスとしては、例えばAlFなどの公知のものを用いることができる。
例えば、組成がBa0.8Sr0.1Eu0.1MgAl1017であるアルミン酸塩蛍光体を合成する場合には、各構成元素源を次のように調合すればよい。
BaCO 0.80モル
SrCO 0.10モル
Eu 0.05モル
MgCO 1.00モル
Al 5.00モル
AlF 0.01モル
上記の各構成元素源を、公知のV型混合機、撹拌機、または粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミルなどを用いて混合し、蛍光体材料の混合粉を作製する。この混合粉を、例えば1200〜1500℃の大気中で約2時間焼成した後、これを粉砕する。なお、過剰に粉砕されたものは、ふるい分けにより除去する。続いて、約1500℃の還元性雰囲気(水素分圧が5%の窒素)中で約2時間焼成した後、雰囲気温度が850℃〜1050℃にまで降温した時点で、雰囲気を上記還元性雰囲気から同温の酸化性雰囲気(酸素分圧0.5%以上、好ましくは約20%)に入れ替える。常温になるまで放置した後、再び粉砕とふるい分けを行うことにより、アルミン酸塩蛍光体を作製できる。なお、蛍光体の欠陥を一層低減させるため、蛍光体が再焼結しない温度、例えば1000℃以下の酸化性雰囲気(酸素分圧が5%の窒素)中でさらにアニールしてもよい。
ここで、作製したアルミン酸塩蛍光体から、所定のL、L、およびL値を有するもの、すなわち上記線形結合関数sの値が1以下となるものを選別する必要があるが、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が、合計で0.30モル以下添加されたアルミン酸塩蛍光体とすると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが容易となり、選別する手間を減らすことができるため好ましい。上記少なくとも1種類の元素の添加は、原料の混合時に行ってもよいし、還元性雰囲気中での焼成前に行ってもよい。また、単体を添加してもよいし、酸化物を添加してもよい。また、添加量は0.001モル以上が好ましい。なお、0.30モルを超えて添加すると、蛍光体の輝度が低下してしまう場合があるため、添加量を上記範囲とするのが好ましい。なお、Wの添加量が小さい場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、還元温度を高くし、さらに、その後の大気導入温度も高くするとよい。Nbの添加量が小さい場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、大気焼成温度を高くするとよい。
液相合成法によりアルミン酸塩蛍光体を作製する場合には、蛍光体を構成する元素を含有する有機金属化合物(例えば有機金属塩)、例えば金属アルコキシド、アセチルアセトン金属または硝酸塩を水に溶解した後、加水分解して共沈物(水和物)を作製し、それをオートクレーブ中で結晶化、すなわち水熱合成したり、大気中で焼成したり、高温炉中に噴霧したりして粉体を得る。その後は、上記固相反応法による場合と同様にして、還元性雰囲気中での焼成などを経ることにより作製することができる。
別の作製方法としては、同様にして蛍光体材料の混合粉を還元性雰囲気中で焼成した後に、Euを添加して熱処理する方法が挙げられる。また、混合粉を表面酸化処理する方法を用いてもよい。この表面酸化処理は、例えば酸素、オゾンまたは酸素ラジカルを含んだ雰囲気中でのプラズマ処理や紫外線照射によって行うことができる。
<結晶構造解析>
以下に、格子定数Lおよび原子間距離LおよびLを算出するための具体的手法について詳細に説明する。
格子定数と原子間距離の測定には、粉末X線回折とリートベルト解析を用いる。粉末X線回折測定には,大型放射光施設SPring8のBL19B2粉末X線回折装置(イメージングプレートを使用したデバイシェラー光学系、以降BL19回折装置と呼ぶ)を使用する。また、リートベルト解析には、RIETAN−2000プログラム(Rev.2.3.9以降、以下、RIETANと呼ぶ)を用いる(中井 泉、泉 富士夫 著、「粉末X線解析の実際―リートベルト法入門」、日本分析化学会X線分析研究懇談会 編、朝倉書店、2002年、および、http://homepage.mac.com/fujioizumi/を参照)。
まず、格子定数が5.4111ÅであるNIST(National Institute of Standards and Technology)のCeO粉末(SRM No.674a)を用いて、入射X線波長を決定する。内径200μmのリンデマン製のガラスキャピラリーに粉体を隙間なく充填する。BL19回折装置により、入射X線波長を約0.773Åに設定する。試料をゴニオメータで回転させながら回折強度をイメージングプレート上に記録する。測定時間はイメージングプレートの飽和が生じないように注意して決定するが、例えば2分間とする。イメージングプレートを現像し、X線回折スペクトルを読み取る。
次に、格子定数を固定したリートベルト解析により入射X線波長を精密に決定する。得られたX線回折スペクトルを、ICSD(Inorganic Crystal Structure Database)#28753に基づいて解析を実施する。ただし、XLMDX(以下λで表す)を、0.771、0.772、0.773、0.774および0.775Åに設定し、それぞれで解析を実施する。このときの解析条件を表1に示す。なお、精密化は2θ=6〜60°の範囲で実施する。
図2にλとshiftnパラメータt、tの関係の一例を示す。tとtはλと概ね線形関係がある。そこで、λとt、tに関する線形近似式t=mλ−C(n=0,1、mは傾き、Cは定数)を算出する。算出結果から、精密化された入射X線波長λを式、
λ=(C/m+0.5C/m)/1.5
により算出する。
次に、アルミン酸塩蛍光体のX線回折測定とリートベルト解析を実施する。
X線回折測定はCeOの場合と同様である。ただし測定時間はイメージングプレートの飽和が生じないように注意して決定するが、例えば5分間にする。次に、表2に示す条件でリートベルト解析を実施する。表2(2)で、Baの占有率gが固定(ID=0)になっているが、解析途中でBaの変位パラメータBを固定しておいて事前に精密化(ID=1)し、最終的には固定して解析する。BaサイトのMは仮想イオンを表し、誘導結合プラズマ発光分析による組成比分析の結果に従い、Ba、SrおよびEuを全て2価としてそのモル比で仮想イオンMとする。また、解析の初期では、tを固定しておく。さらに、減衰パラメータeta_L、eta_L、eta_H、eta_Hは、同時にフィットさせると発散する場合がある。その場合には、eta_L、eta_Hを固定する。バックグラウンドに関しては、精密化を実施せず(すなわちNRANGE=1)、バックグラウンドファイル(拡張子bkg)を用意する。バックグラウンドファイルは、それぞれのスペクトルから表2(4)に示した角度での強度を読み取ったものとする。
Figure 2006109694
Figure 2006109694
