JP2004535477A - 3−o−脱アシル化された−4’−モノホスホリルリピドa(3d−mla)の製造法 - Google Patents

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Abstract

本明細書において、リポ多糖(LPS)を作製する方法であり、(a)培地においてディープラフ型突然変異細菌株の培養物を増殖する工程;(b)培養物を定常期において少なくとも約5時間維持する工程;(c)培養物から細胞を収集する工程;および、(d)細胞からLPSを抽出する工程を含む方法が開示される。この方法はヘキサアシル同族体グループを少なくとも約20モル%有する、3-O-脱アシル化されたモノホスホリルリピドA(3D-MLA)の生成に使用することができるLPSの生成を可能にする。同じくディープラフ型突然変異細菌株細胞の培養物からリポ多糖(LPS)を抽出する方法であり、(a)細胞を、本質的に少なくとも約75質量%の1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび平衡水からなる溶液で抽出し、これによりリン脂質含量が低下した細胞を作製する工程;ならびに(b)リン脂質含量が低下した細胞を、クロロホルムおよびメタノールを含有する溶液で抽出し、これによりクロロホルムおよびメタノール(CM)を溶媒とするLPS溶液を得る工程を含む方法も、本明細書において開示される。この方法は、低下したリン脂質含量を有し、比較的簡便かつ安価な工程により作製される、CMを溶媒とするLPS溶液を提供する。

Description

【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、仮出願ではなく、2001年3月30日に出願された米国特許仮出願第60/280,089号の恩恵を請求するものである。
【0002】
連邦の研究開発基金の下で行われた発明の権利に関する声明
適用なし
【0003】
発明の背景
1. 発明の技術分野
本発明は、全般的に3-O-脱アシル化された-4'-モノホスホリルリピドA(3D-MLA)の生合成産物の分野に関する。より詳細に述べると、これは、所望の3D-MLA同族体の収量を改善するか、もしくは3D-MLAのリポ多糖(LPS)前駆体の精製の経費を最小化する方法に関する。
【0004】
2. 関連技術の説明
長い間、腸内細菌のリポ多糖(LPS)は、免疫系の強力な賦活剤であることが認められてきた。有益および有害の両方の様々な反応を、マイクログラム量未満のLPSにより引き起すことができる。一部の反応は有害であり、その一部は致死的であり得るという事実は、LPSそれ自身の臨床での用途を阻んでいる。内毒素活性に最も寄与するLPS成分は、リピドAであることは認められている。
【0005】
従って、LPSまたはリピドAの有毒な特性の弱毒化を、これらの化合物の免疫賦活の恩恵を損なうことなく行うことに、多くの努力が払われている。中でもとりわけ注目すべき労作は、Edgar Ribiおよびその同僚のものであり、これは、リピドA誘導体3-O-脱アシル化された-4'-モノホスホリルリピドA(3D-MLA;3D-MLAを含有する組成物は、商標MPL(登録商標)としてCorixa社(シアトル、WA)から市販されている。)の製造をもたらした。3D-MLAは、リピドAと本質的に同じ免疫賦活特性を有するが、内毒素性はより低いことが示されている(Myersら、米国特許第4,912,094号)。Myersらは、更に以下のような3D-MLAの作製法も報告している。第一に、グラム陰性菌(例えば、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)R595)のディープラフ型突然変異株から得られたLPSまたはリピドAを、中程度の強度の鉱酸溶液(例えば、0.1N HCl)中で、およそ30分間還流する。これは、リピドAの還元末端グルコサミンの1位での脱リン酸化および非還元グルコサミンの6'位での糖鎖除去につながる。第二に、脱リン酸化し糖鎖除去したリピドA(別名、モノホスホリルリピドAまたはMLA)に、例えばクロロホルム:メタノール(CM)2:1(v/v)のような有機溶媒に溶解し、この溶液を、0.5M Na2CO3水溶液(pH10.5)で飽和し、溶媒をフラッシュ蒸発させることにより、塩基加水分解を施す。これは、リピドAの3位のβ-ヒドロキシミリスチン酸部分の選択的除去につながり、3-O-脱アシル化された-4'-モノホスホリルリピドA(3D-MLA)を生じる。
【0006】
前記方法により生成された3D-MLAの品質は、グラム陰性菌から得られたLPSの純度および組成に大きく左右される。一例として、LPSのリピドA成分は、約5〜7個の脂肪酸部分を含む密接に関連した種の混合物である。前記考察から明らかであるように、3D-MLAの形成において、1個の脂肪酸部分が除去され、約4〜6個の脂肪酸部分を伴う3D-MLAが得られる。一般に、免疫賦活の恩恵を維持または増強し、毒性を低下し、他の望ましい特性を組合わせることに関して、少なくとも6個の脂肪酸部分を伴う3D-MLAが好ましいとされている(QureshiおよびTakayama、「The Bacteria」第XI巻(IglewskiおよびClark編集)、Academic Press社、1990年、319-338頁)。
【0007】
別の例について、LPSのグラム陰性菌からの商業的規模での抽出は、典型的にはChen法(Chenら、J. Infect. Dis.、128:543(1973))に関連し;すなわち、CMによる抽出は、LPSおよびリン脂質に富むCM相につながり、これからその後LPSを精製することができる。しかしながら、LPSおよびリン脂質に富むCM相からのLPSの精製は、例えばワクチンアジュバントとしての使用のような、免疫賦活適用における使用に十分な純度のLPSを得るために、典型的には複数回の沈殿工程を必要とする。
【0008】
従って、高純度のLPS組成物を利便的に調製する方法を有することが望ましいと考えられる。更に組成物が、増大したレベルのヘキサアシル同族体を伴う3D-MLAを有するような、LPS組成物を作製する方法を有することは望ましいであろう。
【0009】
