JP2011515336A - Lxrリガンド結合ドメイン(lxrlbd)結晶 - Google Patents

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Abstract

本発明は、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)およびアゴニストの共結晶と、それに由来する三次元X線結晶構造とに関する。

Description

本発明は、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)およびアゴニストの共結晶と、それに由来する三次元X線結晶構造とに関する。
肝臓X受容体(LXR)は核受容体スーパーファミリーのメンバーである。これらの転写因子は、特定のDNA応答エレメントならびに転写コレギュレーターとの一連の複雑な相互作用を介して標的遺伝子を調節する。リガンド結合は、これらの相互作用に重大な影響を及ぼし、遺伝子活性化を、場合によっては遺伝子サイレンシングを誘発する可能性を有する。ヒトには配列に関連性のある核受容体が約50個あり、このファミリーは、ステロイドホルモンおよび非ステロイドホルモンを認識する受容体だけでなく、代謝中間体および生体異物に応答する受容体も含む。天然リガンドが未知の、いわゆるオーファン受容体も数多くある。これらの受容体の中には、甲状腺ホルモン受容体のように非常に特異的かつ高親和性のリガンド結合を示すものもあれば、リガンドに対する親和性が相当低く、リガンド選択性の点で極めて非特異的なものもある。他の非ステロイドホルモン受容体の多くと同様に、LXRは、遺伝子発現を調節するために9-cis-レチノイン酸受容体(RXR)とのヘテロ二量体として機能する。ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)およびファルネソイドX受容体(FXR)と共に、LXRは、いわゆる許容性(permissive)RXRヘテロ二量体のサブクラスに相当する。このサブクラスにおいて、RXRヘテロ二量体は、RXRリガンド、パートナーのリガンドのいずれかによって独立して、またはその両方によって相乗的に活性化することができる。
LXRは、別個の遺伝子LXRα(NR1H3)およびLXRβ(NR1H2)によってコードされる密接に関係する2つの受容体アイソフォームからなる。予想されるように、最大の配列の違いは、N末端ドメイン、およびDNA結合ドメイン(DBD)とリガンド結合ドメイン(LBD)を接続するいわゆるヒンジ領域にある。LXRβは組織特異的な発現を示し、最大のmRNAレベルは肝臓に、それより少ない程度で腎臓、小腸、脾臓、および副腎において検出される。対照的に、LXRβは一様に発現する。LXRアイソフォームは両方とも、インビボで形成することができる特定のオキシステロールによって活性化されることが示されている。LXR欠損マウスの研究によって、LXRの生物学的特性への重要な洞察が得られている。LXRβノックアウトマウスおよびLXRβノックアウトマウスが両方とも述べられている。LXRβヌル系統は、高コレステロール飼料が投与された時に過剰なコレステロールを代謝および排泄する能力が著しく欠如している。この答えは、過剰なコレステロールに応答して、コレステロールを胆汁酸に変換する律速酵素であるコレステロール7α-ヒドロキシラーゼ(CYP7A)をアップレギュレートできないことにあるようである。結果として、通常起こるコレステロールから胆汁酸への変換は弱まり、コレステリルエステルが肝臓に沈着し、最終的に肝不全を引き起こす。対照的に、LXRβノックアウト系統は、高コレステロール飼料に対する天然耐性を維持する。これらの重要な知見は、げっ歯類コレステロール代謝においてLXRβの機能が重要であることを証明するだけでなく、CYP7AのLXR依存性調節がLXRサブタイプ選択的であることを示唆している。CYP7A LXR応答エレメントは、げっ歯類とヒトの間ではあまり保存されていない。従って、LXRは、ヒトにおけるコレステロールから胆汁酸への変換の主な制御因子であるとは予想されていない。この考えは、培養ヒト細胞を用いたインビトロアッセイからの結果によって裏付けられている。しかしながら、つい最近、LXRは、コレステロールおよび脂質のホメオスタシスに関与する他のいくつかの遺伝子も調節することが示されている。顕著な例は、リン脂質/コレステリルエステル輸送体ABCA1、ABCG1、およびSREBP1c遺伝子であり、次に、これは脂肪酸合成酵素を誘導する。コレステロールおよび脂肪酸ホメオスタシスにLXRが関与するという洞察が増えたので、創薬標的としてのLXRの関心が高まっている。
従って、後のX線結晶分析および構造に基づく医薬品設計のための再現性のある結晶化を可能にする、LXRβ-LBD共結晶形態が必要とされている。
第1の局面において、本発明は、空間群P43に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶を提供する。
好ましい態様において、結晶は、a=b=58±4Å、c=181±4Å、α=β=γ=90°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する。
別の好ましい態様において、リガンドは、2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールである。
