JP3928158B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に装着される気圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動車のブレーキ装置には、制動力を高めるために気圧式倍力装置が装着されている。気圧式倍力装置としては、一般的に、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室(エンジン吸気負圧によって常時負圧に維持されている)と変圧室とに画成し、パワーピストンに連結されたバルブボディ内に設けられたプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、変圧室に大気(正圧)を導入して、定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によってパワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、出力ロッドからリアクション部材に作用する反力の一部を入力ロッドにフィードバックするようにしたものが知られている。
【0003】
この種の気圧式倍力装置の入力(ブレーキペダルの操作力)と出力(制動力)との関係は、図47中に実線で示すように、制動初期段階において、プランジャとリアクション部材との隙間によるジャンプイン出力Aを生じ、その後、入力に対して出力が直線的に比例して全負荷点Bに達するというものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の気圧式倍力装置のようにブレーキペダル操作力と制動力とが直線的に比例する特性では、緊急時に大きな制動力を発生させる場合には、当然に大きな操作力が必要となる。そこで、緊急時に大きな制動力を必要とする場合に、ブレーキペダル操作力を軽減すべく、いわゆるブレーキアシスト機構を備えた気圧式倍力装置が望まれている。ブレーキアシスト機構を備えた気圧式倍力装置は、制動時の車輪のロックを防止するアンチロックブレーキ装置と相まって、緊急時の制動力を大幅に向上させることが期待できる。
【0005】
ブレーキアシスト機構を備えた気圧式倍力装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、ばねを介在して伸縮するプランジャを用いることにより、ブレーキペダル踏力が一定値を超えるような緊急時には、ばねが圧縮されて、バルブボディに対してプランジャが大きく変位することにより、図47中のC部に示すように倍力比が急速に増大して大きな制動力を得ることができるタイプの気圧式倍力装置が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−25603号公報
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、簡単な構造で、緊急時には出力を迅速に立ち上げて必要な制動力を確実に発生させることができる気圧式倍力装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1に係る発明は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、短縮する伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装し、該ブレーキアシスト機構は、前記バルブボディ内に移動可能に嵌装され前記バルブボディの前記リアクション部材側に当接するスリーブと、該スリーブ内に挿入されて前記プランジャに連結されたプランジャロッドと、該プランジャロッドと前記プランジャの軸方向に離間して設けられ前記スリーブ内に挿入されて前記リアクション部材に対向するリアクションロッドと、前記スリーブ内において前記プランジャロッドと前記リアクションロッドとの間に介装されこれら両ロッドに当接するボールとを備え、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記スリーブと前記プランジャロッドとの相対移動によって、前記ボールを前記リアクションロッドと前記プランジャロッドとの間から前記スリーブ内における前記プランジャロッドの径方向へ逃がして、前記リアクションロッドと前記プランジャロッドとを近づけることを特徴とする。
このように構成したことにより、入力ロッドへの入力速度が速い場合、入力ロッドによるプランジャの移動速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達すると、スリーブとプランジャロッドとの相対移動によって、ボールがリアクションロッドとプランジャロッドとの間から逃がされて、リアクションロッドとプランジャロッドとが接近することによってブレーキアシスト機構が短縮する。これにより、プランジャの移動量がさらに大きくなり、弁手段の開度が大きくなる。
請求項2の発明に係る気圧式倍力装置は、上記請求項1の構成において、前記ブレーキアシスト機構は、前記プランジャロッドの外周面が前記スリーブの内周面に摺動すること特徴とする。
請求項3の発明に係る気圧式倍力装置は、上記請求項1または2の構成において、前記ブレーキアシスト機構は、前記スリーブと前記プランジャロッドとで形成する環状空間に前記ボールが装填されることを特徴とする。
