JP2004536917A - ポリカーボネートを製造するための押出法 - Google Patents

ポリカーボネートを製造するための押出法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004536917A
JP2004536917A JP2003515578A JP2003515578A JP2004536917A JP 2004536917 A JP2004536917 A JP 2004536917A JP 2003515578 A JP2003515578 A JP 2003515578A JP 2003515578 A JP2003515578 A JP 2003515578A JP 2004536917 A JP2004536917 A JP 2004536917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polycarbonate
groups
extruder
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2003515578A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004536917A5 (ja
Inventor
マックロスキー,パトリック・ジョセフ
ディ,ジェームズ
シルヴィ,ノルベルト
ギアマッテイ,マーク・ハワード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US09/911,439 external-priority patent/US6420512B1/en
Application filed by General Electric Co filed Critical General Electric Co
Publication of JP2004536917A publication Critical patent/JP2004536917A/ja
Publication of JP2004536917A5 publication Critical patent/JP2004536917A5/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates
    • C08G64/307General preparatory processes using carbonates and phenols

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】
溶融法によるポリカーボネート製造時の触媒量の低減。
【解決手段】
ビス(メチルサリチル)カーボネート等のエステル置換ジアリールカーボネートとビスフェノールA等のジヒドロキシ芳香族化合物と酢酸テトラブチルホスホニウム(TBPA)等のエステル交換触媒の混合物の押出によって、重量平均分子量20000ダルトン超のポリカーボネートを得る。押出機は、エステル置換フェノール副生物の除去のため1以上の真空ベントを備える。同様に、メチルサリチル末端基等のエステル置換フェノキシ末端基をもつ前駆体ポリカーボネートを押出に付すと、分子量が大幅に増大したポリカーボネートが得られる。高分子量ポリカーボネート生成反応は前駆体ポリカーボネート中に存在する残留エステル交換触媒又は残留触媒と押出段階で導入するTBPA等の追加の触媒との組合せを触媒とし得る。ポリカーボネート生成物にはフリース生成物は観察されない。
【選択図】図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、成分モノマーであるエステル置換ジアリールカーボネートとジヒドロキシ芳香族化合物を生成物ポリカーボネートに変換するのに押出機を用いるポリカーボネートの製造方法に関する。本発明はさらに、エステル置換フェノキシ末端基を含む前駆体ポリカーボネートを押出に付してさらに高分子量のポリカーボネートを生成させるというポリカーボネートの製造に関する。さらに具体的には、本発明は、温和な条件における、極めて低レベルのフリース再配列生成物を有し、高レベルの末端封鎖を有するポリカーボネートの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
ビスフェノールAポリカーボネートのようなポリカーボネートは、通例、界面法か溶融重合法のいずれかで製造される。水、塩化メチレンのような溶媒、水酸化ナトリウムのような酸受容体及びトリエチルアミンのような相間移動触媒の存在下におけるビスフェノールA(BPA)のようなビスフェノールとホスゲンとの反応が界面法の典型である。水酸化ナトリウムのような触媒の存在下高温におけるビスフェノールAとジフェニルカーボネートのようなカーボネート単位源との反応が現在使用されている溶融重合法の典型である。各々の方法は商業的に大規模に実施されているが各々重大な欠点をもっている。
【0003】
ポリカーボネートを製造する界面法には幾つか固有の欠点がある。まず第一に、反応体としてホスゲンを必要とする工程を実施するのは、明らかな安全上の問題から問題がある。第二に、大量の有機溶媒を使用する必要がある工程を実施することは、環境に対する悪影響から保護するために高価な予防措置を講じなければならないので、欠点である。第三に、界面法では比較的大きい設備・装置及び資本投下が必要である。次に、この界面法で製造したポリカーボネートは、色が一定しない、粒子状物のレベルが高めである、そして塩素化物含有量が高めである(これは腐蝕を起こし得る)という傾向がある。
【0004】
溶融法は、ホスゲンや塩化メチレンのような溶媒の必要性がなくなるが、高温と比較的長い反応時間を必要とする。その結果、成長するポリマー鎖に沿ったカーボネート単位のフリース再配列によって生ずる生成物のような副生物が高温で形成され得る。フリース再配列は望ましくなく制御できないポリマーの枝分れを起こすが、これはポリマーの流動性と性能に悪影響を及ぼし得る。さらに溶融法では、高温・低圧で作動することができ、しかも高分子量を達成するのに必要とされる比較的長い反応時間中高粘度のポリマー溶融体の効率的な攪拌が可能である複雑な加工処理装置を使用する必要がある。
【0005】
何年か前、米国特許第4323668号に、ホスゲンとサリチル酸メチルの反応によって生成したジアリールカーボネートを、BPAのようなビスフェノールと反応させて比較的温和な条件下でポリカーボネートを製造できるということが報じられた。この方法では、高分子量のポリカーボネートを得るために比較的高レベルのエステル交換触媒(ステアリン酸リチウムなど)を使用している。この触媒は反応後生成物ポリカーボネート中に残存するので、溶融ポリカーボネート反応において高い触媒使用量は極めて望ましくない。ポリカーボネート中にエステル交換触媒が存在すると、吸水の増大、高温でのポリマー分解及び変色の促進によって、ポリマーから製造された製品の有用寿命を短縮しかねない。
【特許文献1】
米国特許第4323668号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ビスフェノールとビス(メチルサリチル)カーボネート(BMSC)のようなエステル置換ジアリールカーボネートからポリカーボネートを溶融法で製造する際に必要とされる触媒の量を最少にすることができれば望ましいであろう。また、押出機のような簡単な溶融混合装置を用いたポリカーボネートの溶融製造方法を提供することができれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明で提供されるポリカーボネートの製造方法は、ある温度範囲内の1以上の温度、あるスクリュー速度範囲内の1以上のスクリュー速度で、エステル交換触媒の存在下に、
(A)エステル置換ジアリールカーボネート及び1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物からなる固体混合物、及び
(B)エステル置換フェノキシ末端基を有する1種以上の前駆体ポリカーボネート
からなる群から選択される1種以上の出発材料を押出すことを含んでなる。
【0008】
また、本発明は、フリース再配列生成物のレベルが非常に低く、エステル置換フェノキシ末端基を有する高度に末端封鎖されたポリカーボネートを製造する単一段階法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明及び後続の実施例を参照することによって、本発明の理解を深めることができよう。本明細書及び特許請求の範囲では多くの用語を用いるが、次の意味をもつものと定義される。
【0010】
単数形で記載したものであっても、特に前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
【0011】
「任意」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起きる場合と起こらない場合を包含する。
【0012】
本明細書で使用する「ポリカーボネート」という用語は、1以上のジヒドロキシ芳香族化合物から誘導された構造単位を有するポリカーボネートを指し、コポリカーボネート及びポリエステルカーボネートを包含する。
【0013】
本明細書で使用する「溶融法ポリカーボネート」という用語は、ジアリールカーボネートとジヒドロキシ芳香族化合物のエステル交換で製造されたポリカーボネートをいう。
【0014】
本明細書で使用する「前駆体ポリカーボネート」という用語は、エステル交換触媒の存在下で押出したとき押出後に押出前よりも高分子量のポリカーボネートが得られるようなポリカーボネートをいう。
【0015】
本明細書で「BPA」とは、ビスフェノールAすなわち2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと定義される。
【0016】
本明細書で使用する場合「触媒系」とは、溶融法でビスフェノールとジアリールカーボネートのエステル交換を触媒する1種以上の触媒をいう。
【0017】
「触媒有効量」とは、触媒の触媒としての性能を発揮する量をいう。
【0018】
本明細書で使用する「フリース生成物」という用語は、生成物ポリカーボネートの加水分解の際にカルボキシ置換ジヒドロキシ芳香族化合物の一方又は両方のヒドロキシ基に隣接してカルボキシ基を有するようなカルボキシ置換ジヒドロキシ芳香族化合物を生成する生成物ポリカーボネートの構造単位と定義される。例えば、フリース反応が起こる溶融反応法で製造されたビスフェノールAポリカーボネートの場合、フリース生成物は後記構造VIIIを含んでおり、これは生成物ポリカーボネートの完全な加水分解の際に2−カルボキシビスフェノールAとなる。
【0019】
「フリース生成物」及び「フリース基」という用語は本明細書中で互換的に使用する。
【0020】
「フリース反応」及び「フリース再配列」という用語は本明細書中で互換的に使用する。
【0021】
「二重スクリュー押出機」及び「二軸押出機」という用語は本明細書中で互換的に使用する。
【0022】
本明細書で使用する「単官能性フェノール」という用語は、単一の反応性ヒドロキシ基を含むフェノール類を意味する。
【0023】
「ベント口」及び「ベント」という用語は本明細書中で互換的に使用する。
【0024】
本明細書で使用する「脂肪族基」という用語は、環状でない線状又は枝分れ原子配列を含み1以上の原子価を有する基をいう。この配列は、窒素、イオウ及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は専ら炭素と水素から構成されていてもよい。脂肪族基の例としては、メチル、メチレン、エチル、エチレン、ヘキシル、ヘキサメチレンなどがある。
