JP2004513179A - 4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムの製造法 - Google Patents

4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムの製造法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般式 (I) :
(式中、R=H、C1−6アルキルまたはC2n+1基、R=C1−4アルキル、X=E−またはZ−OH、そしてY=O C1−6アルキル、S −C1−6アルキルまたはO−CH2n+1基、ここでn=1、2または3である)
の4−(17α−置換−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムを製造する方法に関し、この方法は式 (I) の化合物を高い収率および選択性で生成する。
【化1】

Description

【0001】
一般式 (I)
【化8】
Figure 2004513179
【0002】
(式中、Rは水素原子、C1−6アルキル基またはC2n+1基であり、RはC1−4アルキル基であり、XはE−またはZ−位におけるOH基であり、そしてYはO C1−6アルキル基、S C1−6アルキル基またはOCH2n+1基であり、ここでnは1、2または3である)
の4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムを製造する方法が提供される。
【0003】
4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムは既に知られている。このタイプの物質は特許DE 4332283 A1 (EP 0 648 778 B1)に記載されている。これらの化合物は有利な抗黄体ホルモン作用およびわずかの抗グルココルチコイド作用を有するために、多数のホルモン依存的女性疾患、例えば、子宮内膜炎の治療に対する重要性を有する。
【0004】
それらを製造する現在の方法において、ケタールようにC−3上のジメチルケタールとして保護された、出発物質5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17−オン (IIa) :
【化9】
Figure 2004513179
【0005】
を使用することが好ましく、こうして多数の種々の11β−アリール−置換ステロイドおよび異なる17α−置換化合物の両方を選択的に製造することができる。第1工程において、式 (IIa) の5α,10α−エポキシドを4−ブロモベンズアルデヒドケタール、好ましくは4−ブロモベンズアルデヒドジメチルケタールとのCu(I)塩触媒グリニヤール反応により開環して、式 (IIIa) :
【0006】
【化10】
Figure 2004513179
【0007】
の11β−アリール−置換5α−ヒドロキシステロイドを生成する。この場合において、17−オキソ基の一部分 (3〜10%) も攻撃されるので、この方法の収率は最適ではない。
【0008】
式 (IVa) :
【化11】
Figure 2004513179
【0009】
の11β,17α−ビスアリール−置換ステロイドが生成し、これらは式 (IIIa) の所望の11β−モノアリール−置換化合物からクロマトグラフィーにより分離することが非常に困難である。
COREYおよびCHAYKOWSKY (J. Am. Chem. Soc. 84、3782[1962]) によれば、式 (IIIa) および式 (IVa) の化合物の混合物を、主として式 (Va) :
【0010】
【化12】
Figure 2004513179
【0011】
のスピロエポキシドに変換することができ、これはアルカリメチラートにより開環して式 (VIa) :
【0012】
【化13】
Figure 2004513179
【0013】
(式中、Rは水素原子である)
の17α−メトキシ化合物に変換され、これを直ちに、または不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン (THF) またはトルエン中で塩基、例えば、カリウム−t−ブタノラートの存在下に式 (VIa) の17β−ヒドロキシルとアルキルハライドとの反応後に、式中RがC1−6アルキル基である、式 (VIa) の17β−エーテルに変換し、酸加水分解により、Rが水素原子またはC1−6アルキル基である、式 (VIIa) :
【0014】
【化14】
Figure 2004513179
【0015】
(式中、R1は水素原子またはC1−6アルキル基である)
のベンズアルデヒドに変換する。グリニヤール反応において副生物として生成される式 (IVa) の11β,17β−ビスアリールステロイドは、前述の条件下に絶えず連行され、究極的に式 (VIIIa) :
【0016】
【化15】
Figure 2004513179
【0017】
(式中、Rは前述の意味を有する)
の11β,17α−ビスアルデヒドに加水分解される。式 (VIIIa) のこれらのビスアルデヒドは結晶化挙動およびクロマトグラフィー的に性質が式 (VIIa) の非アルデヒドと非常にわずかにのみ異なり、定量的に分離することは困難である。これらの副生物は本発明による式 (I) の化合物の製造において問題を持ち出す。
したがって、本発明の目的は、C−17に対するグリニヤール化合物の攻撃を防止する、一般式 (I) の4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムを製造する、より高い効率を有し、技術的に簡単である方法を提供することである。
【0018】
この目的は、請求項1に記載の方法により達成される。
