JP2004524810A - Cripto変異体およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、各々、CRIPTOポリペプチドからの少なくとも1つのアミノ酸置換を有するCRIPTO変異体が腫瘍のブロッキング効果を示すことを発見したことに基づく。本発明は、CRIPTO変異体(これらのCRIPTO改変体およびフラグメントを含む)、好ましくは、CRIPTOポリペプチドのフコシル化部位に少なくとも1つのアミノ酸置換を有するCRIPTO変異体に関し、ここで、このアミノ酸は、CRIPTOポリペプチドに存在するアミノ酸と異なる、別のアミノ酸で置換される。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、CRIPTO変異体およびその使用に関する。
【0002】
(発明の背景)
CRIPTO−1(CR−1、ヒト;Cr−1、マウス)(これはまた、奇形癌由来増殖因子−1(米国特許第5,792,616号;同第5,256,643号;同5,654,140号)として公知である)、およびCRIPTO−3(CR−3、ヒト;Cr−3、マウス)(米国特許第5,264,557号;同第5,620,866号;同第5,650,285号)(これらは、本明細書中においてCRIPTOと総称される)は、EGF関連タンパク質である。これらの遺伝子は、発達中の胚、正常な成体の組織、および腫瘍細胞(乳癌細胞および結腸癌細胞が挙げられるが、これらに限定されない)において発現される。
【0003】
本発明の発見は、図1に示されるような、CRIPTOポリペプチドのアミノ酸残基スレオニン−88で、哺乳類細胞において発現されたCRIPTOが、O結合型フコース(O結合型グリコシル化の異常形態)によって修飾されることである。タンパク質にフコース修飾を付与する酵素は、7つのアミノ酸立体配置(「フコシル化部位」)を認識する。本発明の発見は、特にN−1位(すなわち、図1に示されるCRIPTOポリペプチド由来のグリシン残基86)およびN−2位(図1に示されるCRIPTOポリペプチド由来のグリシン残基87)における2つの残基が、スレオニン−88のフコシル化が発生するために必要とされることである。さらに、本発明の発見は、CRIPTOの非フコシル化形態(これは、機能性アンタゴニストとして作用する)が抗腫瘍活性を有することである。機能性アンタゴニストとして作用し得るCRIPTOの非フコシル化形態として、CRIPTOの、CRIPTO結合パートナーとの結合を変化させる変異体CRIPTOポリペプチドが挙げられるが、これに限定されない。任意の可溶性EGFリガンド(すなわち、上皮増殖因子、トランスホーミング増殖因子α、ヘレグリン(heregulin))における、O結合型フコース修飾についての根拠はない。
【0004】
診断的展望または治療的展望から、所望の抗発癌性特性を有するCRIPTO変異体の開発について、考慮すべき興味が存在する。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、CRIPTO変異体(これらのCRIPTO改変体およびフラグメントを含む)、好ましくは、CRIPTOポリペプチドのフコシル化部位に少なくとも1つのアミノ酸置換を有するCRIPTO変異体に関し、ここで、このアミノ酸は、CRIPTOポリペプチドに存在するアミノ酸と異なる、別のアミノ酸で置換される。
【0006】
1つの実施形態において、CRIPTOポリペプチドまたはその機能性フラグメントに由来する、少なくとも1つのアミノ酸残基は、CRIPTOポリペプチドに存在するアミノ酸と異なる、別のアミノ酸で置換され、ここで、このアミノ酸置換は、CRIPTOポリペプチドのアミノ酸配列の、アミノ酸残基86、87、および88からなる群より選択される。
【0007】
1つの実施形態において、CRIPTOポリペプチドは、配列番号1(全長CR−1)もしくは配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドまたはそれらの機能性フラグメント;関連するシグナルペプチドを欠く、配列番号1(全長CR−1)もしくは配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチド、またはそれらの機能性フラグメント;あるいは、配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]で示されるポリペプチドのドメインまたはそれらの機能性フラグメント、からなる群より選択される。好ましい実施形態において、この1つ以上の置換は、アラニンまたはグリシンからなる群より選択されるアミノ酸である。
【0008】
別の実施形態において、CRIPTO変異体は、CRIPTOポリペプチドの88位での脱フコシル化修飾を含む。このCRIPTOポリペプチドは、配列番号1(全長CR−1)もしくは配列番号2(全長CR−3)で示されるポリペプチドまたはそれらの機能性フラグメント;関連するシグナルペプチドを欠く、配列番号1(全長CR−1)もしくは配列番号2(全長CR−3)で示されるポリペプチドまたはそれらの機能性フラグメント;あるいは、配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]で示されるポリペプチドのドメインまたはそれらの機能性フラグメント、からなる群より選択される。
【0009】
上記のCRIPTO変異体およびそれらの機能性フラグメントをコードする、核酸配列もまた提供される。1つの実施形態において、本発明は、ハイブリダイゼーションプローブ(配列番号36(CR−1)または配列番号37(CR−3)のコード配列、あるいは、配列番号36(CR−1)または配列番号37(CR−3)のコード配列の相補体からなるプローブのヌクレオチド配列)にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列をコードし、そして少なくとも1つのアミノ置換をさらに含む。ここでこのアミノ酸置換は、CRIPTOポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸残基86、87、および88からなる群より選択される。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、上記のCRIPTO変異体に従う変異体CRIPTOポリペプチドおよびそれらの機能性フラグメントを含み、そして、異種ポリペプチドをさらに含む、キメラ分子を提供する。1つの実施形態において、この異種ポリペプチドは、変異体CRIPTOポリペプチドのC末端に融合される。代替の実施形態において、この異種ポリペプチドは、変異体CRIPTOポリペプチドのN末端に融合される。この異種ポリペプチドとして、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン、ポリメラーゼ活性化ドメイン、ヒスチジンタグ、HSAタグ、エピトープタグ配列および免疫グロブリンのFc領域が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、上記のCRIPTO変異体に従う変異体CRIPTOポリペプチドを含み、そして、合成ポリマーをさらに含む、キメラ分子を提供する。合成ポリマーの非限定的な例として、PEG(ポリエチレングリコール)が挙げられる。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、有効量の上記の修飾ポリペプチドに腫瘍細胞を曝露する工程を含む、腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。特定の実施形態において、この腫瘍細胞は、インビボで曝露される。別の特定の実施形態において、この腫瘍細胞は、インビトロで曝露される。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、有効量の上記ポリペプチドを被験体に投与する工程を含む、所望されない細胞増殖に関連する疾患の進行、重症度または影響を処置するかまたは減少させる方法を提供する。特定の実施形態において、この疾患または状態は、所望されない細胞増殖に関連する。第2の特定の実施形態において、所望されない細胞増殖に関連するこの疾患または状態は、癌である。第3の特定の実施形態において、この癌は、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、結腸直腸癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌、膀胱癌、中枢神経系癌、黒色腫または白血病からなる群より選択される。
【0014】
上記の、ならびに上記以外の、本発明の目的、特徴、局面および利点、ならびに本発明自体は、以下の、好ましい実施形態の説明からより完全に理解される。
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明の発見は、哺乳類細胞において発現されるヒトCRIPTOがフコース基により「フコシル化部位」で修飾されること、および、この修飾が生理活性のために重要であることである。フコシル化部位内に修飾を伴うCRIPTOポリペプチドは、CRIPTO機能をブロックし得、従って、これらのCRIPTO改変体が機能性変異体として役立つことを可能にする。
【0016】
(配列表の簡単な説明)
配列番号1−全長CRIPTO−1(CR−1)−アミノ酸残基1〜188
配列番号2−全長CRIPTO−3(CR−3)−アミノ酸残基1〜188
配列番号3−アミノ酸残基31〜169のCR−1
配列番号4−アミノ酸残基38〜169のCR−1
配列番号5−アミノ酸残基75〜112のCR−1
配列番号6−アミノ酸残基31〜169のCR−1−Fc
配列番号7−アミノ酸残基38〜169のCR−1−Fc
配列番号8−アミノ酸残基75〜112のCR−1−Fc
配列番号9−全長CR−1+T88A
配列番号10−アミノ酸残基31〜169のCR−1+T88A
配列番号11−アミノ酸残基38〜169のCR−1+T88A
配列番号12−アミノ酸残基75〜112のCR−1+T88A
配列番号13−アミノ酸残基31〜169のCR−1−Fc+T88A
配列番号14−アミノ酸残基38〜169のCR−1−Fc+T88A
