JP3157519B2 - 血液成分分離システム - Google Patents

血液成分分離システム

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JP3157519B2 JP33610290A JP33610290A JP3157519B2 JP 3157519 B2 JP3157519 B2 JP 3157519B2 JP 33610290 A JP33610290 A JP 33610290A JP 33610290 A JP33610290 A JP 33610290A JP 3157519 B2 JP3157519 B2 JP 3157519B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血液成分分離システムに関するものであ
る。詳しく述べると、本発明は、献血等によって得られ
た血液を各成分に無菌的に分離保存するためのバッグと
白血球除去フィルター装置とで構成される血液成分分離
システムに関するものである。
(従来の技術) 輸血の状態が従来の全血輸血から患者が必要としてい
る成分のみを輸血する成分輸血へと移行して久しいが、
頻回輸血を受ける必要のある患者では、血液製剤中に存
在している白血球や血小板などの他人の免疫担当細胞が
自らの体内に入ることによって、ブロードな同種抗体感
作が生じる。いったん抗体感作が生じた後、さらに輸血
を続けた場合、患者の体内で抗原抗体反応が生じ、悪
寒、発熱、痙攣等の副作用を起こすのみでなく、ランダ
ム血小板製剤を輸血してもその実質的な数値が回復しな
い血小板輸血不能状態に陥ることもある。また、近年重
要視されている問題として、免疫不全状態にある患者に
対して輸血した場合血液中に存在する他人の白血球が患
者自身を攻撃し、患者を重篤な症状におとしめるGVHR
(対宿主移植反応、Graft Versus Host Reaction)や、
白血球膜上に存在するサイトメガロウィルス陽性のドナ
ーの血液が陰性の患者体内に入り、患者が問質性肺炎等
の重篤な症状を起こすなどの問題が挙げられる。
また、濃厚赤血球液などが長期に渡って保存されたも
のについては、この濃厚赤血球液中に混在する白血球か
らの代謝産物や生理活性物質などが放出されているた
め、輸血の際これらの物質も患者の体内に入ってしまい
好ましくないので、患者の負担をより少なくするために
これらの物質が産生される前に白血球を除去する必要が
ある。
したがって、このような輸血後の副作用を軽減するた
めに、血液製剤中に混在する白血球を極力減らし、患者
に輸血する必要があり、このための様々な方法が開発さ
れてきた。特に、その中でもフィルター法は比較的効率
よく白血球を分離できる手段として、近年注目されてい
る。
しかしながら、従来のフィルター法では、各血球成分
に分離した後、白血球等を除去する操作を行うため、い
ったんシステムを開放する必要がある。このため、従来
の方法では完全な無菌状態を保つことができず、使用期
限が著しく制限され、また感染症併発の危険性がある
上、製剤ごとにフィルターを使い分ける必要があり、操
作が煩雑であるという欠点があった。
一方、従来の方法によって分離、採取された濃厚血小
板血漿においては、血小板がペレット化してしまうた
め、これをほぐす操作が不可欠であるが、この操作は手
間がかかる上、血小板に不可逆的な活性化を生じさせる
恐れがある。
(発明が解決しようとする課題) したがって、本発明は、新規な血液成分分離システム
を提供することを目的とする。本発明はまた、各血液成
分を分画する前に無菌的に白血球を除去し、かつ、血小
板がペレット化しないノンペレットPC(濃縮血小板血
漿、Platelet Concentrate)法に適応可能な血液成分分
離システムを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、白血球のみを捕捉する血液フィルター
装置の流体導入口が採血バッグに接続され、血液フィル
ター装置の流体導出口には2つの子バッグが並列に接続
されているとともに、1つ以上の直列もしくは並列に接
続されたさらに別の子バッグが採血バッグに直接、ある
いは血液フィルター装置と採血バッグとの間を結ぶ接続
