JP2004514716A - リポ酸およびジヒドロリポ酸の調製方法 - Google Patents

リポ酸およびジヒドロリポ酸の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)
【化1】
Figure 2004514716

〔式中、MSは、SO−R’であり、RおよびR’は、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルアルキル、アリール、またはアラルキルである。〕と、メタノール中の硫化ナトリウムおよび硫黄との反応を含む、R−およびS−リポ酸ならびにR−およびS−ジヒドロリポ酸の調製方法に関する。本発明は、特に、直接使用されるかまたはさらに処理されてR−およびS−リポ酸を与える純粋なR−またはS−ジヒドロリポ酸の調製方法に関する。この方法は、医薬の製造にも役立つ。本発明は、さらに、硫黄が硫化ナトリウム三水和物に対してモル過剰で存在する硫化ナトリウム三水和物と硫黄とを含むメタノール溶液および本発明に係る該溶液を含むキットに関する。

Description

【0001】
ジヒドロリポ酸およびリポ酸は、細胞の代謝に特に重要である天然に存在する物質である。たとえばピルビン酸デヒドロゲナーゼの補酵素として、R−リポ酸は、エネルギー生産で中心的な役割を果たす。その非常に良好な抗酸化性を十分に発揮するために、R−リポ酸は、代謝において活性化されジヒドロリポ酸となる。R−リポ酸は、代謝における加齢性変化にプラスの影響を及ぼすので、化粧品分野でも関心がもたれている。
【0002】
参考文献
Bringmann, Z. Naturforschung 1999, 54b, 665−661;
Adger, Bioorg. Med. Chem. 1997, 5, 253−61;
Yadav, J. Scientific & Industrial Res. 1990, 49, 400−409;
Gopalan, Tetrahedron Lett 1989, 42, 5705;
Rao, Synth. Commun. 17, 1987a, 11, 1339−1347
Rao, Tetrahedron Lett. 28, 1987b, 19, 2183−2186
Brookes, Perkin Transaction I, 1988, 9−12;
Brookes, Chemical Communication 1983, 1051−53;および
JP 1960−35704; EP 543088; EP 487 986;
には、光学的に純粋なR−およびS−リポ酸またはジヒドロリポ酸を調製する種々の方法が開示されている。
【0003】
このように、エナンチオマー的に純粋なリポ酸およびジヒドロリポ酸は、キラルな鋳型を用いるラセミ体の化学的または酵素的分割のような種々の方法で、エナンチオ選択的合成または微生物学的変換により、調製される。
【0004】
R−リポ酸およびR−ジヒドロリポ酸の合成について、例示的に以下で説明する。いずれの場合においても、同じようにしてS−エナンチオマーを調製することができる。
【0005】
Bringmannらは、キラルな6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステル(1)から開始するR−リポ酸の2つの合成経路を提案している。
【化4】
Figure 2004514716
【0006】
(1)に対するリポ酸の収率は65%であるが、KSAcを用いて硫黄を導入したとき、得られる物質は、ヒトに適用するには問題があると思われる98%のGC純度を有するにすぎない。
【0007】
他の選択肢として、Bringmannらによれば、DMF中のNaS+Sを用いて硫黄の導入を行うことができ、その後、リパーゼまたは炭酸カリウムを用いて加水分解を行うことが可能である。中間体として形成されるリポ酸メチルは、非常に重合しやすい。
【0008】
Rao, 1987aおよび1987bには、DMF中のNaS+Sを用いて、70%の収率で6,8−ジヒドロキシオクタン酸エステル(1)のメシレートに硫黄を導入することが記載されている。
【0009】
発表された合成法は、多くのステップを介する処理および/または高価な出発物質もしくは反応条件の使用を伴う。収率、環境要件、および/またはコスト要件の点で、既知の方法には改良の余地がある。リポ酸およびジヒドロリポ酸はヒトにも利用されるので、できるだけ純粋でありかつ簡単に高収率で調製できる生成物が望ましい。
【0010】
したがって、本発明の根底にある技術的問題は、経済的にも環境学的にも有利な方法によりできるかぎり高い収率でかつ高い純度でリポ酸およびジヒドロリポ酸が得られる方法を可能にすることである。
【0011】
上記技術的問題の解決は、特許請求の範囲に記載の実施形態を利用することにより可能となる。
【0012】
すなわち、本発明は、
(a)
【化5】
Figure 2004514716
