JP2005000394A - 血液成分分離装置および血液成分の分離・移送方法 - Google Patents

血液成分分離装置および血液成分の分離・移送方法 Download PDF

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Noboru Taguchi
昇 田口
Masahide Murakoshi
正英 村越
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Abstract

【課題】不要成分の混入量が少ない血液成分を回収することができる血液成分分離装置および血液成分の分離・移送方法を提供すること。
【解決手段】バッグ連結体(血液成分分離装置)1は、採血バッグ10と、血小板保存バッグ20と、赤血球保存バッグ30と、保存液貯留バッグ40と、血漿保存バッグ50とを、それぞれ所定のチューブで連結した5連バッグである。採血バッグ10と血小板保存バッグ20とは第1のチューブにより接続され、採血バッグ10と赤血球保存バッグ30とは第1のチューブから分岐した第2のチューブにより接続され、採血バッグ10と保存液貯留バッグ40とは、第1のチューブから分岐した第3のチューブにより接続されている。また、第1のチューブの途中であって、第2のチューブの分岐部より採血バッグ10側には、白血球除去フィルタ60が設けられ、第2のチューブの途中には、白血球血小板除去フィルタ70が設けられている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液成分分離装置およびこれを用いた血液成分の分離・移送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
白血球等の免疫担当細胞が多く混在する血液製剤が体内に輸注されると、前記免疫担当細胞の膜表面上に発現している抗原等に対して、抗体が産生されることにより、同種抗原感作が生じるおそれがある。一旦、抗原感作が生じた後、さらに輸血を受けた場合には、患者の体内で抗原抗体反応が生じ、悪寒、発熱、痙攣等の副作用が生じることがある。
【0003】
また、免疫能が低下している患者に、前述したような血液製剤を輸血した場合、血液製剤中に混在する白血球が体内で増殖して組織を攻撃することにより、非常に重篤な症状に陥る移植片対宿主病(Graft Versus Host Disease:GVHD)を発症するおそれがある。
【0004】
さらに、サイトメガロウィルスやHTLV−1等のウィルスに感染しているドナーでは、白血球にこれらのウィルスが存在するが、かかるドナーの血液から製造された血液製剤中に白血球が混在した場合、このような血液製剤を、前記のウィルスに感染していない患者に輸血すると、間質性肺炎、成人T細胞白血病等の重篤な感染症を発症するおそれもある。
【0005】
また、濃厚赤血球製剤では、白血球や血小板が混在すると、その保存期間中に、白血球や血小板から代謝産物や生理活性物質等が放出されることが知られており、かかる濃厚赤血球製剤が輸血されると、患者は、発熱、悪寒等の副作用を発症するおそれがある。
【0006】
したがって、以上のような輸血後の各種副作用を軽減するためには、血液製剤中に混入する白血球や血小板の数を極力少なくすること、すなわち、これらを血液製剤中から極力除去してやることが重要となる。
【0007】
従来から、血液製剤中から白血球や血小板を除去する様々な方法が検討されてきているが、その中でも、特に、フィルタを用いる方法は、比較的効率よく白血球や血小板を分離・除去できる手段であることから、近年、広く用いられるようになってきている。
【0008】
このようなフィルタを用いて、例えば特許文献1には、全血血液から多血小板血漿(PRP)と濃厚赤血球(CRC)とを回収する方法が開示されている。
【0009】
この特許文献1に記載の方法では、まず、全血血液に対し遠心分離を施し、上層と下層とに分離した後、上層を白血球を除去する白血球除去フィルタに通過させ、PRPを回収し、一方、下層を白血球および血小板を除去する白血球血小板除去フィルタに通過させ、CRCを回収する。
【0010】
ところが、下層には多量に白血球が混在しており、かかる方法では、一般に使用される白血球血小板除去フィルタを用いた場合、CRCを回収する終盤において、白血球および血小板の除去率が極端に低下してしまい、白血球の除去率を高くするためには、大容量の白血球血小板除去フィルタを使用せざるを得ないという問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特表平6−500942号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、不要成分の混入量が少ない血液成分を回収することができる血液成分分離装置および血液成分の分離・移送方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0014】
(1) 血液を収納する第1の容器と、
前記血液より分離された主に血漿および血小板よりなる第1の血液成分を収納する第2の容器と、
前記血液より分離された主に赤血球よりなる第2の血液成分を収納する第3の容器と、
前記第1の容器と前記第2の容器とを、それらの間で液移送可能に接続する第1のチューブと、
該第1のチューブから分岐し、前記第1の容器と前記第3の容器とを、それらの間で液移送可能に接続する第2のチューブと、
前記第1のチューブの途中であって、前記第2のチューブの分岐部より前記第1の容器側に設けられた第1のフィルタと、
前記第2のチューブの途中に設けられ、前記第1のフィルタが捕捉する捕捉対象物を含む複数種の捕捉対象物を捕捉する第2のフィルタとを有することを特徴とする血液成分分離装置。