グリニヤール化前に、17−オキソ基は所望の17α−置換化合物に変換されるので、式 (VIIIa) の副生物の形成は防止され、これによりターゲット化合物はより高い収率および純度で得られる。こうして、例えば、DE 43 32 283 A1の方法に従う出発物質として化合物 (II) を使用して、アルデヒド (VIIb) を約5.6%の収率で製造し、したがってオキシム (Ic) を約3.8%の収率で製造することができる。本発明による方法により、精製のために特別のクロマトグラフィー条件を使用しないで、アルデヒド (VIIb) は今回約25%の収率で製造することができるか、あるいはオキシム (Ic) をオキシム (IX) から約17%の収率で製造することができる。
【0019】
本発明の好ましい態様はサブクレイムの中に示されている。本発明の追加の利点を下に説明する。
【0020】
本発明によれば、式 (II) :
【化16】
Figure 2004513179
【0021】
(式中、RはC1−4アルキルである)
の3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17−オンを溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド (DMSO)、ジメチルホルムアミド (DMF) またはトルエン中において活性メチレン試薬 (例えば、ヨウ化トリメチルスルホニウム、および強塩基、例えば、カリウム−t−ブタノラートまたは水酸化カリウムから製造された) で、式 (IX) :
【化17】
Figure 2004513179
(式中、Rは前述の意味を有する)
の5α,10α−エポキシ−17(S)−スピロエポキシドに変換し、これをアルカリまたはアルカリ土類アルコラートにより、好ましくはナトリウムメタノラートにより、アルカリ水酸化物またはカリウム−t−ブタノラートの存在下にアルキルメルカプタンにより、選択的に溶媒、例えば、メタノール、DMFまたはDMSO中においてアルカリ、好ましくはカリウム−t−ブタノラートの存在下にアルカリメルカプチドまたはペルフルオロアルキルアルコールを使用する直接的切り離しにより、位置選択的または立体選択的切り離しを実施した後、開環して、式 (X) :
【化18】
Figure 2004513179
(式中、YはO C1−6アルキル基、S C1−6アルキル基またはOCH2n+1基であり、ここでnは1、2または3であり、Rは水素原子であり、そしてRは前述の意味を有する)
の17α−置換化合物を生成し、これを必要に応じて不活性溶媒、例えば、エーテル、THFまたはトルエン中において強塩基、例えば、水酸化カリウム、アルコラート、例えば、カリウム−t−ブタノラート、銀フッ化物、アルカリ金属またはナフタレンまたはビフェニルの存在下に17β−ヒドロキシル基とハロアルキル化合物またはハロアルキルフルオライド (ハロゲン=Cl、BrまたはI) との反応により、式中RがC1−6アルキル基またはC2n+1基であり、ここでnが1、2または3であり、そしてRおよびYが前述の意味を有する式 (X) の17β−エーテルまたは17β−フルオロアルキルエーテルに変換する。式 (X) の化合物を−35 ℃〜温室において4−ブロモベンズアルデヒドケタール、例えば、4−ブロモベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタールまたは4−ブロモベンズアルデヒド−1,1−ジメチルケタール、マグネシウムおよびCu(I)Clと反応させて、式 (XI) :
【0022】
【化19】
Figure 2004513179
【0023】
(式中、Rはメチル基またはエチリデン基であり、そしてR、RおよびYは前述の意味を有する)
の対応する3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−11β−ベンズアルデヒドケタールを生成し、これを保護基の酸加水分解により、例えば、アセトン中の希薄酢酸またはp−トルエンスルホン酸を使用して、式 (XII) :
【0024】
【化20】
Figure 2004513179
【0025】
(式中、R、RおよびYは前述の意味を有する)
の11β−ベンズアルデヒド誘導体に変換し、そしてアルデヒド機能をヒドロキシルアンモニウム塩、好ましくはヒドロキシルアミン塩酸塩により、塩基、好ましくはピリジンまたはトリエチルアミンの存在下に、温室において、一般式 (I) :
【0026】
【化21】
Figure 2004513179
【0027】
(式中、XはE−またはZ−位におけるOH基であり、そしてR、RおよびYは前述の意味を有する)
のE/Z−ベンズアルドキシムの混合物に選択的に変換し、これを個々の成分として、再結晶化させるか、あるいはクロマトグラフィーにより分離し、精製し、単離する。
【0028】
本発明において、「アルキル基」は分枝鎖状または直鎖状のアルキル基として定義される。C1−4またはC1−6アルキル基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルまたはt−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルまたは2,3−ジメチルブチル基を挙げることができる。C2n+1基は1〜3個の炭素原子を有する分枝鎖状または直鎖状のフルオロアルキルとして定義され、それらの例はトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロ−n−プロピルまたはヘプタフルオロ−イソプロピル基である。
【0029】
およびRは、好ましくはC1−3アルキル基、好ましくはメチル基またはトリフルオロメチル基である。