【0025】
本明細書で使用する「芳香族基」という用語は、1以上の芳香族の残基を含み1以上の原子価を有する基をいう。芳香族基の例としては、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン、及びビフェニルがある。この用語は、芳香族部分と脂肪族部分を両方とも含有する基、例えばベンジル基を包含する。
【0026】
本明細書で使用する「環式脂肪族基」という用語は、環状であるが芳香族ではない原子配列を含み1以上の原子価を有する基をいう。この配列は、窒素、イオウ及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は専ら炭素と水素で構成されていてもよい。環式脂肪族基の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニルなどがある。
【0027】
本発明の方法に従い、相間移動触媒の存在下で、出発材料(A)、すなわちエステル置換ジアリールカーボネートと1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物を含む固体混合物、又は出発材料(B)、すなわちエステル置換フェノキシ末端基を有する1種以上の前駆体ポリカーボネート、を押出すと生成物のポリカーボネートが得られる。幾つかの場合、本発明の方法では、出発材料(A)と(B)を両方とも使用する。例えば、エステル置換ジアリールカーボネート、ジヒドロキシ芳香族化合物、エステル置換フェノキシ末端基を有する前駆体ポリカーボネート、及びエステル交換触媒をHenschelミキサー内で混合して出発材料(A)と(B)を含む粉末を形成した後、この粉末を押出してポリカーボネートを得る。
【0028】
本発明の一態様では、生成物ポリカーボネートを製造するには、エステル置換ジアリールカーボネート、1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物、及びエステル交換触媒を押出機中に導入してその押出機内で溶融混合物を形成する。すると、そこでカーボネート基とヒドロキシル基の反応が起こり、ポリカーボネート生成物とエステル置換フェノール副生物が生成する。この押出機には、エステル置換フェノール副生物を除去するのに役立ち従って重合反応の完結を促進する真空ベントを備えることができる。ポリカーボネート生成物の分子量を調節するには、他の要因の中でも、反応体の供給速度、押出機の型、押出機のスクリュー設計及び形状・構成、押出機内の滞留時間、反応温度、押出機にある真空ベントの数、及びそれらの真空ベントの作動圧力を調節するとよい。また、ポリカーボネート生成物の分子量は、使用する反応体のエステル置換ジアリールカーボネート、ジヒドロキシ芳香族化合物、及びエステル交換触媒の構造にも依存し得る。
【0029】
本発明によるエステル置換ジアリールカーボネートには、次式の構造Iを有するジアリールカーボネートが含まれる。
【0030】
【化1】
Figure 2004536917
【0031】
式中、R1は各々独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、R2は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20アリール基、C1〜C20アルコキシ基、C4〜C20シクロアルコキシ基、C4〜C20アリールオキシ基、C1〜C20アルキルチオ基、C4〜C20シクロアルキルチオ基、C4〜C20アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルフィニル基、C4〜C20シクロアルキルスルフィニル基、C4〜C20アリールスルフィニル基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C4〜C20シクロアルキルスルホニル基、C4〜C20アリールスルホニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C4〜C20アリールオキシカルボニル基、C2〜C60アルキルアミノ基、C6〜C60シクロアルキルアミノ基、C5〜C60アリールアミノ基、C1〜C40アルキルアミノカルボニル基、C4〜C40シクロアルキルアミノカルボニル基、C4〜C40アリールアミノカルボニル基、及びC1〜C20アシルアミノ基であり、bは各々独立に0〜4の整数である。
【0032】
エステル置換ジアリールカーボネートIは、ビス(メチルサリチル)カーボネート(CAS登録No.82091−12−1)、ビス(エチルサリチル)カーボネート、ビス(プロピルサリチル)カーボネート、ビス(ブチルサリチル)カーボネート、ビス(ベンジルサリチル)カーボネート、ビス(メチル4−クロロサリチル)カーボネートなどで例示される。通例、ビス(メチルサリチル)カーボネートが好ましい。
【0033】
本発明によるジヒドロキシ芳香族化合物には、次式の構造IIを有するビスフェノールが含まれる。
【0034】
【化2】
Figure 2004536917
【0035】
式中、R3〜R10は独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、又はC6〜C20アリール基であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20環式脂肪族基、又は次式の基である。
【0036】
【化3】
Figure 2004536917
【0037】
式中、R11及びR12は独立に水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、又はC4〜C20アリール基であるか、又はR11とR12は一緒になってC4〜C20環式脂肪族環を形成し、この環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基又はこれらの組合せによって置換されていてもよい。
【0038】
適切なビスフェノールIIを例示すると、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわちビスフェノールA)、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチル−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジオクチル−1,1−ビフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、及び1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼンがある。ビスフェノールAが好ましい。
【0039】
本発明の方法に従って製造されたポリカーボネートは、次式の構造IIIを有するエステル置換フェノキシ末端基、又は構造IIIから誘導された末端基、例えば、構造IIIを有するエステル置換フェノキシ末端基がp−クミルフェノールのような単官能性フェノールで置換されることで導入された末端基を有する。
【0040】
【化4】
Figure 2004536917
【0041】
式中、R1及びR2は構造Iの場合と同様に定義され、bは0〜4の整数である。本発明の一実施形態では、構造IIIは下記式のメチルサリチル基IVである。メチルサリチル末端基IVが好ましい。
【0042】
【化5】
Figure 2004536917
【0043】
本発明で提供されるポリカーボネートの製造方法は、相間移動触媒の存在下で、(A)エステル置換ジアリールカーボネートと1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物を含む固体混合物、及び(B)エステル置換フェノキシ末端基を有する1種以上の前駆体ポリカーボネートからなる群から選択される1種以上の出発材料を押出すことを含んでなる。押出機はある温度範囲内の1以上の温度で作動する。この1以上の温度は、出発材料中に存在するヒドロキシ基とカーボネート基との反応を促進することによってポリマー鎖を成長させるのに十分なものである。本発明の方法によって、生成物のポリカーボネートが押出物として得られる。ヒドロキシ基とカーボネート基との反応はエステル交換触媒で有利に触媒される。出発材料(A)を使用する場合、エステル交換触媒は、エステル置換ジアリールカーボネート及び1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物と共に押出機中に導入する。出発材料(B)を使用する場合、エステル交換触媒は押出機中に導入される前駆体ポリカーボネートに加えておいてもよい。しかし、多くの場合、前駆体ポリカーボネート自体が、エステル交換触媒の存在下でエステル置換ジアリールカーボネートと1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物との溶融反応によって調製される。エステル置換フェノキシ末端基を有する前駆体ポリカーボネートを便利に調製するには、ビスフェノールAのような1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物と、ビス(メチルサリチル)カーボネートのようなエステル置換ジアリールカーボネートとの混合物を、酢酸テトラブチルホスホニウムのようなエステル交換触媒の存在下で、150〜200℃の範囲の温度に加熱し、一方約1〜約100mmHgの圧力で副生物のエステル置換フェノールを除去するとよい。このエステル交換触媒は、ジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約1×10-8〜1×10-3モルの触媒に相当する量で使用する。エステル置換末端基を有する前駆体ポリカーボネートの溶融製造に適したエステル交換触媒には本明細書中に記載の触媒、例えば酢酸テトラブチルホスホニウムと水酸化ナトリウムの混合物がある。かかるエステル交換触媒は、前駆体ポリカーボネートの溶融製造条件下で十分に安定である。従って、前駆体ポリカーボネートは十分な残留エステル交換触媒を含有しているため、その前駆体ポリカーボネートの押出の際に実質的な分子量増大を達成するために追加のエステル交換触媒を使用する必要がないことが多い。前駆体ポリカーボネート、すなわち出発材料(B)は、本発明の方法では、様々な形態で、例えば、非晶質の粉末として、一部結晶性の粉末として、及び溶融体として押出機中に導入することができる。
【0044】
本発明の方法で存在するエステル交換触媒の量は、出発材料(A)の場合は使用するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり、又は出発材料(B)の場合は前駆体ポリカーボネート中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物由来の構造単位1モル当たり、約1×10-8〜約1×10-3、好ましくは約1×10-7〜約1×10-3、さらに一段と好ましくは約1×10-6〜約5×10-4モルの触媒の範囲である。多種の成分、例えば水酸化ナトリウムと酢酸テトラブチルホスホニウムを含む触媒系中に存在するエステル交換触媒の量は、出発材料(A)の場合はジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり、又は出発材料(B)の場合は前駆体ポリカーボネート中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物由来構造単位1モル当たり、触媒系の各成分のモル数の合計として表す。