【0015】
(2) 前記第1のフィルタは、主に白血球を捕捉し、前記第2のフィルタは、主に白血球および血小板を捕捉する上記(1)に記載の血液成分分離装置。
【0016】
(3) 前記第1の容器には、抗凝固剤が収納されている上記(1)または(2)に記載の血液成分分離装置。
【0017】
(4) 赤血球保存液を貯留した保存液貯留容器を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液成分分離装置。
【0018】
(5) 前記第1の容器と前記第1のフィルタとの間において、前記第1のチューブから分岐し、前記保存液貯留容器内に連通し得るよう前記保存液貯留容器に接続された第3のチューブを有する上記(4)に記載の血液成分分離装置。
【0019】
(6) 前記第2の容器にチューブを介して液移送可能に接続され、前記第1の血液成分よりさらに分離された主に血漿を含む血液成分を収納する第4の容器を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の血液成分分離装置。
【0020】
(7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
前記第1の容器内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
【0021】
(8) 上記(5)に記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
前記第1の容器内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
前記保存液貯留容器内の前記赤血球保存液を、前記第3のチューブおよび前記第1のチューブを介して前記第1の容器へ移送する工程と、
前記赤血球保存液が添加された前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、前記第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
【0022】
(9) 上記(6)に記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
前記第1のバッグ内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、前記第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程と、
前記第2の容器内に収納された前記第1の血液成分に対し遠心分離を施して、主に血漿を含む血液成分よりなる上層を得る工程と、
前記主に血漿を含む血液成分を、前記チューブを介して前記第4の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
【0023】
(10) 前記第2の血液成分を前記第3の容器へ移送する工程に先立って、
前記保存液貯留容器内の前記赤血球保存液を、前記第3のチューブおよび前記第1のチューブを介して前記第1の容器へ移送する工程を有する上記(9)に記載の血液成分の分離・移送方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の血液成分分離装置および血液成分の分離・移送方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の血液成分分離装置をバッグ連結体に適用した場合の実施形態を示す平面図である。
【0026】
図1に示すバッグ連結体1は、採血バッグ(第1の容器)10と、血小板保存バッグ(第2の容器)20と、赤血球保存バッグ(第3の容器)30と、保存液貯留バッグ(保存液貯留容器)40と、血漿保存バッグ(第4の容器)50とをそれぞれ所定のチューブで連結した5連バッグである。
【0027】
採血バッグ10は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部12において融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状に構成したバッグ本体11を有する。
【0028】
このバッグ本体11のシール部12で囲まれる内側の部分に、採血血液が収納される血液収納部13が形成されている。血液収納部13内には、ACD(アシッドサイトレート・デキストロース)、CPD(サイトレート・フォスフェイト・デキストロース)等の液体の抗凝固剤19が収納(収容)されている。なお、この抗凝固剤19の量は、予定採血量に応じた適正な量とされる。
【0029】
バッグ本体11の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの排出口14が設けられ、さらにその側部には、チューブ15の一端が接続されている。また、一方の排出口14の側部には、封止部材16が設けられている。これらの排出口14、チューブ15および封止部材16の内部は、いずれも血液収納部13に連通している。
【0030】
なお、封止部材16および後述する封止部材45は、それぞれ、破断前はその内部流路が閉塞されているが、破断すると内部流路が開通する部材を用いるのが好ましく、かかる部材には、例えば、クリックチップ(テルモ社製)を用いることができる。
【0031】
チューブ15の他端には、ハブ151を介して採血針152が装着されている。また、ハブ151には、採血針152を被包するキャップ153が装着される。これらのチューブ15、ハブ151、採血針152およびキャップ153により、採血ラインが構成される。
【0032】