公知の発酵技術を、容易に精製できるLPSを含むグラム陰性菌の培養物を調製するために使用することができる。これらの公知の技術は、典型的には、標準の細菌学的実践に沿った、細菌培養物の初期定常期での収集に関連している。しかしながら、公知の条件に従い生成されたLPSのアシル化の程度は変動することが認められている。例えば、S.ミネソタR595のリピドA中のヘプタアシル種の含量は、バッチによって、20%から80%まで変動し得る(Rietschelら、Rev. Infect. Dis.、9:S527(1987))。このヘプタアシル同族体含量の変動性は、これらのLPSバッチから調製した3D-MLAのヘキサアシル同族体含量の有意差を生じるであろう。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
ひとつの態様において、本発明は、下記の工程を含む、リポ多糖(LPS)を作製する方法に関する:
(a)培地においてディープラフ型突然変異細菌株の培養物を増殖する工程;
(b)培養物を定常期において少なくとも約2時間維持する工程;
(c)培養物から細胞を収集する工程;および
(d)細胞からLPSを抽出する工程。
【0011】
この方法は、6個の脂肪酸部分を含む同族体を比較的高い割合(すなわち、少なくとも約20モル%)で3D-MLAを生じるLPSの生成をもたらす。
【0012】
別の態様において、本発明は、下記の工程を含む、ディープラフ型突然変異細菌株細胞の培養物からリポ多糖(LPS)を抽出する方法に関連している:
(a)細胞を、本質的に少なくとも約75質量%の1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび平衡水からなる溶液で抽出し、これによりリン脂質含量が低下した細胞を作製する工程;
(b)リン脂質含量が低下した細胞を、クロロホルムおよびメタノール(CM)を含有する溶液で抽出し、これによりCMを溶媒とするLPS溶液を得る工程。
【0013】
この方法は、低下したリン脂質含量を有し、その結果3D-MLAへの更なる修飾および精製に良く適している、CMを溶媒とするLPS溶液を提供する。この方法は、比較的簡単で安価な工程を含む。
【0014】
図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある種の局面を更に明らかにするために含まれる。本発明は、これらの図面の1個または複数を、本明細書に示された具体的態様の詳細な説明と組合わせて参照することにより、より良く理解されるであろう。
【0015】
例証的態様の説明
ひとつの態様において、本発明は、下記の工程を含む、リポ多糖(LPS)を作製する方法に関する:
(a)培地においてディープラフ型突然変異細菌株の培養物を増殖する工程;
(b)培養物を定常期において少なくとも約2時間維持する工程;
(c)培養物から細胞を収集する工程;および
(d)細胞からLPSを抽出する工程。
【0016】
リポ多糖は、グラム陰性菌の外膜の外葉内の主要な脂質成分である。グラム陰性菌のリポ多糖画分は、他の成分の中でも特にリピドAを含有する。既述のように、リピドAは、糖鎖除去および部分的に脱リン酸化され、モノホスホリルリピドA(MLA)を生じ、MLAは、3位において選択的に脱アシル化され、3-O-脱アシル化された-4'-モノホスホリルリピドA(3D-MLA)を生じることができる。
【0017】
しかしながら、グラム陰性菌により生成されたリピドAは、典型的には、同じ全体的リピドA構造を有するが、それらが含む脂肪酸部分の数が異なる多くの種を含む。同じ数の脂肪酸を有するリピドA種のグループは、本明細書においては「同族体(congener)」と称される。4〜7個の脂肪酸部分を有するリピドA同族体は、S.ミネソタR595のようなグラム陰性菌の標準の商業的規模での培養により作製される。結果的に、例えばS.ミネソタR595リピドAから作製された3D-MLAは、典型的には脂肪酸部分が3〜6個の範囲である同族体組成物を有する(3D-MLAは、1個の脂肪酸部分が喪失されるため)。
【0018】
3D-MLA(リピドAおよびMLAを介した)同族体組成物の不均質性は、下記のふたつのことに起因している:(1)リピドAの集成における生合成の変動性、および(2)3D-MLAへの処理時のリピドA骨格からの脂肪酸部分の喪失。理論に縛られるものではないが、生合成の変動性は、他の説明の中でも特に、リピドA生合成の最終工程に関与したアシルトランスフェラーゼの非絶対的基質特異性のために生じると考えられている。リピドA骨格からの脂肪酸部分の喪失は、3D-MLA生成において典型的に使用される酸およびアルカリによる加水分解時にも生じることがある。
【0019】
驚くべきことに、リピドAを生成するディープラフ型突然変異細菌株を培養するプロセスのパラメータを変更することにより、3D-MLA同族体組成物を変更することができることが発見された。詳細に述べると、ディープラフ型突然変異細菌株の培養物を収集前に定常期で少なくとも約5時間維持することは、そのように生成されたリピドA同族体の割合の変化を生じ、典型的にはリピドAから後に生成される少なくとも約20モル%の3D-MLAは6個の脂肪酸を含むことが発見された。好ましくは、少なくとも約50モル%の3D-MLAは、6個の脂肪酸を含む。定常期での約5.5時間の維持は、特に有効であることがわかっている。これは、培養物が定常期へ進行したほぼ直後に収集を行うような、当該技術分野において公知の典型的培養法とは異なる;公知の方法において、LPSの同族体含量は、大きく変動し、変動するヘキサアシル同族体含量を伴う3D-MLAを生じる。
【0020】
「ディープラフ型突然変異細菌株」は、ディープラフ表現型を有するグラム陰性菌の菌株を意味する。「ディープラフ」表現型は、リピドAに結合した多糖部分は、2-ケト-3-デオキシ-D-マンノオクツロン酸(KDO)の約2〜3個の残基のみからなることを意味している。好ましくは、このディープラフ型突然変異細菌株は、サルモネラ属から選択される。より好ましくは、ディープラフ型突然変異細菌株がサルモネラ属であるならば、これはサルモネラ・ミネソタ種であり、更により好ましくは、これはサルモネラ・ミネソタR595株である。他のディープラフ型突然変異細菌株、とりわけプロテウス・ミラビリス株などを使用することができる。
