JP2004518404A - 非慣用アミノ酸の組み込みにより化学的に多様化されたタンパク質を産生することができる変異菌株 - Google Patents

非慣用アミノ酸の組み込みにより化学的に多様化されたタンパク質を産生することができる変異菌株 Download PDF

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Abstract

本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる変異原核細胞、特にE.コリ(E. coli)、前記タンパク質を産生し、そして精製する方法及び本発明に従う方法によって得られるタンパク質、に関する。本発明はまた、異なる分野、例えば治療、化粧品、診断又は有機化合物の生合成若しくは生分解、における前記細胞及びタンパク質の適用を網羅する。

Description

【0001】
本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる変異原核細胞、特にE.コリ(E. coli)、前記タンパク質を産生し、そして精製する方法及び本発明に従う方法によって得られるタンパク質、に関する。本発明はまた、異なる分野、例えば治療、化粧品、診断又は有機化合物の生合成若しくは生分解、における前記細胞及びタンパク質の適用を網羅する。
【0002】
組換え生物によって大量に産生される、より多くのタンパク質が化学工業における触媒として、又は治療剤として使用される。多様化した機能を有する新規タンパク質の探索は、好極限性生物のタンパク質をスクリーニングするか、又は突然変異及びスクリーニングによってタンパク質の変異体を創り出す、激しい競争の対象である。しかしながら、生物で産生されうるタンパク質の化学的な多様性は、遺伝暗号の不変性によって制限、すなわち、20個のアミノ酸の正規な集合の組み合わせによって限定されたままである。天然の種の家系が、研究機関において異なる遺伝暗号に適用するように徐々に再構築された場合、タンパク質の進化は方向が変わり、そして生物学的多様性の人工的な供給源がそれにより確立されうる。
【0003】
遺伝暗号からの実験的な逸脱は、この制限を打ち勝つことのできる唯一の方法である。別の遺伝暗号は、より大きな又はより小さなアミノ酸の集合、正規でないモノマーによって置換された集合又はコドンが再分布される正規のアミノ酸の集合を指定することがある。生きている系統における追加のアミノ酸の指定は、それ自身に多くの利用を与え、最も一般的なものとして、人工的な生物学的多様性の確立がある。
【0004】
常用のアミノ酸を修飾することなく反応しうる化学的なモチーフを有する単一の追加のアミノ酸の恒久的な又は一過性の組み込みは、タンパク質の機能化の新規方法を確立するのに十分であるだろう。これが正確には本発明の目的である。
【0005】
本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生する能力を細胞に獲得せしめる方法であって、以下の段階:
a)前記細胞の増殖に必要なタンパク質であって、結果として変異される遺伝子から合成されてもはや機能的でなくなるタンパク質をコードする遺伝子の標的コドンにおける少なくとも1つのミスセンス変異の誘導による、前記細胞の形質転換、
b)その様に変異した前記タンパク質の機能性の損失によって必要とされる栄養を含む培養液中での、段階a)で得られた細胞の任意な培養、
c)前記標的コドンによってコードされるアミノ酸を含む培養液中での、段階a)又はb)で得られた細胞の培養、
を含んで成る方法、に関する。
【0006】
本明細書において、タンパク質の用語は、等しくペプチド又はポリペプチドを、並びに前記タンパク質がグリコシル化されている場合には糖タンパク質を言及することが意図される。
【0007】
本明細書において、非慣用アミノ酸の用語はまた、原核又は真核の単細胞又は多細胞生物によって合成されるタンパク質の生合成の間にリボソームによって組み込まれるアミノ酸以外の任意なアミノ酸、及び翻訳された核酸の配列に関してその場所に通常組み込まれるべきアミノ酸に代わって組み込まれる任意なアミノ酸、を言及することが意図される。
【0008】
また、本明細書において、ミスセンス変異の用語は、アミノ酸を表すコドンを、別のアミノ酸をコードするコドンに変換する変異を言及し、ここで、後者のものは、適切な場合には、元のアミノ酸残基の代わりに、前記タンパク質内に機能的タンパク質を提供するための元のアミノ酸に取って代わることができない。
【0009】
また、本明細書において、細胞の増殖に必要なタンパク質の用語は、それが機能的な方法で細胞によって合成される場合には、所定の培養条件で前記細胞を増殖せしめ、そしてそれが非機能的な方法で細胞によって合成される場合には、前記細胞を増殖せしめるために、前記の所定の培養液中に補助的な栄養分の導入を必要とする、タンパク質を言及する。その様な非機能的なタンパク質は、例えば、条件付きの変異、例えば感光性のタイプの変異に従う細胞によって合成されうる。
【0010】
例によってこれを例示するために、アミノ酸配列の146位のシステインによって占められる触媒部位を提示する、特にE.コリ(E.coli)のチミジル酸合成酵素を引用することは可能であるが、それらに限定されず、ここで、その遺伝子(thyA)の相当する変異は、チミン又はチミジンの栄養要求性をもたらし、他のアミノ酸はこの部位のシステインに取って代わることはできない。
【0011】
本明細書において、標的コドンの用語は、ミスセンス変異によって形質転換される3つのヌクレオチド塩基を有するコドンを言及し、前記標的コドンは、前記のミスセンス変異によって形質転換する前の3塩基の配列である。
【0012】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、段階c)の培養液が、前記変異タンパク質の機能性が失われたことによって必要とされる栄養素を含まないことを特徴とする方法、を含む。
【0013】
本発明に従い、前記細胞の培養における段階c)は、前記標的コドン(前記のミスセンス変異によって形質転換される前のもの)によってコードされるアミノ酸を含む培養液中での前記細胞の一連の細胞培養を含んで成り、一連の前記培養のそれぞれは、安定増殖期の獲得、それに続く、得られた細胞の洗浄によってもたらされ、一連の培養の回数は、前記変異遺伝子のミスセンス変異を増大する変異の抑制及び前記変異遺伝子に相当する対立遺伝子の伝播を増大する変異を選択せしめるのに十分である。
【0014】
本発明は更に、本発明に従う方法であって、ミスセンス変異が、少なくとも1/1015の生物の次数の、非常に低い頻度でしか自然に逆転しないミスセンス変異から選択されることを特徴とする方法、に関する。
【0015】
ミスセンス変異は、好ましくは、前記細胞の増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子の標的コドンを、当該標的コドンと比較して少なくとも2つの塩基、更に好ましくは3つの塩基の変化を示すコドンへと変換するミスセンス変異から選択される。
【0016】
更に好ましいものに、本発明従う方法であって、立体的なかさが低く、そして/あるいは両親媒性であり、そして/あるいはミスセンス変異によってコードされるアミノ酸の立体的なかさよりも低いか、若しくはそれとほぼ等しい立体的なかさを有するアミノ酸をコードすることを特徴とする方法、がある。
【0017】
標的コドンの中でも、特に好ましいものは、システイン及び、バリン又はイソロイシンをコードするコドンへと標的コドンを変換するミスセンス変異から選択されるミスセンス変異をコードする標的コドンである。
【0018】
本発明は更に、本発明に従う方法であって、前記細胞の形質転換における段階a)が、前記ミスセンス変異を含んで成る細胞の増殖に必要なタンパク質をコードする前記遺伝子の配列を含んで成るベクターの手段によって、特にプラスミドベクターの手段によって達成されることを特徴とする方法、に関する。
【0019】
その様なベクターは、当業者によって現在使用されている方法に従い調製され、そして生じたクローンは通常の遺伝子組換え法、例えばリポフェクション、エレクトロポレーション又は熱的ショックによって前記細胞内に導入されうる。
【0020】
別の観点から、本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる細胞を選択する方法であって、本発明に従う方法の段階a)、そして任意に段階b)及びc)、並びに段階c)で増殖しうる細胞の選択、を含んで成る方法、に関する。
【0021】
好ましくは、本発明に従う細胞の選択方法は、更に、段階c)において、前記標的コドンによってコードされる前記アミノ酸を含む培養液中で得られた細胞を培養する段階d)(ここで、前記アミノ酸の濃度は、おそらく段階c)で使用される前記アミノ酸の濃度よりも高い濃度である)及び段階d)で使用される前記アミノ酸の濃度に感受性のある細胞の選択を含む。
【0022】
化合物又は生化学的な化合物に対し、あるいは所定の濃度の前記化合物に対して感受性のある細胞、の用語は、前記化合物又は生化学的な化合物あるいは所定の濃度の前記化合物を含む培養液中で培養される場合に、増殖が部分的又は全体的に阻害される細胞を言及する。
【0023】
