JP2005001125A - 画像形成装置および画像形成制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成制御方法 Download PDF

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卓 杉浦
Hidehiko Kinoshita
秀彦 木下
Seiji Shibaki
誠司 柴木
Takahiro Atomichi
高広 後路
Masaaki Saito
雅昭 齋藤
Wataru Kawada
渡 川田
Kenichi Tamura
健一 田村
Akihiro Sato
彰洋 佐藤
Masami Kawada
正美 河田
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Abstract

【課題】記録紙の斜行に応じた最適なフチ無しプリントを実現すること。
【解決手段】本発明では画像記録領域を、画像形成可能なシートの周縁全体を越えてはみ出すように形成することにより、前記シート上に非画像記録領域のないフチ無し画像を形成する画像記録装置において、シートの搬送状態を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された搬送状態に応じて画像を拡大して形成する拡大手段と、を有することにより紙の斜行時に縁無しプリントを実現する場合、余白がなく、また原稿に近い倍率で実現することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いたLBP(レーザビームプリンタ)や複写機等の画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の全周に余白のないフチなしプリントを実現させる場合には、ある程度、紙の搬送精度が高い場合には斜行はない前提で、もとの画像情報が記録紙より小さい場合には記録紙に合わせて拡大し実現していた。また紙の搬送制度が悪い場合(例えば低価格のプリンタ)には記録紙より少し大きめに画像を拡大し、多少の画像かけはがまんする構成であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では記録紙の斜行に応じた最適なフチ無しプリントを実現する事はできない。例えば記録紙に合わせて画像形成する場合には記録紙が斜行すると画像が記録されない部分が生じてしまう。もとの原稿画像が背景にハーフトンがのっている場合であれば結果的に記録紙の端のどこかに白い部分が残ってしまう事になる。また予め大きめな画像をのせる場合は画像かけが紙が斜行しない場合でも発生し、好ましくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では画像記録領域を、画像形成可能なシートの周縁全体を越えてはみ出すように形成することにより、前記シート上に非画像記録領域のないフチ無し画像を形成する画像記録装置において、シートの搬送状態を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された搬送状態に応じて画像を拡大して形成する拡大手段と、を有することにより紙の斜行時に縁無しプリントを実現する場合、余白がなく、また原稿に近い倍率で実現することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0006】
[全体構成]
図1は実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。この画像形成装置は、画像形成装置本体10、折り装置40およびフィニッシャ50から構成される。また、画像形成装置本体10は、原稿画像を読み取るイメージリーダ11およびプリンタ13から構成される。
【0007】
イメージリーダ11には、原稿給送装置12が搭載されている。原稿給送装置12は、原稿トレイ12a上に上向きにセットされた原稿を、先頭頁から順に1枚づつ図中左方向に給紙し、湾曲したパスを介してプラテンガラス上に搬送して所定位置に停止させ、この状態でスキャナユニット21を左側から右側へ走査させることにより原稿を読み取る。読み取り後、外部の排紙トレイ12bに向けて原稿を排出する。原稿の読み取り面がスキャナユニット21のランプからの光で照射され、その原稿からの反射光がミラー22、23、24を介してレンズ25に導かれる。このレンズ25を通過した光は、イメージセンサ26の撮像面に結像する。そして、原稿の画像を主走査方向に1ライン毎にイメージセンサ26で読み取りながら、スキャナユニット21を副走査方向に搬送することによって原稿の画像全体の読み取りを行う。光学的に読み取られた画像は、イメージセンサ26によって画像データに変換されて出力される。イメージセンサ26から出力された画像データは、図示しない画像信号制御部(画像処理回路)において所定の処理が施された後、プリンタ13の図示しない露光制御部(レーザ制御回路)にビデオ信号として入力する。
【0008】
プリンタ13の露光制御部は、入力された画像データに基づき、レーザ素子(図示せず)から出力されるレーザ光を変調し、変調されたレーザ光は、ポリゴンミラー27によって走査されながら、レンズ28、29およびミラー30を介して感光ドラム31上に照射される。感光ドラム31には、走査されたレーザ光に応じた静電潜像が形成される。この感光ドラム31上の静電潜像は、現像器33から供給される現像剤によって現像剤像として可視像化される。また、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、各カセット34、35、36、37、手差給紙部38または両面搬送パスから用紙が給紙され、レジストローラ43を介して画像形成部に搬送される。
【0009】
この用紙は感光ドラム31と転写ローラ39との間に搬送され、感光ドラム31に形成された現像剤像は、転写ローラ39で給紙された用紙上に転写される。現像剤像が転写された用紙は、定着部32に搬送され、定着部32は用紙を熱圧することによって現像剤像を用紙上に定着させる。定着部32を通過した用紙は、フラッパおよび排出ローラを経てプリンタ13から外部(折り装置40)に向けて排出される。
【0010】