配列番号15−アミノ酸残基75〜112のCR−1−Fc+T88A
配列番号16−アミノ酸残基31〜169のCR−3
配列番号17−アミノ酸残基38〜169のCR−3
配列番号18−アミノ酸残基75〜112のCR−3
配列番号19−アミノ酸残基31〜169のCR−3−Fc
配列番号20−アミノ酸残基38〜169のCR−3−Fc
配列番号21−アミノ酸残基75〜112のCR−3−Fc
配列番号22−全長CR−3+T88A
配列番号23−アミノ酸残基31〜169のCR−3+T88A
配列番号24−アミノ酸残基38〜169のCR−3+T88A
配列番号25−アミノ酸残基75〜112のCR−3+T88A
配列番号26−アミノ酸残基31〜169のCR−3−Fc+T88A
配列番号27−アミノ酸残基38〜169のCR−3−Fc+T88A
配列番号28−アミノ酸残基75〜112のCR−3−Fc+T88A
配列番号29−プライマー NEW−547
配列番号30−プライマー NEW−587
配列番号31−プライマー NEW−588
配列番号32−プライマー NEW−423
配列番号33−プライマー NEW−670
配列番号34−プライマー NEW−658
配列番号35−プライマー NEW−659
配列番号36−CR−1をコードする核酸配列
配列番号37−CR−3をコードする核酸配列
(選択された定義)
本明細書中で用いられる用語(「DNA」、「遺伝子」、「ポリペプチド」、「アミノ酸」などを含む)は、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、遺伝子組換え生物学、微生物学、組換えDNAまたは遺伝子工学、および免疫学の分野における、技術的に認識されているそれらの意味で用いられる。このような意味は、広範に入手可能な以下の文献の1つ以上の参照によって決定される:Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版(Sambrook、FritschおよびManiatis編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989;DNA Cloning,第I巻および第II巻(Glover編)、1985;Oligonucleotide Synthesis(Gait編),1984;米国特許第4,683,195号、発明者Mullisら;Nucleic Acid Hybridization(HamesおよびHiggins編),1984;Transcription and Translation(HamesおよびHiggins編),1984;Culture of Animal Cells(Freshney),Alan R.Liss、1987発行;Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press),1986;A Practical Guide to Molecular Cloning(Perbal),1984;Current Protocols in Molecular Biology,Wiley & Sons、1989発行;Methods in Enzymology,Academic Press,New York,NY(特に第154巻および第155巻);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(MillerおよびCalos編),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1987;Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(MayerおよびWalker編),Academic Press,London,1987;Handbook of Experimental Immunology,第I〜IV巻(WeirおよびBlackwell編)、1986;ならびに、Manipulating the Mouse Embryo,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1986。
【0017】
本明細書中で用いられる場合、「CRIPTOポリペプチド」は、天然に存在する任意のCRIPTOタンパク質またはCRIPTOポリペプチドであり、これらとして例えば、配列番号1に示されるようなCRIPTO−1または配列番号2に示されるようなCRIPTO−3、あるいはそれらのフラグメントまたは改変体が挙げられる。改変体は、アミノ酸配列において、または、配列と関係ない様式で、あるいはその両方において、天然に存在するCRIPTOポリペプチドと異なり得る。アミノ酸配列における改変体は、天然に存在するCRIPTOポリペプチドにおける1つ以上のアミノ酸が異なる天然アミノ酸、アミノ酸誘導体または非天然アミノ酸で置換される場合に、作製される。特に好ましい置換改変体として、1つ以上の保存的なアミノ酸置換によって、野生型配列と異なる、天然に存在するCRIPTOポリペプチド、またはそれらの、生物学的に活性な固有のフラグメントが挙げられる(このアミノ酸置換は代表的に、このタンパク質またはペプチドの2次構造および疎水的性質に対して最小の影響しか有さない)。保存的な置換として、代表的に、1つのアミノ酸の、類似の特性を有する別のアミノ酸との置換(例えば、以下の群内の置換:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラニン、チロシン)が挙げられる。他の保存的な置換は、Atlas of Protein Sequence and Structure(Dayhoffら編),1978において定義されるような、「一般に認められる点変異」についての基準を満たす置換である。PCT公開番号WO97/44460もまた参照のこと。改変体は、天然に存在するか、あるいは合成技術または分子操作技術を通じて産生され得る。当業者は、操作されたCRIPTO改変体が、(例えば、精製の容易化、安定性の改善、生物学的機能の調節などにおける)有利な性質を提供し得ることを、理解および認識する。
【0018】
本明細書中で用いられる場合、「CRIPTO変異体」は、CPIPTOポリペプチドからの少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸(これは、CRIPTOポリペプチド中に存在するアミノ酸と異なり、かつCRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合をブロックまたは阻害し得る)で置換された、CRIPTOポリペプチドまたはCRIPTO改変体である。1つの実施形態において、このアミノ酸置換として、CRIPTOポリペプチドまたはCRIPTOタンパク質のアミノ酸配列のアミノ酸残基86、87または88が挙げられるが、これらに限定されない。CRIPTO変異体結合は、CRIPTOとCRIPTO結合パートナーとの連結によって他の様式では誘発される細胞応答を、ブロックまたは阻害する。好ましい実施形態において、CRIPTO変異体は、CRIPTO結合パートナーとのCRIPTO結合を、約20%、約30%、約40%または約50%、阻害またはブロックし得る。
【0019】
本明細書中で用いられる場合、変異体CRIPTOポリペプチドの「機能性フラグメント」は、全長ポリペプチドより短いポリペプチドフラグメントであり、そして、CRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合をブロックまたは阻害する能力を有する。好ましい実施形態において、この機能性フラグメントは、CRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合を、約20%、約30%、約40%または約50%、阻害またはブロックし得る。変異体CRIPTOポリペプチドのフラグメントが機能性であるか否かを証明する方法は、当該分野において公知である。例えば、目的のフラグメントは、組換え方法、合成方法、またはタンパク質分解消化方法のいずれかによって作製され得る。次いで、このようなフラグメントは単離され得、そして、競合的ブロック実験を含む、当業者に公知の方法による手順によって、CRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合をブロックまたは阻害する能力について試験され得る。
【0020】
本明細書中で用いられる場合、「腫瘍細胞の増殖を阻害する」とは、コンピューター断層撮影法(CT)(これは、胸部、腹部、骨盤および頭部における罹病部位をモニターするために、代表的に用いられる);磁気共鳴画像法(MRI)(これは、腹部、骨盤、脳、脊椎および他の骨における罹病部位をモニターするために、代表的に用いられる);乳房X線撮影(これは、乳房における罹病部位をモニターするために代表的に用いられる)を含む、放射線学的画像法技術によって腫瘍をモニターする工程を含む当業者に公知の技術によって測定される場合、腫瘍細胞の成長または増殖を、約20%、あるいは約30%、約40%または好ましくは約50%、阻害またはブロックし得る、分子を意味する。当業者に公知の腫瘍マーカーの例として、結腸直腸癌の患者を疾患の進行についてモニターするため、ならびに、診断またはより後の疾患過程で、癌胎児抗原(CEA)レベルの実証された増大を伴う、例えば胃腸腫瘍または乳房腫瘍の患者をモニターするためにしばしば用いられる、癌胎児抗原(CEA);膵臓癌の患者をモニターするためにもっとも一般的に用いられるが結腸直腸癌においても増大する、CA19−9;乳癌の患者においてしばしば増大する、CA15−3およびCA27.29(CAは癌抗原を意味する)が挙げられる。
【0021】
本明細書中で用いられる場合、「異種」は、比較される実体の残りと異なる実体に由来することを意味する。異種の例は、遺伝子操作技術によって、異なる種由来のプラスミドまたはベクターに導入されたポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチドである。DNA結合ドメイン、ヒスチジンタグ;エピトープタグ配列。
【0022】
本明細書中で用いられる場合、「Fc領域」とは、CH2領域、CH3領域およびヒンジ領域を含むが抗原結合部位を欠く、抗体の部分をいう。
