JP2005001383A - プラスチック容器の製造方法、プリフォームの加熱方法およびプラスチック容器の加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プリフォーム1を二軸延伸ブローしてプラスチック容器を製造する方法は、プリフォーム1をブロー成形に適した温度に加熱する加熱工程と、加熱後のプリフォーム1をブロー成形するブロー成形工程とを含み、加熱工程は、レーザー光を用いてプリフォーム1を加熱するレーザー照射工程を含む。レーザー光として赤外領域の波長を備えたもの、あるいは中心波長が10.6ミクロンの炭酸ガスレーザーから射出されるものを用いる。レーザー光照射を、必要に応じて、プリフォーム1の内面からも行う。
【選択図】 図1
Description
一般的に使用されているクオーツヒータにより、プリフォームを二軸延伸ブロー成形に適した温度(延伸温度)に加熱する場合、常温から延伸温度である100℃程度まで昇温させるのに、例えば、3mm厚のプリフォームでは30秒程度、5mm厚のプリフォームでは60秒程度の加熱時間を必要とする。これに対して、レーザー光を用いて加熱すると、3mm厚のプリフォームでは15〜20秒で、5mm厚のプリフォームでは30〜40秒で、常温から延伸温度まで昇温できることが確認された。
プリフォームを外面から加熱する場合は、その外面から内面に向けて熱が移動して徐々に内側が昇温していくが、周知のように、プラスチックは熱伝導率が極めて低いので、熱移動に時間が掛かり、外面と内面に温度差が発生してしまう。この内外温度差(外側が高温で、内側が低温)は延伸倍率の大きなプラスチック容器の二軸延伸ブロー成形にとって極めて大きな問題である。例えば、2L−68gの28mmネック口径の高温充填ボトルの場合には、平均横延伸倍率が3.5であるが、仔細に見ればプリフォーム外面の横延伸倍率は3.0であり、内面の横延伸倍率は4.0であり、内面の延伸倍率が高い。内面の温度が低いにも拘わらず延伸倍率が高いので、しばしば冷延伸によるパール状白化が発生し、不良品が出来てしまう。このような不良品の発生を抑えるために、プリフォームの口栓部分から光ファイバなどの導波管を内部に差し込み、プリフォームを内面からレーザー光照射することにより、横延伸倍率の高い容器の成形が容易に行えることが確認された。また、外面および内面の双方から加熱することにより、内外温度差の無い、あるいは内外温度差の少ない状態でプリフォームを加熱できることが確認された。
二軸延伸ブロー成形では通常、容器形状などに応じてプリフォームの各部分に温度差をつけて縦横二方向にブローしている。従来の熱源であるクオーツヒータなどは熱線が放射状に拡散するので、プリフォームの各部分に温度差をつけた状態で加熱することが困難である。例えば、ミネラルウオータ用PETボトルなどのような細口ボトルでは、口栓部分は延伸されず、そのサポートリング以下の部分が延伸される。この場合、サポートリングの部分まで加熱されて、この部分に変形が生じて不良ボトルが発生することがあった。これに対して、レーザー加熱の場合には、レーザービームの幅および方向などを正確に設定できるので、サポートリングを照射することなく、プリフォームを加熱することが可能なことが確認された。また、レーザーの出力、照射時間を制御することにより、精度良く、加熱部分の温度を制御できることが確認された。
二軸延伸ブロー成形機の設置スペースの1/2〜2/3はプリフォーム加熱部によって占有されているのが現状である。レーザー光を用いた加熱方法を採用した場合には、プリフォーム加熱部を現状の半分程度にすることが可能であり、二軸延伸ブロー成形機全体の小型化を実現でき、その設置スペースを少なくできる。
クオーツヒータなどの熱源の場合には、実際にプリフォームの加熱に利用されているエネルギの割合は放射エネルギの20%以下と低い。
2 口栓部分
3 開口端面部分
4 開口端面
4a 内周縁部分
4b 外周縁部分
L レーザー光
Claims (51)
- プリフォームをブロー成形に適した温度に加熱する加熱工程と、
加熱後のプリフォームをブロー成形するブロー成形工程とを含み、
前記加熱工程は、レーザー光を用いて前記プリフォームを加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1において、
前記加熱工程は、レーザー以外の加熱源を用いて前記プリフォームを加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記プリフォームの口栓部分を加熱して結晶化させるプリフォーム結晶化工程を含み、
前記プリフォーム結晶化工程は、レーザー光を用いて前記口栓部分を加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項3において、
前記プリフォーム結晶化工程は、レーザー光以外の加熱源を用いて前記口栓部分を加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記レーザー照射工程は、前記プリフォームの内面にレーザーを照射する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項5において、
前記レーザー照射工程では、光ファイバなどの導波管を前記プリフォームの口栓部分から内部に引き込み、レーザー光を照射するプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記プリフォームの口栓部分における開口端面部分を加熱して結晶化させるプリフォーム結晶化工程を含み、
