JP2004513314A - トランスミッションに用いられる電動モータ式アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
本発明は、トランスミッションおよびトランスミッション操作装置、特にトランスミッション変速比変更を自動化するためのトランスミッション操作装置に関する。請求項1に記載の対象はトランスミッション操作装置に関する。この場合、電動モータはシフトドラムの内部に組み込まれており、これによりスペースが獲得される。請求項6および請求項18に記載の対象は、別の問題、すなわちシフトフォークを制御する際の高い変速比を保証するという問題に関するものである。この問題は請求項6の構成では「ハーモニックドライブ伝動装置」によって、請求項18に記載の構成では「ウォルフロム伝動装置(Wolfrom Getriebe)」によってそれぞれ解決される。
Description
【0001】
本発明は、内燃機関等の原動機を備えた原動機車両(Motorfahrzeug)の自動的なトランスミッションシステムのギヤ段シフト機構を制御するためのシフトアクチュエータおよび特に電動モータ式アクチュエータに関する。
【0002】
自動的なトランスミッションシステムのギヤ段シフト機構を制御するために使用される電動モータ式アクチュエータでは、通常、高い変速比を減少させるために、たとえば英国特許第2325036号明細書、同第2313885号明細書および同第2309761号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなウォーム・ウォーム歯車駆動機構が使用される。これにより電動モータの駆動は高い回転数でかつ比較的低いトルクにおいて、ギヤ段シフト機構を操作するために必要となる比較的高いトルクならびに低い回転数へ変換される。通常、このような機構の駆動比は40:1〜60:1のオーダにあることが望ましい。
【0003】
これまで使用されていたウォーム歯車駆動装置には次のような欠点がある。すなわち、ウォーム歯車駆動装置は比較的大きくかつ、原動機車両のための自動的なトランスミッションシステムにおいて存在する組込み制限に関して深刻な障害をもたらす。
【0004】
さらに、たとえば英国特許第2308874号明細書および英国特許第2311829号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなシフトドラムを備えたこのような電動モータ式アクチュエータの使用も、これに関連した特別な障害をもたらす。
【0005】
このようなトランスミッションはさらに、欧州特許第0654624号明細書に基づき公知である。欧州特許第0654624号明細書に記載のこのトランスミッションは駆動装置として電動モータを有しており、この電動モータはトランスミッションの外部に配置されていて、歯車段によってギヤ段チェンジのためのシフトドラムを駆動する。この所要構成スペースは、2つまたはそれ以上のこのようなシフトドラムによって、たとえばトランスミッションのクラッチをも操作したい場合には一層高められる。このような操作は、たとえばダブルクラッチ式トランスミッションまたは負荷感応式のパワーシフトクラッチを備えた負荷感応式トランスミッションの場合に有利となる。
【0006】
本発明の課題は、公知先行技術に比べて小さな所要構成スペースしか有しず、しかも簡単でかつ好都合に製造可能となるようなトランスミッションおよび操作装置を提供することである。
【0007】
本発明の有利な実施態様では、コンパクトな電動モータ式アクチュエータを提供するために、シフトドラムを備えた同心的な構造の高い変速比を有する駆動装置が使用される。
【0008】
本発明の1対象は、原動機車両のギヤ段セレクト機構を制御するための電動モータ式アクチュエータである。この場合、電動モータ式アクチュエータが固定エレメントを有しており、この固定エレメントにより当該アクチュエータが支持エレメントに対して組み付けられ得るようになっており、さらに電動モータ式アクチュエータがシフトドラムを有しており、該シフトドラムが、前記固定エレメントに対して相対的に回転するように組み付けられており、さらに電動モータ式アクチュエータが電動モータを有しており、該電動モータがシフトドラムの内部に同軸的に組み付けられており、該電動モータが、前記固定エレメントに対して相対回動不能に組み付けられたステータと、ロータとを有しており、該ロータが、シフトドラムと一緒に回転するようにハーモニックドライブ機構(Oberwellenantrieb)によってシフトドラムと駆動結合されており、該ハーモニックドライブ機構が、ロータと一緒に回転するように該ロータに組み付けられたウエーブジェネレータと、前記固定エレメントに対して相対回動不能に前記ウエーブジェネレータに対して同心的に組み付けられた環状のスプライン歯車(Keilzahnrad)と、前記ウエーブジェネレータと前記環状のスプライン歯車との間に配置されたフレキシブルなスプライン歯車とを有しており、該フレキシブルなスプライン歯車がシフトドラムと駆動結合されており、該フレキシブルなスプライン歯車が、前記環状のスプライン歯車よりも少ないスプライン歯(Keil)を有しており、前記ウエーブジェネレータが前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯と前記環状のスプライン歯車のスプライン歯とを、互いに所定の角度間隔を置いて配置された個所で噛み合わせるように前記ウエーブジェネレータが成形されており、該噛合い個所の間では前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯が前記環状のスプライン歯車のスプライン歯から分離されている。本発明の枠内で「ハーモニックドライブ機構」とは、たとえばドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書に基づき公知であり、かつ同ドイツ連邦共和国特許明細書において「波動歯車伝動装置(Wellengetriebeeinrichtung)」と呼ばれているようなハーモニックドライブである。さらに、有利には減速伝動装置、たとえば差動伝動装置、遊星歯車伝動装置またはこれに類するものを使用することができる。
【0009】
前で説明したアクチュエータでは、電動モータとハーモニックドライブ機構とが同軸的にシフトドラムの内部に配置されており、これによりコンパクトなアクチュエータが得られる。ハーモニックドライブ機構の駆動比は環状のスプライン歯車とフレキシブルなスプライン歯車との間のスプライン歯数の差に関連している:
すなわち、駆動比は
【0010】
【数1】
【0011】
式中
n=環状のスプライン歯車とフレキシブルなスプライン歯車との間のスプライン歯の歯数差;
N=フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯の歯数。
【0012】
この場合、負の値は、シフトドラムの回転がロータの回転方向とは逆の方向へ行われることを表している。
【0013】
駆動比は−40:1〜−60:1のオーダにあることが有利である。典型的な例では、環状のスプライン歯車が102枚のスプライン歯を有しており、フレキシブルなスプライン歯車が100枚のスプライン歯を有しており、これにより−50:1の駆動比が得られる。
【0014】
本発明の1実施態様では、本発明による電動モータ/シフトドラムアクチュエータが個々に形成されているので、このアクチュエータは、ギヤ段セレクト機構を操作するために、適当な位置で、たとえばトランスミッションハウジングに固定され得る。しかし、特に、同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書(これらの英国特許出願明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなダブルクラッチ式トランスミッションシステムで使用するためには、ダブルシフトドラムアクチュエータを準備することが有利である。さらに、本発明のシフトドラムアクチュエータは有利には原動機車両のトランスミッションハウジング内に配置されていてよい。
【0015】
本発明の別の対象は、原動機車両のクラッチ機構、ギヤ段セレクト機構またはブレーキを制御するための電動モータ式アクチュエータである。この場合、該電動モータ式アクチュエータが電動モータと、該電動モータの出力軸と、遊星歯車駆動機構とを有しており、該遊星歯車駆動機構が、電動モータの出力軸に該出力軸と一緒に回転するように固定された太陽歯車(サンギヤ)と、電動モータの出力軸に対して同軸的に回転するように組み付けられた環状の遊星キャリヤと、該遊星キャリヤに対して対称的に所定の角度間隔を置いて配置された状態で組み付けられた一連の遊星歯車(プラネタリギヤ)とを有しており、該遊星歯車が第1の内歯車(インターナルギヤ)と第2の内歯車とに噛み合っており、しかも一方の内歯車が定位置に固定されており、他方の内歯車が出力エレメントに形成されており、該出力エレメントが出力軸に対して同軸的に回転するように取り付けられており、所要の駆動比を提供するために、第1の内歯車に設けられた歯の歯数が、第2の内歯車に設けられた歯の歯数とは異なっている。
【0016】
本発明の有利な実施態様では、各遊星歯車が二重ピニオンもしくはダブルピニオンの形を有していて、各遊星歯車が一次ピニオンと二次ピニオンとを規定しており、一次ピニオンが太陽歯車と第1の内歯車とに噛み合っており、二次ピニオンが第2の内歯車に噛み合っている。この実施態様の別の構成では、一次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っている。上で説明した駆動機構では、駆動比が:
【0017】
【数2】
【0018】
であり、ただし式中;
N1=定位置の内歯車に設けられた歯の歯数;
N2=第2の内歯車に設けられた歯の歯数;
N3=遊星歯車の二次ピニオンに設けられた歯の歯数;
N4=遊星歯車の一次ピニオンに設けられた歯の歯数;
N5=太陽歯車に設けられた歯の歯数;
であり、しかも
N1=N3+N4+N5;
N2=2N4+N5
である。
【0019】
したがって、値N3、N4およびN5は、所要の駆動比、つまり一般には40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択されなければならない。太陽歯車と、遊星歯車の一次ピニオンおよび二次ピニオンとがほぼ同じ大きさを有しているので、N3とN4との間に10%の歯数が存在する場合には、50:1のオーダの駆動比が得られる。
【0020】
この実施態様の択一的な別の構成では、一次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っている。この駆動機構では、駆動比が;
【0021】
【数3】
【0022】
であり、ただし;
N1=2N3+N5;
N2=N3+N4+N5
である。
【0023】
したがって、値N3、N4およびN5はやはり、所要の駆動比、つまり一般に40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択されなければならない。
【0024】
本発明のさらに別の実施態様では、遊星歯車が個々のピニオンであり、該ピニオンが、第1の内歯車および第2の内歯車の軸線に対して斜めに延びる軸線に沿って組み付けられているので、遊星歯車は一方の端部では、歯数の少ない方の内歯車と小径部分で噛み合っており、他方の端部では、歯数の多い方の内歯車と大径部分で噛み合っている。
【0025】
この実施態様では、駆動比が;
【0026】
【数4】
【0027】
であり、ただし式中;
N1=定位置の内歯車に設けられた歯の歯数;
N2=第2の内歯車に設けられた歯の歯数;
N5=太陽歯車に設けられた歯の歯数;
である。
【0028】
前で説明した実施態様の場合と同様に、値N1、N2およびN3は、所要の駆動比、つまり一般には40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択され得る。
【0029】
本発明において使用される駆動装置は、特にたとえば英国特許第2308874号明細書および同第2311829号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなシフトドラムと一緒に使用するために有利である。この場合、電動モータと駆動機構とはシフトドラムの内部に同軸的に組み付けられていてよい。前で説明した駆動機構は択一的にはリニア式のアクチュエータ、たとえばボール循環型スピンドルアクチュエータまたはラック機構と一緒に使用され得る。
【0030】
このことは請求項1に記載の構成により解決される。本発明の有利な構成は、従属項形式で記載の各請求項に記載されている。
【0031】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0032】
図1には、本発明による電動モータ式アクチュエータで使用されるハーモニックドライブ機構10が示されている。図1に示したように、このハーモニックドライブ機構10はウェーブジェネレータ12を有しており、このウェーブジェネレータ12は電動モータの出力軸14に組み付けられている。この場合、ウェーブジェネレータ12は出力軸14と一緒に回転するように出力軸14とスプライン結合されている。ウェーブジェネレータ12は楕円形の形状を有しており、この楕円形のウェーブジェネレータ12の外周面には、肉薄でフレキシブルな、一貫して延びるローラ軸受け18が配置されている。
【0033】
ローラ軸受け18の外レースには、フレキシブルなスプライン歯車(「フレクスプライン」とも呼ばれる)20が組み付けられている。この場合、フレキシブルなスプライン歯車20は薄くてフレキシブルなエンドレスベルトを有しており、このエンドレスベルトの外側の表面には軸方向に延びる複数のスプライン歯22が設けられている。
【0034】
ウェーブジェネレータ12とフレキシブルなスプライン歯車20とから成る装置に対して同心的に、環状のスプライン歯車(「サーキュラスプライン」とも呼ばれる)24が回転不能に組み付けられている。この環状のスプライン歯車24の内周面は軸方向に延びる一列の複数のスプライン歯26を有している。環状のスプライン歯車24は、楕円形のウェーブジェネレータ12とローラ軸受け18とフレキシブルなスプライン歯車20とから成る楕円形の装置の長軸(主軸)に等しい内径を有しているので、フレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22は、ウェーブジェネレータ12の長軸に沿って直径方向で互いに向かい合って位置する位置で環状のスプライン歯車24のスプライン歯26と噛み合っている。
【0035】
ウェーブジェネレータ12の短軸(副軸)は、フレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22が、ウェーブジェネレータ12の短軸の部分で環状のスプライン歯車24のスプライン歯26から半径方向で分離されるように形成されている。
【0036】
環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26はフレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22に対して対応する形状を有しており、この場合、フレキシブルなスプライン歯車20には、環状のスプライン歯車24のスプライン歯26よりも少ない枚数のスプライン歯22が設けられている。
【0037】
出力軸14の回転時では、ウェーブジェネレータ12が回転駆動されるので、フレキシブルなスプライン歯車20が環状のスプライン歯車24と噛み合っている噛合い点は、環状のスプライン歯車24を巡るように運動する。スプライン歯22の枚数とスプライン歯26の枚数とが互いに異なっていることに基づき、両スプライン歯22,26の間の噛合いにより、接触点が環状のスプライン歯車24を巡るように運動する間、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対して相対的に逆方向へ運動するようになる。
【0038】