このようにして、X線回折測定したアルミン酸塩蛍光体のL、Lおよび分極座標を精密化することにより、Al(2)とO(5)との原子間距離L(Å)およびAl(1)とO(4)との原子間距離L(Å)を精密に算出でき、線形結合関数sの値が1以下となるアルミン酸塩蛍光体を選別することができる。
本発明の発光デバイスが備える蛍光体層は、用途に応じて上記の青色蛍光体以外の蛍光体を含んでいてもよい。すなわち、当該蛍光体層は、青色蛍光体層のみならず、青色蛍光体の他に緑色蛍光体および/または赤色蛍光体を含む蛍光体層であってもよい。
本発明において発光デバイスとは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光機器のことをいい、例としては、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、液晶表示装置のバックライトなどに用いる蛍光パネルなどが挙げられる。
以下、本発明の発光デバイスが、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、および蛍光パネルである場合の態様について具体的に説明する。
<プラズマディスプレイパネル>
本発明の発光デバイスがプラズマディスプレイパネル(PDP)である場合には、PDPは青色蛍光体層を含んでおり、この青色蛍光体層は、上述した、線形結合関数sの値が1以下となるアルミン酸塩蛍光体を含んでいる。当該プラズマディスプレイパネルは、製造時における青色蛍光体の熱劣化が抑制されるとともに、エージングや画像表示に伴う青色蛍光体の劣化が防止されたものである。さらに、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生が抑制されており、表示性能に優れる。ここで以下に、交流面放電型PDPを例として本発明のPDPを説明する。図1は、交流面放電型PDP10の主要構造を示す斜視断面図である。なお、ここで示すPDPは、便宜的に、42インチクラスの1024×768画素仕様に合わせたサイズ設定にて図示しているが、他のサイズや仕様に適用してもよいのは勿論である。
図1で示すように、このPDP10は、フロントパネル20とバックパネル26とを有しており、それぞれの主面が対向するようにして配置されている。
このフロントパネル20は、前面基板としてのフロントパネルガラス21と、このフロントパネルガラス21の一方主面に設けられた帯状の表示電極(X電極23、Y電極22)と、この表示電極を覆う厚さ約30μmの前面側誘電体層24と、この前面側誘電体層24の上に設けられた厚さ約1.0μmの保護層25とを含んでいる。
上記表示電極は、厚さ0.1μm、幅150μmの帯状の透明電極220(230)と、この透明電極上に重ね設けられた厚さ7μm、幅95μmのバスライン221(231)とを含んでいる。また、各対の表示電極が、x軸方向を長手方向としてy軸方向に複数配置されている。
また、各対の表示電極(X電極23、Y電極22)は、それぞれフロントパネルガラス21の幅方向(y軸方向)の端部付近で、パネル駆動回路(図示せず)と電気的に接続されている。なお、Y電極22は一括してパネル駆動回路に接続され、X電極23はそれぞれ独立してパネル駆動回路に接続されている。パネル駆動回路を用いて、Y電極22と特定のX電極23とに給電すると、X電極23とY電極22との間隙(約80μm)に面放電(維持放電)が発生する。X電極23はスキャン電極として作動させることもでき、これにより、後述するアドレス電極28との間で書き込み放電(アドレス放電)を発生させることができる。
上記バックパネル26は、背面基板としてのバックパネルガラス27と、複数のアドレス電極28と、背面側誘電体層29と、隔壁30と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜33とを含んでいる。蛍光体層31〜33は、隣り合う2つの隔壁30の側壁とその間の背面側誘電体層29とに接して設けられており、また、x軸方向に繰り返して配列されている。
青色蛍光体層は、上記線形結合関数sの値が1以下となる上記アルミン酸塩蛍光体を必ず含有している。他方、赤色蛍光体層および緑色蛍光体層は一般的な蛍光体を含んでいる。例えば、赤色蛍光体としては(Y、Gd)BO:Euが、緑色蛍光体としてはZnSiO:Mnが挙げられる。
各蛍光体層は、蛍光体粒子を溶解させた蛍光体インクを、例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により隔壁30および背面側誘電体層29に塗布し、これを乾燥や焼成(例えば500℃で10分)することにより形成できる。上記蛍光体インクは、例えば体積平均粒径2μmの青色蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製することができる。また、その粘度を、最終的に2000〜6000cps程度となるように調整すると、隔壁30に対するインクの付着力を高めることができて好ましい。
アドレス電極28はバックパネルガラス27の一方主面に設けられている。また、背面側誘電体層29はアドレス電極28を覆うようにして設けられている。また、隔壁30は、高さが約150μm、幅が約40μmであり、y軸方向を長手方向とし、隣接するアドレス電極28のピッチに合わせて、背面側誘電体層29の上に設けられている。
上記アドレス電極28は、それぞれが厚さ5μm、幅60μmであり、y軸方向を長手方向としてx軸方向に複数配置されている。また、このアドレス電極28は、ピッチが一定間隔(約150μm)となるように配置されている。なお、複数のアドレス電極28は、それぞれ独立して上記パネル駆動回路に接続されている。それぞれのアドレス電極に個別に給電することによって、特定のアドレス電極28と特定のX電極23との間でアドレス放電させることができる。
フロントパネル20とバックパネル26とは、アドレス電極28と表示電極とが直交するようして配置している。封着部材としてのフリットガラス封着部(図示せず)により両パネル20、26の外周縁部が封着されている。
フリットガラス封着部によって密封された、フロントパネル20とバックパネル26との間の密閉空間には、He、Xe、Ne等の希ガス成分からなる放電ガスが所定の圧力(通常6.7×10〜1.0×10Pa程度)で封入されている。
なお、隣接する2つの隔壁30の間に対応する空間が、放電空間34となる。また、一対の表示電極と1本のアドレス電極28とが放電空間34を挟んで交叉する領域が、画像を表示するセルに対応している。なお、本例では、x軸方向のセルピッチは約300μm、y軸方向のセルピッチは約675μmに設定されている。
また、PDP10の駆動時には、パネル駆動回路によって、特定のアドレス電極28と特定のX電極23とにパルス電圧を印加してアドレス放電させた後、一対の表示電極(X電極23、Y電極22)の間にパルスを印加し、維持放電させる。これにより発生させた短波長の紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)を用いて、蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体を可視光発光させることで、所定の画像をフロントパネル側に表示することができる。
<蛍光パネル>
