JP2004537625A - ポリ(アリーレンエーテル)製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のポリ(アリーレンエーテル)樹脂の製造方法では、溶媒及び触媒の存在下で一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)を生成させ、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)とを分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂をリサイクルする。本方法は、可溶性及び不溶性コポリマーのモノマー組成を変更し得るポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの合成に特に有用である。
Description
【0001】
本発明は、ポリ(アリーレンエーテル)の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は周知であり、耐熱性、剛性及び高い衝撃強さを始めとする性質のため広く使用されている。耐熱性の向上した熱可塑性組成物に対する要望を契機として、ガラス転移温度、熱変形温度及びビカー軟化温度を始めとする性質にみられる耐熱性の向上を可能にする分子量及び/又はモノマー組成をもつポリ(アリーレンエーテル)樹脂の発見につながった。
【0003】
ポリ(アリーレンエーテル)ホモポリマー及びコポリマーの様々な製造方法が知られている。米国特許第3306875号(Hay)には、概して、フェノール類を酸化してポリフェニレンエーテルとジフェノキノンを得ることが記載されている。米国特許第4011200号(米光他)には、概して、50〜98モル%の2,6−ジメチルフェノールモノマー単位と50〜2モル%の2,3,6−トリメチルフェノールモノマー単位からなるコポリマーが記載されている。
【0004】
米国特許第4463164号(Dalton他)には、概して、錯体触媒の存在下、モノマーと触媒に対する溶媒ではあるがポリフェニレンエーテルに対する非溶媒である液体媒質中で一価フェノールの酸化カップリングを行ってポリフェニレンエーテル沈殿を含む粒状固形物のスラリーを生成させ、スラリーをキレート剤の水溶液で洗浄して触媒残渣を除去することを含んでなるポリフェニレンエーテルの製造方法が記載されている。この方法では、溶媒リサイクルを利用し得る。
【0005】
米国特許第4556699号(Bialy他)には、概して、循環系中での連続作業によって、液体反応媒質中でポリマーを沈殿させながら、触媒存在下で酸素又は分子状酸素含有ガスを用いた2,6−キシレノールの酸化重合によるポリフェニレンエーテルの製造方法が記載されている。沈殿ポリマーは連続的に回収され、その一部は重合反応器にリサイクルし得る。
【0006】
米国特許第4906700号(Banevicius)には、概して、ポリ(アリーレンエーテル)の重合に使用した芳香族炭化水素溶媒を連続的に蒸留してリサイクルすることにより、2,3,6−トリメチルアニソールのような臭気のあるポリ(アリーレンエーテル)副生物を低減させる方法が記載されている。
【0007】
原料をさらに効率的に利用して重合反応混合物に不溶性のポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるポリ(アリーレンエーテル)製造法に対するニーズが依然として存在している。さらに、所望の不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の存在下で生じかねない可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を効率的に利用するポリ(アリーレンエーテル)製造法に対するニーズも依然として存在している。
【特許文献1】
米国特許第3306875号
【特許文献2】
米国特許第4011200号
【特許文献3】
米国特許第4463164号
【特許文献4】
米国特許第4556699号
【特許文献5】
米国特許第4906700号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
先行技術における上記その他の欠点及び不都合は、反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させ、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルすることを含んでなるポリ(アリーレンエーテル)の製造方法によって軽減される。
【0009】
ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の製造装置を始めとする他の実施形態は以下に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一実施形態は、反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させ、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルすることを含んでなるポリ(アリーレンエーテル)の製造方法である。
【0011】
本発明者らは、重合反応混合物に不溶性のポリ(アリーレンエーテル)樹脂を製造するプロセスにおいて、重合反応混合物中に存在する可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離してリサイクルすることでプロセスの効率及び生産性を向上させることができることを見出した。本方法はポリ(アリーレンエーテル)ホモポリマー及びコポリマーに適用し得るが、モノマー供給原料、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)のモノマー組成が異なることがあるポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの合成に特に有用である。
【0012】
ポリ(アリーレンエーテル)合成に用いる一価フェノールは特に限定されない。適当な一価フェノールとしては、次式のものがある。
【0013】
【化1】
【0014】
式中、各Q1は独立にハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7アミノアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、ハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシなどであり、各Q2は独立に水素、ハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、ハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシなどである。好ましくは、各Q1はアルキル又はフェニル、特にC1-4アルキルであり、各Q2は水素又はメチルである。
【0015】
好ましい実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)は第一の一価フェノールと第二の一価フェノールのコポリマーであって、第一の一価フェノールと第二の一価フェノールとは異なっているが、各々次式を有する。
【0016】
【化2】
【0017】