ここで、用紙をその画像形成面が下向きになる状態(フェイスダウン状態)で排出するときには、定着部32を通過した用紙をフラッパの切換動作により一旦、反転パス42内に導き、その用紙の後端がフラッパを通過した後、用紙をスイッチバックさせて排出ローラによりプリンタ13から排出する。また、手差給紙部38からOHP用紙等の硬い用紙が給紙され、この用紙に画像を形成する場合、用紙を反転パスに導くことなく、画像形成面を上向きにした状態(フェイスアップ状態)で排出ローラにより排出する。
【0011】
さらに、用紙の両面に画像形成を行う両面記録が設定されている場合、フラッパの切換動作により、未記録用紙を用紙を反転パス42に導いた後、両面搬送パスに搬送する。両面搬送パスに導かれた用紙は、両面搬送ローラ40を経由して両面搬送ローラ41にニップした位置まで搬送され、次の給紙タイミングまで一時停止する。両面搬送パスに、両面搬送ローラ41にニップした位置に停止する用紙が既に有る場合は、両面搬送ローラ41の上流に位置する両面搬送ローラ40にニップした位置に用紙を停止することになる。
【0012】
ここで、両面搬送パスに、両面搬送ローラ41にニップした位置に停止する用紙が無くてもカセット35を使用している場合は、用紙は搬送ローラ40にニップした位置まで搬送され、用紙を停止する。そして、カセットから給紙されて、画像形成部に搬送された後に、両面搬送ローラ41にニップされている片面プリント済の用紙を再給紙する。その後、片面給紙プリント済みの用紙が画像形成部に搬送されると、カセットから用紙を給送する。この上記動作を繰り返す交互給紙により両面記録を行う。この時、両面搬送パスには、最大2枚の用紙が滞留していることになる。プリンタ13から排出された用紙は折り装置40に送られる。この折り装置40は、用紙をZ形に折りたたむ処理を行う。例えば、A3サイズやB4サイズの用紙で、かつ折り処理が指定されている場合、折り装置40で折り処理を行い、それ以外の場合、プリンタ13から排出された用紙は折り装置40を通過してフィニッシャ50に送られる。このフィニッシャ50には、画像が形成された用紙に挿入するための表紙、合紙などの特殊用紙を給送するインサータ90が設けられている。フィニッシャ50では、製本処理、綴じ処理、穴あけ等の各処理が行われる。
【0013】
また、第1の排出トレイ51は、主にステープルや製本処理が設定されていない用紙や後述するエラーシートが排出されるトレイである。第2の排出トレイ52は、ステープル処理トレイ53でステープル処理されたシートが排出されるトレイである。尚、本実施形態では、画像形成装置の像担持体として感光ドラムを用いたが、感光ベルトであっても構わない。
【0014】
また、画像形成装置には、操作パネル60が設けられている。図13は画像形成装置に設けられた操作パネル60の構成を示す図である。図において、400は複写開始を指示するコピースタートキーである。401は標準モードに戻すためのリセットキーである。402はガイダンス機能を使用するときに押下するガイダンスキーである。403は設定枚数等の数値を入力するテンキーである。404は数値をクリアするクリアキーである。405は連続コピー中にコピーを停止させるストップキーである。406はステープルモード、製本モードあるいは両面プリント設定等の各種モードの設定やプリンタの状態を表示する液晶表示部およびタッチパネルである。407は連続コピー中あるいはファックスやプリンタとして使用中に割り込んで緊急コピーをとるための割り込みキーである。408は個人別や部門別にコピー枚数を管理するための暗証キーである。409は画像形成装置本体の電源をON/OFFするためのソフトスイッチである。410は画像形成装置の機能を変更するときに使用する機能キーである。411は、オートカセットチェンジのON/OFFや省エネモードに入るまでの設定時間の変更など、予めユーザが項目を設定するユーザモードに入るためのユーザモードキーである。
【0015】
[紙送りタイミングと画像書き出しタイミング]
図2は感光ドラムに至る紙搬送パスに配置された印字位置調整機構を示す図である。図において、205は紙搬送パスである。206は両面記録用の循環パスである。31は前述した感光ドラムである。202は感光ドラム31に潜像を形成するレーザ素子である。尚、このレーザ素子202の配置は便宜的に描かれており、実際の配置とは異なる。203は紙搬送ローラ(レジストローラ)であり、紙搬送パス205に沿って送られてくる用紙を一旦突き当てた状態で滞留させた後、所定の紙送りタイミングに合わせて感光ドラム31側に送り出す。204は用紙位置を検出するために画像を読み取る画像読取センサ(イメージセンサ)であり、CCDやCIS等の光電変換素子アレイから構成される。本実施形態ではCIS(コンタクトイメージセンサ)が用いられる。このCIS204は感光ドラム31から距離L1だけ離れたレジストローラ203側に配置されている。また、CIS204は後述する画像形成ポイント(a点)から距離L2だけ離れたレジストローラ203側に配置されている。さらに、CIS204は後述するBD検出器108から紙送り方向に対して垂直方向に距離L3だけ離れて配置されている。
【0016】
108はレーザ素子(単にレーザという)202の照射時期を検出するビームディテクト(BD)検出器である。レーザ光は、ポリゴンミラーによってBD検出器108に照射された後、振られて感光ドラム31上に照射されると、感光ドラム31上には、潜像が形成される。
【0017】
図中、a点は画像形成ポイントを示す。例えば、用紙がa点を5mm過ぎたタイミングでレーザ202による画像形成を行った場合、感光ドラム31の回転と用紙107の搬送が同期して行われ、結果として、出力画像は用紙先端から5mmの位置に形成される。
【0018】
また、図中、b点は転写ポイントを示し、c点はレーザ書き出しポイントを示す。レーザ書き出しポイントc点で、レーザ102によって感光ドラム31上に潜像が形成されると、現像ユニットを経由し、転写ポイントb点でトナーが用紙上に転写され、画像形成が行われる。この画像形成の際、レジストローラ203から送り出された用紙107は、紙搬送パス205に沿って感光ドラム31側に搬送され、CIS204によって先端検知されてから距離L2だけ進んだときに、感光ドラム31にレーザ光を照射するように制御が行われる。具体的に、用紙107が距離L2進む時間をタイマでカウントし、その時間が経過すると、レーザ光を感光ドラム31に照射する。
【0019】
更に高精度にレーザ書き出し位置を調整するためには、用紙の紙送り方向(便宜上、副走査方向という)のタイミング、およびこの紙送り方向に対して垂直方向(便宜上、主走査方向という)のタイミングを検知し、この検知情報にしたがってレーザ光による書き出しを制御する必要がある。
【0020】
