JP2004533597A - GSK−3βタンパク質の特徴づけおよびその使用方法 - Google Patents

GSK−3βタンパク質の特徴づけおよびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の構築物の三次元構造;ヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3−β(GSK3−β)の構築物の結晶;(これらはこのタンパク質の触媒キナーゼドメイン;このタンパク質構築物を結晶化して構造決定のために十分なGSK3結晶をを提供するためのドメインを含む)、およびGSK3活性により媒介される種々の疾患状態を処置する可能性のある治療化合物を同定するためにGSK3構築物の三次元構造を使用する方法を提供する。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、以下に関する:ヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の3次元構造、GSK3構築物の結晶、GSK3構築物の結晶形成の方法、GSK3構築物の結晶構造の決定方法、およびGSK3の3次元構造を用いて、GSK3活性によって媒介される種々の疾患状態の処置について可能性のある治療用化合物を同定する方法。
【0002】
(発明の背景)
グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)は、セリン/スレオニンキナーゼであって、これに関しては2つのアイソフォームであるαおよびβが、同定されている。Woodgett、Trends Biochem.Sci.,16:177〜81(1991)。GSKアイソフォームの両方とも、休止している細胞において構成的に活性である。GSK3はもともと、直接リン酸化によってグリコーゲンシンターゼを阻害するキナーゼとして同定された。インスリン活性化の際、GSK3は不活性化され、それによってグリコーゲンシンターゼの活性化、および可能性としては他のインスリン依存性事象(例えば、グルコース輸送)を可能にする。その後、GSK3活性はまた、インスリンのように、レポーターチロシンキナーゼ(RTK)を通じてシグナル伝達する他の増殖因子によって不活性化されることが示されている。このようなシグナル伝達分子の例としては、IGF−1およびEGFが挙げられる。Saitoら、Biochem.J.、303:27〜31(1994);Welshら、Biochem.J.、294:625〜29(1993);およびCrossら、Biochem.J.、303:21〜26(1994)。
【0003】
GSK3活性を阻害する因子は、GSK3活性によって媒介される障害の処置に有用である。さらに、GSK3の阻害は、増殖因子シグナル伝達経路の活性化を模倣し、そして結果としてGSK3インヒビターは、このような経路が十分に活性でない疾患の処置において有用である。GSK3インヒビターで処置され得る疾患の例としては、特に、糖尿病、アルツハイマー病、CNS障害(例えば、双極性障害)、および免疫増強作用関連状態などが挙げられる。
【0004】
GSK3のインヒビターは、多くの疾患の処置において有用であるので、GSK3の新しいインヒビターの同定は、非常に望ましい。本発明は、GSK3活性によって媒介される種々の疾患状態の処置のための、可能性のある治療用化合物を同定するための方法を提供する。本発明の方法は、可能性のある治療用化合物を同定し、そしてリード治療用化合物の構造を至適化するためのタンパク質の触媒性ドメインを含む、GSK3構築物の3次元構造を利用する。
【0005】
(発明の要旨)
本発明に従って、ヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の構築物の3次元構造が提供される。
【0006】
1つの局面において、本発明は、タンパク質の触媒性キナーゼドメインを含むヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3−β(GSK3−β)の構築物の結晶を提供する。
【0007】
本発明の別の局面において、構造決定のために十分なGSK3結晶を提供するためにタンパク質構築物を結晶化する方法が提供される。
【0008】
さらなる局面において、GSK3構築物の3次元構造が提供される。
【0009】
なお別の局面において、GSK活性によって媒介される種々の疾患状態の処置において可能性のある治療用化合物の同定のための、GSK構築物の3次元構造を用いる方法が提供される。
【0010】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明に従って、タンパク質の触媒性キナーゼドメインを含むヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3−β(GSK3−β)のタンパク質構築物の結晶、このタンパク質構築物を結晶化する方法、このタンパク質構築物の3次元構造、およびGSK3−β活性によって媒介される種々の疾患状態の処置における可能性のある治療用化合物の同定のためにこの3次元構造を用いる方法が提供される。
【0011】
(GSK3−βタンパク質構築物:発現、精製、および結晶化)
1つの局面において、本発明は、タンパク質の触媒性キナーゼドメインを含むGSK3−β構築物を含む組成物を提供する。この構築物は、ヒトGSK3−βの少なくとも残基37〜384を含み、そしてタンパク質のC末端の36アミノ酸を欠く。この組成物は、X線による回折研究による構造決定のために十分な結晶性形状である。
【0012】
本明細書に記載される構築物以外のGSK3タンパク質構築物、例えば、その活性な変異体または改変体は、GSK3活性によって媒介される種々の疾患状態の処置において可能性のある治療用化合物を同定するのに有用な3次元構造情報を提供し得る。
【0013】
(構築物の配列)構築物の配列である配列番号1を以下に提供する。そのアスタリスク(星印)は、結晶構造においてみられる第一の残基を示す。以下の構築物およびさらなる有用な構築物およびそれらの調製物は、同時係属中の米国特許出願第60/221,242号(2000年7月27日出願)に記載されており、その開示はその全体が参考としてそして全ての目的のために本明細書に援用されている。
【0014】
N−末端:MEYMPMEGGGGSK
【0015】
【化1】
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(構築物の精製)。GSK3−β 580 cDNA構築物を保有するバキュロウイルスに感染したSF−9細胞から、GSK3−βタンパク質構築物を抽出した。このGSK3−βタンパク質構築物を、S−Fractogel、Phenyl−650M、およびGlu−tagアフィニティークロマトグラフィーを用いて明白な均一性まで精製した。次いで精製したタンパク質を結晶化のために濃縮した。構築物の精製は、実施例1に記載されている。
【0016】
(構築物の結晶化)。タンパク質結晶は、例えば、懸滴技術によってGSK構築物の溶液から形成され得る。構造決定のために適切なGSK3構築物の適切な結晶を形成するための代表的な方法は、実施例2に記載されている。
【0017】
種々の結晶化方法(例えば、微結晶化方法を含む)を利用して、GSK3活性によって媒介される種々の疾患状態の処置において可能性のある治療化合物を同定するのに有用な3次元構造情報を得ることが理解される。
【0018】
(GSK3−βタンパク質構築物の構造)
