JP2004515239A - グルクロニルc5−エピメラーゼ、それをコードするdnaおよびその使用 - Google Patents

グルクロニルc5−エピメラーゼ、それをコードするdnaおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規の精製マウスC5−エピメラーゼ、その断片、それをコードする核酸、およびその組換え的産生に向けられる。本発明は、このようなエピメラーゼの断片、特に組換え的産生異種エピメラーゼ酵素の活性を強化するための融合タンパク質構築物において有用であるN末端断片にも向けられる。

Description

【0001】
産業上の利用分野
本発明は、組換えタンパク質、特にグルクロニルC5−エピメラーゼおよびグリコサミノグリカンの修飾のためのその使用の分野である。
【0002】
発明の背景
グルクロニルC5−エピメラーゼ(本明細書中では「C5−エピメラーゼ」)は、ヘパリン/ヘパラン(HS)合成の第二ポリマー修飾段階におけるL−イズロン酸(IdoA)へのD−グルクロン酸(GlcA)の転換を触媒する。ヘパリン/HS合成に関与するエピメラーゼは、生合成的ポリマー修飾の第一(先行)段階においてその精製がN−デアセチラーゼ−N−スルホトランスフェラーゼ(NDST)により触媒される標的HexAの非還元側でN−スルフェートに対する絶対要件を有する。さらにエピメラーゼは、その作用部位近くでO−スルフェート基により阻害され、それでO−硫酸化段階は後にヘパリン生合成経路において、エピマー化または逆エピマー化を阻害する。当該反応は、カルボアニオンを介した標的ヘキスロン酸のC5での陽子の可逆的引き抜きおよび再付加を包含し、2つの多プロトン性塩基性アミノ酸(特にLys)を包含すると考えられる。
【0003】
C5−エピメラーゼは、ヘパリン/HS生合成に関与する他の酵素と同様に、ゴルジ体中で膜結合または会合されると思われる。興味深いことに、可溶化エピメラーゼは両(可逆的)反応を触媒するが、しかし逆エピマー化はミクロソーム分画からは検出可能でない。C5−エピメラーゼ活性タンパク質は肝臓から最初に精製され、特性化された(Campbell et al., J. Biol. Chem. 269: 26953−26958 (1994))。
【0004】
Campbell, P等は、ウシ肝臓からのD−グルクロニルC5−エピメラーゼの精製を報告し(Campbell et al., J. Biol. Chem. 269: 26953−26958 (1994))、そしていくつかのDNA配列も報告されている。ゲノムおよびcDNA配列からのウシC5−エピメラーゼの予測サイズは、70.1 KD(618個のアミノ酸)(以下で考察)であり、前記のように抽出されるほとんどの精製ネイティブ調製物は52および20kDaの優勢種を含有したが、このことは、タンパク質分解的切断(プロセシング)が起き得たことを示す。サイズ排除クロマトグラフィーからの大型MW(200 kDa)分画中の活性の検出は、集合またはオリゴマー化が起こり得ることを示した。酵素は、活性の広範なpH範囲(6.5〜7.5)を有し、最適pHは7.4である。酵素は金属イオンまたはその他の補因子要件を有さない。動力学試験は、予期せぬことに、おそらくは高分子基質および立体障害、および/またはエピメラーゼ分子のオリゴマー化に関連する酵素濃度の増大に伴ってKが増大する、ということを明示した。
【0005】
近年、Lindahl, U. and Li, J−P.(WO98/48006)は、ウシ肝臓から52 kDaのC5−エピメラーゼを精製し、部分アミノ酸配列を得た。プライマーは内部配列に対して作製され、ウシ肝臓cDNA調製物からの配列を増幅するために用いられた。ウシ肝臓配列は、ウシ肺cDNAライブラリーをスクリーニングするために用いられた。444個のアミノ酸のオープンリーディングフレームを有する配列が見出されたが、これは49.9 kDaのポリペプチドに対応する。ウシ肝臓から以前に単離された酵素は、ネイティブタンパク質の切頭化形態であった、と記述された。ウシの肝臓、肺およびマウス肥満細胞腫からの総RNAは、ウシ肺エピメラーゼcDNAクローンとのハイブリダイゼーションにより分析された。ウシ肝臓およびウシ肺はともに同一結果を生じ、約9 kbの優勢転写体および弱い5 kb帯域を有した。マウス肥満細胞腫RNAのみは、約5 kbで転写体を示した。
【0006】
ウシ肺からのC5−エピメラーゼをコードするcDNAのクローニングの報告は、Li et al. J. Biol. Chem. 272: 28158−28163 (1997)にも記載されている。Li等は、最初に活性をクローン化(組換え)配列に割り当てたバキュロウイルス/昆虫細胞系中でウシ肺エピメラーゼをクローン化し、発現した。活性組換えタンパク質は、限定的割り当てのために精製されなかった。
【0007】
ショウジョウバエ(GenBank寄託番号AAF57373)、線虫C. elegans(GenBank寄託番号P46555)およびメタノコッカス(GenBank寄託番号U67555)からのC5−エピメラーゼcDNA配列が報告されている。
【0008】
Lindahl等により報告された組換えウシエピメラーゼの酵素活性は、相対的に低かった。しかしながら、より良好な産生を生じ得る系における単独クローン化哺乳類エピメラーゼであるウシ肺C5−エピメラーゼを発現する試みは、失敗した。哺乳類細胞、ビール酵母菌Saccharomyces cerevisiaeおよび大腸菌E. coliにおける発現が試みられた。今日まで、可溶性活性C5−エピメラーゼの産生の成功例は報告されていない。したがって、初期バキュロウイルス細胞系結果を他の組換え系に広げることはできなかったし、あるいはこの酵素の発現のための哺乳類、酵母および細菌系のような慣用的発現方法を用いることができなかった。
【0009】
したがって、高活性C5−エピメラーゼに対する、そしてその大量の産生のための方法に対する必要性が当業界には依然として存在する。
【0010】
発明の要約
非限定的性質の問題は哺乳類起源の組換えエピメラーゼの発現に伴って存在することを認識し、そして有用量のC5−エピメラーゼを発現し、産生するための有用な方法の必要性に気づいて、本発明人等は、組換えC5−エピメラーゼ産生方法を研究した。その研究は、新規のマウス遺伝子、ならびにそこにコードされるマウスC5−エピメラーゼタンパク質の発見で絶頂に達した。本発明のマウスC5−エピメラーゼは、とりわけ、それが、当業界で既知のC5−エピメラーゼタンパク質配列と比較した場合、そのN末端に付加的配列を含有する、という点で独特である。マウスC5−エピメラーゼのN末端断片またはその短縮化バージョンの、他のC5−エピメラーゼのN末端との融合が、大きさにしたがって他の組換えC5−エピメラーゼ活性を大いに増強する、ということが予期せず発見された。したがってマウスN末端延長を用いて、それと操作可能的に連結される配列の発現、特に組換え系におけるネイティブ(ネズミ肝臓)および異種(非ネズミおよびネズミ非肝臓)形態のC5−エピメラーゼの発現を促し得る。
【0011】
したがって第一の実施態様では、本発明は、マウス(ネズミ)肝臓C5−エピメラーゼをコードする精製および/または単離ポリヌクレオチド、ならびにその維持および発現のための組換えベクターおよび宿主に向けられる。
【0012】
さらなる実施態様では、本発明は、このようなポリヌクレオチドによりコードされる精製および/または単離マウス肝臓C5−エピメラーゼタンパク質、あるいはそれを含有する調製物に向けられる。
さらなる実施態様では、本発明は、このようなポリヌクレオチド、ならびにそれを発現するための本発明の組換えベクターおよび宿主を用いたマウスC5−エピメラーゼの産生方法に向けられる。
【0013】
さらなる実施態様では、本発明は、融合タンパク質、例えば所望のタンパク質のアミノ酸配列に枠内で操作可能的に連結されるマウスC5−エピメラーゼのN末端配列、特に異種C5−エピメラーゼ配列を含有する融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、特に精製および/または単離ポリヌクレオチド、ならびにこのようなポリヌクレオチドの維持および発現のためのベクターおよび宿主に向けられる。
【0014】
さらなる実施態様では、本発明は、このようなポリヌクレオチドによりコードされる精製および/または単離C5−エピメラーゼ融合タンパク質に向けられる。
【0015】
さらなる実施態様では、本発明は、所望のタンパク質の産生方法であって、このような当該所望タンパク質をコードするポリヌクレオチドに、マウスC5−エピメラーゼをコードするポリヌクレオチドまたはそのN末端配列を操作可能的に連結し、そして本発明の組換え宿主内でそれを発現することによる方法に向けられる。
【0016】
さらなる実施態様では、本発明は、ポリヌクレオチド配列、ならびにマウスC5−エピメラーゼのN末端断片ポリヌクレオチド配列をコードするポリヌクレオチドを提供するベクターに向けられ、このようなポリヌクレオチドおよびベクターは、それへの所望の配列、特に当該タンパク質をコードする配列、特に別のエピメラーゼ配列の挿入(連結)のための断片の3’末端に所望の制限部位を有する。
【0017】
さらなる実施態様では、本発明は、ネイティブ配列およびそれに連結される異種配列の発現のためのマウスC5−エピメラーゼのN末端配列の使用方法に向けられる。
好ましい実施態様の詳細な説明
C5−エピメラーゼをコードするマウス肝臓遺伝子をクローン化した。ヌクレオチド配列は、図2に示されている。マウス肝臓C5−エピメラーゼタンパク質のアミノ酸配列は、618アミノ酸長(図3)であり、71,180.1ダルトン(71.18 kDa)の分子量を有することが判明した。マウスC5−エピメラーゼは、8.25の等電点を有し、正味電荷はpH7で+4.01である。
【0018】
いかなるN末端延長も有さないマウス肝臓C5−エピメラーゼ配列のアミノ酸配列は、ウシC5−エピメラーゼ配列と相同(>96%アミノ酸同一性)である。しかしながら、マウスゲノム配列によりコードされる酵素のN末端は、クローン化ウシ配列からは「失われている」付加的な154個のアミノ酸(aa)を含有する、ということを配列分析は明示した。
【0019】
マウスコード配列は、対応するウシおよびヒト(脳cDNAライブラリーからの発現化配列タグ)配列との>95%ペプチド同一性、線虫の発現化配列からの仮説的71.9 kDaタンパク質との>50%類似性、ならびにメタノコッカス種の発現化配列からのタンパク質との38%類似性を示した。
【0020】
マウスC5−エピメラーゼ酵素の予測膜貫通トポロジー(疎水性プロット)は、NDSTのものと類似する。これらのおよびその他の観察(例えばヘパリン合成速度)は、ヘパリン生合成のC5−エピメラーゼおよびその他の酵素がin vivoで複合体に関連すると思われる、ということを示した。
【0021】
組換えマウスC5−エピメラーゼは、バキュロウイルス昆虫細胞系から、昆虫細胞シグナルにより発現され、分泌される場合、4℃の培地中で最も安定している。組換えC5−エピメラーゼの精製としては、例えば陽イオン交換またはアフィニティークロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない。例えば組換えタンパク質は、組換えタンパク質のいずれかの末端で起こるFLAG−タグまたはHis−タグをタンパク質が含有するよう工学処理され得る。当業者が理解するように、このような場合、組換えタンパク質は、例えば抗FLAGモノクローナル抗体を利用してFLAGエピトープを含む組換えタンパク質を捕捉する市販の樹脂を用いて精製され得る。
【0022】
酵素は、C5標識化基質から有機シンチレーションカクテル中へのトリチウムの二相抽出ならびに計数により、最も迅速に検定されるが、しかし活性の最終的確証は、実施例に記載されるように、転換生成物のNMR分析による。
【0023】
