JP2000249804A - 反射防止性基材およびそれを用いた物品 - Google Patents

反射防止性基材およびそれを用いた物品

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JP2000249804A
JP2000249804A JP11047220A JP4722099A JP2000249804A JP 2000249804 A JP2000249804 A JP 2000249804A JP 11047220 A JP11047220 A JP 11047220A JP 4722099 A JP4722099 A JP 4722099A JP 2000249804 A JP2000249804 A JP 2000249804A
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transparent
polymer
fluorine
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JP11047220A
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English (en)
Inventor
Fumiko Kawasato
史子 河里
Ikuo Matsukura
郁生 松倉
Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便できわめて生産性の高い方法で得られる反
射防止性基材の提供。 【解決手段】透明基材、および透明基材表面側から順に
自己修復性および耐擦傷性を有する光硬化性樹脂の透明
硬化物層および非結晶性含フッ素重合体の低屈折率層を
有する反射防止性基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止性、自己
修復性および耐擦傷性を有する反射防止性基材およびそ
れを用いた物品に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管(CRT)、ビジュアルディス
プレイターミナル(VDT)、液晶ディスプレイ(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)などのディスプ
レイの前面には視認性を向上させるためにガラス製また
は樹脂製の反射防止性基材が置かれている。
【0003】こうしたディスプレイ用の反射防止性基材
としては自己修復性を有するポリウレタンの層と含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体の層を有する反射防止性
基材が知られている(特開平07−168005)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のポリウレタン層
を有する反射防止性基材はポリウレタン層の形成に長時
間を要するため、反射防止性基材の生産性が高いとはい
えなかった。本発明は簡便できわめて生産性の高い方法
で得られる新規な反射防止性基材を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成すべくなされたものであり、透明基材、および透明基
材表面側から順に自己修復性および耐擦傷性を有する光
硬化性樹脂の透明硬化物層および前記透明硬化物層より
低屈折率の非結晶性含フッ素重合体の低屈折率層を有す
る反射防止性基材である。
【0006】本発明における透明硬化物層は短時間の光
照射で硬化反応が終結する光硬化性樹脂からなるので反
射防止性基材の生産性が飛躍的に向上する。またこの透
明硬化物層は従来のポリウレタン層と同等の自己修復性
を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における光硬化性樹脂は、
光重合性モノマと光硬化開始剤とを必須成分とする組成
物であり、紫外線などの電磁波を照射することにより、
自己修復性および耐擦傷性を有する透明硬化物を与える
ものである。光硬化開始剤は光エネルギを吸収すること
により自身が励起状態となり、光重合性モノマの重合反
応を開始させるラジカルを発生させる材料である。
【0008】光硬化性樹脂の調製方法としては、光重合
性モノマと光硬化開始剤とを混合し、ゲル化しない温度
下で均一な溶液になるまで撹拌する方法が好ましい。光
硬化性樹脂を硬化させるための光源としては低圧水銀ラ
ンプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハラ
イドランプ、紫外線レーザ、無電極放電ランプなど、硬
化反応に寄与する波長を効率よく発生する機器であれば
よい。
【0009】自己修復性の指標として「23℃相対湿度
50%環境下で先端径15μmのダイヤモンドチップを
加傷体としてHEIDONスクラッチテスタで測定した
自己修復性」(以下、自己修復性度という)が10g以
上であることが好ましい。耐擦傷性の指標として「23
℃相対湿度50%環境下で摩耗輪としてCS−10Fを
用い500gの荷重でのテーバー摩耗試験において10
0回転後のヘイズ値上昇」(以下、ヘイズ値上昇度とい
う)が10%未満であることが好ましい。
【0010】光硬化性樹脂の透明硬化物としては、23
℃相対湿度50%環境下でJISK7127に基づく引
張り試験方法による伸び10%での引張り応力が20〜
300kgf/cm2であることが好ましい。
【0011】光重合性モノマの重合反応部位としては、
アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル
基、メルカプト基、アミノ基などが挙げられる。特にア
クリロイル基、メタクリロイル基は反応性が高く好まし
い。
【0012】光重合性モノマとしては、不飽和ポリエス
テル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、
ポリエステルアクリレート、アルキッドアクリレート、
シリコーンアクリレート、ポリエン/ポリチオール系ス
ピラン、アミノアルキッド、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ビニルエーテルなどが挙げられ、これらのモノマ
は2種以上併用してもよい。特にエポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、ポリエン/ポリチオール系
スピランが自己修復性および耐擦傷性の良好な透明硬化
物を与えるので好ましい。
【0013】ウレタンアクリレートとしては、無黄変ポ
リイソシアネート化合物を原料とするものが好ましい。
無黄変ポリイソシアネートとしては、4, 4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロ
ンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネートなどが挙げられ、特に4, 4’−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)[通称水
添MDI]、イソホロンジイソシアネートなどが好まし
い。
【0014】光硬化開始剤としては、ベンゾインエーテ
ル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−
モルホリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−
1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどの開裂型光硬
化開始剤、ベンゾフェノン、チオキサントン、キサント
ン、2−クロロチオキサントン、ミヒラーケトン、2−
イソプロピルチオキサントン、ベンジル、9,10−フ
ェナントレンキノン、9,10−アントラキノンなどの
水素引抜き型光硬化開始剤などが挙げられる。これらの
光硬化開始剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
【0015】光硬化開始剤の添加量は光硬化性樹脂の種
類と透明硬化物層の膜厚によって決定されるが樹脂10
0重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。さら
に本発明における光硬化性樹脂に付加機能を付与するた
め光安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、近赤
外線吸収剤、着色剤などを弾性を損なわない程度に光硬
化性樹脂に配合してもよい。
【0016】本発明の反射防止性基材における光硬化性
樹脂の透明硬化物層にシリカゾルなどの粒子を配合する
方法、透明硬化物層表面にエンボスをつける方法などに
より透明硬化物層表面にアンチグレア層を形成すること
もできる。
【0017】透明硬化物層の屈折率は1.45〜1.5
5が好ましい。非結晶性含フッ素重合体の低屈折率層
は、透明硬化物層の屈折率より低いものである。この低
屈折率層の屈折率は1.36以下が好ましい。透明硬化
物層の屈折率と低屈折率層の屈折率の差は0.09〜
0.19が好ましい。透明硬化物層の厚みは10〜20
0μmが好ましく、低屈折率層の厚みは0.05〜1μ
mが好ましい。
【0018】非結晶性含フッ素重合体としては、脂肪族
環構造を有する含フッ素モノマを重合して得られる主鎖
に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、または、2つ
以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマを環化重
合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重
合体、が好適である。
【0019】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有すると
は、肪肪族環を構成する炭素原子の1以上が主鎖を構成
する炭素連鎖中の炭素原子であり、かつ肪肪族環を構成
する炭素原子の少なくとも一部にフッ素原子またはフッ
素含有基が結合している構造を有することを意味する。
【0020】含フッ素環構造を有するモノマを重合して
得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体
は、特公昭63−18964などにより知られている。
すなわち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソール)などの含フッ素環構造を有するモノマの
単独重合体、このモノマとテトラフルオロエチレンなど
のラジカル重合性モノマとの共重合体などが挙げられ
る。
【0021】また、2つ以上の重合性二重結合を有する
含フッ素モノマを環化重合して得られる主鎖に含フッ素
脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−2381
11や特開昭63−238115などにより知られてい
る。すなわち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)
やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの2つ
以上の重合性二重結合を有する含フッ素モノマの環化重
合体、または2つ以上の重合性二重結合を有する含フッ
素モノマとテトラフルオロエチレンなどのラジカル重合
性モノマとの共重合体が挙げられる。
【0022】また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)などの含フッ素環構造を有する
モノマとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパー
フルオロ(ブテニルビニルエーテル)などの2つ以上の
重合性二重結合を有する含フッ素モノマを共重合して得
られる重合体でもよい。
【0023】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、
主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を
有する重合単位を20モル%以上含有するものが透明
性、機械的特性などの面から好ましい。
【0024】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体はそ
の末端に下地と化学結合、アンカー結合する反応基を有
するものが好ましい。例えば水酸基、カルボン酸基、ア
ミノ基、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、イソシアネート基、シアノ基、カルバモイル基、メ
ルカプト基、ビニル基などが挙げられる。
【0025】最外面層となる非結晶性含フッ素重合体の
低屈折率層の表面に、耐摩耗性を付与させるため潤滑剤
を反射防止性能を損なわない程度に塗布したり、低屈折
率層中に潤滑剤を配合したりしてもよい。このような潤
滑剤として、デュポン社製の商品名クライトックス、ダ
イキン社製の商品名デムナム、ダイキン社製の商品名ダ
イフロイル、アウジモント社製の商品名フォンブリン、
旭硝子社製の商品名フロンルーブなどのパーフルオロポ
リエーテル類が挙げられる。
【0026】非結晶性含フッ素重合体の低屈折率層と自
己修復性および耐擦傷性を有する光硬化性樹脂の透明硬
化物層との中間に、前記透明硬化物層の屈折率より高い
屈折率を有する透明中間層を設けた場合はより優れた反
射防止効果を得ることができる。
【0027】この透明中間層の屈折率は1.55〜1.