第2の局面において、本発明は、空間群P41212に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶を提供する。
好ましい態様において、結晶は、a=b=92±4Å、c=273±4Å、α=β=γ=90°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する。
別の好ましい態様において、リガンドは、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールである。
第3の局面において、本発明は、空間群P1に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶を提供する。
好ましい態様において、結晶は、a=47±4Å、b=98±4Å、c=114±4Å、α=74°±3°、β=98°±3°、γ=79°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=74°、β=98°、γ=79°の単位格子寸法を有する。
別の好ましい態様において、リガンドは、(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルである。
本発明の共結晶のさらに好ましい態様において、LXRβ-LBDポリペプチドは、Seq. Id. No.1のポリペプチドのリガンド結合ドメインと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の類似性を有する配列を含むポリペプチドである。
さらに別の好ましい態様において、LXRβ-LBDポリペプチドは、Seq. Id. No.1のアミノ酸213-461を含む。
第4の局面において、本発明は、LXRβ-LBDポリペプチドを、該LXRβ-LBDポリペプチドのリガンド結合部位に結合する化合物と共に共結晶化する方法を提供する。この方法は、
a)該ポリペプチドの水溶液を準備する工程、
b)モル過剰量のリガンドを該ポリペプチドの水溶液に加える工程、および
c)結晶を成長させる工程を含む。
本発明の方法の好ましい態様において、水溶液は5%〜30%(w/v)PEGを含み、PEGの平均分子量は、200Da〜20kDa、好ましくは200Da〜5kDa、より好ましくは3.35kDaである。
本発明の方法のさらに好ましい態様において、水溶液は、0M〜1M Bis-Tris pH5.5、0M〜0.5M塩化マグネシウム、および0M〜0.5M硫酸アンモニウムを含む。
本発明の方法のなおさらに好ましい態様において、水溶液はモル過剰量のコアクチベーターペプチドを含む。
本発明の共結晶は、回分晶析、蒸気拡散(シッティングドロップまたはハンギングドロップによる)を含む多くの技法によって、ならびにマイクロダイアリシスによって成長させることができる。場合によっては、X線品質の結晶を得るために、結晶のシーディングが必要とされる。従って、結晶の標準的なミクロシーディングおよび/またはマクロシーディングが用いられることがある。
本発明の好ましい態様において、共結晶は、蒸気拡散によって成長させる。この方法において、ポリペプチド溶液を、結晶を生成させるために最適な沈殿剤濃度を有するより大きい水性リザーバーを有する密封容器において平衡にする。一般的に、約10μL未満の実質的に純粋なポリペプチド溶液を等量または類似の量のリザーバー溶液と混合して、沈殿剤濃度を、結晶化にとって必要な、約2分の1の濃度にする。この溶液を、リザーバーに囲まれたプラスチックポスト(plastic post)の上に小滴として置き、これを密封する。密封容器を、結晶が成長するまで1日〜1年、通常約2〜6週間静置する。
本発明の共結晶は、3.75〜50mg/mlのLXRβ-LBDポリペプチドの緩衝水溶液を準備する工程、該ポリペプチド水溶液にモル過剰量のリガンドおよびコアクチベーターペプチドを加える工程、ならびに0%〜30%(w/v)PEGの緩衝リザーバー溶液を用いて、蒸気拡散またはマイクロバッチによって結晶を成長させる工程であって、PEGの平均分子量が200Da〜20000Daである、工程を含む方法によって得ることができる。PEGはモノメチルエーテルとして加えられてもよい。好ましいPEGの平均分子量は500Da〜5,000Daである。好ましい緩衝リザーバー溶液は、0M〜1M Bis-Tris pH5.5、0M〜0.5M塩化マグネシウム、および0M〜0.5M硫酸アンモニウム(ammonium sulphate)をさらに含む。前記のマイクロバッチは改変されてもよい。
LXRβ-LBDポリペプチドの共結晶を作製する方法の好ましい態様において、この方法は、12〜15モル過剰量のリガンドおよび3〜12モル過剰量のコアクチベーターペプチドの存在下で行われる。好ましいコアクチベーターペプチドは、Seq. Id. No.3およびSeq. Id. No.4に示した配列を有するペプチドより選択される。
本明細書に記述の結晶の三次元構造ならびに原子構造座標を得る方法は当技術分野において周知である(例えば、Academic Press, San Diego (1993)によって出版されたD. E. McRee, Practical Protein Crystallography、およびこの中の引用参考文献を参照されたい)。