管に一箇所以上接続されており、前記別の子バッグの1
つに赤血球保存液または血小板保存液を含むことを特徴
とする血液成分分離システムによって達成される。
本発明はまた、血液フィルター装置の流体導出口に接
続された子バッグのいずれか一方が濃厚血小板液分離用
バッグであり、血小板機能を低下させない材質から構成
されると共に、その中に血小板機能を維持する目的の薬
剤を含む血液成分分離システムを示すものである。本発
明はまた、血液フィルター装置の流体導出口に接続され
た子バッグのいずれか一方が濃厚赤血球液分離用バッグ
であり、その中に赤血球保存液を含む血液成分分離シス
テムを示すものである。本発明はさらに、前記別の子バ
ッグの1つにフィルター装置内に残存している血小板ま
たは赤血球を回収するための生理的溶液が含まれている
血液成分分離システムを示すものである。
(作用) 本発明に係わる血液成分分離システムは、白血球のみ
を捕捉する血液フィルター装置の流体導入口が採血バッ
グに接続され、血液フィルター装置の流体導出口には2
つの血液成分分離用バッグとして機能する子バッグが並
列に接続されているとともに、1つ以上の直列もしくは
並列に接続された血液成分分離用バッグあるいは生理的
溶液バッグとして機能するさらに別の子バッグが採血バ
ッグに直接、あるいは血液フィルターと採血バッグとの
間を結ぶ接続管に一箇所以上接続されたものである。す
なわち、採血バッグと一連の血液成分分離用バッグとの
間に白血球除去フィルター装置がチューブを介して接続
されているため、1回の遠心操作で無菌的に各血球成分
が分離でき、かつこのようにして得られる各血球成分は
白血球が除去されたものとなる。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明す
る。
第1図は本発明の血液成分分離システムの一実施態様
を示す平面図である。
第1図に示すように、この実施態様の血液成分分離シ
ステムにおいては、採血針1が採血した血液を収納する
ための採血バッグ3に採血チューブ2を介して接続され
ており、採血バッグ3は一方でさらにチューブ4に接続
され、このチューブ4は他端でT字管5により分岐さ
れ、その一方はチューブ6を介して白血球を分離するた
めのフィルター装置7に連通している。さらに、フィル
ター装置7はフィルター装置7の血液導出口に接続され
たチューブ8からT字管9により枝分かれしたチューブ
10、12を介してそれぞれ分離した血液成分を収容する血
液成分分離用バッグ11、13に連通している。一方、採血
バッグ3に接続されたチューブ4のT字管5により分岐
された他方は、チューブ14、16およびチューブ14、18に
よりそれぞれ分離した血液成分を収容する血液成分分離
用バッグ17およびフィルター装置7の洗浄用生理的溶液
が収容されている生理的溶液バッグ19が連通している。
ここで、上記血液成分分離システムを用いた血液成分
分離操作を詳述すると、以下の通りである。
すなわち、採血針1より健常人の血液を採取し、採血
した血液を採血チューブ2を介してCPD液等の抗凝固剤
入りの採血バッグ3に導入する。次に、このシステムを
採血バッグ3の採血チューブについている側が上向きに
なるように遠心分離器の分離容器(図示せず)に収納
し、約3,520×g、5分間遠心した後、容器から取り出
し、採血バッグ3を分離スタンド(図示せず)にセット
する。T字管5のチューブ4側及びチューブ14側の流体
弁、T字管15のチューブ14側及びチューブ16側の流体弁
を開放し、採血バッグ3を静かに加圧しながら乏血小板
血漿(PPP)を血液成分分離用バッグ17に移行する。次
に、チューブ16の基端部をシールし、血液成分分離用バ
ッグ17を切断する。
この後、採血バッグ3中に残った残りのPPPと軟膜(b
uffy coat)を合わせた成分を、T字管5のチューブ6
側の流体弁及びT字管9のチューブ8側及びチューブ10
側の流体弁を開放した後、採血バッグ3を静かに加圧し
たフィルター装置7を介して血液成分分離用バッグ11に
移行する。さらに、T字管15のチューブ18側の流体弁を
開放し、生理的溶液の入った生理的溶液バッグ19を分離
スタンド(図示せず)にセットし、生理的溶液を静かに
