JP2004517134A - 高アンモニア血症および肝性脳症を治療するためのジヒドロフラン環状タンシノン類 - Google Patents

高アンモニア血症および肝性脳症を治療するためのジヒドロフラン環状タンシノン類 Download PDF

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Abstract

本発明は、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療における医薬品の製造のための、式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類:
【化1】
Figure 2004517134

(ここで、Rは、−CHCHCHC(CH−、−CHCHCHC(CH)−、−CHCHCHC(CH)−、または−CHCHCHC(CH)−からなる群より選択され、Rは、HまたはC−Cアルキルである)またはこれらを含む薬学的組成物の使用に関する。

Description

【0001】
発明の技術分野:
本発明は、慢性肝炎および肝硬変などによって引き起こされる高アンモニア血症(血中のアンモニアおよびフェネチルアミンの過剰濃度)、特に高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症(HE)および無症状肝性脳症(SHE)などの予防または治療における医薬品の製造のための、ジヒドロフラン環状タンシノン類、特にクリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIの使用に関する。
【0002】
発明の背景技術:
高アンモニア血症は、慢性肝炎および肝硬変の主要な徴候の1つである。身体にはアンモニア産生の2つの主なソース:小腸および腎臓がある。それらによって産生されるアンモニアのほとんどは、肝臓においてその機能が正常である場合、尿素合成のためのオルニチン回路によって解毒され得る。しかし、慢性肝炎および肝硬変患者の肝機能は正常でなく、そして肝臓がアンモニア毒素を排出する能力は弱められている。そのため、血液中に浸潤するアンモニアの量が増加し、特に肝硬変患者については、門脈分流を形成し、そして逆流を妨害する小腸鬱血によって引き起こされるアンモニア産生が非常に大きい。一方、慢性肝炎および肝硬変患者の腎臓機能も損なわれ、これもまたアンモニアの産生を明らかに増加させる。したがって、高アンモニア血症は、慢性肝炎および肝硬変患者によって通常示される徴候である。アンモニアは、多くの主要な臓器、特に脳に対して中毒効果を有する一種の塩基性の毒性物質である。長期の高アンモニア血症は、慢性肝炎および肝硬変の深刻化および悪化、ならびに肝性脳症(HE)および無症状肝性脳症(SHE)の開始の主要な原因である。
【0003】
肝性脳症(HE)は、代謝障害に基づく中枢神経系機能障害の症候群である。その主な臨床発現は、意識障害、行動障害、および昏睡である(Pathology, Li Yu−Lin編, People’s Health Press, 2000, 340−350頁)。肝性脳症(HE)には主として2つのメカニズムがある。第1のメカニズムは、肝機能障害によって引き起こされる高濃度の血中アンモニアが血液脳関門を通って浸透しそして脳組織に侵入することである。脳組織に対するアンモニアの毒性効果は、主として、脳細胞のエネルギー代謝への影響であり、その結果、エネルギーリッチなリン酸化合物類、いくつかの補酵素類、およびα−ケトグルタル酸の濃度が減少する。正常な状況では、肝臓は、体内での代謝で産生したアンモニアのほとんどを尿素に変換し得、次いでこれは腎臓から除去される。肝機能障害の状況では、アンモニア排出能力は弱められ、したがって血中アンモニア濃度が上昇する。さらに、アルカローシスの時には、体内のイオン型のアンモニアは、分子型アンモニアに変換され、これもまた、血中アンモニア濃度を上昇させる。第2のメカニズムは、偽神経伝達物質の作用である。フェニルアラニンのようないくつかのアミノ酸によるデカルボキシラーゼ作用によって形成されたフェネチルアミンは、正常な状態では肝臓で分解されそして排出され得る。しかし、肝機能が異常である場合、血中フェネチルアミン濃度は上昇し、血液脳関門を通って脳組織に侵入し、そして神経細胞中の酵素の作用によってフェニルエタノールアミンに変換される。フェニルエタノールアミンは、ドーパミン、ノルエピネフリンなどのような正常な神経伝達物質と類似の構造を有するが、はるかに弱い生理学的機能を有する、一種の偽神経伝達物質である。フェニルエタノールアミンは、正常な神経伝達物質と競合し得、そのため脳神経の機能障害を引き起こす。
【0004】
