JP2004520371A - イソチオシアネート、チオシアネート、又はそれらの混合物の脱色剤としての使用 - Google Patents
イソチオシアネート、チオシアネート、又はそれらの混合物の脱色剤としての使用 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、一般式(I):R1-N=C=S、但し式中のR1はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但しnは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、で表されるイソチオシアネート、又は一般式(II):R2-S=C=N、但し式中のR2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但しnは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、で表されるチオシアネート、或いはこれらイソチオシアネートとチオシアネートの混合物のチロシナーゼ阻害用医薬又は化粧品組成物の製造における使用に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱色剤、特にイソチオシアネート又はチオシアネートの脱色剤としての使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人類における皮膚の色素沈着は、メラノサイトとして知られる単一の細胞集団内で起こる複雑な一連の細胞内プロセスによって生ずる。メラノサイトは表皮基底部にあり、それらの機能は、身体を紫外線による損傷から防護する褐色色素であるメラニンを合成することである。メラニンは、メラノサイト内に存在する小胞であるメラノソーム(色素顆粒)内に集積される。メラノソームはメラノサイトから放出され、メラノソーム内に存在するメラニンを同化するケラチノサイトによって皮膚の表面に向かって運ばれる。メラノサイトで合成され、ケラチノサイトによって搬送されるメラニンの量に比例して皮膚の色黒が強くなる。例えば肌を白くしたり、老化によるしみを除去したり、或いはメラノサイトの機能過剰を低下させたりなど、種々の目的でメラニン産生の低下ないし阻害処置をすることが好ましい場合がある。
【0003】
従来より、過酸化水素もしくは過酸化亜鉛のような過酸化物を含む化粧品組成物が皮膚に現われるそばかすのようなしみを除去する目的で長年に亘って使用されてきた。しかしながら、過酸化物は極めて不安定であり、そのため保存上の問題がある。更に、これらの過酸化物を化粧品ベース中に安定に配合することは難しく、しかも過酸化物自体が有する美白効果も充分ではない。
【0004】
他方、肌を白くする目的でビタミンCやシステイン、或いはコロイド硫黄を含む化粧品製剤も使用されつつあるが、これらの物質の効果は満足できるほどのものではない。
【0005】
ハイドロキノンは、長年に亘って多くの皮膚化粧用製剤に用いられてきた基準脱色分子である。しかしながら、この物質には危険が伴い、メラノサイトに対して無視できない細胞毒性を示すため、不可逆的な脱色をもたらす虞がある。
【0006】
近年、コウジ酸がヒトの皮膚におけるメラニン生成を阻害する物質として使用され、効果をあげている。即ち、コウジ酸(特許文献1)、コウジ酸に桂皮酸又は安息香酸のような芳香族カルボン酸を結合したエステル(特許文献2)、或いはコウジ酸のジエステル(特許文献3及び4)などを含有する皮膚の脱色を意図した種々の化粧品製剤が知られている。従って、これらコウジ酸類及びコウジ酸エステル類がメラニン産生を阻害する物質であることは公知である。しかしながら、コウジ酸の効能には個人差があるだけでなく、平均的に効果が不充分である。
【特許文献1】特公昭56−18569号公報
【特許文献2】特公昭60−10005号公報
【特許文献3】特公昭61−60801号公報
【特許文献4】特公昭60−07961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、依然として他の脱色剤を探求することが求められている。
【0008】
本発明者は、驚くべきことにチオシアネート類及びイソチオシアネート類に属するある種の分子がインビトロで極めて顕著なチロシナーゼ阻害効果を持つことを発見した。
【0009】
イソチオシアネート類は、ブロッコリ、Lepidium dabra、及びハツカダイコンを含むアブラナ科の種々の植物種から、スルフォラファン及びスルフォラフェンとして抽出することができる。
【0010】
スルフォラファンとそのある種の合成類似物は、例えばタバコの煙に含まれているような化学物質の変異原性に対する防護効果を示すことが知られている。この防護効果は、変異原性分子の体外排出に関与する酵素系の誘導に関わっている。また、これらスルフォラファン類の分子は、突然変異発生の機構に直接的に作用することもあり得る(国際公開第94/19948号パンフレット、又はカルシノジェネシス(Carcinogenesis)誌,第8巻,第12号(1987年),1971〜1973頁、又はカンサー・リサーチ(Cancer Research)誌,第51巻,第13号(1991年),2063〜2068頁参照)。
【0011】
しかしながら、これらの物質の脱色剤としての作用は今までに知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って本発明は、下記一般式Iのイソチオシアネート、
R1-N=C=S (I)
但し、式I中、R1はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
又は下記一般式IIのチオシアネート、
R2-S=C=N (II)
但し、式II中、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
或いは上記イソチオシアネートとチオシアネートの混合物のチロシナーゼ阻害用の医薬又は化粧品組成物の製造における使用を提案するものである。
【0013】
ここで本発明に関する限り「アルキル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖であって1〜10個の炭素原子を含む任意のアルキル基、特にCH3基を意味する。
