JPH10203345A - 気圧式倍力装置 - Google Patents

気圧式倍力装置

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JPH10203345A
JPH10203345A JP9027223A JP2722397A JPH10203345A JP H10203345 A JPH10203345 A JP H10203345A JP 9027223 A JP9027223 A JP 9027223A JP 2722397 A JP2722397 A JP 2722397A JP H10203345 A JPH10203345 A JP H10203345A
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JP
Japan
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reaction force
input
reaction
plunger
adjusting mechanism
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JP9027223A
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Mitsuhiro Endo
光弘 遠藤
Hiromi Ando
博美 安藤
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反力調整機構を内蔵する気圧式倍力装置にお
いて、倍力比の切替点を明確に規定して所望の制動力を
得る。 【解決手段】 パワーピストンのバルブボデー17に内
装したプランジャ25とバルブボデー17の前面に配置
したリアクション部材34との間に反力調整機構42を
介装し、反力調整機構42は、反力受け43と規制部材
44との間に圧縮ばね45を所定のセット荷重で介装し
た構成とし、圧縮ばね45のセット荷重を、通常ブレー
キ操作時の入力と緊急ブレーキ操作時の入力との境界範
囲に設定することにより、緊急ブレーキ操作時に圧縮ば
ね45を縮ませて一段高い倍力比を得、大出力領域の入
力を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ系
統に用いられる気圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気圧式倍力装置としては、ハウジング内
をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、
ブレーキペダルと連動する入力ロッドに連結されたプラ
ンジャの移動に応じて前記変圧室に気体を導入して、前
記定圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差により
前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を
介して出力ロッドに伝達するとともに、その反力の一部
を前記リアクション部材を介して前記プランジャに作用
させるようにしたものがある。
【0003】このような気圧式倍力装置において、その
入力と出力との関係は、通常は、図6に示すように、制
動初期段階に所定のジャンプイン出力Aを生じた後、入
力にの増加に応じて出力が直線的に増大し、全負荷点B
までその関係が続くようになっている。なお、ジャンプ
イン出力Aは、非作動時におけるリアクション部材とプ
ランジャとの間の隙の存在によって生じる現象であり、
これが大きいほど高減速度が得られるようになる。
【0004】上記した入出力特性において、その入力と
出力との比すなわち倍力比を小さく設定すると、当然の
ことながら高い出力を得るためには高い入力が必要とな
り、緊急ブレーキ操作時(パニック制動時)に踏力の弱
い人が十分な出力を出せない虞がある。一方、倍力比を
大きく設定すると、通常ブレーキ操作時のように軽くブ
レーキを踏んでも大きな出力が得られるため、不用意に
急制動することにもなり、両方の要求を満足させること
はかなり面倒なこととなっている。なお、倍力比はリア
クション部材に対する出力ロッドの接触面積とプランジ
ャの接触面積との比で決まり、したがって倍力比を変更
する場合は、設計変更が必要となる。
【0005】そこで、例えば、特開平8−85442号
公報に記載の気圧式倍力装置では、図7に示すように、
パワーピストンのバルブボデー1内に入力軸2と連結し
て配設されたプランジャ3と、出力ロッド4によりバル
ブボデー1に押えられたリアクション部材5との間に反
力調整機構Sを介装している。この反力調整機構Sは、
反力受け6とばね受け(規制部材)7との間にボルト8
を用いて圧縮ばね9を所定のセット荷重となるように圧
縮状態で保持した構造となっている。このような反力調
整機構Sを設けることにより、図6に示すように、ジャ
ンプイン出力Aを生じた以降の倍力作用の過程におい
て、入力が圧縮ばね9のセット荷重に達するまでは、反