無症状肝性脳症(SHE)は、肝機能障害患者に現れる知能、神経、または精神欠陥を伴う、一種の肝性脳症である。その徴候は、精神衰退、作業低下、および神経応答遅延である。その病因は、肝性脳症の病因と類似しており、これは、主として、慢性肝炎および肝硬変患者の異常な肝機能によって引き起こされる血中アンモニアおよびフェネチルアミンの濃度の上昇によって引き起こされる。肝機能の傷害の重篤度が大きくなるほど、無症状肝性脳症の発病率が高くなり、そして病気が肝性脳症へ悪化しやすくなる。統計学によれば、50%以上の肝硬変患者が無症状肝性脳症の徴候を有する(Li Yu−Yuanら, Chinese Journal of Internal Medicine, 2000, 39(9), 625)。
【0005】
高濃度のアンモニアおよびフェネチルアミンなどを排出することは、肝性脳症および無症状肝性脳症の徴候を効果的に改善し得る。これまでは、例えば、ラクチュロース、グルタミン酸ナトリウム、およびアルギニンなどの高アンモニア血症、肝性脳症、および無症状肝性脳症を治療するために使用される薬物(Drugs, Wang Ru−LongおよびYuan Zheng−Ping編, chemical industry press, 第3版 (1999), 655−665)は、例えば、大量の投与量、血中アンモニアを低下させる場合の体内の酵素の関与の必要性、糖尿病および腎機能不全の患者への不適切さ、およびその理想的でない効果などの制限がある。
【0006】
dan−shenは、シソ科のSalvia miltiorrhiza Bungevの根および根茎であり、味は苦く、そして心臓および肝臓のチャンネルに対して限定的である。dan−shenは、伝統的漢方薬として臨床で広く使用される。その主な効能は、鬱血を分散させそして疼痛を和らげること、血液循環を促進しそしてチャンネルを広げること、熱を取り除きそして苦痛を緩和することなどである。最近の研究では、以下の主な薬理学的作用が、dan−shenおよびその抽出物に存在することが示された。
【0007】
1.肝細胞においてDNA合成を促進し得、そして肝細胞に対する保護効果および肝細胞の再生の促進を有する。肺繊維化を和らげ得、そして抗結核効果を有する。2.治癒を促進し得、そして胃粘膜障壁の完全性を保ちそしてその防御機能を増強する効果を有する。3.誘導された腎不全を改善し、ラットの尿毒症徴候を和らげ、尿素態窒素、メチルグアニジン、およびグアニジノ−コハク酸の血中濃度を著しく低下させ、そして腎機能の回復を促進し得る。4.冠状動脈を拡張し、その血流を増加させ、心筋梗塞を予防および治療し得、そして抗酸素フリーラジカル、血液循環促進および鬱血分散、血小板抑制、ならびに繊維素溶解活性促進の効果を有する。5.疼痛を緩和し得、そして中枢神経系に対する抑制効果を有し、そして抗炎症、抗菌、および抗腫瘍などの効果を有する。
【0008】
しかし、現在までに、dan−shenの抽出物、特にジヒドロフラン核構造を有するタンシノン化合物類を使用して、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症などを予防および治療することについての報告はない。
【0009】
本発明の目的は、dan−shen抽出物、特にジヒドロフラン核構造を有するタンシノン化合物類の新しい薬学的使用を見出しそして開発することである。
【0010】
研究を通して、発明者は、意外にも、dan−shenから抽出したジヒドロフラン核構造を有するタンシノン化合物類を使用すると、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症などの予防および治療に、良好な効果があることを見出した。
【0011】
発明の要旨
本発明は、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療における医薬品の製造のための、式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類:
【0012】
【化2】
Figure 2004517134
【0013】
(ここで、Rは、−CHCHCHC(CH−、−CHCHCHC(CH)−、−CHCHCHC(CH)−、または−CHCHCHC(CH)−を表し、Rは、HまたはC−Cアルキルを表す)またはこれらの1つを含む組成物の使用を提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、Rは、−CHCHCHC(CH−、−CHCHCHC(CH)−、−CHCHCHC(CH)−、および−CHCHCHC(CH)−からなる群より選択され、そしてRはメチルである。
【0015】
本発明の好ましい実施態様では、Rは、−CHCHCHC(CH−、および−CHCHCHC(CH)−からなる群より選択され、そしてRはメチルである。
【0016】
本発明の好ましい実施態様では、式(I)で表される上記化合物は、クリプトタンシノン(1,6,6−トリメチル−1,2,6,7,8,9−ヘキサヒドロフェナントレン[1,2−b]フラン−10,11−ジオン)およびジヒドロタンシノンI(1,6−ジメチル−1,2−ジヒドロフェナントレン[1,2−b]フラン−10,11−ジオン)からなる群より選択される。
【0017】
本発明はまた、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療における薬学的組成物を提供し、これは、式(I)で表される上記化合物および必要に応じて薬学的に受容可能な希釈剤またはベヒクルを含む。