たとえば図2a〜図2dに示したようにウェーブジェネレータ12が時計回り方向に回転される場合につき説明すると、ウェーブジェネレータ12が図2bに示したように90゜だけ回転した場合に、フレキシブルなスプライン歯車20は、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22と環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26との歯数差の1/4に相当する分だけ逆時計回りの方向に運動している。たとえば環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26の歯数が102枚で、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22の歯数が100枚である場合に、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯1/2枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。図2cに示したように、同様にウェーブジェネレータ12が180゜だけ回転した後では、フレキシブルなスプライン歯車20が環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯1枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。そして図2dに示したように、ウェーブジェネレータ12が360゜だけ回転した後では、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯2枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。
【0039】
したがって、上で説明したハーモニックドライブ機構10は以下の駆動比を有している;
【0040】
【数5】
【0041】
式中、n=スプライン歯22とスプライン歯26との歯数差
N=フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22の歯数。
【0042】
すなわち、上で説明した例で云えば、駆動比は−50:1である。この場合、負の値は、駆動が逆転されていることを表している。すなわち、時計回り方向での電動モータ16の50回転当たり、フレキシブルなスプライン歯車20が逆時計回りの方向で1回転だけ回転するわけである。
【0043】
図3に示したように、コンタクトフリーの電動モータ16が円筒状のモータハウジング32内に組み付けられている。モータハウジング32の一方の端部には、半径方向外側へ向けられたフランジ構造体34が形成されており、このフランジ構造体34を介してモータハウジング32は、適当な手段、たとえばねじ締結によって、たとえばトランスミッションハウジングに固定される。
【0044】
モータハウジング32の他方の端部36では、モータハウジング32に対して同軸的に、電動モータ16の出力軸14が延びている。モータハウジング32には、ローラ軸受け46によってシフトドラム(Schalttrommel)40が組み付けられている。
【0045】
出力軸14には、電動モータ16と、シフトドラム40の閉じられた端部44との間で楕円形のウェーブジェネレータ12が組み付けられている。このウェーブジェネレータ12にはローラ軸受け18が組み付けられており、このローラ軸受け18にはフレキシブルなスプライン歯車20が組み付けられている。フレキシブルなスプライン歯車20はカップ形に形成されており、このカップ形のスプライン歯車20のフレキシブルな環状の部分50はその外周面に軸方向の複数のスプライン歯22を備えている。この場合、環状の部分50はローラ軸受け18に組み付けられている。フレキシブルなスプライン歯車20はさらにハブ構造体52を備えており、このハブ構造体52はシフトドラム40の閉じられた端部44に、ねじまたはこれに類するものによって固定されている。さらに、出力軸14に対して同軸的にフレキシブルな円筒状のウェブ部分54が延びており、このウェブ部分54はフレキシブルなスプライン歯車20の環状の部分50とハブ構造体52とを互いに結合している。
【0046】
ウェーブジェネレータ12と、このウェーブジェネレータ12に組み付けられたフレキシブルなスプライン歯車20の環状の部分50とに対して同心的に、定定位置の環状のスプライン歯車24がモータハウジング32と一体に形成されている。択一的には、別体の環状のスプライン歯車24が適当な形式でモータハウジング32に固定されていてもよい。環状のスプライン歯車24はその内周面に複数のスプライン歯26を有している。
【0047】
図3に示した電動モータ式シフトドラムアクチュエータを用いると、電動モータ16が励起された場合に、出力軸14の回転によってフレキシブルなスプライン歯車20と、このフレキシブルなスプライン歯車20に取り付けられたシフトドラム40とが互いに逆方向に駆動され、この場合、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22と、定位置の環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26との歯数差に関連した駆動比は、一般に−40:1〜−60:1である。
【0048】
図4に示したダブルシフトドラムアクチュエータでは、第1のシフトドラム200と第2のシフトドラム202とが回転可能に互いに同軸的に1つの軸204に組み付けられている。軸204の一方の端部はピン構造体206内に組み付けられており、このピン構造体206はトランスミッションハウジング208に設けられている。軸204の他方の端部はクラッチハウジング210にナット212,214によって固定されている。両シフトドラム200,202の外側の端部は閉じられていて、シールされたローラ軸受け216によって軸204に組み付けられている。両シフトドラム200,202の内側の端部は、それぞれローラ軸受け220によって環状のエレメント218に組み付けられており、この環状のエレメント218は軸204の中央部に回転しないように固定されている。両シフトドラム200,202の内径部分と環状のエレメント218の外径部分との間には、シール部材222が設けられている。
【0049】
軸204には、2つの永久磁石式の電動モータ230が組み付けられており、この場合、これらの電動モータ230はシフトドラム200,202の内部に同軸的にかつシフトドラム200,202の閉じられた外側の端部に並んで配置されている。電動モータ230は、軸204に回転しないように組み付けられた環状のステータ232と、このステータ232に、シールされたローラ軸受け236によって回転するように組み付けられたロータ234とを有している。このロータ234の内側の端部には、楕円形のウェーブジェネレータ238がこのロータ234と一緒に回転するように固定されている。
【0050】
ウェーブジェネレータ238の外周面に組み付けられたローラ軸受け242と、環状のエレメント218の内径部分との間では、各電動モータ230に対して同軸的にフレキシブルなスプライン歯車240が組み付けられている。このフレキシブルなスプライン歯車240の外周面と環状のエレメント218の内径部分とは、それぞれ複数のスプライン歯を備えており、これらのスプライン歯はウェーブジェネレータ238の長軸上で互いに噛み合っている。フレキシブルなスプライン歯車240は環状のエレメント218よりも少ないスプライン歯を有している。
【0051】
フレキシブルなスプライン歯車240はフレキシブルなウェブ部分244を有している。このウェブ部分244は電動モータ230に対して同軸的にシフトドラム200,202の閉じられた端部に向かって延びていて、端部にハブ構造体246を有している。このハブ構造体246は半径方向内側へ向けられたフランジ構造体248と、減じられた直径を有する円筒状の部分250とによって規定されている。この円筒状の部分250はフランジ構造体248の内周面からシフトドラム200,202の閉じられた端部へ向かって延びている。ハブ構造体246の円筒状の部分250の外径部分とシフトドラム200,202の内径部分との間には、エラストマ製のブシュ252が圧縮下に組み付けられており、これによりフレキシブルなスプライン歯車240はシフトドラム200,202と軸方向および半径方向の弾性を持って駆動結合される。
【0052】
軸204には、軸方向の溝254が設けられており、この溝254は電動モータ230への電気的な接続のための線路として働くと同時に、軸204と環状のエレメント218とステータ232との相対的な回動を阻止するスプラインとしても働くことができる。
【0053】
各シフトドラム200,202には、シフトドラム200,202の角度運動を測定するための位置センサ256が設けられている。
【0054】
図4につき説明したアクチュエータにおいて電動モータ230が励起されると、ウェーブジェネレータ238の回転により、フレキシブルなスプライン歯車240のスプライン歯と環状のエレメント218のスプライン歯とが互いに噛み合っている噛合い点が円を描いて運動するようになる。このことは、フレキシブルなスプライン歯車240のスプライン歯と、環状のエレメント218のスプライン歯との歯数差に基づき、フレキシブルなスプライン歯車240の回転を生ぜしめ、これによりシフトドラム200,202が駆動される。
【0055】
図4につき説明したダブルシフトドラム配置は、特に同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書に開示されているような形式のダブルクラッチ式トランスミッションシステムのために適している。この場合、たとえば一方のシフトドラム200は、ギヤ段R、1、3、5を一方のクラッチと一緒に制御するように配置されていてよく、他方のシフトドラム202は、ギヤ段2、4、6を他方のクラッチと一緒に制御するように配置されていてよい。
【0056】
図5に示した実施例では、電動モータ310がモータフランジ312を有しており、このモータフランジ312は3つの孔314を備えている。これらの孔314は突起316に配置されており、これらの突起316は互いに所定の角度間隔を置いて配置されている。これらの孔314によって、電動モータ310を、たとえば原動機車両(Motorfahrzeug)のトランスミッションハウジングとねじ締結することができる。モータフランジ312を貫いて、電動モータ310の出力軸318が延びている。
【0057】
電動モータ310の出力軸318には、この出力軸318と一緒に回転するように太陽歯車(サンギヤ)320が固定されている。この太陽歯車320はN5枚の歯を有している。
【0058】
出力軸318に対して同軸的に遊星キャリヤ322が配置されており、この場合、遊星キャリヤ322は軸方向で太陽歯車320とモータフランジ312の外面との間に配置されている。遊星キャリヤ322には、3つの遊星歯車(プラネタリギヤ)324が回転可能に取り付けられている。この場合、これらの遊星歯車324は遊星キャリヤ322を中心にして互いに等角度の間隔を置いて配置されている。各遊星歯車324はダブルピニオンを有しており、このダブルピニオンは、太陽歯車320と噛み合った一次ピニオン326と、二次ピニオン328とを備えている。一次ピニオン326と二次ピニオン328とは互いに対して相対的に回転可能に取り付けられている。一次ピニオン326はN4枚の歯を有しており、二次ピニオン328はN3枚の歯を有している。
【0059】
二次ピニオン328は定位置のインターナルギヤもしくは内歯車330と噛み合っており、この内歯車330は環状のフランジ332に形成されている。このフランジ332はモータフランジ312の外面から出力軸318に対して同軸的にかつ半径方向で遊星キャリヤ322から外方へ向かって延びている。定位置の内歯車330はN1枚の歯を有しており、N1はN3+N4+N5に等しい。
【0060】
一次ピニオン326はインターナルギヤもしくは内歯車334に噛み合っている。この内歯車334は出力エレメント336に形成される。この出力エレメント336は出力軸318に対して同軸的に回転するように組み付けられている。内歯車334はN2枚の歯を有しており、N2は2×N4+N5に等しい。前で説明した伝動機構のための駆動比iは:
【0061】
【数6】
【0062】
である。
【0063】
N3、N4およびN5のための値は、有利には40:1〜60:1のオーダにある適当な変速比が得られるように設定されている。次の表1に記載したように、太陽歯車320と一次ピニオン326および二次ピニオン328とが同じ大きさを有していて、一次ピニオン326の歯数と二次ピニオン328の歯数とが約10%だけ互いに異なっている場合に、50:1のオーダの駆動比を達成することができる。太陽歯車320の大きさを変えることにより、駆動比に対して僅かな作用を及ぼすことができる。しかし、一次ピニオン326の歯数と二次ピニオン328の歯数との差の増減は、太陽歯車320における歯数を比較的大きく変えることによって補償することができる。
【0064】
【表1】
【0065】
図6に示した択一的な別の駆動機構では、一次ピニオン326が定位置の内歯車330と噛み合っており、二次ピニオン328が出力エレメント336に形成された内歯車334と噛み合っている。
【0066】
この伝動機構のための駆動比iは:
【0067】
【数7】
【0068】
である。
【0069】
N3、N4およびN5のための値はやはり、有利には40:1〜60:1のオーダにある適当な変速比が提供されるように設定される。次の表2に例が挙げられている:
【0070】
【表2】
【0071】
図7には、前で説明した駆動機構が使用される原動機車両のギヤ段シフト機構のためのシフトドラム装置が示されている。電動モータ310は円筒状のハウジング340内に組み付けられており、この場合、電動モータ310は内側のフランジ342に固定されている。この内側のフランジ342はハウジング340の一方の端部344に並んで配置されている。ハウジング340の他方の端部には、外側のフランジ345が設けられており、この外側のフランジ345は、たとえばトランスミッションハウジングに固定されるように形成されている。ハウジング340の一方の端部344には、定位置の内歯車330が設けられている。
【0072】
電動モータ310の出力軸318には、太陽歯車320が組み付けられている。
【0073】
出力軸318に対して同軸的に、かつ軸方向で太陽歯車320と内側フランジ構造体342との間には、遊星キャリヤ322が配置されている。遊星キャリヤ322には、3つの遊星歯車324が回転可能に組み付けられており、この場合、遊星歯車324の一次ピニオン326は太陽歯車320と内歯車334とに噛み合っている。この内歯車334はシフトドラム350の内径部分に形成されている。遊星歯車324の二次ピニオン328は定位置の内歯車330に噛み合っており、この内歯車330はハウジング340の内径部分にハウジング340の端部344に並んで形成されている。
【0074】
シフトドラム350はローラ軸受け352によって、円筒状のハウジング340の外径部分に回転可能に取り付けられている。シフトドラム350の、ハウジング340のフランジ345から遠い方の端部は閉じられており、この場合、シフトドラム350の閉じられた端部は電動モータ310の出力軸318に回転可能にローラ軸受け354によって取り付けられている。
【0075】
電動モータ310が出力軸318を駆動すると、太陽歯車320は遊星歯車324を駆動するので、遊星歯車324は定位置の内歯車330を巡って転動する。内歯車334における一次ピニオン326の噛合いによってシフトドラム350が回転させられる。この場合、駆動比は通常、40:1〜60:1のオーダにある。
【0076】
図8に示したリニア式の駆動装置は一般に、英国特許第2325036号明細書、同第2313885号明細書および同第2309761号明細書に開示されているようなハイドロリックマスタシリンダのピストンの運動を制御するために使用され得る。これにより、クラッチスレーブシリンダには、クラッチの締結・解放を制御するためのハイドロリック圧が供給される。択一的な構成としては、このような形式のリニア式のアクチュエータをクラッチの締結・解放を制御するために使用するか、または適当な機械的な結合機構またはケーブル駆動装置を介して変速比を選択するために使用することができる。
【0077】
図8に示したリニア式のアクチュエータでは、遊星歯車駆動機構(Umlaufantriebsmechanism)の出力エレメント336がローラ軸受け362によって環状のフランジ332に回転可能に組み付けられていて、さらにローラ軸受け364によって出力軸318に回転可能に組み付けられている。
【0078】