〔式中、MSは、SO−R’であり、RおよびR’は、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルアルキル、アリール、またはアラルキルである。〕
とメタノール中の硫化ナトリウムおよび硫黄との反応、
を含む、ジヒドロリポ酸の調製方法に関する。
【0013】
化合物(2)は、たとえば、対応する6,8−ジヒドロキシオクタン酸アルキル(1)とトリエチルアミンおよび塩化メシルとの反応により調製される。好ましいアルキルエステルは、C〜C−アルキル体であり、メチル体は特に好ましい。
【0014】
アラルキル中のアリールすなわちArは、好ましくはフェニルまたはナフチルであり、いずれの場合にも1個、2個、または3個のC〜C−アルキル基で置換することができ; アラルキルまたはシクロアルキルアルキル中の「アルキル」は、好ましくはC〜C−アルキル、特に好ましくは−CH−である。Msの好ましい意味は、メシレートまたはトシレートである。
【0015】
驚くべきことに、(2)に硫黄を導入するためにメタノール中の硫化ナトリウムおよび硫黄を用いると、DMFのときと比較して、収率および純度が本質的に高くなる。たとえば、先行技術(Rao、1987a; 実施例)に記載されているように、(2)に硫黄を導入するためにDMF中の硫化ナトリウムを用いた場合、70%〜75%の収率が達成されるにすぎない。本発明の方法を利用すれば、高い化学純度のR−またはS−ジヒドロリポ酸が得られる。しかしながら、有利には、硫黄を導入する際に溶媒としてメタノールを用いることにより、生成物の収率および純度を改良することができるだけでなく、さらに、本発明の方法によりジヒドロリポ酸の調製を単純化することができ、しかもメタノールはDMFよりも低価格の溶媒であるので生産コストの削減を図ることができる。
【0016】
驚くべきことに、本発明の方法は、他の化合物に硫黄を導入するためにも好適である。
【0017】
すなわち、本発明はまた、構造要素(3)
【化6】
Figure 2004514716
を含有する化合物の調製方法であって、
(a) (4)
【化7】
Figure 2004514716
とメタノール中の硫化ナトリウム三水和物および硫黄との反応、
を含む、上記方法に関する。
【0018】
一実施形態では、構造要素(3)は、置換基R、R、R、およびRを含有する(化合物(3a))。
【化8】
Figure 2004514716
〔式中、
、R、R、および/またはRは、互いに独立して、
H、
0〜3個の炭素原子がO、S、NZ、および/または−X−(C=X)−(ここで、Xは、結合、O、S、もしくはNZであり、および/またはXは、O、S、もしくはNZである)で置換されていてもよい非分枝状もしくは分枝状C〜C20−アルキル、
および/または
3〜17個の炭素原子を有する単環式、二環式、もしくは三環式かつ芳香族の、飽和もしくは部分不飽和のC〜C−アルキル炭素環または複素環(ここで、0〜3個のヘテロ原子は、S、N、および/またはOから選択することが可能である)、であってよく、
アルキル鎖中または環中のそれぞれの炭素原子は、次の置換基OZ、SZ、(C=O)−OZ、NZZ、C〜C−アルキルを3個まで有することができ、
ここで、Zおよび/またはZは、HまたはC〜C−アルキルであってよく、
n+mは、好ましくは、1または2である。〕
【0019】
本発明の方法はまた、リポ酸、ジヒドロリポ酸、および/または(3)の誘導体、たとえば、DE 41 37 773、DE 43 43 592、DE 43 43 593、EP 812 590、WO 00/24734、WO 00/59899、およびWO 00/53601に記載されているような誘導体の調製にも好適であり、これらは本発明に包含される。特に、本明細書に記載の化合物、好ましくはジヒドロリポ酸、リポ酸、もしくは化合物(3)、または記載の参考文献に列挙されている化合物の塩、エステル、またはアミドもまた包含される。リポ酸またはジヒドロリポ酸の代謝産物、たとえば、ビスノルリポ酸またはテトラリポ酸の調製方法も、同様に包含される。
【0020】
スルホン酸誘導体(2)、たとえばメシレートの本発明に係る反応は、好ましくは、メタノール中のNaS/S混合物中で行う。「メタノール」という用語は、硫化ナトリウム、好ましくはその三水和物、および硫黄が良好に溶解する本発明に係るメタノール性溶液を意味するものと理解される。当業者であれば、メタノール性溶液中の1種以上の他の溶媒の割合がどれくらいであるかおよびそれがどれくらい「他の溶媒」に依存するかはわかるであろう。他の溶媒とは、たとえば、水、DMF、または他のアルコール(たとえば、エタノール、イソプロパノールなど)を意味するものと理解される。メタノール性溶液が本発明の方法に適しているか、特に、硫化ナトリウム、好ましくは硫化ナトリウム三水和物、および硫黄がそれに良好に溶解するかは、当業者であれば先行技術に対応する一連の試験を利用して容易に試験することができる。結果的には、メタノール性溶液は、少なくとも80重量%の含有率のメタノールからなり、90重量%の含有率がより好ましく、特に好ましくは95%重量の含有率のメタノールであり、95%超のメタノールが最も好ましい。好ましい添加剤は、水および/またはエタノールである。メタノール性混合物は、少なくとも等モル量のNaS、S、およびメシレートを含有し、好ましくは、メシレートに対して100モル%過剰であるNaSおよびSを含有する。メシレートに対して25〜35モル%過剰のNaSおよび45〜55モル%過剰の硫黄がより好ましい。メタノール性NaS/S混合物は、好ましくはあらかじめ煮沸する。