本発明はまた、本発明に従う細胞の選択方法であって、選択される細胞の前記ミスセンス変異によってコードされるアミノ酸を認識するアミノアシルtRNA合成酵素が、その関連するtRNAの1つを、非慣用アミノ酸又は前記ミスセンス変異によってコードされる前記アミノ酸以外のアミノ酸と結合させることができることを特徴とする方法、を含む。
【0024】
本明細書において、関連するtRNAの用語は、アミノ酸を認識するアミノアシルtRNA合成酵素によって認識され、そして前記アミノ酸を転移しうるtRNAを言及することが意図される。
【0025】
本発明は更に、本発明に従う変異細胞の選択方法であって、前記アミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子の核酸配列が、相当する野生型遺伝子の配列と比較しての少なくとも1つの変異であって、遺伝子組換え技術によって導入されたものではない変異を含む方法、を含む。
【0026】
別の観点から、本発明は、本発明に従う方法によって得られる原核又は真核細胞に関する。
【0027】
これらの目的に使用され得る細胞の中でも、当然のことながら、細菌細胞、例えばE.コリだけでなく、酵母細胞、更に動物細胞、特に哺乳類細胞の培養物、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、そして更には昆虫細胞が言及されることがある。
【0028】
本発明はまた、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる単離された原核又は真核細胞であって、関連するtRNAの1つと非慣用アミノ酸又は所定のアミノ酸以外のアミノ酸と結合させることができる所定のアミノ酸を認識するアミノアシルtRNA合成酵素を含むことを特徴とし、且つ前記アミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子の核酸配列が、相当する野生型遺伝子と比較しての少なくとも1つの変異であって遺伝子組換え技術によって導入されたものではない変異を含むことを特徴とする細胞、に関する。
【0029】
以下のように、本発明は、増殖に必要な代謝経路の、細胞ごとの構成に基づいて細胞を選択する方法であって、非慣用アミノ酸と結合することができる標準的でないアシルtRNAを産生することができる細胞を得ることを可能にする方法、に関する。
【0030】
本発明に従う細胞の中でも、CNCM(Collection Nationale de Culture de Microorganismes, Paris, France)に寄託された以下の細胞から選択されることを特徴とする細菌細胞が好ましい:
a)2000年4月28日にI−2467の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
b)2000年4月28日にI−2468の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
c)2000年4月28日にI−2469の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、及び
d)2000年4月28日にI−2470の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株。
【0031】
I−2467の番号のもとCNCMに寄託され、そして選択を行うための開始菌株であるβ5419を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
を含んで成る菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫であり、チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有する。
【0032】
I−2468の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5456を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
−valS遺伝子の対立遺伝子T222Pを有すること(ここで、この発現はtRNA/valを他の中性アミノ酸及び人工アミノ酸に結合させるバリル−tRNA合成酵素の変異型を産生する)、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0033】
I−2470の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5520を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−cycA30::Th10の遺伝子座にあるテトラサイクリン耐性遺伝子の組み込み、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
−valS遺伝子の対立遺伝子K277Qを有すること(ここで、この発現はtRNA/valを他の中性アミノ酸及び人工アミノ酸に結合させるバリル−tRNA合成酵素の変異型を産生する)、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0034】
I−2469の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5498を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−valS遺伝子の対立遺伝子T222Pを有すること、
−leu−455 galT12 LAM−IN(rrnD−rrnE)1 DE (ilvE−ilvC) nrdD::kan valS:T222Pの遺伝子型の菌株、
−バリンの生合成が不可能で、且つバリンの置換によるL−アルファアミノ酪酸の誤組み込みが可能な菌株、
を含んで成る、菌株CU505の子孫である。
【0035】
本発明は更に、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質、特に組換えタンパク質の産生のための、本発明に従う方法又は細胞の使用を含む。
【0036】
別の観点から、本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質の産生方法であって、以下の段階、
a)任意の、本発明に従う方法による細胞の選択、
b)段階a)で選択された前記細胞、又は本発明に従う細胞の、培養液中での、且つ前記細胞を増殖せしめる培養条件における培養、
c)少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含んで成る前記タンパク質の、段階b)で得られた培養上清及び/又は細胞の残査からの単離、
を含むことを特徴とする方法、に関する。
【0037】
好ましい態様において、本発明は、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質の産生方法であって、以下の段階:
a)CNCM(Collection Nationale de Culture de Microorganismes, Paris, France)に寄託された以下の細胞:
−2000年4月28日にI−2467の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
−2000年4月28日にI−2468の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
−2000年4月28日にI−2469の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
−2000年4月28日にI−2470の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
から選択された細胞の、培養液中での、且つ前記細胞を増殖せしめる培養条件での培養;及び
b)段階b)で得られた培養上清及び/又は細胞の残査から、少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含んで成る前記タンパク質の単離、
を含む方法、に関する。
【0038】
本発明に従う方法によって産生されうるタンパク質の中でも、少なくとも1つの非慣用アミノ酸の組み込みによって、配列が慣用のアミノ酸のみから成るタンパク質によっては得られない、所望の活性を得ることを可能にするタンパク質を挙げることもできるが、これらには限定されない。活性の用語は、一般的に、任意な活性、例えば単細胞又は多細胞生物に関連する生理学的又は生物学的活性、更に部分的には、例えば構造的又は生化学的活性、例えば抗体の型の酵素的なもの、抗原的なもの、又は生物学的活性の調節、制御又は阻害、あるいは化合物又は生化学的化合物の生合成又は生分解においてそれを利用可能とするような他のもの、を言及することが意図される、
【0039】
本発明に従い産生されうるタンパク質の中で、少なくとも1つの非慣用アミノ酸の組み込みが、相当する非修飾型のタンパク質の生物学的活性の必須の修飾を全くもたらさないように実施されるタンパク質を挙げることもできる。相当する非修飾型のタンパク質によって保持される生物学的活性の他に、本発明に従うこれらのタンパク質は、特異性が有利に活用されうる、非慣用アミノ酸を提示する。
【0040】
