JP2004537059A - マイクロリソグラフィ用反射防止層 - Google Patents
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Abstract
支持部と、少なくとも反射防止層とを有する要素であって;反射防止層は、(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝部分を含む前記ポリマーと;(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、またはnが一緒になった2〜10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロアルコール基を有するフルオロポリマーと;(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーと;(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーと;それらの混合物とからなる群より選択されるポリマーを有する組成物で調製される。
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、またはnが一緒になった2〜10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロアルコール基を有するフルオロポリマーと;(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーと;(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーと;それらの混合物とからなる群より選択されるポリマーを有する組成物で調製される。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、光画像形成に関し、特に、半導体装置の製造における画像形成のためのフォトレジスト(ポジティブ作用性および/またはネガティブ作用性)と組み合わせた反射防止層の使用に関する。本発明は、反射防止層において有用である高いUV透過性(特に短い波長、例えば157nmでの)を有する新規なフッ素含有ポリマー組成物にも関する。
【0002】
(発明の背景)
ポリマー製品は画像形成成分として、感光性システム、特に、L.F.Thompson,C.G.WillsonおよびM.J.Bowdenの共著Introduction to Microlithography.Second Edition)、ワシントン DC、アメリカ化学会、1994年発行に記載されているものなど、光画像形成システムに使用される。そのようなシステムにおいては、紫外(UV)線またはその他の電磁放射線が光活性成分を含む物質に当たってその物質に物理的または化学的変化を誘発する。有用な像または潜像がそれにより生成し、それを加工処理して半導体装置の製作に有用な像とすることができる。
【0003】
ポリマー製品それ自体が光活性である場合もあるが、一般に感光性組成物はポリマー製品以外に1個以上の光活性成分を含有する。電磁放射線(たとえば紫外線)に露光すると、上記のThompsonらの出版物に記載されているように、光活性成分が作用して感光性組成物のレオロジー状態、溶解性、表面特性、屈折率、色相、電磁特性、その他物理的または化学的特性を変化させる。
【0004】
半導体装置におけるミクロン以下の非常に細かい形状を画像形成するには、遠紫外線または極紫外線(UV)の電磁放射線が必要である。半導体の製造には一般にポジティブ作用性レジストが利用される。ノボラックポリマーと溶解防止剤としてジアゾナフトキノンを使用し365nm(I−ライン)の紫外線で行うリソグラフィは、最近確立されたチップ技術であり、約0.35〜0.30ミクロンの解像限界を有する。p−ヒドロキシスチレンポリマーを使用し248nmの遠紫外線で行うリソグラフィが知られており、0.35〜0.18nmの解像限界を有する。波長が減少するにつれて解像限界は減少する(すなわち、193nmの画像形成では解像限界は0.18〜0.12ミクロン、および157nmの画像形成では解像限界は0.07ミクロン)ため、将来的にさらに短波長でのフォトリソグラフィが強く求められる。193nmの露光波長(アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザーから得られる)を用いたフォトリソグラフィは、0.18μmおよび0.13μmの設計規則を使用した将来のマイクロエレクトロニクス製作の主要な候補である。157nmの露光波長(フッ素エキシマレーザーから得られる)を用いたフォトリソグラフィは、適切な材料であるという条件で、計測期間(193nm以上)ではこのきわめて短い波長で十分な透明性および他の必要な特性を有することがさらに見出しうる将来のマイクロリソグラフィの主要な候補である。従来の近紫外線および遠紫外線用有機フォトレジストは193nm以下の短波長では不透明であるために、このような波長における単層機構でのそれら使用が妨げられている。
【0005】
193nmでの画像形成に適したレジスト組成物はいくつか知られている。例えば、シクロオレフィン−無水マレイン酸交互コポリマーを含むフォトレジスト組成物が193nmでの半導体の画像形成に有用であることが示されている(F.M.Houlihanら、Macromolecules,30,pp.6517−6534 (1997); T.Wallowら、SPIE,Vol.2724,pp.355−364; およびF.M.Houlihanら、Journal of Photopolymer Science and Technology,10,No.3,pp.511−520 (1997)を参照されたい)。出版物のいくつかは、193nmのレジストに集中している(すなわち、U.Okoroanyanwuら、SPIE,Vol.3049,pp.92−103; R.Allenら、SPIE,Vol.2724,pp.334−343; および、Semiconductor International,1997年9月号、pp.74−80)。付加重合体および/または官能化ノルボルネンのROMP(開環メタセシス重合)を含む組成物がPCTWO97/33198に開示されている。ノルボルナジエンのホモポリマーおよび無水マレイン酸とのコポリマーと193nmリソグラフィにおけるそれらの使用が開示されている(J.NiuおよびJ.Frechet,Angew.Chem.Int.Ed.,37,No.5,(1998),pp.667−670)。193nmのリソグラフィに適しているフッ化アルコール置換多環式エチレンレン性不飽和コモノマーおよび二酸化硫黄のコポリマーが報告されている(H.Itoら、「Synthesis and Evaluation of Alicyclic Backbone Polymers for 193 nm Lithography」、第16章、ACS Symposium Series 706(Micro−and Nanopatterning Polymers)208−223頁(1998)、およびH.Itoら、Abstract in Polymeric Materials Science and Engineering Division,アメリカ化学会大会、第77巻、秋季大会、9月8−11日、1997(Las Vegas,NV.にて開催)を参照)この交互コポリマーにおける二酸化硫黄由来の繰返し単位の存在のため、157nmでのこのポリマーの過度に高い吸収係数により157nmのリソグラフィには適していない。
【0006】
芳香族部分に付着したフッ化アルコール官能基を含有するフォトレジストが開示されている(K.J.Przybillaら、「Hexafluoroacetone in Resist Chemistry: A Versatile New Concept for Materials for Deep UV Lithography」、SPIE Vol.1672,(1992)、500−512ページを参照)。248nmのリソグラフィには適しているが、これらのレジストは、その中に含まれる芳香族官能性のため、193または157nmでのリソグラフィには(これらの波長での芳香族レジスト成分の過度に高い吸収係数により)適していない。
【0007】
フルオロオレフィンモノマーおよび環式不飽和モノマーのコポリマーが米国特許第5,177,166号および同第5,229,473号に開示されているが、これらは感光性組成物は開示していない。一部のビニルエステルとの一部のフッ化オレフィンのコポリマーが知られている。例えば、シクロへキサンカルボン酸ビニルエステルとのトリフルオロエチレン(TFE)が日本特許出願JP03281664に開示されている。TFEおよび酢酸ビニルなどのビニルエステルのコポリマー、および屈折率画像形成(例えば、ホログラフィ)用の感光性組成物におけるこれらのコポリマーの使用が米国特許第4,963,471号に開示されている。
【0008】
エチレンとともに官能基を含有するノルボルネン型のモノマーのコポリマーがWO98/56837に開示され、ビニルエーテル、ジエン、およびイソブチレンとともに官能基を含有するノルボルネン型モノマーのコポリマーが米国特許第5,677,405号に開示されている。
【0009】
他のコモノマーとのフッ化アルコールコモノマーの一部のコポリマーが米国特許第3,444,148号およびJP62186907A2に開示されている。これらの特許は薄膜もしくは他の非感光性フィルムまたは繊維に関するものであり、いずれも感光性層(例えば、レジスト)におけるフッ化アルコールコモノマーは開示していない。
【0010】
米国特許第5,655,627号には、ペンタフルオロプロピルメタクリレート−t−ブチルメタクリレートのコポリマーを溶媒に溶かしたレジスト溶液でシリコンウェーハを被覆し、次いで193nmで露光し、二酸化炭素臨界流体で現像して陰画のレジスト像を生成する方法が開示されている。
【0011】
193nmおよび/または157nmでの光学透過性、プラズマエッチ抵抗、および水性ベースデベロッパにおける溶解性を含む単層フォトレジストに対する種々の要件を満たすレジスト組成物がなお必要とされている。
【0012】
リソグラフィによってパターン化マイクロエレクトロニクス構造物を形成する方法においては、フォトレジスト層の下であるBARC、またはフォトレジスト層の最上部であるTARC(または単にARCと呼ぶ場合もある)のいずれか、または両方に1個以上の反射防止層(ARC)を用いることが当技術分野では一般的である。BARCには157nmで反射光を入射強度の約10%未満に削減する傾向がある。したがって、BARCの吸光度は一般的に4μm−1以上である。TARCについては、4μm−1以下の吸光度を有することが好ましい。
【0013】
反射防止コーティング層が、フォトレジスト構造物内の様々なインターフェースから反射する光の干渉、および反射光の減少によるフォトレジスト層における照射量の変動が原因のフィルム厚変動の有害な影響およびその結果生じる定常波を削減することがわかっている。これら反射防止コーティング層の使用により、反射関連影響が抑制されるため、フォトレジスト材料のパターニング特性および解像特性が改善される。
【0014】
193nmおよび/または157nmで光学透過性を有する反射防止層、特にTARCも必要とされている。
【0015】
(発明の概要)
第1の態様では、本発明は、支持部と、少なくとも1つの反射防止層とを含む要素を提供し;反射防止層は、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の部分を含む分枝状ポリマーと;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は1〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロポリマーと;
(d)パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)もしくはCX2=CY2[式中XがF、またはCF3であり、Yが−Hである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)およびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーであって;前記ホモポリマーまたはコポリマーは任意選択で1個以上の部分的または完全なフッ化コポリマーを含有するホモポリマーまたはコポリマーと;
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーと
からなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む組成物で調製される。
【0016】
本発明は、支持部と、フォトレジスト層と、反射防止層とを有するフォトレジスト要素の改善されたリソグラフィパターニングの方法であって;
(Y)フォトレジスト要素を像様露光し、画像形成部分および非画像形成部分を形成する工程であって、反射防止層が概要を上述したポリマー(a)〜(e)の少なくとも1個を含む組成物で調製される工程と;
(Z)画像形成部分および非画像形成部分を有する露光フォトレジスト要素を現像し、基板上にレリーフ画像を形成する工程と
をも提供する。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の要素は、支持部と、少なくとも1つの反射防止層とを含み;反射防止層が、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の部分を含む分枝状ポリマーと;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は1個〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロポリマーと;
(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2で[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーであって;前記ホモポリマーまたはコポリマーが1個以上のコモノマーCRaRb=CRcRdを任意選択で含有し、Ra、Rb、Rcのそれぞれが独立してHまたはFから選択され、Rdが−F、−CF3、−ORfからなる群より選択され、Rfがn=1〜3のCnF2n+1、−OH(Rc=Hの場合)、およびCl(Ra、Rb、およびRc=Fの場合)である。ポリマー(d)は追加的に、1:2〜2:1の比でCH2=CHCF3およびCF2=CF2;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCF2=CFCl;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCClH=CF2;パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);非晶質であるフッ化ビニリデンとともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);およびパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)のホモポリマーを含むことができるとともに;
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるポリマーと
からなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む組成物で調製される。
【0018】
本明細書で論じられるポリマーは、半導体リソグラフィ用の反射防止層において用いることができる。特に、193nm以下の低い光学吸収は本発明の材料の主要な特性であるため、それらはこの波長で特に有用であろう。反射防止層は支持部上に存在し、またはフォトレジスト層上に存在しうる。
【0019】
このような層は、スピンコーティング、化学的蒸着、およびエアゾール蒸着など多くの異なる方法を用いて適用することができる。反射防止層用組成物の設計は当業者には公知である。考慮されなければならない反射防止層用に用いられる材料の主要な光学特性は光学吸収および屈折率であり、本発明のフッ素含有ポリマーはこのような特性を有する。
【0020】
(A.ポリマー)
フッ素含有コポリマー(a)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含む。コポリマー(a)は、
(a1)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であり、かつ少なくとも1個の他のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有するという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(a2)フッ素原子、パーフルオロアルキル基、および環構造内に含まれる炭素原子に共有結合され、かつ少なくとも1個の共有結合された炭素原子によってエチレン性不飽和化合物の各エチレン性不飽和炭素原子から分離されるパーフルオロアルコキシ基の少なくとも1個を含有する少なくとも1個の多環式エチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと
からなる群より選択される。
【0021】
(a1)に開示された少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物は、以下の式:
【0022】
【化2】
【0023】
[式中:
mおよびnのそれぞれが0、1、または2であり、pは3以上の整数であり;
aおよびbは独立に1〜3であり、bが2の場合aは1でなく、その逆も同じであり;
R1〜R14は同じかまたは異なるものであり、それぞれが水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、1〜14個の炭素原子、一般には1〜10個の炭素原子を含むとともに少なくとも1個のO、N、S、P、またはハロゲン原子で任意に置換された炭化水素基、例えば、二級または三級のアルキルカルボン酸またはカルボン酸エステル基を表し;
R15は、炭素原子約4〜20個の飽和アルキル基であり、炭素原子対水素原子の比が0.58より大きいかまたは同じという条件下で、1個以上のエーテル酸素を任意で含有し;
R16〜R21は、R18〜R21の少なくとも1個はCO2Aであるという条件下で、それぞれが独立に、水素原子、C1〜C12のアルキル、(CH2)qCO2A、CO2(CH2)qCO2AまたはCO2Aであり、ここでqは1〜12であり、Aは水素または酸保護基である。]からなる群より選択しうる。
【0024】
本発明のコポリマー(および該コポリマーからなるARC)の重要な特徴は、多環式の繰返し単位と、フッ素を含有する同一または異なる繰返し単位と、さらには、芳香族官能基を含有しないコポリマーにおけるすべての繰返し単位とが、連絡し合って結びついている点である。コポリマー中に多環式の繰返し単位が存在することは、コポリマーがプラズマエッチング(例えば、反応性イオンエッチング)に対して高い耐性を保持するために重要である。多環式の繰返し単位はまた、レジストフィルムの寸法安定性を維持するために重要な高いガラス転移温度を付与する傾向がある。フッ素を含有する繰返し単位の存在は、コポリマーが高い光学透明度を保持するために、すなわち、極紫外線および遠紫外線において低い光学的吸収作用を有するために重要である。コポリマーの繰返し単位中に芳香族の官能基が存在しないこともまたポリマーが高い光学透明度を保持するために必要である。
【0025】
本発明の実施形態の一部において、フッ素含有コポリマーは、環構造中に含まれている炭素原子に共有結合されたフッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基からなる群より選んだ少なくとも1個の原子または基を有する少なくとも1個の多環式エチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位からなりうる。フッ素原子、パーフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルコキシ基は、これらの基がエチレン性不飽和炭素原子に直接結びついている場合は、金属を触媒とする付加重合またはメタセシス重合による環式エチレン性不飽和化合物の重合を抑制する傾向がある。したがって、このような場合、少なくとも1個のフッ素原子、パーフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルコキシ基は、少なくとも1個の共有結合された炭素原子によって、エチレン性不飽和化合物の各エチレン性不飽和炭素原子から離されていることが重要である。さらに、この原子および/または基を環に直接結合することは、望ましくない非フッ化脂肪族炭素原子の存在を最小にすることになる。
【0026】
