JP4626773B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したときに短縮して前記リアクション部材からの反力を受けている限りこの短縮を維持する、伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装してなり、
該ブレーキアシスト機構は、リアクション部材に対向するリアクションロッドと、該リアクションロッドと前記プランジャとの間に介装された弾性部材と、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または前記プランジャの前記バルブボディに対する移動量が、所定値に達する前は、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を制限し、所定値に達した後に、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を許容する制御手段とを含み、
前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面に凹部を形成し、前記リアクション部材が前記凹部内に膨出することによって前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面積が増大するようにしたことを特徴とする。
このように構成したことにより、入力ロッドへの入力速度が速い場合、入力ロッドによるプランジャの移動速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達し、これにより、ブレーキアシスト機構が短縮するので、プランジャの移動量がさらに大きくなり、弁手段の開度が大きくなる。また、出力ロッドからの反力によってリアクション部材が凹部内に膨出すると、バルブボディのリアクション部材に対する受圧面積が増大して、倍力比が変化する。
請求項2の発明に係る気圧式倍力装置は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したときに短縮して前記リアクション部材からの反力を受けている限りこの短縮を維持する、伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装してなり、
該ブレーキアシスト機構は、リアクション部材に対向するリアクションロッドと、該リアクションロッドと前記プランジャとの間に介装された弾性部材と、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または前記プランジャの前記バルブボディに対する移動量が所定値に達する前は、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を制限し、所定値に達した後に、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を許容する制御手段とを含み、
前記リアクション部材からの反力を前記入力ロッド側に伝達するリアクションプレートを有し、該リアクションプレートは、前記リアクション部材からの反力が大きくなると、前記バルブボディに当接して、前記リアクション部材からの反力を前記バルブボディに伝達することを特徴とする。
このように構成したことにより、入力ロッドへの入力速度が速い場合、入力ロッドによるプランジャの移動速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達し、これにより、ブレーキアシスト機構が短縮するので、プランジャの移動量がさらに大きくなり、弁手段の開度が大きくなる。また、リアクション部材からの反力が大きくなってリアクションプレートがバルブボディに当接すると、リアクションプレートによってリアクション部材からの反力がバルブボディに伝達されるので、入力ロッドに伝達される反力が小さくなる。
請求項2の発明に係る気圧式倍力装置によれば、入力ロッドへの入力速度が速い場合、プランジャの移動と速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達し、これにより、ブレーキアシスト機構が短縮して前記リアクション部材からの反力を受けている限りこの短縮を維持するので、プランジャの移動量がさらに大きくなり、弁手段の開度が大きくなる。その結果、出力が増大されることになるので、操作力を軽減しつつ迅速に大きな制動力を発生させることができ、緊急時の制動力を高めることができ、かつ、リアクション部材からの反力が大きくなってリアクションプレートがバルブボディに当接すると、リアクションプレートによってリアクション部材からの反力がバルブボディに伝達されるので、入力ロッドに伝達される反力が小さくなり、操作力が軽減される。
本発明の第1参考技術について図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る気圧式倍力装置1の要部であるバルブボディ2の内部を示している。気圧式倍力装置1は、上記従来の気圧式倍力装置と同様、図示しないハウジングの内部がパワーピストンによって、定圧室と変圧室とに画成されており、パワーピストンに略円筒状のバルブボディ2の一端部が連結され、バルブボディ2の他端側がハウジングの後壁に摺動可能かつ気密的に挿通されて外部へ延出されている。バルブボディ2の一端部には、リアクションディスク3(リアクション部材)を介して出力ロッド4が連結されており、出力ロッド4の先端部は、ハウジングの前壁に取付けられたマスタシリンダ(図示せず)のピストンに連結される。
ブレーキアシスト機構10は、バルブボディ2の中径部6内に摺動可能に嵌装された円筒状のスリーブ21と、レシオプレート8に当接するリアクションロッド22と、プランジャ9に当接するプランジャロッド23とを有している。スリーブ21は、内部に小径の案内部24が形成され、案内部24の一端の内周縁部にテーパ部25が形成されている。
図1に示す非制動位置においては、ポペットシール12にバルブボディ2のシート部13およびプランジャ9のシート部14が着座しており、変圧室が大気(作動気体)および定圧室(エンジン吸気負圧等によって常時負圧に維持されている)から遮断されて、パワーピストンに対する変圧室と定圧室の圧力が釣合っているので、パワーピストンに推力が発生しない。
通常の制動時には、上記第1参考技術と同様、入力ロッド11によるプランジャ9の移動によって、変圧室に大気を導入し、定圧室と変圧室との圧力差によってパワーピストンに生じる推力をリアクションディスク3を介して出力ロッド4に作用させてサーボ力を発生させ、出力ロッド4からリアクションディスクに作用する反力の一部をボール30を介して入力ロッド11にフィードバックする。そして、制動初期段階において、リアクションロッド39とボール30との隙間C1およびリアクションディスク3とリアクションロッド部40との隙間C1によって、ジャンプイン作用を得る。ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図14に示す。