Yは好ましくはO C1−3アルキル基またはS C1−3アルキル基、特に好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチルチオまたはエチルチオ基、またはトリフルオロエトキシ基である。式中RがC2n+1基でありおよび/またはYがOCH2n+1基である、式 (I) の化合物は新規である。
【0030】
式 (I) の化合物の範囲内に入る最も好ましい化合物は次の通りである:
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム、
4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム、
4−[17β−エトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
【0031】
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(エトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−メトキシ−17α−(エトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(イソプロポキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−メトキシ−17α−(イソプロポキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(エチルチオメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、および
4−[17β−ヒドロキシ−17α−(1,1,1−トリフルオロエトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム。
【0032】
これらの化合物は黄体ホルモンレセプターに十分に結合し、動物実験において強い抗黄体ホルモン活性を示し、部分的黄体ホルモン活性を有し、ほんのわずかのグルココルチコイドレセプター結合性を示す (DE 4332283 A1 (EP 0 648 778 B1))。
下記の実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
実施例
【0033】
実施例 [17 β−ヒドロキシ− 17 α− メトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ia)
段階
25 gの3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17−オン (IIa) を200 mlのDMSO中に溶解し、34 gのヨウ化トリメチルスルホニウムと混合する。次いで、24 gの固体状カリウム−t−ブタノラートを添加し、それを温室において3時間攪拌し、氷冷塩化アンモニウム溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、中性になるまで洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に蒸発により濃縮する。27 gの3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17(S)−スピロエポキシド (IXa) が粘着性泡状物として得られ、これを次の段階において直接使用する。
【0034】
段階
27 gの3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17(S)−スピロエポキシド (IXa) を100 mlのメタノール中に溶解し、100 mlの3 Nナトリウムメチラート溶液をアルゴ雰囲気下に添加し、この混合物を2時間還流させる。それを冷却し、メタノールの半分を蒸留し、残部を酢酸エチルの中に取り、この溶液を水と混合し、相を分離する。有機相を中性になるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に蒸発により濃縮する。29.5 gの3,3−ジメトキシ−17α−(メトキシメチル)−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17β−オール (Xa) が粘着性泡状物として得られ、これを次の段階において直接使用する。
【0035】
段階
50 mlの無水THF中の10 gの3,3−ジメトキシ−17α−メトキシメチル−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17β−オール (Xa) を−35 ℃において、130 mlのTHF中の2.7 gのマグネシウム、25 gの4−ブロモベンズアルデヒドエチレンケタールから調製したグリニヤール溶液および0.65 gの塩化銅 (I)に滴下する。それを温室に放温し、2時間後、水性塩化アンモニウム溶液で分解し、この溶液をt−ブチルメチルエーテルで抽出する。有機相を中性になるまで洗浄し、乾燥し、真空下に蒸発により濃縮する。16 gの化合物が得られ、これから4−(3,3−ジメトキシ−5α,17β−ジヒドロキシ−17α−メトキシメチル−エストル−9−エン−11β−イル)ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIa) をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより単離する。
【0036】