【0045】
本発明の一実施形態では、下記式の繰返し単位Vを含む前駆体ポリカーボネートを出発材料(B)として使用する。この前駆体ポリカーボネートは残留エステル交換触媒を含んでおり、この触媒は、ビスフェノールA由来構造単位Vに対するエステル交換触媒のモル比が約1×10-8〜約1×10-3、好ましくは約1×10-7〜約1×10-3、さらに一段と好ましくは約1×10-6〜約5×10-4の範囲となるような量で存在する。
【0046】
【化6】
Figure 2004536917
【0047】
本発明の方法で適切なエステル交換触媒は、アルカリ土類金属の塩、アルカリ金属の塩、第四アンモニウム化合物、第四ホスホニウムイオン、及びこれらの混合物を含む。適切なエステル交換触媒として、次式の構造VIを有する第四アンモニウム化合物がある。
【0048】
【化7】
Figure 2004536917
【0049】
式中、R13〜R16は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は有機又は無機陰イオンである。陰イオンX-としては、水酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸、フェノキシド、スルホン酸、硫酸、炭酸、及び重炭酸イオンがある。本発明の一実施形態では、エステル交換触媒は水酸化テトラメチルアンモニウムからなる。
【0050】
適切なエステル交換触媒として、次式の構造VIIを有する第四ホスホニウム化合物がある。
【0051】
【化8】
Figure 2004536917
【0052】
式中、R17〜R20は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は構造VIに対して定義した有機又は無機陰イオンである。本発明の一実施形態では、エステル交換触媒は酢酸テトラブチルホスホニウムからなる。
【0053】
-が炭酸又は硫酸イオンのような多価陰イオンである場合、構造VI及びVII中の正電荷及び負電荷は適正に相殺されるものと了解されたい。例えば、構造VIIでR17〜R20が各々メチル基であり、X-が炭酸イオンである場合、X-は1/2(CO3 -2)を表すものと理解されたい。
【0054】
本発明の方法におけるエステル交換触媒は、VIのような第四アンモニウム化合物、VIIのような第四ホスホニウム化合物又はこれらの混合物に加えて、1種以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はこれらの混合物を含んでいてもよい。かかる混合触媒系の例示としては、水酸化ナトリウムと酢酸テトラブチルホスホニウムとの組合せがある。水酸化ナトリウムのような金属水酸化物と共にVI又はVIIのような第四「オニウム」化合物を含む触媒系では、「オニウム」化合物が金属水酸化物に対して過剰量、好ましくは使用する金属水酸化物の量の約10〜約250倍に相当する量で存在するのが好ましいことが多い。
【0055】
本発明の一実施形態では、エステル交換触媒は、1種以上の、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩又はこれらの混合物からなる。エチレンジアミンテトラカルボン酸(EDTA)の塩、中でもNa2MgEDTAは特に有効であることが判明している。
【0056】
本発明のもう一つ別の実施形態では、エステル交換触媒が非揮発性無機酸の塩からなる。「非揮発性」とは、関係するその化合物が周囲温度及び圧力で感知できるほどの蒸気圧を示さないことを意味している。特に、これらの化合物は、通例ポリカーボネートの溶融重合が行われる典型的な温度で揮発性を示さない。本発明による非揮発性酸の塩は、亜リン酸のアルカリ金属塩、亜リン酸のアルカリ土類金属塩、リン酸のアルカリ金属塩、リン酸のアルカリ土類金属塩である。非揮発性酸の適切な塩としては、NaH2PO3、NaH2PO4、Na22PO3、KH2PO4、CsH2PO4、Cs22PO4、及びこれらの混合物がある。一実施形態では、この非揮発性酸の塩はCsH2PO4である。本発明の一実施形態では、エステル交換触媒は、非揮発性酸の塩と、アルカリ金属水酸化物のような塩基性助触媒とを両方含んでいる。この概念の例は、エステル交換触媒としてNaH2PO4と水酸化ナトリウムとの組合せを使用するものである。
【0057】
本発明の一実施形態では、出発材料(A)は、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約0.9〜約1.25、好ましくは約0.95〜約1.05モルのエステル置換ジアリールカーボネートを含み、エステル交換触媒の使用量は、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約1.0×10-8〜約1×10-3、好ましくは約1.0×10-6〜約5×10-4モルのエステル交換触媒である。
【0058】
出発材料(A)の成分、すなわちエステル置換ジアリールカーボネート、1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物、エステル交換触媒、及び任意の単官能性フェノールは同一又は別々の供給口を介して押出機中に導入することができ、前記成分及び前記任意の単官能性フェノールの導入速度を変化させて、反応体のモル比を制御・調節することができ、またこのようにして分子量及び末端基の同一性のような生成物ポリカーボネートの物性を調節することができる。こうして、本発明の方法では、連続法の範囲内で生成物ポリカーボネートの分子量を調節することができる。例えば、連続押出作動中に、エステル置換ジアリールカーボネート、ジヒドロキシ芳香族化合物及び任意成分の単官能性フェノールを導入する相対速度を多少調節することで、生成物ポリカーボネートの分子量を多少変動させることができる。逆に、例えばポリマーグレードの変更の場合のように生成物ポリカーボネートの分子量を実質的に変化させるには、エステル置換ジアリールカーボネート、ジヒドロキシ芳香族化合物及び任意成分の単官能性フェノールの相対導入速度をさらに大きく変化させて調節するとよい。
【0059】
本発明の方法で使用する押出機は、約100〜約400℃、好ましくは約200〜約350℃の範囲の1以上の温度で作動する。
【0060】
単軸式でも多軸式でもよい押出機はあるスクリュー速度範囲の1以上のスクリュー速度で作動する。この範囲は毎分約50〜約1200回転(rpm)、好ましくは約50〜約500rpmである。高回転数押出機はある種の新型二軸式押出機で例示される。
【0061】
供給速度を速くすると、供給される追加の材料を受け入れるために、対応してスクリュー速度を増大させなければならないということは、押出機の作動の一般原則である。また、スクリュー速度によって、押出機に供給されるあらゆる材料、すなわち反応体(A)若しくは(B)又は反応体(A)と(B)の混合物及びエステル交換触媒の滞留時間が決まる。このように、スクリュー速度と供給速度は通例相互に依存している。この供給速度とスクリュー速度との関係を比の値として特徴付けるのが有用である。通例、押出機は、押出機中に導入されるポンド/時単位の出発材料の、rpmで表したスクリュー速度に対する比の値が約0.01〜約100、好ましくは0.05〜1の範囲になるように作動する。例えば、400rpmで作動する押出機中に出発材料(A)とエステル交換触媒を1000ポンド/時で導入する場合の供給速度とスクリュー速度との比の値は2.5である。最大と最小の供給速度及び押出機スクリュー速度は他の要因の中でも押出機の大きさによって決まり、一般原則として、押出機が大きくなればなるほど最大と最小の供給速度が速くなる。
【0062】
既に述べたように、押出機には1以上の真空ベントを備えることができる。出発材料(A)を使用する場合のように押出中に大量のエステル置換フェノールが副生物として発生する場合には真空ベントが必要である。エステル置換フェノキシ末端基IVを有する前駆体ポリカーボネート(この前駆体ポリカーボネートはかなりの分子量、例えば、ポリカーボネート標準と比べて約16000ダルトン以上の重量平均分子量を有している)を押出す場合のように、副生物のエステル置換フェノールの総量が比較的少ない場合、真空ベントを使用するか否かは任意である。しかし、一般的に、1以上の真空ベントを有する押出機で本発明の方法を実施するのが好都合である。2以上の真空ベントを有するのが好ましいことが多い。本発明の幾つかの実施形態では4つの真空ベントを使用する。さらに一般的にいって、本発明の方法では、出発材料が所望の分子量を有するポリカーボネートに変換されるのに十分な数の真空ベントを備えた押出機を使用する。真空ベントは減圧で、通常約1〜約700mmHg、好ましくは約10〜約50mmHgの範囲で作動する。
【0063】
生成物のポリカーボネートは押出機から押出物として出現するが、これをさらに使用する前にペレット化し乾燥してもよい。場合によって、生成物のポリカーボネートは、最初の押出機で真空ベントを作用させたにもかかわらず、ある最大量を超える量の残留副生物エステル置換フェノールを含有していることがある。かかる最大量とは、そのポリカーボネートが、ある特定の用途、例えば、残留するエステル置換フェノールの量が生成物ポリカーボネートの重量百万部に対して約500部(ppm)未満である必要がある成形用途に直接使用するには適さなくなる量である。かかる場合には、その生成物ポリカーボネートを追加の押出段階に付して、存在する残留エステル置換フェノールのレベルをさらに低下させることが可能である。例えば、出発材料(A)又は(B)を導入する押出機を第二の押出機に連結することができ、この第二の押出機は残留エステル置換フェノールを除去するための1以上の真空又は大気ベントを備えたものとする。この第二の押出機を最初の押出機と近接して連結することによって、中間の単離及び再融解段階を回避することができる。このように第二の押出機を使用することは、最初の押出機内の反応体滞留時間が残留エステル置換フェノールの所望の低レベルを達成するには不十分である高生産速度での作動時に特に有益である。残留エステル置換フェノール副生物をさらに除去することに加えて、第二の押出機を使用すると、生成物ポリカーボネートの分子量を増大させるという有益な効果もあることが多い。
【0064】
本発明の方法で使用できる押出機としては、同方向回転噛合二軸押出機、異方向回転非噛合二軸押出機、往復動単軸押出機、及び非往復動単軸押出機がある。
【0065】
