JP2004515759A - 生体サンプル内の病変を診断するための方法 - Google Patents

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Abstract

生体サンプル内の癌のような病変を診断するための方法及びシステムが、生体サンプル内の、細胞ではなく細胞外物質内の赤外マーカーの存在に基づき病変の存在を識別する。乳癌の診断の場合、有効なマーカーは、結合組織の赤外スペクトルの、1280cm−1バンドのベースラインの傾きであり、正常な生検サンプルは正の傾きを示し、並びに癌のサンプルは相対的に平らなベースラインを示す。赤外分光法は、微視的及び巨視的の両方が、細胞外物質を含有するサンプル領域を識別するため、及び赤外吸収データを収集するために用いられる可能性があり、これにより病変マーカーの存在が判定される。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は一般に、癌のような病変の診断用生体サンプルの検査に関する。更に特には、本発明は病変の存在を示唆するスペクトル特性を識別するために生体サンプルを検査するための赤外分光法の使用に関する。
【0002】
(発明の背景)
病気の治療及び予防において、病変又は病変を進行させる危険性の早期で確実な検出は計り知れないほど有益である。例えば乳癌は、女性の死亡に関連した癌の第2の主要原因である。データは、癌の場所が突き止められれば96パーセントの女性は5年間生き延び、癌が局所的であれば75パーセントは5年間生き延び、癌が転移した場合は20%は同じ期間生き延びるであろうことを示している。有効に及び確実に乳癌を識別できる方法は迅速な治療につながり、乳癌患者の生存の可能性を高めることができる。
従来、病変の診断には、典型的には熟練した病理学者による乳房組織の生検のような生体サンプルを調べることを伴う。しかしながら、およそこの十年ほどの間、分光法及び顕微分光法の適用は臨床研究の領域において大きく進歩した。幾つかの研究室では検査及び病変診断のための多様な分光技術の可能性について、現在活発に調査している。
【0003】
例えば、赤外顕微分光法は細胞物質の研究において用いられてきた。周知のように、赤外顕微分光法は、調査されるサンプルを赤外光で照射すること、及びサンプルの選択された微視的領域からの赤外光を収集してその領域の赤外吸収スペクトルを得ることを伴う。最近では、フーリエ変換型赤外(FT−IR)分光画像化顕微鏡法が非常に強力な分析技術に発展した。この技術は、FT−IR顕微鏡に付いている焦点面アレイ(FPA)検出器を使用してサンプル上の関心領域の赤外画像を多様な波数において収集する。FPA検出器はピクセルのアレイ(例えば64×64又は256×256)を含み、各々がその上に作用する赤外光の強度を独立して検出する能力がある。より従来型の赤外顕微分光法と比較した場合のこの技術の顕著な利益は、比較的多数のピクセルを用いる平行な赤外検出であり、これはサンプルのポイントごとにおけるマッピングの必要性を排除する。平行検出は所与のサンプルの赤外画像及びスペクトルを収集するために必要な時間を大幅に減らす。
【0004】
赤外顕微分光画像化法の追加の例及び使用法は、例えばマーコット(Marcott)らの「テルル化水銀カドミウム焦点面アレイ検出器を用いた生体鉱物化された組織の赤外顕微分光画像化法(Infrared Microspectroscopic Imaging of Biomineralized Tissues Using a Mercury−Cadmium−Telluride Focal−Plane Array Detector)」、細胞及び分子生物学(Cellular and Molecular Biology)44(1)、109〜115(1998年2月);ルイス(Lewis)らの「赤外焦点面アレイ検出器を用いたフーリエ変換型分光画像化法(Fourier Transform Spectroscopic Imaging Using an Infrared Focal−Plane Array Detector)」、分析化学(Analytical Chemistry)67(19)、3377〜3381(1995年10月1日);及びルイス(Lewis)に対しての米国特許第5,377,003号により提供される。これらの参考文献は参考として本明細書に組み入れられる。
【0005】
悪性腫瘍又は悪性腫瘍前症状の子宮頸管細胞を評価するための赤外分光法の使用に関する先行技術における教示は、例えば共にコヘンフォード(Cohenford)に対しての特許である米国特許第5,976,885号及び第6,031,232号に見出される。先行技術はまた、振動分光法を用いた細胞及び組織データの機械主体の収集及び解釈に対する方法を教示している。例えばザキム(Zakim)に対しての米国特許第5,733,739号、及び米国特許第5,596,992号を参照のこと。
従来、生体サンプルの赤外分光の研究は、病変の存在とつながり得る細胞のスペクトル特性を識別する試みと共にサンプル内の細胞物質に焦点を当ててきた。
現在までこうした多くの試みがなされてきた。更に本発明の発明者の知る限りでは、生体サンプル内の細胞外物質からのいかなるスペクトル特性も、癌のような一般的な病的症状に確実に関連したものはない。
【0006】
(発明の概要)
前述を考慮して、本発明は、赤外分光法を用いて生体サンプル内の病変を診断する方法及びシステムを提供する。本発明の特徴によると、赤外スペクトルは、サンプル内の細胞からではなく、結合組織のような細胞外物質を含有する生体サンプルの領域から得られる。細胞外物質の赤外スペクトルは、正常な(又は健康な)サンプル内ではなく、病変が存在するサンプル内に見出されるスペクトル特性又はマーカーの存在を識別するために分析される。本明細書で使用する時、「マーカー」という用語はスペクトル特性そのもの、又はスペクトル特性の存在を示唆する、スペクトルデータから得られる量若しくは状態であってもよい。調査する生体サンプル内に赤外スペクトルマーカーを見出すことは、そのサンプル内の病変の存在を示す。