ネイティブマウス肝臓酵素は5〜10x10 cpm/mg/hの特異的活性を有するが、一方、組換え形態のマウス酵素の場合は、約2x10 cpm/mg/hであった。比較により、組換えウシ酵素は約0.5〜1.0x10 cpm/mg/hの特異的活性を有する。したがって組換えマウス酵素は、特に活性なC5−エピメラーゼである。
【0024】
予期せぬことに、マウスC5−エピメラーゼの154個のアミノ酸(aa)N末端、特にそのある種の断片は、そのN末端と枠内で融合されると、他のC5−エピメラーゼの酵素的C5−エピメラーゼ活性を大いに強化し得る能力を有する、ということが判明した。この付加的154個のアミノ酸(aa)断片は、活性C5−エピメラーゼの組換え発現および分泌のために望ましい少なくとも3つの特徴を有すると思われる。第一に、それは、最初の33〜34残基(図3のアミノ酸1〜33または1〜34)からなるシグナル配列として機能すると考えられる配列を含む。第二に、それは、ジスルフィド結合の形成を、そして二次タンパク質構造の安定化を受け入れる付加的システイン残基を提供する。第三に、それは、翻訳後タンパク質分解的プロセシングに有用な部位と一致するアミド化部位を提供する。
【0025】
シグナル配列を欠く154アミノ酸配列の断片は、それらが操作可能的に連結される異種エピメラーゼ、特にC5−エピメラーゼの活性を強化する能力を依然として保有する。例えば実施例に示されるように、ウシC5−エピメラーゼのN末端に、枠内で、直接連結されるアミノ酸34〜154を含有する融合タンパク質は、ウシC5−エピメラーゼの活性を100倍以上強化した。
【0026】
核酸分子
本発明は、単離核酸分子であって、以下の:
(1)図3に示したアミノ酸配列を有するマウス肝臓C5−エピメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;そして
(2)図3に示したアミノ酸配列を有するマウス肝臓C5−エピメラーゼポリペプチドの有用な断片をコードするポリヌクレオチド
を含む核酸分子を提供する。有用な断片としては、(a)アミノ酸1〜33または1〜34のシグナル配列を提供する断片;(b)成熟マウス肝臓C5−エピメラーゼタンパク質配列、特にアミノ酸33〜618または34〜618を提供する断片;ならびに(c)アミノ酸1〜154を有する活性刺激N末端断片の配列を提供する断片、例えばそれらが操作可能的に連結される他のC5−エピメラーゼの活性を強化する能力を保有するアミノ酸33〜154または34〜154のようなその断片が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
別記しない限り、本明細書中でDNA分子をシーケンシングすることにより確定されるヌクレオチド配列はすべて、実施例に記載したように確定され、そして本明細書中で確定されたDNA分子によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列はすべて、前記のように確定されたDNA配列の翻訳により予測された。したがって、このアプローチにより確定された任意のDNA配列に関して当業界で既知であるように、本明細書中で確定される任意のヌクレオチド配列は、いくつかのエラーを含有し得る。自動化により確定されるヌクレオチド配列は、典型的には、シーケンシング化DNA分子の実際のヌクレオチド配列と少なくとも約90%、さらに典型的には少なくとも約95〜99.9%同一である。実際の配列は、他のアプローチ、例えば当業界で周知である手動DNAシーケンシング法によりさらに精確に確定され得る。同じく当業界で既知であるように、実際の配列と比較される確定ヌクレオチド配列における単一挿入または欠失は、確定ヌクレオチド配列によりコードされる予測アミノ酸配列が、このような挿入または欠失の点で開始するシーケンシング化DNA分子により実際にコードされるアミノ酸分子とは完全に異なるよう、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを引き起こす。
【0028】
核酸分子またはポリヌクレオチドの「ヌクレオチド配列」とは、DNA分子またはポリヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドの配列を、ならびにRNA分子またはポリヌクレオチド、リボヌクレオチドの対応する配列(A、G、CおよびU)を意図するが、この場合、特定のデオキシリボヌクレオチド配列中の各チミジンでオキシリボヌクレオチド(T)は、リボヌクレオチドウリジン(U)により置換される。
【0029】
図および配列表に記述されたヌクレオチド配列のような本明細書中で提供される情報を用いて、C5−エピメラーゼポリペプチドをコードする本発明の核酸分子またはそのキメラ構築物は、標準クローニングおよびスクリーニング手法、例えば出発物質としてmRNAを用いたcDNAのクローニングのための方法を用いて得られる。本発明の例証として、図2および3に記載されたC5−エピメラーゼ核酸分子が、ネズミ肝臓組織由来のcDNAライブラリー中で発見された。
【0030】
図2のC5−エピメラーゼDNAの確定ヌクレオチド配列は、約618アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含有し、図2におけるヌクレオチド配列のヌクレオチド位置1に開始コドンを有する。
【0031】
当業者が理解するように、前記のシーケンシングエラーの可能性のために、図3に示されたような約618個のアミノ酸を含む図2の配列によりコードされる実際の完全C5−エピメラーゼポリペプチドは、多少長いかまたは短い。いずれにしても、以下でさらに考察されるように、本発明はさらに、完全ポリペプチドのN末端またはC末端から欠失された種々の残基を有するポリペプチド、例えば本明細書中に記載された細胞外ドメインのN末端またはC末端から1つまたはそれ以上のアミノ酸を欠くポリペプチドを提供する。
【0032】
本発明の核酸分子としては、図3に示されているようなC5−エピメラーゼシグナル配列をコードするものが挙げられるが、これは、図3に示されたアミノ酸配列のアミノ酸1〜33またはアミノ酸1〜34である。このような分子は、任意の所望のヌクレオチド配列と、特にC5−エピメラーゼシグナル配列が分泌可能である宿主から分泌されるのが望ましい当該タンパク質をコードするものと、枠内で操作可能的に連結され得る。
【0033】
さらに、本発明の核酸分子としては、図3に示されたようなアミノ酸1〜154またはその少なくとも30アミノ酸であるマウス肝臓C5−エピメラーゼの「異種活性強化」配列をコードするものが挙げられる。「異種」核酸という用語により意味されるものは、異なる種の核酸由来のものであるとして当業者に周知である。好ましくはこのような核酸分子は、図3に示されたようなアミノ酸1〜154、33〜154または34〜154に、一端または両端から1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸をプラスまたはマイナスしたものをコードする。このようなポリペプチドをコードする核酸は、別のエピメラーゼ、特に別のC5−エピメラーゼに関するコード配列と枠内で操作可能的に連結されて、融合タンパク質が核酸構築物によりコードされるという結果を伴う。好ましい実施態様では、異種活性強化配列は融合タンパク質のN末端で発現され、マウス配列の存在によりその活性が強化される別のタンパク質、特に非マウスC5−エピメラーゼまたはマウスC5−エピメラーゼのイソ酵素のN末端に連結される。
【0034】
示されたように、本発明の核酸分子は、RNA、例えばmRNAの形態であるか、またはDNA、例えばクローニングにより得られるかまたは合成的に産生されるcDNAおよびゲノムDNAの形態であり得る。DNAは、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖としても既知のコード鎖であり得るし、あるいはそれは、アンチセンス鎖とも呼ばれる非コード鎖であり得る。
【0035】
「単離」核酸分子(単数または複数)とは、そのネイティブ環境から取り出された核酸分子、DNAまたはRNAを意図する。例えばベクター中に含入される組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されたと考えられる。単離DNA分子のさらなる例としては、異種宿主細胞または溶液中の精製(部分的または実質的に)DNA分子中に維持される組換えDNA分子が挙げられる。単離RNA分子としては、本発明のDNA分子のin vivoまたはin vitroRNA転写体が挙げられる。本発明による単離核酸分子はさらに、合成的に産生されるこのような分子を包含する。
【0036】
本発明の単離核酸分子としては、本発明のC5−エピメラーゼタンパク質または融合タンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図2に示されるようなC5−エピメラーゼタンパク質に関するコード配列またはその所望の断片を含むDNA分子;ならびに前記のものとは実質的に異なる配列を含むが、しかし遺伝暗号の縮重のために、図3に示されたようなC5−エピメラーゼタンパク質アミノ酸配列を依然としてコードするDNA分子が挙げられる。もちろん、遺伝暗号は当業界で周知である。したがってこのような縮重変異体を当業者が生成することは、日常的仕事である。さらなる実施態様では、前記のようなC5−エピメラーゼポリペプチドをコードするが、しかしN末端メチオニンを、または図3で示されたようなアミノ酸1〜33または1〜34によりコードされるシグナル配列を欠いている、あるいはそれに操作可能的に連結された異なる(異種)シグナル配列のコード配列を有する核酸分子が提供される。
【0037】
本発明はさらに、前記の核酸分子だけでなく、前記の配列と相補的な配列を有する核酸分子も提供する。このような単離分子、特にDNA分子は、染色体とのin situハイブリダイゼーションによる遺伝子マッピングのための、そして例えばノーザンブロット分析による種々の種および組織におけるC5−エピメラーゼ遺伝子の発現を検出するためのプローブとして有用である。
【0038】
本発明はさらに、所望の特性を保持するかあるいは所望の特性または活性を保持するポリペプチドをコードする本明細書中に記載された単離核酸分子の断片に向けられる。前記のような単離核酸分子の断片とは、本明細書中で考察されたような、または融合タンパク質構築物に所望のモチーフまたはドメインを提供するための診断プローブおよびプライマーとして有用である長さが少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、さらに好ましくは少なくとも約20nt、さらに好ましくは少なくとも約30nt、さらに好ましくは少なくとも約40ntの断片を意図する。もちろん、50〜300nt長の大型断片、または600nt長という長い断片でさえも、図2に示されたまたは図3のアミノ酸配列をコードするDNAのヌクレオチド配列の、全部でないとしてもほとんどに対応する断片である場合、本発明に有用である。少なくとも20nt長の断片とは、例えば図2のものと比較した場合、図2に示されたようなヌクレオチド配列のヌクレオチド配列からの20またはそれ以上の連続塩基を含む断片を意図する。
【0039】
特に本発明は、図2に示されるかまたは図3に示されたアミノ酸配列をコードするものの部分を示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを提供する。アミノ末端メチオニンを欠くC5−エピメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも意図される。このようなポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドも提供され、このようなポリペプチドは、図3に示されたアミノ酸配列の位置2〜618のアミノ酸配列を含むが、しかしアミノ末端メチオニンを欠く。
【0040】
