JP2918595B2 - 白血球分離器 - Google Patents

白血球分離器

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JP2918595B2 JP2015751A JP1575190A JP2918595B2 JP 2918595 B2 JP2918595 B2 JP 2918595B2 JP 2015751 A JP2015751 A JP 2015751A JP 1575190 A JP1575190 A JP 1575190A JP 2918595 B2 JP2918595 B2 JP 2918595B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、白血球分離器に関するものである。詳しく
述べると本発明は、白血球分離操作時における目詰りの
生じにくい白血球分離器に、関するものである。
(従来の技術) 輸血の形態が従来の全血輸血から、患者が必要として
いる成分のみを輸血する成分輸血へと変化して久しい
が、この成分輸血においては、いかに分画した血液成分
の純度を高くするかが課題となってくる。従来、献血に
よって得られた血液は、遠心操作によって赤血球濃厚液
(CRC)、濃縮血小板血漿(PC)および乏血小板血漿(P
PP)に分離される。このようにして分離された赤血球濃
厚液は、赤血球の成分製剤として赤血球を必要とする患
者への成分輸血に広く用いられているが、赤血球濃厚液
は、多くの白血球、血小板を含み、いわゆる全成分血液
であるとの考え方が定着しつつあり、赤血球のみを必要
としている患者に、赤血球濃厚液の輸血により併せて多
量の白血球および血小板が輸血されていることが問題視
されている。このように赤血球濃厚液のような赤血球分
画中に含まれる白血球および血小板は、輸血後の副作用
を防止する上からも極力除去する必要があり、このため
に従前より多くの工夫がなされている。赤血球製剤の純
度を高くする方法としては、血球の比重差を利用した重
力遠心分離方法、血球の粘着ないしは付着等の作用を利
用した捕捉材利用の方法、赤血球凝集剤を用いた白血球
分離方法等の方法が使用されている。
これらの方法の中で、捕捉材利用の方法が白血球除去
効率の良さ、手技の簡便なことなどから広く用いられて
いる。捕捉材としては天然セルロース、ポリエステル、
ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ガラス繊維などの
繊維径の非常に小さな繊維をカラム内にそのまま詰めた
ものや不織布等に二次加工したものが多くの場合用いら
れている。
さらに最近では、各種の合成樹脂製多孔質体を白血球
捕捉材として用いることも提唱されている(例えば、特
公昭63-26089号、特開昭64-75014号、特開昭64-75015号
公報等)。
しかしながら、このような捕捉材は、白血球の捕捉効
率を高めるために、概してその空孔径がある程度以上小
さなものとされており、該捕捉材を用いた白血球分離器
においては、白血球のみならず、保存血液中に含まれる
マイクロアグリゲート[microaggregate]も捕捉材に効
率よく捕捉されてしまうこととなる。このために目詰ま
りが生じやすく、その結果濾過時間が長くなり、溶血が
生じやすいという問題があった。
さらに、白血球および血小板を除去することを目的と
する血液成分分離器において、このようなマイクロアグ
リゲートなどによる捕捉材の目詰りを防止するために、
繊維径10μm以上の繊維より構成される第1繊維層と、
繊維径10μm未満の繊維より構成される第2繊維層とで
血液成分捕捉材を構成することも提唱されている(特開
昭63-255070号)。このような構成の分離器において
は、マイクロアグリゲートなどによる捕捉材の目詰まり
が比較的良好に防止されるものであるが、その効果は十
分であるとは言い難く、また白血球成分のみを捕捉除去
しようとする態様においては、このような血液成分分離
器は適用できないものであった。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明は新規な白血球分離器を提供すること
を目的とする。本発明はまた保存血液中に含まれるマイ
クロアグリゲートなどに起因する目詰まりが生じにく
く、安定した白血球捕捉能を発揮する白血球分離器を提
供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、ハウジング内に、白血球を分離するた
めの捕捉材と、該捕捉材より上流側に配置された不織
布、織布および編布からなる群から選ばれた何れかの形
態を有する複数枚の繊維体とを有し、この複数枚の繊維
体は、嵩密度の異なる少なくとも2種以上のもので構成
されかつ下流側になるにつれて嵩密度が高くなるように
配されていることを特徴とする白血球分離器により達成
される。
本発明はまた、前記複数枚の繊維体がいずれも嵩密度
0.1〜1.0g/cm3で、かつ繊維体を構成する繊維の直径が
5〜50μmのものである白血球分離器を示すものであ
る。本発明はさらに、前記複数枚の繊維体の層厚が、0.