式中、各Q1は独立にハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7アミノアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、及びハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシからなる群から選択され、各Q2は独立に水素、ハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、及びハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシからなる群から選択される。
【0018】
極めて好ましい実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)は2,6−ジメチルフェノール(以下、「DMP」という。)と2,3,6−トリメチルフェノール(以下、「TMP」という。)のコポリマーである。この実施形態では、コポリマーは、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位(DMPから誘導される)と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位(TMPから誘導される)を重量比約1:99〜約99:1の範囲内の比率であればどんな比率で含んでいてもよい。ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)ホモポリマーの製造に有用な手順及び装置との適合性を高めるため、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位との重量比を好ましくは約1:10以上、さらに好ましくは約1:5以上、さらに一段と好ましくは約2:5以上にしてもよい。また、コポリマーの耐熱性を十分なものにするため、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位との重量比を好ましくは約10:1以下、さらに好ましくは約5:1以下、さらに一段と好ましくは約5:2以下にしてもよい。
【0019】
一価フェノールの酸化カップリングでは酸素含有ガスを使用するが、通例、これは酸素(O2)又は空気であり、酸素が好ましい。
【0020】
一価フェノールは、溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸化カップリングされる。適当な有機溶媒には、酸化反応を阻害したり、酸化反応に関与しないことを条件として、脂肪族アルコール、ケトン、脂肪族及び芳香族炭化水素、クロロ炭化水素、ニトロ炭化水素、エーテル、エステル、アミド、混成エーテル−エステル、スルホキシドなど、さらにはこれらの有機溶媒の1種以上を含む組合せがある。好ましい実施形態では、溶媒は、例えばトルエン、キシレンなどのC6〜C18芳香族炭化水素及びこれらの混合物を含む。特に好ましい溶媒はトルエンである。
【0021】
溶媒は、C6〜C18芳香族炭化水素に加えて、可溶性及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂に対する貧溶媒であるC3〜C8脂肪族アルコール、例えばn−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノールなど、及びこれらのC3〜C8脂肪族アルコールの1種以上を含む組合せを含んでいてもよい。好ましいC3〜C8脂肪族アルコールはn−ブタノールである。溶媒はさらに、C6〜C18芳香族炭化水素及びC3〜C8脂肪族アルコールに加えて、可溶性及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂に対する貧溶媒として作用するメタノール又はエタノールを含んでいてもよい。C6〜C18芳香族炭化水素、C3〜C8脂肪族アルコール及びメタノール又はエタノールは任意の比率で混合し得るが、溶媒が約50重量%以上のC6〜C18芳香族炭化水素を含んでいるのが好ましい。
【0022】
金属錯体触媒は金属イオンを含有し得る。好ましい金属イオンには、周期表第VIB族、第VIIB族又は第IB族のイオン及びこれらの組合せがある。これらのうち、クロム、マンガン、コバルト、銅のイオン及びこれらのイオンの1種以上を含む組合せが好ましく、銅イオン(Cu+及びCu2+)が特に好ましい。
【0023】
金属錯体触媒は、さらに含窒素配位子を含んでいてもよい。含窒素配位子には、例えば、アルキレンジアミン配位子、第一モノアミン、第二モノアミン、第三モノアミン、アミノアルコール、オキシンなど、さらにはこれらの含窒素配位子の1種以上を含む組合せがある。
【0024】
適当なアルキレンジアミン配位子には、次式のものがある。
【0025】
(Rb)2N−Ra−N(Rb)2
式中、Raは2又は3個の脂肪族炭素原子で2つのジアミン窒素原子間に最短結合を形成する置換又は非置換二価残基であり、各Rbは独立に水素又はC1〜C8アルキルである。好ましいアルキレンジアミン配位子には、Raがエチレン(−CH2CH2−)又はトリメチレン(−CH2CH2CH2−)で、各Rbが独立に水素、イソプロピル又はC4〜C8 α−第三アルキル基であるものがある。特に好ましいアルキレンジアミン配位子には、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン及びN,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンがある。
【0026】
適当な第一モノアミンには、例えばn−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミンなどのC3〜C12第一アルキルアミン、さらにはこれらの第一モノアミンの1種以上を含む組合せがある。特に好ましい第一モノアミンはn−ブチルアミンである。
【0027】
適当な第二モノアミンには、構造(Rc)(Rd)NH(式中、Rc及びRdは、RcとRdとの合計炭素原子数が4〜12であることを条件として、各々独立にC1〜C11アルキル基である。)を有する第二モノアミンがある。第二モノアミンの具体例には、ジ−n−プロピルアミン、n−プロピル−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、n−ブチル−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミンなどがあるが、ジ−n−ブチルアミンが好ましい。
【0028】
適当な第三モノアミンには、構造(Re)(Rf)(Rg)N(式中、Re及びRf及びRgは、ReとRfとRgとの合計炭素原子数が4〜18であることを条件として、各々独立にC1〜C16アルキル基である。)を有する第三モノアミンがある。第三モノアミンの具体例には、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジメチル−n−ペンチルアミン、ジエチル−n−ブチルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどがある。さらに、ピリジン、α−コリジン、γ−ピコリンなどの環状第三アミンも使用し得る。特に好ましい第三モノアミンには、ジメチル−n−ブチルアミンがある。追加の第一、第二及び第三アミンは、米国特許第3306874号及び同第3306875号(Hay)に記載されている。
【0029】
適当なアミノアルコールには、1個の窒素原子とアルコール酸素を有し、アミノ窒素とアルコール酸素とが2以上の炭素原子で隔てられたC4〜C12アミノアルコールがある。アミノアルコールの具体例には、N,N−ジエチルエタノールアミン、4−ブタノールアミン、N−メチル−4−ブタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミンなど、さらにはこれらのアミノアルコールの1種以上を含む組合せがある。特に好ましいアミノアルコールには、トリエタノールアミン及びN−フェニルエタノールアミンがある。