【0014】
また同様に「アルケニル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で2〜10個の炭素原子を含む任意のアルケニル基、特にビニル基を意味する。
【0015】
また同様に「アルキニル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で2〜10個の炭素原子を含む任意のアルキニル基、特にエチニル基を意味する。
【0016】
また同様に「アルキルカルボニル基」なる用語は、1個のカルボニル基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。アルキルカルボニル基の一例はアセチル基である。
【0017】
また同様に「アルコキシ基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で1〜10個の炭素原子を含む任意のアルコキシ基、特にOCH3基を意味する。
【0018】
また同様に「シクロアルキル基」なる用語は、1〜10個の炭素原子を含む置換されているか置換されていないアルキル基で構成される任意の環状基、特にシクロヘキシル基を意味する。
【0019】
また同様に「アリール基」なる用語は、5〜8個の炭素原子を含む1つ以上の芳香族環状基を意味し、該芳香族環状基は結合もしくは融合していても良く、置換されていても置換されたいなくても良い。特に、該アリール基はフェニル基またはナフチル基であって良く、置換基はハロゲン原子、前記定義通りのアルコキシ基、前記定義通りのアルキル基、もしくはニトロ基であって良い。
【0020】
また同様に「アリールオキシ基」なる用語は、前記定義通りのアルコキシ基を介して結合されている前記定義通りのアリール基を意味する。
【0021】
また同様に「アラルキル基」なる用語は、前記定義通りのアルキル基を介して結合されている前記定義通りのアリール基を意味する。特別には、このアラルキル基はベンジル基である。
【0022】
また同様に「アリールカルボニル基」なる用語は、1個のカルボニル基を介して結合されている前記定義通りの任意のアリール基を意味する。アリールカルボニル基の一例はベンゾイル基である。
【0023】
また同様に「カルボン酸」なる用語は、1個のカルボキシ基(-COOH)が結合している前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。
【0024】
また同様に「スルホニル基」なる用語は、1個のSO2基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を意味する。
【0025】
また同様に「スルフィニル基」なる用語は、1個のSO基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を意味する。
【0026】
また同様に「アルキルチオ基」なる用語は、1個の硫黄原子を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。
【0027】
本発明はまた、一般式Iのイソチオシアネート、又は一般式IIのチオシアネート、或いはそれらの混合物の表皮の美白又は脱色或いは老化によるしみ除去のための医薬又は化粧品組成物の製造における使用も提供する。
【0028】
本発明において、チオシアネートは好ましくはR2がアラルキル基である一般式IIのチオシアネートであり、更に好ましくはベンジルチオシアネートである。
【0029】
一般式IIのチオシアネートは好ましくは塩の形態であり、更に好ましくはナトリウム塩もしくはカリウム塩の形態である。
【0030】
また、チオシアネートは、アブラナ科植物種のグルコシノレート類をミロシナーゼで分解する間にイソチオシアネートと同時に得らることができる(参考文献:ブルヌトン(Bruneton)著,「薬物学、植物化学、薬用植物(Pharmacognosie, Phytochime, Plantes Medicinales)」,ラボワジェ(Lavoisier)社発行,パリ(仏国),1993年,177頁)。例えばフルカ(Fluka)社のベンジルチオシアネート(参照番号13929)のような合成品で市販品もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明による好適な実施形態においては、一般式Iのイソチオシアネートは合成イソチオシアネートであり、特にR1がアリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、シクロアルキル基、アリールカルボニル基、又はアリールアルキル基である合成イソチオシアネートである。該イソチオシアネートは、好ましくはシクロヘキシルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、アセチルイソチオシアネート及びベンゾイルイソチオシアネートから成る群から選ばれる。
【0032】
これらの合成イソチオシアネートは市販品として入手可能である。例えば、シクロヘキシルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート及びベンゾイルイソチオシアネートはアルドリッチ(Aldrich)社(参照番号は夫々C10-540-6、25,249-2、及び26,165-3)から市販されており、またアセチルイソチオシアネートはフルカ(Fluka)社(参照番号01230)から市販されている。
【0033】
その他のイソチオシアネートは、米国特許第5411986号明細書に示されている方法及び実施例に従って合成することができる。
【0034】
本発明による別の好適な実施形態では、一般式Iのイソチオシアネートはアブラナ科の植物種、好ましくはブロッコリ、Lepidium dabra、及びハツカダイコンから成る群から選ばれた植物種から抽出によって得られる。更に好ましくは該イソチオシアネートはスルホラファン及びスルホラフェンから成る群から選ばれる。
【0035】
特にこのアブラナ科植物種の抽出法は、下記の諸工程、即ち、
・アブラナ科植物種、好ましくは凍結乾燥されたものを、水と混和可能な溶剤又は水/溶剤混合物、好ましくはアセトンで処理する工程と、
