JP2004521796A - ブレーキブースタ用の反力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、主に、ブースト特性を変更可能な空圧ブレーキブースタ用の反力装置、及び、そのような装置を備えたブレーキブースタに関する。
本発明による反力装置は、非圧縮性の若しくは実質的に非圧縮性の材料からなる反力ディスク(33)が内部に収納されるハウジングを備えており、このハウジングは、
d)第1の長手方向端部における第1の面と、
e)前記第1の端部と反対側の第2の端部において、空圧ピストンを作用させるための第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた、プランジャを作用させるための第3の面と、そして
f)前記第1の面から前記第2及び第3の面まで伸張している第4の半径の面とによって境界が定められている。
反力装置は、更に、少なくとも1つの変形可能な弾性手段と、前記弾性手段に圧縮応力を付与する手段(45)とを備えており、入力値が或る一定の値より高い場合、前記弾性手段は、前記第1及び第2の面の集合において生じる、反力ディスク(33)が使用できる容積の増大を可能とする。
本発明は、特に自動車産業で利用される。
本発明は、主にブレーキ産業で利用される。
【選択図】図3
本発明による反力装置は、非圧縮性の若しくは実質的に非圧縮性の材料からなる反力ディスク(33)が内部に収納されるハウジングを備えており、このハウジングは、
d)第1の長手方向端部における第1の面と、
e)前記第1の端部と反対側の第2の端部において、空圧ピストンを作用させるための第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた、プランジャを作用させるための第3の面と、そして
f)前記第1の面から前記第2及び第3の面まで伸張している第4の半径の面とによって境界が定められている。
反力装置は、更に、少なくとも1つの変形可能な弾性手段と、前記弾性手段に圧縮応力を付与する手段(45)とを備えており、入力値が或る一定の値より高い場合、前記弾性手段は、前記第1及び第2の面の集合において生じる、反力ディスク(33)が使用できる容積の増大を可能とする。
本発明は、特に自動車産業で利用される。
本発明は、主にブレーキ産業で利用される。
【選択図】図3
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、ブースト特性を変更可能な空圧ブレーキブースタ用の反力装置、及び、そのような装置を備えたブレーキブースタに関する。
【背景技術】
【0002】
空圧ブレーキブースタは、ブレーキペダルに加えられる人の力を空圧で増幅するブレーキシステムに用いられる。ブースタは、ブレーキペダルと、マスターシリンダ、例えばタンデムマスターシリンダ、の間に配置される。
空圧ブレーキブースタは、密封された可動壁によって2つのチャンバに分割されているケーシングを備えており、この壁は、2つのチャンバの間の圧力差によって動かすことができる。可動壁は、ピストンの外周部にかしめられているスカート部を介して半径方向外向きに広がる空圧ピストンを備えている。2つのチャンバの間の圧力差は、ブレーキペダルによって制御されている作動ロッドの動きに従属する三方弁によって制御される。この三方弁は空圧ピストンの後方円筒部内に配置されている。
【0003】
作動ロッドの動作は、プッシュロッドによって、例えばゴムのような弾性材料から作られている反力ディスクを介して、マスターシリンダのピストンに伝達される。反力ディスクは、作動ロッドに対して固定されているプランジャ分配器を介して加えられる作動ロッドからの第1の力と、圧力差による可動壁の動きの結果として空圧ピストンにより供給されるブーストからの第2の力と、プッシュロッドを通して伝達される油圧ブレーキ回路の反力である第3の力、の3つの力を組み合わせる手段である。このディスクによって、車両のドライバーは、油圧回路から自分にフィードバックされる情報に基づいて、ブレーキペダルへの自分の動作を調整できるようになる。
ドライバーがペダルに掛ける力は、入力であり、作動ロッドが掛ける力は、作動力であり、プッシュロッドが、マスターシリンダ、例えばタンデムマスターシリンダのピストンに加える力は、出力である。
【0004】
このタイプのブレーキブースタによって、入力と出力との間に、ある一定の入力値の範囲に亘って、かなり厳密な関係を構築することができる。
例えば、ある一定の入力を超えるとブーストが増大するような、ブースタのブースト特性を変更することのできる、即ち入力と出力の間の比を変更することのできる装置がある。特許FR00/15943号は、空圧ピストンの後方円筒部に適用される装置について記述しており、分配器は、作動ロッドと同じ側のプランジャと、反力ディスクと同じ側のフィラーの2つの部品で構成され、フィラーとプランジャの間に変形可能なケージに入った圧縮応力ばねが配置されている。ばねの圧縮応力より低い作動力では、フィラーとプランジャは剛体片のように挙動する。十分に高い入力では、ばねは圧縮され、従ってフィラーがブレーキペダルに向かって軸方向に動けるようになるので、反力ディスクがブレーキペダルに向かって拡張できるようになる。その結果、作動ロッドに伝達される反力は低減し、ブースト比が上がる。
【0005】
しかしながら、この装置は、その嵩高性のためにブースタの内部構造を相当に修正しなければならず、これに対し、経費面の理由で、器材製造業者は、製品を標準化しよう努力している。更に、製造業者は、ブースタの大きさを小さくしようと努めている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、既知型式の空圧ブースタに装着することのできる反力装置を提供することが、本発明の目的である。
更に、小型の反力装置を提供することが、本発明の目的である。
更に、ブースト比を変えることができ、標準的なピストン本体を有する空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、低コストで、ブースト比を変えることができる空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、小型の、ブースト比を変えることができる空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、ブーストのレベルを変えることができ、設計と製造が簡単な空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、好都合にも、標準的形態のブースタの空圧ピストンに簡単な方法で取り付けることができる。
更に、本発明は、設計が簡単であり、製造コストも低いという利点を有している。
更に、本発明は、小型であるという利点を有している。。
【0008】
この様に、これらの目的は、
a)第1の長手方向端部における第1の面と、
b)前記第1の端部と反対側の第2の端部において、空圧ピストンを作用させるための第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた、プランジャを作用させるための第3の面と、そして
c)前記第1の面から前記第2及び第3の面まで伸張している第4の半径の面とによって境界が定められている、
非圧縮性の、又は実質的に非圧縮性の材料で作られている反力ディスクが中に配置されているハウジングを備えている、本発明による反力装置によって実現される。
【0009】
反力装置は、更に、少なくとも1つの変形可能な弾性手段と、前記弾性手段に圧縮応力を付与する手段とを備えており、入力値が或る一定の値より高い場合、前記弾性手段は、前記第1及び第2の面の集合において生じる、反力ディスクが使用できる容積の増大を可能とする。
本発明の主要な主題は、第1の長手方向端部における第1の面と、前記第1の端部と反対側の第2の端部における第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた第3の面と、そして前記第1の面から前記第2及び第3の面まで軸方向に伸張する第4の半径の面とによって境界が定められている、収納ハウジング内に配置されている反力ディスクを備えているブレーキブースタ用の反力装置であり、前記反力装置は、更に、変形可能で、ある一定の値を超える入力に対して前記反力ディスクの利用可能な容積を増大させる少なくとも1つの弾性手段を備えており、所定値未満の入力に対して第1のブースト比を設定するものであり、更に、前記反力ディスクの利用可能な容積の増大は、第1及び第4の面の集合において生じ、又、前記反力装置は、所定値よりも高い入力値に対して少なくとも第2のブースト比を設定することを特徴とする。
【0010】
本発明の別の主題は、前記第4の面は、少なくとも部分的には、前記プッシュロッドの半径方向端部によって画定されることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記第1の面が、環状座金と、少なくとも1つの浮動部片によって画定されることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記第1の面が、プッシュロッドの一方の軸方向端部に固定されている部片によって形成されていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、少なくとも1つは在る前記弾性手段には圧縮応力が付与され、入力がある一定の入力値より低い場合には、反力装置を剛体として機能させることを特徴とする反力装置である。
【0011】
本発明の別の主題は、前記反力装置が、入力の値に従ってブースト比を変えることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置は、作動力値がある値より高い場合には、ブースト比を増大させることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段の圧縮応力が、150ニュートン以上であることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段がばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、円筒ばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、弾性リングであることを特徴とする反力装置である。
【0012】