【0021】
好ましい実施形態では、本発明の方法は、硫化ナトリウム三水和物を用いる反応により行われる。驚くべきことに、低含有率の結晶水を有する硫化ナトリウムを用いることが特に有利であり、それにより本発明の方法で非常に高い収率が得られる。文献でこれまで利用されてきた九水和物と比較して、あるいは無水硫化ナトリウムと比較して、三水和物の使用は特に有利である。硫化ナトリウム三水和物を用いるとジヒドロリポ酸の収率が最大になることがわかる。
【0022】
さらなる実施形態では、硫黄は、本発明に係るプロセス時、硫化ナトリウム、特に硫化ナトリウム三水和物に対してモル過剰で存在する。好ましい実施形態では、硫化ナトリウムに対して5〜30モル%過剰の硫黄が使用される。好ましくは、メシレートに対して過剰の硫化ナトリウムおよび硫黄が存在する。従って、特に好ましい実施形態では、メタノール中の、1.0当量のメシレートに対して1.3当量の硫化ナトリウムおよび1.5当量の元素硫黄を使用することができる。
【0023】
さらなる実施形態では、本発明の方法には、
(b) 錯体水素化物との反応、
(c) 9〜10のpHにおける有機溶媒によるR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸のプロトン性溶液の抽出、
(d) 4〜5のpHにおけるプロトン性溶液からの有機溶媒によるR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸の抽出、および
(e) ジヒドロリポ酸の蒸留、
からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる後続プロセスステップが含まれる。
【0024】
「錯体水素化物」とは、好ましくはボロヒドリド、特にNaBHのようなアルカリ金属ボロヒドリドを意味するものと理解される。錯体水素化物との反応は、好ましくはアルカリ性溶液中、特に濃アルカリ金属水酸化物溶液中で行われる。ボロール溶液(たとえば、14M NaOH中の濃度12%のNaBH; ボロール溶液のそれぞれの組成は製造業者およびバッチに依存して変化させることができる)は、特に好ましい。
【0025】
錯体水素化物と反応させた後、9〜10、好ましくは約9.5のpHで有機溶媒によりジヒドロリポ酸のプロトン性溶液を抽出すれば、リポ酸を生成させるための仕上げ処理後、より高い収率で結晶化物が得られる。
【0026】
プロトン性溶液とは、少なくとも30%の水、好ましくは50%超の水、特に好ましくは75%超の水を含有する溶媒混合物を意味するものと理解される。他の成分は、DMFまたはアルコール、特にメタノールのような極性溶媒である。抽出用の有機溶媒は、好ましくは、無極性溶媒、たとえば、塩化メチレンもしくはクロロホルムのようなハロゲン化溶媒、グリコールエーテル類、ジエチルエーテルもしくはメチルt−ブチルエーテルのようなエーテル類、酢酸エチルのようなエステル類、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、トルエンのような脂肪族もしくは芳香族炭化水素、またはそれらの混合物であり、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、および酢酸エチルが溶媒として好ましい。
【0027】
4〜5、好ましくは約4.5のpHで有機溶媒中にジヒドロリポ酸のプロトン性溶液を抽出すれば、リポ酸を生成させるための仕上げ処理後、結晶化物がより高い収率で得られる。このステップに続いてジヒドロリポ酸の蒸留を行うことができる。
【0028】
驚くべきことに、160〜220℃、好ましくは180〜210℃、特に好ましくは200℃±5℃の温度範囲で、かつ0.5〜5mbar、特に好ましくは1〜3mbarの圧力で、顕著な分解を伴うことなくジヒドロリポ酸を蒸留することができる。蒸留は、好ましくは連続的に行う(Sambay式、流下薄膜式、または薄層式蒸発器)。この圧力範囲は、それほど経費をかけずに工業的に実現可能である。驚くべきことに、続いて酸化および結晶化を行った後、蒸留を行わないときと比べて10%以上多いリポ酸がジヒドロリポ酸から得られる。ジヒドロリポ酸の精製のこのさらなる最適化により、より多くのステップを導入することにはなるが、驚くべきことに、純粋なリポ酸がより高い収率で得られる。驚くべきことに、抽出ステップを逆転させた場合(最初にpH4〜5で抽出し、続いてpH9〜10で精製した場合)、ジヒドロリポ酸の蒸留を行わないでもリポ酸結晶化物が高収率で得られることをさらに見いだした。この手順も、同様に、特に好ましい。