非慣用アミノ酸によって与えられる特性の中でも、タンパク質の活性を変化させず、又は慣用のアミノ酸の修飾を回避する条件で、も容易に且つ特異的に化合物又は生化学的化合物と反応することができる前記の非慣用アミノ酸上の官能基の存在と直結した特性を特に挙げることができる。
【0041】
この特異的な官能基の存在は、例えば、
(i)前記非慣用アミノ酸を取り込んだ、任意のタンパク質、特に任意の組換えタンパク質を精製し;
(ii)その様なタンパク質を固体の支持体に結合させ;
(iii)その様なタンパク質に、検出することができる質分子、例えば様々な種類の分光学的プローブを結合させ;
(iv)その様なタンパク質に、溶媒中でそれらを可溶化することができ、又は抗体による認識からそれらを保護することができる親油性又は親水性のポリマーを結合させ;
(v)その様なタンパク質をポリヌクレオチドに結合させ;
(vi)その様なタンパク質を、存在することによって前記タンパク質の生物学的活性を増大させ、減少させ、調節し、制御し、又は標的化し、あるいは治療目的の使用のための化合物としてその生物学的利用能を修飾することが可能となる化合物又は生化学的化合物に結合させ;あるいは
(vii)その様なタンパク質を、他の方法で溶液中に拡散する補酵素に永久に固定するために、
有利に使用され得る。
【0042】
本発明に従い、少なくとも1つの非慣用アミノ酸の組み込みは、特異性又は活性の原因として、又は構造的な配置、電荷、疎水性、又は相当する非修飾型のタンパク質の多量体化する能力の原因として、アミノ酸に関与する。それにより、慣用のアミノ酸を有する相当する非修飾型のタンパク質と比較して等しい、増大した又は低下した活性、あるいは等しい、より狭い又はより広い特異性のタンパク質を創り出すことが可能となる。
【0043】
非修飾型タンパク質の用語は、慣用のアミノ酸から作られた野生型又は組換えタンパク質を言及することを意図し、これから非慣用アミノ酸を含んで成るタンパク質が産生される。
【0044】
本発明に従う製造の方法は、好ましくは、前記細胞を増殖せしめる段階b)の前記培養液が前記の非慣用アミノ酸又はその前駆体の1つを含むことを特徴とする。
【0045】
特定の態様に従い、本発明に従う製造方法は、前記の非慣用アミノ酸が、前記細胞によって合成され、前記細胞の遺伝子の修飾によって前記の非慣用アミノ酸の合成を増大することが可能となることを特徴とする。
【0046】
本発明は更に、アミノ酸配列が少なくとも1つの本発明に従う非慣用アミノ酸を含んで成るタンパク質を産生する方法であって、前記細胞が前記標的コドンによってコードされるアミノ酸について栄養要求性であることを特徴とする方法、に関する。
【0047】
更に本発明に含まれるものとして、本発明に従う方法であって、前記細胞が、コード配列が少なくとも1つの標的コドンを含む、注目の同種又は異種遺伝子を含むことを特徴とする方法、がある。
【0048】
一般的に、注目の遺伝子は、結果として注目のタンパク質に翻訳されるメッセンジャーRNAをコードする。
【0049】
注目の遺伝子は、任意な常用の技術、例えばクローニング、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって単離され、あるいは化学的に合成されうる。それは遺伝子型のもの(1又は複数のイントロンを有するもの)又は相補DNA(cDNA)のものであってもよい。注目のタンパク質は、成熟タンパク質、前駆体、そして特に分泌するように設計され、且つシグナルペプチドを含んで成る前駆体、短くされたタンパク質、異なる起源の配列の融合によって産生されるキメラタンパク質あるいは向上し、そして/あるいは修飾された生物学的特性を有する変異タンパク質、によって構成されうる。
【0050】
一般的に、注目の同種又は異種タンパク質の遺伝子は、治療用又は化粧品用化合物として、あるいは診断用試薬として、あるいは生合成又は生分解の過程において利用されうる化合物として、使用され得る任意なタンパク質をコードする遺伝子から選択されうる。
【0051】
例えば、以下の注目のタンパク質をコードする注目の遺伝子が挙げられる:
−サイトカイン又はリンホカイン(インターフェロンα、β及びγ、インターロイキン、特にIL−2,IL−6,IL−10又はIL−12、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(GM−CSF,C−CSF,M−CSF等);
−細胞又は核の受容体、特に病原の生物(ウイルス、細菌又は寄生虫)によって認識されるもの又はそれらのリガンド;
−遺伝的な疾患に関与するタンパク質(第VII因子、第VIII因子、第IX因子、ジストロフィン又はミニジストロフィン、インスリン、CFTR(嚢胞性線維性膜貫通調節因子)タンパク質、成長ホルモン(hGH));
−酵素(ウレアーゼ、レニン、トロンビン等)、又はタンパク質、脂質、核酸、糖、アミノ酸、脂肪酸又はヌクレオチドの代謝若しくは生合成に関与する任意の酵素;
−酵素阻害剤(α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、ウイルスのプロテアーゼ阻害剤等);
−腫瘍又はガンの発生又は進行を少なくとも部分的に阻害することができる抗腫瘍化合物(抗体、細胞分裂又は伝達のシグナルのレベルで作用する阻害剤、腫瘍抑制遺伝子の発現産物、例えばp53又はRb、免疫系を刺激するタンパク質等);
−腫瘍組織適合遺伝子複合体タンパク質のクラスI又はII、あるいは相当する遺伝子の発現に作用する制御タンパク質;
−ウイルス、細菌又は寄生虫の感染あるいはその発生を阻害することができるタンパク質(免疫原性の特性を有する抗原タンパク質、抗原性のエピトープ、抗体等);
−毒素、例えばリシン、コレラ毒素、ジフテリア毒素等、又は免疫毒素;
−マーカー(β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ等);及び
−ルシフェラーゼ、GFP(緑色蛍光タンパク質)等。
【0052】
本発明はまた、本発明に従うタンパク質の産生方法であって、段階b)の培養液が、注目の前記遺伝子によってコードされるタンパク質の合成の誘導に必要な化合物を追加として含むことを特徴とする方法、を含む。これらの化合物は当業者に知られており、そして特に選択した細胞及び同種又は異種の遺伝子に依存する。
【0053】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、注目の前記遺伝子によってコードされるタンパク質の生物学的活性が、注目の前記遺伝子の標的コドンにおける前記の非慣用アミノ酸の組み込み後に少なくとも部分的に保持されることを特徴とする方法、に関する。
【0054】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、非慣用アミノ酸が式I
【化2】
Figure 2004518404
(ここで、R又はRは、選択的に反応することができ、好ましくはアルデヒド、ケトン、エテニル、エチニル又はニトリル基から選択される官能基を含む遊離基である)
及びL配置の、非慣用アミノ酸から選択されることを特徴とする方法、に関する。
【0055】
これらの基の中でも、オキソ基(アルデヒド又はケトン)は、タンパク質の化学的官能化を容易にし得る選択反応性を有しており、特に好ましい。他の単純な基、例えばエチニル基はまた、それら自身を選択的な反応に適合される。細胞の翻訳系(ex vivo)及びin vitroで合成されるアシルtRNAの翻訳系を用いて実施される多くの実験が、非常に様々なアシル基がtRNAによって読まれるコドンに応じてリボソームに運ばれることを示した。要約すると、アミノ酸に対する側面の修飾は全て、翻訳と両立するようである(最近まで、側鎖が翻訳を阻害するほどかさが大きいアミノ酸は発見されていなかった);アルキルアミノ、ヒドロキシ及びヒドラジノのアミノモチーフの置換は、リボソームによって触媒されるペプチド転移の化学と両立し(Bain et al. 1991)(リボソームがポリエステル及び慣用のポリアミドを形成しうることは知られている);しかしながら、モチーフHNCH(R)−COOHのアルファ水素のアルキル(メチル)基による置換又はアルファ炭素における配置の変換(D−アミノ酸)は、リボソームに受け入れられない。
【0056】
本発明はまた、タンパク質の官能化のための、本発明に従う方法に関する。
【0057】
本発明はまた、タンパク質を精製する方法であって、以下の段階:
a)前記タンパク質のアミノ酸配列における、本発明に従う方法による選択的に反応しうる官能基を含む非慣用アミノ酸の組み込み;
b)段階a)で得られたタンパク質を含む溶液を、前記官能基と特異的に反応し、且つ前記タンパク質を特異的に固定することができる化合物を含んで成る支持体と接触させること;及び
c)支持体上に固定された前記タンパク質の単離、
を含んで成ることを特徴とする方法、に関する。
【0058】
当業者によって通常使用される天然又は組換えのタンパク質を精製する方法は、一般的に個々に又は組み合わせて使用される方法、例えば分画、クロマトグラフィー法、特異的なモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体等を用いる免役親和性技術、を含む。これらの方法は、ときどき時間がかかり、且つ面倒であり、そして所望な比活性、又は精製の割合及び収率を常に得られることはできない。タンパク質の活性を変化させることなく精製の支持体と選択的に反応することができる、精製されうるタンパク質上の特異的な官能基の存在は、それらの使用に必要なタンパク質の精製をかなり容易にする。
