JP2003240773A - 癌診断における異常部及び異常度特定方法 - Google Patents

癌診断における異常部及び異常度特定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は診断の精度、客観性及び迅速
性に資する、癌診断における異常部及び異常度特定方法
を提供することにある。 【解決手段】 サンプル組織片12上の被測定範囲内に
指定した各特定部位に光を照射し、その情報を含む光を
検出して各特定部位ごとのスペクトルデータを得る第1
ステップと、前記スペクトルデータと記憶手段に記憶さ
れた参照スペクトルデータとの相違に基づく比較値を前
記各特定部位ごとに得る第2ステップと、前記被測定範
囲における前記比較値の面分布画像を表示手段24に表
示する第3ステップと、前記面分布画像から前記サンプ
ル組織片上における異常部及び異常度を特定する第4ス
テップを含むことを特徴とする癌診断における異常部及
び異常度特定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は癌診断における異常
部及び異常度特定方法、特に癌診断の精度、客観性及び
迅速性の改良に関する。
【0001】
【従来の技術】従来より、正確かつ迅速な癌診断を行う
ための技術が要請され、各分野で研究開発が為されてい
る。癌の臨床病理学的診断は、臨床検査技師が被検者か
ら採取した組織片を染色して標本を作成し、それを顕微
鏡で観察する方法等により行われている。そして標本観
察に基づく診断は、臨床診断医の豊富な診断経験に基づ
き為されている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、標本観
察による診断は熟練を要するものであり、また主観的な
要素が含まれることから同じ対象を観察したとしても診
断医により判断が分かれることもある。したがって、診
断の正確性には一定の限界があった。このような現状に
おいて、より客観的な基準に基づいた診断が望まれてい
た。
【0003】特に、生検と呼ばれる、手術中にサンプリ
ングしたサンプルについて病理診断を行う場合では、術
中に診断を下し、サンプリングした部位の切除をするか
しないかの判断をしなければならないため、標本作りな
どの診断に要する作業は時間との戦いである。したがっ
て、十分に綺麗な染色像が得られないこともあり、誤診
を招く要因ともなり得る。そして、このように従来の臨
床病理学的診断は多くの時間と労力を伴うため、診断の
迅速性が求められていた。
【0004】また、組織片内の異常部位が微小部分に局
在化している場合、仮に組織片から全体的な情報が得ら
れたとしても、限局した微小な異常部位の情報がそこに
は現われていない可能性があり、全体的な情報に基づき
判断するのは非常に危険なことである。このように、局
在化した微小な異常部位の検出、さらにはその分布に基
づいた判断が非常に重要になる。本発明は前記課題に鑑
み為されたものであり、その目的は診断の精度、客観性
及び迅速性に資する、癌診断における異常部及び異常度
特定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係る癌診断における異常部及び異常度特定方
法は、サンプル組織片上の被測定範囲内に指定した各特
定部位に光を照射し、その情報を含む光を検出して各特
定部位ごとのスペクトルデータを得る第1ステップと、
前記スペクトルデータと記憶手段に記憶された参照スペ
クトルデータとの相違に基づく比較値を前記各特定部位
ごとに得る第2ステップと、前記被測定範囲における前
記比較値の面分布画像を表示手段に表示する第3ステッ
プと、前記面分布画像から前記サンプル組織片上におけ
る異常部及び異常度を特定する第4ステップを含むこと
を特徴とする。
【0006】また、前記方法において、前記スペクトル
データはフーリエ変換型顕微分光装置により得た赤外ス
ペクトルデータであることが好適である。また、前記方
法において、前記参照スペクトルデータは組織片の正常
部から得た参照スペクトルデータであり、前記比較値は
特定の周波数領域のスペクトル全体、特定の化学成分に
起因するスペクトル成分、または異常度と相関を有する
ピークについての定量的な相違に基づき得られることが
好適である。また、前記方法において、前記参照スペク
トルデータは組織片の正常部及び異常度が異なる各組織
片の異常部から得た複数の参照スペクトルデータであ
り、前記比較値は特定の周波数領域のスペクトル全体、
特定の化学成分に起因するスペクトル成分、または異常
度と相関を有するピークの相違について前記複数の参照
スペクトルデータと定量的に比較を行った結果に基づ
き、前記複数の参照スペクトルデータに対応してあらか
じめ設定された異常度のグレードとして得られることが
好適である。また、前記方法において、前記面分布画像
を、XY面上に指定された前記各特定部位における前記
比較値をZ軸方向に表した3次元画像、またはXY面上