封止部材16には、チューブ17の一端が接続され、チューブ17の他端は、ト字状の分岐コネクタ18を介して、チューブ63の一端および後述する保存液貯留バッグ40に接続されたチューブ46の端部とそれぞれ接続されている。また、チューブ63の他端は、白血球除去フィルタ(第1のフィルタ)60の流入口611に接続され、その流出口612には、チューブ64の一端が接続されている。さらに、チューブ64の他端には、ト字状の分岐コネクタ65を介して、チューブ25の一端および第2のチューブを構成するチューブ73の端部がそれぞれ接続されている。
【0033】
このような構成において、チューブ17、63、64および25により、第1のチューブが構成され、この第1のチューブからは分岐部(分岐コネクタ65)において第2のチューブが分岐している。
【0034】
白血球除去フィルタ60は、主に白血球を捕捉するものである。この白血球除去フィルタ60は、扁平形状のハウジング61と、その内部空間に収納された濾材(フィルタ部材)62とを備えている。
【0035】
ハウジング61には、流入口611および流出口612がそれぞれ突出形成され、流入口611には前記チューブ63の端部が、流出口612には前記チューブ64の端部がそれぞれ接続されている。すなわち、白血球除去フィルタ60は、第1のチューブの途中であって、分岐コネクタ18(第2のチューブの分岐部)より採血バッグ(第1の容器)10側に設けられている。
【0036】
濾材62は、ハウジング61の内部空間を、流入口611側の空間と流出口612側の空間とに隔離するように配置されている。この濾材62は、白血球(目的とする血液成分)は捕捉するが、他の血液成分、すなわち、血漿、血小板、赤血球等は実質的に通過させる機能を有するものである。
【0037】
濾材62は、例えば、多孔質体、織布、不織布、繊維の集合体等で構成することができるが、特に、多孔質体で構成された濾材62は、目的とする血液成分の捕捉能に優れるという点で好ましい。ここで、この多孔質体としては、例えば、平膜状、中空糸状のような膜状形状、スポンジ形状のような塊状形状等のものを用いることができる。
【0038】
濾材62の構成材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。
【0039】
また、ハウジング61の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)等が挙げられる。
【0040】
なお、濾材62の捕捉する血液成分の選択性は、例えば、濾材62の物理的特性、化学的特性、免疫学的特性(例えば、濾材62表面への抗体の結合等)のうちの1または2以上の特性を適宜選択することにより、付与することができる。
【0041】
血小板保存バッグ20は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部22において融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体21を有する。
【0042】
このバッグ本体21のシール部22で囲まれる内側の部分に、本実施形態では、最終的に主に血小板よりなる血液成分(以下、「濃厚血小板(PC)」と言う。)が収納、保存される血小板収納部23が形成されている。
【0043】
バッグ本体21の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された輸血用の排出口24が設けられ、さらにその側部には、前記チューブ25の他端およびチューブ26の一端が、それぞれ血小板収納部23に連通するよう接続されている。
【0044】
これにより、封止部材16の流路開通時には、採血バッグ10の血液収納部13と血小板保存バッグ20の血小板収納部23とが、封止部材16、チューブ17、分岐コネクタ18、チューブ63、白血球除去フィルタ60、チューブ64、分岐コネクタ65およびチューブ25を介して連通して、採血バッグ(第1の容器)10と血小板保存バッグ(第2の容器)20との間で液移送可能となる。
【0045】
なお、この血小板保存バッグ20は、後述するような血液成分の分離操作に際し、白血球除去フィルタ60により白血球が除去された主に血漿および血小板よりなる第1の血液成分(以下、「多血小板血漿(PRP)」と言う。)を一旦貯留し、かかる多血小板血漿を処理(例えば、遠心分離等)する処理バッグとしても兼用される。そして、この処理後、主に血漿を含む血液成分は、後述する血漿保存バッグ50に移送される。これにより、血小板収納部23には、濃厚血小板(PC)のみが残ることになる。
【0046】
血漿保存バッグ(第4の容器)50は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部52において融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体51を有する。
【0047】
このバッグ本体51のシール部52で囲まれる内側の部分に、多血小板血漿よりさらに分離された主に血漿を含む血液成分(以下、「乏血小板血漿(PPP)」と言う。)が収納、保存される血漿収納部53が形成されている。
【0048】
バッグ本体51の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された輸血用の2つの排出口54が設けられ、さらにその側部には、血漿収納部53に連通するよう前記チューブ26の他端が接続されている。これにより、チューブ26を介して、血小板保存バッグ(第2の容器)20と血漿保存バッグ50との間で液移送可能となっている。
【0049】