本発明の結晶、特に、これから得られた原子構造座標には多種多様な用途がある。例えば、本明細書に記載の結晶および構造座標は、新規の治療剤を開発するアプローチとして、LXRβ-LBDに結合する化合物を同定するのに特に有用である。
本明細書に記述の構造座標は、さらなる天然または変異ポリペプチドの結晶構造と共に、リガンドと結合したLXRβ-LBDの共結晶の構造を決定するためのフェージングモデルとして用いることができる。構造座標と共にそこから得られる三次元構造のモデルはまた、NMRによって得られるもののような、天然または変異LXRβ-LBDの溶液に基づく構造の解明を助けるために用いることもできる。このように、本発明の結晶および原子構造座標は、LXRβポリペプチドの構造および機能を解明するための簡便な手段を提供する。
本発明はまた、LXRポリペプチドの結合部位に結合することができる化合物を同定する方法を提供する。この方法は、図1、図2、または図3の原子座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRβ-LBDポリペプチドの三次元モデルからLXRポリペプチドのリガンド結合部位を決定する工程;およびコンピュータフィッティング分析を行って、LXRポリペプチドのリガンド結合部位に結合することができる化合物を同定する工程を含む。
好ましい態様において、前記方法は、残基GLN235、CYS238、ASN239、PHE243、PHE268、PHE271、THR272、LEU274、ALA275、SER278、GLU281、ILE282、PHE285、ILE309、ILE311、MET312、GLU315、THR316、ARG319、ILE327、THR328、PHE329、LEU330、PHE329、TYR335、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、ILE374、HIS435、GLN438、VAL439、LEU442、LEU449、およびTRP457の図1、図2、または図3の相対構造データ座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRポリペプチドの活性部位の三次元モデルを作成する工程;ならびに、コンピュータフィッティング分析を行って、LXR活性部位に結合することができる化合物を同定する工程を含む。
さらなる局面において、本発明は、任意で2.0Å未満のrmsdだけ異なる、図1、図2、または図3の座標によって規定されるコンフォメーションをとるLXRβ-LBDを含有する、LXRβ-LBDの共結晶を提供する。
「根平均二乗偏差」という用語は、偏差の二乗の算術平均の平方根を意味する。これは、傾向または対象からの偏差または変動を表現する手段である。本発明のため、「根平均二乗偏差」は、本明細書に記述のLXRβ-LBDの構造座標によって規定されたLXRβ-LBD骨格またはその活性結合部位からのタンパク質骨格の変動を規定する。
現在、大きな化合物データベースと公知のまたはモデル化された三次元構造の標的タンパク質との分子ドッキングは、新しいリード化合物の同定における一般的なアプローチである。この「仮想スクリーニング」アプローチは、リガンド結合形式の迅速かつ正確な評価ならびにリガンド親和性の推定に依拠している。典型的に、現実または仮想の大きな化合物データベースと標的構造をドッキングし、最も可能性のあるリガンドのリストを作成する。このランキングには活性化合物が極めて豊富にあるはずであり、次いで、これらをさらに実験検証することができる。
リガンド結合形式の計算は、リガンドをタンパク質構造に柔軟にドッキングすることができる分子ドッキングプログラムによって行われてもよい。リガンド親和性の評価は、典型的には、別のスコアリング関数を用いて行われる。これらのスコアリング関数は、分子力学を計算するエネルギーベースアプローチ、および構造情報の適切なデータベースの分析から得られた経験則を用いるルールベースアプローチを含む。コンセンサススコアリングは、複数のスコアリング関数を用いて各リガンドを再度スコアリングし、次いで、これらの順位の組み合わせを用いてヒットリストを作成することを伴う。
ヒトLXRβ-LBD(Seq. Id. No.1のアミノ酸213-461)とリガンド2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールとの共結晶の座標を示す。Seq. Id. No.1のアミノ酸220-459およびSeq. Id. No.3のアミノ酸3-13の座標を示した。 ヒトLXRβ-LBD(Seq. Id. No.1のアミノ酸213-461)とリガンド1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールとの共結晶の座標を示す。Seq. Id. No.1のアミノ酸220-459およびSeq. Id. No.3のアミノ酸3-13の座標を示す。 ヒトLXRβ-LBD(Seq. Id. No.1のアミノ酸213-461)とリガンド(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルとの共結晶の座標を示す。Seq. Id. No.1のアミノ酸220-459およびSeq. Id. No.4のアミノ酸3-13の座標を示す。
実験パート