本発明の発光デバイスが蛍光パネルである場合には、従来の蛍光パネルに比して輝度、輝度劣化耐性、および色度維持率に優れたものとなる。このような蛍光パネルは、例えば液晶表示装置のバックライトとして適用することができる。一例として、液晶バックライトに使用される3波長混合蛍光管とした例について以下説明する。
青色蛍光体として上記のアルミン酸塩蛍光体を使用する。緑色蛍光体には、例えばLaPO:Ce,Tbを、赤色蛍光体には、例えばY:Euを使用する。これらの蛍光体粉末をエチルセルロースとともにターピネオールに混合させた蛍光体インクを作製する。ガラス管の内壁にこの蛍光体インクを塗布し、乾燥する。次に、電極フィラメントを溶着させる。その後、エチルセルロースを燃焼させ、蛍光体を固着させて蛍光体層を形成する。内部の空気を排出し、アルゴン:水銀=1000:1混合ガスを700Pa封入し、両端に口金を着け、エージングを実施して完成する。なお、電極フィラメントにはBaOが表面に被覆されたタングステンを使用する。
<蛍光ランプ>
本発明の発光デバイスが、蛍光ランプ(例、Xeガス放電白色蛍光ランプ)である場合には、従来の蛍光ランプに比して輝度、輝度劣化耐性、および色度維持率に優れたものとなる。当該蛍光ランプは液晶表示装置のバックライトとしても使用できる。当該蛍光ランプは、例えば、特開2006−12770号公報(米国特許出願公開第2005/264161号明細書)に記載の蛍光ランプと同様にして構成すればよい。
以下に、アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と、その蛍光の経時劣化との相関について、実施例および比較例を参照しながら詳しく説明する。
まず、実施例1〜2および比較例1〜5のアルミン酸塩蛍光体について、組成比、アルミン酸塩蛍光体の作製時に添加する元素の種類、そのモル比、ならびに大気焼成温度、還元焼成温度および大気導入温度などの作製条件を表3に示す。なお、添加元素のモル比とは、1モルのBaSrEuMgAl17に対して添加されたモル数をいう。また、図3に、実施例1のアルミン酸塩蛍光体の還元焼成時の雰囲気温度の調整スキームを示す。なお、他の実施例および比較例に関しても、大気焼成温度値と還元焼成時の大気導入温度を適宜調整するものの同様の調整スキームを用いた。
Figure 2006109694
次に、表3で示した条件により作製されたアルミン酸塩蛍光体の格子定数(a軸長)L、Al(2)とO(5)との原子間距離L、Al(1)とO(4)との原子間距離L、および、それらを代入して得られる線形結合関数sの値を表4に示す。
また、表4には、それぞれのアルミン酸塩蛍光体を用いて形成した青色蛍光体層をそれぞれに含む上記交流面放電型PDPを作製し、それらを約5000時間連続して画像表示させた後での輝度維持率も示す。
Figure 2006109694
また、図4に、この輝度維持率を縦軸に、線形結合関数sの値を横軸にとった相関グラフを示す。
表4および図4に示されるように、線形結合関数sの値が1以下であると99%以上の優れた輝度維持率が得られることが判った。輝度維持率が99%以上である青色蛍光体を用いると、輝度劣化耐性に優れ、色度変化の起こり難い発光デバイスを実現できる。さらには、固定画像の長期的な連続表示に伴って発生しうる焼き付き現象の発生を防止できるため、優れた表示性能を発揮するプラズマディスプレイパネルを実現できる。
アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と輝度維持率との相関性が高い理由については定かではないが、L、LおよびLの影響が強い理由としては以下のように考えられる。まず、Lはいわゆるミラー面上のBa(Eu)とO(1)との原子間距離との相関が強く、また、Lは、そもそも、ミラー面直近のAl(2)とBa(Eu)の最隣接酸素であるO(5)との原子間距離であるため、これらはいずれも真空紫外光により発生した電子−ホール対の発光中心であるEuへの移動に密接に関係する。他方、LはAl(1)とO(4)との原子間距離であるため、一般的な常識ではその影響は少ないと考えられるものの、上述したように強い影響を発揮する。これは、Euの一部がAl(1)サイトを置換しうること(例えば、ジャーナル・オブ・エレクトロセラミックス、10巻、179−191頁、2003年 参照)に起因するのではないかと考えられる。
本発明は、青色蛍光体を含む蛍光体層を使用する種々の発光機器に適用することができる。このような発光機器としては、例えば、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、液晶表示装置のバックライトなどに用いる蛍光パネルなどが挙げられる。
本発明は、アルミン酸塩蛍光体を青色蛍光体として蛍光体層中に含む発光デバイスに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)等の発光デバイスの青色蛍光体として、BaMgAl1017:Eu、(Ba、Sr)MgAl1017:Euなどの、いわゆるBAM:Euと呼ばれる、ユーロピウムで付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体(以下、単に「アルミン酸塩蛍光体」と呼ぶ場合がある)が注目されている。他の青色蛍光体よりも、真空紫外線励起時の可視光発光特性が優れているためである。
PDP等の蛍光体層は、蛍光体とバインダーとを混合してスラリーを調製し、このスラリーをガラスなどの基体表面に塗布した後、これをベーキングすることにより作製されている。
ところで、アルミン酸塩蛍光体を用いた場合には、その使用状況によって、波長変換効率が大幅に経時劣化してしまう場合がある。その対策として、特開昭61−254689号公報では、蛍光体原料に5モル%以下のガドリニウム(Gd)を添加する方法が提案されている。また、特開2000−34478号公報では、蛍光体粒子の表面をアルカリ土類金属などの2価金属ケイ酸塩で被覆する方法が提案されている。さらに、特開平10−330746号公報では、蛍光体粒子の表面をアンチモン(Sb)の酸化物で被覆する方法も提案されている。また、特開2002−180043号公報では、原料とAlF3などの融剤とを混合し、この混合原料を空気中1000℃で1時間焼成したあと、N2−H2混合ガス雰囲気中1550℃で3時間焼成することにより、蛍光体の結晶の格子定数Lcを2.2625nm以上2.2640nm以下(22.625Å以上22.640Å以下)の範囲に調整する方法が提案されている。
しかし、特開昭61−254689号公報、特開2000−34478号公報に記載の方法では、製造時に発生しうる熱劣化に対しては一定の抑制効果が得られるものの、エージングや画像表示時における真空紫外線照射に伴って生じる特性劣化を十分に抑制することができない。
また、特開平10−330746号公報に記載の方法を用いても、Sbの酸化膜で蛍光体を均一に被覆すること自体が難しく、また色度変化と輝度維持率が相反関係を示すという問題がある。
また、特開2002−180043号公報に記載の技術を用いても、例えば空気中で500℃、15分間加熱した場合に5%以上も輝度が低下してしまうため、依然として、使用条件に応じて特性が劣化してしまうという問題を解決することができない。