本発明のコポリマーは、半導体用途のARC組成物に必要な特性を付与するために重要な特性バランスを驚くほど有している。第1に、これらのコポリマーは、193nmおよび157nmの波長を含む極紫外線および遠紫外線において予想外に低い光吸収性を有する。光吸収性の低いコポリマーを有することは、高いフォトスピードのレジストを配合するのに重要であり、そこでは、大部分の紫外光が光活性成分によって吸収され、コポリマー(レジストのマトリックス)の吸収による損失はない。第2に、本発明のフッ素含有ポリマーを含むレジストは、好ましいことに、プラズマエッチングの速度が非常に遅い。この後者の特性は、半導体の作製に必要な高い解像精度のレジストを与えるために重要である。157nmで画像形成をするには、これらの特性の適切な値を同時に達成することが特に重要である。この場合、超薄膜のレジストが高い解像度を得るために必要となるが、それにもかかわらず、この薄いレジストには、エッチングの間、画像形成した基板上にとどまって、下にある基板の面域を保護するために、高度なエッチング耐性がなければならない。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、ARC組成物は、少なくとも1個の多環式コモノマー(すなわち、例えばノルボルネンのような少なくとも2個の環を含むコモノマー)由来の繰返し単位を含むコモノマーを含む。これは3個の主な理由、すなわち、1)多環式モノマーは比較的高い炭素対水素の比(C:H)を有しており、その結果これら多環式モノマーの繰返し単位からなるベースポリマーは一般に優れたプラズマエッチング耐性を有すること、2)好ましくは重合した時点で完全に飽和の状態にすることができる多環式モノマー由来の繰返し単位を有するポリマーは、一般に優れた透明度特性を有すること、および3)多環式モノマーで調製されたポリマーは通常比較的高いガラス転移温度を有し工程中の寸法安定性向上のために良いこと、から重要である。エチレン性不飽和基はノルボルネンにおけるように多環式部分内に含有されているか、または1−アダマンタンカルボン酸ビニルエステルにおけるように多環式部分にペンダントしている。多環式コモノマー由来の繰返し単位からなるポリマーは、高いC:H比を有し、比較的低いオオニシナンバー(O.N.)を有する。ただし、
O.N.=N/(NC−NO)
[式中、Nはポリマーの繰返し単位中の原子数であり、NCはポリマーの繰返し単位中の炭素原子数であり、NOはポリマーの繰返し単位中の酸素原子数である。オオニシらによって発見された経験則があり(J.Electrochem.Soc.,Solid−State Sci.Technol.,130,143(1983))、それによれば、ポリマーの反応性イオンエッチング(RIE)速度はオオニシナンバー(O.N.)の一次関数である。一例として、ポリ(ノルボルネン)は式(C7H10)nを有し、O.N.=17/7=2.42である。]である。主として炭素と水素からなり、多環式部分を有し、酸素を含有する官能基が比較的少ないポリマーは、比較的低いO.N.を有し、オオニシの経験則に従えば、相応した低い(ほぼ一次式での)RIE速度を有する。
【0028】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、次の構造式を有するエチレン性不飽和化合物は:
【0029】
【化3】
【0030】
フリーラジカル重合して次の繰返し単位を有するポリマーを与える:
【0031】
【化4】
【0032】
ここで、P、Q、S、およびTは、独立に、H、F、Cl、Br、炭素原子1〜14個を含有するアルキル基、アリール、炭素原子6〜14個を含有するアラルキル基、または炭素原子3〜14個を含有するシクロアルキル基を示すことができるが、これらに限定されない。
【0033】
一種類だけのエチレン性不飽和化合物が重合する場合は、得られるポリマーはホモポリマーである。2つ以上の別のエチレン性不飽和化合物が重合する場合は、得られるポリマーはコポリマーである。
【0034】
エチレン性不飽和化合物およびそれと対応する繰返し単位の代表的な例を以下に示す:
【0035】
【化5】
【0036】
以下の項では、本発明のARC組成物を成分ごとに説明する。
【0037】
本発明のARCは、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーであって、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物は多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物はエチレン性不飽和炭素原子に共有結合している少なくとも1個のフッ素原子を含むという点で特徴づけられるコポリマーを含む。本発明のフッ素含有コポリマーに適合する代表的なエチレン性不飽和化合物としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン、CF2=CFO(CF2)tCF=CF2[式中、tは1または2である]および、式RfOCF=CF2[式中、Rfは炭素原子1〜約10個の飽和フルオロアルキル基である]が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のフッ素含有コポリマーは、限定はしないが、上に挙げたものを含む追加のフッ素含有コモノマーを任意で整数個含有することができる。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、およびRfOCF=CF2であって、Rfは炭素原子1〜約10個の飽和フルオロアルキル基である。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびRfOCF=CF2であって、Rfは、炭素原子1〜約10個の飽和パーフルオロアルキル基である。最も好ましいコモノマーはテトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンである。
【0038】
構造式Hを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0039】
【化6】
【0040】
構造式Iを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0041】
【化7】
【0042】
構造式Jを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0043】
【化8】
【0044】
構造式Kを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0045】
【化9】
【0046】
構造式Lを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0047】
【化10】
【0048】
構造式Mを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0049】
【化11】
【0050】
構造式K、L、およびMを有するコモノマーを含む本発明のコポリマーはすべて、フッ化オレフィンおよび式CH2=CHO2CR22のビニルエステルまたは式CH2=CHOCH2R22またはCH2=CHOR22のビニルエーテルを含むコポリマーであって、ここでR22は炭素原子が約4〜20個の炭化水素基であり、C:H比が比較的高く、高いC:H比は良好なプラズマエッチ耐性に対応するため0.58を上回る。(これは、フッ化オレフィンおよび式CH2=CHO2CR23のビニルエステルまたは式CH2=CHOCH2R23またはCH2=CHOR23のビニルエーテルであって、R23が比較的低く、0.58未満であるC:H比を有するコポリマーとは対照的である。R22およびR23はアルキル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルから選択される。
【0051】
構造式Nを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0052】
【化12】
【0053】
ここでAは=H、(CH3)3C、(CH3)3Siである。
【0054】
2番目に列挙したコモノマーである構造式H〜Nの不飽和化合物の少なくとも1個を有する上記の好ましい実施形態において、もし(仮に)そのフッ素含有コポリマーがカルボン酸および保護された酸基から選んだ官能基を有している追加のコモノマーを含有していない場合は、2番目のコモノマーには制限がある。この場合、このフッ素含有コポリマーは、2種類だけのコモノマーを有する(列挙した2種類のコモノマーであって列挙してない追加のコモノマーは有さない)。この場合、フッ素含有ポリマーを含有する本発明のARCが以下でさらに詳細に説明する像様露光によって現像が可能となるように、少なくとも1個の不飽和化合物(すなわち2番目に列挙したコモノマー)中にカルボン酸および保護された酸基から選ばれる十分な官能基が存在しなければならない。2個だけのコモノマーを有するフッ素含有コポリマーの実施形態においては、コポリマー中の2個のコモノマーのモルパーセントは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)および2番目のコモノマーを、それぞれ、90%と10%〜10%と90%の範囲とすることができる。好ましくは、2個のコモノマーのモルパーセントは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)および2番目のコモノマーを、それぞれ、60%と40%〜40%と60%の範囲とする。
【0055】
本発明のフッ素含有コポリマーは、いくつかの実施形態に対して、列挙した2種類のコモノマー(すなわち、(i)エチレン性不飽和炭素原子に共有結合している少なくとも1個のフッ素原子を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物、および、(ii)構造式H〜Nの群から選択された少なくとも1個の不飽和化合物)以外に無制限で任意の整数個の追加のコモノマーを含有することができる。追加のコモノマーとして挙げることができる代表例としては、これらに限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、t−アミルアクリレート、t−アミルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、エチレン、酢酸ビニル、イタコン酸、およびビニルアルコール等がある。フッ素含有コポリマーを列挙した2種類のコモノマーを有し、かつ3個以上のコモノマーを含有する実施形態においては、2番目に列挙したコモノマー(すなわち、(ii)構造式H〜Nの群から選択される少なくとも1個の不飽和化合物)のモルパーセントは、約20モル%〜約80モル%の範囲、好ましくは、約30モル%〜約70モル%の範囲、より好ましくは、約40モル%〜約70モル%の範囲であり、さらに最も好ましいのは、約50モル%〜約70モル%である。コポリマーを構成する他の全てのコモノマーのモルパーセントの合計は、2番目に列挙したコモノマーのモルパーセントにその他すべてのコモノマーを加えたときのモルパーセントを加算すると全体で100%となるようなバランスをなす。2番目に列挙したコモノマー以外でコポリマー中に存在するその他すべてのコモノマーのモルパーセント和は、おおまかに、約80モル%〜約20モル%の範囲内である。好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約70モル%〜約30モル%の範囲内である。より好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約60モル%〜約30モル%の範囲内であり、そして、さらにより好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約50モル%〜約30モル%の範囲内である。フッ素含有ポリマーがターポリマーであるときは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)対追加のコモノマーの適当な比は、大まかに、5:95〜95:5の範囲とすることができる。フッ素含有コポリマーが、現像を可能にするために必要な十分量の酸基または保護された酸基の官能基を有する追加のコモノマーを含有するときは、2番目に列挙したコモノマー中にこの官能基はあってもよいしなくてもよく、制約はない。
【0056】
エチレン性不飽和炭素原子に結合している少なくとも1個のフッ素原子を有するコモノマーから誘導した繰返し単位を含有する、本発明のARC組成物の、ある所与のフッ素含有コポリマーは、フリーラジカル重合によって調製することができる。ポリマーは、アゾ化合物または過酸化物など、フリーラジカル開始剤を用いて、当業者に知られているバルク重合、溶液重合、懸濁またはエマルジョン重合の技術によって調製することができる。
【0057】
すべて環式コモノマー由来の繰返し単位のみを含み、かつエチレン性不飽和炭素原子に付着している1個以上のフッ素原子を有するコモノマー由来の繰返し単位を完全に欠く、本発明のARC組成物の、所与のフッ素含有コポリマーもまた、フリーラジカル重合によって調製することができるが、さらに、ビニル付加重合および開環メタセシス重合(ROMP)を含むその他の重合方法でも調製することができる。後者の重合方法は両方とも当業者には知られている。ニッケル触媒およびパラジウム触媒を使用するビニル付加重合は、以下の参照文献に記載されている;1)Okoroanyanwu U.; Shimokawa,T.; Byers,J.D.,Willson,C.G.J.Mol.Catal.A: Chemical 1998,133,93、2)B.F.Goodrichに与えられたPCT特許WO97/33198号(9/12/97)、3)Reinmuth,A.; Mathew,J.P.; Melia,J.; Risse,W.Macromol.Rapid Commun.1996,17,173、および、4)Breunig,S.; Risse,W.Macromol.Chem.1992,193,2915に開示されている。開環メタセシス重合は、ルテニウム触媒とイリジウム触媒を使用するものが上記参照文献1)と2)に、および5)Schwab,P.; Grubbs,R.H.; Ziller,J.W.J.Am.Chem.Soc.1996,118,100、および、6)Schwab,P.; France,M.B.; Ziller,J.W.; Grubbs,R.H.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1995,34,2039。
【0058】
フルオロモノマー(例えば、TFE)および環状オレフィン(例えば、ノルボルネン)を含有する本発明のレジスト組成物のフッ素含有ニポリマーのいくつかは、限定するものではないが、以下に示す構造を有する交互または交互に近い二ポリマーであるものと思われる。
【0059】
【化13】
【0060】
その場合、本発明は、これらの交互または交互に近いコポリマーを含むが、いかなる態様においても、交互コポリマー構造そのものに限定するものではない。
【0061】
これらのポリマーは、2000年3月20日公開のWO00/17712に記載されている。
【0062】
ポリマー(b)は保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであり、前記ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合した1個以上の分枝セグメントを含む。分枝状ポリマーは、少なくとも1個のエチレン性不飽和マクロマー成分および少なくとも1個のエチレン性不飽和コモノマーのフリーラジカル付加重合の間に形成することができる。エチレン性不飽和マクロマー成分は、数百と40,000との間の数平均分子量(Mn)を有し、重合から得られる直鎖状主鎖セグメントは約2,000と約500,000との間の数平均分子量(Mn)を有する。分枝セグメントに対する直鎖状主鎖の重量比は約50/1〜約1/10の範囲内であり、約80/20〜約60/40の範囲内であることが好ましい。一般的には、マクロマー成分は約500〜約40,000の数平均分子量(Mn)を有し、より一般的には約1,000〜約15,000である。一般的には、このようなエチレン性不飽和マクロマー成分は、マクロマー成分を形成するために用いられる約2〜約500のモノマー単位と同等の数平均分子量(Mn)を有し、一般的には30〜200のモノマー単位である。
【0063】
一般的な実施形態では、分枝状ポリマーは25〜100重量%の相溶性基、すなわち光酸発生剤との適合性を増大するために存在する官能基を、好ましくは約50〜100重量%、より好ましくは約75〜100重量%含有する。イオン光酸発生剤の適切な相溶性基としては、非親水性極性基と親水性極性基の両方が挙げられるが、これらに限定されない。適切な非親水性極性基としては、シアノ(−CN)およびニトロ(−NO2)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な親水性極性基としては、ヒドロキシ(OH)、アミノ(NH2)、アンモニウム、アミド、イミド、ウレタン、ウレイド、またはメルカプト;またはカルボン(CO2H)、スルホン、スルフィン、リン、もしくはリン酸またはそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。相溶性基は分枝セグメント中に存在することが好ましい。
【0064】
一般的には、(下記の)保護された酸基は紫外線または他の化学線への曝露後およびその後の曝露後加熱(すなわち、脱保護中)にカルボン酸基を生成する。本発明の感光性組成物中に存在する分枝状ポリマーは通常、保護された酸基を含有するモノマー単位を約3重量%〜約40重量%、好ましくは約5%〜約50%、より好ましくは約5%〜約20%含有することになる。このような好ましい分枝状ポリマーの分枝セグメントは通常、存在する保護された酸基の35%〜100%含有する。このような分枝状ポリマーは、完全に保護されていない場合(すべての保護された酸基は遊離酸基に変換)、約20〜約500、好ましくは約30〜約330、より好ましくは約30〜約130の酸価を有し、類似的にエチレン性不飽和マクロマー成分は好ましくは約20〜約650、より好ましくは約90〜約300の酸価を有するとともに、遊離酸基の大部分は分枝セグメント中にある。
【0065】
本発明の本態様の各感光性組成物は、櫛形ポリマーとしても知られ、保護された酸基を含有する分枝状ポリマーを含有する。分枝状ポリマーは、限られた分子量および直鎖状主鎖セグメントに対する限られた重量比のポリマーアームとして知られる分枝セグメントを有する。好ましい実施形態では、保護された酸基の大部分は分枝セグメント中に存在する。組成物は、その組成物に輻射エネルギー、特に電磁スペクトルの紫外線領域、最も特に遠紫外線または極紫外線領域における輻射エネルギーに対する反応性を付与する光酸発生剤などの成分も含有する。
【0066】
特定の実施形態では、分枝状ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合した1個以上の分枝セグメントを含み、この分枝状ポリマーは約500〜40,000の数平均分子量(Mn)を有する。分枝状ポリマーは少なくとも0.5重量%の分枝セグメントを含有する。分枝セグメントは、ポリマーアームとしても知られ、通常、直鎖状主鎖セグメントに沿ってランダムに分布している。「ポリマーアーム」または分枝セグメントは、共有結合によって直鎖状主鎖セグメントに付着されている少なくとも2個の繰返しモノマー単位のポリマーまたはオリゴマーである。分枝セグメント、またはポリマーアームは、マクロマーまたはコモノマーの付加重合工程中にマクロマー成分として分枝状ポリマーに組み入れることができる。本発明の目的のための「マクロマー」は、末端エチレン性不飽和重合可能基を含有する分子量の範囲が数百〜約40,000のポリマー、コポリマー、またはオリゴマーである。エチレン基でエンドキャップされた直鎖状ポリマーまたはコポリマーである。通常、分枝状ポリマーは1個以上のポリマーアームを有するコポリマーであり、重合工程において用いられるモノマー成分の約0.5〜約80重量%、好ましくは約5〜50重量%がマクロマーであるという点で特徴づけられる。通常、重合工程においてマクロマーとともに用いられるコモノマー成分は同様に、エチレン性不飽和マクロマーと共重合可能である単一のエチレン基を含有する。
【0067】
エチレン性不飽和マクロマーおよび分枝状ポリマーの得られる分枝セグメント、および/または分枝状ポリマーの主鎖は、それらに結合された1個以上の保護された酸基を有しうる。本発明のための「保護された酸基」は、脱保護されると、それに結合されるマクロマーおよび/または分枝状ポリマーの水性環境下での溶解性、膨潤性、または分散性を強化する遊離酸官能性を付与する官能基を意味する。保護された酸基は、それらの形成中または形成後のいずれかに、エチレン性不飽和マクロマーおよび分枝状ポリマーの得られる分枝セグメント、および/または分枝状ポリマーの主鎖に組み入れることができる。分枝状ポリマーを形成するには、マクロマーおよび少なくとも1個のエチレン性不飽和モノマーを用いた付加重合が好ましいが、付加または縮合反応のいずれかを用いた分枝状ポリマーを調製する既知の方法すべてを本発明において利用することができる。さらに、プリフォームされた主鎖および分枝セグメントまたはインサイツ重合セグメントのいずれかの使用も本発明に適用可能である。
【0068】