・得られた溶液を好ましくは減圧下で濃縮する工程と、
・得られた濃縮物を濾過する工程と、
・濾液を0℃で硝酸銀処理する工程と、
・生成された2価銀錯体の沈殿を濾過分取する工程と、
・この錯体をチオ硫酸ナトリウムで置換する工程と、
・得られた懸濁液を、水と混和不能な有機溶剤、好ましくはクロロホルム、エーテル、酢酸エチル、及びそれらの混合物から成る群から選ばれた溶剤、更に好ましくはエチルエーテルとクロロホルムの混合溶剤で抽出する工程と、
・得られた有機相を乾固する工程と、
・必要に応じ、得られた抽出物を精製、特に薄層クロマトグラフィーによって精製する工程、
とを含むものである。
【0036】
以下に記載するアブラナ科植物種からの抽出によるスルホラファン及びスルホラフェン調製に関する各実施例は例示を目的とするものであり、本発明を限定する意図をもつものではない。
【実施例1】
【0037】
スルホラファンの調製:
凍結乾燥したブロッコリ(Brassica oleracea italica)90gを75%アセトン中で還流条件下に3回抽出した。
【0038】
3回分の抽出液を合せ、減圧下で濃縮して100gとした。濃縮液を濾紙で濾過した。濾液を0℃に冷却し、60%硝酸銀水溶液100mlを加えた。ガラスフィルターで濾過して沈殿物を集め、100mlずつの蒸留水で3回洗浄した。次いで沈殿物を100mlの60%チオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した。反応は0℃で2時間撹拌下に行った。
【0039】
その後、得られた懸濁液を分液漏斗に移し、50mLずつのエチルエーテル/クロロホルム混合物(容量比8/2)で6回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下で蒸発させた。これにより32mgの粗スルホラファンが得られた。この蒸発残渣を分取用のシリカゲルプレート上に置き、イソプロパノール/メタノール混合物(容量比7/3)で溶離展開した。
【0040】
スルホラファンの泳動領域を決定するために、上記プレートの小部分についてアンモニア性硝酸銀で可視化した。この領域を削り取り、クロロホルムを用いてスルホラファンをシリカから溶出した。クロロホルムを蒸発した後、9mgのスルホラファンが得られた。このスルホラファンを質量分析計と組み合わせたガスクロマトグラフを用いて同定した。
【実施例2】
【0041】
スルホラフェンの調製:
ハツカダイコン(Raphanus sativus)の種子を用い、ブロッコリの場合と同様の方法で調製した。
【0042】
薄層クロマトグラフィーによって精製した後、7mgのスルホラフェンが得られた。
【実施例3】
【0043】
(D,L)- スルホラファンの合成:
4-クロロブチロニトリル(アドリッチ(Aldrich)社製:参照番号C3,000-0)40gを、事前に金属ナトリウムで蒸留した無水エチルアルコール800mLに溶解した。
【0044】
次いでメタンチオエート(フルカ(Fluka)社製:参照番号71742)27gを加え、混合物を25℃で15時間撹拌した。得られた懸濁液を濾紙を用いて濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を400mLのエチルエーテルに溶解した。再度、濾紙で濾過した。32gの粗4-メチルチオブチロニトリルからなるエーテル溶液が得られた。
【0045】
エチルエーテル400mLに水素化リチウムアルミニウム25gを懸濁させた液を用意した。
【0046】
この水素化リチウムアルミニウム懸濁液に先に得た4-メチルチオブチロニトリル溶液を徐々に加え、以後、この混合液を2時間30分に亘り還流させた。
【0047】
次いで、この懸濁液に還流下で80mLの蒸留水を徐々に加えて中和した。沸騰を止めたときに120mLの蒸留水を加えて残留水素化物の中和を完了させた。この混合物を漏斗型のグラスフィルターで濾過した。フィルター上の不溶物を200mLのエチルエーテルで洗浄した。濾液と洗浄液とを合せ、蒸発乾固させた。これにより26.9gのメチルチオブチルアミンが得られた。得られた生成物を80mLのアセトンに溶解し、この溶液に35%過酸化水素23mLを徐々に加えた。この混合物を50℃の湯浴上に置いて1夜放置した。
【0048】
次いで少量の活性炭を加えて混合物を濾過し、20mLのチオホスゲンを含有する200mLのクロロホルム、次に300mLの5%水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ徐々に加え、30分間に亘り反応を行った。
【0049】
次いで200mLのジクロロメタンを用い、混合物を向流で8回抽出した。有機相を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた。
【0050】
その後、残渣を135℃、7×10−2 Torrで精留した。これにより12.5gのD,L-スルホラファンが得られ、質量分析法によって確認された。
【0051】
以下に記載するチロシナーゼ阻害能の測定に関する実施例は例示を目的とするものであり、本発明を限定する意図をもつものではない。
【実施例4】
【0052】
チロシナーゼ阻害力の測定:
以下の反応を用いた。即ち、無色のL-ドーパ(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、シグマ(Sigma)社製(参照番号D-9628))を酸化して着色ドーパクロームとした。これは波長475nmの光を吸収する。反応は、糸状菌のチロシナーゼ(EC 1.14.18.1、シグマ(Sigma)社製(参照番号T-7755))による触媒のもとで行った。反応の動的分析は、30℃における反応時間と光学的濃度(O.D.)の関係を計測して記録した。
【0053】
使用した種々の溶液の組成は下記の通りである。
【0054】
【0055】
基質溶液
pH6.5緩衝溶液中にL-ドーパを0.35%(w/v)で溶解したもの。
【0056】
阻害剤溶液
阻害剤分子を溶解性に応じてpH6.5緩衝液、50%メタノール(メタノール/蒸留水)、又は純メタノールに直接溶解したもの。
【0057】