さらに、上記アルミン酸塩蛍光体を蛍光体層中に含むPDPでは、焼き付き現象と呼ばれる問題が発生する。なお、この焼き付き現象とは、アルミン酸塩蛍光体が、蛍光体層中に含まれるその他の緑色蛍光体や赤色蛍光体に比べて輝度維持率が低下しやすいことに起因するものであって、長期の画像表示に伴って初期の色バランスが変化し、あたかも画面が焼き付いたように特定の色残像が、すなわち青色配合を損なった画像が表示されたままになることをいう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスにおいて、アルミン酸塩蛍光体を使用しつつも輝度維持率および色度維持率に優れる発光デバイスを提供することを目的とする。さらには、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生を防止して、表示性能に優れたプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
本発明の発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスであって、前記蛍光体層が、青色蛍光体として、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含み、前記アルミン酸塩蛍光体を、空間群P63/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をLa(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL1(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL2(Å)とした場合に、
s=−11622+2043.07La+199.24L1−116.91L2
で表される線形結合関数sの値が1以下となる。
ただし、前記Al(2)は4fサイトで分率座標zが0.17近傍にあるアルミニウムであり、前記O(5)は12kサイトで前記Al(2)に最近接する酸素であり、前記Al(1)は4fサイトで分率座標zが0.02近傍にあるアルミニウムであり、前記O(4)は12kサイトで前記Al(1)に最近接する酸素である。
当該発光デバイスは、アルミン酸塩蛍光体を使用しつつも輝度維持率および色度維持率に優れる。
当該発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた種々の発光機器であり、その好適な例としては、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、蛍光パネルなどが挙げられる。
本発明の発光デバイスがプラズマディスプレイである場合の具体的な態様としては、前面板を備え、前記前面板と対向配置された背面板を備え、前記前面板と前記背面板の間隔を規定する隔壁を備え、前記背面板または前面板の上に配設された一対の電極を備え、少なくとも前記電極間に存在し、前記電極間に電圧を印加することにより真空紫外線を発生するキセノンを含有する放電ガスを備え、前記真空紫外線により可視光を発する蛍光体層を備える構成を有し、前記蛍光体層のうちの青色蛍光体層が、前記の青色蛍光体を含む蛍光体層であるプラズマディスプレイ装置である。当該プラズマディスプレイパネルは、製造時における青色蛍光体の熱劣化が抑制されるとともに、エージングや画像表示に伴う青色蛍光体の劣化が防止されたものである。さらに、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生が抑制されており、表示性能に優れる。
本発明の発光デバイスは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えており、この蛍光体層は、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含んでいる。
なお、上記構成元素は、アルミン酸塩蛍光体の結晶中に含まれるものであればよく、結晶格子であってもよいし、格子間に入り込んでいるものであってもよい。
さらに、このアルミン酸塩蛍光体を、空間群P63/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をLa(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL1(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL2(Å)とした場合に、
s=−11622+2043.07La+199.24L1−116.91L2
で表される線形結合関数sの値が1以下となる。
ただし、前記Al(2)は4fサイトで分率座標zが0.17近傍にあるアルミニウムであり、前記O(5)は12kサイトで前記Al(2)に最近接する酸素であり、前記Al(1)は4fサイトで分率座標zが0.02近傍にあるアルミニウムであり、前記O(4)は12kサイトで前記Al(1)に最近接する酸素であるとする。
従来、PDP等の画像表示に伴うアルミン酸塩蛍光体の経時劣化耐性は、格子定数Lcとの相関が高い、すなわちLcが小さいほど画像表示に伴う経時劣化耐性が高くなると考えられていた(例えば、特開2002−180043号公報参照)。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、実際には、アルミン酸塩蛍光体の画像表示に伴う経時劣化耐性は、Lcと強い相関があるとは言えない。その理由としては、第1に、Srのイオン半径がBaのそれよりも小さいことを利用してBaサイトの一部をSrで置換すると、Lcの値を小さくすることができるが、この場合、画像表示に伴う経時劣化耐性がほとんど向上しないことが挙げられる。第2に、Euのイオン半径がBaのそれよりも小さいことを利用して、Eu付活量を増やすと、Lcの値を小さくできるものの、画像表示に伴う経時劣化耐性は特定のEu付活量で最適値を取り、それ以上に付活量を増やしても劣化耐性は向上しないことが挙げられる。
本発明者らは、画像表示に伴うアルミン酸塩蛍光体の経時劣化と高い相関を示すものが上記線形結合関数sであることを見出すとともに、その値を1以下に制御することでアルミン酸塩蛍光体の経時劣化を防止できることを見出した。なお、当該関数中のLa、L1、L2は、公知の粉末X線回折とリートベルト(Rietveld)解析により導出することができる。本実施形態では、アルミン酸塩蛍光体の結晶構造が、インターナショナルテーブルズ・フォア・エックスレイ・クリスタログラフィー・ボリュームA(International Tables for X−ray Crystallography Volume A)に記載の空間群P63/mmc(空間群No.194)に属するとして、それぞれを計算するものとする。
このようなアルミン酸塩蛍光体をPDP等の蛍光体層に用いることにより、長時間駆動しても良好な発色を維持し得る、すなわち、的確な色バランスを長期間維持して焼き付き現象の発生を抑制できる、優れた表示性能を発揮するPDP等を実現することができる。
