JP2005000104A - スピニングリールのロータ制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピニングリールのロータ制動装置において、制動力を安定させる。
【解決手段】制動部材65は、移動部材51の後端部51cが接触し摩擦摺動する摩擦部65aと、装着溝2fに装着される環状部65bとを有している。制動部材65は、前側に形成された第1環状部65cと、後側に第1環状部65cより大径に形成され外周に摩擦部65aが形成された第2環状部65dとを有する断面が略L字状の部材である。また、制動部材65の内周側には係止溝65eが形成され、装着溝2fの外周側には係止溝65eに係止可能な係止突起2hが形成されており、制動部材65が装着溝2fの後端部であるフランジ部2dの前端部に接触しないように制動部材65の前後移動を規制している。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータ制動装置、特に、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着されたロータを、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動するベールアームの揺動に応じて制動するスピニングリールのロータ制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スピニングリールのロータには、釣り糸をスプールに案内するためのベールアームが設けられている。ベールアームは、釣り糸を巻き取る際に釣り糸をスプール外周に導く糸巻取姿勢と、スプールから釣り糸を繰り出す際に邪魔にならないように糸巻取姿勢から倒された糸開放姿勢とを取り得る。ベールアームを糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに維持するとともに、ロータの糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻すために、ロータにはベール反転装置が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のベール反転装置は、たとえばベールアームの揺動中心の近傍に先端が係止され、ロータに装着されたトグルばねと、ベールアームの揺動中心の近傍に先端が係止され、基端がリール本体に向けて前後移動する棒状の移動部材と、移動部材に接触するようにリール本体に設けられた切換突起とを有している。トグルばねは、ベールアームを2つの姿勢に振り分けて付勢し、ベールアームを2つの姿勢で保持する。移動部材は、糸開放姿勢にベールアームが揺動すると、切換突起に接触する位置に後退する。そして、ロータが糸巻取方向に回転すると、切換突起に接触して前進する、この前進によりトグルばねが収縮し、トグルばねによってベールアームが糸巻取姿勢に戻る。
【0004】
回転伝達効率を高めたスピニングリールでは糸巻取方向に簡単に回転しやすい。ロータが回転すると、キャスティングやサミングのそれぞれに適した回転位相にロータを回転させても回転位相が容易にずれることがある。
前記従来の構成では、糸開放姿勢でのロータの回転を防止するために、リール本体に接触してロータを制動する制動部材が移動部材に装着されている。制動部材は、移動部材が接触位置に移動すると、リール本体の前面に接触して圧縮されロータを制動する。このようにベール反転時にロータを弾性的に制動すると、ロータの回転を防止できるとともに、必要に応じてロータの糸巻取方向へ回転させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−4839号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、移動部材に装着された制動部材がリール本体に接触して圧縮されることによりロータを制動している。このため、製作誤差や取付誤差等により移動部材の接触位置が前後に変動すると、制動部材の圧縮量が変動する。圧縮量が変動すると、ロータの制動力が変動し、ロータを安定して制動できなくなる。そこで、弾性樹脂製の環状の制動部材をリール本体に装着するとともに、移動部材を制動部材の押圧方向と交差する方向に制動部材の端部から外側面に向けて移動させて制動部材に接触させることが考えられる。
【0007】
しかし、このような構成にすると、移動部材が制動部材に接触する一部分でのみ制動することになるので、制動力にばらつきが生じ、制動力が不安定になるおそれがある。このように制動力が不安定になると、常に所定の制動力が発揮されず、操作性の低下を招くおそれが生じる。
そこで、リール本体に対して相対回転可能に摩擦係合する弾性樹脂製の環状の摩擦部と、移動部材の突出部分が係合する複数の係合部とを有する制動部材を設け、移動部材の突出部分が係合部に係合したとき摩擦部をリール本体に対して摩擦摺動させることがさらに考えられる。このような構成にすることにより、摩擦部の全体部分によって均等に制動するので、制動力を安定させることができる。
【0008】
このような制動部材は、弾性樹脂製の環状部材であって、摩擦部がリール本体に対して摩擦摺動するように、リール本体の前端部外周に形成された装着溝に装着されている。また、リール本体は、内部に各種の機構を装着するために側部が開口する本体部材と、本体部材の開口を閉塞する蓋部材とを有している。ここでは、リール本体前端部のフランジ部、すなわち装着溝の後端部には、本体部材と蓋部材との合わせ部が前方に向けて露出している。このようなリール本体では、たとえば製作過程の誤差等により、本体部材と蓋部材との合わせ部に微小な段差部が形成され、この部分に制動部材が接触してしまうことがある。このように微小な段差部に制動部材が接触すると、微小な段差部が前方に押圧する力により制動部材が移動したり、制動力が変動したりするので、所定の制動力を得ることが困難になるおそれがある。