3〜1.0mmのものである白血球分離器を示すものである。
本発明はさらに、前記繊維体が、ポリアミド系、ポリエ
ステル系、ポリアクリロニトリル系繊維からなる群より
選択されたものである白血球分離器を示すものである。
本発明はさらにまた、前記捕捉材が、平均孔径6〜20μ
mである合成樹脂製多孔質体からなるものである白血球
分離器を示すものである。本発明はさらにまた、前記合
成樹脂製多孔質体が、平膜状、中空糸膜状などの膜状形
状、およびスポンジ形状などの塊状形状であるものであ
る白血球分離器を示すものである。本発明はさらにま
た、前記合成樹脂製多孔質体の空孔率が77〜83%でかつ
バブルポイントが0.05〜0.50kg/cm2である白血球分離器
を示すものである。本発明はさらにまた、前記合成樹脂
製多孔質体を構成する高分子が、ポリウレタン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリ
(メタ)アクリレート、ブタジエン−アクリロニトリル
コポリマー、ポリアミド−ポリエーテル−ポリアミドブ
ロックコポリマー、ポリビニルアセタール、エチレン−
ビニルアルコールコポリマーからなる群より選択された
ものである白血球分離器を示すものである。
(作用) しかして、本発明の白血球分離器においては、白血球
を分離するための捕捉材より上流側に、不織布、織布お
よび編布からなる群から選ばれた何れかの形態を有する
複数枚の繊維体を配しているために、該白血球分離器で
保存血液ないしは赤血球浮遊液等を処理した際、これら
の複数枚の繊維体はプレフィルターとして機能し、前記
被処理液中に含まれていたマイクロアグリゲートは前記
複数枚の繊維体において効率よく捕捉され、孔径の小さ
な捕捉材までは至らないため、マイクロアグリゲートに
よる捕捉材の目詰りが発生する虞れがなくなる。さらに
本発明の白血球分離器においては、この複数枚の繊維体
を、嵩密度の異なる少なくとも2種以上のもので構成し
かつ下流側になるにつれて嵩密度が高くなるように配し
ているために、前記したような複数枚の繊維体によるマ
イクロアグリゲートの捕捉も、比較的嵩密度の低い上流
側の繊維体によって比較的大きなマイクロアグリゲート
を、また比較的嵩密度の高い下流側の繊維体によってよ
り小さなマイクロアグリゲートを、というように段階的
になされるものであり、これら繊維体自体がマイクロア
グリゲートによって目詰りを起すこともない。
従って、本発明の白血球分離器においては、流路の目
詰りによる濾過時間の延長、圧力損失の増大といった問
題が実質的に生起せず、溶血をもたらすことなく効率の
よい白血球除去がなされることとなる。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明す
る。
第1図は本発明の白血球分離器の一実施態様を示す断
面図である。
第1図に示すように、この実施態様の白血球分離器
は、血液導入口1および血液導出口2を備えてなるハウ
ジング3内に、合成樹脂製多孔質体よりなる白血球を分
離するための捕捉材4と、該捕捉材4より上流側に配置
された2枚の不織布状繊維体5a、5bを有するものであ
り、この2枚の繊維体5a、5bのうち、下流側に位置す
る、すなわち捕捉材4に近い繊維体5bは、上流側に位置
する繊維体5aよりも嵩密度の高いものである。
ここでこの実施態様における白血球分離器の構造を詳
述すると以下の通りである。
すなわち、この実施態様において、ハウジング3は、
血液導入口1および血液導出口2を備えた骨格体6とこ
の骨格体6の両側に配される蓋体7a、7bとの3つの部材
より構成されている。
この骨格体6は、第2図に示すように、両表面に複数
の突条8が形成された中央の仕切板部9と、この仕切板
部9の周縁を全周にわたり囲繞しかつ厚さ方向において
前記突条8の頂部とほぼ同じ高さを有する平面部10と、