また、青色蛍光体層の輝度が劣化しにくくなるため、従来とは異なり、長時間駆動に際して、白表示の色温度を保つことを目的として青色以外の蛍光体層(赤色、緑色)の輝度を意図的に下げる必要がない。それゆえ、各色の蛍光体層の輝度と白表示の色温度との双方を高めることができる。
本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、実質的に、BapSrqEurMgAlw17で表されるアルミン酸塩蛍光体とすることができる。なお、『実質的に』とは、上記元素以外の元素の含有量が0.01原子%以下であることを意味する。なお、酸素量を正確に求めることは現在の技術では困難である。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、BapSrqEurMgAlw17のみからなるアルミン酸塩蛍光体とすることができる。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、実質的に、BapSrqEurMgAlw17に、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が添加されたアルミン酸塩蛍光体とし、前記BapSrqEurMgAlw171モルに対する前記少なくとも1種類の元素の合計を0.30モル以下(好ましくは0.001モル以上)とすることができる。この構成であると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが容易となる。なお、『実質的に』とは、上記元素以外の元素の含有量が0.01原子%以下であることを意味する。なお、酸素量を正確に求めることは現在の技術では困難である。
また、本発明の発光デバイスにおいては、前記アルミン酸塩蛍光体を、BapSrqEurMgAlw17に、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が添加されたアルミン酸塩蛍光体のみからなるものとし、前記BapSrqEurMgAlw171モルに対する前記少なくとも1種類の元素の合計を0.30モル以下(好ましくは0.001モル以上)とすることができる。
NbおよびWは、上記線形結合関数sの値の制御に有効な添加元素である。Wは、還元焼成時に還元効果を高める効果を示す。Wの添加量が小さい場合には、上記線形結合関数sの値を減少させる効果が小さくなる。この場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、還元温度を高くし、さらに、その後の大気導入温度も高くするとよい。別の添加元素であるNbは、大気焼成時の結晶性を高める効果がある。Nbの添加量が小さい場合には、上記線形結合関数sの値を減少させる効果が小さくなる。この場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、大気焼成温度を高くするとよい。添加元素NbおよびWの前記BapSrqEurMgAlw171モルに対する添加量について、NbおよびWが併用される場合には合計量として、下限は、0.001モル程度である。また、添加元素の添加量が多いと、輝度が低下する傾向にあるため、上限は0.3モル程度である。添加元素の添加量の好ましい範囲は、0.01〜0.20モルであり、より好ましい範囲は0.01〜0.03モルであり、最も好ましい範囲は0.015〜0.025モルである。
また、前記Laを5.6235Å以上5.6255Å以下の範囲で、前記L1を1.753Å以上1.760Å以下の範囲で、前記L2を1.865Å以上1.880Å以下の範囲で調整すると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが比較的容易となる。
<アルミン酸塩蛍光体の作製>
本発明に用いられるアルミン酸塩蛍光体の合成には、焼結促進剤(フラックス)を用いて酸化物、硝酸塩または炭酸化物原料を焼結させる固相反応法、有機金属塩または硝酸塩原料を水溶液中で加水分解したり、アルカリなどを加えて沈殿させたりする共沈法で蛍光体の前駆体を作製した後、当該前駆体を熱処理する液相合成法、加熱された炉中に原料が入った水溶液を噴霧する液体噴霧法など公知の製造方法を用いることができるが、上記線形結合関数sの値が1以下となるようなLa、L1およびL2を有するものを選別する必要がある。
前記アルミン酸塩蛍光体の合成方法について、各構成元素源から固相反応法を用いて合成する場合を例として説明する。
アルミニウム源としては、高純度(純度99.99%以上、以下同様)の水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ハロゲン化アルミニウムなどの、焼成によってアルミナになるアルミニウム化合物を用いてもよいし、高純度のアルミナを用いてもよい。アルミナの結晶形はαアルミナであっても中間アルミナであってもよい。
バリウム源としては、高純度の水酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、ハロゲン化バリウム、シュウ酸バリウムなどの、焼成により酸化バリウムになるバリウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化バリウムを用いてもよい。
ストロンチウム源としては、高純度の水酸化ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、ハロゲン化ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウムなどの、焼成により酸化ストロンチウムになるストロンチウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化ストロンチウムを用いてもよい。
マグネシウム源としては、高純度の水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、ハロゲン化マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなどの、焼成により酸化マグネシウムになるマグネシウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化マグネシウムを用いてもよい。
ユーロピウム源としては、高純度の水酸化ユーロピウム、炭酸ユーロピウム、硝酸ユーロピウム、ハロゲン化ユーロピウム、シュウ酸ユーロピウムなどの、焼成により酸化ユーロピウムになるユーロピウム化合物を用いてもよいし、高純度の酸化ユーロピウムを用いてもよい。
フラックスとしては、例えばAlF3などの公知のものを用いることができる。
例えば、組成がBa0.8Sr0.1Eu0.1MgAl1017であるアルミン酸塩蛍光体を合成する場合には、各構成元素源を次のように調合すればよい。
BaCO3 0.80モル
SrCO3 0.10モル
Eu23 0.05モル
MgCO3 1.00モル
Al23 5.00モル
AlF3 0.01モル