すなわち、CIS204で用紙の先端位置が検知されてから画像形成の開始時期を決定し、用紙が距離L2だけ進んだときにレーザによる書き出しを開始することで、副走査方向の画像の書き出し位置を調整することができる。したがって、距離L2は、CIS204が、用紙107の先端を検出してから、この用紙の送り方向に対して垂直方向のズレを検出し、それぞれの方向におけるレーザ光の書き出しのタイミングを設定するまでの時間に相当する距離を少なくとも有していることが必要になる。
【0021】
また、通常の画像形成装置では、用紙の搬送スピードと感光ドラム31の回転速度は等しく設定されている。これは、CIS204から距離L2だけ進んだ位置(画像形成ポイントa点)から、転写ローラ39と感光ドラム31のニップ位置である用紙への転写位置(転写ポイントb点)までの距離L1−L2と、レーザの書き出し位置(書き出しポイントc点)から用紙への転写位置(転写ポイントb点)までの感光ドラム31上の円周(周回)距離とが等しいことを意味する。
【0022】
そして、CIS204で用紙の横端位置(横レジ)が検知されると、ビームディテクタ(BD)108からCIS204の下端までの距離L3に、CIS204の下端から用紙の横端位置までの距離xを加えた距離(x+L3)を算出し、ビームディテクタ108によってレーザ光が検知されてから上記算出された距離だけレーザ光が主走査方向に振られた後、レーザによる書き出しを開始することで、主走査方向の画像の書き出し位置を調整することができる。
【0023】
このようなレーザ光による副走査方向および主走査方向の画像の書き出し位置の調整は、後述するタイミングコントロールユニット(TCU)105によって行われる。すなわち、TCU105は、レジストローラ203をオンにして用紙の搬送を開始させた後、CIS204からの検知信号に基づき、書き出しタイミングをレーザ制御回路27に出力する。レーザ制御回路27は、TCU105から出力された書き出しタイミングに同期し、画像処理回路(図示せず)から送られてきた画像データを基にレーザ素子202を駆動する。
【0024】
[CISの構成]
図3はCIS204の構成を示す図である。このCIS204は、画像読取部205およびLED発光部206から構成される。画像読取部205は、受光素子部およびシフトレジスタが1チップ内に収納された複数のチップ(1〜n)211〜217、セレクタ215および出力部216から構成される。本実施形態では、チップ数は7個である(n=7)。各チップ内の受光素子部には、それぞれ1000個の読み取り画素が設けられている。
【0025】
CIS全体で有効画素数7000個の読み取り画素のうち、副走査方向の読み取り(後述する先端および斜行検知)には、先頭に位置するチップ(1)211内の1000個の読み取り画素が使用される。一方、主走査方向の読み取り(後述する横端検知)には、残りの6チップ(2〜6)212〜216内の6000個の読み取り画素が使用される。尚、上記複数のチップの合計である有効画素数は一例であり、特に限定されるものではなく、任意の数でよい。また、チップ分割も、本実施形態の1:(n−1)に限らず、任意の分割数でよい。
【0026】
画像読取部205では、TCU105からのセレクタ信号によってセレクタ215が特定のチップ、例えば先端および斜行検知に使用されるチップ211だけを有効に選択すると、受光素子部211aで検知された画像信号は、TCU105からのロード信号(CIS−SH)によって一旦、シフトレジスタ211bに読み出された後、TCU105からのクロック(CLK)に従って順次、シフトレジスタ211bからセレクタ215を介して出力部216に転送される。出力部216は転送されたシリアルの画像信号をパラレルデータに変換し、CISデータとして出力する。また、TCU105からのセレクタ信号によってセレクタ215が横端検知に使用されるチップ212〜217を有効に選択すると、各受光素子部212a〜217aで検知された画像信号は、TCU105からのロード信号によって一旦、シフトレジスタ212b〜217bに読み出された後、TCU105からのクロック(CLK)に従って順次、シフトレジスタ212b〜217bからセレクタ215を介して出力部216に転送される。出力部216は、転送されたシリアルの画像信号をパラレルデータに変換し、CISデータとして出力する。
【0027】
一方、LED発光部206は、直列に接続されたLED群が複数並列に接続されたLED部221、および各LED群のカソード側に接続され、各LED群に流れる電流を調節するLED電流調節回路222から構成される。LED電流調節回路222は、TCU105からの光量制御データにしたがって、LED部221の全体のLED発光量を調節する。
【0028】
図4は先端検知、斜行検知および横端検知を行う際のCIS204のクロック(CLK)、ロード信号(CIS−SH)および画像信号の変化を示すタイミングチャートである。先端検知および斜行検知の場合(図中、A、C)、使用される受光素子部211aは1チップ分であり、ロード信号によって繰り返し読み出される電荷蓄積時間は短くなる。この場合、TCU105からの光量制御データによって、LED電流調節回路222によるLED電流値を高く設定し、LED発光量を多くすることにより、読み取り画像のS/N比の低下を防ぐ。一方、横端検知の場合(図中、B)、使用される受光素子部212a〜217aは6つであり、ロード信号によって繰り返し読み出される電荷蓄積時間は比較的長くなる。この場合、TCU105からの光量制御データによって、LED電流調節回路222によるLED電流値を低く設定し、LED発光量を少なくしても、読み取り画像のS/N比を維持できる。
【0029】
図5は用紙の通過領域に対するCIS204の配置を示す図である。CIS204は、用紙107の搬送方向に対して垂直方向に読み取り画素が並ぶように配置される。しかも、CIS204の一端が通過する用紙107の略中央の位置となり、他端が通過する用紙107の横端を越えた位置となるように、CIS204は配置される。CIS204の用紙107の略中央側には、チップ(1)211が位置し、横端を越えた側には、チップ(7)217が位置する。
【0030】