別の局面では、本発明は、全キノ本発明の核酸分子中のポリヌクレオチドの一部分または好ましくは全部と緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離核酸分子を提供する。一部分とは、任意の所望部分、例えばアミノ酸1〜154または33〜154または34〜154をコードする図2のポリヌクレオチドであり得る。「緊縮ハイブリダイゼーション条件」とは、以下の:50%ホルムアミド、5xSSC(750 mMNaCl、75 mMクエン酸三ナトリウム)、50 mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハート溶液、10%硫酸デキストランおよび20 μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中で42℃で一夜インキュベートし、その後約65℃で0.1xSSC中でフィルターを洗浄することを意図する。
ポリヌクレオチドの「一部分」とハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、さらに好ましくは少なくとも約20nt、さらに好ましくは少なくとも約30nt、さらに好ましくは約30〜70(例えば50)ntとハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を意図する。これらは、前記のような、そして以下でさらに詳述されるような診断プローブおよびプライマーとして有用である。
【0041】
例えば「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの一部分とは、参照ポリヌクレオチド(例えば図2に示されたようなヌクレオチド配列)のヌクレオチド配列からの20またはそれ以上の連続ヌクレオチドを意図する。もちろん、ポリA配列とまたはT(またはU)残基の相補鎖とだけハイブリダイズするポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)鎖またはその相補体(例えば実際的に任意の二本鎖cDNAクローン)を含有する任意の核酸分子とハイブリダイズするため、本発明の核酸の一部分とハイブリダイズするために用いられる本発明のポリヌクレオチド中には含まれない。
【0042】
前記のように、C5−エピメラーゼポリペプチドをコードする本発明の核酸分子としては、ポリペプチドに関するコード配列、単独(それが分泌シグナルを欠く場合には成熟C5−エピメラーゼとも呼ばれる);ポリペプチドに関するコード配列および付加的配列、例えばリーダーまたは分泌配列をコードするもの、例えばプレ−またはプロ−またはプレプロ−タンパク質配列;付加的非コード配列、例えばイントロンおよび非コード5’および3’配列、例えば転写、mRNAプロセシング−例えばスプライシングおよびポリアデニル化シグナル−リボソーム結合およびmRNAの安定において一役を演じる転写化、非翻訳化配列(これらに限定されない)と一緒に、前記の付加的コード配列を伴うかまたは伴わないポリペプチドのコード配列;付加的アミノ酸をコードする付加的コード配列、例えば付加的機能性を提供するものが挙げられ得るが、これらに限定されない。したがって、例えばポリペプチドは、融合(マーカー含有)ポリペプチドの精製を促すマーカー配列、例えばペプチドと融合され得る。本発明のこの局面のある種の好ましい実施態様では、マーカー配列はヘキサ−ヒスチジンペプチド、例えばpQEベクター(Qiagen, Inc.)であり、とりわけ、その多くは市販されている。例えばGentz et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:821−824 (1989)に記載されているように、ヘキサ−ヒスチジンは融合タンパク質の便利な精製を提供する。「HA」タグは、Wilson et al., Cell 37:767−778 (1984)により記載されたインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する精製に有用な別のペプチドである。
【0043】
変異体および突然変異体ポリヌクレオチド
本発明はさらに、C5−エピメラーゼの部分、類似体または誘導体をコードする本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然対立遺伝子変異体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子変異体」とは、生物体の染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの代替的形態のうちの1つを意図する(Genes II, Lewin, B., ed., John Wiley & Sons, New York (1985))。非天然変異体は、当業界で既知の突然変異誘発技法を用いて産生され得る。
【0044】
このような変異体としては、ヌクレオチド置換、欠失または付加により産生されるものが挙げられる。置換、欠失または付加は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドを包含し得る。変異体は、コード領域、非コード領域またはその両方で変更され得る。コード領域における変化は、保存的または非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を生じ得る。これらの間で特に好ましいのは、無症候性置換、付加および欠失であり、これはC5−エピメラーゼポリペプチドまたはその一部分の特性および活性を変えない。その上、この点で特に好ましいのは、保存的置換である。
【0045】
本発明のさらなる実施態様としては、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離核酸分子であって、そのアミノ酸配列が、以下の:(a)図3のアミノ酸1〜118;(b)図3のアミノ酸1〜119;(c)図3のアミノ酸1〜120;(d)図3のアミノ酸1〜121;(e)図3のアミノ酸119〜618;(f)図3のアミノ酸120〜618;(g)図3のアミノ酸121〜618;(h)図3のアミノ酸122〜618;(i)図3のアミノ酸34〜147;(j)図3のアミノ酸35〜154;(k)図3のアミノ酸34〜154;(l)図3のアミノ酸1〜154;(m)図3に示された全アミノ酸配列からなる群から選択される参照アミノ酸と少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である核酸分子が挙げられる。
【0046】
本発明のさらなる実施態様としては、前記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)のポリヌクレオチドと緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離核酸分子が挙げられる。ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない。
【0047】
C5−エピメラーゼポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列と例えば少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であるが、但し、ポリヌクレオチド配列が、C5−エピメラーゼポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり5つまでの点突然変異を含み得ることを意図する。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るためには、参照配列中のヌクレオチドの5%までが欠失されるかまたは別のヌクレオチドで置換され、あるいは参照配列中の総ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドが参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの突然変異は、参照ヌクレオチド配列の5’または3’末端位置で、あるいはそれらの末端位置間のどこかで、参照配列中のヌクレオチド間に別々に散在されて、あるいは参照配列内の1つまたはそれ以上の連続基中に起こり得る。
【0048】
実際には、任意の特定の核酸分子が、図2に示されたヌクレオチド配列と例えば少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、慣用的には既知のコンピュータープログラム、例えばベストフィットBestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)を用いて確定され得る。ベストフィットは、Smith and Waterman, Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981)の局所相同アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同の最良セグメントを見つける。ベストフィットまたは任意のその他の配列アラインメントプログラムを用いて特定の配列、例えば本発明の参照配列と95%同一である配列が存在するか否かを確定する場合、パラメーターは、もちろん、同一性のパーセンテージが参照ヌクレオチド配列の全長に亘って算定され、そして参照配列中のヌクレオチドの総数の5%までの相同におけるギャップが許されるよう、設定される。
【0049】
本出願は、C5−エピメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、図2に示された核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である核酸分子に向けられる。これは、特定の核酸分子がC5−エピメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードしない場合でも、例えばハイブリダイゼーションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして核酸分子を用いる方法を当業者はすでに知っているためである。C5−エピメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、特に以下のものが挙げられる:(1)cDNAライブラリー中のC5−エピメラーゼ遺伝子またはその対立遺伝子変異体の単離;(2)Verma et al., Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York (1988)に記載されているようなC5−エピメラーゼ遺伝子の精確な染色体位置を提供するための中期染色体スプレッドとのin situハイブリダイゼーション(例えば「FISH」);ならびに特定組織中のC5−エピメラーゼmRNA発現を検出するためのノーザンブロット。
【0050】
しかしながら好ましいのは、C5−エピメラーゼ活性を有するポリペプチドを実際にコードする図2に示された核酸配列と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である配列を有する核酸分子である。「C5−エピメラーゼ活性を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的検定で測定した場合に、本発明のC5−エピメラーゼ(全長タンパク質あるいは好ましくはアミノ酸33〜618または34〜618を含有する同定アミノ酸断片)の活性と類似するがしかし必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドを意図する。
【0051】