【0009】
本発明の課題は、スピニングリールのロータ制動装置において、制動力を安定させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのロータ制動装置は、前端部外周に装着溝を有するリール本体に回転自在に装着されたロータを、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動するベールアームの揺動に応じて制動するスピニングリールのロータ制動装置であって、ベールアームに連動して糸巻取姿勢に対応する第1位置と糸開放姿勢に対応する第2位置とに移動自在に前記ロータに設けられ第2位置にあるとき装着溝に向けて一部が突出する移動部材と、装着溝に装着され第2位置に移動した移動部材の突出部分が接触可能な制動部材と、制動部材の内周側及び装着溝の外周側に設けられ制動部材が装着溝の後端部に接触しないように制動部材の前後移動を規制する規制手段とを備えている。
【0011】
このロータ制動装置では、制動部材が装着溝の後端部に接触しないように制動部材の前後移動を規制する規制手段を有している。ここでは、規制手段により制動部材が装着溝の後端部に接触しないようになっているので、装着溝の後端部に微小な段差部が形成されていても、微小な段差部に制動部材が接触しにくくなる。したがって、制動部材が移動したり、制動力が変動したりすることがなくなるので、所定の制動力を得ることができ、制動力を安定させることができる。
【0012】
発明2に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1に記載の装置において、制動部材は、装着溝に対して相対回転可能に摩擦係合する摩擦部と、第2位置に移動した移動部材の突出部分が係合する複数の係合部とを有し、移動部材の突出部分が係合部に係合したとき、摩擦部をリール本体に対して摩擦摺動させる。この場合、摩擦部は装着溝に対して回転可能に摩擦係合しているので、従来のように一部分でのみ制動するのではなく、全体部分によって均等に制動するので、制動力を安定させることができる。
【0013】
発明3に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明2に記載の装置において、制動部材は、内周に摩擦部が形成され、外周に係合部が形成された環状部材である。この場合、装着溝に環状の制動部材を装着し、装着溝の外周面と制動部材の内周面に形成された摩擦部とにより、制動力を確実に得ることができる。
発明4に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1に記載の装置において、制動部材は、装着溝に装着される環状部と、第2位置に移動した移動部材の突出部分が接触し摩擦摺動する摩擦部とを有している。この場合、移動部材の突出部分を摩擦部に直接的に接触させているので、制動力を容易に得られるとともに、制動部材の構成が簡素になる。
【0014】
発明5に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、制動部材は、前側に形成された第1環状部と、後側に第1環状部より大径に形成され移動部材の突出部分が接触可能な第2環状部とを有している。この場合、制動部材の断面が略L字形状になるように形成されているので、前側の第1環状部より大径の後側の第2環状部に移動部材の突出部分を確実に接触させることができる。
【0015】
発明6に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置において、規制手段は、制動部材の内周側に形成された係止溝と、装着溝の外周側に形成され係止溝に係止可能な係止突起とを有している。この場合、制動部材の係止溝に装着溝の係止突起を係止することにより、制動部材の後方への移動を規制できる。
【0016】
発明7に係るスピニングリールのロータ制動装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置において、規制手段は、制動部材の内周側に形成された係止突起と、装着溝の外周側に形成され係止突起が係止可能な係止溝とを有している。この場合、装着溝の係止溝に制動部材の係止突起を係止することにより、制動部材の後方への移動を規制できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1及び図2に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、図1ではハンドル1がリール本体2の左側に装着され、図2ではハンドル1が右側に装着されている。このように、ハンドル1はリール本体2の左右いずれにも装着可能である。
【0018】
リール本体2は、内部に空間を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの空間を塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図1参照)とを有している。
リールボディ2aは、たとえばアルミニウム合金製であり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。図2に示すように、リールボディ2aの空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ2a及び蓋部材2bの前端には、円形のフランジ部2dと、フランジ部2dより小径で先端が開口する円筒部2eとが形成されている。円筒部2eには、図5に示すように、断面が円の一部が切り欠かれた後端部がフランジ部2dの前端部となるように形成された装着溝2fが形成されている。
【0019】