融点111〜116 ℃。α=−5°(CHCl). H−NMR:7.36 (d,2H,J=8.1,H3’), 7.24 (d,2H,J=8.1,H2’), 5.76 (s,1H,PhCH), 4.67 (s,1H,OH), 4.27 (d,1H,J=8.1,H−11α), 4.02−4.14 (m,4H,エチレンケタール), 3.38 (s,3H,OCH), 3.22 (s,3H,OCH), 3.21 (s,3H,OCH), 3.17 (d,1H,J=9.0,CHO), 2.55 (s,1H,OH), 0.46 (s,3H,H−18)。
【0037】
段階
45 gの4−(3,3−ジメトキシ−17α−メトキシメチル−5α−ヒドロキシ−エストル−9−エン−11β−イル)ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIa) を100 mlのt−ブチルメチルエーテル中に溶解し、1.2 gのp−トルエンスルホン酸と混合し、温室において1時間攪拌する。15 mlの重炭酸塩溶液を添加した後、それを塩化メチレンで抽出し、有機相を中性になるまで洗浄し、乾燥し、真空下に蒸発により濃縮する。t−ブチルメチルエーテルを添加した後、4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIa) が粗生成物として沈殿し、これをシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチルから再結晶化させる。
【0038】
融点236〜240 ℃。α=+209°(CHCl). H−NMR:9.97 (s,1H,−CHO), 7.80 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.38 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.80 (s,1H,H−4), 4.45 (d,1H,J=7.5,H−11), 3.57 (d,1H,J=9.2,CHO), 3.42 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.41 (s,3H,OCH), 0.51 (s,3H,H−18)。
【0039】
段階
33 gの4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIa) をアルゴ雰囲気下に250 mlのピリジン中に溶解し、5.8 gのヒドロキシルアミン塩酸塩と混合する。2時間後、それを氷水中で混合し、沈殿を吸引し、洗浄し、乾燥する。粗生成物 (40 g) をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。下記の化合物が得られる:
【0040】
20 gの4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム (Ia) [融点135〜145 ℃ (EtOH/水)、α=+236°(CHCl). H−NMR:9.00 (s,1H,NOH), 8.11 (s,1H,HC=N), 7.45(d,2H,J=8.2,H−3’), 7.17 (d,2H,J=8.2,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.38 (d,1H,J=7.1,H−11), 3.58 (d,1H,J=9.0,CHO), 3.43 (s,3H,OCH), 3.25 (d,1H,J=9.0,CHO), 0.48 (s,3H,H−18)]、および1.5 gの4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム (Ib) [融点135〜146 ℃ (アセトン)、α=+192°. H−NMR:8.56 (s,1H,NOH), 7.86 (d,2H,J=8.4,H−3’), 7.33 (s,1H,HC=N), 7.26 (d,2H,J=8.4,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.41 (d,1H,J=7.2,H−11), 3.57 (d,1H,J=9.1,CHO), 3.42 (s,3H,OCH), 3.23 (d,1H,J=9.1,CHO), 0.54 (s,3H,H−18)。
【0041】
実施例 [17 β−メトキシ− 17 α− メトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ic)
段階
29.5 gの実施例1、段階bにおいて製造した3,3−ジメトキシ−17α−メトキシメチル−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17β−オール (Xa) をアルゴ雰囲気下に650 mlのトルエン中に溶解し、110 gのカリウム−t−ブタノラートと混合し、温室において攪拌する。30 mlのトルエン中の70 mlのヨウ化メチルを2時間以内に滴下する。次いで、それを水で希釈し、相を分離し、有機相を中性になるまで洗浄し、乾燥し、真空下に蒸発により濃縮する。30 gの3,3,17β−トリメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17α−メトキシ−メチルエーテル (Xb) が黄色樹脂として得られ、これをヘキサンで処理する。
【0042】
融点114〜118 ℃ (ヘキサン)。α=+7°(CHCl). H−NMR:6.00 (m,1H,H−11), 3.57 (d,1H,J=10.3,CHO), 3.36 (s,3H,OCH), 3.30 (d,1H,J=10.3,CHO), 3.28 (s,3H,OCH), 3.19 (s,3H,OCH), 3.13 (s,3H,OCH), 0.88 (s,1H,H−18)。
【0043】
段階