【0029】
好ましくは、本発明の方法は、中間体を単離することなく行われる。
【0030】
さらに好ましい実施形態では、本発明に係るプロセス時、メタノール中の硫化ナトリウム三水和物および硫黄を(2)または(4)に添加する。驚くべきことに、硫化ナトリウム三水和物および硫黄は、室温でメタノールに容易に溶解して、透明な容易に計量しうる液体をもたらす。したがって、本発明の方法は、有利には、「逆」に行うことができる。「逆」という用語は、本明細書においてメタノール中の硫化ナトリウム三水和物および硫黄からなる硫黄試薬が、好ましくは保護雰囲気下(たとえばN下)でメシレート(2)または(4)に直接添加されることを意味するものと理解される。この特に好ましい方法により、ジヒドロリポ酸の汚染が低減される。「逆」手順を用いると、さらに、リポ酸調製の収率が85%まで増加する。プロセス技術面で、逆手順にはさらに、あらかじめ調製したメシレートをもはや容器から取出す必要がないという利点をもたらす。硫黄の導入は、ワンポット反応として行うことができる。本発明の方法を実施する場合、収率および副生物の形成が添加方式に依存することは当業者には明らかである。たとえば、添加が速すぎても添加が遅すぎても、副生物の生成は増大する可能性がある。当業者であれば、使用する反応温度、体積、好ましい生成物特性、または混合方式によって、それぞれの添加速度および添加方式を調整することがわかる。
【0031】
好ましい実施形態では、本発明の方法に用いられる反応温度は、室温と還流点との間である。反応温度は、35℃と45℃との間が特に好ましい。最も好ましいのは、40℃の反応温度である。特定の反応条件下で反応温度を40℃にすると最大の収率が得られることを見いだした。たとえば、低すぎる温度では、完全な反応を行うことができない。当業者であれば、それぞれのプロセス条件に対して反応温度を調節することがわかる。
【0032】
特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、R−またはS−ジヒドロリポ酸の酸化を含むR−リポ酸またはS−リポ酸の調製に関する。ジヒドロリポ酸を調製した後、バッチを酸性化して(たとえば、pH<2にして)、有機溶媒(好ましくは、酢酸エチルまたはトルエン)で抽出すれば、ジヒドロリポ酸が高収率で得られる。このようにして得られたジヒドロリポ酸をリポ酸に酸化させて結晶化させると、非常に純粋なリポ酸が、高収率(GC>99.5%、ee HPLC(CSP)>99%(検出限界))で得られる。酸化は、たとえばFeCl/空気を用いて行い、結晶化は、好ましくはヘプタン/トルエン中で行うことができる(WO 00/08012)。
【0033】
ジヒドロリポ酸を精製するための以上に記載のプロセスステップを個別にかつ組み合わせて用いると、結晶化したリポ酸がより高い収率で得られる。個々のステップを組み合わせることが好ましく、上述のプロセスステップすべてを、特に実施例に記載の順序で、行うことがきわめて好ましい。
【0034】
また、本発明の方法には、化学的に純粋なR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸の調製が包含される。好ましくは、化学的に純粋なジヒドロリポ酸の調製も包含される。化学的に純粋なリポ酸または純粋なジヒドロリポ酸とは、化学的に、特にエナンチオマー的に純粋なリポ酸またはジヒドロリポ酸を意味するものと理解される。化学的に純粋なR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸およびR−リポ酸またはS−リポ酸とは、好ましくはエナンチオマー純度(好ましくは、EP 694 542に記載されている方法に従ってHPLC、CSPにより決定したee値)が70%、好ましくは80%、特に好ましくは90%、なかでも特に好ましくは95%、さらにより好ましくは97%または98%、最も好ましくは99%以上(すなわち、検出限界に位置する)である物質を意味するものと理解される。R−またはS−ジヒドロリポ酸の化学純度(GCまたはHPLC)に関して、80%よりも大きいかまたはそれに等しい、特に好ましくは90%よりも大きいかまたはそれに等しい、なかでも特に好ましくは95%または97%よりも大きいかまたはそれに等しい純度を有する物質が、特に望ましい。R−またはS−リポ酸の化学純度に関して、好ましくは99%超、特に好ましくは99.5%超、なかでも特に好ましくは99.9%超の純度を有する物質が、望ましい。これは、使用する方法の検出限界に対応する。
【0035】