65が好ましい。透明中間層の屈折率と非結晶性含フッ
素重合体の低屈折率層の屈折率の差は、0.19〜0.
29が好ましい。透明中間層の屈折率と透明硬化物層の
屈折率の差は、0.01〜0.2が好ましく、0.01
〜0.1がより好ましい。透明中間層の厚みは0.05
〜10μmが好ましい。
【0028】前記透明中間層は透明硬化物層の屈折率よ
り高い屈折率を有する樹脂からなる層、透明硬化物層の
屈折率より高い屈折率を有する金属酸化物からなる層、
または透明硬化物層の屈折率より高い屈折率を有する金
属酸化物を含む層が好ましい。
【0029】高い屈折率を有する樹脂としては、ポリス
チレン、ポリ(2−クロロスチレン)、ポリ(2,6−
ジクロロスチレン)、ポリ(2−ブロモスチレン)、ポ
リ(2,6−ジブロモスチレン)、ポリカーボネート、
芳香族ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリアリールスルホン、ポリ(ペンタブロモフェ
ニルメタクリレート)、フェノキシ樹脂およびその臭素
化物、エポキシ樹脂およびその臭素化物など、主鎖また
は側鎖に芳香環を含むものや、臭素、硫黄などの元素を
有する重合体が好ましく用いられる。また、これらの樹
脂の末端を反応性に富む官能基に変成することで透明基
材や非結晶性含フッ素重合体からなる層との接着性を高
めることもできる。上述樹脂のうちフェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂などは無変性ですでに末端に活性な官能基を
有し、接着性の点で好ましい。
【0030】金属酸化物としては、特に導電性を有する
金属酸化物が帯電防止性能を透明中間層に与えるので好
ましい。帯電防止性能を得ようとする場合は金属酸化物
はその比抵抗が1×10-7〜1×103 Ω・mであるこ
とが好ましい。
【0031】金属酸化物としては、Sb25 、SnO
2 、In23 、TiO2 、RuO 2 、Yb23 、A
2 O、CuO、FeOなどが挙げられ、透明性と造膜
性が良好なことから、Sb25 、SnO2 、In2
3が好ましい。また、金属酸化物とSb、Alなどの金
属との合金の酸化物からなる帯電防止層でもよく、導電
性がより高まるため好ましい。
【0032】また、造膜性を向上させるために金属酸化
物からなる層へ前述の高い屈折率を有する樹脂または後
述の透明基材用樹脂を配合したり、密着性を付与するた
めエポキシ基、アミノ基、水酸基などの化学結合に有効
に機能する官能基を有する化合物を配合することもでき
る。
【0033】透明中間層を形成する方法としては、成膜
コストが安く、塗工性に優れ、安定的に生産できること
から、透明硬化物層の屈折率より高い屈折率を有する樹
脂の有機溶剤溶液を用い、後述の透明硬化物層形成時の
コート法と同様な方法で透明硬化物層上にコーティング
することが好ましい。
【0034】光硬化性樹脂の透明硬化物層と非結晶性含
フッ素重合体の低屈折率層との密着性を強化するため
に、あらかじめ透明硬化物層をコロナ放電処理、紫外線
処理などの活性エネルギ線処理したり、またはプライマ
で処理することが有効である。光硬化性樹脂の透明硬化
物層との中間に、前記透明硬化物層の屈折率より高い屈
折率を有する透明中間層を設ける場合も同様な処理が好
ましい。
【0035】本発明の反射防止性基材における光硬化性
樹脂の透明硬化物層の形成法は、例えばディップコート
法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコー
ト法、コンマコート法、ダイコート法などから選択でき
る。これらのコート法は連続加工ができ、バッチ式の蒸
着法などと比較して生産性に優れる。特にダイコート法
を用いると連続生産性に優れ、大型サイズでも成膜で
き、膜厚偏差が小さく、小型機種から大型機種まで容易
に対応できるため好ましい。
【0036】本発明において、非結晶性含フッ素重合体
の低屈折率層の形成法としては特に制限はなく、任意の
形成法を選択できる。例えば、含フッ素脂肪族環構造を
有する重合体は、パーフルオロオクタン、CF3 (CF
2n CH=CH2 (nは5〜11の整数)、CF3
(CF2m CH2 CH3 (mは5〜11の整数)、含
フッ素エーテルなどのフッ素系溶剤に可溶であり、この
重合体の溶液を塗布することによって容易に所定の膜厚
に塗工できる。
【0037】本発明における透明基材としては透明で光
学特性を損なわないフィルムまたはシートなどが好まし