出力エレメント336の、電動モータ310から遠い方の端部366は、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の内側ねじ山部分を規定している。この端部もしくは内側ねじ山部分366に対して同軸的に、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370が組み付けられていて、ねじ山構造体を形成している。このねじ山構造体は内側ねじ山部分366と外側ねじ山部分370とによって規定されており、この場合、両ねじ山部分366,370の間には、一連のボール372が配置されている。ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370はプランジャピストン構造体374を有しており、このプランジャピストン構造体374はハウジング378の端壁376を貫いて延びており、この場合、プランジャピストン構造体374はハウジング378に対して軸方向で運動可能であるが、ただしハウジング378に対する回転運動に関しては制限されている。ハイドロリックマスタシリンダのピストンに直接にまたは間接的に接続されていてよいプランジャピストン構造体374は、出力エレメント336が電動モータ310によって駆動されると、出力エレメント336の回転によって軸方向に運動させられる。
【0079】
出力エレメント336とボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370との間では、補償ばね380が作用しており、この補償ばね380は外側ねじ山部分370をハウジング378の端壁376へ向かって押圧している。したがって、補償ばね380は、クラッチばねにより加えられる荷重に抗して動作する。補償ばね380は通常では、クラッチが完全に締結されていて、かつボール循環型スピンドルアクチュエータ368がハウジング378の閉じられた端部から離れる方向での運動の限界に位置している場合に、この補償ばね380が押し合わされるように配置されている。したがって、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368がクラッチ解放のために駆動されると、補償ばね380により加えられる荷重は電動モータ310をアシストする。こうして、補償ばね380が必要とされない場合に比べて小型の電動モータ310を使用することができる。
【0080】
図9には、図8に示したアクチュエータに類似したラック式駆動アクチュエータが示されている。この場合、出力エレメント336はピニオン390を規定しており、このピニオン390は、ハウジング394内に直交する方向に延びているラック392と噛み合っている。
【0081】
図10に示したダブルシフトドラム配置では、第1のシフトドラム400が一方の端部では閉じられていて、第1の円筒状のモータハウジング402にこのモータハウジング402に対して同軸的にローラ軸受け404によって回転可能に取り付けられている。第1のシフトドラム400の内径部分と、第1のモータハウジング402の外径部分との間には、第1のシフトドラム400の開いた端部に並んでシール部材406が設けられている。
【0082】
第1のシフトドラム400と同様の形式で第2のシフトドラム410が第2の円筒状のモータハウジング412に回転可能に組み付けられている。
【0083】
第1のモータハウジング402と第2の円筒状のモータハウジング412とは、両モータハウジング402,412が互いに同軸的に配置されていて、一方のモータハウジングがたとえばトランスミッションハウジング420に、他方のモータハウジングがたとえばクラッチハウジング422にそれぞれ取り付けられるように形成されているので、このダブルシフトドラム装置は、両ハウジングの間に規定された伝動装置ハウジングの内部に位置している。
【0084】
両シフトドラム400,410の互いに隣接した閉じられた端部は、スリーブ424もしくはピン426を備えており、この場合、第1のシフトドラム400と第2のシフトドラム410とが互いに同軸的に嵌め合わされると、ピン426がスリーブ424内に係合する。この場合、ピン426とスリーブ424との間にはローラ軸受け428が設けられている。第1のシフトドラム400と第2のシフトドラム410との互いに隣接した端面の間にも、軸方向のローラ軸受け429が設けられている。
【0085】
電動モータ430はモータハウジング402,412内に、モータハウジング402,412に対して同軸的に組み付けられている。各電動モータ430は出力軸432を有しており、この出力軸432には、この出力軸432と一緒に回転するように太陽歯車434が装着されている。各出力軸432は遊星キャリヤ436によって取り囲まれており、この遊星キャリヤ436は3つの遊星歯車438を保持している。この場合、これらの遊星歯車438は遊星キャリヤ436を巡って均一な間隔を置いて配置されている。遊星歯車438はダブルピニオンの形を有しており、一次ピニオン440と二次ピニオン442とを備えている。この場合、一次ピニオン440と二次ピニオン442とは、互いに異なる歯数を有している。
【0086】
遊星歯車438の一次ピニオン440は太陽歯車434と定位置の内歯車444とに噛み合っている。この内歯車444はモータハウジング402,412の内径部分に形成されている。遊星歯車438の二次ピニオン442は、出力リングギヤ448に形成された内歯車446に噛み合っている。
【0087】
出力リングギヤ448はシフトドラム400,410に弾性的なブシュ450によって駆動結合されている。このブシュ450は半径方向で圧縮されて、出力リングギヤ448と、対応するシフトドラム400,410との間に配置されている。したがって、弾性的なブシュ450により、シフトドラム400,410と遊星歯車式駆動機構との間の半径方向の弾性が生ぜしめられる。
【0088】
出力リングギヤ448と、対応するモータハウジング402,412の端部との間には、スラスト軸受け452が設けられている。このスラスト軸受け452を軸方向で負荷するために、シフトドラム400の閉じられた端部と、対応する出力リングギヤ448との間では圧縮ばね454が作用している。
【0089】
上で説明したダブルシフトドラム装置はコンパクトな装置を提供する。このような装置は原動機車両のトランスミッションハウジングとクラッチハウジングとの間でトランスミッション内に配置され得る。電動モータおよび駆動機構はシール部材406によってトランスミッションオイルからシールされている。
【0090】
さらに、モータハウジング402,412とシフトドラム400,410との間では、ダブルシフトドラム機構に角度運動を測定するための位置センサが配置されていてよい。
【0091】
図11に示したダブルシフトドラムアクチュエータでは、第1のシフトドラム500と第2のシフトドラム502とが互いに同軸的に軸504に回転可能に組み付けられている。軸504の一方の端部はピン構造体506内に組み付けられており、このピン構造体506はトランスミッションハウジング508に設けられている。軸504の他方の端部はナット512,514によってクラッチハウジング510に取り付けられている。シフトドラム500,502の外側の端部は閉じられていて、軸504に、シールされたローラ軸受け516によって組み付けられている。シフトドラム500,502の内側の端部はローラ軸受け520によって環状のエレメント518に組み付けられており、この環状のエレメント518は軸504の中央部に回転しないように固定されている。この場合、シフトドラム500,502の内径部分と、環状のエレメント518の外径部分との間には、シール部材522が設けられている。
【0092】
軸504には、永久磁石式の電動モータ530が組み付けられており、この場合、これらの電動モータ530はシフトドラム500,502の内部で、シフトドラム500,502の外側の端部に対して同軸的にかつこの外側の端部に並んで配置されている。電動モータ530は、軸504に回転しないように組み付けられた環状のステータ532と、ロータ534とを有しており、このロータ534はシールされたローラ軸受け536によってステータ532に回転するように組み付けられている。ロータ534の内側の端部には、このロータ534と一緒に回転するように環状の太陽歯車538が取り付けられている。
【0093】
各太陽歯車538に対して同軸的に遊星キャリヤ540が組み付けられている。この場合、各遊星キャリヤ540は4つの遊星歯車542を保持しており、これらの遊星歯車542は遊星キャリヤ540を巡って均一な間隔を置いて配置されている。遊星歯車542の軸線は軸504の軸線に対して傾けられているので、遊星キャリヤ540は軸504を中心にして回転する。この場合、遊星歯車542の外側の端部は内側の端部よりも大きな直径を描いて公転する。太陽歯車538に設けられた歯は遊星歯車542の歯と同様に傾けられていて、遊星歯車542に噛み合っている。
【0094】
遊星歯車542は、環状のエレメント518の内径部分に形成された内歯車544と、出力リングギヤ548により規定された内歯車546とにも噛み合っており、この場合、内歯車544,546に設けられた歯は遊星歯車542の歯と同様に傾けられている。内歯車544,546は軸方向で間隔を置いて配置されているので、遊星歯車542が内歯車544と噛み合っている部分の直径は遊星歯車542が内歯車546と噛み合っている部分の直径よりも小さくなる。この場合、内歯車544は内歯車546よりも少ない歯数を有している。出力リングギヤ548は弾性的なブシュ550によってシフトドラム500,502と駆動結合されている。弾性的なブシュ550はシフトドラム500,502の内径部分と、出力リングギヤ548の外径部分との間に圧縮下に組み付けられており、これによりこの駆動機構に弾性が提供される。
【0095】
軸504には軸方向の溝552が設けられている。この溝552は電動モータ530への電気的な接続のための線路として働くと同時に、軸504と環状のエレメント518とステータ532との回転を阻止するスプラインとしても働くことができる。
【0096】
前で説明した実施例の場合と同様に、さらにシフトドラム500,502の角度運動を測定するために、このダブルシフトドラム機構に位置センサが設けられていてよい。
【0097】
図11につき説明したアクチュエータにおいて電動モータ530が励起されると、太陽歯車538の回転により、遊星歯車542が定位置の内歯車544を巡って転動するようになる。このことは、内歯車544と内歯車546との歯数差に基づき、出力リングギヤの回転を生ぜしめ、ひいては出力リングギヤに固定されたシフトドラム500,502の回転を生ぜしめる。
【0098】
この駆動機構の駆動比は以下の通りである:
駆動比
【0099】
【数8】
【0100】
式中、N1=定位置の内歯車544の歯数;
N2=出力リングギヤ548に設けられた内歯車546の歯数;
N5=太陽歯車538に設けられた歯数。
【0101】
典型的な例では、定位置の内歯車544に設けられた歯数N1が60に等しく、出力リングギヤ548に設けられた内歯車546の歯数N2が65に等しく、太陽歯車538に設けられた歯数N5が20に等しい。これにより、52:1の駆動比が得られる。
【0102】
図10および図11につき説明したダブルシフトドラム装置は特に、同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書に開示されているような形式のダブルクラッチ式トランスミッションシステムのために適している。上記両英国特許出願明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする。この場合、たとえばシフトドラム500は、一方のクラッチと一緒にギヤ段1、3、5、Rのシフトを制御するように配置されていてよく、シフトドラム510は、他方のクラッチと一緒にギヤ段2、4、6のシフトを制御するように配置されていてよい。
【0103】
本発明の枠から逸脱することなしに種々の改良を実施することができる。たとえば、図8につき説明したボール循環型スピンドルアクチュエータに関して云えば、駆動機構の出力エレメントがボール循環型スピンドルの内側ねじ山部分ではなく外側ねじ山部分により規定されていてもよい。
【0104】
図12に示したシフトドラム601は、少なくとも部分的に切欠き604内に配置された駆動モータ602、たとえば電動モータと、少なくとも部分的に切欠き604内に収容された減速伝動装置603とを有している。シフトドラムに設けられた切欠き604は、シフトドラム601を少なくともその軸方向延在長さの一部にわたって中空円筒状に形成することによってシフトドラム601によって形成される。このシフトドラムは少なくとも軸方向延在長さのこの部分において、円筒状周壁605から成っており、この円筒状周壁605は溝606および/または突出部を有している。この溝606および/または突出部は、トランスミッションエレメントと作用結合しており、これによりシフトドラム601がその回転軸線を中心にして回転すると、トランスミッションのエレメントまたはクラッチのエレメントが操作される。
【0105】
円筒状周壁605の端範囲では、シフトドラム601が、半径方向内側へ向けられたネック部607を有している。このネック部607は軸受け608を収容するために働く。この場合、軸受け608はネック部607に設けられた中心の開口609内に導入されている。軸受け608はラジアル軸受けとしても、スラスト軸受けとしても働く。
【0106】
駆動モータ602の構成部分の一部、たとえば駆動モータ602のハウジング602aは、トランスミッション610の構成部分、たとえば車両トランスミッションのハウジングと相対回動不能に取り付けられている。このためには、シフトドラム601のネック部607の開口609を貫いて部分602bが突出している。この突出した部分602bによって、駆動モータ602はトランスミッションのハウジングと固定される。
【0107】
駆動モータがトランスミッションハウジングまたは一般にトランスミッションハウジングの取付け点と相対回動不能であるので、シフトドラム601の円筒状周壁605は軸受け608によって回転可能に支承されている。
【0108】
シフトドラム601を駆動するためには、電動モータ602が働く。この電動モータ602はモータ出力軸611によって、中間接続された減速伝動装置603を介してシフトドラム601の円筒状周壁605を駆動する。このためには、電動モータ602の出力軸611が減速伝動装置603の一部と連結されている。減速伝動装置603はこの実施例では「ハーモニックドライブ伝動装置」として構成されている。このハーモニックドライブ伝動装置は、たとえばドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書に基づき公知であり、同ドイツ連邦共和国特許明細書中では「波動歯車伝動装置」と呼ばれている。伝動装置としてハーモニックドライブ伝動装置が使用されると、電動モータ602の出力軸611は形状接続的な結合部、つまり係合に基づく嵌合部、たとえば差込み結合部によってウェーブジェネレータ640と相対回動不能に結合されている。ハーモニックドライブ伝動装置では、外側の剛性的な歯車と、内側の変形可能な歯車とが歯数差を有しており、たとえば変形可能な歯車に与えられた歯数がたとえば100枚で、かつ剛性的な歯車に与えられた歯数が102枚である場合には歯数差2を有している。この場合、50:1の減速比が得られる。
【0109】
ハーモニックドライブ伝動装置は主として、内歯列621を備えた、有利には定位置の環状の剛性的な歯車(「サーキュラスプライン」とも呼ばれる)620と、外歯列631を備えた、たとえばカップ形の変形可能な歯車(「フレクスプライン」とも呼ばれる)630と、非円形横断面を有するウェーブジェネレータ640とから成っている。ウェーブジェネレータ640と変形可能な歯車630との間には形状接続も摩擦接続も存在しておらず、それどころか両構成部分の間には一般に支承装置が存在しているにもかかわらず、ウェーブジェネレータ640の回転によって、変形可能な歯車630が回転するようになる。ハーモニックドライブ伝動装置の機能形式に関しては、ドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書および欧州特許第0501522号明細書に詳しく説明されているので、本明細書中での詳細な説明は省略する。ただし上記ドイツ連邦共和国特許明細書および欧州特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする。
【0110】