もちろん、遺伝暗号の縮重のために、寄託cDNAの核酸配列または図2に示された核酸配列と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一である配列を有する多数の核酸分子が「C5−エピメラーゼタンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードする、ということを当業者は直ちに認識する。実際、これらのヌクレオチド配列の縮重変異体がすべて同一ポリペプチドをコードするため、これは、前記の比較検定を実施しない場合でさえ、当業者には明らかである。さらに、縮重変異体でないこのような核酸分子に関して、合理的数がC5−エピメラーゼタンパク質活性を有するポリペプチドもコードする、と言うことが当業界で認識される。これは、以下でさらに記載されるように、タンパク質機能を有意に実行するとはあまり思われないかまたは思われないアミノ酸置換(例えばある脂肪族アミノ酸を第二の脂肪族アミノ酸で置換する)に当業者が十分気づいているためである。
【0052】
ベクターおよび宿主細胞
本発明は、本発明の単離DNA分子を含むベクター、本発明の組換えベクターを用いて遺伝子工学処理される宿主細胞、ならびに組換え技法によるC5−エピメラーゼポリペプチドまたはその断片の産生にも関する。
【0053】
ポリヌクレオチドは、宿主中での増殖のために選択可能マーカーを含有するベクターと連結され得る。一般にプラスミドベクターは、沈殿物、例えばリン酸カルシウム沈殿物中に、あるいは荷電脂質との複合体中に導入される。ベクターがウイルスである場合、それは、適切なパッキング細胞株を用いてin vitroにパックされ、次に宿主中に形質導入され得る。
【0054】
DNA挿入物は、適切なプロモーター、例えば2〜3名前を挙げると、ファージラムダPLプロモーター、大腸菌lac、trpおよびtacプロモーター、SV40初期および後期プロモーターならびにレトロウイルスLTRのプロモーターと操作可能的に連結される必要がある。その他の適切なプロモーターは、当業者に既知である。発現構築物はさらに、転写開始、終結のための部位を、ならびに、転写化領域では、翻訳のためのリボソーム結合部位を含有する。構築物により発現される成熟転写体のコード部分は、好ましくはその始まりに翻訳開始コドンを、そして翻訳されるポリペプチドの末端に適切に位置する終止コドン(UAA、UGAまたはUAG)を含む。
【0055】
前記のように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択可能マーカーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養のためのジヒドロフォレートレダクターゼまたはネオマイシン耐性遺伝子、ならびに大腸菌およびその他の細菌における培養のためのテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表例としては、細菌細胞、例えば大腸菌、コリネバクテリア、ストレプトミセスおよびネズミチフス菌Salmonella typhimurium細胞;真菌細胞、例えばアスペルギルス属、黒色アスペルギルスAspergillus nigerまたはトリコデルマ属、酵母細胞、例えばサッカロミセス属、ビール酵母菌Saccharomyces cerevisiae;昆虫細胞例えばショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9細胞;動物細胞、例えばCHO、COSおよびBowes黒色腫細胞;ならびに植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい宿主としては、昆虫細胞が挙げられる。前記宿主細胞のための適切な培地および条件は、当業界で既知である。
【0056】
細菌中で用いるための好ましいベクターとしては、pQE70、pQE60およびpQE−9(Qiagen);pBSベクター、ファゲスクリプトPhagescriptベクター、ブルースクリプトBluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ならびにptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)が挙げられる。好ましい真核生物ベクターは、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG(Stratagene);ならびにpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)である。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、痘瘡ウイルスベクター、例えばワクシニアウイルスおよびアデノウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されない。その他の適切なベクターは、当業者には用意に明らかになる。
【0057】
宿主細胞中への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、陽イオン性脂質媒介性トランスフェクション、電気穿孔、形質導入、感染またはその他の方法により実行され得る。このような方法は、多数の標準実験室マニュアル、例えばDavis et al., Basic Methods In Molecular Biology (1986)に記載されている。
【0058】
ポリペプチドおよび断片
本発明はさらに、図3中のアミノ酸配列によりコードされるアミノ酸配列を有する単離または精製C5−エピメラーゼポリペプチド、あるいは特に前記のようなそして前記の核酸分子によりコードされる前記のポリペプチドの一部分を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。
【0059】
本発明はさらに、図3に示されたようなアミノ酸1〜33または1〜34のシグナル配列、あるいは図3に示されたようなアミノ酸1〜154、33〜154または34〜154の活性強化配列のような、当該タンパク質のN末端にそのC末端で融合されるマウスC5−エピメラーゼのN末端の機能的部分を含有する融合タンパク質を提供する。位置実施態様では、当該タンパク質は、図3のマウスC5−エピメラーゼのN末端の30〜154アミノ酸を含有するN末端の部分、特にアミノ酸33〜154または34〜154に融合される。別の好ましい実施態様では、当該タンパク質は、図3に示された配列の残基33〜154を含有するN末端の機能的部分に融合される。非常に好ましい実施態様では、当該タンパク質は、図3における配列に示されたようなアミノ酸1〜33または1〜34の分泌シグナルを含有するN末端の機能的部分に融合される。
【0060】
ポリペプチドは、修飾化形態で、例えば融合タンパク質で発現され、分泌シグナルだけでなく、付加的異種機能的領域も含み得る。「異種」ポリペプチドという用語が意味することは、異なる種由来のものであるとして当業者に周知である。したがって例えば付加的アミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域がポリペプチドのN末端に付加されて、精製中またはその後の取り扱いおよび貯蔵中の宿主細胞中での安定性および持続性を改良し得る。さらにペプチド部分は、精製を促すためにポリペプチドに付加され得る。このような領域は、ポリペプチドの最終調製前に除去され得る。分泌または排出を引き起こすための、安定性を改良するための、そして精製を促すため等のポリペプチドへのペプチド部分の付加は、当業界でよく知られたルーチンの技法である。
【0061】
C5−エピメラーゼまたはその断片を含有する融合タンパク質は、周知の技法により、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーにより組換え細胞培養から回収され、精製され得る。
【0062】
本発明のポリペプチドとしては、天然精製産物、化学合成手法の産物、ならびに原核生物または真核生物、例えば細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類細胞から組換え技法により産生される産物が挙げられる。組換え産生手法に用いられる宿主によって、本発明のポリペプチドはグリコシル化または非グリコシル化される。さらに本発明のポリペプチドは、いくつかの場合には宿主媒介性過程の結果として、初期修飾化メチオニン残基も含み得る。本発明のポリペプチドは、タンパク質精製手法のために末端に付加されるヒスチジンまたはポリヒスチジンの修飾も含み得る。
【0063】
C5−エピメラーゼポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、種々の用途のために、特にC5−エピメラーゼの化学的および生物学的特性を用いる用途のために、本発明にしたがって用いられ得る。特に本発明の組換えエピメラーゼは、大規模で、抗凝血薬として有用であり得るヘパリンおよび/またはヘパラン硫酸塩を製造するために用いられ得る。さらに本発明のエピメラーゼは、発生学、新脈管形成および腫瘍進行に及ぼすヘパリンおよびヘパラン硫酸塩のような細胞外マトリクス分子の作用を研究するための実験設定に有用であり得る。例えば酵素は、ヘパリンまたはヘパラン硫酸塩中のD−グルクロン酸/L−イズロン酸残基の比を調整し得る。L−イズロン酸残基は、それらの独特の配座特性のために、タンパク質との多糖の相互作用を促すと考えられる。さらに本発明のエピメラーゼは、いくつかの食品中の安定剤またはゲル化剤として用いられ得る工業的に有用な糖を修飾するためにも用いられ得る。
【0064】
変異体および突然変異体ポリペプチド
C5−エピメラーゼポリペプチドの特徴を改良または変更するために、タンパク質工学処理が用いられ得る。当業者に既知の組換えDNA技術を用いて、例えば単一または多アミノ酸置換、欠失、付加または融合タンパク質を含めた新規の突然変異体タンパク質または「ムテイン」を作製し得る。このような修飾化ポリペプチドは、例えば活性強化または安定性増大を示し得る。さらにそれらは、少なくともある種の精製および貯蔵条件下で、対応する天然ポリペプチドより高収率で精製され、そしてより良好な溶解性を示す。
【0065】
N末端およびC末端欠失突然変異体
例えば、膜関連タンパク質または成熟形態(単数または複数)の分泌タンパク質の細胞外ドメインを含めた多数の特性に関して、1つまたはそれ以上のアミノ酸が生物学的機能の実質的損失を伴わずにN末端またはC末端から欠失され得る、ということが当業界で既知である。例えばRon et al., J. Biol. Chem., 268: 2984−2988 (1993)は、3、8または27個の末端アミノ酸残基が失われている場合でもヘパリン結合活性を有する修飾化KGFタンパク質を報告した。
【0066】
しかしながら、タンパク質のN末端からの1つまたはそれ以上のアミノ酸の欠失がタンパク質の1つまたはそれ以上の生物学的機能の修飾または損失を生じる場合でも、その他の生物学的活性は依然として保持され得る。したがってC5−エピメラーゼタンパク質の全体または部分を認識する抗体を誘導しおよび/または結合する短縮化タンパク質の能力は、一般に、大多数より少ない完全タンパク質の残基または細胞外ドメインがN末端から除去された場合、保持される。完全タンパク質のN末端残基を欠く特定のポリペプチドが依然としてこのような免疫学的活性を保持するか否かは、本明細書中に記載のルーチン方法によりならびに当業界で既知の別の方法で容易に確定され得る。
【0067】
したがって本発明はさらに、アミノ酸配列のアミノ末端から欠失される1つまたはそれ以上の残基を有するポリペプチドを提供する。
【0068】
しかしながらタンパク質のC末端からの1つまたはそれ以上のアミノ酸の欠失がタンパク質の生物学的機能の修飾または損失を生じる場合でも、その他の生物学的活性は依然として保持され得る。したがって完全または成熟形態のタンパク質を認識する抗体を誘導しおよび/または結合する短縮化タンパク質の能力は、一般に、大多数未満の完全または成熟形態タンパク質の残基がC末端から除去される場合に、保持される。完全タンパク質のC末端残基を欠く特定のポリペプチドが依然としてこのような免疫学的活性を保持するか否かは、本明細書中に記載のルーチン方法によりならびに当業界で既知の別の方法で容易に確定され得る。
【0069】