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、円錐ばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記環状座金及び少なくとも1つはある浮動部片が、少なくとも1つはある弾性手段に圧縮応力を付与する手段を形成していることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記環状座金が、プッシュロッドの本体にかしめられていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記浮動部片が、弾性手段を中央位置決めする手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置が、少なくとも2つの同軸弾性手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、弾性手段の予荷重よりも低い予荷重を有していることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記浮動部片は、一方が他方に対して軸方向に動くことのできる中央の第1の部片と、環状の第2の部片を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置が、空圧ブレーキブースタの案内手段と協働することができる案内手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
【0013】
本発明の別の主題は、第1の長手方向端部でブレーキペダルと接続し、前記第1の端部と反対側の第2の長手方向端部で分配器と接続することのできる作動ロッドによって作動させる三方弁が配置されている空圧ピストンを備えている密封された可動壁によって2つのチャンバに分割されているケーシングを備えている空圧ブレーキブースタにおいて、前記分配器は、先に定義した反力装置と接触することができることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、先に定義した前記反力装置は、座金によって空圧ピストンに固定されていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、前記座金が、戻しばねと空圧ピストンとの間に挟むことによって固定されていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、前記空圧ピストンが、先に定義した反力装置の案内手段と協働する案内手段を備えていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、以下の説明と添付図面を参照することにより、よく理解頂けるであろう。なお、ここでは、前(フロント)及び後(リヤ)という用語は、それぞれ図面の左手及び右手を指している。また、全ての図面を通して、同じ機能を果たす部品、部片には、同じ参照番号を付している。
記載されているずべての要素は、回転対称軸XX’を有する部片である。
以下の説明において、拡張という用語は弾性的動作として理解されており、以下に定義する反力ディスクは、弾性的動作が終わると、最初の形状に戻る。
【0015】
図1は、既知の型式の空圧ブレーキブースタを示しており、第1の外壁3と第2の外壁5から成るケーシング1を備え、両外壁は、密封された状態で一体にかしめられ(crimped)、それぞれ互いに対向する中央開口6、8を備えており、ケーシング1によって境界を画定された内部空間は、密封された可動壁11で、フロントチャンバ7と作動チャンバ9に分割されている。この壁11には、中央部分に、軸方向後方に伸張する空圧ピストン13が装備されており、半径方向外側部分に、ピストン13の外周部にかしめられたスカート15が装備されている。壁11は、ピストン13の外周部とケーシング1の外周部に固定されている、例えばエラストマーで作られたローリングシール16によって密封されている。ばね18は、外壁3の後面とピストン13の前面との間に圧縮された状態で取り付けられており、非作動時には壁を後退位置まで戻す働きをする。
フロントチャンバ7は、密封された手段(図示せず)によって、半真空(partial vacuum)源に接続されている。作動チャンバ9は、非作動時にはフロントチャンバ7と連通し、制動時には大気圧の環境と連通状態に置かれる。
【0016】
2つのチャンバの間、及び大気圧環境との連通は、空圧ピストン13の後方円筒部に配置されている三方弁19によって行われる。弁19は、ブレーキペダル(図示せず)に接続されている作動ロッド21に押される(borne)バルブシート20と、プランジャ23を備えたプランジャ分配器22と、フィラー25とを備えており、プランジャ23の後端部には、作動ロッド21のブレーキペダルと反対側の端部である前端部が填め込まれており、第1の弁27が形成されている。第2の弁29は、空圧ピストン13の後方外周部で形成されている。フィラーとプランジャは、変形可能なケージ32内に圧縮状態で取り付けられており、フィラー及びプランジャの外径よりも大きい内径を有しているばね30によって接続されている。ケージ32は、好適に付勢されてフィラーに固定され後方に向いている第1のスリーブと、好適に付勢されてプランジャに固定され前記第1のスリーブと向かい合っている小さな寸法の第2のスリーブとを備えている。
【0017】
ブースタは、更に、ブースタの前方に固定されているマスターシリンダのピストン(図示せず)を作動させるプッシュロッド31を備えており、プッシュロッド31は、ばね18とピストン13の前面との間に挟まれている座金32’によって固定されており、ブレーキペダルの方向に向けられているその後方軸端部には反力ディスク33を保持するカップが形成されており、半力ディスクは、ブレーキが掛かるとフィラー25の前面と協働することのできるもので、変形可能で事実上非圧縮性の材料、例えば、エラストマー、望ましくはゴムで作られている。
空圧ブレーキブースタは、既知の方法で、出力(Fs)と入力(Ft)の間の比に等しいブースト比によって特徴づけられ、ブースト比は、反力ディスク33とフィラー25の面積の比によって決まる。
安全のためには、緊急状況に対応する所定の値よりも高い入力でブレーキ操作が行われた場合には、このブースト比を増大させ、ブレーキペダルへの運転者の操作を更に後押しするのが望ましいことは明らかである。
従って、本ブースタは、第1のブースト比と、少なくとも1つの第2のブースト比を有することを特徴としている。
【0018】
我々は、ここで、図1及び図2を参照しながら、既知の型式のブースタの作動について説明する。
非作動時、フロントチャンバ7と作動チャンバ9は、フロントチャンバ7の半真空と連通しており、その影響下にある。
制動時には、運転者がブレーキペダルへ加える動作によって、作動ロッドが動かされ、第2の弁29をバルブシート20に当接させさせることによってチャンバ7と9の間の連通が閉じられ、且つ、第1の弁27をバルブシート20から離間させることによって作動チャンバと大気圧下の環境の間の連通が開始される。従って、フロントチャンバ7と作動チャンバ9との間に圧力差が生じ、これは、壁11をマスターシリンダに向かって動かす効果を持っている。フィラー25とプランジャ23で構成される分配器22は剛体片のように振る舞い、反力ディスク33は、作動ロッド21によってフィラー25を介して加わる力と、空圧ピストンによって加わるブースト力と、プッシュロッド31によって伝達される油圧回路の反力とを結合させる。ブースタは、第1のブースト比(AB)を提供する。
【0019】
入力が更に上がると、ばね30が圧縮され、するとフィラー25は、プランジャ24に対してブレーキペダルの方向に動くことができるようになり、反力ディスクがブレーキペダルの方向に拡張できるようになる。従って、ゴムの表面の接触圧力分布に変化が生じて、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、第2のブースト比(BC)に対応する状態になる。
制動段階の終了時には、作動ロッド31が後方に向かって動き、ブースタ全体が非作動位置に戻り、反力ディスクも元の形状に戻る。
【0020】
図3は、本発明の第1の実施形態による反力装置を装備したブレーキブースタを示しており、本ブレーキブースタは、第1の外壁3と第2の外壁5で形成されるケーシング1を備えており、各外壁は、それぞれ中央開口6、8を有しており、ケーシング内は、密封された可動壁11によって、2つのチャンバ7、9に分割されているいる。可動壁11は、中央部分に、軸方向後方に伸張する空圧ピストン13を備えており、また半径方向外側部分には、ピストン13の外周部にかしめられた剛体スカート15を備えており、ケーシング1及び空圧ピストン13に気密固定されているローリングシール16によって密封されている。
外壁3の後面とピストン13の前面の間には、ばね18が圧縮された状態で取り付けられており、ピストンを非作動位置まで押し戻す働きをする。フロントチャンバ7は、密封されている手段(図示せず)によって、半真空源に接続されている。
【0021】
三方弁19は、空圧ピストン13の円筒部に配置されており、ブレーキペダル(図示せず)に接続されている制御ロッド21によって制御される。三方弁19は、作動ロッド21に支持され環状面で形成されているバルブシート20を備えており、弁20の後面に対して圧縮された状態のばねが取り付けられていて、バルブシート20を弁27、29に押し付けている。
作動ロッド21の動作は、反力装置35とプランジャ分配器22とによって油圧式ブレーキ回路へ伝達され、プランジャ分配器22は作動ロッド21と同軸で、略先開き円錐形になった後部開口内に作動ロッド21の前端部を収容している。この円錐の後部端は、第1の弁27を形成している。
空圧ピストン13は、第2の弁29を形成している後方円筒状端部を備えており、またその前面には、反力装置35の軸方向案内手段と協働することのできる軸方向案内手段24を備えており、軸方向案内手段24は、好適にラジアルノッチ26によって形成されている。
【0022】
図4及び5は、図3のブースタの反力装置の第1の実施形態の2つの代替形態を示しており、弾性手段30と、前記弾性手段30に圧縮応力を与える(prestressing)手段45と、反力ディスク33を備えている。圧縮応力を与える手段45は、スリーブ38で形成されたケージ37と、環状座金47と、浮動部片49を備えている。スリーブ38は、前方に向いている第1の端部が、直径の小さい第1のスリーブ39を形成し、後方を向いている第2の端部が、ショルダ43で第1のスリーブ39と接続されている直径の大きい第2のスリーブ41を形成しており、直径の小さい第1のスリーブ39の軸方向前端部は閉鎖され、作動ロッド21と同軸のプッシュロッド31の土台を形成し、スリーブ38とプッシュロッド31は同軸になっている。