力受け6とプランジャ3とが一体となって反力を受ける
ので、従来と基本的に変わりのない入出力特性が得られ
るが、入力が圧縮ばね9のセット荷重を越えると、圧縮
ばね9が短縮して2次的なジャンプイン出力Cが生じて
倍力比が大きくなり、出力の大きい領域において入力
(踏力)を軽減することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の気圧式倍力装置によれば、入出力特性の屈曲
点(倍力比の切替点)Cをどのように設定するかについ
ての明確な基準がないため、緊急ブレーキ操作時に制動
力が不足したり、通常ブレーキ操作時に制動が効きすぎ
る虞があった。また、上記公報に記載の気圧式倍力装置
によれば、2次的なジャンプイン出力Cが得られた後、
直ちに元の倍力比に戻るため(D′点)、緊急制動に遅
れを生じる虞もあった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その第1の目的とするところは、倍力比の
切替点を明確に規定することにより所望の制動力を得る
ことができる気圧式倍力装置を提供することである。ま
た、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、緊
急制動に十分に対応できる気圧式倍力装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めの第1の発明の構成は、ハウジング内をパワーピスト
ンによって定圧室と変圧室とに画成し、ブレーキペダル
と連動する入力ロッドに連結されたプランジャの移動に
より前記変圧室に気体を導入して、前記定圧室との間に
圧力差を発生させ、この圧力差により前記パワーピスト
ンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッド
に伝達するとともに、その反力の一部を前記リアクショ
ン部材を介して前記プランジャに作用させるようにし、
さらに前記リアクション部材とプランジャとの間に、所
定のセット荷重を有しそのセット荷重以上の圧縮荷重に
よって短縮するように弾性を持たせた反力調整機構を介
装した気圧式倍力装置において、前記反力調整機構は、
そのセット荷重を、通常ブレーキ操作時に前記入力ロッ
ドに与えられる入力と、緊急ブレーキ操作時に前記入力
ロッドに与えられる入力との境界領域に設定しており、
この境界領域を境にして倍力比が切り替わるようになっ
ていることを特徴とする。
【0009】このように構成した気圧式倍力装置におい
ては、緊急ブレーキ操作時には反力調整機構が短縮して
一段高い倍力比となり、ブレーキ操作に応じた最適の制
動力が得られるようになる。
【0010】ここで、上記第1の発明における境界領域
は、緊急ブレーキ操作時の車両減速度に対応する 0.3〜
0.4 gの範囲にあることが望ましく、これにより倍力比
の切替えに遅滞を生じることはなくなる。また、本第1
の発明は、上記境界領域を境にして、これより低い入力
が与えられたときの第1の倍力比α1 と、これより高い
入力が与えられたときの第2の倍力比α2 との関係を
[α2 =α1 × 1.3〜2.0 ]とするのが望ましく、これ
により、緊急制動に際してそれほど強くブレーキを踏む
必要はなくなり、コントロール性をある程度確保でき
る。
【0011】本第1の発明において、上記反力調整機構
は、リアクション部材に当接可能な反力受けと、前記反
力受けに一端部が位置調整可能に取付けられた調整ロッ
ドと、該調整ロッドの他端部に抜け不能にかつ摺動可能
に接続された規制部材と、前記反力受けと規制部材との
間に所定のセット荷重となるように介装された圧縮ばね
とからなり、前記規制部材がプランジャに作用するよう
になっている構成とすることができる。このように調整
ロッドを位置調整可能に反力受けに取付けることで、圧
縮ばねのセット荷重を簡単に調整することができる。
【0012】また、第2の目的を達成するための第2の
発明の構成は、上記した第1の発明において、さらに、
緊急ブレーキ操作に応じて切替わった第2の倍力比が、
全負荷点まで継続して得られるようにしたことを特徴と
する。このように構成した気圧式倍力装置においては、
第2の倍力比が全負荷点まで継続して得られるので、緊
急制動時の途中で制動力が落ちることがなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0014】図1は、本発明に係る気圧式倍力装置の全
体的な構造を、図2はその要部構造をそれぞれ示したも
のである。図1および図2において、10は、フロント
シェル11とリヤシェル12とからなるハウジングで、
ハウジング10内はダイアフラム13を備えたパワーピ
ストン14により定圧室15と変圧室16とに区画され
ている。パワーピストン14は、その中央に、大端部1
7aと小径の筒状部17bとを連設してなるバルブボデ
ー17を備えており、バルブボデー17は、その大端部
17aがパワーピストンに嵌合支持されると共に、その
筒状部17bがリヤシェル12を気密的にかつ摺動自在
に挿通して後方へ延ばされている。
【0015】バルブボデー17には、その筒状部17b