本発明は、アミノおよびカルボキシル末端の両方から欠失される1つまたはそれ以上のアミノ酸を有するポリペプチドも提供する。
【0070】
その他の突然変異体
前記の末端欠失形態のタンパク質のほかに、C5−エピメラーゼポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列が、タンパク質の構造または機能に有意の影響を及ぼさずに変更され得る、ということも当業者に認識される。配列におけるこのような差異が意図される場合、活性を確定するタンパク質上の重要な領域が存在することを思い起こす必要がある。したがって本発明はさらに、実質的C5−エピメラーゼポリペプチド活性を示し、あるいは下記のタンパク質部分のようなC5−エピメラーゼタンパク質の領域を含むC5−エピメラーゼポリペプチドの変異を包含する。このような突然変異体としては、欠失、挿入、逆位、反復およびタイプ置換が挙げられる。アミノ酸変化が表現型敵に無症候性であると思われる指針は、Bowie, J.U. et al., “Deciphering the Message in Protein Sequences: Tolerance to Amino Acid Substitutions,” Science 247: 1306−1310 (1990)に見出され得る。
【0071】
したがって図3のポリペプチドの断片、誘導体または類似体あるいはそれを含有する融合タンパク質は、(i)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基(単数または複数)、さらに好ましくは少なくとも1つのしかし10未満の保存アミノ酸残基(単数または複数))で置換されるものであり、このような置換アミノ酸残基(単数または複数)は、遺伝暗号によりコードされるものであり得るし、またはあり得ない;あるいは(ii)1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を含むもの;あるいは(iii)成熟または可溶性細胞外ポリペプチドが別の化合物、例えばポリペプチドの半減期を増大するための化合物(例えばポリエチレングリコール)と融合されるもの;あるいは(iv)付加的アミノ酸がリーダーまたは分泌配列あるいは成熟ポリペプチドの精製のために用いられる配列またはプロタンパク質配列と融合されるものであり得る。このような断片、誘導体および類似体は、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であるとみなされる。
【0072】
したがって本発明のC5−エピメラーゼは、天然突然変異または人的操作による、1つまたはそれ以上のアミノ酸置換、欠失または付加を含み得る。前記のように、変化は、好ましくは小さいものであり、例えばタンパク質のフォールディングまたは活性に有意の影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換である(表1参照)。
【0073】
【表1】
Figure 2004515239
【0074】
機能に不可欠な本発明のC5−エピメラーゼタンパク質中のアミノ酸は、当業界で既知の方法により、例えば部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発により同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085 (1989))。後者の手法は、分子中のすべての残基に単一アラニン突然変異を導入する。その結果生じる突然変異体分子は、次に、受容体結合またはin vitro増殖活性といった生物学的活性に関して試験される。
【0075】
特に興味深いのは、別の荷電アミノ酸による、ならびに中性または負荷電アミノ酸による変化アミノ酸の置換である。後者は、正電荷低減を示すタンパク質を生じて、C5−エピメラーゼタンパク質の特徴を改良する。集合の防止は、非常に望ましい。タンパク質の集合は、活性損失を生じるだけでなく、それらが免疫原性であり得るために、製剤処方物を調製する場合にも問題を生じ得る(Pinckard et al., Clin Exp. Immunol. 2:331−340 (1967); Robbins et al., Diabetes 36: 838−845 (1987); Cleland et al. Crit. Rev. Therapeutic Drug Carrier Systems 10: 307−377 (1993))。
【0076】
アミノ酸の置換は、細胞表面受容体とのリガンドの結合の選択性も変え得る。例えばOstade et al., Nature 361: 266−268 (1993)は、2つの既知の種類のTNF受容体のうちの1つだけとのTNF−αの選択的結合を生じるある種の突然変異を記載する。リガンド−受容体結合のために重要である部位は、構造分析、例えば結晶化、核磁気共鳴または光親和性標識によっても確定され得る(Smith et al., J. Mol. Biol. 224: 899−904 (1992)およびde Vos et al., Science 255: 306−312 (1992))。
【0077】
本発明のポリペプチドは、好ましくは単離形態で提供される。「単離ポリペプチド」とは、そのネイティブ環境から単離されたポリペプチドを意図する。組換え宿主細胞内で産生されおよび/または含有されるポリペプチドは、本発明の目的のために単離されたとみなされる。「単離ポリペプチド」は、組換え宿主細胞から、部分的にまたは実質的に、精製されたポリペプチドであるとも意図される。例えば組換え的産生バージョンのC5−エピメラーゼポリペプチドは、Smith and Johnson, Gene 67: 31−40 (1988)に記載された一段階法により実質的に精製され得る。好ましくは本発明のポリペプチドは、配列分析に十分な程度に、あるいはそれが調製物中のタンパク質様物質の99%を示すよう精製される。
【0078】
本発明は、マウスC5−エピメラーゼ遺伝子およびタンパク質を、そしてC5−エピメラーゼポリペプチドが、N末端154アミノ酸ドメイン、特にそれに連結されるアミノ酸配列の分泌および安定化に関与するアミノ酸1〜33または1〜34を含有する33または34アミノ酸ドメインを示す618残基タンパク質であることを発見した。したがってこのドメインまたはその機能的部分は、C5−エピメラーゼのようなタンパク質、または任意のその他のタンパク質、特にゴルジ装置に関連するタンパク質、あるいは相でない場合はヘパリンまたはヘパラン硫酸塩合成に関連するタンパク質の発現および分泌のために有用である。
【0079】
本発明は、マウスC5−エピメラーゼタンパク質のN末端、特にアミノ酸1〜154,33〜154または34〜154が、その他の酵素、特にその他のC5−エピメラーゼの活性を強化するのに有用である、ということも発見した。したがってこのドメインまたはその機能的部分は、図3に示されたものと異種であるC5−エピメラーゼ配列、特にウシC5−エピメラーゼを含む融合タンパク質の発現および分泌のために有用である。
【0080】
本発明のポリペプチドとしては、C5−エピメラーゼポリペプチドおよび前記のような断片であって、そのアミノ酸配列が以下の:(a)図3のアミノ酸1〜118;(b)図3のアミノ酸1〜119;(c)図3のアミノ酸1〜120;(d)図3のアミノ酸1〜121;(e)図3のアミノ酸119〜618;(f)図3のアミノ酸120〜618;(g)図3のアミノ酸121〜618;(h)図3のアミノ酸122〜618;(i)図3のアミノ酸34〜147;(j)図3のアミノ酸35〜154;(k)図3のアミノ酸34〜154;(l)図3のアミノ酸1〜154;(m)図3に示された全アミノ酸配列からなる群から選択される配列と少なくとも80%、同一であるポリペプチドが挙げられる。
【0081】
本発明は、前記のポリペプチドと少なくとも80%同一である、さらに好ましくは少なくとも90%または95%、さらに好ましくは少なくとも96%、97%、98%または99%同一であるポリペプチドを包含し、そして少なくとも30アミノ酸、さらに好ましくは50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの一部分も包含する。
C5−エピメラーゼポリペプチドの参照アミノ酸配列と例えば少なくとも95%「同一」であるアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、ポリペプチドのアミノ酸配列が参照配列と同一であるが、但し、ポリペプチド配列が、C5−エピメラーゼポリペプチドの参照アミノ酸の各100アミノ酸当たり5つまでのアミノ酸変化を含み得ることを意図する。言い換えれば、参照アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、参照配列中のアミノ酸の5%までが欠失されるかまたは別のアミノ酸で置換され、あるいは参照配列中の総アミノ酸の5%までの多数のアミノ酸が参照配列中に挿入され得る。
【0082】
参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置で、あるいはそれらの末端位置間のどこかで、参照配列中の残基間に別々に散在されて、あるいは参照配列内の1つまたはそれ以上の連続基中に起こり得る。
実際には、任意の特定のポリペプチドが、図3に示されたアミノ酸配列と例えば少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かは、慣用的には既知のコンピュータープログラム、例えばベストフィットBestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix, Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)を用いて確定され得る。ベストフィットまたは任意のその他の配列アラインメントプログラムを用いて特定の配列、例えば本発明の参照配列と95%同一である配列が存在するか否かを確定する場合、パラメーターは、もちろん、同一性のパーセンテージが参照アミノ酸配列の全長に亘って算定され、そして参照配列中のアミノ酸の総数の5%までの相同におけるギャップが許されるよう、設定される。
【0083】
C5−エピメラーゼ活性を保有する本発明のポリペプチドを用いて、例えばそれに関する検定を開発する場合に、またはより複雑な系とともに用いるための検定を標準化する場合に、in vitroでそれを提供し得る。本発明のシグナル配列は、真核生物組換え宿主から同種C5−エピメラーゼ酵素を分泌するために、またはそれと操作可能的に連結される異種配列を分泌するために用いられ得る。本発明の活性強化配列は、他のC5−エピメラーゼの組換え調製物の固有のエピメラーゼ活性を強化するために用いられ、そういうものとして、それに関する融合タンパク質をコードする遺伝子の形態で最良に提供され得る。
【0084】
抗体
本発明に用いるためのC5−エピメラーゼタンパク質特異的抗体は、無傷C5−エピメラーゼタンパク質またはその抗原性ポリペプチド断片に対して産生され得るが、これは、担体タンパク質、例えばアルブミンと一緒に動物系(例えばウサギまたはマウス)に提示され得るか、あるいはそれが十分長い(少なくとも約25アミノ酸)場合には、担体を伴わずに、またはリポソーム中に提示されて、あるいはPEGと複合されて、循環半減期を強化し得る。
【0085】
本明細書中で用いる場合、「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab)という用語は、C5−エピメラーゼタンパク質と特異的に結合し得る無傷分子ならびに抗体断片(例えばFabおよびF(ab’)断片)を含むことを意味する。FabおよびF(ab’)断片は、無傷抗体のFc断片を欠き、循環からより迅速に出て行き、そして無傷抗体の非素機器特異的結合をほとんど有し得ない(Wahl et al., J. Nucl. Med. 24: 316−325 (1983))。したがってこれらの断片が好ましい。