赤血球保存バッグ30は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部32において融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体31を有する。
【0050】
このバッグ本体31のシール部32で囲まれる内側の部分に、主に赤血球よりなる第2の血液成分(以下、「濃厚赤血球(CRC)」と言う。)が収納、保存される赤血球収納部33が形成されている。
【0051】
バッグ本体31の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの輸血用の排出口34が設けられ、さらにその側部には、チューブ35の一端が赤血球収納部33に連通するよう接続されている。
【0052】
また、チューブ35の他端は、白血球血小板除去フィルタ(第2のフィルタ)70の流出口712に接続され、その流入口711には、チューブ73の一端が接続されている。さらに、このチューブ73の他端は、前記分岐コネクタ65を介してチューブ25および64の端部とそれぞれ接続されている。このような構成において、チューブ35および73により、第2のチューブが構成されている。
【0053】
これにより、封止部材16の流路開通時には、採血バッグ10の血液収納部13と赤血球保存バッグ30の赤血球収納部33とが、封止部材16、チューブ17、35、63、64、73、分岐コネクタ18、65、白血球除去フィルタ60および白血球血小板除去フィルタ70を介して連通して、採血バッグ(第1の容器)10と赤血球保存バッグ(第3の容器)30との間で液移送可能となる。
【0054】
白血球血小板除去フィルタ70は、白血球除去フィルタ60が捕捉する白血球(捕捉対象物)を含む複数種の血液成分(捕捉対象物)を捕捉するもの、具体的には、主に白血球および血小板を捕捉するものである。この白血球血小板除去フィルタ70は、扁平形状のハウジング71と、その内部空間に収納された濾材(フィルタ部材)72とを備えている。
【0055】
ハウジング71には、流入口711および流出口712がそれぞれ突出形成され、流入口711には前記チューブ73の端部が、流出口712には前記チューブ35の端部がそれぞれ接続されている。すなわち、白血球血小板除去フィルタ70は、第2のチューブの途中に設けられている。
【0056】
濾材72は、ハウジング71の内部空間を、流入口711側の空間と流出口712側の空間とに隔離するように配置されている。この濾材72は、白血球および血小板(目的とする血液成分)は捕捉するが、他の血液成分、すなわち、血漿、赤血球等は実質的に通過させる機能を有するものである。
【0057】
濾材72は、前述した濾材62と同様の構成(形態、形状、構成材料)とされているが、その物理的特性、化学的特性、免疫学的特性のうちの1または2以上の特性が選択され、これにより、濾材62と異なる血液成分(捕捉対象物)を捕捉し得るよう設定されている。
【0058】
また、ハウジング71の構成材料も、前記ハウジング61で挙げたものと同様のものを用いることができる。
【0059】
保存液貯留バッグ40は、後述する樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁のシール部42において融着(熱融着、高周波融着等)または接着し、袋状としたバッグ本体41を有する。
【0060】
このバッグ本体41のシール部42で囲まれる内側の部分に、所定量の赤血球保存液47が貯留(収納)される保存液貯留部43が形成されている。この赤血球保存液47としては、例えば、MAP液、S.A.G.M.液(塩化ナトリウム:0.877W/V%、アデニン:0.0169W/V%、ブドウ糖:0.818W/V%、D−マンニトール:0.525W/V%を含む水溶液)やOPTISOL液、ADSOL液等が挙げられる。
【0061】
バッグ本体41の上部には、ピールタブにより開封可能に封止された2つの排出口44が設けられ、さらにその側部には、保存液貯留部43に連通する封止部材45が設けられている。封止部材45には、チューブ(第3のチューブ)46の一端が接続され、チューブ46の他端は、分岐コネクタ18を介して、第1のチューブを構成するチューブ17および63の端部とそれぞれ接続されている。すなわち、第3のチューブは、採血バッグ(第1の容器)10と白血球除去フィルタ(第1のフィルタ)60との間において、第1のチューブから分岐し、保存液貯留バッグ40に接続されている。
【0062】
これにより、封止部材45の流路開通時には、赤血球保存バッグ30の赤血球収納部33と保存液貯留バッグ40の保存液貯留部43とが、封止部材45、チューブ35、46、63、64、73、分岐コネクタ18、65、白血球除去フィルタ60および白血球血小板除去フィルタ70を介して連通して、赤血球保存バッグ30と保存液貯留バッグ40との間で液移送可能となる。
【0063】
各バッグ10、20、30、40、50のバッグ本体を構成するシート材の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエーテルアミド(PEA)等が挙げられる。
【0064】
なお、各シート材、後述する各分岐コネクタおよび各チューブの構成材料として、ポリ塩化ビニルを用いる場合、このポリ塩化ビニルには、例えば、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル等の可塑剤のうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0065】