変形可能な歯車630は軸方向で見て、半径方向内側へ向かって引き込まれていて、半径方向に向けられたカラー632を有しており、そしてこのカラー632を介して駆動プレート650に、固定手段651によって相対回動不能に結合されている。固定手段としては、形状接続的な結合部、たとえばねじ、リベットまたはその他の形状接続的な結合部が設けられていてよい。
【0111】
駆動プレート650は半径方向内側では変形可能な歯車630に相対回動不能に結合されていて、半径方向外側ではシフトドラムの円筒状周壁605と相対回動不能に結合されており、これにより駆動結合が形成されている。駆動プレート650は剛性的なエレメントとして形成されているか、または弾性を備えていてよい。その場合には、変形可能な歯車630との取付けのための半径方向内側に位置する取付け点と、円筒状周壁605との結合のための半径方向外側に位置する結合点との間に相対回動が生じ得る。このためには、駆動プレート650がたとえば複数の部分、すなわち少なくとも2つの同軸的に配置された板により形成されていて、中間接続された少なくとも1つの蓄力器、たとえばゴムまたはばねを備えていてよい。この実施例では、両板のうちの一方の板が、変形可能な歯車630に結合されていて、他方の板がシフトドラムの円筒状周壁605に結合されている。その場合、力伝達またはトルク伝達は、弾性的なエレメントの中間接続下に、変形可能な歯車630からシフトドラム601の円筒状周壁605へ向かって行われる。
【0112】
剛性的な歯車620はトランスミッションのハウジング部分と相対回動不能に配置されていると有利である。剛性的な歯車620と、シフトドラム601の回転可能に配置された円筒状周壁605との間には、軸受け660が配置されている。この軸受け660はラジアル軸受けとしてもスラスト軸受けとしても働くことができる。このためには、軸受け660が軸方向の脚部と、半径方向の脚部とを有している。この軸受けは滑り軸受けまたは転がり軸受けとして形成されていてよい。
【0113】
図13には、たとえばギヤ段チェンジのために車両トランスミッションのトランスミッションシフトエレメントを操作するためのシフトドラム700の実施例が示されている。この場合、シフトドラム700の各コンポーネントの配置が概略的にのみ図示されている。符号701でシフトドラム700の円筒体もしくは円筒状周壁が示されており、この円筒状周壁701は車両トランスミッションのトランスミッションハウジング710に設けられた収容部712内に軸受け711によって回転可能に支承されている。この収容部712はドラムの軸方向で突出した、軸受け711を収容する付設部である。電動モータ720は中空円筒状の円筒状周壁701に設けられた収容部内に収容されており、この場合、電動モータ720の一方の端部は固定用プレート721に結合されている。この固定用プレート721はトランスミッションハウジング710に結合可能である。このためには、固定用プレート721が半径方向で円筒状周壁701に対して突出していて、たとえばトランスミッションハウジング710とねじ締結され得る。これにより、電動モータ720はトランスミッションハウジング710に対して相対回動不能に取り付けられている。電動モータ720は出力軸722によって減速伝動装置730の伝動装置エレメントを駆動する。減速伝動装置730の出力エレメントは駆動エレメント740に作用結合されていて、中空円筒状のシフトドラムの円筒状周壁701を駆動する。シフトドラムには、さらに軸が枢着されており、この軸は、たとえばシフトドラムの角度位置を検出することのできるセンサを制御することができる。シフトドラムの軸方向の端面に設けられたこのようなセンサ枢着部はオプショナルである。また、シフトドラムの角度位置を検出するセンサ、たとえばインクリメンタル式の角度信号発生器が電動モータ内に組み込まれていてもよい。
【0114】
図14には、たとえばギヤ段チェンジのために車両トランスミッションのトランスミッションシフトエレメントを操作するためのシフトドラム800の実施例が示されている。この場合、シフトドラム800の各コンポーネントの配置が概略的にのみ図示されている。符号801でシフトドラム800の円筒体もしくは円筒状周壁が示されており、この円筒状周壁801は車両トランスミッションのトランスミッションハウジング810に設けられた収容部812内に軸受け811によって回転可能に支承されている。収容部812はこの場合、ドラムの軸方向で突出した、軸受け811を収容する付設部である。電動モータ820はトランスミッションハウジング810に設けられた収容部内に配置されていて、固定手段821によってトランスミッションハウジング810に固定されている。この実施例では、電動モータ820がシフトドラム800の内部に配置されているのではなく、電動モータ820とシフトドラム800とが同軸的に、ただし相並んで配置されている。電動モータ820は出力軸822によって減速伝動装置830の伝動装置エレメントを駆動する。減速伝動装置830の出力エレメントはシフトドラム800の駆動エレメントに作用結合されていて、円筒状のシフトドラムもしくは円筒状周壁801を駆動する。図14に示した実施例では、シフトドラム800が特に細長く形成されていてよいので、電動モータ820は直列に配置されている。このことは特定の構成スペース事情では特に有利になる。この場合、少なくとも減速伝動装置830はドラムに設けられた収容部内に少なくとも部分的に配置されている。減速伝動装置830の出力エレメントとシフトドラム800との間には、弾性的なエレメントが中間接続されていてよい。この弾性的なエレメントは力伝達経路またはトルク伝達経路においてシフトドラム800と減速伝動装置830の出力エレメントとの相対回動を可能にする。
【0115】
図15には、たとえばダブルクラッチ式トランスミッションのための2つのシフトドラム901,902の本発明による装置900が示されている。ダブルクラッチ式トランスミッションでは、それぞれ切換可能な変速比を有する2つのギヤトレーンが設けられている。両ギヤトレーンは自動化されて操作可能であるか、または切換可能である。両シフトドラムは電動モータ903,904によって操作され、この場合、電動モータとシフトドラムとの各駆動装置の詳細は図12に示した通りである。両シフトドラム901,902は、両シフトドラムの端面が互いに向かい合って位置するように、そして両シフトドラムの伝動装置側が互いに反対の側に位置するように配置されている。電動モータ903,904は両電動モータの間に設けられた収容部910によって相対回動不能に保持されており、剛性的な歯車911,912はハウジング固定に収容されている。したがって、両シフトドラム901,902は回転可能に支承されていて、互いに別個に独立して車両トランスミッションの2つの操作機構を制御することができる。図15に示した実施例では、両シフトドラムが同軸的に配置されていて、かつ電動モータがシフトドラム901,902の内部に少なくとも部分的に収容されており、これにより構成スペースが節約されていることが有利である。
【0116】
本願で提出した特許請求の範囲の請求項は記述提案であって、別の請求項の申請を断念するものではない。本出願人は明細書および/または図面に開示されているに過ぎない別の特徴組み合わせについて特許を申請する権利を留保する。
【0117】
従属請求項に用いた引用は、各従属請求項の特徴による独立請求項の対象の別の構成を意味し、引用した従属請求項の特徴の組み合わせのための独立した対象保護を得ることを断念することを意味するものではない。
【0118】
従属請求項の対象は優先権主張日の時点での公知先行技術に関して独立した固有の発明を成し得るので、本出願人はこれらの従属請求項の対象を独立請求項の対象とすることを留保する。さらに、これらの従属請求項の対象は、先行する従属請求項の対象とは別個の独立した構成を有する独立した発明をも含んでいる場合がある。
【0119】
本発明は明細書に記載した実施例に限定されるものではない。むしろ、本発明の枠内で数多くの変化と変更とが可能であり、特に明細書全般および実施例ならびに請求の範囲に記述されかつ図面に示された特徴もしくは部材または方法段階と関連した個々の特徴の組み合わせまたは変更により、当業者にとって課題解決に関して推察可能であり、かつ組み合わされた特徴によって新しい対象または新しい方法段階もしくは方法段階順序をもたらすようなヴァリエーション、部材および組合わせおよび/または材料が、製造法、試験法および作業法に関しても考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による電動モータ式シフトアクチュエータが使用されるハーモニックドライブ機構の横断面図である。
【図2a】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2b】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2c】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2d】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図3】
本発明によるシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図4】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図5】
本発明によるクラッチアクチュエータ、ブレーキアクチュエータまたはシフトアクチュエータで使用される駆動機構の1実施例を示す概略図である。
【図6】
本発明によるクラッチアクチュエータ、ブレーキアクチュエータまたはシフトアクチュエータで使用される駆動機構の別の実施例を示す概略図である。
【図7】
本発明によるシフトドラムアクチュエータの1実施例を示す側方断面図である。
【図8】
本発明によるボール循環型スピンドルアクチュエータの側方断面図である。
【図9】
本発明によるラック式アクチュエータの側方断面図である。
【図10】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図11】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの別の実施例を示す側方断面図である。
【図12】
組み込まれた電動モータを備えたシフトドラムを示す断面図である。
【図13】
本発明によるシフトドラムの概略図である。
【図14】
本発明によるシフトドラムの別の実施例を示す概略図である。
【図15】
たとえばダブルクラッチ式トランスミッションに用いられる2つのシフトドラムの配置を示す断面図である。
本発明は、内燃機関等の原動機を備えた原動機車両(Motorfahrzeug)の自動的なトランスミッションシステムのギヤ段シフト機構を制御するためのシフトアクチュエータおよび特に電動モータ式アクチュエータに関する。
【0002】
自動的なトランスミッションシステムのギヤ段シフト機構を制御するために使用される電動モータ式アクチュエータでは、通常、高い変速比を減少させるために、たとえば英国特許第2325036号明細書、同第2313885号明細書および同第2309761号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなウォーム・ウォーム歯車駆動機構が使用される。これにより電動モータの駆動は高い回転数でかつ比較的低いトルクにおいて、ギヤ段シフト機構を操作するために必要となる比較的高いトルクならびに低い回転数へ変換される。通常、このような機構の駆動比は40:1〜60:1のオーダにあることが望ましい。
【0003】
これまで使用されていたウォーム歯車駆動装置には次のような欠点がある。すなわち、ウォーム歯車駆動装置は比較的大きくかつ、原動機車両のための自動的なトランスミッションシステムにおいて存在する組込み制限に関して深刻な障害をもたらす。
【0004】
さらに、たとえば英国特許第2308874号明細書および英国特許第2311829号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなシフトドラムを備えたこのような電動モータ式アクチュエータの使用も、これに関連した特別な障害をもたらす。
【0005】
このようなトランスミッションはさらに、欧州特許第0654624号明細書に基づき公知である。欧州特許第0654624号明細書に記載のこのトランスミッションは駆動装置として電動モータを有しており、この電動モータはトランスミッションの外部に配置されていて、歯車段によってギヤ段チェンジのためのシフトドラムを駆動する。この所要構成スペースは、2つまたはそれ以上のこのようなシフトドラムによって、たとえばトランスミッションのクラッチをも操作したい場合には一層高められる。このような操作は、たとえばダブルクラッチ式トランスミッションまたは負荷感応式のパワーシフトクラッチを備えた負荷感応式トランスミッションの場合に有利となる。
【0006】
本発明の課題は、公知先行技術に比べて小さな所要構成スペースしか有しず、しかも簡単でかつ好都合に製造可能となるようなトランスミッションおよび操作装置を提供することである。
【0007】
本発明の有利な実施態様では、コンパクトな電動モータ式アクチュエータを提供するために、シフトドラムを備えた同心的な構造の高い変速比を有する駆動装置が使用される。
【0008】
本発明の1対象は、原動機車両のギヤ段セレクト機構を制御するための電動モータ式アクチュエータである。この場合、電動モータ式アクチュエータが固定エレメントを有しており、この固定エレメントにより当該アクチュエータが支持エレメントに対して組み付けられ得るようになっており、さらに電動モータ式アクチュエータがシフトドラムを有しており、該シフトドラムが、前記固定エレメントに対して相対的に回転するように組み付けられており、さらに電動モータ式アクチュエータが電動モータを有しており、該電動モータがシフトドラムの内部に同軸的に組み付けられており、該電動モータが、前記固定エレメントに対して相対回動不能に組み付けられたステータと、ロータとを有しており、該ロータが、シフトドラムと一緒に回転するようにハーモニックドライブ機構(Oberwellenantrieb)によってシフトドラムと駆動結合されており、該ハーモニックドライブ機構が、ロータと一緒に回転するように該ロータに組み付けられたウエーブジェネレータと、前記固定エレメントに対して相対回動不能に前記ウエーブジェネレータに対して同心的に組み付けられた環状のスプライン歯車(Keilzahnrad)と、前記ウエーブジェネレータと前記環状のスプライン歯車との間に配置されたフレキシブルなスプライン歯車とを有しており、該フレキシブルなスプライン歯車がシフトドラムと駆動結合されており、該フレキシブルなスプライン歯車が、前記環状のスプライン歯車よりも少ないスプライン歯(Keil)を有しており、前記ウエーブジェネレータが前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯と前記環状のスプライン歯車のスプライン歯とを、互いに所定の角度間隔を置いて配置された個所で噛み合わせるように前記ウエーブジェネレータが成形されており、該噛合い個所の間では前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯が前記環状のスプライン歯車のスプライン歯から分離されている。本発明の枠内で「ハーモニックドライブ機構」とは、たとえばドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書に基づき公知であり、かつ同ドイツ連邦共和国特許明細書において「波動歯車伝動装置(Wellengetriebeeinrichtung)」と呼ばれているようなハーモニックドライブである。さらに、有利には減速伝動装置、たとえば差動伝動装置、遊星歯車伝動装置またはこれに類するものを使用することができる。
【0009】
前で説明したアクチュエータでは、電動モータとハーモニックドライブ機構とが同軸的にシフトドラムの内部に配置されており、これによりコンパクトなアクチュエータが得られる。ハーモニックドライブ機構の駆動比は環状のスプライン歯車とフレキシブルなスプライン歯車との間のスプライン歯数の差に関連している:
すなわち、駆動比は
【0010】
【数1】
【0011】
式中
n=環状のスプライン歯車とフレキシブルなスプライン歯車との間のスプライン歯の歯数差;
N=フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯の歯数。
【0012】
この場合、負の値は、シフトドラムの回転がロータの回転方向とは逆の方向へ行われることを表している。