【0021】
ディープラフ型突然変異細菌株の増殖に適した任意の技術を使用することができる。典型的には、これは、少なくとも1個の商業的規模のバイオリアクターの使用を含むと考えられる。ひとつの態様において、この技術は、比較的小さい(例えば、15L)バイオリアクターに、ディープラフ型突然変異細菌株の細胞を接種し、このディープラフ型突然変異細菌株を定常期まで増殖させ、その後15-Lの細胞ブロスを大きい(例えば、750L)のバイオリアクターへ無菌的に移すこと含んでいる。
【0022】
この増殖は、ディープラフ型突然変異細菌株が増殖できることが既知または発見された任意の培地において行うことができる。ひとつの好ましい態様において、培地は、デキストロースおよびカザミノ酸を補充した無機塩の混合物であるM9である。M9の組成は当業者には周知である。
【0023】
このディープラフ型突然変異細菌株を定常期で少なくとも約5時間維持した後、細胞を、培養物から収集し、これらの細胞からLPSを抽出することができる。公知の技術を用いて培養物から細胞を収集し、細胞からLPSを抽出するが、細胞からLPSを抽出する好ましい技術については、以下に説明する。
【0024】
収集は、任意の公知の技術により行うことができる。ひとつの好ましい態様において、細胞培養物が定常期で少なくとも約5時間維持された後、バイオリアクター中の内容物が、接線ろ過(tangential filtration)装置へポンプ輸送され、細胞と消費された培地が分離される。
【0025】
その後任意の適当な技術により、LPSが細胞から抽出される。公知の技術は、LPSをフェノール、クロロホルム、および石油エーテル(PCP)の混合液で抽出し、引き続きクロロホルムおよび石油エーテルを蒸発させ、アセトンおよび水を添加し、LPSを沈殿させ、遠心またはろ過によりLPSを回収することを含む、Galanos法(Galanosら、Eur. J. Biochem.、9:245(1969))、並びにクロロホルムおよびメタノール(CM)混合液によるLPSの抽出、その後の一連のメタノール沈殿工程を含む、先に引用したChen法を含む。
【0026】
Chen法の改良を以下に説明しているが、これはLPSおよびその誘導体の商業的適用のための製造にとって好ましい。
【0027】
抽出技術とは関わりなく、その結果産物は、実質的に純粋な乾燥したLPSであり、これは更に順次酸加水分解および塩基加水分解により処理され、3D-MLAを生成し、これに関してはRibiの米国特許第4,436,727号およびMyersらの米国特許第4,912,094号に開示されており、これらは本明細書に参照として組入れられている。3D-MLA生成の好ましい態様としてこれらの参考文献の内容をまとめると、LPSを、有機酸または無機酸と反応させ、その後凍結乾燥し、MLAを生成する。無機酸は、好ましくは塩酸、硫酸、またはリン酸である。有機酸は、好ましくはトルエンスルホン酸またはトリクロロ酢酸である。この反応は、温度約90℃〜約130℃で、完全な加水分解に十分な時間、通常約15分〜約60分間かけて行うことができる。このMLAは、脂肪酸および他の不純物を溶解するために、溶媒、好ましくはアセトンにより処理することができ、不純物を多く含む脂肪酸溶媒が取り除かれる。
【0028】
その後、MLAの3位からβ-ヒドロキシミリスチン酸を選択的に除去するために、MLAに穏やかなアルカリ処理を施す(穏やかなアルカリ条件下では、3位のβ-ヒドロキシミリスチン酸のみが不安定となる)。この穏やかなアルカリ処理は、水性または有機媒質において行うことができる。適当な有機溶媒は、特に、メタノールもしくは他のアルコール類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン、またはそれらの混合物を含む。水および水に混和性の有機溶媒の組み合わせも使用することができる。
【0029】
加水分解を行うために使用したアルカリ塩基は、好ましくは、水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、またはアミンから選択される。無機塩基の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムを含み、特に炭酸水素カリウムである。有機塩基の例は、特にアルキルアミン(例えば、特に、ジエチルアミンおよびトリエチルアミン)を含む。
【0030】
水性媒質において、pHは、典型的には約10〜約14であり、好ましくは約10〜約12である。加水分解反応は、典型的には約20℃〜約80℃、好ましくは約50℃〜約60℃で、約10分〜約48時間の期間行われる。
【0031】
アルカリ加水分解のひとつの好ましい技術は、MLAのCM 2:1(v/v)中への溶解、この溶液の0.5M Na2CO3水性緩衝液(pH10.5)による飽和、およびその後の溶媒の真空アスピレーター下(およそ100mmHg)、45〜50℃でのフラッシュ蒸発を含む。
【0032】
別の態様において、本発明は、下記の工程を含む、リポ多糖(LPS)をディープラフ型突然変異細菌株細胞の培養物から抽出する方法に関する:
(a)細胞を、本質的に少なくとも約75質量%の1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび平衡水からなる溶液で抽出し、これによりリン脂質含量が低下した細胞を作製する工程;
(b)リン脂質含量が低下した細胞を、クロロホルムおよびメタノールを含有する溶液で抽出し、これによりクロロホルムおよびメタノールを溶媒とするLPS溶液を得る工程。
【0033】
このディープラフ型突然変異細菌株細胞、それらの培養物、およびこの培養物の調製法は、先に説明されたようなものである。好ましくは、このディープラフ型突然変異細菌株は、サルモネラ属またはエシェリヒア属から選択される。より好ましくは、このディープラフ型突然変異細菌株がサルモネラ属であるならば、これはサルモネラ・ミネソタ種株であり、更により好ましくはこれはサルモネラ・ミネソタR595種株である。このディープラフ型突然変異細菌株がエシェリヒア属であるならば、より好ましくはこれは大腸菌(Escherichia coli)種であり、更により好ましくはこれは大腸菌D31m4種株である。
【0034】