に指定された前記各特定部位における前記比較値を色わ
けして表した2次元画像として表示手段に表示すること
が好適である。
【0007】また、本発明に係るタンパク質二次構造分
析を用いた癌診断における異常部及び異常度特定方法
は、サンプル組織片上の被測定範囲内に指定した各特定
部位に光を照射し、その情報を含む光を検出して各特定
部位ごとのスペクトルデータを得る第1ステップと、前
記スペクトルデータと記憶手段に記憶された特定のタン
パク質二次構造のスペクトルデータを照合して各特定部
位における特定のタンパク質二次構造の存在比を得る第
2ステップと、前記被測定範囲における前記存在比、及
びその大きさに対応して設定した異常度のグレードの面
分布画像を表示手段に表示する第3ステップと、前記表
示手段に表示された前記面分布画像から前記サンプル組
織片上における異常部及び異常度を特定する第4ステッ
プを含むことを特徴とする。
【0008】また、前記方法において、複数種のタンパ
ク質二次構造について前記第1〜第4ステップを行うこ
とが好適である。また、前記方法において、前記面分布
画像を、XY面上に指定された前記各特定部位における
前記存在比をその大きさに対応して設定した異常度のグ
レードごとに色分けしてZ軸方向に表した3次元画像と
して表示手段に表示することが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の方法の一実施
形態に適用されるフーリエ変換型顕微分光装置の概略が
示されている。以下、本装置の動作に沿い本実施形態に
係る方法を説明する。同図に示す装置10において、被
検者から得た測定対象のサンプル組織片12は顕微鏡の
XYステージ14上に載置される。サンプル組織片とし
ては、そのサイズは特に限定されないが、10mg程度
の極微小な生組織や、針生検のサンプルも測定可能であ
る。また、サンプル組織片は−20度の冷凍庫内で十分
保存が可能であり、後で改めて測定することもできる。
【0010】赤外光源16からの光は光学系を経てサン
プル組織片12上の被測定範囲内に指定した各特定部位
に照射される。各特定部位への照射は、XYステージ1
4の移動により各特定部位を光照射位置に合わせて行
う。そして該特定部位の情報を含む光は、多波長検出器
18で検出される。
【0011】ここでいう特定部位とは、サンプル組織片
の被測定範囲内における微小に区切られた各領域のこと
である。すなわち、図2に示したように被測定範囲を複
数の微小領域26群に分け、この微小な領域それぞれに
ついて順に測定を行い、各特定部位についての赤外スペ
クトルを得る。
【0012】このように微小領域に区切り測定を行う方
法としては、アパーチャを用いて行う方法や、2次元検
出器などを用いることも可能であり、本実施形態以外に
もこのような測定が行い得る様々な手段が適用される。
また、ラマンスペクトルが得られる構成も適用され得
る。
【0013】上述の動作を含む本装置の動作は、コンピ
ュータ22で制御されている。そして多波長検出器18
で検出された信号はA/D変換され、デジタルデータと
してコンピュータ22のメモリに記憶される。このよう
にして前記各特定部位ごとのスペクトルデータを得る
(第1ステップ)。
【0014】ハードディスク20には、前記スペクトル
データと比較するための参照スペクトルデータがあらか
じめ記憶されている。
【0015】ここで、参照スペクトルデータとは、組織
片の正常部、すなわち癌に関連する異常がない組織片部
位から得たスペクトルデータ、或いは異常部、すなわち
癌に関連する異常を示す組織片部位から得たスペクトル
データを言う。該異常部から得たスペクトルデータは、
異常度、すなわち癌の悪性度合い、進行度が異なる複数
ものについて得られている。
【0016】なお、これらの参照スペクトルデータにつ
いて、様々な測定対象について利用可能なデータベース
をあらかじめ構築しておくことで、タイプの異なる組織
片に即時に対応することができ好適である。
【0017】サンプル組織片の前記各特定部位ごとに得
られたスペクトルデータと参照スペクトルデータは、特
定の周波数領域のスペクトル全体、特定の化学成分に起
因するスペクトル成分、または異常度と相関を有するピ
ークについての各データ間の相違に基づき比較され、定
量的な比較値が算出される(第2ステップ)。
【0018】定量的な比較値の算出方法としては、バン
ド分解、PCR、PLS等、既に知られている方法が適
用可能であり、適宜選択される。
【0019】このような比較値を得る態様としては、例
えば参照スペクトルを前記正常部から得たものとし、こ
れとサンプル組織片の前記各特定部位ごとに得られたス
ペクトルデータとの定量的な相違を比較値とすることが
挙げられる。
【0020】このようにして得られた比較値から、異常
度がどの程度であるかを判断することができる。すなわ
ち、異常部では癌細胞に起因する異常な化学成分の発生
に伴い、正常部から得た参照スペクトルとは異なるスペ
クトルが測定されることになり、この相違の大きさが異