本発明の別の局面において、GSK3タンパク質構築物の3次元構造が提供される。X線回析データ由来のアミノ酸配列データおよび原子座標を用いて構築物の3次元構造を決定した。構築物の原子座標を、X線回析および相データの組み合わせから生成した電子密度マップから算出した。
【0019】
構造決定に適切な結晶型において有用なGSK3構築物を用いて、種々の技術によって結晶構造が得られ得る。代表的な方法において、X線画像プレートデバイスを用いて回析パターンを得た。次いで、分子置換および交差結晶平均技術の組み合わせによって相データを得た。次いで、電子密度マップを構築し、そしてその構造を解析して分子を構築した。得られた構造を洗練してその構造を確認した。最終結果は、GSK3構築物の原子モデルであった。GSK結晶構造を得るための代表的な方法は、実施例3に記載されている。
【0020】
GSK3構造が種々の方法で解析され得ることが理解される。
【0021】
結晶解析データを回収するための統計値を表1にまとめる。
【0022】
【表1】
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原子座標の表化形式として提供されたGSK3−β構築物の3次元構造を表2に示す。この表において、「OH2」および「GOL」とは、構造的な水およびグリセロールの分子をいい、そして「TER」とは、ペプチド鎖の末端をいう。
【0023】
【表2】
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誘導された結晶構築物に基づくGSK3−β構築物の3次元構造は、図1に図解的に例示されている。この構築物は、N末端ドメインおよびC末端ドメインを含み、この2つのドメインの間に活性部位が形成されている。このN末端ドメインは、βバレル(β−barrel)を備える。活性部位領域は、ATP結合部位、マグネシウム結合/触媒性塩基部位、および基質結合部位を含む。
【0024】
誘導された結晶構造に基づくGSK3−β構築物の活性部位(触媒性部位および基質結合部位を含む)の3次元構造は、図2に図解的に例示されている。この活性部位は、他のアミノ酸残基のなかでもPro136およびPhe67を含む。
【0025】
アポタンパク質活性部位の構造情報によって、GSK3−β活性によって媒介される種々の疾患状態の処置において効果的な治療用化合物を導くリガンドの合理的な設計のための基礎が提供され得る。従って、以下に記載するように、リガンドプロフィールを開発するために、そしてGSK3−β活性を媒介するための薬物の合理的な設計のために、結晶解析データから得た構造的な情報を用い得る。
【0026】
(GSK3の構造的な表示)。上記で注記されたように、1つの局面において、本発明は、GSK3−β活性によって媒介される種々の疾患状態の処置において可能性のある治療用化合物を同定するための方法を提供する。この方法は、GSK構築物の3次元構造的な表示の使用を包含する。3次元構造的な表示は、以下の表示であり得る:(a)完全なGSK構築物、(b)GSK構築物を含むGSK3のフラグメント、または(c)GSK3活性を媒介し得るリガンドと相互作用するアミノ酸を含むGSK構築物のフラグメント。
【0027】
構造的な表示は好ましくは、完全なGSK構築物の構造を表示する、表2に示される原子座標に基づくかまたはその原子座標に由来する。適切な構造的な表示は、これらの原子座標から誘導された、3次元モデルおよび分子表面を含む。表2におけるこの座標は、構造的な水およびグリセロール分子を含む。これらは、変化し、そして構造的に誘導された他のモデル(それらは、解像度および空間群に依存性である)には存在さえしないかもしれない。これらの溶媒分子は結晶ごと結晶に変化する。
【0028】
表2に注記された原子座標の改変体(例えば、表2に記された原子座標と比べて、重原子(すなわち、水素でない)全てについてのx、y、およびz座標のRMS偏差が、約2.5Å未満、例えば、約2Å未満、好ましくは、約1Å未満、より好ましくは約0.5Å未満、最も好ましくは0.1Å未満である改変体)はまた、本発明のために用いられ得る。原子の3次元空間関係を保持する座標変換はまた、適切な改変体を得るために用いられ得る。
【0029】
本明細書において提供される原子座標はまた、さらなるタンパク質構造のモデルの基礎として用いられ得る。例えば、相同性モデルは、GSK構築物の構造に基づき得る。この座標はまた、GSK3のさらなる結晶構造(例えば、新しいリガンドとの共結晶構造)の解像または洗練において用いられ得る。
【0030】
(GSK3構造の再表示用の記憶媒体)。GSK構築物の原子座標は、コンピューター(例えば、スーパーコンピューター、メインフレームコンピューター、ミニコンピューター、またはマイクロプロセッサ)のような計算装置(コンピューターデバイス)でのその後の使用のための媒体に記憶され得る。代表的に、この座標は、磁気媒体または光学媒体のような、大量のデータを保持するのに有用な媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気媒体(「フロプティカル」ディスク、または磁気テープ)、または電子媒体(例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、またはリードオンリーメモリー(ROM)))に記憶される。この記憶媒体は、コンピューターに対してローカルであり得るか、またはリモートであり得る(例えば、インターネットを含む、ネットワーク化された記憶媒体)。コンピューター、記憶媒体、ネットワーク化、および他のデバイスまたは技術の選択は、構造化学/計算機化学の分野の当業者に周知である。
【0031】
本発明はまた、コンピューターのためのコンピューター読み取り可能な媒体を提供する。これには、GSK構築物の原子座標および/または3次元構造表示を含む。原子座標は好ましくは、表2に記される座標またはその改変である。任意の適切なコンピューターが、本発明において用いられ得る。
【0032】
(GSK3−βリガンドプロフィールの開発)。上記のように、結晶学データから得た構造情報を用いて、GSK3−β活性を媒介する化合物の合理的な設計に有用であるリガンドプロフィールを開発し得る。リガンドプロフィールは、アポタンパク質について上記のように得られた構造情報を考慮して開発され得る。このリガンドプロフィールはさらに、結合したリガンドを有するタンパク質のさらなる構造の決定によって開発され、そして洗練される。最終的に開発されたリガンドプロフィールは、GSK3−β活性を媒介する可能性のある治療用化合物を同定する。
【0033】
このリガンドプロフィールは主に、リガンドとタンパク質のリガンド結合部位との間の形状的な相互作用に基づき得る。形状的な相互作用の評価は、リガンドのコンホメーション特性の考慮を含み得、これによって、そのリガンドが、リガンド結合部位と適合性の低エネルギーコンホメーションを達成する能力に基づいてリガンドをランク付けする。形状的な相互作用はまた、リガンドと結合部位との間のエンタルピーの相互作用を最大化することを探求し得る。
【0034】
リガンドプロフィールを開発するプロセスは非常に広範であり得る。例えば、プロフィールは、専門家による活性な部位の構造の視覚検査によって開発され得る。このような検査は、結合部位およびリガンド構造の考慮、ならびに化合物データベース検索を包含し得る。プロフィールの開発はまた、他の類似のタンパク質との既知のリガンド結合相互作用の考慮と同様に、生物学的データおよび構造活性関係(SAR)を考慮し得る。
【0035】