【0059】
本発明はまた、タンパク質を化合物又は生化学的化合物上に固定する方法であって、以下の段階:
a)前記タンパク質のアミノ酸配列における、本発明に従う方法による選択的に反応しうる官能基を含む非慣用アミノ酸の組み込み;
b)段階a)で得られたタンパク質を、反応が可能な培地中で前記官能基と特異的に反応しうる基を含んで成る化合物又は生化学的化合物を含んで成る支持体と接触させること、
を含んで成ることを特徴とする方法、に関する。
【0060】
化合物又は生化学的化合物上でのタンパク質の固定は、好ましくは共有結合の固定である。
【0061】
本発明に従い、固定の前記方法において使用され得る化合物又は生化学的化合物は、取り込まれた非慣用アミノ酸の官能基と反応しうる全ての化合物から選択されうる。
【0062】
本明細書において、タンパク質(proteic)複合体の用語は、上述の方法の段階b)で得られる産物を言及することを意図し、これは化合物又は生化学的化合物上に固定された本発明に従うタンパク質を含んで成る。
【0063】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、前記化合物又は生化学的化合物が固体の支持体上に固定されるもの自体であり、又は固体の支持体を構成する化合物であることを特徴とする方法、に関する。
【0064】
本発明はまた、タンパク質複合体を調製するための、本発明に従う方法に関する。
【0065】
本発明は、好ましくは前記の固定されたタンパク質あるいは前記化合物又は生化学的化合物が、治療、化粧又は診断用の化合物から選択されることを特徴とする本発明の方法に関する。
【0066】
前記の固定されたタンパク質は、特に、アミノ酸配列が本発明の方法に従う非慣用アミノ酸を含み、且つ相当する野生型又は組換え型の非修飾型のタンパク質が、治療及び化粧用の化合物として又は診断用試薬として使用され得るタンパク質から選択される、タンパク質から選択される。
【0067】
本発明に従う方法は、好ましくは、化合物又は生化学的化合物が、固定されたタンパク質の生物学的活性を修飾しうる化合物から選択されることを特徴とする。
【0068】
別の化合物の生物学的活性を修飾しうる化合物の用語は、前記の他の化合物の生物学的活性を増大させ、低下させ又は制御することができる化合物を言及することが意図される。
【0069】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、化合物又は生化学的化合物が、生物学的活性が固定されたタンパク質によって修飾されうる化合物から選択されることを特徴とする方法、に関する。
【0070】
本発明はまた、本発明に従う方法であって、化合物又は生化学的化合物が、タンパク質、ポリヌクレオチド、脂肪酸、糖又は天然若しくは合成のポリマーを含む化合物から選択されることを特徴とする方法、に関する。
【0071】
別の観点から、本発明は、本発明の方法によって得られる、タンパク質、特に組換えタンパク質、及びタンパク質の複合体に関する。
【0072】
本発明に従い、本発明のタンパク質産生方法によって得られるタンパク質は、天然の組換え体であり、そしてそれらのアミノ酸配列は少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含む。
【0073】
本発明に従い、本発明のタンパク質複合体の産生のための方法によって得られ宇タンパク質は、特に、それらが、アミノ酸配列が官能基を含む非慣用アミノ酸を含む組換えタンパク質、及び前記官能基と反応しうる基を含んで成る化合物又は生化学的化合物を含む。
【0074】
本発明はまた、本発明に従うタンパク質と結合することができ、又は本発明に従うタンパク質複合体の化合物又は生化学的化合物と結合することができる化合物を選択する方法に関する。これらの方法の中でも、以下の段階を含むことを特徴とする方法が例として挙げられる:
a)選択されるであろう化合物を、特に、固体支持体上におそらく固定されるであろう、本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体と結合させること;
b)本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体と結合する、前記化合物の能力の決定。
【0075】
選択されるであろう化合物は、有機化合物、例えばタンパク質又は炭水化物、あるいは既に知られている任意な他の有機又は無機化合物、あるいは当業者に知られた技術である、分子モデリング技術を用いて開発され、そして化学的又は生化学的合成によって得られた新規の有機化合物、であってもよい。
【0076】
本発明に従う細胞も、本発明に従うタンパク質又は所望の活性を有するであろう化合物を研究し、同定し、そして/あるいは選択するためのモデルとして有利に役割を果たすこともあり、そしてそのための方法において使用されることもある。
【0077】
本発明はまた、診断用試薬として本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体、及び、特に本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体を利用するポリペプチド又はポリヌクレオチドの検出、同定、局在化及び/又は具体的な調剤のための診断方法、に関する。
【0078】
事実上、本発明に従うタンパク質は、少なくとも1つの非慣用アミノ酸を組み込み、且つ部分的又は全体的に相当する非修飾型の野生型又は組換えタンパク質、例えば抗体、抗原、酵素又はそれらの生物学的に活性なフラグメントであって、診断方法において使用されることが知られているものの初期活性を保持したタンパク質を含む。
【0079】
同様に、本発明に従うタンパク質複合体は、本発明に従うタンパク質と化合物又は生化学的化合物から形成されたタンパク質複合体、例えば検出可能な酵素、基質又は分子に結合した抗体、抗原又はオリゴヌクレオチドプローブを含んで成る複合体を含む。
【0080】
本発明に従う診断方法の中でも、例えば、以下の段階:
a)所望の化合物を含むと思われる生物学的試料を、特に固体の支持体上に恐らく固定されている本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体と接触させること、
b)所望の化合物と本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体との間に形成される複合体の検出、同定、局在化及び/又は調剤、
を含んで成る方法を挙げることができる。
【0081】
当業者は、既知の標準的な診断方法を、本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体に適合させることができる。
【0082】
本発明の方法で使用されうる形成した複合体の検出、同定、局在化及び/又は調剤を可能にする技術及び特異的な試薬も当業者に知られており、そしてこれらは、例えばELISA、RIA、免疫蛍光、PCR技術、又は当業者にとって知られている標的核酸の増幅のための他の技術、である。
【0083】
本発明はまた、特に本発明に従うタンパク質又はタンパク質複合体を含むことを特徴とするタンパク質又はポリヌクレオチドの検出、同定、局在化及び/又は具体的な調剤のための、診断用キットに関する。
【0084】
本発明はまた、医薬又は化粧品の組成物の製造のための、本発明に従うタンパク質、タンパク質複合体又は細胞の使用に関する。本発明は、最後に、本発明に従うタンパク質、タンパク質複合体又は細胞を含んで成る医薬又は化粧品の組成物に関する。
【0085】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の例に関連して後文に記載される。
【0086】

以下の実施例で言及される菌株の特徴。
I−2025の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5366を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0087】
I−2026の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ8144を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0088】
I−2027の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ8146を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0089】
I−2339の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5479を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
−valS遺伝子の対立遺伝子R223Hを有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0090】