阻害剤溶液の濃度(w/v)は、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%、0.0125%、0.00625%、及び0.00312%である。
【0058】
酵素溶液
チロシナーゼをpH6.5緩衝溶液に0.010%(w/v)で溶解したもの。
【0059】
測定に用いた各溶液の量は、それぞれの反応毎に表1及び表2に示す通りである。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
チロシナーゼの作用の強弱は、光学濃度(O.D.)の記録で計測された初期反応速度によって評価した。
【0063】
阻害剤無添加の場合の初期反応速度(濃度0)及び種々の試験濃度における初期反応速度をプロットして曲線を得た。
【0064】
阻害剤分子の阻害能は、チロシナーゼの酵素活性を50%低下させる濃度で定義した。
【0065】
供試阻害剤分子は、製品に応じてアドリッチ(Aldrich)社又はフルカ(Fluka)社から入手した。但し、スルホラファン及びスルホラフェンは例外であり、前述実施例1及び2に示した方法で調製した。
【0066】
供試の各阻害剤分子について得られた結果を以下の表3にまとめて示す。
【0067】
【表3】
【0068】
スルホラファンは、ハイドロキノンの約1.5倍の強さでチロシナーゼを阻害している。
【0069】
このように、表3に示されている対照分子以外のイソチオシアネートはいずれもハイドロキノンよりも優れており、最も阻害活性の強いベンゾイルイソチオシアネートの阻害能はハイドロキノンの約24倍の強さである。
【0070】
一方、チオシアネートは、ハイドロキノンと同程度の阻害活性を有している。
【実施例5】
【0071】
色素沈着のあるモルモットを用いたベンゾイルイソチオシアネート及びスルホラファンの脱色力とコウジ酸及びハイドロキノンの脱色力の比較試験:
皮膚に色素沈着があるモルモットの体毛を予め剃っておき、1〜2ヶ月の処置期間中、1週間に5日ずつ、日に2回、5%コウジ酸(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号22,046-9)、5%ハイドロキノン(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号H 1,790-2)、5%ベンゾイルイソチオシアネート(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号30,818-8)、又は実施例3に従って調製された5%合成スルホラファンのいずれかを含有するグリセリン基剤のクリームを施用した。施用は、黄色のインクを用いて消えないようにマーキングされた直径2cmの円形領域に行った。
【0072】
4週間の処理期間と、ハイドロキノン及びイソチオシアネートによる処置スポットの皮膚が剥離する期間が経過した後、コウジ酸を除く全てのクリームで処置部位の皮膚に有意レベルの白色化が認められた。コウジ酸には効果が見られなかった。
【実施例6】
【0073】
培養されたメラニン形成細胞によるメラニン合成に対するスルホラファンの阻害力とコウジ酸の阻害力との比較試験:
この試験では、ハイドロキノンは細胞毒性が極めて強いため対照化合物として使用することはできない。
【0074】
この試験は、それぞれ独立した実験中に亘って別々の培養細胞バッチを用いて繰り返し行われた(8回)。
【0075】
メラニンの合成は、反応動力学的に、即ち処理後6日間(毎日1回)に亘り試験した。細胞が生きていることは、MTT法及び/又はクリスタルバイオレット染色法によって確認した。
【0076】
試験結果は、培養細胞が同一濃度で接種されている限りメラニン濃度mg/mLで表す。
【0077】
濃度0.00035%では、ハイドロキノン及びスルホラファンはメラニン合成を阻害するが、コウジ酸とベンゾイルイソチオシアネートは効果を示さない。8回の独立試験の全てを通じていずれの製品も濃度0.00035%とし、次のような結果、即ちスルホラファンでは26.22%が阻害、コウジ酸では1%が阻害、ベンゾイルイソシアネートでは9.5%が阻害、ハイドロキノンでは42%が阻害という結果が得られた。
【実施例7】
【0078】
培養で再構築したヒトの色素沈着皮膚に関するメラニン合成阻害能の試験:
タイプ−6の色素が沈着した表皮(黒人の皮膚に相当する)を試験1回当たり試料3個の割合で使用し、5日間に亘って毎日、下記成分(単位は重量%)、即ち、
の対照クリームと、同じクリームを賦形剤に利用した濃度3.5×10−5(w/w)のコウジ酸又は濃度3.5×10−6(w/w)のスルホラファンで処理した。
【0079】
処理終了時点で培養皮膚を更に2日間放置し、処理し皮膚と対照皮膚から複数の溶剤と水酸化ナトリウムとの混合物(Solvable:登録商標、パッカード・バイオサイエンス・ベシュローテン・フェンノートシャップ(Packard Bioscience B.V.)社)を用いてメラニンを抽出し、注出したメラニンを、既に文献に記述されている方法(ヒロユキ・オゼキ(Hiroyuki Ozeki)他3名,「マウスの各種毛色突然変異におけるメラニンの化学的特徴の説明(Chemical Characterization of Hair Melanins in Various Coat-Color Mutants of Mice)」,ザ・ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(J. Invest. Dermatol.),(米国),1995年,第105巻,第3号,第361〜366頁)による比色法によって定量した。
【0080】
コウジ酸はメラニンの合成を8%阻害し、スルホラファンは濃度がコウジ酸の10分の1という低さでありながら30%阻害することが確認された。
【0001】