直鎖状主鎖セグメントに付着した分枝セグメントは、米国特許4,680,352号および米国特許第4,694,054号における一般の説明に従い調製されるエチレン性不飽和マクロマーから誘導することができる。マクロマーは触媒連鎖移動剤としてコバルト化合物、特にコバルト(II)化合物を使用するフリーラジカル重合法によって調製される。コバルト(II)化合物は、ペンタシアノコバルト(II)化合物または隣接するイミノバイドロキシイミノ化合物のコバルト(II)キレート化合物、ジヒドロキシイミノ化合物、ジアザジヒドロキシイミノジアルキルデカジエン、ジアザジヒドロキシイミノジアルキルウンデカジエン、テトラアザテトラアルキルシクロテトラデカテトラエン、ビス(ジフルオロボリル)ジフェニルグリオキシマト、ビス(ジフルオロボリル)ジメチルグリオキシマト、N,N’−ビス(サリチルデン)エチレンジアミン、ジアルキルジアザジオキソジアルキルドデカジエン、またはジアルキルジアザジオキソ字アルキルデカジエンであってよい。低分子量のメタクリレートマクロマーも米国特許第4,722,984号に開示されたペンタシアノコバルト(II)触媒連鎖移動剤で調製することができる。
【0069】
この方法を用いる例示的なマクロマーは、アクリレートとともにメタクリレートポリマーまたは他のビニルモノマーであり、そのポリマーまたはコポリマーは末端エチレン基および親水性官能基を有する。マクロマーの調製用に好ましいモノマー成分としては、三級ブチルメタクリレート(tBMA)、三級ブチルアクリレート(tBA)、メチルメタクリレート(MMA);エチルメタクリレート(EMA);ブチルメタクリレート(BMA);2−エチルへキシルメタクリレート;メチルアクリレート(MA);エチルアクリレート(EA);ブチルアクリレート(BA);2−エチルへキシルアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA);メタクリル酸(MA);アクリル酸(AA);エステル基が1〜18個の炭素原子を含有するアクリル酸およびメタクリル酸のエステル;アクリル酸およびメタクリル酸の二トリルおよびアミド(例えば、アクリロ二トリル);グリシジルメタクリレートおよびアクリレート;イタコン酸(IA)およびイタコン酸無水物(ITA)、ハーフエステルおよびイミド;マレイン酸およびマレイン酸無水物、ハーフエステルおよびイミド;アミノエチルメタクリレート;t−ブチルアミノエチルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジエチルアミノエチルメタクリレート;アミノエチルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレート;アクリルアミド;N−t−オクチルアクリルアミド;ビニルメチルエーテル;スチレン(STY);α−メチルスチレン(AMS);ビニルアセテート;塩化ビニル;等が挙げられる。
【0070】
イタコン酸無水物(ITA、2−メチレンコハク酸無水物、CAS番号=2170−03−8)は、無水物の形で2個の活性官能基を有し、開環と同時に3つとなり二価酸を付与するため、分枝状ポリマー用に特に有利なコモノマーである。エチレン性不飽和部分は、このコモノマーが、例えば、フリーラジカル重合によってコポリマーに組み入れられる能力を提供する第1の官能基である。無水物部分は、種々の他の官能基と反応し、共有結合生成物を産することが可能である第2の官能基である。無水物部分が反応しうる官能基の例が、エステル結合を形成するアルコール中のヒドロキシ基である。ITAの無水物部分のヒドロキシ基との反応と同時に、エステル結合、および第3の官能基である遊離カルボン酸部分が形成される。カルボン酸官能基は、本発明のレジストに水性加工性を付与することにおいて有用である。ヒドロキシ基を有するPAGを利用する場合は、一部の実施例に例示されているいるように、このタイプのエステル結合(またはアミド等など他の共有結合)によってITAコモノマー等からなる分枝状ポリマーにPAG(または他の感光性成分)を共有結合(固定)することが可能である。
【0071】
分枝状ポリマーは任意の従来の付加重合法によって調製することができる。分枝状ポリマー、または櫛形ポリマーは、1個以上の適合性のエチレン性不飽和マクロマー成分および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和コモノマー成分で調製することができる。好ましい付加重合可能なエチレン性不飽和コモノマー成分はアクリレート、メタクリレート、およびスチレン系のほか、それらの混合物である。適切な付加重合可能なエチレン性不飽和コモノマー成分としては、三級ブチルメタクリレート(tBMA)、三級ブチルアクリレート(tBA)、メチルメタクリレート(MMA);エチルメタクリレート(EMA);ブチルメタクリレート(BMA);2−エチルへキシルメタクリレート;メチルアクリレート(MA);エチルアクリレート(EA);ブチルアクリレート(BA);2−エチルへキシルアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA);メタクリル酸(MMA);アクリル酸(AA);アクリロニトリル(AN);メタクリルオニトリル(MAN);イタコン酸(IA)およびイタコン酸無水物(ITA)、ハーフエステルおよびイミド;マレイン酸およびマレイン酸無水物、ハーフエステルおよびイミド;アミノエチルメタクリレート;t−ブチルアミノエチルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジエチルアミノエチルメタクリレート;アミノエチルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレート;アクリルアミド;N−t−オクチルアクリルアミド;ビニルメチルエーテル;スチレン(S);α−メチルスチレン;ビニルアセテート;塩化ビニル;等が挙げられる。共重合可能なモノマーの大部分は、アクリレートもしくはスチレン系またはアクリレートおよび他のビニルモノマーとともにこれらのモノマーのコポリマーでなければならない。
【0072】
本発明の分枝状ポリマーの各成分の直鎖状主鎖セグメントおよび/または分枝セグメントは種々の官能基を含有する。「官能基」は、直接原子価または結合基によって主鎖セグメントまたは分枝セグメントに付着可能な任意の部分であるとみなす。主鎖セグメントまたは分枝セグメントによって生じうる官能基の例示は、−COOR24;−OR24;R24が水素、炭素原子を1〜12個を有するアルキル基でありうる−SR24;炭素原子が3〜12個のシクロアルキル基;炭素原子を6〜14個有するアリール、アルカリール、またはアラルキル基;炭素原子を3〜12個含有し、S、O、N、またはP原子を追加的に含有する複素環式基;またはR27が炭素原子1〜12個のアルキル、炭素原子を6〜14個有するアリール、アルカリール、またはアラルキル基でありうる−OR27;−CN;−N R25R26または
【0073】
【化14】
【0074】
[式中、R25およびR26は水素、炭素原子を1〜12個を有するアルキル基;炭素原子を3〜12個を有するシクロアルキル基;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、アラルキルでありうる。;R28が水素、炭素原子1〜12個のアルキルである−CH2OR28;またはR25およびR26が共に炭素原子を3〜12個有し、S、N、O、またはPを含有する複素環を形成しうる];
【0075】
【化15】
【0076】
[式中、R29、R30、およびR31が水素、炭素原子1〜12個のアルキル、または炭素原子3〜12個のシクロアルキル;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、アラルキル、もしくは−COOR24、または一緒になって、R29、R30、およびR31が環式基を形成しうる;−SO3H;ウレタン基;イソシアネートまたはブロックイソシアネート基;尿素基;オキシラン基;アジリジン基;キノンジアジド基;アゾ基;アジド基;ジアゾニウム基;アセチルアセトキシ基;R32、R33、R34が炭素原子1〜12個または炭素原子3〜12個ののシクロアルキルを有するアルキルでありうる−SiR32R33R34、またはR35が炭素原子1〜12個または炭素原子3〜12個の−OR35;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、またはアラルキル;または−OSO3R36、−OPO2R36、−PO2R36、−PR36R37R38、OPOR36、−S R36R37、または−N+R36R37R38基(R36、R37、およびR38が水素、炭素原子1〜12個のアルキル、または炭素原子3〜12個のシクロアルキル;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、またはアラルキル;または前記のいずれかの塩またはオニウム塩である]。好ましい官能基は、−COON、−OH、−NH2、アミド基、ビニル基、ウレタン基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、またはそれらの組合せである。官能基は分枝状ポリマー上のどこにでも位置しうる。しかし、時には、分枝状ポリマーの直鎖状主鎖セグメントにバルクポリマーの特性を付与するコモノマー、および親水性に加えて溶解性、反応性等の物理的および化学的官能性を分枝セグメントに付与するマクロマーを選択することが望ましい。
【0077】
本発明の一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、光酸発生剤と適合性である官能基を含有し、該官能基は、官能基の25〜100%が大部分の保護された酸基を含有する分枝状ポリマーのセグメント中に存在するように分枝状ポリマーに分布している。これらの官能基は、保護された酸基の大部分を有するセグメントされた分枝状ポリマーと光酸発生剤との適合性を増強したことによって、高いフォトスピードやおそらく高い解像度および/またはこれらの官能基を有するこれらの分枝状ポリマーからなるレジストの所望の特性が得られ、適合性を促進するため望ましい。トリアリルスルホニウムなどのイオンPAGのために、適合性を促進する官能基としては、極性非親水性基(例えば、ニトロまたはシアノ)および極性親水性基(例えば、ヒドロキシ、カルボキシル)が挙げられるが、これらに限定されない。下記の構造式IIIなどの非イオンPAGのために、適合性を付与する好ましい官能基は、上記の極性基よりも極性が低い。後者の場合、適切な官能基としては、非イオンPAGのそれらに同様の化学的および物理的特性を付与する基が挙げられるが、これらに限定されない。2個の具体的な例である芳香族およびパーフルオロアルキル官能基は、下記の構造式IIIなどの非イオンPAGとの分枝状ポリマーの適合性を促進することにおいて有効である。
【0078】
一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、少なくとも60重量%アクリレートであり、第1の位置または第2の位置のいずれかに存在するメタクリレート繰返し単位の少なくとも60%を有し、第1の位置がセグメント(すなわち、分枝セグメントまたは直鎖状主鎖セグメント)の1個であり、第2の位置が第1の位置と異なるセグメントであり、アクリレート繰返し単位の少なくとも60%が第2の位置に存在するアクリル系/メタクリル系/スチレン系コポリマーである。
【0079】
一部の実施形態では、分枝状ポリマーは、エチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有グラフトコポリマーである。少なくとも1個のフッ素原子を有する繰返し単位は、直鎖状ポリマー主鎖セグメントまたは分枝ポリマーセグメントのいずれかでありうるが、好ましくは、直鎖状ポリマー主鎖セグメントである。本発明のフッ素含有グラフトコポリマーに適した代表的なエチレン性不飽和化合物としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のフッ素含有コポリマーは、上記のものを含むが、それらに限定されない任意の整数の追加のフッ素含有コモノマーからなりうる。好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2である。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2である。最も好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンである。
【0080】
一部の好ましい実施形態では、フッ素含有グラフトコポリマーはさらに、上記のポリマーについて示した構造物からなる群より選択される少なくとも1個の不飽和化合物由来の繰返し単位からなる。
【0081】
本発明の1個の実施形態では、PAGがフッ素含有グラフトコポリマーに共有結合(すなわち、固定)され、ARCを産する。
【0082】
一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。]を有するフルオアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーである。
【0083】
本発明によるフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含む所与のフッ素含有分枝状コポリマーは、フルオロアルコール官能基の一部として存在するフルオロアルキル基を有しうる。これらのフルオロアルキル基は、部分的にフッ化アルキル基または完全にフッ化アルキル基(すなわち、パーフルオロアルキル基)でありうるRfおよびRf’として示される。大まかには、RfおよびRf’は1〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。(最後の文における「一緒になった」という語は、RfおよびRf’が分離した個別的なフッ化アルキル基ではなく、それらが共に5員環の場合に以下に示すような環構造を形成することを示す:
【0084】
【化16】
【0085】
RfおよびRf’は、ヒドロキシルプロトンが実質的に、水性水酸化ナトリウム溶液または水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液などの基礎媒体で除去されるように、フルオロアルコール基のヒドロキシル(OH)に酸度を付与するに十分な程度のフッ化が存在する必要があることを除き、本発明による制限なしに部分的にフッ化アルキル基でありうる。本発明による好ましい場合では、ヒドロキシル基が以下のようにpKaを有するようにフルオロアルコール官能基にフッ化アルキル基に十分なフッ素置換が存在する:5<pKa<11。好ましくは、RfおよびRf’は独立に1〜5個の炭素原子のパーフルオロアルキル基であり、最も好ましくは、RfおよびRf’は両方ともトリフルオロメチル(CF3)である。好ましくは、本発明による各フッ素含有コポリマーは157nmの波長で4.0μm−1未満の吸収係数を有し、好ましくは、同波長で3.5μm−1未満であり、より好ましくは、同波長で3.0μm−1未満である。
【0086】
フッ化ポリマー、ARC、およびフルオロアルコール官能基を含む本発明の方法は構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nであり;かつZは酸素、硫黄、窒素、亜リン酸、他のVA族元素、および他のVIA族元素からなる群より選択される。]を有しうる。「他のVA族元素」および「他のVIA族元素」という語によって、これらの語がここではこれらの群の開示元素(すなわち、酸素、硫黄、窒素、亜リン酸)以外の周期表のこれらの族の1個における任意の他の元素を意味すると理解される。酸素が好ましいZ群である。
【0087】
フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である代表的なコモノマーの例示的であるが、非限定的な一部の例を以下に示す:
【0088】
【化17】
【0089】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、構造式:
【0090】
【化18】
【0091】
を有するエチレン性不飽和化合物がコポリマー(a1)に関して上述されている。
【0092】
少なくとも1個のフルオロアルコール群(c)を有するフルオロポリマーは:
(c1)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有ポリマーと;
(c2)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が環式または多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有し、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c3)フッ素含有コポリマーであって:
(i)2個のエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも3個のフッ素原子を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むフッ素含有コポリマーと;
(c4)構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;Zは元素周期表(CAS版)のVA族、および他のVIA族から選択される元素であり、通常、Zは硫黄、酸素、窒素、または亜リン酸原子である。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c5)構造式:
【0093】
【化19】
【0094】
[式中、R40、R41、R42、およびR43のそれぞれが独立に水素原子、ハロゲン原子、1〜10個の炭素原子を含有する炭化水素基、O、S、N、P、またはハロゲンで置換され、1〜12個の炭素原子、例えば、アルコキシ基、カルボン酸、カルボン酸エステル、または構造式:
−C(Rf)(Rf’)OR44
(式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;R44は水素原子、または酸もしくは塩基に不安定な保護基である。)を含有する官能基を有する炭化水素基であり;vはポリマー中の繰返し単位の数であり、wは0〜4であり;繰返し単位の少なくとも1個は、R40、R41、R42、およびR43の少なくとも1個が構造式−C(Rf)(Rf’)OR44、例えば、R40、R41、およびR42が水素原子であり、R43がCH2OCH2C(CF3)2OCH2CO2C(CH3)3であって、ここでCH2CO2C(CH3)3が酸もしくは塩基に不安定な保護基であり、またはR43がOCH2C(CF3)2OCH2CO2C(CH3)3であって、ここでOCH2CO2C(CH3)3が酸もしくは塩基に不安定な保護基である。]を含むフッ素含有ポリマーと;
(c6)ポリマーであって:
(i)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R45)C=C(R46)(CN)
[式中、R45は水素原子またはCN基であり;R46はC1〜C8アルキル基、水素原子、またはCO2R47基であって、R47がC1〜C8アルキル基または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと、からなる群より選択される。
【0095】
フルオロポリマーまたはコポリマーは、フルオロアルコール基の一部として存在し、コポリマー(b)に関して上述したフルオロアルキル基を有しうるフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の(下記の)繰返し単位を含む。これらのフルオロアルキル基は上述した通りRfおよびRf’で示される。
【0096】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、構造式:
【0097】
【化20】
【0098】
を有するエチレン性不飽和化合物がコポリマー(a1)に関して上述されている。
【0099】
本発明による各フッ素含有コポリマーは、157nmの波長で4.0μm−1未満の吸収係数を有し、好ましくは、同波長で3.5μm−1未満であり、より好ましくは、同波長で3.0μm−1未満であり、さらにより好ましくは、同波長で2.5μm−1未満である。
【0100】
フルオロアルコール官能基を含む本発明のフッ化ポリマーは構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;Zは上述した通りである。]を有しうる。
【0101】
フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である代表的なコモノマーの例示的であるが、非限定的な一部の例を以下に示す:
【0102】
【化21】
【0103】
最初に架橋が得られ、その後に開裂されうる(例えば、強酸への曝露と同時に)様々な二官能性化合物も本発明のコポリマーのコモノマーとして有用である。例示的であるが、非限定的な例として、二官能性コモノマーNB−F−OMOMO−F−NBは本発明のコポリマーにおけるコモノマーとして望ましい。このコモノマーおよび同様の二官能性コモノマーは、本発明のARC組成物のコポリマー成分中に存在すると、分子量が高く、架橋材料が軽いコポリマーを産することができる。ARC組成物は、二官能性モノマーからなるこれらのコポリマーを組み入れると、露光(以下で説明される強酸を光化学的に発生する)と同時に、二官能性基の開裂をもたらし、その結果、分子量がきわめて顕著に低下し、これらの因子により現像および画像形成特性の大幅な改善(例えば、コントラストの改善)が得られるため、現像および画像形成特性の改善が得られる。これらのフルオロアルコール基およびそれらの実施形態は、より詳しく上述され、2000年4月28日出願のPCT/US00/11539で記載されている。