常度の大きさと対応することになる。
【0021】このようにして得られた比較値は、相対的
な異常の度合いのみならず、参照用組織片について他の
手段で得られた知見等に基づき実際の癌の進行度と対応
させることも可能である。また、参照スペクトルのピー
ク等に基づき特定の化学成分が同定され得る場合には定
性的な診断材料も与え得る。
【0022】また、比較値を得る他の態様としては、参
照スペクトルを正常部及び異常度が異なる各異常部から
得た複数の参照スペクトルデータとし、これらとサンプ
ル組織片の前記各特定部位ごとに得られたスペクトルデ
ータとを定量的に比較した結果に基づき、前記複数の参
照スペクトルデータに対応してあらかじめ設定された異
常度のグレードを比較値とすることが挙げられる。該異
常度のグレードも、参照用組織片について他の手段で得
られた知見等に基づき実際の癌の進行度と対応させるこ
とができる。
【0023】ここで、測定、算出手順としては前記特定
部位についてスペクトル測定を行い、該特定部位につい
て前記比較値を得た後、他の特定部位で同様に測定、比
較値の算出を行う手順、或いは順次各特定部位でのスペ
クトルを全て測定した後、各特定部位の比較値を得る手
順でもよく、このような手順は特に限定されない。
【0024】このようにして前記各特定部位ごとに得ら
れた比較値は、サンプル組織片の被測定範囲における面
分布画像としてディスプレイ24に表示される(第3ス
テップ)。
【0025】該面分布画像の表示態様としては、例えば
XY面上に指定された前記各特定部位における比較値を
Z軸方向に表した3次元画像、またはXY面上に指定さ
れた前記各特定部位における比較値を色わけして表した
2次元画像として表示することが挙げられる。ここで、
該色分けには同系統色のグラデーションを含むものとす
る。
【0026】また、該面分布画像の表示手段としてはデ
ィスプレイに限定されず、紙面への印刷等による画像表
示としてもよい。
【0027】このようにして得られた面分布画像を観察
することにより、前記サンプル組織片上における異常部
及び異常度が特定される(第4ステップ)。具体的に
は、異常度の相対的大きさ、または他の手段で得られた
知見等に基づいた実際の癌の進行度が特定され、他には
異常度の定性的な状況なども特定され得る。このように
して与えられた異常部及び異常度についての情報は癌診
断のための客観的な基準を与え、従来に比して診断の精
度を向上することができる。また、本実施形態ではサン
プル組織片の測定及び測定結果の画像表示は自動化され
ており、迅速な診断材料の提供を可能としている。
【0028】さらにこのように面分布として表示するこ
とで、サンプル組織片上の微小部位に局在化した異常を
特定できるだけでなく、全体の分布状態を的確に把握す
ることができ、診断のための有用な情報が与えられる。
また、場合によっては従来の診断方法と補完的に併用す
ることによっても診断精度の向上が期待できる。
【0029】蛋白質二次構造存在比の面分布による異常
部及び異常度特定方法 DNAの特定の領域が損傷することにより、異常なタン
パク質生成が引き起こされるため、タンパク質の変性度
合と癌の進行との間には密接な関連があることが知られ
ている。以下、この点に着目した癌診断における異常部
及び異常度特定方法の実施形態について説明する。
【0030】本実施形態においても図1のフリーエ変換
型顕微分光装置が用いられる。同装置10において、被
検者から得た測定対象のサンプル組織片は顕微鏡のXY
ステージ上に載置され、前述の場合と同様に赤外光源1
4からの光がサンプル組織片12上の被測定範囲内に指
定した各特定部位に照射され、該特定部位の情報を含む
光は、多波長検出器16で検出される。
【0031】多波長検出器16で検出された信号はA/
D変換され、デジタルデータとしてコンピュータ20の
メモリに記憶される。このようにして前記各特定部位ご
とのスペクトルデータを得る(第1ステップ)。
【0032】ハードディスク18には、サンプル組織片
が含むタンパク質についての、標準試料のタンパク質で
測定されたスペクトルデータ、或いは既に知られており
利用可能なタンパク質のスペクトルデータが多数種のタ
ンパク質について記憶されており、その二次構造である
αへリックス、βシート、βターン、ランダム構造につ
いてのデータ、すなわち特定のタンパク質二次構造のス
ペクトルデータがそれぞれ記憶されている。
【0033】なお、これらの特定のタンパク質二次構造
のスペクトルデータについて、様々な測定対象について
利用可能なデータベースをあらかじめ構築しておくこと
で、タイプの異なる組織片に即時に対応することができ
好適である。
【0034】前記各特定部位ごとに得られたスペクトル
データは、あらかじめ得られている特定のタンパク質二
次構造のスペクトルデータと照合され、各特定部位ごと
に特定のタンパク質二次構造の存在比が計算される(第
2ステップ)。
【0035】前記各特定部位ごとに得られたスペクトル