プッシュロッド31と同軸の環状座金47は、第2のスリーブ41内に固定的に取り付けられており、ショルダ43に当接して、スリーブ39の半径方向内側面に適切にかしめられている。浮動部片49は、座金47内に作られている通路51内を軸方向に並進移動できるように取り付けられており、好適にプランジャ分配器22と同軸に取り付けられ、外径が通路51の内径と等しくなっている。
【0023】
浮動部片49は、この部片49の軸方向端部から幾らか離れて位置し、半径方向外向きに伸張し、外径が開口51の内径よりも大きいフランジ55で巧く形成されている保持手段53を備えている。図5に示す第1の実施形態の第2の代替形態では、保持手段53は、更に、フランジ55の前面に作られている環状凹部54で形成される、ばね30を中心位置決めする(centring)手段54を備えている。
弾性手段30は、ばねであるのが好適であるが、スリーブ39の後方に向いた面と、フランジ55の環状の前面との間に、圧縮された状態で取り付けられている。
反力ディスクは、環状座金47の後方に向いた面と浮動部片49の後方に向いた面とによって形成される面57に当接するように配置されている。
大きい直径のスリーブ41の軸方向の寸法は、座金47の軸方向寸法と反力ディスク33の軸方向寸法の合計よりも長いので、スリーブ41の軸方向後方の自由端部は、ブースタの空圧ピストンの案内手段24と協働することのできる、反力装置35の案内手段59を形成している。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央通路は、好都合に、スリーブ37の小さい直径のスリーブ39を縁取るようなスリーブの形状で、軸方向前方に伸張している。
【0024】
本発明による装置35を備えた空圧ブレーキブースタの動作について説明する。
非作動時、チャンバ7及び9は、半真空状態になっている。
制動時、ブレーキペダルへの動作によって作動ロッドが動かされ、第2の弁29をバルブシート20に押し当てることによってフロントチャンバ7と作動チャンバ9の間の連通が閉じられ、次に、第1の弁27をシート20から離間させることによって作動チャンバ9と大気圧下の環境との間の連通が開かれる。すると、ピストン13は、2つのチャンバ7と9の間の圧力差によって前方に動かされる。
この時、反力ディスク33には、作動ロッドの作動力Faが分配器22を通して働き、ラジアルノッチ24によって反力ディスクに対して実際に動かすことができる空圧ピストン13のブースト力Fpが働き、更に、油圧ブレーキ回路の反力Frが働く。
【0025】
ある一定の入力値Feより入力が低い場合、反力手段35は剛体片のように振る舞い、反力装置は第1のブースト比を設定する。
ある一定の入力値Feより入力が高い場合、ばね30は圧縮され、浮動部片49は前向きに滑動できるようになり、従って反力ディスク33は前方向に開口51内へと拡がる。その結果、ゴム面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、反力装置は第2のブースト比を設定することになる。
入力の値が更に高くなると、浮動部片49がプッシュロッド31に当接するようになるので、ブースタは、Feよりも低い入力で得られる第1のブースト比と等しいブースト比を提供することになる。
ブースト比の変化は、反力ディスクが作られているゴムの弾性率と、反力ディスク及び反力ディスクのハウジングの構造とに依存する。
制動段階が終了すると、作動ロッド21は後退し、ブースタ全体がその非作動位置に戻り、特に、反力ディスクもその元の形状に戻る。
【0026】
図6は、本発明による反力装置の第1の実施形態の第3の代替形態を示しており、弾性手段530と、弾性手段530に圧縮応力を与える手段45と、反力ディスク33とを備えている。圧縮応力付与手段45は、軸XX’を中心線とする円筒形のスリーブ38で形成されているケージ37を備えており、その軸方向前端部はプッシュロッド31の土台を形成しており、更に、中央開口51が設けられている環状座金47と浮動部片49が装備されている。
環状座金47は、スリーブ38の内周部に好適にかしめることにより、スリーブ38内に固定的に取り付けられている。
【0027】
浮動部片49は、プランジャ分配器22と同軸で、座金47の開口51内に軸方向に並進移動できるように好適に取り付けられ、浮動部片49の外径が通路51の内径と等しくなっている。
浮動部片49は、その浮動部片49の軸方向端部から幾らか離れて位置し、半径方向外向きに伸張し、開口51の内径よりも大きい外径を有しているフランジ55により形成されている保持手段53を備えている。
弾性手段530は、ケージ37の前端壁の後面とフランジ55の環状の前面との間に圧縮された状態で取り付けられている前向きに開いた円錐ばねであるのが望ましい。反力ディスクは、環状座金47の後面と、浮動部片49の後面とで形成されている面57に当接するよう配置されている。反力装置は、ケージ37の円筒形後端部で形成されている、空圧ピストン13の案内手段24と協働することのできる、ピストン13に対する案内手段59を備えている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、プッシュロッド31と境界を接するスリーブの形で、軸方向前向きに伸張している。
本発明によるブレーキブースタに適用される装置135が作動する方法は、図4及び図5の反力装置の作動方法と同じである。
本発明による反力装置の第1の実施形態のこの代替形態は、好都合なことに、反力装置の軸方向の寸法をかなり低減させることができる。
【0028】
図7は、反力装置35の第1の実施形態の第4の代替形態を示しており、空圧ピストン13と分配器22とを部分的に示している。装置35は、反力ディスク33と、弾性手段30に圧縮応力を与える手段45を備えており、手段45は、内側ショルダ61の設けられたスリーブ60を備えており、スリーブ60内には、ショルダ61により形成される通路の内径と等しい外径を有する浮動部片49が並進移動できるように取り付けられており、更にスリーブ63が取り付けられている。スリーブ63は、閉鎖された軸方向前方端部を有しており、この前方端部は、一体に形成されているプッシュロッド31の土台64を形成している。スリーブ63は、その後部端がスリーブ60に入り、例えば、外力又はかしめによってスリーブ60に固定され、スリーブ60の開いている前方端部を閉鎖している。
図7の装置の全部品は、XX’軸と同軸である。
【0029】
浮動部片49は、更に、半径方向外向きに伸張する環状面71によって形成されるストッパ手段53を備えている。
反力ディスク33は、スリーブ60の後端部と同じ側の後面に当接するように取り付けられており、ばね30は、スリーブ63の前端部の後面と、浮動部片49のストッパ手段53の環状面71の前面との間に、圧縮された状態で取り付けられている。
スリーブ60は、その軸方向後端部に、空圧ピストン13の前面に形成されている案内手段24と協働することのできる案内手段59を備えている。
装置35も、ピストン13の案内手段24と協働することができる、空圧ピストン13に関する案内の手段59を備えていることになる。
【0030】
本発明によるブレーキブースタに用いられている図7の装置35が作動する方法は、図5及び図6に記載されている装置35の作動方法と同じである。
この実施形態の利点は、本発明による反力装置の製造が簡単なことである。
【0031】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る反力装置135であり、反力ディスク33と、弾性手段30と、スリーブ72を備えて弾性手段に圧縮応力を付与する手段と、を備えており、スリーブ72は、前方に向いた第1の端部には直径の小さい第1の部分73が設けられ、後方に向いた第2の端部には直径の大きい第2の部分75が設けられており、第1の部分73はショルダ77で第2の部分と接続されている。直径の小さい部分73は、前方に向いた端部に、内側に伸張し、開口74の境界を定めている環状面79を備えている。
プッシュロッド31は、前方に向いた第1の端部に断面の小さい第1の部分78を備えており、第1の端部と反対側の第2の端部に断面の大きい第2の部分78’を備えていて、この第2の部分78’は、直径の大きい第2の部分75の内径よりも小さい外径を有する土台80を形成しており、土台80とスリーブ75の間の空間が環状開口76を画定している。部片78は、例えば、圧入によって、開口74内に固定されている。
【0032】
装置135は、更に、ピストン13の案内手段24と協働することのできる、空圧ピストン13に対する案内の手段54を備えている。
圧縮応力付与手段は、スリーブ72の部分75の内径とほぼ等しい外径を有する環状リング81を備えていて、この部品は部分75内に滑動可能に取り付けられており、リング81は、後方には直径の大きい第1の開口83が開き、前方には直径の小さい第2の開口85が開いており、2つの開口83、85は、ショルダ87で接続されている。開口83の内径はプッシュロッド31の部分78’の外径とほぼ等しく、開口85の内径は土台80の外径とほぼ等しい。リング81は、更に、その前端部に、前方に面した円錐形状の円錐台内面形状の部分89を備えている。リング81は、スリーブの部分75に、且つ、プッシュロッド21の周囲に滑動可能に取り付けられている。弾性手段30は、円筒ばねが好都合であるが、環状面79の後面と部分89の端部壁の間に圧縮された状態で取り付けられている。
【0033】
反力ディスク33は、土台80とリング81の後面によって形成されている面に当接するように取り付けられている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、スリーブ72の直径の小さい部分73の境界面に沿うスリーブ32”の形状で軸方向前向きに延びている。
空圧ブレーキブースタに組み込まれている、図8の反力装置135の作動について説明しよう。
制動時、ある一定の力Feより入力値が低い場合、反力装置135は、剛体片と同じように挙動する。反力ディスクは、既知の様式で作用し、力Fa、Fp及びFrを組み合わせ、全反力を作動ロッドに伝達する。反力装置は、第1のブースト比を設定する。