請求項4の発明に係る気圧式倍力装置は、上記請求項1ないし3のいずれかの構成において、前記ブレーキアシスト機構は、前記リアクションロッドに大径部が形成され、該大径部が前記スリーブに当接することを特徴とする。
請求項5の発明に係る気圧式倍力装置は、ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記弁手段の弁体を開弁方向に移動させるブレーキアシスト機構を設け、該ブレーキアシスト機構は、前記弁体を前記プランジャに対して開弁方向に移動可能に支持する支持部材と、前記弁体を開弁方向に付勢する付勢手段と、前記支持部材に当接して前記支持部材の前記弁体の開弁方向への移動を阻止する阻止位置と前記支持部材の前記弁体の開弁方向へ の移動を許容する許容位置との間で移動可能なボールと、通常は前記ボールを前記阻止位置に保持し、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記ボールを前記許容位置に移動させる制御手段とを含むことを特徴とする。
このように構成したことにより、入力ロッドへの入力速度が速い場合、入力ロッドによるプランジャの移動とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達すると、制御手段によってボールが許容位置に移動され、弁体が開弁方向に移動されて、弁手段の開度が大きくなる。
請求項6の発明に係る気圧式倍力装置は、上記請求項1ないし5のいずれかの構成において、前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面に凹部を形成し、前記リアクション部材が前記凹部内に膨出することによって前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面積が増大するようにしたことを特徴とする。
このように構成したことにより、出力ロッドからの反力によってリアクション部材が凹部内に膨出すると、バルブボディのリアクション部材に対する受圧面積が増大して、倍力比が変化する。
また、請求項7の発明に係る気圧式倍力装置は、上記請求項1ないし6のいずれかの構成において、前記リアクション部材からの反力を前記入力ロッド側に伝達するリアクションプレートを有し、該リアクションプレートは、前記リアクション部材からの反力が大きくなると、前記バルブボディに当接して、前記リアクション部材からの反力を前記バルブボディに伝達することを特徴とする。
このように構成したことにより、リアクション部材からの反力が大きくなってリアクションプレートがバルブボディに当接すると、リアクションプレートによってリアクション部材からの反力がバルブボディに伝達されるので、入力ロッドに伝達される反力が小さくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る気圧式倍力装置1の要部であるバルブボディ2の内部を示している。気圧式倍力装置1は、上記従来の気圧式倍力装置と同様、図示しないハウジングの内部がパワーピストンによって、定圧室と変圧室とに画成されており、パワーピストンに略円筒状のバルブボディ2の一端部が連結され、バルブボディ2の他端側がハウジングの後壁に摺動可能かつ気密的に挿通されて外部へ延出されている。バルブボディ2の一端部には、リアクションディスク3(リアクション部材)を介して出力ロッド4が連結されており、出力ロッド4の先端部は、ハウジングの前壁に取付けられたマスタシリンダ(図示せず)のピストンに連結される。
【0010】
バルブボディ2の内部は、小径ボア5、中径ボア6および大径ボア7を有する段付形状をなしており、小径ボア5には、リアクションディスク3に当接するレシオプレート8が摺動可能に嵌装されている。小径ボア5には、レシオプレート8の後退量を規制してリアクションディスク3の過度の変形を防止する段部5Aが形成されている。中径ボア6には、プランジャ9が摺動可能に嵌装され、プランジャ9とレシオプレート8との間にブレーキアシスト機構10が介装されている。プランジャ9には、入力ロッド11の一端部が連結されており、入力ロッド11の他端側は、バルブボディ2の端部に装着された通気性のダストシール(図示せず)に挿通されて外部へ延出されている。
【0011】
バルブボディ2の大径部7には、ポペットシール12(弁手段)が取付けられており、バルブボディ2の中、大径部6,7間の段部に形成されたシート部13およびプランジャ9の後端部に形成されたシート部14がポペットシール12に着座している。バルブボディ2の中径部6は、バルブボディ2の側壁に設けられた通路15を介してハウジング内の変圧室に連通されている。大径部7のポペットシール12の内側は、ダストシールを介して大気に開放されている。また、大径部7のポペットシール12の外側に形成された室16は、バルブボディ2の側壁に設けられた通路(図示せず)を介してハウジングの定圧室に連通されている。
【0012】
これにより、プランジャ9のシート部14がポペットシール12に離着座することによって変圧室と大気との間の連通、遮断が行われ、また、バルブボディ2のシート部13がポペットシール12に離着座することによって定圧室と変圧室との間の連通、遮断が行われる。
【0013】