【0018】
本発明はさらに、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療のための薬学的組成物の調製方法を提供し、この方法は、式(I)で表される上記化合物および必要に応じて薬学的に受容可能な希釈剤またはベヒクルを処方する工程を含む。
【0019】
本発明はさらに、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症を予防または治療する方法を提供し、この方法は、上記式(I)で表される化合物または該化合物を含む上記薬学的組成物の有効量を、患者を投与する工程を含む。
【0020】
本発明によれば、上記式(I)で表される化合物またはその薬学的組成物は、当該技術分野で周知の方法によって調製され得、そして、経口、非経口(例えば、静脈内注射、筋肉内注射、および皮下注射など)、または局所(例えば、舌下、尿道、および直腸適用)投与によって送達され得る。経口適用としては、錠剤、咀嚼剤、カプセル剤、丸剤、懸濁液剤、エマルジョン、および液剤などが挙げられる。非経口適用としては、注射剤が挙げられ、そして局所投与としては、例えば、クリーム、軟膏剤、貼付剤、座剤、およびスプレー剤などの処方物が挙げられる。
【0021】
発明の詳細な説明:
発明者によって行われた研究は、例えば、クリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIなどのジヒドロフラン環状タンシノン類が、穏和な条件下でアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、およびフェネチルアミンと反応し、そして新しいタンシノン誘導体を形成し得ることを示している。これは、これらの化合物が、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症、ならびに高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症などの予防および治療に、特別な治療効果を有することを示唆する。反応式を以下に示す。ここで、RおよびRの意味は先に定義したとおりである。
【0022】
【化3】
Figure 2004517134
【0023】
本発明で使用されるジヒドロフラン核構造を有するタンシノン化合物は、溶媒抽出方法によって漢方薬のdan−shenから、または化学合成から得られ得る。dan−shenの豊富な供給源に対する費用などのファクターを考慮して、本発明の化合物を得るために、抽出方法が一般的に用いられる。
【0024】
本発明においては、化学反応実験によって、発明者らは、例えば、クリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIなどのジヒドロフラン環状タンシノン類が、穏和な条件下でアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、およびフェネチルアミンと反応し、そして新しいタンシノン誘導体を形成し得ることを確認した。これは、これらの化合物が、例えば、高濃度のアンモニアおよびフェネチルアミンなどの、体内の毒性の窒素性代謝物を減少させるために使用される可能性を有することを示唆する。
【0025】
本発明は、高アンモニア血症動物モデル実験によって、例えば、クリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIなどのジヒドロフラン環状タンシノン類が、高アンモニア血症ラットの血中アンモニア濃度を効果的に低下させ、高アンモニア血症によって誘導される肝性昏睡を短縮させ、そして死亡率を低下させ得ることを証明した。これは、これらの化合物が、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症、高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症などを予防および治療するために有効な薬物であり得ることを示唆した。
【0026】
本発明は、ラットにおける毒性学的研究によって、例えば、クリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIなどのジヒドロフラン環状タンシノン類が、何ら毒性および副作用のない薬物であり、そして安全に使用され得ることを証明した。
【0027】
漢方薬dan−shenは、肝臓および腎臓の機能に対して良好な促進および回復効果を有するので、dan−shen中の主活性成分であるジヒドロタンシノン化合物を主とする本発明の薬剤は、血中アンモニアおよびフェネチルアミン濃度を効果的に低下させて、そのため慢性肝炎、肝硬変、肝性脳症、および無症状肝性脳症の徴候を改善し得るだけでなく、肝機能の回復を効果的に促進し得、そのため慢性肝炎、肝硬変、肝性脳症、および無症状肝性脳症に対する理想的な治療効果も有する。
【0028】