【0013】
駆動比は−40:1〜−60:1のオーダにあることが有利である。典型的な例では、環状のスプライン歯車が102枚のスプライン歯を有しており、フレキシブルなスプライン歯車が100枚のスプライン歯を有しており、これにより−50:1の駆動比が得られる。
【0014】
本発明の1実施態様では、本発明による電動モータ/シフトドラムアクチュエータが個々に形成されているので、このアクチュエータは、ギヤ段セレクト機構を操作するために、適当な位置で、たとえばトランスミッションハウジングに固定され得る。しかし、特に、同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書(これらの英国特許出願明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなダブルクラッチ式トランスミッションシステムで使用するためには、ダブルシフトドラムアクチュエータを準備することが有利である。さらに、本発明のシフトドラムアクチュエータは有利には原動機車両のトランスミッションハウジング内に配置されていてよい。
【0015】
本発明の別の対象は、原動機車両のクラッチ機構、ギヤ段セレクト機構またはブレーキを制御するための電動モータ式アクチュエータである。この場合、該電動モータ式アクチュエータが電動モータと、該電動モータの出力軸と、遊星歯車駆動機構とを有しており、該遊星歯車駆動機構が、電動モータの出力軸に該出力軸と一緒に回転するように固定された太陽歯車(サンギヤ)と、電動モータの出力軸に対して同軸的に回転するように組み付けられた環状の遊星キャリヤと、該遊星キャリヤに対して対称的に所定の角度間隔を置いて配置された状態で組み付けられた一連の遊星歯車(プラネタリギヤ)とを有しており、該遊星歯車が第1の内歯車(インターナルギヤ)と第2の内歯車とに噛み合っており、しかも一方の内歯車が定位置に固定されており、他方の内歯車が出力エレメントに形成されており、該出力エレメントが出力軸に対して同軸的に回転するように取り付けられており、所要の駆動比を提供するために、第1の内歯車に設けられた歯の歯数が、第2の内歯車に設けられた歯の歯数とは異なっている。
【0016】
本発明の有利な実施態様では、各遊星歯車が二重ピニオンもしくはダブルピニオンの形を有していて、各遊星歯車が一次ピニオンと二次ピニオンとを規定しており、一次ピニオンが太陽歯車と第1の内歯車とに噛み合っており、二次ピニオンが第2の内歯車に噛み合っている。この実施態様の別の構成では、一次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っている。上で説明した駆動機構では、駆動比が:
【0017】
【数2】
【0018】
であり、ただし式中;
N1=定位置の内歯車に設けられた歯の歯数;
N2=第2の内歯車に設けられた歯の歯数;
N3=遊星歯車の二次ピニオンに設けられた歯の歯数;
N4=遊星歯車の一次ピニオンに設けられた歯の歯数;
N5=太陽歯車に設けられた歯の歯数;
であり、しかも
N1=N3+N4+N5;
N2=2N4+N5
である。
【0019】
したがって、値N3、N4およびN5は、所要の駆動比、つまり一般には40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択されなければならない。太陽歯車と、遊星歯車の一次ピニオンおよび二次ピニオンとがほぼ同じ大きさを有しているので、N3とN4との間に10%の歯数が存在する場合には、50:1のオーダの駆動比が得られる。
【0020】
この実施態様の択一的な別の構成では、一次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っている。この駆動機構では、駆動比が;
【0021】
【数3】
【0022】
であり、ただし;
N1=2N3+N5;
N2=N3+N4+N5
である。
【0023】
したがって、値N3、N4およびN5はやはり、所要の駆動比、つまり一般に40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択されなければならない。
【0024】
本発明のさらに別の実施態様では、遊星歯車が個々のピニオンであり、該ピニオンが、第1の内歯車および第2の内歯車の軸線に対して斜めに延びる軸線に沿って組み付けられているので、遊星歯車は一方の端部では、歯数の少ない方の内歯車と小径部分で噛み合っており、他方の端部では、歯数の多い方の内歯車と大径部分で噛み合っている。
【0025】
この実施態様では、駆動比が;
【0026】
【数4】
【0027】
であり、ただし式中;
N1=定位置の内歯車に設けられた歯の歯数;
N2=第2の内歯車に設けられた歯の歯数;
N5=太陽歯車に設けられた歯の歯数;
である。
【0028】
前で説明した実施態様の場合と同様に、値N1、N2およびN3は、所要の駆動比、つまり一般には40:1〜60:1である駆動比が提供されるように選択され得る。
【0029】
本発明において使用される駆動装置は、特にたとえば英国特許第2308874号明細書および同第2311829号明細書(これらの英国特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする)に開示されているようなシフトドラムと一緒に使用するために有利である。この場合、電動モータと駆動機構とはシフトドラムの内部に同軸的に組み付けられていてよい。前で説明した駆動機構は択一的にはリニア式のアクチュエータ、たとえばボール循環型スピンドルアクチュエータまたはラック機構と一緒に使用され得る。
【0030】
このことは請求項1に記載の構成により解決される。本発明の有利な構成は、従属項形式で記載の各請求項に記載されている。
【0031】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0032】
図1には、本発明による電動モータ式アクチュエータで使用されるハーモニックドライブ機構10が示されている。図1に示したように、このハーモニックドライブ機構10はウェーブジェネレータ12を有しており、このウェーブジェネレータ12は電動モータの出力軸14に組み付けられている。この場合、ウェーブジェネレータ12は出力軸14と一緒に回転するように出力軸14とスプライン結合されている。ウェーブジェネレータ12は楕円形の形状を有しており、この楕円形のウェーブジェネレータ12の外周面には、肉薄でフレキシブルな、一貫して延びるローラ軸受け18が配置されている。
【0033】
ローラ軸受け18の外レースには、フレキシブルなスプライン歯車(「フレクスプライン」とも呼ばれる)20が組み付けられている。この場合、フレキシブルなスプライン歯車20は薄くてフレキシブルなエンドレスベルトを有しており、このエンドレスベルトの外側の表面には軸方向に延びる複数のスプライン歯22が設けられている。
【0034】
ウェーブジェネレータ12とフレキシブルなスプライン歯車20とから成る装置に対して同心的に、環状のスプライン歯車(「サーキュラスプライン」とも呼ばれる)24が回転不能に組み付けられている。この環状のスプライン歯車24の内周面は軸方向に延びる一列の複数のスプライン歯26を有している。環状のスプライン歯車24は、楕円形のウェーブジェネレータ12とローラ軸受け18とフレキシブルなスプライン歯車20とから成る楕円形の装置の長軸(主軸)に等しい内径を有しているので、フレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22は、ウェーブジェネレータ12の長軸に沿って直径方向で互いに向かい合って位置する位置で環状のスプライン歯車24のスプライン歯26と噛み合っている。
【0035】
ウェーブジェネレータ12の短軸(副軸)は、フレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22が、ウェーブジェネレータ12の短軸の部分で環状のスプライン歯車24のスプライン歯26から半径方向で分離されるように形成されている。
【0036】
環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26はフレキシブルなスプライン歯車20のスプライン歯22に対して対応する形状を有しており、この場合、フレキシブルなスプライン歯車20には、環状のスプライン歯車24のスプライン歯26よりも少ない枚数のスプライン歯22が設けられている。
【0037】
出力軸14の回転時では、ウェーブジェネレータ12が回転駆動されるので、フレキシブルなスプライン歯車20が環状のスプライン歯車24と噛み合っている噛合い点は、環状のスプライン歯車24を巡るように運動する。スプライン歯22の枚数とスプライン歯26の枚数とが互いに異なっていることに基づき、両スプライン歯22,26の間の噛合いにより、接触点が環状のスプライン歯車24を巡るように運動する間、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対して相対的に逆方向へ運動するようになる。
【0038】
たとえば図2a〜図2dに示したようにウェーブジェネレータ12が時計回り方向に回転される場合につき説明すると、ウェーブジェネレータ12が図2bに示したように90゜だけ回転した場合に、フレキシブルなスプライン歯車20は、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22と環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26との歯数差の1/4に相当する分だけ逆時計回りの方向に運動している。たとえば環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26の歯数が102枚で、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22の歯数が100枚である場合に、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯1/2枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。図2cに示したように、同様にウェーブジェネレータ12が180゜だけ回転した後では、フレキシブルなスプライン歯車20が環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯1枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。そして図2dに示したように、ウェーブジェネレータ12が360゜だけ回転した後では、フレキシブルなスプライン歯車20は環状のスプライン歯車24に対してスプライン歯2枚分だけ逆時計回りの方向に運動している。
【0039】
したがって、上で説明したハーモニックドライブ機構10は以下の駆動比を有している;
【0040】
【数5】
【0041】
式中、n=スプライン歯22とスプライン歯26との歯数差
N=フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22の歯数。
【0042】
すなわち、上で説明した例で云えば、駆動比は−50:1である。この場合、負の値は、駆動が逆転されていることを表している。すなわち、時計回り方向での電動モータ16の50回転当たり、フレキシブルなスプライン歯車20が逆時計回りの方向で1回転だけ回転するわけである。
【0043】
図3に示したように、コンタクトフリーの電動モータ16が円筒状のモータハウジング32内に組み付けられている。モータハウジング32の一方の端部には、半径方向外側へ向けられたフランジ構造体34が形成されており、このフランジ構造体34を介してモータハウジング32は、適当な手段、たとえばねじ締結によって、たとえばトランスミッションハウジングに固定される。
【0044】
モータハウジング32の他方の端部36では、モータハウジング32に対して同軸的に、電動モータ16の出力軸14が延びている。モータハウジング32には、ローラ軸受け46によってシフトドラム(Schalttrommel)40が組み付けられている。
【0045】
出力軸14には、電動モータ16と、シフトドラム40の閉じられた端部44との間で楕円形のウェーブジェネレータ12が組み付けられている。このウェーブジェネレータ12にはローラ軸受け18が組み付けられており、このローラ軸受け18にはフレキシブルなスプライン歯車20が組み付けられている。フレキシブルなスプライン歯車20はカップ形に形成されており、このカップ形のスプライン歯車20のフレキシブルな環状の部分50はその外周面に軸方向の複数のスプライン歯22を備えている。この場合、環状の部分50はローラ軸受け18に組み付けられている。フレキシブルなスプライン歯車20はさらにハブ構造体52を備えており、このハブ構造体52はシフトドラム40の閉じられた端部44に、ねじまたはこれに類するものによって固定されている。さらに、出力軸14に対して同軸的にフレキシブルな円筒状のウェブ部分54が延びており、このウェブ部分54はフレキシブルなスプライン歯車20の環状の部分50とハブ構造体52とを互いに結合している。
【0046】
ウェーブジェネレータ12と、このウェーブジェネレータ12に組み付けられたフレキシブルなスプライン歯車20の環状の部分50とに対して同心的に、定定位置の環状のスプライン歯車24がモータハウジング32と一体に形成されている。択一的には、別体の環状のスプライン歯車24が適当な形式でモータハウジング32に固定されていてもよい。環状のスプライン歯車24はその内周面に複数のスプライン歯26を有している。
【0047】
図3に示した電動モータ式シフトドラムアクチュエータを用いると、電動モータ16が励起された場合に、出力軸14の回転によってフレキシブルなスプライン歯車20と、このフレキシブルなスプライン歯車20に取り付けられたシフトドラム40とが互いに逆方向に駆動され、この場合、フレキシブルなスプライン歯車20に設けられたスプライン歯22と、定位置の環状のスプライン歯車24に設けられたスプライン歯26との歯数差に関連した駆動比は、一般に−40:1〜−60:1である。
【0048】
図4に示したダブルシフトドラムアクチュエータでは、第1のシフトドラム200と第2のシフトドラム202とが回転可能に互いに同軸的に1つの軸204に組み付けられている。軸204の一方の端部はピン構造体206内に組み付けられており、このピン構造体206はトランスミッションハウジング208に設けられている。軸204の他方の端部はクラッチハウジング210にナット212,214によって固定されている。両シフトドラム200,202の外側の端部は閉じられていて、シールされたローラ軸受け216によって軸204に組み付けられている。両シフトドラム200,202の内側の端部は、それぞれローラ軸受け220によって環状のエレメント218に組み付けられており、この環状のエレメント218は軸204の中央部に回転しないように固定されている。両シフトドラム200,202の内径部分と環状のエレメント218の外径部分との間には、シール部材222が設けられている。
【0049】
軸204には、2つの永久磁石式の電動モータ230が組み付けられており、この場合、これらの電動モータ230はシフトドラム200,202の内部に同軸的にかつシフトドラム200,202の閉じられた外側の端部に並んで配置されている。電動モータ230は、軸204に回転しないように組み付けられた環状のステータ232と、このステータ232に、シールされたローラ軸受け236によって回転するように組み付けられたロータ234とを有している。このロータ234の内側の端部には、楕円形のウェーブジェネレータ238がこのロータ234と一緒に回転するように固定されている。
【0050】
ウェーブジェネレータ238の外周面に組み付けられたローラ軸受け242と、環状のエレメント218の内径部分との間では、各電動モータ230に対して同軸的にフレキシブルなスプライン歯車240が組み付けられている。このフレキシブルなスプライン歯車240の外周面と環状のエレメント218の内径部分とは、それぞれ複数のスプライン歯を備えており、これらのスプライン歯はウェーブジェネレータ238の長軸上で互いに噛み合っている。フレキシブルなスプライン歯車240は環状のエレメント218よりも少ないスプライン歯を有している。
【0051】