い。透明基材の材質としては、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチル
メタクリレートフィルム、トリアセチルセルロースフィ
ルム、ガラスシートなどが挙げられる。
【0038】本発明の反射防止性基材はそれ自身がフィ
ルム状光学物品であってもよく、フィルム状光学物品ま
たは文字や画像情報表示用ディスプレイなどの光学物品
に本発明の反射防止性基材を貼付して使用してもよい。
フィルム状光学物品としては偏光フィルム、光拡散フィ
ルム、位相差フィルム、フレネルレンズフィルム、プリ
ズムレンズフィルム、レンチキュラフィルムなどが挙げ
られる。
【0039】文字または画像情報表示用ディスプレイと
しては、CRT、VDT、LCD、PDP、ライトエミ
ッションディスプレイ(LED)、エレクトロクロミッ
クディスプレイ(ECD)、プロジェクションディスプ
レイなどが挙げられる。本発明の反射防止性基材によっ
てこれらのディスプレイにおける外光の写り込み防止、
輝度の向上、コントラストの向上などに寄与できる。さ
らに反射防止性基材の厚みを大きくとれば、ディスプレ
イ本体の強度向上または飛散防止にも寄与できる。光学
物品に本発明の反射防止性基材を貼付する方法としては
特に制限はなく、接着、粘着または熱融着などの方法を
選択できる。
【0040】
【実施例】「例1(合成例)」パーフルオロ(ブテニビ
ニルエーテル)の35g、イオン交換水の150gおよ
び重合開始剤として((CH32 CHOCOO)2
90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートク
レーブに入れた。これを3回窒素で置換した後、40℃
で22時間懸濁重合を行った。その結果、重合体(以
下、重合体Aという)を28g得た。重合体Aの固有粘
度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフ
ラン)中30℃で0.5dl/gであった。重合体Aの
ガラス転移点は108℃であり、室温ではタフで透明な
ガラス状の重合体であった。また、10%熱分解温度は
460℃であり、屈折率は1.34、光線透過率は95
%以上であった。重合体Aをパーフルオロオクタンに
1.5重量%で溶解した溶液(以下、溶液Aという)を
調製した。
【0041】「例2(比較合成例)」表1の上欄に示す
配合割合の配合物を80℃3時間加熱溶融下、撹拌混合
し均一なポリオールシステム液を得た。また、表1の下
欄に示す配合割合の配合物を80℃で3時間加熱溶融
下、撹拌混合し均一なイソシアネートシステム液を得
た。
【0042】
【表1】
【0043】「例3(合成例)」CH2=CHOCH2
H(OH)CH2O(CH26OCH2CH(OH)CH
2OCH=CH2(日本化薬社製KAYARAD R−1
67)80重量部、CH 2=CHCO(OE)nOΦCH
2ΦO(EO)mCOCH=CH2[Eは1,2−エチレ
ン基、Φは1,4−フェニレン基、n+m=4](日本
化薬社製KAYARAD R−712)20重量部およ
びベンゾフェノン3重量部を40℃で混合し、相分離、
不溶解物のない均一な樹脂液(以下、樹脂液Bという)
を得た。
【0044】「例4(合成例)」無黄変型ウレタンアク
リレート(日本化薬社製KAYARAD UX810
1)60重量部、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト(日本化薬社製 KAYARAD PEG400D
A)40重量部およびベンゾフェノン3重量部を50℃
で混合し、相分離、不溶物のない均一な樹脂液(以下、
樹脂液Cという)を得た。
【0045】「例5(実施例)」厚み0.2mmのスペ
ーサで囲まれたガラス上に、樹脂液Bをキャストし、高
圧水銀灯(120mW/cm2、光源から基材表面の距
離150mm)に30秒照射し、厚み0.2mmのフィ
ルムを得た。このフィルムの引張り弾性、屈折率、自己
修復性度およびヘイズ値上昇度はそれぞれ45kgf/
cm2、1.5、100g、0.4%であった。
【0046】このフィルムのキャスト時大気接触面にコ
ロナ放電処理を施した後、臭素化フェノキシ樹脂(東都
化成社製フェノトートYPB−43C、分子量6万、屈
折率1.63)の2重量%シクロヘキサノン溶液(以
下、溶液Dという)をスピンコートし臭素化フェノキシ
樹脂からなる高屈折率の薄膜をコートした。
【0047】次いでこの高屈折率の薄膜上に溶液Aをス