以下は、本発明をさらに説明する実施例である。
【0029】
実施例1:
ジヒドロタンシノンIの抽出、単離、および精製:
乾燥したdan−shenの1kgを、各1500mLの95%アルコールを用いて3回24時間抽出し、次いで500mlになるまで真空濃縮し、500mlの水を加えて、1000mlのクロロホルムを用いて4回抽出した。次いで、抽出物を真空濃縮し、そして100〜200メッシュのシリカゲル、および溶出液として1%〜20%酢酸エステルを含む石油エーテル/酢酸エステル混合物を用いるカラムクロマトグラフィーによるグラジエント溶出によって単離した。約0.12gのジヒドロタンシノンIを得た。
【0030】
実施例2:
dan−shenからのクリプトタンシノンの抽出、単離、および精製:
乾燥したdan−shenの1kgを、各1500mLの95%アルコールを用いて3回24時間抽出し、次いで500mlになるまで真空濃縮し、500mlの水を加えて、1000mlのクロロホルムを用いて4回抽出した。次いで、抽出物を真空濃縮し、そして100〜200メッシュのシリカゲル、および溶出液として10%〜50%酢酸エステルを含む石油エーテル/酢酸エステル混合物を用いるカラムクロマトグラフィーによるグラジエント溶出によって単離した。約0.35gのクリプトタンシノンを得た。
【0031】
実施例3:
ジヒドロタンシノンIとアンモニアとのインビトロ反応:
0.5mmolのアンモニアおよび30mlの水を試験管に加え、次いで0.5mmolのジヒドロタンシノンIを含む1.0mlのアルコールを加え、そして37±5℃で2〜8時間振動させた。次いでTLCによってモニターし、カラムクロマトグラフィーによって単離し、そしてジヒドロタンシノンIとアンモニアとの反応の生成物を、1−アミノ−2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8−メチル−フェナントレン−3,4−ジオンおよび3−アミノ−2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8−メチル−フェナントレン−1,4−ジオンとして得た。生成物の構造は、13C−HNMR、MS、および元素分析によって確認した。この結果、ジヒドロタンシノンIが、インビトロでアンモニアと反応し、それによってアンモニア濃度を低下させ得ることを示した。
【0032】
実施例4:
ジヒドロタンシノンIとフェネチルアミンとのインビトロ反応:
0.5mmolのフェネチルアミンおよび30mlの水を試験管に加え、次いで0.5mmolのジヒドロタンシノンIを含む1.0mlのアルコールを加え、そして37±5℃で2〜8時間振動させた。次いでTLCによってモニターし、カラムクロマトグラフィーによって単離し、そしてジヒドロタンシノンIとフェネチルアミンとの反応の生成物を、2−ベンジル−4,9−ジメチル−4,5−ジヒドロ−1,6−ジオキサ−3−アゾ−ジシクロペンタ[a,c]フェナントレンおよび2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8−メチル−3−フェネチルアミノ−4−フェネチルイミノ−4H−フェナントレン−1−オンとして得た。生成物の構造は、13C−HNMR、MS、および元素分析によって確認した。この結果、ジヒドロタンシノンIが、インビトロでフェネチルアミンと反応し、それによってフェネチルアミン濃度を低下させ得ることを示した。
【0033】
実施例5:
クリプトタンシノンとアンモニアとのインビトロ反応:
0.5mmolのアンモニアおよび30mlの水を試験管に加え、次いで0.5mmolのクリプトタンシノン含む1.0mlのアルコールを加え、そして37±5℃で0.5〜3時間振動させた。次いでTLCによってモニターし、カラムクロマトグラフィーによって単離し、そしてクリプトタンシノンとアンモニアとの反応の生成物を、1−アミノ−2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−フェナントレン−3,4−ジオンおよび3−アミノ−2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8,8−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−フェナントレン−1,4−ジオンとして得た。生成物の構造は、13C−HNMR、MS、および元素分析によって確認した。この結果、クリプトタンシノンが、インビトロでアンモニアと反応し、それによってアンモニア濃度を低下させ得ることを示した。
【0034】
実施例6:
クリプトタンシノンとフェネチルアミンとのインビトロ反応:
0.5mmolのフェネチルアミンおよび30mlの水を試験管に加え、次いで0.5mmolのクリプトタンシノンを含む1.0mlのアルコールを加え、そして37±5℃で0.5〜3時間振動させた。次いでTLCによってモニターし、カラムクロマトグラフィーによって単離し、そしてクリプトタンシノンとフェネチルアミンとの反応の生成物を、2−ベンジル−4,9,9−トリメチル−4,5,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−1,6−ジオキサ−3−アゾ−ジシクロペンタ[a,c]フェナントレンおよび2−(1’−ヒドロキシ−2’−プロピル)−8,8−ジメチル−3−フェネチルアミノ−4−フェネチルイミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−フェナントレン−1−オンとして得た。生成物の構造は、13C−HNMR、MS、および元素分析によって確認した。この結果、クリプトタンシノンが、インビトロでフェネチルアミンと反応し、それによってフェネチルアミン濃度を低下させ得ることを示した。
【0035】
実施例7:
タンシノンIIA(ジヒドロフランタンシノン類の1つ)とアンモニアとのインビトロ反応:
実施例3の方法に従いそしてジヒドロタンシノンIをタンシノンIIAに代えると、TLCでの48時間モニターでは明らかな反応は示さなかった。これは、タンシノンIIAとアンモニアとの間では、この条件下では相互作用がないことを示唆した。
【0036】
実施例8:
タンシノンIIAとフェネチルアミンとのインビトロ反応:
実施例4の方法に従いそしてジヒドロタンシノンIをタンシノンIIAに代えると、TLCでの48時間モニターでは明らかな反応は示さなかった。これは、タンシノンIIAとフェネチルアミンとの間では、この条件下では相互作用がないことを示唆した。
【0037】
実施例9:
ジヒドロタンシノンIおよびタンシノンIIAの血中アンモニア減少実験(注射):
本実験に使用した動物は、体重250〜300gの50匹の健常雄SDラットであった。これらを、ランダムに5群、すなわち、正常コントロール、実験コントロール(アセタミド群)、グルタミン酸ナトリウム/アセタミド群、ジヒドロタンシノンI/アセタミド群、およびタンシノンIIA/アセタミド群に分けた。正常コントロール群を除くすべての群のラットに、それぞれ、生理食塩水、グルタミン酸ナトリウム注射液(410mg/kgの用量で)、ジヒドロタンシノンIの生理食塩液(少量の界面活性剤を含む、10mg/kgの用量で)、タンシノンIIAの生理食塩液(少量の界面活性剤を含む、10mg/kgの用量で)を腹腔内注射した。注射の45分後に、コントロール群を除くすべての群のラットに、5.5mmol/kgのアセタミドを腹腔内注射した。上記の注射を4日間続けた。4日目のアセタミド注射の30分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を、従来の方法を用いて測定した。結果を表1に示す。本実施例および以下の実施例におけるアセタミドの用量を、実際の臨床用量を参照にして固定した。本実施例および以下の実施例における血中アンモニア濃度の測定方法は、酵素−UV法であり、使用した機器は、HITACHI−7170自動分析機であり、そして使用したキットはAMMONIAキットであった。
【0038】
【表1】
Figure 2004517134
【0039】
同じ実験方法で、4日目のアセタミド注射の90分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 2004517134
【0041】
実施例10:
クリプトタンシノンの血中アンモニア減少実験(注射):
本実験に使用した動物は、体重250〜300gの40匹の健常雄SDラットであった。これらを、ランダムに4群、すなわち、正常コントロール群、実験コントロール群(アセタミド群)、グルタミン酸ナトリウム/アセタミド群、およびクリプトタンシノン/アセタミド群に分けた。正常コントロール群を除くすべての群のラットに、それぞれ、生理食塩水、グルタミン酸ナトリウム注射液(410mg/kgの用量で)、クリプトタンシノンの生理食塩液(少量の界面活性剤を含む、10mg/kgの用量で)を腹腔内注射した。注射の45分後に、正常コントロール群を除くすべての群のラットに、5.5mmol/kgのアセタミドを腹腔内注射した。上記の注射を4日間続けた。4日目のアセタミド注射の30分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
Figure 2004517134
【0043】
同じ実験方法で、4日目のアセタミド注射の90分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
Figure 2004517134
【0045】
実施例11:
ジヒドロタンシノンIおよびタンシノンIIAの血中アンモニア減少実験(経口):
グルタミン酸ナトリウム注射をグルタミン酸ナトリウム胃内投与(用量は200mg/kgである)に、ジヒドロタンシノンI注射を胃内(i.g.)投与(用量は100mg/kgである)に、およびタンシノンIIA注射を胃内投与(用量は100mg/kgである)に変更したこと以外は、実施例9と同じ実験条件を採用した。胃内投与の120分後、コントロール群を除くすべての群のラットに、アセタミドを腹腔内注射した。4日目のアセタミド注射の30分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表5に示す。