【0007】
特に本発明は、波数1280cm−1前後の生体サンプルの赤外スペクトル中におけるピーク又は肩の存在が病変の検出、特に癌の検出に有効であることを示す。このスペクトル特性の存在を示すために用いられるマーカーは、1280cm−1バンドのベースラインの傾きである。病理学者から乳癌があると診断された患者の乳房の生検サンプルでは、1280cm−1バンドは相対的に平らなベースラインに乗っている。対照的に癌のない患者のサンプルから取られたスペクトルでは、1280cm−1バンドに関連したベースラインは顕著な正の傾きを有する。
【0008】
こうしたマーカーの存在を識別するために、赤外吸収スペクトルデータは、好ましくは焦点面アレイ(FPA)検出器を有する赤外線画像装置を用いて収集される。実施形態の特性に従って、効率的なデータの取得、及び1280cm−1バンドのベースラインの傾きの解析を容易にするために、マーカーバンドの両側の2つの波数、例えば約1303cm−1及び1264cm−1の前後の狭い通過帯域をもつ2つのフィルターを赤外線発生源と共に用いて、2つの波数における赤外吸収スペクトル強度の効率的な測定を可能にしてもよい。2つの波数における強度は次に1280cm−1バンドのベースラインの傾きを決定するのに用いられる。このベースラインの傾きの計算は、こうした赤外スペクトル解析用にプログラムされているコンピューターにより測定された赤外データについて自動的に実行されてもよい。
【0009】
1280cm−1マーカーを得るための強度データは、測定されたサンプル領域内に存在する細胞外組織の量に対応させてもよく、これは1340cm−1前後の赤外吸収ピークの測定された強度(ピークの高さ又はピークの面積)により示される。そのために、実施形態の特性に従って、赤外線画像装置には、約1264cm−1、1303cm−1、1340cm−1、及び、約1366cm−1を中心とする狭い通過帯域をもつ4つのフィルターがこれらの波数における赤外スペクトルの強度を測定するために装備され、それにより1280cm−1バンドにおけるベースラインの傾き、及び補正された1340cm−1のピーク強度が得られ、対応させるための計算に用いられる。
【0010】
実施形態の特性に従って、巨視的赤外線反射画像装置は赤外線反射表面に設置された生体サンプルの赤外画像を得るために用いられる。画像装置は、赤外線発生源、望ましい波数における狭帯域幅の少なくとも1つのフィルター、生体サンプルを照射するために赤外線発生源の出力を、フィルターを通して生体サンプルの方に導く第1レンズ及び第1ミラー、赤外光をサンプルから検出器のアレイ上に集束させる第2レンズ及び第2ミラーを含む。他の実施形態では、2つのレンズの代わりに集束ミラーを用いてもよい。反射に加えて、これらの実験は透過性モードにおいて、微視的に又は巨視的にのいずれかにおいて、FPA、線状アレイ、又は単一要素IR検出器のいずれかにより実行することもでき得る。
他の目的及び利益は、次の詳細な説明を図面と併せて参照すると明らかになる。
【0011】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、生体サンプル内の細胞外物質の赤外スペクトルがサンプル内における病変の存在の兆候であるスペクトル特性、又は「マーカー」を持っている可能性があるという発見に基づいている。従来、赤外分光法が生体サンプルの分析に適用される場合、その焦点はサンプル内の細胞に置かれている。換言すれば、細胞の赤外スペクトルは、サンプルが癌のような病変を含有するか否かを識別するために用い得る情報を含有するという希望のもとに、細胞の赤外スペクトルは調べられる。
【0012】
従来の手法とはかなり対照的に、本発明は、生体サンプル内の細胞ではなく細胞外物質が病変の存在を示唆するマーカーをその赤外吸収スペクトル内に示す可能性があることを示した。一例として、図1は、以下に詳細に記述される、赤外分光調査に好適な基質20上に支持された薄層形態の生体サンプル10の拡大図を、概略図にて示す。生体サンプルは細胞を含有する領域12、及び細胞外物質(即ち細胞の外の物質)を含有する別の領域16を含む。こうした生体サンプルの1つの特別な例は、乳癌診断のための、乳房の生検である。その例の中の細胞外物質は、例えば結合組織であってもよい。
【0013】
本発明を実践するために、生体サンプル10内の領域16は細胞外物質を含有するとして識別される。赤外吸収スペクトル測定は、その領域上で、反射モード又は透過モードのいずれかにおいて実行される。測定された赤外吸収データは、細胞外物質を含有するサンプル領域が、病的症状を示唆する赤外スペクトルマーカーを示すか否かを判定するために用いられる。マーカーと病変との間の相関関係は、病変を有するサンプルの赤外スペクトルと正常サンプル(即ち病変の存在しないサンプル)の赤外スペクトルを比較することにより予め決められている。
したがって、調査された生体サンプルの細胞外物質におけるマーカーの存在は、サンプルが病変を含有するという示唆である。
【0014】
本発明に適用される、1つの非常に重要な実施例は、乳房の生検サンプルの赤外分光法調査による乳癌の臨床診断である。図2は乳房の生検サンプルから取られた2つの中赤外スペクトルを示す。以下に詳細に記述されるように、同じサンプルが、従来の病理検査と反射モードにおける赤外吸収分光法の両方により調査されることが可能であるように、サンプルは可視光を透過するが赤外光を反射する基質の上に設置された。図2の1つのスペクトル22は、主に結合組織を含有すると視覚的に識別される(即ち従来の病理調査による)サンプルの領域から取られている。もう一つのスペクトル24は主に上皮細胞を含有する同じサンプルの領域から取られている。細胞と結合組織(細胞外物質)とのインフラスペクトルには明確な差があることが見られる。特にスペクトル22は1340cm−1におけるバンド26を有するが、これは常に結合組織に現れる。以下に詳細に記述されるように、1340cm−1バンドは所与のサンプル領域内における細胞外物質の存在を識別するため、並びに観察されたスペクトルマーカーを対応させる目的のために細胞外物質の量を評価するために用いられ得る。