【0023】
本明細書中で用いられる場合、「フコシル化部位」は、特定のアミノ酸残基に対するフコース基に特徴的な146ダルトンの質量付加の同定によって、質量分析を用いて実験的に定義され得る、アミノ酸配列である。
【0024】
本明細書で用いられる場合、CRIPTOポリペプチドが以下の性質のうちの少なくとも1つを有する場合、CRIPTOポリペプチドは「活性」を有する:(i)smad2のリン酸化を誘導する;(ii)FAST調節エレメント−ルシフェラーゼレポーター構築物の誘導によって測定される、FAST依存活性を調節する;(iii)ボイデンチャンバー遊走アッセイにおける、乳腺細胞株の移動を刺激する;(iv)コラーゲンゲルにおける、乳房上皮細胞の分枝を刺激する(Ebertら、Exp Cell Res 25:223〜229,2000を参照のこと)。CRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合をブロックする変異体CRIPTOは、野生型CRIPTOと比較して、これらの活性のレベルの減少を示す。例えば、本明細書中に定義されるCRIPTO変異体は、コントロールと比較した場合、20%、好ましくは30%、そしてより好ましくは50%少ないSMAD2のリン酸化を生じる。あるいは、CRIPTO結合パートナーとのCRIPTOの結合をブロックする変異体CRIPTOは、FAST調節エレメント(すなわち、ルシフェラーゼレポーター)の阻害によって測定されるFAST依存活性を、コントロールと比較した場合、20%、好ましくは30%、さらに好ましくは50%、調節する。
【0025】
本明細書中で用いられる場合、「脱フコシル化改変」とは、フコース基の化学的または酵素的な除去を意味する。例えば、本明細書中で用いられる場合の本発明のCRIPTOポリペプチド上のThr88におけるフコースは、フコシダーゼによって酵素学的に除去され得るか、あるいは、本発明のCRIPTOポリペプチド上のThr88におけるフコースは、酸処理によって化学的に除去され得る。
【0026】
本明細書で用いられる場合、核酸サンプルへのオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションは、代表的に、「ストリンジェントな条件」下で行われる。核酸二重鎖または核酸ハイブリッドの安定性は、融解温度またはTm(これは、プローブが標的DNAから解離する温度である)として表される。この融解温度は、必要なストリンジェンシー条件を定義するために用いられる。関連があり、かつ(同一ではないが)実質的に同一な配列が同定される場合、特定の塩(例えば、SSCまたはSSPE)濃度で、相同的なハイブリダイゼーションのみが発生する最低温度を最初に確立することは、有用である。次いで、1%の不一致がTmの1℃の低下を生じると仮定すると、それに応じて、ハイブリダイゼーション反応における最終的な洗浄の温度は減少する(例えば、プローブと、95%を超える同一性を有する配列が探索される場合、最終的な洗浄の温度は5℃低下する)。実際には、Tmの変化は、1%の不一致当たり0.5℃〜1.5℃であり得る。ストリンジェントな条件は、5×SSC/5×デンハート液/1.0%SDS中で68℃でハイブリダイゼーションする工程、および、0.2×SSC/0.1%SDS中で室温で洗浄する工程を含む。「中程度にストリンジェントな条件」は、3×SSC中で42℃で洗浄する工程を含む。塩濃度パラメーターおよび温度パラメーターは、プローブと標的核酸との間の最適なレベルの同一性を達成するために変動し得る。このような条件に関するさらなる手引きは、例えば、Sambrookら(上記);およびAusubelら(上記)によって、当該分野において容易に利用可能である。
【0027】
(本発明の化合物の治療的な使用)
本発明は、本発明の薬学的組成物の投与による、種々の疾患および障害の処置または防止を提供する。
【0028】
特定の実施形態において、本発明の薬学的な組成物は、被験体における所望されない細胞増殖を処置または防止するために用いられる。興味深い実施形態において、本発明の薬学的な組成物は、腫瘍(これらは、増殖についてCRIPTOタンパク質に依存する)の増殖を阻害またはブロックするために、治療的に用いられ得る。特定の局面において、所望されない細胞増殖に関連する疾患または状態は、癌である。好ましい実施形態において、この癌は、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、結腸直腸癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌、膀胱癌、中枢神経系癌、黒色腫または白血病からなる非限定的な群より選択される。
【0029】
(薬学的組成物)
本発明は、有効量の本発明の薬学的組成物の、被験体への投与による、処置方法を提供する。好ましい局面において、この薬学的組成物は、十分に精製されている。本明細書中で用いられる場合、用語「被験体」は、本発明の薬学的組成物が投与され得る任意の哺乳動物を意味するために採用される。本発明の方法を用いる処置に特に意図される被験体として、ヒト、ならびに非ヒト霊長類、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター、アレチネズミ、ラットおよびマウスが挙げられる。
【0030】
本発明の薬学的組成物は、好ましくは、ヒトにおける使用の前に、所望の結果についてインビトロで試験され、次いで、インビボで試験される。種々の特定の実施形態において、例えば、実施例4に記載されるように、被験体の障害に関与する細胞型の代表的な細胞(例えば、乳癌細胞)を用いて、CRIPTO変異体がこのような細胞型に対して所望の影響を有するか否かを決定するために、インビトロアッセイが行われ得る。
【0031】
一般に、本発明の化合物は、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤中で、懸濁、溶解、または分散される。得られた薬学的組成物は、被験体のホメオスタシス(特に、電解質バランス)に不利に影響しない。従って、例示的なキャリアは、通常の生理食塩水(0.15MのNaCl、pH7.0〜7.4)を含む。他の受容可能なキャリアは当該分野において周知であり、そして、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Gennaro編,Mack Publishing Co.,1990に記載される。受容可能なキャリアとしては、生体適合性であるか、不活性であるか、または生体吸収性である塩、緩衝剤、オリゴ糖または多糖、ポリマー、増粘剤、保存剤などが挙げられ得る。いくつかの実施形態において、用語「キャリア」は、リポソームおよびHIV−1 tatタンパク質(Chenら、Anal.Biochem.227:168〜175,1995を参照のこと)ならびに任意のプラスミド発現ベクターおよびウイルス発現ベクターを包含する。
【0032】
本発明の任意のCRIPTO変異体は、薬学的に受容可能な塩の形態で用いられ得る。本発明のポリペプチド、核酸およびベクターと塩を形成し得る、適切な酸および塩基としては、当業者に周知であり、そして無機および有機の、酸および塩基が挙げられる。
【0033】
本発明のCRIPTO変異体は、キャリアにおいて、治療的に有効な量(これは検出可能な(好ましくは、医学的に有益な)効果を被験体において生じるために十分な量である)の化合物を被験体に送達するために十分な濃度にまで分散される。医学的に有益な効果として、被験体の医学的状態の悪化の防止、遅延または減弱、あるいは、被験体の医学的状態を検出可能に改善することが挙げられる。医学的に有益な効果を生じるCRIPTO変異体の濃度または量は、本発明が実施される状況に伴ってかなり変動することが予測される。有効量は、通常の技術を有する医師または開業医によって、慣用的な実験法のみを介して決定され得る。例えば、所望でない細胞の増殖の状態の指標は、例えば、上記のCEA、CA19−9、CA15−3、CA27.29またはCA15−3のレベルを測定する、1つ以上の慣用的な実験室での試験を用いてモニターされ得る。これらの試験によって測定されたパラメーターは、疾患の進行または退行を評価するために、医師によって用いられ得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、CRIPTO変異体は、リポソーム送達システムにおいて処方され、これらとして、任意の種々の単層ベシクル、複層ベシクル、または安定な多層ベシクルが挙げられるがこれらに限定されず、これらは全て、当業者に周知の方法に従って(例えば、米国特許第5,169,637号、同第4,762,915号、同第5,000,958号または同第5,185,154号の教示に従って)、調製および投与され得る。さらに、リポソームへの本発明の新規なポリペプチド、ならびに選択された他のポリペプチドの結合を増強するために、リポタンパク質としてこれらのポリペプチドを発現することが、所望であり得る。例えば、所望されない細胞増殖に関連する疾患または状態の、リポソーム被包性CRIPTO変異体を用いる処置は、リポソームを用いるこのような治療を必要とする患者にCRIPTO変異体を導入する工程によって、インビボで行われ得る。このリポソームは、カテーテルを介して、被験体の動脈に送達され得る。被胞性タンパク質は、所望されない細胞増殖の阻害への任意の影響について、インビトロで試験され得る。
【0035】
(投与経路)
本発明の化合物は、医学的に受容可能な任意の様式において投与され得る。特定の状況に依存して、局所投与または全身投与が所望であり得る。好ましくは、この化合物は、非経口経路を介して(例えば、脈管内、静脈内、動脈内、皮下、筋内、腫瘍内、眼窩内、心室内、腹腔内、被膜下、頭蓋内、脊椎内、あるいは鼻腔内の、注射、注入または吸入によって)投与される。この化合物はまた、被験体への、注入ポンプ、または、生体適合性もしくは生体侵食性(bioerodable)の徐放性インプラントの移植、あるいは、(例えば、腎動脈における)カテーテルの導入によって、投与され得る。あるいは、本発明の特定の化合物、またはそれらの処方物は、経口投与または経腸投与のために適切であり得る。本発明のさらに他の化合物は、局所投与のために適切である。
【0036】
(処置レジメン)