図1に、本発明の一つの態様を例示するが、ここでは、エステル置換ジアリールカーボネート、ジヒドロキシ芳香族化合物及びエステル交換触媒の混合物が、供給口25を介して14のバレルを有する二軸式押出機20に供給される。押出機のバレルはセグメントに区分して示してある。例えば、バレル1は21と表示され、バレル2は22と表示されている(残りのバレル3〜14は番号で表示してない)。この押出機は、搬送スクリューエレメント(32で示す)と、初期混練・融解セクション34及び強混合ゾーン36を含む混練セクションとからなるスクリュー設計30を有している。押出機は2つの大気ベント40、42を備えており、これらのベントは重合反応の揮発性副生物、すなわち主としてエステル置換フェノール蒸気を除去するためマニホルド50に連結されている。エステル置換フェノール蒸気及びその他の揮発性副生物は、冷却剤が凝縮器冷却剤入口53で導入され凝縮器冷却剤出口55で排出される管状凝縮器52で凝縮される。揮発性副生物蒸気が凝縮する際に放出する熱は太い矢印54で示す。凝縮した揮発性副生物は56で液体として収集される。押出機はさらに4つの真空ベント43〜46を備えている。これらの真空ベントのうちの3つ、すなわち43、44、45は大気ベント40、42と連結したのと同様なマニホルド及び凝縮器系に連結されているが、この凝縮器は下流に真空源57が接続されている。適切な真空源57は「ハウス」真空ライン、水流吸引機又は専用真空ポンプへの取付器具を含んでいる。四番目の真空ベント46は専用真空ポンプ58に取り付けられている。既に述べたように、この押出機は押出機の内容物を強度に混合するために4つの混練セクションをもっている。これらのゾーンはスクリュー設計30中に混練セクション36として示されている。スクリュー設計30中の混練セクション36は押出機の反応ゾーン61〜64に対応しており、これらの反応ゾーンによって、出発物質のジヒドロキシ芳香族化合物及び成長するポリマー鎖のヒドロキシル基と出発物質のジアリールカーボネート及び成長するポリマー鎖のエステル置換フェノキシカルボニル基との間の反応速度が高められる。反応ゾーン61〜64、すなわち強混合ゾーンで起こる反応の速度は、押出機の搬送セクション32における対応する反応速度よりも速い。生成物のポリカーボネートはポリマーストランド70として押出機から出る。各反応ゾーン61〜64のすぐ下流に位置する真空ベント43〜46は反応ゾーンで生成した副生物のエステル置換フェノールを除去するのに役立ち、そのため重合反応が完了方向に促進される。
【0066】
本発明の一実施形態では、押出機に導入される混合物はさらに連鎖停止剤を含んでいる。この連鎖停止剤は、出発材料(A)若しくは出発材料(B)又はこれらの混合物と共に含ませることができ、生成物ポリマーの分子量を制限したりそのガラス転移温度又は帯電性のような物理的性質を変えたりするのに使用することができる。適切な連鎖停止剤としては単官能性フェノール、例えば、p−クミルフェノール、2,6−キシレノール、4−t−ブチルフェノール、p−クレゾール、1−ナフトール、2−ナフトール、カルダノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−オクタデシルフェノール、及びフェノールがある。本発明の別の実施形態では、単官能性フェノールは、出発材料(A)又は(B)を導入するのに使用する供給口の下流で単官能性フェノールを加える場合のように、重合の中間段階又はその完了後に加えてもよい。かかる実施形態では、連鎖停止剤は生成物ポリカーボネートの分子量を調節する作用を果たすことができ、またポリマー末端基の同一性を調節することになる。
【0067】
本発明の方法によって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定した重量平均分子量が約10000〜約100000ダルトン、好ましくは約15000〜約60000ダルトン、さらに一段と好ましくは約15000〜約50000ダルトンの範囲にある生成物ポリカーボネートが得られ、この生成物ポリカーボネートは約1000ppm(百万部当たりの部)未満、好ましくは約500ppm未満、さらに一段と好ましくは約100ppm未満のフリース生成物を有している。下記式の構造VIIIはビスフェノールAから製造したポリカーボネート中に存在するフリース生成物の構造を示す。既に述べたように、このフリース生成物はポリマーの枝分れ部位として機能し得、構造VIIIの波線はポリマー鎖構造を示している。
【0068】
【化9】
Figure 2004536917
【0069】
本発明の方法で製造されたポリカーボネートは、熱安定剤、離型剤及びUV安定剤のような慣用の添加剤と共に配合し、光ディスク、光学レンズ、自動車用ランプ部品などのような各種成形品に成形することができる。さらに、本発明の方法を使用して製造したポリカーボネートは他のポリマー材料、例えば、他のポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル及びオレフィンポリマー、例えばABSと共に配合してもよい。
【実施例】
【0070】
本発明の方法の評価の仕方に関する詳細を当業者に示すために以下の実施例を挙げるが、これらの実施例は本発明者らが発明と考えているものの範囲を限定しようとするものではない。特に断らない限り、部は重量部、温度は℃である。
【0071】
分子量は、数平均(Mn)又は重量平均(Mw)分子量として示すが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析で決定したものである。この分析では、ポリカーボネート分子量標準を使用して広範な標準校正曲線を作成し、これに対してポリマーの分子量を決定した。ゲルパーミエーションカラムの温度は約25℃、移動相はクロロホルムであった。
【0072】
フリース含有量は樹脂のKOHメタノーリシスによって測定したものであり、百万部当たりの部(ppm)で示す。ポリカーボネートのフリース生成物含有量は以下のようにして決定した。まず、0.50グラムのポリカーボネートを4.0mlのTHF(内部標準としてp−ターフェニルを含有している)に溶解させた。次に、この溶液に、3.0mlのメタノール中18%KOHを加えた。得られた混合物をこの温度で2時間攪拌した。次いで、1.0mlの酢酸を加え、得られた混合物を5分間攪拌した。副生物の酢酸カリウムを1時間にわたり結晶化させた。固体をろ過して除き、得られたろ液中のフリース生成物2−カルボキシビスフェノールAを、内部標準としてp−ターフェニルを用いた液体クロマトグラフィーで分析した。実施例6〜9ではフリース生成物が検出されなかった。表3参照。
【0073】
実施例1〜2及び比較例1
ビスフェノールA、BMSC又はジフェニルカーボネート、及び酢酸テトラブチルホスホニウム触媒(BPA1モル当たり触媒2.5×10-4モル)の混合物を、約25mmHgで作動する4つの真空ベントを備えた20mm逆回転非噛み合い型二軸式押出機(この押出機は約260〜約300℃の範囲のゾーン温度を有しており、約50〜約350rpmの範囲のスクリュー速度で作動する)のスロートに、約3〜約6ポンド/時の供給速度で導入したところ、BMSCを使用したときにかなりの分子量を有するポリカーボネートが得られた。ジアリールカーボネート(DPC又はBMSC)対BPAの比の値「DAC/BPA」を表1に示す。この比は使用したジアリールカーボネートとBPAのモル比を表している。表中、「%EC」は生成物ポリカーボネートのヒドロキシル基ではない末端基の割合を示す。「Tg℃」はセ氏で表したガラス転移温度である。「CE−1」という表示は比較例1を意味している。表1中の実施例1と2のデータは本発明方法の実施形態の例を示す。実施例1及び2では、20000ダルトンを超える重量平均分子量を有するポリカーボネートが得られている。比較例1は、ジアリールカーボネートとしてジフェニルカーボネートを用いて得られた結果を示す。ジフェニルカーボネートを使用すると、低分子量のオリゴマー性物質しか得られず、未反応のジフェニルカーボネート及びビスフェノールAが残存するため供給投入量のかなりの量が失われる。
【0074】
【表1】
Figure 2004536917
【0075】
実施例1及び2で例示される方法に加えて、本発明は二段階でポリカーボネートを製造する方法を提供する。すなわち、まずエステル置換ジアリールカーボネートを1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物と溶融反応させて低分子量を有する前駆体ポリカーボネートを生成させ、次にこの前駆体ポリカーボネートを押出して実質的に高い分子量のポリカーボネートを得る。本発明のこれらの態様を実施例3〜5で例示する。
【0076】
実施例3〜5の前駆体ポリカーボネートを調製するために、触媒の酢酸テトラブチルホスホニウム及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマグネシウムの存在下でBMSCとBPAを溶融反応させた。実施例5の溶融重合反応は5.07モル%のp−クミルフェノールの存在下で行った。これらの溶融重合反応は以下のようにして実施した。減圧下での蒸留に適合する4Lのガラス製反応容器内で一部結晶性の前駆体ポリカーボネートを製造した。この反応容器はステンレススチール製攪拌機、水冷凝縮器及び冷却目盛付受容フラスコを備えていた。使用前に反応容器を濃硫酸で濯ぎ、次に脱イオン水(18Mohm)で濯ぎ液が中性になるまで濯いだ。次いで、反応容器を乾燥オーブンで一晩中乾燥させた。この反応容器を、PID温度調節器を備えた電気加熱マントルによって加熱した。マントルの温度はマントルと反応容器の界面で測定した。反応容器内の圧力は真空ポンプを用いて調節した。
【0077】
周囲温度・圧力で反応容器に固体のビスフェノールA(General Electric Plastics Japan Ltd.、4.976mol)及び固体のビス(メチルサリチル)カーボネート(5.064mol)並びに任意成分の単官能性フェノール末端封鎖剤を入れた。触媒の酢酸テトラブチルホスホニウム(2.5×10-4モル/モルBPA)及び助触媒のEDTAMgNa2(1.0×10-6モル/モルBPA)を水溶液として加え、反応容器を組み立てた。次に、この反応容器を簡単に排気し、窒素を再導入した。この段階を三回繰り返した。次いで、反応容器を190℃に加熱し、圧力を約10mmHg未満に下げた。20分後反応体は攪拌できるくらい十分に融解した。蒸留が始まると、温度は170℃に低下した。目的留出物の約25%が集まるまでこれらの条件を維持した。その後圧力を30〜40mmHgに上げた。30分以内に反応容器の中味が白色になった。理論量の30%の留出物が集まったらマントルヒーターのスイッチを切り、圧力を500mmHgに上げた。これらオリゴマーを一晩放冷した後集めて押出のために粉砕した。表2に、この方法で調製した前駆体ポリカーボネートに関するデータを掲げる。実施例3〜5で調製した前駆体ポリカーボネートではフリース再配列生成物が検出できなかった。「%ESEG」と表示した欄は、構造IIIを有する「エステル置換末端基」である前駆体ポリカーボネート末端基の割合を示す。
【0078】
【表2】
Figure 2004536917
【0079】
実施例3〜5で調製した一部結晶性の前駆体ポリカーボネートをバッチに分け、Henschelミキサー中で粉砕して粉末にした。これらのバッチの一つには(実施例9参照)、Henschelミキサー内での粉砕中に、追加の酢酸テトラブチルホスホニウム(TBPA)触媒を、前駆体ポリカーボネートの総重量を基準にして150ppm加えた。他の場合は、押出中に存在させた触媒は、前駆体ポリカーボネートを形成するのに用いた溶融重合反応で得られた前駆体ポリカーボネート中に残存する残留触媒のみであった。比較例2の場合、前駆体ポリカーボネートは非晶質であり、ジフェニルカーボネートとビスフェノールAとの溶融反応によって調製した。次に、これらの前駆体ポリカーボネートを、約25mmHgで作動する2〜4の真空ベントを備えており約260〜約300℃のゾーン温度を有する20mm二軸式押出機のスロートに、3〜6ポンド/時の供給速度で導入した。この押出機を約350rpmのスクリュー速度で作動させた。この押出機から出てきたポリカーボネートは、溶融反応で生成した前駆体ポリカーボネートと比べて実質的に増大した分子量を有していることが分かった。これらの生成物ポリカーボネートに対するデータを表3に示す。
【0080】
【表3】
Figure 2004536917
【0081】