バルブボディ2の通路15には、ストップキー17が挿通されており、ストップキー17がハウジングに固定されたストップリング18およびプランジャ9に係合することにより、バルブボディ2の後退位置およびバルブボディ2のプランジャ9との相対移動量を規制している。なお、図1中、符号19は入力ロッド11の戻しばね、20はポペットシール12にシート力を付与するポペットばねを示す。
【0014】
次に、本実施形態の要部であるブレーキアシスト機構10について説明する。
ブレーキアシスト機構10は、バルブボディ2の中径部6内に摺動可能に嵌装された円筒状のスリーブ21と、レシオプレート8に当接するリアクションロッド22と、プランジャ9に当接するプランジャロッド23とを有している。スリーブ21は、内部に小径の案内部24が形成され、案内部24の一端の内周縁部にテーパ部25が形成されている。
【0015】
リアクションロッド22は、小径の突出部26がバルブボディ2の小径部5に挿入されてレシオプレート8に当接し、大径のフランジ部27がスリーブ21内に挿入されて、案内部24のテーパ部25が形成された端面に当接している。
【0016】
プランジャロッド23は、スリーブ21の案内部24に摺動可能に挿入され、その端部の外周縁部にテーパ部28が形成されており、テーパ部28の先端部に凸部29が形成されている。そして、凸部29の外周面とスリーブ21の案内部24の内周面との間に形成され環状空間内に複数のボール30(鋼球)が装填されている。
【0017】
図1に示す非制動位置において、リアクションロッド22とボール30との間には、所定の隙間C1が形成され、また、図2に示すように、スリーブ21の案内部24内において、プランジャロッド23が前進してボール30がリアクションロッド22に当接したとき、凸部29とリアクションロッド23との間に隙間C2が形成されるようになっている。
【0018】
また、図3に示すように、プランジャロッド22がスリーブ21に対して前進して、これらのテーパ部28,25が互いに整合したとき、ボール30がテーパ部28に沿って外側へ逃げて、凸部29の先端がリアクションロッド22に直接当接するようになっている。
【0019】
スリーブ21の案内部24の端部とプランジャロッド23の端部に形成されたフランジ部との間には、スプリング31(圧縮ばね)設けられている。リアクションロッド22とレシオプレート8との間には、リアクションロッド22の位置を安定させるために、スプリング31よりもばね力が小さい保持ばね32(圧縮ばね)が設けられている。
【0020】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
図1に示す非制動位置においては、ポペットシール12にバルブボディ2のシート部13およびプランジャ9のシート部14が着座しており、変圧室が大気 ( 作動気体 ) から遮断されて、パワーピストンに対する変圧室と定圧室の圧力が釣合っているので、パワーピストンに推力が発生しない。
【0021】
運転者が通常のブレーキ操作を行った場合、入力ロッド11を押圧してプランジャ9を前進させると、プランジャ9のシート部14がポペットシール12から離座して、変圧室に大気(正圧)が導入される。これにより、定圧室と変圧室との間に圧力差が生じ、パワーピストンに推力が発生して、バルブボディ2がリアクションディスク3を介して出力ロッド4を押圧してサーボ力を発生させる。そして、パワーピストンの推力によってバルブボディ2が移動してプランジャ9に追従すると、シート部14がポペットシール12に着座し、変圧室への大気の導入が停止されて、定圧室と変圧室との圧力差が維持される。
【0022】
このとき、スリーブ21は、スプリング31によって付勢されてバルブボディ2と共に移動し、プランジャ9と共に移動するプランジャロッド23に追従するので、ボール30は、プランジャロッド23の凸部29の外周面とスリーブ21の案内部24の内周面との間に形成され環状空間内に保持される。出力ロッド4からリアクションディスク3に作用する反力は、その一部がレシオプレート8に伝達され、さらに、リアクションロッド22、ボール30、プランジャロッド23およびプランジャ9を介して、入力ロッド11にフィードバックされる。これにより、ブレーキペダル踏力に応じたサーボ力を発生させることができる。
【0023】
制動初期段階においては、リアクションロッド22とボール30との隙間C1によって、プランジャロッド23およびプランジャ9は、リアクションディスク3の反力を受けることなく前進することができるので、制動力を迅速に立ち上げることができる(ジャンプイン作用)。このジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図2に示す。図2の状態においては、プランジャロッド23は、ボール30を介してリアクションロッド22に当接しており、バルブボディ2によってリアクションディスク3がδ1(ジャンプインクリアランス)だけ圧縮されている。
【0024】
したがって、入力ロッド11への入力(ブレーキペダル踏力)と出力ロッド4の出力(制動力)との関係は、図21において実線で示すように、制動初期段階において、ジャンプイン出力Aを生じ、その後、入力に対して出力が直線的に比例して全負荷点Bに達するものとなる。
【0025】
入力ロッド11への操作力を解除すると、プランジャ9のシート部14がポペットシール12を後退させてバルブボディ2のシート部13から離座させる。これにより、変圧室の空気が定圧室へ流れ、定圧室と変圧室との間の圧力差が解消され、パワーピストンの推力が消失し、バルブボディ2が後退して図1に示す非制動位置へ戻り、制動が解除される。