個体に投与される、任意の特定のCRIPTO変異体を用いる処置の、適切な投薬量および頻度の決定は、通常の開業医の技術および臨床的判断に入る。一般的な投薬量および処置日程は、前臨床試験および臨床試験(これらは、化合物の最適な投与パラメーターを決定するための、広範であるが慣用的な研究を含む)によって確立される。このような勧告がなされた後でさえ、開業医はしばしば、種々の考慮(例えば、個体の年齢、医学的状況、体重、性別、および他の医薬品との同時発生的な処置)に基づいて、異なる個体に対してこれらの投薬量を変動させる。各CRIPTO変異体に対する最適な投薬量および投与レジメンを決定することは、製薬および医学の分野の当業者にとって慣用的な問題である。
【0037】
(実施例)
(実施例1:組換えCriptoの産生)
(A.CHO細胞におけるヒトCriptocC−Fcの発現および精製)
pSGS480と命名した発現プラスミドを、ヒトIgGFcドメイン(CR(cC)−Fc;配列番号6)に融合した、配列番号1のヒトCriptoアミノ酸残基メチオニン1〜セリン169をコードするcDNAをサブクローン化することによって、ベクターpEAG1100(構築物を、図2に概略的に示す)内に構築した。このベクターpEAG1100は、GIBCO−BRL Life Technologies プラスミド pCMV−Sport−betagal(CHO一過性トランスフェクションにおけるこの使用は、Schifferiら、1999、Focus 21:16に記載された)の誘導体である。このベクターを、プラスミドpCMV−Sport−Betagal(カタログ番号10586−014)からレポーター遺伝子β−ガラクトシダーゼのNotIフラグメントを除去することによって、以下のように産生した:このプラスミドをNotIおよびEcoRVで消化し、4.38kbのNotIベクター骨格フラグメントをゲル精製し、そして連結した。連結したDNAを、コンピテントなE.coli DH5alphaに形質転換した。pEAG1100を、単離された単一のコロニーから所望の組換え体を含むプラスミドとして単離した。プロモーター、ポリリンカーおよび転写終結シグナルにわたるpEAG1100の配列を確認した。
【0038】
プラスミドpSG480を、CHO細胞内に一時的にトランスフェクトし、そしてこの細胞を、28℃で7日間増殖させた。これらの細胞および馴化培地におけるCR(cC)−Fcタンパク質の存在を、ウエスタンブロット分析によって試験した。ウエスタンブロット分析のために、Criptoトランスフェクト細胞由来の馴化培地および細胞を、還元条件下において、4〜20%勾配のゲル上でのSDS−PAGEに供し、ニトロセルロースに電気泳動的に転写し、そしてCriptoを、Cripto 17マーペプチド(配列番号1の残基97〜113を含む)−キーホールリンペットヘモシアニン結合に対して惹起したウサギポリクローナル抗血清で検出した。遠心分離してこの細胞を除去した後、ウエスタンブロット分析は、CR(cC)−Fcタンパク質が馴化培地(上清)へと効率的に分泌されることを示した。この上清を、プロテインA−セファロース(Pharmacia)にアプライし、そして結合タンパク質を、25mMのリン酸ナトリウム(pH2.8)、100mMのNaClで溶出した。溶出されたタンパク質を、0.5Mのリン酸ナトリウム(pH8.6)で中和し、そして240〜340nmでの吸光度測定からタンパク質の総量について、および、SDS−PAGEによって純度について、分析した。溶出されたタンパク質を、0.2ミクロンのフィルターを通して濾過し、そして−70℃で貯蔵した。
【0039】
N末端配列決定を、Perkin−Elmer Applied Biosystems(PE−ABD)Procise HT配列決定装置(パルス液体モードで作動させた)上で実行した。得られたPTHアミノ酸を、PTH C18 2.1×250mmのカラムを備えるPE ABD 140C Microgradient Systemを用いて分離し、PE ABD 785A(プログラム可能な吸光度検出器)を用いて、オンラインで分析した。ABI 610Aデータ分析ソフトウェアを用いて、データを分析した。配列決定は、単一のN末端:L31GHQEFARを同定した。
【0040】
(B.CHO細胞におけるヒトCripto(75−112)−Fcの発現および精製)
pSGS422と命名した発現プラスミドを、本質的にはCR(cC)−Fc(図2)について上に記載したように、ベクターpEAG1100におけるヒトIgGFcドメイン(CR(75−112)−Fc、配列番号8)に融合した、配列番号1のヒトCripto−1残基75〜112に融合した、ヒトVCAM−1シグナルペプチドをコードするcDNAをサブクローン化することによって構築した。プラスミドpSGS422を、CHO細胞内に一時的にトランスフェクトした。CR(75−112)−Fcタンパク質は上清中に効率的に分泌された。そして、CR(75−112)−Fcタンパク質を、CR(cC)−Fcについて上に記載したように、プロテインAのクロマトグラフィーによって、馴化培地から精製した。
【0041】
(実施例2:CriptoでのO結合型グリコシル化の特徴付け)
精製された組換えhu CR(cC)−Fcおよび組換えhu CR(75−112)−Fcを、N−脱グリコシル化の前および後の質量分析によって特徴付けた。酵素または臭化シアンでの処置によるペプチドマッピングによって、逆相(rp)−HPLCによって分離され、そしてMALDIおよびエレクトロスプレー(ESI)質量分析によって特徴付けられるフラグメントを得た。ペプチドマッピング、質量分析法およびグリコシダーゼ処理による生化学的特徴づけにより、Asn−79を、約90%の占有率を有するN結合型グリコシル化部位として、そして、Ser−40およびSer−161を、それぞれ約80%および約40%の占有率を有するO結合型グリコシル化部位として、同定した。さらに、以下に詳述するように、単一のO結合型フコースを用いて、Thr88位でCriptoを修飾した。
【0042】
(A.CriptoのPNGase処理)
PNGase Fを、Oxford Glycosciencesから購入した。リン酸緩衝生理食塩水(pH7.6)、5mMのEDTA中のCR(cC)−Fc糖タンパク質を、5mMのジチオスレイトール(DTT)中で、室温で6時間還元し、次いで、1mgのCR(cC)−Fcあたり150ミリ単位のPNGase Fで、37℃で16時間処理した。N−脱グリコシル化された生成物を、三連四重極装置(Quattro II,Micromass,Manchester,UK)上で、ESI−MS分析によって分析した。
【0043】
N−脱グリコシル化および還元されたCR(cC)−Fcに対する、エレクトロスプレーイオン化質量分析のデータは、41116〜42870Daの範囲に及ぶ質量を有する、多くの種を示した(図3)。これらの多くの種は、残基31で始まり、そしてO結合型グリカン(HexNAc−Hex−NeuAc)で修飾されるCR(cC)−Fcに対して予測された質量と一致する、実測質量を有した。対照的に、多くの種が同定され、これらの質量は、利用可能ないかなる予測とも一致しないが、各々の種に対する146Daという質量の差異はフコース基の添加と矛盾しなかった(図3)。
【0044】
N−脱グリコシル化および還元されたCR(75−112)−Fcタンパク質の逆重畳積分された(deconvoluted)質量スペクトルもまた、予測されたよりも146Da高い質量(フコース修飾と矛盾しない)を有する多くの種を示した。
【0045】
(B.エンドプロテイナーゼLys−Cペプチドマッピング)
ヒトCripto配列における、明白な146Daの翻訳後修飾の同一性および結合位置を、ペプチドマッピングと質量分析との組み合わせを用いて、さらに決定した。図4は、用いたストラテジーおよび結果を概略的に示す。
【0046】
後のペプチドマッピング実験のために用いられるCR(cC)−Fcサンプルを、上記のようにDTTで還元し、そしてこのサンプルを6Mのグアニジンまで調節した後、さらなる10mMのDTTで、45℃で35分間還元し、そして30mMのヨードアセトアミドで、暗所において室温で30分間アルキル化した。インタクトな、N−脱グリコシル化された、還元された、そして完全にアルキル化されたタンパク質の質量は、予測よりもなお146Da高かった。このことは、+146Daがシステイン残基と関連しないことを示した。
【0047】
還元およびアルキル化されたCR(cC)−Fc物質を、エンドプロテイナーゼ Lys−C(Achromobacter lyticus;WAKO)を用いて、1Mの尿素、200mMのTris−HCl(pH8.5)中で、酵素対基質比が1:10で、室温で16時間消化した。還元およびアルキル化されたCR(cC)−Fcサンプルの、エンドプロテイナーゼLys−C消化物から得られたペプチドを、120分間の0〜45%溶媒B勾配(溶媒A:0.1%TFA;溶媒B:0.085%TFA/75%アセトニトリル)を用いて、流速0.05ml/分で、Waters Alliance Systemを用いるYMC C18カラムでの逆相(rp)−HPLCによって分離し、そして質量分析(Micromass Quattro II 三連四重極装置)によってオンラインで分析した。データは、+146Da修飾が、残基77〜112を含むエンドプロテイナーゼLys−Cで産生したCriptoペプチドと関連することを示した。Cripto上の+146修飾のさらなる局在化は、還元およびアルキル化されたCR(cC)−Fcの、分離用エンドプロテイナーゼLys−C消化物に由来した。ペプチドを、YMC C18カラム上でのrp−HPLCによって分析し、以下の溶媒Bの勾配で溶出した:0〜10%B(10分);10〜28%B(10〜46分);28%で維持(isocratic)(46〜70分);28〜50%B(70〜145分);50〜100%B(145〜155分)。各々のCriptoペプチド(または混合物)を収集し、そして、α−シアノ−4 ヒドロキシ−桂皮酸をマトリックスとして用いるMALDI質量分析(Voyager DE STR装置、Perseptive Biosystems)によって分析した。特定されたピークを網羅する溶出液(2μl)をMALDIプレートに塗布し、そして部分的に空気乾燥させた。各スポットに、0.7μLのマトリックス(10mgのα−シアノ−4 ヒドロキシ−桂皮酸/1mLの0.1%トリフルオロ酢酸、50%アセトニトリル)を添加し、そして完全に空気乾燥させた。線形モードでサンプルを分析した。CR(cC)−FcのEndoLys−C消化物において先に見られた77〜112Criptoペプチドに加えて、非特異的切断現象を起こす、この77〜112フラグメントから得られる、2つのペプチドもまた観察した。この分析から、77〜82ペプチドが、予測された質量を有することを見出し、そして、146Da質量付加を、残基83〜112(図4)に対応するCriptoペプチド上に、さらに局在化した。このペプチドの同一性を、N末端Edman配列決定によって確認した。
