JP2004532323A - パルス電子ビーム重合 - Google Patents

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Abstract

基材を提供する工程と、前記基材の少なくとも一部を重合組成物でコーティングする工程と、加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記加速電子のパルスで前記重合性組成物を照射して、前記重合性組成物を重合する工程とを含む、重合方法が記載されている。特定の条件下で重合が不均一に生じる。

Description

【0001】
[技術分野]
本発明は、主に、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合方法に関する。本発明は、特に、電子ビーム源からの加速電子のパルスを用いたモノマーおよび/またはオリゴマーの重合方法に関する。
【0002】
[背景技術]
一般に、ポリマー、特に感圧接着剤は、より狭い性能制限および製造仕様(例えば、環境にダメージを与える溶剤の使用を最低限に抑えた重合)に含まれる厳しい要件に適合することが益々求められている。
【0003】
感圧接着剤用途のようなある特定の用途について、ポリマーは、架橋間に高分子量の長さを有しているものについてのみ得られる高引っ張り強度および伸び特性を示す必要がある。架橋間に高分子量の長さを有するポリマーはまた、感圧接着剤に必要とされる粘性特性と弾性特性のバランスがとれている必要もある。一般に、感圧接着剤の接着力、凝集力、伸張性および弾性は、組成物に用いるポリマーの属性により表される。
【0004】
その他のポリマーを例えば、コーティングとして用いてもよい。コーティングを基材に適用して、物理的な外観を改善し、引っ掻き傷、摩耗等の物理的な損傷から基材を守る。しかしながら、かかるコーティングの要件は、多くの場合、感圧接着剤の場合と同様に厳しい。
【0005】
一般に、重合は、溶液またはバルク(ニート)での放射線および熱エネルギーをはじめとする数多くの方法により成される。UVおよび熱的方法は触媒または開始剤を必要とするが、放射線のイオン化形態の場合はそうではない。重合の方法の多くは、実際、遊離基であり、均一に進み、一般分子運動論により説明される。特別な場合において、局所反応部位が分離される場合には、不均一重合で進む。これによって、遊離基停止が最小になるため、ポリマーの収率および分子量が大幅に増大する。不均一重合が成される公知の3つの方法は、(1)エマルジョン、(2)固相触媒および(3)沈殿条件である。これらの3つの方法には全て、不均一条件を維持するための相分離が含まれる。
【0006】
ガンマ線や紫外線のような放射線の形態を用いて、低Tgを有する高分子量ポリマーおよび高剪断強度および高剥離接着力を必要とする感圧接着剤を作製することができる。ガンマ線だと、エマルジョン(感圧接着剤、酢酸ビニル等)またはホットメルトを作製した後、コートし、任意で架橋することにより、最終特性に高ゲル含量が得られる。UV光だと、高剪断に必要な十分なゲル含量を得るために、架橋剤を添加する必要がある。これらの形態は、一般に、低線量で適用される。架橋間の高分子量分布はこれら2つの方法により得られるが、これらの形態は、低線量率を必要とするため、迅速でなく効率的ではない。従って、放射線の連続露光が長くなり、最終形態にゲル化網目構造を得るのに任意の更なる工程または添加剤が必要である。
【0007】
ガンマ放射線は、ポリマーをバルクおよびバッチプロセスで重合するのに有用である。しかしながら、連続のオンウェブプロセスにおいて用いるには遅すぎる。さらに、コーティング工程(ホットメルト)を行うためには、分子量を低く保たなければならない。これには、e−ビームまたはUVによる架橋のような分子量を増やす追加の工程が必要である。さらに、低分子量材料があると、架橋後でも剪断接着力が制限される恐れがある。
【0008】
溶剤を用いずに様々なポリマーを重合するには紫外線が有用である。例えば、感圧接着剤およびコーティングを作製するのに用いられてきた。しかしながら、紫外線重合はいくつかの重大な制限がある。第1に、紫外線重合は、紫外線を吸収して分解するモノマー種に関連してのみ生じる。たいていのモノマーは重合を開始するのに紫外線を十分に吸収しないため、通常、光開始剤がモノマーに添加される。光開始剤は、紫外線に露光すると、遊離基またはカチオンへと分解する材料である。これらの遊離基および/または帯電分子がモノマーの重合を開始する。残念ながら、光開始剤は、得られるポリマーに様々な望ましくない属性を与えてしまう。例えば、ポリマーの黄変、ポリマー材料に添加された未反応開始剤および開始剤断片によるポリマー材料の汚染および全体の材料コストの増大がある。汚染物質があると、紫外線に露光した際に後の反応が開始されてしまい望ましくない。食品および医療分野においては、かかる汚染物質の存在は特に問題である。光開始剤があると、異臭や皮膚への刺激や毒性があることから受け入れられない。ゲル化網目構造を形成するには、腐蝕性のある多官能性アクリレートやトリアジンのような、その他の添加剤もまた必要である。
【0009】
紫外線の第2の制限は、紫外線を透過するモノマー組成物のみが効果的に重合されるということである。紫外線に対して半透明または不透明の組成物は、紫外線が組成物のバルクには浸透できないため、表面上で重合するだけである。このように、モノマー組成物を紫外線により重合されるときは、紫外線を吸収する多くの望ましい変性剤(例えば、カーボンブラック、ガラスビーズ、紫外線安定化剤および着色剤)および様々な物理的構造(例えば、発泡接着剤および懸濁粒子)の使用は制限されている。
【0010】
耐溶融性、引っ張り強度および剪断強度のような様々な特性を改善する目的で、様々な異なるポリマーを架橋するのに、電子ビーム(e−ビーム)照射は広く用いられている。e−ビーム照射はまた、多官能性オリゴマーおよび/または多官能性モノマーを重合して、耐引っ掻き性を備えた硬質コーティングを作製するのにも用いられる。電子ビームは、分子が電子により衝撃を受けることにより操作される。これらの電子は、他の電子を衝撃を受けた分子から移動させて、遊離基を作製する。これが他の分子と反応する。電子ビーム放射線は、高レートの遊離基開始剤を作製し、形成されている生成物そのものをはじめとする系の全ての成分に遊離基を生成する。非特許文献1。遊離基および高線量率(ラジカルフラックス)のこの無差別の生成のために、電子ビーム放射線は重合プロセスには用いられておらず、架橋プロセスに制限されていた。
【0011】
e−ビーム重合は、ガンマ線や紫外線重合に固有の数多くの制限を回避するものである。しかしながら、e−ビーム重合を用いることは、e−ビーム放射線が短鎖、分岐鎖、高架橋ポリマー構造を生成する傾向があるために制限されてきた。この現象は、e−ビーム重合された感圧接着剤が、多くは感圧接着剤における低剥離強度を伴う、ポップオフ不具合を示す傾向により示される。代表的なe−ビーム重合技術で見られる第2の制限は、得られる重合生成物(低変換率)およびゲル化されていない(ゾル)部分における低分子量(未反応性)ポリマーに残る高濃度の残渣(未反応のモノマー)であり、これはさらにポップオフ不具合および基材表面の軽い残渣(ゴースト)につながる。さらに、過剰の線量および多くの架橋ポリマーに頼らずに、重合が完了するための全体の滞留時間が重要である。このため、例えば、従来のカーテンスタイルの連続e−ビームによる感圧接着剤を作製するプロセスは遅いと考えられている。
[非特許文献1] ウィルソン、モノマー、ポリマーおよびプラスチックの放射線の化学、11章、375頁、ニューヨーク、1974年(Wilson, Radiation Chemistry of Monomers, Polymers, and Plastics, chapter 11, p. 375, New York, 1974)
【0012】
[発明の開示]
本発明者らは、広範囲のコート厚さにわたって、非常に僅かな低分子量材料を存在させて、架橋間に適正な鎖長の高ゲル化ポリマーを生成するのに有効な、ポリマーの高変換放射線重合を行うのに迅速で効率的な方法が必要とされていることを認識していた。e−ビームは、主に架橋の目的で用いられてきた。先の特許出願において、低温で加速電子の連続ビームを用いて感圧接着剤を作製するモノマーおよび/またはオリゴマーの重合方法を開示した。米国特許出願第09/118,392号を参照のこと。本発明者らは、より効率的な重合方法が必要とされていることを認識していた。本発明の実施形態は、モノマーおよび/またはオリゴマーを重合するのに加速電子のパルスを用いるものである。後述するように、連続ビームよりも電子パルスを用いる方が明らかな利点がある。
【0013】
本発明の方法は、電子ビームをパルス化する結果得られる特別な運動特性を利用するものである。その結果、本方法によれば、本プロセスを用いた、感圧接着剤物品のような物品の連続生成が可能となる。本方法によれば、重合性組成物の単一相およびオンウェブでの重合が可能になる。重合しながら物品が作製され、非常に効率的な一工程プロセスである。
【0014】
本発明の第1の実施形態は、基材を提供する工程と、前記基材の少なくとも一部を重合組成物でコーティングする工程と、加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記加速電子のパルスで前記重合性組成物を照射して、前記重合性組成物を重合する工程とを含む重合方法である。
【0015】
本発明の第2の実施形態は、基材を提供する工程と、前記基材の少なくとも一部を重合組成物でコーティングする工程と、加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記加速電子のパルスで前記重合性組成物を照射して、前記重合性組成物を部分重合する工程と、加速電子の連続ビームを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記部分重合された重合性組成物を前記加速電子の連続ビームで照射して、前記部分重合された重合組成物をさらに重合する工程とを含む重合方法である。
【0016】
本発明の第3の実施形態は、基材を提供する工程と、前記基材の少なくとも一部を重合組成物でコーティングする工程と、加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記加速電子のパルスで前記重合性組成物を20℃未満の温度で照射して、前記重合性組成物を重合する工程とを含む感圧接着剤物品を重合する方法である。
【0017】
追加の実施形態は本出願に請求されており、詳細は本出願の後半に述べてある。
【0018】