500 mgの塩化銅 (I) を−35 ℃において、140 mlのTHF中の24 gの4−ブロモベンズアルデヒドエチレンケタールおよび2.0 gのマグネシウムから調製したグリニヤール溶液に添加する。それをこの温度において20分間攪拌し、40 mlのTHF中の10 gの3,3,17β−トリメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17α−メトキシメチルエーテル (Xb) を滴下する。次いで、反応溶液を温室に加熱し、このバッチを水性塩化アンモニウム溶液で分解し、この溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄し、それを硫酸ナトリウムで乾燥し、この溶液を真空下に蒸発により濃縮する。粗生成物、4−(3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−17β−メトキシ−17α−メトキシメチル−エストル−9−エン−11β−イル)ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIb)、(15 g) を次の段階において直接使用する。
【0044】
段階
15 gの粗生成物4−(3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−17β−メトキシ−17α−メトキシメチル−エストル−9−エン−11β−イル)ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIb) を120 mlのアセトン中に溶解し、1.3 gのp−トルエンスルホン酸と混合する。1時間後、それを中和し、水で希釈する。この場合において、4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIb) が沈殿し、これを吸引し、アセトン中の再結晶化する。
【0045】
融点245〜250 ℃ (アセトン)。α=+193°(CHCl). H−NMR:9.97 (s,1H,CHO), 7.79 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.37 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.44 (d,1H,J=7.5,H−11), 3.56 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.42 (d,1H,J=10.8,−CHO), 3.41 (s,3H,OCH), 3.25 (s,3H,OCH), 0.51 (s,3H,H−18)。
【0046】
段階
温室において100 mlのピリジン中の10 gの4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIb) の溶液に、1.75 gのヒドロキシルアミン塩酸塩を添加し、この混合物を2時間攪拌する。それを氷水中に注ぎ、沈殿を吸引し、塩化カルシウムで乾燥し、粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。下記の化合物が得られる:
【0047】
7 gの4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム (Ic) [融点196〜198 ℃ (EtOH/HO), α=+220°(CHCl). H−NMR:8.38(s,1H,NOH), 8.10 (s,1H,HC=N), 7.47 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.20 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.38 (d,1H,J=7.3,H−11), 3.58 (d,1H,J=10.8,CHO),3.41 (s,3H,OCH), 3.41 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.25 (s,3H,OCH),0.54 (s,3H,H−18)]、および300 mgの4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム (Id) [融点120〜138 ℃ (アセトン/n−ヘキサン)、α=+217°(CHCl). H−NMR:9.38 (s,1H,NOH), 7.88 (d,2H,J=8.9,H−3’), 7.33 (s,1H,HC=N), 7.26 (d,2H,J=8.9,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.39 (d,1H,J=7.3,H−11), 3.58 (d,1H,J=10.5,CHO), 3.42 (d,1H,J=10.5,CHO), 3.41 (s,3H,OCH), 3.26 (s,3H,OCH), 0.54 (s,3H,H−18)。
【0048】
実施例 [17 β−エトキシ− 17 α− メトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ie)
段階
4.16 gの実施例1、段階bにおいて製造した3,3−ジメトキシ−17α−メトキシメチル−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17β−オール (Xa) を、405 mlのトルエン中の合計15.6 gのカリウム−t−ブタノラートおよび76 mlのヨードエタンと35 ℃において14時間以内に少しずつ反応させる。仕上げるために、それを温室に冷却し、水を添加し、これにより塩は溶解する。相を分離し、水性相を再びトルエンで抽出する。この溶液を洗浄し、蒸発により濃縮する。4.2 gの3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−17β−エトキシ−エストル−9(11)−エン−17α−メトキシメチルエーテル (Xc) が粗生成物として得られ、これを次の段階において直接使用する。