さらにこの平面部10の周縁を全周にわたり囲繞しかつ厚
さ方向において前記平面部10よりもさらに突出する高さ
を有する外枠部11とが一体化した構造を有する。さらに
この骨格体6の上端部位においては平面部10と仕切根部
9との間に、厚さ方向に貫通する被処理液流路形成穴12
が設けられており、前記外枠部11および平面部10を長さ
方向に貫通して形成された血液導入口1の内部側開口13
は、該被処理液流路形成穴12に連通している。一方この
骨格体6の下端部位においては外枠部11と平面部10との
間に、厚さ方向に貫通する濾液流路形成穴14が設けられ
ており、前記外枠部11のみを長さ方向に貫通して形成さ
れた血液導出口2の内部側開口15は該濾液流路形成穴14
に連通している。
また、このような構造を有する骨格体6の両側に配さ
れる蓋体7a、7bは、それぞれ、前記骨格体6との当接面
側に、前記骨格体6の外枠部11内周面に全周にわたり嵌
合する嵌合突起部16を有しており、さらに該嵌合突起部
16よりも内方には、該嵌合突起部16とほぼ等しい高さを
有する多数の突条17が形成されている。
さらに、この実施態様において用いられる前記捕捉材
4および繊維体5a、5bはいずれも前記骨格体6の平面部
10外周に沿う形状に裁断されたものである。
従って、前記骨格体6の両側において、繊維体5a、繊
維体5bおよび捕捉材4をこの順序で、これらの外周を前
記平面部10外周に一致させながら、外枠部11内に充填
し、さらにこれらを挾むように、その外方から蓋体7a、
7bを前記骨格体6に組付けてなる組立て状態において
は、第1図に示すように、骨格体6の仕切板部9の両側
に、血液導入口1より連通しかつ繊維体5aに面する被処
理液流通空間18a、18bと、液体導出口2へと連通しかつ
捕捉材4に面する濾液流通空間19a、19bとが、繊維体5
a、5bおよび捕捉材4によって区画されて形成されるこ
ととなる。なお、これらの被処理液流通空間18a、18bお
よび濾液流通空間19a、19bは、それぞれ突条8および17
の存在によって適正に保たれている。これゆえ、血液導
入口1よりハウジング3内に導入された血液ないし赤血
球浮遊彼等の被処理液は、繊維体5a、繊維体5bおよび捕
捉材4をこの順序で通過し、濾液とされて血液導出口2
よりハウジング3外部へと導出されることとなる。
上記実施態様においては、捕捉材より上流側に配置さ
れプレフィルターとして機能する繊維体として、5a、5b
の2枚が設けられているが、本発明の白血球分離器にお
いては、このような繊維体の枚数は2枚に限定されるも
のではなく、嵩密度の異なる少なくとも2種以上のもの
で構成されかつ下流側になるにつれて嵩密度が高くなる
ように配されていればそれ以上の枚数であってもよい。
またこの実施態様においては、繊維体の形状として不織
布状のものを用いているが、これ以外にも織布状および
編布状のものを用いることができ、さらに形状の異なる
ものを組合せて用いることも可能である。
本発明の白血球分離器において、このように捕捉材よ
り上流側に配置される複数枚の繊維体は、前記したよう
にプレフィルターとして機能し、保存血液中のマイクロ
アグリゲートを捕捉するために用いられるものであるた
めに、繊維の平均直径等にも左右されるが、いずれも嵩
密度0.1〜1.0g/cm3、より好ましくは0.1〜0.7g/cm3程度
であることが望まれる。すなわち、嵩密度が0.1g/cm3
りも低いものであると、マイクロアグリゲートを効率的
に捕捉することができない虞れがあるためであり、一
方、嵩密度が1.0g/cm3よりも高いものであるとマイクロ
アグリゲートのみならず、保存血液ないしは赤血球浮遊
液等の被処理液中に含まれる血球成分までも捕捉される
虞れがあるために好ましくないためである。複数枚の繊
維体の嵩密度がこのような条件を満すものであり、かつ
下流側になるにつれて嵩密度が高くなるように配されて