本発明の方法の実施形態は、その他の種類の照射、および連続e−ビームよりも有利である。本発明のかかる利点の一つは、十分な架橋密度を有するポリマーを迅速に、かつ効率的に生成するのに有効であることである。かかる架橋ポリマーの用途の一つは、変換プロセスを行うのに溶剤や化学開始剤を用いることを必要とせず、優れた剥離接着力および優れた剪断強度および高変換率を必要とする感圧接着剤組成物である。
【0019】
本発明の方法の少なくとも1つの実施形態の第2の利点は、ある条件下では(すなわち、低線量/パルスおよび高パルス繰り返し数)加速電子のパルスによるエネルギーの蓄積が実際不均一であるということである。不均一重合(不均一モードまたは不均一な様式での重合)は、拡散を制限するために、ある状態での物質の異なる状態または相分離をはじめとするいくつかの機構により、遊離基が局所化(不規則でない)であるときに成される。これには、停止反応を制限する効果がある。不均一重合において、モノマーの遊離基への拡散は制限されていない。
【0020】
停止は、モノマーでなく、他の遊離基により結合された遊離基の生長から効率的な末端生長によるものである。2つの対になっていない電子が組み合わさって単一結合を形成する。
【0021】
不均一重合におけるイオン化イベントは、拡散により系が均一に分配される前に、遊離基が残存種として現れる孤立部位として互いにある距離を持って分配される。これによって、重合が効率的に成され、遊離基が短い期間で互いに距離を持って分離されるために停止が減じる。停止の減少によって、重合方法に高い変換率値が得られる。
【0022】
一方、均一重合(または均一様式またはモードでの重合)は、遊離基が単相媒体に不均一に分配され、自由に拡散する重合である。その結果の停止は、運動の熱力学に支配されている(その他の液体分子との衝突による分子の連続ジグザグ運動)。不均一重合よりも、停止がより容易に、かつ迅速に効率的に生じる。
【0023】
本発明の少なくとも一実施形態の他の利点は、停止が減じるために、本方法を用いて物品を生成する滞留時間が、放射線または電子の連続ビームの他の方法を用いるよりも短いということである。これは、より実際的なスループットレートが得られることを意味している。
【0024】
本発明の少なくとも一実施形態の更なる利点は、電子ビームのパルス化が、内部架橋現象を防ぐために連続e−ビームにより必要とされる高電圧ホールドオフを減じる(例えば、カソードおよび高電圧コンポーネントの周囲に、より強い絶縁を用いて)、ということである。従って、あまり高価でないコンポーネントやよりコンパクトな容器を用いて、資本費を低くして装置を構築することができる。
【0025】
更なる利点は、パルス形成装置の代表的なサイラトロンタイプよりも長い、すなわち広いパルス持続時間またはパルス幅にわたる許容差である(1〜2マイクロ秒)。約1〜250マイクロ秒のパルス持続時間の許容差によって、あまり高価でないより一般的なキャパシタ−放電タイプをはじめとするパルス形成ネットワークの選択が許容される。同様に、より広いパルス幅でのビームウィンドウにより受ける熱衝撃が少ない。
【0026】
UVベースのプロセスに勝る他の利点は、このプロセスにおいては、光開始剤またはトリアジン残渣なしで、清浄で透明な接着剤を作製できるということである。同様に、UV光に対して不透明であるために、UVにより生成できないような、高度に着色された接着剤を生成することができる。
【0027】
本発明の更に他の利点は、プロセスが非常に迅速であることから、短い安定時間で材料の重合が行えることである。例えば、2種類の非混和性材料の重合が可能である。混合物は、混合した後、相分離してしまう前に重合することができる。さらに、コートした後に迅速に蒸発する材料の薄層を重合することも可能である。さらに、重合に必要な短い期間にわたって温度制御が実際に維持できるため、新規なモルホロジーまたはトポロジーの二相組成物を重合することができる。
【0028】
本発明の更なる利点は、他のプロセスより汚染物質が少ないということである。感圧接着剤を作製する他のプロセスにおいては、例えば、触媒や開始剤を用いて接着剤を作製する。開始剤、またはその一部が、開始剤を用いて形成された接着剤に残る。電子部品産業においては、例えば、これらの汚染物質を最小に保つことが重要である。例えば、接着剤を電子部品の中または近傍に用いると、接着剤またはアウトガス中の汚染物質によって、腐蝕のような、電子部品にとって望ましくない反応が生じる恐れがある。パルス化されたe−ビームプロセスは開始剤を用いないため、この問題が排除される。
【0029】
本発明の方法の更なる利点は、可変性である。例えば、本方法を用いて、無溶剤ブレンドおよびエマルジョンを重合することができ、オンウェブでコートし重合される。
【0030】
更なる特徴および利点を以下の実施形態に開示してある。
【0031】
本明細書および請求項で用いる「シロップ」という用語は、コート可能な粘度を有し、硬化するまでは識別される感圧接着剤特性を示さない、1種類以上の重合性モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーの組成を参照する従来の定義に従って用いられる。かかるシロップは、部分重合または、有機または無機増稠剤の添加によりコート可能な粘度が得られる。
【0032】
本明細書および請求項で用いる「変換率」とは、モノマー残渣、水分または分解断片および/または未反応の汚染物質として残らない、重合接着剤塊(ゲル化と抽出可能なものの両方)の不揮発性の反応した部分を参照する従来の業界での意味に従って用いられる。
【0033】
本明細書および請求項で用いる「wt%」という用語は、従来の業界での意味に従っており、参照される組成物中の固体の総重量に基づいた量のことを指す。
【0034】
本明細書および請求項で用いる「ゲル」という用語は、「無限の」網目構造(1分子)を構成する変換材料中の抽出不可能な成分のことを指す。
【0035】
本明細書および請求項で用いる「単相」とは、系または組成(モノマー、オリゴマー、添加剤、溶剤等)の全成分が、単一の物理相(ガス、液体または固体)で存在し、互いに区切れないため混和性であることを意味する。
【0036】
本明細書において「変換率線量」という用語は、重合プロセス中にモノマーからポリマーへのあるパーセンテージの変換率(例えば、約97%)に達するのに必要な線量のことを意味する。
【0037】
添付の図面に関連して本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明を鑑みることによって、本発明をより完全に理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は、その最も単純な実施形態において、基材を提供する工程と、前記基材の少なくとも一部を重合組成物でコーティングする工程と、加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、前記加速電子のパルスで前記重合性組成物を照射して、前記重合性組成物を重合する工程とを含む重合方法である。
【0039】
図面
図1は、本発明の方法の実施形態のパルス化e−ビーム重合の運動シミュレーションを示す。図示する通り、約.005秒毎(200ppsのパルス繰り返し数)の各パルスについて、遊離基濃度は最初、ほぼ即時に上がる。遊離基は、いくつかのモノマーのイオン化により生成される。これがその他のモノマーとの重合の遊離基開始に結びついてポリマーを形成する。これが遊離基の生長の増大を引き起こす。しかしながら、シロップまたは重合性組成物にe−ビームの他のパルスを照射するまで、拡散が生じ、停止が優勢になるにつれて遊離基濃度は落ちる。モノマー濃度は、モノマーが重合により消費され、変換率が増大するにつれて、各パルスにより一定して減少する。
【0040】
本発明の方法において、選択条件下では、電子パルスが、互いに空間的(物理的)に離れた遊離基を生成する。これによって、遊離基がモノマーと反応する時間が増えて、他の遊離基に当たって停止する前により長いポリマー鎖を生長させる。この化学作用は、反応種の拡散により制御されるため、遊離基の分離もまた、電子パルスを照射しながら、重合性組成物の温度を下げる(または粘度を上げる)ことにより補助または改善される。
【0041】
本発明の方法の初期のイオン化イベントは、加速電子によるエネルギーの蓄積中に生じ、実際、不均一である。単一加速イオンから生じたイオン化イベントが、分離またはクラスター部位のいずれかにおいて、互いにある距離で分配される場合には、トラック・アンド・シュプール構造により説明される。数個の遊離基を形成するには、1シュプール当たりの蓄積されたエネルギー(50〜100eV)で十分である。遊離基は、初期のイベントの残存種として各トラックから現れる。トラックは、十分な距離で分離されているため(パルス当たりの低線量のため)遊離基が互いに最低の接触で生長できるときは期間が短い。最終的に、拡散によって、系が均一に分配され、停止レートが大幅に増大する。パルス当たりの低線量が、電子トラック間の空間的距離を維持して、異なる近傍トラックにより形成された遊離基の組み合わせから得られ、鎖生長が最小の鎖停止で進む。
【0042】
遊離基重合は非常に迅速であるため(速度定数は約10〜10l/mol−s)、非常に高速(数kHz)で放射線の連続パルスを導入し、不均一運動を維持することが可能である。パルス当たりの線量が、トラック・アンド・シュプール構造の大幅な空間的な重なりが生じるスレショルドより低い限りは、不均一(局所)運動を利用することが可能である。これは、局所運動を維持する役割のパルス当たりの低線量でのトラック間の大きな分離によるものである。この利点が維持できる限りは、線量率(パルス繰返し数)は単純により多くのラジカルを与え、高変換率を得るのに必要な総線量は大幅には変化しない。重合レートは、停止レート(Ri1/2)でなく、初期レート(Ri)に比例する。
【0043】
本発明の方法を用いると、パルス当たり低線量を高パルス繰り返し数で用いると最良の結果が得られる。最良の遊離基の分離が得られると考えられる。
【0044】
図2は、本発明の方法の実施形態の生長する遊離基濃度の運動シミュレーションである。図には、低、中および高パルス繰り返し数(それぞれ、20pps、100ppsおよび1000pps)の3つの条件が示されている。線量率は、パルス持続時間の調整により3つの条件全てについて一定である。初期ラジカルの空間分離が十分に高い(パルス当たり低線量)ときは、高パルス繰返し数での生長ラジカルの高定常状態濃度を維持することができる。停止を最小にし、効率を得るためにパルス間の時間の間隔を短くするために、空間での重なりを制御するのが重要である。過剰の停止を導かないよう、遊離基崩壊(寿命)にとってはミリ秒の半分という短い間隔で十分である。停止の増大は、電子トラックの一時的な重なりにより生じる。ある点で、高周波数が十分に高い程度まで一時的に重なることにより、効率が失われ、連続重合の運動で収束する。