前記プリフォーム結晶化工程は、レーザー光を用いて前記開口端面部分を加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項7において、
前記プリフォーム結晶化工程は、レーザー光以外の加熱源を用いて前記開口端面部分を加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項7または8において、
前記プリフォーム結晶化工程は、レーザー光を前記口栓部分の開口端面に直交する方向から当該開口端面に照射して、当該開口端面から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の製造方法。 - 請求項7または8において、
前記プリフォーム結晶化工程は、前記口栓部分の開口端面に直交する方向に対して、所定角度傾斜した方向から、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分にレーザー光を照射して、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記ブロー成形工程により製造されたプラスチック容器の口栓部分および/または底部分を加熱して結晶化させる容器結晶化工程を含み、
前記容器結晶化工程は、レーザー光を用いて前記口栓部分および/または底部分を加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項11において、
前記容器結晶化工程は、レーザー以外の加熱源を用いて前記口栓部分および/または底部分を加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項11または12において、
前記レーザー照射工程は、前記プラスチック容器の内面にレーザーを照射する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項13において、
前記レーザー照射工程では、光ファイバなどの導波管を前記プラスチック容器の口栓部分から内部に引き込み、レーザー光を照射することを特徴とするプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記ブロー成形工程により製造されたプラスチック容器の口栓部分における開口端面部分を加熱して結晶化させる容器結晶化工程を含み、
前記容器結晶化工程は、レーザー光を用いて前記開口端面部分を加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項15において、
前記容器結晶化工程は、レーザー以外の加熱源を用いて前記開口端面部分を加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項15または16において、
前記容器結晶化工程は、レーザー光を前記口栓部分の開口端面に直交する方向から当該開口端面に照射して、当該開口端面から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の製造方法。 - 請求項15または16において、
前記容器結晶化工程は、前記口栓部分の開口端面に直交する方向に対して、所定角度傾斜した方向から、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分にレーザー光を照射して、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1ないし18のうちのいずれかの項において、
前記ブロー成形工程により製造されたプラスチック容器の耐熱性を高めるための熱処理工程を含み、
前記熱処理工程は、金型内において、あるいは、金型から取り出した後に、レーザー光を用いて前記プラスチック容器を加熱するレーザー照射工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項19において、
前記熱処理工程は、レーザー以外の加熱源を用いて前記プラスチック容器を加熱する工程を含むプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1ないし20のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、赤外領域の波長を備えたものを用いるプラスチック容器の製造方法。 - 請求項1ないし20のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、中心波長が10.6ミクロンの炭酸ガスレーザーから射出されるものを用いるプラスチック容器の製造方法。 - プラスチック容器をブロー成形するために用いるプリフォームの加熱対象部分にレーザー光を照射して加熱するプリフォームの加熱方法。
- 請求項23において、
前記加熱対象部分をブロー成形に適した温度に加熱するプリフォームの加熱方法。 - 請求項23において、
前記加熱対象部分を結晶化させるために加熱するプリフォームの加熱方法。 - 請求項23において、
前記加熱対象部分の耐熱性を高めるために加熱するプリフォームの加熱方法。 - 請求項25または26において、
前記加熱対象部分は前記プリフォームの口栓部分であるプリフォームの加熱方法。 - 請求項23ないし27のうちのいずれかの項において、
前記加熱対象部分を内面から加熱するプリフォームの加熱方法。 - 請求項28において、