いずれの事象においても、一次相互作用および二次相互作用を含むリガンド結合相互作用を考慮することによって、このリガンドプロフィールは、開発され、そして結果としてファルマコフォアを規定する。用語「ファルマコフォア」とは、リガンド活性を担う特定の特徴を示す、化学的特徴および3次元的制約の収集をいう。ファルマコフォアとしては、他の特徴のなかでも、表面アクセス可能特徴、水素結合ドナーおよびアクセプター、荷電基/イオン化基、および/または疎水性パッチが挙げられる。
【0036】
上記のリガンドプロフィール開発のためのプロセスに加えて、構造に基づく他の薬物設計技術が、GSK3と相互作用してGSK3活性を媒介する化合物を同定するために、GSK3構築物の構造的表示に適用され得る。種々の適切な技術が当業者に利用可能である。
【0037】
構造に基づく薬物設計における使用のために分子モデリング技術を実行するためのソフトウェアパッケージとしては、なかでも以下が挙げられる:SYBYL(Tripos Inc.,http://www/tripos.comから入手可能);AMBER(Oxford Molecular,http://www/oxmol.co.uk/から入手可能);CERIUS(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能);INSIGHT II(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能);CATALYST(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能);QUANTA(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能);HYPERCHEM(Hypercube Inc.,http://www/hyper.com/から入手可能);FIRST DISCOVERY(Schrodinger Inc.,http://www/schrodinger.com/から入手可能);MOE(Chemical Computing Group,http://www/chemcomp.comから入手可能);およびCHEMSITE(Pyramid Learning,http://www/chemsite.org/から入手可能)。
【0038】
モデリングソフトウェアを用いて、GSK3結合表面を決定し、そしてファンデルワールス接触、静電相互作用、および/または水素結合機会のような特徴を明らかにし得る。これらの結合表面を用いて、リガンドとGSK3とのドッキングをモデル化し、ファルマコフォア仮説に到達し、そして可能性のある治療用化合物を新たに設計し得る。
【0039】
(GSK3−βリガンドの仮想(バーチャル)スクリーニング)
アポタンパク質の3次元構造、および詳細にはこのタンパク質の活性部位の構造によって、活性部位への化合物の適合の決定が可能になる。ファーストドッキングプログラムを利用して、例えば、化合物のデータベース由来の個々の化合物を、活性部位結合に対して評価し得る。特定の化合物の適合が、評価されそして記憶され得る。次いで、スコア閾値を設定することによって、仮想スクリーニングの解として化合物のファミリーを提供し得る。
【0040】
第一のレベルでは、仮想スクリーニングは、アポタンパク質の活性部位の3次元構造を考慮する。第二のレベルでは、仮想スクリーニングは、リガンドプロフィールを考慮し、そして結合したリガンドを有するタンパク質の構造の決定から得た情報を利用し得る。仮想スクリーニングは、結合したリガンドに対して構造的な情報が存在しない場合でさえ可能である。
【0041】
仮想スクリーニングから得た情報を考慮して、リガンドプロフィールをさらに開発し得る。あるいは、仮想スクリーニングの結果が、見込みのある化合物を示す場合、この化合物が得られ、そして関連する生物学的活性についてスクリーニングされ得る。
【0042】
(ドッキング)。ドッキングとは、2つ以上の分子がエネルギー条件に基づいて整列されるプロセスをいう。ドッキングは、2つ以上の分子の3次元構造を並べて、この分子から形成された複合体のコンフォメーションを推定する(例えば、Blaney&Dixon(1993)Perspectives in Drug Discovery and Design 1:301を参照のこと)。本発明の実施において、分子を、GSK3構築物構造とドッキングして、その分子がGSK3と相互作用する能力を評価する。
【0043】
ドッキングは、リガンドおよびそのレセプターの幾何学的な適合、または相互作用のエネルギーを最小化することのいずれかによって、達成され得る。幾何学的な適合アルゴリズムは、その相対的な速度のおかげで好ましい。
【0044】
適切なドッキングアルゴリズムとしては、以下が挙げられる:構造的薬物設計に基づく原型的なプログラムであるDOCK(Kuntzら(1982)J.Mol.Biol.161:269〜288、UCSFから入手可能);AUTODOCK(Goodsell&Olson(1990)Proteins:Structure,Function and Genetics 8:195〜202、そしてOxford Molecular,http://www/oxmol.co.uk/から入手可能)(これは、格子に基づくMonte Carloのシミュレーションされたアニーリングを用いて、可撓性の様式でリガンドをレセプターにドッキングする)。AUTODOCK手順の可撓性の性質は、ユーザーの検索者によって導入されたバイアス(例えば、活性部位におけるリガンドの方向およびコンフォメーションにおいて)を回避することを補助する(Meyerら(1995)Persp.Drug Disc.3:168〜95)。なぜなら、格子ドッキングにおける出発コンフォメーションは通常、このリガンドの最小エネルギーコンフォメーションに向かって偏向されているが、この結合コンフォメーションは、コンフォメーションエネルギーが比較的高くあり得るからである(Nicklausら(1995)Bioorganic & Medicinal Chemistry 3:411)。
【0045】
他の適切なドッキングアルゴリズムとしては、以下が挙げられる:MOE−DOCK(Chemical Computing Group Inc.,http://www/chemcomp.comから入手可能)(MOE−DOCKでは、シミュレーションされたアニーリング検索アルゴリズムを用いてリガンドを可撓性にドッキングし、そして格子に基づくエネルギー評価を用いてドッキングじたコンフォメーションをスコア付けする);FLExX(Tripos Inc.,http://www/tripos.comから入手可能)(FLExXは、コンフォメーション的に可撓性のリガンドを、結合部位でこのリガンドを構築する増分構築アルゴリズムを用いてこの結合部位にドッキングし、そしてリガンドレセプター相互作用の強度に基づいてドッキングされたコンフォメーションをスコア付けする);GOLD(Jonesら(1997)J.Mol.Biol.267:727〜748)(リガンド全体および部分的なタンパク質可撓性を用いる、可撓性のリガンドドッキングのための遺伝子アルゴリズムであり、GOLDでは、エネルギー関数は部分的に、コンフォメーションおよび結合していない接触情報に基づく);AFFINITY(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能)(AFFINITYは、リガンドをドッキングさせるために2工程のプロセスを用いる:第一に、このレセプター内のリガンドの最初の配置は、コンフォメーション的な空間およびデカルト空間(Cartesian space)の両方を検索するためのモンテカルロ方手順を用いてなされる;そして第二に、シミュレーションされたアニーリング相が、この相の間、各リガンド配置の位置を最適にする。AFFINITYは、結合部位の原子およびリガンド原子が可動であるままで、レセプターの「バルク」(結合部位にない原子)を剛直に保持する);CLigandFit(Molecular Simulations Inc.,http://www/msn.com/から入手可能)(これは、最適な結合様式を自動的に見出すためにリガンド−レセプター複合体のエネルギーを用い、そして確率論的コンフォメーション検索技術を用いて、保持されたコンフォメーションサンプリングから最適の結果を得る)。格子方法を用いて、リガンドレセプターと可撓性リガンド原子との間の結合していない相互作用を評価する。DOCKIT(Metaphorics LLCから入手可能)は、高速(ファースト)(fast)可撓性リガンドドッキングのディスタンスジオメトリーを使用する。GLIDE(Schrodinger Inc.から入手可能)は、事前計算したエネルギー格子、および可撓性ドッキングのため能率的に切り詰められた組織的検索を使用する。