【0015】
更に重要なことには、結合組織のスペクトル22は、約1280cm−1に「肩」30の形状のスペクトル特性を含有する。本発明は、このスペクトル特性の存在は癌の有効なる示唆であるという発見に基づく。スペクトル中のこのスペクトル特性の存在は、約1280cm−1のピ−ク強度をスペクトルの他の部分に対して調べることにより判定される可能性がある。本明細書で使用する時、「ピ−ク強度」という用語はピークの高さ又はピークの面積のいずれであってもよい。この「肩」の存在を記述するのと同等の方法は、1280cm−1前後のバンドのベースラインが正の傾き(ある閾値より上)を有することである。1280cm−1バンドのベースラインの傾きは、スペクトル特性の存在を識別するためのマーカーとしての役目を果たす。更に特には、このバンドのベースラインの正の傾きは、サンプル領域付近の区域は癌ではないことを示す。したがって、例えば図2のスペクトル22における1280cm−1バンドのベースラインの正の傾きは、スペクトルが取られた領域は癌ではないことを示す。
【0016】
対照的に病理調査により乳癌があると診断された患者からのサンプルでは、1280cm−1バンドは相対的に平らなベースライン上に乗っており、癌のない患者のサンプルでは、このバンドと関連するベースラインが正の傾きをもつことと比較される。1280cm−1バンドの傾きは、サンプルの結合組織の領域においてのみ顕著であり、主に上皮細胞を含有する領域においては顕著ではない。
一例として、図3は異なる乳房の生検サンプルから取られた8つの赤外スペクトルを示す。スペクトル31〜34は、病理学者により癌ではないと識別された生検サンプル内の結合組織領域から取られ、一方スペクトル35〜38は、病理学者により癌であると識別された生検サンプル内の結合組織領域から取られた。
図示するために、1303cm−1と1264cm−1の間のベースライン39及び40はそれぞれスペクトル31及び35について示される。
【0017】
図3に見られるように、癌でない領域のスペクトル31〜34における1280cm−1バンドのベースラインの傾きは、癌であるサンプル領域のスペクトル35〜38におけるものよりすべて顕著により正である。本発明の発明者は、結合組織領域の約1303±8cm−1と1264±8cm−1の間(図3の矢印により識別される)のIRスペクトルにおけるベースラインの傾きが、患者に乳癌があるか否かに統計的に強く相関することを見出した。6人の異なる患者からの13の生検サンプル領域を調べた後、大きな傾きの顕著な領域は癌のない患者の結合組織の中にのみ見出された。実行された1つの調査において、1280cm−1バンドのために選択されたベースライン点は、1303cm−1及び1264cm−1であり、及びこれらの2点における吸収スペクトル強度は、焦点面アレイ(FPA)検出器をもつ赤外線画像装置を用いて測定された。赤外線画像装置の実施形態は以下に詳細に記述される。1280cm−1バンドのベースラインの傾きは、次に画像の各ピクセルについて、1303cm−1における吸収スペクトル画像を、1264cm−1において得られた対応する画像から単に引くことにより得られた。結果の差分の画像を描いた場合、各ピクセルのグレースケールレベルはこのサンプルのベースラインの傾きを表している。
【0018】
驚くべきことに、これが終わったとき、癌のない患者のサンプルの画像では1280cm−1バンドの傾きの大きい結合組織領域が目立ったが、一方癌であると識別された患者のサンプルではこうした結果は見られなかった。この傾きを表す一連の赤外画像はまったく同じグレイスケールであると見なされ、癌のない患者からのサンプルは癌のある患者からのサンプルと容易に識別された。
好ましい実施形態では、2つのベースライン点の赤外スペクトル強度は、多数のピクセルのある焦点面アレイ(FPA)検出器により測定されるが、これは多様な赤外周波数における、生体サンプルのかなりの面積を画像化する能力があるサンプルの赤外画像を取ることにより、細胞外物質を含有するサンプル領域を、細胞外物質のスペクトル特性、並びにサンプルの視覚画像との比較に基づいて容易に識別することができる。
【0019】
以下に詳細に記述されるように、画像装置は連続スペクトルが検出器の各ピクセルごとに検出されるように設定されてもよい。あるいは本発明を実践するためには、赤外スペクトル強度が、単に選択された波数において測定されることが必要である。
しかしながらFPA検出器によるサンプルの画像化は、本発明を実践する上で好ましいが必須ではないことが理解される。例えばサンプルの赤外画像は単一要素検出器によるポイントごとの走査により得ることができる。その上いかなる画像も取る必要がない。細胞外物質を含有するサンプル領域が一旦識別されると、その領域から測定された赤外吸収スペクトル強度が、マーカーの存在を判定するために用いられ得る。
このように本発明によると、生体サンプル内の細胞外物質の赤外スペクトルマーカーを見出すことにより、生体サンプル内の病変の存在が識別される可能性がある。本明細書で使用する時、「病変」という用語は、悪性腫瘍、感染、自己免疫症状、内分泌異常、異常免疫応答、変性症状、及び炎症性疾患、並びにそれらの初期症状のような異常を含む。
【0020】