図6はCIS204における先端検知領域および横端検知領域を示す図である。先端(斜行)検知領域は、前述したように、用紙107の略中央側に位置するCIS204内の受光素子部211aに含まれる1000画素分に相当し、先端(斜行)検知を行っている間、残りのCIS内の読み取り画素は使用されない(図中、×で表示)。一方、横端検知領域は、CIS204内の残りの受光素子部212a〜217aに含まれる6000画素分に相当し、横端検知を行っている間、先端検知で使用される受光素子部211aの1000画素分は使用されない(図中、×で表示)。このように、先端検知や横端検知にそれぞれの検出に適したCIS204の読み取り画素の必要な画素データのみを取り込むような処理を実施して、それぞれの検知に不必要なデータをなるべく取り込まないようにしている。
【0031】
図7はCIS204の最大検知幅を示す図である。画像形成装置で使用される最大用紙幅をLmaxとし、最小用紙幅をLminとすると、最大検知幅Xは、ほぼ1/2(Lmax−Lmin)となり、このような最大検知幅Xを有するCIS204を用いればよいことがわかる。ここで、CISを先端(斜行)検知に用いた場合の有用性について示す。例えば、紙送り速度(PS)を800mm/S、最大検知幅(X)を100mm、主走査/副走査分解能Ph,Pvをそれぞれ0.05mmとした場合、センサ1ラインの読み取り周期=PS/Pv=16KHz、センサ画素数=X/Ph=2000ドットとなり、通常のセンサの使用方法では、VCLK=16KHz*2000dot=32MHzとなる。つまり、32MHzで動作可能なセンサが求められる。
【0032】
しかし、本実施形態で示す方式では、仮に副走査方向の読み取りに使用される画素数を1/10の200ドットとすることにより、VCLK=16KHz*200dot=3.2MHzとなる。つまり、3.2MHzで動作可能なセンサを使用でき、安価なCISを採用できる。また、主走査方向の読み取りでは、クロックVCLKを3.2MHzに設定したので、10ライン距離が進む間に1回しか検知できないことになるが、横端検知であるので、遅くてもよい。
【0033】
また、先端検知と斜行検知に利用される画素データとして、主走査方向に複数画素を利用しているので、従来の単一の光学式センサやメカニカルな紙検知センサに比べて、先端検知用のセンサを必要しないため、部品点数の軽減により画像形成装置をよりコンパクトにすることができる。
【0034】
そして、先端検知と斜行検知の検知後に横端検知を行うことにより、それぞれの検知方法として別の手法を採用でき、それぞれの検知に適した検知方法の採用により、検知精度を向上することが可能になる。特に、先端検知において、主走査方向の一部の複数画素のデータを利用することは、検出精度向上に寄与する。何故なら、同一の読み取りクロックで複数全画素を読取る場合と比べて、読み取り周期が短くなり、用紙搬送方向の画素データ密度が高くなるので、結果として検出精度が向上する。
【0035】
そして、シーケンス上、用紙の先端が最初にCISに検知されるのに、用紙の先端検知を先に処理せずに、先端検知と横端検知を同時に行うと、横端検出をするためにはCISの複数の全画素を読取らねばならず、先端検知の周期が長くなってしまうので精度の高い先端検出が出来ない。従って、先端検知(斜行検知)後に横端検知するといった順番で処理することは、より正確な先端検知を可能にする。
【0036】
更に、先端検知と横端検知を別々に実行することによって、それぞれ最適な検知周期で検知処理を最短時間に設定できるので、レジストローラと画像形成部の間隔に相当する搬送距離を短くでき、装置をコンパクトにすることが可能になる。
【0037】
[斜行角度計算]
先に説明した横端検知2ポイントから斜行角度を計算する事が可能である。2ポイントの横端量のずれをx、2ポイントを見た時間差t、紙の搬送速度をuとすると斜行角度θはtanθ=x/(ut)で求めることができる。
【0038】
[拡大倍率計算]
図19により説明する。θだけ紙が斜行した場合、紙全体に画像を載せる場合には、図中斜線部分のように画像情報を拡大させる必要がある。但し、縦横異なる倍率で拡大させるとオリジナルの画像情報がゆがんでしまうため、実際には縦横同倍率でなおかつ余白かけがないように画像を拡大させる必要がある。このような拡大倍率の演算方法を以下説明する。
図中 y=bcosθ+asinθ
x=acosθ+bsinθ
従ってy方向に余白を残さないための最低倍率は(bcosθ+asinθ)/b
x方向に余白を残さないための最低倍率は(acosθ+bsinθ)/a
余白なしに画像を乗せるために必用な最低倍率は、以上からaとbの長さに依存しており、図中aが短いとするとx方向の倍率(acosθ+bsinθ)/aが必用な倍率になる。
【0039】
[先端検知]
図20により説明する。図中zのポイントを先端α、横端β、γの3ポイントから求めることになる。
δx=αx−(a−αyArccosθ)sinθ
δy=αy+(a−αyArccosθ)cosθ
により求める事ができる。
【0040】
[斜行量に応じた拡大処理]
画像1ページ分を一度メモリに格納し、拡大倍率、先端ポイントを計算しメモリから拡大しながら画像を読み出す事になる。画像の拡大に関しては公知の技術であるためここでは説明は省略する。
【0041】
[予め決められた倍率での拡大処理]
しかし上記例ではα、β、γの3ポイントを検知した後でなければ処理を行う事ができない。ラインセンサによる斜行検知から露光までの時間的余裕のない構成の場合には、紙幅以上のラインセンサを使用し、紙先端δを検知すると予め決められた倍率で画像を拡大し露光を開始する構成になる。
【0042】
図21がこれを説明した図である。δを検知すると予め決められた倍率でメモリから画像を読み出しはじめるため(図中点線の画像を露光する事になる)この場合は画像の欠ける部分が大きくなる。逆に予め決められた倍率と斜行角度θの関係が逆になれば図22の様に余白が多少残る事になる。
【0043】
またこの構成の場合は紙が斜行していれば予め決められた倍率で画像を拡大し、斜行していなければ等倍あるいは紙サイズにあわせた拡大処理を行う方が好ましい。斜行しているか否かをなるべく紙の先端で判断する方法を図23で説明する。予め記録紙のサイズは分かっているため記録紙の両端(図中∂、δ)が通過するであろうラインセンサ上のポイント(図中A、B)が分かる。∂、δを検知した時間差が一定時間以上であった場合に記録紙が斜行、一定時間以内であった場合は斜行していないと判断する事ができる。
【0044】
[制御回路の構成]