第一の抽出工程は、任意の短鎖脂肪族アルコールにより行うことができる。この脂肪族アルコールは、直鎖、分枝鎖、または環式であることができる。好ましくは、この脂肪族アルコールは、2〜4個の炭素原子を有し、水と混和性である。より好ましくはこの脂肪族アルコールはエタノールである。
【0035】
脂肪族アルコールを含有する溶液は、脂肪族アルコールを75質量%またはそれ以上の任意の割合で含むことができる。好ましくは、この溶液は、約85質量%〜約95質量%の脂肪族アルコールを含む。本質的にこの溶液の平衡(balance)は、水である。この溶液の脂肪族アルコールおよび水成分の不完全な精製または他の混入の結果、微量の他の成分が存在してもよい。
【0036】
第一の抽出工程が実行される温度は、培養された細胞からのリン脂質の十分な抽出を提供するのに効果がある任意の温度であることができる。好ましくは、この温度は、約35℃〜約65℃である。より好ましくは、この温度は約45℃〜約55℃である。
【0037】
第一の抽出工程の他のパラメータ、特に脂肪族アルコール溶液の添加速度、溶液と細胞との接触期間、および攪拌または非攪拌などは、当業者は慣習的に変更することができる。
【0038】
第一の抽出工程は、(i)リン脂質に富んだ脂肪族アルコール溶液相、および(ii)リン脂質含量が低下した細胞を生じる。細胞膜のLPS成分は、リン脂質含量が低下した細胞から実質的に完全に隔離される。
【0039】
第二の抽出工程は、リン脂質含量が低下した細胞のクロロホルム:メタノール(CM)溶液による抽出を含む。
【0040】
細胞膜からのLPSの抽出(例えばChen法において)に使用するのに適していることが分かっているクロロホルムおよびメタノールの任意の割合を、第二抽出工程において使用することができる。典型的には、クロロホルムのメタノールに対する割合は、約2:1〜約9:1である。CMの特性と同等の特性を伴う溶媒混合液も、リン脂質含量が低下した細胞からLPSを得るために使用することができる。
【0041】
本発明のChen法に勝る利点は、第一の抽出工程におけるリン脂質の除去にある。Chen法のCM抽出は実質的レベルのリン脂質を含有するLPS溶液を生じるのに対し、低下したリン脂質含量を伴う細胞上で行われる本発明の第二の抽出工程は、実質的にリン脂質を含まないLPSに富んだ溶液を生じる。比較的リン脂質を含まないLPS調製物を生成する代替法、例えばGalanos法(前記参照)は、これらが大規模生成には向かないこと、健康および安全性に問題がある溶媒混合液(例えばフェノール:クロロホルム:石油エーテル)を使用すること、またはこれら両方のために、より望ましくない。
【0042】
LPS溶液にリン脂質が実質的に存在しないことを考慮すると、本方法のLPSの更なる精製は、Chen法によるものよりも概して簡便かつ安価である。十分な純度の乾燥LPS残渣を、LPS溶液からクロロホルムおよびメタノールを蒸発することにより生成することができることが分かっている。
【0043】
選択的に、このLPSは、例えば前述のような酸加水分解および塩基加水分解の工程などにより、更に処理し、MLAまたは3D-MLAを生成することができる。
【0044】
前述の方法に従い生成された3D-MLAは、様々な目的で使用することができる。ひとつの好ましい用途は、免疫原性ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、T-細胞、または抗原提示細胞(APC)を含有する薬学的組成物のための免疫賦活剤またはアジュバントとしてである。免疫賦活剤またはアジュバントは、外来性抗原に対する免疫応答(抗体および/または細胞媒介型)を増大または増強する任意の物質を本質的に意味する。
【0045】
本発明に従い生成されたMLAまたは3D-MLAが賦活することができる免疫応答のひとつは、Th1型である。モノホスホリルリピドA(MLA)、好ましくは3-脱-O-アシル化されたモノホスホリルリピドA(3D-MLA)の、アルミニウム塩との組合せは、主にTh1型の応答を誘起するためのアジュバントとして効果があることが認められている。高レベルのTh1型サイトカイン(例えば、IFN-γ、TNFα、IL-2、およびIL-12)は、投与された抗原に対する細胞媒介型免疫応答の誘導を好む傾向がある。対照的に、高レベルのTh2型サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5、IL-6、およびIL-10)は、体液性免疫応答の誘導を好む傾向がある。MLAまたは3D-MLAを含有する薬学的組成物の適用の後に、患者は、Th1-およびTh2型応答を含む免疫応答を支持するであろう。この応答が主にTh1型である場合、Th1型サイトカインのレベルは、Th2型サイトカインのレベルよりもより大きい程度に増大するであろう。これらのサイトカインのレベルは、標準アッセイを用いて容易に評価することができる。サイトカインファミリーの検証に関しては、MosmannおよびCoffmanの論文(Ann. Rev. Immunol.、7:145-173(1989))を参照のこと。
【0046】
好ましい態様のひとつにおいて、アジュバントシステムは、モノホスホリルリピドA(MLA)、好ましくは3D-MLAの、サポニン誘導体(例えばQS21およびQS7(Aquila Biopharmaceuticals社、フレーミングハム、MA)を含む、キルA(QuilA)またはそれらの誘導体;エスシン(Escin);ジギトニン;または、GypsophilaもしくはChenopodium quinoaサポニンなど)との組合せを含み、例として国際公開公報第94/00153号に開示されたような、QS21および3D-MLAアジュバントの組合せ、または国際公開公報第96/33739号に開示された、QS21がコレステロールにより抑えられている(quench)より反応原性が低い組成物がある。別の好ましい処方は、水中油型乳剤およびトコフェロールを含有する。水中油型乳剤中にQS21、3D-MLAおよびトコフェロールを使用する別の特に好ましいアジュバント処方は、国際公開公報第95/17210号に開示されている。
【0047】