【0104】
ニトリル/フルオロアルコールポリマー中に存在するニトリル官能性の少なくとも一部分は、少なくとも1個のニトリル基を有するとともに、構造式:
(H)(R48)C=C(R49)(CN)
[式中、R48は水素原子またはシアノ基(CN)であり;R49は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R50が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R50、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位の組入れから得られる。アクリロニトリル、メタクリルオニトリル、フマルオニトリル(トランス−1,2−ジシアノエチレン)、およびマレオニトリル(シス−1,2−ジシアノエチレン)が好ましい。アクリロニトリルが最も好ましい。
【0105】
ニトリル/フルオロアルコールポリマーは、一般的に、約10〜約60モルパーセントのニトリル/フルオロアルコールポリマー中に存在するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位、および約20〜約80モルパーセントのポリマー中に存在する少なくとも1個のニトリル基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を有するという点で特徴づけられる。低い吸収係数値を達成することに関してより一般的なニトリル/フルオロアルコールポリマーは、ポリマーの主鎖の少なくとも一部分を作るニトリルを含有する比較的少量の繰返し単位とともに、少なくとも45モルパーセント以下、さらにより一般的には少なくとも30モルパーセント以下のポリマー中に存在するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を有するという点で特徴づけられる。
【0106】
一実施形態では、ポリマーは少なくとも1個の保護官能基を含む。少なくとも1個の保護官能基の官能基は通常、酸性官能基および塩基性官能基からなる群より選択される。保護官能基の官能基の非限定的な例は、カルボン酸およびフルオロアルコールである。
【0107】
別の実施形態では、ニトリル/フルオロアルコールポリマーは脂肪族多環官能性を含みうる。この実施形態では、脂肪族多環式官能性を含有するニトリル/フルオロアルコールポリマーの繰返し単位の割合は、約1〜約70モルパーセントであり;好ましくは、約10〜約55モルパーセントであり;より一般的には、約20〜約45モルパーセントである。
【0108】
ニトリル/フルオロアルコールポリマーは、好ましくは、ニトリル/フルオロアルコールポリマー中に芳香族官能性が存在しないという条件つきで、本明細書で具体的に言及されたものの範囲を超えて追加の官能基を含有しうる。これらのポリマー中の芳香族官能性の存在は、それらの透明度を減じ、ディープおよび極UV領域においてあまりにも強く吸収し、これらの波長で画像形成される層における使用に適切であることがわかっている。
【0109】
一部の実施形態では、ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝セグメントを含む分枝状ポリマーである。分枝状ポリマーは、少なくとも1個のエチレン性不飽和マクロマー成分および少なくとも1個のエチレン性不飽和コモノマーのフリーラジカル付加重合中に形成されうる。分枝状ポリマーは、任意の従来の付加重合法によって調製することができる。分枝状ポリマー、または櫛形ポリマーは、1個以上の適合性のエチレン性不飽和マクロマー成分および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和マクロマー成分、および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和モノマー成分で調製することができる。一般的には、付加重合可能なエチレン性不飽和モノマー成分は、アクリロニトリル、メタクリルオニトリル、フマルオニトリル、マレオニトリル、保護および/または非保護不飽和カルボン酸である。このタイプの分枝状ポリマーの構造および製造方法は、ポリマータイプ(b)について上述されており、WO00/25178に記載されている。
【0110】
少なくとも1個のフルオロアルコールを有するフルオロポリマーはさらに、エチレン、α−オレフィン、1,1’−二置換オレフィン、ビニルアルコール、ビニルエーテル、および1,3−ジエンからなる群より選択されるスペーサー基(spacer group)を含みうる。
【0111】
ポリマー(d)は、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)またはX=FまたはCF3およびY=−HであるCX2=CY2である非晶質ビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)およびCX2=CY2である非晶質ビニルコポリマーを含み、前記ホモポリマーまたはコポリマーは任意選択で、R51、R52、R53のそれぞれが独立にHまたはFから選択され、R54が−F、−CF3、−OR55からなる群より選択され、ここでR55がn=1〜3のCnF2n+1、−OH(R53=Hの場合)、およびCl(R51、R52、およびR53=Fの場合)である、1個以上のコモノマーCR51R52=CR53R54を含有する。ポリマー(d)は追加的に、1:2〜2:1の比でCH2=CHCF3およびCF2=CF2、1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCF2=CFCl、1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCClH=CF2、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、非晶質であるフッ化ビニリデンとともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、およびパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)のホモポリマーからなる群より選択される非晶質ビニルコポリマーを含みうる。
【0112】
これらのポリマーは、フルオロポリマーについて当技術分野で周知の重合法によって製造された。ポリマーのすべては、モノマー、不活性流体(CF2ClCCl2F、CF3CFHCFHCF2CF3、または二酸化炭素など)、およびHFPOダイマー過酸化物1またはPerkadox(登録商標)16Nなど可溶性フリーラジカル開始剤を冷却高圧がまに封着し、次いで
【0113】
【化22】
【0114】
を適宜加熱して重合を開始することによって製造することができる。HFPOダイマー過酸化物1については、室温(約25℃)が好都合な温度であるが、Perkadox(登録商標)については、60〜90℃の温度を用いることができる。モノマーおよび重合温度に応じて、圧力は気圧から500psi以上まで変動しうる。次いで、ポリマーは不溶性沈殿物として形成された場合にはろ過によって、または反応混合物中に可溶性の場合には蒸発または沈殿によって単離することができる。多くの場合、明らかに乾燥したポリマーは依然として相当の溶剤および/または未反応モノマーを保持しており、好ましくは窒素ブリード下に真空オーブン中でさらに乾燥させなければならない。ポリマーの多くは、脱イオン水、アンモニウム過硫酸塩またはVazo(登録商標)56WSPなどの開始剤、モノマー、アンモニウムパーフルオロオクタン酸塩などの界面活性剤、またはメチルセルロースなどの分散剤を冷却高圧がまで封着、加熱して重合を開始させることによって達成される水性エマルジョン重合によっても製造することができる。ポリマーは、形成されたエマルジョンの遮断、ろ過、および乾燥によって単離することができる。すべての場合に、反応混合物から酸素を除外するべきである。クロロホルムなどの連鎖移動剤を添加して分子量を低下させることができる。
【0115】
置換または非置換ビニルエーテルで調製されたニトリル/フルオロアルコール含有ポリマー(e)は:
(e1)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基を含み、かつ構造式:
CH2=CHO−R56
[式中、R56は炭素原子を1〜12個有するアルキル基、炭素原子を6〜約20個有するアリール、アラルキル、またはアルカリール基であり、または前記基はS、O、N、またはP原子で置換されている。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、または水素原子であるCO2R59である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと;
(e2)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基およびフルオロアルコール官能基を含み、並びに構造式:
C(R60)(R61)=C(R62)−O−D−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、R60、R61、およびR62は独立に水素原子、炭素原子1〜約3個の範囲のアルキル基であり;Dは酸素原子を通じてフルオロアルコール官能基の炭素原子にビニルエーテルを結合する少なくとも1個の原子であり;RfおよびRf’は上述した通りである。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R59、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと、を含む。
【0116】
ポリマー(c6)について、フルオロアルコール基および実施形態がより詳しく上述されている。フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である一般的構造式(下記)の範囲内であるビニルエーテルモノマーの例示的であるが、非限定的である一部の例を以下に示す:
【0117】
【化23】
【0118】
ポリマー(c6)について、ニトリル基およびその実施形態、およびニトリルおよびフルオロアルコール基およびその実施形態で製造された直鎖状および分枝状ポリマーもより詳しく上述、言及されている。
【0119】
これらのポリマーは、全組成物(固体)の重量に基づき、約10〜約99.5重量%の量で存在しうる。
【0120】
(他の成分)
本発明の組成物は任意の追加成分を含有しうる。添加しうる追加成分の例としては、付着促進剤、減残留物剤、コーティング助剤、可塑剤、およびTg(ガラス転移温度)調整剤が挙げられる。
【0121】
(フォトレジスト層)
要素はさらにフォトレジスト層を含みうる。フォトレジスト層は通常、ポリマーおよび光活性成分(PAC)を含む。任意選択で、組成物中に分解抑制剤が存在しうる。例えば、2000年3月20日公開のWO00/17712、2000年5月4日公開のWO00/25178に開示された周知のフォトレジスト層が本発明において有用である。
【0122】
(フォトレジスト画像を形成するための方法)
本発明は、支持部と、フォトレジスト層と、反射防止層とを有するフォトレジスト要素の改善されたリソグラフィパターニングのための方法であり;
(Y)フォトレジスト要素を像様露光し、画像形成部分および非画像形成部分を形成する工程であって、反射防止層が概要を上述したポリマー(a)〜(e)の少なくとも1個を含む組成物で調製される工程と;
(Z)画像形成部分および非画像形成部分を有する露光フォトレジスト要素を現像し、基板上にレリーフ画像を形成する工程と、をも提供する。
【0123】
(像様露光)
フォトレジスト要素は、反射防止層を有する基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、乾燥させ、溶剤を除去することによって調製される。こうして形成されるフォトレジスト層は電磁スペクトルの紫外線領域、特に365nm以下の波長に対して感光性である。本発明のレジスト組成物の像様露光は、365nm、248nm、193nm、157nm、およびそれ以下の波長を含むが、これらに限定されない多くの異なるUV波長で行うことができる。像様露光は、248nm、193nm、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることが好ましく、193nm、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることがより好ましく、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることが最も好ましい。像様露光は、レーザーまたは同等の装置によるデジタル式、またはフォトマスクを用いた非デジタル式のいずれかで行うことができる。レーザーによるデジタル画像形成が好ましい。本発明の組成物のデジタル画像形成用の適切なレーザー装置としては、193nmでのUV出力によるアルゴン−フッ素エキシマレーザー、248nmでのUV出力によるクリプトン−フッ素エキシマレーザー、および157nmでの出力によるフッ素(F2)レーザーが挙げられるが、これらに限定されない。以下に記載する通り、像様露光用に低波長のUV光の使用は高解像度(低解像限界)に対応するため、低波長(例えば、193nmまたは157nm以下)の使用が、高波長(例えば、248nm以上)の使用よりも一般に好ましい。
【0124】
(現像)
反射防止層およびレジスト組成物の成分は、UV光に対する像様露光後の現像のために十分な官能性を含有する必要がある。通常、官能性は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、または水酸化アンモニウム溶液などのベースデベロッパを用いて水性現像が可能であるように酸または保護酸である。
【0125】
本発明の反射防止層およびレジスト組成物中のポリマーは通常、構造単位:−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]の少なくとも1個のフルオロアルコール含有モノマーからなる酸含有材料である。所与の組成物の酸性フルオロアルコール基のレベルは、水性アルカリデベロッパ中で良好な現像のために必要な量を最適化することによって測定される。
【0126】
水性処理可能な層を基板上にコーティングし、または塗布し、UV光に像様露光すると、反射防止層およびフォトレジスト組成物の現像は、ポリマー材料が露光と同時に少なくとも部分的に脱保護され、水性アルカリデベロッパ中で処理可能な反射防止層およびフォトレジスト(または他のフォトイメージアブル組成物)付与する十分な酸基(例えば、フルオロアルコール基)および/または保護された酸基を含有することが必要とされる。ポジティブ作用性フォトレジスト層の場合、反射防止層およびフォトレジスト層は、UV照射に曝露されている部分の現像中に除去されるが、0.262Nの水酸化テトラメチルアンモニウムを含有する完全水溶液など水性アルカリ液体による現像中(通常、120秒以下、25℃での現像)に非露光部分の実質的な影響はない。ネガティブ作用性フォトレジスト層の場合、反射防止層およびフォトレジスト層はUV照射に曝露されていない部分の現像中に除去されるが、臨界流体または有機溶剤のいずれかを用いた現像中に露光部分の実質的な影響はない。
【0127】
ここで用いる臨界流体は、その臨界温度の近くまたはそれ以上の温度に加熱され、その臨界圧の近くまたはそれ以上の圧力に圧縮された1個以上の物質である。本発明における臨界流体は、流体の臨界温度以下の15℃よりも少なくとも高い温度下、および流体の臨界圧以下の5気圧よりも少なくとも高い圧力下にある。本発明における臨界流体用に二酸化炭素を用いることができる。様々な有機溶剤も本発明におけるデベロッパとして用いることができる。これらのものとしては、ハロゲン化溶剤および非ハロゲン化溶剤が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化溶剤が一般的であり、フッ化溶剤がより一般的である。
【0128】
(基板)
本発明において使用される基板は例示的にケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または半導体製造において用いられる他の様々な材料でありうる。
(発明の分野)
本発明は、光画像形成に関し、特に、半導体装置の製造における画像形成のためのフォトレジスト(ポジティブ作用性および/またはネガティブ作用性)と組み合わせた反射防止層の使用に関する。本発明は、反射防止層において有用である高いUV透過性(特に短い波長、例えば157nmでの)を有する新規なフッ素含有ポリマー組成物にも関する。
【0002】
(発明の背景)
ポリマー製品は画像形成成分として、感光性システム、特に、L.F.Thompson,C.G.WillsonおよびM.J.Bowdenの共著Introduction to Microlithography.Second Edition)、ワシントン DC、アメリカ化学会、1994年発行に記載されているものなど、光画像形成システムに使用される。そのようなシステムにおいては、紫外(UV)線またはその他の電磁放射線が光活性成分を含む物質に当たってその物質に物理的または化学的変化を誘発する。有用な像または潜像がそれにより生成し、それを加工処理して半導体装置の製作に有用な像とすることができる。
【0003】
ポリマー製品それ自体が光活性である場合もあるが、一般に感光性組成物はポリマー製品以外に1個以上の光活性成分を含有する。電磁放射線(たとえば紫外線)に露光すると、上記のThompsonらの出版物に記載されているように、光活性成分が作用して感光性組成物のレオロジー状態、溶解性、表面特性、屈折率、色相、電磁特性、その他物理的または化学的特性を変化させる。
【0004】
半導体装置におけるミクロン以下の非常に細かい形状を画像形成するには、遠紫外線または極紫外線(UV)の電磁放射線が必要である。半導体の製造には一般にポジティブ作用性レジストが利用される。ノボラックポリマーと溶解防止剤としてジアゾナフトキノンを使用し365nm(I−ライン)の紫外線で行うリソグラフィは、最近確立されたチップ技術であり、約0.35〜0.30ミクロンの解像限界を有する。p−ヒドロキシスチレンポリマーを使用し248nmの遠紫外線で行うリソグラフィが知られており、0.35〜0.18nmの解像限界を有する。波長が減少するにつれて解像限界は減少する(すなわち、193nmの画像形成では解像限界は0.18〜0.12ミクロン、および157nmの画像形成では解像限界は0.07ミクロン)ため、将来的にさらに短波長でのフォトリソグラフィが強く求められる。193nmの露光波長(アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザーから得られる)を用いたフォトリソグラフィは、0.18μmおよび0.13μmの設計規則を使用した将来のマイクロエレクトロニクス製作の主要な候補である。157nmの露光波長(フッ素エキシマレーザーから得られる)を用いたフォトリソグラフィは、適切な材料であるという条件で、計測期間(193nm以上)ではこのきわめて短い波長で十分な透明性および他の必要な特性を有することがさらに見出しうる将来のマイクロリソグラフィの主要な候補である。従来の近紫外線および遠紫外線用有機フォトレジストは193nm以下の短波長では不透明であるために、このような波長における単層機構でのそれら使用が妨げられている。
【0005】
193nmでの画像形成に適したレジスト組成物はいくつか知られている。例えば、シクロオレフィン−無水マレイン酸交互コポリマーを含むフォトレジスト組成物が193nmでの半導体の画像形成に有用であることが示されている(F.M.Houlihanら、Macromolecules,30,pp.6517−6534 (1997); T.Wallowら、SPIE,Vol.2724,pp.355−364; およびF.M.Houlihanら、Journal of Photopolymer Science and Technology,10,No.3,pp.511−520 (1997)を参照されたい)。出版物のいくつかは、193nmのレジストに集中している(すなわち、U.Okoroanyanwuら、SPIE,Vol.3049,pp.92−103; R.Allenら、SPIE,Vol.2724,pp.334−343; および、Semiconductor International,1997年9月号、pp.74−80)。付加重合体および/または官能化ノルボルネンのROMP(開環メタセシス重合)を含む組成物がPCTWO97/33198に開示されている。ノルボルナジエンのホモポリマーおよび無水マレイン酸とのコポリマーと193nmリソグラフィにおけるそれらの使用が開示されている(J.NiuおよびJ.Frechet,Angew.Chem.Int.Ed.,37,No.5,(1998),pp.667−670)。193nmのリソグラフィに適しているフッ化アルコール置換多環式エチレンレン性不飽和コモノマーおよび二酸化硫黄のコポリマーが報告されている(H.Itoら、「Synthesis and Evaluation of Alicyclic Backbone Polymers for 193 nm Lithography」、第16章、ACS Symposium Series 706(Micro−and Nanopatterning Polymers)208−223頁(1998)、およびH.Itoら、Abstract in Polymeric Materials Science and Engineering Division,アメリカ化学会大会、第77巻、秋季大会、9月8−11日、1997(Las Vegas,NV.にて開催)を参照)この交互コポリマーにおける二酸化硫黄由来の繰返し単位の存在のため、157nmでのこのポリマーの過度に高い吸収係数により157nmのリソグラフィには適していない。