光ファイバなどの導波管を前記プリフォームの口栓部分から内部に引き込み、レーザー光を前記加熱対象部分の内面に照射するプリフォームの加熱方法。 - 請求項25または26において、
前記加熱対象部分は前記プリフォームの口栓部分の開口端面部分であるプリフォームの加熱方法。 - 請求項30において、
前記口栓部分の開口端面に直交する方向から当該開口端面にレーザー光を照射して、当該開口端面から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプリフォームの加熱方法。 - 請求項30において、
前記口栓部分の開口端面に直交する方向に対して、所定角度傾斜した方向から、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分にレーザー光を照射して、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプリフォームの加熱方法。 - 請求項23ないし32のうちのいずれかの項において、
前記加熱対象部分を、レーザー光以外の加熱源を併用して加熱するプリフォームの加熱方法。 - 請求項23ないし33のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、赤外領域の波長を備えたものを用いるプリフォームの加熱方法。 - 請求項23ないし33のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、中心波長が10.6ミクロンの炭酸ガスレーザーから射出されるものを用いるプリフォームの加熱方法。 - 請求項23ないし35のうちのいずれかの項において、
ミラー、レンズなどの光学素子により、前記レーザー光の偏向、前記レーザー光の分割、前記レーザー光の拡散、および前記レーザー光の集中のうちの少なくとも一つを行って、前記レーザー光を前記加熱対象部分に導くプリフォームの加熱方法。 - プラスチック容器の加熱対象部分にレーザー光を照射して加熱するプラスチック容器の加熱方法。
- 請求項37において、
前記プラスチック容器はブロー成形により製造されたものであるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37まはた38において、
前記加熱対象部分を結晶化させるために加熱するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37または38において、
前記加熱対象部分の耐熱性を高めるために加熱するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項39または40において、
前記加熱対象部分は、口栓部分および/または底部分であるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37ないし41のうちのいずれかの項において、
前記加熱対象部分を内面から加熱するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項42において、
光ファイバなどの導波管を前記プラスチック容器の口栓部分から内部に引き込み、レーザー光を前記加熱対象部分の内面に照射するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項39または40において、
前記加熱対象部分は口栓部分の開口端面部分であるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項44において、
前記口栓部分の開口端面に直交する方向から当該開口端面にレーザー光を照射して、当該開口端面から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項44において、
前記口栓部分の開口端面に直交する方向に対して、所定角度傾斜した方向から、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分にレーザー光を照射して、当該開口端面の内周縁部分あるいは外周縁部分から所定の深さの範囲の前記開口端面部分を結晶化させるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37ないし46のうちのいずれかの項において、
前記加熱対象部分を、レーザー以外の加熱源を併用して加熱するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37ないし47のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、赤外領域の波長を備えたものを用いるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項37ないし47のうちのいずれかの項において、
前記レーザー光として、中心波長が10.6ミクロンの炭酸ガスレーザーから射出されるものを用いるプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項38ないし49のうちのいずれかの項において、
ブロー成形用の金型内にあるプラスチック容器の前記加熱対象部分にレーザー光を照射して加熱するプラスチック容器の加熱方法。 - 請求項50において、
ブローエアによって加圧状態にある前記プラスチック容器、あるいは大気圧状態に戻った後の前記プラスチック容器を加熱するプラスチック容器の加熱方法。
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