通常マーカーは結合組織内に位置するが、リンパ、血(血清、血漿、細胞構成成分、タンパク質の一部、及び軟膜のような血液構成要素を包含する)、骨髄、唾液、滑液、脳脊髄液、尿及び汗のような分泌物又は排泄物、細胞外物質内のどこにでも存在し得る。典型的には、細胞外物質は結合組織のマトリックスを含む。このマトリックスは次の内のいずれかを含み得る:コラーゲン、エラスチン、多様な糖蛋白質、プロテオグリカン、及び多様な細胞外マトリックス構成成分。コラーゲンはヒト及び動物内にある豊富なタンパク質である。現在19の異なる種類のコラーゲンがヒトの中で特性を示している。コラーゲンの一般的特性は、多様な長さの3重らせん状セグメントであると思われる。3つのポリペプチドa鎖は互いに巻きついてロープ様の構造を形成する。エラスチンは不溶性のタンパク質ポリマーから構成される。それは多くの場合ミクロフィブリルに関連しており、これは幾つかの糖タンパク質、例えばフィブリリン、及びミクロフィブリル関連の糖タンパク質から構成されているようである。
【0021】
細胞外マトリックスに見出される可能性のある、他の関連する糖蛋白質には、フィブロネクチン、ビトロネクチン、トロンボスポンジン、テネイシン(ヘキサブラチオンとしても既知である)のような構造糖蛋白質、及びデコリン、バイグリカン、フィブロモジュリン、及びルミカンのような幾つかのロイシンがリッチな繰り返しタンパク質が挙げられる。他の更に特殊化した糖蛋白質は軟骨内に見出される。例としては軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP、トロンボスポンジン−5としても既知である)並びにPRELP及びコンドロアドヘリン(chondroadherin)のようなロイシンがリッチな繰り返しタンパク質がある。
【0022】
プロテオグリカンは少なくとも1つの多糖類鎖を有するタンパク質である。それらの機能の1つは、マトリックスを共に結合することのように見える。具体例はヘパラン硫酸プロテオグリカン、ヒアルロナン、シンデカン、アグレガン(aggregan)、バーシカン、デコリン、バイグリカン、フィブロモジュリン、ルミカン、及びエピフィカンである。
理論により制限されることを望まないが、病変のための本発明の細胞外マーカーは、次の内のいずれかの結果である可能性がある:マーカーは細胞外区域から栄養物を取る癌又は感染のような病気の過程により分解して組み立てられた領域を表し得る。これらの栄養物は、前述のタンパク質(例えばコラーゲン又はエラスチン)、糖蛋白質、又はプロテオグリカンのような多数の細胞外構成要素のいずれかであるかもしれない。あるいは病気の過程が代謝老廃物、毒素、又は副生成物をもたらし、それが細胞外領域内に押し出されて、マーカーを生成する可能性もある。マーカーは押し出された存在そのものであるかもしれず、又はおそらく押し出された存在と細胞外構成要素との間の反応による結果である。
【0023】
またマーカーは、疾病を封じ込めるために疾病を囲むコラーゲン主体の障壁を生成する体に起因するかもしれない。
理論的には、本発明が用途を見出す病変の広い範囲は、特に分光学的に調査される場合には、結合組織のような細胞外構成要素の特異性による可能性がある。
例えば、タンパク質の赤外吸収スペクトルはタンパク質の第2次構造、水和、及び溶媒のイオン濃度のような幾つかの特性により変化することが既知である。
それにもかかわらず「細胞内に見出されるすべての代謝及び構造蛋白質の平均的赤外スペクトルは、結局著しく一定であることが分かる。明確に異なるスペクトルを示す唯一のタンパク質は結合組織(例えばコラーゲン)内に見出される。」ディーム(Diem)ら「細胞及び組織の赤外分光法(Infrared Spectroscopy of Cells and tissues):新しい対象への光の照射(Shining Light onto a Novel Subject)」、応用分光学(Applied Spectroscopy)53:4(1999年4月)148A。
【0024】
細胞の基底膜が、流体、イオン、タンパク質などの細胞内への運搬又は細胞外への運搬の制御と関係することは既知である。病気の過程が、悪性、感染性、自己免疫性又は他の病因である場合、この膜の運搬機構を妨害するという方法で、基底膜に影響する可能性がある。基底膜は病気の過程の中で、更に透過性になるか又は漏れやすくなる可能性がある。これもまた本発明の幅広い適用性の理論的根拠となる可能性がある。即ち病変は基底膜の透過性に影響し、その結果物質が細胞から漏出し、おそらく細胞外マトリックスに蓄積するか又は細胞外マトリックスを損傷し、マーカーを生成する。これらの物質は、漏れやすい基底膜のために、異常な位置(細胞外)にある、正常に発生する細胞内物質である可能性がある。あるいはこれらの物質は毒性生成物、老廃物、又は病気の過程、若しくは細胞が病変との反応を試みた結果の他の副生成物である可能性もある。
【0025】
従来、基底膜の機構は、真正糖尿病、糸球体腎炎、いわゆるコラーゲン血管疾患、血管炎症候群(vasculitides)、及び自己免疫疾患に特に関係すると考えられている。更に悪性腫瘍は、局所的な伸展又は転移が従来の試験により明らかになる前に、基底膜に影響すると考えられている。「コラーゲン血管疾患」として参照される群には、リウマチ様関節炎、全身紅斑性狼瘡(systemic lupus erythromatosis)、全身性進行性硬化症、多発性筋炎、皮膚脊椎炎(dermatospondylitis)、シェーグレン症候群、動脈炎、リウマチ熱、強直性脊椎炎、及びアミロイド症が挙げられる。
【0026】
「悪性腫瘍」という用語は癌(carcinoma)、肉腫、リンパ腫、血液疾患、神経腫、神経芽細胞腫、新生物、癌(cancer)、及び腫瘍を含む。癌は乳房、肺、結腸、胃、食道、小腸、卵巣、皮膚、膵臓、及び前立腺の癌を含む。黒色腫もまたこの用語に含まれる。肉腫は筋肉、骨、及び軟骨の異常成長、例えば骨腫、骨肉腫、軟骨芽細胞腫、及び軟骨肉腫を含む。
リンパ腫は、ホジキン及び非ホジキン種、例えば小リンパ球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小切れ込み核細胞、大細胞、小細胞及び大細胞混合、外套細胞、大細胞型B細胞のT細胞の有無、びまん性大細胞型B細胞、大細胞免疫芽球型、前駆Bリンパ芽球型、くびれのない小細胞型、バーキット及び非バーキットリンパ腫、末梢T細胞(不特定)及び前駆体T細胞リンパ芽球型リンパ腫を含む。