【0030】
適当なオキシン類には、次式のものがある。
【0031】
【化3】
【0032】
式中、R1〜R6は各々独立に水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシルである。オキシン類の具体例には、オキシン、5−メチルオキシン、5−ヒドロキシオキシン、5−ニトロオキシン、5−アミノオキシン、2−メチルオキシンなど、さらにはこれらのオキシンの1種以上を含む組合せがある。特に好ましいオキシン類には、オキシン及び5−メチルオキシンがある。
【0033】
アルキレンジアミン配位子、第一モノアミン、第二モノアミン、アミノアルコール及びオキシン類は、それらが存在する場合、一価フェノール100モル当たり約0.01〜約25モルで使用し得る。第三モノアミンは、一価フェノール100モル当たり約0.1〜約1500モルで使用し得る。当業者であれば、過度の実験を行うことなく上記範囲から適当な濃度を選択することができ、その選択した濃度は、触媒効率に影響する可能性のある他の反応成分又は生成物(例えば水)の存在を反映するものであってもよい。金属錯体触媒(金属のモル数として測定)とフェノールとのモル比としては約1:50〜約1:400が適しているが、約1:100〜約1:200が好ましい。
【0034】
金属錯体触媒は、適宜、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオンのようなハロゲン化物イオンをさらに含んでいてもよい。使用する場合、ハロゲン化物イオンは、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩として、フェノールモノマー100モル当たり約0.1〜約150モルの濃度で反応混合物に供給すればよい。
【0035】
好ましい実施形態では、金属錯体触媒は銅イオン、第二アルキレンジアミン配位子、第二モノアミン及び第三モノアミンを含む。極めて好ましい実施形態では、金属錯体触媒は銅イオン、N,N′−ジーt−ブチルエチレンジアミン、ジ−n−ブチルアミン及びジメチル−n−ブチルアミンを含む。
【0036】
重合のプロセスと反応条件、例えば反応時間、温度、酸素流量などは、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の目標分子量やモノマー組成に応じて修正し得る。重合の終点は、分子量測定を行うこと、所定の反応時間まで反応を実施すること、所定の末端基濃度に制御することなどによって求めることができ、溶液中の酸素濃度も利用できる。
【0037】
重合段階の実施温度は概して約0〜約95℃である。この範囲内で、約35℃以上の温度を使用するのが好ましいことがある。同じくこの範囲内で、約45℃以下の温度を使用するのが好ましいことがある。約95℃を実質的に超える温度では、副反応が起こって反応副生物を生じることがあり、約0℃を実質的に下回る温度では、溶液中に氷の結晶ができることがある。
【0038】
本方法では、適宜、水溶液で金属錯体触媒を回収してもよい。重合反応の終了後に触媒と錯体を生成させるのに多種多様な抽出剤又はキレート剤を使用し得る。例えば、硫酸、酢酸、アンモニウム塩、重硫酸塩及び各種のキレート剤を使用し得る。これらの物質をポリ(アリーレンエーテル)反応溶液に添加すると、金属錯体触媒は被毒され、それ以上の酸化は起こらない。数多くの物質を使用し得るが、米国特許第3838102号(Bennett他)に開示されているキレート剤を使用するのが好ましい。有用なキレート剤には、例えばポリアルキレンポリアミンポリカルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノカルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノカルボン酸、ポリカルボン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は混成アルカリ金属−アルカリ土類金属塩のような多官能性カルボン酸含有化合物がある。キレート剤の具体例には、例えば、酒石酸ナトリウムカリウム、ニトリロ三酢酸(NTA)、クエン酸、グリシン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、これらのキレート剤の塩、これらのキレート剤の1種以上を含む組合せなどがある。特に好ましいキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸又はその一ナトリウム塩、二ナトリウム塩、三ナトリウム塩及び四ナトリウム塩がある。得られる銅錯体は、カルボン酸銅錯体と呼ぶことができる。
【0039】
水相に溶解した金属錯体触媒成分は、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)及び可溶性ポリ(アリーレンエーテル)/トルエン溶液から適宜分離してもよい。例えば、キレート剤の水溶液を撹拌しながら反応器流出液(可溶性ポリマー、不溶性ポリマー、溶媒及び金属錯体触媒を含む)に添加して混合物を形成し、これを約2時間放置し、次いで槽の底から水相をデカントすればよい。水溶液は低級アルカノールを含んでいてもよく、例えば、水と炭素原子数1〜約4のアルカノールの混合物であってもよい。一般に、低級アルカノール水溶液の全体積を基準にして約1〜約80体積%のアルカノールを使用し得る。水性液体抽出剤と分離有機相との体積比は約0.01:1〜約10:1にあればよい。
【0040】
反応媒質は水性環境を含むものでもよい。銅(I)化学種の沈殿を促進するため、水性媒質と共に貧溶媒を使用してもよい。適当な貧溶媒の選択は、沈殿させる銅(I)化学種の溶解度係数にある程度依存する。ハロゲン化物は水に極めて不溶である。CuCl、CuBr及びCuIの25℃でのlog(Ksp)値は、それぞれ−4.49、−8.23及び−11.96である。水に対する溶解度は、例えばCuCl2 -、CuCl3 2-及びCuCl4 3-の生成のため、過剰のハロゲン化物イオンの存在及び他の錯生成化学種によって増大する。貧溶媒の例には、水溶液に多少の溶解度を有する低分子量脂肪族及び芳香族炭化水素、ケトン、アルコールなどがある。貧溶媒を使用する場合のその種類と量の選択は当業者が適宜なし得るであろう。
【0041】
重合反応で可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)が生成するが、本方法では可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離する。重合反応では、分子量及びモノマー組成の分布幅の広いポリ(アリーレンエーテル)樹脂が生成するので、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)が共に生じ得る。可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の分離は、反応で生じた約80重量%以上の可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と約20重量%未満の不溶性ポリ(アリーレンエーテル)からなる第一の画分と、反応で生じた約80重量%以上の不溶性ポリ(アリーレンエーテル)と約20重量%未満の可溶性ポリ(アリーレンエーテル)からなる第二の画分への物理的分離を達成し得る方法で実施できる。第一の画分は、第一の画分の総重量を基準にして約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、好ましくは約1重量%の不溶性ポリ(アリーレンエーテル)を含むのが好ましい。また、第二の画分は、第二の画分の総重量を基準にして約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満、好ましくは約5重量%の可溶性ポリ(アリーレンエーテル)を含むのが好ましい。適当な分離方法には、例えば、固液遠心分離、バスケット遠心分離、回転濾過、連続回転真空濾過、連続移動層濾過、回分濾過など、さらにはこれらの方法の1以上を含む組合せがある。現時点で好ましい方法には、例えば、固液遠心分離、バスケット遠心分離など、さらにはこれらの方法の1以上を含む組合せがある。