上記の各構成元素源を、公知のV型混合機、撹拌機、または粉砕機能を有したボールミル、振動ミル、ジェットミルなどを用いて混合し、蛍光体材料の混合粉を作製する。この混合粉を、例えば1200〜1500℃の大気中で約2時間焼成した後、これを粉砕する。なお、過剰に粉砕されたものは、ふるい分けにより除去する。続いて、約1500℃の還元性雰囲気(水素分圧が5%の窒素)中で約2時間焼成した後、雰囲気温度が850℃〜1050℃にまで降温した時点で、雰囲気を上記還元性雰囲気から同温の酸化性雰囲気(酸素分圧0.5%以上、好ましくは約20%)に入れ替える。常温になるまで放置した後、再び粉砕とふるい分けを行うことにより、アルミン酸塩蛍光体を作製できる。なお、蛍光体の欠陥を一層低減させるため、蛍光体が再焼結しない温度、例えば1000℃以下の酸化性雰囲気(酸素分圧が5%の窒素)中でさらにアニールしてもよい。
ここで、作製したアルミン酸塩蛍光体から、所定のLa、L1、およびL2値を有するもの、すなわち上記線形結合関数sの値が1以下となるものを選別する必要があるが、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が、合計で0.30モル以下添加されたアルミン酸塩蛍光体とすると、上記線形結合関数sの値を1以下に制御することが容易となり、選別する手間を減らすことができるため好ましい。上記少なくとも1種類の元素の添加は、原料の混合時に行ってもよいし、還元性雰囲気中での焼成前に行ってもよい。また、単体を添加してもよいし、酸化物を添加してもよい。また、添加量は0.001モル以上が好ましい。なお、0.30モルを超えて添加すると、蛍光体の輝度が低下してしまう場合があるため、添加量を上記範囲とするのが好ましい。なお、Wの添加量が小さい場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、還元温度を高くし、さらに、その後の大気導入温度も高くするとよい。Nbの添加量が小さい場合に、上記線形結合関数sの値を1以下に制御するには、大気焼成温度を高くするとよい。
液相合成法によりアルミン酸塩蛍光体を作製する場合には、蛍光体を構成する元素を含有する有機金属化合物(例えば有機金属塩)、例えば金属アルコキシド、アセチルアセトン金属または硝酸塩を水に溶解した後、加水分解して共沈物(水和物)を作製し、それをオートクレーブ中で結晶化、すなわち水熱合成したり、大気中で焼成したり、高温炉中に噴霧したりして粉体を得る。その後は、上記固相反応法による場合と同様にして、還元性雰囲気中での焼成などを経ることにより作製することができる。
別の作製方法としては、同様にして蛍光体材料の混合粉を還元性雰囲気中で焼成した後に、Eu23を添加して熱処理する方法が挙げられる。また、混合粉を表面酸化処理する方法を用いてもよい。この表面酸化処理は、例えば酸素、オゾンまたは酸素ラジカルを含んだ雰囲気中でのプラズマ処理や紫外線照射によって行うことができる。
<結晶構造解析>
以下に、格子定数Laおよび原子間距離L1およびL2を算出するための具体的手法について詳細に説明する。
格子定数と原子間距離の測定には、粉末X線回折とリートベルト解析を用いる。粉末X線回折測定には,大型放射光施設SPring8のBL19B2粉末X線回折装置(イメージングプレートを使用したデバイシェラー光学系、以降BL19回折装置と呼ぶ)を使用する。また、リートベルト解析には、RIETAN−2000プログラム(Rev. 2.3.9以降、以下、RIETANと呼ぶ)を用いる(中井 泉、泉 富士夫 著、「粉末X線解析の実際―リートベルト法入門」、日本分析化学会X線分析研究懇談会 編、朝倉書店、2002年、および、http://homepage.mac.com/fujioizumi/を参照)。
まず、格子定数が5.4111ÅであるNIST(National Institute of Standards and Technology)のCeO2粉末(SRM No.674a)を用いて、入射X線波長を決定する。内径200μmのリンデマン製のガラスキャピラリーに粉体を隙間なく充填する。BL19回折装置により、入射X線波長を約0.773Åに設定する。試料をゴニオメータで回転させながら回折強度をイメージングプレート上に記録する。測定時間はイメージングプレートの飽和が生じないように注意して決定するが、例えば2分間とする。イメージングプレートを現像し、X線回折スペクトルを読み取る。
次に、格子定数を固定したリートベルト解析により入射X線波長を精密に決定する。得られたX線回折スペクトルを、ICSD(Inorganic Crystal Structure Database)#28753に基づいて解析を実施する。ただし、XLMDX(以下λで表す)を、0.771、0.772、0.773、0.774および0.775Åに設定し、それぞれで解析を実施する。このときの解析条件を表1に示す。なお、精密化は2θ=6〜60°の範囲で実施する。
図2にλとshiftnパラメータt0、t1の関係の一例を示す。t0とt1はλと概ね線形関係がある。そこで、λとt0、t1に関する線形近似式tn=mnλ−Cn(n=0,1、mnは傾き、Cnは定数)を算出する。算出結果から、精密化された入射X線波長λrを式、
λr=(C0/m0+0.5C1/m1)/1.5
により算出する。
次に、アルミン酸塩蛍光体のX線回折測定とリートベルト解析を実施する。
X線回折測定はCeO2の場合と同様である。ただし測定時間はイメージングプレートの飽和が生じないように注意して決定するが、例えば5分間にする。次に、表2に示す条件でリートベルト解析を実施する。表2(2)で、Baの占有率gが固定(ID=0)になっているが、解析途中でBaの変位パラメータBを固定しておいて事前に精密化(ID=1)し、最終的には固定して解析する。BaサイトのMは仮想イオンを表し、誘導結合プラズマ発光分析による組成比分析の結果に従い、Ba、SrおよびEuを全て2価としてそのモル比で仮想イオンMとする。また、解析の初期では、t0を固定しておく。さらに、減衰パラメータeta_L0、eta_L1、eta_H0、eta_H1は、同時にフィットさせると発散する場合がある。その場合には、eta_L1、eta_H1を固定する。バックグラウンドに関しては、精密化を実施せず(すなわちNRANGE=1)、バックグラウンドファイル(拡張子bkg)を用意する。バックグラウンドファイルは、それぞれのスペクトルから表2(4)に示した角度での強度を読み取ったものとする。
Figure 2006109694
Figure 2006109694
このようにして、X線回折測定したアルミン酸塩蛍光体のLa、Lcおよび分率座標を精密化することにより、Al(2)とO(5)との原子間距離L1(Å)およびAl(1)とO(4)との原子間距離L2(Å)を精密に算出でき、線形結合関数sの値が1以下となるアルミン酸塩蛍光体を選別することができる。
本発明の発光デバイスが備える蛍光体層は、用途に応じて上記の青色蛍光体以外の蛍光体を含んでいてもよい。すなわち、当該蛍光体層は、青色蛍光体層のみならず、青色蛍光体の他に緑色蛍光体および/または赤色蛍光体を含む蛍光体層であってもよい。
本発明において発光デバイスとは、青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光機器のことをいい、例としては、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、液晶表示装置のバックライトなどに用いる蛍光パネルなどが挙げられる。