図23に示すように、本参考技術では、プランジャ9は、先端部がリアクションロッド22まで延ばされてリアクションロッド22と一体に結合されている。プランジャ9には、その基端側のシール部42の外周に、大気弁部材44(弁体)の円筒部45が摺動可能かつ気密的に嵌合されて、先端側の小径部の外周に、略円筒状のスライド部材46(支持部材)が摺動可能に嵌合されている。そして、バルブボディ2の中径部6とスライド部材46およびリアクションロッド22のフランジ部27との間に、略円筒状のスリーブ47(制御手段)が摺動可能に嵌装されている。
通常の制動時には、スリーブ47の内周面によってボール30の径方向外側への移動が阻止されるので、ボール30によってスライド部材46とリアクションロッド22との間に隙間C2を維持した状態で、プランジャ9、大気弁部材44、スライド部材46及びスリーブ47が一体で移動する。この状態では、上記第1実施形態と同様、入力ロッド11によるプランジャ9の移動によって、変圧室に大気を導入し、定圧室と変圧室との圧力差によってパワーピストンに生じる推力をリアクションディスク3を介して出力ロッド4に作用させてサーボ力を発生させ、出力ロッド4からリアクションディスク3に作用する反力の一部をリアクションロッド22及びプランジャ9を介して入力ロッド11にフィードバックする。そして、制動初期段階において、リアクションディスク3とリアクションロッド22との隙間C1によって、ジャンプイン作用を得る。ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図24に示す。
通常の制動時には、スリーブ59がスプリング61のばね力によって、リアクションロッド22のフランジ部27に当接する位置にあり、弾性部材57は、スリーブ59の内周面による密閉空間内にある。この状態では、弾性部材57の軸方向寸法L1の圧縮は、その体積弾性に依存することになり、弾性係数が大きいため、ブレーキアシスト機構55の軸方向の寸法は殆ど変化しない。したがって、上記第1実施形態と同様、入力ロッド11によるプランジャ9の移動によって、変圧室に大気を導入し、定圧室と変圧室との圧力差によってパワーピストンに生じる推力をリアクションディスク3を介して出力ロッド4に作用させてサーボ力を発生させ、出力ロッド4からリアクションディスク3に作用する反力の一部をリアクションロッド22および弾性部材57を介して入力ロッド11にフィードバックする。そして、制動初期段階において、リアクションディスク3とリアクションロッド22との隙間C1によって、ジャンプイン作用を得る。ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図29に示す。
次に、本発明の第1実施形態について、図38ないし図41および図45を参照して説明する。図38ないし図41に示すように、第1実施形態では、図28ないし図31に示す第4参考技術に対して、ピン58をリアクションロッド22と一体化し、スナップリング65によってリアクションロッド22とホルダ56とが結合されている。また、バルブボディ2の小径部5の内周縁部に、バルブボディ2によって押圧されるリアクションディスク3の逃げ部66(凹部)を形成することによって、2段階の倍力比を有するいわゆる2レシオ型となっている。
2 バルブボディ
3 リアクションディスク(リアクション部材)
4 出力ロッド
9 プランジャ
10 ブレーキアシスト機構
12 ポペットシール(弁手段)
11 入力ロッド
21 スリーブ
22 リアクションロッド
23 プランジャロッド
30 ボール
44 大気弁部材(弁体)
47 スリーブ(制御手段)
52 スプリング(付勢手段)
55 ブレーキアシスト機構
57 弾性部材
59 スリーブ(制御手段)
66 逃げ部(凹部)
67 リアクションプレート
Claims (2)
- ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したときに短縮して前記リアクション部材からの反力を受けている限りこの短縮を維持する、伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装してなり、
該ブレーキアシスト機構は、リアクション部材に対向するリアクションロッドと、該リアクションロッドと前記プランジャとの間に介装された弾性部材と、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または前記プランジャの前記バルブボディに対する移動量が、所定値に達する前は、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を制限し、所定値に達した後に、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を許容する制御手段とを含み、
前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面に凹部を形成し、前記リアクション部材が前記凹部内に膨出することによって前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面積が増大するようにしたことを特徴とする気圧式倍力装置。 - ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したときに短縮して前記リアクション部材からの反力を受けている限りこの短縮を維持する、伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装してなり、
該ブレーキアシスト機構は、リアクション部材に対向するリアクションロッドと、該リアクションロッドと前記プランジャとの間に介装された弾性部材と、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または前記プランジャの前記バルブボディに対する移動量が所定値に達する前は、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を制限し、所定値に達した後に、前記弾性部材の前記プランジャ移動方向の圧縮を許容する制御手段とを含み、
前記リアクション部材からの反力を前記入力ロッド側に伝達するリアクションプレートを有し、該リアクションプレートは、前記リアクション部材からの反力が大きくなると、前記バルブボディに当接して、前記リアクション部材からの反力を前記バルブボディに伝達することを特徴とする気圧式倍力装置。
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