【0042】
好ましい実施形態では、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中で測定して約0.2dL/g以上、さらに好ましくは約0.3dL/g以上、さらに一段と好ましくは約0.4dL/g以上の固有粘度を有する。クロロホルム/クロロベンゼン溶媒系中で固有粘度を測定する方法の詳細は、実施例2で述べる。本発明者らは、このクロロホルム/クロロベンゼン法がクロロホルムのみを用いる通常の方法よりも広範囲のポリ(アリーレンエーテル)組成及び分子量に適していることを見出した。不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度については上限は特に存在しないが、典型的には約1.5dL/g未満であり、さらに典型的には約1.0dL/g未満である。
【0043】
好ましい実施形態では、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂は、25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中で測定して約0.6dL/g未満、さらに好ましくは約0.4dL/g未満、さらに一段と好ましくは約0.3dL/g未満の固有粘度を有する。可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度について下限は特に存在しないが、25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中で測定して典型的には約0.05dL/g以上であり、さらに典型的には約0.1dL/g以上である。可溶性ポリ(アリーレンエーテル)はフェニレンエーテル単位を3個以上含む重合生成物を包含するものと解され、逆に、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)からはモノマー(一価フェノール)とダイマーは除外されるものと解される。
【0044】
別の実施形態では、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)は、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の総重量を基準にして約20重量%以上、好ましくは約30重量%以上、さらに好ましくは約40重量%以上、さらに一段と好ましくは約50重量%以上の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含む。
【0045】
本発明者らは、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が異なるモノマー組成を有し得るという意外な知見を得た。例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールからポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを合成する場合、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位のモル分率は、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位のモル分率よりも小さいことがある。かかる2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位のモル分率の差は約0.05以上、一般に約0.1以上である。
【0046】
本方法では、さらに、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルする。貧溶媒での沈殿による可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の回収は望ましくないほど高レベルの微粒子(粒度約38マイクロメートル未満の固体可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂粒子)を生じるので、リサイクル段階は本方法の効率を向上させるのに特に有用である。そこで、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を反応器にリサイクルしてさらに重合させ、反応器内でその沈殿を行うことによって、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が効率的に利用される。
【0047】
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の一部をリサイクルするに当たり、例えば、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の約20重量%以上、好ましくは約50重量%以上、さらに好ましくは約80重量%以上、さらに一段と好ましくは約90重量%以上を反応器に戻す。例えば、上述の第一の画分の全部又は一部を反応器に戻せばよい。
【0048】
一実施形態では、モノマー供給原料(即ち、一価フェノール)、リサイクルされた可溶性ポリ(アリーレンエーテル)、及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)のモノマー組成は、互いに大幅に異なることがある。例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールからのポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの合成では、モノマー供給原料中の2,3,6−トリメチルフェノールと2,6−ジメチルフェノールとのモル比は、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位とのモル比よりも大きい(例えば、約0.05以上大きい)ことがあり、また後者は可溶性ポリ(アリーレンエーテル)中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位とのモル比よりも大きい(例えば、約0.05以上大きい)ことがある。
【0049】
好ましい実施形態では、溶媒、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)を含む重合反応混合物を(後述の方法で)処理して金属錯体触媒を除去し、溶媒と可溶性ポリ(アリーレンエーテル)を含む第一の画分と、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)を含む第二の画分とに分離する。次いで、第一の画分を反応器にリサイクルする。そこで、この実施形態では、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部をリサイクルするに当たり、溶媒の一部を反応器にリサイクルする。溶媒の約25重量%以上、さらに好ましくは約50重量%以上、さらに一段と好ましくは約75重量%以上を反応器にリサイクルするのが好ましいことがある。ここでの重量%は重合反応に用いた溶媒全体を基準にしたものである。