蓋部材2bは、たとえばアルミニウム合金製の部材であり、たとえば3箇所でリールボディ2aにビス止めされている。フランジ部2dにおいて、リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、図5及び図6に示すように、後述する切り換え部材52が着脱自在に装着されている。
ロータ駆動機構5は、図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、ハンドル軸10とともに回転するメインギア11と、メインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a、14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0020】
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構71を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。
ロータ3は、図2に示すように、ロータ本体16と、ロータ本体16の先端に糸開放姿勢と糸巻き取り姿勢とに揺動自在に装着されたベールアーム17と、ベールアーム17を糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢に戻すためにロータ本体16に装着されたベール反転機構18とを有している。
【0021】
ロータ本体16は、リールボディ2aにスプール軸15回りに回転自在に装着された円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。
【0022】
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成されている。ボス部33aの中心部には貫通孔が形成されており、この貫通孔をピニオンギアの前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前部にロータ3の固定用のナット13が配置されている。円筒部30の後面は第3カバー部材30aにより覆われている。
【0023】
第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32は、図2から図4に示すように、円筒部30の後部外周面にそれぞれ配置された第1接続部31a及び第2接続部32aと、第1接続部31a及び第2接続部32aからそれぞれ外方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第1アーム部31b及び第2アーム部32bと、第1接続部31a及び第2接続部32aと第1アーム部31b及び第2アーム部32bとの両外方部分をそれぞれ覆う第1カバー部材31c及び第2カバー部材32cとを有している。第1接続部31a及び第2接続部32aは、円筒部30と周方向に滑らかにそれぞれ連続して形成されている。
【0024】
第1アーム部31b及び第2アーム部32bは、第1接続部31a及び第2接続部32aと滑らかに連続して形成され円筒部30と間隔をあけて前方に延びている。また、第1アーム部31b及び第2アーム部32bは、先端部から円筒部30との接続部分に向けて滑らかに湾曲している。第1接続部31a及び第2接続部32aと第1アーム部31b及び第2アーム部32bとの両外方部分には、開口31d、32dがそれぞれ形成されており、第1カバー部材31c及び第2カバー部材32cは、開口31d、32dをそれぞれ外周側から塞いでいる。この第1カバー部材31cと第1接続部31a及び第1アーム部31bとの間には、収納空間48が形成されている。
【0025】
第1アーム部31bの先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1アーム部31bには、図3及び図4に示すように、ベール反転機構18の後述する移動部材51を前後に案内するための細長いガイド溝36と、ベールアーム17に抵抗を付与するための規制機構75(図8参照)が装着される装着穴37と、第1ベール支持部材40を揺動自在に装着するためのねじ孔付きのボス部38とが形成されている。第2アーム部32bの先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
【0026】
第1ベール支持部材40は、第1アーム部31bのボス部38にねじ込まれた取付ピン39により第1ロータアーム31に取り付けられる。この取付ピン39は引っ掛かりが少ない六角穴付きボルトからなり、取付ピン39の頭部に釣り糸が引っ掛かりにくくなっている。
第1ベール支持部材40の先端には、図3に示すように、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41と、ラインローラ41を挟んで第1ベール支持部材40に固定された固定軸カバー47とが装着されている。ラインローラ41は、第1ベール支持部材40の先端に回転自在に装着されている。固定軸カバー47は、先端が尖った変形円錐形状である。固定軸カバー47の先端部と第2ベール支持部材42との間には線材を略U字状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42、ラインローラ41、ベール43及び固定軸カバー47により、釣り糸をスプール4に案内するベールアーム17が構成される。ベールアーム17は、図3(a)に示す糸巻き取り姿勢と、図3(b)に示す糸巻き取り姿勢から反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0027】