フレキシブルなスプライン歯車240はフレキシブルなウェブ部分244を有している。このウェブ部分244は電動モータ230に対して同軸的にシフトドラム200,202の閉じられた端部に向かって延びていて、端部にハブ構造体246を有している。このハブ構造体246は半径方向内側へ向けられたフランジ構造体248と、減じられた直径を有する円筒状の部分250とによって規定されている。この円筒状の部分250はフランジ構造体248の内周面からシフトドラム200,202の閉じられた端部へ向かって延びている。ハブ構造体246の円筒状の部分250の外径部分とシフトドラム200,202の内径部分との間には、エラストマ製のブシュ252が圧縮下に組み付けられており、これによりフレキシブルなスプライン歯車240はシフトドラム200,202と軸方向および半径方向の弾性を持って駆動結合される。
【0052】
軸204には、軸方向の溝254が設けられており、この溝254は電動モータ230への電気的な接続のための線路として働くと同時に、軸204と環状のエレメント218とステータ232との相対的な回動を阻止するスプラインとしても働くことができる。
【0053】
各シフトドラム200,202には、シフトドラム200,202の角度運動を測定するための位置センサ256が設けられている。
【0054】
図4につき説明したアクチュエータにおいて電動モータ230が励起されると、ウェーブジェネレータ238の回転により、フレキシブルなスプライン歯車240のスプライン歯と環状のエレメント218のスプライン歯とが互いに噛み合っている噛合い点が円を描いて運動するようになる。このことは、フレキシブルなスプライン歯車240のスプライン歯と、環状のエレメント218のスプライン歯との歯数差に基づき、フレキシブルなスプライン歯車240の回転を生ぜしめ、これによりシフトドラム200,202が駆動される。
【0055】
図4につき説明したダブルシフトドラム配置は、特に同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書に開示されているような形式のダブルクラッチ式トランスミッションシステムのために適している。この場合、たとえば一方のシフトドラム200は、ギヤ段R、1、3、5を一方のクラッチと一緒に制御するように配置されていてよく、他方のシフトドラム202は、ギヤ段2、4、6を他方のクラッチと一緒に制御するように配置されていてよい。
【0056】
図5に示した実施例では、電動モータ310がモータフランジ312を有しており、このモータフランジ312は3つの孔314を備えている。これらの孔314は突起316に配置されており、これらの突起316は互いに所定の角度間隔を置いて配置されている。これらの孔314によって、電動モータ310を、たとえば原動機車両(Motorfahrzeug)のトランスミッションハウジングとねじ締結することができる。モータフランジ312を貫いて、電動モータ310の出力軸318が延びている。
【0057】
電動モータ310の出力軸318には、この出力軸318と一緒に回転するように太陽歯車(サンギヤ)320が固定されている。この太陽歯車320はN5枚の歯を有している。
【0058】
出力軸318に対して同軸的に遊星キャリヤ322が配置されており、この場合、遊星キャリヤ322は軸方向で太陽歯車320とモータフランジ312の外面との間に配置されている。遊星キャリヤ322には、3つの遊星歯車(プラネタリギヤ)324が回転可能に取り付けられている。この場合、これらの遊星歯車324は遊星キャリヤ322を中心にして互いに等角度の間隔を置いて配置されている。各遊星歯車324はダブルピニオンを有しており、このダブルピニオンは、太陽歯車320と噛み合った一次ピニオン326と、二次ピニオン328とを備えている。一次ピニオン326と二次ピニオン328とは互いに対して相対的に回転可能に取り付けられている。一次ピニオン326はN4枚の歯を有しており、二次ピニオン328はN3枚の歯を有している。
【0059】
二次ピニオン328は定位置のインターナルギヤもしくは内歯車330と噛み合っており、この内歯車330は環状のフランジ332に形成されている。このフランジ332はモータフランジ312の外面から出力軸318に対して同軸的にかつ半径方向で遊星キャリヤ322から外方へ向かって延びている。定位置の内歯車330はN1枚の歯を有しており、N1はN3+N4+N5に等しい。
【0060】
一次ピニオン326はインターナルギヤもしくは内歯車334に噛み合っている。この内歯車334は出力エレメント336に形成される。この出力エレメント336は出力軸318に対して同軸的に回転するように組み付けられている。内歯車334はN2枚の歯を有しており、N2は2×N4+N5に等しい。前で説明した伝動機構のための駆動比iは:
【0061】
【数6】
【0062】
である。
【0063】
N3、N4およびN5のための値は、有利には40:1〜60:1のオーダにある適当な変速比が得られるように設定されている。次の表1に記載したように、太陽歯車320と一次ピニオン326および二次ピニオン328とが同じ大きさを有していて、一次ピニオン326の歯数と二次ピニオン328の歯数とが約10%だけ互いに異なっている場合に、50:1のオーダの駆動比を達成することができる。太陽歯車320の大きさを変えることにより、駆動比に対して僅かな作用を及ぼすことができる。しかし、一次ピニオン326の歯数と二次ピニオン328の歯数との差の増減は、太陽歯車320における歯数を比較的大きく変えることによって補償することができる。
【0064】
【表1】
【0065】
図6に示した択一的な別の駆動機構では、一次ピニオン326が定位置の内歯車330と噛み合っており、二次ピニオン328が出力エレメント336に形成された内歯車334と噛み合っている。
【0066】
この伝動機構のための駆動比iは:
【0067】
【数7】
【0068】
である。
【0069】
N3、N4およびN5のための値はやはり、有利には40:1〜60:1のオーダにある適当な変速比が提供されるように設定される。次の表2に例が挙げられている:
【0070】
【表2】
【0071】
図7には、前で説明した駆動機構が使用される原動機車両のギヤ段シフト機構のためのシフトドラム装置が示されている。電動モータ310は円筒状のハウジング340内に組み付けられており、この場合、電動モータ310は内側のフランジ342に固定されている。この内側のフランジ342はハウジング340の一方の端部344に並んで配置されている。ハウジング340の他方の端部には、外側のフランジ345が設けられており、この外側のフランジ345は、たとえばトランスミッションハウジングに固定されるように形成されている。ハウジング340の一方の端部344には、定位置の内歯車330が設けられている。
【0072】
電動モータ310の出力軸318には、太陽歯車320が組み付けられている。
【0073】
出力軸318に対して同軸的に、かつ軸方向で太陽歯車320と内側フランジ構造体342との間には、遊星キャリヤ322が配置されている。遊星キャリヤ322には、3つの遊星歯車324が回転可能に組み付けられており、この場合、遊星歯車324の一次ピニオン326は太陽歯車320と内歯車334とに噛み合っている。この内歯車334はシフトドラム350の内径部分に形成されている。遊星歯車324の二次ピニオン328は定位置の内歯車330に噛み合っており、この内歯車330はハウジング340の内径部分にハウジング340の端部344に並んで形成されている。
【0074】
シフトドラム350はローラ軸受け352によって、円筒状のハウジング340の外径部分に回転可能に取り付けられている。シフトドラム350の、ハウジング340のフランジ345から遠い方の端部は閉じられており、この場合、シフトドラム350の閉じられた端部は電動モータ310の出力軸318に回転可能にローラ軸受け354によって取り付けられている。
【0075】
電動モータ310が出力軸318を駆動すると、太陽歯車320は遊星歯車324を駆動するので、遊星歯車324は定位置の内歯車330を巡って転動する。内歯車334における一次ピニオン326の噛合いによってシフトドラム350が回転させられる。この場合、駆動比は通常、40:1〜60:1のオーダにある。
【0076】
図8に示したリニア式の駆動装置は一般に、英国特許第2325036号明細書、同第2313885号明細書および同第2309761号明細書に開示されているようなハイドロリックマスタシリンダのピストンの運動を制御するために使用され得る。これにより、クラッチスレーブシリンダには、クラッチの締結・解放を制御するためのハイドロリック圧が供給される。択一的な構成としては、このような形式のリニア式のアクチュエータをクラッチの締結・解放を制御するために使用するか、または適当な機械的な結合機構またはケーブル駆動装置を介して変速比を選択するために使用することができる。
【0077】
図8に示したリニア式のアクチュエータでは、遊星歯車駆動機構(Umlaufantriebsmechanism)の出力エレメント336がローラ軸受け362によって環状のフランジ332に回転可能に組み付けられていて、さらにローラ軸受け364によって出力軸318に回転可能に組み付けられている。
【0078】
出力エレメント336の、電動モータ310から遠い方の端部366は、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の内側ねじ山部分を規定している。この端部もしくは内側ねじ山部分366に対して同軸的に、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370が組み付けられていて、ねじ山構造体を形成している。このねじ山構造体は内側ねじ山部分366と外側ねじ山部分370とによって規定されており、この場合、両ねじ山部分366,370の間には、一連のボール372が配置されている。ボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370はプランジャピストン構造体374を有しており、このプランジャピストン構造体374はハウジング378の端壁376を貫いて延びており、この場合、プランジャピストン構造体374はハウジング378に対して軸方向で運動可能であるが、ただしハウジング378に対する回転運動に関しては制限されている。ハイドロリックマスタシリンダのピストンに直接にまたは間接的に接続されていてよいプランジャピストン構造体374は、出力エレメント336が電動モータ310によって駆動されると、出力エレメント336の回転によって軸方向に運動させられる。
【0079】
出力エレメント336とボール循環型スピンドルアクチュエータ368の外側ねじ山部分370との間では、補償ばね380が作用しており、この補償ばね380は外側ねじ山部分370をハウジング378の端壁376へ向かって押圧している。したがって、補償ばね380は、クラッチばねにより加えられる荷重に抗して動作する。補償ばね380は通常では、クラッチが完全に締結されていて、かつボール循環型スピンドルアクチュエータ368がハウジング378の閉じられた端部から離れる方向での運動の限界に位置している場合に、この補償ばね380が押し合わされるように配置されている。したがって、ボール循環型スピンドルアクチュエータ368がクラッチ解放のために駆動されると、補償ばね380により加えられる荷重は電動モータ310をアシストする。こうして、補償ばね380が必要とされない場合に比べて小型の電動モータ310を使用することができる。
【0080】
図9には、図8に示したアクチュエータに類似したラック式駆動アクチュエータが示されている。この場合、出力エレメント336はピニオン390を規定しており、このピニオン390は、ハウジング394内に直交する方向に延びているラック392と噛み合っている。
【0081】
図10に示したダブルシフトドラム配置では、第1のシフトドラム400が一方の端部では閉じられていて、第1の円筒状のモータハウジング402にこのモータハウジング402に対して同軸的にローラ軸受け404によって回転可能に取り付けられている。第1のシフトドラム400の内径部分と、第1のモータハウジング402の外径部分との間には、第1のシフトドラム400の開いた端部に並んでシール部材406が設けられている。
【0082】
第1のシフトドラム400と同様の形式で第2のシフトドラム410が第2の円筒状のモータハウジング412に回転可能に組み付けられている。
【0083】
第1のモータハウジング402と第2の円筒状のモータハウジング412とは、両モータハウジング402,412が互いに同軸的に配置されていて、一方のモータハウジングがたとえばトランスミッションハウジング420に、他方のモータハウジングがたとえばクラッチハウジング422にそれぞれ取り付けられるように形成されているので、このダブルシフトドラム装置は、両ハウジングの間に規定された伝動装置ハウジングの内部に位置している。
【0084】
両シフトドラム400,410の互いに隣接した閉じられた端部は、スリーブ424もしくはピン426を備えており、この場合、第1のシフトドラム400と第2のシフトドラム410とが互いに同軸的に嵌め合わされると、ピン426がスリーブ424内に係合する。この場合、ピン426とスリーブ424との間にはローラ軸受け428が設けられている。第1のシフトドラム400と第2のシフトドラム410との互いに隣接した端面の間にも、軸方向のローラ軸受け429が設けられている。
【0085】
電動モータ430はモータハウジング402,412内に、モータハウジング402,412に対して同軸的に組み付けられている。各電動モータ430は出力軸432を有しており、この出力軸432には、この出力軸432と一緒に回転するように太陽歯車434が装着されている。各出力軸432は遊星キャリヤ436によって取り囲まれており、この遊星キャリヤ436は3つの遊星歯車438を保持している。この場合、これらの遊星歯車438は遊星キャリヤ436を巡って均一な間隔を置いて配置されている。遊星歯車438はダブルピニオンの形を有しており、一次ピニオン440と二次ピニオン442とを備えている。この場合、一次ピニオン440と二次ピニオン442とは、互いに異なる歯数を有している。
【0086】
遊星歯車438の一次ピニオン440は太陽歯車434と定位置の内歯車444とに噛み合っている。この内歯車444はモータハウジング402,412の内径部分に形成されている。遊星歯車438の二次ピニオン442は、出力リングギヤ448に形成された内歯車446に噛み合っている。
【0087】
出力リングギヤ448はシフトドラム400,410に弾性的なブシュ450によって駆動結合されている。このブシュ450は半径方向で圧縮されて、出力リングギヤ448と、対応するシフトドラム400,410との間に配置されている。したがって、弾性的なブシュ450により、シフトドラム400,410と遊星歯車式駆動機構との間の半径方向の弾性が生ぜしめられる。
【0088】
出力リングギヤ448と、対応するモータハウジング402,412の端部との間には、スラスト軸受け452が設けられている。このスラスト軸受け452を軸方向で負荷するために、シフトドラム400の閉じられた端部と、対応する出力リングギヤ448との間では圧縮ばね454が作用している。
【0089】
上で説明したダブルシフトドラム装置はコンパクトな装置を提供する。このような装置は原動機車両のトランスミッションハウジングとクラッチハウジングとの間でトランスミッション内に配置され得る。電動モータおよび駆動機構はシール部材406によってトランスミッションオイルからシールされている。
【0090】
さらに、モータハウジング402,412とシフトドラム400,410との間では、ダブルシフトドラム機構に角度運動を測定するための位置センサが配置されていてよい。
【0091】
図11に示したダブルシフトドラムアクチュエータでは、第1のシフトドラム500と第2のシフトドラム502とが互いに同軸的に軸504に回転可能に組み付けられている。軸504の一方の端部はピン構造体506内に組み付けられており、このピン構造体506はトランスミッションハウジング508に設けられている。軸504の他方の端部はナット512,514によってクラッチハウジング510に取り付けられている。シフトドラム500,502の外側の端部は閉じられていて、軸504に、シールされたローラ軸受け516によって組み付けられている。シフトドラム500,502の内側の端部はローラ軸受け520によって環状のエレメント518に組み付けられており、この環状のエレメント518は軸504の中央部に回転しないように固定されている。この場合、シフトドラム500,502の内径部分と、環状のエレメント518の外径部分との間には、シール部材522が設けられている。