実施例1:アゴニスト2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールおよびコアクチベーターペプチドを有するヒトLXRβ-LBDの結晶構造
方法:
クローニング:
N末端6xHisタグの後ろにトロンビン切断部位およびヒトLXRβのアミノ酸213-460が続く融合タンパク質を細菌内で発現させるプラスミド構築物を得た。最初に、ヒトLXRβのaa213-460をコードするDNA配列を、テンプレートとして以前のヒトLXRβクローンおよび以下のプライマー:
Figure 2011515336
を用いてPCR増幅した。結果として生じたPCR産物をpCR-T7-Topoベクターにサブクローニングし、二本鎖DNA配列分析によって正しいクローンを確認した。最終構築物を作製するために、6-Hisタグをコードする配列のすぐ下流に18ヌクレオチドを導入するように、以下のプライマー:
Figure 2011515336
を用いた部位特異的変異誘発によってトロンビン切断部位を導入した。最終構築物であるpCRT7NT-N6HisThrombin-hLXRβ213G-460EをDNA配列分析によって確認した。Seq. Id. No.2は、pCRT7NT-N6HisThrombin-hLXRβ213G-460Eのインサートによってコードされるアミノ酸配列を示す。
大腸菌(E.coli)における組換えヒトLXRβ-LBDの産生および精製:
プラスミドpCRT7NT-N6HisThrombin-hLXRβ213G-460Eを形質転換により化学的コンピテントなHMS174(DE3)細胞に導入し、600nmでの光学密度0.8で、0.5mM IPTG誘導によってM9Y培地中で20℃で異種発現させた。
細胞を、50mM HEPES pH7.5、50mM KCl、10mM MgCl2、4mM DIFPに再懸濁し、この懸濁液には、1リットル当たり20個の錠剤Roche complete protease inhibitor mixおよび30mg DNアーゼIを添加した。細胞を破壊した後、溶解した細胞に、1%Triton X-100を加え、4℃で30分間インキュベートした。20000xgで、4℃で60分間、遠心分離した後に、上清を0.22μmに通して濾過し、50mM HEPES pH7.5、50mM KCl、10mM TCEP、10mM MgCl2、および1%Triton X-100で平衡にしたFractogel EMD Ni2+キレート(chelat)カラムにロードした。同じ緩衝液を用いた洗浄段階の後、50mM HEPES pH7.5、500mM KCl、10mM TCEP、10mM MgCl2、および1%Triton X-100によるさらなる洗浄段階と、同じ緩衝液中に18mMおよび36mMイミダゾールを含む2段階の勾配によるさらなる洗浄段階とを行った。
36mM〜330mMのイミダゾール勾配により、タンパク質を溶出した。画分をRPC-HPLCによって分析した。3日以内に4℃で、プールされた画分にあるLXRβのN末端Hisタグをトロンビン切断によって除去した。タンパク質を安定化するために、10%グリセロールおよび0.1%CHAPSを緩衝液に加えた。
最終段階において、LXRβ-LBDを濃縮し、25mM Tris pH7.5、75mM NaCl、2mM TCEPおよび0.02%NaN3で平衡にしたSuperdex S 200 GL/300カラムにアプライした。
結晶化:
LXRβ-LBD と、2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールとの結晶化に使用したタンパク質は前記のように精製された。このタンパク質を12倍モル過剰量のリガンドと室温で2時間インキュベートした。SRC-1に由来する短いコアクチベーターペプチド(KDHQLLRYLLDKD)(Seq. Id. No. 3)を12倍モル過剰量で加え、4℃で一晩インキュベーションを続けた。結晶化実験の前に、タンパク質を20000 x gで遠心分離した。ハンギングドロップ蒸気拡散実験において、タンパク質溶液1.5μlとリザーバー溶液0.5μlを混合することによって、結晶化用小滴を22℃で準備した。1日後に、結晶は、0.2M(NH4) 2SO4、25%PEG3350から現われ、2日以内に0.15mm x 0.15mm x 0.05mmの最終サイズまで成長した。
不凍剤としてパラフィン油を用いて結晶を回収し、次いで、100KのN2流に入れて急速冷凍した。Swiss Light SourceのビームラインX06SAにおいて100Kの温度で回折画像を集め、プログラムDENZOおよびSCALEPACKで処理して、3.2Å分解能までデータを得た。サーチモデルとして社内のLXRβ-LBD構造を用いた分子置換による構造決定のために、CCP4ソフトウェアスイートの標準的な結晶学プログラムを使用した。精密化およびモデル構築サイクルは、それぞれ、REFMACおよびMOLOCを用いて行った(表1)。
結果:
結晶は空間群P43に属し、格子軸はa=58.0Å、b=58.0Å、c=181.8Å、α=β=γ=90°であり、非対称単位においてLXRβ-LBD二量体を含んだ。リガンドは、両単量体の最初のFo-Fc電子密度地図においてはっきりと規定された。リガンドの結合ポケットは、残基PHE268、PHE271、THR272、LEU274、ALA275、SER278、ILE309、MET312、GLU315、THR316、ARG319、PHE329、LEU330、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、HIS435、GLN438、VAL439、LEU442、LEU449、およびTRP457によって規定される。