いると、被処理液中に含まれるマイクロアグリゲートは
大きい順に、これらの複数枚の繊維体に確実に漸次捕捉
され、これらの繊維体よりも下流に位置する白血球捕捉
材へとマイクロアグリゲートが流れてしまうことが実質
的になくなり、通過速度も十分なものとなる。
このような複数枚の繊維体を構成する繊維としては血
液を変性させない材質のものであればよく、例えばエジ
プト綿、絹糸、羊毛などの天然繊維系、ポリアミド系、
ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系などの繊維が
用いられる。またこれらの繊維の直径としては特に限定
されるものではないが、5〜50μm、より好ましくは5
〜20μm程度のものが望まれる。
さらに本発明の白血球分離器において、このような複
数枚の繊維体からなるプレフィルター部の層厚として
は、使用される繊維体の嵩密度等によっても左右される
が、白血球分離器の容積性および処理時間等の面から、
0.3〜1.0mm程度であることが望ましい。しかしながら、
本発明の白血球分離器はもちろんこのような層厚に何ら
限定されるものではない。
また、第1図に示す実施態様においては、上記したよ
うな複数枚の繊維体5a、5bの下流側に位置する白血球を
捕捉するための捕捉材4として、合成樹脂製多孔質体が
用いられているが、本発明の白血球分離器においては、
白血球を捕捉するための捕捉材としては、有効に白血球
成分を捕捉できるものであれば、その形状には特に限定
されるものではなく、不織布状、織布状、編布状あるい
はまた繊維をそのまま充填した形態などのいずれのもの
も用いることができる。しかしながら、これらの形態の
うち、多孔質体状のものが、優れた捕捉効率を有し、ま
た加工性が良好でかつ繊維の流出などの虞れもないもの
であるので好ましいものである。ここで多孔質体として
は、平膜状、中空糸膜状などの膜状形状、およびスポン
ジ形状などの塊状形状が含まれる。この捕捉材が多孔質
体状である場合、その平均孔径は6〜20μm、さらに望
ましくは10〜12μmであることが望ましい。すなわち平
均孔径が6μm未満であると被処理液中に含まれる赤血
球までもが捕捉されてしまう虞れが大きいためであり、
一方20μmを越えるものであると白血球の捕捉率が低下
してしまう虞れがあるためである。なお前記したように
この捕捉体よりも上流側にはプレフィルターとして機能
する複数枚の繊維体が存在し、この繊維体群により被処
理液中に含まれていたマイクロアグリゲートなどの大分
子は捕捉除去されているために、この捕捉体においては
これらマイクロアグリゲートなどの大分子による目詰り
を考慮して必要以上にその空孔径を大きくすることはな
い。さらにこの多孔質体において、空孔率が70〜85%、
より望ましくは77〜83%、バブルポイントが0.05〜0.50
kg/cm2、より望ましくは0.08〜0.30kg/cm2、肉厚が0.5
〜3mm、より望ましくは1〜1.5mmであることが好まし
い。さらにこのような捕捉材としての多孔質体を構成す
る高分子としては、各種のものを用いることができる
が、具体的には、例えば、ポリウレタン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリ(メタ)
アクリレート、ブタジエンーアクリロニトリルコポリマ
ー、ポリアミド−ポリエーテル−ポリアミドブロックコ
ポリマー、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルア
ルコールコポリマーなどが挙げられるがもちろんこれら
に限定されるものではない。
またさらに、第1図に示す実施態様においては、前記
したようにハウジング3は方形体をなしており、その内
部空間は略中央部より2つに区画されているような構造
を有するものであるが、本発明の白血球分離器において