下記実施例は、本発明の好ましい態様を説明するために含まれる。当業者により、実施例に示された技術は、本発明の実践において良好に機能するように本発明者らにより発見された技術に従い、従ってその実践のための好ましい様式を構成していると見なすことができることは理解されるはずである。しかしながら当業者は、本発明の開示を鑑み、開示された具体的態様において多くの変更を行い、なお本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似した結果を得ることができることは理解されるはずである。
【0048】
実施例 1 一般的方法
A. 培地の調製
細胞増殖は、M9培地において行い、これは無機塩、カザミノ酸、およびデキストロースの滅菌用液を混合することにより調製した。M9塩溶液は、典型的には、発酵槽において調製され、下記塩を含有する:2.0g/L NaCl、0.2g/L MgSO4・7H2O、3.0g/L KH2P04、6.0g/L Na2HPO4、および1.0g/L NH4Cl。20%(w/v)カザミノ酸(20mL/L)および50%(w/v)デキストロース(32mL/L)の滅菌溶液をその後発酵槽へ無菌的に添加し、完全な培地を得た。
【0049】
B. 種菌増殖
典型的には、滅菌した250mLのエーレンマーヤフラスコに、滅菌M9培地50mLを投入した。サルモネラ・ミネソタR595(約108cfu)の種ウイルスを解凍し、前述のフラスコに加え、その後これをゲージプラグで封止した。この培養物を37℃で、しっかりとした(robust)増殖が明らかになるまで、6〜8時間インキュベートした。
【0050】
C. 細胞増殖
サルモネラ・ミネソタR595の培養物を、2.5Lのガラス容器を装着したBioFlo III発酵槽(New Brunswick Scientific社)中において増殖させた。典型的試行において、この容器に、M9塩溶液2.0Lを投入し、オートクレーブをかけ、その後カザミノ酸およびデキストロースの滅菌溶液を無菌的に添加した。発酵槽には、消泡剤(0.1%SAG-471、Witco社)およびNH4OH(30%)の供給ラインに加え、pH、dO2、および泡の探針を装着した。培地は、供給したNH4OHによりpH6.9に調節した。その後この発酵槽に、種培養物全部を接種し、空気を掃流し(典型的には2.0Lpm)、および攪拌(典型的には50rpm)しながら、37℃でインキュベートした。この培養物の増殖期は、590nmで光学濃度を測定することによりモニタリングした。細胞は、遠心分離または接線フローろ過(tangential flow filtration)のいずれかにより収集し、水で洗浄し、凍結乾燥した。
【0051】
D. リポ多糖 (LPS) の抽出
LPSは、Qureshiらの手法(1986)に小さな改変を加え単離した。典型的試行において、乾燥した細胞を、最初に90%エタノール(v/v)中20mg/mLの濃度で室温で1時間攪拌し、次に減圧ろ過により回収した。これらの細胞に、2回目のエタノール抽出を施した後、アセトンおよびジエチルエーテル(各15分間、両方とも最初の質量を基に40mg/mL)による順次抽出を施し、得られたエーテル粉末を一晩風乾した。一方で、フェノール(89%):クロロホルム:石油エーテルが19:45:72(v/v/v;PCPと略)の溶液を調製し、一晩静置した。エーテル粉末をPCP中に懸濁し、過剰な水をデカントし、濃度を70mg/mLとした。この溶液を、30分間攪拌し、その後遠心した(3000xg、15分間、0〜5℃)。上清画分を、丸底フラスコにデカントし、細胞ペレットをPCPで2回目抽出した。上清画分を一緒にし、全ての揮発性溶媒がほぼ除去されるまで40℃で回転蒸発させた。その後残留容量を測定した。不変の濁度が明らかになるまで、水を滴下し、その後5倍容量のアセトン、引き続き1倍容量のジエチルエーテル(両方とも氷浴槽で深冷)を、迅速にかき混ぜながらフェノール溶液に添加した。この溶液を、氷浴槽に30分間放置し、その後沈殿したLPSを遠心(5000xg、15分間、0〜5℃)により回収した。ペレット中に残存していないLPSの回収には、一般に上清画分の自重ろ過が必要である。このLPSを最小量の冷アセトンで1回洗浄し、遠心/ろ過により回収し、その後減圧下で乾燥した。典型的収量は、最初の細胞乾燥質量を基に4〜5%であった。
【0052】
E. 4'- モノホスホリルリピド A(MLA) の調製
LPSを、水中に濃度10mg/mLで懸濁し、45〜55℃での浴槽超音波処理を用い、この固形物が分散するのを補助した。得られた溶液は、肉眼で認められる固形物はないがわずかに濁っていた。この溶液に、0.2N HCl 1倍容量を添加し、その後沸騰している水浴槽に15分間放置した。氷浴槽に入れ、この反応を停止し、その後クロロホルム:メタノール2:1(v/v)の5倍容量(最初のLPS溶液に対して)で抽出した。この二相溶液をボルテックスし、これらの相を低速遠心(500〜1000xg)により分離した。下側相を回収し、窒素下で蒸発させ、粗MLAを得た。
【0053】
F. 3-O- 脱アシル化された -4'- モノホスホリルリピド A(3D-MLA) の調製
粗MLAは、クロロホルム:メタノール2:1(v/v)中に、濃度約1〜5mg/mLで溶解し、この溶液3.0mLを16x100mm試験管に移した。試験管に追加のメタノール0.4mLを添加し、その後これを50℃の水浴槽中に10分間放置した。この反応は、0.5M KHCO3(pH10.5)40μLの添加により開始し、この溶液を、50℃で20分間インキュベートした。この期間の最後に、試験管を水浴槽から取り出し、0.1N HCl(深冷した)2.0mLを添加し、その後ボルテックスすることにより、反応を停止した。メタノール1.0mLを添加し、ボルテックスし、遠心し(500〜1000xg)、下方(有機)相を窒素下で蒸発させ乾固することにより、3D-MLAを回収した。
【0054】
実施例 2 分析法
A. MLA および関連試料の薄層クロマトグラフィー (TLC)