【0086】
本発明の抗体は、任意の種々の方法により調製され得る。例えばC5−エピメラーゼタンパク質またはその抗原性断片を発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含有する血清の産生を誘導するために、動物に投与され得る。好ましい方法では、C5−エピメラーゼタンパク質の調製物が調製され、精製されて、それが天然夾雑物を実質的に含有しないようにする。このような調製物は次に、より大きい特異的活性を有するポリクローナル抗血清を産生するために、動物に導入される。
【0087】
最も好ましい方法では、本発明の抗体は、モノクローナル抗体である。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技法を用いて調製され得る(Kohler et al., Nature 256: 495 (1975); Kohler et al., Eur. J. Immunol. 6: 511 (1976); Kohler et al., Eur. J. Immunol. 6: 292 (1976); Hammerling et al., in: Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas, Elsevier, N.Y., (1981) pp. 563−681)。概してこのような手法は、C5−エピメラーゼタンパク質抗原で、さらに好ましくはC5−エピメラーゼタンパク質発現細胞で動物(好ましくはマウス)を免疫感作することを包含する。適切な細胞は、抗C5−エピメラーゼタンパク質抗体を結合するそれらの能力により認識され得る。このような細胞は、任意の適切な組織培地中で培養され得るが、しかしながら、10%ウシ胎仔血清(約56℃で不活性化)を補足し、ならびに約10 g/lの非必須アミノ酸、約1000 U/mlのペニシリンおよび約100μ g/mlのストレプトマイシンを補足したイーグルの変法イーグル培地中で細胞を培養するのが好ましい。このようなマウスの脾臓細胞が抽出され、適切な黒色腫細胞株と融合される。任意の適切な黒色腫細胞株が、本発明にしたがって用いられ得る。しかしながらアメリカ培養細胞コレクションAmerican Type Culture Collection, Manassas, Virginiaから入手可能な親黒色腫細胞株(SP2O)を用いるのが好ましい。融合後、その結果生じたハイブリドーマ細胞はHAT培地中に選択的に維持され、次にWands et al., Gastroenterology 80: 225−232 (1981)により記載されているように希釈を限定することによりクローン化される。このような選択により得られたハイブリドーマ細胞は次に、所望のC5−エピメラーゼ抗原を結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するために検定される。
【0088】
あるいは、C5−エピメラーゼ抗原と結合し得る付加的抗体は、抗イディオタイプ抗体の使用により二段階手法で産生され得る。このような方法は、抗体がそれ自体抗原であるという、したがって二次抗体と結合する抗体を得ることが可能であるという事実を用いる。この方法によれば、C5−エピメラーゼタンパク質特異的抗体は、動物を、好ましくはマウスを免疫感作するために用いられる。このような動物の脾臓細胞は次に、ハイブリドーマ細胞を産生するために用いられ、そしてハイブリドーマ細胞がスクリーニングされて、C5−エピメラーゼタンパク質特異的抗体と結合するその能力がC5−エピメラーゼタンパク質抗原により遮断され得る抗体を産生するクローンを同定する。このような抗体は、C5−エピメラーゼタンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物を免疫監査してさらなるC5−エピメラーゼタンパク質特異的抗体の生成を誘導するために用いられ得る。
【0089】
本発明の抗体のFabおよびF(ab’)ならびにその他の断片は、本明細書中に開示された方法にしたがって用いられ得る、と理解される。このような断片は、典型的には、酵素、例えばパパイン(Fab断片を産生するため)またはペプシン(F(ab’)を産生するため)を用いて、タンパク質分解的切断により産生される。一本鎖抗体、例えば軽または重鎖抗体も、本発明に包含される。あるいはC5−エピメラーゼタンパク質結合断片は、組換えDNA技術の適用により、または合成化学により産生され得る。このような抗体としては、例えば異なる結合特異性を有する相補性決定領域(CDR)を、あるいは抗体の結合特異性を修飾するために組換え技術の適用によりまたは合成化学により修飾されたCDRを含む組換え抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
ヒトにおける抗C5−エピメラーゼのin vivo使用のためには、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を用いるのが好ましい。このような抗体は、前記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞由来の遺伝子構築物を用いて産生され得る。キメラ抗体の産生方法は、当業界で既知である(再検討のためには、Morrison, Science 229: 1202 (1985); Oi et al., BioTechniques 4: 214 (1986); 米国特許第4,816,567号(Cabilly等);欧州特許第171496号(Taniguchi等);欧州特許第173494号(Morrison等);WO 8601533(Neuberger等);WO8702671(Robinson等); Boulianne et al., Nature 312: 643 (1984); Neuberger et al., Nature 314: 268 (1985)参照)。
【0091】
二重特異性抗体は、異なるエピトープに対するまたは異なる種由来の抗原結合ドメインを有する抗体であり、本発明に包含される。Fab領域とは異なる種由来のFc領域を有する抗体も意図され、免疫特異的クロマトグラフィー手法に用いられ得る。結合標識、例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、ペルオキシダーゼ、金、磁気標識、アルカリ性ホスファターゼ、放射性同位元素または化学発光標識を伴う抗体も本発明に包含される。
【0092】
本発明を一般的に説明してきたが、以下の実施例を参照することにより本発明はより容易に理解される。以下の実施例は例証であって、本発明を限定するものではない。
実施例
実施例1
マウスゲノムクローンの単離およびシーケンシング
C5−エピメラーゼをコードするウシ配列からのDNAプローブを用いて、マウスゲノムライブラリー(FIX II、Stratagene)をスクリーニングした。プローブを[α32P]dCTP(NEN Life Science Products)で標識した。約2x10ファージを20x20 cmプレート中でプレート化し、各プレートから複製ナイロンフィルターを調製した。60℃で100 μgのサケ精子DNA/mlを含有する5xデンハートDenhardt中でのハイブリダイゼーションにより、高緊縮スクリーニングを実施した。最終洗浄は、0.1xSSC(1xSSCは150 mMNaCl、15 mMクエン酸ナトリウム、pH7.0、0.1%SDS含有)中であった。両レプリカ上に陽性シグナルを生じたプラークを、第2および第3回スクリーニングに関して選択し、最後に5つの陽性クローンを単離した。クローンのうちの2つは約16 kbという同様の長さを有するが、一方、他の3つは相対的に短く、約10〜12 kbであった、ということが判明した。最長クローン(クローン64)をSaclで消化し、制限断片をpBlueScript中でクローン化した。二番目に長いクローン(クローン5A)をEcoRIで消化し、その結果生じた断片をさらなる特性化のためにpUC119中でクローン化した。
【0093】
挿入物含有プラスミドをQIAGENプラスミドキットを用いて精製し、そしてシーケンシングした。ヌクレオチドシーケンシング反応をチェインターミネーター法を用いて実施し、そしてABI 310シーケンサーを用いて実行した。両鎖上でのプライマーウォーキングによりエキソンおよびイントロンを確定し、そしてアガロースゲル電気泳動と組合せたシーケンシングによりイントロンのサイズを概算した。C5−エピメラーゼをコードするエキソンは3つだけ存在すると考えられ、50%より多いタンパク質をコードする最長エキソンを伴った。エキソン−イントロン接合部(スプライス部位)は、gt−agコンセンサス規則に精確に従う。イントロンの存在ならびにエキソンとcDNA配列との間の精確な適合に基づいて、同定されたゲノムクローンはC5−エピメラーゼの機能的遺伝子を表す、とわれわれは考える。
【0094】
マウスC5−エピメラーゼcDNAのクローニング
一対のプライマーを設計し、ゲノムクローンのエキソンをシーケンシングすることにより得たヌクレオチド配列の基礎とした。センスプライマーは、マウスORFの塩基1〜26に対応し、開始コドンATGから開始する。アンチセンスプライマーは、塩基1829〜1854に対応し、停止コドンを含まない。以下の条件:94℃で1分を1回、94℃で30秒、60℃で45秒および72℃で1分を各々30回、そして72℃で10分間で最終延長:で、鋳型としてマウス肝臓QUICK−クローン(商標)cDNA(Clontech)を用いることにより、PCRを実施した。約2 kbの強い帯域を得て、これをTOPO(商標)−TAクローニングベクター(Invitrogen)中でクローン化して、増幅し、その後シーケンシングした。二本鎖シーケンシングにより、マウスC5−エピメラーゼクローンが1875 bp長であり、推定ペプチドのN末端に強疎水性ドメインを有する、ということが判明した。
【0095】
ノーザンブロット分析
マウス多組織mRNAブロットは、Clontechから購入した。ウシcDNAクローンからのDNAプローブを、Boehringer Mannheimからのクレノウ酵素により[α32P]dCTPで標識した。60℃で1時間、ExpressHyb(Clontech)でハイブリダイゼーションを実行し、高緊縮で洗浄した。膜を−70℃で一夜、コダックフィルムに露出した。C5−エピメラーゼ酵素は、検査したすべての組織で発現され、転写体は約5 kbである。肝臓は転写体に関して最高発現を示すが、一方、脾臓は同一膜中でのβ−アクチンと比較して相対的に低いレベルを発現する、と思われる。
【0096】
サザンブロット分析
Sambrook等(Sambrook et al., 1989)にしたがって、サザンブロット分析を実施した。Easy Prepキット(Pharmacia Biotech)を用いて、マウスゲノムDNAを調製した。20 μgのゲノムDNAを制限酵素SacIで消化して、電気泳動により0.8%アガロースゲル上で分離した。電気泳動後、ゲルを0.1 NNaOHで30分間処理し、トリス−HCl緩衝液中で中和した。DNA断片をナイロン膜上に移した。ウシC5−エピメラーゼcDNAの837 bp断片をBoehringer Mannheimからのクレノウ酵素により[α32P]dCTPで標識し、プローブとして用いた。ハイブリダイゼーション条件を、ノーザン分析に関して記載したように実行した。露出時間は3日間であった。
【0097】
多数の遺伝子が如何にC5−エピメラーゼをコードし得るかを確定するために、マウス肝臓から精製した20 μgのマウスゲノムDNAを、それぞれApaI、BamHI、EcoRI、EcoRV、HindIII、NcoIおよびXbaIの制限酵素で消化し、電気泳動により0.8%アガロースゲル上で分離した。ゲル中に分離されたDNAをナイロン膜に移し、その後、ウシコード配列(1407 bp)からのDNAプローブを用いてハイブリダイズした。C5−エピメラーゼゲノムDNAの制限マップは、マウスにおけるC5−エピメラーゼ酵素をコードする遺伝子が1つだけ存在する、ということを示唆する。