は、上記したような捕捉材および複数枚の繊維体を保持
するハウジングは、いかなる形状のものであってもよ
い。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
実施例1 第3図に示すように、血液導入口21および血液導出口
22を備えてなるハウジング23内に、上流側、すなわち血
液導入口21に近い側より、目付70g/m2、肉厚0.13mm(嵩
密度0.538g/cm3)のポリエステル製不織布3枚および目
付90g/m2、肉厚0.14mm(高密度0.643g/cm3)のポリエス
テル製不織布1枚を順次重ねてなるプレフィルター25を
配し、このプレフィルター25より下流側に白血球捕捉材
24としての平均孔径12μm、バブルポイント0.2kg/c
m2、肉厚1.3mmのポリビニルアルコール系多孔質体(鐘
紡(株)製、ベルイーター)を配して白血球分離器20を
作成した。なお、これらのプレフィルター25および白血
球捕捉材24の直径はいずれも47mmとされた。
さらに、この白血球分離器20の血液導入口21にポリ塩
化ビニル製チューブ26aを用いてシリンジ27の血液流出
口28を接続し、一方、白血球分離器20の血液導出口22に
は、前記チューブ26aとほぼ等しい長さを有するポリ塩
化ビニル製チューブ26bを接続し、このチューブ26bの開
口末端29下にメスシリンダー30を配した。
そして、このように配置された装置構成を用いて白血
球分離実験を行なった。すなわち、シリンジ27に、ヒト
より採血し遠心分離後、8日間血液バッグで保存された
赤血球濃厚液(CRC)を入れ、チューブ26aを閉塞してい
たクランプ31を解除して、白血球分離器20にCRCを流
し、流出してくる処理血液をメスシリンダー30にて40ml
採取した。なおシリンジ27内に入れられたCRCの液面32
とチューブ26bの末端開口29までの距離は110cmとされ、
この距離を落差としてプレフィルター25および捕捉材24
を通過させた。この実験における濾過時間および濾過処
理前後の血漿ヘモグロビン濃度を調べた結果を第1表に
示す。
比較例1 プレフィルター15として、目付100g/m2、肉厚1.3mm
(嵩密度0.077g/cm3)のポリエステル製不織布1枚を用
いる以外は実施例1と同様にして白血球分離器を作成
し、同様の分離実験を行なった。得られた結果を第1表
に示す。
実施例2 被処理液として採血後21日経過後のCRCを用いる以外
は実施例1と同様にして白血球分離実験を行なった。得
られた結果を第1表に示す。
比較例2 被処理液として採血後21日経過後のCRCを用いる以外
は比較例1と同様にして白血球分離実験を行なった。得
られた結果を第1表に示す。
実施例3 第4図に示すように、第1図に示したハウジング3に
上流側、すなわち血液導入口1に近い側より、目付40g/
m2、肉厚0.27mm(嵩密度0.148g/cm3)のポリエステル製
不織布2枚、目付60g/m2、肉厚0.33mm(高密度0.182g/c
m3)のポリエステル製不織布1枚および目付80g/m2、肉
厚0.42mm(嵩密度0.190g/cm3)のポリエステル製不織布
1枚を順次重ねてなるプレフィルターを配し、このプレ
フィルターより下流側に白血球捕捉材としての平均孔径
12μm、バブルポイント0.2kg/cm2、肉厚1.3mmのポリビ
ニルアルコール系多孔質体(鐘紡(株)製、ベルイータ
ー)を配して白血球分離器33を作成した。なお、これら
のプレフィルターおよび白血球捕捉材の面積はいずれも
104cm2とされた。
さらに、この白血球分離器33の血液導入口1にポリ塩
化ビニル製チューブ34を用いて血液バッグ35の血液流出
口36および生理食塩水バッグ37の生理食塩水流出口38を
接続し、一方、白血球分離器30の血液導出口2には、ポ
リ塩化ビニル製チューブ39を接続し、このチューブ39の
他端に空バッグ40の血液流入口41を接続した。