【0027】
血液疾患は、白血病、例えば次の急性及び慢性種を含む:リンパ性白血病、単球性白血病、顆粒球性白血病、及び骨髄芽球性白血病。更なる白血病は非分類型白血病、骨髄性白血病、前骨髄球性、骨髄球性、単球性、赤白血病、巨核球性白血病、及びリンパ性の種類の白血病である。また「血液疾患」という用語に含まれるのは、形質細胞疾患、例えば単クローン性免疫グロブリン血症であって、これは悪性免疫グロブリン異常症、例えば多発性骨髄腫、形質細胞性白血病、非分泌骨髄腫(non−secretorymyeloma)、形質細胞腫、ワルデンストレームのマクログロブリン血症、他のリンパ増殖症候群、重鎖病、及び原発性アミロイド症を包含する。
【0028】
本発明を用いると、悪性腫瘍に加えて病変も診断することができ、又はその危険性を評価することができる。「感染」という用語は細菌、ウイルス、リケッチア(richetsial)、スピロヘータ、マイコプラズマ、原生動物、及び寄生による感染を含む。細菌感染はグラム陽性、グラム陰性、又は抗酸菌のような細菌を原因とする。こうした細菌の幾つかの例は連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球菌、腸球菌、大腸菌、クレブシーラ、シュードモナス、ナイセリア、水素細菌、化膿菌、バクテロイデス、プロテウス、ヘモフィルス、トレポネーマ、クロストリディア、マイコバクテリア、ノカルジア、及びクラミジアである。
ウイルス感染は、肝炎A、B、C、D、E、G、及び更に最近ではFを包含する肝炎(hepatides)を起こす多様な肝炎ウイルスにより起こる感染を含む。
【0029】
本発明により定義された感染を起こす更なるウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザ・ウイルス、パラインフルエンザ・ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウイルス、コクサッキー・ウイルス、レトロウイルス、例えばヒトT細胞向性ウイルス(1型及び2型)、白血病ウイルス、麻疹ウイルス、パピローマ・ウイルス、ポリオウイルス、フラバウイルス(flavavirus)、オンコウイルス、エプスタイン・バールウイルス、単純ヘルペス、及び帯状疱疹である。
リケッチア(richetsial)感染の例には、発疹チフス、Q熱リケッチア、エールリヒア症、及び斑点熱、例えばロッキー山脈紅斑熱が挙げられる。スピロヘータ感染の例は、梅毒、回帰熱、ライム病、及びレプトスピラ症である。マイコプラズマ感染の例は、マイコプラズマ肺炎であり、これは全肺炎の10%〜20%の割合を占める。原生動物病原菌の例は、トリコモナス及びプラスモジウムであり、これらの内の後者はマラリアの原因となる。
【0030】
「肉芽腫生成」という用語は炎症反応を有する疾患及び症状を含む。本質的に、炎症反応は痛み、腫れ、赤み、又は熱を含む。炎症性疾患又は症状の例には、これらに限定されないが関節炎、肝炎、免疫複合体病、アレルギー反応、炎症性腸疾患、炎症性乳癌、炎症性脱髄症状、炎症性脱髄性多発神経障害、ギラン・バレー症候群、炎症性ポリミオパシー、多発性神経障害、炎症性下痢、皮膚炎、甲状腺炎、及び筋炎が挙げられる。
「自己免疫」疾患又は症状という用語は、体自身の組織の構成要素に対する、特定の体液又は細胞媒介性免疫応答を特徴とする症状を指し、これは自抗原(self−antigen)又は自己抗原(autoantigen)と呼ばれる可能性もある。例は狼瘡(全身性紅斑性狼瘡を包含する)、リウマチ様関節炎、再生不良性貧血、真正糖尿病、尿崩症、グレイブス病、胆汁性肝硬変、運動失調性神経障害、フェムフィゴイド(phemphigoid)(瘢痕性及び非瘢痕性種の両方)、溶血性貧血、肝炎の変異型、副甲状腺機能低下症、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、多発限局性運動性末梢神経炎、腫瘍随伴症候群、強皮症、シェーグレン症候群、及び集合的にコラーゲン血管疾患として歴史的に既知の疾患である。
【0031】
異常免疫反応には自己免疫疾患、アレルギー反応、例えばアレルギー性鼻炎及び過敏症、並びに血清病、溶血性貧血、血管炎、糸球体腎炎、及びクリオグロブリン血症を起こす可能性のある免疫複合体病が挙げられる。この用語に同様に含まれるのは、原発性免疫不全症、例えばX連鎖型無ガンマグロブリン血症、分類不能型免疫不全、選択的IgA欠損症、高IgM、X連鎖型リンパ増殖性疾患、ディジョージ症候群、重症複合免疫不全症、複合免疫不全症、ウィスコット・アルドリッチ症候群主要組織適合複合体抗原の発現異常、毛細血管拡張性運動失調症、高IgE、白血球接着不全、及び補体系の原発性欠損症である。
【0032】
内分泌腺異常には、真正糖尿病(I型及びII型)、及び甲状腺疾患、例えばグレイブス病、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、及び甲状腺腫が挙げられる。更なる例は、副甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、クッシング病、副腎皮質肥大、副腎機能障害、膵島細胞疾患、複合内分泌腺腫瘍形成(1型及び2型)、カルチノイド症候群、くる病、及び骨軟化症である。
「変性変化」という用語は、ヒトを包含する動物の組織の、正常な機能又は構造の変性を意味する。例には、これらに限定されないが、変形性関節疾患、並びに退化性神経系症状、例えばアルツハイマー病が含まれる。
【0033】
さて図4を参照すると、1つの実施形態において、生体サンプルは本発明の技術により、FPA検出器62、及び屈折顕微鏡に連結した逐次走査方式FT−IRスペクトロメーター52を有する、フーリエ変換型赤外(FT−IR)顕微分光画像装置を用いて調査される。こうした赤外線画像装置は米国特許第6,274,871号に記載され、これは参考としてそのすべてを本明細書に組み入れられる。