(表1)2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オール共結晶についてのデータ収集および構造精密化の統計値
Figure 2011515336
1 括弧内の値は、最も高い分解能のビン(highest resolution bin)を指す。
2 Rmerge=Σ|I-<I>|/ΣI。式中、Iは回折強度である。
3 Rcryst=Σ|Fo-<Fc>|/ΣFo。式中、Foは構造因子の大きさの観測値であり、Fcは構造因子の大きさの計算値である。
4 Rfreeは、精密化の間に省かれた、全データの5%に基づいて計算した。
5 PROCHECK[Laskowski, R.A., MacArthur, M.W., Moss, D.S. & Thornton, J.M. PROCHECK: a program to check the stereochemical quality of protein structure. J. Appl. Crystallogr. 26, 283-291(1993)]を用いて計算した。
実施例2:アゴニスト1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールを有するヒトLXRβ-LBDの結晶構造
LXRβ-LBDと1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールとの結晶化に使用したタンパク質は前記のように精製された。このタンパク質を15倍モル過剰量のリガンドと室温で2時間インキュベートした。SRC-1に由来する短いコアクチベーターペプチド(KDHQLLRYLLDKD)(Seq. Id. No. 3)を9倍モル過剰量で加え、4℃で一晩インキュベーションを続けた。結晶化実験の前に、タンパク質を20000 x gで遠心分離した。ハンギングドロップ蒸気拡散実験において、タンパク質溶液1.5μlとリザーバー溶液0.5μlを混合することによって、結晶化用小滴を22℃で準備した。1日後に、結晶は、0.1M Bis-Tris pH5.5、0.2M MgCl2、25%PEG3350から現われ、3日以内に0.2mm x 0.05mm x 0.05mmの最終サイズまで成長した。
不凍剤としてパラフィン油を用いて結晶を回収し、次いで、100KのN2流に入れて急速冷凍した。Swiss Light SourceのビームラインX06SAにおいて100Kの温度で回折画像を集め、プログラムMOSFLMおよびSCALAで処理して、2.3Å分解能までデータを得た。サーチモデルとして社内のLXRβ-LBD構造を用いた分子置換による構造決定のために、CCP4ソフトウェアスイートの標準的な結晶学プログラムを使用した。精密化およびモデル構築サイクルは、それぞれ、REFMACおよびMOLOCを用いて行った(表2)。
結果:
結晶は空間群P41212に属し、格子軸はa=92.7Å、b=92.7Å、c=273.2Å、α=β=γ=90°である。非対称単位は一対のLXRβ-LBD二量体を含んだ。リガンドは、全ての単量体の最初のFo-Fc電子密度地図においてはっきりと規定された。リガンドの結合ポケットは、残基PHE268、PHE271、THR272、LEU274、ALA275、ILE277、SER278、GLU281、ILE309、MET312、LEU313、GLU315、THR316、ARG319、PHE329、LEU330、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、HIS435、GLN438、VAL439、LEU442、LEU449、LEU453、およびTRP457によって形成される。
(表2)1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オール共結晶についてのデータ収集および構造精密化の統計値
Figure 2011515336
1 括弧内の値は、最も高い分解能のビンを指す。
2 Rmerge=Σ|I-<I>|/ΣI。式中、Iは回折強度である。
3 Rcryst=Σ|Fo -<Fc>|/ΣFo。式中、Foは構造因子の大きさの観測値であり、Fcは構造因子の大きさの計算値である。
4 Rfreeは、精密化の間に省かれた、全データの5%に基づいて計算した。
5 PROCHECK[Laskowski, R.A., MacArthur, M.W., Moss, D.S. & Thornton, J.M. PROCHECK: a program to check the stereochemical quality of protein structure. J. Appl. Crystallogr. 26, 283-291(1993)]を用いて計算した。
実施例3:アゴニスト(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルを有するヒトLXRβ-LBDの結晶構造