【0046】
好ましくは、ドッキングアルゴリズムは、ハイスループット様式で用いられる。ここでは、可能性のあるリガンドの大きい構造的ライブラリーのメンバーが、レセプター構造に対してスクリーニングされる(Martin(1992)J.Med.Chem.35:2145〜54)。
【0047】
適切な構造的ライブラリーとしては、以下が挙げられる:ACD(Available Chemical Directory,form MDL Inc.)、AsInEx、Bionet、ComGenex、the Derwent World Drug Index(WDI)、the Contact Service Company database、LaboTest、ChemBridge Express Pick,ChemStar,BioByteMasterFile,Orion,SALOR,TRIAD,ILIAD,the National Cancer Institute database(NCI)、およびthe Aldrich,Fluka,Sigman and Mabridge catalogs。これらは市販されている(例えば、Oxford Molecularからのthe HTS Chemicals collection、またはTriposからのthe LeadQuestTM files)。
【0048】
(ファルマコフォアを規定する)。上記のように、ファルマコフォアは、他の特徴のなかでも、表面アクセス可能な特徴、水素結合ドナーおよびアクセプター、荷電基/イオン化基、および/または疎水性パッチを含むGSK3構築物について規定され得る。これらの特徴は、活性を供与するのにおけるそれらの相対的な重要度に依存して重み付けされ得る(例えば、Computer−Assisted Lead Finding and Optimization(Testra & Folkers編,1997)を参照のこと)。
【0049】
ファルマコフォアは、CATALYST(Molecular Simulations Inc.のhttp://www/msn.com/から入手可能、HypoGenまたはHipHopを含む)、CERIUSのようなソフトウェアを用いて決定され得るか、またはリード化合物の既知のコンフォメーションから手動で構築され得る。ファルマコフォアは、CATALYSTのようなプログラムを用いて、構造的なライブラリーをスクリーニングするために用いられ得る。CLIXプログラム(Davic & Lawrence(1992)Proteins 12:31〜41)も用いられ得る。CLIXプログラムは、レセプターと相互作用する化学基との最大空間一致を生じる構造的データベースにおいて候補分子の配向を検索する。DISCOプログラム(Triposから入手可能)は、各構造における共通のファルマコフォア的な特徴を同定するための集団(clique)検出の方法を使用し、最適に整列された構造を生じ、そしてこのファルマコフォアの重要な構造を抽出する。GASPプログラム(Triposから入手可能)は、遺伝子アルゴリズムを使用して、コンフォメーション的な可撓性を有するファルマコフォアを自動的に見出す。
【0050】
(デノボ化合物の設計)。GSK3構築物の結合表面またはファルマコフォアを用いて、官能基(例えば、水素、ヒドロキシル基、アミノ基、酸性基、疎水性基、および/または二価陽イオン)または低分子フラグメントの好ましい相互作用位置をマップし得る。次いで、関連する官能基がGSK3と相互作用するように正しい空間的位置に配置されている化合物が、デノボ設計され得る。
【0051】
一旦官能基または低分子フラグメント(GSK3の結合表面における特定の部位を相互作用し得る)が同定されれば、それらは、好ましい配向で官能基を支持し得る、正しいサイズおよび幾何学またはフレームワークを有する、いずれかの架橋フラグメントを用いて単一の化合物に連結され得、それによって本発明の化合物が提供される。この方法における官能基の連結は、おそらくQUANTAまたはSYBYLのようなソフトウェアの補助によって手動で行われ得るが、自動化されたかまたは半自動化されたデノボ設計アプローチもまた用いられ得る。
【0052】
適切なデノボ設計ソフトウェアとしては、以下が挙げられる:MCDLNG(Gehlhaarら(1995)J.Med.Chem.38:466〜72)(これは、一般的な原子の最密配列を有するレセプター結合部位を満たし、そしてモンテカルロ手順を使用して原子の種、位置、結合の並びおよび他の特性を無作為に変化させる);MCSS/HOOK(Caflishら(1993)J.Med.Chem.36:2142〜67;Eisenら(1994)Proteins:Str.Funct.Genet.19:199〜221;これはMolecular Simulations Inc.,http://www/msn.comから入手可能である)(これは、複数の官能基をデータベース由来の分子鋳型と結合させる);LUDI(Bohm(1992)J.Comp.Aided Molec.Design 6:61〜78、これはMolecular Simulations Inc.,http://www/msn.comから入手可能である)(これは、リガンドによって理想的に充填された相互作用点を計算し、このレセプターと相互作用する能力に基づいてこの結合部位にフラグメントを置き、次いで、これらリガンドを生成するように結合する);GROW(MoonおよびHowe(1991)Proteins:Str.Funct.Genet.11:314〜328)(これは初期の「シード(seed)」フラグメントから開始し(手動または自動で位置が決められる)、そしてこのリガンドを外側に伸ばす);SPROUT(これは、http://chem.leeds.ac.uk/ICAMS/SPROUT.htmlにて入手可能である)(これは、結合ポケット内の好ましい水素結合および疎水性領域を同定するための分子(HIPPOモジュール)を含み、官能基を選択し、そして標的部位内でのそれらに位置を決定し、構造生成のための初期フラグメント(EleFanT)を形成し、開始フラグメント上にスペーサーフラグメントを構築し、次いでこの得られた部分骨格(SPIDeR)を結合することによってこの結合ポケットの立体拘束を満たす骨格を生成し、骨格内にヘテロ原子を置換して、このレセプター部位の静電特性に対して補完的な静電特性を有する分子を生成し(MARABOU)、そしてこの溶液をクラスター化し得、そしてALLigaTORモジュールを使用してスコア付けし得る);LEAPFROG(これは、Tripos Inc.、http://www/tripos.comから入手可能である)(これは、小さなステップによって構造変化を行い、そして迅速にコ新規の化合物の結合エネルギーを評価することによってリガンドを評価し、変化する結合エネルギーに基づいて変化を維持または破棄し、そしてこのレセプターと相互作用エネルギーを上清する構造を含める);GROUPBUILD(Rorsteinら(1993)J.Med.Chem.36:1700)(これは、共通する有機鋳型のライブラリーおよびリガンドとレセプターとの間の非結合性相互作用の完全に経験的な力場記述を使用し、化学的に合理的な構造を有し、そしてレセプター結合部位に補完的な立体特性および静電的特性を有するリガンドを構築する);CAVEAT(LauriおよびBartlett(1994)Comp.Aided Mol.Design 8:51〜66)(これは、非環状分子を拘束するための結合単位を設計する);およびRASSE(Lai)(1996)J.Chem.Inf.Comput.Sci 36:1187〜1194)。