図8は制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路51は画像処理回路52、レーザ制御回路(V−CNT)27およびタイミングコントロールユニット(TCU)105を有する。画像処理回路52には、イメージセンサ26によって読み取られた画像データが記憶される画像メモリ(P−MEM)56、およびこの画像メモリ56に記憶された画像データを処理する(メモリ制御や拡大処理、先に説明した斜行量演算、先端演算、斜行しているか否かの判断等を行う)CPU57が設けられている。
【0045】
レーザ制御回路27は、画像処理回路52から画像データに応じて出力される信号を基に、レーザ素子202に駆動信号を出力する。レーザ素子202への駆動信号の出力は、TCU105からのタイミング信号に同期して行われる。TCU105は、CIS204にCIS制御信号を出力するとともに、CIS204で読み取られたCISデータを入力し、このCISデータを基にレーザ制御回路27に対してタイミング信号を出力する。このタイミング信号には、垂直同期信号VSYNC、クロックVCLK、水平同期信号HSYNCのレーザ書き出し信号の他、レジストローラ203を駆動する信号(レジON信号)等が含まれる。
【0046】
図9はTCU105の構成を示すブロック図である。TCU105は、カウンタ(counter)61、レジON部62、先端検知部63、横端検知部64、CISコントローラ65、CIS先端検知用短周期設定部66、先端エラー検知部67、CIS横端検知用長周期設定部68、横端エラー検知部69、シーケンス終了設定部(SEQ END)70および補正パラメータ記憶部71を有する。
【0047】
カウンタ(counter)61は、シーケンススタート信号(SEQ START)により起動し、一定周期のクロックを計数する。レジON部62は、レジストローラ203の駆動をオン/オフにする。先端検知部63は、CIS204から入力されたCISデータを基に、用紙の先端位置を検知する。横端検知部64は、同様にCIS204から入力されたCISデータを基に、用紙の横端位置を検知する。
【0048】
CISコントローラ65は、CIS204に対し、ロード信号(CIS−SH)、クロック(CIS−CLK)、セレクタ信号、光量制御データ等のCIS制御信号を出力する。CIS先端検知用短周期設定部66には、用紙の先端検知を行う際、CIS204に入力されるロード信号(CIS−SH)の短周期TSが設定される。一方、CIS横端検知用長周期設定部68には、用紙の横端検知を行う際、CIS204に入力されるロード信号(CIS−SH)の長周期TLが設定される。本実施形態では、この長周期TLは短周期TSの6倍の時間である。
【0049】
先端エラー検知部67は、先端検知部63によって検知された用紙の先端位置が予め決められた所定範囲(5mm)から外れた場合、エラー信号(ERR)を生成する。同様に、横端エラー検知部69は、横端検知部64によって検知された用紙の横端位置が所定範囲(5mm)から外れた場合、エラー信号(ERR)を生成する。シーケンス終了設定部70には、用紙1枚の印刷を終了させるシーケンスのカウント値が設定される。補正パラメータ記憶部71には、後述する処理によって得られる主走査および副走査方向におけるレーザ書き出し位置の補正値が記憶される。
【0050】
図10は先端検知部63の構成を示すブロック図である。先端検知部63は、複数のエッジ回路(EDDGE)81、タイミング発生回路82、カウンタ83および斜行量設定部84を有する。各エッジ回路(EDDGE)81には、CIS204の受光素子部211a内の画素位置を指定するレジスタ信号(REG1〜REGn)がCISデータとともに入力される。そして、カウンタ83からのカウント信号に同期して指定された画素位置で「紙無し→紙有り」が検知されると、そのエッジ回路(EDDGE)81はエッジ(EDDGE1〜n)信号を発生させる。
【0051】
タイミング発生回路(TIMING)82は、上記発生した複数のエッジ(EDDGE1〜n)信号の平均化処理を行って先端検知信号(VREQ)を出力するとともに、上記発生した複数のエッジ(EDDGE1〜n)信号を用いて、演算して斜行量を検知し、検知された斜行量が斜行量設定部84に予め設定された斜行量(REG:5mm)に比べて大きい場合、斜行エラー信号(斜行ERR)を出力する。また、先端検知を行う場合、特定の画素単体だけを用いてもよいが、本実施形態では、複数の画素を用いることでノイズ等の影響を除去している。また、先端検知では、複数の画素を用いているので、従来の単一の光学センサやメカニカルなセンサによるものと比べて、より先端検知精度が向上している。
【0052】
カウンタ83は、ロード信号(CIS−SH)およびクロック(CIS−CLK)を基に、複数のエッジ回路(EDDGE)81にカウント信号を出力する。
【0053】
先端検知手段において複数の読取画素から読み出された用紙の先端を表すデータを基に、用紙の斜行量を検知するので、用紙の斜行量の計算と用紙の先端位置検知を同時に実行でき、処理時間を短縮することが可能になる。
【0054】
従って、用紙に画像が形成される前に正確に斜行を検知することができ、斜行によって印字品位の低い画像が形成された用紙を出力しないで済む。
【0055】
[紙送り/画像形成シーケンス]
図11はTCU105の動作を示すタイミングチャートである。紙搬送パス205に沿って用紙107がレジストローラ203まで搬送され、レジストローラ203で用紙107が滞留している状態で、本実施形態の紙送り/画像形成シーケンスが開始する。シーケンススタート信号(SEQ START)がカウンタ61に入力すると、カウンタ61は一定周期のクロックの計測を開始する。カウンタ61のカウント値がタイミングaになると、レジON部62はレジ信号をHレベルにしてレジストローラ203をオンに駆動する。
【0056】
そして、カウント値がタイミングbになると、CIS204における先端検知モードの動作を開始する。先端検知モードでは、TCU105はCIS先端検知用短周期設定部66に設定された短周期TSでロード信号(CIS−SH)をCIS204に出力する。これにより、先端検知部63は、CIS204内の受光素子部211aからのCISデータだけを読み取る。
【0057】
カウント値がタイミングcになったときに用紙の先端が検知されると、先端検知部63はCISコントローラ65に先端検知信号VREQを出力するとともに、CIS204における横端検知モードの動作を開始させる。CISコントローラ65が先端検知信号VREQに応じた垂直同期信号VSYNCをレーザ制御回路27に出力すると、レーザ制御回路27は、CISコントローラ65からの垂直同期信号VSYNCを基に、垂直余白を考慮してレーザによる副走査方向の書き出し位置を調整する。図12はレーザによる書き出し位置調整を示す図である。尚、カウント値がタイミングc’(c’>c)に達しても、用紙の先端位置が検知されない場合、CISコントローラ65は、先端エラー信号(先端ERR)を出力する。