以下、本発明の発光デバイスが、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、および蛍光パネルである場合の態様について具体的に説明する。
<プラズマディスプレイパネル>
本発明の発光デバイスがプラズマディスプレイパネル(PDP)である場合には、PDPは青色蛍光体層を含んでおり、この青色蛍光体層は、上述した、線形結合関数sの値が1以下となるアルミン酸塩蛍光体を含んでいる。当該プラズマディスプレイパネルは、製造時における青色蛍光体の熱劣化が抑制されるとともに、エージングや画像表示に伴う青色蛍光体の劣化が防止されたものである。さらに、アルミン酸塩蛍光体の経時劣化に起因する焼き付き現象の発生が抑制されており、表示性能に優れる。ここで以下に、交流面放電型PDPを例として本発明のPDPを説明する。図1は、交流面放電型PDP10の主要構造を示す斜視断面図である。なお、ここで示すPDPは、便宜的に、42インチクラスの1024×768画素仕様に合わせたサイズ設定にて図示しているが、他のサイズや仕様に適用してもよいのは勿論である。
図1で示すように、このPDP10は、フロントパネル20とバックパネル26とを有しており、それぞれの主面が対向するようにして配置されている。
このフロントパネル20は、前面基板としてのフロントパネルガラス21と、このフロントパネルガラス21の一方主面に設けられた帯状の表示電極(X電極23、Y電極22)と、この表示電極を覆う厚さ約30μmの前面側誘電体層24と、この前面側誘電体層24の上に設けられた厚さ約1.0μmの保護層25とを含んでいる。
上記表示電極は、厚さ0.1μm、幅150μmの帯状の透明電極220(230)と、この透明電極上に重ね設けられた厚さ7μm、幅95μmのバスライン221(231)とを含んでいる。また、各対の表示電極が、x軸方向を長手方向としてy軸方向に複数配置されている。
また、各対の表示電極(X電極23、Y電極22)は、それぞれフロントパネルガラス21の幅方向(y軸方向)の端部付近で、パネル駆動回路(図示せず)と電気的に接続されている。なお、Y電極22は一括してパネル駆動回路に接続され、X電極23はそれぞれ独立してパネル駆動回路に接続されている。パネル駆動回路を用いて、Y電極22と特定のX電極23とに給電すると、X電極23とY電極22との間隙(約80μm)に面放電(維持放電)が発生する。X電極23はスキャン電極として作動させることもでき、これにより、後述するアドレス電極28との間で書き込み放電(アドレス放電)を発生させることができる。
上記バックパネル26は、背面基板としてのバックパネルガラス27と、複数のアドレス電極28と、背面側誘電体層29と、隔壁30と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜33とを含んでいる。蛍光体層31〜33は、隣り合う2つの隔壁30の側壁とその間の背面側誘電体層29とに接して設けられており、また、x軸方向に繰り返して配列されている。
青色蛍光体層は、上記線形結合関数sの値が1以下となる上記アルミン酸塩蛍光体を必ず含有している。他方、赤色蛍光体層および緑色蛍光体層は一般的な蛍光体を含んでいる。例えば、赤色蛍光体としては(Y、Gd)BO3:Euが、緑色蛍光体としてはZn2SiO4:Mnが挙げられる。
各蛍光体層は、蛍光体粒子を溶解させた蛍光体インクを、例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により隔壁30および背面側誘電体層29に塗布し、これを乾燥や焼成(例えば500℃で10分)することにより形成できる。上記蛍光体インクは、例えば体積平均粒径2μmの青色蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製することができる。また、その粘度を、最終的に2000〜6000cps程度となるように調整すると、隔壁30に対するインクの付着力を高めることができて好ましい。
アドレス電極28はバックパネルガラス27の一方主面に設けられている。また、背面側誘電体層29はアドレス電極28を覆うようにして設けられている。また、隔壁30は、高さが約150μm、幅が約40μmであり、y軸方向を長手方向とし、隣接するアドレス電極28のピッチに合わせて、背面側誘電体層29の上に設けられている。
上記アドレス電極28は、それぞれが厚さ5μm、幅60μmであり、y軸方向を長手方向としてx軸方向に複数配置されている。また、このアドレス電極28は、ピッチが一定間隔(約150μm)となるように配置されている。なお、複数のアドレス電極28は、それぞれ独立して上記パネル駆動回路に接続されている。それぞれのアドレス電極に個別に給電することによって、特定のアドレス電極28と特定のX電極23との間でアドレス放電させることができる。
フロントパネル20とバックパネル26とは、アドレス電極28と表示電極とが直交するようして配置している。封着部材としてのフリットガラス封着部(図示せず)により両パネル20、26の外周縁部が封着されている。
フリットガラス封着部によって密封された、フロントパネル20とバックパネル26との間の密閉空間には、He、Xe、Ne等の希ガス成分からなる放電ガスが所定の圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)で封入されている。
なお、隣接する2つの隔壁30の間に対応する空間が、放電空間34となる。また、一対の表示電極と1本のアドレス電極28とが放電空間34を挟んで交叉する領域が、画像を表示するセルに対応している。なお、本例では、x軸方向のセルピッチは約300μm、y軸方向のセルピッチは約675μmに設定されている。
また、PDP10の駆動時には、パネル駆動回路によって、特定のアドレス電極28と特定のX電極23とにパルス電圧を印加してアドレス放電させた後、一対の表示電極(X電極23、Y電極22)の間にパルスを印加し、維持放電させる。これにより発生させた短波長の紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)を用いて、蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体を可視光発光させることで、所定の画像をフロントパネル側に表示することができる。
<蛍光パネル>
本発明の発光デバイスが蛍光パネルである場合には、従来の蛍光パネルに比して輝度、輝度劣化耐性、および色度維持率に優れたものとなる。このような蛍光パネルは、例えば液晶表示装置のバックライトとして適用することができる。一例として、液晶バックライトに使用される3波長混合蛍光管とした例について以下説明する。
青色蛍光体として上記のアルミン酸塩蛍光体を使用する。緑色蛍光体には、例えばLaPO4:Ce,Tbを、赤色蛍光体には、例えばY23:Euを使用する。これらの蛍光体粉末をエチルセルロースとともにターピネオールに混合させた蛍光体インクを作製する。ガラス管の内壁にこの蛍光体インクを塗布し、乾燥する。次に、電極フィラメントを溶着させる。その後、エチルセルロースを燃焼させ、蛍光体を固着させて蛍光体層を形成する。内部の空気を排出し、アルゴン:水銀=1000:1混合ガスを700Pa封入し、両端に口金を着け、エージングを実施して完成する。なお、電極フィラメントにはBaOが表面に被覆されたタングステンを使用する。