内を定圧室15に連通する定圧通路18が軸方向に設け
られる他、該筒状部17b内を変圧室16に連通する空
気通路(大気通路)19が半径方向に設けられている。
定圧室15には、フロントシェル11の前部に接続した
導入管20を通じて、例えばエンジン負圧が導入される
ようになっており、一方、バルブボデー17の筒状部1
7bには、その後端開口からサイレンサ21およびフィ
ルタ22を経て大気が導入されるようになっている。
【0016】バルブボデー17内には、変圧室16に対
して定圧通路(負圧通路)18と大気通路19とを選択
的に開く弁機構23が配設されている。弁機構23は、
バルブボデー17の大端部17aに設けた軸孔24に摺
動自在に納めされたプランジャ25、バルブボデー17
の筒状部17bの内面に押え部材26(図2)を用いて
基端部が固定された弾性変形可能な弁体27、この弁体
27の前端の外縁部と定圧通路18の開口を含むように
バルブボデー17の内周に形成された弁座部とで構成さ
れる負圧弁28(図2)、弁体27の前端の内縁部とプ
ランジャ25の後端に形成された弁座部とで構成される
大気弁29(図2)を備えている。プランジャ25の後
端部には、ブレーキペダル(図示略)と連動する入力ロ
ッド30が連結され、また、弁体27は、この入力ロッ
ド30に一端を係合させた弁ばね31により、常時は負
圧弁28および大気弁29を閉じる方向へ付勢されてい
る。なお、入力ロッド30は、前記押え部材26に一端
を係合させた戻しばね32により常時はブレーキペダル
側へ付勢されている。また、プランジャ25は、バルブ
ボデー17に半径方向から挿入したストップキー33に
よりバルブボデー17との相対移動範囲が規制されてい
る。
【0017】一方、バルブボデー17の大端部17aの
前端中央には、ゴム等の弾性体からなるリアクション部
材34を介して出力ロッド35の基端大端部35aが作
動連結されている。出力ロッド35の基端大端部35a
はカップ状をなしており、前記リアクション部材34
は、この基端大端部35aのカップ部内に納められて、
その中央部分を前記したバルブボデー17の軸孔24に
臨ませている。定圧室15には、バルブボデー17を作
動位置から非作動位置(図1、2に示す位置)に復帰さ
せる戻しばね36が配設されており、前記出力ロッド3
5の基端大端部35aは、この戻しばね36の一端を受
けるばね受け37(図2)によりバルブボデー17に対
して押えられている。なお、出力ロッド35の先端部
は、フロントシェル11を気密的に挿通してその前方へ
延ばされ、例えばマスタシリンダに作動連結されるよう
になる。また、リヤシェル12の後面には、本倍力装置
を車体に取付けるための複数のスタッドボルト38が、
フロントシェル11の前面にはマスタシリンダを取付け
るためのスタッドボルト39がそれぞれ植立されてい
る。
【0018】上記バルブボデー17の軸孔24は、大径
孔40と小径孔41とを連接した段付き孔として形成さ
れており、その大径孔40はプランジャ25側(リヤ
側)に、その小径孔41はリアクション部材34側(フ
ロント側)にそれぞれ配置されている。そして、この軸
孔24内には、その大径孔40から小径孔41にかけて
反力調整機構42が配設されている。この反力調整機構
42は、前記小径孔41に先端を摺動可能に嵌入させか
つその長手方向の中間部位に設けたフランジ部43aを
前記大径孔40内に位置させた反力受け43と、プラン
ジャ25側に位置して大径孔40内に配設されたハット
形状のばね受け(規制部材)44と、このばね受け44
と前記反力受け43のフランジ部43aとの間に介装さ
れた圧縮ばね45と、この圧縮ばね45に所定のセット
荷重を与える調整ロッド46とからなっている。
【0019】上記調整ロッド46は、図3にも示すよう
に、軸部46aと頭部46bとを備えたボルト形状とな
っており、その軸部46aを、ばね受け44の頂部に開
けた貫通孔44aを挿通させて反力受け側43へ延ばす
と共に、その軸部46aの先端部を反力受け43に差し
込んで固定されている。反力受け43に対するこの調整
ロッド46の固定は、図3に示すものでは、反力受け4
3に設けた穴43bに調整ロッド46の軸部46aを圧
入する構造を採用しているが、これに代えて、例えば図
4に示すように、調整ロッド46の軸部46aにタッピ
ングネジ部または干渉ネジ部46cを設けて、前記反力
受け43の穴43bにねじ込む構造を採用することがで
きる。このように調整ロッド46を位置調整可能に反力
受け43に固定することで、調整ロッド46の圧入代ま
たはねじ込み量を制御して、圧縮ばね45のセット荷重
を簡単に調整することが可能になる。
【0020】上記反力調整機構42は、前出図3または
図4にも示したように、反力受け43、ばね受け44お
よび圧縮ばね45を調整ロッド46により組付けたサブ
アセンブリ体として供され、その全長Lは、倍力装置の
非作動状態で確保されるところの、プランジャ25とリ
アクション部材34との間の距離よりも小さく設定され
ている。したがって、非作動状態では、反力受け43の
先端とリアクション部材34との間には所定の隙47が