【0058】
横端検知モードでは、TCU105はCIS横端検知用短周期設定部68に設定された長周期TLでロード信号(CIS−SH)を出力する。これにより、横端検知部64は、CIS204内の特定領域の受光素子部212a〜217aからのCISデータだけを読み取る。
【0059】
カウント値がタイミングdになったときに用紙の横端位置が検知されると、CISコントローラ65は、CIS204の動作を停止させ、水平同期信号HSYNCおよびクロックVCLKをレーザ制御回路27に出力する。レーザ制御回路27は、水平同期信号HSYNCおよびクロックVCLKを基に、レーザによる主走査方向の書き出し位置を設定する(図12参照)。尚、カウント値がタイミングd’(5mm)に達しても、横端位置が検知されない場合、横端エラー信号(横端ERR)を出力する。
【0060】
[斜行エラー、横端エラーシーケンス]
本実施形態における斜行エラーとして、2つを想定し、それぞれに応じたエラーレベルが設定されている。同様に、横端エラーとしても2つを想定し、それぞれに応じたエラーレベルが設定されている。その1つのエラーは、画像形成装置の構成上の理由によるエラーであり、そのエラーレベルは、画像形成装置が搬送される用紙の位置ずれ量をエラーとして認識するために、予め決定された閾値である。例えば、本実施形態では、記録用紙が正規の搬送に対して5ミリ以上の横ズレや斜行していると、用紙端部が搬送パスの端部にぶつかってしまうので、用紙が撓んだり、角折れしてしまうおそれがある。このため、用紙が好ましくない所でジャムしたり、用紙が画像形成部を通常通り通紙しないので、感光体等のプロセスユニットに悪影響を与えてしまう。したがって、5ミリ以上の横ズレあるいは斜行がある場合、検出した時点でエラーとすることが望ましく、本実施形態では、感光体に達する前に用紙を停止させることにする。
【0061】
もう1つのエラーは、記録用紙の横ズレや斜行がユーザの許容範囲内にない場合のエラーであり、そのエラーレベルは、ユーザが用紙に対する画像のずれ量をエラーとして認識するため、ユーザにより入力される許容値(閾値)である。
【0062】
本実施形態では、レーザの主走査方向の書込みタイミングによって、横ズレを補正可能な範囲は、約2ミリである。これは、感光体自体やプロセスユニットの横ズレに対する画像形成可能な許容範囲の大きさが2ミリであることによる。したがって、用紙の横ズレが0ミリ〜2ミリまでの範囲では、用紙上の画像の位置ズレは生じないが、2ミリ〜5ミリまでの用紙の横ズレの場合、0ミリ〜3ミリの用紙上の画像の位置ズレ(記録位置ズレ)となって記録紙上に現れることになる。この結果、ユーザは、実際の0ミリ〜3ミリまでの画像位置ズレ量に対し、任意の許容範囲を設定することにより、ユーザにとって横ズレを感じさせない画像記録が可能になる。
【0063】
同様に、斜行に対しても、レーザの書き込みタイミングによる画像の記録位置を補正してもよく、斜行量について、ユーザの許容値を設定することで、ユーザにとって斜行ズレを感じさせない画像記録が可能になる。
【0064】
図14は横ズレ量および斜行量の許容値を設定するためのユーザ設定画面を示す図である。図13のユーザモードキー411をセットすると、ユーザは、横ズレ量および斜行量の許容値を設定することができる。この画面上で、ユーザは横ズレ量(0ミリ〜3ミリ)および斜行量(0ミリ〜5ミリ)の許容値を操作部上のテンキーから数値入力して設定する。尚、この画面上で表示される横ズレ量(0ミリ〜3ミリ)は前述した記録位置ズレ量を表している。
【0065】
図15は横端エラーおよび斜行エラーの検知処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、画像形成装置内のROMにプログラムとして格納されており、画像形成装置の制御を司るCPUにより実行される。画像形成装置の電源がONになると、まず、ユーザモードキー411が押されたか否か、つまり、横ズレ量・斜行量の許容値に関するユーザ設定値入力モードに移行するか否かを判別する(ステップS101)。
【0066】
ユーザモードキー411が押されず、ユーザ設定値入力モードに移行しない場合、そのままステップS103の処理に進む。尚、ユーザによる設定値の入力がない場合、初期値(例えば、1.5mm)が設定される。一方、ユーザモードキー411が押されてユーザ設定値入力モードに移行する場合、設定値の入力を待ち、入力があると、横ズレ量・斜行量の許容値として入力された設定値を登録する(ステップS102)。本実施形態では、その設定値は、画面上の横ズレ量、つまり記録位置ズレ量2.0mm、斜行量2.0mmである(図14参照)。
【0067】
そして、コピー、FAXあるいはプリンタのジョブが入力されるのを待ち(ステップS103)、ジョブが入力されると、画像形成動作を開始する(ステップS104)。用紙カセットや両面パスから画像形成部に給紙される用紙が、横ズレ量5mm以下であるか否かを判別する(ステップS105)。このエラーレベルは、前述した通り、予め画像形成装置が構成上の理由としてエラーを判断するために設定されたものである。横ズレ量が5mmを越える場合、画像形成装置の操作部に用紙搬送エラーに相当するエラーコードあるいはそれに準ずるメッセージを表示し、画像形成部に記録用紙が到達しないように、即座に画像形成装置のプリント動作を停止する(ステップS106)。この後、処理を終了する。
【0068】
一方、横ズレ量が5mm以下である場合、斜行量が5mm以下であるか否かを判別する(ステップS107)。斜行量が5mmを越える場合、横ズレ量の場合と同様、ステップS106で画像形成装置の操作部に用紙搬送エラーに相当するエラーコードを表示し、プリント動作を停止する。一方、ステップS107で斜行量が5mm以下である場合、用紙上の記録位置ズレ量が2mm(横ズレ量としては、4mm)以下であるか否かを判別する(ステップS108)。このエラーレベルは、前述した通り、ユーザの許容する範囲内に無いことのエラーを判断するために設定されたものである。
【0069】
用紙上の記録位置ズレ量が2mmを越える場合、記録用紙に記録異常は認められるが、画像形成装置のプリント動作自体に何ら問題はないので、画像形成動作を続行するためのプリント継続処理を行う(ステップS109)。
【0070】