【0053】
(GSK3−βリガンド)
構造に基づいた設計サイクルを開始するほとんどのリード化合物は、ハイスループットスクリーニングによって同定される。ハイスループットスクリーニングおよびリガンドプロファイルおよび上記の仮想スクリーニングの結果として、適切な形状を取り、そしてこのタンパク質の活性部位に結合するのに必要不可欠なコンフォメーションエネルギーを有するリガンドが同定される。低いコンフォメーションエネルギーおよびアポタンパク質活性部位との空間適合性を有することに加え、この同定したリガンドは、好ましくは合成的に利用可能である。次いで、この同定されたリガンドが得られ(例えば、市販されているかまたは合成され)、そして生物学的活性についてスクリーニングされる。この同定されたリガンドはまた、このタンパク質構築物とともに共結晶を形成し、そしてこの三次元構造は結合したリガンドを有するタンパク質について決定される。結合したリガンドを伴うタンパク質の構造から得られた情報を、次いで、使用してさらに上記のようなリガンドのプロファイルを開発する。
【0054】
リガンドの生物学的活性を評価するために適切なGSK3−β生物学的スクリーニング法は、公知であり、そしてこのようなスクリーニング法としては、例えば、米国特許出願番号60/193,043(2000年3月29日出願)に示されるようなスクリーニングが挙げられ、そしてこれは明確に本明細書中で参考として全体が援用される。
(GSK3結晶構造を使用する合理的な薬物発見のための方法)
別の局面において、本発明は、GSK3結晶構造、特にGSK3構築物の活性部位の三次元構造を使用するための方法を提供し、GSK3−βに結合するためかまたはGSK3−βの活性を媒介するためのリガンドを設計する。
【0055】
1つの実施形態において、本方法は、治療的化合物の設計のための反復構造に基づいた方法である。代表的な方法は、図3に示すフローチャートによって示される。図3を参照すると、このアポタンパク質および結合したリガンドファンドを伴うタンパク質の結晶構造は、それぞれ、工程102および工程104において決定される。工程102および工程104から得られる構造情報から、リガンドプロファイルが工程106で開発される。リガンドプロファイルはまた、このアポタンパク質の結晶構造から直接的に開発される。得られたプロファイルを使用すると、新規のリガンドが設計され、そして/また得られ、生物学的活性についてスクリーニングされ、そして/または工程108でタンパク質と共に共結晶化されるか、あるいは、このリガンドプロファイルは、工程110の仮想スクリーン中で使用され得る。開発されたプロファイルから得られたリガンドが今日結晶化された場合、この共結晶の構造は工程104において決定され、そしてこの得られた構造情報を使用してさらに工程106のリガンドプロファイルが開発される。このリガンドプロファイルを工程110の仮想スクリーン中で使用した場合、この仮想スクリーンは首尾良いか、または得られ得る1以上のリガンドを同定し、スクリーニングし、そして/または、工程108で共結晶化される。仮想スクリーンが適切なリガンドの同定において不成功であった場合、このリガンドプロファイルはさらに工程106で開発される。
【0056】
リード化合物は、リガンドプロファイルによって開発されたリガンドの生物学的スクリーニングから同定される。リード化合物を同定するための代表的な方法は、図4で示したフローチャートに示される。図4を参照すると、アポタンパク質および結合したリガンドを伴うタンパク質の結晶構造は、それぞれ、工程202および工程204において使用される。工程202および工程204から得られた構造情報から、リガンドプロファイルが工程206で開発される。リガンドプロファイルはまた、アポタンパク質の結晶構造から直接的に開発される。得られたプロファイルから、新規のリガンドが工程208において設計され、そして/またはこのリガンドが得られ、そして工程210において生物学的活性についてスクリーニングされるか、かつ/または工程212においてこのタンパク質と共結晶化されるのかのいずれかである。生物学的スクリーニングが成功した場合、リード化合物は、工程214において同定され得る。続く反復において、このリード化合物は工程212において結晶化され、そしてこの新規の薬物候補が同定されるまで反復が継続する。生物学的スクリーニングが成功しなかった場合、その情報を使用して、工程206においてさらにリガンドプロファイルを開発する。りこのリガンドが共結晶化された場合、この共結晶の構造は、工程204で決定され、そしてこの構造情報は、工程206におけるリガンドプロファイルのさらなる開発に使用される。
【0057】
あるいは、このリガンドプロファイルの結果を工程216の仮想スクリーンにおいて使用し得る。この仮想スクリーンが成功して、かつ1以上のリガンドを同定した場合、このリガンドは、工程208において得られ、そして工程210にてスクリーニングされて、この生物学的活性およびこのリード化合物が同定されたか否かを決定する。工程208で得られたリガンドはまた、工程212において共結晶化され、そしてこの構造が決定され、そして得られた情報を使用してリガンドプロファイルをさらに開発する。仮想スクリーンが適切なリガンドを同定することにおいて不成功に終った場合、このリガンドプロファイルは、さらに工程206で開発される。
【0058】
(GSK3リガンドおよびそれらの用途)
本発明の方法は、GSK3と相互作用し得るリガンドを同定する。これらの化合物は、デノボ設計され得るか、そしてこれらの化合物は既知の化合物であり得るか、また既知の化合物に基づき得る。これらの化合物は、それ自体で有用な医薬であり得るか、またはこれは、結合親和性または他の薬学的に重要な特徴(例えば、セバイオアベイラビリティ、毒物学、代謝、薬力学)を改善するために、さらなる薬学的な精製について使用され得るプロトタイプ(すなわち、リード化合物)であり得る。
【0059】
従って、別の局面において、本発明は、以下を提供する:(1)本発明の方法を使用して同定される化合物;(2)医薬としての用途のための本発明の方法を使用して同定される化合物;(3)GSK3活性を媒介するための医薬品の製造において本発明の方法を使用して同定される化合物の使用;および(4)GSK3活性によって媒介される状態に罹患した患者を処置する方法であって、この方法は、GSK3活性を媒介するために有効な本発明の方法を使用して同定される化合物の量を投与する工程を包含する。
【0060】
これらの化合物は好ましくは、μモル濃度以上、より好ましくはナノモル濃度の範囲またはそれより強い範囲で結合拘束を伴いGSK3と相互作用する。
【0061】