本発明の方法には、R−リポ酸またはS−リポ酸を薬理学的に許容される塩または誘導体に変換するさらなる処理も包含される。さらに、本発明は、R−リポ酸またはS−リポ酸を本発明の方法により、リポ酸のエステルまたはアミドのような薬理学的に許容される誘導体に変換するさらなる処理に関する。このほか、本発明はまた、本発明に従って調製されたR−またはS−リポ酸をアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩のような薬理学的に許容される塩に変換するさらなる処理に関する。本発明の方法は、同様に、ビスノルリポ酸またはテトラノルリポ酸のような代謝産物およびそれらの塩、エステル、またはアミドの調製に関する。反応および他の誘導体については、DE 43 43 592、43 43 593、EP 812 590、WO 00/24734、WO 00/59899、WO 00/53601などの文献に開示されている。
【0036】
本発明はまた、本発明に係るプロセスステップのうちの1つと、
(g) 薬理学的または皮膚科学的に許容される形のR−ジヒドロリポ酸、S−ジヒドロリポ酸、R−リポ酸、またはS−リポ酸の配合、
とを含む、化粧品、医薬品または薬剤の製造方法に関する。
【0037】
リポ酸およびジヒドロリポ酸は、食料品分野で栄養補助食品として利用することもできる。また、ジヒドロリポ酸および/またはリポ酸の、化粧品における使用、医薬品または薬剤としての使用も可能である。R−リポ酸はインスリンに対する感受性を増大させるので、抗糖尿病剤として、さらにまた糖尿病による長期にわたる損傷の防止および軽減のために使用できることが知られている。さらに、インスリン抵抗性癌および聴力障害におけるグルコース代謝障害(たとえば、CNS)を治療するために、リポ酸もしくはジヒドロリポ酸または誘導体を利用することもできる。
【0038】
このほか、本発明は、硫化ナトリウム三水和物と硫黄とを含有し、硫黄がモル過剰で存在するメタノール溶液に関する。「メタノール」という用語は、本発明によれば、先に定義したようにメタノール性溶液を意味するものと理解される。メタノール性の混合物は、好ましくは、少なくとも等モル量のNaSおよびSを含有する。NaS・3HOおよび元素硫黄を室温でメタノールに溶解させることにより調製することのできる本発明に係る溶液には、先行技術と比較して、試薬が透明な容易に計量しうる溶液であるという顕著な利点がある。このため、「逆手順」が可能になり、初めて、硫黄試薬をメシレート(2)または(4)に添加できるようになった。これによりオリゴマー形成を低減させることができる。この溶液を使用することにより、たとえば40℃の低温(以前は65℃以上)で硫黄の導入を行うこともできる。本発明に係る溶液を使用すれば、あらかじめ調製したメシレートを容器中に保持することができるので、プロセス技術面における単純化がもたらされる。本発明に係る溶液のおかげて、硫黄の導入を「ワンポット反応」として行うことができる。
【0039】
特に好ましい実施形態では、本発明に係る溶液中の硫黄のモル過剰率は、硫化ナトリウム三水和物に対して5〜30%である。好ましい実施形態では、本発明に係る溶液は、反応混合物中のメシレート、硫化ナトリウム、および硫黄の比が先に述べたような値になるように利用される。
【0040】
さらなる実施形態では、本発明はまた、本発明に係る溶液を含有するキットに関する。溶液は、1つ以上の容器に充填することができる。本発明に係る溶液の構成成分、特に、二硫化ナトリウムは、好ましくはその三水和物、硫黄、およびメタノールまたはメタノール性溶液は、別々にまたはキットの1つの容器にまとめて充填することができる。キットは、本発明の方法を実施するために利用することができ、それを実施するための説明書を備えることができる。
【0041】
この説明の本文中には種々の文献が引用されている。文献(製造業者の指示書および説明書を含む)はいずれも、参照および記載により本明細書に組み入れられるものとする。しかしながら、このことは、記載の文献のそのそれぞれが実際に本発明の先行技術であることを意味するものではない。
【0042】
以下の実施例により本発明について具体的に説明するが、これらになんら限定されるものではない。
【0043】
実施例
実施例1 6,8− ビスメタンスルホニルオキシオクタノエートの合成
【化9】
Figure 2004514716
98g(0.50モル)の6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを室温で2リットル高級鋼容器中の1500mlのトルエンに導入した。バッチを0℃まで冷却し、173ml(1.25モル)のトリエチルアミンで処理した。143.2g(1.25モル)の塩化メタンスルホニルを0〜5℃の内部温度で2時間かけて滴下した。次に、バッチを25℃まで加温し、2時間攪拌した。
【0044】
トリエチルアミン塩酸塩を分離するために、300gの氷水を反応混合物に添加し、それを激しく5分間攪拌した。水相を分離し、トルエンで1回抽出した。
【0045】
合わせたトルエン相を完全脱イオン水で1回洗浄し、蒸発させた(圧力: 60〜30 mbar、ジャケット温度: 50℃、内部温度: <45℃)。粗製溶液を次の段階で直接利用する。
収量: 粗製溶液268.3g(転化率: 定量的)