【0049】
段階
0.1gの塩化銅 (I) を−35 ℃において、60 mlのTHF中の5 gの4−ブロモベンズアルデヒドエチレンケタールおよび0.45 gのマグネシウムから調製したグリニヤール溶液に添加する。それをこの温度において30分間攪拌し、15 mlのTHF中の2.5 gの3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−17β−エトキシ−エストル−9(11)−エン−17α−メトキシメチルエーテル(Xc) を滴下する。次いで、反応溶液を温室に加熱し、このバッチを水性塩化アンモニウム溶液で分解し、4−[3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−17β−エポキシ−17α−(メトキシメチル)−エストル−9−エン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIc)、(4.5 g) を通常の仕上げの後に単離し、これを次の段階において直接使用する。
【0050】
段階
4.5 gの4−[3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−17β−エポキシ−17α−(メトキシメチル)−エストル−9−エン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1,1−エチレンケタール (XIc) を60 mlのアセトン中に溶解する。1.6 gのp−トルエンスルホン酸を添加し、1時間後、それを氷水中に注ぐ。4−[17β−エトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIc) がこの場合において沈殿し、これを吸引し、乾燥し、アセトン/ヘキサンから再結晶化し、再びt−ブチルメチルエーテルから再結晶化させる。
【0051】
融点146〜167 ℃。α=+199°(CHCl). H−NMR:9.97 (s,1H,CHO), 7.80 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.37 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.43 (d,1H,J=7.5,H−11), 3.58 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.41 (m,2H,CHO), 3.40 (s,3H,OCH), 1.10 (t,3H、エチル), 0.51 (s,3H,H−18)。
【0052】
段階
1.7 gの4−[17β−エトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド (VIIc) を、25 mlのピリジン中で250 mgのヒドロキシルアミン塩酸塩とともに温室において1時間攪拌する。次いで、それを100 mlの氷水中に注ぎ、沈殿を吸引し、水で中性になるまで洗浄し、塩化カルシウムで乾燥する。粗生成物 (1.7 g) をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。890 mgの4−[17β−エトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム (Ie) が得られる。
【0053】
融点184〜187 ℃ (アセトン/ヘキサン)。α=+214°(CHCl). H−NMR:9.10 (s,1H,CH=N), 7.58 (s,1H,OH), 7.49 (d,2H,J=8.4,H−3’), 7.21 (d,2H,J=8.4,H−2’), 5.78 (s,1H,H−4), 4.38 (d,1H,J=6.9,H−11), 3.62 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.40 (s,3H,OCH), 3.36 (d,1H,J=10.8,CHO), 1.11 (t,3H,CHCH), 0.54 (s,3H,H−18)。
【0054】
実施例 [17 β−ヒドロキシ− 17 α− エトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (If)
製造を実施例1、段階1b、1c、1dおよび1eに従い実施し、ここで段階1bにおいて、ナトリウムエチラートをナトリウムメチラートの代わりに使用する。化合物 (If) が無色泡状物として単離される。
α=+226°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 7.71 (s,1H,NOH), 7.47 (d,2H,J=8.2,H−3’), 7.19 (d,2H,J=8.2,H−2’), 5.78 (s,1H,H−4), 4.38 (d,1H,J=7.1,H−11), 3.58 (d,1H,J=9.3,CHO), 3.55 (m,2H,CH), 3.25 (d,1H,J=9.3,CHO), 2.17 (s,1H,OH), 1.25 (t,3H,CH), 0.52 (s,3H,H−18)。
【0055】
実施例 [17 β−メトキシ− 17 α− エトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ig)