【0026】
急制動時、すなわち、運転者によるブレーキペダルの踏込み速度が速い場合、入力ロッド11の踏力によるプランジャ9の移動速度と、パワーピストンの推力によるバルブボディ2の移動速度とに差が生じる。この速度差によってバルブボディ2の追従動作に遅れが生じて、スリーブ21がバルブボディ2の中径部6の端面に当接することにより、スプリング31が圧縮され、プランジャロッド23がスリーブ21に対して前進して、プランジャロッド23とスリーブ21のテーパ部28,25が整合する。これにより、ボール30が外側のテーパ部25へ逃げて、プランジャロッド23の凸部29がリアクションロッド22に直接当接することにより、ブレーキアシスト機構10が短縮される。
【0027】
その結果、図3に示すように、リアクションディスク3からの反力を増大させることなくプランジャ9を更に前進させることができ、プランジャ9のシート部14とポペットシール12との開度Δ1を大きくして大量の大気を変圧室に導入することができる。これにより、定圧室と変圧室との間に大きな圧力差が生じ、この圧力差によってパワーピストンに生じた推力により、図4に示すように、バルブボディ2が前進して、出力ロッド4にサーボ力を付与する。このとき、プランジャロッド23は、リアクションロッド22に直接当接しており、バルブボディ2によってリアクションディスク3が、ジャンプインクリアランスδ1よりも大きいジャンプインクリアランスδ2(δ2=δ1+C2)だけ圧縮されている。このようにして、図21中に点線で示すように、大きなジャンプイン出力Dを発生させることができ、制動力を大幅に高めることができる。
【0028】
この状態で、入力ロッド11への操作力を解除すると、上述の通常制動時と同様、バルブボディ2が後退して制動が解除され、また、プランジャ9および入力ロッド11の後退にともない、スプリング31によって、スリーブ21に対してプランジャロッド23が後退し、ボール30が図1に示す初期位置に戻される。
【0029】
このようにして、急制動時には、ジャンプインによる出力を増大させることにより、操作力を軽減しつつ迅速に大きな制動力を発生させることができ、緊急時の制動力を向上させることができる。
【0030】
次に、上記第1実施形態の変形例について図5ないし図12を参照して説明する。なお、これら変形例の説明においては、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0031】
図5に示す第1変形例では、プランジャロッド23をプランジャ9と一体に形成し、さらに、プランジャロッド23の凸部29の突出長さを大きくするとともに、リアクションロッド22側に凸部29の先端部を収容する凹部33を形成している。プランジャロッド23とプランジャ9との一体化によって部品点数を削減することができ、また、凸部29の突出長さを大きくしたことにより、非制動位置においてボール30の保持位置を安定させることができる。なお、本変形例では、さらに、バルブボディ2の小径部5の内周縁部に、バルブボディ2によって押圧されるリアクションディスク3の逃げ部34を形成することによって、2段階の倍力比を有するいわゆる2レシオ型としている。
【0032】
図6に示す第2変形例では、レシオプレート8とリアクションロッド22とを一体に形成して、リアクションディスク3の過度の変形防止機構を省略したものである。なお、上記第1変形例と同様、プランジャロッド23をプランジャ8と一体に形成することもできる。
【0033】
図7および図8に示す第3変形例では、プランジャロッド23とプランジャ9とを一体に形成し、さらに、スプリング31を省略して、代わりに、戻しスリーブ35を設けたものである。戻しスリーブ35は、バルブボディ2の中径部6に摺動可能に嵌合され、スリーブ21に当接するリング状の当接部36と、当接部36の外周部から、中径部6の内周面に形成された軸方向の溝37を通って後方へ延ばされ、ストップキー17に当接する一対の延長部38とから構成されている。なお、図7は、バルブボディ2を中心角90°で切断した断面図であるため、一方の延長部38のみが示されている。
【0034】
このように構成したことにより、戻しスリーブ35によってストップキー17の移動をスリーブ21に伝達することにより、スリーブ21を小径部5側へ付勢することができ、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。本変形例において、通常の制動時に、ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図9に示し、急制動時に、ブレーキアシスト機構が作動して、ポペットシール12からプランジャ9のシート部14が離間した状態を図10に示し、その後、バルブボディ2が前進して、サーボ力を発生している状態を図11に示す。
【0035】