【0046】
実施例2 硫黄の導入
【化10】
Figure 2004514716
0.5モルのビスメシレート溶液をメタノールで希釈し、40℃まで加温した。250mlのメタノールと、81.8g(0.65モル)のNaS・3HOと、24.0g(0.75モル)の硫黄とからなる溶液をN雰囲気下、40℃で4時間かけて滴下し、混合物をさらに3時間攪拌した。
【0047】
1000mlの完全脱イオン水を添加し、次いで0.65モルのボロール溶液を添加し、揮発性物質を留去し、そしてこの温度で混合物をさらに2時間攪拌する。
【0048】
バッチを100mlのトルエンで処理し、HSOを用いてpH9に調節する。トルエン相を分離し廃棄する。
【0049】
水相をトルエンで処理し、HSOを用いてpH4.5に調節する。相分離後、水相をトルエンで1回再抽出する。合わせたトルエン相を完全脱イオン水で洗浄し、次に、真空中で蒸発させる。
収量: 125.7g(ジオール1に対して96.6%)。
含有率(GC in stage): 78% R−ジヒドロリポ酸、1.8% R−リポ酸
【0050】
実施例3 リポ酸への酸化
【化11】
Figure 2004514716
125.5gのジヒドロリポ酸溶液を10リットル丸底フラスコ中の5リットルの完全脱イオン水に攪拌しながら添加し、希釈水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液をpH8.5に調節し、そして触媒量のFe(III)硫酸塩溶液で処理する。色が薄くなるまで、空気を導入する。600mlのトルエンを添加した後、HSOを用いて混合物をpH2に調節する。相を分離させ、水相をトルエンで1回抽出する。合わせたトルエン相を体積の約25%まで濃縮する。残渣を600mlのヘプタンで処理し、窒素下で攪拌し、次に、シリカゲルの充填されたフィルターに通す。フィルターをトルエン/ヘプタン混合液で洗浄する。
【0051】
合わせた濾液を室温で2リットル高級鋼容器に導入する。バッチを冷却し、次に、−10℃で攪拌する。黄色の結晶を濾別し、ヘプタンで洗浄し、恒量になるまで乾燥させる。
収率: ジオールに対して85.6%
含有率(GC in stage): 99.95%
ee値: >99%、S−エナンチオマーを検出することができなかった。
【0052】
このほか、母液中に8.2%のR−リポ酸を検出することが可能であった。
【0053】
実施例4
(a)(1→2): 170ml(1.25モル)のトリエチルアミンと、98g(0.5モル)の(6S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを含む溶液とを、1リットルのトルエンに導入する。混合物を冷却し、143g(1.25モル)の塩化メシルを添加する。トリエチルアンモニウム塩酸塩を除去した後、溶液を濃縮する。変換は定量的である。
【0054】
(b)(2→3): 151g(0.63モル)の硫化ナトリウムおよび24gの硫黄粉末をメタノール中で煮沸する。反応混合物を0.5モルのメシレートで処理する。それを完全脱イオン水で希釈する。14M水酸化ナトリウム溶液(ボロール溶液)中の12% NaBH溶液174g(0.55モル)と反応させた後、溶媒を留去する。バッチをpH1に調節してトルエンで抽出する。
収量: 105.1g(90%、ジオールに対して91%)。
【0055】
(c)(3→4): 105.1gのジヒドロリポ酸を10リットル丸底フラスコ中の5リットルの完全脱イオン水に攪拌しながら添加し、溶液をpH8.5に調節し、そして触媒量のFe(III)塩化物で処理する。変換が終了するまで空気を導入する。溶液をpH2に調節してトルエンで抽出する。相を分離させ、有機相を濃縮する。残渣を工業等級ヘプタンで処理し、5gのシリカゲルの充填されたフィルターに通す。
R−リポ酸は冷却に伴って結晶化する。これを窒素流で乾燥させる。
収量は65.9g(ジオールに対する理論量の64%)である。
GC含有率: >99.9%
ee含有率: >99%
【0056】
実施例5 蒸留の導入
(a)(1→2): 170ml(1.25モル)のトリエチルアミンと、98g(0.5モル)の(6S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを含む溶液とを、1リットルのトルエンに導入する。混合物を冷却し、143g(1.25モル)の塩化メシルを添加する。トリエチルアンモニウム塩酸塩を除去した後、溶液を濃縮する。変換は定量的である。
【0057】
(b)(2→3): 151g(0.63モル)の硫化ナトリウムおよび24gの硫黄粉末をメタノール中で煮沸する。反応混合物を0.5モルのメシレートで処理する。それを完全脱イオン水で希釈し、174g(0.55モル)のボロール溶液を添加し、そして溶媒を留去する。バッチをpH1に調節してトルエンで抽出する。有機相から溶媒を除去する。流下薄膜式蒸発器(1〜3mbar、200℃)を用いて残渣油を蒸留する。
収量: 95.3g(96%、ジオールに対して88%)。