【0045】
図2にはまた、この図のパルス間の間隔は固定幅で表現されているため、ストップモーションでの連続パルスも示す。ストップモーションは、画像捕捉の頻度が、急速ベントのフリーズフレーム視野を可能にする捕捉されるイベントの頻度と適合する視野技術である。この技術の一例は、固定間隔で遅れずに対象物の画像を捕捉するために、ストロボフラッシュを用いて、落下する対象物を写真に撮るものである。他の例と挙げると、目視するための孔を備えた回転ディスクを通して、振動する対象物(電気的接触)のような循環および繰り返しのイベントを観察するものである。このディスクの速度が変化するにつれて、孔を通した断続的な視野が、振動の頻度に適合する速度であり、対象物は目視者にとっては動いていないと感じられる。
【0046】
図2に示すパルス間隔は、異なる時間持続時間を表すが、目視者がパルス間の生長する遊離基の濃度を比べるために、横軸(単位はパルス)に沿って等しいセグメントで表される。図は、個々のパルスのストップモーションの場面を表している。画像捕捉の頻度が、各ケースについてのパルスの間隔に適合し、画像は、パルス間の横軸に沿って等間隔の同じスケールで目視するために重なっている。
【0047】
図2に示される通り、パルス繰返し数が増大するにつれて、重合の不均一相がより明らかに見られる。これは、生長するラジカルの濃度が急激に上がることにより表される。系が均一になるにつれて(拡散により)、停止のレートが増大し、生長する遊離基の濃度が減じる。パルス繰り返し数が1秒当たり1,000パルスを超えて増大すると、次のパルスによる切片がピークに向かう曲線まで動く。これは、最大効率点を表し、全体の重合が不均一モードに制限される。1秒当たり2,000パルスのパルス繰り返し数がピークに近づく。ある高いパルス繰り返し数では、妨害が均一相へと動き、効率を減じる。
【0048】
図3に、3つの異なるパルス繰り返し数(1秒当たり150、800および1400パルス(pps))でのパルス当たりの増大する線量での実験からの変換率の結果を示す。スレショルド重なりパルス当たりの線量を超えて、系は線量率感応性である。パルス当たりの線量が増大するにつれて、高線量率を避けて、遊離基を残存させて生長させるために、パルス繰り返し数を減らす必要がある。
【0049】
図4に、パルス当たりの異なる量の線量でのパルス繰り返し数を増大させた実験の変換率結果を示す。パルス当たりの線量の量が減少するにつれて、高パルス繰り返し数での不均一運動により系がさらに支配されて、曲線が平らになり始める。パルス当たりの線量が15〜25グレイ(Gy)に達し、パルス繰り返し数が500Hzを超えて増大するにつれて、線量繰り返し数が増大し、高変換率に必要な総線量は大幅に変化しない。スレショルド重なりパルス当たりの線量(互いに即時反応し始めるほど十分に近く十分に高い遊離基のフラックスを生成する線量)より低く、かつ、約500Hzを超えると、重合レートは、線量率に直接比例して増え、変換率はほぼ一定のままである。従って、図3および4から分かる通り、最良の変換率結果は、高パルス繰り返し数を用いたときのパルス当たりの低線量で得られる。
【0050】
図4はまた、500Hz未満で、パルス間の間隔が長いため、反応が主に均一モードで起こることを示す(拡散)。パルスの周波数が増大するにつれて、パルス当たりの線量は低いままであり、不均一モードの重合がより優勢になる。1秒当たり500パルスを超えると、パルス間の短い間隔が不均一運動に益々好都合となる。従って、パルス繰り返し数が増大するにつれた、変換率の急激な初期増大は、均一運動の早期停止の結果である。500ppsを超えると、不均一運動優勢の因子が漸次少なくなる。
【0051】
図5に、不均一運動の処理の利点を示す。パルス当たり低線量および高パルス繰り返し数を用いると、効率が上がり(停止が減り)、処理時間がさらに早くなる(滞留時間が少なくなる)ことが分かる。滞留時間が少ないと、連続電子ビームを用いて得られるよりも、同じ線量レベルで高いスループットとなる。従って、パルス化e−ビームを用いることによって、エネルギーコストおよび装置コストの節約になる。例えば、40kGy/秒の線量率および17Gy/パルスの線量だと、パルス化ビームによりたった2秒の滞留時間で高変換率が得られる。必要な総線量は80kGyである。この例に基づくと、これらの組み合わせのいずれかに適合する連続ビームについて3つのシナリオが可能である。第1のシナリオは、連続ビームおよび2秒の滞留時間を用いるものである。第1のシナリオについて、総線量を140kGyにするには、線量率は約70kGy/秒が必要である。第1のシナリオにおいてこれより高い線量率だと、低分子量材料が最初に形成され、ポップオフ剪断不具合につながる。第2のシナリオにおいて、連続ビームで40kGy/秒で高変化率を得るためには、3秒の滞留時間が必要であり、総線量は120kGyが必要である。第1と第2のシナリオの両方において、それより高い線量要件だと、より高度に架橋した構造が形成されるため、剥離力が減じる恐れがある。両方のケースにおいて必要とされる大量のエネルギーは、ウェブの冷却を難しくし、より多くのエネルギーが必要となる。第3のシナリオにおいて、連続ビームで80kGyの同じ総線量を得るためには、約17kGy/秒の線量率で5秒の滞留時間が必要である。同様に、最適化パルス化ビームと同じスループットを与えるには、ダウンウェブ方向に伸張する、より大きなビームが必要とされる。長いビームは、より多くの資本およびより多くのエネルギー消費を必要とする。
【0052】
図6に、モノマーからポリマーへの変換の早期段階において、不均一運動の優勢によって、膨潤が大きく、ゲル含量の少ない、緩く連結されたゲル構造の形成がなされるのを示す。緩いゲル構造は、均一(連続)重合よりも停止が少ない結果である、架橋間のポリマーの鎖長が長いことを示している。パーセント変換率が約50〜70%に達すると、系の拡散が制限され、グラフト化反応が優勢になり始める。この時点で、形成されたポリマーは、混合物の主成分となり、ポリマーのイオン化部位が生長ラジカルとなる。これによって、系をゲルへと結び付け始める分岐および架橋反応となる。全変換へと自己促進が続くにつれて、系のゲル化部分が漸次より大きくより緊密となる。この相にある間、重合が不均一運動で始まっても均一運動で始まっても、ポリマーの得られる構造がより大きくより緊密になる。従って、調べた系の不均一運動の利点は、たいていの場合、重合の最初の半分まで制限される可能性がある。そのため、重合の残りの約半分については、高線量率および周囲条件での連続の従来のe−ビームにより完了させることができる。
【0053】
図7に、パルス化電子ビームによる重合中の温度制御の影響を示す。パーセント残渣で表される変換率を、様々な段階での重合プロセスを示すために、線量の固定した間隔で測定した。制御されていない場合(周囲または25℃)、温度制御された(0℃)試料と比べて、変換レートが遅くなるのは、約50%の変換率での点であり、線量が増大するにつれて残渣減少レベルが平らになる。これは恐らく、物理特性の点で非反応性で望ましくない、早期停止の結果としての、重合の早い段階で形成された低分子量材料の結果である。重合の最終段階で、この材料をポリマーのゲル部分に組み込むのは非常に困難である。低温だと、低変換率で重合性組成物の粘度を増大させると考えられており、遊離基の拡散および停止反応がさらに制限され、これが、この段階にある低分子量材料の量を限定する。
【0054】
パルス化重合に最適な条件は、連続のものよりも温度制御に、より依存していると考えられる。これは、恐らく、単一パルスの高い即時の線量率および不均一モードを長くするために拡散を制限する必要性によるものである。
【0055】
基材
電子ビーム照射により大幅に劣化しない限りは、様々な基材を用いて、本発明の方法により、感圧接着剤物品を作製することができる。
【0056】
本発明の方法を用いて感圧接着剤または物品を作製するのに用いられる好適な基材としては、アルミニウムホイル、銅ホイル、錫ホイルおよび鋼パネルのような金属;ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエーテルのようなプラスチックフィルム;金属化プラスチック;紙や木材のようなセルロース;および織および不織綿、ナイロンおよび羊毛および合成不織布のような布地が挙げられる。
【0057】
感圧接着剤は、接着剤が薄い可撓性のあるバッキングシート材料上に形成される接着テープ、または接着剤が水蒸気透過性のバッキングシート上に形成される外科用接着包帯の構造に用いることができる。接着剤はまた、ラミネーティングバインダーとして用いたり、支持または非支持フィルムとして提供してもよい。
【0058】
最終用途の基材上に直接接着剤シロップのe−ビーム硬化を行うことにより得られる利点は、接着剤シロップと基材の両方に反応部位を作製して、これら2枚の層の界面で接着剤と基材の間に化学接合を与え、それによって、接着剤を基材にグラフトし、コーティングの前に基材を下塗りしたり、何らかの処理を行う必要性を排除する、e−ビーム照射の能力である。
【0059】
本発明の方法を用いてコート物品を作製するのに用いられる好適な基材としては、金属、木材、プラスチックまたは異なる材料の複合体が挙げられる。しかしながら、本発明の方法はここに記載した基材に限定されるものではなく、電子ビーム照射により実質的に劣化されないその他の材料の使用も含まれる。
【0060】
コーティング
重合性組成物は、従来のコーティング手段による重合の前に基材にコートしてもよい。好適なコーティング技術としては、スプレーコーティング、カーテンコーティング、溶剤鋳造、ラテックス鋳造、カレンダ加工、ナイフコーティング、ドクターブレードコーティング、ローラコーティング、2本ローラコーティング、リバースローラコーティング、静電コーティングおよび押出しダイコーティングのような一般的な技術が挙げられる。
【0061】
重合性組成物は、最終用途の基材上で直接重合させるのが望ましい。例えば、感圧接着剤前駆体重合性組成物を基材にコートして、e−ビーム放射線のパルスを与えて、基材に接着接合した感圧接着剤層を形成することができる。
【0062】
厚さ約10〜500ミクロン(0.4〜20ミル)の重合性組成物は、ここに記載したプロセスに従って、約300keV(単一ギャップ)までの電圧で、簡便に重合することができる。厚さ約1,000ミクロン(40ミル)までの重合性組成物は、シロップを両側に照射できる状況で簡便に重合することができる。厚さが約10ミクロン(0.4ミル)未満の重合性組成物層に関しては、選択的蒸発の結果、層の相対厚さが大幅に変わる可能性があるため、品質管理は大きな問題になる。一方、約500ミクロン(20ミル)を超える厚さの重合性組成物層の全厚を通して一貫したレベルの重合を行うのは、約300keV未満の低圧e−ビームの透過性が限定されることから、益々困難になる。しかしながら、パルス化系は、電圧を連続的にスタンドオフにする必要がないため、非常にコンパクトなまま、より高い単一ギャップ電圧が可能である。