Feより入力値が高い場合、ばね30が変形して、リング81が前向きに滑動できるようになるので、反力ディスク33は、土台80の外径とスリーブ72の部分75の内径によって画定されている外側環状部分76内へと、前方に拡張できるようになる。
従って、ゴムの表面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧を低下させ、反力装置は第2のブースト比を設定する。
ある一定の入力で、リング81がショルダ77に当接するようになり、するとブースタは、ばねの圧縮応力より低い力Faの場合に得られる第1のブーストレベルと等しいブーストレベルを供給するようになる。
第1の実施形態の場合とは異なり、反力ディスクの拡張は、中央開口51によってではなく、外側環状部分76を通して起こる。
【0034】
図9は、ブースタのブースト比を再度変更することのできる反力装置の第3の実施形態を示しており、空圧ピストン13と分配器22を部分的に示している。
反力装置235は、第1の中央部片249と、前記第1の部片249に関して滑動する環状の第2の部片349とを含んでいる合成浮動部片49を備えている点で、第1の実施形態の反力装置35とは異なっている。第1の部片249は、部片349の前面に当接するストッパ手段253を備えており、第2の部片は、環状座金47に当接するストッパ手段353を備えている。第1のばね230は、ケージ37の端部壁の後面とストッパ手段253の間に圧縮された状態で取り付けられており、第2のばね330は、第1のばね230の圧縮応力よりも高い圧縮応力を付与された状態で、ケージ37の端部壁の後面とストッパ手段353の間に圧縮された状態で取り付けられており、ばね330は、ばね230の外径よりも大きい内径を有している。
【0035】
本発明による反力装置の第3の実施形態を備えた、空圧ブレーキブースタの作動について説明する。
図10は、第3の実施形態による装置を備えたブースタに関し、ブースト比の変化を作動力の関数として示している。
入力値がある一定の力Feより低い場合、反力装置235は、剛体片として挙動し、反力装置は、曲線部分DEで示されている第1のブースト比を設定する。入力値がFeより高く、ある一定の力Fdより低い場合、ばね230は圧縮され、浮動部片249の前進滑動によって、反力ディスク33は中央開口51を通って拡張できるようになる。反力装置は、曲線部分EFで示されている第2のブースト比を設定する。入力値がFdより高くなると、ばね330は圧縮され、環状部片349の変位によって、反力ディスク33は軸方向前向きに環状表面を超えて拡張できるようになり、反力装置は、曲線部分FGで示されている第3のブースト比を設定する。次に、入力値が更に高くなると、浮動部片247の前端部は、ケージ37の端部壁の後面に当接するようになり、再び第1のブースト比DEで作動するようになる。この最終段階の開始は装置の設定条件に従って現れ、この開始は、飽和領域内の飽和帯域の前にあり、この飽和領域とは、作動チャンバ内の圧力が大気圧に達し、ブーストが追加されなくなる瞬間であり、作動力を増やしても、出力は作動力の値の分だけしか増加しなくなる。
【0036】
少なくとも1つの弾性手段30、230、330に圧縮応力を与える手段45が、ショルダに当接しかしめによって固定されている環状座金に限定されるものではなく、例えば座金及びネジのような、動けなくする何らかの手段によって正確な位置に拘束する手段であってもよいことをはっきりと理解しなければならない。
最初に環状リングを、次に浮動部片を動くようにする装置でも提供できることを、はっきりと理解しなければならない。
【0037】
図11a及び11bは、入力が力Feよりも高い場合、反力ディスクが半径方向に拡張できるようにする、本発明による反力装置の第4実施形態を示している。装置は、反力ディスク33と、反力ディスク33のハウジング91と、弾性手段430を備えている。反力ディスクのハウジング91は、軸方向の前面を介して、軸XX’を有するプッシュロッド31に固定されている収納カップ91であり、カップ91は、プッシュロッド31と同軸である。
カップ91は、軸XX’に垂直なディスク状の前面93と、ディスクと同軸の軸方向に伸張するスリーブ95を備えており、スリーブ95は、その横方向周辺部に、角度方向に好ましくは均一に分布されている凹部97と、内側面99に設置されている、前記凹部97と協働する突起タブ101を有している、予荷重を掛けられた弾性リング状の弾性手段430とを備えている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、プッシュロッド31の境界に沿って、スリーブ32’の形状で軸方向前向きに伸張している。
【0038】
本発明による反力装置の第4実施形態を備えている空圧ブレーキブースタの作動について説明する。
入力がある一定の入力値Feより低い場合、カップは剛体片として挙動し、反力装置は第1のブースト比を設定する。
入力がFeより高い場合、リングが変形して、反力ディスク33は溝97を通して拡張できるようになる。すると、ゴムの表面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、反力装置は、第2のブースト比を設定する。
【0039】
図12a及び12bは、作動力の値の変化を、弾性手段30、230、330、430、530の圧縮量の関数として示している。
出力、反力ディスク33の弾性率及び反力ディスク33の直径を変化させて、弾性手段の圧縮量の関数として、分配器に掛かる力を測定した。作動力は、ブレーキペダル上の入力に正比例している。
これらの特徴は、弾性手段が圧縮されると、作動力が低下し、従って同じ出力に対し、ブースト比が増大する。
このことは、ブースタのブースト比を変化させるために、空圧ブレーキブースタに組み込まれる本発明による反力装置の有効性を証明しており、ブースト比の変化は、反力ディスクの特性に依存している。
【0040】
弾性手段に付与される圧縮応力は、150ニュートン以上であることが望ましい。
第1のブースト比から第2のブースト比へ切り替えるための入力の限界値として与えられる入力値Feは、装置の設定条件、即ち、反力ディスクの大きさと、反力ディスクのゴムの弾性率と、用いられる弾性手段とによって決まる。入力値Fdでも同じである。
本発明は、それ自体、2つ又は3つの異なるブースト比を備えた反力装置に拘束されるのではなく、効果的で快適な制動を確実に行えるようにするのに必要な複数の連続的ブースト比を備えた反力装置であればよいことを、はっきりと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、特に自動車産業で利用される。
本発明は、主にブレーキ産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】既知の形式の空圧ブレーキブースタの長手方向断面図である。
【図2】2つのブースト比を有する型式のブースタに関し、ブースタの出力の変化を入力の関数として示す曲線である。
【図3】本発明による反力装置の第1の代替形態を備えた空圧ブレーキブースタの長手方向断面図である。
【図4】図3の反力装置の詳細図である。
【図5】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第2の代替形態の長手方向断面図である。
【図6】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第3の代替形態の長手方向断面図である。
【図7】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第4の代替形態の長手方向断面図である。
【図8】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図9】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図10】図9の反力装置を備えた空圧ブレーキブースタに関し、出力の変化を入力の関数として示す曲線である。
【図11】図11aは、本発明によるブースタに使用できる反力装置の第4の実施形態の長手方向断面図である。
図11bは、図11aによる反力装置の反力ディスクのハウジングを、正面から270度の方向から見た斜視図である。
【図12】図12aは、同じ一定の反力ディスク弾性率を有しており、3つの異なる反力ディスク直径を有している弾性手段に関し、3つの異なる推力を掛けた場合の、作動力の変化を弾性手段の圧縮量の関数として示す曲線である。
図12bは、曲線12aに示されている測定値に使用されたものとは異なる、或る一定の反力ディスク弾性率を有しており、3つの異なる反力ディスク直径を有している弾性手段に関し、3つの異なる推力を掛けた場合の、作動力の変化を弾性手段の圧縮量の関数として示す曲線である。
【0001】
本発明は、主に、ブースト特性を変更可能な空圧ブレーキブースタ用の反力装置、及び、そのような装置を備えたブレーキブースタに関する。
【背景技術】
【0002】
空圧ブレーキブースタは、ブレーキペダルに加えられる人の力を空圧で増幅するブレーキシステムに用いられる。ブースタは、ブレーキペダルと、マスターシリンダ、例えばタンデムマスターシリンダ、の間に配置される。
空圧ブレーキブースタは、密封された可動壁によって2つのチャンバに分割されているケーシングを備えており、この壁は、2つのチャンバの間の圧力差によって動かすことができる。可動壁は、ピストンの外周部にかしめられているスカート部を介して半径方向外向きに広がる空圧ピストンを備えている。2つのチャンバの間の圧力差は、ブレーキペダルによって制御されている作動ロッドの動きに従属する三方弁によって制御される。この三方弁は空圧ピストンの後方円筒部内に配置されている。
【0003】
作動ロッドの動作は、プッシュロッドによって、例えばゴムのような弾性材料から作られている反力ディスクを介して、マスターシリンダのピストンに伝達される。反力ディスクは、作動ロッドに対して固定されているプランジャ分配器を介して加えられる作動ロッドからの第1の力と、圧力差による可動壁の動きの結果として空圧ピストンにより供給されるブーストからの第2の力と、プッシュロッドを通して伝達される油圧ブレーキ回路の反力である第3の力、の3つの力を組み合わせる手段である。このディスクによって、車両のドライバーは、油圧回路から自分にフィードバックされる情報に基づいて、ブレーキペダルへの自分の動作を調整できるようになる。