全てのTLC分析は、シリカゲル60(E Merck社)で被覆した5x10cmプレートを用いて行った。試料は一般に、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)中の10mg/mL溶液としてTLCプレートに適用し、この際キャピラリーピペットを使用して5mm線に小さいスポットとして溶液3μL(試料30μg)を適用した。プレートを、クロロホルム/メタノール/水/水酸化アンモニウムを50:31:6:2(v/v)で含有する溶媒系により発色した。発色したプレート上のバンドを、エタノール中の10%(w/v)リンモリブデン酸溶液を噴霧し、次に150〜160℃で炭化し(char)、可視化した。場合によっては、スポットの相対強度を、Shimadzu CS9000U Dual Wavelength Flying Spot Scanner(島津製作所)により走査波長520nmを用い、濃度を走査することにより定量化した。
【0055】
B. 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による MLA/3D-MLA の分析
分析する試料を、最初にクロロホルム:メタノール(2:1 v:v)5ml中の試料3〜5mgの溶液の、0.1N HCl 2mlによる洗浄により、遊離酸の形に転換した。二相システムをボルテックスし、遠心分離し、下方(有機)相を試験管に移し、窒素気流下で蒸発させた。その後残渣を、ジアゾメタン処理によりメチル化した。簡単に述べると、ジアゾメタンのエーテル性溶液は、1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン(MNNG;Aldrich社)60〜100mgを2ドラムバイアルに入れ、MNNG 1mgにつきジエチルエーテル60μLを添加し、その後溶液を-10℃未満で撹拌しながらMNNG 1mgにつき5N NaOH 9μLを添加した。この反応が完了した後、レモンイエロー色のエーテル相を、NaOHのいくつかのペレット含んだ第二のバイアルに移し回転させることにより乾燥し、これらは全て-10℃未満で行った。酸で洗浄した試料を、クロロホルム:メタノール4:1(v:v)1ml中に溶解し、-10℃未満の浴槽に配置し、ジアゾメタン溶液を、淡イエロー色調が持続するまで、攪拌しながら滴下した。その後この溶媒を、窒素気流下で、周囲温度で蒸発させ、減圧下において更に少なくとも30分間乾燥させた。
【0056】
クロマトグラフィー分析は、C18逆相カラム(Nova-Pak社、粒度4μm、8mmx10cm[Waters社])上で行った。メチル化した試料を、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)中に濃度100μg/mLで溶解し、0.45μm PTFEシリンジフィルターを通した。典型的には注入容量20〜25μLを使用し、引き続きアセトニトリル中イソプロパノールの20から80%の線状勾配により、60分間かけて流速2ml/分で、210nmでモニタリングしながら、溶離した。
【0057】
C. HPLC による LPS 同族体含量の分析
LPSは、1)O-抗原およびコア領域の糖残基の数、2)コア領域内およびリピドAのリン酸上の極性置換基、ならびに3)リピドA骨格に結合した脂肪酸の数および位置の変動性のために、高度に不均質な物質である傾向がある。このことは、3D-MLA(MPL(登録商標))の同族体含量に関連して興味深い変動性の後の原因である。LPSのMLAおよび3D-MLAへの加水分解は、O-抗原およびコア領域の変動性を取り除くが、O-連結した脂肪酸の喪失を制御できないために、更なる不均質性を導入する。これは、無傷のLPSにおけるアシル化パターンの正確な理解を妨害している。これに関連するひとつの手段として、リン酸およびコア領域が、O-連結した脂肪酸の喪失を生じないような穏やかな条件下で取り除かれる方法が開発された。得られた脱リン酸化されたリピドA(ゼロホスホリルリピドAまたはZPL)は、次にHPLCにより分析し、親LPSのアシル化パターンを正確に反映していることを得た。
【0058】
この方法は典型的には下記のように行った。LPS試料0.5〜5.0mgを、濃フッ化水素酸200μL中で、3〜4時間かけて27℃で加水分解した。この反応は、蓋で密閉したテフロンチューブ内および良く換気した換気フード内において行わなければならない。HFを周囲温度、窒素気流下での蒸発により除去し、その後加水分解物を、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)中に溶解し、16x100mmガラス製試験管内に移し、溶媒を窒素気流下で蒸発させた。残渣を、浴槽超音波処理を用い0.1%トリエチルアミン1.0mLに懸濁し、40mM NaOAc 1.0mLを添加し、この試験管を、沸騰水中に30〜45分間懸架した。この反応を、氷浴槽中で冷却することにより停止し、ZPLを、クロロホルム:メタノール2:1(v/v)5 mLによる抽出により回収した。有機相を、小型スクリューキャップ付きバイアルに移し、溶媒を窒素下で蒸発させた。ZPLは、ピリジンを溶媒とする10mg/mLのO-(3,5-ジニトロベンジル)ヒドロキシルアミンHCl(Regis Technologies社)200μLを添加し、バイアルを蓋で密閉し、60℃で3時間インキュベートすることにより誘導した。ピリジンを、窒素下で蒸発させ、残渣を更に減圧下で30分より長く乾燥した。その後この残渣を、クロロホルム:メタノール2:1(v/v)500μL中に懸濁し、同じ溶媒中で予め平衡としたAccell-QMA(酢酸型;Waters社)の0.5〜1.0mL床に負荷した。このカラムを、クロロホルム:メタノール2:1(v/v)の合計5.0mLを数回の小分けしてすすぎ、溶離液を16x100mm試験管に収集した。この溶離液に0.1N HCl 2.0mLを添加し、二相システムをボルテックスし、500〜1000xgで短時間遠心し、下方(有機)相を別の試験管に移し、窒素下で蒸発させた。残渣を、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)の100〜300μL中に溶解し、0.45μm PTFEシリンジフィルターを通してろ過した。フィルターを、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)で2回すすぎ、ろ液を窒素下で蒸発させた。ろ液を最終的に、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)50〜150μL中に溶かし、HPLC分析用の自動射出バイアルに移した。HPLC条件は、以下のようであった:C18逆相カラム(例えば、Waters社)、10μL射出容量、2ml/分の流速で60分間かけた、アセトニトリル中イソプロパノール20から80%の線形勾配、254nmでモニタリング。