【0046】
【表5】
Figure 2004517134
【0047】
同じ実験方法で、4日目のアセタミド注射の90分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
Figure 2004517134
【0049】
実施例12:
クリプトタンシノンの血中アンモニア減少実験(経口):
グルタミン酸ナトリウム注射をグルタミン酸ナトリウム胃内投与(用量は200mg/kgである)に、およびクリプトタンシノン注射を胃内(i.g.)投与(用量は100mg/kgである)に変更したこと以外は、実施例10と同じ実験条件を採用した。胃内投与の120分後、コントロール群を除くすべての群のラットに、アセタミドを腹腔内注射した。4日目のアセタミド注射の30分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表7に示す。
【0050】
【表7】
Figure 2004517134
【0051】
同じ実験方法で、4日目のアセタミド注射の90分後に、各群のラットの血液試料を、眼球除去方法によって直ちに採取し、そして抗凝固剤のEDTA−Naで処理し、次いで血中アンモニア濃度を測定した。結果を表8に示す。
【0052】
【表8】
Figure 2004517134
【0053】
実施例13:
ラットにおける急性肝硬変によって引き起こされる昏睡および死亡の発生に対するクリプトタンシノンの影響(注射):
本実験に使用した動物は、体重250〜300gの40匹の健常雄SDラットであった。これらを、ランダムに4群、すなわち、正常コントロール、実験コントロール(アセタミド群)、グルタミン酸ナトリウム/アセタミド群、およびクリプトタンシノン/アセタミド群に分けた。正常コントロール群を除くすべての群のラットに、それぞれ、生理食塩水、グルタミン酸ナトリウム注射液(410mg/kgの用量で)、およびクリプトタンシノンの生理食塩液(少量の界面活性剤を含む、10mg/kgの用量で)を腹腔内注射した。注射の45分後に、正常コントロール群を除くすべての群のラットに、0.1%テトラクロロメタンを含むピーナッツオイルを腹腔内注射した。上記の注射を4日間続けた。4日目のテトラクロリドピーナッツオイル注射の45分後に、各群(正常コントロール群を含む)のラットに、8.5mmol/kgのアセタミド溶液を腹腔内注射した。アセタミド注射から昏睡までの時間(潜伏期間)、昏睡から覚醒までの時間(昏睡時間)、およびラットの死亡率を記録した。結果を表9に示す。
【0054】
【表9】
Figure 2004517134
【0055】
実施例14:
ラットにおける急性肝硬変によって引き起こされる昏睡および死亡の発生に対するクリプトタンシノンの影響(経口):
グルタミン酸ナトリウム注射をグルタミン酸ナトリウム経口投与(用量は200mg/kgであった)に、およびクリプトタンシノン注射を経口投与(用量は100mg/kgであった)に変更したこと以外は、実施例13と同じ実験条件を採用した。4日目のテトラクロリドピーナッツオイル注射の45分後に、各群(正常コントロール群を含む)のラットに、8.5mmol/kgのアセタミド溶液を腹腔内注射した。アセタミド注射から昏睡までの時間(潜伏期間)、昏睡から覚醒までの時間(昏睡時間)、およびラットの死亡率を記録した。結果を表10に示す。
【0056】
【表10】
Figure 2004517134
【0057】
実施例15:
クリプトタンシノンの毒性試験:
マウスにおける急性毒性試験:本研究に使用した動物は、健常雄マウスであった。薬物を、1日1回7日間胃内投与した。投与用量を1.5g/kgまで増加した場合、実験のマウスでは毒性徴候または死亡はまだ示さなかった。この実験は、クリプトタンシノンのLD50が>>1.5g/kgであることを示した。
【0058】
マウスにおける30日毒性試験:本研究に使用した動物は、健常雄マウスであった。薬物を、1日当たり200mg/kgの用量で30日間連続的に胃内投与した。結果は、マウスの死亡は見られず、そしてマウスの成長および発育、造血機能、ならびにマウスの生化学的指標において明らかな異常変化または毒性反応がないことを示した。主要な臓器の病理学的変化は、解剖学的検査および組織顕微鏡検査によって見出されなかった。
【0059】
産業上の利用可能性:
上記の実施例は、以下のことを示唆した。
【0060】
(1)本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類は、生理学的条件下でアンモニアまたはフェネチルアミンと反応し得、したがってアンモニアまたはフェネチルアミンの除去の目的を達成する。
【0061】
(2)高アンモニア血症動物モデルにおける実験は、本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類が、血中アンモニア濃度を低下させるために良好な機能を有するが、タンシノンIIAのような他の構造特徴を有するタンシノン化合物はこのような機能を有しないことを示した。