加圧してフィルター装置7中に残存している血小板を洗
浄した後、チューブ10の基端部をシールし、血液成分分
離用バッグ11を切断する。次に、チューブ14をクランプ
で止め、T字管9のチューブ12側の流体弁を開放した
後、採血バッグ3中に残った濃厚赤血球液(CRC)を静
かに加圧してフィルター装置7を介して血液成分分離用
バッグ13に移行する。さらに、チューブ14のクランプを
開放して生理的溶液の入った生理的溶液バッグ19を分離
スタンドにセットし、生理的溶液を静かに加圧してフィ
ルター装置7中に残存している赤血球を洗浄した後、チ
ューブ12の基端部をシールして血液成分分離用バッグ13
を切断する。
このようにして、血液成分分離用バッグ17には乏血小
板血漿、血液成分分離用バッグ11には白血球除去濃厚血
小板液、血液成分分離用バッグ13には白血球除去赤血球
製剤がいずれも無菌的に採取できる。
本発明に使用される採血バッグは、採血針が採血チュ
ーブに接続され、バッグの内部には抗凝固剤としてACD
液、CPD液、ヘパリン等を封入したものである。また、
本発明の採血バッグの素材としては、ポリ塩化ビニル、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−6
−フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのポリオレフ
ィン系やポリエステル等が挙げられる。
また、本発明の採血チューブは、採血バッグのどの位
置に接続されているのかを問わない。すなわち、採血チ
ューブが血液フィルター装置の接続チューブと反対に位
置する辺りに接続されていても構わない。
本発明に使用されるフィルター洗浄用の生理的溶液
は、血球成分に影響を与えないものであれば特に制限さ
れず、具体的には生理食塩水、リン酸緩衝液、リンゲル
液等が挙げられる。
本発明において使用される血液成分分離用バッグ及び
生理的溶液バッグの材質としては、ポリ塩化ビニル、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−6−
フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのポリオレフィ
ン系やポリエステル等が挙げられ、好ましくは可塑剤の
溶出がないポリオレフィン系が使用される。特に、濃厚
血小板液の保存用に使用される血液成分分離用バッグに
は、透明性、柔軟性、高い酸素透過性を有した滅菌可能
でありかつ血小板機能を低下させない材質を用いること
が望ましく、具体的にはポリオレフィン系エラストマー
製のバッグや可塑剤としてフタル酸エステルを使用した
ものが挙げられる。また、該バッグの中には血小板機能
を維持するための保存液等の薬剤が入っていることが好
ましい。この保存液としては、塩化ナトリウム、酢酸ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、グルコー
スナトリウムを所定量水に溶解したものが使用できる。
また、濃厚赤血球液の保存用に使用される血液成分分離
用バッグには、該バッグの中に赤血球保存液が入ってい
ることが好ましい。この保存液としては、オプチゾル、
SAGM、アドソル(バックスター)、MAP等が挙げられ
る。
さらに、生理的溶液バッグの中に入っている溶液とし
ては、生理食塩水、赤血球保存液、血小板保存液等が考
えられる。生理的溶液バッグ内の溶液が赤血球保存液ま
たは血小板保存液である場合には、それぞれ濃厚赤血球
液または濃厚血小板液の保存用に使用される血液成分分
離用バッグの中にこれらの保存液を入れる必要がなく、
別途保存液でフィルター中に残存している赤血球や血小
板を洗い出し、各血液成分分離用バッグに入れることが
でき、また各血液成分を採取した後各血液成分の量によ
って保存液の量を調節することもできる。
図2は本発明の血液成分分離システムにおいて用いら
れるフィルター装置7の構成例を示す断面図である。
図2に示すフィルター装置7は、血液中の白血球を捕
捉するものであり、血液流入口20および血液流出口28を
備えてなるハウジング内に、白血球除去フィルター25と
該除去フィルターより上流側に配置された2枚のプレフ
ィルター23、24を有するものである。