図12に示す第4変形例は、上記第3変形例において、プランジャロッド23の凸部29の突出長さを大きくするとともに、リアクションロッド22側に凸部29の先端部を収容する凹部33を形成して、非制動位置においてボール30の保持位置を安定させるようにしたものである。また、レシオプレート8とリアクションロッド22とを一体に形成して、リアクションディスク3の過度の変形を防止する機構を省略している。さらに、バルブボディ2の小径部5の内周縁部に、バルブボディ2によって押圧されるリアクションディスク3の逃げ部34を形成することによって、2段階の倍力比を有するいわゆる2レシオ型としている。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態について、図13ないし図16を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態のものに対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0037】
図13に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態に対して、レシオプレート8およびリアクションロッド29の代わりに、これらを一体に形成した略円筒状のリアクションロッド39が設けられている。また、プランジャロッド23の凸部29には、リアクションロッド39に挿通されてリアクションディスク3の近傍まで延びるリアクションロッド部40が突出されている。リアクションロッド部40のリアクションディスク3に対する受圧面積は、リアクションロッド39よりも充分小さくなっている。リアクションロッド部40の先端とリアクションディスク3との間には、図13に示す非制動位置において、所定の隙間C1が設けられている。小径部5に形成された段部とリアクションロッド39との間には、リアクションロッド39の位置を安定させるためのばね(圧縮ばね)41が設けられている。なお、ばね41は、スプリング 31よりも小さなばね力となっている。また、ばね41は省略してもよい。
【0038】
以上のように構成した本実施形態の作用について、次に説明する。
通常の制動時には、上記第1実施形態と同様、入力ロッド11によるプランジャ9の移動によって、変圧室に大気を導入し、定圧室と変圧室との圧力差によってパワーピストンに生じる推力をリアクションディスク3を介して出力ロッド4に作用させてサーボ力を発生させ、出力ロッド4からリアクションディスクに作用する反力の一部をボール30を介して入力ロッド11にフィードバックする。そして、制動初期段階において、リアクションロッド39とボール30との隙間C1およびリアクションディスク3とリアクションロッド部40との隙間C1によって、ジャンプイン作用を得る。ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図14に示す。
【0039】
これにより、入力ロッド11への入力(ブレーキペダル踏力)と出力ロッド4の出力(制動力)との関係は、図22中に実線で示すように、制動初期段階において、ジャンプイン出力Aを生じ、その後、入力に対して出力が直線的に比例して全負荷点Bに達するものとなる。
【0040】
急制動時には、図15に示すように、スリーブ21とプランジャロッド23との相対移動によってボール30が外側へ逃げてプランジャロッド23の凸部29がリアクションロッド39に直接当接することにより、プランジャロッド23およびプランジャ9を更に前進させることができ、プランジャ9のシート部14とポペットシール12との開度Δ1を大きくすることができる。これにより、バルブボディ2の定圧室と変圧室との間に大きな圧力差が生じ、この圧力差によってパワーピストンに生じる推力により、図16に示すように、バルブボディ2が前進して、出力ロッド4にサーボ力を作用させる。このとき、受圧面積の小さいプランジャロッド23のリアクションロッド部40によって、リアクションディスク3から反力を受けるので、図22中に点線で示すように、通常制動時よりも小さな操作力によって大きな出力を発生させることができる。
【0041】
このようにして、急制動時には、倍力比を急速に増大させることにより、操作力を軽減しつつ迅速に大きな制動力を発生させることができ、緊急時の制動力を向上させることができる。
【0042】
次に、本実施形態の変形例について図17ないし図20を参照して説明する。なお、以下の説明においては、上記第2実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0043】
図17に示すように、本変形例では、プランジャロッド23とプランジャ9とを一体に形成し、さらに、スプリング31を省略して、代わりに、上記第1実施形態の第3変形例と同様の戻しスリーブ35(図8参照)を設けている。なお、図17は、バルブボディ2を90°の中心角で切断した断面図であるため、一方の延長部38のみが示されている。
【0044】
このように構成したことにより、戻しスリーブ35によってストップキー17の移動をスリーブ21に伝達することによって、スリーブ21を小径部5側へ付勢することができ、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。本変形例において、通常の制動時に、ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図18に示し、急制動時に、ブレーキアシスト機構10が作動して、ポペットシール12からプランジャ9のシート部12が離間した状態を図19に示し、その後、バルブボディ2が前進して、サーボ力を発生している状態を図20に示す。
【0045】