I−2340の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5485を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−valS遺伝子の対立遺伝子Val276Alaを有すること、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0091】
I−2341の番号のもとCNCMに寄託され、そしてβ5486を参照して同定されたE.コリの菌株K12は、以下の特徴:
−thyAの遺伝子座における欠失及びエリスロマイシン耐性遺伝子による置換、
−nrdDの遺伝子座における欠失及びカナマイシン耐性遺伝子による置換、
−valS遺伝子の対立遺伝子Asp230Asnを有すること、
−チミジル酸合成酵素の対立遺伝子Cys146GUAを有するpTZ18プラスミド(col E1 レプリコン、bla)を有すること、
を含んで成る、菌株MG1655(野生型E.コリK12)の子孫である。
【0092】
例1:チミジル酸合成酵素の活性部位にミスセンス変異Cys−>Valを含んで成り、且つチミン、チミジン又はシステインについての栄養要求性を創り出すE.コリの菌株の構築
thyA遺伝子の人工の対立遺伝子は、E.コリの野生型thyA遺伝子が挿入によりpTZ18Rプラスミド(BioRad)に由来する、pTSOプラスミド(Lemeignan et al., 1993)の指定突然変異によって構築される。オリゴヌクレオチドによって指定される変異は、Kunkel等によって記載された方法(1987)に従い、ファージミドpTS0上で実施される。菌株RZ1032で増幅されたpTS0の一本鎖マトリックスの調製(Kunkel and coll., 1987)(Hfr KL16 P045[lysA(61−62)] dut1 ung1 thi1 relA1 supE44 zbd−279::Tn10)は、Sambrook等によって記載された手順(1989)に従い実施される。5’をリン酸化したオリゴヌクレオチド(Genome Express社から購入)は、変異の開始因子として使用される。
オリゴヌクレオチド1(配列番号1)
5’pTGGATAAAATGGCGCTGGCACCGGTACATGCATTCTTCCAGTCTATGT
2つの構築物のいずれか一方の一本鎖マトリックスを有するこのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、10ngのオリゴヌクレオチド及び20mMのTris−HCl,pH7.5, 2mM EDTA及び50mMの塩化ナトリウムを含む10μlのバッファー溶液の体積当たり0.2μlのマトリックスを用いて実施される。試験管を70℃で5分間インキュベートし、続いて徐々に30℃に冷却する。この混合物に0.5mMの各dNTP, 1mM ATP, 10mM Tris−HCl (pH7.5), 10mM塩化マグネシウム、2mMジチオスレイトール及び1ユニットの、ファージT4 DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼの2つの酵素のうちのいずれかを加える。最終体積が20μlのこの反応混合を37℃で60分間インキュベートし、このうちの5μlが、Sambrook等によって記載された方法(1989)に従い、E.コリK12の菌株GT 869 (Parsot, C. 1986)(thrB 1004 pro thi strA hsdS lacZ ΔM15 [F’lacZ ΔM15 laclg traD36 proA+ proB+]) のコンピテント細胞を形質転換するために使用される。形質転換した細胞は、100mg/Lのカルベニシリンを加えた(B培地を含むペトリ皿に広げられる。抗生物質に耐性のある12個のクローンが、同一の培養上で再び単離される。これらのクローンのファージミドに相当する一本鎖DNAが調製され、そしてジデオキシ法(Sanger and coll., 1977)に従い配列決定される。M13配列決定キット(Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany)とデオキシアデノシン5’−(α−チオ)三リン酸(1300Ci/mmol, Amersham)が、取扱い説明書に従い組み合わされる。4つの開始因子が、thyAの対立遺伝子の配列を決定するために使用される:
オリゴデオキシヌクレオチド3(配列番号:3):5’GGTGTGATCATGATGGTC
オリゴデオキシヌクレオチド4(配列番号:4):5’CCTGCAAGATGGATTCCC
オリゴデオキシヌクレオチド5(配列番号:5):5’CGCGCCGCATTATTGTTTC
オリゴデオキシヌクレオチド6(配列番号:6):5’GTCTGGACCGGTGGCGACA
【0093】
この様にして得られたプラスミドpTS1は、野生型のthyA遺伝子においてはシステインのコドンUGCによって占められている146位がバリンのコドンGUAによって占められている、対立遺伝子thyA:Val146を有して伝播する。プラスミドpTS1は、Sambrook等の方法(1989)に従い実施される形質転換によって、チミジル酸合成酵素の染色体の遺伝子thyAが欠失しているE.コリK12のΔthyA菌株β1308に導入される。プラスミドの対立遺伝子thyA:Val146を有する形質転換した菌株β5356は、それが由来する菌株β1308と同様に、培養液に加えられるチミン又はチミジン無しに生育することができないことを示す。他方で、菌株β5366は、25mlのグルコース無機性MS培地を含むペトリ皿中で実施した、0.1mlの400mM L−システイン溶液を含む中心のウェルから開始するシステイン拡散勾配全体での30℃での限界の増殖を示す。同一の条件下で、菌株β1308は、検出可能な増殖を全く起こさない。チミジル酸合成酵素の146位の触媒的なシステインをバリンに変換するミスセンス変異は、外来からのシステインの大量添加によって部分的に抑制され得る。ペトリ皿に対する0.1mMのバリンの添加は、システイン勾配全体での菌株β5356の増殖を起こさせない。この様に、これら全ての事は、システインが、チミジル酸合成酵素の活性部位内でのバリンによるシステインの置換を補正することができる、誤ったCys−tRNAValを形成するために、バリル−tRNA合成酵素の活性部位に侵入するかの様に起こる。過剰なバリンは、これらの誤ったCys−tRNAValの形成を防ぐ。
【0094】
例2:チミジル酸合成酵素の活性部位にミスセンス変異Cys−>Ileを含んで成り、且つチミン、チミジン、又はシステインについての栄養要求性を創り出すE.コリの菌株の構築。
対応する構築は、チミジル酸合成酵素を用いて146位のシステインを交換するために、例1と同一の手順に従い、オリゴヌクレオチドによって指示される変異によって実施される。
オリゴヌクレオチド2(配列番号2):
5’pTGGATAAAATGGCGCTGGCACCGATACATGCATTCTTCCAGTTCTATGT
【0095】
この様にして得られたプラスミドpTS2は、野生型のthyA遺伝子においてはシステインのコドンUGCによって占められている146位がイソロイシンのコドンAUAによって占められている、対立遺伝子thyA:Ile146を伴ない伝播する。プラスミドの対立遺伝子thyA:Ile146を伴い伝播する菌株β5274は、β5356の場合と同様に、過剰なチミン、チミジン又はシステインの栄養の添加を必要であることを示している。システインによる菌株β5274の表現型の抑制は、菌株β5366のものがバリンによって失われる様に、0.1mMのイソロイシンによって失われる。これら全ての事は、イソロイシルtRNA合成酵素が過剰なシステインの存在下で誤ったCys−tRNAIleを形成することができ、そしてこの誤った形成が過剰なイソロイシンの存在によって防がれたかの様に起こる。
【0096】
例3:連続液体培養による、バリンの代わりにシステインを誤って取り込む遺伝暗号の変異体の選択及びそれにより得られたバリル−tRNAの変異体の遺伝的な特徴づけ。
プラスミドpTS1上にミスセンス対立遺伝子thyA:Val146を有する菌株β5366は、0.3mMチミジンを添加したグルコース無機性MS培地(2g/L, Richaud and Coll., 1993)中で、30℃の嫌気性生活で24時間培養される。続いて、細胞は脱酸素化した無機性MS培地で2回洗浄される。1.5mMのシステインが添加された10mlのグルコース無機性MS培地を含む脱酸素化した栄養培地に洗浄した細胞を用いて1/100で接種する。続いて、細胞を30℃の嫌気性生活で24時間培養し、そして10mlの脱酸素化したシステイングルコース無機性MS培地を含む新しい試験管に、先の定常期にある培養物の1/100希釈液を接種する。この手順を26回繰り返す。この連続培養の終わりに、液体培地から12のクローンが、嫌気性条件下で、チミジン(0.3mM)グルコース無機性MS培地(2g/L)の皿上で単離され、そして同一の液体培地の懸濁液中で−80℃で維持される。12のクローンは、栄養因子を添加したグルコース無機性MS培地を含む皿上で試験される。全てのこれらのクローンが、システインが少なくとも1.5mMの濃度で培養液中に存在するにも関わらず、栄養因子としてチミン又はチミジンを必要としている様である。
【0097】