【0050】
本方法は、例えば、回分プロセス、半回分プロセス、連続プロセスなど、又はこれらのプロセス方式の組合せとしての使用に適している。
【0051】
好ましい実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの製造方法は、反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて第一の一価フェノールと第二の一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを生成させ、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーとを分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの一部を反応器にリサイクルすることを含む。ここでの第一の一価フェノールと第二の一価フェノールとは異なっているが、各々次式を有する。
【0052】
【化4】
【0053】
式中、各Q1は独立にハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7アミノアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、及びハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシからなる群から選択され、各Q2は独立に水素、ハロゲン、C1〜C7第一又は第二アルキル、フェニル、C1〜C7ハロアルキル、C1〜C7炭化水素オキシ、及びハロゲン原子と酸素原子とが2以上の炭素原子で隔てられたC2〜C7ハロ炭化水素オキシからなる群から選択される。
【0054】
極めて好ましい実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの製造方法は、反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを生成させ、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーとを分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの一部を反応器にリサイクルすることを含んでなる。この実施形態では、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の一部をリサイクルするに当たり、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)を適宜次式に従う温度Tに維持してもよい。
【0055】
【数1】
【0056】
式中、φsはトルエン中の可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の重量%で表した濃度であり、IVは25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中での可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーのmL/gで表した固有粘度であり、TMPは可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの総重量を基準とした重量%で表した可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマー中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位の含有量である。この温度Tに維持すると、リサイクル時の可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の沈殿が低減する。この実施形態では、リサイクル部分における可溶性ポリ(アリーレンエーテル)の濃度を次式に従うφsで与えることができる。
【0057】
【数2】
【0058】
式中、φsは重量%で表され、IVは25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中での可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの固有粘度(mL/g表示)であり、TMPは可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマー中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位の重量%(重量%表示)であり、Tはリサイクル部分の温度(℃表示)である。T及びφsに関する上記の式は、トルエン中でのポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの溶解度をそのモノマー組成、固有粘度及び温度の関数として求める実験に基づくものである。これらの実験は、2001年6月21日出願の米国特許出願第09/681895号に詳細に記載されている。
【0059】
一実施形態は、溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための手段、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための手段、及び可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルするための手段を含んでなるポリ(アリーレンエーテル)の製造装置である。
【0060】
図1の簡略線図に示す別の実施形態は、溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための反応器40、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための固液分離器80、及び可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を固液分離器から反応器にリサイクルするための可溶性ポリ(アリーレンエーテル)リサイクルライン90を含んでなるポリ(アリーレンエーテル)プラント10である。
【0061】
図2の簡略線図に示すさらに別の実施形態は、溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための反応器40、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂から金属錯体触媒を分離するための触媒回収槽70、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための第一の固液分離器80、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を第一の固液分離器から反応器にリサイクルするための可溶性ポリ(アリーレンエーテル)リサイクルライン90、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を貧溶媒中に分散させるための再スラリー槽、貧溶媒から不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための第二の固液分離器110、及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を乾燥するための乾燥器120を含んでなるポリ(アリーレンエーテル)プラント10である。ポリ(アリーレンエーテル)プラント10は、適宜、反応器40に一価フェノールを送るためのモノマー供給ライン20、反応器40に添加すべき金属錯体触媒の貯蔵槽として役立つ触媒槽30、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)を存在するすべてのジフェノキノンと平衡化させるための希釈槽50、及び金属錯体触媒回収に使用するキレート剤の貯蔵槽として役立つキレート剤槽60をさらに含んでいてもよい。