次に、本発明の第3実施形態について、図23ないし図26を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態(図6に示す第2変形例)のものに対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図23に示すように、本実施形態では、プランジャ9は、先端部がリアクションロッド22まで延ばされてリアクションロッド22と一体に結合されている。プランジャ9には、その基端側のシール部42の外周に、大気弁部材44(弁体)の円筒部45が摺動可能かつ気密的に嵌合されて、先端側の小径部の外周に、略円筒状のスライド部材46(支持部材)が摺動可能に嵌合されている。そして、バルブボディ2の中径部6とスライド部材46およびリアクションロッド22のフランジ部27との間に、略円筒状のスリーブ47(制御手段)が摺動可能に嵌装されている。
【0046】
大気弁部材44の円筒部45の一端部には、ポペットシール12に着座するシート部48が形成され、他端部には、軸方向に沿って延びる一対のアーム部49が形成されている。アーム部49は、スライド部材46の基端部にスナップ結合されている。なお、ストップキー17は、大気弁部材44のアーム部49と干渉しないように二股形状となっている。
【0047】
スライド部材46の先端部には、テーパ部50が形成され、スリーブ47の内周面とテーパ部50との間に形成された環状空間(阻止位置)に複数のボール30が装填されており、これらのボール30によって、スライド部材46の移動が阻止されて、スライド部材46とリアクションロッド22との間に所定の隙間C2が形成されている。そして、スリーブ47の内周面にもテーパ部51が形成されており、スリーブ47がスライド部材46に対して入力ロッド11側へ移動してテーパ部50,51が互いに整合することにより、ボール30が外側(許容位置)へ逃げて、スライド部材46の移動が許容され、スライド部材46がリアクションロッド22に当接するようになっている(図25参照)。
【0048】
プランジャ9とスライド部材46と間には、スライド部材46をリアクションロッド22側へ付勢するスプリング52(付勢手段)が設けられており、スライド部材46とスリーブ47との間には、スリーブ47を出力ロッド4側へ付勢するスプリング53が設けられている。なお、図23に示す非制動位置において、リアクションロッド22とリアクションディスク3との間には、所定の隙間C1が設けられている。
【0049】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
通常の制動時には、スリーブ47の内周面によってボール30の径方向外側への移動が阻止されるので、ボール30によってスライド部材46とリアクションロッド22との間に隙間C2を維持した状態で、プランジャ9、大気弁部材44、スライド部材46及びスリーブ47が一体で移動する。この状態では、上記第1実施形態と同様、入力ロッド11によるプランジャ9の移動によって、変圧室に大気を導入し、定圧室と変圧室との圧力差によってパワーピストンに生じる推力をリアクションディスク3を介して出力ロッド4に作用させてサーボ力を発生させ、出力ロッド4からリアクションディスク3に作用する反力の一部をリアクションロッド22及びプランジャ9を介して入力ロッド11にフィードバックする。そして、制動初期段階において、リアクションディスク3とリアクションロッド22との隙間C1によって、ジャンプイン作用を得る。ジャンプイン作用によってサーボ力を発生させている状態を図24に示す。
【0050】
これにより、入力ロッド11への入力(ブレーキペダル踏力)と出力ロッド4の出力(制動力)との関係は、図21中に実線で示すように、制動初期段階において、ジャンプイン出力Aを生じ、その後、入力に対して出力が直線的に比例して全負荷点Bに達するものとなる。
【0051】
急制動時には、図25に示すように、入力ロッド11による9の移動速度と、パワーピストンの推力によるバルブボディ2の移動速度とに差が生じ、バルブボディ2の追従動作に遅れが生じて、スリーブ47がバルブボディ2の中径部6の端面6Aに当接して後退し、スライド部材46のテーパ部50とスリーブ47のテーパ部51とが整合する。これにより、ボール30が外側へ逃げて、スプリング52のばね力によってスライド部材46がリアクションロッド22に当接するまで大気弁部材44とともに前進するので、リアクションディスク3からの反力を増大させることなく大気弁部材44のシート部48とポペットシール12との開度Δ1を大きくすることができる。
【0052】
その結果、定圧室と変圧室との間に大きな圧力差が生じ、この圧力差によってパワーピストンに生じた推力により、図26に示すように、バルブボディ2が前進して、出力ロッド4にサーボ力を付与する。このとき、バルブボディ2によってリアクションディスク3が、ジャンプインクリアランスδ1よりも大きいジャンプインクリアランスδ2(δ2=δ1+C2)だけ圧縮されている。このようにして、図21中に点線で示すように、大きなジャンプイン出力Dを発生させることができ、制動力を大幅に高めることができる。
【0053】
入力ロッド11への操作力を解除すると、バルブボディ2が後退して制動が解除され、スリーブ47がストップキー17に当接し、テーパ部51がボール30を内側へ押し込み、ボール30及びスライド部材46を図23に示す初期位置へ戻す。