個々に有用な化合物であるように、構造に基づいた設計技術によって同定されたリガンドをまた使用して、従来のインビトロまたはインビボスクリーニング方法についての化合物のライブライブラリーを示唆し得る。このリガンドにおける重要な薬学的なモチーフが同定され得、そしてGSK3結合活性についてのスクリーニングのために化合物ライブラリー(例えば、コンビナトリアルライブライブラリー)で模倣され得る。
【0062】
本発明の上述および他の局面は、以下のそれぞれの実施例を合わせることでより良く理解し得る。
【0063】
(実施例)
(実施例1)
(GSK3−β構築物の精製)
本実施例において、GSK3−βタンパク質構築物の精製を記載する。この構築物を、GSK3−β 580 cDNA構築物を保有するバキュロウイルスで感染させたSF−9細胞から抽出し、そして以下に記載されるようにこれをS−Fractogelクロマトグラフィー、Phenyl−650 MクロマトグラフィーおよびGlu−tag親和性クロマトグラフィーを使用して一様になるまで精製した。
【0064】
(抽出)
感染したSF−9細胞の20L発酵由来の細胞ペーストを、100mL PBS(10mM NaPi,pH7.5,150mM NaCl)で洗浄し、次いで、300mLの緩衝液H(20mM Tris、pH7.5、1mMタングステン、1mM ヒ酸塩50mM DTT、10μg/mLロイペプチン、1μg/mLペプスタチンA、10%グリセロール、0.35%オクチルグリコシド、1mM Mg2+)で、再懸濁した。細胞を100mLのDouncer中でホモジェナイズ(pestel Bを用いて20ストローク)した。合わせたホモジネートを、35分間、40,000rpmにて、Ti45ローターで遠心分離し、細胞の破片および核を取り出した。この遠心分離による上清を注意深くデカンティングし、0.45μフィルターを通して濾過した。
【0065】
(S−Factogelクロマトグラフィー)
175mLのS−fractogel(EM Science,カタログ番号18882)を、5cm×8.9cmカラムに詰め、そして5カラム容量の緩衝液A(20mM Tris,pH7.5,10%グリセロール)で平衡化した。この濾過した上清を充填する前に、50mM DTTを含有する1カラム容量の緩衝液Aを、平衡化したカラムに通過させた。上述の工程の濾液を、次いで、20mL/分でカラムに充填した。このカラムを50mM DTTを含有する3カラム容量の緩衝液Aおよび2カラム容量の緩衝液Aで洗浄し、次いで20カラム容量を超える緩衝液A中で0〜1M NaClの線形勾配を使用して溶出した。この溶出物を20mLの画分に分配した。GSK3を含有する画分を抗GSK抗体(Santa Cruz Biotech,カタログ番号SC−7291)を使用するウェスタンブロットで検出した。このウェスタンブロット陽性画分を、プールしそして等量の緩衝液M(20mM Tris,pH7.5,10%グリセロール,3.1M NaCl)と混合し、そして0.45μフィルターを介して濾過した。この濾液をPhenyl−650 Mクロマトグラフィーに使用した。
【0066】
(Phenvl−650 Mクロマトグラフィー)
37.5mLのPhenyl−650 M(Tosohass,カタログ番号0 14943)を2.2×10cmカラムに充填し、そして5カラム容量の緩衝液C(20mM Tris,pH7.5,10%グリセロール,1.6M NaCl)で平衡化した。S−fractogel工程からの濾液を7.5mL/分でこのカラムに充填した。この充填が完了した後に、このカラムを5カラム容量の緩衝液Cで洗浄し、そして20カラム容量にわたって0%〜100%の緩衝液A(20mM Tris,pH7.5,10%グリセロール)の線形勾配を使用して溶出した。画分を、各々15mLで回収して、GSK含有画分は、抗GSK抗体を使用してウェスタンブロットによって検出した。このウェスタン陽性画分を、プールし、そしてGlu−tag抗体親和性カラムに充填した。
【0067】
(Glu−tag親和性クロマトグラフィー)
50mgのGlu−tag抗体を、28mLのAffi−Gel 10(BioRAD,カタログ番号153−6046)上に固定し、そしてこれを2.2×6.5cmカラムに充填した。このカラムを5カラム容量の緩衝液D(20mM Tris,pH7.5,20%グリセロール,0.3M NaCl,0.2% オクチルグルコシド)で平衡化して、そしてPhenyl−650 M工程からの画分プールを、2.8mL/分で充填した。この充填が完了した後に、カラムを5カラム容量の緩衝液Dで洗浄し、次いで、緩衝液D中の100mLのGlu−tagペプチド(100μg/mL)で溶出して、そして4mL画分に画分化した。GSK含有画分をSDS−PAGEおよびクマシーブルー染色を用いて検出した。これらの画分をプールし、濃縮し、そ濃縮し、そして10 k MWCO YM10メンブレンを使用してAmicon concentrator中で約4.8mg/mLまで緩衝液Dにダイアフィルトレーションした。この濃縮された分子を、次いで、結晶化のために投入した。
【0068】
(実施例2)
(GSK3−β構築物の結晶化)
本実施例において、GSK3−βタンパク質構築物の結晶化を記載する。結晶化プロトコルは、4.8mg/mlの濃度でGSK3−βを使用し、そして1X TBS緩衝液、0.3M NaCl、20%グリセロール、0.2%オクチルグルコピラノシド、5mM DTTを含有する溶液中にある。この結晶を、ハンギングドロップ法(hanging drop method)を使用して拡散蒸着によって成長させた。簡潔には、24−ウェルのリンブロ(linbro)培養プレートの各ウェルを、10%ポリエチレングリコール6000(PEG 6000)、5%2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)、0.1M HEPES(pH7.5)を含有する0.5mLの溶液で満たした。3μLのタンパク質溶液を次いでガラスカバースリップ上の液滴の3μLのウェル溶液と混合する。このカバースリップを、次いで、このウェルのリザーバー上に置いた。このプレートを、次いで、4℃で保管する。結晶は、3〜30日間で50〜90%のウェルで現れる。
【0069】
代表的なGSK3結晶は、高度に重合し、そして空間群および単位格子の寸法の両方において分散を示し、しばしば、化合物を浸している間の空間群の遷移が示され、状態の僅かな変化にも応答する。3つの空間群が、GSK3結晶中にて同定され、以下のように示される。全ての空間群の中でこの空間群の寸法および空間群C2における角βはしばしば、個々の結晶の間で10%を超えて変化する。この空間群および寸法は以下のとおりである。C222(1)は、最も一般的な空間群であり、これにC2、次いでP222(1)が続く。C2は、化合物を結晶に浸したときのみに見られる。
【0070】
C222(1):a=89.874 b=102.514 c=108.194 α=90 β=90 γ=90
C2:a=102.366 b=89.598 c=110.438 α=90 β=96.983 γ=90
P222(1):a=86.328 b=103.061 c=102.846 α=90 β=90 γ=90
12%PEG 6000、11%MPD、0.1M HEPES pH7.5、20%グリセロールからなる冷却液体中でのデータ収集のために、この結晶の凍結を防止し得る。この冷却溶液は、約10〜約14重量%のポリエチレングリコール(PEG 6000)、約9〜約13重量%の2−メチル−2,4−ペンタンジオール(MPD)、および約18〜約22重量%のグリセロールを含み得る。この冷却溶液は、約7.3〜約7.7のpHを有する。
【0071】
(実施例3)
(GSK3−β構築物の結晶構造の解明)