【実施例】
【0062】
以下の非限定的な実施例で本発明をさらに例示する。
【0063】
実施例1
本例では、2,3,6−トリメチルフェノールから誘導された繰返し単位50重量%と2,6−ジメチルフェノールから誘導された単位50重量%を有するポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの合成及び単離を例示する。反応器内で、臭化水素酸(48%水溶液として0.222kg、CAS登録番号10035−10−6、Great Lakes社から入手)に溶解した酸化第一銅(Cu2O、0.014kg、American Chemet社から入手)、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン(0.062kg、DBEDA、CAS登録番号4062−60−6、Celanese社から入手)、ジ−n−ブチルアミン(0.212kg、DBA、CAS登録番号111−92−2、Celanese社から入手)、N,N−ジメチルブチルジアミン(1.449kg、DMBA、CAS登録番号927−62−8、Celanese社から入手)、塩化テトラアルキルアンモニウム界面活性剤(0.034kg、CAS登録番号5137−55−3、Cognis社からAliquatとして入手)、2,6−ジメチルフェノール(1.77kg)及びトルエン溶媒(144.93kg)を混合した。重合反応の全過程で追加の2,6−ジメチルフェノール(10.03kg)を2,3,6−トリメチルフェノール(11.8kg)と共に添加した。重合時の窒素流量は61.3リットル/分であり、酸素流量は27.15リットル/分であり、温度は29.4℃から55.0℃に徐々に上げた。重合反応の完了後、反応器から二相混合物(固相及び液相)を回収した。この二相混合物を遠心分離し、固相を固体ケークとして回収した。ごく少量の割合の上澄液(液相)をメタノール貧溶媒と混合してコポリマーの可溶分を沈殿させた。可溶性コポリマーの分率は、生成コポリマー全体の15重量%であった。上澄液(液相)とメタノールとの重量比1:2の混合物を遠心分離し、コポリマーの可溶分を固体ケークとして回収した。コポリマーの可溶分の固有粘度は、25℃重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中で0.15dl/gでああった。プロトン核磁気共鳴(NMR)分光法で分析した2,3,6−トリメチルフェノール含有量は39.6重量%であった。ポリスチレン標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量は3650原子質量単位であり、重量平均分子量は10600原子質量単位であった。
【0064】
反応で得られた液相と固相の混合物を1:2の重量比でメタノール貧溶媒と混合し、この混合物を遠心分離した。全コポリマー(不溶性及び可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を合わせたもの)を固体ケークとして回収した。固有粘度は0.335dl/gであり、2,3,6−トリメチルフェノール含有量は49.4重量%であった。
【0065】
物質収支から、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は0.368dl/gと計算され、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)の2,3,6−トリメチルフェノール含有量は51.13%と計算された。
【0066】
実施例2
本例では、25℃のクロロホルム中での溶解度の低いポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの固有粘度を測定する手順を説明する。小さなガラスバイアルに、0.200±0.005gのポリ(アリーレンエーテル)コポリマー及び15.00gのクロロベンゼンを加える。この混合物を水浴で約93℃以上に加熱して透明溶液を形成する。別のバイアルに74.16gのクロロホルムを加え、約50℃に加熱する。細心の注意を払いながら、ポリ(アリーレンエーテル)/クロロベンゼン溶液にクロロホルムを添加する。ポリ(アリーレンエーテル)/クロロベンゼン溶液の温度はクロロホルムの沸点よりも高くクロロホルムが激しく沸騰するおそれがあるので、この添加はサッシをできるだけ低くしたドラフトチャンバー内で行うべきである。バイアルに蓋をして穏やかに振盪する。蓋を緩めて圧力を逃がし、再び締める。試料を室温まで放冷し(約1/2時間)、ウベローデ型毛細管粘度計を用いて粘度を測定し、15.00gのクロロベンゼンと74.16gのクロロホルムからなるブランク試料と対比する。粘度測定時の試料は透明であるべきである。
【0067】
実施例3〜6
実施例1の一般手順に従って、DMP−TMPコポリマーの合成を5回行った。これらの合成では、モノマー仕込量(全反応混合物中の全モノマーの重量パーセント)、銅−フェノール重量比、及びDMPとTMPの総量に対するTMPの重量パーセントを変更した。各反応の終了時、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)を遠心分離で分離し、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)をメタノールで沈殿させた。反応器流出液(可溶性及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の双方を含む)の代表試料をメタノールで沈殿させ、得られた沈殿を遠心分離機で分離することによって全コポリマーを得た。不溶性コポリマーは反応器流出液を直接遠心分離して得た。可溶性コポリマーは、反応器流出液の可溶分を遠心分離機で分離し、その可溶分をメタノールと混合して可溶分からポリ(アリーレンエーテル)を沈殿させ、生じた沈殿を遠心分離機で分離して得た。可溶性及び不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の量は全モノマーに対する重量パーセントで表し、その固有粘度(「IV」)は重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中25℃で測定した。各コポリマーにおける2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位の重量分率はプロトンNMRで測定した。反応条件及び生成物の性質を表1にまとめた。結果は、不溶性コポリマーの固有粘度及び2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル含有量がいずれも可溶性コポリマーのものよりも高いことを示している。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例7