ベール反転機構18は、第1ロータアーム31の収納空間48内に配置されている。このベール反転機構18は、ベールアーム17を糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢にロータ3の回転に連動して復帰させるとともに、両姿勢でその状態を保持するために設けられている。
ベール反転機構18は、図3から図6に示すように、収納空間48内で第1アーム部31bに揺動自在に装着されたトグルばね機構50と、収納空間48内に略前後移動自在に装着された移動部材51と、移動部材51に接触可能にフランジ部2dに着脱自在に装着された切り換え部材52と、ロータ3を制動するための制動部材65を有するロータ制動装置54と、糸開放姿勢にあるベールアーム17の糸巻き取り姿勢への復帰を規制する規制機構75を有している。
【0028】
トグルばね機構50は、図3に示すように、ベールアーム17が糸巻き取り姿勢となる第1位置と糸開放姿勢となる第2位置とを取り得るように第1ロータアーム31内に配置され、ベールアーム17を糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢とに保持するための機構である。トグルばね機構50は、一端が第1ベール支持部材40に係止され、他端が第1アーム部31bに沿って延びるロッド55と、ロッド55を進出側に付勢するコイルばね57とを有している。
【0029】
ロッド55は、図4に示すように、先端に第1ベール支持部材40の係合穴40aに係止されるように第1ベール支持部材40に向けて折れ曲がった係止部55aを有している。また、ロッド55は、中間部にコイルばね57の先端部を係止するための係止突起55bを有し、後端部に僅かに湾曲した湾曲部55cを有している。係止突起55bには、コイルばね57の先端が当接するワッシャ56が装着されており、これにより、コイルばね57の先端部からロッド55に力が均一に伝達される。ロッド55は、後方に向かってより径方向内側に位置するように傾斜して配置されている。
【0030】
コイルばね57は、第1アーム部31bに装着された、たとえばポリアミド系合成樹脂などの合成樹脂製の案内シート34に接触して案内される。案内シート34は、コイルばね57の一側面を案内するとともに基端部を係止するように折れ曲がった壁面部34aを有している。壁面部34aは、コイルばね57の側部及び基端部に接触し得る高さを有している。コイルばね57は、後方に向かってより径方向内側に位置するように傾斜して配置されている。
【0031】
コイルばね57のワッシャ56に係止される先端部は他の部分より巻径が小さくなっている。これにより先端部以外でコイルばね57とロッド55との間で大きな隙間が生じ、コイルばね57の内部でロッド55が姿勢を変えてもコイルばね57が変形しにくくなる。なお、コイルばね57の基端部内周面に接触するボス部や基端部外周面を覆うカバー部等を設けてコイルばね57の基端部を係止するようにしてもよい。また、これらのボス部やカバー部を第1ベール支持部材40の揺動軸と平行な軸回りに揺動するように第1アーム部31bに装着してもよい。たとえば、ボス部の基端面に円弧凸部を形成するとともに第1アーム部31b内に円弧凸部に係合する円弧凹部を形成し、これによりボス部を揺動自在に構成することが考えられる。
【0032】
このような構成のトグルばね機構50は、揺動軸の軸芯であるコイルばね57と基端の中心位置と第1ベール支持部材40の揺動軸芯O(取付ピン39の軸芯)とを結ぶ線分Fに対して、糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢とでロッド55の第1ベール支持部材40に対する係止位置が異なる方向に位置するように配置されている。この線分Fに重なる位置がトグルばね機構50の死点(コイルばね57が最も圧縮する位置)である。これにより、トグルばね機構50は、ベールアーム17を死点を挟んで両姿勢に振り分けて付勢しかつ両姿勢で保持できる。このトグルばね機構50の死点は、糸開放姿勢側に偏倚している。
【0033】
移動部材51は、たとえば、ステンレス合金などの金属製の線材の両端を90度異なる方向に折り曲げて形成された部材である。移動部材51は、第1アーム部31bに略前後移動自在に装着されており、図3(a)に示す第1位置(離反位置)と図3(b)に示す第2位置(接触位置)とを取り得る。移動部材51は、図3から図6に示すように、その先端部51aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持部材40に形成された略扇形の係合凹溝40bに係止されている。中間部51bは、ロッド55より径方向内側で第1アーム部31bに沿って延びている。
【0034】
後端部51cは、ガイド溝36を貫通し、ロータ制動装置54を構成する制動部材65の前端面に僅かに重なり合う位置まで内方に延びており、その後端面が僅かに丸みを帯びている。ガイド溝36の幅は、移動部材51の直径とほぼ同じ寸法である。このため、移動部材51の中間部51bの径方向内側は、ベールアーム17の揺動に連動してガイド溝36に沿って前後に案内される。
【0035】
移動部材51の係合凹溝40bでの係止端は、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、後端部51cとベールアーム17の揺動中心とを結ぶ線分より糸巻き取り姿勢側に位置している。つまり、移動部材51は、接触位置(図3(b))にあるときの後端部51cの軸芯と第1ベール支持部材40の揺動軸芯とを結ぶ線分から同じ方向に第1位置(離反位置)と第2位置(接触位置)とで第1ベール支持部材40への係止位置が存在するように配置されている。これにより、移動部材51の後端部51cが切り換え部材52により押圧されたとき、第1ベール支持部材40を糸巻き取り姿勢側に復帰させることができる。この第2位置(接触位置)にあるとき、後端部51cの端面は、制動部材65の前端面より奥側で外周面よりやや内方に食い込んでいる。