本実施例において、GSK3−βタンパク質構築物の結晶構造を解く代表的な方法を記載した。
【0072】
GSK3−βの結晶構造を、分子置換(molecular replacement)および交差結晶平均化(cross−crystal averaging)を組合わせて用いて解いた。C222(1)結晶に対する分子置換の解は、GSK3−β(残基53−352を含む)のホモロジーモデリングおよびプログラムEPMR[CR Kissinger,DK Gehlhaar,and DB Fogel.Rapid automated molecular replacement by evolutionary search Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.1999 Feb;55(Pt2):484−91]を使用して得た。このホモロジーモデリングはリン酸化形態のCDK2(PDB登録コード1JST)を鋳型として使用して構築した。この初期分子置換解は、53.9%のR因子を有するモデルを与えた。次いで、このモデルを数ラウンドの精緻化マクロサイクル(refinement macrocycle)を介して処理した。代表的な精緻化マクロサイクルは、100〜200ラウンドの共役勾配最小化法、ねじれまたは古典力学(Cartesian dynamics)のいずれかを使用したシミュレーティッドアニーリングおよびグループ化されたかまたは個々の温度因子計算からなる。全ての精緻手順を、プログラムCNX(Molecular Simulation,Inc.)を使用して実行した。この後に、プログラムO(DATAONO AB)を使用する、新しい電子密度マップの計算およびこれらのマップ中のいくつかの特徴に基づいたモデルの手動による再構築が続く。データのC222(1)セットにおける30Å〜2.8Åからなる全てのデータを使用した。精緻化の数多くのマクロサイクルに関わらず、このモデルを35%のR因子(フリーR因子0.41)よりも改善することは不可能である。正確でない構造に対するこの偏りは、高分解能データの欠如および精緻化における測定可能なデータに対するパラメータの低比率に起因する。
【0073】
この偏りを緩和するために、交差結晶平均化(cross−crystal averaging)を使用して初期の分子置換の解によって提供される位相の改善を行った。交差結晶平均化において、この構造の2以上の別個の「描像(view)」が、多くの異なった単位格子の寸法および/または空間群の結晶から得られた。これらの描像の電子密度は、次いで、平均化されそして、電子密度のフーリエ再構築および別個の結晶の各々の実際の電子密度の改善された描像のためのより正確な位相を提供する。交差結晶平均化について、C222(1)の結晶データセットおよびC2結晶データセット(GSK3結晶を1〜3mMの化合物1(以下に例示する)を浸すことから得られる)を使用した。このC2結晶形態について、部分的に精緻化したGSK3−βモデルを使用して2つの分子置換解を得た;これらの解は2分子のGSK3−βをC2単位格子の非対称単位に示す。次いで、C222(1)結晶形態の分子とC2結晶の分子との間の実数空間変換(real−space transform)を、計算した。この後に、このC222(1)結晶形態における精緻マクロサイクルにわたる10構造のアンサンブルからえられた位相および成績の指標(figures−of−merit)を、プログラムDMMULTI[K.Cowtan.Joint CCP4 and ESF−EACBM Newsletter on Protein Crystallography 1994; 31,pp 34−38]を使用して、C2結晶から得られたデータに対して平均化し、そして、全てのデータは2.7Åであった。100サイクルの平均化、溶媒の平坦化(solvent−flattening)、およびヒストグラムマッチングを実施した。この後に、改善した電子密度を計算し、そしてこのモデルを再構築し、その後別の精緻マクロサイクル、および別のラウンドの結晶平均化を行った。合計5回の平均化/精緻化サイクルを実施した。2〜5のサイクルにおいて、主要な誤差をC222(l)モデルにおいて見いだし、そして、修正し、そしてこの高分子の残りの部分(残基37−384)を構築した。この最終的なC222(l)結晶構造は、生物学的に関連のある分子、79の水および1つの推定される塩化物イオンからなり、そしてこの結晶は30Å〜2.7Åのデータを使用して22.46%のR因子および28.22%のフリーR因子を有する。
【0074】
【化2】
Figure 2004533597
C222(1)結晶構造の精緻化の完了の後に、得られたモデルと原子置換を使用して、2つの浸した化合物のC2結晶およびP222(1)におけるこの分子の位置および構造を決定した。現在の最良のGSK3−β構造は、化合物2(以下に例示する)を浸した間に得られたP222(1)結晶形態由来であり、これは2.2Åで回折する。この構造は、非対象単位にある生物学的に関連する高分子の2つのコピー、336個の水、6個のグリセロールからなり;この構造は、30Å〜2.2Åのデータを使用して26.2%のR因子および30.8%のフリーR因子を有している。化合物2は、活性部位において観察するために十分に高い占有率に達していない。
【0075】
【化3】
Figure 2004533597
このアプローチを使用して、このときの利用可能なデータの収集の容易さの限定された性質に起因する構造を決定した。より通常の方法(単一/複数の同形置換もしくはMAD位相化単独かまたは分子置換と組み合わせて)が同様に使用されてきた。これらの方法および他の結晶学的な原理の詳細はB.K.ShoichetおよびD.E.Bussiere,The role of macromolecular crystallography and structure for drug discovery:advance and caveats Current Opinion in Drug Discovery & Development 2000;3(4)408〜422に見出される。
【0076】
本発明の好ましい実施形態が例示され、記述されてきたが、さまざまな変化が本明細書中で本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得ることが理解される。
【0077】
本発明の前述の局面および多くの付属する利点は、添付の図面と組み合わせて考慮した場合、以下の詳細な説明を参照することによって、さらに容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、GSK3−β構築物の構造の例示である。
【図2】
図2は、GSK3−β構築物の活性部位の構造の例示である。
【図3】
図3は、GSK3−β活性を媒介する可能性のある治療用化合物を同定するための、GSK3−β構築物の3次元構造を用いる、本発明の代表的方法のフローチャートである。
【図4】
図4は、GSK3−β活性を媒介する可能性のある治療用化合物を同定するための、GSK3−β構築物の3次元構造を用いる、本発明の代表的方法のフローチャートである。

Claims (18)

  1. GSK3タンパク質の原子モデルを提供する方法であって、該方法は、以下:
    (a)コンピュータ読み取り可能媒体を提供する工程であって、該媒体は、結晶形態にあるGSK3タンパク質の原子座標/X線回折データを該媒体上に記憶しており、該データはGSK3タンパク質の3次元構造をモデル化するのに十分である、工程;
    (b)工程(a)からの原子座標/X線回折データを分析し、GSK3タンパク質の原子モデルを規定するデータ出力を提供する工程;および