ドライバーがペダルに掛ける力は、入力であり、作動ロッドが掛ける力は、作動力であり、プッシュロッドが、マスターシリンダ、例えばタンデムマスターシリンダのピストンに加える力は、出力である。
【0004】
このタイプのブレーキブースタによって、入力と出力との間に、ある一定の入力値の範囲に亘って、かなり厳密な関係を構築することができる。
例えば、ある一定の入力を超えるとブーストが増大するような、ブースタのブースト特性を変更することのできる、即ち入力と出力の間の比を変更することのできる装置がある。特許FR00/15943号は、空圧ピストンの後方円筒部に適用される装置について記述しており、分配器は、作動ロッドと同じ側のプランジャと、反力ディスクと同じ側のフィラーの2つの部品で構成され、フィラーとプランジャの間に変形可能なケージに入った圧縮応力ばねが配置されている。ばねの圧縮応力より低い作動力では、フィラーとプランジャは剛体片のように挙動する。十分に高い入力では、ばねは圧縮され、従ってフィラーがブレーキペダルに向かって軸方向に動けるようになるので、反力ディスクがブレーキペダルに向かって拡張できるようになる。その結果、作動ロッドに伝達される反力は低減し、ブースト比が上がる。
【0005】
しかしながら、この装置は、その嵩高性のためにブースタの内部構造を相当に修正しなければならず、これに対し、経費面の理由で、器材製造業者は、製品を標準化しよう努力している。更に、製造業者は、ブースタの大きさを小さくしようと努めている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、既知型式の空圧ブースタに装着することのできる反力装置を提供することが、本発明の目的である。
更に、小型の反力装置を提供することが、本発明の目的である。
更に、ブースト比を変えることができ、標準的なピストン本体を有する空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、低コストで、ブースト比を変えることができる空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、小型の、ブースト比を変えることができる空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
更に、ブーストのレベルを変えることができ、設計と製造が簡単な空圧ブレーキブースタを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、好都合にも、標準的形態のブースタの空圧ピストンに簡単な方法で取り付けることができる。
更に、本発明は、設計が簡単であり、製造コストも低いという利点を有している。
更に、本発明は、小型であるという利点を有している。。
【0008】
この様に、これらの目的は、
a)第1の長手方向端部における第1の面と、
b)前記第1の端部と反対側の第2の端部において、空圧ピストンを作用させるための第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた、プランジャを作用させるための第3の面と、そして
c)前記第1の面から前記第2及び第3の面まで伸張している第4の半径の面とによって境界が定められている、
非圧縮性の、又は実質的に非圧縮性の材料で作られている反力ディスクが中に配置されているハウジングを備えている、本発明による反力装置によって実現される。
【0009】
反力装置は、更に、少なくとも1つの変形可能な弾性手段と、前記弾性手段に圧縮応力を付与する手段とを備えており、入力値が或る一定の値より高い場合、前記弾性手段は、前記第1及び第2の面の集合において生じる、反力ディスクが使用できる容積の増大を可能とする。
本発明の主要な主題は、第1の長手方向端部における第1の面と、前記第1の端部と反対側の第2の端部における第2の半径方向外側の面と、前記第2の面で境界が定められた第3の面と、そして前記第1の面から前記第2及び第3の面まで軸方向に伸張する第4の半径の面とによって境界が定められている、収納ハウジング内に配置されている反力ディスクを備えているブレーキブースタ用の反力装置であり、前記反力装置は、更に、変形可能で、ある一定の値を超える入力に対して前記反力ディスクの利用可能な容積を増大させる少なくとも1つの弾性手段を備えており、所定値未満の入力に対して第1のブースト比を設定するものであり、更に、前記反力ディスクの利用可能な容積の増大は、第1及び第4の面の集合において生じ、又、前記反力装置は、所定値よりも高い入力値に対して少なくとも第2のブースト比を設定することを特徴とする。
【0010】
本発明の別の主題は、前記第4の面は、少なくとも部分的には、前記プッシュロッドの半径方向端部によって画定されることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記第1の面が、環状座金と、少なくとも1つの浮動部片によって画定されることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記第1の面が、プッシュロッドの一方の軸方向端部に固定されている部片によって形成されていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、少なくとも1つは在る前記弾性手段には圧縮応力が付与され、入力がある一定の入力値より低い場合には、反力装置を剛体として機能させることを特徴とする反力装置である。
【0011】
本発明の別の主題は、前記反力装置が、入力の値に従ってブースト比を変えることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置は、作動力値がある値より高い場合には、ブースト比を増大させることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段の圧縮応力が、150ニュートン以上であることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段がばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、円筒ばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、弾性リングであることを特徴とする反力装置である。
【0012】
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、円錐ばねであることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記環状座金及び少なくとも1つはある浮動部片が、少なくとも1つはある弾性手段に圧縮応力を付与する手段を形成していることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記環状座金が、プッシュロッドの本体にかしめられていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記浮動部片が、弾性手段を中央位置決めする手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置が、少なくとも2つの同軸弾性手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記弾性手段が、弾性手段の予荷重よりも低い予荷重を有していることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記浮動部片は、一方が他方に対して軸方向に動くことのできる中央の第1の部片と、環状の第2の部片を備えていることを特徴とする反力装置である。
本発明の別の主題は、前記反力装置が、空圧ブレーキブースタの案内手段と協働することができる案内手段を備えていることを特徴とする反力装置である。
【0013】
本発明の別の主題は、第1の長手方向端部でブレーキペダルと接続し、前記第1の端部と反対側の第2の長手方向端部で分配器と接続することのできる作動ロッドによって作動させる三方弁が配置されている空圧ピストンを備えている密封された可動壁によって2つのチャンバに分割されているケーシングを備えている空圧ブレーキブースタにおいて、前記分配器は、先に定義した反力装置と接触することができることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、先に定義した前記反力装置は、座金によって空圧ピストンに固定されていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、前記座金が、戻しばねと空圧ピストンとの間に挟むことによって固定されていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
本発明の別の主題は、前記空圧ピストンが、先に定義した反力装置の案内手段と協働する案内手段を備えていることを特徴とする空圧ブレーキブースタである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、以下の説明と添付図面を参照することにより、よく理解頂けるであろう。なお、ここでは、前(フロント)及び後(リヤ)という用語は、それぞれ図面の左手及び右手を指している。また、全ての図面を通して、同じ機能を果たす部品、部片には、同じ参照番号を付している。
記載されているずべての要素は、回転対称軸XX’を有する部片である。
以下の説明において、拡張という用語は弾性的動作として理解されており、以下に定義する反力ディスクは、弾性的動作が終わると、最初の形状に戻る。
【0015】
図1は、既知の型式の空圧ブレーキブースタを示しており、第1の外壁3と第2の外壁5から成るケーシング1を備え、両外壁は、密封された状態で一体にかしめられ(crimped)、それぞれ互いに対向する中央開口6、8を備えており、ケーシング1によって境界を画定された内部空間は、密封された可動壁11で、フロントチャンバ7と作動チャンバ9に分割されている。この壁11には、中央部分に、軸方向後方に伸張する空圧ピストン13が装備されており、半径方向外側部分に、ピストン13の外周部にかしめられたスカート15が装備されている。壁11は、ピストン13の外周部とケーシング1の外周部に固定されている、例えばエラストマーで作られたローリングシール16によって密封されている。ばね18は、外壁3の後面とピストン13の前面との間に圧縮された状態で取り付けられており、非作動時には壁を後退位置まで戻す働きをする。