実施例6の反応条件を用いてパイロットプラント試験を行った。反応は4時間行い、全コポリマーの固有粘度及びガラス転移温度(Tg)を反応終了時、5時間、24時間及び120時間の平衡化後、さらに最終乾燥後に測定した。120時間の平衡化後に可溶性コポリマー及び不溶性コポリマーの固有粘度を測定し、併せて不溶性生成物中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位の重量パーセントも測定した。結果を表2に示す。これらの結果は、可溶性コポリマーのリサイクルを行わなくても、不溶性コポリマーはモノマー供給原料に比してTMPが増え、可溶性コポリマーはモノマー供給原料に比してTMPが減ることを示している。
【0070】
【表2】
【0071】
実施例9
本例では、可溶性コポリマー生成物をリサイクルしながら、2,3,6−トリメチルフェノールから誘導された繰返し単位50重量%と2,6−ジメチルフェノールから誘導された単位50重量%を有するポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを反応器内で合成して単離することを例示する。反応器内で、臭化水素酸(48%水溶液として0.222kg)に溶解した酸化第一銅(Cu2O、0.014kg)、N,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミン(0.062kg、DBEDA)、ジ−n−ブチルアミン(0.212kg、DBA)、N,N−ジメチルブチルジアミン(1.449kg、DMBA)、塩化テトラアルキルアンモニウム界面活性剤(0.034kg)、2,6−ジメチルフェノール(1.8kg)、トルエン溶媒(144.93kg)及びリサイクル流れ(リサイクルトルエン116kgと、クロロホルムとクロロベンゼンの74:15(重量/重量)混合物(25℃)中で約0.15dl/gの固有粘度及び38%のTMP含有量を有する可溶性コポリマー2.83kg)を混合する。重合反応の全過程で追加の2,6−ジメチルフェノール(8.6kg)を2,3,6−トリメチルフェノール(10.4kg)と共に添加する。重合時の窒素流量は61.3リットル/分であり、酸素流量は27.15リットル/分であり、温度は29.4℃から55.0℃に徐々に上昇させる。重合反応の完了後、反応器から二相混合物(固相及び液相)を回収する。この二相混合物を固液遠心分離で分離し、固相を固体ケークとして回収する。流出液(液相)は、トルエンに溶解したコポリマーの可溶分を含んでいる。可溶性コポリマーの分率は、生成コポリマー全体の約15重量%である。流出液は反応器にリサイクルし、固体ケークをメタノール貧溶媒で洗浄した後に乾燥する。コポリマーの可溶分の固有粘度は、クロロホルムとクロロベンゼンの74:15(重量/重量)混合物(25℃)中で約0.15dl/gであり、2,3,6−トリメチルフェノール含有量は約39重量%である。コポリマーの不溶分(乾燥粉末)の2,3,6−トリメチルフェノール含有量は約50%であり、固有粘度はクロロホルムとクロロベンゼンの74:15(重量/重量)混合物(25℃)中で約0.4dl/gである。
【0072】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明してきたが、当業者には、本発明の技術的範囲から逸脱せずに、様々な変更を加えたり、その構成要素を均等物で置換し得ることが明らかである。さらに、本発明の要旨から逸脱せずに、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるべく数多くの改変を加えることもできる。したがって、本発明は、本発明を実施する最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。
【0073】
本明細書で引用したすべての特許、特許出願及び他の参考文献の開示内容は、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の製造装置の簡略線図である。
【図2】ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の好ましい製造装置の簡略線図である。
【符号の説明】
【0075】
10 ポリ(アリーレンエーテル)プラント
20 モノマー供給ライン
30 触媒槽
40 反応器
50 希釈槽
60 キレート剤槽
70 触媒回収槽
80 固液分離器
90 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)リサイクルライン
100 再スラリー槽
110 第二の固液分離器
120 乾燥器
Claims (40)
- ポリ(アリーレンエーテル)の製造方法であって、
反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させ、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離し、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルする
ことを含んでなる方法。 - 一価フェノールが第一の一価フェノールと第二の一価フェノールからなり、第一の一価フェノールと第二の一価フェノールとが異なるもので各々次式を有する、請求項1記載の方法。
- 一価フェノールが2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール又はこれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
- 一価フェノールが重量比約1:99〜約99:1の2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールを含む、請求項1記載の方法。
- 溶媒がC6〜C18芳香族炭化水素を含む、請求項1記載の方法。
- 溶媒がさらにC3〜C8脂肪族アルコールを含む、請求項6記載の方法。
- 溶媒がさらに、メタノール、エタノール又はこれらの溶媒の1種以上を含む混合物を含む、請求項7記載の方法。
- 金属錯体触媒が周期表第VIB族、第VIIB族又は第IB族の金属イオンを含む、請求項1記載の方法。
- 金属錯体触媒がクロム、マンガン、コバルト、銅又はこれらの金属の1種以上を含む組合せを含む、請求項1記載の方法。
- 金属錯体触媒が次式を有するアルキレンジアミン配位子を含む、請求項1記載の方法。
(Rb)2N−Ra−N(Rb)2
式中、Raは2又は3個の脂肪族炭素原子で2つのジアミン窒素原子間に最短結合を形成する置換又は非置換二価残基であり、各Rbは独立に水素又はC1〜C8アルキルである。 - 各Raがエチレン又はトリメチレンであり、各Rbが独立に水素、イソプロピル又はC4〜C8α−第三アルキル基である、請求項11記載の方法。
- アルキレンジアミン配位子がN,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパンである、請求項11記載の方法。
- アルキレンジアミン配位子がN,N′−ジ−t−ブチルエチレンジアミンである、請求項11記載の方法。
- 金属錯体触媒がC4〜C12第二モノアミンを含む、請求項1記載の方法。
- 第二モノアミンがジ−n−ブチルアミンを含む、請求項15記載の方法。
- 金属錯体触媒が、アミノ窒素とアルコール酸素とが2以上の炭素原子で隔てられたC4〜C12アミノアルコールを含む、請求項1記載の方法。
- アミノアルコールがトリエタノールアミン又はN−フェニルエタノールアミンである、請求項1記載の方法。
- 金属錯体触媒が、構造(Re)(Rf)(Rg)N(式中、Re及びRf及びRgは、Re及びRf及びRgが全体として4〜18の炭素原子を有することを条件下として、各々独立にC1〜C16アルキル基である。)を有する第三モノアミンを含む、請求項1記載の方法。