【0063】
ギャップ電圧は、単一ギャップを橋絡する地面とカソード間の電位である。DC装置について、これは、実際、約300keVの電圧までである。300keVを超えると、絶縁要件が実際的ではなくなる。工程中、カソードから放出される電子を漸次加速して、各ギャップを管理可能な電位に保つために、300keVを超える高い電圧が、複数のギャップで生成される。
【0064】
高電圧電位(高電圧スタンドオフ要件)を地面から絶縁するのに必要な誘電要件は、電位が一定のとき、非常に短かったり断続的であるときよりも大きい。これは、絶縁特性が即座ではなく、架橋現象が生じる点まで漸次であるためである(プラズマは地面まで動き、回路に近づく)。短いパルス持続時間(1〜2マイクロ秒)によって、架橋現象が生じる前に、絶縁が非常に低いときでも、カソードを放電させる。これは、放電のメカニズムが、プラズマより早く、回路に近づくことができる(移動レートは1秒当たり数cmである)ためである。これより長いパルス持続時間でも、フィンガープリント、鋭点および表面上の欠陥のような、10〜100マイクロ秒の時間枠の中で架橋現象を生じさせる因子より放電は早い。このように、絶縁要件は、定電位(DC)に必要とされるほど大きくない。
【0065】
最終的に、熱移動問題が、最大可能な厚さを支配する。しかしながら、得られる高残渣含量は、硬化コーティングからの残渣の後の蒸発により減少させることができる。さらに、約500ミクロン(20ミル)を超える厚さの重合組成物全体にわたって適正な温度を維持するのは、重合中に生じた熱が大量で、重合性組成物層の中央部分からの熱の移動が遅いため、益々困難になる。
【0066】
感圧接着剤について、接着剤シロップ(重合性組成物)は、ナイフコーティングやロールコーティングといった従来のコーティング技術により、約500〜40,000センチポイズの粘度で簡便にコートすることができる。得られる重合感圧接着剤の粘度が約40,000センチポイズを超えるときは、接着剤組成物は、押出しまたはダイコーティング技術により簡便にコートすることができる。
【0067】
重合性組成物の粘度を増大して、重合前組成物が所望のコーティング厚さを保持するようにすることができる。かかる粘度の増大は、溶剤除去、冷却、重合性組成物の部分重合および/または重合性組成物への増稠剤の添加をはじめとする従来の技術のいずれかにより行うことができる。しかしながら、増稠剤を添加するときは、増稠剤が重合または得られる特性を大幅に妨害せず、滞留時間、総線量および/または重合温度を適宜調整して、増稠剤の添加に対応できるよう注意を払わなければならない。重合性組成物の粘度を増大するのに通常好ましい技術は、例えば、重合組成物中のモノマーを約1〜15wt%、最も好ましくは約4〜7wt%予備重合することである。
【0068】
本発明の重合性組成物に増稠剤を用いてよい。増稠剤は、モノマーと共に用いてよいが、必ずしもオリゴマーとは共に用いない。増稠剤は、重合性組成物の粘度を増大することができる。粘度は、重合性組成物がコート可能となるよう十分に高くする必要がある。さらに、比較的高い粘度は、遊離基の分離に寄与する役割を果たし、これによって、変換率が改善され、停止が減少する。約400〜25,000センチポイズの粘度が一般的に望ましい。
【0069】
好適な増稠剤は、重合性組成物に溶けるものであり、オリゴマーおよびポリマー材料が一般的に含まれる。かかる材料は、得られる物品に様々な所望の特性または特徴に寄与するように選択することができる。好適なポリマー増稠剤としては、エチレンおよびビニルエステルまたはエーテルのコポリマー、ポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(エチレンマレエート)、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリ(プロピレンフタレート)等のポリエステルが例示される。
【0070】
利点を与えるその他の種類の増稠剤としては、微粉砕シリカ、CAB−O−SILのようなヒュームドシリカ、アルミナ等が挙げられる。
【0071】
重合性組成物
本発明の方法の重合性組成物は、少なくとも1種類の重合性モノマー、少なくとも1種類の重合性オリゴマーまたはこれらのブレンドを含む。更なる任意の成分としては、コモノマー、架橋剤、遊離基生成剤、光開始剤、添加剤、増稠剤および粘着付与剤が挙げられる。
【0072】
アクリレートモノマー
全てのアクリレートモノマーが本発明の方法に有用である。本発明に特に有用なアルキルアクリレートモノマーは、迅速に遊離基重合し、生長反応が、停止または架橋反応より優先的に生じるようなものである。
【0073】
本発明の方法を用いて感圧接着剤を形成するのに重合性組成物中で有用なかかる遊離基重合性アクリレートモノマーは、ホモポリマーガラス転移温度が約0℃未満、好ましくは約−20℃未満のものである。有用なアルキルアクリレートモノマーは、アルキル部分に8〜13個の炭素原子を有する非第三級アルキルアルコールの単官能性アクリル酸エステルである。有用なアルキルアクリレートモノマーとしては、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレートおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限られるものではない。
【0074】
本発明の方法を用いてコーティングを形成するのに用いてよいその他のモノマーとしては、一般に、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(およびテトラ)アクリレート、ヒダントインヘキサアクリレート、トリメチロールプロピレントリアクリレートおよび多官能性アクリレートが挙げられるがこれらに限られるものではない。これらのモノマーは、感圧接着剤に用いられるものよりも高いガラス転移温度を有している。かかるモノマーのガラス転移温度は、通常、周囲温度より高い。分子量分布、架橋度およびゲル含量の慎重な制御は、表面コーティングとしての性能にとって重要ではない。温度制御は感圧接着剤の場合ほど重要ではない。
【0075】
オリゴマー
好適なオリゴマーは、エチレン化不飽和モノマー(例えば、アクリレート)によりキャッピングされた短鎖ポリマーである。本発明の方法に用いてよいいくつかの市販のオリゴマーとしては、エベクリル(Ebycryl)(UCB製)、フォトマー(Photomer)(コグニス(Cognis)製)、ララマー(Laramer)(BASF)およびクリノール(Craynor)(サートマー(Sartomer)製)という商品名で販売されているものが挙げられる。
【0076】
オリゴマーの粘度は、通常、オリゴマーを用いるときに本発明の方法に増粘剤が必要ないように十分高い。
【0077】
コモノマー
モノマーは、本発明の温度、滞留時間、パルス繰り返し数および総線量パラメータで、e−ビーム放射線によりモノマーを重合する能力に悪影響を及ぼすことなくポリマーを生成可能な共重合性モノマーと共重合することができる。感圧接着剤およびコーティングに好適なコモノマーとしては、酸性と塩基性の極性モノマーの両方をはじめとする官能性極性および非極性モノマーが挙げられる。かかるコモノマーは、例えば、得られる剪断特性について感圧接着剤において好ましい。
【0078】
好適なコモノマーの部類としては、約0℃を超える、好ましくは15℃を超えるホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有するモノエチレン化不飽和コモノマーが含まれる。
【0079】
有用な極性共重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN−オクチルアクリルアミドのような置換アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリロニトリル、2−カルボキシエチルアクリレート、無水マレイン酸およびこれらの混合物が例示されるがこれらに限られるものではない。
【0080】
その他の好適な共重合性モノマーとしては、アルキル部分に1〜3個の炭素原子を有する非第三級アルキルアルコールのアクリレートエステルまたはビニルエステルが挙げられる。かかるモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が例示される。好適な非極性モノマーの具体例はイソボルニルアクリレートである。
【0081】
コモノマーを用いるときは、重合性組成物は、約70〜約99重量部、好ましくは約85〜99重量部のアクリレートモノマーをコモノマーとの釣り合いをとって含むことができる。各種のモノマーの有用な量は、感圧接着剤またはコーティングの所望の特性およびアクリレートおよびコモノマーの選択に応じて異なる。例えば、コモノマーがアクリル酸やメタクリル酸のように強極性のときは、コモノマーの好ましい範囲は、アクリレートモノマーおよびコモノマー100部当たり約1〜約15重量部のコモノマーである。
【0082】
架橋剤
重合性組成物は、適正な架橋を得るのに必要な線量を減じ、かつ/または接着剤またはコーティングの架橋をさらに制御するために、架橋剤を含有していてもよい。有用な架橋剤としては、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートのようなジオール、トリメチロールプロパントリアクリレートのようなトリオール、およびペンタエリスリトールアクリレートのようなテトロールのアクリルまたはメタクリルエステルからなる群より選択されるものが挙げられるがこれに限られるものではない。その他の有用な架橋剤としては、置換および非置換ジビニルベンゼンのようなポリビニル架橋剤、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレート、エベクリル(Ebecryl)270およびエベクリル(Ebecryl)230(それぞれ、重量平均分子量が1500および5000のアクリレートウレタン、両者共ラドキュアスペシャルティーズ(Radcure Specialties)より入手可能)のような二官能性ウレタンアクリレートおよびこれらの混合物からなる群より選択されるものが挙げられるがこれらに限られるものではない。用いるときは、接着剤シロップは、通常、約1重量部(pph)まで、好ましくは約0.3pph未満の架橋剤を含む。架橋剤は、感圧接着剤またはコーティング用の重合性組成物のコーティングの前にいつでも添加することができる。
【0083】
遊離基生成剤