【0036】
切り換え部材52は、たとえばポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの合成樹脂製の部材であり、図5及び図6に示すように、リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分でフランジ部2dに着脱自在に装着されている。リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、矩形の切り欠き53が形成されている。切り換え部材52は、2つの傾斜面60a、60bを有する山型のカム部60と、カム部60と一体形成されたくびれ部61と、鍔部62とを有している。傾斜面60aは、図6に矢印で示すロータ3の糸巻き取り回転方向の下流側が上流側によりロータ3に向けて前方に突出する傾斜面である。傾斜面60bは、傾斜面60aの突出部分から糸巻き取り回転方向下流側に向けて突出量が減少する傾斜面である。傾斜面60a、60bの最も突出した突出端60cの突出量は、傾斜面60aに後端部51cが接触した移動部材51がベールアーム17を糸巻き取り姿勢に向けて押圧したときにトグルばね機構50の死点を超えるように設定されている。
【0037】
くびれ部61は、切り欠き53にはめ込まれる大きさを有しており、フランジ部2dの肉厚と略同じ寸法の隙間をカム部60と鍔部62との間に形成している。鍔部62は、くびれ部61より大きな断面を有しており、フランジ部2dの裏面に接触する。この傾斜面60bを設けると、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、無理に逆転(糸繰り出し方向の回転)が加わって移動部材51が切り換え部材52に接触しても、ベール反転機構18の移動部材51が傾斜面60bで切り換え部材52に滑らかに案内され、損傷しにくくなる。なお、このような2つの傾斜面60a、60bを有する切り換え部材52は、リール本体2と一体形成された切り換え部にも適用できる。
【0038】
このように構成された切り換え部材52は、リールボディ2aに蓋部材2bを装着するとき、たとえばリールボディ2a側の切り欠き53にくびれ部61をはめ込み、蓋部材2bをリールボディ2aにビス止めするだけで、リール本体2に固定できる。
ロータ制動装置54は、糸開放姿勢にベールアーム17が揺動したときロータ3を制動するものであり、移動部材51と、円筒部2eの基端部側に形成された装着溝2fに装着された制動部材65とを有している。すなわち、移動部材51は、ベール反転機構18を構成するとともに、ロータ制動装置54も構成する。
【0039】
制動部材65は、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、ロータ3の回転を制動するために設けられている。制動部材65は、たとえばスチレン‐ブタジエン‐ゴム(SBR)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム、ブタジエン‐ゴム、イソプレン‐ゴム、クロロプレン‐ゴム、シリコーン‐ゴム、ウレタン‐ゴム等の合成ゴムからなる弾性体製のリング状の部材である。
【0040】
制動部材65は、図10に拡大して示すように、移動部材51の後端部51cが接触し摩擦摺動する摩擦部65aと、装着溝2fに装着される環状部65bとを有している。制動部材65は、前側に形成された第1環状部65cと、後側に第1環状部65cより大径に形成され外周に摩擦部65aが形成された第2環状部65dとを有する断面が略L字状の部材である。また、制動部材65の内周側には係止溝65eが形成され、装着溝2fの外周側には係止溝65eに係止可能な係止突起2hが形成されている。ここでは、制動部材65の内周側に形成された係止溝65eを、装着溝2fの外周側に形成された係止突起2hに係止することにより、制動部材65が装着溝2fの後端部であるフランジ部2dの前端部に接触しないように制動部材65の前後移動を規制している。
【0041】
規制機構75は、ベールアーム17とロータ3の第1アーム部31bとの間の対向部分に設けられ、ベールアーム17が糸開放姿勢に配置されているとき、ベールアーム17が糸巻き取り姿勢に戻るのを規制するとともに、ベールアーム17が糸巻き取り姿勢に揺動するとき、移動部材51の後端部51cが傾斜面60aの突出端60cに到達するまでに規制を解除する機構である。規制機構75は、図7及び図8に示すように、第1アーム部31bの装着穴37に装着された規制ピン76と、規制ピン76をベールアーム17側に付勢するコイルばね77と、第1ベール支持部材40に設けられた押圧部78とを有している。
【0042】
規制ピン76は、大径の当接部76aと小径のばね装着部76bとを有する金属製のピンである。この当接部76aとばね装着部76bとの段差部分にコイルばね77の先端が接触している。コイルばね77は、ばね装着部76bの外周側に配置されており、規制ピン76を第1ベール支持部材40に向けて付勢する。押圧部78は、2つの傾斜面78a、78bを有し、第1アーム部31bに向けて突出して形成されている。押圧部78は、糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢に揺動するとき、移動部材51の後端部51cが傾斜面60aの突出端60cに到達するまでに規制ピン76を通過して規制を解除できる位置に配置されている。具体的には、図9(a)に示すように、押圧部78は、糸開放姿勢のとき規制ピン76より矢印で示す糸巻き取り姿勢への揺動方向の上流側に位置し、図9(b)に示すように、糸巻き取り姿勢への揺動中にトグルばね機構50が死点に至るまでに規制ピン76を通過するような位置に配置されている。
【0043】