この装置で調査される生体サンプルは、中赤外領域の赤外光は反射するが可視光は伝えるスライド上に、好ましくはそれぞれ設置される。こうしたスライド又はウィンドウは、コーエン(Cohen)に対しての米国特許第5,160,826号に記載されており、参考としてそのすべてを本明細書に組み入れるが、例えばオハイオ州チェスターランドのケブレイ・テクノロジーズ社(Kevley Technologies,Inc.)より市販されている。こうしたスライドを赤外線画像装置と共に用いる利益は、上記の米国特許第6,274,871号に記載されている。
【0034】
具体的に、可視光線に対する基質の透過性は、視覚検査に基づく生体サンプルの病理調査を容易にする。赤外光に対する基質の反射力は、赤外画像分光法技術を用いた同じサンプルの赤外分析を可能にする。
図4に示された実施形態において、逐次走査方式干渉計52は、平行なグローバーの赤外線発生源を含む。発生源の赤外出力は、50/50ビームスプリッター66により、逐次走査方式又は高速走査方式の可動ミラー68へ、部分的に反射され、固定ミラー70に部分的に透過される。可動ミラーからの反射光線及び固定ミラーからの反射光線は、ビームスプリッター66により部分的に組み合わされ、スペクトロメーター52の出力光線54を形成する。スペクトロメーターの出力光線54はミラー72により、赤外光をサンプル10に集束させるカセグレン式ミラー74に反射される。サンプルの基質により反射された(及びサンプルを通った)赤外光は、カセグレン式ミラー74により収集され、及びミラー76によりZnSeレンズ78に投影されるが、これはサンプルからの赤外光を焦点面アレイ検出器62上に集束させる。
【0035】
顕微鏡60は、サンプル10の視覚検査のための対物レンズ80を包む。
サンプルを見るために対物レンズ80は操作位置に回転される(これは図4に示されるカセグレン式ミラーにより占有された位置である)。2つのミラー82及び84はまた、図4に示されるそれらの各々の動作位置に設置される。横からの可視入力光線86は、ミラー82により基質を通してサンプル10に反射される。サンプルを透過して伝えられた、又はサンプルにより散乱された可視光線は対物レンズ80により収集され、ミラー84により横に反射される。出力可視光線88は生体サンプル上の関心領域(例えば細胞外物質のある領域)を識別するためにユーザーが見ることができ、又は収集されてサンプルの赤外画像と比較し得る視覚画像を形成(例えばカメラを用いて)することができる。サンプルを保持する基質は台90の上に設置されるが、これはサンプル上の関心領域をFT−IR画像化のための所定位置に配置するため、移動することができる。
【0036】
各FI−TR画像収集処理の間、スペクトロメーター52の可動ミラー68は、予め選択した間隔で逐次走査される。サンプル10の赤外画像は、アレイ検出器62の各ピクセル92により検出される、赤外強度を測定することにより各走査ごとに取られる。異なる走査段階で取られたサンプルの画像は、インターフェログラム画像と呼ばれるが、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transformation(FFT))により加工されて、各々が赤外光の波数に相当する一連の単光束方式の画像を生成する。
【0037】
検出された赤外信号にフラット・フィールド補正を提供するために、同じ逐次走査方式のデータ収集が、生体サンプルに覆われていない基質部分に適用され、一連の背景のインターフェログラム画像、及び対応する背景の単光束方式の画像を生成する。サンプルの単光束方式画像は対応する背景の単光束方式画像により数的に割られ、一連の透過スペクトル画像を生成する。透過画像は次に(対数関数を通して)加工されて、赤外光の異なる波数に対応する一連の吸収スペクトル画像を生成する。各吸収スペクトル画像は、その画像の波数におけるサンプルのスペクトル強度である。検出器の各々の所与のピクセル92について、対応するピクセルが各吸収スペクトル画像内にあり、スペクトル画像のそのスペクトル強度の値は、そのピクセルにより画像化されたサンプル部分の吸収スペクトルを集合的に形成する。
【0038】
上記のように、ピクセルの赤外スペクトルは細胞外物質の領域を識別するために、及びサンプル内の病変の存在を示唆する赤外スペクトルマーカーの存在を識別するために用いることができる。赤外スペクトルマーカーの識別に基づく病変の診断を行うために、生体サンプルの関心領域を視覚検査により選択し、及び反射モードのFT−IR画像化のために配置する。赤外光は照射のためにサンプルに入射するように導かれる。赤外反射基質により反射された、及びサンプルを通った赤外光は、多数のピクセルがあるFPA検出器に集束される。アレイ検出器により収集された関心領域の赤外画像は、アレイ検出器の各ピクセルの赤外スペクトルを得るために用いられる。
【0039】
細胞外物質の領域、例えば結合組織は、細胞外物質に特有の赤外スペクトル特性により識別され得る。例えば、1340cm−1におけるサンプルの赤外画像はグレイスケールで表され、細胞外物質の位置を示すことができる。赤外画像で表される細胞外物質の位置はまた、サンプルの視覚画像との比較により確認することができる。細胞外物質の領域に対応するピクセルの赤外スペクトルは、次にそれが病変を示唆するマーカーを示すか否かを見るために解析され得る。
上記のように乳癌診断の場合には、マーカーは1280cm−1バンドの平らな(小さい傾きの)ベースラインであり、傾きは1303cm−1、及び1264cm−1のような2つのベースライン点の強度の差から得ることができる。図4に示される好ましい実施形態において、1280cm−1バンドのベースラインの傾きの計算はコンピューター100により行われる。コンピューター100は、画像収集操作を制御するため、及び画像化処理のFPA検出器のピクセルの強度データを受け取るために画像システム60に接続されている。コンピューターはFT−IR画像化データ収集及び分光画像解析のためのソフトウェア・アプリケーション102を有する。画像化データを得た後には、ソフトウェアは1280cm−1バンドのベースラインの傾きを得るために使われる。これは、例えば1303cm−1の赤外画像を1264cm−1の画像から引くことで達成される可能性がある。