【0048】
(C.臭化シアンマッピング)
146Da修飾の部位に対するさらなる根拠を、還元されていないCR(cC)−Fcを臭化シアン(CNBr)で処理することによって得た。上記のように調製されたが、還元されていない、PNGase処理されたCR(cC)−Fcを、200μLの70%ギ酸中に再懸濁させた。アセトニトリル中の10MのCNBr溶液を、最終濃度の1Mまで、反応混合物に添加した。このサンプルを、暗所において室温で24時間保持した。CNBr処理されたCriptoペプチドを、以下の溶媒A(0.1%TFA)、溶媒B(0.085%TFA、75%アセトニトリル)の勾配を用いるVydac Cカラム上でのrp−HPLCによって分画した:0〜20%B(0〜10分);20〜75%B(10〜120分);75〜100%B(120〜130分)。CNBr切断は、残基91〜154にジスルフィド結合した、予測される残基71〜90に対応するフラグメントを与える(図4)。還元後、MALDI質量分析によって測定された分子量は、ペプチド71〜90の質量が、予測よりも146ダルトン高いことを示した。
【0049】
CNBr処理されたCR(cC)−Fcフラグメントを、さらに1Mの尿素中のエンドプロテイナーゼLys−Cで、1:5の推定された酵素:基質比で、室温で18時間消化した。CR(cC)−FcサンプルのCNBr/エンドプロテイナーゼLys−C消化物由来のペプチドを、上記のように、YMC C18カラムでの逆相(rp)−HPLCによって分離した。データは、+146Da修飾物が、残基83〜90を含むCNBr/エンドプロテイナーゼLys−C生成Criptoペプチドと関連することを確証した。
【0050】
残基91〜154にジスルフィド結合した残基71〜90を含むCNBrフラグメントを、5mMのDTTで還元し、そしてカルボキシペプチダーゼY(Boehringer Mannheim)で処理した。この消化物の一部を、MALDI質量分析によって、10分間隔で分析した。結果は、ペプチド71〜90のC末端ホモセリンラクトン(CNBr切断後にホモセリンラクトンに転換されるMet)が、追加の146Da物の損失なく、除去され得ることを示した(図4)。
【0051】
CR(cC)−FcのエンドプロテイナーゼLys−C消化(実施例2、パートB)は、146Da修飾物を、残基83〜112を含むCriptoペプチドに局在させた。CR(cC)−FcのCNBr/エンドプロテイナーゼLys−C消化物(実施例2、パートC)は、146Da修飾物を、残基71〜90を含むCriptoペプチドに局在させた。これらの2つの分析は、総合すると、146ダルトン修飾物を残基83〜90に局在させた。カルボキシペプチダーゼY処理は、146ダルトン修飾物を、Cripto残基83〜89(CLNGGTC)にさらに局在させた。この配列内のシステイン残基は、アルキル化のために利用可能であることが上で示されたので、146ダルトン物によって修飾されない。ロイシン、グリシンは、代表的には修飾されない。Glyの前のAsnは、17Daの関連する損失(NHの損失)を伴って、環状イミドを形成し得、この環状イミドは、塩基性条件下でαアスパラギン酸またはβアスパラギン酸(OHの付加)を形成し、このペプチドに対して1Daの正味の増加を生じる。これは、修飾の起こりそうな部位であるThr88から離れる。Thr88がフコシル化されたことを本発明者らに結論付けさせる、146Da修飾物をThr88が有することは、本発明の発見であった。フコシル化は、タンパク質修飾の中では希な現象である。146Da修飾物が局在されるCripto配列は、CXXGGS/TCのフコシル化コンセンサス配列(この部位は、EGF様配列の第2および第3の保存されたシステインの間に位置し、Xは任意のアミノ酸であり、そしてフコースはセリンまたはスレオニン上にある)に関して記載されたモチーフと一致する(Harrisら、Biochemistry 32:6539〜6547、1993を参照のこと)。
【0052】
(実施例3:88位のO−フコースを欠くCripto改変体Thr88Ala)
部位特異的な変異誘発を用いて、88位でスレオニンではなくアミノ酸残基アラニンを有するCripto改変体をコードするcDNAを発現し得る、発現ベクターを構築した。変異体構築物を、図5に概略的に示す。
【0053】
(A.変異体の構成)
ヒトCripto−1の、スレオニン88からアラニンへの変異誘発(T88A)を、スプライスドオーバーラップ伸長(spliced overlap extension)ポリメラーゼ連鎖反応(SOE PCR)によって達成した(Stephan Hoら、Gene 77、1989、51〜59頁を参照のこと)。
【0054】
以下のプライマー(5’→3’)(各々の長さが44ヌクレオチドであり、Thr88Ala変異を作製する上端鎖および下端鎖である)を、変異誘発のために用いた。アスタリスクは、変異(Thr→Ala)コドンを示す。
NEW−658: GCCTGAATGGGGGAGTGCATGCTGGGATCCTTTTGTGCCTGC 3’(配列番号34)
NEW−659: GCAGGCACAAAAGGATCCCAGCATGCAGTCCCCCATTCAGGC 3’(配列番号35)
これらのオリゴは、スレオニンコドン(ACC)を、アラニンに対するコドン(GCC)に変化させる。変異誘発性のプライマーの設計において、所望の変異が制限部位変化を生じなかった場合、変異は隣接するコドンに導入されて、変異誘発の後の変異クローンの同定を容易にした。同一のオリゴはまた、BamH1部位を導入するための配列にサイレント変化をもたらし、グリシン62コドンをGGGからGGAに変化させる。この新しい部位は、変異体クローンをスクリーニングする能力を与えた。
【0055】
野生型Cripto構築物およびT88A Cripto構築物を、それぞれ図2および図5に概略的に示す。第1の変異体(CR(cC)T88A、配列番号10)(pSGS901と命名した)を、テンプレートpSGS140(これは、一過性トランスフェクトのためのpEAG1100ベクターにおいて、配列番号1のヒトCriptoアミノ酸残基メチオニン1〜セリン169をコードするcDNAである)用いて生成した。第2の変異体(CR(75−112)−Fc T88A、配列番号15)(pSGS902と命名した)を、テンプレートpSGS422(これは、ベクターpEAG1100において、ヒトIgGFcドメイン(配列番号8)に融合した、配列番号1のヒトCripto−1残基セリン75〜リシン112に融合した、ヒトVCAM−1シグナルペプチドをコードするcDNAである)から生成した。第3の変異体(CR T88A、配列番号9)(pSGS903と命名した)は、テンプレートpSGS151(これは、一過性トランスフェクトのためのpCS2ベクター(Rappら、Genes Dev 8:1311〜1323,1994;およびTurnerら、Genes Dev 8:1434〜1447,1994を参照のこと)において、配列番号1のヒトCriptoアミノ酸残基1〜188をコードするcDNAである)を用いて生成される。
【0056】
SOE PCRには2つの段階がある。段階Iは、2つの生成物A+Bを生成するためのPCRであった。生成物A(cDNAの5’端)を、5’配列の上端鎖オリゴ(pSGS901およびpSGS903に対するNEW−547(配列番号29)、ならびにpSGS902に対するNEW−423(配列番号32))、そして、下端鎖変異誘発性オリゴ(NEW−659(配列番号35))を用いることによって生成した。生成物B(cDNAの3’端)を、上端鎖変異誘発性オリゴ(NEW−658(配列番号34))、ならびに、3’配列の下端鎖オリゴ(pSGS901に対するNEW−587(配列番号30)、pSGS903に対するNEW−588(配列番号31)、およびpSGS902に対するNEW−670(配列番号33))を用いることによって生成した。
【0057】
SOE PCRの段階IIは、変異誘発されたcDNAの全体である生成物Cを生成することであった。この工程は、生成物A+B(オーバーラップ配列の44ヌクレオチドを有する)、ならびに、上の工程Iで考察された5’上端鎖オリゴおよび3’下端鎖オリゴを用いた。
【0058】
変異体pSGS901、pSGS902、およびpSGS903の全てに対する生成物Aおよび生成物Bのための段階Iを、以下のように行った。100マイクロリットル(μl)の総体積で、5ナノグラム(ng)のテンプレートcDNA、各30ピコモル(pmol)の5’オリゴおよび3’オリゴ、各200ナノモル(nmol)のデオキシヌクレオチド(dNTP)、1×クローン化Pfu DNAポリメラーゼの反応緩衝液(2mMのMgCl)、ならびに、ホットスタート後に添加される2.5ユニットのPfuTurbo DNAポリメラーゼ(Stratagene,カタログ番号600252)を用いて、PCRを行った。94℃−1分の融解工程、58℃−1分のアニーリング工程、72℃−2分の伸長工程の30サイクル、その後の72℃−7分の伸長の1サイクルを必要とした。この手順の唯一の例外は、NEW−423(配列番号32)に対するアニーリング温度が50℃であることだった。
【0059】