また、本発明において用いられるフィルター装置中に
組み込まれる白血球除去フィルターの形態としては、有
効に白血球成分を捕捉できるものであれば特に限定され
ない。具体的には、多孔質体状、不織布状、織布状、編
布状或いは繊維をそのまま充填した形態等が挙げられ
る。特に、多孔質体状のものは優れた捕捉効率を有し、
好ましい。ここで多孔質体としては、平膜状、中空糸状
などの膜状形状、及びスポンジ形状などの塊状形状が含
まれる。この白血球除去フィルターが多孔質体状である
場合、その平均孔径は1〜80μm、好ましくは8〜10μ
mであり、また、厚みは0.1〜10mm、好ましくは1〜1.5
mmである。なお、平均孔径とは、3次元連続構造をとる
多孔質体を任意の方向から切断し、その断面像を走査型
電子顕微鏡で撮影し、少なくとも1000個の細孔を観察
し、その孔径と出現頻度との関係を調べた際に最も出現
頻度の多い孔径のことをいうものとする。さらに、本発
明において使用される白血球除去フィルターの素材とし
ては、繊維状物質、多孔性物質、粒子状物質及びそれら
に物理的、化学的、免疫学的に修飾を施したもの等が考
えられる。また、特に、該白血球除去フィルターとして
の多孔質体を構成する高分子としては、各種のものを用
いることができるが、具体的にはポリウレタン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリ
(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリル
コポリマー、ポリアミド、ポリエーテルポリアミドブロ
ックポリマー、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニ
ルアルコールコポリマーなどが挙げられる。
また、本発明において用いられるフィルター装置中に
必要に応じて組み込まれるプレフィルターの形態として
は、特に限定されないが、具体的には、多孔質体状、ビ
ーズ状、繊維状物質等が挙げられる。特に、多孔質体状
のものは優れた捕捉効率を有し、好ましい。ここで多孔
質体としては、平膜状、中空糸状などの膜状形状、及び
スポンジ形状などの塊状形状が含まれる。このプレフィ
ルターが多孔質体状である場合、その平均孔径は10〜10
0μm、好ましくは20〜50μmであり、また、厚みは0.5
〜3mm、好ましくは1〜1.5mmである。また、本発明に使
用されるプレフィルターの材質としては、特に限定され
ず、具体的には、ポリウレタン等が用いられる。
第3図は本発明の血液成分分離システムの別の実施態
様を示す平面図である。
第3図に示すように、この実施態様の血液成分分離シ
ステムにおいては、採血針1が採血した血液を収容する
ための採血バッグ3に採血チューブ2を介して接続され
ており、採血バッグ3は一方でチューブ4に接続され、
このチューブは他端でT字管5により分岐され、その一
方は白血球を分離するためのフィルター装置7の血液流
入口に連通している。さらに、フィルター装置7はフィ
ルター装置7の血液流出口に接続されたチューブからT
字管9により枝分かれしたチューブ10、12を介してそれ
ぞれ分離した血液成分を収容する血液成分分離用バッグ
11、13に連通している。さらに、フィルター装置7の洗
浄用生理的溶液が収納されている生理的溶液バッグ19
は、採血バッグ3とフィルター装置7とを結ぶチューブ
4の途中に配されたT字管5により分岐した他方のチュ
ーブ18を介して接続され、採血バッグ3およびフィルタ
ー装置7に連通している。
ここで、上記血液成分分離システムを用いた血液成分
分離操作を詳述すると、以下の通りである。
すなわち、採血針1より健常人の血液を採取し、採血
した血液を採血チューブ2を介してCPD液等の抗凝固剤
入りの採血バッグ3に導入する。次に、このシステムを
採血バッグ3の採血チューブのついている側が上向きに
なるように遠心分離器の分離容器(図示せず)に収納
し、約3,520×g、5分間遠心した後、容器から取り出
し、採血バッグ3を分離スタンド(図示せず)にセット
する。T字管5のチューブ4側及びフィルター装置7側
の流体弁、T字管9のフィルター装置7側及びチューブ
10側の流体弁を開放し、採血バッグ3を静かに加圧しな