【0059】
実施例 3 異なる時点で収集した培養物由来の MLA/3D-MLA の同族体組成の比較
一連の発酵槽試行を、下記のパラメータで行った:M9培地(初期pH6.84〜6.87)2.0L、2Lpmの気流、50rpmでの攪拌、37℃、pH制御なし。培養は、590nmでの光学濃度を測定することによりモニタリングし、所望の増殖段階に達した時点で停止した。細胞を、前述のように処理および抽出し、LPS試料を得、その後これをMLAおよび3D-MLAへ加水分解し、HPLCにより分析した(実施例1および2を参照のこと)。結果を表1にまとめた。
【0060】
(表1) 異なる時期(age)に収集した細胞からのMLAおよび3D-MLAの同族体組成
Figure 2004535477
【0061】
このデータは、S.ミネソタR595の培養が、定常期におけるそれらのLPSのアシル化パターンを変更し、本LPSに由来したMLA中の3-O-脱アシル化されたヘキサアシル種+ヘプタアシル種の全含量の増加を生じ、これは次にこのMLAから調製された3D-MLA中の3-O-脱アシル化されたヘキサアシル種の増大した含量を生じることを示している。
【0062】
実施例 4 異なる時期に収集した培養物からの LPS の同族体組成の比較
一連の発酵槽試行を、下記のパラメータ下で行った:M9培地(初期pH6.84〜6.87)2.0L、2Lpmの気流、225rpmでの撹拌、37℃、pH制御なし。培養物の増殖期は、590nmでの光学濃度を測定することによりモニタリングした。細胞を、実施例1において説明したように処理および抽出し、LPS試料を得た。LPS試料を、ZPLへ加水分解し、実施例2に説明したようにHPLCにより分析した。結果を表2にまとめた。
【0063】
(表2) 異なる時期に収集した細胞からのLPSの同族体組成
Figure 2004535477
【0064】
3-O-脱アシル化されたヘキサアシル成分は、初期定常期細胞由来のLPSにおいては検出されなかった(試行A)。従って、このLPSから調製された3D-MLAのヘキサアシル化された同族体の給源のみが、ヘプタアシル化された物質(24%)と考えられる。対照的に、後期定常期で収集した細胞からのLPSは、ヘプタアシル種および3-O-脱アシル化されたヘキサアシル種の両方(各々、19%および17%)を含んだ。これらの種は両方共、このLPSから調製した3D-MLA(MPL(登録商標))のヘキサアシル含量に寄与するであろう。ある条件下で細胞が3-O-脱アシル化されたヘキサアシルLPS種を生成することが認められるとは予想されなかった。
【0065】
実施例 5 S. ミネソタ R595 LPS の純度に対する予備抽出温度の作用
S.ミネソタR595細胞を、80Lの発酵槽(New Brunswick Scientific社)において、実施例1に概説したものと本質的に同じ条件を用い増殖させた。これらの細胞を、接線フローろ過により濃縮したが、遠心はせず、そのスラリーは、1mL当り51.5mgの乾燥細胞塊を含んでいた。この細胞懸濁液の150mLアリコートを各々エタノール600mLと一緒にした3種の溶液を調製した。これらのエタノール溶液を、22℃、37℃、および50℃で1時間攪拌し、ろ過した。細胞に、95%エタノールを使用する以外は同じ条件下で、2回目のエタノール抽出を施した。これらの細胞を、吸引ろ過により回収し、次に一晩クロロホルム:メタノール4:1(v/v)により50℃で抽出した。これらの溶液をろ過し、ろ液を回転蒸発により乾固し、LPS調製物を得た。各温度で得た第一および第二のエタノール抽出のろ液試料に加え、予備抽出した細胞から得たLPSを、実施例2の方法に従い薄層クロマトグラフィーにより分析した。TLCプレートの画像を図1に示した。
【0066】
図1は、エタノール抽出時に異なる温度で得られたエタノール抽出物およびLPS試料のTLCプレートを示す。左側のプレートは、左から右へ、温度22℃、37℃、および50℃でのエタノール抽出物を示す。このプレートの一番右側の試料は、真正のLPS試料である。右側のプレートは、各調製から得られたLPSを示している。レーン3、4、および5の試料は、各々、22℃、37℃、および50℃でエタノールによる予備抽出を施した細胞からのLPSに相当している。Rf〜0.6の濃いバンドは、リン脂質および脂肪酸不純物に相当している。これらの不純物のレベルは、エタノール抽出温度の上昇により減少し、50℃で予備抽出した試料においては非常に少ない。
【0067】
図1のTLCプレートから、高温のエタノールによる予備抽出は、さもなければクロロホルム:メタノール4:1(v/v)により同時抽出される不純物の除去において効果があることは明らかである。50℃での予備抽出は、これらの不純物をほぼ含まないLPSを生じる。
【0068】
実施例 6 エタノールによる予備抽出を伴うまたは伴わずに得られた LPS の比較
S.ミネソタR595細胞の3種のバッチを、実施例1に概説したものと本質的に同じ条件を用い、750L発酵槽(B. Braun)において増殖した。細胞は、接線フローろ過により収集し、細胞懸濁液の試料を、各バッチから得、凍結乾燥した。これらの細胞のバルクに、90%エタノールによる50℃、1時間の予備抽出を2回施した。細胞を、抽出の間に接線フローろ過により回収した。その後細胞を、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)で還流で一晩抽出した。この抽出物を、接線フローろ過により回収し、蒸発乾固した。凍結乾燥した細胞試料を、クロロホルム:メタノール4:1(v/v)の還流により一晩抽出し、これらの溶液をろ過し、ろ液を蒸発乾固した。エタノール予備抽出を伴うまたは伴わずに得られたLPS試料を、本質的に実施例2に説明したTLCにより分析した。TLCプレートを、約Rf=0.01〜0.90で走査し、総強度に対するLPS領域(Rf=0.O1から0.020)の強度比を、各試料について算出した。結果を表3に示す。
【0069】