<蛍光ランプ>
本発明の発光デバイスが、蛍光ランプ(例、Xeガス放電白色蛍光ランプ)である場合には、従来の蛍光ランプに比して輝度、輝度劣化耐性、および色度維持率に優れたものとなる。当該蛍光ランプは液晶表示装置のバックライトとしても使用できる。当該蛍光ランプは、例えば、特開2006−12770号公報(米国特許出願公開第2005/264161号明細書)に記載の蛍光ランプと同様にして構成すればよい。
以下に、アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と、その蛍光の経時劣化との相関について、実施例および比較例を参照しながら詳しく説明する。
まず、実施例1〜2および比較例1〜5のアルミン酸塩蛍光体について、組成比、アルミン酸塩蛍光体の作製時に添加する元素の種類、そのモル比、ならびに大気焼成温度、還元焼成温度および大気導入温度などの作製条件を表3に示す。なお、添加元素のモル比とは、1モルのBapSrqEurMgAlw17に対して添加されたモル数をいう。また、図3に、実施例1のアルミン酸塩蛍光体の還元焼成時の雰囲気温度の調整スキームを示す。なお、他の実施例および比較例に関しても、大気焼成温度値と還元焼成時の大気導入温度を適宜調整するものの同様の調整スキームを用いた。
Figure 2006109694
次に、表3で示した条件により作製されたアルミン酸塩蛍光体の格子定数(a軸長)La、Al(2)とO(5)との原子間距離L1、Al(1)とO(4)との原子間距離L2、および、それらを代入して得られる線形結合関数sの値を表4に示す。
また、表4には、それぞれのアルミン酸塩蛍光体を用いて形成した青色蛍光体層をそれぞれに含む上記交流面放電型PDPを作製し、それらを約5000時間連続して画像表示させた後での輝度維持率も示す。
Figure 2006109694
また、図4に、この輝度維持率を縦軸に、線形結合関数sの値を横軸にとった相関グラフを示す。
表4および図4に示されるように、線形結合関数sの値が1以下であると99%以上の優れた輝度維持率が得られることが判った。輝度維持率が99%以上である青色蛍光体を用いると、輝度劣化耐性に優れ、色度変化の起こり難い発光デバイスを実現できる。さらには、固定画像の長期的な連続表示に伴って発生しうる焼き付き現象の発生を防止できるため、優れた表示性能を発揮するプラズマディスプレイパネルを実現できる。
アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と輝度維持率との相関性が高い理由については定かではないが、La、L1およびL2の影響が強い理由としては以下のように考えられる。まず、Laはいわゆるミラー面上のBa(Eu)とO(1)との原子間距離との相関が強く、また、L1は、そもそも、ミラー面直近のAl(2)とBa(Eu)の最隣接酸素であるO(5)との原子間距離であるため、これらはいずれも真空紫外光により発生した電子−ホール対の発光中心であるEuへの移動に密接に関係する。他方、L2はAl(1)とO(4)との原子間距離であるため、一般的な常識ではその影響は少ないと考えられるものの、上述したように強い影響を発揮する。これは、Euの一部がAl(1)サイトを置換しうること(例えば、ジャーナル・オブ・エレクトロセラミックス、10巻、179−191頁、2003年 参照)に起因するのではないかと考えられる。
本発明は、青色蛍光体を含む蛍光体層を使用する種々の発光機器に適用することができる。このような発光機器としては、例えば、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、液晶表示装置のバックライトなどに用いる蛍光パネルなどが挙げられる。
本発明のPDPの一例を示す斜視断面図である。 X線波長とshiftnパラメータt0、t1の関係を示すグラフである。 アルミン酸塩蛍光体の還元焼成時の雰囲気温度の調整スキームを示すグラフである。 アルミン酸塩蛍光体における線形結合関数sの値と輝度維持率との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 青色蛍光体を含む蛍光体層を備えた発光デバイスであって、
    前記蛍光体層が、青色蛍光体として、構成元素としてBa、Sr、Eu、Mg、AlおよびOを原子数比でBa:Sr:Eu:Mg:Al:O=p:q:r:1:w:17の比(ただし、0.70≦p≦0.95、0≦q≦0.15、0.05≦r≦0.20、p+q+r≧1、9.8≦w≦10.5)で含むアルミン酸塩蛍光体を含み、
    前記アルミン酸塩蛍光体を、空間群P6/mmcに属すると仮定してX線結晶構造解析することにより得られる格子定数をL(Å)とし、Al(2)とO(5)との原子間距離をL(Å)とし、Al(1)とO(4)との原子間距離をL(Å)とした場合に、
    s=−11622+2043.07L+199.24L−116.91L
    で表される線形結合関数sの値が1以下となる発光デバイス。
    ただし、前記Al(2)は4fサイトで分極座標zが0.17近傍にあるアルミニウムであり、前記O(5)は12kサイトで前記Al(2)に最近接する酸素であり、前記Al(1)は4fサイトで分極座標zが0.02近傍にあるアルミニウムであり、前記O(4)は12kサイトで前記Al(1)に最近接する酸素である。
  2. 前記アルミン酸塩蛍光体が、実質的に、BaSrEuMgAl17で表されるアルミン酸塩蛍光体である請求項1に記載の発光デバイス。
  3. 前記アルミン酸塩蛍光体が、実質的に、BaSrEuMgAl17に、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種類の元素が添加されたアルミン酸塩蛍光体であって、前記BaSrEuMgAl171モルに対する前記少なくとも1種類の元素の合計が0.3モル以下である請求項1に記載の発光デバイス。
  4. 発光デバイスが、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプまたは蛍光パネルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光デバイス。
  5. 発光デバイスが、プラズマディスプレイパネルである請求項4に記載の発光デバイス。
  6. 前記プラズマディスプレイパネルが、
    前面板を備え、
    前記前面板と対向配置された背面板を備え、
    前記前面板と前記背面板の間隔を規定する隔壁を備え、
    前記背面板または前面板の上に配設された一対の電極を備え、
    少なくとも前記電極間に存在し、前記電極間に電圧を印加することにより真空紫外線を発生するキセノンを含有する放電ガスを備え、
    前記真空紫外線により可視光を発する蛍光体層を備える構成を有し、
    前記蛍光体層のうちの青色蛍光体層が、前記の青色蛍光体を含む蛍光体層である請求項5記載の発光デバイス。
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