高電子エネルギー状態から低状態に効率的にエネルギーを捕捉し伝達できる遊離基生成剤を任意で、モノマー、オリゴマーまたはそのブレンドと混合してもよい。遊離基生成剤が存在していると、重合レートを改善することができる。好適な遊離基生成剤は、遊離基を高収率で与えることができ、アクリレートタイプのモノマーに感光効果を与えることができ、鎖ラジカル反応において高伝達係数を有するようなものである。本発明に用いるのに特に好適なのは、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタンおよびトリクロロベンゼンのような塩素化飽和C1−3低級アルカンにより例証される、ハロゲン化脂肪族炭化水素である。ハロゲン化炭化水素の効果は、0.01〜5wt%、好ましくは0.1〜1wt%のレベルで最良である。
【0084】
光開始剤
光開始剤を重合性組成物中に存在させてもよい。しかしながら、光開始剤は、重合性組成物の化学にあまり寄与せず、実施される後のプロセスについてほぼそのまま残存する。しかしながら、本発明の方法を用いる遊離基重合に必要ではない。
【0085】
使用可能な2種類の光開始剤としては、イルガキュア(IRGACURE)184という商品名で、ペンシルバニア州ウェストチェスタ−のサートマーケミカル社(Sartomer Chemical Co., Westchester, Pennsylvania)より入手可能な1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンおよびイルガキュア(IRGACURE)651という商品名でチバガイギー(Ciba−Geigy)より入手可能な2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンが挙げられる。
【0086】
添加剤
本発明の方法に用いられる繊維状強化剤のような代表的な添加剤としては、フィラー、難燃剤、発泡剤、乳白剤、顔料、可塑剤、レオロジー修正剤、軟化剤、溶剤、安定化剤、粘着付与剤、紫外線保護剤等が挙げられる。かかる添加剤は、従来用いられている比率で重合性組成物に組み込んでよい。
【0087】
粘着付与剤
粘着付与剤は、重合前に支持体への接着剤シロップのコーティングを促し、かつ/または得られる感圧接着剤の接着特性を向上する目的で、感圧接着剤シロップ、または重合性組成物に添加することができる。一般的に有用な粘着付与剤は、大量の芳香族構造を含有しないものである。
【0088】
好適な粘着付与剤としては、重合テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ロジンおよび水素添加ロジンが挙げられる。接着剤組成物は、約5〜50wt%の粘着付与剤を含むことができる。約5wt%未満の粘着付与剤の追加だと、組成物の接着強度の向上がほとんどなく、約50wt%を超える添加だと、組成物の凝集性および接着強度の両方が減じる。
【0089】
無溶剤ブレンドまたは混合物
重合性組成物は、混合を促進する目的で溶剤を含むことができるが、溶剤を含まない、またはほとんど溶剤を含まない液体アクリレートタイプのモノマーおよび所望の共重合性モノマーの組成物であるのが好ましい。溶剤を用いる感圧接着剤のために選択した重合性組成物について、例えば、組成物の粘度を調整し、組成物のe−ビーム照射に際して遊離基の生成を促進するために、水やアルコールのような天然可塑溶剤を約5〜10%組み込むのが好ましい。
【0090】
エマルジョン
本発明の利点は可変性であることである。上述した通り、重合性組成物は無溶剤であってもよい。しかしながら、エマルジョンの重合性組成物を本発明の方法を用いて重合してもよい。エマルジョンは、オンウェブでコートしてから、本発明の方法を用いて重合し、後に乾燥してもよい。
【0091】
E−ビーム源
電子ビーム(e−ビーム)は、約10−6トルで維持された真空チャンバー内でリペラプレートとエクストラクタグリッド間に保持された高電圧をタングステンワイヤフィラメントに印加することにより、通常、生成される。フィラメントを高電流で加熱して電子を生成する。電子は、リペラプレートおよびエクストラクタグリッドにより金属ホイルの薄ウィンドウに向かって誘導され加速される。10メートル/秒(m/sec)を超える速度で移動し、約70〜300キロ電子ボルト(keV)の加速電子は、真空チャンバーから出て、ホイルウィンドウを通って、窓の直下に配置された何らかの材料に浸透する。
【0092】
生成される電子の量は、エクストラクタグリッド電圧に直接関係している。エクストラクタグリッド電圧が増大すると、タングステンワイヤフィラメントから引き込まれる電子の量が増える。コンピュータ制御下だと、正確な線量および電子の線量率を重合するのに望ましいものとできるほど、e−ビーム処理は極めて正確にすることができる。
【0093】
加速電子のパルスを生成する電子ビーム発生装置は市販されている。一例を挙げると、ニューメキシコ州アルブクエーク(Albuquerque, New Mexico)のノーススターリサーチ社(North Star Research Corp.)(NSRC)のe−ビームがある。他の例を挙げると、パルス繰り返し数の選択ができる、インジアナ州フォートウェインのバイオステリル(Biosterile, Fort Wayne, Indiana)より販売されているピクシス7000(PYXIS)というe−ビーム機がある。
【0094】
装置の与えられた片および照射試料の配置について、分配される線量を、ASTM E−1275「放射線透過フィルム線量測定システムを使用する方法(Practice for Use of a Radiochromic Film Dosimetry System)」に従って測定することができる。エクストラクタグリット電圧、繰返し率、ビーム面積適用範囲および/または源への距離を変えることによって、様々な線量率を得ることができる。
【0095】
プロセスパラメータ
滞留時間
遊離基重合においては、初期のレートがラジカルの濃度を決める。停止レートは、一般に、ラジカルの濃度に比例し、高いラジカル濃度では停止は比較的多くなる。この結果、低分子量および高架橋ゲルが得られる。本発明においては、電子ビームから得られる初期のレートが制御されて、電子のフラックス(電流)を減じ、所望の線量が蓄積されるようビームの滞留時間を増やすことによって、架橋間に高分子量および高変換率が得られる。滞留時間は、ビームの移動速度を下げ、ビームの放射照度面積を増大することにより長くしてある。
【0096】
パルス化e−ビームを用いた滞留時間は、連続e−ビームを用いるときに必要とされるよりも短い。ここに規定した線量レベルで加速電子のパルスを用いてモノマー対ポリマーの高変換率(約90%を超える)を得るためには、約1.5〜5秒の滞留時間が一般的に必要とされる。
【0097】
数多くの異なる方法を用いて、重合にとって所望の総線量および滞留時間を与えることができる。第1の方法では、電子ビーム生成装置のオン・オフスイッチと連通するシャトルシステムを用いる。これは、重合性組成物のコーティングを備えた基材を、所望の総線量の電子ビームエネルギーが蓄積するまで、e−ビームウィンドウ下で静置させたままとさせるものである。第2の方法は、連続可動コンベヤーベルトを用いて、所望の総線量の電子ビームエネルギーを重合性組成物に蓄積させるために計算された速度で、e−ビームウィンドウ下でコートされた基材を動かすものである。第3の方法は、重合性組成物の連続ウェブを、ウェブの広がった表面積にわたって所望の総線量の電子ビームエネルギーを与えるように操作および配置された電子ビーム生成装置のアレイを通して動かすものである。
【0098】
線量
線量は、単位質量当たりに蓄積したエネルギーの総量である。線量は通常、キログレイ(kGy)で表される。キログレイは、質量のグラム当たり1ジュールのエネルギーを供給するために必要な放射線の量と定義される。
【0099】
重合性組成物により受け取られる総線量は、主に、モノマーがポリマーに変換される程度およびポリマーが架橋する程度に影響する。通常、少なくとも95wt%、好ましくは99.5wt%のモノマーおよび/またはオリゴマーがポリマーに変換されるのが望ましい。しかしながら、無溶剤または低溶剤系におけるモノマーからポリマーへの変換は、かかる系における拡散制限のために反応が進行するにつれて漸近する。モノマー濃度が減るにつれて、拡散制限モノマーをさらに重合するのが益々困難になる。
【0100】
線量は、電圧、速度およびビーム電流をはじめとする数多くの処理パラメータに応じて異なる。線量は、ラインスピード(重合性組成物がe−ビームウィンドウを通過する速度)、エクストラクタグリッドに供給される電流および加速電子のパルス繰り返し数を制御することによって簡便に規制することができる。ターゲット線量(20kGy)は、KI=DS等式により簡単に計算できる。式中、Kは機械定数、Iは電流(mA)、Dはキログレイでの線量およびSはfpsまたはcm/secでの速度である。機械定数は、ビーム電圧およびカソード幅の関数として変化する。
【0101】
通常、完全な変換に必要な線量は、線量繰り返し数に比例する。十分に低い線量繰り返し数で、20kGyの線量で十分であるが、e−ビームを用いて実際に維持するには滞留時間が長すぎる。一方、線量繰り返し数が増大すると、停止の高レートを回避するために極めて高い線量が必要である。従来の(連続)e−ビームについては、約2秒の滞留時間において高変換率を達成するには約150〜200kGyの線量が必要である。これには、多大の電力供給が必要であり、過剰に熱が生成されてしまう。さらに、本発明の方法により作製される物品の所望の物理特性は、高線量を用いることにより得られる低分子量材料と同様に、過剰の架橋およびグラフト化反応により制限されてしまう。
【0102】
しかしながら、連続ビームではなく加速電子のパルスを用いる本発明においては、連続電子源に必要とされる略同じ総線量レベルだが、短い時間で高変換率が得られる。例えば、80kGyの線量では連続では約5秒であるのに対し、パルス化e−ビームについては約2秒の滞留時間が必要なだけである(図5参照)。
【0103】
線量率は、放射線露光期間(滞留時間、秒)で除算した試料に分配された線量(kGy)から計算される。滞留時間が必要な線量を支配し、これが線量率を決める。
【0104】
好ましいパルス当たりの線量は低い。最適なパルス当たりの線量は約10〜30グレイである。パルス当たりの線量が低いと、e−ビーム生成トラックの空間的な重なりによる遊離基生長の過剰の停止が避けられる。
【0105】
パルス特性
パルス繰り返し数
パルス化e−ビーム重合について好ましいパルス繰り返し数は高レートである。最適な実際のパルス繰り返し数は1秒当たり約1000〜2000パルス(「pps」)またはヘルツ(「Hz」)である。しかしながら、高レートは更なる利点を与える。所望のパルス繰り返し数の上限は、トラックの十分な一時的な重なりにより効率が減少して重合の不均一相を完了させるのに必要な時間を制限するときである。その点までパルス繰り返し数を増大させると効率も増大する。