(表3) エタノールによる予備抽出を伴うまたは伴わない細胞からのLPS純度
Figure 2004535477
注:1 LPS領域の総強度の割合=[(Rf=0.O1から0.020の強度)/(Rf=0.O1から0.90の強度)]x100
【0070】
表3の結果は、90%エタノール50℃を用いてS.ミネソタR595細胞の予備抽出後に得られたLPSは、予備抽出しなかった細胞からの物質よりも実質的により純粋であることを明らかにしている。
【0071】
本明細書において開示および請求する全ての方法は、本開示を考慮し余分な実験をせずに実行および遂行することができる。本発明の組成物および方法は、好ましい態様に関して説明されており、当業者には、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱しない限りは、本明細書に説明した方法の工程または工程の配列において変動が適用されうることは明らかであろう。より詳細に述べると、化学的および物理的の両面で関連した特定の物質は、本明細書に説明された物質と置換することができると同時に、同じまたは同様の結果が実現できることは明らかであると考えられる。当業者に明らかな全てのこのような同様の置換および修飾は、添付された特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲、および概念の範囲内であると見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】エタノール抽出時に様々な温度で得られたエタノール抽出物およびLPS試料のTLCプレートを示している。左側プレートは、左から右へと、温度22℃、37℃、および50℃でのエタノール抽出物を示している。このプレート上の一番右側の試料は、真のLPS試料である。右側のプレートは、各調製から得られたLPSを示している。レーン3、4、および5の試料は、各々、22℃、37℃、および50℃でのエタノール予備抽出を施した細胞からのLPSに相当している。Rf〜0.6の濃いバンドは、リン脂質および脂肪酸不純物に相当している。これらの不純物のレベルは、エタノール抽出温度の上昇により減少し、50℃で予備抽出した試料においては非常に少ない。

Claims (25)

  1. リポ多糖組成物(LPS)を作製する方法であり:
    (a)培地においてディープラフ型突然変異細菌株の培養物を増殖する工程;
    (b)培養物を定常期において少なくとも約5時間維持する工程;
    (c)培養物から細胞を収集する工程;および
    (d)細胞からLPSを抽出する工程を含む、方法。
  2. ディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ属である、請求項1記載の方法。
  3. サルモネラ属のディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ・ミネソタ種である、請求項2記載の方法。
  4. サルモネラ・ミネソタ種のディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ・ミネソタ株R595である、請求項3記載の方法。
  5. 培地がM9である、請求項1記載の方法。
  6. 維持が、約5時間〜約6時間行われる、請求項1記載の方法。
  7. LPSを、少なくとも約20モル%のヘキサアシル同族体グループを有する3D-MLAを作製するために使用することができる、請求項1記載の方法。
  8. 更に、LPSに順次、酸加水分解および塩基加水分解を施し、3D-MLAを生成する工程を含む、請求項1記載の方法。
  9. 請求項1記載の方法で作製されたLPS。
  10. 請求項8記載の方法で作製された3D-MLA。
  11. ディープラフ型突然変異細菌株細胞の培養物からリポ多糖(LPS)を抽出する方法であり:
    (a)細胞を、本質的に少なくとも約75質量%の1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび平衡水からなる溶液で抽出し、これによりリン脂質含量が低下した細胞を作製する工程;
    (b)リン脂質含量が低下した細胞を、クロロホルムおよびメタノールを含有する溶液で抽出し、これによりクロロホルムおよびメタノールを溶媒とするLPS溶液を得る工程を含む、方法。
  12. ディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ属またはエシェリヒア属である、請求項11記載の方法。
  13. サルモネラ属のディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ・ミネソタ種である、請求項12記載の方法。
  14. サルモネラ・ミネソタ種のディープラフ型突然変異細菌株が、サルモネラ・ミネソタ株R595である、請求項13記載の方法。
  15. エシェリヒア属のディープラフ型突然変異細菌株が、大腸菌種である、請求項12記載の方法。
  16. 大腸菌種のディープラフ型突然変異細菌株が、大腸菌株D31m4である、請求項15記載の方法。
  17. 脂肪族アルコールが、2〜4個の炭素原子を有する、請求項11記載の方法。
  18. 脂肪族アルコールが、エタノールである、請求項17記載の方法。
  19. 脂肪族アルコールを含有する溶液が、約85質量%〜約95質量%の脂肪族アルコールを含有する、請求項11記載の方法。
  20. 脂肪族アルコールによる抽出が、温度約35℃〜約65℃で行われる、請求項11記載の方法。
  21. 温度が、約45℃〜約55℃である、請求項20記載の方法。
  22. 更に、クロロホルムおよびメタノールを、LPS溶液から蒸発させ、これにより乾燥LPS残渣を得る工程を含む、請求項11記載の方法。
  23. 更に、乾燥LPS残渣に、順次、酸加水分解および塩基加水分解を施し、3D-MLAを生成する工程を含む、請求項22記載の方法。
  24. 請求項22記載の方法に従い生成されたLPS。
  25. 請求項23記載の方法に従い生成された3D-MLA。
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