各バッグ10〜50を構成するシート材の厚さは、酸素ガス、炭酸ガス等のガス透過性や、遠心分離操作に耐え得る強度等を考慮して決定され、用いるシート材の構成材料にもよるが、通常、採血バッグ10および赤血球保存バッグ30のシート材の厚さは、それぞれ、0.2〜1.0mm程度、特に、0.3〜0.5mm程度とするのが好ましく、保存液貯留バッグ40および血漿保存バッグ50のシート材の厚さは、それぞれ、0.2〜0.7mm程度、特に、0.3〜0.5mm程度とするのが好ましい。また、血小板保存バッグ20のシート材は、血小板の保存性を向上するために、その厚さを比較的薄いものとするのが好ましく、0.1〜0.6mm程度、特に、0.2〜0.45mm程度とするのが好ましい。
【0066】
採血バッグ10および赤血球保存バッグ30の容量は、特に限定されないが、それぞれ、採血量に対応した容量であることが必要であり、日本国内で使用されるものとしては200または400mL程度、海外で使用されるものとしては350〜600mL程度とするのが好ましい。
【0067】
血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50の容量は、特に限定されないが、それぞれ、通常、各前記バッグ10、30よりも容量の小さいものが使用され、日本国内では150mLまたは300mL程度、海外では150〜500mL程度、好ましくは200〜450mL程度とするのが好ましい。
【0068】
また、保存液貯留バッグ40の容量も、特に限定されないが、日本国内で使用されるものとしては100〜400mL程度、特に、150〜300mL程度、海外で使用されるものとしては150〜600mL程度、特に、200〜450mL程度とするのが好ましい。
【0069】
また、分岐コネクタ18および65の構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0070】
各チューブ15、17、25、26、35、46、63、64および73の構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0071】
各チューブをこのような材料で構成することにより、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適する。さらに、前述した各バッグのシート材、各分岐コネクタおよび各フィルタのハウジングとの相溶性にも優れ、これらの確実な接続が可能となるので、遠心分離操作に対する耐久性や無菌性の維持にとっても好ましい。
【0072】
各チューブ15、17、25、26、35、46、63、64および73の内径は、特に限定されないが、それぞれ、好ましくは2.0〜4.5mm程度とされる。
【0073】
なお、各チューブ15、17、25、26、35、46、63、64および73は、それぞれ単一のチューブのみならず、複数本のチューブをコネクタ等のチューブ接続部材で接続したものや、無菌的な接続方法により接続したものでもよい。これにより、各バッグの滅菌、血液成分の保存、遠心分離、その他製剤を作製する作業の際等に、各バッグ10〜50等の分離を容易に行うことができる。
【0074】
次に、本発明の血液成分の分離・移送方法の好適実施形態について説明する。本発明の血液成分の分離・移送方法は、前述したようなバッグ連結体1を用いて行われる。
【0075】
なお、採血量は、例えば、200または400mL、もしくは450〜600mLとされ、以下、500mL採血の場合について説明する。
【0076】
[1] 採血針152を血管に穿刺し、チューブ15を介して、予め抗凝固剤19(例えば、ACD液75mL、CPD液70mL)が収納された採血バッグ10の血液収納部13内に採血血液を導入する。
【0077】
[2] 採血バッグ10内への採血終了後、チューブ15の途中を、例えばチューブシーラーを用いて融着により封止し、この封止部を切断して採血針152側のチューブを分離、除去する。
【0078】
[3] 次に、採血バッグ10、血小板保存バッグ20、赤血球保存バッグ30、保存液貯留バッグ40および血漿保存バッグ50を束ね、各バッグの底部を下側にして遠心分離器の遠心カップに入れ、遠心分離を施す。遠心分離器としては、例えば、CR7B3(日立工機社製)を用いることができる。この場合、遠心条件は、例えば、1400〜2300rpm(600〜1500G)で3〜8分程度とされる。
【0079】
このような遠心分離により、血液収納部13内の血液は、上層の主に血漿および血小板よりなる層(多血小板血漿層)と下層の主に赤血球よりなる層(濃厚赤血球層)のほぼ2層(2成分)に分離された状態となる(図示せず)。なお、遠心条件によって、分離される層の構成成分は異なる。
【0080】
[4] 遠心分離後、バッグ連結体1を遠心カップから静かに取り出し、採血バッグ10を分離スタンド(図示せず)にセットする。
【0081】
なお、分離スタンドとしては、手動式、電動式のいずれでもよく、手動式のものとしては、例えば、一対の押圧板と、一方の押圧板に固着されたレバーとを有し、両押圧板間に採血バッグ10をセットした状態で、前記レバーを操作して一方の押圧板をその一辺を中心にして他方の押圧板に対して回動し、採血バッグ10を挟持、圧迫するような簡単な構成のものを用いることができる。
【0082】
また、バッグ圧迫装置(電動式の分離スタンド)、分離成分の界面を検出するセンサーおよび制御手段(マイクロコンピュータ)等を備えた自動分離装置を用いてもよい。
【0083】
[5] 次に、チューブ46、73の途中を、それぞれクレンメ等で挟持して閉塞し、封止部材16の内部流路を開通させ、前記分離スタンドにより採血バッグ10を徐々に圧迫する。これにより、上層の多血小板血漿(第1の血液成分)は、開封された封止部材16から排出され、チューブ17、分岐コネクタ18、チューブ63、白血球除去フィルタ60、チューブ64、分岐コネクタ65およびチューブ25を経て血小板保存バッグ20の血小板収納部23に移送、回収される。このとき、多血小板血漿は、白血球除去フィルタ60を通過する際に、濾材62により白血球が選択的に捕捉、除去される。これにより、血小板保存バッグ20の血小板収納部23内には、白血球の混入量の少ない多血小板血漿が回収される。