一方、ステップS108で用紙上の記録位置ズレ量が2mm以下(横ズレ量としては4mm以下)である場合、斜行量が2mm以下であるか否かを判別する(ステップS110)。斜行量が2mmを越える場合、ステップS109で同様にプリント継続処理を行う。一方、ステップS110で斜行量が2mm以下である場合、プリントを終了して用紙を排出した後、ジョブ終了であるか否かを判別する(ステップS111)。ジョブ途中である場合、ステップS105に戻り、記録用紙1枚毎の動作を継続する。一方、ジョブが終了した場合、ジョブ内のエラーカウントを値0にクリアし(ステップS112)、ステップS101の処理に戻る。
【0071】
[プリント継続処理シーケンス]
図16および図17はステップS109のプリント継続処理手順を示すフローチャートである。このプリント継続処理は、前述したように、ステップS108で記録位置ズレ量が2mmより大きい場合、あるいはステップS110で斜行量が2mmより大きい場合、実行される。このプリント継続処理は、ユーザの設定値に基づくエラー処理であるので、そのエラーシートだけを廃棄し、なるべく既にプリントアウトされているシートを無駄にしないようにして、画像形成装置のダウンタイムを極力無くすものである。
【0072】
まず、ステープル等の後処理が設定されているか否かを判別する(ステップS201)。本実施形態では、簡単化のために、後処理として、ステープルを行う場合を示す。尚、後処理としては、ステープル以外に折りやパンチ等であってもよい。ステープルが設定されている場合、両面パスに現在、シートが存在するか否かを判別する(ステップS202)。前述したように、両面の画像形成を行う場合、両面パスには最大2枚のシートが存在することになる。したがって、両面の画像形成が設定されている場合、両面パスに2枚のシートが存在する可能性が大きい。ステップS202で両面パスにシートが存在すると判別された場合、エラーと判断された用紙(エラーシート)が用紙カセットから搬送されてきた表面プリント用の用紙であるのか、それとも両面パスから搬送されてきた表面プリント済みの用紙であるのかを判別する(ステップS203)。
【0073】
表面プリント用の用紙である場合、そのエラーシートにエラーであることを示すパターングラフィック(PG)マークを記録し、ステープル処理トレイ53とは別の排出トレイである第1のトレイ51にエラーシートを排出する(ステップS204)。さらに、このステップS204の処理では、次の両面パスから画像形成部への給紙を一時ストップし、用紙カセットから用紙を画像形成部に給紙し、エラーシートにプリントするはずであった画像を再プリントするように制御するリカバリ動作を実行する。これにより、両面パスに存在する記録済の用紙を無駄にすることなくエラーシートのみを排出できる。
【0074】
一方、ステップS203で、表面プリント済みの用紙である場合、エラーシートにPGマークを記録し、エラーシートを第1のトレイ51に排出する。そして、次の用紙カセットから画像形成部への給紙を一時ストップし、両面パスに残留するシート全てにPGマークをプリントして第1のトレイ51に排出する(ステップS205)。さらに、このステップS205の処理では、エラーシートと両面パスに残留したシートに記録された画像を連続して再プリントし、エラーを検出する前のシートの状態までリカバリ動作を行う。このように、両面プリント時にエラーシートが検知された場合、全てのシートを排出することで、ページ順を乱すことなく揃えることができる。
【0075】
また一方、ステップS202で、両面パスにシートが存在しない場合、エラーシートにPGマークを記録し、エラーシートを第1のトレイ51に排出する(ステップS206)。さらに、このステップS206の処理では、用紙カセットから用紙を画像形成部に給紙し、エラーシートにプリントするはずであった画像を再プリントするように制御してリカバリ動作を実行する。
【0076】
また一方、ステップS201で、後処理が設定されていない場合、両面パスにシートが存在するか否かを判別する(ステップS207)。両面パスにシートが存在する場合、エラーと判断された用紙が用紙カセットから搬送された表面プリント用の用紙であるのか、それとも両面パスから搬送されてきた表面プリント済みの用紙であるのかを判別する(ステップS208)。
【0077】
ステップS208の処理で、表面プリント済みの用紙である場合、エラーシートにPGマークを記録し、そのエラーシートを第1のトレイ51に排出する(ステップS209)。さらに、このステップS209の処理では、次の用紙カセットから画像形成部への給紙を一時ストップし、両面パスに残留するシート全てにPGマークをプリントして第1のトレイ51に排出する。このように、両面プリント時にエラーシートが検知された場合、全てのシートを排出することで、ページ順を乱すことなく揃えることができる。
【0078】
ここで、フィニッシャにシフト排紙機能が備わっている場合、PGマークがプリントされたシートは、そのPGマークが確認できるように、シフトして排紙することが好ましい。これにより、第1のトレイ51に排出されたエラーシートと正常に記録された用紙を簡易に識別でき、ユーザがエラーシートを引き抜くことで、正常に記録された用紙だけでプリント束にすることができる。さらに、このステップS209の処理では、エラーシートと両面パスに残留したシートに記録された画像を連続して再プリントして、エラーを検出する前のシートの状態までリカバリ動作を行う。
【0079】
一方、ステップS208で、表面プリント用の用紙である場合、そのエラーシートにエラーを示すパターングラフィック(PG)マークを記録し、第1のトレイ51に排出する(ステップS210)。さらに、このステップS210の処理では、次の両面パスから画像形成部への給紙を一時ストップし、用紙カセットから用紙を画像形成部に給紙し、エラーシートにプリントするはずであった画像を再プリントするように制御してリカバリ動作を実行する(ステップS210)。
【0080】
また一方、ステップS207で、両面パスにシートが存在しない場合、エラーシートにPGマークを記録し、そのエラーシートを第1のトレイ51に排出する(ステップS211)。さらに、このステップS211の処理では、用紙カセットから用紙を画像形成部に給紙し、エラーシートにプリントするはずであった画像を再プリントするように制御してリカバリ動作を実行する。上記ステップS204〜S206、S209〜S211の処理を終えると、エラーカウントを値1だけカウントアップする(ステップS212)。
【0081】