化合物 (Ig) の製造を実施例1、段階bに従い実施し、ここでナトリウムエチラートをナトリウムメチラートの代わりに使用し、そして実施例2、段階2a、2b、2cおよび2dに従い実施する。
融点90〜95 ℃ (t−ブチルメチルエーテル)。α=+177°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 7.60 (s,1H,NOH), 7.47 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.24 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.37 (d,1H,J=7.3,H−11), 3.63 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.55 (m,2H,C), 3.44 (d,1H,J=10.8,CHO), 3.26, 3.22 (2s;および各OCH), 1.27 (t,3H,C), 0.54 (s,3H,H−18)。
【0056】
実施例 [17 β−ヒドロキシ− 17 α− イソプロポキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ih)
化合物 (Ih) の製造を実施例1、段階1b、1c、1dおよび1eに従い実施し、ここでナトリウムイソプロピラートをナトリウムメチラートの代わりに使用する。
融点192〜196 ℃ (分解;ジエチルエーテル)。α=+186°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 8.08 (s,1H,NOH), 7.48 (d,2H,J=8.1,H−3’), 7.19 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.38 (d,1H,J=6.6,H−11), 3.6 (m,CH), 3.59 (d,1H,J=9.3,CHO), 3.23 (d,1H,J=9.3,CHO), 3.02 (s,1H,OH), 1.21 (m,6H,2xCH), 0.52 (s,3H,H−18)。
【0057】
実施例 [17 β−メトキシ− 17 α− イソプロポキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ii)
化合物 (Ii) の製造を実施例1、段階bに従い実施し、ここでナトリウムエチラートをナトリウムメチラートの代わりに使用し、そして実施例2、段階2a、2b、2cおよび2dに従い実施する。
融点143 ℃ (分解;アセトン/ヘキサン)。α=+199°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 8.0 (s,1H,NOH), 7.48 (d,2H,J=8.4,H−3’), 7.21 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.37 (d,1H,J=6.9,H−11), 3.62 (d,1H,J=10.5,CHO), 3.59 (m,2H,OCH(CH), 3.43 (d,1H,J=10.2,CHO), 3.26 (s,3H,OCH), 1.22 (t,3H,C), 0.54 (s,3H,H−18)。
【0058】
実施例 [17 β−ヒドロキシ− 17 α− エチルチオメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ij)
化合物 (Ij) の製造を実施例1、段階1b、1c、1dおよび1eに従い実施し、ここで段階1bにおいて、ナトリウムチオエチラートをナトリウムメチラートの代わりに使用する。
融点132〜137 ℃。α=+165°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 7.93 (s,1H,NOH), 7.49 (d,2H,J=8.4,H−3’), 7.19 (d,2H,J=8.4,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.42 (d,1H,J=7.2,H−11), 2.95 (d,1H,J=13.2,CHS), 2.90 (s,3H,OH), 2.71 (d,1H,J=12.9,CHS), 2.6 (m,2H,SCH2−), 1.29 (t,3H,SCHCH), 0.56 (s,3H,H−18)。
【0059】
実施例 [17 β−ヒドロキシ− 17 α− (1,1,1 −トリフルオロエトキシメチル −オキソエストラ− 4,9 −ジエン− 11 β−イル ベンズアルデヒド− 1E −オキシム (Ik)
化合物 (Ik) の製造を実施例1、段階1b、1c、1dおよび1eに従い実施し、ここで段階1bにおいて、1,1,1−トリフルオロエタノールおよびカリウム−t−ブタノラートをナトリウムメチラートの代わりに使用する。
融点132〜136 ℃ (ジエチルエーテル)。α=+182°(CHCl). H−NMR:8.10 (s,1H,HC=N), 7.60 (s,1H,NOH), 7.49 (d,2H,J=8.4,H−3’), 7.20 (d,2H,J=8.1,H−2’), 5.79 (s,1H,H−4), 4.41 (d,1H,J=7.2,H−11), 3.95 (m,2H,OCHCF), 3.92 (d,1H,J=8.7,CHO), 3.82 (d,1H,J=9.0,CHO), 0.55 (s,3H,H−18)。

Claims (6)

  1. 一般式 (I) :
    Figure 2004513179