変異体pSGS901、pSGS902、およびpSGS903のための段階IIを、以下のように行った。各10μlの生成物A+Bを、200nmolのdNTP、各30pmolの5’オリゴおよび3’オリゴ、Pfu緩衝液、ならびに、ホットスタート後に添加される2.5ユニットのPfuTurbo酵素と混合した。段階IIのPCR反応工程を、アニーリング温度を除いて、上記のように行った。pSGS901およびpSGS903の生成物CのPCRに対するアニーリング温度は65℃であり、pSGS902の生成物CのPCRに対するアニーリング温度は55℃であった。この反応を、StrataPrep PCRカラム(Stratagene カタログ番号400771)で行い、未使用オリゴから離して生成物を精製した。次いで、pSGS901およびpSGS902に対するPCR生成物Cを、60ユニットのNot1制限酵素を用いて、37℃で16時間消化した。pSGS903に対するPCR生成物Cを、60単位のXho1制限酵素およびHind111制限酵素を用いて、37℃で16時間消化した。この酵素を、フェノールおよびクロロホルムを一緒に用いて1回抽出し、クロロホルムを用いて1回抽出し、そしてDNAを、キャリアとしてグリコーゲンを有する0.3Mの酢酸ナトリウム(pH5.2)を加えたエタノールを用いて、沈殿させた。DNAペレットを、水を加えた70%エタノールで洗浄し、そして10mMのTris(pH8)中に再懸濁させた。ここで、pSGS901構築物およびpSGS902構築物について、Not1で消化された生成物Cの挿入物(20ng)と、Not1で消化され、仔ウシ腸ホスファターゼで処理されたpEAG1100ベクター(50ng)との間で、10μlの総体積で、16℃で16時間連結を行った。pSGS903に対する連結を、20ngの、Xho1/Hind111で消化された生成物CおよびXho1/Hind111で消化されたpCS2+ベクターを用いて行った。この反応物のうちの2μlを、50μlのE.coli DH5α中に形質転換し、そして、50μg/mlのアンピシリンを有するLuriaブロス(LB)寒天板にプレートした。コロニーを摘出し、そして2mlのLBブロスにおいて、37℃で16時間増殖させた。プラスミドDNAを、Qiagenミニプレップキットを用いて精製し、BamH1で1.5時間消化し、そしてアガロースゲル上で泳動させて、どのクローンがサイレンと変異を含むか、従って、どのクローンがスレオニン88からアラニンへの変化を含むかを可視化した。クローン挿入物の配列(Cripto配列およびIg配列)を、ジデオキシDNA配列決定によって、点検および確認した。
【0060】
(C.CHO細胞へのトランスフェクション)
DNA配列決定によって、変異を確認した。正しい変異体クローンを確認した後、大規模な一過性トランスフェクションを行い、変異体Criptoタンパク質を得た。このトランスフェクションは、スピナフラスコにおいて、懸濁培養物として増殖されたCHO細胞(CD−CHO)を用いて行われた。培養物の1リットル毎に、2mgのcDNAを、コレステロール溶液を加えたDMRIE−C(Life Technologies)カチオン性脂質と、総体積240mlの無血清培地(CD−CHO培地、Life Technologies)において、室温で15分間混合した。次いで、240mlの同一の培地中の1.5×10個のCHO細胞を、DMRIE−Cを加えたDNAに添加し、1リットルのスピナフラスコに移し、そして37℃で4時間増殖させた。次いで、この細胞を、520mlの培地で希釈し、3リットルのスピナフラスコに移し、そして28℃で8日間増殖させた。細胞を除去するための遠心分離の後、馴化培地を、PES(Nalgene)フィルターで濾過し、そして−70℃で凍結した。
【0061】
(実施例4:Criptoシグナル伝達活性の機能および調節について、Criptoアンタゴニストを試験する工程)
Cripto活性の過剰発現は、間葉細胞特性、増殖の増加、および細胞移動(新生物形成において見られる細胞形質転換に関連する全ての表現型)を促進する、脱分化状態を導き得る(Salomonら、BioEssays 21:61〜70,1999;Ciardielloら、Oncogene 9:291〜298,1994;およびBaldassarreら、Int.J.Cancer 66:538〜543,1996)。Cripto活性をブロックするCriptoアンタゴニストは、癌に対して、治療的に有益であり得、そして潜在的な処置であり得る。
【0062】
Criptoアンタゴニストの活性およびCriptoシグナル伝達を調節する能力を試験する1つの方法は、F9−Criptoノックアウト(KO)細胞株(Minchiottiら、Mech.Dev.90:133〜142,2000)を伴う。Criptoは、Xenopusの胚におけるsmad2リン酸化および転写因子FASTを刺激し、そして、転写因子FASTの活性は、FAST調節エレメント−ルシフェラーゼレポーター遺伝子に由来するルシフェラーゼ活性を測定することによってモニターされ得る(Saijohら、Mol.Cell 5:35〜47,2000)。F9−Cripto KO細胞は、Cripto遺伝子が欠失しており、従って、CriptoおよびCripto依存性シグナル伝達についてヌルである(Minchiottiら、Mech.Dev.90:133〜142,2000)。Criptoシグナル伝達は、F9 Cripto KO細胞において、Cripto、FASTおよびFAST調節エレメント−ルシフェラーゼ遺伝子の構築物(図6)にトランスフェクトすることによって、評価され得る。Cripto cDNAおよびFAST cDNAがこれらの細胞株にトランスフェクトされない限り、これらの細胞株において、Cripto依存性FASTルシフェラーゼ活性は見られなかった(図6)。
【0063】
野生型Cripto構築物および変異体Cripto構築物の活性は、F9 Cripto KO細胞へのトランスフェクションによって測定され得る。F9 Cripto KO細胞(6.5×10個の細胞/ウェル)を、等量のFAST、FASTルシフェラーゼレポーターDNAを用いて、ならびに、Cripto全長野生型DNAの非存在下および存在下において、ならびに、Cripto T88A変異体全長DNAの非存在下および存在下において、トランスフェクトした。トランスフェクトされた総DNAは常に1.0μgであり、必要な場合、コントロールベクターDNA(pEAG100またはpCS2)を用いて、全量を1.0μgに引き上げた(当業者にとって標準的な条件を用いて、リポフェクタミンでトランスフェクションを行った。リポフェクタミンは、Bethesda Reasearch Labsから購入した)。トランスフェクトの48時間後、LucLite(ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイキット、Packard Instrument Company)で細胞を溶解し、そしてルシフェラーゼ活性を、発光カウンターにおいて測定した。本発明者らは、野生型Cripto(配列番号1)がFAST調節エレメント−ルシフェラーゼ(FAST−luc)レポーター活性(図6、Cripto WT+FAST+FAST−lucレポーター、4列目)を刺激すること、および、この活性がCriptoおよびFASTの両方の存在を必要とすることを示した(図6)。対照的に、Thr88Ala Cripto変異体(配列番号9、pSGS903)は、FAST−ルシフェラーゼ活性を殆ど有さなかった(図6、Cripto T88A+FAST+FAST lucレポーター、5列目)。
【0064】
等量のCR Thr88Ala変異体cDNAとCR野生型cDNAとを混合し、F9 KO細胞に同時にトランスフェクトする競合実験は、野生型CRがFASTルシフェラーゼ活性を刺激する能力が、単独の野生型CRと比較した場合、CR T88A変異体の存在下において減少することを示し(図6、Cripto WT+Cripto T88A+FAST+FAST lucレポーター、6列目)、Thr88Ala変異体が、野生型Criptoの活性をアンタゴナイズするように作用することを示した。
【0065】
(実施例5:抗癌剤としてのCriptoアンタゴニストをインビボで試験する工程)
Criptoアンタゴニストは、当業者によって用いられる通常のプロトコルに従って、マウスにおける潜在的な抗癌剤としてのインビボ活性についてスクリーニングされる。このようなプロトコルの例は、以下に列挙され、National Cancer Institute(NCI)によって、「in vivo cancer models screening」プロトコル(NIH出版番号84−2635(1984年2月))において概説されるものである。
【0066】
(A)6週齢のヌードマウスに、100μgの抗LFA3コントロール抗体(1E6)、100μgのCriptoアンタゴニスト−Fc融合タンパク質(配列番号13)を腹腔内注射するか、または注射しない(コントロール)。次いで、この動物を、細胞表面Criptoタンパク質を発現した癌細胞株(例:1×10GEO結腸腺癌細胞)を皮下注射する。CriptoアンタゴニストおよびコントロールAbで処理されたマウスを、100μgのタンパク質で毎週再処理する。腫瘍のサイズを毎週測定し、そして腫瘍球(tumor sphere)の体積を計算する。動物を、腫瘍が2.0cmの体積(直径16mm)に達したときに、屠殺し、そして全ての異常な観察を記録する。実験を、最適な治療的プロフィールを決定するために、Criptoアンタゴニストタンパク質の範囲で繰り返す。
【0067】
(B)体重が約(18g)である、6週齢のヌードマウス(n=10(実験用)およびn=10(コントロール))に、皮下腫瘍(腫瘍組織は、乳房、結腸、肺、頚部などの、ヒトの腫瘍に由来し得、腫瘍組織はCriptoを発現する)の25mgの断片を、0日目に移植する。腫瘍サンプル上での細菌培養を行い、汚染された場合はただちに廃棄する。処置初日(ステージング日):重量100mg以上、700mg以下の腫瘍を有するマウスを選択する。個体の体重によって、無作為化および処置する。1〜50mg/kgの、広い用量範囲を試験する。Criptoアンタゴニストタンパク質、コントロール抗体、およびPBSコントロール動物に、ステージング日にipを注射し、そして全3回の注射を4日間にわたって毎日継続する。体重および腫瘍の測定を、処置初日(ステージング日)および選択された測定日に記録する。評価最終日は、最適な(最良な)腫瘍の重量を与える測定日である。t/c%を評価最終日に指定する。実験を終了し、そして評価する。
【0068】
(等価物)