前記クローンは、遺伝的な特徴づけを介してβ8144及びβ8146が選択される。バリル−tRNA合成酵素の遺伝子valSに隣接する、遺伝子座nrdDに導入された(E.コリK12の染色体の97mn)、カナマイシン耐性であることが特徴のファージP1による形質導入の実験は、菌株β8144及びβ8146を用いて実施される。それぞれの場合において、カナマイシン耐性である約半分の形質導入因子も、少なくとも1.5mMの濃度の外来のシステインによって抑制可能なチミジンについての栄養依存性を示す。この比率は、遺伝子valSとnrdDとの間の遺伝子の距離(0.4mn)に従うものであり、そして低濃度のシステインによるチミジル酸合成酵素の活性部位におけるミスセンス変異Cys−>Valの抑制の表現型が、遺伝子座valSの遺伝的な変化によって起こるという仮定を導く。適合した菌株のvalS遺伝子における遺伝的な変化の固定化は、この遺伝子座の配列決定によって確認され:Cに変化したAは、2つの適合した菌株β8144及びβ8146における、グルタミンによる277位のリジンの置換をもたらす。配列決定は、Sambrook等によって記載された条件(1989)で実験されたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって得られたマトリックス上で実施される。増幅反応は、β8144又はβ8146の菌株の10ngのゲノムDNA、20ピコモルの各阻害剤、40ナノモルの等モル量の4つのデオキシヌクレオチド三リン酸混合物、10mM Tris−HCl pH8.3, 500mM KCl及び20mM MgClから成る10μlのバッファーを含む100μlの溶液中で、1〜2ユニットのVentポリメラーゼ(Biolabs)の存在下実施される。各反応につき、30回の重合の周期が、DNAアンプリファー(Perkin−Elmer Cetus)を用いて、以下の様に完了する:変性は、94℃で、最初の周期については5分間、そして以下の周期については1分間実施され、ハイブリダイゼーションは58℃で1分間、そして伸長は72℃で、最初の29周期については3分間、そして最後の周期については10分間実施される。オリゴヌクレオチド7及び8は、遺伝子の増幅に使用される。
オリゴデオキシヌクレオチド7(配列番号7):
5’GGGGAATTCGGTGTGTGAAATTGCCGCAGAACG
オリゴデオキシヌクレオチド8(配列番号8):
5’GGCAAGCTTCCAGTATTTCACGGGGAGTTATGC
【0098】
この様にして得られたPCRフラグメントは、QIAquick (Qiagen) キットを用いて精製され、そして配列決定のためにGenaxis社に送られる。
【0099】
例4:システインの代謝前駆体による表現型の抑制。
適合した菌株β8144及びβ8146のシステインについての栄養要求性は、酸化による分解をもたらすことなく培養液中のシステインを交換し得る代謝前駆体を特徴づけるために利用される。S−カルバミル−L−システイン(3mM)、S−メチル−L−システイン(3mM)及びL−チアゾリジン−4−カルボン酸(2mM)は、チミジン又はチミンの代わりに、適合した菌株β8144及びβ8146の増殖因子としてシステインを交換することができることが証明された。前記化合物は、変異体cysN::kan(菌株JT1, M. Berlynにより産生、Coli Genetic Stock Center, Yale University, USA (Levh et al., 1988))のシステイン要求性を満たすことができることも証明されている。しかしながら、これらの物質を全く添加しない場合、チミジル酸合成酵素の遺伝子thyAの染色体欠失を導くβ1308の増殖が可能となり、その結果、微量のチミン又はチミジンによってそれらの混入を排除することができる。
【0100】
例5:固体の培地上での単離による、バリンの代わりにシステインを誤って取り込む遺伝暗号の変異体の選択及びシステインを誤って取り込むバリル−tRNA合成酵素の変異体の遺伝的な特徴づけ。
プラスミドpTS1上にミスセンス対立遺伝子thyA:Val146を有する菌株β5366は、E.コリの補助菌株(β7170, Bouzon et al., 1997)で採集されたファージP1のライゼートを用いて、バリル−tRNA合成酵素の遺伝子の遺伝子座valSに隣接する遺伝子座nrdDにカナマイシン耐性マーカーを導入した染色体内に形質導入される。遺伝子dnaQの変異誘発対立遺伝子は、テトラサイクリンdnaQ::miniTn10耐性マーカーを有する補助菌株(MS2131, Shapiru, 1990)上で採集されるファージP1のライゼートを用いる菌株β5419の形質導入によって一過的に導入される。テトラサイクリンに耐性があり、且つ約1000倍に増幅された自然変異の割合(ストレプトマイシン耐性の獲得についてのもの)を示すその様なクローンは、チミジンの存在下(0.3mM)、最小グルコース培地中で30℃で培養される。24時間後、細胞を採集し、そしてチミジンを含まない同量の培養液中で2回洗浄される。約10個の細菌に相当する、0.1mlの体積の結果として生じた懸濁液が、グルコース無機性MS培地(2g/L)の1mMの増分を添加することにより0〜8mMに変化する濃度のS−カルバミル−L−システインを含む一連のペトリ皿の表面上に広げられる。同一の手順を変異誘発遺伝子のない菌株β5419、及び野生型の遺伝子dnaQに適用する。全てのペトリ皿を30℃で96時間インキュベートする。コロニーは、変異誘発対立遺伝子dnaQ::miniTn10が試験菌株内に導入された場合にのみ、2mM超の濃度のS−カルバミル−L−システインを有するペトリ皿上に出現する。
【0101】
その様なクローンから採集したファージP1のライゼートは、プラスミドの対立遺伝子thyA:Val146を有する菌株β5366に形質導入するために使用される。カナマイシンに耐性がある約半分の形質導入体が、3mMのS−カルバミル−L−システインの存在下、且つチミン又はチミジンの不在下で増殖することができ、それらの中でも特に菌株β5455がその様である。他の半分の形質導入体はこれができず、そして、菌株β5366の様に、増殖するためにチミン又はチミジンを必要とする。この表現型の比率は、遺伝子座valSとnrdDとの間の遺伝子の距離(0.4mn)に従う。この様に、低濃度の外部からのシステインによるthyA Cys−>Valのミスセンス変異の抑制は、バリル−tRNA合成酵素の遺伝子の変化に起因することがある。β5366の形質導入によって得られ、そして3mMのS−カルバミル−L−システインの存在下、且つチミン又はチミジンの不在化で増殖することができ、β5455と表される菌株のうちの1つの遺伝子座valSは、例3に記載の様にポリメラーゼ連鎖反応によって増幅され、そして配列決定される。Cに変化したAは、プロリンによる222位のスレオニンの置換を招き、その結果菌株β5455の遺伝子valSにおける遺伝子の変化の固定が確認される。
【0102】
例6:正規でないアミノ酸に対するバリル−tRNA合成酵素変異体の感受性。
菌株β5455,β8144及びβ8146は、バリンに対して立体的な類似性を有する人工アミノ酸に対するそれらの感受性において試験される。当該試験は、チミジンを添加したグルコース無機性MS培地の皿上で実施される。細胞は、好気的な培地(グルコース無機性MS培地、0.3mMチミジン)中で24時間培養され、そして無機性MS培地中で1/250に希釈される。0.5mlのこの細胞懸濁液を、25mgのグルコース無機性MS培地を含むペトリ皿上に広げる。ウェルは、皿の中央がえぐられ、そして0.1mlのアミノ酸溶液:
(1)100mM L−2−アミノ−酪酸
(2)100mM L−2−アミノ−吉草酸
(3)100mM L−2−3−ジアミノ−プロピオン酸
(4)50mM L−3−チオール−2−アミノ−酪酸、
で満たされる。皿を続いて30℃で24時間インキュベートし、ウェルの周囲の、皿の上にある阻害領域の外観があれば、記録する。ペトリ皿上の弱められた増殖の阻害領域の直径が測定される:
L−2−アミノ−酪酸:5.2cm(β5455), 5.7cm(β8144), 6.7cm(β8146);
L−2−アミノ−吉草酸:2.1cm(β5455), 1.5cm(β8144), 6.7cm(β8146);
L−2−3−ジアミノ−プロピオン酸:2.3cm(β5455), 2.7cm(β8144), 1.9cm(β8146);
L−3−チオール−2−アミノ−酪酸:2.0cm(β5366), 4.6cm(β5455), 4.0cm(β8144), 4.0cm(β8146)。
【0103】
所定の濃度のL−2−アミノ−酪酸、L−2−アミノ−吉草酸及びL−2,3−ジアミノ−プロピオン酸は、野生型のvalS対立遺伝子において、菌株β5366には効果を持たず、変異型valS遺伝子を有する菌株の増殖を阻害する。L−3−チオール−2−アミノ−酪酸は、全ての菌株の増殖を阻害するが、当該阻害は変異した菌株上でより顕著である。この様な全ての事が、バリル−tRNA合成酵素の変異体が、当該酵素の野生型によっては取り込まれ得ないアミノ酸とtRNAValを結合させることをそれらに可能にさせる広範な特異性を有するかの様に起こる。
【0104】
例7:バリル−tRNA合成酵素が変異したE.コリの菌株のタンパク質における正規でないアミノ酸の取り込み。