【0054】
次に、上記第3実施形態の変形例について、図27を参照して説明する。図27に示す変形例では、上記第3実施形態のスプリング52の代りに、入力ロッド11と大気弁部材44との間に、大気弁部材44及びスライド部材46をリアクションロッド22側へ付勢するスプリング54が設けられている。この構成により、大気弁部材44のアーム部49とスライド部材46とは、スナップ係合させる必要がなくなり、図27に示すように、単に当接する構造とすることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明に係る気圧式倍力装置によれば、入力ロッドへの入力速度が速い場合、プランジャの移動と速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、この速度差によってプランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達すると、スリーブとプランジャロッドとの相対移動によって、ボールがリアクションロッドとプランジャロッドとの間から逃がされて、リアクションロッドとプランジャロッドとが接近することによってブレーキアシスト機構が短縮する。これにより、プランジャの移動量がさらに大きくなり、弁手段の開度が大きくなる。その結果、出力が増大されることになるので、操作力を軽減しつつ迅速に大きな制動力を発生させることができ、緊急時の制動力を高めることができる。
請求項5の発明に係る気圧式倍力装置によれば、入力ロッドへの入力速度が速い場合、プランジャの移動速度とパワーピストンの推力によるバルブボディの移動速度とに差が生じて、プランジャのバルブボディに対する移動量が所定値に達すると、制御手段によってボールが許容位置に移動され、弁体が開弁方向に移動されて、弁手段の開度が大きくなる。その結果、出力が増大されることになるので、操作力を軽減しつつ迅速に大きな制動力を発生させることができ、緊急時の制動力を高めることができる。
請求項6の発明に係る気圧式倍力装置によれば、出力ロッドからの反力によってリアクション部材が凹部内に膨出すると、バルブボディのリアクション部材に対する受圧面積が増大するので、倍力比を変化させることができる。
また、請求項7の発明に係る気圧式倍力装置によれば、リアクション部材からの反力が大きくなってリアクションプレートがバルブボディに当接すると、リアクションプレートによってリアクション部材からの反力がバルブボディに伝達されるので、入力ロッドに伝達される反力が小さくなり、操作力が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る気圧式倍力装置を示す要部の軸方向断面図である。
【図2】 図1の装置において通常制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図3】 図1の装置において急制動時の状態を示す図である。
【図4】 図1の装置において急制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図5】 本発明の第1実施形態の第1変形例に係る気圧式倍力装置を示す要部の軸方向断面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態の第2変形例に係る気圧式倍力装置を示す要部の軸方向断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態の第3変形例に係る気圧式倍力装置の非制動位置を示す要部の軸方向断面図である。
【図8】 図7の装置のバルブボディ、プランジャおよび戻しスリーブの縦断面図である。
【図9】 図7の装置において通常制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図10】 図7の装置において急制動時の状態を示す図である。
【図11】 図7の装置において急制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図12】 本発明の第1実施形態の第4変形例に係る気圧式倍力装置の非制動位置を示す要部の軸方向断面図である。
【図13】 本発明の第2実施形態に係る気圧式倍力装置の非制動位置を示す要部の軸方向断面図である。
【図14】 図13の装置において通常制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図15】 図13の装置において急制動時の状態を示す図である。
【図16】 図13の装置において急制動時にブレーキアシスト機構が作動してサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図17】 本発明の第2実施形態の変形例に係る気圧式倍力装置の非制動位置を示す要部の軸方向断面図である。
【図18】 図17の装置において通常制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図19】 図17の装置において急制動時の状態を示す図である。
【図20】 図17の装置において急制動時にブレーキアシスト機構が作動してサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図21】 本発明の第1実施形態に係る気圧式倍力装置の入力と出力の関係を示す図である。