【0092】
軸504には、永久磁石式の電動モータ530が組み付けられており、この場合、これらの電動モータ530はシフトドラム500,502の内部で、シフトドラム500,502の外側の端部に対して同軸的にかつこの外側の端部に並んで配置されている。電動モータ530は、軸504に回転しないように組み付けられた環状のステータ532と、ロータ534とを有しており、このロータ534はシールされたローラ軸受け536によってステータ532に回転するように組み付けられている。ロータ534の内側の端部には、このロータ534と一緒に回転するように環状の太陽歯車538が取り付けられている。
【0093】
各太陽歯車538に対して同軸的に遊星キャリヤ540が組み付けられている。この場合、各遊星キャリヤ540は4つの遊星歯車542を保持しており、これらの遊星歯車542は遊星キャリヤ540を巡って均一な間隔を置いて配置されている。遊星歯車542の軸線は軸504の軸線に対して傾けられているので、遊星キャリヤ540は軸504を中心にして回転する。この場合、遊星歯車542の外側の端部は内側の端部よりも大きな直径を描いて公転する。太陽歯車538に設けられた歯は遊星歯車542の歯と同様に傾けられていて、遊星歯車542に噛み合っている。
【0094】
遊星歯車542は、環状のエレメント518の内径部分に形成された内歯車544と、出力リングギヤ548により規定された内歯車546とにも噛み合っており、この場合、内歯車544,546に設けられた歯は遊星歯車542の歯と同様に傾けられている。内歯車544,546は軸方向で間隔を置いて配置されているので、遊星歯車542が内歯車544と噛み合っている部分の直径は遊星歯車542が内歯車546と噛み合っている部分の直径よりも小さくなる。この場合、内歯車544は内歯車546よりも少ない歯数を有している。出力リングギヤ548は弾性的なブシュ550によってシフトドラム500,502と駆動結合されている。弾性的なブシュ550はシフトドラム500,502の内径部分と、出力リングギヤ548の外径部分との間に圧縮下に組み付けられており、これによりこの駆動機構に弾性が提供される。
【0095】
軸504には軸方向の溝552が設けられている。この溝552は電動モータ530への電気的な接続のための線路として働くと同時に、軸504と環状のエレメント518とステータ532との回転を阻止するスプラインとしても働くことができる。
【0096】
前で説明した実施例の場合と同様に、さらにシフトドラム500,502の角度運動を測定するために、このダブルシフトドラム機構に位置センサが設けられていてよい。
【0097】
図11につき説明したアクチュエータにおいて電動モータ530が励起されると、太陽歯車538の回転により、遊星歯車542が定位置の内歯車544を巡って転動するようになる。このことは、内歯車544と内歯車546との歯数差に基づき、出力リングギヤの回転を生ぜしめ、ひいては出力リングギヤに固定されたシフトドラム500,502の回転を生ぜしめる。
【0098】
この駆動機構の駆動比は以下の通りである:
駆動比
【0099】
【数8】
【0100】
式中、N1=定位置の内歯車544の歯数;
N2=出力リングギヤ548に設けられた内歯車546の歯数;
N5=太陽歯車538に設けられた歯数。
【0101】
典型的な例では、定位置の内歯車544に設けられた歯数N1が60に等しく、出力リングギヤ548に設けられた内歯車546の歯数N2が65に等しく、太陽歯車538に設けられた歯数N5が20に等しい。これにより、52:1の駆動比が得られる。
【0102】
図10および図11につき説明したダブルシフトドラム装置は特に、同時に係属中の英国特許出願第0028310号明細書および同第0103312号明細書に開示されているような形式のダブルクラッチ式トランスミッションシステムのために適している。上記両英国特許出願明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする。この場合、たとえばシフトドラム500は、一方のクラッチと一緒にギヤ段1、3、5、Rのシフトを制御するように配置されていてよく、シフトドラム510は、他方のクラッチと一緒にギヤ段2、4、6のシフトを制御するように配置されていてよい。
【0103】
本発明の枠から逸脱することなしに種々の改良を実施することができる。たとえば、図8につき説明したボール循環型スピンドルアクチュエータに関して云えば、駆動機構の出力エレメントがボール循環型スピンドルの内側ねじ山部分ではなく外側ねじ山部分により規定されていてもよい。
【0104】
図12に示したシフトドラム601は、少なくとも部分的に切欠き604内に配置された駆動モータ602、たとえば電動モータと、少なくとも部分的に切欠き604内に収容された減速伝動装置603とを有している。シフトドラムに設けられた切欠き604は、シフトドラム601を少なくともその軸方向延在長さの一部にわたって中空円筒状に形成することによってシフトドラム601によって形成される。このシフトドラムは少なくとも軸方向延在長さのこの部分において、円筒状周壁605から成っており、この円筒状周壁605は溝606および/または突出部を有している。この溝606および/または突出部は、トランスミッションエレメントと作用結合しており、これによりシフトドラム601がその回転軸線を中心にして回転すると、トランスミッションのエレメントまたはクラッチのエレメントが操作される。
【0105】
円筒状周壁605の端範囲では、シフトドラム601が、半径方向内側へ向けられたネック部607を有している。このネック部607は軸受け608を収容するために働く。この場合、軸受け608はネック部607に設けられた中心の開口609内に導入されている。軸受け608はラジアル軸受けとしても、スラスト軸受けとしても働く。
【0106】
駆動モータ602の構成部分の一部、たとえば駆動モータ602のハウジング602aは、トランスミッション610の構成部分、たとえば車両トランスミッションのハウジングと相対回動不能に取り付けられている。このためには、シフトドラム601のネック部607の開口609を貫いて部分602bが突出している。この突出した部分602bによって、駆動モータ602はトランスミッションのハウジングと固定される。
【0107】
駆動モータがトランスミッションハウジングまたは一般にトランスミッションハウジングの取付け点と相対回動不能であるので、シフトドラム601の円筒状周壁605は軸受け608によって回転可能に支承されている。
【0108】
シフトドラム601を駆動するためには、電動モータ602が働く。この電動モータ602はモータ出力軸611によって、中間接続された減速伝動装置603を介してシフトドラム601の円筒状周壁605を駆動する。このためには、電動モータ602の出力軸611が減速伝動装置603の一部と連結されている。減速伝動装置603はこの実施例では「ハーモニックドライブ伝動装置」として構成されている。このハーモニックドライブ伝動装置は、たとえばドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書に基づき公知であり、同ドイツ連邦共和国特許明細書中では「波動歯車伝動装置」と呼ばれている。伝動装置としてハーモニックドライブ伝動装置が使用されると、電動モータ602の出力軸611は形状接続的な結合部、つまり係合に基づく嵌合部、たとえば差込み結合部によってウェーブジェネレータ640と相対回動不能に結合されている。ハーモニックドライブ伝動装置では、外側の剛性的な歯車と、内側の変形可能な歯車とが歯数差を有しており、たとえば変形可能な歯車に与えられた歯数がたとえば100枚で、かつ剛性的な歯車に与えられた歯数が102枚である場合には歯数差2を有している。この場合、50:1の減速比が得られる。
【0109】
ハーモニックドライブ伝動装置は主として、内歯列621を備えた、有利には定位置の環状の剛性的な歯車(「サーキュラスプライン」とも呼ばれる)620と、外歯列631を備えた、たとえばカップ形の変形可能な歯車(「フレクスプライン」とも呼ばれる)630と、非円形横断面を有するウェーブジェネレータ640とから成っている。ウェーブジェネレータ640と変形可能な歯車630との間には形状接続も摩擦接続も存在しておらず、それどころか両構成部分の間には一般に支承装置が存在しているにもかかわらず、ウェーブジェネレータ640の回転によって、変形可能な歯車630が回転するようになる。ハーモニックドライブ伝動装置の機能形式に関しては、ドイツ連邦共和国特許第19927957号明細書および欧州特許第0501522号明細書に詳しく説明されているので、本明細書中での詳細な説明は省略する。ただし上記ドイツ連邦共和国特許明細書および欧州特許明細書に開示されている内容は本願明細書中に包含されるものとする。
【0110】
変形可能な歯車630は軸方向で見て、半径方向内側へ向かって引き込まれていて、半径方向に向けられたカラー632を有しており、そしてこのカラー632を介して駆動プレート650に、固定手段651によって相対回動不能に結合されている。固定手段としては、形状接続的な結合部、たとえばねじ、リベットまたはその他の形状接続的な結合部が設けられていてよい。
【0111】
駆動プレート650は半径方向内側では変形可能な歯車630に相対回動不能に結合されていて、半径方向外側ではシフトドラムの円筒状周壁605と相対回動不能に結合されており、これにより駆動結合が形成されている。駆動プレート650は剛性的なエレメントとして形成されているか、または弾性を備えていてよい。その場合には、変形可能な歯車630との取付けのための半径方向内側に位置する取付け点と、円筒状周壁605との結合のための半径方向外側に位置する結合点との間に相対回動が生じ得る。このためには、駆動プレート650がたとえば複数の部分、すなわち少なくとも2つの同軸的に配置された板により形成されていて、中間接続された少なくとも1つの蓄力器、たとえばゴムまたはばねを備えていてよい。この実施例では、両板のうちの一方の板が、変形可能な歯車630に結合されていて、他方の板がシフトドラムの円筒状周壁605に結合されている。その場合、力伝達またはトルク伝達は、弾性的なエレメントの中間接続下に、変形可能な歯車630からシフトドラム601の円筒状周壁605へ向かって行われる。
【0112】
剛性的な歯車620はトランスミッションのハウジング部分と相対回動不能に配置されていると有利である。剛性的な歯車620と、シフトドラム601の回転可能に配置された円筒状周壁605との間には、軸受け660が配置されている。この軸受け660はラジアル軸受けとしてもスラスト軸受けとしても働くことができる。このためには、軸受け660が軸方向の脚部と、半径方向の脚部とを有している。この軸受けは滑り軸受けまたは転がり軸受けとして形成されていてよい。
【0113】
図13には、たとえばギヤ段チェンジのために車両トランスミッションのトランスミッションシフトエレメントを操作するためのシフトドラム700の実施例が示されている。この場合、シフトドラム700の各コンポーネントの配置が概略的にのみ図示されている。符号701でシフトドラム700の円筒体もしくは円筒状周壁が示されており、この円筒状周壁701は車両トランスミッションのトランスミッションハウジング710に設けられた収容部712内に軸受け711によって回転可能に支承されている。この収容部712はドラムの軸方向で突出した、軸受け711を収容する付設部である。電動モータ720は中空円筒状の円筒状周壁701に設けられた収容部内に収容されており、この場合、電動モータ720の一方の端部は固定用プレート721に結合されている。この固定用プレート721はトランスミッションハウジング710に結合可能である。このためには、固定用プレート721が半径方向で円筒状周壁701に対して突出していて、たとえばトランスミッションハウジング710とねじ締結され得る。これにより、電動モータ720はトランスミッションハウジング710に対して相対回動不能に取り付けられている。電動モータ720は出力軸722によって減速伝動装置730の伝動装置エレメントを駆動する。減速伝動装置730の出力エレメントは駆動エレメント740に作用結合されていて、中空円筒状のシフトドラムの円筒状周壁701を駆動する。シフトドラムには、さらに軸が枢着されており、この軸は、たとえばシフトドラムの角度位置を検出することのできるセンサを制御することができる。シフトドラムの軸方向の端面に設けられたこのようなセンサ枢着部はオプショナルである。また、シフトドラムの角度位置を検出するセンサ、たとえばインクリメンタル式の角度信号発生器が電動モータ内に組み込まれていてもよい。
【0114】
図14には、たとえばギヤ段チェンジのために車両トランスミッションのトランスミッションシフトエレメントを操作するためのシフトドラム800の実施例が示されている。この場合、シフトドラム800の各コンポーネントの配置が概略的にのみ図示されている。符号801でシフトドラム800の円筒体もしくは円筒状周壁が示されており、この円筒状周壁801は車両トランスミッションのトランスミッションハウジング810に設けられた収容部812内に軸受け811によって回転可能に支承されている。収容部812はこの場合、ドラムの軸方向で突出した、軸受け811を収容する付設部である。電動モータ820はトランスミッションハウジング810に設けられた収容部内に配置されていて、固定手段821によってトランスミッションハウジング810に固定されている。この実施例では、電動モータ820がシフトドラム800の内部に配置されているのではなく、電動モータ820とシフトドラム800とが同軸的に、ただし相並んで配置されている。電動モータ820は出力軸822によって減速伝動装置830の伝動装置エレメントを駆動する。減速伝動装置830の出力エレメントはシフトドラム800の駆動エレメントに作用結合されていて、円筒状のシフトドラムもしくは円筒状周壁801を駆動する。図14に示した実施例では、シフトドラム800が特に細長く形成されていてよいので、電動モータ820は直列に配置されている。このことは特定の構成スペース事情では特に有利になる。この場合、少なくとも減速伝動装置830はドラムに設けられた収容部内に少なくとも部分的に配置されている。減速伝動装置830の出力エレメントとシフトドラム800との間には、弾性的なエレメントが中間接続されていてよい。この弾性的なエレメントは力伝達経路またはトルク伝達経路においてシフトドラム800と減速伝動装置830の出力エレメントとの相対回動を可能にする。
【0115】
図15には、たとえばダブルクラッチ式トランスミッションのための2つのシフトドラム901,902の本発明による装置900が示されている。ダブルクラッチ式トランスミッションでは、それぞれ切換可能な変速比を有する2つのギヤトレーンが設けられている。両ギヤトレーンは自動化されて操作可能であるか、または切換可能である。両シフトドラムは電動モータ903,904によって操作され、この場合、電動モータとシフトドラムとの各駆動装置の詳細は図12に示した通りである。両シフトドラム901,902は、両シフトドラムの端面が互いに向かい合って位置するように、そして両シフトドラムの伝動装置側が互いに反対の側に位置するように配置されている。電動モータ903,904は両電動モータの間に設けられた収容部910によって相対回動不能に保持されており、剛性的な歯車911,912はハウジング固定に収容されている。したがって、両シフトドラム901,902は回転可能に支承されていて、互いに別個に独立して車両トランスミッションの2つの操作機構を制御することができる。図15に示した実施例では、両シフトドラムが同軸的に配置されていて、かつ電動モータがシフトドラム901,902の内部に少なくとも部分的に収容されており、これにより構成スペースが節約されていることが有利である。
【0116】
本願で提出した特許請求の範囲の請求項は記述提案であって、別の請求項の申請を断念するものではない。本出願人は明細書および/または図面に開示されているに過ぎない別の特徴組み合わせについて特許を申請する権利を留保する。
【0117】
従属請求項に用いた引用は、各従属請求項の特徴による独立請求項の対象の別の構成を意味し、引用した従属請求項の特徴の組み合わせのための独立した対象保護を得ることを断念することを意味するものではない。
【0118】
従属請求項の対象は優先権主張日の時点での公知先行技術に関して独立した固有の発明を成し得るので、本出願人はこれらの従属請求項の対象を独立請求項の対象とすることを留保する。さらに、これらの従属請求項の対象は、先行する従属請求項の対象とは別個の独立した構成を有する独立した発明をも含んでいる場合がある。