そして、このように配置された装置構成を用いて白血
球分離実験を行なった。すなわち、ヒトより採血し遠心
分離後、9日間血液バッグで保存された赤血球濃厚液
(CRC)を生理食塩水でヘマトクリット値約50%に希釈
し、これを血液バッグ35より、生理食塩水バッグ37側の
チューブ34bをクランプした状態で、チューブ34aを介し
て白血球分離器33に流し、流出してくる処理血液を空バ
ッグ40に採取した。さらに空になった血液バッグ35を生
理食塩水バッグ37内に収容されていた生理食塩水で洗浄
した後、洗浄に使用した生理食塩水を白血球分離器33に
流して空バッグ40に回収し、採取した血液の総量が400m
lになる様にした。
なお、血液バッグ35の血液流出口36と空バッグ40の血
液流入口41との距離は130cmとされ、この距離を落差と
して白血球分離器33内のプレフィルターおよび白血球捕
捉材を通過させた。この実験における血液濾過時間(生
理食塩水を流した時間は含まない。)、濾過処理前後の
血漿ヘモグロビン濃度(濾過処理後の値は、生理食塩水
を流した後のものである。)、ならびに赤血球、白血球
の除去率ないし回収率(生理食塩水を流した後の値であ
る。)を調べた結果を第2表に示す。
比較例3 プレフィルターとして、目付100g/m2、肉厚1.3mm(嵩
密度0.077g/cm3)のポリエステル製不織布1枚を用いる
以外は実施例3と同様にして白血球分離器を作成し、同
様の分離実験を行なった。得られた結果を第2表に示
す。なお、使用した血液は実施例3と同一のものであ
る。
実施例4 被処理液として採血後7日経過後のCRCを生理食塩水
でヘマトクリット値約50%に希釈したものを用いる以外
は実施例3と同様にして白血球・分離実験を行なった。
得られた結果を第2表に示す。
比較例4 被処理液として実施例4と同一の血液を用いる以外は
比較例3と同様にして白血球分離実験を行なった。得ら
れた結果を第2表に示す。
なお、本明細書において用いられた用語ないし測定方
法は以下のように規定される。
平均孔径 水銀圧入計(カルロエルバ社マクロポアユニット120
&ポロシメーター2000)を用いて測定した。
空孔率 水銀圧入計(カルロエルバ社マクロポアユニット120
&ポロシメーター2000)を用いて測定した。
バブルポイント 測定直前に多孔質体の片側に水を張り完全に湿らせ、
他方の側の空気圧を次第に上げていき、フィルターを通
過する空気の着実で連続した微細な気泡の流れが見られ
るときの圧力をバブルポイントとした。
肉厚 マイクロメータを用いて測定した。
血漿ヘモグロビン濃度 TMB法により測定した。
白血球除去率(%) 多項目自動血球分析装置(東亜医用電子(株)製、NE
-6000)で測定した後、 式 {1−(漏出白血球)/(処理前白血球)}×10
0 から求めた。
赤血球回収率(%) 多項目自動血球分析装置(東亜医用電子(株)製、NE
-6000)で測定した後、 式 {(処理後赤血球)/(処理前赤血球)}×100 から求めた。
(発明の効果) 以上述べたように本発明の白血球分離器は、ハウジン
グ内に、白血球を分離するための捕捉材と、該捕捉材よ
り上流側に配置された不織布、織布および編布とからな
る群から選ばれた何れかの形態を有する複数枚の繊維体
とを有し、この複数枚の繊維体は、嵩密度の異なる少な
くとも2種以上のもので構成されかつ下流側になるにつ
れて嵩密度が高くなるように配されていることを特徴と
するものであるので、保存血液ないし赤血球濃厚液など
を処理した際における、白血球捕捉材の目詰りが軽減さ
れ、濾過に要する時間が短縮され溶血が生じにくいもの
となる。さらに本発明の白血球分離器において、前記複
数枚の繊維体がいずれも嵩密度0.1〜1.0g/cm3のもので
あると、該繊維体より下流側に位置する白血球捕捉材の
目詰りはさらに良好に防止され、また前記捕捉材が、平