【0040】
上記のように、ベースラインの傾きの決定には、各画像ピクセルについて、すべての赤外スペクトルを測定する必要はない。むしろ、2つのベースライン点の赤外画像のみを取ることが必要である。図5はこの用途のために調整された画像装置を示す。この画像装置は、基本的に図4の顕微分光画像装置であるが、FI−IRスペクトロメーター52が、狭帯域幅赤外フィルター112、114、116、及び118と連結した広帯域赤外線発生源64の組み合わせにより置き換えられている。図5に示すように、フィルターは、各フィルターが赤外線発生源の出力光の経路に容易に挿入され得るように、フィルターホイール120上に設置される。フィルターの内の2つである112,114の通過帯域の中心は、およそ1303cm−1及び1264cm−1である。あるいは、フィルターホイール120は、実験結果に影響せずに、赤外線発生源とアレイ検出器62の間の光線の経路のいかなる場所に設置されてもよい。
【0041】
1303cm−1におけるサンプルの赤外画像を取るために、フィルター112はフィルタリング位置に移動され、その結果1303cm−1前後の狭帯域の赤外光のみが、サンプルの照射のためにフィルターを通過する。1264cm−1の赤外画像は、所定位置のフィルター114により、同様にして取られる。コンピューター10は次に2つのフィルターにより取られた赤外画像を引き算するが、結果の画像は1280cm−1バンドのベースラインの傾きを表している。
あるいは円状(又は線状)の可変フィルターのモノクロメーター(又は幾つかの他の分散的、音響光学的可変フィルター(AOTF)又は液晶可変フィルター(LCTF)装置)が、傾きを測定するために、2つのベースライン点の波数を交互に切り換えるために用いられ得る。更にマーカーは、サンプルとなった領域が主に結合組織から成る限りは、単一要素検出器を用いて、1264及び1303cm−1における、2つのスペクトル強度の差により測定され得る。
【0042】
サンプルの幾つかの種類において、サンプルの性質(例えばサンプルが有限厚さを有する、若しくはサンプルが不鮮明であるなど)又はサンプル収集処理のいずれかの原因により、細胞外物質が細胞物質から完全に分離されない可能性がある。このようなサンプルについては、赤外強度データが取られた領域に存在する細胞外物質の量まで、描かれた病変マーカーを対応させることが望ましいかもしれない。次の例は、乳癌のマーカーを得るため、強度データをサンプル領域に存在する結合組織の量に、対応させる方法を明示している。これは1280cm−1バンドのベースラインの傾きの絶対値に影響するであろう、サンプルの厚さに存在するいかなる差も補正する。
【0043】
分光画像のいかなるピクセル位置における結合組織の量も、1340cm−1を中心とするバンドのピーク強度(ピークの高さ又はピークの面積)を測定することにより測定され得る。このバンドのベースライン点は1303±8cm−1、及び1366±8cm−1として選択され得る。これらの2つの波数における赤外吸収強度の測定を容易にするために、フィルターホイールは、これらの2つの波数前後を中心とする、それぞれの通過帯域をもつ狭帯域幅フィルター116及び118を装備する。これらの2つの波数における赤外画像は、それぞれのフィルターをフィルタリング位置に挿入することにより取られる。
【0044】
1340cm−1の結合組織バンドのベースライン補正吸収は、画像の各ピクセルについて、A1340−(A1303+A1366)/2で定義される。同等に、スペクトル軌跡上の1303cm−1及び1366cm−1のデータ点の間の積分領域は、1340cm−1の結合組織バンドの強度を測定するのに用いられ得る。サンプルの厚さについて上述したように、1264cm−1、及び1303cm−1の間のベースラインの傾きの値を補正するために1264cm−1、及び1303cm−1の間の強度の差を、1340cm−1におけるピークの補正された強度の値で割る。この計算を以下に示す:
(A1264−A1303)/[A1340−(A1303+A1366)/2]
この式では、豊富な量の結合組織の存在が必要であることに注意すること。分母のA1340−(A1303+A1366)/2は、1340cm−1においてベースラインの上に正味の数量の吸収がない場合に、その結果が無限になることを避けるために、より低い閾値に好ましくは制限される。用いられるフィルターの正確な波数の位置は、マーカー識別の有効性に顕著に影響することなく、定まった波数より約8cm−1まで大きく又は小さく変化し得る。
【0045】
別の実施形態において、迅速な赤外画像収集を可能にするために、巨視的反射分光画像装置が提供される。一般に本発明の目的のために、約1ミリメートルより大きい空間サンプル分解能(又は粒状度)は巨視的であると考察される。図6に示されるように、巨視的な画像装置は、図5の実施形態で用いられたのと同じ赤外線発生源/フィルターの組み合わせを利用する。しかしながら、図4及び5の実施形態と対照的に、フィルターを通した赤外光はレンズ122(これは焦点ミラーと置き換えてもよい)、及び平面ミラー126を介してサンプルに導かれる。あるいは広帯域赤外線発生源及びフィルターの組み合わせは、図4に示されるFT−IRスペクトロメーター52と置き換えてもよい。
【0046】
サンプル10は、上に記述され図6に下向きに示される、赤外反射スライド20上に設置される。あるいはサンプルは、別のIR反射基質の上に設置されるか、又はIR透過基質の上でFPAと共に、又はFPAなしで透過性で測定され得る。スライドにより反射された及びサンプルを透過した赤外光は次に収集され、並びに平面ミラー128及びレンズ132(これは焦点ミラーと置き換えてもよい)により、FPA検出器62に集束される。