【0119】
本発明は明細書に記載した実施例に限定されるものではない。むしろ、本発明の枠内で数多くの変化と変更とが可能であり、特に明細書全般および実施例ならびに請求の範囲に記述されかつ図面に示された特徴もしくは部材または方法段階と関連した個々の特徴の組み合わせまたは変更により、当業者にとって課題解決に関して推察可能であり、かつ組み合わされた特徴によって新しい対象または新しい方法段階もしくは方法段階順序をもたらすようなヴァリエーション、部材および組合わせおよび/または材料が、製造法、試験法および作業法に関しても考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による電動モータ式シフトアクチュエータが使用されるハーモニックドライブ機構の横断面図である。
【図2a】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2b】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2c】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図2d】
回転時におけるハーモニックドライブの各コンポーネントの相対的な位置を示す概略図である。
【図3】
本発明によるシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図4】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図5】
本発明によるクラッチアクチュエータ、ブレーキアクチュエータまたはシフトアクチュエータで使用される駆動機構の1実施例を示す概略図である。
【図6】
本発明によるクラッチアクチュエータ、ブレーキアクチュエータまたはシフトアクチュエータで使用される駆動機構の別の実施例を示す概略図である。
【図7】
本発明によるシフトドラムアクチュエータの1実施例を示す側方断面図である。
【図8】
本発明によるボール循環型スピンドルアクチュエータの側方断面図である。
【図9】
本発明によるラック式アクチュエータの側方断面図である。
【図10】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの側方断面図である。
【図11】
本発明によるダブルシフトドラムアクチュエータの別の実施例を示す側方断面図である。
【図12】
組み込まれた電動モータを備えたシフトドラムを示す断面図である。
【図13】
本発明によるシフトドラムの概略図である。
【図14】
本発明によるシフトドラムの別の実施例を示す概略図である。
【図15】
たとえばダブルクラッチ式トランスミッションに用いられる2つのシフトドラムの配置を示す断面図である。
Claims (43)
- シフトドラムと、該シフトドラムの駆動モータとを備えたトランスミッション操作装置を有するトランスミッションであって、シフトドラムが、シフトフォークのようなトランスミッション操作エレメントと、有利にはシフトドラムの外周面で作用結合されており、シフトドラムが回転可能に配置されており、シフトドラムの回転によってトランスミッションの変速比が切換可能である形式のものにおいて、駆動モータが、シフトドラムに設けられた切欠き内に少なくとも部分的に収容されていることを特徴とするトランスミッション。
- 駆動モータが電動モータである、請求項1記載のトランスミッション。
- 駆動モータが、有利には該駆動モータのハウジングで、トランスミッションハウジングの一部に相対回動不能に配置されている、請求項1または2記載のトランスミッション。
- 駆動モータが、中間接続された減速伝動装置を介してシフトドラムを駆動するようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載のトランスミッション。
- 減速伝動装置が、シフトドラムに設けられた切欠き内に少なくとも部分的に収容されている、請求項4記載のトランスミッション。
- 原動機車両のためのトランスミッションの操作機構を制御するための電動モータ式アクチュエータにおいて、固定エレメントが設けられており、該固定エレメントによって当該アクチュエータが支持エレメントに対して組み付けられ得るようになっており、シフトドラムが設けられており、該シフトドラムが、前記固定エレメントに対して相対的に回転するように組み付けられており、電動モータが設けられており、該電動モータがシフトドラム内に同軸的に組み付けられており、該電動モータが、前記固定エレメントに対して相対回動不能に組み付けられたステータと、ロータとを有しており、該ロータが、シフトドラムと一緒に回転するようにハーモニックドライブ機構によってシフトドラムと駆動結合されており、該ハーモニックドライブ機構が、ロータと一緒に回転するように該ロータに組み付けられたウエーブジェネレータと、前記固定エレメントに対して相対回動不能に前記ウエーブジェネレータに対して同心的に組み付けられた環状のスプライン歯車と、前記ウエーブジェネレータと前記環状のスプライン歯車との間に配置されたフレキシブルなスプライン歯車とを有しており、該フレキシブルなスプライン歯車がシフトドラムと駆動結合されており、該フレキシブルなスプライン歯車が、前記環状のスプライン歯車よりも少ないスプライン歯を有しており、前記ウエーブジェネレータが前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯と前記環状のスプライン歯車のスプライン歯とを、互いに所定の角度間隔を置いて配置された個所で噛み合わせるように前記ウエーブジェネレータが成形されており、該噛合い個所の間では前記フレキシブルなスプライン歯車のスプライン歯が前記環状のスプライン歯車のスプライン歯から分離されていることを特徴とする電動モータ式アクチュエータ。
- 操作機構が、−40:1〜−60:1の駆動比を有している、請求項6記載の電動モータ式アクチュエータ。
- ウエーブジェネレータが楕円形の構造体を有しており、フレキシブルなスプライン歯車が環状のスプライン歯車と、ウエーブジェネレータの長軸に沿って直径方向で互いに向かい合って位置する個所で噛み合っている、請求項6または7記載の電動モータ式アクチュエータ。
- フレキシブルなスプライン歯車がカップ形に形成されていて、外周面に複数のスプライン歯を備えた環状の部分と、ハブ構造体と、フレキシブルな円筒状のウェブ部分とを有しており、該ウェブ部分が前記環状の部分と前記ハブ構造体とを結合しており、フレキシブルなスプライン歯車が前記ハブ構造体によってシフトドラムに固定されている、請求項6から8までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- ハブ構造体が、ねじまたはこれに類する固定手段によってシフトドラムに固定されている、請求項9記載の電動モータ式アクチュエータ。
- ハブ構造体がシフトドラムに弾性的に取り付けられている、請求項9記載の電動モータ式アクチュエータ。
- ハブ構造体が弾性的なブシュによってシフトドラムに取り付けられており、該弾性的なブシュが、ハブ構造体とシフトドラムとの互いに向かい合って位置する周面の間に圧縮下に組み付けられている、請求項9記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 電動モータが円筒状のモータハウジングの内部に組み付けられており、該円筒状のモータハウジングが環状のスプライン歯車を規定しており、シフトドラムが、前記円筒状のモータハウジングの外径部分に回転可能に組み付けられている、請求項6から12までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 2つの電動モータ/シフトドラム装置が互いに同軸的に中心軸に組み付けられている、請求項6から12までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 中心軸に軸方向の切欠きが設けられている、請求項14記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 中心軸に電動モータのステータが取り付けられており、該ステータの半径方向外側にロータが回転可能に組み付けられている、請求項14または15記載の電動モータ式アクチュエータ。
- シフトドラム/電動モータ装置が、トランスミッションハウジング内での配置のために形成されている、請求項6から16までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 原動機車両のクラッチ機構、ギヤ段操作機構またはブレーキを制御するための電動モータ式アクチュエータにおいて、電動モータと、該電動モータの出力軸と、駆動機構とが設けられており、該駆動機構が、電動モータの出力軸に該出力軸と一緒に回転するように固定された太陽歯車と、電動モータの出力軸に対して同軸的に回転するように組み付けられた環状の遊星キャリヤと、該遊星キャリヤに対して対称的に所定の角度間隔を置いて配置された状態で組み付けられた一連の遊星歯車とを有しており、該遊星歯車が第1の内歯車と第2の内歯車とに噛み合っており、一方の内歯車が定位置に固定されており、他方の内歯車が出力エレメントに形成されており、該出力エレメントが出力軸に対して同軸的に回転するように取り付けられており、所要の駆動比を提供するために、第1の内歯車に設けられた歯の歯数が、第2の内歯車に設けられた歯の歯数とは異なっていることを特徴とする電動モータ式アクチュエータ。
- 駆動機構が40:1〜60:1の駆動比を有している、請求項18記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 各遊星歯車がダブルピニオンの形を有していて、各遊星歯車が一次ピニオンと二次ピニオンとを規定しており、一次ピニオンが太陽歯車と第1の内歯車とに噛み合っており、二次ピニオンが第2の内歯車に噛み合っている、請求項18または19記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 一次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っている、請求項20記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 一次ピニオンが定位置の内歯車に噛み合っており、二次ピニオンが、出力エレメントに形成された内歯車に噛み合っている、請求項20記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 太陽歯車と、遊星歯車の第1のピニオンおよび第2のピニオンとが等しい大きさを有しており、ただし一次ピニオンに設けられた歯の歯数が、二次ピニオンに設けられた歯の歯数とは約10%だけ異なっている、請求項20から22までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 遊星歯車が個々のピニオンであり、該ピニオンが、第1の内歯車および第2の内歯車の軸線に対して斜めに延びる軸線に沿って組み付けられていて、遊星歯車の一方の端部が、歯数の少ない方の内歯車と小径部分に沿って噛み合っており、遊星歯車の他方の端部が、歯数の多い方の内歯車と大径部分に沿って噛み合っている、請求項18または19記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力エレメントが、ギヤ段シフト機構の運動を制御するために形成されたシフトドラムである、請求項18から24までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 電動モータが円筒状のハウジングの内部に組み付けられており、該円筒状のハウジングが定位置の内歯車を規定しており、シフトドラムが前記円筒状のハウジングの外径部分に回転可能に組み付けられており、相対的に回転可能な内歯車が、シフトドラムの内径部分に設けられている、請求項25記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 定位置の内歯車が円筒状のハウジングにより規定されており、相対的に回転可能な内歯車が出力リングギヤにより規定されており、該出力リングギヤがシフトドラムにフレキシブルに取り付けられている、請求項26記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力リングギヤの外径部分とシフトドラムの内径部分との間にエラストマ製のブシュが半径方向の圧縮下に配置されている、請求項27記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 円筒状のハウジングと、シフトドラムの内径部分との間にシール手段が設けられている、請求項26から28までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 2つのシフトドラム/電動モータ装置が互いに同軸的に組み付けられている、請求項27から29までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 一方のシフトドラムに設けられたピン構造体が、他方のシフトドラムに設けられたスリーブ構造体と係合している、請求項30記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 両シフトドラムの間に軸方向の軸受けもしくはスラスト軸受けが設けられている、請求項31記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 軸方向の軸受けもしくはスラスト軸受けを弾性的に負荷するための手段が設けられている、請求項32記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 2つの電動モータ/シフトドラム装置が互いに同軸的に1つの中心軸に組み付けられている、請求項30記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 中心軸に軸方向の切欠きが設けられている、請求項34記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 中心軸に電動モータのステータが固定されており、該ステータの半径方向外側にロータが回転可能に組み付けられている、請求項34または35記載の電動モータ式アクチュエータ。
- シフトドラム/電動モータ装置が、トランスミッションハウジング内での配置のために形成されている、請求項26から36までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力エレメントがスピンドルアクチュエータを駆動するようになっている、請求項18から24までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力エレメントがボール循環型スピンドルアクチュエータを駆動するようになっており、該ボール循環型スピンドルアクチュエータが内側ねじ山部分と外側ねじ山部分とを有しており、両ねじ山部分の間に規定されたねじ山構造体内に一連のボールが配置されており、出力エレメントが、ボール循環型スピンドルアクチュエータの一方のねじ山部分を規定しており、ボール循環型スピンドルアクチュエータの他方のねじ山部分が、軸方向では運動可能であるが、出力エレメントに対する回転に関しては制限されている、請求項38記載の電動モータ式アクチュエータ。
- スピンドルアクチュエータの内側ねじ山部分と外側ねじ山部分との間に補償ばねが設けられている、請求項38または39記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力エレメントがラック機構を駆動するようになっている、請求項18から24までのいずれか1項記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 出力エレメントがピニオンにより規定されており、該ピニオンがラックと噛み合っており、該ラックが前記ピニオンの回転軸線に対して直交する方向で組み付けられている、請求項41記載の電動モータ式アクチュエータ。
- 主として本明細書中で図1〜図7の図面につき説明しかつ該図面に図示したような電動モータ式アクチュエータ。
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