【0098】
酵素活性分析
Malmstrom et al., J. Biol. Chem. 255: 3878−3883 (1980)(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に開示されたようなプロトコールにしたがって、C5−エピメラーゼの活性を査定した。要するに、筋肉内に肥満細胞腫細胞を移植されたマウスを、頚部脱臼により安楽死させて、その後、解剖した。異種移植片を含めたそれぞれの組織を採取し、直ちに、100 mMKCl、15 mMEDTA、1%トリトンX−100およびプロテアーゼ阻害剤を含有する50 mMHEPESの緩衝液中で均質化した。ホモジネートを4℃で30分間振盪し、遠心分離した。上清を収集した。総タンパク質濃度をQuantiGold検定により確定し、Li等(Li et al., 1997)により記載された手法にしたがって、基質多糖からのH(Oとして回収される)の放出に基づいてC5−エピメラーゼの特異的活性を分析した。特異的活性試験に用いたC5−基質を、酵素を含有しない50 μlのC5−基質作業溶液のみを測定することにより、少なくとも1ヶ月に1回、分析する。
【0099】
試料の初期活性が>2000 cpm/50 μlである場合、これは、試料が飽和され、希釈される必要があるという指標である。希釈因子は、用いられる試料、試料の飽和および塩濃度によっている。試料は、C5−エピメラーゼ活性がより高い塩濃度で部分的にまたは完全に阻害されるため、50 mM以下の塩(NaClまたはKCl)を含有しなければならない。
【0100】
C5−エピメラーゼ活性検定には、正および負の対照が用いられる。正の対照は、安定性が保存されていたことを確実にするために、2ヶ月毎に標準化されねばならない。試料と同一細胞中で産生されるベクターのみが、負の対照として用いられ得る。例えばバキュロウイルス/昆虫細胞発現系により産生されるC5−試料に関しては、同一系を用いて産生されるアセチルコリンエステラーゼが負の対照として用いられた。
【0101】
C5基質溶液の予熱中に、必要な場合には試料を希釈した。50 μlの試料(酵素)を予熱基質に付加し、+37℃で正確に1時間、インキュベートした。インキュベーション後、酵素反応の停止溶液100 μlを基質−酵素混合物に付加し、この反応混合物をWallacの20 mlシンチレーションバイアルに移した。エピメラーゼ検定シンチレーションカクテル13 mlをバイアルに付加し、10秒間撹拌した。一夜インキュベーション語、Wallac1415液体シンチレーション計数器を用いて各々2分間、三重反復試験で放射能を測定した。シンチレーション計数器は、結果をcpm/反応容積(50 μl)として示す。試料が希釈されていた場合、希釈緩衝液の活性を試料の活性から差し引く必要がある。いかなる場合でも、結果を分析する前に、ブランクの活性を試料の活性から差し引いた。
【0102】
総活性(cpm/μl)を総タンパク質濃度(mg/ml)で割ることにより、特異的活性を測定した。総タンパク質濃度は、Stoschek, C.M., Anal. Biochem. 160: 301−305 (1987)(この記載内容を、本明細書中に援用する)にしたがって、QuantiGold検定により測定した。特異的活性の単位はcpm/mg/hで、この場合、h(時間)は酵素反応の時間を記載する。
【0103】
実施例2
マウス遺伝子のコード配列分析からのC5−エピメラーゼの真のN末端の同定ならびにクローン化cDNAの発現
実施例1で同定された推定マウスC5−エピメラーゼ遺伝子の国および予備配列分析に基づいて、そして前に発表されたウシcDNA配列に対するアラインメントを基礎にして、付加的ネズミ5’−フランキングDNA配列を単離し、この5’−フランキングDNA配列を含有するcDNAをクローン化した。
【0104】
この5’−フランキングDNA配列が、マウス遺伝子によりコードされるC5−エピメラーゼの真のN末端を表す付加的N−末端ペプチド配列をコードし得るか否かを確定するために、マウス配列(図1に示したコンパイル済ヌクレオチド配列中の太字文字列)を、ウシ配列を用いて、最大保存(>96%アミノ酸同一性)の点から出発して、コンピューターファイル中にすでに存在するウシcDNA配列に付加した。次にGene Inspectorプログラム(Textco, USA)を用いて、コンパイル済み配列中で、オープンリーディングフレーム(ORF)(考え得るポリペプチドコード配列である)に関して検索した。配列アラインメントの結果を図1に示す。ORF分析は、図2に示した結果を生じた。
【0105】
図1において、新規のマウス配列とウシ配列との間の融合部位を、二重コロン“ ”で示す。二重コロンの後ろで開始する配列は、ウシcDNA配列である。配列(太字)5’〜融合部位は、前記のように単離された付加的ネズミ5’−フランキングDNA配列である。非下線配列は、見出されたオープンリーディングフレームであり、ポリペプチドコード配列を示す。
【0106】
ネイティブC5−エピメラーゼ酵素が細胞(肝臓から)の膜性ゴルジ「区画」(ミクロソーム分画)に局在する、ということは既知である。したがってネイティブマウス配列は、この区画への転位のための適切なN末端を含有する必要がある。これを分析するために、Nielsen et al., Protein Engineering 10: 1−6 (1997)のアルゴリズム(プログラム)を用いた。当該アルゴリズムは、前記のポリペプチド配列の各々からの最初の40〜60アミノ酸の「シグナル電位」を分析した。同一プログラムを用いて、マウスシンデカン−1ポリペプチド配列の最初の40残基を試験したが、プログラムの効力に関する対照の一種として、これが分泌シグナルを含有することが既知である場合、プログラムはこれを陽性に同定した(データは示されていない)。分析は、最初の33残基に関して強シグナル電位を実証した。
【0107】
前記の33アミノ酸シグナル配列のほかに、154の付加的N末端残基は、ジスルフィド結合を形成し、タンパク質フォールディングを安定化し得る付加的システイン残基、ならびに翻訳後タンパク質分解的プロセシングに関連し得る予測アミド化部位(残基118〜121)を包含する。C5−エピメラーゼに関する全配列のさらなる分析は、埋没され得るかまたは膜(単数または複数)を横断するポリペプチドの疎水性鎖を予測する。
【0108】
データベース中で見出されたその他の配列に対するアラインメント分析は、相同のホットスポットを明示する。これらの結果は、図4および5に要約されている。
【0109】
図5は、マウスC5−エピメラーゼポリペプチド配列の略図である。図5に示したように、配列の最大進化的保存(相同の「ホットスポット」)は、タンパク質の折りたたまれた構造中に埋没されるかまたは膜を横断して、おそらくは酵素が作用することが既知であるゴルジの管腔に入ると予測されるアミノ酸残基Trp497およびLeu523間の高疎水性鎖中で、より多くのC末端部分で起きた。保存のその他の最も有意で且つ延長された鎖(「ホットスポット」)は、残基Leu546およびHis580間に生じ、酵素の活性部位を含有または包含し得る。≧22%のポリペプチド配列保存(同一性)の機能的意義は、既知の機能についての他のタンパク質の発表済み研究により(Branden, C., and Tooze, J., Introduction to Protein Structure, Garland Publishing, NY and London, pp.100−101 (1991))、ならびにhttp://bioinfo.mbb.vale.edu/e−print/ann−xfer−jmb/preprint.htmlから利用可能な“Quantifying the relations between protein sequence, structure, and function through traditional and probabilistic scores,”におけるWilson、KreychmanおよびGersteinならびにそこに引用されたその他の著者等により確立されている。この文献中で説明されているように、精確な機能は30〜40%より低い配列同一性を保存されるとは思えないが、一方、機能的種類は20〜25%という低い配列同一性に関して保存される。20%より低いと、一般的類似性はもはや保存されない。目下、SWISS−MODELは、これらの判定基準に応答する配列に関するモデルを生じている:BLAST検索P値:<0.00001;配列同一性(SIM)の包括的程度:>25%ならびに最小計画モデル長−25アミノ酸。
【0110】
これに基づいて、マウス配列に対してショウジョウバエ配列(46.6%)は線虫配列(39.6%)より密接に関連する、ということが分かる。
別の種類の配列分析では、マウスC5−エピメラーゼ配列の予測三次元(3D)構造はKelley, L.A. et al., Mol. Biol. 299(2): 499−520 (2000)の3D構造に対して「スレッド化」された。この比較は、C5−エピメラーゼ配列が、α/αトロイドであるコンドロイチナーゼ(コンドロイチンAC/アルギン酸リアーゼ)ドメインとの有意の関係を有する、ということを示した。コンドロイチンACリアーゼは、グリコサミノグリカン分解酵素の一ファミリーを代表するものであり、構造/機能関係は結晶学から明らかにされている(Fethiere et al., J. Mol. Biol. 288: 635−647 (1999))。コンドロイチナーゼ配列との最も有意の3D類似性は、内部疎水性(膜貫通)鎖のC末端付近のAla408から、マウスC5−エピメラーゼ配列のC末端に伸びることが判明したことは顕著であり、そして、この鎖が保存配列保存のほとんどを含有することは、それが活性部位を含有するドメインであることを示すと思われる。
【0111】
前記配列分析結果のすべてを基礎にして、バキュロウイルスおよびInsectSelect(Invitrogen, USA)発現系からの異種分泌−発現のための一次活性タグ化組換え体(ウシ)C5−エピメラーゼ構築物のほかに、新規の組換えC5−エピメラーゼ構築物が作製された。今までに特性化されたクローン化昆虫細胞株からの生成物を、図6Aに要約する。4つの構築物が示されている。最初の構築物は、タグ化組換え体ウシC5−エピメラーゼである。第二の構築物は、タグ化全長マウスC5−エピメラーゼである。第三の構築物は、マウスおよびウシC5−エピメラーゼ配列間のタグ化キメラ構築物である。第四の構築物は、タグ化切頭化マウス配列である。
【0112】
組換え構築物の各々において、C5−エピメラーゼをタグ化した。タグ化した場合、C5−エピメラーゼ配列は、EGTシグナル切断に連結されたEGTシグナルペプチド、エンテロキナーゼ切断部位、6個のヒスチジンおよび最後にrTEVプロテアーゼ部位を含有する図6Bに示されたような配列により先行された。EGTシグナルは、バキュロウイルス(昆虫細胞に感染する)のタンパク質からである。FLAG配列は、メーカー示唆プロトコール(Sigma)にしたがって組換えタンパク質を検出し、精製するために用いられるエピトープタグである(Hopp, T. et al., Biotechnology 6: 1204−1210 (1988))。エンテロキナーゼは、その認識部位に先行する配列を切断するために用いられる酵素である。6個の連続ヒスチジンは、もうひとつのタグである。rTEV(組換え体タバコエッジウイルス)プロテアーゼ部位も、先行配列を除去するために用いた。EGTシグナルおよびFLAG(商標)−タグ(IBI)は、Christian Oker−Blom博士(VTT Biotechnology, P.O. Box 1500, FIN−02044, VTT, FINLAND)により提供された修飾pFastBacTM(Life Technologies)ベクター中で作製された構築物から得られた。本出願中に記載されたすべての組換えタンパク質の精製は、FLAG−タグベースであった。
【0113】