LXRβ-LBDと(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルとの結晶化に使用したタンパク質は前記のように精製された。このタンパク質を15倍モル過剰量のリガンドと室温で2時間インキュベートした。SRC-1に由来する短いコアクチベーターペプチド(ERHKILHRLLQEG)(Seq. Id. No. 4)を3倍モル過剰量で加え、4℃で一晩インキュベーションを続けた。結晶化実験の前に、タンパク質を12mg/mlまで濃縮し、20000 x gで遠心分離した。ハンギングドロップ蒸気拡散実験において、タンパク質溶液1.5μlとリザーバー溶液0.5μlを混合することによって、結晶化用小滴を室温で準備した。1日後に、結晶は、0.1M Bis-Tris pH5.5、0.2M(NH4) 2SO4、25%PEG3350から現われ、2日以内に0.2mm x 0.1mm x 0.05mmの最終サイズまで成長した。
不凍剤としてパラフィン油を用いて結晶を回収し、次いで、100KのN2流に入れて急速冷凍した。Swiss Light SourceのビームラインX06SAにおいて100Kの温度で回折画像を集め、プログラムDENZOおよびSCALEPACKで処理して、2.3Å分解能までデータを得た。サーチモデルとして社内のLXR-LBD構造を用いた分子置換による構造決定のために、CCP4ソフトウェアスイートの標準的な結晶学プログラムを使用した。精密化およびモデル構築サイクルは、それぞれ、REFMACおよびMOLOCを用いて行った(表3)。
結果:
結晶は空間群P1に属し、格子軸は、a=47.5Å、b=112.2Å、c=114.1Å、α=74.0°、β=98.4°、γ=79.6°である。非対称単位は3つのLXRβ-LBD二量体によって形成される。どの単量体も、Fo -Fc電子密度地図において全てはっきりと規定された、2個のリガンド分子に結合する。ヘリックス10/11およびヘリックス12の近くに位置するリガンドは、残基PHE268、PHE271、THR272、ALA275、ILE209、MET312、LEU313、THR316、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、HIS435、VAL439、LEU442、LYS447、LYS448、LEU449、PRO450、LEU453、およびTRP457との相互作用を示す。ヘリックス1の真下にあるリガンド結合ポケットは、残基GLN235、CYS238、ASN239、PHE243、PHE271、LEU274、ALA275、SER278、GLU281、ILE282、PHE285、ILE311、MET312、GLU315、THR316、ARG319、ILE327、THR328、PHE329、TYR335、PHE340、ILE374によって形成される。
(表3)(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステル共結晶についてのデータ収集および構造精密化の統計値
Figure 2011515336
1 括弧内の値は、最も高い分解能のビンを指す。
2 Rmerge=Σ|I-<I>|/ΣI。式中、Iは回折強度である。
3 Rcryst=Σ|Fo -<Fc>|/ΣFo。式中、Foは構造因子の大きさの観測値であり、Fcは構造因子の大きさの計算値である。
4 Rfreeは、精密化の間に省かれた、全データの5%に基づいて計算した。
5 PROCHECK[Laskowski, R.A., MacArthur, M.W., Moss, D.S. & Thornton, J.M. PROCHECK: a program to check the stereochemical quality of protein structure. J. Appl. Crystallogr. 26, 283-291(1993)]を用いて計算した。
リガンド結合形式の計算は、リガンドをタンパク質構造に柔軟にドッキングすることができる分子ドッキングプログラムによって行われてもよい。リガンド親和性の評価は、典型的には、別のスコアリング関数を用いて行われる。これらのスコアリング関数は、分子力学を計算するエネルギーベースアプローチ、および構造情報の適切なデータベースの分析から得られた経験則を用いるルールベースアプローチを含む。コンセンサススコアリングは、複数のスコアリング関数を用いて各リガンドを再度スコアリングし、次いで、これらの順位の組み合わせを用いてヒットリストを作成することを伴う。
[請求項101]
空間群P4 3 に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶
[請求項102]
a=b=58±4Å、c=181±4Å、α=β=γ=90°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する、請求項101記載の結晶。
[請求項103]
リガンドが、2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールである、請求項101または102記載の共結晶。
[請求項104]
空間群P4 1 2 1 2に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶。
[請求項105]