均孔径6〜20μmである合成樹脂製多孔質体からなるも
のであるとより効率の良い白血球分離操作が行なえるも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の白血球分離器の一実施態様の構造を示
す断面図、第2図は同実施態様のハウジングの一部材の
構造を示す斜視図、第3図は本発明の白血球分離器の別
の実施態様を組入れた白血球分離実験装置の構成を模式
的に示す断面図であり、また第4図は第1図に示す実施
態様の白血球分離器と同様のハウジングを有するさらに
別の実施態様の白血球分離器を組入れた白血球分離実験
装置の構成を示す模式図である。 1,21……血液導入口、2,21……血液導出口、3,20……ハ
ウジング、4,14……捕捉材、5a,5b……繊維体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 慎一郎 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−203267(JP,A) 特開 昭63−255070(JP,A) 特開 昭64−75015(JP,A) 特開 平1−224324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 1/02 540 A61M 1/22 500

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に、白血球を分離するための
    捕捉材と、該捕捉材より上流側に配置された不織布、織
    布および編布からなる群から選ばれた何れかの形態を有
    する複数枚の繊維体とを有し、この複数枚の繊維体は、
    嵩密度の異なる少なくとも2種以上のもので構成されか
    つ下流側になるにつれて嵩密度が高くなるように配され
    ていることを特徴とする白血球分離器。
  2. 【請求項2】前記複数枚の繊維体がいずれも嵩密度0.1
    〜1.0g/cm3で、かつ繊維体を構成する繊維の直径が5〜
    50μmのものである請求項1に記載の白血球分離器。
  3. 【請求項3】前記複数枚の繊維体の層厚が、0.3〜1.0mm
    のものである請求項1または2に記載の白血球分離器。
  4. 【請求項4】前記繊維体が、ポリアミド系、ポリエステ
    ル系、ポリアクリロニトリル系繊維からなる群より選択
    されたものである請求項1、2または3に記載の白血球
    分離器。
  5. 【請求項5】前記捕捉材が、平均孔径6〜20μmである
    合成樹脂製多孔質体からなるものである請求項1に記載
    の白血球分離器。
  6. 【請求項6】前記合成樹脂製多孔質体が、平膜状、中空
    糸膜状などの膜状形状、およびスポンジ形状などの塊状
    形状であるものである請求項5に記載の白血球分離器。
  7. 【請求項7】前記合成樹脂製多孔質体の空孔率が77〜83
    %でかつバブルポイントが0.05〜0.50kg/cm2である請求
    項5または6に記載の白血球分離器。
  8. 【請求項8】前記合成樹脂製多孔質体を構成する高分子
    が、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホ
    ン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ブタジ
    エン−アクリロニトリルコポリマー、ポリアミド−ポリ
    エーテル−ポリアミドブロックコポリマー、ポリビニル
    アセタール、エチレン−ビニルアルコールコポリマーか
    らなる群より選択されたものである請求項5、6または
    7に記載の白血球分離器。
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