【0084】
採血バッグ10内において、上層と下層との界面が血液収納部13の上部に到達したら、この多血小板血漿の移送を停止する。この場合、多血小板血漿(PRP)の回収量は、通常、200〜300mL程度である。
【0085】
なお、白血球除去フィルタ60から赤血球が流出する直前に多血小板血漿の移送を停止することとしてもよい。
【0086】
[6] 次に、血小板保存バッグ20内への多血小板血漿の回収終了後、チューブ25の途中を、例えばチューブシーラーを用いて融着により封止し、この封止部を切断して、血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50を分離、除去する。
【0087】
[7] 次に、採血バッグ10を、一旦、分離スタンドより取り外し、チューブ46の閉塞を解除する。そして、封止部材45の内部流路を開通させ、保存液貯留バッグ40を圧迫するか、採血バッグ10より高所へ置く。これにより、保存液貯留バッグ40の保存液貯留部43内に貯留されている赤血球保存液47(例えば、S.A.G.M.液100mL)が、開封された封止部材45から排出され、チューブ46、分岐コネクタ18、チューブ17および封止部材16を経て採血バッグ10の血液収納部13に移送される。
【0088】
[8] 赤血球保存液47のほぼ全量が採血バッグ10内へ移送されたら、チューブ46の途中を融着により封止し、この封止部を切断して、保存液貯留バッグ40を分離する。
【0089】
[9] 次に、再度、採血バッグ10を分離スタンドにセットし、チューブ73の閉塞を解除し、前記分離スタンドにより採血バッグ10を徐々に圧迫する。これにより、下層の濃厚赤血球(第2の血液成分)は、封止部材16、チューブ17、分岐コネクタ18、チューブ63、白血球除去フィルタ60、チューブ64、分岐コネクタ65、チューブ73、白血球血小板除去フィルタ70およびチューブ35を経て赤血球保存バッグ30の赤血球収納部33に移送、回収される。このとき、濃厚赤血球は、白血球除去フィルタ60および白血球血小板除去フィルタ70を通過する際に、濾材62により白血球が、また、濾材72により白血球および血小板が選択的に捕捉、除去される。これにより、赤血球保存バッグ30の赤血球収納部33内には、白血球および血小板の混入量の少ない濃厚赤血球が回収される。
【0090】
このように、本実施形態では、濃厚赤血球を回収するのに際し、いずれも白血球を捕捉し得る2つのフィルタを直列に接続し、これらのフィルタを通過させるので、白血球を効率よく除去することができるとともに、濃厚赤血球の回収操作を行っている間に、白血球の除去率が低下してしまうのを防止することができる。このようなことから、白血球血小板除去フィルタ70のみを用いる場合に比較して、白血球血小板除去フィルタ70の容量を小さくすること(小型化すること)ができる。これにより、バッグ連結体1が大型化するのを防止することができる。
【0091】
[10] 濃厚赤血球のほぼ全量が赤血球保存バッグ30内へ移送されたら、チューブ35の途中を融着により封止し、この封止部を切断して、赤血球保存バッグ30を分離する。これにより、濃厚赤血球が密封状態で収納された赤血球保存バッグ30、すなわち、濃厚赤血球製剤入りのバッグが得られる。この場合、濃厚赤血球(CRC)の回収量は、通常、300〜400mL程度である。
【0092】
[11] 前記工程[7]〜[10]に並行して、次のような処理を行う。
すなわち、血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50を束ね、各バッグの底部を下側にして、前記遠心分離器の遠心カップに入れ、遠心分離を施す。この場合、遠心条件は、例えば、3500〜4500rpm(3600〜5500G)で6.5〜8分程度とされる。
【0093】
このような遠心分離により、血小板収納部23内の多血小板血漿は、上層の主に血漿を含む層(乏血小板血漿層)と下層の主に血小板を含む層(濃厚血小板層)とのほぼ2層(2成分)に分離された状態となる(図示せず)。
【0094】
[12] 遠心分離後、血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50を遠心カップから静かに取り出し、血小板保存バッグ20を分離スタンドにセットし、前記分離スタンドにより血小板保存バッグ20を徐々に押圧する。これにより、上層の乏血小板血漿は、チューブ26を経て血漿保存バッグ50の血漿収納部53に移送され、血小板保存バッグ20内には、下層の濃厚血小板のみが残ることになる。
【0095】
血小板保存バッグ20内において、下層の濃厚血小板血漿(PC)の量が40〜100mL程度になるように上層の乏血小板血漿(PPP)を血漿保存バッグ50に移送する。
【0096】
[13] 次に、血漿保存バッグ40内への乏血小板血漿の回収終了後、チューブ26の途中を融着により封止し、この封止部を切断して、血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50を分離する。これにより、濃厚血小板および乏血小板血漿がそれぞれ密封状態で収納された血小板保存バッグ20および血漿保存バッグ50、すなわち、濃厚血小板製剤入りのバッグおよび乏血小板血漿製剤入りのバッグが得られる。
【0097】