a=b=92±4Å、c=273±4Å、α=β=γ=90°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する、請求項104記載の結晶。
[請求項106]
リガンドが、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールである、請求項104または105記載の共結晶。
[請求項107]
空間群P1に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドの共結晶。
[請求項108]
a=47±4Å、b=98±4Å、c=114±4Å、α=74°±3°、β=98°±3°、γ=79°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=74°、β=98°、γ=79°の単位格子寸法を有する、請求項107記載の結晶。
[請求項109]
リガンドが、(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルである、請求項107または108記載の共結晶。
[請求項110]
LXRβ-LBDポリペプチドが、Seq. Id. No.1のポリペプチドのリガンド結合ドメインと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の類似度を有する配列を含むポリペプチドである、請求項101〜109のいずれか一項記載の共結晶。
[請求項111]
LXRβ-LBDポリペプチドがSeq. Id. No.1のアミノ酸213-461を含む、請求項110記載の共結晶。
[請求項112]
LXRβ-LBDポリペプチドを、該LXRβ-LBDポリペプチドのリガンド結合部位に結合する化合物と共に共結晶化するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)該ポリペプチドの水溶液を準備する工程、
b)モル過剰量のリガンドを該ポリペプチドの水溶液に加える工程、および
c)結晶を成長させる工程。
[請求項113]
水溶液が5%〜30%(w/v)PEGを含み、PEGの平均分子量が200Da〜20kDa、好ましくは200Da〜5kDaである、請求項112記載の方法。
[請求項114]
水溶液が、0M〜1M Bis-tris pH5.5、0M〜0.5M塩化マグネシウム、および0M〜0.5M硫酸アンモニウムを含む、請求項112または113記載の方法。
[請求項115]
水溶液が、モル過剰量のコアクチベーターペプチド、好ましくは3〜12倍モル過剰量のコアクチベーターペプチドを含む、請求項112〜114のいずれか一項記載の方法。
[請求項116]
リガンドが12〜15モル過剰量で加えられる、請求項112〜115記載の方法。
[請求項117]
LXRポリペプチドのリガンド結合部位に結合することができる化合物を同定するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)図1、図2、または図3の原子座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRβ-LBDポリペプチドの三次元モデルからLXRポリペプチドの活性部位を決定する工程;および
b)コンピュータフィッティング分析を行って、LXRポリペプチドの結合部位に結合することができる化合物を同定する工程。
[請求項118]
以下の工程を含む、請求項117記載の方法:
a)残基GLN235、CYS238、ASN239、PHE243、PHE268、PHE271、THR272、LEU274、ALA275、SER278、GLU281、ILE282、PHE285、ILE309、ILE311、MET312、GLU315、THR316、ARG319、ILE327、THR328、PHE329、LEU330、TYR335、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、ILE374、HIS435、GLN438、VAL439、LEU442、LEU449、およびTRP457の図1、図2、または図3の相対構造データ座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRポリペプチドのリガンド結合部位の三次元モデルを作成する工程;ならびに
b)コンピュータフィッティング分析を行って、PDE10-cat活性部位に結合することができる化合物を同定する工程。
[請求項119]
任意で2.0Å未満のrmsdだけ異なる、図1、図2、または図3の座標によって規定されるコンフォメーションをとるLXRβ-LBDを含有する、LXRβ-LBDの共結晶。
[請求項120]
実質的に前記で述べた、特に前記実施例に関して述べた、結晶および方法。

Claims (20)

  1. 空間群P43に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶
  2. a=b=58±4Å、c=181±4Å、α=β=γ=90°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する、請求項1記載の結晶。