表3のデータは、本発明の方法を使用して、低めの分子量を有する前駆体ポリカーボネートからずっと高い分子量のポリカーボネートを製造することができるということを示している。「TBPA」と表示した欄は、前駆体ポリカーボネートに加えたTBPA触媒の量であり、ppmで表してある。「フリースレベル」と表示した欄は生成物ポリカーボネート中のフリース生成物の濃度を示している。記号「n.d.」は「検出されなかった」の意味であり、フリース生成物が存在しなかったことを示している。「[OH]」と表示した欄は、生成物ポリカーボネート中のOH基の全濃度を示している。「%EC」は、ヒドロキシル基で末端終止していないポリマー鎖末端の割合を示す。ヒドロキシル末端基濃度は定量赤外分光法で決定した。単官能性フェノール及びサリチル末端基濃度は生成物のソルボリシス後HPLC分析で決定した。
【0082】
実施例6〜9は、エステル置換フェノキシ末端基を有する前駆体ポリカーボネートを押出に付したときに起こる分子量の実質的な増大を例証している。かなりのレベルの末端封鎖%ECを有するがエステル置換フェノキシ末端基をもたないポリカーボネート、例えば比較例2のポリカーボネートは、押出の際に中程度の分子量上昇しか示さない。また、実質的な量の非−エステル置換フェノキシ末端基を有する前駆体ポリカーボネート、例えば実施例10は、押出の際に、非−ヒドロキシ末端基の実質的に全部がエステル置換フェノキシ基である前駆体ポリカーボネートよりも大幅に限られた分子量上昇しか示さない。表3のデータはさらに、本発明の方法によって、フリース再配列生成物を実質的に含まないポリカーボネートの製造が可能であることを示している。すなわち、前駆体ポリカーボネートを製造し、次いで押出すことで、フリース再配列生成物を生成することなく高分子量のポリカーボネートを得ることができる。
【0083】
実施例11〜40
実施例11〜40は、約56の長さ対直径の比(L/D)を有する直径25ミリメートルの二軸式共回転噛み合い型押出機で実施した。この押出機に、出発モノマーと触媒の粉末混合物を供給した。この粉末混合物を調製するには、高剪断ミキサー(Henschelミキサー)内でモノマーとエステル交換触媒を合わせて、モノマーと触媒が均一に分散した粉末を生成させた。この粉末混合物は、ビス(メチルサリチル)カーボネート(BMSC)、1種以上のビスフェノール、及び酢酸テトラブチルホスホニウム(TBPA)と水酸化ナトリウムからなるエステル交換触媒からなっていた。いずれの場合もBMSC対ビスフェノールのモル比は1.015であった(2種以上のビスフェノールを用いた場合、BMSC対ビスフェノールの比は、使用したBMSCのモル数と使用した全ビスフェノールの合計モル数との比を意味する)。エステル交換触媒の2種の成分の量は、TBPAが使用したビスフェノール1モル当たり約2.5×10-4モル、水酸化ナトリウムが使用したビスフェノール1モル当たり約2.0×10-6モルであった。
【0084】
押出機は14に区分されたバレル(各バレルの長さ対直径の比は約4)、及び副生物のサリチル酸メチルを除去するための6つのベント口をもっていた。これらのベントのうち2つ(V1、V2)は大気圧で作動するようになっており、残りの4つのベント(V3、V4、V5、V6)は真空で作動するようになっていた。実際は、ベントV2を閉じて押出機を作動させるのが便利であることが分かった。そこで、実施例39及び40だけV2を開いて実施した。重合反応の進行に伴って生成するサリチル酸メチルは2つの別々の凝縮器(凝縮器として作動する管状熱交換器)によって収集した。一つの凝縮器はベントV1、V2につなぎ、第二の凝縮器はベントV3〜V6につないだ。
【0085】
押出機は、重合反応を促進するのに十分な温度、滞留時間及び混合強度の条件下で作動させた。押出機スクリュー設計は、供給口の下、及びすべてのベントの下に搬送エレメントを含んでいた。この押出機は、バレル1で押出機に供給されたモノマーを融解させると共に溶融体中のモノマーが反応し始めたときにその溶融体を混合するように、上流バレル(バレル2、3)内に一連のスクリュー混練ブロックを備えていた。また、この押出機は4つの下流反応ゾーン(反応ゾーン1〜4)も有しており、これらは各々が、押出機内容物の強力な混合を促進すると共に、出発材料及び成長するポリマー鎖中のヒドロキシ基と、出発BMSC中及び成長するポリマー鎖上に存在するメチルサリチルカーボネート基との反応を促進するように設計されたスクリュー混練ブロックを有していた。各下流反応ゾーンは、それぞれバレル6(反応ゾーン1)、8(反応ゾーン2)、10(反応ゾーン3)、及び12(反応ゾーン4)に位置していて、その反応ゾーンのすぐ下流にベント口が続いており、このベントは、重合反応で副生物として生成したサリチル酸メチルが除去されるように真空で作動させた。
【0086】
本発明の反応性押出工程によって、使用した押出条件に応じて異なる分子量のポリカーボネートが得られた。押出機は、モノマーと触媒の粉末混合物の供給速度を約10〜35ポンド/時として作動させた。モノマーと触媒の粉末混合物をバレル1で押出機に導入するには、「減量重力供給器(loss in weight gravity feeder)」を用いた(減量重力供給器は米国ニュージャージー州PitmanのK−Tron Inc.から入手できる)。押出機のスクリュー速度は約70〜約450rpmの範囲であった。溶融体温度は約290〜約340℃の範囲であり、真空ベントは(圧力ゲージではなく真空ゲージで測定して)水銀柱約10〜約25インチ(in)の範囲の真空下で作動させた.大気ベントV1、V2は、V1及びV2につないだ凝縮器の出口に取り付けたVenturi装置を用いて大気圧又は大気圧よりもわずかに低い圧力で作動するようにした。実施例11〜40で調製したポリカーボネートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で決定した重量平均(Mw)分子量が約15000〜43000ダルトンであることが分かった。
【0087】
実施例11〜21では供給速度とスクリュー速度を変化させて、有用であるために十分高い分子量を有する生成物ポリカーボネートを提供しつつ高い供給速度を可能にする作動条件を同定した。表4中の実施例21に示されているように、出発モノマーと触媒の粉末混合物の供給速度が35ポンド/時であってもかなり高分子量の生成物ポリカーボネートを達成可能であった。ベントV2はずっと閉めておいた。
【0088】
【表4】
Figure 2004536917
【0089】
実施例22〜33は、本発明の方法を使用してポリカーボネートの製造工程の安定性を決定するために行った。実施例22〜33の実験では、粉末出発材料を一定の速度(13ポンド/時)で約90分間押出機に供給した。最初の平衡期の後、60分間にわたり5分毎に押出機から出てくる生成物ポリカーボネートの試料を採取した。次に、生成物ポリカーボネートの試料をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで評価した。ポリカーボネート試料の分子量の標準偏差は、得られた分子量の平均値の約5%に等しかった。これは適度に安定な工程であることを示している。
【0090】
【表5】
Figure 2004536917
【0091】
実施例34及び35では本発明の方法のコポリマー製造への応用を例示する。実施例34では、押出機に供給した粉末出発材料がビスフェノールA(BPA)に加えて20モル%の4,4′−ジヒドロキシビフェニル(ビフェノール)を含有していた。この20モル%とは、存在する全ビスフェノールの合計モル数の割合である。実施例35では、粉末出発材料が40モル%のビフェノールを含んでいた。実施例34と35で生成した生成物のコポリカーボネートに関して集めたデータは、ビスフェノールAとビフェノールの両方に由来する繰返し単位を有するコポリカーボネートと一致していた。
【0092】
【表6】
Figure 2004536917
【0093】
実施例37及び38は、本発明の方法の枝分れポリカーボネート製造への応用を例示する。実施例36は枝分れ剤を含有しない対照を表す。実施例37と38では、押出機に供給する粉末出発材料に枝分れ剤として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE)を含ませた。枝分れ剤の量はそれぞれ0.5モル%と1.0モル%とした。THPEのモル%は、粉末出発材料中に存在するBPAのモル数に対するTHPEのモル数を基準としている。2モル%のTHPEを含有するポリカーボネートを調製しようとした試みは、生成物ポリカーボネートの過度に高い粘度のため押出できなかったので断念した。
【0094】
【表7】
Figure 2004536917
【0095】
実施例39及び40は、生成物ポリカーボネートを二回押出す効果を例示し、最初に調製したポリマーに第二の押出を実行するという簡単な手段によって追加の分子量増大を達成できることを立証する。この第二の押出は、最初の反応性押出に使用したのと同じ押出機でも、最初の押出機に近接して連結することができる第二の押出機でも実施できる。明記されているように、実施例39と40は、1群の実施例11〜40のうちで第二大気ベントV2を開放した唯一の実施例である。実施例39出得られた生成物ポリカーボネートを収集し、ペレット化し、後に実施例40で再度押出した。第二の押出の際に、顕著な分子量増大が観察された。
【0096】
【表8】
Figure 2004536917
【0097】
実施例41
ビスフェノールA、BMSC、及び重合度約50のヒドロキシ末端停止ポリジメチルシロキサンを、Henschelミキサー内で、酢酸テトラブチルホスホニウム(TBPA、BPA1モル当たり2.5×10-4モル)及び水酸化ナトリウム(BPA1モル当たり2.0×10-6モル)と合わせて混合した。使用したポリジメチルシロキサンの量はBPAの重量を基準にして5重量%であった。得られた粉末を次に、実施例11〜40と同様な14バレルの直径25mmの逆回転非噛み合い型二軸式押出機に供給した。この反応性押出を行った条件と、生成物のシロキサンポリカーボネートの分子量特性とを表9に示す。実施例11〜40と同様に反応性押出の間ベントV2は閉めておいた。データは、本発明の方法をシロキサンコポリカーボネートの製造に応用した例を示している。
【0098】
【表9】
Figure 2004536917
【0099】
実施例42
実施例11〜40に記載したようにして、ビスフェノールA、ビス(メチルサリチル)カーボネート及びエステル交換触媒の粉末混合物を調製する。従って、この粉末混合物はBPAとBMSCをBPA1モル当たりBMSC1.015モルのモル比で含む。使用したエステル交換触媒の2種の成分の量は、粉末混合物中に存在するBPA1モル当たりTBPAが約2.5×10-4モル、水酸化ナトリウムが約2.0×10-6モルである。次に、この触媒と出発モノマーの混合物を並列に作動する2つのベント付き二軸式押出機に供給する。各押出機は図1に示したものと同様である。各押出機への供給速度はほぼ同じで、約20ポンド/時であり、各押出機のスクリュー速度は毎分約230回転であり、各押出機のバレル温度はほぼ同じで、約230〜約330℃の範囲である。これら2つの押出機から出てくる最初の生成物ポリカーボネートを直接第三の押出機に供給する。この第三の押出機も図1に示したものである。第三の押出機への供給速度は最初の2つの押出機への供給速度の約100〜約150%である。第三の押出機は、スクリュー速度が約100〜約500rpm、バレル温度が約230〜約350℃の範囲になるように作動させる。
【0100】
本発明をその好ましい実施形態に関して詳細に説明してきたが、本発明の思想と範囲内で変更や修正をなし得るものであることは当業者には了解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を実施する際に使用できる14バレルのベント付き押出機をそのスクリュー設計と共に示す図である。