    (式中、Rは水素原子、C1−6アルキル基またはC2n+1基であり、RはC1−4アルキル基であり、XはE−またはZ−位におけるOH基であり、そしてYはO C1−6アルキル基、S C1−6アルキル基またはOCH2n+1基であり、ここでnは1、2または3である)
    により表わされる4−(17α−置換−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル)ベンズアルデヒド−(1Eまたは1Z)−オキシムの製造方法であって、式 (II) :
    Figure 2004513179
    (式中、Rは前述の意味を有する)
    の3,3−ジメトキシ−5α,10α−エポキシ−エストル−9(11)−エン−17−オンを、不活性溶媒中において活性メチレン試薬により式 (IX) :
    Figure 2004513179
    (式中、Rは前述の意味を有する)
    の5α,10α−エポキシ−17(S)−スピロエポキシドに変換し、これをアルカリまたはアルカリ土類アルコラートによる17−スピロエポキシ基の開裂の後、アルカリ水酸化物またはカリウム−t−ブタノラートの存在下にアルキルメルカプタンにより、不活性溶媒中においてアルカリの存在下にアルカリメルカプチドまたはペルフルオロアルキルアルコールを使用する直接的切り離しにより、位置選択的または立体選択的切り離しを実施した後、開環して、式 (X) :
    Figure 2004513179
    (式中Rは水素原子であり、YはO C1−6アルキル基、S C1−6アルキル基またはOCH2n+1基であり、ここでnは1、2または3であり、そしてRは前述の意味を有する)
    の17α−置換化合物を生成し、これを不活性溶媒中において強塩基の存在下に17β−ヒドロキシル基とアルキルハライドまたはハロアルキルフルオライドとの反応により、式中RがC1−6アルキル基またはC2n+1基であり、ここでnが1、2または3であり、そしてRおよびYが前述の意味を有する、式 (X) の17β−エーテルまたは17β−フルオロアルキルエーテルに変換し、これを−35 ℃〜温室において4−ブロモベンズアルデヒドケタール、マグネシウムおよびCu(I)Clと反応させて、式 (XI) :
    Figure 2004513179
    (式中、Rは水素原子、C1−6アルキル基またはC2n+1基であり、ここでnは1、2または3であり、RおよびYは前述の意味を有し、そしてRはメチル基またはエチリデン基である)
    の対応する3,3−ジメトキシ−5α−ヒドロキシ−17α−CHY−11β−ベンズアルデヒドケタールを生成し、これを保護基の酸加水分解により式 (XII) :
    Figure 2004513179
    (式中、R、RおよびYは前述の意味を有する)
    の11β−ベンズアルデヒド誘導体に変換し、そしてアルデヒド機能をヒドロキシルアンモニウム塩により一般式 (I) :
    Figure 2004513179
    (式中、XはE−またはZ−位におけるOH基である)
    のE/Z−ベンズアルドキシムの混合物に選択的に変換することを特徴とする方法。
  2. 一般式 (I) のE/Z−ベンズアルドキシムの混合物を再結晶化またはクロマトグラフィーにより個々の成分に分離する追加のプロセスを含む、請求項1に記載の方法。
  3. がC1−3アルキル基、好ましくはメチル基、またはトリフルオロメチル基である、請求項1または2に記載の方法。
  4. がC1−3アルキル基、好ましくはメチル基、またはトリフルオロメチル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. YがO C1−3アルキル基またはS C1−3アルキル基、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、メチルチオまたはエチルチオ基、またはトリフルオロメトキシ基である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 下記の化合物:
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム、
    4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−メトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1Z−オキシム、
    4−[17β−エトキシ−17α−(メトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(エトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−メトキシ−17α−(エトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(イソプロポキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−メトキシ−17α−(イソプロポキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(エチルチオメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、および
    4−[17β−ヒドロキシ−17α−(1,1,1−トリフルオロエトキシメチル)−3−オキソエストラ−4,9−ジエン−11β−イル]ベンズアルデヒド−1E−オキシム、
    を製造する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
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