なお、血小板保存バッグ20と血漿保存バッグ50とを分離する前後のいずれかに、無菌接続したチューブを介して、血小板保存液を例えば40〜100mL程度注入し、血小板保存バッグ20内の濃厚血小板に添加するようにしてもよい。また、かかる血小板保存液を収納したバッグが、予め血小板保存バッグ20(バッグ連結体1)に接続されていてもよい。
【0098】
以上、本発明の血液成分分離装置およびこれを用いた血液成分の分離・移送方法について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0099】
例えば、前述した5連のバッグ連結体1において、血漿保存バッグ50を省略することもでき、この場合、血小板保存バッグ20には、多血小板血漿を保存するためのバッグとして使用することができる。
【0100】
また、第1のフィルタと第2のフィルタとの組み合わせも、前記実施形態のものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0101】
また、本発明の用途は、上記血液成分の分離、移送(特に、全血からの血液製剤の製造)に限らず、例えば、骨髄液の濃縮(末梢血の除去)、赤血球の洗浄等に用いることもできる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明のバッグ連結体およびこれを用いた血液成分の分離・移送方法の具体的実施例について説明する。
【0103】
1.バッグ連結体の作製
実施例および比較例において、次のようなバッグ連結体を、それぞれ10個ずつ作製した。
【0104】
(実施例)
図1に示す構成のバッグ連結体1から血漿保存バッグ50を省略した4連のバッグ連結体を作製した。各バッグ等の条件は、以下の通りである。
【0105】
A 採血バッグ10
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
シート材厚さ :0.36mm
バッグ内容量 :約600mL
内容物 :CPD液70mL
B 血小板保存バッグ20
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
シート材厚さ :0.36mm
バッグ内容量 :約300mL
C 赤血球保存バッグ30
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
シート材厚さ :0.36mm
バッグ内容量 :約400mL
D 保存液貯留バッグ40
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
シート材厚さ :0.36mm
バッグ内容量 :約200mL
内容物 :S.A.G.M.液100mL
E 各チューブ15、17、25、26、35、46、63、64、73
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
内径 :3.0mm
F 各封止部材16、45
テルモ社製、「クリップチップ」を使用
G 各分岐コネクタ18、65
構成材料 :ポリ塩化ビニル(可塑剤:DEHP)
H 白血球除去フィルタ60
テルモ社製、「イムガードIII−PL」を使用
I 白血球血小板除去フィルタ70
テルモ社製、「イムガードIII−RC」を使用
【0106】
(比較例)
図1に示すバッグ連結体1に対して、チューブ73の白血球血小板除去フィルタ70と反対側の端部を、直接、採血バッグ10に接続した構成の4連のバッグ連結体を作製した。なお、各バッグ等の条件は、前記実施例と同様である。
【0107】
2.実験
実施例および比較例のバッグ連結体にオートクレーブ滅菌を施した後、これを用いて、前述した方法に準じて、多血小板血漿(PRP)入りの血小板保存バッグ20および濃厚赤血球(CRC)入りの赤血球保存バッグ30を得た。
【0108】
3.測定
実施例および比較例でそれぞれ得られた多血小板血漿および濃厚赤血球について、以下の各項目を測定した。
【0109】
3−1.多血小板血漿(PRP)
Figure 2005000394
【0110】
3−2.濃厚赤血球
Figure 2005000394
上記各項目の測定結果を下記表1に示す。なお、表1中の測定結果の数値は、いずれも10個のバッグ連結体の平均値である。
【0111】
【表1】
Figure 2005000394
【0112】
表1に示すように、実施例では、多血小板血漿および濃厚赤血球中の白血球除去率が高いことが確認された。
【0113】
これに対し、比較例では、多血小板血漿および濃厚赤血球中の白血球除去率が実施例に比べて低い値を示した。
【0114】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、不要成分の除去率の高い血液成分を得ることができる。また、複数の血液成分への分離およびバッグへの移送、回収を無菌的にかつ迅速に行うことができる。
【0115】
そして、第1のフィルタと第2のフィルタとの2つのフィルタを設け、第2のフィルタとして、第1のフィルタが捕捉する捕捉対象物を含む複数種の捕捉対象物を捕捉するものを用いることにより、第2の血液成分中からの第1のフィルタおよび第2のフィルタの双方で捕捉できる捕捉対象物の除去率を極めて高くすることができる。
【0116】
特に、第1のフィルタとして白血球除去フィルタを、また、第2のフィルタとして白血球血小板除去フィルタを用い、赤血球製剤を製造するのに適用した場合、白血球の除去率が高くなるため、このような赤血球製剤を用いることにより、移植片対宿主病、間質性肺炎、成人T細胞白血病、非溶血性発熱反応等の各種副作用の発症を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液成分分離装置をバッグ連結体に適用した場合の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 バッグ連結体