    (c)該GSK3タンパク質の3次元構造を規定する原子モデル出力データを得る工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって生成されるGSK3タンパク質の原子モデルデータを記憶する、コンピュータ読み取り可能媒体。
  3. 請求項1に記載の方法によって生成されたリガンドモデルの原子モデルの物理学的モデルに対応するGSK3−βリガンド。
  4. GSK3タンパク質に結合するリガンドを設計する方法であって、該方法は、表2に提供されるGSK3構築物の原子座標のいくつかまたは全てを使用する工程を包含する、方法。
  5. GSK3タンパク質に結合するリガンドを設計する方法であって、該方法は、以下:
    (a)精製されたGSK3タンパク質を提供する工程;
    (b)該精製されたGSK3タンパク質を結晶化して、生物学的活性を有する結晶化されたGSK3タンパク質を提供する工程;
    (c)該結晶化されたGSK3タンパク質の構造を、X線結晶解析を使用して解き、該GSK3タンパク質の3次元構造決定に適切したデータを得る工程;
    (d)該結晶化されたGSK3タンパク質の構造を解くことにより生成されたデータをコンピュータアルゴリズムに適用して、該GSK3タンパク質の活性部位に結合するリガンドを設計する用途に適した該GSK3タンパク質のモデルを生成する、工程;および
    (e)反復プロセスを適用し、これによって、分子構造を該コンピュータで生成されたモデルに適用し、GSK3結合リガンドを同定する、工程、
    を包含する、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、前記タンパク質は表2に示される原子座標を含む、方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、ここで前記タンパク質が配列番号1で示されるアミノ酸配列またはその活性な変異体もしくは改変体を含む、方法。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の方法によって設計される、GSK結合リガンド。
  9. 潜在的なメディエーターとGSK3結合部位との間の結合相互作用を決定することによって、GSK3メディエーターを同定する方法であって、該結合部位は、表2に示される原子座標の少なくともいくつかの原子座標によって規定され、該方法は、以下:
    (a)該結合部位によって規定される結合キャビティを、コンピュータスクリーン上の生成する工程;
    (b)これらの空間構造を有する化合物を生成する工程;および
    (c)該化合物がGSK3結合部位に結合するか否かを決定する工程、
    を包含する、方法。
  10. GSK3活性を媒介する化合物を同定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)GSK3についての潜在的メディエーターを設計する工程であって、該メディエーターは、表2に示される原子構造座標の少なくともいくつかに基づくGSK3結合部位内のアミノ酸と非共有結合を形成する、工程;
    (b)該潜在的メディエーターを得る工程;および
    (c)該潜在的メディエーターがGSK3タンパク質の活性を媒介するか否かを決定する工程、
    を包含する、方法。
  11. GSK3活性を媒介する化合物を同定する方法であって、該方法は、以下:
    (a)表2に示される原子座標によって規定されるGSK3の三次元構造を使用して、潜在的メディエーターを設計または選択する工程;
    (b)該潜在的メディエーターを得る工程;および
    (c)該潜在的メディエーターとGSK3とを接触させ、該潜在的メディエーターがGSK3の活性を媒介するか否かを決定する工程、
    を包含する、方法。
  12. 分子または分子複合体の三次元表示を生成するコンピュータであって、ここで、該分子または分子複合体は、表2に提供されるGSK3の原子座標または該分子もしくは分子複合体のホモログの三次元表示のうち少なくともいくつかによって規定される結合ポケットを含み、ここで、該コンピュータは以下:
    (a)機械読み取り可能データ記憶媒体であって、該媒体は、機械読み取り可能データでコードされたデータ記憶物を含み、ここで該データは表2に示される原子座標を含む、記憶媒体;
    (b)ワーキングメモリであって、該機械読み取り可能データを処理するための命令を記憶するためのワーキングメモリ;
    (c)該機械読み取り可能データを該三次元表示に処理するための、該ワーキングメモリおよび該機械読み取り可能データ記憶媒体に接続された中央演算処理装置;および
    (d)該三次元表示を表示するために該中央演算処理装置に接続されたディスプレイ、
    を備える、コンピュータ。
  13. 分子または分子複合体のX線回折パターンに対応する原子座標の少なくとも一部分を決定するためのコンピュータであって、ここで該コンピュータは、以下:
    (a)機械読み取り可能データ記憶媒体であって、該媒体は、機械読み取り可能データでコードされたデータ記憶物を含み、ここで該データは表2において示される原子座標の少なくとも一部分を含む、記憶媒体;
    (b)機械読み取り可能データ記憶媒体であって、該媒体は、機械読み取り可能データでコードされたデータ記憶物を含み、ここで該データは、該分子または分子複合体のX線回折パターンを含む、記憶媒体;
    (c)(a)および(b)の機械読み取り可能データを処理するための命令を記憶するためのワーキングメモリ;
    (d)(a)の該機械読み取り可能データのフーリエ変換を実施するため、および(b)の機械読み取り可能データを構造座標に処理するための、(a)および(b)の該ワーキングメモリおよび該機械読み取り可能データ記憶媒体に接続された中央演算処理装置;および
    (e)分子または分子複合体の構造座標を表示するために該中央演算処理装置に接続されたディスプレイ、
    を備える、コンピュータ。
  14. ヒトグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)タンパク質を結晶化する方法であって、該方法は以下:
    (a)精製されたGSK3タンパク質を提供する工程;および
    (b)該精製されたGSK3タンパク質を結晶化して、生物学的活性を有する結晶化されたGSK3タンパク質を提供する工程であって、ここで、該タンパク質は、約10〜約14重量%のポリエチレングリコール溶液、約9〜約13重量%の2−メチル−2,4−ペンタンジオールおよび約18〜約22重量%グリセロールを含む、溶液から結晶化され、そして、ここで、結晶化されたGSK3タンパク質はX線結晶解析を使用して、GSK3タンパク質の三次元構造決定に適したX線パターンを得るために解析可能である、工程、
    を包含する、方法。
  15. 前記GSK3タンパク質を結晶化する工程がハンギングドロップ蒸着拡散法によって結晶化することを包含する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記タンパク質が表2に示される原子座標を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記タンパク質が、配列番号1に示されるアミノ酸配列またはその活性な変異体もしくは改変体を含む、請求項14に記載の方法。
  18. 請求項14に記載の方法によって提供される結晶化されたGSK3。
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