【図22】 本発明の第2実施形態に係る気圧式倍力装置の入力と出力の関係を示す図である。
【図23】 本発明の第3実施形態に係る気圧式倍力装置の要部の軸方向断面図である。
【図24】 図23の装置において、通常制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図25】 図23の装置において、急制動時の状態を示す図である。
【図26】 図23の装置において、急制動時にジャンプイン作用によってサーボ力が発生した状態を示す図である。
【図27】 本発明の第3実施形態の変形例に係る気圧式倍力装置の要部の軸方向断面図である。
【図28】 従来のブレーキアシスト機構を備えた気圧式倍力装置の入力と出力の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 気圧式倍力装置
2 バルブボディ
3 リアクションディスク(リアクション部材)
4 出力ロッド
9 プランジャ
10 ブレーキアシスト機構
12 ポペットシール(弁手段)
11 入力ロッド
21 スリーブ
22 リアクションロッド
23 プランジャロッド
30 ボール
44 大気弁部材(弁体)
47 スリーブ(制御手段)
52 スプリング(付勢手段)
Claims (7)
- ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャと前記リアクション部材との間に、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、短縮する伸縮可能なブレーキアシスト機構を介装し、該ブレーキアシスト機構は、前記バルブボディ内に移動可能に嵌装され前記バルブボディの前記リアクション部材側に当接するスリーブと、該スリーブ内に挿入されて前記プランジャに連結されたプランジャロッドと、該プランジャロッドと前記プランジャの軸方向に離間して設けられ前記スリーブ内に挿入されて前記リアクション部材に対向するリアクションロッドと、前記スリーブ内において前記プランジャロッドと前記リアクションロッドとの間に介装されこれら両ロッドに当接するボールとを備え、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記スリーブと前記プランジャロッドとの相対移動によって、前記ボールを前記リアクションロッドと前記プランジャロッドとの間から前記スリーブ内における前記プランジャロッドの径方向へ逃がして、前記リアクションロッドと前記プランジャロッドとを近づけることを特徴とする気圧式倍力装置。 - 前記ブレーキアシスト機構は、前記プランジャロッドの外周面が前記スリーブの内周面に摺動すること特徴とする請求項1に記載の気圧式倍力装置。
- 前記ブレーキアシスト機構は、前記スリーブと前記プランジャロッドとで形成する環状空間に前記ボールが装填されることを特徴とする請求項1または2に記載の気圧式倍力装置。
- 前記ブレーキアシスト機構は、前記リアクションロッドに大径部が形成され、該大径部が前記スリーブに当接することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の気圧式倍力装置。
- ハウジング内をパワーピストンによって定圧室と変圧室とに画成し、前記パワーピストンに連結したバルブボディ内に配置したプランジャを入力ロッドによって移動させることにより、弁手段を開いて前記変圧室に作動気体を導入して前記定圧室と変圧室との間に圧力差を発生させ、この圧力差によって前記パワーピストンに生じた推力をリアクション部材を介して出力ロッドに作用させるとともに、該出力ロッドから前記リアクション部材に作用する反力の一部を前記入力ロッドに伝達するようにした気圧式倍力装置において、
前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記弁手段の弁体を開弁方向に移動させるブレーキアシスト機構を設け、該ブレーキアシスト機構は、前記弁体を前記プランジャに対して開弁方向に移動可能に支持する支持部材と、前記弁体を開弁方向に付勢する付勢手段と、前記支持部材に当接して前記支持部材の前記弁体の開弁方向への移動を阻止する阻止位置と前記支持部材の前記弁体の開弁方向への移動を許容する許容位置との間で移動可能なボールと、通常は前記ボールを前記阻止位置に保持し、前記プランジャの前記バルブボディに対する速度または移動量が所定値に達したとき、前記ボールを前記許容位置に移動させる制御手段とを含むことを特徴とする気圧式倍力装置。 - 前記バルブボディのリアクション部材に対する受圧面に凹部を形成し、前記リアクション部材が前記凹部内に膨出することによって前記バルブボディの前記リアクション部材に対する受圧面積が増大するようにしたことを特徴とする請求項1又は5に記載の気圧式倍力装置。
- 前記リアクション部材からの反力を前記入力ロッド側に伝達するリアクションプレートを有し、該リアクションプレートは、前記リアクション部材からの反力が大きくなると、前記バルブボディに当接して、前記リアクション部材からの反力を前記バルブボディに伝達することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の気圧式倍力装置。
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