データを、これらのタンパク質二次構造のスペクトルデ
ータと照合する手段としては、バンド分解、PCR、P
LS等、既に知られている方法が適用可能であり、適宜
選択される。
【0036】ここで、測定、算出手順としては前記特定
部位についてスペクトル測定を行い、該特定部位につい
て前記存在比を得た後、他の特定部位で同様に測定、存
在比の算出を行う手順、或いは順次各特定部位でのスペ
クトルを全て測定した後、各特定部位の存在比を得る手
順でもよく、このような手順は特に限定されない。
【0037】このようにして得られたタンパク質二次構
造存在比の面分布データを三次元グラフとして画像化し
た例を図3(B)、(C)に示す。同図(A)は腫瘍組
織の中心壊死部周辺の画像であり、中央付近で異常度が
異なる境界が観察される。この境界付近で測定を行いタ
ンパク質二次構造存在比を画像化したのが同図(B)、
(C)である。
【0038】同図(B)はαヘリックスの存在比分布で
あり、同図(C)はβシートの存在比分布である。この
ように、異常度が異なる境界付近において存在比の変化
が明確に現れていることが理解される。
【0039】このように、本実施形態では癌の進行と関
連するタンパク質の変性度合に着目したことで悪性部位
及び癌の進行度合が明瞭に把握され、さらにタンパク質
二次構造存在比をパラメータとしたことでαヘリックス
とβシートのように異なる二次構造から得られる画像を
総合的に検討することでより詳細な判断も可能である。
【0040】そして、サンプル組織片上の微小部位に局
在化した悪性度の高い部位も10μm単位で特定できる
ので、限局的な情報を見逃すことなく察知できる。
【0041】本実施形態では、得られた存在比はその大
きさに対応して設定した異常度のグレードごとに色分け
して被測定範囲内の面分布画像としてディスプレイ24
に表示される(第3ステップ)。
【0042】ここで、異常度のグレードは参照組織片の
正常部或いは異常部についてあらかじめ得たデータと、
該組織片について他の手段から得られた知見等に基づき
適宜設定される。
【0043】このように異常度のグレードごとに色分け
して画像化することで、癌の悪性度、進行度を容易に把
握することができ、このような画像表示はより客観的な
診断材料を提供する。
【0044】該面分布画像の表示態様としては、例えば
XY面上に指定された前記各特定部位における前記存在
比をその大きさに対応して設定した異常度のグレードご
とに色分けしてZ軸方向に表した3次元画像として表示
手段に表示する方法が挙げられるが、本発明の目的に沿
う限り表示方法は任意に選択される。
【0045】このようにして得られた面分布画像から、
前記サンプル組織片上における異常部及び異常度が特定
される(第4ステップ)。具体的には、異常部の定性的
及び定量的な状況が判断され得る。このようにして与え
られた異常部及び異常度についての情報は癌診断のため
の客観的な判断材料を与え、従来に比して診断の精度を
向上することができる。また、本実施形態では組織片サ
ンプルの測定及び測定結果の画像表示は自動化されてお
り、迅速な診断材料の提供を可能としている。また、本
発明に係る方法を、従来の診断方法と補完的に併用する
ことによっても診断精度の向上が期待できる。
【0046】そして、先に言及したようにαヘリック
ス、βターン等の異なる二次構造について前記第1〜第
4ステップを行い画像情報を得ることでさらに詳細な診
断情報が与えられる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、第一に化学成分のスペクトルに基づいた定量的なパ
ラメータについての組織片上の面分布が与えられ、これ
に基づき異常部及び異常度が特定されるため、癌診断の
精度及び客観性の向上に資する。第二に、組織片の測定
から面分布画像の表示までの操作が自動化されているた
め、癌診断の迅速性の向上に資する。第三に、タンパク
質二次構造存在比をパラメータとすることで、癌の進行
度と密接に関連するタンパク質変性度に基づいた組織片
上の面分布が与えられ、これに基づき異常部及び異常度
が特定されるため、癌診断の精度及び客観性の向上に資
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る方法に用いるフーリ
エ変換型顕微分光装置の概略構成図である。
【図2】サンプル組織片の被測定範囲内に設定された複
数の微小領域を説明する説明図である。
【図3】本発明の方法の一実施形態において用いられる
装置により得られた、腫瘍組織の中心壊死部周辺のタン
パク質二次構造存在比の分布を表す三次元グラフであ
る。
【符号の説明】