Claims (77)

  1. 約100〜約350℃の温度範囲の1以上の温度、毎分約50〜約500回転のスクリュー速度範囲の1以上のスクリュー速度で、エステル交換触媒の存在下、
    (A)エステル置換ジアリールカーボネートと1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物を含む混合物、及び
    (B)エステル置換フェノキシ末端基を含む1種以上の前駆体ポリカーボネート
    からなる群から選択される1種以上の出発材料を押出すことを含んでなるポリカーボネートの製造方法。
  2. 前記エステル置換ジアリールカーボネートが下記式の構造Iを有する、請求項1記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R1は各々独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、R2は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20アリール基、C1〜C20アルコキシ基、C4〜C20シクロアルコキシ基、C4〜C20アリールオキシ基、C1〜C20アルキルチオ基、C4〜C20シクロアルキルチオ基、C4〜C20アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルフィニル基、C4〜C20シクロアルキルスルフィニル基、C4〜C20アリールスルフィニル基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C4〜C20シクロアルキルスルホニル基、C4〜C20アリールスルホニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C4〜C20アリールオキシカルボニル基、C2〜C60アルキルアミノ基、C6〜C60シクロアルキルアミノ基、C5〜C60アリールアミノ基、C1〜C40アルキルアミノカルボニル基、C4〜C40シクロアルキルアミノカルボニル基、C4〜C40アリールアミノカルボニル基、又はC1〜C20アシルアミノ基であり、bは各々独立に0〜4の整数である。
  3. エステル置換ジアリールカーボネートが、ビス(メチルサリチル)カーボネート、ビス(プロピルサリチル)カーボネート、及びビス(ベンジルサリチル)カーボネートを含んでなる群から選択される、請求項2記載の方法。
  4. 前記ジヒドロキシ芳香族化合物が下記式の構造IIを有するビスフェノールである、請求項1記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R3〜R10は独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、又はC6〜C20アリール基であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20環式脂肪族基、又は次式の基である。
    Figure 2004536917
    式中、R11及びR12は独立に水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、若しくはC4〜C20アリール基であるか、又はR11及びR12は一緒になってC4〜C20環式脂肪族環を形成しており、この環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基又はこれらの組合せで置換されていてもよい。
  5. 前記ビスフェノールがビスフェノールAである、請求項4記載の方法。
  6. 前記前駆体ポリカーボネートが下記式の構造IIIを有するエステル置換フェノキシ末端基を含む、請求項1記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R1はC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、R2は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20アリール基、C1〜C20アルコキシ基、C4〜C20シクロアルコキシ基、C4〜C20アリールオキシ基、C1〜C20アルキルチオ基、C4〜C20シクロアルキルチオ基、C4〜C20アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルフィニル基、C4〜C20シクロアルキルスルフィニル基、C4〜C20アリールスルフィニル基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C4〜C20シクロアルキルスルホニル基、C4〜C20アリールスルホニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C4〜C20アリールオキシカルボニル基、C2〜C60アルキルアミノ基、C6〜C60シクロアルキルアミノ基、C5〜C60アリールアミノ基、C1〜C40アルキルアミノカルボニル基、C4〜C40シクロアルキルアミノカルボニル基、C4〜C40アリールアミノカルボニル基、又はC1〜C20アシルアミノ基であり、bは0〜4の整数である。
  7. 前記前駆体ポリカーボネートが下記式の構造IVを有するエステル置換フェノキシ末端基を含む、請求項6記載の方法。
    Figure 2004536917
  8. 前記前駆体ポリカーボネートが一部結晶性である、請求項7記載の方法。
  9. 前記前駆体ポリカーボネートが10〜40パーセントの結晶化度を有する、請求項8記載の方法。
  10. 前記前駆体ポリカーボネートが下記式のビスフェノールA繰返し単位Vを含む、請求項6記載の方法。
    Figure 2004536917
  11. 前記エステル交換触媒が第四アンモニウム化合物、第四ホスホニウム化合物又はこれらの混合物を含む、請求項1記載の方法。
  12. 前記第四アンモニウム化合物が次式の構造VIを有する、請求項11記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R13〜R16は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は有機又は無機陰イオンである。
  13. 前記陰イオンが、水酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸、フェノキシド、スルホン酸、硫酸、炭酸、お及び重炭酸イオンからなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  14. 前記第四アンモニウム化合物が水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項12記載の方法。
  15. 前記ホスホニウム化合物が下記式の構造VIIを有する、請求項11記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R17〜R20は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は有機又は無機陰イオンである。
  16. 前記陰イオンが、水酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸、フェノキシド、スルホン酸、硫酸、炭酸、及び重炭酸イオンからなる群から選択される、請求項15記載の方法。
  17. 前記第四ホスホニウム化合物が酢酸テトラブチルホスホニウムである、請求項15記載の方法。
  18. 前記エステル交換触媒がさらに1種以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はこれらの混合物を含む、請求項11記載の方法。
  19. 前記エステル交換触媒が1種以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はこれらの混合物を含む、請求項1記載の方法。
  20. 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、請求項19記載の方法。
  21. 前記エステル交換触媒が、1種以上のカルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、又はこれらの混合物を含む、請求項1記載の方法。
  22. 前記カルボン酸のアルカリ金属塩がNa2MgEDTAである、請求項21記載の方法。
  23. 前記エステル交換触媒が1種以上の非揮発性無機酸の塩を含む、請求項1記載の方法。
  24. 前記非揮発性酸の塩が、NaH2PO3、NaH2PO4、Na22PO3、KH2PO4、CsH2PO4、及びCs22PO4からなる群から選択される、請求項23記載の方法。
  25. 前記混合物が、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約0.9〜約1.25モルのエステル置換ジアリールカーボネート、及び混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約1.0×10-8〜約1×10-3モルのエステル交換触媒を含む、請求項1記載の方法。
  26. 前記混合物が、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約0.95〜約1.05モルのエステル置換ジアリールカーボネート、及び混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約1.0×10-6〜約5×10-4モルのエステル交換触媒を含む、請求項25記載の方法。
  27. 前記押出を、1以上の真空ベントを備えた押出機で行う、請求項1記載の方法。
  28. 前記押出機が、同方向回転噛合二軸押出機、異方向回転非噛合二軸押出機、往復動単軸押出機、及び非往復動単軸押出機からなる群から選択される、請求項27記載の方法。
  29. 出発材料(A)及び(B)がさらに単官能性フェノール連鎖停止剤を含む、請求項1記載の方法。
  30. 前記連鎖停止剤がp−クミルフェノールである、請求項29記載の方法。
  31. ビスフェノールA、ビス(メチルサリチル)カーボネート及びエステル交換触媒を含む固体混合物を、約100〜約350℃の範囲の1以上の温度、約50〜約500rpmの範囲の1以上のスクリュー速度で押出して生成物ポリカーボネートを形成することを含んでなるポリカーボネートの製造方法であって、前記混合物が、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約0.95〜約1.05モルのビス(メチルサリチル)カーボネートを含む、前記方法。
  32. 前記混合物が、導入されるビスフェノールA1モル当たり約1.0×10-8〜約1×10-3モルのエステル交換触媒を含む、請求項31記載の方法。
  33. ビスフェノールAとビス(メチルサリチル)カーボネートとの相対量を調節することによって、生成物ポリカーボネートの分子量を調節する、請求項31記載の方法。
  34. 前記エステル交換触媒が、第四アンモニウム化合物、第四ホスホニウム化合物、カルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、非揮発性酸の塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項31記載の方法。
  35. 前記エステル交換触媒が酢酸テトラブチルホスホニウムを含む、請求項34記載の方法。
  36. ビスフェノールA、ビス(メチルサリチル)カーボネート及びエステル交換触媒を含む混合物を約1〜約100mmHgの圧力で150〜200℃の範囲の温度に加熱しながら副生物のサリチル酸メチルを除去して一部結晶性の前駆体ポリカーボネートを得る段階(I)、
    前記一部結晶性の前駆体ポリカーボネートを粉砕する段階(II)、
    前記一部結晶性の前駆体ポリカーボネートを約100〜約350℃の範囲の1以上の温度、約50〜約500rpmの範囲の1以上のスクリュー速度で押出す段階(III)
    を含んでなるポリカーボネートの製造方法。
  37. 前記混合物が、ビスフェノールA1モル当たり約0.95〜約1.05モルのビス(メチルサリチル)カーボネート、及び混合物中に存在するビスフェノールA1モル当たり約1×10-8〜1×10-3モルのエステル交換触媒を含む、請求項36記載の方法。
  38. 前記混合物がさらに、ビスフェノールA1モル当たり約0.001〜約0.05モルのp−クミルフェノールを含む、請求項37記載の方法。
  39. 前記エステル交換触媒が、第四アンモニウム化合物、第四ホスホニウム化合物、カルボン酸のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、非揮発性酸の塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項37記載の方法。