確保されるようになる。また、反力調整機構42を構成
する反力受け43の後端とばね受け44の先端との間に
は軸方向に所定の隙48が確保されると共に、ハット形
状のばね受け44内には、調整ロッド46の頭部46b
が前記隙48よりも大きな距離を移動できるだけの逃げ
48′が確保されており(図2)、したがって、反力受
け43とばね受け44とは前記隙48の範囲内で圧縮ば
ね45の付勢力に抗して相対移動できるようになってい
る。
【0021】なお、反力調整機構42のサブアセンブリ
体は、後方からバルブボデー17内に挿入して組付けら
れるが、この組付けに際しては、反力受け43のフラン
ジ部43aがストッパとなってバルブボデー17の前方
への抜けを規制するので、その組付けは容易となる。
【0022】上記のように構成した気圧式倍力装置は、
そのリヤシェル12の後面に植立したスタッドボルト3
8を用いて車体に取付けられた状態において、入力ロッ
ド30に図示を略すブレーキペダルが連結される。そし
て、この取付状態でブレーキペダルを踏込むと、入力ロ
ッド30とプランジャ25とが、図1および2の左方向
へ一体に移動(前進)し、大気弁29が開いてサイレン
サ21およびフィルタ22を通じてバルブボデー17内
に大気が流入し、この大気は大気通路19を通って変圧
室16に導入される。この結果、負圧が導入されている
定圧室15と大気が導入された変圧室16との間に差圧
が発生し、パワーピストン14が前進して、その推力が
バルブボデー17およびリアクション部材34を介して
出力ロッド35に伝達され、倍力作用が行われる。
【0023】上記倍力作用の開始に際しては、反力調整
機構42に圧縮ばね45の所定のセット荷重がかかって
いることで、圧縮ばね45を圧縮することなく、プラン
ジャ25と反力受け43とは一体的に前進し、大気29
が開く(隙47が確保された状態)。これにより、出力
ロッド35からリアクション部材34に出力反力が加わ
り、リアクション部材34が反力受け43の方向へ膨出
変形する。この結果、反力受け43とリヤディスク34
との間の隙47が解消され、この間、図5に示すよう
に、所定のジャンプイン出力Aが発生する。その後、小
径孔42内に膨出変形したリアクション部材34を介し
て、出力反力の一部が反力受け43から非圧縮状態の圧
縮ばね45およびばね受け44を介してプランジャ25
および入力ロッド30に伝えられ、入力に応じて出力が
直線的に増大し、従来と基本的に変わりのない入出力特
性(倍力比)が得られる。
【0024】しかし、入力ロッド30を介してプランジ
ャ25に伝えられる入力(踏力)が圧縮ばね45のセッ
ト荷重を越えると、圧縮ばね45が縮み始めるようにな
り、図6に示すように、入出力特性が点Dを境に屈曲し
て倍力比が大きくなる。ところで、上記圧縮ばね45
は、小径孔42の口径すなわち反力受け43の先端の直
径より十分に大きな有効径を有して、そのバネ常数は、
前記特開平8−85442号公報に記載の圧縮ばねに比
べて十分小さな値となっている。具体的には、屈曲点D
を越して得られる倍力比(第2の倍力比)α2 が、屈曲
点D以下の倍力比(第1の倍力比)α1 に比べて十分大
きくなるように(一例として、α2 =α1× 1.3〜2.0
)、圧縮ばね45のバネ常数が設定されている。ま
た、この圧縮ばね45は、プランジャ25に伝えられる
入力が緊急ブレーキ操作時の車両減速度に対応する 0.3
〜0.4 gの範囲で短縮を開始するように、そのセット荷
重が設定されている。しかも、その第2の倍力比α2
は、全負荷点Bまで継続して得られるように、反力受け
43とばね受け44との間の隙48が設定されている。
これにより、大きな出力を必要とする緊急制動に際して
それほど強くブレーキを踏む必要がなくなるばかりか、
緊急制動時の途中で制動力が落ちることがなくなり、コ
ントロールも確保されるようになる。
【0025】ここで、ブレーキペダルから踏力がなくな
ると、戻しばね32によって入力ロッド30と一体にプ
ランジャ25が後退し、負圧弁28が開いて定圧室15
内の負圧が定圧通路18から大気通路19を経て変圧室
16に導入され、前記差圧が解消される。その後、ブレ
ーキペダルの完全解放により、定圧室15内の戻しばね
36のばね力によりパワーピストン14およびバルブボ
デー17が図示の非作動状態に復帰する。
【0026】なお、本発明は、ハウジング内をセンタシ
ェルにより2室に分け、各室に上記した定圧室と変圧室
とを配した、いわゆるタンデム型の気圧式倍力装置にも
適用できることはもちろんである。
【0027】
【発明の効果】請求項1乃至4に記載の第1の発明によ
れば、緊急ブレーキ操作時には反力調整機構が短縮して
一段高い倍力比となって、ブレーキ操作に応じた最適の
制動力が得られるので、装置に対する信頼性が向上す
る。特に、その反力調整機構の調整ロッドを位置調整可
能に反力受けに取付けるようにした場合は、例えば普通
車、スポーツカー等適用車種によって反力調整機構自体
またはその一部構成部分を交換することなく、圧縮ばね
のセット荷重を調整することができる。また、請求項5