【0006】
芳香族部分に付着したフッ化アルコール官能基を含有するフォトレジストが開示されている(K.J.Przybillaら、「Hexafluoroacetone in Resist Chemistry: A Versatile New Concept for Materials for Deep UV Lithography」、SPIE Vol.1672,(1992)、500−512ページを参照)。248nmのリソグラフィには適しているが、これらのレジストは、その中に含まれる芳香族官能性のため、193または157nmでのリソグラフィには(これらの波長での芳香族レジスト成分の過度に高い吸収係数により)適していない。
【0007】
フルオロオレフィンモノマーおよび環式不飽和モノマーのコポリマーが米国特許第5,177,166号および同第5,229,473号に開示されているが、これらは感光性組成物は開示していない。一部のビニルエステルとの一部のフッ化オレフィンのコポリマーが知られている。例えば、シクロへキサンカルボン酸ビニルエステルとのトリフルオロエチレン(TFE)が日本特許出願JP03281664に開示されている。TFEおよび酢酸ビニルなどのビニルエステルのコポリマー、および屈折率画像形成(例えば、ホログラフィ)用の感光性組成物におけるこれらのコポリマーの使用が米国特許第4,963,471号に開示されている。
【0008】
エチレンとともに官能基を含有するノルボルネン型のモノマーのコポリマーがWO98/56837に開示され、ビニルエーテル、ジエン、およびイソブチレンとともに官能基を含有するノルボルネン型モノマーのコポリマーが米国特許第5,677,405号に開示されている。
【0009】
他のコモノマーとのフッ化アルコールコモノマーの一部のコポリマーが米国特許第3,444,148号およびJP62186907A2に開示されている。これらの特許は薄膜もしくは他の非感光性フィルムまたは繊維に関するものであり、いずれも感光性層(例えば、レジスト)におけるフッ化アルコールコモノマーは開示していない。
【0010】
米国特許第5,655,627号には、ペンタフルオロプロピルメタクリレート−t−ブチルメタクリレートのコポリマーを溶媒に溶かしたレジスト溶液でシリコンウェーハを被覆し、次いで193nmで露光し、二酸化炭素臨界流体で現像して陰画のレジスト像を生成する方法が開示されている。
【0011】
193nmおよび/または157nmでの光学透過性、プラズマエッチ抵抗、および水性ベースデベロッパにおける溶解性を含む単層フォトレジストに対する種々の要件を満たすレジスト組成物がなお必要とされている。
【0012】
リソグラフィによってパターン化マイクロエレクトロニクス構造物を形成する方法においては、フォトレジスト層の下であるBARC、またはフォトレジスト層の最上部であるTARC(または単にARCと呼ぶ場合もある)のいずれか、または両方に1個以上の反射防止層(ARC)を用いることが当技術分野では一般的である。BARCには157nmで反射光を入射強度の約10%未満に削減する傾向がある。したがって、BARCの吸光度は一般的に4μm−1以上である。TARCについては、4μm−1以下の吸光度を有することが好ましい。
【0013】
反射防止コーティング層が、フォトレジスト構造物内の様々なインターフェースから反射する光の干渉、および反射光の減少によるフォトレジスト層における照射量の変動が原因のフィルム厚変動の有害な影響およびその結果生じる定常波を削減することがわかっている。これら反射防止コーティング層の使用により、反射関連影響が抑制されるため、フォトレジスト材料のパターニング特性および解像特性が改善される。
【0014】
193nmおよび/または157nmで光学透過性を有する反射防止層、特にTARCも必要とされている。
【0015】
(発明の概要)
第1の態様では、本発明は、支持部と、少なくとも1つの反射防止層とを含む要素を提供し;反射防止層は、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の部分を含む分枝状ポリマーと;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は1〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロポリマーと;
(d)パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)もしくはCX2=CY2[式中XがF、またはCF3であり、Yが−Hである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)およびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーであって;前記ホモポリマーまたはコポリマーは任意選択で1個以上の部分的または完全なフッ化コポリマーを含有するホモポリマーまたはコポリマーと;
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーと
からなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む組成物で調製される。
【0016】
本発明は、支持部と、フォトレジスト層と、反射防止層とを有するフォトレジスト要素の改善されたリソグラフィパターニングの方法であって;
(Y)フォトレジスト要素を像様露光し、画像形成部分および非画像形成部分を形成する工程であって、反射防止層が概要を上述したポリマー(a)〜(e)の少なくとも1個を含む組成物で調製される工程と;
(Z)画像形成部分および非画像形成部分を有する露光フォトレジスト要素を現像し、基板上にレリーフ画像を形成する工程と
をも提供する。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の要素は、支持部と、少なくとも1つの反射防止層とを含み;反射防止層が、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の部分を含む分枝状ポリマーと;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は1個〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロポリマーと;
(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2で[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマーであって;前記ホモポリマーまたはコポリマーが1個以上のコモノマーCRaRb=CRcRdを任意選択で含有し、Ra、Rb、Rcのそれぞれが独立してHまたはFから選択され、Rdが−F、−CF3、−ORfからなる群より選択され、Rfがn=1〜3のCnF2n+1、−OH(Rc=Hの場合)、およびCl(Ra、Rb、およびRc=Fの場合)である。ポリマー(d)は追加的に、1:2〜2:1の比でCH2=CHCF3およびCF2=CF2;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCF2=CFCl;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCClH=CF2;パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);非晶質であるフッ化ビニリデンとともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);およびパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)のホモポリマーを含むことができるとともに;
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるポリマーと
からなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む組成物で調製される。
【0018】
本明細書で論じられるポリマーは、半導体リソグラフィ用の反射防止層において用いることができる。特に、193nm以下の低い光学吸収は本発明の材料の主要な特性であるため、それらはこの波長で特に有用であろう。反射防止層は支持部上に存在し、またはフォトレジスト層上に存在しうる。
【0019】
このような層は、スピンコーティング、化学的蒸着、およびエアゾール蒸着など多くの異なる方法を用いて適用することができる。反射防止層用組成物の設計は当業者には公知である。考慮されなければならない反射防止層用に用いられる材料の主要な光学特性は光学吸収および屈折率であり、本発明のフッ素含有ポリマーはこのような特性を有する。
【0020】
(A.ポリマー)
フッ素含有コポリマー(a)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含む。コポリマー(a)は、
(a1)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であり、かつ少なくとも1個の他のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有するという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(a2)フッ素原子、パーフルオロアルキル基、および環構造内に含まれる炭素原子に共有結合され、かつ少なくとも1個の共有結合された炭素原子によってエチレン性不飽和化合物の各エチレン性不飽和炭素原子から分離されるパーフルオロアルコキシ基の少なくとも1個を含有する少なくとも1個の多環式エチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと
からなる群より選択される。
【0021】
(a1)に開示された少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物は、以下の式:
【0022】
【化2】
【0023】
[式中:
mおよびnのそれぞれが0、1、または2であり、pは3以上の整数であり;
aおよびbは独立に1〜3であり、bが2の場合aは1でなく、その逆も同じであり;
R1〜R14は同じかまたは異なるものであり、それぞれが水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、1〜14個の炭素原子、一般には1〜10個の炭素原子を含むとともに少なくとも1個のO、N、S、P、またはハロゲン原子で任意に置換された炭化水素基、例えば、二級または三級のアルキルカルボン酸またはカルボン酸エステル基を表し;
R15は、炭素原子約4〜20個の飽和アルキル基であり、炭素原子対水素原子の比が0.58より大きいかまたは同じという条件下で、1個以上のエーテル酸素を任意で含有し;
R16〜R21は、R18〜R21の少なくとも1個はCO2Aであるという条件下で、それぞれが独立に、水素原子、C1〜C12のアルキル、(CH2)qCO2A、CO2(CH2)qCO2AまたはCO2Aであり、ここでqは1〜12であり、Aは水素または酸保護基である。]からなる群より選択しうる。
【0024】
本発明のコポリマー(および該コポリマーからなるARC)の重要な特徴は、多環式の繰返し単位と、フッ素を含有する同一または異なる繰返し単位と、さらには、芳香族官能基を含有しないコポリマーにおけるすべての繰返し単位とが、連絡し合って結びついている点である。コポリマー中に多環式の繰返し単位が存在することは、コポリマーがプラズマエッチング(例えば、反応性イオンエッチング)に対して高い耐性を保持するために重要である。多環式の繰返し単位はまた、レジストフィルムの寸法安定性を維持するために重要な高いガラス転移温度を付与する傾向がある。フッ素を含有する繰返し単位の存在は、コポリマーが高い光学透明度を保持するために、すなわち、極紫外線および遠紫外線において低い光学的吸収作用を有するために重要である。コポリマーの繰返し単位中に芳香族の官能基が存在しないこともまたポリマーが高い光学透明度を保持するために必要である。
【0025】
本発明の実施形態の一部において、フッ素含有コポリマーは、環構造中に含まれている炭素原子に共有結合されたフッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基からなる群より選んだ少なくとも1個の原子または基を有する少なくとも1個の多環式エチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位からなりうる。フッ素原子、パーフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルコキシ基は、これらの基がエチレン性不飽和炭素原子に直接結びついている場合は、金属を触媒とする付加重合またはメタセシス重合による環式エチレン性不飽和化合物の重合を抑制する傾向がある。したがって、このような場合、少なくとも1個のフッ素原子、パーフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルコキシ基は、少なくとも1個の共有結合された炭素原子によって、エチレン性不飽和化合物の各エチレン性不飽和炭素原子から離されていることが重要である。さらに、この原子および/または基を環に直接結合することは、望ましくない非フッ化脂肪族炭素原子の存在を最小にすることになる。
【0026】
本発明のコポリマーは、半導体用途のARC組成物に必要な特性を付与するために重要な特性バランスを驚くほど有している。第1に、これらのコポリマーは、193nmおよび157nmの波長を含む極紫外線および遠紫外線において予想外に低い光吸収性を有する。光吸収性の低いコポリマーを有することは、高いフォトスピードのレジストを配合するのに重要であり、そこでは、大部分の紫外光が光活性成分によって吸収され、コポリマー(レジストのマトリックス)の吸収による損失はない。第2に、本発明のフッ素含有ポリマーを含むレジストは、好ましいことに、プラズマエッチングの速度が非常に遅い。この後者の特性は、半導体の作製に必要な高い解像精度のレジストを与えるために重要である。157nmで画像形成をするには、これらの特性の適切な値を同時に達成することが特に重要である。この場合、超薄膜のレジストが高い解像度を得るために必要となるが、それにもかかわらず、この薄いレジストには、エッチングの間、画像形成した基板上にとどまって、下にある基板の面域を保護するために、高度なエッチング耐性がなければならない。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、ARC組成物は、少なくとも1個の多環式コモノマー(すなわち、例えばノルボルネンのような少なくとも2個の環を含むコモノマー)由来の繰返し単位を含むコモノマーを含む。これは3個の主な理由、すなわち、1)多環式モノマーは比較的高い炭素対水素の比(C:H)を有しており、その結果これら多環式モノマーの繰返し単位からなるベースポリマーは一般に優れたプラズマエッチング耐性を有すること、2)好ましくは重合した時点で完全に飽和の状態にすることができる多環式モノマー由来の繰返し単位を有するポリマーは、一般に優れた透明度特性を有すること、および3)多環式モノマーで調製されたポリマーは通常比較的高いガラス転移温度を有し工程中の寸法安定性向上のために良いこと、から重要である。エチレン性不飽和基はノルボルネンにおけるように多環式部分内に含有されているか、または1−アダマンタンカルボン酸ビニルエステルにおけるように多環式部分にペンダントしている。多環式コモノマー由来の繰返し単位からなるポリマーは、高いC:H比を有し、比較的低いオオニシナンバー(O.N.)を有する。ただし、
O.N.=N/(NC−NO)
[式中、Nはポリマーの繰返し単位中の原子数であり、NCはポリマーの繰返し単位中の炭素原子数であり、NOはポリマーの繰返し単位中の酸素原子数である。オオニシらによって発見された経験則があり(J.Electrochem.Soc.,Solid−State Sci.Technol.,130,143(1983))、それによれば、ポリマーの反応性イオンエッチング(RIE)速度はオオニシナンバー(O.N.)の一次関数である。一例として、ポリ(ノルボルネン)は式(C7H10)nを有し、O.N.=17/7=2.42である。]である。主として炭素と水素からなり、多環式部分を有し、酸素を含有する官能基が比較的少ないポリマーは、比較的低いO.N.を有し、オオニシの経験則に従えば、相応した低い(ほぼ一次式での)RIE速度を有する。
【0028】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、次の構造式を有するエチレン性不飽和化合物は:
【0029】
【化3】
【0030】
フリーラジカル重合して次の繰返し単位を有するポリマーを与える:
【0031】
【化4】
【0032】
ここで、P、Q、S、およびTは、独立に、H、F、Cl、Br、炭素原子1〜14個を含有するアルキル基、アリール、炭素原子6〜14個を含有するアラルキル基、または炭素原子3〜14個を含有するシクロアルキル基を示すことができるが、これらに限定されない。
【0033】
一種類だけのエチレン性不飽和化合物が重合する場合は、得られるポリマーはホモポリマーである。2つ以上の別のエチレン性不飽和化合物が重合する場合は、得られるポリマーはコポリマーである。
【0034】
エチレン性不飽和化合物およびそれと対応する繰返し単位の代表的な例を以下に示す:
【0035】
【化5】
【0036】
以下の項では、本発明のARC組成物を成分ごとに説明する。
【0037】
本発明のARCは、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーであって、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物は多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物はエチレン性不飽和炭素原子に共有結合している少なくとも1個のフッ素原子を含むという点で特徴づけられるコポリマーを含む。本発明のフッ素含有コポリマーに適合する代表的なエチレン性不飽和化合物としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン、CF2=CFO(CF2)tCF=CF2[式中、tは1または2である]および、式RfOCF=CF2[式中、Rfは炭素原子1〜約10個の飽和フルオロアルキル基である]が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のフッ素含有コポリマーは、限定はしないが、上に挙げたものを含む追加のフッ素含有コモノマーを任意で整数個含有することができる。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、およびRfOCF=CF2であって、Rfは炭素原子1〜約10個の飽和フルオロアルキル基である。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびRfOCF=CF2であって、Rfは、炭素原子1〜約10個の飽和パーフルオロアルキル基である。最も好ましいコモノマーはテトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンである。
【0038】
構造式Hを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0039】
【化6】
【0040】
構造式Iを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0041】
【化7】
【0042】
構造式Jを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0043】
【化8】
【0044】
構造式Kを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0045】
【化9】
【0046】
構造式Lを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0047】
【化10】
【0048】
構造式Mを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0049】
【化11】
【0050】
構造式K、L、およびMを有するコモノマーを含む本発明のコポリマーはすべて、フッ化オレフィンおよび式CH2=CHO2CR22のビニルエステルまたは式CH2=CHOCH2R22またはCH2=CHOR22のビニルエーテルを含むコポリマーであって、ここでR22は炭素原子が約4〜20個の炭化水素基であり、C:H比が比較的高く、高いC:H比は良好なプラズマエッチ耐性に対応するため0.58を上回る。(これは、フッ化オレフィンおよび式CH2=CHO2CR23のビニルエステルまたは式CH2=CHOCH2R23またはCH2=CHOR23のビニルエーテルであって、R23が比較的低く、0.58未満であるC:H比を有するコポリマーとは対照的である。R22およびR23はアルキル、アリール、アラルキル、およびシクロアルキルから選択される。