このような構成のベール反転機構18では、トグルばね機構50は、図3(a)に示すような第1位置と、図3(b)に示すような第2位置とを取ることが可能である。第1位置は、ベールアーム17の糸巻き取り姿勢に対応し、第2位置はベールアーム17の糸開放姿勢に対応している。また、移動部材51は、図3(a)に示す第1位置(離反位置)と、図3(b)に示す第2位置(接触位置)とに後端部51cがガイド溝36に案内されて前後移動することができる。この第1位置(離反位置)が糸巻き取り姿勢に対応し、第2位置(接触位置)が糸巻き取り姿勢に対応する。第2位置(接触位置)では、移動部材51の後端部51cの端面が制動部材65の前端面より奥側で摩擦部65aが僅かに圧縮されるように接触する。このため、移動部材51の移動位置、つまり第2位置(接触位置)が軸方向に変動しても制動力は変動しない。
【0044】
また、第2位置(接触位置)でハンドル1の操作によりロータ3が糸巻き取り方向に回転すると、移動部材51の後端部51cが切り換え部材52の傾斜面60aに衝突して回転し、移動部材51は第1位置(離反位置)に向けて前方に押圧され、トグルばね機構50の死点を超えた時点でベールアーム17は、糸巻き取り姿勢に復帰する。このとき、規制機構75の規制ピン76による規制はトグルばね機構50の死点を超えるまでに解除されている。
【0045】
ロータ3の円筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止、解除するための逆転防止機構70が配置されている。逆転防止機構70をローラ型のワンウェイクラッチを有しており、ワンウェイクラッチを作用状態と非作用状態とに切り換えることにより、ロータ3の逆転を禁止、解除する。
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構71を介して装着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体で形成されたスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端に一体で形成されたフランジ部4cとを有している。
【0046】
次に、リールの操作及び動作について詳細に説明する。
キャスティング時には逆転防止機構70によりロータ3を逆転禁止状態にして手でベールアームを持ってベールアーム17を糸開放姿勢に反転させる。ベールアーム17を糸開放姿勢に反転させると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は後方側に倒れ、ベール反転機構18は、図3(b)に示すような第2位置に配置される。このとき、規制機構75では、トグルばね機構50の死点を超えると押圧部78が規制ピン76を通過する。ベールアーム17が糸開放姿勢に倒れた状態では、スプール4からの釣り糸を容易に繰り出すことが可能である。
【0047】
この糸巻き取り姿勢から糸開放姿勢への揺動において、トグルばね機構50では、第1ベール支持部材40の回転によってロッド55が図3(a)において徐々に退入しつつ反時計方向に揺動し、図3(b)に示す第2位置に至る。このとき、死点を超えるまでは退入する。死点を超えると、ロッド55がコイルばね57の付勢力により進出してベールアーム17を糸開放姿勢側に切り換えるとともにその姿勢で保持する。この死点を超えると、規制機構75の押圧部78が規制ピン76を乗り越えてベールアーム17の糸巻き取り姿勢への揺動を規制するとともに、押圧部78が規制ピン76を通過した時点で規制ピン76が急激に第1ベール支持部材40に衝突して発音する。
【0048】
ベールアーム17が糸開放姿勢に揺動すると、この揺動に伴って移動部材51は離反位置から接触位置に移動し、移動部材51の後端部51cの先端は制動部材65に弾性的に接触する。この結果、ロータ3が制動されその回転位相を保持する。しかし制動部材65と弾性的に接触して摩擦により制動されているだけであるので、ロータ3を手で回転させたりハンドル1により回転させたりすれば簡単に回転位相を調整できる。すなわち、ロータ3が摩擦力により制動され回転位相が維持されるので、ベールアーム17を糸開放姿勢にしたときにロータ3が回転することはない。
【0049】
この状態で釣竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っ掛けながら釣竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。このとき、前述したようにベールアーム17は、規制機構75により規制され、糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢に戻りにくくなっている。具体的には、図9(a)に示すように、規制ピン76を押圧部78が乗り越えた位置に配置されているので、押圧部78に邪魔されて慣性力によりベールアーム17が揺動中心Oを中心に反転しにくくなる。
【0050】
キャスティング後に、ベールアーム17を糸開放姿勢に維持したままの状態でハンドル1をたとえば左手で糸巻き取り方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が糸巻き取り方向に回転する。ロータ3が糸巻き取り方向に回転すると、ベールアーム17がベール反転機構18により糸巻き取り姿勢に復帰する。
【0051】