  3. リガンドが、2-(4-{[2-(3-クロロ-フェニル)-5-メチル-オキサゾール-4-イルメチル]-エチル-アミノ}-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールである、請求項1または2記載の共結晶。
  4. 空間群P41212に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドとの共結晶。
  5. a=b=92±4Å、c=273±4Å、α=β=γ=90°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=β=γ=90°の単位格子寸法を有する、請求項4記載の結晶。
  6. リガンドが、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{2-メチル-1-[5-メチル-2-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-オキサゾール-4-イルメチル]-1H-インドール-5-イル}-プロパン-2-オールである、請求項4または5記載の共結晶。
  7. 空間群P1に属する、肝臓X受容体βリガンド結合ドメイン(LXRβ-LBD)とリガンドの共結晶。
  8. a=47±4Å、b=98±4Å、c=114±4Å、α=74°±3°、β=98°±3°、γ=79°±3°、好ましくは±2°、より好ましくは±1°、最も好ましくはα=74°、β=98°、γ=79°の単位格子寸法を有する、請求項7記載の結晶。
  9. リガンドが、(R,S)-ベンゼンスルホニル-(6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-2-イル)-フルオロ-酢酸メチルエステルである、請求項7または8記載の共結晶。
  10. LXRβ-LBDポリペプチドが、Seq. Id. No.1のポリペプチドのリガンド結合ドメインと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の類似度を有する配列を含むポリペプチドである、請求項1〜9のいずれか一項記載の共結晶。
  11. LXRβ-LBDポリペプチドがSeq. Id. No.1のアミノ酸213-461を含む、請求項10記載の共結晶。
  12. LXRβ-LBDポリペプチドを、該LXRβ-LBDポリペプチドのリガンド結合部位に結合する化合物と共に共結晶化するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)該ポリペプチドの水溶液を準備する工程、
    b)モル過剰量のリガンドを該ポリペプチドの水溶液に加える工程、および
    c)結晶を成長させる工程。
  13. 水溶液が5%〜30%(w/v)PEGを含み、PEGの平均分子量が200Da〜20kDa、好ましくは200Da〜5kDaである、請求項12記載の方法。
  14. 水溶液が、0M〜1M Bis-tris pH5.5、0M〜0.5M塩化マグネシウム、および0M〜0.5M硫酸アンモニウムを含む、請求項12または13記載の方法。
  15. 水溶液が、モル過剰量のコアクチベーターペプチド、好ましくは3〜12倍モル過剰量のコアクチベーターペプチドを含む、請求項12〜14のいずれか一項記載の方法。
  16. リガンドが12〜15モル過剰量で加えられる、請求項12〜15記載の方法。
  17. LXRポリペプチドのリガンド結合部位に結合することができる化合物を同定するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)図1、図2、または図3の原子座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRβ-LBDポリペプチドの三次元モデルからLXRポリペプチドの活性部位を決定する工程;および
    b)コンピュータフィッティング分析を行って、LXRポリペプチドの結合部位に結合することができる化合物を同定する工程。
  18. 以下の工程を含む、請求項17記載の方法:
    a)残基GLN235、CYS238、ASN239、PHE243、PHE268、PHE271、THR272、LEU274、ALA275、SER278、GLU281、ILE282、PHE285、ILE309、ILE311、MET312、GLU315、THR316、ARG319、ILE327、THR328、PHE329、LEU330、TYR335、PHE340、LEU345、PHE349、ILE353、ILE374、HIS435、GLN438、VAL439、LEU442、LEU449、およびTRP457の図1、図2、または図3の相対構造データ座標±2Å以下の該アミノ酸の骨格原子からの根平均二乗偏差を用いて、LXRポリペプチドのリガンド結合部位の三次元モデルを作成する工程;ならびに
    b)コンピュータフィッティング分析を行って、PDE10-cat活性部位に結合することができる化合物を同定する工程。
  19. 任意で2.0Å未満のrmsdだけ異なる、図1、図2、または図3の座標によって規定されるコンフォメーションをとるLXRβ-LBDを含有する、LXRβ-LBDの共結晶。
  20. 実質的に前記で述べた、特に前記実施例に関して述べた、結晶および方法。
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