  40. ビスフェノールA、ビス(メチルサリチル)カーボネート及びエステル交換触媒を含む混合物を約1〜約100mmHgの圧力で150〜200℃の範囲の温度に加熱しながら副生物のサリチル酸メチルを除去して前駆体ポリカーボネートを得る段階(I)と、
    前記前駆体ポリカーボネートを約100〜約350℃の範囲の1以上の温度、約50〜約500rpmの範囲の1以上のスクリュー速度で押出す段階(II)と
    を含んでなるポリカーボネートの製造方法。
  41. 前記前駆体ポリカーボネートが溶融体である、請求項42記載の方法。
  42. 前記前駆体ポリカーボネートが非晶質固体である、請求項42記載の方法。
  43. 約100〜約350℃の温度範囲の1以上の温度で、エステル交換触媒の存在下、
    (A)エステル置換ジアリールカーボネートと1種以上のジヒドロキシ芳香族化合物を含む混合物、及び
    (B)エステル置換フェノキシ末端基を含む1種以上の前駆体ポリカーボネート
    からなる群から選択される1種以上の出発材料を押出すことを含んでなるポリカーボネートの製造方法であって、
    前記押出はあるスクリュー速度を有する押出機で行われ、前記出発材料はある供給速度で前記押出機中に導入され、前記供給速度と前記スクリュー速度とはある比をもっており、前記押出機を、押出機中に導入される出発材料(ポンド/時)と毎分の回転数で表したスクリュー速度との比が約0.01〜約100の範囲内に入るように作動させる、前記方法。
  44. 前記エステル置換ジアリールカーボネートが次式の構造Iを有する、請求項43記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R1は各々独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、R2は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20アリール基、C1〜C20アルコキシ基、C4〜C20シクロアルコキシ基、C4〜C20アリールオキシ基、C1〜C20アルキルチオ基、C4〜C20シクロアルキルチオ基、C4〜C20アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルフィニル基、C4〜C20シクロアルキルスルフィニル基、C4〜C20アリールスルフィニル基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C4〜C20シクロアルキルスルホニル基、C4〜C20アリールスルホニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C4〜C20アリールオキシカルボニル基、C2〜C60アルキルアミノ基、C6〜C60シクロアルキルアミノ基、C5〜C60アリールアミノ基、C1〜C40アルキルアミノカルボニル基、C4〜C40シクロアルキルアミノカルボニル基、C4〜C40アリールアミノカルボニル基、又はC1〜C20アシルアミノ基であり、bは各々独立に0〜4の整数である。
  45. エステル置換ジアリールカーボネートが、ビス(メチルサリチル)カーボネート、ビス(プロピルサリチル)カーボネート、及びビス(ベンジルサリチル)カーボネートを含んでなる群から選択される、請求項44記載の方法。
  46. 前記ジヒドロキシ芳香族化合物が下記式の構造IIを有するビスフェノールである、請求項43記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R3〜R10は独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、又はC6〜C20アリール基であり、Wは結合、酸素原子、イオウ原子、SO2基、C1〜C20脂肪族基、C6〜C20芳香族基、C6〜C20環式脂肪族基、又は次式の基である。
    Figure 2004536917
    式中、R11及びR12は独立に水素原子、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、若しくはC4〜C20アリール基であるか、又はR11及びR12は一緒になってC4〜C20環式脂肪族環を形成しており、この環は適宜1以上のC1〜C20アルキル、C6〜C20アリール、C5〜C21アラルキル、C5〜C20シクロアルキル基又はこれらの組合せで置換されていてもよい。
  47. 前記ビスフェノールがビスフェノールAである、請求項46記載の方法。
  48. 前記前駆体ポリカーボネートが下記式の構造IIIを有するエステル置換フェノキシ末端基を含む、請求項43記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R1はC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、R2は各々独立にハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20アリール基、C1〜C20アルコキシ基、C4〜C20シクロアルコキシ基、C4〜C20アリールオキシ基、C1〜C20アルキルチオ基、C4〜C20シクロアルキルチオ基、C4〜C20アリールチオ基、C1〜C20アルキルスルフィニル基、C4〜C20シクロアルキルスルフィニル基、C4〜C20アリールスルフィニル基、C1〜C20アルキルスルホニル基、C4〜C20シクロアルキルスルホニル基、C4〜C20アリールスルホニル基、C1〜C20アルコキシカルボニル基、C4〜C20シクロアルコキシカルボニル基、C4〜C20アリールオキシカルボニル基、C2〜C60アルキルアミノ基、C6〜C60シクロアルキルアミノ基、C5〜C60アリールアミノ基、C1〜C40アルキルアミノカルボニル基、C4〜C40シクロアルキルアミノカルボニル基、C4〜C40アリールアミノカルボニル基、又はC1〜C20アシルアミノ基であり、bは0〜4の整数である。
  49. 前記前駆体ポリカーボネートが次式の構造IVを有するエステル置換フェノキシ末端基を含む、請求項48記載の方法。
    Figure 2004536917
  50. 前記前駆体ポリカーボネートが一部結晶性である、請求項49記載の方法。
  51. 前記前駆体ポリカーボネートが10〜40パーセントの結晶化度を有する、請求項50記載の方法。
  52. 前記前駆体ポリカーボネートが次式のビスフェノールA繰返し単位Vを含む、請求項49記載の方法。
    Figure 2004536917
  53. 前記エステル交換触媒が第四アンモニウム化合物、第四ホスホニウム化合物、又はこれらの混合物からなる、請求項43記載の方法。
  54. 前記第四アンモニウム化合物が次式の構造VIを有する、請求項53記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R13〜R16は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は有機又は無機陰イオンである。
  55. 前記陰イオンが、水酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸、フェノキシド、スルホン酸、硫酸、炭酸、及び重炭酸イオンからなる群から選択される、請求項54記載の方法。
  56. 前記第四アンモニウム化合物が水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項54記載の方法。
  57. 前記ホスホニウム化合物が次式の構造VIIを有する、請求項53記載の方法。
    Figure 2004536917
    式中、R17〜R20は独立にC1〜C20アルキル基、C4〜C20シクロアルキル基又はC4〜C20アリール基であり、X-は有機又は無機陰イオンである。
  58. 前記陰イオンが、水酸化物、ハロゲン化物、カルボン酸、フェノキシド、スルホン酸、硫酸、炭酸、及び重炭酸イオンからなる群から選択される、請求項57記載の方法。
  59. 前記第四ホスホニウム化合物が酢酸テトラブチルホスホニウムである、請求項57記載の方法。
  60. 前記エステル交換触媒がさらに1種以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はこれらの混合物を含む、請求項53記載の方法。
  61. 前記エステル交換触媒が1種以上のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物又はこれらの混合物を含む、請求項43記載の方法。
  62. 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、請求項61記載の方法。
  63. 前記エステル交換触媒が1種以上のカルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、又はこれらの混合物を含む、請求項43記載の方法。
  64. 前記カルボン酸のアルカリ金属塩がNa2MgEDTAである、請求項63記載の方法。
  65. 前記エステル交換触媒が1種以上の非揮発性無機酸の塩を含む、請求項43記載の方法。
  66. 前記非揮発性酸の塩が、NaH2PO3、NaH2PO4、Na22PO3、KH2PO4、CsH2PO4、及びCs22PO4からなる群から選択される、請求項65記載の方法。
  67. 前記混合物が、混合物中に存在する芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たり約0.9〜約1.25モルのエステル置換ジアリールカーボネート、及び混合物中に存在する芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たり約1.0×10-8〜約1×10-3モルのエステル交換触媒を含む、請求項43記載の方法。
  68. 前記混合物が、混合物中に存在する芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たり約0.95〜約1.05モルのエステル置換ジアリールカーボネート、及び混合物中に存在する芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当たり約1.0×10-6〜約5×10-4モルのエステル交換触媒を含む、請求項67記載の方法。
  69. 前記押出を、1以上の真空ベントを備えた押出機で行う、請求項1記載の方法。
  70. 前記押出機が、同方向回転噛合二軸押出機、異方向回転非噛合二軸押出機、往復動単軸押出機、及び非往復動単軸押出機からなる群から選択される、請求項69記載の方法。
  71. 出発材料(A)及び(B)がさらに単官能性フェノール連鎖停止剤を含む、請求項43記載の方法。
  72. 前記連鎖停止剤がp−クミルフェノールである、請求項71記載の方法。
  73. さらに、生成物ポリカーボネートを前記押出機から取り出すことを含んでなる、請求項43記載の方法。
  74. 前記生成物ポリカーボネートをある供給速度で第二押出機中に導入し、前記第二押出機があるスクリュー速度をもっており、前記供給速度と前記スクリュー速度とがある比をもっており、前記第二押出機が約100〜約400℃の範囲の温度で作動し、前記第二押出機が、ポンド/時で表した供給速度と毎分の回転数で表したスクリュー速度との比が約0.01〜約100の範囲内に入るように作動する、請求項73記載の方法。
  75. スクリュー速度が毎分約50〜約1200回転の範囲である、請求項74記載の方法。
  76. スクリュー速度が毎分約50〜約1200回転の範囲である、請求項43記載の方法。
  77. (A)ビスフェノールA、ビス(メチルサリチル)カーボネート及びエステル交換触媒を含む混合物であって、混合物中に存在するジヒドロキシ芳香族化合物1モル当たり約0.95〜約1.05モルのビス(メチルサリチル)カーボネートを含む前記混合物を、あるスクリュー速度を有する押出機中にある供給速度で導入し(前記供給速度と前記スクリュー速度とはある比を有する)、ポンド/時で表した供給速度と毎分の回転数で表したスクリュー速度との比が約0.01〜約100の範囲内に入るようにして作動する前記押出機で約100〜約350℃の範囲の1以上の温度で押出し、
    (B)生成物ポリカーボネートを回収する
    ことを含んでなるポリカーボネートの製造方法。
JP2003515578A 2001-07-24 2002-07-17 ポリカーボネートを製造するための押出法 Ceased JP2004536917A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/911,439 US6420512B1 (en) 2001-07-24 2001-07-24 Extrusion method for making polycarbonate
US10/167,903 US6506871B1 (en) 2001-07-24 2002-06-12 Extrusion method for making polycarbonate
PCT/US2002/023310 WO2003010220A1 (en) 2001-07-24 2002-07-17 Extrusion method for making polycarbonate