【0106】
パルス間隔
パルス間隔は、パルス間で約1ミリ秒である。運動速度定数は、1ミリ秒の時間よりも大幅に早い変換率を反映する十分な大きさである。(K=10〜10l/mol−s)。
【0107】
パルス幅(または期間)
パルス幅(パルス持続時間としても知られている)は、時間の関数としてのe−ビーム電流の半波高全幅である。
【0108】
連続ビームの透過物に接近し始めるために、十分に長い持続時間になる前に250マイクロ秒までのパルス幅が可能である。重合効率はこの点で減じ、パルス幅を広げるこれ以上の利点はない。
【0109】
パルス幅または持続時間は、本発明の方法においては広い。これによって、本方法に明白な利点が与えられる。
【0110】
必要であれば、約1〜2マイクロ秒でのパルス持続時間を得るために、パルス形成ネットワークにおいて、サイラトロンのような高速スイッチを用いる必要がある。これらの装置は極めて高価である。しかしながら、高速スイッチは本発明の必要には必要ではない。広いパルス幅を有効に用いることができるため、従来のソリッドステートスイッチを用いてもよい。例えば、本発明の方法においては、25マイクロ秒のパルス幅を用いて、線量を十分に拡散させて、ビームウィンドウの熱衝撃波を減じてもよい。しかしながら、0.5ミリ秒と短いパルス間隔に比べて、パルス幅は非常に小さい(1/20番目)ままである。
【0111】
不活性雰囲気
重合性組成物のe−ビーム照射は、遊離基重合を抑制することが知られている、最低量の酸素の存在下で実施するのが好ましい。従って、重合性組成物のe−ビーム照射は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等のような不活性雰囲気中で実施すべきである。重合は、最も望ましい接着剤特性を得るために、例えば、約3,000百万分の一(ppm)までの酸素、好ましくは1,000ppmまでの酸素、より好ましくは50〜300ppmの酸素を含む窒素雰囲気下で行うのが好ましい。酸素濃度は、酸素計により簡便に測定することができる。
【0112】
酸素は、例えば、接着剤シロップを、材料の固体シート(テープバッキングと剥離ライナ)間に挟み、シート材料を通して接着剤シロップに照射することにより、接着剤を作製する際に実質的に排除される。
【0113】
温度
本発明の他の態様には、低温での硬化/重合が含まれる。感圧接着剤用の接着剤シロップを20℃未満、好ましくは10℃未満、最も好ましくは5℃未満まで冷却することにより、感圧接着剤について優れた接着特性および高変換率が得られた。温度は、好ましくは約−80℃〜10℃の間、より好ましくは約0〜5℃の間に保った。ここに参考文献として組み込まれる米国特許出願第09/118,392号を参照のこと。20℃未満の温度で加速電子の連続ビームを用いて重合を実施することにより、ポリマー鎖生長レートが停止レートを有利に増大し、高ゲル含量および高い変換率のポリマーが生成されるという効果がある。
【0114】
加速電子のパルスを用いると、パルス当たり高線量率を即時に使えるため、低温で同様の利点が得られた。低温によって系の粘度が増大する。粘度が増大すると、遊離基の拡散が遅くなる。これによって、遊離基が分離され、停止が減じ、重合がさらに行われる。従って、温度は、感圧接着剤物品を作製するための本発明のプロセス中、低温に保つのが好ましい。しかしながら、本発明のプロセスを用いたその他の物品(例えば、コーティング)の製造のために低温に保つ必要はないが、そうすると有益である。変形例においては、感圧接着剤以外の物品について、最初は、反応時間の約40〜80%、好ましくは50〜70%低い温度に保つのが有益である。高レベルの架橋剤(1%)を用いて、変換のレートをスピードアップすることにより、低温の必要性を相殺してもよいことも知られている。しかしながら、高レベルの架橋剤を用いて感圧接着剤物品を作製する場合、接着剤の物理特性が限定される恐れがある。
【0115】
「低温」という用語は、周囲より低い温度のことを指し、一貫して維持でき、約20℃未満である。しかしながら、−70℃より低い温度(例えば、ドライアイスを用いて)にすると利点が増大する。
【0116】
重合性組成物の温度は、反応チャンバーに冷却窒素ガスを導入し、冷却プレートにコートした重合性組成物を置く、またはその他の種類の吸熱器または冷却ドラムを用いる等、様々な技術により、重合中、または重合時間の一部にわたって所望の低い温度に維持することができる。
【0117】
感圧接着剤
接着剤が用いられる特定の最終用途の要件に適用するために、感圧接着剤は、いくつかの競合する特性(例えば、粘着性、剥離強度、耐クリープ性、凝集性等)の釣り合いを取らなければならない。感圧接着剤の特性は、主に、モノマー組成、分子重量および架橋密度に影響される。例えば、モノマー組成が、ガラス転移温度(T)、バルク特性および接着剤の表面化学を決め、これらは全て接着力に影響する。十分な架橋密度を有するポリマーに関しては、分子量が多いと、通常、良好な凝集が得られる。凝集はまた、イオン化結合ポリマー間の共有結合度および二次分子間結合を増大することによっても増大させることができる。
【0118】
高ゲル含量は、感圧接着剤に所望の特性を与える。例えば、高ゲル含量は良好な耐クリープ性および高剪断特性を与える。
【0119】
高変換率の感圧接着剤は、少量の残渣モノマーがあっても皮膚を刺激したり、光の透過を妨げたり、かつ/または金属部品を損傷または腐蝕させる、医療、光学および電子用の接着剤に特に重要である。
【0120】
本発明の方法において、溶剤を用いることなく、アクリレート感圧接着剤シロップを定義された線量、滞留時間およびパルス繰り返し数範囲でe−ビーム共重合することにより、高変換率で、優れた剥離接着力および剪断強度を有するアクリレート感圧接着剤もまた得られる。本発明の方法は、適正に最適化されると、略同じ線量レベルだが、連続電子ビームだと約5秒の滞留時間に対し、僅か2秒で、同じ結果が接着剤について得られる。連続プロセスをより早いペースで行うことを可能にする点でこれは非常に有利である。
【0121】
本明細書に記載したe−ビームプロセスに従って作製された感圧接着剤は、良好な剪断強度および剥離接着力をはじめとする、所望の接着剤特性および特徴を高変換率で有することができる。通常、アクリレート感圧接着剤は、約90wt%を超える、多くは約97wt%を超える変換率で、少なくとも25N/dm、多くは55N/dmを超える剥離接着力と、少なくとも300分、多くは10,000分を超える剪断強度または剪断接着時間を有するように製造することができる。さらに、感圧接着剤は、80wt%、多くは95wt%を超えるゲル含量を有するように製造することができる。
【0122】
コーティング
本発明の方法を用いて、より一般的には、コーティングを重合することもできる。コーティングの一例を挙げると、表面保護の硬質コートがある。コーティングを基材にコートして、引っ掻き傷、摩耗等の物理的な損傷から基材を保護する。コーティングを用いるとまた、コートされた表面の物理的外観が改善される。コーティングによりコートされる基材は、触れたときに乾燥しているものである。かかる基材としては、道路標識、家具等が例示されるがこれに限られるものではない。
【0123】
本発明をさらに、以下の実施例によりさらに例証する。ただし、これは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0124】
[実施例]
試験手順
以下の試験を用いて、本発明の重合組成物を評価した。
【0125】
変換率
14.5cm(1.5in×1.5in平方)の試料を照射基材からダイカットし、剥離ライナを除去し廃棄した。未カバー試料を秤量し(試料Wt前(before))、100℃でオーブンに2時間入れ、再度秤量した(試料Wt後(after))。未コートの基材の14.5cmの試料もまたダイカットして秤量した(基材Wt)。パーセント変換率(%Conv)は、以下の式に従って計算した。
%Conv=(試料Wt−基材Wt)(100)/(試料Wt−基材Wt)
【0126】
ゲルパーセント
テープ試料を約14.5cmの面積の正方形にダイカットした。剥離ライナを感圧接着(PSA)テープから手で剥がした。PSAテープ試料を予め秤量しておいたアルミニウムパン(m0)に入れ、秤量し(m1)、ナルジェン(Nalgene)容器にて酢酸エチルに16時間浸して、重合コーティングから溶解性反応物質を抽出した。試料部分を取り出し、パンに入れて60℃に設定されたオーブンで120分間にわたって乾燥させて、室温まで冷却して秤量した(m2)。ゲルパーセントを次の式により計算した。
Gel%=(m2−m0)(100)/(m1−m0)。
【0127】
各試料についての結果を最も近い整数で記録してある。
【0128】
膨潤パーセント
架橋密度の尺度として膨潤を測定した。この測定をゲルパーセント手順の最中に行った。予め秤量したパンに入れた、溶剤を浸した試料をスケールに直ちに載せ、秤量した(テープ試料から溶剤が蒸発するのを避けるため)。溶剤浸漬前後の試料の重量の違いとして膨潤を計算した。低膨潤で、サイズ/形態に目視上の変化がないことが、架橋密度が高いことを示している。
【0129】
剥離接着力
幅約1.27cm(0.5in)および長さ少なくとも12cm(5in)に切断された感圧接着テープ試料の清浄なガラスプレートへの180°剥離接着力を試験した。切断する前に、試料を65℃のオーブンに20〜30分間入れ、温度が22℃に維持され、相対湿度が50%に維持された制御された環境において少なくとも12時間静置した。約230cm/分(90in/分)の速度で移動する1.8キログラム(kg)(4.0lb.)の硬質ゴムローラを1回通過させてテープを転がすころにより、試料をガラス試験表面に接合した。約1分の接触時間経過後、インスツルメンターズ社(Instrumentors, Inc.)より入手可能な型番3M90スリップ/剥離試験機の接着スケール(平均剥離値を記録するよう設定された)に自由端を取り付け、230cm/分(90in/分)の剥離レートで180°の幾何学的配置で引っ張った。テープの自由端を折り返して二重にして、テープが自身にほとんど接触するようにして、除去角度を180°とした。剥離接着力値をoz/0.5inで測定し、N/dmに変換した。接着不具合は接着剤の性質であり、不具合は接着剤と試験表面の界面で生じた。記録された結果は少なくとも2回の測定の平均である。
【0130】
剪断強度