に記載の第2の発明によれば、第2の倍力比が全負荷点
まで継続して得られるので、緊急制動時の途中で制動力
が落ちることがなくなり、大きな出力を必要とする緊急
制動時により有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気圧式倍力装置の全体的構造を示
す断面図である。
【図2】本気圧式倍力装置の要部構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明で用いる反力調整機構の組立構造の一例
を示す断面図である。
【図4】本発明で用いる反力調整機構の組立構造の他の
例を示す断面図である。
【図5】本気圧式倍力装置の入出力特性を示すグラフで
ある。
【図6】従来の一般的な気圧式倍力装置の入出力特性を
示すグラフである。
【図7】反力調整機構を備えた従来の気圧式倍力装置の
要部構造を示す断面図である。
【図8】反力調整機構を備えた従来の気圧式倍力装置の
入出力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ハウジング 14 パワーピストン 15 定圧室 16 変圧室 17 バルブボデー 23 弁機構 25 プランジャ 30 入力ロッド 34 リアクションデスク 35 出力ロッド 42 反力調整機構 43 反力受け 44 ばね受け(規制部材) 45 圧縮ばね 46 調整ロッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内をパワーピストンによって
    定圧室と変圧室とに画成し、ブレーキペダルと連動する
    入力ロッドに連結されたプランジャの移動により前記変
    圧室に気体を導入して、前記定圧室との間に圧力差を発
    生させ、この圧力差により前記パワーピストンに生じた
    推力をリアクション部材を介して出力ロッドに伝達する
    とともに、その反力の一部を前記リアクション部材を介
    して前記プランジャに作用させるようにし、さらに前記
    リアクション部材とプランジャとの間に、所定のセット
    荷重を有しそのセット荷重以上の圧縮荷重によって短縮
    するように弾性を持たせた反力調整機構を介装した気圧
    式倍力装置において、前記反力調整機構は、そのセット
    荷重を、通常ブレーキ操作時に前記入力ロッドに与えら
    れる入力と、緊急ブレーキ操作時に前記入力ロッドに与
    えられる入力との境界領域に設定しており、この境界領
    域を境にして倍力比が切り替わるようになっていること
    を特徴とする気圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 境界領域が、緊急ブレーキ操作時の車両
    減速度に対応する 0.3〜0.4 gの範囲にあることを特徴
    とする請求項1に記載の気圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】 境界領域を境にして、これより低い入力
    が与えられたときの第1の倍力比α1 と、これより高い
    入力が与えられたときの第2の倍力比α2 との関係が、
    [α2 =α1 × 1.3〜2.0 ]となっていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の気圧式倍力装置。
  4. 【請求項4】 反力調整機構は、リアクション部材に当
    接可能な反力受けと、前記反力受けに一端部が位置調整
    可能に取付けられた調整ロッドと、該調整ロッドの他端
    部に抜け不能にかつ摺動可能に接続された規制部材と、
    前記反力受けと規制部材との間に所定のセット荷重とな
    るように介装された圧縮ばねとからなり、前記規制部材
    がプランジャに作用するようになっていることを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の気圧式倍力装置。
  5. 【請求項5】 緊急ブレーキ操作に応じて切替わった第
    2の倍力比が、全負荷点まで継続して得られることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の気圧式倍
    力装置。
JP9027223A 1996-08-12 1997-01-27 気圧式倍力装置 Pending JPH10203345A (ja)

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JP9027223A JPH10203345A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 気圧式倍力装置
US08/831,143 US5884548A (en) 1996-08-12 1997-04-01 Pressure differential operated brake booster
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