本発明は、脱色剤、特にイソチオシアネート又はチオシアネートの脱色剤としての使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人類における皮膚の色素沈着は、メラノサイトとして知られる単一の細胞集団内で起こる複雑な一連の細胞内プロセスによって生ずる。メラノサイトは表皮基底部にあり、それらの機能は、身体を紫外線による損傷から防護する褐色色素であるメラニンを合成することである。メラニンは、メラノサイト内に存在する小胞であるメラノソーム(色素顆粒)内に集積される。メラノソームはメラノサイトから放出され、メラノソーム内に存在するメラニンを同化するケラチノサイトによって皮膚の表面に向かって運ばれる。メラノサイトで合成され、ケラチノサイトによって搬送されるメラニンの量に比例して皮膚の色黒が強くなる。例えば肌を白くしたり、老化によるしみを除去したり、或いはメラノサイトの機能過剰を低下させたりなど、種々の目的でメラニン産生の低下ないし阻害処置をすることが好ましい場合がある。
【0003】
従来より、過酸化水素もしくは過酸化亜鉛のような過酸化物を含む化粧品組成物が皮膚に現われるそばかすのようなしみを除去する目的で長年に亘って使用されてきた。しかしながら、過酸化物は極めて不安定であり、そのため保存上の問題がある。更に、これらの過酸化物を化粧品ベース中に安定に配合することは難しく、しかも過酸化物自体が有する美白効果も充分ではない。
【0004】
他方、肌を白くする目的でビタミンCやシステイン、或いはコロイド硫黄を含む化粧品製剤も使用されつつあるが、これらの物質の効果は満足できるほどのものではない。
【0005】
ハイドロキノンは、長年に亘って多くの皮膚化粧用製剤に用いられてきた基準脱色分子である。しかしながら、この物質には危険が伴い、メラノサイトに対して無視できない細胞毒性を示すため、不可逆的な脱色をもたらす虞がある。
【0006】
近年、コウジ酸がヒトの皮膚におけるメラニン生成を阻害する物質として使用され、効果をあげている。即ち、コウジ酸(特許文献1)、コウジ酸に桂皮酸又は安息香酸のような芳香族カルボン酸を結合したエステル(特許文献2)、或いはコウジ酸のジエステル(特許文献3及び4)などを含有する皮膚の脱色を意図した種々の化粧品製剤が知られている。従って、これらコウジ酸類及びコウジ酸エステル類がメラニン産生を阻害する物質であることは公知である。しかしながら、コウジ酸の効能には個人差があるだけでなく、平均的に効果が不充分である。
【特許文献1】特公昭56−18569号公報
【特許文献2】特公昭60−10005号公報
【特許文献3】特公昭61−60801号公報
【特許文献4】特公昭60−07961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、依然として他の脱色剤を探求することが求められている。
【0008】
本発明者は、驚くべきことにチオシアネート類及びイソチオシアネート類に属するある種の分子がインビトロで極めて顕著なチロシナーゼ阻害効果を持つことを発見した。
【0009】
イソチオシアネート類は、ブロッコリ、Lepidium dabra、及びハツカダイコンを含むアブラナ科の種々の植物種から、スルフォラファン及びスルフォラフェンとして抽出することができる。
【0010】
スルフォラファンとそのある種の合成類似物は、例えばタバコの煙に含まれているような化学物質の変異原性に対する防護効果を示すことが知られている。この防護効果は、変異原性分子の体外排出に関与する酵素系の誘導に関わっている。また、これらスルフォラファン類の分子は、突然変異発生の機構に直接的に作用することもあり得る(国際公開第94/19948号パンフレット、又はカルシノジェネシス(Carcinogenesis)誌,第8巻,第12号(1987年),1971〜1973頁、又はカンサー・リサーチ(Cancer Research)誌,第51巻,第13号(1991年),2063〜2068頁参照)。
【0011】
しかしながら、これらの物質の脱色剤としての作用は今までに知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って本発明は、下記一般式Iのイソチオシアネート、
R1-N=C=S (I)
但し、式I中、R1はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
又は下記一般式IIのチオシアネート、
R2-S=C=N (II)
但し、式II中、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
或いは上記イソチオシアネートとチオシアネートの混合物のチロシナーゼ阻害用の医薬又は化粧品組成物の製造における使用を提案するものである。
【0013】
ここで本発明に関する限り「アルキル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖であって1〜10個の炭素原子を含む任意のアルキル基、特にCH3基を意味する。
【0014】
また同様に「アルケニル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で2〜10個の炭素原子を含む任意のアルケニル基、特にビニル基を意味する。
【0015】
また同様に「アルキニル基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で2〜10個の炭素原子を含む任意のアルキニル基、特にエチニル基を意味する。
【0016】
また同様に「アルキルカルボニル基」なる用語は、1個のカルボニル基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。アルキルカルボニル基の一例はアセチル基である。
【0017】
また同様に「アルコキシ基」なる用語は、置換されているか置換されていない直鎖又は分岐鎖で1〜10個の炭素原子を含む任意のアルコキシ基、特にOCH3基を意味する。
【0018】
また同様に「シクロアルキル基」なる用語は、1〜10個の炭素原子を含む置換されているか置換されていないアルキル基で構成される任意の環状基、特にシクロヘキシル基を意味する。
【0019】
また同様に「アリール基」なる用語は、5〜8個の炭素原子を含む1つ以上の芳香族環状基を意味し、該芳香族環状基は結合もしくは融合していても良く、置換されていても置換されたいなくても良い。特に、該アリール基はフェニル基またはナフチル基であって良く、置換基はハロゲン原子、前記定義通りのアルコキシ基、前記定義通りのアルキル基、もしくはニトロ基であって良い。
【0020】