フロントチャンバ7は、密封された手段(図示せず)によって、半真空(partial vacuum)源に接続されている。作動チャンバ9は、非作動時にはフロントチャンバ7と連通し、制動時には大気圧の環境と連通状態に置かれる。
【0016】
2つのチャンバの間、及び大気圧環境との連通は、空圧ピストン13の後方円筒部に配置されている三方弁19によって行われる。弁19は、ブレーキペダル(図示せず)に接続されている作動ロッド21に押される(borne)バルブシート20と、プランジャ23を備えたプランジャ分配器22と、フィラー25とを備えており、プランジャ23の後端部には、作動ロッド21のブレーキペダルと反対側の端部である前端部が填め込まれており、第1の弁27が形成されている。第2の弁29は、空圧ピストン13の後方外周部で形成されている。フィラーとプランジャは、変形可能なケージ32内に圧縮状態で取り付けられており、フィラー及びプランジャの外径よりも大きい内径を有しているばね30によって接続されている。ケージ32は、好適に付勢されてフィラーに固定され後方に向いている第1のスリーブと、好適に付勢されてプランジャに固定され前記第1のスリーブと向かい合っている小さな寸法の第2のスリーブとを備えている。
【0017】
ブースタは、更に、ブースタの前方に固定されているマスターシリンダのピストン(図示せず)を作動させるプッシュロッド31を備えており、プッシュロッド31は、ばね18とピストン13の前面との間に挟まれている座金32’によって固定されており、ブレーキペダルの方向に向けられているその後方軸端部には反力ディスク33を保持するカップが形成されており、半力ディスクは、ブレーキが掛かるとフィラー25の前面と協働することのできるもので、変形可能で事実上非圧縮性の材料、例えば、エラストマー、望ましくはゴムで作られている。
空圧ブレーキブースタは、既知の方法で、出力(Fs)と入力(Ft)の間の比に等しいブースト比によって特徴づけられ、ブースト比は、反力ディスク33とフィラー25の面積の比によって決まる。
安全のためには、緊急状況に対応する所定の値よりも高い入力でブレーキ操作が行われた場合には、このブースト比を増大させ、ブレーキペダルへの運転者の操作を更に後押しするのが望ましいことは明らかである。
従って、本ブースタは、第1のブースト比と、少なくとも1つの第2のブースト比を有することを特徴としている。
【0018】
我々は、ここで、図1及び図2を参照しながら、既知の型式のブースタの作動について説明する。
非作動時、フロントチャンバ7と作動チャンバ9は、フロントチャンバ7の半真空と連通しており、その影響下にある。
制動時には、運転者がブレーキペダルへ加える動作によって、作動ロッドが動かされ、第2の弁29をバルブシート20に当接させさせることによってチャンバ7と9の間の連通が閉じられ、且つ、第1の弁27をバルブシート20から離間させることによって作動チャンバと大気圧下の環境の間の連通が開始される。従って、フロントチャンバ7と作動チャンバ9との間に圧力差が生じ、これは、壁11をマスターシリンダに向かって動かす効果を持っている。フィラー25とプランジャ23で構成される分配器22は剛体片のように振る舞い、反力ディスク33は、作動ロッド21によってフィラー25を介して加わる力と、空圧ピストンによって加わるブースト力と、プッシュロッド31によって伝達される油圧回路の反力とを結合させる。ブースタは、第1のブースト比(AB)を提供する。
【0019】
入力が更に上がると、ばね30が圧縮され、するとフィラー25は、プランジャ24に対してブレーキペダルの方向に動くことができるようになり、反力ディスクがブレーキペダルの方向に拡張できるようになる。従って、ゴムの表面の接触圧力分布に変化が生じて、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、第2のブースト比(BC)に対応する状態になる。
制動段階の終了時には、作動ロッド31が後方に向かって動き、ブースタ全体が非作動位置に戻り、反力ディスクも元の形状に戻る。
【0020】
図3は、本発明の第1の実施形態による反力装置を装備したブレーキブースタを示しており、本ブレーキブースタは、第1の外壁3と第2の外壁5で形成されるケーシング1を備えており、各外壁は、それぞれ中央開口6、8を有しており、ケーシング内は、密封された可動壁11によって、2つのチャンバ7、9に分割されているいる。可動壁11は、中央部分に、軸方向後方に伸張する空圧ピストン13を備えており、また半径方向外側部分には、ピストン13の外周部にかしめられた剛体スカート15を備えており、ケーシング1及び空圧ピストン13に気密固定されているローリングシール16によって密封されている。
外壁3の後面とピストン13の前面の間には、ばね18が圧縮された状態で取り付けられており、ピストンを非作動位置まで押し戻す働きをする。フロントチャンバ7は、密封されている手段(図示せず)によって、半真空源に接続されている。
【0021】
三方弁19は、空圧ピストン13の円筒部に配置されており、ブレーキペダル(図示せず)に接続されている制御ロッド21によって制御される。三方弁19は、作動ロッド21に支持され環状面で形成されているバルブシート20を備えており、弁20の後面に対して圧縮された状態のばねが取り付けられていて、バルブシート20を弁27、29に押し付けている。
作動ロッド21の動作は、反力装置35とプランジャ分配器22とによって油圧式ブレーキ回路へ伝達され、プランジャ分配器22は作動ロッド21と同軸で、略先開き円錐形になった後部開口内に作動ロッド21の前端部を収容している。この円錐の後部端は、第1の弁27を形成している。
空圧ピストン13は、第2の弁29を形成している後方円筒状端部を備えており、またその前面には、反力装置35の軸方向案内手段と協働することのできる軸方向案内手段24を備えており、軸方向案内手段24は、好適にラジアルノッチ26によって形成されている。
【0022】
図4及び5は、図3のブースタの反力装置の第1の実施形態の2つの代替形態を示しており、弾性手段30と、前記弾性手段30に圧縮応力を与える(prestressing)手段45と、反力ディスク33を備えている。圧縮応力を与える手段45は、スリーブ38で形成されたケージ37と、環状座金47と、浮動部片49を備えている。スリーブ38は、前方に向いている第1の端部が、直径の小さい第1のスリーブ39を形成し、後方を向いている第2の端部が、ショルダ43で第1のスリーブ39と接続されている直径の大きい第2のスリーブ41を形成しており、直径の小さい第1のスリーブ39の軸方向前端部は閉鎖され、作動ロッド21と同軸のプッシュロッド31の土台を形成し、スリーブ38とプッシュロッド31は同軸になっている。
プッシュロッド31と同軸の環状座金47は、第2のスリーブ41内に固定的に取り付けられており、ショルダ43に当接して、スリーブ39の半径方向内側面に適切にかしめられている。浮動部片49は、座金47内に作られている通路51内を軸方向に並進移動できるように取り付けられており、好適にプランジャ分配器22と同軸に取り付けられ、外径が通路51の内径と等しくなっている。
【0023】
浮動部片49は、この部片49の軸方向端部から幾らか離れて位置し、半径方向外向きに伸張し、外径が開口51の内径よりも大きいフランジ55で巧く形成されている保持手段53を備えている。図5に示す第1の実施形態の第2の代替形態では、保持手段53は、更に、フランジ55の前面に作られている環状凹部54で形成される、ばね30を中心位置決めする(centring)手段54を備えている。
弾性手段30は、ばねであるのが好適であるが、スリーブ39の後方に向いた面と、フランジ55の環状の前面との間に、圧縮された状態で取り付けられている。
反力ディスクは、環状座金47の後方に向いた面と浮動部片49の後方に向いた面とによって形成される面57に当接するように配置されている。
大きい直径のスリーブ41の軸方向の寸法は、座金47の軸方向寸法と反力ディスク33の軸方向寸法の合計よりも長いので、スリーブ41の軸方向後方の自由端部は、ブースタの空圧ピストンの案内手段24と協働することのできる、反力装置35の案内手段59を形成している。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央通路は、好都合に、スリーブ37の小さい直径のスリーブ39を縁取るようなスリーブの形状で、軸方向前方に伸張している。
【0024】
本発明による装置35を備えた空圧ブレーキブースタの動作について説明する。
非作動時、チャンバ7及び9は、半真空状態になっている。
制動時、ブレーキペダルへの動作によって作動ロッドが動かされ、第2の弁29をバルブシート20に押し当てることによってフロントチャンバ7と作動チャンバ9の間の連通が閉じられ、次に、第1の弁27をシート20から離間させることによって作動チャンバ9と大気圧下の環境との間の連通が開かれる。すると、ピストン13は、2つのチャンバ7と9の間の圧力差によって前方に動かされる。
この時、反力ディスク33には、作動ロッドの作動力Faが分配器22を通して働き、ラジアルノッチ24によって反力ディスクに対して実際に動かすことができる空圧ピストン13のブースト力Fpが働き、更に、油圧ブレーキ回路の反力Frが働く。
【0025】
ある一定の入力値Feより入力が低い場合、反力手段35は剛体片のように振る舞い、反力装置は第1のブースト比を設定する。
ある一定の入力値Feより入力が高い場合、ばね30は圧縮され、浮動部片49は前向きに滑動できるようになり、従って反力ディスク33は前方向に開口51内へと拡がる。その結果、ゴム面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、反力装置は第2のブースト比を設定することになる。
入力の値が更に高くなると、浮動部片49がプッシュロッド31に当接するようになるので、ブースタは、Feよりも低い入力で得られる第1のブースト比と等しいブースト比を提供することになる。
ブースト比の変化は、反力ディスクが作られているゴムの弾性率と、反力ディスク及び反力ディスクのハウジングの構造とに依存する。
制動段階が終了すると、作動ロッド21は後退し、ブースタ全体がその非作動位置に戻り、特に、反力ディスクもその元の形状に戻る。
【0026】