そして、エラーカウントが値3に達したか否かを判別する(ステップS213)。ここで、エラーカウントが値3であることは、1ジョブ内でユーザの許容する範囲内に無い横ズレや斜行が3回起きていることを意味する。また、1ジョブ内でエラーカウントが値3に達する要因は、種々考えられ、その種々の要因を排除するためのエラーコードを表示し、複数部のジョブのプリント途中である場合、部と部との切れ目までプリントアウトしてプリントを一時停止させる(ステップS214)。この後、本処理を終了する。尚、ステップS213で、エラーカウントが値3より小さい場合、プリント動作を継続し(ステップS215)、本プリント継続処理を終了してメインの処理に復帰する。
【0082】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、ふち無しプリントを実現する際に紙が斜行していた場合、斜行量に応じて画像を拡大する事により、記録紙斜行時にも完全なふち無しプリントを実現する事ができる。さらにラインセンサで紙の斜行量を検知、演算する事により必用以上に紙を拡大しないため、転写ローラ等を汚す事も少なく、原稿に近い倍率でプリントすることが可能である。さらにラインセンサでの記録紙検知から露光までに時間的余裕がある装置構成の場合は、最適な拡大倍率、正確な紙の先端を検知、演算すると共に、時間的余裕がない場合には紙の先端からおおよその斜行量をみつもり、必用に応じて、拡大して処理する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】感光ドラムに至る紙搬送パスに配置された印字位置調整機構を示す図である。
【図3】CIS204の構成を示す図である。
【図4】先端検知、斜行検知および横端検知を行う際のCIS204のクロック(CLK)、ロード信号(CIS−SH)および画像信号の変化を示すタイミングチャートである。
【図5】用紙の通過領域に対するCIS204の配置を示す図である。
【図6】CIS204における先端検知領域および横端検知領域を示す図である。
【図7】CIS204の最大検知幅を示す図である。
【図8】制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】TCU105の構成を示すブロック図である。
【図10】先端検知部63の構成を示すブロック図である。
【図11】TCU105の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】レーザによる書き出し位置調整を示す図である。
【図13】画像形成装置に設けられた操作パネル60の構成を示す図である。
【図14】横ズレ量および斜行量の許容値を設定するためのユーザ設定画面を示す図である。
【図15】横端エラーおよび斜行エラーの検知処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ステップS109のプリント継続処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図16につづくプリント継続処理手順を示すフローチャートである。
【図18】従来の画像形成装置における印字位置調整機構の構成を示す図である。
【図19】記録紙の斜行角度および必用な拡大倍率を求める方法を説明する図。
【図20】斜光量に応じた紙の先端を求める方法を説明する図。
【図21】予め決められた倍率で拡大処理を行い、ふち無しプリントを実現した図の1。
【図22】予め決められた倍率で拡大処理を行い、ふち無しプリントを実現した図の2。
【図23】紙の先端から記録紙が斜行しているか否かを判断する方法を説明する図。
【符号の説明】
27 レーザ制御回路
62 レジON部
64 横端検知部
65 CISコントローラ
82 タイミング発生回路
105 タイミングコントロールユニット(TCU)
107 用紙
202 レーザ
203 レジストローラ(レジストクラッチ)
204 CIS(コンタクトイメージセンサ)
211a〜217a 受光素子部
411 ユーザモードキー

Claims (8)

  1. 画像記録領域を、画像形成可能なシートの周縁全体を越えてはみ出すように形成することにより、前記シート上に非画像記録領域のないフチ無し画像を形成する画像記録装置において、
    シートの搬送状態を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された搬送状態に応じて画像を拡大して形成する拡大手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記算出手段は、前記シートの搬送パスに配置されたシート検出手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記シート検出手段は、画像を読み取る複数の読取画素を有し、前記複数の読取画素が前記シートの搬搬送方向と略直行する方向に並ぶことを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記算出手段は、シートの斜行量を算出し、前記拡大手段は、記算出手段により算出されたシートの斜行量に応じて画像を拡大して形成することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  5. 前記算出手段は、シートの位置ずれ量を算出し、前記拡大手段は、記算出手段により算出されたシートの位置ずれ量に応じて画像を拡大して形成することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  6. 前記算出手段は、シートの位置ずれ量をから、シート先端位置を算出し、前記拡大手段は、前記算出手段により算出されたシート先端位置に応じて画像を拡大して形成することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  7. 前記シート検出手段は、シート先端を検出することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  8. 画像データを格納する記憶手段を備え、
    前記拡大手段は、前記斜行量に応じた倍率で前記記憶手段から拡大しながら画像を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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