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004536917A true JP2004536917A (ja) 2004-12-09
JP2004536917A5 JP2004536917A5 (ja) 2006-01-05

Family

ID=26863580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003515578A Ceased JP2004536917A (ja) 2001-07-24 2002-07-17 ポリカーボネートを製造するための押出法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US6506871B1 (ja)
EP (1) EP1414888B1 (ja)
JP (1) JP2004536917A (ja)
KR (1) KR100874297B1 (ja)
CN (2) CN1556826B (ja)
AT (1) ATE328025T1 (ja)
DE (1) DE60211914T2 (ja)
ES (1) ES2265046T3 (ja)
TW (1) TW548292B (ja)
WO (1) WO2003010220A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514466A (ja) * 2001-07-24 2005-05-19 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ ポリカーボネート製造方法
WO2009016804A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Mitsubishi Chemical Corporation ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JP2009052026A (ja) * 2007-08-01 2009-03-12 Mitsubishi Chemicals Corp ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JP2022508400A (ja) * 2018-12-20 2022-01-19 ステアライフ・インディア・プライベート・リミテッド 化学変性された炭酸水素塩粒子を調製するためのプロセス

Families Citing this family (55)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6511217B1 (en) * 2000-11-03 2003-01-28 General Electric Company Method and system to compound silicone compositions
US6870025B2 (en) * 2001-07-24 2005-03-22 General Electric Company Method of polycarbonate preparation
US7151189B2 (en) * 2003-06-19 2006-12-19 General Electric Company Method and apparatus for waste stream recovery
US20080262196A1 (en) * 2003-08-26 2008-10-23 Sabic Innovative Plastics Ip Bv Apparatus and method of separating a polymer from a solvent
US20070225479A1 (en) * 2003-08-26 2007-09-27 General Electric Company Method of separating a polymer from a solvent
US6949622B2 (en) * 2003-08-26 2005-09-27 General Electric Company Method of separating a polymer from a solvent
US20060089487A1 (en) * 2003-08-26 2006-04-27 Norberto Silvi Method of separating a polymer from a solvent
US7557154B2 (en) * 2004-12-23 2009-07-07 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polymer compositions, method of manufacture, and articles formed therefrom
US8034866B2 (en) * 2003-12-30 2011-10-11 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polymer compositions, method of manufacture, and articles formed therefrom
US8067493B2 (en) * 2003-12-30 2011-11-29 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polymer compositions, method of manufacture, and articles formed therefrom
US20050143508A1 (en) * 2003-12-30 2005-06-30 General Electric Company Resin compositions with fluoropolymer filler combinations
US7057004B2 (en) * 2004-01-29 2006-06-06 General Electric Company Process for the production of copolycarbonates with reduced color
US7211641B2 (en) 2004-02-27 2007-05-01 General Electric Company Liquid crystal polycarbonates and methods of preparing same
KR101146958B1 (ko) 2004-04-02 2012-05-22 동우 화인켐 주식회사 조성물, 조성물 용액 및 성형물
US7041775B2 (en) 2004-04-20 2006-05-09 General Electric Company Method for preparing a polycarbonate oligomer mixture at low temperature for manufacturing polycarbonate
US20050288405A1 (en) * 2004-06-29 2005-12-29 General Electric Company Copolymers containing diimide moieties and blends thereof
US20060004151A1 (en) * 2004-06-30 2006-01-05 General Electric Company Copolymers containing indan moieties and blends thereof
US7312352B2 (en) * 2004-08-02 2007-12-25 Paul William Buckley Method of preparing ester-substituted diaryl carbonates
US7105626B2 (en) * 2004-09-10 2006-09-12 General Electric Company Method for incorporating alkyl ester endgroups to improve the release properties of melt polycarbonate
US7132498B2 (en) * 2004-09-27 2006-11-07 General Electric Company Process to make polycarbonate from bismethylsalicylcarbonate (BMSC)
US7183371B2 (en) * 2004-11-01 2007-02-27 General Electric Company Method for making polycarbonate
US7189869B2 (en) * 2004-11-01 2007-03-13 General Electric Company Method for making polycarbonate
US7230066B2 (en) * 2004-12-16 2007-06-12 General Electric Company Polycarbonate—ultem block copolymers
US7321014B2 (en) * 2004-12-29 2008-01-22 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US7273917B2 (en) * 2005-05-20 2007-09-25 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US7326764B2 (en) 2005-05-20 2008-02-05 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US7323535B2 (en) * 2005-05-20 2008-01-29 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US7323536B2 (en) 2005-05-20 2008-01-29 General Electric Company Transparent compositions, methods for the preparation thereof, and articles derived therefrom
US20070123655A1 (en) * 2005-11-30 2007-05-31 Gaggar Satish K Weatherable, high modulus polymer compositions and method
US7365149B2 (en) * 2005-12-12 2008-04-29 Hans-Peter Brack Equipment cleaning in the manufacture of polycarbonates
US7485694B2 (en) * 2005-12-21 2009-02-03 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polycarbonates containing low levels of methyl salicylate prepared by a melt polymerization in a reactive extruder
US7485695B2 (en) * 2005-12-21 2009-02-03 Sabic Innovative Plastics Ip B.V Polycarbonates containing low levels of methyl salicylate prepared by a melt polymerization in a reactive extruder
US7498399B2 (en) * 2006-05-31 2009-03-03 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method of preparing ester-substituted diaryl carbonates
US7495064B2 (en) * 2006-06-26 2009-02-24 Sabic Innovative Plastics Ip Bv Manufacture of polycarbonates
US7482423B2 (en) * 2006-06-30 2009-01-27 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polycarbonates and method of preparing same
US7498400B2 (en) * 2006-06-30 2009-03-03 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method of preparing polycarbonate
US7645851B2 (en) * 2006-06-30 2010-01-12 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Polycarbonate with reduced color
US7541420B2 (en) * 2006-06-30 2009-06-02 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method for making molded polycarbonate articles with improved color
US20080287640A1 (en) * 2007-05-15 2008-11-20 General Electric Company Process for the production of polycarbonate using an ester substituted diaryl carbonate
JP5380934B2 (ja) * 2007-07-31 2014-01-08 三菱化学株式会社 ポリカーボネート樹脂の製造方法
US7601794B2 (en) * 2007-09-28 2009-10-13 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Monomer solution for producing polycarbonate
US7619053B2 (en) * 2007-09-28 2009-11-17 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Monomer solution for producing polycarbonate
US7632913B2 (en) * 2007-09-28 2009-12-15 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method of producing polycarbonate in a flash devolatilization system
US7615605B2 (en) * 2008-03-26 2009-11-10 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Monomer solution for producing polycarbonate
US7671165B2 (en) * 2008-05-16 2010-03-02 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method of forming polycarbonate
US7674872B2 (en) * 2008-06-17 2010-03-09 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method of producing high molecular weight polymer
US7547799B1 (en) 2008-06-20 2009-06-16 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method for producing phenolic compound
US8058469B2 (en) * 2008-11-03 2011-11-15 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method for making carbamates, ureas and isocyanates
US7659359B1 (en) 2008-11-18 2010-02-09 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Stabilization of isosorbide-based polycarbonate
US7977447B2 (en) * 2008-11-18 2011-07-12 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method for making carbonates and esters
CN101856874B (zh) * 2010-06-03 2013-01-02 浙江富源再生资源有限公司 一种利用废弃纯涤纶服装生产纤维级聚酯切片的方法
US8343608B2 (en) 2010-08-31 2013-01-01 General Electric Company Use of appended dyes in optical data storage media
US8669314B2 (en) 2012-02-03 2014-03-11 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Hydrolytic stability in polycarbonate compositions
JP6728038B2 (ja) 2013-10-08 2020-07-22 モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ゲーエムベーハー 反応性官能性シロキサン組成物
CN109955458A (zh) * 2019-04-09 2019-07-02 合肥工业大学 一种低挥发性树脂的制备装置及其制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4232668A (en) 1979-02-28 1980-11-11 Strupat John P Gas ventilating device
US4323668A (en) * 1980-12-03 1982-04-06 General Electric Company (Ortho-alkoxycarbonyaryl)-carbonate transesterification
JPH0699552B2 (ja) * 1986-07-16 1994-12-07 ダイセル化学工業株式会社 カ−ボネ−ト結合含有重合物の製造方法
DE69605167T2 (de) 1995-09-19 2000-09-14 Teijin Ltd Verfahren zur Herstellung von Polycarbonat
EP0980861A4 (en) 1997-04-04 2001-05-23 Teijin Ltd SALICYLESTER DERIVATIVES AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
US6300459B1 (en) 1998-03-17 2001-10-09 Teijin Limited Process for producing aromatic polycarbonate
JP2000044669A (ja) * 1998-08-04 2000-02-15 Teijin Ltd 芳香族ポリカーボネートの製造方法および真空捕集系
EP1114841B1 (en) 1999-04-20 2003-10-08 Teijin Limited Process for producing polyarylate
TW500741B (en) 2000-03-22 2002-09-01 Teijin Ltd Polycarbonate, a method for preparing thereof and molded products thereof

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514466A (ja) * 2001-07-24 2005-05-19 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ ポリカーボネート製造方法
WO2009016804A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Mitsubishi Chemical Corporation ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JP2009052026A (ja) * 2007-08-01 2009-03-12 Mitsubishi Chemicals Corp ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JP2022508400A (ja) * 2018-12-20 2022-01-19 ステアライフ・インディア・プライベート・リミテッド 化学変性された炭酸水素塩粒子を調製するためのプロセス
JP7198930B2 (ja) 2018-12-20 2023-01-04 ステアライフ・インディア・プライベート・リミテッド 化学変性された炭酸水素塩粒子を調製するためのプロセス

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003010220A1 (en) 2003-02-06
KR100874297B1 (ko) 2008-12-18
CN102702499A (zh) 2012-10-03
CN1556826B (zh) 2012-07-18
TW548292B (en) 2003-08-21
CN1556826A (zh) 2004-12-22
EP1414888A1 (en) 2004-05-06
US6506871B1 (en) 2003-01-14
DE60211914D1 (de) 2006-07-06
DE60211914T2 (de) 2007-01-25
KR20040030839A (ko) 2004-04-09
ES2265046T3 (es) 2007-02-01
ATE328025T1 (de) 2006-06-15
EP1414888B1 (en) 2006-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100874297B1 (ko) 폴리카보네이트를 제조하기 위한 압출 방법
US6420512B1 (en) Extrusion method for making polycarbonate
EP2052009B1 (en) Method of preparing polycarbonate
US6870025B2 (en) Method of polycarbonate preparation
EP1427771B1 (en) Method of polycarbonate preparation by solid state polymerization
US6790929B2 (en) Method for making an aromatic polycarbonate
US7482423B2 (en) Polycarbonates and method of preparing same
JP2005514466A (ja) ポリカーボネート製造方法
JP2008514754A (ja) ビスメチルサリチルカーボネートからポリカーボネートを製造する方法
JPH0959367A (ja) ポリカーボネート樹脂の製造方法
US7629432B2 (en) Tert-butylhydroquinone polycarbonates
JPH0959368A (ja) ポリカーボネート樹脂の製造方法
JP6036142B2 (ja) ポリカーボネート樹脂の製造方法
WO2008051849A1 (en) Tert-butylhydroquinone polycarbonates
KR20050019744A (ko) 방향족 폴리카보네이트의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050713

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050713

RD12 Notification of acceptance of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7432

Effective date: 20071101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080624

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080924

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20090224