図6は、本発明による反力装置の第1の実施形態の第3の代替形態を示しており、弾性手段530と、弾性手段530に圧縮応力を与える手段45と、反力ディスク33とを備えている。圧縮応力付与手段45は、軸XX’を中心線とする円筒形のスリーブ38で形成されているケージ37を備えており、その軸方向前端部はプッシュロッド31の土台を形成しており、更に、中央開口51が設けられている環状座金47と浮動部片49が装備されている。
環状座金47は、スリーブ38の内周部に好適にかしめることにより、スリーブ38内に固定的に取り付けられている。
【0027】
浮動部片49は、プランジャ分配器22と同軸で、座金47の開口51内に軸方向に並進移動できるように好適に取り付けられ、浮動部片49の外径が通路51の内径と等しくなっている。
浮動部片49は、その浮動部片49の軸方向端部から幾らか離れて位置し、半径方向外向きに伸張し、開口51の内径よりも大きい外径を有しているフランジ55により形成されている保持手段53を備えている。
弾性手段530は、ケージ37の前端壁の後面とフランジ55の環状の前面との間に圧縮された状態で取り付けられている前向きに開いた円錐ばねであるのが望ましい。反力ディスクは、環状座金47の後面と、浮動部片49の後面とで形成されている面57に当接するよう配置されている。反力装置は、ケージ37の円筒形後端部で形成されている、空圧ピストン13の案内手段24と協働することのできる、ピストン13に対する案内手段59を備えている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、プッシュロッド31と境界を接するスリーブの形で、軸方向前向きに伸張している。
本発明によるブレーキブースタに適用される装置135が作動する方法は、図4及び図5の反力装置の作動方法と同じである。
本発明による反力装置の第1の実施形態のこの代替形態は、好都合なことに、反力装置の軸方向の寸法をかなり低減させることができる。
【0028】
図7は、反力装置35の第1の実施形態の第4の代替形態を示しており、空圧ピストン13と分配器22とを部分的に示している。装置35は、反力ディスク33と、弾性手段30に圧縮応力を与える手段45を備えており、手段45は、内側ショルダ61の設けられたスリーブ60を備えており、スリーブ60内には、ショルダ61により形成される通路の内径と等しい外径を有する浮動部片49が並進移動できるように取り付けられており、更にスリーブ63が取り付けられている。スリーブ63は、閉鎖された軸方向前方端部を有しており、この前方端部は、一体に形成されているプッシュロッド31の土台64を形成している。スリーブ63は、その後部端がスリーブ60に入り、例えば、外力又はかしめによってスリーブ60に固定され、スリーブ60の開いている前方端部を閉鎖している。
図7の装置の全部品は、XX’軸と同軸である。
【0029】
浮動部片49は、更に、半径方向外向きに伸張する環状面71によって形成されるストッパ手段53を備えている。
反力ディスク33は、スリーブ60の後端部と同じ側の後面に当接するように取り付けられており、ばね30は、スリーブ63の前端部の後面と、浮動部片49のストッパ手段53の環状面71の前面との間に、圧縮された状態で取り付けられている。
スリーブ60は、その軸方向後端部に、空圧ピストン13の前面に形成されている案内手段24と協働することのできる案内手段59を備えている。
装置35も、ピストン13の案内手段24と協働することができる、空圧ピストン13に関する案内の手段59を備えていることになる。
【0030】
本発明によるブレーキブースタに用いられている図7の装置35が作動する方法は、図5及び図6に記載されている装置35の作動方法と同じである。
この実施形態の利点は、本発明による反力装置の製造が簡単なことである。
【0031】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る反力装置135であり、反力ディスク33と、弾性手段30と、スリーブ72を備えて弾性手段に圧縮応力を付与する手段と、を備えており、スリーブ72は、前方に向いた第1の端部には直径の小さい第1の部分73が設けられ、後方に向いた第2の端部には直径の大きい第2の部分75が設けられており、第1の部分73はショルダ77で第2の部分と接続されている。直径の小さい部分73は、前方に向いた端部に、内側に伸張し、開口74の境界を定めている環状面79を備えている。
プッシュロッド31は、前方に向いた第1の端部に断面の小さい第1の部分78を備えており、第1の端部と反対側の第2の端部に断面の大きい第2の部分78’を備えていて、この第2の部分78’は、直径の大きい第2の部分75の内径よりも小さい外径を有する土台80を形成しており、土台80とスリーブ75の間の空間が環状開口76を画定している。部片78は、例えば、圧入によって、開口74内に固定されている。
【0032】
装置135は、更に、ピストン13の案内手段24と協働することのできる、空圧ピストン13に対する案内の手段54を備えている。
圧縮応力付与手段は、スリーブ72の部分75の内径とほぼ等しい外径を有する環状リング81を備えていて、この部品は部分75内に滑動可能に取り付けられており、リング81は、後方には直径の大きい第1の開口83が開き、前方には直径の小さい第2の開口85が開いており、2つの開口83、85は、ショルダ87で接続されている。開口83の内径はプッシュロッド31の部分78’の外径とほぼ等しく、開口85の内径は土台80の外径とほぼ等しい。リング81は、更に、その前端部に、前方に面した円錐形状の円錐台内面形状の部分89を備えている。リング81は、スリーブの部分75に、且つ、プッシュロッド21の周囲に滑動可能に取り付けられている。弾性手段30は、円筒ばねが好都合であるが、環状面79の後面と部分89の端部壁の間に圧縮された状態で取り付けられている。
【0033】
反力ディスク33は、土台80とリング81の後面によって形成されている面に当接するように取り付けられている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、スリーブ72の直径の小さい部分73の境界面に沿うスリーブ32”の形状で軸方向前向きに延びている。
空圧ブレーキブースタに組み込まれている、図8の反力装置135の作動について説明しよう。
制動時、ある一定の力Feより入力値が低い場合、反力装置135は、剛体片と同じように挙動する。反力ディスクは、既知の様式で作用し、力Fa、Fp及びFrを組み合わせ、全反力を作動ロッドに伝達する。反力装置は、第1のブースト比を設定する。
Feより入力値が高い場合、ばね30が変形して、リング81が前向きに滑動できるようになるので、反力ディスク33は、土台80の外径とスリーブ72の部分75の内径によって画定されている外側環状部分76内へと、前方に拡張できるようになる。
従って、ゴムの表面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧を低下させ、反力装置は第2のブースト比を設定する。
ある一定の入力で、リング81がショルダ77に当接するようになり、するとブースタは、ばねの圧縮応力より低い力Faの場合に得られる第1のブーストレベルと等しいブーストレベルを供給するようになる。
第1の実施形態の場合とは異なり、反力ディスクの拡張は、中央開口51によってではなく、外側環状部分76を通して起こる。
【0034】
図9は、ブースタのブースト比を再度変更することのできる反力装置の第3の実施形態を示しており、空圧ピストン13と分配器22を部分的に示している。
反力装置235は、第1の中央部片249と、前記第1の部片249に関して滑動する環状の第2の部片349とを含んでいる合成浮動部片49を備えている点で、第1の実施形態の反力装置35とは異なっている。第1の部片249は、部片349の前面に当接するストッパ手段253を備えており、第2の部片は、環状座金47に当接するストッパ手段353を備えている。第1のばね230は、ケージ37の端部壁の後面とストッパ手段253の間に圧縮された状態で取り付けられており、第2のばね330は、第1のばね230の圧縮応力よりも高い圧縮応力を付与された状態で、ケージ37の端部壁の後面とストッパ手段353の間に圧縮された状態で取り付けられており、ばね330は、ばね230の外径よりも大きい内径を有している。
【0035】
本発明による反力装置の第3の実施形態を備えた、空圧ブレーキブースタの作動について説明する。
図10は、第3の実施形態による装置を備えたブースタに関し、ブースト比の変化を作動力の関数として示している。
入力値がある一定の力Feより低い場合、反力装置235は、剛体片として挙動し、反力装置は、曲線部分DEで示されている第1のブースト比を設定する。入力値がFeより高く、ある一定の力Fdより低い場合、ばね230は圧縮され、浮動部片249の前進滑動によって、反力ディスク33は中央開口51を通って拡張できるようになる。反力装置は、曲線部分EFで示されている第2のブースト比を設定する。入力値がFdより高くなると、ばね330は圧縮され、環状部片349の変位によって、反力ディスク33は軸方向前向きに環状表面を超えて拡張できるようになり、反力装置は、曲線部分FGで示されている第3のブースト比を設定する。次に、入力値が更に高くなると、浮動部片247の前端部は、ケージ37の端部壁の後面に当接するようになり、再び第1のブースト比DEで作動するようになる。この最終段階の開始は装置の設定条件に従って現れ、この開始は、飽和領域内の飽和帯域の前にあり、この飽和領域とは、作動チャンバ内の圧力が大気圧に達し、ブーストが追加されなくなる瞬間であり、作動力を増やしても、出力は作動力の値の分だけしか増加しなくなる。
【0036】
少なくとも1つの弾性手段30、230、330に圧縮応力を与える手段45が、ショルダに当接しかしめによって固定されている環状座金に限定されるものではなく、例えば座金及びネジのような、動けなくする何らかの手段によって正確な位置に拘束する手段であってもよいことをはっきりと理解しなければならない。
最初に環状リングを、次に浮動部片を動くようにする装置でも提供できることを、はっきりと理解しなければならない。
【0037】
図11a及び11bは、入力が力Feよりも高い場合、反力ディスクが半径方向に拡張できるようにする、本発明による反力装置の第4実施形態を示している。装置は、反力ディスク33と、反力ディスク33のハウジング91と、弾性手段430を備えている。反力ディスクのハウジング91は、軸方向の前面を介して、軸XX’を有するプッシュロッド31に固定されている収納カップ91であり、カップ91は、プッシュロッド31と同軸である。