がら採血バッグ3の最下層に沈降している赤血球層(CR
C)を血液成分分離用バッグ13に移行する。次に、T字
管5のチューブ18側の流体弁を開放し、チューブ4をク
レンメで止め、生理的溶液の入った生理的溶液バッグ19
を分離スタンド(図示せず)にセットし、生理的溶液を
静かに加圧してフィルター装置7中に残存している赤血
球を洗浄した後、チューブ10の基端部をシールし、血液
成分分離用バッグ13を切断すると同時に、クレンメでチ
ューブ18を止める。こうして血液成分分離用バッグ13に
は白血球除去赤血球製剤が無菌的に得られる。
この後、チューブ4のクレンメを外し、採血バッグ3
中に残った軟膜(buffy coat)部分をT字管9のチュー
ブ12側の流体弁を開放した後、採血バッグ3を静かに加
圧してフィルター装置7を介して血液成分分離用バック
11に移行する。さらに、チューブ18のクレンメを外し、
生理的溶液の入った生理的溶液バッグ19を分離スタンド
にセットし、生理的溶液を静かに加圧してフィルター装
置7中に残存している血小板を洗浄した後、チューブ12
の基端部をシールし、血液成分分離用バッグ11を切断す
る。こうして、血液成分分離用バッグ11には白血球除去
濃厚血小板液(PC)が無菌的に回収される。
次に、チューブ4及び採血チューブ2の基端部をシー
ルした後、切断すれば採血バッグ3中には乏血小板血漿
(PPP)が無菌的に回収できる。
この結果、採血バッグ3には乏血小板血漿、血液成分
分離用バッグ13には白血球除去赤血球製剤、血液成分分
離用バッグ11には白血球除去濃厚血小板液が各々無菌的
に採取可能である。
(実施例) 以下、本発明の実施例によりさらに具体的に説明す
る。
実施例1 400ml採血由来の血液を用いて、上記第1図に示した
実施態様に基づいて実験を行った。
その結果、3,520×gでシステムを遠心した後にもバ
ッグの破損やフィルターの損傷は認められなかった。ま
た、生理的溶液バッグ19中の20mlの生理食塩水でフィル
ター装置7内を洗浄後、血液成分分離用バッグ11に回収
された濃厚血小板液における残存白血球数はオリジナル
の血液に対して0.01%、また、血小板の収率は70%、混
入赤血球の割合は0.15%であった。また、血液成分分離
用バッグ17には、200mlの乏血小板血漿が採取された。
一方、血液成分分離用バッグ13に回収された赤血球製
剤のヘマトクリット値は、生理的溶液バッグ19中の50ml
の生理食塩水でフィルター装置7内を洗浄した場合40%
で、残存白血球数はオリジナルの血液に対して0.1%、
また、血小板の混入割合は10%であった。
なお、フィルター装置7は、白血球除去フィルターと
して平均孔径10μm、厚み1.0mmのポリウレタン製の多
孔質体シート、プレフィルター23として平均孔径30〜40
μm、厚み1.0mmのポリウレタン製の多孔質体シート、
及びプレフィルター24として平均孔径20〜30μm、厚み
1.5mmのポリウレタン製の多孔質体シートをそれぞれセ
ットしたものを用いた。なお、白血球除去フィルターの
有効面積は104cm2であり、重量は3.5gであった。また、
採血バッグ3の中には抗凝固剤としてCPD液を入れ、血
液成分分離用バッグ11の材質としては、可塑剤としてフ
タル酸エステルを使用した材質のシートでできたものを
用い、血液成分分離用バッグ13の中には赤血球保存液と
してオプチゾルを入れ、生理的溶液バッグ19の中には生
理食塩水を入れたシステムを用いた。
実施例2 400ml採血由来の血液を用いて、上記第3図に示した
実施態様に基づいて実験を行った。
その結果、3,520×gでシステムを遠心した後にもバ
ッグの破損やフィルターの損傷は認められなかった。ま
た、血液成分分離用バッグ13に回収された赤血球製剤の
ヘマトクリット値は生理的溶液バッグ19中の50mlの生理
食塩水でフィルター装置7内を洗浄した場合42%で、残
存白血球数はオリジナルの血液に対して0.1%、また、
血小板の混入割合は8%であった。
一方、生理的溶液バッグ19中の20mlの生理食塩水でフ
ィルター装置7内を洗浄後、血液成分分離用バッグ11に
回収された濃厚血小板液における残存白血球数はオリジ
ナルの血液に対して0.01%、また、血小板の収率は71