菌株β5455から得られたファージP1のライゼート(例5を参照のこと)は、AEilvCABD欠失及びleu変異を有する菌株CU505に形質導入して、バリン、イソロイシン及びロイシンについて栄養要求性にさせるために使用された。菌株CU505は、エール大学(USA)にあるColi Genetic Stock Centerから入手した。形質導入クローンは、カナマイシンLBの皿から選択し、そしてアミノ酸、バリン、イソロイシン及びロイシンのいずれかを0.3mM含むグルコースMS固体培地(2g/L)中で、アミノ−酪酸(3mM)に対するそれらの感受性について試験された。約50%の形質導入クローンが、これらの条件では生育することができず、このことは対立遺伝子valS:T222P及びnrd::kan耐性マーカー(例5を参照のこと)が同時に形質導入されていることを示している。β5498と表される、形質導入クローンの1つは、アミノ−酪酸の取り込み、バリンの置換を、CU505と比較して示すために使用された。2つの菌株が、0.3mMの濃度のジペプチドIle−Leu及び0.02mMの濃度のジペプチドIle−Valを含むグルコースMS液体培地(2g/L)中で、0.2mMのL−アミノ−酪酸の存在下、又はその類似体の不在下で、30℃で培養された。各菌株に相当する種菌は、0.3mMの濃度のジペプチドIle−Leu及び0.04mMの濃度のジペプチドIle−Valを含むグルコースMS液体培地(2g/L)中であらかじめ培養したものから得た。30℃で24時間培養した後の定常期の培養物(50ml)を遠心によって回収した。各試験につき、残査を100g/Lの25mlのトリクロロ酢酸溶液(10%TCA)中で4℃で再懸濁し、遠心し、5mlの10%TCA中で再懸濁し、もう一度遠心し、残査を5%TCA中で再懸濁し、懸濁物を95℃で30分間インキュベートし、遠心し、残査を5mlのアセトン中で再懸濁し、遠心し、残査を5mlのアセトン中で再懸濁し、遠心し、そして残査を乾燥させた。この様にして得られた残査を、50mMの1mlのNHCO溶液に溶解し、凍結乾燥した。凍結乾燥したものを、2g/Lのフェノールを含む2mlの6N塩酸に溶解し、混合物を薬びん中に閉じ込め、110℃で20時間インキュベートした。加水分解物中のアミノ酸の濃度は、Beckman6300解析機の取扱い説明書に従い、ニンヒドリンで誘導体化することによって定量化した。アミノ−酪酸は、アミノ−酪酸が培養液に添加され、且つ菌株がβ5498の場合にのみ、タンパク質の加水分解物中に検出された。アミノ−酪酸の比率は、1/4の量のバリンに取って代わり、これは全タンパク質の100アミノ酸当たり約5のアミノ−酪酸残査に相当する。2つの培養条件における2つの菌株CU505及びβ5498についての解析の詳細な結果を以下の表に示す。
【表1】
Figure 2004518404
【0105】
例8:固体の培地上での単離による変異誘導菌株からの、遺伝暗号の新規変異体の選択。
プラスミド由来の不活性対立遺伝子thyA:Val146を発現し、且つ染色体においてマーカーAEnrdD::kanを有する菌株は、例5に記載のその構築によって説明した様に、スペクチノマイシンに対する耐性を付与し、菌株β5555を得るためにスペクチノマイシン(25mg/L)を含むLB固体培地上で選択する変異誘発マーカーEmutS::spcを有する菌株TAD上で採集したファージP1のライゼートを用いて形質導入された。この菌株の変異誘発の表現型は、リファマイシン耐性変異体の頻度を数えることによって証明された。例5に記載の実験手順に従うことによって、チミジンを含まないグルコース無機性培地中で、2〜5mMのS−カルバモイル−L−システイン(SCC)の存在下で増殖することができるクローンが得られた。3つのクローンのうち2つが、例5の手順に従いカナマイシンに対する耐性について選択することによって、菌株β5366を形質導入するために使用されたファージP1のライゼートを調製する役割を果たした。3つのライゼートのそれぞれについて、約半分の形質導入体が、3mMのSCCを含むグルコース無機性固体培地中で増殖することができ、これはミスセンス対立遺伝子thyA:C146Vを抑制する変異及びマーカーnrd::kanの近くであることを示している。3つのライゼートのうちの1つから得られたSCCで抑制可能な形質導入因子にそれぞれ相当する、3つの菌株β5479,β5485及びβ5486の遺伝子座valSは、例3に記載の様にPCRによって増幅され、そして配列決定された。異なる位置でなされた変異が3つの菌株のそれぞれに見られ、すなわち、Arg223はβ5479でHisに変化し、Val276は菌株5485でAlaに変化し、そしてAsp230は菌株β5486でAsnに変化した。この様に、thyAのミスセンス変異体Cys146Valの抑制の表現型も、アミノ−酪酸に対する感受性を示す。これらのクローンのそれぞれが、遺伝子valS内に異なる位置の変異を有することが明らかとなり。これがE.コリにおけるバリル−tRNA合成酵素の活性を多様化する手段として選択的スクリーニングを有効にしている。
【0106】
β5456,β5520及びβ5498と引用された変異体のE.コリの菌株は、上文の例5で言及した様に、そして上文の例5及び8に記載した選択手順に従い、変異菌株β5419から得られた。
【表2】
Figure 2004518404

Claims (47)

  1. アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生する能力を細胞に獲得せしめる方法であって、以下の段階:
    a)前記細胞の増殖に必要なタンパク質であって、変異される遺伝子から合成されてもはや機能的でなくなるタンパク質をコードする遺伝子の標的コドンにおける少なくとも1つのミスセンス変異の誘導による、前記細胞の形質転換、
    b)その様に変異した前記タンパク質の機能性の損失を補うための栄養素を含む培養液中での、段階a)で得られた細胞の任意な培養、
    c)前記標的コドンによってコードされるアミノ酸を含む培養液中での、段階a)又はb)で得られた細胞の培養、
    を含んで成る方法。
  2. 段階c)の培養液が、前記の変異タンパク質の機能性が失われたことによって必要とされる栄養素を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞の培養段階c)が、前記標的コドンによってコードされるアミノ酸を含む培養液中での前記細胞の一連の細胞培養を含んで成り、一連の前記培養のそれぞれが、安定増殖期の獲得、それに続く、得られた細胞の洗浄、によってもたらされ、一連の培養の回数が、前記変異遺伝子のミスセンス変異を増大する変異の抑制を増大する変異を選択せしめるのに十分であることを特徴とする、請求項1及び2に記載の方法。
  4. ミスセンス変異が、少なくとも1/1015の生物の次数の、非常に低い頻度でしか自然に逆転しないミスセンス変異から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ミスセンス変異が、前記細胞の増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子の標的コドンを、当該標的コドンと比較して少なくとも2つの塩基、好ましくは3つの塩基の変化を示すコドンへと変換することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 標的コドンが立体的なかさの低いアミノ酸をコードする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  7. 標的コドンが両親媒性のアミノ酸をコードする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 標的コドンが、ミスセンス変異によってコードされるアミノ酸の立体的なかさよりも低いか、若しくはそれとほぼ等しい立体的なかさを有するアミノ酸をコードすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 標的コドンがシステインをコードすることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ミスセンス変異によってコードされるアミノ酸がバリン又はイソロイシンであることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記細胞の形質転換における段階a)が、前記ミスセンス変異を含んで成る細胞の増殖に必要なタンパク質をコードする前記遺伝子の配列を含んで成るベクターによって実施されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ベクターがプラスミドベクターであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる細胞を選択する方法であって、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法の段階a)、そして任意に段階b)及びc)、並びに段階c)で増殖しうる細胞の選択、を含んで成る方法。
  14. 前記標的コドンによってコードされる前記アミノ酸を含む培養液中で、段階c)で得られた細胞を培養する段階d)を更に含み、前記アミノ酸の濃度が段階c)で使用される前記アミノ酸の濃度よりもおそらく高く、そして段階d)で使用される前記アミノ酸の濃度に感受性のある細胞が選択されること、を特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 選択される細胞の前記ミスセンス変異によってコードされるアミノ酸を認識するアミノアシルtRNAが、その関連するtRNAの1つを、非慣用アミノ酸又は前記ミスセンス変異によってコードされる前記アミノ酸以外のアミノ酸と結合させることができることを特徴とする、請求項13又は14に記載の細胞の選択方法。