【0051】
構造式Nを有する代表的なコモノマーとしては、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:
【0052】
【化12】
【0053】
ここでAは=H、(CH3)3C、(CH3)3Siである。
【0054】
2番目に列挙したコモノマーである構造式H〜Nの不飽和化合物の少なくとも1個を有する上記の好ましい実施形態において、もし(仮に)そのフッ素含有コポリマーがカルボン酸および保護された酸基から選んだ官能基を有している追加のコモノマーを含有していない場合は、2番目のコモノマーには制限がある。この場合、このフッ素含有コポリマーは、2種類だけのコモノマーを有する(列挙した2種類のコモノマーであって列挙してない追加のコモノマーは有さない)。この場合、フッ素含有ポリマーを含有する本発明のARCが以下でさらに詳細に説明する像様露光によって現像が可能となるように、少なくとも1個の不飽和化合物(すなわち2番目に列挙したコモノマー)中にカルボン酸および保護された酸基から選ばれる十分な官能基が存在しなければならない。2個だけのコモノマーを有するフッ素含有コポリマーの実施形態においては、コポリマー中の2個のコモノマーのモルパーセントは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)および2番目のコモノマーを、それぞれ、90%と10%〜10%と90%の範囲とすることができる。好ましくは、2個のコモノマーのモルパーセントは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)および2番目のコモノマーを、それぞれ、60%と40%〜40%と60%の範囲とする。
【0055】
本発明のフッ素含有コポリマーは、いくつかの実施形態に対して、列挙した2種類のコモノマー(すなわち、(i)エチレン性不飽和炭素原子に共有結合している少なくとも1個のフッ素原子を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物、および、(ii)構造式H〜Nの群から選択された少なくとも1個の不飽和化合物)以外に無制限で任意の整数個の追加のコモノマーを含有することができる。追加のコモノマーとして挙げることができる代表例としては、これらに限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、t−アミルアクリレート、t−アミルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、エチレン、酢酸ビニル、イタコン酸、およびビニルアルコール等がある。フッ素含有コポリマーを列挙した2種類のコモノマーを有し、かつ3個以上のコモノマーを含有する実施形態においては、2番目に列挙したコモノマー(すなわち、(ii)構造式H〜Nの群から選択される少なくとも1個の不飽和化合物)のモルパーセントは、約20モル%〜約80モル%の範囲、好ましくは、約30モル%〜約70モル%の範囲、より好ましくは、約40モル%〜約70モル%の範囲であり、さらに最も好ましいのは、約50モル%〜約70モル%である。コポリマーを構成する他の全てのコモノマーのモルパーセントの合計は、2番目に列挙したコモノマーのモルパーセントにその他すべてのコモノマーを加えたときのモルパーセントを加算すると全体で100%となるようなバランスをなす。2番目に列挙したコモノマー以外でコポリマー中に存在するその他すべてのコモノマーのモルパーセント和は、おおまかに、約80モル%〜約20モル%の範囲内である。好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約70モル%〜約30モル%の範囲内である。より好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約60モル%〜約30モル%の範囲内であり、そして、さらにより好ましくは、その他すべてのコモノマーのモルパーセントの和は、約50モル%〜約30モル%の範囲内である。フッ素含有ポリマーがターポリマーであるときは、フルオロモノマー(最初に列挙したモノマー)対追加のコモノマーの適当な比は、大まかに、5:95〜95:5の範囲とすることができる。フッ素含有コポリマーが、現像を可能にするために必要な十分量の酸基または保護された酸基の官能基を有する追加のコモノマーを含有するときは、2番目に列挙したコモノマー中にこの官能基はあってもよいしなくてもよく、制約はない。
【0056】
エチレン性不飽和炭素原子に結合している少なくとも1個のフッ素原子を有するコモノマーから誘導した繰返し単位を含有する、本発明のARC組成物の、ある所与のフッ素含有コポリマーは、フリーラジカル重合によって調製することができる。ポリマーは、アゾ化合物または過酸化物など、フリーラジカル開始剤を用いて、当業者に知られているバルク重合、溶液重合、懸濁またはエマルジョン重合の技術によって調製することができる。
【0057】
すべて環式コモノマー由来の繰返し単位のみを含み、かつエチレン性不飽和炭素原子に付着している1個以上のフッ素原子を有するコモノマー由来の繰返し単位を完全に欠く、本発明のARC組成物の、所与のフッ素含有コポリマーもまた、フリーラジカル重合によって調製することができるが、さらに、ビニル付加重合および開環メタセシス重合(ROMP)を含むその他の重合方法でも調製することができる。後者の重合方法は両方とも当業者には知られている。ニッケル触媒およびパラジウム触媒を使用するビニル付加重合は、以下の参照文献に記載されている;1)Okoroanyanwu U.; Shimokawa,T.; Byers,J.D.,Willson,C.G.J.Mol.Catal.A: Chemical 1998,133,93、2)B.F.Goodrichに与えられたPCT特許WO97/33198号(9/12/97)、3)Reinmuth,A.; Mathew,J.P.; Melia,J.; Risse,W.Macromol.Rapid Commun.1996,17,173、および、4)Breunig,S.; Risse,W.Macromol.Chem.1992,193,2915に開示されている。開環メタセシス重合は、ルテニウム触媒とイリジウム触媒を使用するものが上記参照文献1)と2)に、および5)Schwab,P.; Grubbs,R.H.; Ziller,J.W.J.Am.Chem.Soc.1996,118,100、および、6)Schwab,P.; France,M.B.; Ziller,J.W.; Grubbs,R.H.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1995,34,2039。
【0058】
フルオロモノマー(例えば、TFE)および環状オレフィン(例えば、ノルボルネン)を含有する本発明のレジスト組成物のフッ素含有ニポリマーのいくつかは、限定するものではないが、以下に示す構造を有する交互または交互に近い二ポリマーであるものと思われる。
【0059】
【化13】
【0060】
その場合、本発明は、これらの交互または交互に近いコポリマーを含むが、いかなる態様においても、交互コポリマー構造そのものに限定するものではない。
【0061】
これらのポリマーは、2000年3月20日公開のWO00/17712に記載されている。
【0062】
ポリマー(b)は保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであり、前記ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合した1個以上の分枝セグメントを含む。分枝状ポリマーは、少なくとも1個のエチレン性不飽和マクロマー成分および少なくとも1個のエチレン性不飽和コモノマーのフリーラジカル付加重合の間に形成することができる。エチレン性不飽和マクロマー成分は、数百と40,000との間の数平均分子量(Mn)を有し、重合から得られる直鎖状主鎖セグメントは約2,000と約500,000との間の数平均分子量(Mn)を有する。分枝セグメントに対する直鎖状主鎖の重量比は約50/1〜約1/10の範囲内であり、約80/20〜約60/40の範囲内であることが好ましい。一般的には、マクロマー成分は約500〜約40,000の数平均分子量(Mn)を有し、より一般的には約1,000〜約15,000である。一般的には、このようなエチレン性不飽和マクロマー成分は、マクロマー成分を形成するために用いられる約2〜約500のモノマー単位と同等の数平均分子量(Mn)を有し、一般的には30〜200のモノマー単位である。
【0063】
一般的な実施形態では、分枝状ポリマーは25〜100重量%の相溶性基、すなわち光酸発生剤との適合性を増大するために存在する官能基を、好ましくは約50〜100重量%、より好ましくは約75〜100重量%含有する。イオン光酸発生剤の適切な相溶性基としては、非親水性極性基と親水性極性基の両方が挙げられるが、これらに限定されない。適切な非親水性極性基としては、シアノ(−CN)およびニトロ(−NO2)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な親水性極性基としては、ヒドロキシ(OH)、アミノ(NH2)、アンモニウム、アミド、イミド、ウレタン、ウレイド、またはメルカプト;またはカルボン(CO2H)、スルホン、スルフィン、リン、もしくはリン酸またはそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。相溶性基は分枝セグメント中に存在することが好ましい。
【0064】
一般的には、(下記の)保護された酸基は紫外線または他の化学線への曝露後およびその後の曝露後加熱(すなわち、脱保護中)にカルボン酸基を生成する。本発明の感光性組成物中に存在する分枝状ポリマーは通常、保護された酸基を含有するモノマー単位を約3重量%〜約40重量%、好ましくは約5%〜約50%、より好ましくは約5%〜約20%含有することになる。このような好ましい分枝状ポリマーの分枝セグメントは通常、存在する保護された酸基の35%〜100%含有する。このような分枝状ポリマーは、完全に保護されていない場合(すべての保護された酸基は遊離酸基に変換)、約20〜約500、好ましくは約30〜約330、より好ましくは約30〜約130の酸価を有し、類似的にエチレン性不飽和マクロマー成分は好ましくは約20〜約650、より好ましくは約90〜約300の酸価を有するとともに、遊離酸基の大部分は分枝セグメント中にある。
【0065】
本発明の本態様の各感光性組成物は、櫛形ポリマーとしても知られ、保護された酸基を含有する分枝状ポリマーを含有する。分枝状ポリマーは、限られた分子量および直鎖状主鎖セグメントに対する限られた重量比のポリマーアームとして知られる分枝セグメントを有する。好ましい実施形態では、保護された酸基の大部分は分枝セグメント中に存在する。組成物は、その組成物に輻射エネルギー、特に電磁スペクトルの紫外線領域、最も特に遠紫外線または極紫外線領域における輻射エネルギーに対する反応性を付与する光酸発生剤などの成分も含有する。
【0066】
特定の実施形態では、分枝状ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合した1個以上の分枝セグメントを含み、この分枝状ポリマーは約500〜40,000の数平均分子量(Mn)を有する。分枝状ポリマーは少なくとも0.5重量%の分枝セグメントを含有する。分枝セグメントは、ポリマーアームとしても知られ、通常、直鎖状主鎖セグメントに沿ってランダムに分布している。「ポリマーアーム」または分枝セグメントは、共有結合によって直鎖状主鎖セグメントに付着されている少なくとも2個の繰返しモノマー単位のポリマーまたはオリゴマーである。分枝セグメント、またはポリマーアームは、マクロマーまたはコモノマーの付加重合工程中にマクロマー成分として分枝状ポリマーに組み入れることができる。本発明の目的のための「マクロマー」は、末端エチレン性不飽和重合可能基を含有する分子量の範囲が数百〜約40,000のポリマー、コポリマー、またはオリゴマーである。エチレン基でエンドキャップされた直鎖状ポリマーまたはコポリマーである。通常、分枝状ポリマーは1個以上のポリマーアームを有するコポリマーであり、重合工程において用いられるモノマー成分の約0.5〜約80重量%、好ましくは約5〜50重量%がマクロマーであるという点で特徴づけられる。通常、重合工程においてマクロマーとともに用いられるコモノマー成分は同様に、エチレン性不飽和マクロマーと共重合可能である単一のエチレン基を含有する。
【0067】
エチレン性不飽和マクロマーおよび分枝状ポリマーの得られる分枝セグメント、および/または分枝状ポリマーの主鎖は、それらに結合された1個以上の保護された酸基を有しうる。本発明のための「保護された酸基」は、脱保護されると、それに結合されるマクロマーおよび/または分枝状ポリマーの水性環境下での溶解性、膨潤性、または分散性を強化する遊離酸官能性を付与する官能基を意味する。保護された酸基は、それらの形成中または形成後のいずれかに、エチレン性不飽和マクロマーおよび分枝状ポリマーの得られる分枝セグメント、および/または分枝状ポリマーの主鎖に組み入れることができる。分枝状ポリマーを形成するには、マクロマーおよび少なくとも1個のエチレン性不飽和モノマーを用いた付加重合が好ましいが、付加または縮合反応のいずれかを用いた分枝状ポリマーを調製する既知の方法すべてを本発明において利用することができる。さらに、プリフォームされた主鎖および分枝セグメントまたはインサイツ重合セグメントのいずれかの使用も本発明に適用可能である。
【0068】
直鎖状主鎖セグメントに付着した分枝セグメントは、米国特許4,680,352号および米国特許第4,694,054号における一般の説明に従い調製されるエチレン性不飽和マクロマーから誘導することができる。マクロマーは触媒連鎖移動剤としてコバルト化合物、特にコバルト(II)化合物を使用するフリーラジカル重合法によって調製される。コバルト(II)化合物は、ペンタシアノコバルト(II)化合物または隣接するイミノバイドロキシイミノ化合物のコバルト(II)キレート化合物、ジヒドロキシイミノ化合物、ジアザジヒドロキシイミノジアルキルデカジエン、ジアザジヒドロキシイミノジアルキルウンデカジエン、テトラアザテトラアルキルシクロテトラデカテトラエン、ビス(ジフルオロボリル)ジフェニルグリオキシマト、ビス(ジフルオロボリル)ジメチルグリオキシマト、N,N’−ビス(サリチルデン)エチレンジアミン、ジアルキルジアザジオキソジアルキルドデカジエン、またはジアルキルジアザジオキソ字アルキルデカジエンであってよい。低分子量のメタクリレートマクロマーも米国特許第4,722,984号に開示されたペンタシアノコバルト(II)触媒連鎖移動剤で調製することができる。
【0069】
この方法を用いる例示的なマクロマーは、アクリレートとともにメタクリレートポリマーまたは他のビニルモノマーであり、そのポリマーまたはコポリマーは末端エチレン基および親水性官能基を有する。マクロマーの調製用に好ましいモノマー成分としては、三級ブチルメタクリレート(tBMA)、三級ブチルアクリレート(tBA)、メチルメタクリレート(MMA);エチルメタクリレート(EMA);ブチルメタクリレート(BMA);2−エチルへキシルメタクリレート;メチルアクリレート(MA);エチルアクリレート(EA);ブチルアクリレート(BA);2−エチルへキシルアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA);メタクリル酸(MA);アクリル酸(AA);エステル基が1〜18個の炭素原子を含有するアクリル酸およびメタクリル酸のエステル;アクリル酸およびメタクリル酸の二トリルおよびアミド(例えば、アクリロ二トリル);グリシジルメタクリレートおよびアクリレート;イタコン酸(IA)およびイタコン酸無水物(ITA)、ハーフエステルおよびイミド;マレイン酸およびマレイン酸無水物、ハーフエステルおよびイミド;アミノエチルメタクリレート;t−ブチルアミノエチルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジエチルアミノエチルメタクリレート;アミノエチルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレート;アクリルアミド;N−t−オクチルアクリルアミド;ビニルメチルエーテル;スチレン(STY);α−メチルスチレン(AMS);ビニルアセテート;塩化ビニル;等が挙げられる。
【0070】
イタコン酸無水物(ITA、2−メチレンコハク酸無水物、CAS番号=2170−03−8)は、無水物の形で2個の活性官能基を有し、開環と同時に3つとなり二価酸を付与するため、分枝状ポリマー用に特に有利なコモノマーである。エチレン性不飽和部分は、このコモノマーが、例えば、フリーラジカル重合によってコポリマーに組み入れられる能力を提供する第1の官能基である。無水物部分は、種々の他の官能基と反応し、共有結合生成物を産することが可能である第2の官能基である。無水物部分が反応しうる官能基の例が、エステル結合を形成するアルコール中のヒドロキシ基である。ITAの無水物部分のヒドロキシ基との反応と同時に、エステル結合、および第3の官能基である遊離カルボン酸部分が形成される。カルボン酸官能基は、本発明のレジストに水性加工性を付与することにおいて有用である。ヒドロキシ基を有するPAGを利用する場合は、一部の実施例に例示されているいるように、このタイプのエステル結合(またはアミド等など他の共有結合)によってITAコモノマー等からなる分枝状ポリマーにPAG(または他の感光性成分)を共有結合(固定)することが可能である。
【0071】
分枝状ポリマーは任意の従来の付加重合法によって調製することができる。分枝状ポリマー、または櫛形ポリマーは、1個以上の適合性のエチレン性不飽和マクロマー成分および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和コモノマー成分で調製することができる。好ましい付加重合可能なエチレン性不飽和コモノマー成分はアクリレート、メタクリレート、およびスチレン系のほか、それらの混合物である。適切な付加重合可能なエチレン性不飽和コモノマー成分としては、三級ブチルメタクリレート(tBMA)、三級ブチルアクリレート(tBA)、メチルメタクリレート(MMA);エチルメタクリレート(EMA);ブチルメタクリレート(BMA);2−エチルへキシルメタクリレート;メチルアクリレート(MA);エチルアクリレート(EA);ブチルアクリレート(BA);2−エチルへキシルアクリレート;2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA);メタクリル酸(MMA);アクリル酸(AA);アクリロニトリル(AN);メタクリルオニトリル(MAN);イタコン酸(IA)およびイタコン酸無水物(ITA)、ハーフエステルおよびイミド;マレイン酸およびマレイン酸無水物、ハーフエステルおよびイミド;アミノエチルメタクリレート;t−ブチルアミノエチルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート;ジエチルアミノエチルメタクリレート;アミノエチルアクリレート;ジメチルアミノエチルアクリレート;ジエチルアミノエチルアクリレート;アクリルアミド;N−t−オクチルアクリルアミド;ビニルメチルエーテル;スチレン(S);α−メチルスチレン;ビニルアセテート;塩化ビニル;等が挙げられる。共重合可能なモノマーの大部分は、アクリレートもしくはスチレン系またはアクリレートおよび他のビニルモノマーとともにこれらのモノマーのコポリマーでなければならない。
【0072】
本発明の分枝状ポリマーの各成分の直鎖状主鎖セグメントおよび/または分枝セグメントは種々の官能基を含有する。「官能基」は、直接原子価または結合基によって主鎖セグメントまたは分枝セグメントに付着可能な任意の部分であるとみなす。主鎖セグメントまたは分枝セグメントによって生じうる官能基の例示は、−COOR24;−OR24;R24が水素、炭素原子を1〜12個を有するアルキル基でありうる−SR24;炭素原子が3〜12個のシクロアルキル基;炭素原子を6〜14個有するアリール、アルカリール、またはアラルキル基;炭素原子を3〜12個含有し、S、O、N、またはP原子を追加的に含有する複素環式基;またはR27が炭素原子1〜12個のアルキル、炭素原子を6〜14個有するアリール、アルカリール、またはアラルキル基でありうる−OR27;−CN;−N R25R26または
【0073】
【化14】
【0074】
[式中、R25およびR26は水素、炭素原子を1〜12個を有するアルキル基;炭素原子を3〜12個を有するシクロアルキル基;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、アラルキルでありうる。;R28が水素、炭素原子1〜12個のアルキルである−CH2OR28;またはR25およびR26が共に炭素原子を3〜12個有し、S、N、O、またはPを含有する複素環を形成しうる];
【0075】
【化15】
【0076】