また同様に「アリールオキシ基」なる用語は、前記定義通りのアルコキシ基を介して結合されている前記定義通りのアリール基を意味する。
【0021】
また同様に「アラルキル基」なる用語は、前記定義通りのアルキル基を介して結合されている前記定義通りのアリール基を意味する。特別には、このアラルキル基はベンジル基である。
【0022】
また同様に「アリールカルボニル基」なる用語は、1個のカルボニル基を介して結合されている前記定義通りの任意のアリール基を意味する。アリールカルボニル基の一例はベンゾイル基である。
【0023】
また同様に「カルボン酸」なる用語は、1個のカルボキシ基(-COOH)が結合している前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。
【0024】
また同様に「スルホニル基」なる用語は、1個のSO2基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を意味する。
【0025】
また同様に「スルフィニル基」なる用語は、1個のSO基を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を意味する。
【0026】
また同様に「アルキルチオ基」なる用語は、1個の硫黄原子を介して結合されている前記定義通りの任意のアルキル基を意味する。
【0027】
本発明はまた、一般式Iのイソチオシアネート、又は一般式IIのチオシアネート、或いはそれらの混合物の表皮の美白又は脱色或いは老化によるしみ除去のための医薬又は化粧品組成物の製造における使用も提供する。
【0028】
本発明において、チオシアネートは好ましくはR2がアラルキル基である一般式IIのチオシアネートであり、更に好ましくはベンジルチオシアネートである。
【0029】
一般式IIのチオシアネートは好ましくは塩の形態であり、更に好ましくはナトリウム塩もしくはカリウム塩の形態である。
【0030】
また、チオシアネートは、アブラナ科植物種のグルコシノレート類をミロシナーゼで分解する間にイソチオシアネートと同時に得らることができる(参考文献:ブルヌトン(Bruneton)著,「薬物学、植物化学、薬用植物(Pharmacognosie, Phytochime, Plantes Medicinales)」,ラボワジェ(Lavoisier)社発行,パリ(仏国),1993年,177頁)。例えばフルカ(Fluka)社のベンジルチオシアネート(参照番号13929)のような合成品で市販品もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明による好適な実施形態においては、一般式Iのイソチオシアネートは合成イソチオシアネートであり、特にR1がアリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、シクロアルキル基、アリールカルボニル基、又はアリールアルキル基である合成イソチオシアネートである。該イソチオシアネートは、好ましくはシクロヘキシルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、アセチルイソチオシアネート及びベンゾイルイソチオシアネートから成る群から選ばれる。
【0032】
これらの合成イソチオシアネートは市販品として入手可能である。例えば、シクロヘキシルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート及びベンゾイルイソチオシアネートはアルドリッチ(Aldrich)社(参照番号は夫々C10-540-6、25,249-2、及び26,165-3)から市販されており、またアセチルイソチオシアネートはフルカ(Fluka)社(参照番号01230)から市販されている。
【0033】
その他のイソチオシアネートは、米国特許第5411986号明細書に示されている方法及び実施例に従って合成することができる。
【0034】
本発明による別の好適な実施形態では、一般式Iのイソチオシアネートはアブラナ科の植物種、好ましくはブロッコリ、Lepidium dabra、及びハツカダイコンから成る群から選ばれた植物種から抽出によって得られる。更に好ましくは該イソチオシアネートはスルホラファン及びスルホラフェンから成る群から選ばれる。
【0035】
特にこのアブラナ科植物種の抽出法は、下記の諸工程、即ち、
・アブラナ科植物種、好ましくは凍結乾燥されたものを、水と混和可能な溶剤又は水/溶剤混合物、好ましくはアセトンで処理する工程と、
・得られた溶液を好ましくは減圧下で濃縮する工程と、
・得られた濃縮物を濾過する工程と、
・濾液を0℃で硝酸銀処理する工程と、
・生成された2価銀錯体の沈殿を濾過分取する工程と、
・この錯体をチオ硫酸ナトリウムで置換する工程と、
・得られた懸濁液を、水と混和不能な有機溶剤、好ましくはクロロホルム、エーテル、酢酸エチル、及びそれらの混合物から成る群から選ばれた溶剤、更に好ましくはエチルエーテルとクロロホルムの混合溶剤で抽出する工程と、
・得られた有機相を乾固する工程と、
・必要に応じ、得られた抽出物を精製、特に薄層クロマトグラフィーによって精製する工程、
とを含むものである。
【0036】
以下に記載するアブラナ科植物種からの抽出によるスルホラファン及びスルホラフェン調製に関する各実施例は例示を目的とするものであり、本発明を限定する意図をもつものではない。
【実施例1】
【0037】
スルホラファンの調製:
凍結乾燥したブロッコリ(Brassica oleracea italica)90gを75%アセトン中で還流条件下に3回抽出した。
【0038】
3回分の抽出液を合せ、減圧下で濃縮して100gとした。濃縮液を濾紙で濾過した。濾液を0℃に冷却し、60%硝酸銀水溶液100mlを加えた。ガラスフィルターで濾過して沈殿物を集め、100mlずつの蒸留水で3回洗浄した。次いで沈殿物を100mlの60%チオ硫酸ナトリウム水溶液で処理した。反応は0℃で2時間撹拌下に行った。
【0039】
その後、得られた懸濁液を分液漏斗に移し、50mLずつのエチルエーテル/クロロホルム混合物(容量比8/2)で6回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下で蒸発させた。これにより32mgの粗スルホラファンが得られた。この蒸発残渣を分取用のシリカゲルプレート上に置き、イソプロパノール/メタノール混合物(容量比7/3)で溶離展開した。