周囲温度で感圧接着テープ試料の剪断強度を測定した。PSAテープを65℃に設定したオーブンに20分間入れ、温度が22℃に維持され、相対湿度が50%に維持された制御された環境において少なくとも12時間静置した。テープの一部を切断し、2.1kg(4.5lb.)のローラを手で6回通過させることによりステンレス鋼に接合した。12.7mm×12.7mm(0.5in×0.5in)のテープ部分を鋼パネルと密着させた。テープの追加の端部は自由であった。1000グラムの重りをテープの自由端部分に接合した。試料を25℃の室温および50%の相対湿度でラックに置いた。鋼試験パネルを垂直から2°傾けて(テープで178°の角度を作る)、試料に作用する剥離力に確実に抗するようにした。テープが試料パネルから分離する時間の長さを記録した。試験は、通常、10,000分で止めた。記録された値は、不具合が生じなかった場合の単一試料および最初の不具合が10,000分未満で生じた場合に続けて測定した2個の試料の平均からの測定である。接着不具合は接着剤の性質であり、不具合は接着剤と試験表面の界面で生じた。
【0131】
用いた材料
実施例では、以下の用語、略語および商品名を用いている。
【0132】
Figure 2004532323
【0133】
実施例、明細書および請求項における部、パーセンテージおよび比率は全て、特に断らない限り、重量基準である。反応性材料以外の前駆体エマルジョン成分の部は、反応性材料100重量部に基づく。大半の測定は英国単位で記録し、SI単位に換算した。
【0134】
プロセス
90wt%のアクリレートモノマー(IOA)、10wt%の共重合性材料(AA)および0.04pphの光開始剤からなる接着剤前駆体シロップを米国特許第5,028,484号、実施例19〜26に従って作製した。不活性窒素中で紫外線を照射することにより混合物を部分的に光重合して、ブルックフィールド粘度が約450センチポイズ(cP)のコート性接着剤原シロップを形成した。十分な添加重合性材料AAを組み込んでIOA:AAの重量比を88:12に変え、処理中のAAの蒸発が最小となるようにして変性シロップを作製した。架橋剤(HDODA)を変性88:12シロップ100部当たり0.3部の量で加えてシロップAを作製するか、または同量を原90:10シロップに加えてシロップBを作製した。シロップを、公称コーティング厚さ50マイクロメートル(μm)で処理済PETフィルムにナイフコータによりコートした。コート試料を、パルス化e−ビーム照射用として、100mm×200mm(4in×8in)の矩形に、または連続e−ビーム照射用として150mm×150mm(6in×6in)の矩形に切断した。大半を試料を、氷を入れたトレイ上に載せた銅プレートに置いた。各試料についてトレイに氷を再度入れて、照射プロセス中、試料を約0℃の温度に維持した。いくつかの試料は冷却温度では維持できなかったが、照射を伴う通常の加熱による周囲温度で照射された。コーティングは「開放面」(すなわち、カバーフィルムなし)で重合された。露光チャンバーの周囲ガスにおける酸素濃度をモニターし、露光チャンバーを窒素または窒素中に100ppmの酸素を含有するスパンガス(各成分について特定の含量としたカスタマイズのブレンドガス組成物)でパージすることにより、酸素レベルを100ppm以下に保った。
【0135】
コート試料に、2つのパルス化電子ビーム照射源の一方、または連続電子ビーム照射源のいずれかを照射した。各プロセス条件で、照射時間間隔、パルス当たりの高線量および高ppsまたは電流を増やしながら、試料に照射して、コーティングに適用される総線量を変えた。用いたパルス化源は(1)インディアナ州フォートウェインのバイオステリルテクノロジー社(BioSterile Technology, Inc., Fort Wayne, Indiana)製のPYXIS7000パルス化e−ビームシステム(PYXIS)または(2)ニューメキシコ州アルブクエークのノーススターリサーチコーポレーション(North Star Research Corporation, Albuquerque, New Mexico)製試作品のパルス化e−ビーム(NSRC)であった。ウィンドウと試料の間にスクリーンを挿入することにより、パルス当たりの線量をPYXISで変えた。電流を変更することにより、パルス当たりの線量をNSRCで変えた。パルス化e−ビームシステムは両方とも、約2ミリ秒のパルス持続時間および180kVの値に設定された加速電圧を用いた。(1)パルス当たりの線量か、(2)パルス繰り返し数のいずれかを変えることにより、線量率を変えた。パルス当たりの線量は17Gy/パルス〜483Gy/パルスまで変化させた。パルス間隔は約100パルス/秒(pps)〜約1800ppsまで変えた。キログレイでの総線量をパルス持続時間およびパルス当たりの線量から計算した。
【0136】
連続照射源は、マサチューセッツ州ウィルミントンのエネルギーサイエン社(Energy Sciences, Inc. of Wilmington, Massachusetts)製のCB−175エレクトロカーテン(ELECTROCURTAIN)加速電子源であった。連続照射試料を、加速電圧を180kVとし、線量率を電子ビーム電流を変更することにより変えた以外は、WO00/04055の実施例5に従って作製した。
【0137】
残渣モノマーの蒸発を防ぐために、e−ビーム照射直後に、照射接着フィルム試料を剥離ライナでカバーした。これらのカバー試料を、試験するまで(数日間)保管のためにジップロック(ZIPLOC)バッグに入れた。残渣、ゲルおよび膨潤測定のための試料を接着試料の最も均一に照射された部分からダイカットした。厚さ43.5ミクロンのファーウェストテクノロジー(Far West Technologies)線量計チップを用いて線量計により照射均一性を求めた。パーセント変換率を測定し、各組の条件について線量を計算した。実験変数について計算された線量に対して変換パーセントをプロットし、プロットを97%の変換率まで外挿した。特に断りのない限り、約97%の変換率で得られた条件のみ(外挿)を電子ビーム源で照射した試料について記録した。
【実施例】
【0138】
実施例1
実施例1は、外挿変換率約97%を得るために必要な総線量でのパルス当たりの線量の影響を示す。
【0139】
0℃の温度でシロップAを用いてパルス化電子ビーム照射を行うことにより感圧接着剤試料を作製した。試料Aについてのパルス源はPYXIS源、試料B〜PについてはNSRC源であった。パルス繰り返し数およびパルス当たりの線量を変え、総線量を計算した。
【0140】
各コート試料の変換パーセントを測定した。約97%の変換率が得られた外挿条件を表1に記録した。
【0141】
表1
Figure 2004532323
【0142】
表1および図3に示すように、約97%の変換率を得るのに必要な線量は、全パルス繰り返し数でのパルス当たりの線量で略直線的に増大した。パルス当たりの線量の増大に伴うエネルギー効率の損失は、高パルス繰り返し数でより顕著であった。約97%の変換率を得るために必要な総線量は、パルス繰り返し率およびパルス当たりの線量が増大するにつれてより急激に増大した。パルス繰り返し数が減少するにつれて(150pps)、均一重合を行う時間が増えるため、曲線は急勾配ではない。このように、次のパルスが導入される前に僅かの残存する遊離基が重合を続ける時間を増やすことによって、パルス当たり高線量で導入された空間の重なりの多さが、ある程度相殺された。
【0143】
選択した試料の剥離接着力および剪断強度について試験した。結果を表2に示す。
【0144】
表2
Figure 2004532323
【0145】
表2に示すように、剥離接着力は最大値に達し、線量が増えるにつれて一定して減少した。剪断強度は高線量レベルで減少し始めた。
【0146】
実施例2
実施例2は、約97%の変換率を得るための能力に与えるパルス当たりの低線量および高線量率の影響を示す。
【0147】
様々なパルスレートおよび両源からのパルス当たりの線量で実施例2の試料を実施例1と同様にして作製した。約97%の変換率を有する重合感圧接着剤コーティングを得るのに必要なプロセス変数および得られる線量値を表3に示す。
【0148】
表3
Figure 2004532323
【0149】
表3および図4に示すように、変性シロップについて、実施例1で用いたのと同様の高線量レートおよびパルス当たりの低線量で約97%の変換率が得られた。実施例1の結果と一致して、上記の結果によれば、パルス繰り返し数が増大するにつれて、高変換率に必要とされる総線量が増大したことが示された。しかしながら、パルス繰り返し数が増大するにつれて変換効率のこの損失は、パルス繰り返し数が500〜600ppsを超えて増大すると、特にパルス当たり低線量については(20〜30グレイ)、大幅に減っていった。さらに、電子トラックの計算された空間の重なりはパルス当たり低線量では排除された。
【0150】
実施例3
実施例3は、変換率約97%を得るために必要な照射時間に与えるパルス条件の影響を示す。
【0151】
実施例3の試料3D、3F、3H、3Rおよび3Xを、様々なパルス繰り返し数およびパルス当たりの線量で実施例1と同様にして作製した。残りの試料は参照番号により示されるように実施例1および2と同じであった。試料Uについてのパルス源はPYXIS源、試料A〜TおよびV−AAについてはNSRC源であった。約97%の変換率を有する重合感圧接着コーティングを得るのに必要なプロセス変数を表4に示す。
【0152】
表4
Figure 2004532323
【0153】
異なる線量率で2種類のシロップのうち一方で作製した試料に連続照射することにより、比較例を作製した。シロップA(88:12)およびシロップ(90:10)の両方を用いた。照射条件および組成を表5に示す。
【0154】
表5
Figure 2004532323
【0155】
約97%の変換率まで感圧接着剤を重合するためのパルス化電子ビーム照射を連続電子ビーム照射との比較を示すために、表4および5のデータを図5に示す。表4および5に示す照射時間および線量率を、パルス化電子ビーム照射プロセスの様々な線量/パルスおよびパルス繰り返し数について、連続電子ビーム照射プロセスにより様々な線量率について必要な同様の照射時間と共に、プロットする。図5において、連続露光についての照射時間の線量率(初期レート)への依存性は、最上位または上部曲線により示されている。遊離基重合に予測されるように、照射時間は、線量率の平方根の略逆数として変化する。パルス化重合についての照射時間データはまた、線量率依存性の平方根の逆数に従うように見えるが、パルス当たりの線量に依存して、いくつかのかかる曲線となるようである。パルス当たりの線量の高い値(147〜483グレイ)だと、パルス化重合は、あまり効率的でないか、連続重合と同程度に効率的であるかのいずれかである。すなわち、同じ線量率で、連続重合に必要とされるものより長い、またはこれに等しいパルス化重合についての照射時間である。50および90グレイのパルス当たりの線量間で、パルス化重合は連続重合より幾分効率的である。40グレイ以下のパルス当たりの線量で、パルス化重合は連続重合より大幅に効率的である。曲線の線量率形状の平方根の逆数のために、約2秒の照射時間が、照射時間の実際の下限と考えられる。パルス当たりの低線量でのパルス化重合は、約80キログレイの総線量を必要とするが、連続重合は約2秒の同じ照射で約140キログレイの総線量を必要とする。パルス化e−ビーム重合の線量は、連続重合に必要とされる総線量の僅か約57%である。