10 採血バッグ
11 バッグ本体
12 シール部
13 血液収納部
14 排出口
15 チューブ
151 ハブ
152 採血針
153 キャップ
16 封止部材
17 チューブ
18 分岐コネクタ
19 抗凝固剤
20 血小板保存バッグ
21 バッグ本体
22 シール部
23 血小板収納部
24 排出口
25、26 チューブ
30 赤血球保存バッグ
31 バッグ本体
32 シール部
33 赤血球収納部
34 排出口
35 チューブ
40 保存液貯留バッグ
41 バッグ本体
42 シール部
43 保存液貯留部
44 排出口
45 封止部材
46 チューブ
47 赤血球保存液
50 血漿保存バッグ
51 バッグ本体
52 シール部
53 血漿収納部
54 排出口
60 白血球除去フィルタ
61 ハウジング
611 流入口
612 流出口
62 濾材
63、64 チューブ
65 分岐コネクタ
70 白血球血小板除去フィルタ
71 ハウジング
711 流入口
712 流出口
72 濾材
73 チューブ

Claims (10)

  1. 血液を収納する第1の容器と、
    前記血液より分離された主に血漿および血小板よりなる第1の血液成分を収納する第2の容器と、
    前記血液より分離された主に赤血球よりなる第2の血液成分を収納する第3の容器と、
    前記第1の容器と前記第2の容器とを、それらの間で液移送可能に接続する第1のチューブと、
    該第1のチューブから分岐し、前記第1の容器と前記第3の容器とを、それらの間で液移送可能に接続する第2のチューブと、
    前記第1のチューブの途中であって、前記第2のチューブの分岐部より前記第1の容器側に設けられた第1のフィルタと、
    前記第2のチューブの途中に設けられ、前記第1のフィルタが捕捉する捕捉対象物を含む複数種の捕捉対象物を捕捉する第2のフィルタとを有することを特徴とする血液成分分離装置。
  2. 前記第1のフィルタは、主に白血球を捕捉し、前記第2のフィルタは、主に白血球および血小板を捕捉する請求項1に記載の血液成分分離装置。
  3. 前記第1の容器には、抗凝固剤が収納されている請求項1または2に記載の血液成分分離装置。
  4. 赤血球保存液を貯留した保存液貯留容器を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の血液成分分離装置。
  5. 前記第1の容器と前記第1のフィルタとの間において、前記第1のチューブから分岐し、前記保存液貯留容器内に連通し得るよう前記保存液貯留容器に接続された第3のチューブを有する請求項4に記載の血液成分分離装置。
  6. 前記第2の容器にチューブを介して液移送可能に接続され、前記第1の血液成分よりさらに分離された主に血漿を含む血液成分を収納する第4の容器を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の血液成分分離装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
    前記第1の容器内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
    前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
    前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
  8. 請求項5に記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
    前記第1の容器内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
    前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
    前記保存液貯留容器内の前記赤血球保存液を、前記第3のチューブおよび前記第1のチューブを介して前記第1の容器へ移送する工程と、
    前記赤血球保存液が添加された前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、前記第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
  9. 請求項6に記載の血液成分分離装置を用いて血液成分を分離、移送する血液成分の分離・移送方法であって、
    前記第1のバッグ内に収納された血液に対し遠心分離を施して、少なくとも前記第1の血液成分よりなる上層および前記第2の血液成分よりなる下層の2成分に分離する工程と、
    前記第1の血液成分を、前記第1のチューブおよび前記第1のフィルタを介して前記第2の容器へ移送する工程と、
    前記第2の血液成分を、前記第1のチューブ、前記第1のフィルタ、前記第2のチューブおよび前記第2のフィルタを介して前記第3の容器へ移送する工程と、
    前記第2の容器内に収納された前記第1の血液成分に対し遠心分離を施して、主に血漿を含む血液成分よりなる上層を得る工程と、
    前記主に血漿を含む血液成分を、前記チューブを介して前記第4の容器へ移送する工程とを有することを特徴とする血液成分の分離・移送方法。
  10. 前記第2の血液成分を前記第3の容器へ移送する工程に先立って、
    前記保存液貯留容器内の前記赤血球保存液を、前記第3のチューブおよび前記第1のチューブを介して前記第1の容器へ移送する工程を有する請求項9に記載の血液成分の分離・移送方法。
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