  16. 前記アミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子の核酸配列が、相当する野生型遺伝子の配列と比較して、少なくとも1つの変異を含んで成ることを特徴とする、請求項15に記載の細胞の選択方法。
  17. 前記変異が遺伝子組換え技術によって導入されたものではないことを特徴とする、請求項16に記載の細胞の選択方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法によって得られる細胞。
  19. アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質を産生することができる単離された細胞であって、関連するtRNAの1つを非慣用アミノ酸又は所定のアミノ酸以外のアミノ酸と結合することができる所定のアミノ酸を認識するアミノアシルtRNA合成酵素を含み、そして前記アミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子の核酸配列が、相当する野生型と比較して少なくとも1つの変異を含み、前記変異が遺伝子組換え技術によって導入されていないことを特徴とする、細胞。
  20. CNCM(Collection Nationale de Culture de Microorganismes, Paris, France)に寄託された以下の細胞:
    a)2000年4月28日にI−2467の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
    b)2000年4月28日にI−2468の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、
    c)2000年4月28日にI−2469の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株、及び
    d)2000年4月28日にI−2470の番号のもとCNCMに寄託されたE.コリの菌株。
    から選択されることを特徴とする、請求項18又は19に記載の細胞。
  21. アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含んで成るタンパク質の産生のための、請求項20に記載の細胞の使用。
  22. アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含むタンパク質の産生方法であって、以下の段階、
    a)請求項20に記載の細胞の、前記細胞の増殖せしめる培養液中での、且つ培養条件での培養;及び
    b)段階b)で得られた培養上清及び/又は細胞の残査からの、少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含んで成る前記タンパク質の単離、
    を含む方法。
  23. 前記細胞を増殖せしめる段階a)の前記培養液が前記の非慣用アミノ酸又はその前駆体の1つを含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 前記の非慣用アミノ酸が、前記細胞によって合成されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 前記の非慣用アミノ酸が、前記細胞の遺伝子の修飾によって増大されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 前記細胞が前記標的コドンによってコードされるアミノ酸について栄養要求性であることを特徴とする、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記細胞が、コード配列が少なくとも1つの標的コドンを含む、注目の同種又は異種遺伝子を含むことを特徴とする、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 段階a)が、注目の前記遺伝子によってコードされるタンパク質の合成の誘導に必要な化合物を含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
  29. 注目の前記遺伝子によってコードされるタンパク質の生物学的活性が、注目の前記遺伝子の標的コドンにおける前記の非慣用アミノ酸の組み込み後に少なくとも部分的に保持されることを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
  30. 非慣用アミノ酸がL配置の式I
    Figure 2004518404
    (ここで、R又はRは、選択的な方法で反応することができる)
    の非慣用アミノ酸から選択されることを特徴とする、請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 官能基が、アルデヒド、ケトン、エテニル、エチニル又はニトリル基から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. タンパク質の官能化のための、請求項23〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. タンパク質を精製する方法であって、以下の段階:
    a)前記タンパク質のアミノ酸配列における、請求項22〜32のいずれか1項に記載の方法による選択的に反応しうる官能基を含む非慣用アミノ酸の組み込み;
    b)段階a)で得られたタンパク質を含む溶液を、前記官能基と特異的に反応し、且つ前記タンパク質を特異的に固定することができる化合物を含んで成る支持体と接触させること;及び
    c)支持体上に固定された前記タンパク質の単離、
    を含むことを特徴とする、方法。
  34. タンパク質を化合物又は生化学的化合物上に固定する方法であって、以下の段階:
    a)前記タンパク質のアミノ酸配列における、請求項22〜32のいずれか1項に記載の方法による選択的に反応しうる官能基を含む非慣用アミノ酸の組み込み;
    b)段階a)で得られたタンパク質を、反応が可能な培地中で前記官能基と特異的に反応しうる基を含んで成る化合物又は生化学的化合物を含んで成る支持体と接触させること、
    を含んで成ることを特徴とする方法。
  35. 前記化合物又は生化学的化合物が固体の支持体上に固定されるもの自体であり、又は固体の支持体を構成する化合物であることを特徴とする、請求項34に記載の方法。
  36. タンパク質複合体を調製するための、請求項34又は35に記載の方法。
  37. 前記の固定されたタンパク質あるいは前記化合物又は生化学的化合物が、治療、化粧又は診断用の化合物から選択されることを特徴とする、請求項34〜36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記化合物又は生化学的化合物が、固定されたタンパク質の生物学的活性を修飾しうる化合物から選択されることを特徴とする、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 化合物又は生化学的化合物が、固定されたタンパク質の生物活性によって修飾されうる化合物から選択されることを特徴とする、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記化合物又は生化学的化合物が、タンパク質、ポリヌクレオチド、脂肪酸、糖又は天然若しくは合成のポリマーを含む化合物から選択されることを特徴とする、請求項34〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 請求項22〜33のいずれか1項に記載の方法によって得られるタンパク質であって、アミノ酸配列が少なくとも1つの非慣用アミノ酸を含む組換えタンパク質に関する、タンパク質。
  42. 請求項34〜40のいずれか1項に記載の方法によって得られるタンパク質複合体であって、アミノ酸配列が官能基を含む非慣用アミノ酸を含む組換えタンパク質、及び前記官能基と反応しうる基を含んで成る化合物又は生化学的化合物を含むことを特徴とする、タンパク質複合体。
  43. 請求項41に記載のタンパク質、又は請求項42に記載のタンパク質複合体の、診断用試薬としての使用。
  44. 請求項41に記載のタンパク質、又は請求項42に記載のタンパク質複合体を利用することを特徴とする、診断方法。
  45. 請求項41に記載のタンパク質、又は請求項42に記載のタンパク質複合体を含むことを特徴とする、診断用キット。
  46. 医薬又は化粧品の組成物の製造のための、請求項41に記載のタンパク質、請求項42に記載のタンパク質複合体、又は請求項20に記載の細胞の使用。
  47. 請求項41に記載のタンパク質、請求項42に記載のタンパク質複合体、又は請求項20に記載の細胞を含んで成る医薬又は化粧品の組成物。
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