本発明は、本発明の精神または本質的な特性から逸脱しない、他の特定の形態において実施され得る。従って、前記の実施形態は、本明細書中に開示される本発明を限定せず、あらゆる点で、本発明の例示であると考えられる。従って、本発明の範囲は、前記の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、その特許請求の範囲の等価性の意味内および範囲内で生じる全ての変化は、その特許請求の範囲に含まれることを意図する。
【0069】
(配列表)
配列番号1は、全長ヒトCripto−1(残基1〜188を含む)である(「CR」)。
【0070】
【表1】
Figure 2004524810
配列番号2は、全長ヒトCripto−3(残基1〜188を含む)である(「CR−3」)。
【0071】
【表2】
Figure 2004524810
配列番号3は、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(配列番号1の残基31〜169を含む)である(「CR(cC)」)。
【0072】
【表3】
Figure 2004524810
配列番号4は、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(配列番号1の残基38〜169を含む)である(「CR38(cC)」)。
【0073】
【表4】
Figure 2004524810
配列番号5は、ヒトCripto−1のフラグメント(配列番号1の残基75〜112を含む)である(「CR(75−112)」)。
【0074】
【表5】
Figure 2004524810
配列番号6は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(配列番号1の残基31〜169を含む)である(「CR(cC)−Fc」)。
【0075】
【表6】
Figure 2004524810
配列番号7は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(配列番号1の残基38〜169を含む)である(「CR38(cC)−Fc」)。
【0076】
【表7】
Figure 2004524810
配列番号8は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−1のフラグメント(配列番号1の残基75〜112を含む)である(「CR(75−112)−Fc」)。
【0077】
【表8】
Figure 2004524810
配列番号9は、配列番号1の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、全長ヒトCripto−1(残基1〜188を含む)である(「CRT88A」)。
【0078】
【表9】
Figure 2004524810
配列番号10は、配列番号3の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(残基31〜169を含む)である(「CR(cC)T88A」)。
【0079】
【表10】
Figure 2004524810
配列番号11は、配列番号4の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−1のC末端短縮形態(残基38〜169を含む)である(「CR38(cC)T88A」)。
【0080】
【表11】
Figure 2004524810
配列番号12は、配列番号5の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−1のフラグメント(配列番号1の残基75〜112を含む)である(「CR(75−112)T88A」)。
【0081】
【表12】
Figure 2004524810
配列番号13は、配列番号6の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−1のC末端短縮形態である(「CR(cC)−Fc T88A」)。
【0082】
【表13】
Figure 2004524810
配列番号14は、配列番号7の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−1のC末端短縮形態である(「CR38(cC)−Fc T88A」)。
【0083】
【表14】
Figure 2004524810
配列番号15は、配列番号8の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−1のフラグメント(配列番号1の残基75〜112を含む)である(「CR(75−112)−FcT88A」)。
【0084】
【表15】
Figure 2004524810
配列番号16は、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基31〜169を含む)である(「CR−3(cC)」)。
【0085】
【表16】
Figure 2004524810
配列番号17は、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基38〜169を含む)である(「CR−338(cC)」)。
【0086】
【表17】
Figure 2004524810
配列番号18は、ヒトCripto−3のフラグメント(配列番号2の残基75〜112を含む)である(「CR−3(75−112)」)。
【0087】
【表18】
Figure 2004524810
配列番号19は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基31〜169を含む)である(「CR−3(cC)−Fc」)。
【0088】
【表19】
Figure 2004524810
配列番号20は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基38〜169を含む)である(「CR−338(cC)−Fc」)。
【0089】
【表20】
Figure 2004524810
配列番号21は、ヒトIgGのFcドメインと融合された、ヒトCripto−3のフラグメント(配列番号2の残基75〜112を含む)である(「CR−3(75−112)−Fc」)。
【0090】
【表21】
Figure 2004524810
配列番号22は、配列番号2の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、全長ヒトCripto−3(残基1〜188を含む)である(「CR−3T88A」)。
【0091】
【表22】
Figure 2004524810
配列番号23は、配列番号16の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基31〜169を含む)である(「CR−3(cC)T88A」)。
【0092】
【表23】
Figure 2004524810
配列番号24は、配列番号17の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基38〜169を含む)である(「CR−338(cC)T88A」)。
【0093】
【表24】
Figure 2004524810
配列番号25は、配列番号18の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトCripto−3のフラグメント(配列番号2の残基75〜112を含む)である(「CR−3(75−112)T88A」)。
【0094】
【表25】
Figure 2004524810
配列番号26は、配列番号19の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基31〜169を含む)である(「CR−3(cC)−Fc T88A」)。
【0095】
【表26】
Figure 2004524810
配列番号27は、配列番号20の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−3のC末端短縮形態(配列番号2の残基38〜169を含む)である(「CR−338(cC)−Fc T88A」)。
【0096】
【表27】
Figure 2004524810
配列番号28は、配列番号21の残基スレオニン88がアラニン残基で置換された、ヒトIgGのFcドメインと融合されたヒトCripto−3のフラグメント(配列番号2の残基75〜112を含む)である(「CR−3(75−112)−FcT88A」)。
【0097】
【表28】
Figure 2004524810
(PCRオリゴ(5’→3’):Cripto構築物を作製するのに使用したオリゴヌクレオチドプライマー)
【0098】
【表29】
Figure 2004524810
(配列番号36(CR−1コード領域の核酸配列)は、nt13(ATG)=METコドンで開始し、(TAA)=終止コドンで終了する)
【0099】
【表30】
Figure 2004524810
(配列番号37(CR−3コード領域の核酸配列)は、nt1(ATG)=METコドンで開始し;nt567(TAA)=終止コドンで終了する)
【0100】
【表31】
Figure 2004524810

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、ヒトCripto−1タンパク質およびヒトCripto−3タンパク質(それぞれ、配列番号1および2)の並列である。Cripto−1およびCripto−3のスレオニン88を太字で示す。Cripto−1のシグナル配列(配列番号1の残基1〜30を含む)を下線で示す。
【図2】
図2は、記載されるCripto発現構築物の略図である。実施例3に記載されるように、構築物を作製した。
【図3】
図3は、N−脱グリコシル化CR(cC)−Fcタンパク質の、エレクトロスプレー質量分析である。リン酸緩衝生理食塩水(pH7.6、5mM EDTA)中のCR(cC)−Fc糖タンパク質を、5mMのジチオスレイトール(DTT)中で、室温で6時間還元し、次いで、1mgのCR(cC)−Fc当たり150ミリユニットのPNGase Fで、37℃で16時間処理した。このN−脱グリコシル化生成物を、三連四重極装置(Quattro II,Micromass,Manchester,UK)上で、ESI−MS分析によって分析した。
【図4】