【0058】
(c)(3→4): 95.3gの蒸留ジヒドロリポ酸を10リットル丸底フラスコ中の5リットルの完全脱イオン水に攪拌しながら添加し、溶液をpH8.5に調節し、そして触媒量のFe(III)塩化物で処理する。変換が終了するまで空気を導入する。溶液をpH2に調節してトルエンで抽出する。相を分離させ、有機相を濃縮する。残渣を工業等級ヘプタンで処理し、5gのシリカゲルの充填されたフィルターに通す。
R−リポ酸は冷却に伴って結晶化する。これを窒素流で乾燥させる。
収量は74.2g(ジオールに対する理論量の72%)である。
GC含有率: >99.9%
ee含有率: >99%
【0059】
実施例6 抽出 (pH9) および蒸留
(a)(1→2): 170ml(1.25モル)のトリエチルアミンと、98g(0.5モル)の(6S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを含む溶液とを、1リットルのトルエンに導入する。混合物を冷却し、143g(1.25モル)の塩化メシルを添加する。トリエチルアンモニウム塩酸塩を除去した後、溶液を濃縮する。変換は定量的である。
【0060】
(b)(2→3): 151g(0.63モル)の硫化ナトリウムおよび24gの硫黄粉末をメタノール中で煮沸する。反応混合物を0.5モルのメシレートで処理する。それを完全脱イオン水で希釈し、174g(0.55モル)のボロール溶液を添加する。硫酸を用いてバッチをpH9に調節してトルエンで抽出する。トルエン相を廃棄する。次に、バッチをpH1に調節してトルエンで抽出する。有機相から溶媒を除去する。流下薄膜式蒸発器(1〜3mbar、200℃)を用いて残渣油を蒸留する。
収量: 91.1g(95%、ジオールに対して85%)。
【0061】
(c)(3→4): 91.1gの蒸留ジヒドロリポ酸を10リットル丸底フラスコ中の5リットルの完全脱イオン水に攪拌しながら添加し、溶液をpH8.5に調節し、そして触媒量のFe(III)塩化物で処理する。変換が終了するまで空気を導入する。溶液をpH2に調節してトルエンで抽出する。相を分離させ、有機相を濃縮する。残渣を工業等級ヘプタンで処理し、5gのシリカゲルの充填されたフィルターに通す。R−リポ酸は冷却に伴って結晶化する。これを窒素流で乾燥させる。
収量は76.2g(ジオールに対する理論量の74%)である。
GC含有率: >99.9%
ee含有率: >99%
【0062】
実施例7 抽出 (pH9 pH4) および蒸留
(a)(1→2): 170ml(1.25モル)のトリエチルアミンと、98g(0.5モル)の(6S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを含む溶液とを、1リットルのトルエンに導入する。混合物を冷却し、143g(1.25モル)の塩化メシルを添加する。トリエチルアンモニウム塩酸塩を除去した後、溶液を濃縮する。変換は定量的である。
【0063】
(b)(2→3): 151g(0.63モル)の硫化ナトリウムおよび24gの硫黄粉末をメタノール中で煮沸する。反応混合物を0.5モルのメシレートで処理する。それを完全脱イオン水で希釈し、174g(0.55モル)のボロール溶液を添加する。硫酸を用いてバッチをpH9に調節してトルエンで抽出する。トルエン相を廃棄する。次に、バッチをpH4に調節してトルエンで抽出する。有機相から溶媒を除去する。流下薄膜式蒸発器(1〜3mbar、200℃)を用いて残渣油を蒸留する。
収量: 95.2g(97%、ジオールに対して88%)。
【0064】
(c)(3→4): 95.2gの蒸留ジヒドロリポ酸を10リットル丸底フラスコ中の5リットルの完全脱イオン水に攪拌しながら添加し、溶液をpH8.5に調節し、そして触媒量のFe(III)塩化物で処理する。変換が終了するまで空気を導入する。溶液をpH2に調節してトルエンで抽出する。相を分離させ、有機相を濃縮する。残渣を工業等級ヘプタンで処理し、5gのシリカゲルの充填されたフィルターに通す。
R−リポ酸は冷却に伴って結晶化する。これを窒素流で乾燥させる。
収量は77.2g(ジオールに対する理論量の75%)である。
GC含有率: >99.9%
ee含有率: >99%
【0065】
実施例8 抽出 (pH4 pH9)
(a)(1→2): 170ml(1.25モル)のトリエチルアミンと、98g(97%、0.5モル)の(6S)−6,8−ジヒドロキシオクタン酸メチルを含む溶液とを、1リットルのトルエンに導入する。混合物を冷却し、143g(1.25モル)の塩化メシルを添加する。トリエチルアンモニウム塩酸塩を除去した後、溶液を濃縮する。変換は定量的である。
【0066】
(b)(2→3): 151g(0.63モル)の硫化ナトリウムおよび24gの硫黄粉末をメタノール中で煮沸する。反応混合物を0.5モルのメシレートで処理する。それを完全脱イオン水で希釈し、174g(0.55モル)のボロール溶液を添加する。硫酸を用いてバッチをpH4に調節してトルエンで抽出する。水相を廃棄する。次に、バッチをpH9に調節してトルエンで抽出する。有機相を廃棄する。