ピンコートし120℃で10分間加熱することより重合
体Aの薄膜をコートした。この薄膜が形成されていない
フィルム面を偏光フィルムの表面に貼付して反射防止性
の偏光フィルムを作成した。
【0048】貼付面の片面光線反射率を測定したとこ
ろ、貼付前は4%であったが貼付後は0.3%に低下し
た。反射防止面の自己修復性度は100g、ヘイズ値上
昇度は0.4%であった。
【0049】「例6(実施例)」厚み0.2mmのスペ
ーサで囲まれたガラス上に、樹脂液Cをキャストし、高
圧水銀灯(120mW/cm2、光源から基材表面の距
離150mm)に20秒照射し、厚み0.2mmのフィ
ルムを得た。このフィルムの引張り弾性、屈折率、自己
修復性度およびヘイズ値上昇度はそれぞれ67kgf/
cm2、1.5、100g、0.4%であった。
【0050】このフィルムのキャスト時大気接触面にコ
ロナ放電処理を施した後、溶液Dをスピンコートし臭素
化フェノキシ樹脂からなる高屈折率の薄膜をコートし
た。
【0051】次いでこの高屈折率の薄膜上に溶液Aをス
ピンコートし120℃で10分間加熱することより重合
体Aの薄膜をコートした。この薄膜が形成されていない
フィルム面を偏光フィルムの表面に貼付して反射防止性
の偏光フィルムを作成した。
【0052】貼付面の片面光線反射率を測定したとこ
ろ、貼付前は4%であったが貼付後は0.3%に低下し
た。反射防止面の自己修復性度は100g、ヘイズ値上
昇度は0.4%であった。
【0053】「例7(参考例)」厚み0.2mmのスペ
ーサで囲まれたガラス上に、例2で得られたポリオール
システム液とイソシアネートシステム液を混合キャスト
し、100℃に温調したオーブン中で30分間放置し反
応を終了させ、その後60℃に温調したオーブン中で1
5時間養生し、厚み0.2mmのフィルムを得た。この
フィルムの引張り弾性、屈折率、自己修復性度およびヘ
イズ値上昇度はそれぞれ50kgf/cm 2、1.5、
100g、0.4%であった。
【0054】このフィルムのキャスト時大気接触面にコ
ロナ放電処理を施した後、同一面に溶液Dをスピンコー
トし臭素化フェノキシ樹脂からなる高屈折率の薄膜をコ
ートした。
【0055】次いでこの高屈折率の薄膜上に溶液Aをス
ピンコートし120℃で10分間加熱することより重合
体Aの薄膜をコートした。この薄膜が形成されていない
フィルム面を偏光フィルムの表面に貼付し反射防止性の
偏光フィルムを作成した。
【0056】貼付面の片面光線反射率を測定したとこ
ろ、貼付前は4%であったが貼付後は0.3%に低下し
た。反射防止面の自己修復性度は100g、ヘイズ値上
昇度は0.4%であった。
【0057】
【発明の効果】本発明に従えば生産性よく簡便な方法で
反射防止性、自己修復性および耐擦傷性を有する反射防
止性基材が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA04 AA05 AA15 CC22 CC24 CC26 CC33 CC34 CC35 CC42 5G435 AA17 BB02 BB06 BB12 DD11 FF03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材、および透明基材表面側から順に
    自己修復性および耐擦傷性を有する光硬化性樹脂の透明
    硬化物層および前記透明硬化物層より低屈折率の非結晶
    性含フッ素重合体の低屈折率層を有する反射防止性基
    材。
  2. 【請求項2】前記透明硬化物層と前記低屈折率層との間
    に前記透明硬化物層より高屈折率の透明中間層を有する
    請求項1に記載の反射防止性基材。
  3. 【請求項3】光硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である請
    求項1または2に記載の反射防止性基材。
  4. 【請求項4】低屈折率層の屈折率が1.36以下である
    請求項1、2または3に記載の反射防止性基材。
  5. 【請求項5】非結晶性含フッ素重合体が主鎖に含フッ素
    脂肪族環構造を有する重合体である請求項1、2、3ま
    たは4に記載の反射防止性基材。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5に記載の反
    射防止性基材を用いた物品。
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