[式中、R29、R30、およびR31が水素、炭素原子1〜12個のアルキル、または炭素原子3〜12個のシクロアルキル;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、アラルキル、もしくは−COOR24、または一緒になって、R29、R30、およびR31が環式基を形成しうる;−SO3H;ウレタン基;イソシアネートまたはブロックイソシアネート基;尿素基;オキシラン基;アジリジン基;キノンジアジド基;アゾ基;アジド基;ジアゾニウム基;アセチルアセトキシ基;R32、R33、R34が炭素原子1〜12個または炭素原子3〜12個ののシクロアルキルを有するアルキルでありうる−SiR32R33R34、またはR35が炭素原子1〜12個または炭素原子3〜12個の−OR35;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、またはアラルキル;または−OSO3R36、−OPO2R36、−PO2R36、−PR36R37R38、OPOR36、−S R36R37、または−N+R36R37R38基(R36、R37、およびR38が水素、炭素原子1〜12個のアルキル、または炭素原子3〜12個のシクロアルキル;炭素原子6〜14個のアリール、アルカリール、またはアラルキル;または前記のいずれかの塩またはオニウム塩である]。好ましい官能基は、−COON、−OH、−NH2、アミド基、ビニル基、ウレタン基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、またはそれらの組合せである。官能基は分枝状ポリマー上のどこにでも位置しうる。しかし、時には、分枝状ポリマーの直鎖状主鎖セグメントにバルクポリマーの特性を付与するコモノマー、および親水性に加えて溶解性、反応性等の物理的および化学的官能性を分枝セグメントに付与するマクロマーを選択することが望ましい。
【0077】
本発明の一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、光酸発生剤と適合性である官能基を含有し、該官能基は、官能基の25〜100%が大部分の保護された酸基を含有する分枝状ポリマーのセグメント中に存在するように分枝状ポリマーに分布している。これらの官能基は、保護された酸基の大部分を有するセグメントされた分枝状ポリマーと光酸発生剤との適合性を増強したことによって、高いフォトスピードやおそらく高い解像度および/またはこれらの官能基を有するこれらの分枝状ポリマーからなるレジストの所望の特性が得られ、適合性を促進するため望ましい。トリアリルスルホニウムなどのイオンPAGのために、適合性を促進する官能基としては、極性非親水性基(例えば、ニトロまたはシアノ)および極性親水性基(例えば、ヒドロキシ、カルボキシル)が挙げられるが、これらに限定されない。下記の構造式IIIなどの非イオンPAGのために、適合性を付与する好ましい官能基は、上記の極性基よりも極性が低い。後者の場合、適切な官能基としては、非イオンPAGのそれらに同様の化学的および物理的特性を付与する基が挙げられるが、これらに限定されない。2個の具体的な例である芳香族およびパーフルオロアルキル官能基は、下記の構造式IIIなどの非イオンPAGとの分枝状ポリマーの適合性を促進することにおいて有効である。
【0078】
一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、少なくとも60重量%アクリレートであり、第1の位置または第2の位置のいずれかに存在するメタクリレート繰返し単位の少なくとも60%を有し、第1の位置がセグメント(すなわち、分枝セグメントまたは直鎖状主鎖セグメント)の1個であり、第2の位置が第1の位置と異なるセグメントであり、アクリレート繰返し単位の少なくとも60%が第2の位置に存在するアクリル系/メタクリル系/スチレン系コポリマーである。
【0079】
一部の実施形態では、分枝状ポリマーは、エチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有グラフトコポリマーである。少なくとも1個のフッ素原子を有する繰返し単位は、直鎖状ポリマー主鎖セグメントまたは分枝ポリマーセグメントのいずれかでありうるが、好ましくは、直鎖状ポリマー主鎖セグメントである。本発明のフッ素含有グラフトコポリマーに適した代表的なエチレン性不飽和化合物としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のフッ素含有コポリマーは、上記のものを含むが、それらに限定されない任意の整数の追加のフッ素含有コモノマーからなりうる。好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2である。より好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびRfが炭素原子1〜約10個の不飽和パーフルオロアルキル基であるRfOCF=CF2である。最も好ましいコモノマーは、テトラフルオロエチレンおよびクロロトリフルオロエチレンである。
【0080】
一部の好ましい実施形態では、フッ素含有グラフトコポリマーはさらに、上記のポリマーについて示した構造物からなる群より選択される少なくとも1個の不飽和化合物由来の繰返し単位からなる。
【0081】
本発明の1個の実施形態では、PAGがフッ素含有グラフトコポリマーに共有結合(すなわち、固定)され、ARCを産する。
【0082】
一部の好ましい実施形態では、分枝状ポリマーは、構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。]を有するフルオアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーである。
【0083】
本発明によるフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含む所与のフッ素含有分枝状コポリマーは、フルオロアルコール官能基の一部として存在するフルオロアルキル基を有しうる。これらのフルオロアルキル基は、部分的にフッ化アルキル基または完全にフッ化アルキル基(すなわち、パーフルオロアルキル基)でありうるRfおよびRf’として示される。大まかには、RfおよびRf’は1〜約10個の炭素原子の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。(最後の文における「一緒になった」という語は、RfおよびRf’が分離した個別的なフッ化アルキル基ではなく、それらが共に5員環の場合に以下に示すような環構造を形成することを示す:
【0084】
【化16】
【0085】
RfおよびRf’は、ヒドロキシルプロトンが実質的に、水性水酸化ナトリウム溶液または水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液などの基礎媒体で除去されるように、フルオロアルコール基のヒドロキシル(OH)に酸度を付与するに十分な程度のフッ化が存在する必要があることを除き、本発明による制限なしに部分的にフッ化アルキル基でありうる。本発明による好ましい場合では、ヒドロキシル基が以下のようにpKaを有するようにフルオロアルコール官能基にフッ化アルキル基に十分なフッ素置換が存在する:5<pKa<11。好ましくは、RfおよびRf’は独立に1〜5個の炭素原子のパーフルオロアルキル基であり、最も好ましくは、RfおよびRf’は両方ともトリフルオロメチル(CF3)である。好ましくは、本発明による各フッ素含有コポリマーは157nmの波長で4.0μm−1未満の吸収係数を有し、好ましくは、同波長で3.5μm−1未満であり、より好ましくは、同波長で3.0μm−1未満である。
【0086】
フッ化ポリマー、ARC、およびフルオロアルコール官能基を含む本発明の方法は構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nであり;かつZは酸素、硫黄、窒素、亜リン酸、他のVA族元素、および他のVIA族元素からなる群より選択される。]を有しうる。「他のVA族元素」および「他のVIA族元素」という語によって、これらの語がここではこれらの群の開示元素(すなわち、酸素、硫黄、窒素、亜リン酸)以外の周期表のこれらの族の1個における任意の他の元素を意味すると理解される。酸素が好ましいZ群である。
【0087】
フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である代表的なコモノマーの例示的であるが、非限定的な一部の例を以下に示す:
【0088】
【化17】
【0089】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、構造式:
【0090】
【化18】
【0091】
を有するエチレン性不飽和化合物がコポリマー(a1)に関して上述されている。
【0092】
少なくとも1個のフルオロアルコール群(c)を有するフルオロポリマーは:
(c1)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有ポリマーと;
(c2)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が環式または多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有し、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c3)フッ素含有コポリマーであって:
(i)2個のエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも3個のフッ素原子を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むフッ素含有コポリマーと;
(c4)構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;Zは元素周期表(CAS版)のVA族、および他のVIA族から選択される元素であり、通常、Zは硫黄、酸素、窒素、または亜リン酸原子である。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c5)構造式:
【0093】
【化19】
【0094】
[式中、R40、R41、R42、およびR43のそれぞれが独立に水素原子、ハロゲン原子、1〜10個の炭素原子を含有する炭化水素基、O、S、N、P、またはハロゲンで置換され、1〜12個の炭素原子、例えば、アルコキシ基、カルボン酸、カルボン酸エステル、または構造式:
−C(Rf)(Rf’)OR44
(式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;R44は水素原子、または酸もしくは塩基に不安定な保護基である。)を含有する官能基を有する炭化水素基であり;vはポリマー中の繰返し単位の数であり、wは0〜4であり;繰返し単位の少なくとも1個は、R40、R41、R42、およびR43の少なくとも1個が構造式−C(Rf)(Rf’)OR44、例えば、R40、R41、およびR42が水素原子であり、R43がCH2OCH2C(CF3)2OCH2CO2C(CH3)3であって、ここでCH2CO2C(CH3)3が酸もしくは塩基に不安定な保護基であり、またはR43がOCH2C(CF3)2OCH2CO2C(CH3)3であって、ここでOCH2CO2C(CH3)3が酸もしくは塩基に不安定な保護基である。]を含むフッ素含有ポリマーと;
(c6)ポリマーであって:
(i)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R45)C=C(R46)(CN)
[式中、R45は水素原子またはCN基であり;R46はC1〜C8アルキル基、水素原子、またはCO2R47基であって、R47がC1〜C8アルキル基または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと、からなる群より選択される。
【0095】
フルオロポリマーまたはコポリマーは、フルオロアルコール基の一部として存在し、コポリマー(b)に関して上述したフルオロアルキル基を有しうるフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の(下記の)繰返し単位を含む。これらのフルオロアルキル基は上述した通りRfおよびRf’で示される。
【0096】
ポリマー業界の技術者にはよく知られているように、エチレン性不飽和化合物はフリーラジカル重合するとエチレン性不飽和化合物から誘導された繰返し単位を有するポリマーを与える。具体的には、構造式:
【0097】
【化20】
【0098】
を有するエチレン性不飽和化合物がコポリマー(a1)に関して上述されている。
【0099】
本発明による各フッ素含有コポリマーは、157nmの波長で4.0μm−1未満の吸収係数を有し、好ましくは、同波長で3.5μm−1未満であり、より好ましくは、同波長で3.0μm−1未満であり、さらにより好ましくは、同波長で2.5μm−1未満である。
【0100】
フルオロアルコール官能基を含む本発明のフッ化ポリマーは構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りであり;Zは上述した通りである。]を有しうる。
【0101】
フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である代表的なコモノマーの例示的であるが、非限定的な一部の例を以下に示す:
【0102】
【化21】
【0103】
最初に架橋が得られ、その後に開裂されうる(例えば、強酸への曝露と同時に)様々な二官能性化合物も本発明のコポリマーのコモノマーとして有用である。例示的であるが、非限定的な例として、二官能性コモノマーNB−F−OMOMO−F−NBは本発明のコポリマーにおけるコモノマーとして望ましい。このコモノマーおよび同様の二官能性コモノマーは、本発明のARC組成物のコポリマー成分中に存在すると、分子量が高く、架橋材料が軽いコポリマーを産することができる。ARC組成物は、二官能性モノマーからなるこれらのコポリマーを組み入れると、露光(以下で説明される強酸を光化学的に発生する)と同時に、二官能性基の開裂をもたらし、その結果、分子量がきわめて顕著に低下し、これらの因子により現像および画像形成特性の大幅な改善(例えば、コントラストの改善)が得られるため、現像および画像形成特性の改善が得られる。これらのフルオロアルコール基およびそれらの実施形態は、より詳しく上述され、2000年4月28日出願のPCT/US00/11539で記載されている。
【0104】
ニトリル/フルオロアルコールポリマー中に存在するニトリル官能性の少なくとも一部分は、少なくとも1個のニトリル基を有するとともに、構造式:
(H)(R48)C=C(R49)(CN)
[式中、R48は水素原子またはシアノ基(CN)であり;R49は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R50が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R50、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位の組入れから得られる。アクリロニトリル、メタクリルオニトリル、フマルオニトリル(トランス−1,2−ジシアノエチレン)、およびマレオニトリル(シス−1,2−ジシアノエチレン)が好ましい。アクリロニトリルが最も好ましい。
【0105】
ニトリル/フルオロアルコールポリマーは、一般的に、約10〜約60モルパーセントのニトリル/フルオロアルコールポリマー中に存在するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位、および約20〜約80モルパーセントのポリマー中に存在する少なくとも1個のニトリル基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を有するという点で特徴づけられる。低い吸収係数値を達成することに関してより一般的なニトリル/フルオロアルコールポリマーは、ポリマーの主鎖の少なくとも一部分を作るニトリルを含有する比較的少量の繰返し単位とともに、少なくとも45モルパーセント以下、さらにより一般的には少なくとも30モルパーセント以下のポリマー中に存在するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を有するという点で特徴づけられる。
【0106】
一実施形態では、ポリマーは少なくとも1個の保護官能基を含む。少なくとも1個の保護官能基の官能基は通常、酸性官能基および塩基性官能基からなる群より選択される。保護官能基の官能基の非限定的な例は、カルボン酸およびフルオロアルコールである。
【0107】
別の実施形態では、ニトリル/フルオロアルコールポリマーは脂肪族多環官能性を含みうる。この実施形態では、脂肪族多環式官能性を含有するニトリル/フルオロアルコールポリマーの繰返し単位の割合は、約1〜約70モルパーセントであり;好ましくは、約10〜約55モルパーセントであり;より一般的には、約20〜約45モルパーセントである。
【0108】
ニトリル/フルオロアルコールポリマーは、好ましくは、ニトリル/フルオロアルコールポリマー中に芳香族官能性が存在しないという条件つきで、本明細書で具体的に言及されたものの範囲を超えて追加の官能基を含有しうる。これらのポリマー中の芳香族官能性の存在は、それらの透明度を減じ、ディープおよび極UV領域においてあまりにも強く吸収し、これらの波長で画像形成される層における使用に適切であることがわかっている。
【0109】
一部の実施形態では、ポリマーは直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝セグメントを含む分枝状ポリマーである。分枝状ポリマーは、少なくとも1個のエチレン性不飽和マクロマー成分および少なくとも1個のエチレン性不飽和コモノマーのフリーラジカル付加重合中に形成されうる。分枝状ポリマーは、任意の従来の付加重合法によって調製することができる。分枝状ポリマー、または櫛形ポリマーは、1個以上の適合性のエチレン性不飽和マクロマー成分および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和マクロマー成分、および1個以上の適合性の従来のエチレン性不飽和モノマー成分で調製することができる。一般的には、付加重合可能なエチレン性不飽和モノマー成分は、アクリロニトリル、メタクリルオニトリル、フマルオニトリル、マレオニトリル、保護および/または非保護不飽和カルボン酸である。このタイプの分枝状ポリマーの構造および製造方法は、ポリマータイプ(b)について上述されており、WO00/25178に記載されている。
【0110】
少なくとも1個のフルオロアルコールを有するフルオロポリマーはさらに、エチレン、α−オレフィン、1,1’−二置換オレフィン、ビニルアルコール、ビニルエーテル、および1,3−ジエンからなる群より選択されるスペーサー基(spacer group)を含みうる。
【0111】
ポリマー(d)は、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)またはX=FまたはCF3およびY=−HであるCX2=CY2である非晶質ビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)およびCX2=CY2である非晶質ビニルコポリマーを含み、前記ホモポリマーまたはコポリマーは任意選択で、R51、R52、R53のそれぞれが独立にHまたはFから選択され、R54が−F、−CF3、−OR55からなる群より選択され、ここでR55がn=1〜3のCnF2n+1、−OH(R53=Hの場合)、およびCl(R51、R52、およびR53=Fの場合)である、1個以上のコモノマーCR51R52=CR53R54を含有する。ポリマー(d)は追加的に、1:2〜2:1の比でCH2=CHCF3およびCF2=CF2、1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCF2=CFCl、1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCClH=CF2、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、非晶質であるフッ化ビニリデンとともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、およびパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)のホモポリマーからなる群より選択される非晶質ビニルコポリマーを含みうる。
【0112】
これらのポリマーは、フルオロポリマーについて当技術分野で周知の重合法によって製造された。ポリマーのすべては、モノマー、不活性流体(CF2ClCCl2F、CF3CFHCFHCF2CF3、または二酸化炭素など)、およびHFPOダイマー過酸化物1またはPerkadox(登録商標)16Nなど可溶性フリーラジカル開始剤を冷却高圧がまに封着し、次いで
【0113】
【化22】
【0114】