【0067】
(c)(3→4): 得られた水溶液を攪拌しながら完全脱イオン水で5リットルにし、触媒量のFe(III)塩化物で処理する。変換が終了するまで空気を導入する。溶液をpH2に調節してトルエンで抽出する。相を分離させ、有機相を濃縮する。残渣を工業等級ヘプタンで処理し、5gのシリカゲルの充填されたフィルターに通す。
R−リポ酸は冷却に伴って結晶化する。これを窒素流で乾燥させる。
収量は、ジオールに対する理論量の73%である。
GC含有率: >99.9%
ee含有率: >99%
【0068】
実施例9 硫黄の導入
実施例1〜8に記載した方法に従って、構造要素(3)を含有する化合物のメシレートに硫黄を導入することもできる。
【0069】
次の表は、4員、5員、または6員の環を合成すべく本発明の方法により種々のジオールに良好な収率でジスルフィドを導入できることを示している。メシル化および硫黄の導入において、2,4−ペンタンジオールを用いた場合にも、同様に良好な変換が行われた。
【0070】
【表1】
Figure 2004514716

Claims (15)

  1. (a)
    Figure 2004514716
    〔式中、MSは、SO−R’であり、RおよびR’は、互いに独立して、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルアルキル、アリール、またはアラルキルである。〕またはその立体異性体と、
    メタノール中の硫化ナトリウムおよび硫黄との反応、
    を含むR−またはS−ジヒドロリポ酸の調製方法。
  2. 構造要素(3)
    Figure 2004514716
    を含有する化合物の調製方法であって、
    (a) (4)
    Figure 2004514716
    とメタノール中の硫化ナトリウム三水和物および硫黄との反応、
    を含む上記方法。
  3. 前記反応が硫化ナトリウム三水和物を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 硫黄が硫化ナトリウムに対してモル過剰で存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (b) 錯体水素化物との反応、
    (c) 9〜10のpHにおける有機溶媒によるR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸のプロトン性溶液の抽出、
    (d) 4〜5のpHにおけるプロトン性溶液からの有機溶媒によるR−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸の抽出、および
    (e) ジヒドロリポ酸の蒸留、
    からなる群より選択される少なくとも1つのさらなる後続プロセスステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. メタノール中の硫化ナトリウム三水和物および硫黄が(2)または(4)に添加される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 反応温度が室温と70℃との間である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 反応温度が35℃と45℃との間である、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のステップと、
    (f) それに続くR−またはS−ジヒドロリポ酸の酸化、
    とを含む、R−リポ酸またはS−リポ酸の調製方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を含み、R−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸が化学的に純粋である、R−ジヒドロリポ酸またはS−ジヒドロリポ酸の調製方法。
  11. R−リポ酸またはS−リポ酸を薬理学的に許容される塩または誘導体に変換するさらなる処理を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のステップのいずれかと、
    (g) 皮膚科学的または薬理学的に許容される形のR−ジヒドロリポ酸、S−ジヒドロリポ酸、R−リポ酸、またはS−リポ酸の配合、
    とを含む、化粧品、医薬品または薬剤の製造方法。
  13. 硫化ナトリウム三水和物と硫黄とを含有し、硫黄がモル過剰で存在するメタノール溶液。
  14. 硫化ナトリウム三水和物に対する硫黄のモル過剰率が5%と30%との間である、請求項12に記載の溶液。
  15. 請求項13または14に記載の溶液を含むキット。
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