この装置の主な利点は、比較的大きなサンプル面積(例えば〜1cm×1cm)が、選択された波数において迅速に画像化され得ることである。1つの実行において、256×256FPA検出器が用いられる場合、バーのターゲット画像は、1ピクセルあたり40μm×40μmの空間分解能を示した。口径食のため、画像の隅では信号の喪失があったが、サンプル上の1cm×1cmの総面積が画像化された。この設定を用いて、赤外反射ガラス顕微鏡スライドの上に設置された、すべての染色された乳房の生検部分を画像化することが可能である。
【0047】
このように、この画像装置を用いて最初に標本を調べることにより、顕微鏡上の所定位置で空間分解能が1ピクセルあたり3μm×3μmまで(256×256FPA検出器による)、又は1ピクセルあたり10μm×10μmまで(64×64FPA検出器による)高められた、FT−IR顕微鏡のより高倍率の下で、サンプルを再現する前に、全サンプルの概観を得て、異常(例えば疾患、癌など)を示唆するいずれかの具体的な分光学的指示があるかどうかを見ることができる。
前述の詳細な説明から、本発明は細胞外物質内の赤外スペクトルマーカーに基づき、生体サンプル内の病変を診断するための方法及びシステムを提供することが理解され得る。この新しい手法は、病変の信頼できる識別について、従来の病変調査の代わりとなるもの又はこれを補完するものを提供する。
【0048】
本発明は多様な修正及び他の構成が可能であるが、幾つかの図解入りの実施形態が図面に示されており、並びに以下に記述される。しかしながら、本発明は開示された具体的な形態に限定されるものはでなく、反対に本発明は添付の請求項に定義されている本発明の趣旨と範囲に収まる全ての修正例、他の構成、及び同等なものを包括していることが理解される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞外物質を含有する生体サンプルの概略図である。
【図2】細胞及び細胞外物質をそれぞれ含有する生体サンプルの2つの領域から取られた、中赤外吸収スペクトルを示す。
【図3】癌である及び癌ではない乳房の生検サンプルから取られた、1280cm−1バンド前後の中赤外スペクトルを示すが、この場合癌ではないサンプルは、1280cm−1バンドについて、顕著により正のベースラインの傾きを示している。
【図4】本発明により生体サンプルを調べるための、フーリエ変換型赤外(FT−IR)顕微分光画像化システムを示す概略図である。
【図5】図4のものに類似するが、選択した波数の赤外光によりサンプルを照射するための、赤外線発生源に連結した狭帯域幅入力フィルターのある、顕微分光画像化システムを示す概略図であり;
【図6】本発明によるスペクトルマーカー識別のための生体サンプルの赤外画像を収集するための使用に適した、巨視的赤外反射画像装置を示す概略図である。

Claims (10)

  1. 生体サンプルにおける病変の存在を該生体サンプルから測定される赤外吸収スペクトルデータを調べることにより診断する方法であって、前記赤外吸収スペクトルデータは細胞外物質を含有することが識別された生体サンプル(10)内の領域から得られ、赤外スペクトルマーカー(30)が前記細胞外物質を含有する前記領域内に見出されるか否かは前記赤外吸収スペクトルデータから判定され、ここで、前記赤外スペクトルマーカーを見出すことは前記生体サンプル内の病変の存在を示唆することであることを特徴とする、診断方法。
  2. 診断される前記病変が癌であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体サンプルが乳房の生検であり、診断される前記病変が乳癌であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記細胞外物質が結合組織であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記赤外スペクトルマーカーが1280cm−1における赤外バンドの相対的に平らなベースラインであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記判定が、1280cm−1における前記赤外吸収スペクトルバンドの前記ベースラインの傾きを1280cm−1付近及びこれより大きい第1ベースライン点の波数及び1280cm−1付近及びこれより小さい第2ベースライン点の波数の赤外吸収スペクトル強度から計算することを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1及び第2ベースライン点の波数が、それぞれ1303cm−1及び1264cm−1であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記赤外スペクトルマーカーが見出されるか否かの前記判定が、前記第1ベースライン点の波数で測定された赤外画像から前記第2ベースライン点の波数で測定された赤外画像を引いて差分の画像を生成することを含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記赤外画像が、前記第1及び第2ベースライン点の波数においてそれぞれ、狭帯域幅赤外フィルターの使用を通じて、狭帯域の赤外光で前記生体サンプルを照射することにより測定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 1280cm−1における前記赤外吸収スペクトルバンドの前記ベースラインの前記傾きが、前記第1及び第2ベースライン点の波数における赤外吸収スペクトル強度間の強度差を得て、前記強度差を前記細胞外物質に関連した赤外吸収ピークの補正されたピーク強度に対応させることにより計算されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
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