- 第三モノアミンがジメチル−n−ブチルアミンを含む、請求項20記載の方法。
- 金属錯体触媒がC3〜C12第一アルキルアミンを含む、請求項1記載の方法。
- 第一アルキルアミンがn−ブチルアミンである、請求項22記載の方法。
- 不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が、25℃の重量/重量比74:15のクロロホルム/クロロベンゼン混液中で測定して約0.2dL/g以上の固有粘度を有する、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が各々第一の一価フェノールと第二の一価フェノールのコポリマーであって、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)における第一の一価フェノール由来のフェニレンエーテル単位と第二の一価フェノール由来のフェニレンエーテル単位とのモル比が、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)における第一の一価フェノール由来のフェニレンエーテル単位と第二の一価フェノール由来のフェニレンエーテル単位とのモル比と約0.05以上異なる、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂が各々2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールのコポリマーであって、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位のモル分率が、不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂中の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位のモル分率よりも少なくとも約0.05小さい、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂との分離が、固液遠心分離、バスケット遠心分離、回転濾過、連続回転真空濾過、連続移動層濾過、回分濾過及びこれらの技術の1以上を含む組合せからなる群から選択される技術を含む、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂との分離が、固液遠心分離、バスケット遠心分離又はこれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部のリサイクルが、可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の約20重量%以上を反応器に戻すことを含む、請求項1記載の方法。
- 可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部のリサイクルが、溶媒の一部を反応器にリサイクルすることを含む、請求項1記載の方法。
- さらに、水溶液と共に金属錯体触媒を回収することを含んでなる、請求項1記載の方法。
- 当該方法が回分プロセス、半回分プロセス又は連続プロセスである、請求項1記載の方法。
- ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの製造方法であって、
反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて第一の一価フェノールと第二の一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを生成させ、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーとを分離し、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの一部を反応器にリサイクルする
ことを含んでなり、第一の一価フェノールと第二の一価フェノールとが異なるもので各々次式を有する、方法。
- ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの製造方法であって、
反応器内において溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーを生成させ、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーと不溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーとを分離し、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)コポリマーの一部を反応器にリサイクルする
ことを含んでなる方法。 - 不溶性ポリ(アリーレンエーテル)が約20重量%以上の2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含む、請求項34記載の方法。
- ポリ(アリーレンエーテル)の製造装置であって、
溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための手段、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための手段、及び
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を反応器にリサイクルするための手段
を含んでなる装置。 - ポリ(アリーレンエーテル)の製造装置であって、
溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための反応器、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための固液分離器、及び
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を固液分離器から反応器にリサイクルするための可溶性ポリ(アリーレンエーテル)リサイクルライン
を含んでなる装置。 - ポリ(アリーレンエーテル)の製造装置であって、
溶媒及び金属錯体触媒の存在下で酸素含有ガスを用いて一価フェノールの酸化カップリングを行って可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を生成させるための反応器、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂から金属錯体触媒を分離するための触媒回収槽、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂と不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための第一の固液分離器、
可溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂の一部を第一の固液分離器から反応器にリサイクルするための可溶性ポリ(アリーレンエーテル)リサイクルライン、
不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を貧溶媒中に分散させるための再スラリー槽、
貧溶媒から不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を分離するための第二の固液分離器、及び
不溶性ポリ(アリーレンエーテル)樹脂を乾燥するための乾燥器
を含んでなる装置。
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