【0062】
(3)急性肝硬変高アンモニア血症ラットモデルにおける実験は、本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類が、高アンモニア血症によって誘導された肝性昏睡の潜伏期を効果的に延長し、肝性昏睡の時間を短縮し、そして死亡率を効果的に減少させ得ることを示した。
【0063】
(4)クリプトタンシノン(本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類の一種)の毒性試験は、正常用量において薬物として使用することが安全であることを示した。
【0064】
(5)当該技術分野で高アンモニア血症、肝性脳症(HE)、および無症状肝性脳症(SHE)を治療するために通常使用される代表的な薬物であるグルタミン酸と比較して、本発明の化合物からは、より少ない投与量でさえも、同等またはより効果的な結果が得られ得る。本発明の化合物の治療有効性は、特に肝機能が損傷をうける場合、グルタミン酸よりもより顕著である。
【0065】
理論と結び付けることなく、本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類による血中アンモニアおよびフェネチルアミンを除去する反応に関与する酵素の必要がないので、血中アンモニアおよびフェネチルアミンを除去する機能は、肝臓機能が正常であるか否かに依存しないと考えられる。しかし、当該技術分野で通常用いられるグルタミン酸は、血中アンモニア減少中に酵素の関与を必要とし、そのため、肝機能が異常である場合には、その機能を発揮できない。したがって、本発明の化合物は、より広く適用可能でありそしてより効果がある。そのため、本発明の式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類は、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症、高アンモニア決症によって引き起こされる肝性脳症(HE)および無症状肝性脳症(SHE)などを予防および治療するために有効な薬物を調製するために使用され得る。

Claims (9)

  1. 高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療における医薬品の製造のための、式(I)で表されるジヒドロフラン環状タンシノン類:
    Figure 2004517134
    (ここで、Rは、−CHCHCHC(CH−、−CHCHCHC(CH)−、−CHCHCHC(CH)−、または−CHCHCHC(CH)−を表し、Rは、HまたはC−Cアルキルを表す)またはこれらの1つを含む組成物の使用。
  2. が、−CHCHCHC(CH−、−CHCHCHC(CH)−、−CHCHCHC(CH)−、および−CHCHCHC(CH)−からなる群より選択され、そしてRがメチルである、請求項1に記載の使用。
  3. が、−CHCHCHC(CH−、および−CHCHCHC(CH)−からなる群より選択され、そしてRがメチルである、請求項1に記載の使用。
  4. 式(I)で表される前記化合物が、クリプトタンシノンおよびジヒドロタンシノンIからなる群より選択される、請求項1に記載の使用。
  5. 高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療のための薬学的組成物であって、請求項1から4のいずれか1項に記載の式(I)で表される前記化合物および任意の薬学的に受容可能な希釈剤またはベヒクルを含む、薬学的組成物。
  6. 高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症の予防または治療のための薬学的組成物の調製方法であって、請求項1から4のいずれか1項に記載の式(I)で表される前記化合物および任意の薬学的に受容可能な希釈剤またはベヒクルを処方する工程を含む、方法。
  7. 高アンモニア血症によって引き起こされる肝性脳症および無症状肝性脳症を含む、慢性肝炎および肝硬変によって引き起こされる高アンモニア血症を予防または治療する方法であって、請求項1から4のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物または該化合物を含む前記薬学的組成物の有効量を用いて患者を治療する工程を含む、方法。
  8. 前記医薬品が、注射剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、エマルジョン、クリーム、軟膏剤、スプレー剤、咀嚼剤、座剤、またはパスタ剤の形態で投与される、請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記医薬品が、経口、舌下、静脈内、筋肉内、皮下、または直腸の経路により患者に投与される、請求項1から4のいずれか1項に記載の使用。
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