【0156】
実施例4
実施例4は、重合特性に与えるパルス化電子ビーム照射の影響を示す。
【0157】
実施例4の試料を様々な照射時間で実施例1と同様にして作製した。パルス繰り返し数は1400ppsであり、パルス当たりの線量は17Gy/パルスであり、線量率は23.8kGy/sであり、照射時間は変換%のある範囲を有する試料を得られるようラインスピードを変化させることにより変えた。ゲル%、膨潤%および変換%を各試料について測定した。プロセス条件および試験結果を表6に示す。
【0158】
表6
Figure 2004532323
【0159】
0.67mAの電流でシロップAにより、線量率が23.8kGy/sとなる、異なる線量レベルが得られるような様々なラインスピードで、作製した試料に連続照射することにより比較例を作製した。各試料のゲル%、膨潤%および変換%を測定した。照射条件、ゲル%、膨潤%および変換%を表7に示す。
【0160】
表7
Figure 2004532323
【0161】
表6および7および図6に示すように、ゲル%および膨潤%の接着特性は、変換%が70%を超えるが、接着特性が低変換率で異なるときは、パルス化電子ビームか、連続電子ビーム照射のいずれかにより作製された接着剤について略同一である。
【0162】
実施例5
実施例5は、照射温度の変換%に与える影響を示す。
【0163】
実施例5の試料を2つの照射温度および様々な照射時間で実施例1と同様にして作製した。パルス繰り返し数は1400pps、パルス当たりの線量は17Gy/パルスおよび照射温度は約0℃に維持するか、最初は約25℃の室温にして試料の照射中に自由に上げるかのいずれかであった。変換%を各試料について測定した。
【0164】
初期照射温度、線量および変換%値を表8に示す。
【0165】
表8
Figure 2004532323
【0166】
表8および図7に示すように、同じレベルの変換率を達成するために、両方の温度で約50%までの変換率を得るための時間について、同様の線量が必要であった。しかしながら、25℃よりも0℃で略約50%を超える変換について、高いパーセント変換率が得られた。
【0167】
試料に各照射温度について、合計で58kGyの線量を照射した。各試料について剥離強度および剪断時間を測定した。結果を表9に示す。記録した剥離強度は2回の測定の平均であり、記録した剪断時間は4回の測定の平均である。
【0168】
表9
Figure 2004532323
【0169】
表9に示すように、温度は剪断強度に影響するが剥離接着力には影響しなかった。
【0170】
実施例6
実施例6は、周囲温度未満の照射の変換%に与える影響を示す。
【0171】
実施例6の試料を2つの照射温度および様々な照射時間で実施例1と同様にして作製した。パルス繰り返し数は360pps、パルス当たりの線量は48Gy/パルスおよび照射温度は約0℃か、約−78℃(氷をドライアイスに代える)のいずれかに維持した。変換%を各試料について測定した。
【0172】
初期照射温度、線量および変換%値を表10に示す。
【0173】
表10
Figure 2004532323
【0174】
表10に示すように、両方の温度で約50%までの変換率を得るには同様の線量が必要であった。
【0175】
実施例7
実施例7は、パルス化電子ビームのみ対パルス化電子ビームの後連続電子ビームによる順次照射を用いた重合の影響を示す。
【0176】
360ppsで、線量率17kGy/秒でのPYXISパルス化源により、実施例1と同様のやり方で実施例7の試料を作製した。露光時間を変えて、特性の線量を得た。この照射工程が完了した後、残渣モノマーの蒸発を防ぐために、フィルムを剥離ライナで即時にカバーした。いくつかの試料について、剥離ライナを除去し、試料を周囲温度で、25ft/分のウェブ速度で、選択した線量を得るために異なる電流設定(異なる線量率となる)でCB−175連続電子ビーム源のビーム経路を通して移動した。第2の照射直後に、試料を再び剥離ライナでカバーした。各条件で単一試料の変換%を試験した。プロセス条件および試験結果を表11に示す。
【0177】
表11
Figure 2004532323
【0178】
表11に示すように、パルス化電子ビーム照射による60kGyの線量で、およびパルス化電子ビーム照射の後連続電子ビーム照射の組み合わせによる90kGyで、約97%の変換率を得ることができた。50%の変換率でパルス化電子ビーム重合を中断し、連続で完了するのに相当に有効であるが、変換率が約70%に達する場合、良好な残渣減少が達成される。これは、図6に示す曲線の収束と一致する。この点で、パルス化重合の更なる大きな利点が得られるとはもはや考えられない。しかしながら、重合を中断しても、変換率にある程度必要な総線量を増大するとは考えられない。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】遊離基およびモノマーの濃度対時間を含む、加速電子のパルスを用いた重合の運動シミュレーションを示すグラフ。
【図2】遊離基濃度対異なる3つのパルス繰り返し数でのパルスを含む、本発明の方法の実施形態のシミュレーションを示すグラフ。
【図3】変換率線量対異なる3つのパルス繰り返し数を用いた線量/パルスのグラフ。
【図4】変換率線量対2台の異なるe−ビーム機(NSRCとPYXIS)からのいくつかの異なる線量/パルスレベルについてのパルス繰り返し数のグラフ。
【図5】滞留時間対いくつかの異なる線量/パルスレベルについての線量率のグラフ。
【図6】ゲルおよび膨潤のパーセンテージ対加速電子パルスを用いた方法および電子の連続ビームを用いた方法についての重合の異なる段階での組成物中の残渣のパーセンテージを示すグラフ。
【図7】重合の異なる段階での残渣モノマーのパーセンテージ対加速電子のパルス化方法を用いた摂氏0度および摂氏25度での重合温度についての線量を含むグラフ。

Claims (22)

  1. a.基材を提供する工程と、
    b.前記基材の少なくとも一部を重合性組成物でコーティングする工程と、
    c.加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、
    d.前記重合性組成物に、前記加速電子のパルスを照射して、前記重合性組成物を重合する工程とを含む重合方法。
  2. 前記重合性組成物が、少なくとも1種類の重合性モノマー、少なくとも1種類のオリゴマーまたはそのブレンドを含む請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1種類の重合性モノマーがC8〜13のアルキルアクリレートモノマーを含む請求項2記載の方法。
  4. 前記C8〜13のアルキルアクリレートが、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレートおよびトリデクルアクリレートからなる群より選択される請求項3記載の方法。
  5. 前記少なくとも1種類の重合性モノマーが、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒダントインヘキサアクリレートおよびトリメチロールプロピレントリアクリレートからなる群より選択される請求項2記載の方法。
  6. 前記重合性組成物がさらに少なくとも1種類のコモノマーを含む請求項2記載の方法。
  7. 前記少なくとも1種類のコモノマーが、アクリル酸、イソボルニルアクリレート、オクチルアクリルアミドおよびn−ビニルピロリドンからなる群より選択される請求項6記載の方法。
  8. 前記重合性組成物がさらに架橋剤を含む請求項2記載の方法。
  9. 前記重合性組成物がさらに増稠剤を含む請求項2記載の方法。
  10. 約1.5秒〜約5秒の滞留時間の間、前記重合性組成物に加速電子のパルスを照射する請求項1記載の方法。
  11. 前記重合性組成物に約500Gyまでのパルス当たりの線量を有する前記加速電子のパルスを照射する請求項1記載の方法。
  12. 前記重合性組成物に、1秒当たり約25〜約3,000パルスのパルス繰り返し数で前記加速電子のパルスを照射する請求項1記載の方法。
  13. 前記重合性組成物に、約10〜30Gyのパルス当たりの線量を有する前記加速電子のパルスを照射する請求項12記載の方法。
  14. 前記重合性組成物に、20℃未満の温度で前記加速電子のパルスを照射する請求項1記載の方法。
  15. 前記重合性組成物に、20℃未満の温度で、前記重合性組成物を照射する最初の時間の40%〜70%にわたって前記加速電子のパルスを照射する請求項1記載の方法。
  16. 前記重合性組成物が単相で不均一重合される請求項1記載の方法。
  17. 前記重合性組成物が、前記重合性組成物に前記加速電子のパルスを照射することにより不均一重合される請求項1記載の方法。
  18. a.基材を提供する工程と、
    b.前記基材の少なくとも一部を重合性組成物でコーティングする工程と、
    c.加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、
    d.前記重合性組成物に、前記加速電子のパルスを照射して、前記重合性組成物を部分的に重合する工程と、
    e.加速電子の連続ビームを生成可能な電子ビームを提供する工程と、
    f.前記部分的に重合された重合性組成物に、前記加速電子の連続ビームを照射して、前記部分的に重合された重合組成物をさらに重合する工程とを含む重合方法。
  19. a.基材を提供する工程と、
    b.前記基材の少なくとも一部を重合性組成物でコーティングする工程と、
    c.加速電子のパルスを生成可能な電子ビームを提供する工程と、
    d.前記重合性組成物に20℃未満の温度で前記加速電子のパルスを照射して、感圧接着剤物品の前記重合性組成物を重合する工程とを含む感圧接着剤物品を重合する方法。
  20. 前記感圧接着剤物品の変換率が90wt%を超える請求項19記載の方法により製造された感圧接着剤物品。
  21. 前記感圧接着剤の剪断接着力時間が300分を超える請求項19記載の方法により製造された感圧接着剤物品。
  22. 前記感圧接着剤のガラスに対する剥離接着力が25N/dmを超える請求項19記載の方法により製造された感圧接着剤物品。
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