カップ91は、軸XX’に垂直なディスク状の前面93と、ディスクと同軸の軸方向に伸張するスリーブ95を備えており、スリーブ95は、その横方向周辺部に、角度方向に好ましくは均一に分布されている凹部97と、内側面99に設置されている、前記凹部97と協働する突起タブ101を有している、予荷重を掛けられた弾性リング状の弾性手段430とを備えている。
反力装置は、環状座金32によって空圧ピストン13に固定されており、環状座金32の中央開口は、プッシュロッド31の境界に沿って、スリーブ32’の形状で軸方向前向きに伸張している。
【0038】
本発明による反力装置の第4実施形態を備えている空圧ブレーキブースタの作動について説明する。
入力がある一定の入力値Feより低い場合、カップは剛体片として挙動し、反力装置は第1のブースト比を設定する。
入力がFeより高い場合、リングが変形して、反力ディスク33は溝97を通して拡張できるようになる。すると、ゴムの表面における接触圧の分布に変化が生じ、分配器22と反力ディスク33の間の接触圧が低下し、反力装置は、第2のブースト比を設定する。
【0039】
図12a及び12bは、作動力の値の変化を、弾性手段30、230、330、430、530の圧縮量の関数として示している。
出力、反力ディスク33の弾性率及び反力ディスク33の直径を変化させて、弾性手段の圧縮量の関数として、分配器に掛かる力を測定した。作動力は、ブレーキペダル上の入力に正比例している。
これらの特徴は、弾性手段が圧縮されると、作動力が低下し、従って同じ出力に対し、ブースト比が増大する。
このことは、ブースタのブースト比を変化させるために、空圧ブレーキブースタに組み込まれる本発明による反力装置の有効性を証明しており、ブースト比の変化は、反力ディスクの特性に依存している。
【0040】
弾性手段に付与される圧縮応力は、150ニュートン以上であることが望ましい。
第1のブースト比から第2のブースト比へ切り替えるための入力の限界値として与えられる入力値Feは、装置の設定条件、即ち、反力ディスクの大きさと、反力ディスクのゴムの弾性率と、用いられる弾性手段とによって決まる。入力値Fdでも同じである。
本発明は、それ自体、2つ又は3つの異なるブースト比を備えた反力装置に拘束されるのではなく、効果的で快適な制動を確実に行えるようにするのに必要な複数の連続的ブースト比を備えた反力装置であればよいことを、はっきりと理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、特に自動車産業で利用される。
本発明は、主にブレーキ産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】既知の形式の空圧ブレーキブースタの長手方向断面図である。
【図2】2つのブースト比を有する型式のブースタに関し、ブースタの出力の変化を入力の関数として示す曲線である。
【図3】本発明による反力装置の第1の代替形態を備えた空圧ブレーキブースタの長手方向断面図である。
【図4】図3の反力装置の詳細図である。
【図5】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第2の代替形態の長手方向断面図である。
【図6】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第3の代替形態の長手方向断面図である。
【図7】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第1の実施形態の第4の代替形態の長手方向断面図である。
【図8】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図9】本発明によるブースタに使用できる反力装置の第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図10】図9の反力装置を備えた空圧ブレーキブースタに関し、出力の変化を入力の関数として示す曲線である。
【図11】図11aは、本発明によるブースタに使用できる反力装置の第4の実施形態の長手方向断面図である。
図11bは、図11aによる反力装置の反力ディスクのハウジングを、正面から270度の方向から見た斜視図である。
【図12】図12aは、同じ一定の反力ディスク弾性率を有しており、3つの異なる反力ディスク直径を有している弾性手段に関し、3つの異なる推力を掛けた場合の、作動力の変化を弾性手段の圧縮量の関数として示す曲線である。
図12bは、曲線12aに示されている測定値に使用されたものとは異なる、或る一定の反力ディスク弾性率を有しており、3つの異なる反力ディスク直径を有している弾性手段に関し、3つの異なる推力を掛けた場合の、作動力の変化を弾性手段の圧縮量の関数として示す曲線である。
Claims (23)
- 収納ハウジング内に配置されている反力ディスク(33)を備えているブレーキブースタのため反力装置であって、前記収納ハウジングは、第1の長手方向端部の第1の面と、前記第1の端部と反対側の第2の端部の第2の半径方向外側の面と前記第2の面で境界が定められる第3の面と、そして、前記第1の面から前記第2及び第3の面まで軸方向に伸張している第4の半径の面(radial surface)とによって境界が定められており、前記反力装置は、更に、変形可能で、入力がある一定の入力値(Fe)を超えると、前記反力ディスク(33)の利用可能(available)な容積を増大できるようにする少なくとも1つの弾性手段(30、230、330、430、530)を備えていて、入力が前記所定の値(Fe)より低い場合には第1ブースト比を設定するブレーキブースタの反力装置において、
前記反力ディスク(33)の利用可能な容積の増大は、前記第1及び第4の面の集合(collection)において生じ、前記反力装置は、入力値が前記所定の値(Fe)より高い場合には、少なくとも第2のブースト比を設定することを特徴とする反力装置。 - 前記第4の面は、少なくとも部分的にはプッシュロッド(31)の半径方向端部によって画定されていることを特徴とする、請求項1に記載の反力装置。
- 前記第1の面は、環状座金(47)と、少なくとも1つの浮動部片(49、149、349)とによって画定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反力装置。
- 前記第1の面は、前記プッシュロッド(31)の一方の軸方向端部に固定されている部片によって形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の反力装置。
- 少なくとも1つはある前記弾性手段(30、230、330、430、530)には圧縮応力が付与され、入力値がある一定の入力値(Fe)より低い場合には、前記反力装置を剛体として機能させることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の反力装置。
- 前記反力装置は、入力の値によってブースト比を変えることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の反力装置。
- 前記反力装置は、作動力値がある一定の入力値(Fe)より高い場合には、ブースト比を増大させることを特徴とする、請求項6に記載の反力装置。
- 前記弾性手段(30、230、330、430、530)の圧縮応力は、150ニュートン以上であることを特徴とする、上記請求項の何れかに記載の反力装置。
- 前記弾性手段(30、230、330、530)はばねであることを特徴とする、上記請求項の何れかに記載の反力装置。
- 前記弾性手段(30、230、330)は円筒ばねであることを特徴とする、請求項9に記載の反力装置。
- 前記弾性手段(430)は、弾性リングであることを特徴とする、請求項1、2、5、6、7又は8に記載の反力装置。
- 前記弾性手段(530)は、円錐ばねであることを特徴とする、請求項9に記載の反力装置。
- 前記環状座金(47)と、少なくとも一つはある前記浮動部片(49)とは、少なくとも一つはある前記弾性手段(30、230、330、530)に圧縮応力を付与する手段(45)を形成していることを特徴とする、請求項3に記載の反力装置。
- 前記環状座金(47)は、前記プッシュロッド(31)の本体にかしめられていることを特徴とする、請求項3、9,10、12又は13に記載の反力装置。
- 前記浮動部片(49)は、前記弾性手段(30)を中心位置決めする手段(54)を備えていることを特徴とする、請求項3、9、10、12、13又は14に記載の反力装置。
- 前記反力装置は、少なくとも2つの同軸弾性手段(230、330)を備えていることを特徴とする、請求項10、13、14又は15に記載の反力装置。
- 前記弾性手段(230)は、前記弾性手段(330)の予荷重よりも低い予荷重を有していることを特徴とする、請求項16に記載の反力装置。
- 前記浮動部片(49)は、互いに軸方向に動くことのできる、中央の第1部片(249)と環状の第2部片(349)を備えていることを特徴とする、請求項17に記載の反力装置。
- 前記反力装置は、空圧ブレーキブースタの案内手段(24)と協働することのできる案内手段(59)を備えていることを特徴とする、上記請求項の何れかに記載の反力装置。
- 密封された可動壁(11)によって2つのチャンバ(7、9)に分割されているケーシング(1)を備えている空圧ブレーキブースタであって、前記可動壁は、作動ロッド(21)によって作動させる三方弁(19)が配置されている空圧ピストン(13)を備え、前記作動ロッドは、第1の長手方向端部でブレーキペダルと接続され、前記第1の端部と反対側の第2の長手方向端部で分配器(22)と接続できるようになっており、
前記分配器(22)は、上記請求項の何れかに記載の装置の反力装置と接触することができることを特徴とする、空圧ブレーキブースタ。 - 請求項1から19に記載の前記反力装置が、座金(32)によって前記空圧ピストン(13)に固定されていることを特徴とする、請求項20に記載の空圧ブレーキブースタ。
- 前記座金(32)は、戻りばね(18)と前記空圧ピストン(13)の間に挟まれることによって固定されていることを特徴とする、請求項21に記載の空圧ブレーキブースタ。
- 前記空圧ピストン(13)は、請求項19に記載の前記反力装置の案内手段(59)と協働する案内手段(24)を備えていることを特徴とする、請求項20から22の何れかに記載の空圧ブレーキブースタ。
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