具体的には、図5及び図6において、移動部材51がロータ3とともに時計方向に回転する。すると、移動部材51の後端部51cがリール本体2側に固定された切り換え部材52の傾斜面60aに当接する。これにより、移動部材51が前方に押圧され、図6に2点鎖線で示す第1位置(離反位置)に切り換えられ、第1ベール支持部材40を糸巻き取り姿勢に揺動させる。これに伴ってトグルばね機構50のロッド55が図3(b)に示す第2位置から図3(a)に示す第1位置に向けて揺動する。そして、傾斜面60aの突出端60cに到達するまでにトグルばね機構50が死点を超えると、コイルばね57の付勢力よりロッド55が進出し、ベールアーム17を糸巻き取り姿勢に切り換えるとともにその姿勢で保持する。このトグルばね機構50の死点を超えるまでに規制機構75による抵抗は解消される。具体的には、図9(b)に示すように、揺動中心Oとトグルばね機構50の後端とを結ぶ直線上にトグルばね機構50が配置された死点に至る前に、押圧部78は規制ピン76を通過して押圧部78による規制が解除される。このため、トグルばね機構50の付勢力を強くすることなくベールアーム17を糸巻き取り姿勢に戻すことができる。ベールアーム17が糸巻き取り姿勢に復帰すると、第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は、図1及び図2に示すように、それぞれ前方側に起立している。ベールアーム17が糸巻き取り姿勢に戻ると、ベールアーム17により釣り糸がスプール4に案内されてスプール4の外周に巻き付けられる。
【0052】
このような構成のロータ制動装置54では、制動部材65の内周側に形成された係止溝65eを、装着溝2fの外周側に形成された係止突起2hに係止することにより、制動部材65が装着溝2fの後端部であるフランジ部2dの前端部に接触しないように制動部材65の前後移動を規制している。ここでは、制動部材65がフランジ部2dの前端部に接触しないようになっているので、フランジ部2dの前端部においてリールボディ2aと蓋部材2bとの合わせ部2g(図5及び図6参照)に微小な段差が形成されていても、微小な段差部に制動部材65が接触しにくくなる。したがって、制動部材65が移動したり、制動力が変動したりすることがなくなるので、所定の制動力を得ることができ、制動力を安定させることができる。
【0053】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、フロントドラグ式のスピニングリールを例にあげて説明したが、本発明は揺動するベールアームを糸巻き取り姿勢に復帰させる、リアドラグ式のスピニングリールやレバーブレーキ式のスピニングリールなどの全ての形式のスピニングリールのベール反転装置に適用できる。
【0054】
(b) 前記実施形態では、移動部材51を金属製の線材で構成したが、移動部材はこれに限定されず、後端部が前後移動して制動部材の制動面に接触するものであればどのような形態でもよい。
(c) 前記実施形態では、制動部材65の内周側に形成された係止溝65eと、装着溝2fの外周側に形成され係止溝65eに係止可能な係止突起2hとを有していたが、図11に示すように、制動部材65の内周側に形成された係止突起65fと、装着溝2fの外周側に形成され係止突起65fが係止可能な係止溝2iとを有している構成にしてもよい。
【0055】
(d) 前記実施形態では、移動部材51の後端部51cを制動部材65に直接的に接触させていたが、図12から図15に示すように、制動部材165と装着溝102fとの間で摩擦係合するようにしてもよい。
ロータ制動装置154は、図12から図14に示すように、糸開放姿勢にベールアーム117が揺動したときロータ103を制動するものであり、移動部材151と、円筒部102eの基端部側に形成された装着溝102fに装着された制動部材165とを有している。すなわち、移動部材151は、ベール反転機構118を構成するとともに、ロータ制動装置154も構成する。
【0056】
制動部材165は、ベールアーム117が糸開放姿勢にあるとき、ロータ103の回転を制動するために設けられている。制動部材165は、たとえばスチレン‐ブタジエン‐ゴム(SBR)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐ゴム、ブタジエン‐ゴム、イソプレン‐ゴム、クロロプレン‐ゴム、シリコーン‐ゴム、ウレタン‐ゴム等の合成ゴムからなる弾性体製の略半円形状の第1制動部材165a及び第2制動部材165bの2つの部材により構成されている。第1制動部材165a及び第2制動部材165bは、側部外周に形成された溝部165eに装着されたばね部材166により、円形状の装着溝102fに圧接されている。制動部材165は、装着溝102fに回転可能に摩擦係合する摩擦部165cと、移動部材151の後端部151cが係合する複数の係合部165dとを有している。係合部165dは、制動部材165の外周に間隔をあけて配置され、後端部151cが係合する係合溝である。また、制動部材165には、係合部165dに向けて傾斜するテーパ部165fが複数箇所に形成されている。テーパ部165fは、後端部151cを係合部65dに案内するために形成された傾斜面である。
【0057】
制動部材165は、図15に拡大して示すように、内周側に摩擦部165cを有し、前側に形成された第1環状部165gと、後側に第1環状部165gより大径に形成された第2環状部165hとを有する断面が略L字状の部材である。また、制動部材165の内周側には係止溝165iが形成され、装着溝102fの外周側には係止溝165iに係止可能な係止突起102gが形成されている。ここでは、制動部材165の内周側に形成された係止溝165iを、装着溝102fの外周側に形成された係止突起102gに係止することにより、制動部材165が装着溝102fの後端部であるフランジ部102dの前端部に接触しないように制動部材165の前後移動を規制している。
【0058】
ばね部材166は、制動部材165の側部外周に形成された溝部165eに装着される針金状部材であり、内側方向に付勢する弾性力を有している。なお、ばね部材166には、図示しないが、制動部材165に装着するため一部に切り込みが形成されている。