を適宜加熱して重合を開始することによって製造することができる。HFPOダイマー過酸化物1については、室温(約25℃)が好都合な温度であるが、Perkadox(登録商標)については、60〜90℃の温度を用いることができる。モノマーおよび重合温度に応じて、圧力は気圧から500psi以上まで変動しうる。次いで、ポリマーは不溶性沈殿物として形成された場合にはろ過によって、または反応混合物中に可溶性の場合には蒸発または沈殿によって単離することができる。多くの場合、明らかに乾燥したポリマーは依然として相当の溶剤および/または未反応モノマーを保持しており、好ましくは窒素ブリード下に真空オーブン中でさらに乾燥させなければならない。ポリマーの多くは、脱イオン水、アンモニウム過硫酸塩またはVazo(登録商標)56WSPなどの開始剤、モノマー、アンモニウムパーフルオロオクタン酸塩などの界面活性剤、またはメチルセルロースなどの分散剤を冷却高圧がまで封着、加熱して重合を開始させることによって達成される水性エマルジョン重合によっても製造することができる。ポリマーは、形成されたエマルジョンの遮断、ろ過、および乾燥によって単離することができる。すべての場合に、反応混合物から酸素を除外するべきである。クロロホルムなどの連鎖移動剤を添加して分子量を低下させることができる。
【0115】
置換または非置換ビニルエーテルで調製されたニトリル/フルオロアルコール含有ポリマー(e)は:
(e1)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基を含み、かつ構造式:
CH2=CHO−R56
[式中、R56は炭素原子を1〜12個有するアルキル基、炭素原子を6〜約20個有するアリール、アラルキル、またはアルカリール基であり、または前記基はS、O、N、またはP原子で置換されている。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、または水素原子であるCO2R59である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと;
(e2)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基およびフルオロアルコール官能基を含み、並びに構造式:
C(R60)(R61)=C(R62)−O−D−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、R60、R61、およびR62は独立に水素原子、炭素原子1〜約3個の範囲のアルキル基であり;Dは酸素原子を通じてフルオロアルコール官能基の炭素原子にビニルエーテルを結合する少なくとも1個の原子であり;RfおよびRf’は上述した通りである。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R59、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと、を含む。
【0116】
ポリマー(c6)について、フルオロアルコール基および実施形態がより詳しく上述されている。フルオロアルコール官能基を含有し、本発明の範囲内である一般的構造式(下記)の範囲内であるビニルエーテルモノマーの例示的であるが、非限定的である一部の例を以下に示す:
【0117】
【化23】
【0118】
ポリマー(c6)について、ニトリル基およびその実施形態、およびニトリルおよびフルオロアルコール基およびその実施形態で製造された直鎖状および分枝状ポリマーもより詳しく上述、言及されている。
【0119】
これらのポリマーは、全組成物(固体)の重量に基づき、約10〜約99.5重量%の量で存在しうる。
【0120】
(他の成分)
本発明の組成物は任意の追加成分を含有しうる。添加しうる追加成分の例としては、付着促進剤、減残留物剤、コーティング助剤、可塑剤、およびTg(ガラス転移温度)調整剤が挙げられる。
【0121】
(フォトレジスト層)
要素はさらにフォトレジスト層を含みうる。フォトレジスト層は通常、ポリマーおよび光活性成分(PAC)を含む。任意選択で、組成物中に分解抑制剤が存在しうる。例えば、2000年3月20日公開のWO00/17712、2000年5月4日公開のWO00/25178に開示された周知のフォトレジスト層が本発明において有用である。
【0122】
(フォトレジスト画像を形成するための方法)
本発明は、支持部と、フォトレジスト層と、反射防止層とを有するフォトレジスト要素の改善されたリソグラフィパターニングのための方法であり;
(Y)フォトレジスト要素を像様露光し、画像形成部分および非画像形成部分を形成する工程であって、反射防止層が概要を上述したポリマー(a)〜(e)の少なくとも1個を含む組成物で調製される工程と;
(Z)画像形成部分および非画像形成部分を有する露光フォトレジスト要素を現像し、基板上にレリーフ画像を形成する工程と、をも提供する。
【0123】
(像様露光)
フォトレジスト要素は、反射防止層を有する基板上にフォトレジスト組成物を塗布し、乾燥させ、溶剤を除去することによって調製される。こうして形成されるフォトレジスト層は電磁スペクトルの紫外線領域、特に365nm以下の波長に対して感光性である。本発明のレジスト組成物の像様露光は、365nm、248nm、193nm、157nm、およびそれ以下の波長を含むが、これらに限定されない多くの異なるUV波長で行うことができる。像様露光は、248nm、193nm、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることが好ましく、193nm、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることがより好ましく、157nm、またはそれ以下の波長の紫外線で行われることが最も好ましい。像様露光は、レーザーまたは同等の装置によるデジタル式、またはフォトマスクを用いた非デジタル式のいずれかで行うことができる。レーザーによるデジタル画像形成が好ましい。本発明の組成物のデジタル画像形成用の適切なレーザー装置としては、193nmでのUV出力によるアルゴン−フッ素エキシマレーザー、248nmでのUV出力によるクリプトン−フッ素エキシマレーザー、および157nmでの出力によるフッ素(F2)レーザーが挙げられるが、これらに限定されない。以下に記載する通り、像様露光用に低波長のUV光の使用は高解像度(低解像限界)に対応するため、低波長(例えば、193nmまたは157nm以下)の使用が、高波長(例えば、248nm以上)の使用よりも一般に好ましい。
【0124】
(現像)
反射防止層およびレジスト組成物の成分は、UV光に対する像様露光後の現像のために十分な官能性を含有する必要がある。通常、官能性は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、または水酸化アンモニウム溶液などのベースデベロッパを用いて水性現像が可能であるように酸または保護酸である。
【0125】
本発明の反射防止層およびレジスト組成物中のポリマーは通常、構造単位:−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は上述した通りである。]の少なくとも1個のフルオロアルコール含有モノマーからなる酸含有材料である。所与の組成物の酸性フルオロアルコール基のレベルは、水性アルカリデベロッパ中で良好な現像のために必要な量を最適化することによって測定される。
【0126】
水性処理可能な層を基板上にコーティングし、または塗布し、UV光に像様露光すると、反射防止層およびフォトレジスト組成物の現像は、ポリマー材料が露光と同時に少なくとも部分的に脱保護され、水性アルカリデベロッパ中で処理可能な反射防止層およびフォトレジスト(または他のフォトイメージアブル組成物)付与する十分な酸基(例えば、フルオロアルコール基)および/または保護された酸基を含有することが必要とされる。ポジティブ作用性フォトレジスト層の場合、反射防止層およびフォトレジスト層は、UV照射に曝露されている部分の現像中に除去されるが、0.262Nの水酸化テトラメチルアンモニウムを含有する完全水溶液など水性アルカリ液体による現像中(通常、120秒以下、25℃での現像)に非露光部分の実質的な影響はない。ネガティブ作用性フォトレジスト層の場合、反射防止層およびフォトレジスト層はUV照射に曝露されていない部分の現像中に除去されるが、臨界流体または有機溶剤のいずれかを用いた現像中に露光部分の実質的な影響はない。
【0127】
ここで用いる臨界流体は、その臨界温度の近くまたはそれ以上の温度に加熱され、その臨界圧の近くまたはそれ以上の圧力に圧縮された1個以上の物質である。本発明における臨界流体は、流体の臨界温度以下の15℃よりも少なくとも高い温度下、および流体の臨界圧以下の5気圧よりも少なくとも高い圧力下にある。本発明における臨界流体用に二酸化炭素を用いることができる。様々な有機溶剤も本発明におけるデベロッパとして用いることができる。これらのものとしては、ハロゲン化溶剤および非ハロゲン化溶剤が挙げられるが、これらに限定されない。ハロゲン化溶剤が一般的であり、フッ化溶剤がより一般的である。
【0128】
(基板)
本発明において使用される基板は例示的にケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または半導体製造において用いられる他の様々な材料でありうる。
Claims (16)
- 支持部と、少なくとも1つの反射防止層とを含む要素であって、前記反射防止層が、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝セグメントを含む分枝状ポリマー;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロアルコール基を有するフルオロポリマー;
(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマー;および
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーからなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む組成物で調製されることを特徴とする要素。 - フォトレジスト層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(a)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有するという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(a)が、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、およびパーフルオロアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1個の原子または基を有する少なくとも1個の多環式エチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーであって、少なくとも1個の原子または基が、環構造内に含まれる炭素原子に共有結合され、かつ少なくとも1個の共有結合された炭素原子によってエチレン性不飽和化合物の各エチレン性不飽和炭素原子から分離されるという点で特徴づけられるコポリマーであることを特徴とする請求項3に記載の要素。
- 前記ポリマー(b)が保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、前記ポリマーが直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝セグメントを含むことを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(c)が:
(c1)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有ポリマーと;
(c2)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が環式または多環式であり、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物がエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも1個のフッ素原子を含有し、かつ少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が
構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c3)フッ素含有コポリマーであって:
(i)2個のエチレン性不飽和炭素原子に共有結合された少なくとも3個のフッ素原子を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nである。]を有するフルオロアルコール官能基からなるエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むフッ素含有コポリマーと;
(c4)構造式:
−ZCH2C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nであり;かつZは元素周期表のVA族、またはVIA族からの元素である。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマーと;
(c5)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OR44
(式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜10の(CF2)nであり;R44は水素原子、または酸もしくは塩基に不安定な保護基である。)を含有する官能基であり;vはポリマー中の繰返し単位の数であり、wは0〜4であり;繰返し単位の少なくとも1個は、R40、R41、R42、およびR43の少なくとも1個が構造式C(Rf)(Rf’)OR44を含有する構造を有する。]を含むフッ素含有ポリマーと;
(c6)ポリマーであって:
(i)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有するフルオロアルコール官能基を含有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(iii)構造式:
(H)(R45)C=C(R46)(CN)
[式中、R45は水素原子またはCN基であり;R46はC1〜C8アルキル基、水素原子、またはCO2R47基であって、R47がC1〜C8アルキル基または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと
からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の要素。 - 前記ポリマー(c)がエチレン、α−オレフィン、1,1’−二基置換オレフィン、ビニルアルコール、ビニルエーテル、および1,3−ジエンからなる群より選択されるスペーサー基(spacer group)をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の要素。
- 前記ポリマー(d)が、1個以上のコモノマーCR51R52=CR53R54をさらに含み、R51、R52、R53のそれぞれが独立してHまたはFから選択され、R54が−F、−CF3、−OR55からなる群より選択され、R55はn=1〜3のCnF2n+1、−OH(R53=Hの場合)、およびCl(R51、R52、およびR53=Fの場合)であることを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(d)が、1:2〜2:1の比でCH2=CHCF3およびCF2=CF2;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCF2=CFCl;1:2〜2:1の比でCH2=CHFおよびCClH=CF2;パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);非晶質であるフッ化ビニリデンとともに任意の比でパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン);およびパーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)のホモポリマーからなる群より選択される非晶質ビニルコポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(e)が、
(e1)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基を含み、かつ構造式:
CH2=CHO−R56
[式中、R56は炭素原子1〜約20個の置換もしくは非置換アルキル、アリール、アラルキル、またはアルカリール基である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R59、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと;
(e2)ポリマーであって:
(i)ビニルエーテル官能基およびフルオロアルコール官能基を含み、並びに構造式:
C(R60)(R61)=C(R62)−O−D−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、R60、R61、およびR62は独立に水素原子、炭素原子1〜約3個の範囲のアルキル基であり;Dは酸素原子を通じてフルオロアルコール官能基の炭素原子にビニルエーテル官能基を結合する少なくとも1個の原子であり;RfおよびRf’は炭素原子を1〜約10個含有する同一もしくは異なるフルオロアルキル基、または一緒になったnが2〜約10の範囲の整数の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(ii)構造式:
(H)(R57)C=C(R58)(CN)
[式中、R57は水素原子またはシアノ基であり;R58は炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基、R59が炭素原子1〜約8個の範囲のアルキル基であるCO2R59、または水素原子である。]を有する少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位と;
(iii)酸性基を含む少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位とを含むポリマーと
からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の要素。 - 前記ポリマー(a)〜(e)が約157nmの波長で約4μm−1未満の吸収係数を有することを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記ポリマー(a)〜(e)が約157nmの波長で約3.5μm−1未満の吸収係数を有することを特徴とする請求項1に記載の要素。
- 前記フォトレジスト層がフッ素含有ポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の要素。
- 支持部と、フォトレジスト層と、
(a)少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物が多環式であるという点で特徴づけられる少なくとも1個のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むフッ素含有コポリマー;
(b)保護された酸基を含有する分枝状ポリマーであって、直鎖状主鎖セグメントに沿って化学的に結合された1個以上の分枝セグメントを含む分枝状ポリマー;
(c)構造式:
−C(Rf)(Rf’)OH
[式中、RfおよびRf’は炭素原子1〜約10個の同一もしくは異なるフルオロアルキル基であり、または一緒になったnが2〜約10の(CF2)nである。]を有する少なくとも1個のフルオロアルコール基を有するフルオロポリマー;
(d)パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールもしくはCX2=CY2[式中Xが−F、または−CF3であり、YがHである]の非晶質のビニルホモポリマー、またはパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールおよびCX2=CY2の非晶質のビニルコポリマー;および
(e)置換または非置換ビニルエーテルで調製されるニトリル/フルオロアルコール含有ポリマーからなる群より選択される少なくとも1個のポリマーを含む反射防止層とを有するフォトレジスト要素の改善されたリソグラフィパターニングの方法であって、
(Y)フォトレジスト要素を像様露光し、画像形成部分および非画像形成部分を形成する工程と;
(Z)画像形成部分および非画像形成部分を有する露光フォトレジスト要素を現像し、基板上にレリーフ画像を形成する工程と
を含むことを特徴とする方法。 - 前記ポリマー(a)〜(e)が約157nmの波長で約4μm−1未満の吸収係数を有することを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記フォトレジスト層が溶剤を含む組成物で調製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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