%、混入赤血球の割合は0.3%であった。また、採血バ
ッグ3には、乏血小板血漿が180ml採取された。
なお、フィルター装置7は、実施例1で用いたものと
同様なものを用いた。また、採血バッグ3の中には抗凝
固剤としてCPD液を入れ、血液成分分離用バッグ11の材
質としては、可塑剤としてフタル酸エステルを使用した
材質のシートでできたものを用い、血液成分分離用バッ
グ13の中には赤血球保存液としてSAGMを入れ、生理的溶
液バッグ19の中には生理食塩水を入れたシステムを用い
た。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、白血球のみを捕捉する
血液フィルター装置の流体導入口が採血バッグに接続さ
れ、血液フィルター装置の流体導出口には2つの子バッ
グが並列に接続されているとともに、1つ以上の直列も
しくは並列に接続されたさらに別の子バッグが採血バッ
グに直接、あるいは血液フィルター装置と採血バッグと
の間を結ぶ接続管に一箇所以上接続されており、前記別
の子バッグの1つに赤血球保存液または血小板保存液を
含むことを特徴とする血液成分分離システムであるか
ら、献血者から採血された血液から1回の遠心操作で血
漿、白血球除去赤血球製剤、及び白血球除去濃厚血小板
液がそれぞれ無菌的に分離製造可能となるものである。
また、本発明の血液成分分離用システムにおいては、遠
心操作に際して、バッグの損傷やフィルターの破損は認
められず、得られた血小板濃厚液は、従来の製法と異な
り、ペレット化した血小板をほぐす操作が不要となり、
処理時間も短縮化できる。さらに、本発明の血液成分分
離システムにより得られた製剤は、白血球由来の生理活
性物質、例えば好中球中に存在しているヒスタミンや白
血球の凝集塊等を含まないため、現在の製剤に比べてよ
り生体に与える影響が軽減されるという利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の血液成分分離システムの一実施態様
を示す平面図、第2図は白血球除去フィルター装置の構
成例を示す断面図であり、また第3図は本発明の血液成
分分離システムの別の実施態様を示す平面図である。 1……採血針、3……採血バッグ、 7……フィルター装置、 11,13,17……血液成分分離用バッグ、 19……生理的溶液バッグ、20……血液流入口、 23,24……プレフィルター、 25……白血球除去フィルター、28……血液流出口。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61J 1/05 A61J 3/00 A61M 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白血球のみを捕捉する血液フィルター装置
    の流体導入口が採血バッグに接続され、血液フィルター
    装置の流体導出口には2つの子バッグが並列に接続され
    ているとともに、1つ以上の直列もしくは並列に接続さ
    れたさらに別の子バッグが採血バッグに直接、あるいは
    血液フィルター装置と採血バッグとの間を結ぶ接続管に
    一箇所以上接続されており、前記別の子バッグの1つに
    赤血球保存液または血小板保存液を含むことを特徴とす
    る血液成分分離システム。
  2. 【請求項2】血液フィルター装置の流体導出口に接続さ
    れた子バッグのいずれか一方が濃厚血小板液分離用バッ
    グであり、血小板機能を低下させない材質から構成され
    ると共に、その中に血小板機能を維持する目的の薬剤を
    含む請求項1記載の血液成分分離システム。
  3. 【請求項3】血液フィルター装置の流体導出口に接続さ
    れた子バッグのいずれか一方が濃厚赤血球液分離用バッ
    グであり、その中に赤血球保存液を含む請求項1または
    2記載の血液成分分離システム。
  4. 【請求項4】前記別の子バッグの1つにフィルター装置
    内に残存している血小板または赤血球を回収するための
    生理的溶液が含まれている請求項1から3のいずれか1
    つに記載の血液成分分離システム。
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