このようなロータ制動装置154では、ベールアーム117が糸巻取姿勢から糸開放姿勢に揺動すると、ロータ103に設けられた移動部材151の後端部151cが制動部材165の係合部165dに係合し、ロータ103とともに制動部材165が回転すると、摩擦部165cは装着溝102fと摩擦係合しているので、ロータ103が制動される。ここでは、摩擦部165cは装着溝102fと回転可能に摩擦係合しているので、従来のように一部分でのみ制動するのではなく、全体部分によって均等に制動するので、制動力を安定させることができる。
【0059】
ここでは、前記実施形態と同様に、制動部材165の内周側に形成された係止溝165iを、装着溝102fの外周側に形成された係止突起102gに係止することにより、制動部材165が装着溝102fの後端部であるフランジ部102dの前端部に接触しないように制動部材165の前後移動を規制しているので、制動部材165が移動したり、制動力が変動したりすることがなくなるので、所定の制動力を得ることができ、制動力を安定させることができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、スピニングリールのロータ制動装置において、制動部材が装着溝の後端部に接触しないように制動部材の前後移動を規制する規制手段を有しているので、制動力を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面図。
【図2】前記スピニングリールの左側面断面図。
【図3】第1ロータアームの平面図。
【図4】前記第1ロータアームの断面拡大図。
【図5】ベール反転機構を示すリールボディの正面図。
【図6】前記ベール反転機構を示す前記リールボディの底面部分図。
【図7】第1ベール支持部材の部品図。
【図8】図7のVIII−VIII断面図。
【図9】ベールアームの揺動時の規制状態の変化を示す模式図。
【図10】制動部材周辺の断面拡大図。
【図11】他の実施形態の図10に相当する図。
【図12】他の実施形態の図4に相当する図。
【図13】他の実施形態の図5に相当する図。
【図14】他の実施形態の図6に相当する図。
【図15】他の実施形態の図10に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体
2a リールボディ
2b 蓋部材
2d フランジ部
2e 円筒部
2f 装着溝
2g 合わせ部
2h 係止突起
2i 係止溝
3 ロータ
15 スプール軸
17 ベールアーム
18 ベール反転機構
50 トグルばね機構
51 移動部材
54 ロータ制動装置
55 ロッド
57 コイルばね
65 制動部材
65a 摩擦部
65b 環状部
65c 第1環状部
65d 第2環状部
65e 係止溝
65f 係止突起
102e 円筒部
102f 装着溝
102g 係止突起
165 制動部材
165a 第1制動部材
165b 第2環状部
165c 摩擦部
165d 係合部
165e 溝部
165f テーパ部
165g 第1環状部
165h 第2環状部
165i 係止溝
166 ばね部材

Claims (7)

  1. 前端部外周に装着溝を有するリール本体に回転自在に装着されたロータを、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動するベールアームの揺動に応じて制動するスピニングリールのロータ制動装置であって、
    前記ベールアームに連動して糸巻取姿勢に対応する第1位置と前記糸開放姿勢に対応する第2位置とに移動自在に前記ロータに設けられ、前記第2位置にあるとき、前記装着溝に向けて一部が突出する移動部材と、
    前記装着溝に装着され、前記第2位置に移動した前記移動部材の突出部分が接触可能な制動部材と、
    前記制動部材の内周側及び前記装着溝の外周側に設けられ、前記制動部材が前記装着溝の後端部に接触しないように前記制動部材の前後移動を規制する規制手段と、
    を備えたスピニングリールのロータ制動装置。
  2. 前記制動部材は、前記装着溝に対して相対回転可能に摩擦係合する摩擦部と、前記第2位置に移動した前記移動部材の突出部分が係合する複数の係合部とを有し、前記移動部材の突出部分が前記係合部に係合したとき、前記摩擦部を前記リール本体に対して摩擦摺動させる、請求項1に記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  3. 前記制動部材は、内周に前記摩擦部が形成され、外周に前記係合部が形成された環状部材である、請求項2に記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  4. 前記制動部材は、前記装着溝に装着される環状部と、前記第2位置に移動した前記移動部材の突出部分が接触し摩擦摺動する摩擦部とを有している、請求項1に記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  5. 前記制動部材は、前側に形成された第1環状部と、後側に前記第1環状部より大径に形成され前記移動部材の突出部分が接触可能な第2環状部とを有している、請求項1から4のいずれかに記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  6. 前記規制手段は、前記制動部材の内周側に形成された係止溝と、前記装着溝の外周側に形成され前記係止溝に係止可能な係止突起とを有している、請求項1から5のいずれかに記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  7. 前記規制手段は、前記制動部材の内周側に形成された係止突起と、前記装着溝の外周側に形成され前記係止突起が係止可能な係止溝とを有している、請求項1から5のいずれかに記載のスピニングリールのロータ制動装置。
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