図4は、CRIPTOタンパク質のペプチドマッピングおよび質量分析の略図である。N−脱グリコシル化CR(cC)−Fcを、実施例2に記載されるように、エンドプロテイナーゼLys−C,CNBr、およびカルボキシペプチダーゼYを各々用いて消化した。この消化から得られたCriptoポリペプチドを、rp−HPLCによって分離し、そして質量分析によって分析した。
【図5】
図5は、記載される変異体Cripto発現構築物の略図である。実施例3に記載されるように、構築物を作製した。
【図6】
図6は、Criptoシグナル伝達アッセイである。ヒトCripto−1(配列番号1)およびヒトCripto−1 T88A(配列番号5)の生理活性を、実施例4に記載されるようなFAST調節エレメント−ルシフェラーゼレポーター構築物でトランスフェクトされたF9 Cripto KO細胞において評価した。F9 Cripto KO細胞(6.5×10細胞/ウェル)を、等量のFAST、FAST調節エレメント−ルシフェラーゼレポーターDNAを用いて、そして、Cripto全長野生型DNAの非存在下または存在下において、Cripto T88A変異体全長DNAの非存在下または存在下において、トランスフェクトし、そして、等量の野生型CR cDNAおよびCR T88A cDNAを用いて、ブロッキング活性を評価した。トランスフェクトの48時間後、LucLite(Packard Instrument Company)で細胞を溶解し、そして、発光カウンターにおいて、ルシフェラーゼ活性を測定した。

Claims (22)

  1. CRIPTO変異体であって、CRIPTOポリペプチドまたはその機能的フラグメント由来の少なくとも1つのアミノ酸がCRIPTOポリペプチドに存在するアミノ酸と異なる別のアミノ酸で置換されており、該アミノ酸置換がCRIPTOポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸残基86、87、および88からなる群より選択される、CRIPTO変異体。
  2. CRIPTO変異体であって、以下:
    (a)配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;
    (b)関連するシグナルペプチドを欠失した、配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;または
    (c)配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]に示されるポリペプチドのドメインあるいはその機能的フラグメント;
    からなる群より選択されるCRIPTOポリペプチド由来の少なくとも1つのアミノ酸が、CRIPTOポリペプチドに存在するアミノ酸と異なる別のアミノ酸で置換されており、該アミノ酸置換がCRIPTOポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸残基86、87、および88からなる群より選択される、CRIPTO変異体。
  3. 前記1つ以上の置換が、アラニンまたはグリシンからなる群より選択されるアミン酸である、請求項1または2に記載のCRIPTO変異体。
  4. CRIPRO変異体であって、以下:
    (a)配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;
    (b)関連するシグナルペプチドを欠失した、配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;または
    (c)配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]に示されるポリペプチドのドメインあるいはその機能的フラグメント;
    からなる群より選択されるCRIPTOポリペプチドの88位にアミノ酸置換を有する、CRIPTO変異体。
  5. CRIPRO変異体であって、以下:
    (a)配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;
    (b)関連するシグナルペプチドを欠失した、配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;または
    (c)配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]に示されるポリペプチドのドメインあるいはその機能的フラグメント;
    からなる群より選択されるCRIPTOポリペプチドの87位にアミノ酸置換を有する、CRIPTO変異体。
  6. CRIPRO変異体であって、以下:
    (a)配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;
    (b)関連するシグナルペプチドを欠失した、配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;または
    (c)配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]に示されるポリペプチドのドメインあるいはその機能的フラグメント;
    からなる群より選択されるCRIPTOポリペプチドの86位にアミノ酸置換を有する、CRIPTO変異体。
  7. 前記86位、87位、または88位の置換が、アラニンまたはグリシンである、請求項3〜5に記載のCRIPTO変異体。
  8. CRIPRO変異体であって、以下:
    (a)配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;
    (b)関連するシグナルペプチドを欠失した、配列番号1(全長CR−1)または配列番号2(全長CR−3)に示されるポリペプチドあるいはその機能的フラグメント;または
    (c)配列番号5[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−1]、配列番号18[アミノ酸75〜アミノ酸112のCR−3]、配列番号4[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR1]、配列番号17[アミノ酸38〜アミノ酸169のCR−3]、配列番号3[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−1]、または配列番号16[アミノ酸31〜アミノ酸169のCR−3]に示されるポリペプチドのドメインあるいはその機能的フラグメント;
    からなる群より選択されるCRIPTOポリペプチドの88位に脱フコシル化修飾を有する、CRIPTO変異体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のCRIPTO変異体をコードする配列を含む、単離された核酸。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の変異CRIPTOポリペプチドを含み、そして異種ポリペプチドをさらに含む、キメラ分子。
  11. 前記異種ポリペプチドが、変異CRIPTOポリペプチドのC末端に融合されている、請求項10に記載のキメラ分子。
  12. 前記異種ポリペプチドが、変異CRIPTOポリペプチドのN末端に融合されている、請求項10に記載のキメラ分子。
  13. 前記異種ポリペプチドが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン、ポリメラーゼ活性化ドメイン、ヒスチジンタグ、HSAタグ、エピトープタグ配列、および免疫グロブリンのFc領域からなる群より選択される、請求項10に記載のキメラ分子。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の変異CRIPTOポリペプチドを含み、そして合成ポリマーをさらに含む、キメラ分子。
  15. 前記合成ポリマーがPEGである、請求項14に記載のキメラ分子。
  16. 腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリペプチドの有効量を、該腫瘍細胞に曝露する工程を包含する、方法。
  17. 前記曝露工程がインビトロで実施される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記曝露工程がインビボで実施される、請求項16に記載の方法。
  19. 被験体における望ましくない細胞増殖に関連する疾患の進行、重篤度、または影響を処置または低減する方法であって、請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリペプチドの有効量を、該被験体に投与する工程を包含する、方法。
  20. 前記望ましくない細胞増殖に関連する疾患または状態が癌である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記癌が、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、結腸直腸癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌、膀胱癌、中枢神経系癌、黒色腫、および白血病からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. ストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションプローブとハイブリダイズする配列をコードする単離された核酸であって、該プローブのヌクレオチド配列は、配列番号36(CR−1)または配列番号37(CR−3)のコード配列、あるいは配列番号36(CR−1)または配列番号37(CR−3)のコード配列の相補鎖から構成され、そして少なくとも1つのアミノ酸置換さらに含み、該アミノ酸置換は、CRIPTOポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ酸残基86、アミノ酸残基87、およびアミノ酸残基88からなる群より選択される、核酸。
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