これらのタグ化組換え体C5−エピメラーゼの活性検定およびタンパク質分析からの代表的データを、図7ならびに表Iおよび表IIに示す。図7は、メーカー示唆プロトコールにしたがって抗FLAG M1全体で精製されたマウスC5−エピメラーゼ(mC5)の活性検定結果を示す。
【0114】
異種タンパク質の活性を測定するためのC5−エピメラーゼ活性検定を、前記の実施例1と同様に実施した。要するに、InsectSelect発現系を用いて昆虫細胞中に別々に接種された組換え体C5−エピメラーゼ構築物の各々で形質転換させた培養から、総タンパク質を抽出した。細胞が集密に達した後、それらを収穫し、溶解して、総タンパク質を単離し、定量した。C5−エピメラーゼ活性は、シンチレーション計数器でエピメラーゼ基質からのH放出として測定した。エピメラーゼ活性は、総タンパク質に対して測定した。図7は、試料(1:2000希釈)の容積増大に伴う活性を示す。総活性は6360 cpm/μlであった。Stoschek, C.M., Anal. Biochem. 160: 301−305 (1987)にしたがってタンパク質分析(QuantiGold, Diversified Biotech使用)を分析し多。タンパク質の濃度は3.2 μg/mlであった。したがって特異的活性は2.0x10 cpm/mg/hであった。
【0115】
図8は、抗−FLAGで染色したウエスタンブロットを示す。レーン1は、分子量標準(New England Biolabs’ Broad Range、予備染色)を含有する。レーン2は、全長マウスC5−エピメラーゼを含有する。タグ化全長マウスC5−エピメラーゼ(本明細書中に見出されるN末端付加配列を含有する)は、618アミノ酸長、71189.1の分子量(ダルトン)、8.25の等電点(pI)および+4.01のpH7での正味電荷を有する。
【0116】
図9は、抗FLAG抗体(020300)で染色された前記の4つのタグ化組換えC5−エピメラーゼに関する異なるクローンの安定昆虫細胞株から採取した培地のウエスタンブロットである。レーン1は、図8の場合と同様の分子量標準を含有し、ゲルの側面に分子量を書きとめた。レーン2は、切頭化マウスC5−エピメラーゼを含有する。レーン3は、オリジナルウシC5−エピメラーゼを含有する。レーン4は、図2および3に示されているように、N末端マウス配列が枠内でウシ配列と融合されるマウス:ウシキメラC5−エピメラーゼを含有する。レーン5は、全長マウスC5−エピメラーゼを含有する。キメラマウス:ウシ構築物は全長マウス構築物のサイズとほぼ同一サイズである、ということが分かる。
【0117】
活性検定およびウエスタンブロットの濃度計分析に基づいて異なる組換え構築物の相対活性を算定した。結果を以下の表Iに示す。「TruncC5」は、短縮化マウスC5−エピメラーゼアミノ酸配列であり、この場合、「TruncC5」配列が組換えウシ配列と同一N末端を有するよう、最初の154アミノ酸は除去されている。「ExtC5」は組換えウシC5−エピメラーゼポリペプチドであり、一方、「chC5」は、図1に示したような核酸配列によりコードされるマウス:ウシキメラC5−エピメラーゼ構築物を指す。「mC5」は、全長マウスC5−エピメラーゼ配列を指す。
【0118】
【表2】
Figure 2004515239
【0119】
異なる部分精製組換えC5−エピメラーゼの特異的活性を、表IIに示す。
【表3】
Figure 2004515239
【0120】
作製されたキメラマウス:ウシ構築物は、図6Bに示したようないいGT−FLAG−His−RTEV素子の直後にマウスポリペプチド配列のN末端配列のアミノ酸残基34〜154を含有する。しかしながら、その組換え酵素は、おそらくはマウス細胞のシグナリング電位のために、細胞質ゾル中に主に保持されると考えられた。
【0121】
結論
マウス遺伝子配列からのポリペプチド(Asp34〜Asp154)のN末端断片の付加は、配列のこの小片が最大種間保存を含有しない場合でも、数オーダーの大きさで組換えC5−エピメラーゼ酵素の活性を強化する。一次組換えウシ構築物の活性に及ぼすタグの考え得る作用が取り扱われ(タグ除去による;データは示されていない)、差異の最小因子を説明し得るが、しかしより長いおよびより短い形態の組換えC5−エピメラーゼ間の特異的活性における上記数オーダーの大きさの差の程度を説明しない。この非常に重要な組換え酵素の活性を制御するための基礎およびメカニズムをより良好に限定するために、非タグ化発現構築物および構造−機能試験が目下進行中である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、ウシC5−エピメラーゼの配列(非太字)およびマウスC5−エピメラーゼのN末端(太字)を有する融合タンパク質のDNA配列である。ポリペプチドコード配列を示すオープンリーディングフレーム(ORF)には下線を付す。
【図2】
図2は、マウスC5−エピメラーゼの完全DNA配列である。
【図3】
図3は、マウスC5−エピメラーゼの完全アミノ酸配列である。
【図4】
図4は、相同の領域を示すその他の配列に対するマウスC5−エピメラーゼのアラインメント分析である。スコアは上部ライン上に示されており、配列の供給源の後ろの欄に列挙されている。配列は以下の供給源から得られる:ライン2:マウス肝臓;ライン3:ウシ肺;ライン4:ヒトEST;ライン5:ショウジョウバエ;ライン6:線虫;ライン7:メタノコッカス。
【図5】
図5は、マウスC5−エピメラーゼのドメイン構造の略図である。N末端の中黒長方形枠:シグナル配列(高疎水性膜貫通(TM)配列);陰影長方形枠:疎水性膜貫通(TM)または埋没配列;ペプチド内の中黒長方形枠:線虫71.9 KD仮説タンパク質と50%より多くの類似性を有する保存ペプチド配列。
【図6】
図6A〜6B。図6A:タグ化組換え(ウシ)C5−エピメラーゼ構築の生成物の略図。i:一次活性タグ化組換え(ウシ)C5−エピメラーゼ構築物。特異的活性は5x10 cpm/mg/hであった。ii:最活性組換え(全マウス)C5構築。特異的活性は2x10 cpm/mg/hであった。iii:マウスおよびウシ配列の両方を有するキメラ構築物。活性は全長マウス配列の活性の87%であった。iv:切頭化マウス構築物。活性は「i」におけるウシ構築物と同一である。図6B:図6Aにおける組換え構築物の各々に先行したタグの配列およびドメイン情報。
【図7】
図7は、マウスC5−エピメラーゼ(mC5)の活性検定結果である。
【図8】
図8は、抗−FLAGで染色したウエスタンブロットである。レーン1:分子量標準(New England Biolabs’ Broad Range、予備染色)。レーン2:マウスC5−エピメラーゼ(mC5)試料。
【図9】
図9は、抗FLAG抗体で染色された異なるタグ化組換えC5−エピメラーゼを含有するクローンの安定昆虫細胞株からの培地中のタンパク質のウエスタンブロットである。

Claims (18)

  1. ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチドであって、そのアミノ酸配列が以下の:
    (a)図3のアミノ酸1〜118
    (b)図3のアミノ酸1〜119
    (c)図3のアミノ酸1〜120
    (d)図3のアミノ酸1〜121
    (e)図3のアミノ酸119〜618
    (f)図3のアミノ酸120〜618
    (g)図3のアミノ酸121〜618
    (h)図3のアミノ酸122〜618
    (i)図3のアミノ酸34〜147
    (j)図3のアミノ酸35〜154
    (k)図3のアミノ酸34〜154
    (l)図3のアミノ酸1〜154
    (m)図3のアミノ酸155〜618および
    (n)図3のアミノ酸1〜618
    から成る群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるポリヌクレオチド。
  2. DNAである、請求項1記載のポリヌクレオチド。
  3. RNAである、請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 異種ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項1記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記異種ポリヌクレオチドが異種ポリペプチドをコードする、請求項4記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記異種ポリヌクレオチドが前記ヌクレオチド配列の3’に位置する、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  8. 前記ポリヌクレオチドが異種調節ポリヌクレオチドに操作可能的に連結される、請求項7記載のベクター。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  10. 前記単離ポリヌクレオチドが異種調節ポリヌクレオチドと操作可能的に連結される、請求項9記載の宿主細胞。
  11. タンパク質の産生方法であって、前記タンパク質が発現されるような条件下で請求項10記載の宿主細胞を培養し、そして前記タンパク質を回収することを包含する方法。
  12. 単離C5−エピメラーゼポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が以下の:
    (a)図3のアミノ酸1〜118
    (b)図3のアミノ酸1〜119
    (c)図3のアミノ酸1〜120
    (d)図3のアミノ酸1〜121
    (e)図3のアミノ酸119〜618
    (f)図3のアミノ酸120〜618
    (g)図3のアミノ酸121〜618
    (h)図3のアミノ酸122〜618
    (i)図3のアミノ酸34〜147
    (j)図3のアミノ酸35〜154
    (k)図3のアミノ酸34〜154
    (l)図3のアミノ酸1〜154
    (m)図3のアミノ酸155〜618および
    (n)図3のアミノ酸1〜618
    から成る群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも95%同一である単離ポリペプチド。
  13. 組換え宿主細胞中で産生されまたは含有される、請求項12記載の単離ポリペプチド。
  14. 前記組換え宿主細胞が昆虫細胞である、請求項13記載の単離ポリペプチド。
  15. C5−エピメラーゼの活性の増大方法であって、以下の:
    (a)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む一次ポリヌクレオチドであって、そのアミノ酸配列が図3のアミノ酸35〜154および図3のアミノ酸34〜154から成る群から選択される参照アミノ酸配列と少なくとも80%同一であるポリヌクレオチドを提供し;
    (b)(a)の前記一次ポリヌクレオチドをC5−エピメラーゼをコードする二次ポリヌクレオチドに結合し;そして
    (c)融合ポリヌクレオチドを発現する
    ことを包含する方法。
  16. 前記一次ポリヌクレオチドがポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、そのアミノ酸配列が図3のアミノ酸35〜154である、請求項15記載の方法。
  17. 前記一次ポリヌクレオチドがポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、そのアミノ酸配列が図3のアミノ酸34〜154である、請求項15記載の方法。
  18. C5−エピメラーゼをコードする前記二次ポリヌクレオチドがウシC5−エピメラーゼをコードする、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
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