【0040】
スルホラファンの泳動領域を決定するために、上記プレートの小部分についてアンモニア性硝酸銀で可視化した。この領域を削り取り、クロロホルムを用いてスルホラファンをシリカから溶出した。クロロホルムを蒸発した後、9mgのスルホラファンが得られた。このスルホラファンを質量分析計と組み合わせたガスクロマトグラフを用いて同定した。
【実施例2】
【0041】
スルホラフェンの調製:
ハツカダイコン(Raphanus sativus)の種子を用い、ブロッコリの場合と同様の方法で調製した。
【0042】
薄層クロマトグラフィーによって精製した後、7mgのスルホラフェンが得られた。
【実施例3】
【0043】
(D,L)- スルホラファンの合成:
4-クロロブチロニトリル(アドリッチ(Aldrich)社製:参照番号C3,000-0)40gを、事前に金属ナトリウムで蒸留した無水エチルアルコール800mLに溶解した。
【0044】
次いでメタンチオエート(フルカ(Fluka)社製:参照番号71742)27gを加え、混合物を25℃で15時間撹拌した。得られた懸濁液を濾紙を用いて濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を400mLのエチルエーテルに溶解した。再度、濾紙で濾過した。32gの粗4-メチルチオブチロニトリルからなるエーテル溶液が得られた。
【0045】
エチルエーテル400mLに水素化リチウムアルミニウム25gを懸濁させた液を用意した。
【0046】
この水素化リチウムアルミニウム懸濁液に先に得た4-メチルチオブチロニトリル溶液を徐々に加え、以後、この混合液を2時間30分に亘り還流させた。
【0047】
次いで、この懸濁液に還流下で80mLの蒸留水を徐々に加えて中和した。沸騰を止めたときに120mLの蒸留水を加えて残留水素化物の中和を完了させた。この混合物を漏斗型のグラスフィルターで濾過した。フィルター上の不溶物を200mLのエチルエーテルで洗浄した。濾液と洗浄液とを合せ、蒸発乾固させた。これにより26.9gのメチルチオブチルアミンが得られた。得られた生成物を80mLのアセトンに溶解し、この溶液に35%過酸化水素23mLを徐々に加えた。この混合物を50℃の湯浴上に置いて1夜放置した。
【0048】
次いで少量の活性炭を加えて混合物を濾過し、20mLのチオホスゲンを含有する200mLのクロロホルム、次に300mLの5%水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ徐々に加え、30分間に亘り反応を行った。
【0049】
次いで200mLのジクロロメタンを用い、混合物を向流で8回抽出した。有機相を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥して蒸発させた。
【0050】
その後、残渣を135℃、7×10−2 Torrで精留した。これにより12.5gのD,L-スルホラファンが得られ、質量分析法によって確認された。
【0051】
以下に記載するチロシナーゼ阻害能の測定に関する実施例は例示を目的とするものであり、本発明を限定する意図をもつものではない。
【実施例4】
【0052】
チロシナーゼ阻害力の測定:
以下の反応を用いた。即ち、無色のL-ドーパ(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、シグマ(Sigma)社製(参照番号D-9628))を酸化して着色ドーパクロームとした。これは波長475nmの光を吸収する。反応は、糸状菌のチロシナーゼ(EC 1.14.18.1、シグマ(Sigma)社製(参照番号T-7755))による触媒のもとで行った。反応の動的分析は、30℃における反応時間と光学的濃度(O.D.)の関係を計測して記録した。
【0053】
使用した種々の溶液の組成は下記の通りである。
【0054】
【0055】
基質溶液
pH6.5緩衝溶液中にL-ドーパを0.35%(w/v)で溶解したもの。
【0056】
阻害剤溶液
阻害剤分子を溶解性に応じてpH6.5緩衝液、50%メタノール(メタノール/蒸留水)、又は純メタノールに直接溶解したもの。
【0057】
阻害剤溶液の濃度(w/v)は、0.2%、0.1%、0.05%、0.025%、0.0125%、0.00625%、及び0.00312%である。
【0058】
酵素溶液
チロシナーゼをpH6.5緩衝溶液に0.010%(w/v)で溶解したもの。
【0059】
測定に用いた各溶液の量は、それぞれの反応毎に表1及び表2に示す通りである。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
チロシナーゼの作用の強弱は、光学濃度(O.D.)の記録で計測された初期反応速度によって評価した。
【0063】
阻害剤無添加の場合の初期反応速度(濃度0)及び種々の試験濃度における初期反応速度をプロットして曲線を得た。
【0064】
阻害剤分子の阻害能は、チロシナーゼの酵素活性を50%低下させる濃度で定義した。
【0065】
供試阻害剤分子は、製品に応じてアドリッチ(Aldrich)社又はフルカ(Fluka)社から入手した。但し、スルホラファン及びスルホラフェンは例外であり、前述実施例1及び2に示した方法で調製した。
【0066】
供試の各阻害剤分子について得られた結果を以下の表3にまとめて示す。
【0067】
【表3】
【0068】
スルホラファンは、ハイドロキノンの約1.5倍の強さでチロシナーゼを阻害している。
【0069】
このように、表3に示されている対照分子以外のイソチオシアネートはいずれもハイドロキノンよりも優れており、最も阻害活性の強いベンゾイルイソチオシアネートの阻害能はハイドロキノンの約24倍の強さである。
【0070】
一方、チオシアネートは、ハイドロキノンと同程度の阻害活性を有している。
【実施例5】
【0071】
色素沈着のあるモルモットを用いたベンゾイルイソチオシアネート及びスルホラファンの脱色力とコウジ酸及びハイドロキノンの脱色力の比較試験:
皮膚に色素沈着があるモルモットの体毛を予め剃っておき、1〜2ヶ月の処置期間中、1週間に5日ずつ、日に2回、5%コウジ酸(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号22,046-9)、5%ハイドロキノン(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号H 1,790-2)、5%ベンゾイルイソチオシアネート(アルドリッチ(Aldrich)製、参照番号30,818-8)、又は実施例3に従って調製された5%合成スルホラファンのいずれかを含有するグリセリン基剤のクリームを施用した。施用は、黄色のインクを用いて消えないようにマーキングされた直径2cmの円形領域に行った。
【0072】
4週間の処理期間と、ハイドロキノン及びイソチオシアネートによる処置スポットの皮膚が剥離する期間が経過した後、コウジ酸を除く全てのクリームで処置部位の皮膚に有意レベルの白色化が認められた。コウジ酸には効果が見られなかった。
【実施例6】
【0073】
培養されたメラニン形成細胞によるメラニン合成に対するスルホラファンの阻害力とコウジ酸の阻害力との比較試験:
この試験では、ハイドロキノンは細胞毒性が極めて強いため対照化合物として使用することはできない。
【0074】
この試験は、それぞれ独立した実験中に亘って別々の培養細胞バッチを用いて繰り返し行われた(8回)。
【0075】
メラニンの合成は、反応動力学的に、即ち処理後6日間(毎日1回)に亘り試験した。細胞が生きていることは、MTT法及び/又はクリスタルバイオレット染色法によって確認した。
【0076】
試験結果は、培養細胞が同一濃度で接種されている限りメラニン濃度mg/mLで表す。
【0077】
濃度0.00035%では、ハイドロキノン及びスルホラファンはメラニン合成を阻害するが、コウジ酸とベンゾイルイソチオシアネートは効果を示さない。8回の独立試験の全てを通じていずれの製品も濃度0.00035%とし、次のような結果、即ちスルホラファンでは26.22%が阻害、コウジ酸では1%が阻害、ベンゾイルイソシアネートでは9.5%が阻害、ハイドロキノンでは42%が阻害という結果が得られた。
【実施例7】
【0078】
培養で再構築したヒトの色素沈着皮膚に関するメラニン合成阻害能の試験:
タイプ−6の色素が沈着した表皮(黒人の皮膚に相当する)を試験1回当たり試料3個の割合で使用し、5日間に亘って毎日、下記成分(単位は重量%)、即ち、
の対照クリームと、同じクリームを賦形剤に利用した濃度3.5×10−5(w/w)のコウジ酸又は濃度3.5×10−6(w/w)のスルホラファンで処理した。
【0079】
処理終了時点で培養皮膚を更に2日間放置し、処理し皮膚と対照皮膚から複数の溶剤と水酸化ナトリウムとの混合物(Solvable:登録商標、パッカード・バイオサイエンス・ベシュローテン・フェンノートシャップ(Packard Bioscience B.V.)社)を用いてメラニンを抽出し、注出したメラニンを、既に文献に記述されている方法(ヒロユキ・オゼキ(Hiroyuki Ozeki)他3名,「マウスの各種毛色突然変異におけるメラニンの化学的特徴の説明(Chemical Characterization of Hair Melanins in Various Coat-Color Mutants of Mice)」,ザ・ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(J. Invest. Dermatol.),(米国),1995年,第105巻,第3号,第361〜366頁)による比色法によって定量した。
【0080】
コウジ酸はメラニンの合成を8%阻害し、スルホラファンは濃度がコウジ酸の10分の1という低さでありながら30%阻害することが確認された。
Claims (6)
- 下記一般式Iのイソチオシアネート、
R1-N=C=S (I)
但し、式I中、R1はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
又は下記一般式IIのチオシアネート、
R2-S=C=N (II)
但し、式II中、R2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アセチル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、カルボン酸基又はカルボン酸エステル基、もしくは-(CH2)nR3基、但し、nは1〜5の整数、R3は極性官能基、特にハロゲン原子又はスルホキシド基、カルボニル基、ニトロ基、チオエステル基、チオエーテル基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルキルチオ基、又は水酸基、
或いは上記イソチオシアネートとチオシアネートの混合物の、チロシナーゼ阻害用の医薬又は化粧品組成物の製造における使用。 - 一般式IIのチオシアネートが塩、特にナトリウム塩又はカリウム塩の形態であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
- 一般式Iのイソチオシアネートがアブラナ科の植物種、特にブロッコリ、Lepidium dabra及びハツカダイコンから成る群から選ばれたものからの抽出によって得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
- イソチオシアネートがスルホラファン及びスルホラフェンから成る群から選ばれていることを特徴とする請求項3に記載の使用。
- 一般式Iのイソチオシアネートがシクロヘキシルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、アセチルイソチオシアネート及びベンゾイルイソチオシアネートから成る群から選ばれた合成イソチオシネートであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
- 表皮の美白又は脱色或いは老化によるしみ除去のための医薬又は化粧品組成物の製造における請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
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