10 フーリエ変換型顕微分光装置 12 サンプル組織片 14 XYステージ 16 赤外光源 18 多波長検出器 20 ハードディスク 22 コンピュータ 24 ディスプレイ 26 微小領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 美雄 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA26 CB01 DA78 FA16 GB00 2G059 AA06 BB12 CC16 DD01 EE01 EE02 EE03 EE10 EE12 FF01 FF02 FF03 FF08 HH01 KK04 MM05 MM09 MM10 PP04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル組織片上の被測定範囲内に指定
    した各特定部位に光を照射し、その情報を含む光を検出
    して各特定部位ごとのスペクトルデータを得る第1ステ
    ップと、 前記スペクトルデータと記憶手段に記憶された参照スペ
    クトルデータとの相違に基づく比較値を前記各特定部位
    ごとに得る第2ステップと、 前記被測定範囲における前記比較値の面分布画像を表示
    手段に表示する第3ステップと、 前記面分布画像から前記サンプル組織片上における異常
    部及び異常度を特定する第4ステップを含むことを特徴
    とする癌診断における異常部及び異常度特定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、前記スペ
    クトルデータはフーリエ変換型顕微分光装置により得た
    赤外スペクトルデータであることを特徴とする癌診断に
    おける異常部及び異常度特定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法において、
    前記参照スペクトルデータは組織片の正常部から得た参
    照スペクトルデータであり、 前記比較値は特定の周波数領域のスペクトル全体、特定
    の化学成分に起因するスペクトル成分、または異常度と
    相関を有するピークについての定量的な相違に基づき得
    られることを特徴とする癌診断における異常部及び異常
    度特定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の方法において、
    前記参照スペクトルデータは組織片の正常部及び異常度
    が異なる各組織片の異常部から得た複数の参照スペクト
    ルデータであり、 前記比較値は特定の周波数領域のスペクトル全体、特定
    の化学成分に起因するスペクトル成分、または異常度と
    相関を有するピークの相違について前記複数の参照スペ
    クトルデータと定量的に比較を行った結果に基づき、前
    記複数の参照スペクトルデータに対応してあらかじめ設
    定された異常度のグレードとして得られることを特徴と
    する癌診断における異常部及び異常度特定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
    おいて、前記面分布画像を、XY面上に指定された前記
    各特定部位における前記比較値をZ軸方向に表した3次
    元画像、またはXY面上に指定された前記各特定部位に
    おける前記比較値を色わけして表した2次元画像として
    表示手段に表示することを特徴とする癌診断における異
    常部及び異常度特定方法。
  6. 【請求項6】 サンプル組織片上の被測定範囲内に指定
    した各特定部位に光を照射し、その情報を含む光を検出
    して各特定部位ごとのスペクトルデータを得る第1ステ
    ップと、前記スペクトルデータと記憶手段に記憶された
    特定のタンパク質二次構造のスペクトルデータを照合し
    て各特定部位における特定のタンパク質二次構造の存在
    比を得る第2ステップと、前記被測定範囲における前記
    存在比、及びその大きさに対応して設定した異常度のグ
    レードの面分布画像を表示手段に表示する第3ステップ
    と、前記表示手段に表示された前記面分布画像から前記
    サンプル組織片上における異常部及び異常度を特定する
    第4ステップを含むことを特徴とする癌診断における異
    常部及び異常度特定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法において、複数種の
    タンパク質二次構造について前記第1〜第4ステップを
    行うことを特徴とする癌診断における異常部及び異常度
    特定方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の方法において、
    前記面分布画像を、XY面上に指定された前記各特定部
    位における前記存在比をその大きさに対応して設定した
    異常度のグレードごとに色分けしてZ軸方向に表した3
    次元画像として表示手段に表示することを特徴とする癌
    診断における異常部及び異常度特定方法。
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